JP2018186843A - 眼科装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被検眼に装置を接近または接触させてスムーズに使用できる眼科装置を提供する。【解決手段】先端部を介して被検眼に接触又は近接して配置される本体ユニットと、前記本体ユニットを支持し、前記本体ユニットを移動させることにより、前記被検眼と前記本体ユニットとの位置関係を調整するアライメント機構と、被検眼から離れる向きである後退方向への荷重が前記本体ユニットに設けられた先端部に対して加わることによって、前記本体ユニットの少なくとも一部である可動部を、前記アライメント機構に対して前記後退方向へ、前記荷重に応じて移動させる移動機構と、を備える据置型の眼科装置であって、前記可動部の移動方向が水平方向になっているか否かを確認するための水準器を備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本開示は、先端部を介して被検眼に接触又は近接して使用される眼科装置に関する。

従来より、眼科装置の一種として、被検眼に装置を接近、または、接触させた状態で使用される装置が知られている。
例えば、特許文献1には、被検眼と装置とが接近した状態で、被検眼の隅角を撮影する装置が開示されている。
国際公開2015/180923号
この種の装置では、例えば、被検眼と装置とのアライメント調整等の場面で、装置の先端部が被検者に接触した際に、瞬間的に強い圧力が、装置から被検者に対して加わりやすく、その結果として、スムーズに検査できない場合があった。
本開示は、従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、被検眼に装置を接近または接触させてスムーズに使用できる眼科装置を提供すること、を技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
先端部を介して被検眼に接触又は近接して配置される本体ユニットと、
前記本体ユニットを支持し、前記本体ユニットを移動させることにより、前記被検眼と前記本体ユニットとの位置関係を調整するアライメント機構と、
被検眼から離れる向きである後退方向への荷重が前記本体ユニットに設けられた先端部に対して加わることによって、前記本体ユニットの少なくとも一部である可動部を、前記アライメント機構に対して前記後退方向へ、前記荷重に応じて移動させる移動機構と、を備える据置型の眼科装置であって、
前記可動部の移動方向が水平方向になっているか否かを確認するための水準器を備えることを特徴とする。
本開示によれば、被検眼に装置を接近または接触させてスムーズに使用できる。
「概要」
以下、実施形態に基づいて、本開示の眼科装置を説明する。
眼科装置は、被検眼の検査または手術等に利用される。
眼科装置は、撮影による検査、眼特性の測定による検査のいずれに利用されてもよい。つまり、眼科装置は、眼科撮影装置であってもよいし、被検眼の眼特性を測定する眼科測定装置であってもよい。
眼科撮影装置の場合、被検眼の眼底を撮影してもよいし、前眼部を撮影してもよい。また、この場合、被検眼の正面画像を撮影してもよいし、断面画像(断層画像を含む)を撮影してもよい。また、実施例として示す隅角撮影装置のように、被検眼の光軸(視軸または眼軸)に対し、斜めの撮影光軸を持った撮影装置であってもよい。
また、眼科装置が手術に利用される場合、眼科装置は、レーザーを投光することで、角膜などの透光体の形状を矯正する矯正手術装置であってもよいし、光凝固治療を行う光凝固装置であってもよいし、被検眼の切開等を行う装置であってもよいし、その他の手術装置であってもよい。
眼科装置は、本体ユニットと、アライメント機構と、移動機構と、を少なくとも有する。また、これらの少なくともいずれかの動作を制御するための制御部を有していてもよい。眼科装置は、いわゆる据え置き型の装置であってもよい。
本体ユニットとしては、先端部を介して被検眼に接触又は近接して配置される本体ユニットであってもよい。本体ユニットは、例えば、光学系を備える光学ユニットであってもよいし、超音波探触子を備える超音波ユニットであってもよい。
<光学ユニット>
本体ユニットとして、光学ユニットが用いられる場合、光学ユニットは、先端部が被検眼と対向した状態で、先端部を介して被検眼へ投受光の少なくとも一方を行う光学系を備えてもよい。光学系は、被検眼の検査または手術に利用される主要な光学系であってもよい。
先端部は、例えば、眼科装置全体の中で、被検眼と最も接近する部分であってもよい。例えば、適正アライメント状態において、先端部と被検眼との間隔(つまり、作動距離)が数ミリ程度であってもよいし、先端部と被検眼とが接触されてもよい。但し、必ずしもこれに限らず、先端部と被検眼とは、適正アライメント状態において、10ミリ以上の間隔を空けて配置されてもよい。
光学ユニットは、被検者毎、または、被検眼毎に(被検者、または、被検眼が変わるごとに)着脱される着脱部材を有していてもよい。例えば、被検眼と直接的または間接的に接触する部材であって、先端部の一部または全部が、着脱部材として、着脱可能であってもよい。なお、「間接的に接触」するとは、例えば、被検眼と先端部との間に、ジェル等が介在する場合を指す。この場合、被検者、または、被検眼が変わるごとに、先端部の着脱部材が滅菌されたものに取り換えられる。また、着脱部材は、洗浄ののち再利用可能であってもよいし、使い捨てであってもよい。なお、ジェルは、被検者に接した状態でジェルを保持する容器に充填された状態で、利用されてもよい(詳細は、本出願人による「特開2002−17680号公報」等を参照)。
<撮影光学系の例>
眼科装置は、隅角画像を撮像するための撮影光学系を、光学ユニットに有していてもよい。撮影光学系は、撮影光軸に沿って、隅角領域への光の投光、および、隅角領域からの戻り光の受光を行う。
撮影光学系は、隅角の表面組織における撮影範囲の全体に対して光を照射し、撮影範囲からの戻り光を受光素子によって受光する構成であってもよい。この場合、受光素子は、二次元受光素子であってもよい。二次元受光素子は、受光面に結像される隅角の像を、隅角画像として撮像する。但し、撮影光学系は、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、撮影光学系は、ラインスキャン、または、二次元スキャンタイプの光学系であってもよい。この場合、撮影範囲に対して光をスキャン(ラインスキャンまたは二次元スキャン)することにより、スキャン毎の戻り光の受光結果として、隅角画像が画像処理部によって生成される。
撮影光学系は、投光光学系と、受光光学系と、を少なくとも有する。投光光学系は、被検眼の隅角領域へ、光を投光する。投光光学系から投光される光は、可視光であってもよいし、不可視光(例えば、赤外光)であってもよい。また、単色光であってもよいし、多色の光であってもよい。受光光学系は、隅角領域からの反射光を受光する受光素子を、少なくとも有する。
撮影光学系は、固視光軸に対して、傾斜し、且つ、隅角領域へ向かう、撮影光軸を有してもよい。この撮影光軸を介して、隅角領域に対する光が投受光される。固視光軸は、例えば、被検眼に対する固視標の投影光軸である。固視標が投影される場合、眼科装置は、固視標を投影するための固視光学系を、更に有していてもよい。
撮影光学系には、次のような対物光学系が設けられていてもよい。即ち、光源からの光を折り曲げることにより、撮影光軸を固視光軸に対して傾斜させて被検眼の隅角領域に導く、対物光学系が設けられていてもよい。撮影光学系における対物光学系は、反射系であってもよい。つまり、対物光学系には、ミラー、または、プリズム等の光を反射する部材が含まれていてもよい。対物光学系は、撮影光学系において、最も被検眼側に配置されてもよい。対物光学系によって、光源からの光であって装置の内部から外部に向かう光が、固視光軸に向けて折り曲げられる(例えば、反射される)。これによって、固視光軸に対して傾斜した撮影光軸が形成されてもよい。なお、対物光学系は、必ずしも反射系に限定されるものではなく、一部、または、全体が、屈折系(例えば、レンズ系)によって形成されていてもよい。
光学ユニットにおける先端部は、このような対物光学系の一部によって形成されていてもよい。
更に、眼科装置は、隅角の全周に対する撮影光学系における撮像位置を変位させる切換部を、有してもよい。切換部が設けられていることで、隅角の全周における複数の撮像位置にて、隅角画像を撮影することができる。
撮影光軸が固視光軸に対して傾斜している場合、切換部は、例えば、撮影光軸を、固視光軸周りに回転させるユニットであってもよい。切換部は、撮影光学系の一部、または、全体を、固視光軸の周りに回転させることで、撮影光軸を固視光軸周りに回転させてもよい。この場合、切換部は、モーターなどの駆動源を有していてもよい。
なお、切換部は必ずしもこれに限られるものでない。例えば、固視光軸に対して傾斜された撮影光軸を固視光軸周りに回転させるのではなく、切換部は、被検眼の視線の向きが大きく変位されるように、固視を誘導する構成であってもよいし、被検眼と装置との3次元的な位置関係を調整する構成であってもよいし、これらを組み合わせた構成であってもよい。
<アライメント機構>
アライメント機構は、本体ユニットを支持し、本体ユニットを移動させることにより、被検眼と本体ユニットとの位置関係を調整する。アライメント機構は、例えば、眼科装置における基台の上に設けられる。アライメント機構は、本体ユニットを、前後方向(作動距離方向)に少なくとも移動させる。更に、左右方向、および、上下方向の一方または両方に移動させてもよい。アライメント機構は、メカニカルな機構であってもよいし、電動アクチュエータにより本体ユニットを移動させる機構であってもよいし、両者を含む機構であってもよい。アライメント機構は、例えば、操作部材(例えば、ジョイスティック等)の操作に応じて手動で駆動されてもよいし、例えば、本体ユニットによって撮影される被検眼の観察画像に基づいて自動的に駆動されてもよい。
<移動機構>
移動機構(後退機構)は、後退方向への荷重が先端部に対して加わることによって、本体ユニットの少なくとも一部を後退方向へ荷重に応じて移動させる。この場合、本体ユニットは、アライメント機構に対して後退(後退方向へ移動)される。
便宜上、以下では、本体ユニットのうち、移動機構によって後退される部分を、「可動部」と称する。可動部が、本体ユニットの一部である場合、可動部には、少なくとも本体ユニットの先端部が含まれてもよい。また、本体ユニットの内部の光学系が、テレセントリック光学系を含む場合、光束がテレセントリックとなっている箇所から、被検眼側の部材が、可動部として変位可能であってもよい。勿論、これに限らず、光学系の一部が可動部として移動されてもよい。
先端部が被検眼と接触した際に、先端部から被検眼へ瞬間的に加わる力が、移動機構によって可動部が移動されることで低減される。なお、ここでいう、後退方向は、被検眼から離れる向きである。また、後退方向の反対方向を、前進方向と称する。
移動機構は、メカニカルな機構であってもよい。例えば、可動部を前進方向へ付勢するための付勢部(付勢手段)を有してもよい。付勢部は、例えば、弾性部材の弾性変形を利用して付勢する機構であってもよいし、可動部の自重を利用して付勢する機構であってもよいし、これ以外の原理で付勢する機構であってもよい。弾性部材の具体例として、ばね、および、ゴム等のいずれかが適用されてもよい。
移動機構は、アライメント機構とは独立に、可動部を移動させてもよい。この場合、移動機構は、アライメント機構と、光学ユニットとの間に設けられていてもよい。つまり、アライメント機構の上部に、移動機構が設けられる。これにより、移動機構が可動部を後退方向へ移動させるうえで、アライメント機構の重量の影響を受けにくくなるので、少ない荷重でスムーズに可動部が後退しやすくなる。
<水準器>
本実施形態の眼科装置は、検眼台、手術台等に載置される据置型の眼科装置であってもよい。この場合、本実施形態の眼科装置には、後退機構による可動部の移動方向が水平方向になっているか否かを確認するための水準器が設けられてもよい。これによって、例えば、後退機構を適正に作動させることできるか否かを確認することができる。なお、本実施形態に係る水平方向とは、水平面(重力が働く方向に垂直な面)に対して平行な方向として説明される。
例えば、水準器は、前後方向に関する水平状態を確認するための水準器が用いられてもよいし、水準器は、前後方向及び左右方向に関する水平状態を確認するための水準器が用いられてもよい。
なお、水準器は、眼科装置の筐体外面に設けられてもよい。また、水準器は、可動部の移動方向が水平方向になっているか否かを目視可能であってもよい。これによって、例えば、後退機構を適正に作動させることが否かを容易に確認できる。
<傾き調整機構>
本実施形態の眼科装置には、可動部の移動方向の傾きを調整するための傾き調整機構が設けられてもよい。この場合、例えば、可動部の移動方向の傾きが水平方向に対して調整されてもよい。これによれば、後退機構が適正に作動できるように、可動部の移動方向の傾きを調整することが可能となる。
<変容例>
なお、上記説明においては、移動機構(後退機構)による可動部の移動方向が水平方向になっているか否かを確認するための水準器を例としたが、これに限定されない。例えば、水準器は、本体ユニットの移動方向が水平方向であるか否かを確認するために設けられた構成であってもよく、例えば、アライメント機構による本体ユニットの移動方向が水平方向であるか否かを確認するために設けられてもよい。これによって、例えば、被検眼に対して本体ユニットを水平方向にアライメントできるか否かを確認できる。また、水準器は、本体ユニットが水平であるか否かを確認するために設けられた構成であってもよい。これによって、例えば、被検眼に対して本体ユニットが保持されるため、適正な検査、手術等が可能となる。
「実施例」
以下、図面を参照して、本開示に係る眼科装置の実施例を示す。
<装置構成>
図1を参照して、眼科装置1における概略的な装置構成を説明する。なお、以下の説明では、図1に示すX方向を左右方向、Y方向を上下方向、Z方向を前後方向として説明する。
実施例に係る眼科装置1は、被検眼の隅角による反射画像を撮影する隅角撮影装置である。眼科装置1は、被検眼Eの視軸に対して、斜め方向の撮影光軸を持つ。そして、眼科装置1は、撮影光軸に沿って、照明光の投光、および、隅角部分からの反射光の受光を行い、これにより、被検眼の隅角部分における反射画像を撮影する。このようにして隅角の反射画像を撮影するためには、撮影光軸を視軸に対して大きく傾斜させる必要がある。それ故、眼科装置1の作動距離(適正なアライメント状態における被検眼Eの角膜面から先端部11までの距離)は、数mm程度と比較的短く設定される場合が考えられる。
図1に示すように、眼科装置1は、光学ユニット10、後退機構20(本実施例における「移動機構」)、アライメント機構4,5、を有する。また、本実施例では、眼科装置1は、基台3、顔支持ユニット6、ジョイスティック7、モニタ8、等を有する。
光学ユニット10は、隅角の反射像の撮影に利用される主要な光学系(以下、本実施例において、「撮影光学系」と称す)を有する。本実施例において、光学ユニット10(撮影光学系)は、所定方向に固視されたときの被検眼Eの視軸に対して斜め方向に、照明光を投影する。これにより、被検眼Eの隅角、および、その近傍(以下、まとめて、「隅角部分」と称する)に、照明光が照射される。そして、隅角部分からの反射光は、撮影光軸に沿って光学ユニット10の内部に導かれ、光学ユニット10に設けられた受光素子(例えば、二次元撮像素子)で受光される。その結果として出力される受光素子からの受光信号に基づいて、眼科装置1は、隅角部分の反射画像を取得する。
このときの光学ユニット10における投受光は、光学ユニット10の先端部11を介して行われる。本実施例において、先端部11には、視軸に対して撮影光学系の光軸を傾けるための反射部材が、(対物反射部50(図4参照)の少なくとも一部として)設けられている。以下では、反射部材の例として、プリズムが設けられているものとする。照明光の角膜反射光が、ノイズとして受光素子へ導かれることを抑制するために、プリズム(つまり、先端部11)は、ジェルGを介して、角膜と間接的に接触される。このため、プリズムは、被検者が変わる度に滅菌等が必要となるので、光学ユニット10から着脱可能となっている。
光学ユニット10に適用可能な光学系の詳細については、図4を参照して後述する。
実施例において、光学ユニット10は、カバー10a内に収容される。但し、先端部11については、カバー10aの外に露出される。図1に示すように、先端部11がカバー10aから突出するようにして、露出されてもよい。
本実施例において、モニタ8は、光学ユニット10を介して撮影された隅角画像を表示する。また、本実施例において、種々の報知動作を行う「報知部」として利用される。
基台3は、アライメント機構4,5、および、顔支持ユニット6を、支持する。
本実施例におけるアライメント機構4,5は、移動台4と、Y駆動部5とに大別される。このうち、移動台4は、メカニカルな機構によって作動され、Y駆動部5は、電動式のアクチュエータによって作動される。
移動台4は、基台3の上に配置され、基台3との間に、メカニカルな移動機構を有する。この移動機構は、XZ方向に移動台4を移動させ、その結果、XZ方向に関する被検眼Eと光学ユニット10との位置関係を調整する。検者は、ジョイスティック7を操作することによって、移動台4を基台3に対して移動させる。
本実施例におけるY駆動部5は、移動台4の上に更に積載され、後退機構20および光学ユニット10を支持する。Y駆動部5は、眼科装置1の制御部80(図5参照)からの制御信号に基づいて、後退機構20と共に、光学ユニット10をY方向に移動させる。結果、Y方向に関して、被検眼Eと光学ユニット10との位置関係が調整される。
なお、更に、XZ方向に関しても、電動式のアクチュエータによって作動される駆動機構(XY駆動部)を有していてもよい。この場合、XZ駆動部の上に、Y駆動部5が積載されることが好ましい。
本実施例において、光学ユニット10を収容するカバー10aは、アライメント機構4,5に対して固定される。一例として、以下では、特に、Y駆動部5bに対してカバー10aが固定されているものとして、説明する。
後退機構20は、先端部11に対して後退方向への荷重が加わることによって、光学ユニット10を、後退方向へ荷重に応じて移動させる。実施例として示す図1の後退機構20は、先端部11に対する荷重を動力とする、メカニカルな機構である。本実施例における後退機構20は、光学ユニット10全体を、一体的に後退させる。但し、必ずしもこれに限られるものではなく、後退機構20は、光学ユニット10のうち、先端部11を含む一部を後退させる機構であってもよい。
<後退機構の詳細説明>
ここで、実施例に係る後退機構20の詳細構成を、図2および図3を参照して説明する。なお、図2,図3において、斜線によるハッチングを付した部分が、少なくともZ方向に関して、アライメント機構4,5と一体的に移動する部分であり、ハッチングの無い部分(主には、光学ユニット10)が、アライメント機構4,5とは独立して、Z方向に移動し得る部分である。
図2,図3に示すように、実施例における後退機構20は、少なくともガイド22を有する。また、後退機構20は、このガイド22を、アライメント機構4,5の上部に取り付けるための台座21を更に有している。
図2,図3に示すガイド22は、Z方向に光学ユニット10を移動させるためのリニアガイドである。ガイド22は、例えば、レールと、キャリッジと、を含む。レールは、台座21側に固定され、キャリッジは、光学ユニット10側に固定される。レールは、Z方向に伸びており、光学ユニット10に取り付けられたキャリッジがこのレールに沿って摺動される。つまり、光学ユニット10が、Z方向に移動可能となっている。
図2,図3に示す後退機構20は、コイルばね23(「付勢手段」の一例)を持つ。本実施例におけるコイルばね23は、引っ張りばねであるが、これに代えて、圧縮ばねが適用されてもよい。また、コイルばね23に代えて、板ばねが適用されてもよい。先端部11に荷重が加えられていない状態において、光学ユニット10を、最も前進させた位置(以下、「基準位置」と称する)にて配置させる。先端部11に対して後退方向への荷重が加わることで、コイルばね23の弾性変形を伴って、光学ユニット10は、基準位置から後退される。このようにして、本実施例における後退機構20は、光学ユニット10を、先端部11に対して加わる後退方向の荷重に応じて移動させる。結果、先端部11が被検眼Eと接触した際に、先端部11から被検眼Eへ瞬間的に加わる力が、光学ユニット10が移動されることにより低減される。
眼科装置1には、光学ユニット10の前進をロックするためのロック機構25a,25
b(実施例における「切換機構」)が設けられている。実施例におけるロック機構25a
,25bは、後退機構20による光学ユニット10の移動(少なくとも後退)を許容する状態と、移動を制限(ロック)する状態と、の間で、後退機構20の状態を検者の操作に基づいて切換える。ロック機構25a,25bは、光学ユニット10の移動をロックする
ときの操作に基づいて、光学ユニット10を後退機構20によって後退させる。つまり、ロック機構25a,25bは、光学ユニット10を、検者による操作に基づいて後退させ
、更に、後退させた位置にて、光学ユニット10の移動を制限する。このとき、光学ユニット10は、後退方向へは、コイルばね23によって移動しにくくなっているので、ロック機構25a,25bは、少なくとも前進を制限するものであってもよい。勿論、ロック
機構25a,25bは、光学ユニット10の後退についても制限する構造であってもよい
図2,図3に示すロック機構25a,25bは、カム機構25a、および、当接部25
bと、を含む。図2,図3の例では、カム機構25aが台座21側に、当接部25bが光学ユニット10側に設けられている。但し、これに限定されず、カム機構25aが光学ユニット10側、当接部25bが台座21側にそれぞれ設けられていてもよい。
カム機構25aは、カム26と、レバー27と、を有する。レバー27は、ロック機構25を作動させるために、検者によって操作される操作部の1例である。本実施例において、少なくともレバー27は、カバー10aから外部に露出して、配置される。レバー27は、カム26に対して固定されており、検者によってレバー27が、(図3の正面視にて時計回りに)倒されることで、カム26は、所定の軸周りに回転する。
当接部25bは、レバー27が検者によって倒される場合に、カム26と当接しながら後退する。このとき、当接部25bと固定される光学ユニット10も、併せて後退する。
図3に示すように、カム26の外周には、当接部25bを保持するための凹部が、形成されている。凹部は、光学ユニット10が基準位置から所定距離だけ後退した位置に配置される場合に当接部25bと当接する、カム26の外周部分に形成されている。実施例では、凹部に、当接部25bが保持される(より詳細には、浅く嵌る)ことによって、前述のコイルばね23からの弾性力のみでは、光学ユニット10が前進されない状態となる。これによって、光学ユニット10の移動がロックされる。つまり、光学ユニット10が基準位置から所定距離だけ後退した位置で、光学ユニット10の移動がロックされる。
本実施例のロック機構25は、カム26の凹部に当接部25bが浅く嵌ることで、光学ユニット10の移動が簡易的にロックされる。このとき、レバー27の位置も固定される。そこから、検者がレバー27を更に倒す(又は、引き戻す)と、ロックが解除される。つまり、光学ユニット10の移動を許容する状態に切り替わる。
本実施例では、ロック位置において、光学ユニット10がロックされたことを検出するセンサ29が、後退機構20に設けられている。本実施例では、ロック機構25が操作されて第2のロック位置へ光学ユニット10が到達した際、上述のように自動的に光学ユニット10の移動がロックされる。このため、センサ29は、光学ユニット10がロック位置に到達したことについての検出を行うものであってもよい。例えば、本実施例では、センサ29としてフォトカプラが利用される。勿論、これに限られるものでない。例えば、本実施例において、センサ29は、カム26の凹部に設けられ、当接部25との当接を検出する圧力センサ等であってもよいし、光学ユニット10がどの位置にあるかについて検出するポジションセンサであってもよい。
本実施例では、センサ29からの出力信号に基づいて、光学ユニット10からの投受光の制御、および、報知動作が実行される(詳細については後述する)。
<水準器>
本実施例に係る眼科装置には、例えば、水準器100が設けられてもよい。水準器100は、例えば、後退機構20による光学ユニット10の移動方向が水平方向になっているか否かを確認するために設けられてもよい。この場合、水準器100は、前後方向(Z方向)に関する水平状態を確認可能な構成であってもよく、当該構成によって、後退機構20による光学ユニット10の移動方向が水平方向になっているか否かが確認されてもよい。また、水準器100は、前後方向に加え、左右方向も含めて水平状態を確認可能な構成であってもよい。
水準器100は、眼科装置の筐体外面に設けられてもよく、水準器100は、例えば、装置筐体の右側面又は左側面に設けられてもよいし、装置筐体の上面に設けられてもよい。水準器100の配置位置は、これに限定されず、例えば、装置内部に配置されてもよい。
水準器100としては、例えば、気泡型水準器が用いられてもよいし、電子型水準器が用いられてもよい。電子型水準器としては、例えば、傾きセンサ(ジャイロセンサー又は加速度センサ )が用いられてもよい。
水準器100は、例えば、後退機構20による光学ユニット10の移動方向が水平方向になっているか否かを目視可能であってもよい。この場合、気泡型水準器の気泡の位置が確認されることで、光学ユニット10の移動方向が水平方向になっているか否かが確認され、水平に対応する位置に気泡が位置するように、後退機構20による光学ユニット10の移動方向の傾きが調整されてもよい。
<傾き調整機構>
本実施例に係る眼科装置には、例えば、傾き調整機構200が設けられてもよい。傾き調整機構200は、例えば、後退機構20による光学ユニット10の移動方向の傾きを調整するために設けられてもよい。
傾き調整機構200としては、例えば、基台3の下部に設けられる水平調節脚202であってもよい。水平調節脚202は、基台3の下部の4隅に設けられてもよい。なお、4隅に水平調節脚202が設けられることで、後退機構20による光学ユニット10の移動方向の傾きが前後方向に関して調整されることに加え、左右方向に関する傾きも調整可能となる。また、これに限定されず、水平調節脚202は、基台3の下部の少なくともいずれか1点に設けられてもよい。
水平調節脚202は、例えば、接地部204と、ネジ部206と、を備えてもよい。基台3の底面には、図示無き雌ネジ部が形成されている。ネジ部206は、雌ネジ部にネジ作用で取り付けられており、基台3の底面から垂直に突出している。
ここで、水平調節脚202が操作されると、眼科装置全体の傾きが調整され、結果として、後退機構20による光学ユニット10の移動方向の傾きが調整される。ここで、後退機構20による光学ユニット10の移動方向が水平方向になっているか否かが水準器100を用いて確認される。水平方向になっていない場合、後退機構20による光学ユニット10の移動方向が水平方向であることが確認されるまで、水平調節脚202によって眼科装置全体の傾きが調整される。
ここで、後退機構20による光学ユニット10の移動方向が水平面に対して前傾(被検眼側が下がるように傾斜)しすぎた状態で、眼科装置が検眼台等に設置された場合、前傾方向への荷重がかかるので、後退機構20をスムーズに作動しない場合がある。また、後退機構20による光学ユニット10の移動方向が水平面に対して後傾(検者側が下がるように傾斜)しすぎた状態で、眼科装置が検眼台等に設置された場合、後傾方向への荷重がかかるので、不意に、後退機構20が作動してしまう可能性がある。
これに対し、水準器100及び傾き調整機構200によれば、眼科装置の設置状態に関わらず、後退機構20による光学ユニット10の移動方向を水平方向に配置できるので、後退機構20を確実に作動させることが可能となる。
なお、水準器100及び傾き調整機構200が用いられるタイミングとしては、例えば、本実施例に係る眼科装置が、載置台(例えば、検眼台)に設置されるときであってもよい。また、これに限定されず、眼科装置の設置完了後、定期的に、水準器100を用いた確認と、傾き調整機構200を用いた傾き調整と、が行われてもよい。
なお、水準器100としては、後退機構20による光学ユニット10の移動方向が水平方向であるかどうかを厳密に確認可能である必要は必ずしもなく、例えば、後退機構20が適正に作動する範囲内において、後退機構20による光学ユニット10の移動方向が水平方向であるかどうかを確認可能な構成であってもよい。
<調整工程>
次に、調整工程(例えば、製造段階)の一例を示す。調整工程においては、例えば、後退機構20のガイド22の空きスペースに水準器(水準器100とは別の水準器であってもよい。)を前後方向に関して配置した状態において、水準器において水平であることが確認されるまで、傾き調整機構200によってガイド22の前後方向の傾きを調整する。これによって、後退機構20の移動方向が水平方向に設定される。
次に、水準器100を眼科装置に取り付ける。この場合、例えば、水準器100が水平であることを示すように、水準器100を眼科装置に取り付ける。これによって、後退機構20による光学ユニット10の移動方向が水平方向になっているか否かを、水準器100によって確認可能となる。なお、上記のように傾き調整機構200が調整された状態で、出荷が行われてもよい。
<変容例>
なお、上記実施例においては、水準器100として気泡型水準器が用いられたが、これに限定されない。水準器100として、例えば、電子型水準器が用いられてもよい。電子型水準器として、傾きセンサ(ジャイロセンサー 又は加速度センサ )が用いられてもよい。
電子型水準器が用いられる場合、電子型水準器によって検出される水平状態がモニタ(例えば、モニタ8)に表示されてもよい。この場合、例えば、モニタに表示される水平インジケータ等を見ながら、傾き調整が行われてもよい。
また、後退機構20による光学ユニット10の移動方向が水平方向でないことが電子水準器によって検出された場合、移動方向が傾いている旨がアラームとして報知されてもよい。報知手段としては、例えば、モニタによる報知であってもよいし、音声発生部により報知であってもよい。
なお、上記実施例においては、傾き調整機構200として水平調節脚202が用いられたが、これに限定されない。傾き調整機構200としては、電動式又は機械式の昇降機構が設けられてもよい。
<光学系>
次に、図4を参照して、光学ユニット10に設けられた光学系を説明する。光学ユニット10は、撮影光学系30を少なくとも有している。また、本実施例では、更に、固視光学系70を有している。
便宜上、まず、固視光学系70を説明する。固視光学系70は、少なくとも、固視光源(固視標)71を、有する。また、図4において、固視光学系70は、更に、アパーチャ72、レンズ73、および、ミラー74、を有する。光源71から出射された光は、アパーチャ72を介して、レンズ73を通過することで、所定の光束径でコリメートされる。コリメートされた光が、ミラー74によって折り曲げられて、被検眼Eに対して投影される。図4では、固視光学系70の光軸(より詳細には、固視光学系70の光軸のうち、ミラー74から被検眼Eまでの範囲)を、L1の符号で表す。また、L1を、固視光軸と称する。図4に示す撮影光学系30の各部材は、固視光軸を基準として配置されている。
撮影光学系30は、投光光学系40と、受光光学系60と、を有する。また、撮影光学系30は、撮影光軸L2を有する。撮影光軸L2は、固視光軸L1に対して傾斜配置され、且つ、被検眼Eの隅角へ向かう。
投光光学系40は、対物反射部50と、光偏心部48と、を、少なくとも有する。また、実施例において、投光光学系40は、光源41、レンズ42、アパーチャ43、レンズ44、ミラー45、リングアパーチャ46、穴開きミラー47、レンズ49、を、有している。
光源41は、隅角に照射される照明光の光源である。本実施例において、光源41は、可視光を出射する。以下の説明では、隅角画像をカラー画像として得るために、波長域が異なる複数色の光(例えば、白色光)を、少なくとも出射可能であるものとする。
光源41からの光(照明光)は、レンズ42、アパーチャ43、レンズ44、ミラー45、リングアパーチャ46、および、穴開きミラー47、を経由して、光偏心部48に入射される。
ここで、リングアパーチャ46は、撮影光学系30の内部での反射による迷光を抑制するために設けられている。例えば、レンズ48c,レンズ49等の光源41側の表面による反射が、リングアパーチャ46によって抑制される。
また、穴開きミラー47は、投光光学系40と、受光光学系60との光路を分岐させる光路分岐部の一例である。穴開きミラー47に代えて、ハーフミラー等の他のビームスプリッタが適用されてもよい。本実施例では、光源41からの光は、穴開きミラー47の鏡面によって、光偏心部48に向かうように反射される。
なお、本実施例では、穴開きミラー47で反射された照明光の光路中心が、固視光軸L1と同軸となっている。
光偏心部48は、照明光の光路を、固視光軸L1に対して偏心させる。本実施例では、平行に配置された2枚のミラー48a,48bを用いて照明光の光路中心を、固視光軸L1に対して所定間隔だけ、シフトする。シフトされた照明光は、レンズ48cを通過して、光偏心部48から外に照射される。
レンズ49、および、対物反射部50は、それぞれの光軸が、光偏心部48によって偏心された照明光の光路中心から離れた位置に配置されている。本実施例において、レンズ49、および、対物反射部50における、それぞれの光軸は、固視光軸L1と同軸に配置されている。
レンズ49は、マイナスパワーを持つレンズであり、光偏心部49から、固視光軸L1と略平行に出射される照明光を、固視光軸L1から離れる向きに折り曲げて、対物反射部50に入射させる。
対物反射部50は、照明光を、固視光軸L1側に折り曲げる反射面を持つ。反射面によって反射された照明光の光軸を、固視光軸L1に対して大きく傾斜するように折り曲げて、装置外部に導く。このとき、装置外部へ導かれる光軸が、本実施例における撮影光軸L2として利用される。装置からの照明光は、撮影光軸L2に沿って、被検眼Eの隅角領域へ照射される。
本実施例において、対物反射部50には、複数枚の反射面が、光軸周りに並べられて配置されている。対物反射部50の具体例として、本実施例では、例えば、正多角形を底面に持つ、錐台形状のプリズムが利用されるものとする。より詳細には、底面は、正16角形であり、16枚の側面を有するプリズムが利用される。本実施形態では、被検眼Eからみて、0°、22.5°、45°、67.5°、90°・・・(中略)…337.5°の各方向に、固視光軸L1に向けられた反射面が配置されている。なお、各々の角度は、固視光軸L1を基準とした角度である。また、説明の便宜上、0°は、水平面上とする。
但し、反射面は、複数枚に分かれている必要は、必ずしもなく、一連の曲面で形成されていてもよい。また、対物反射部50は、必ずしもプリズムである必要はなく、例えば、反射鏡であってもよい。反射鏡の場合、光軸側に反射面を持つ、筒状の多面鏡または曲面鏡であってもよい。
ここで、本実施例の眼科装置1は、光偏心部48を、固視光軸L1の周りに回転させる駆動部48d(図4参照)を有する。光偏心部48の回転に応じて、レンズ49および対物反射部50に対する照明光の入射位置が、固視光軸L1の周りに回転される。その結果、撮影光軸L2が固視光軸L1の周りに回転され、結果として、隅角の全周における照明光の照射位置が、変位される。
本実施例では、対物反射部50(プリズム)と、角膜と、の間に、ジェルGが介在される。
投光光学系40が照射した照明光は、隅角領域で反射され、撮影光軸L2を辿って装置内部の受光光学系60へ導かれる。
本実施例において、受光光学系60は、撮像素子(受光素子の一例)62を、少なくとも有する。また、受光光学系60は、対物反射部50、および、穴開きミラー(ビームスプリッタ)47を、投光光学系40と少なくとも共用する。更に、光偏心部48、レンズ49、等を、を投光光学系40と共用していてもよい。また、受光光学系60は、フォーカスレンズ61を有する。フォーカスレンズ61は、本実施例の撮影光学系30におけるフォーカス変更部の一部である。フォーカスレンズ61を光軸に沿って移動させる駆動部61aが、眼科装置1には設けられている。駆動部61aは、例えば直動アクチュエータを含んでいてもよい。
隅角領域からの反射光は、対物反射部50、レンズ49、および、光偏心部48を介して、穴開きミラー47へ照射される。その後、反射光は、穴開きミラー47の開口、および、フォーカスレンズ61、をそれぞれ通過して、撮像素子62において結像される。結果、隅角の全周において照明光が照射された部位を撮像位置とする、隅角画像が、撮像素子62からの受光信号に基づいて得られる。
また、光偏心部48を回転させ、撮影光軸L2を固視光軸L1の周りに回転させることにより、隅角の全周における撮像位置を切換えることができる。前述したように、本実施例では、対物反射部50が、16枚の反射面を有するので、隅角の全周を16分割してその各々を、選択的に撮像できる。
<制御系>
次に、図5を参照して、本実施例における眼科装置1の制御系を説明する。眼科装置1は、制御部(プロセッサ)80を備える。制御部80によって、装置全体の制御処理および各種演算処理が実行される。
制御部80は、CPU、ROM、RAM等を含んでいてもよい。RAMには、例えば、撮影および測定に用いる一時データが格納される。
制御部80は、例えば、バス等を介して、アライメント機構5、モニタ8、センサ29、記憶装置81、操作部85、各種光源41,71、撮像素子62、等を備える。各種光源41,71の中には、光学ユニット10から被検眼Eへ照射される照明光の光源が含まれていてもよい。撮像素子62は、光学ユニット10に設けられており、隅角部分からの反射光を受光し、隅角画像を得るための信号を出力する。
記憶装置81は、書き換え可能な不揮発性の記憶装置である。記憶装置81としては、ハードディスク、フラッシュメモリ、USBメモリ等の種々の記憶装置が適用可能である。また、記憶装置81には、例えば、眼科装置1に撮影動作等の各種動作を実行させるためのプログラムが、少なくとも格納されていてもよい。
眼科装置1によって撮像される隅角画像は、記憶装置81に保存されてもよい。また、モニタ8において表示されてもよい。
操作部85は、眼科装置1における入力インターフェイスである。操作部85が検者によって操作されることによって、操作に応じた指示が、制御部80に入力される。操作部85としては、例えば、マウス、および、タッチパネル等のポインティングデバイスであってもよいし、キーボードであってもよい。また、眼科装置1において、アライメントのために操作されるジョイスティック7が、操作部85の1つとして利用されてもよい。
<動作説明>
眼科装置1の制御部80は、センサ29から出力される信号に応じて、撮影モード(第1のモード)と、第2のモードと、に眼科装置のモードを切り替える。光学ユニット10の移動が許容されているときにセンサ29から出力される信号に基づいて第1のモードが設定され、光学ユニット10の移動がロック機構25a,25bによってロックされているときにセンサ29から出力される信号に基づいて第2のモードが設定される。
例えば、アライメント動作、および、撮影動作等は、第1のモードが設定されている場合において、実行される。この場合、制御部80は、例えば、観察時、又は、レリーズ時に、光学ユニット10に、照明光およびその隅角部分からの反射光を、投受光させる。
一方、第2のモードが設定されている場合、制御部80は、光学ユニット10による投受光(少なくとも、照明光の投光、および、その反射光の受光)を停止させてもよい。例えば、光学ユニット10の部品交換を行う際に、装置からの光が、検者の眼に照射されてしまうことが抑制される。
また、例えば、制御部80は、第2のモードが設定されている場合、モニタ8を介して、報知動作を行う。例えば、モニタ8に、ロック状態である旨を示す情報を表示させてもよい。例えば、アライメント中に、第2モードが設定され、報知が行われれば、検者は、先端部11が被検眼Eと接触して被検眼を押し付けていることを報知に基づいて把握できる。また、例えば、検者が、ロックの解除操作を忘れて、装置を動作させようとすることが抑制されると考えられる。
<変形例>
実施例における後退機構20は、レールと、キャリッジとの組み合わせによるガイド22を持つものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、実施例の後退機構20に代えて、ラック&ピニオン等、の他の直動ガイドが適用されてもよいし、それ以外の機構が適用されてもよい。
また、実施例では、カムを利用したロック機構25を持つものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、レールとキャリッジを持つ場合、ロック機構25に代えて、両者の間で生じる抵抗(摩擦)を検者による操作に応じて増減させる機構が適用されてもよい。また、ロック機構25に代えて、ロックする際に、光学機構10を後退させる操作を伴わない機構が適用されてもよい。例えば、光学ユニット10が第2のロック位置に配置されている場合にのみ、光学ユニット10の移動をロックする操作が可能となる構成であってもよい。
また、実施例におけるロック機構25は、機械的な要素のみからなる機構であったが、ロック機構は、必ずしもメカニカルな機構である必要はない。例えば、電磁気的な要素を含むものであってもよい。電磁気的な要素としては、ソレノイド、および、種々のアクチュエータ等が考えられる。ソレノイドを用いる場合には、ソレノイドから発せられる磁力が、光学ユニット10側と、台座21側で直接作用し、光学ユニット10の移動がロックされた状態と、ロックが解除された状態と、に切換る機構であってもよい。また、ソレノイドが、メカニカルなロック機構のアクチュエータに利用されてもよい。電磁気的な要素をロック機構に採用する場合、併せて、光学ユニット10が所定のロック位置に到達したことを検出するセンサが設けられてもよい。この場合、センサからの出力信号に基づいて、制御部80が、ロック機構を制御し、光学ユニット10の移動がロックされた状態と、ロックが解除された状態と、に切換る。
実施例における眼科装置の概略構成を示した模式図である。 被検眼の側から見た、光学ユニット、および、移動機構を示した図である。 (a)は、光学ユニットが基準位置にある状態を示し、(b)は、光学ユニットの移動が操作部に対する操作に基づいてロックされた状態を示した図である。 眼科装置の光学系を示した図である。 眼科装置の制御系を示した図である。
1 眼科装置
4 移動台
5 Y駆動部
8 モニタ
10 光学ユニット
10a カバー
11 先端部
20 後退機構
23 コイルばね
25a,25b ロック機構
27 レバー

Claims (4)

  1. 先端部を介して被検眼に接触又は近接して配置される本体ユニットと、
    前記本体ユニットを支持し、前記本体ユニットを移動させることにより、前記被検眼と前記本体ユニットとの位置関係を調整するアライメント機構と、
    被検眼から離れる向きである後退方向への荷重が前記本体ユニットに設けられた先端部に対して加わることによって、前記本体ユニットの少なくとも一部である可動部を、前記アライメント機構に対して前記後退方向へ、前記荷重に応じて移動させる移動機構と、を備える据置型の眼科装置であって、
    前記可動部の移動方向が水平方向になっているか否かを確認するための水準器を備えることを特徴とする眼科装置。
  2. 前記可動部の移動方向の傾きを調整するための傾き調整機構を備えることを特徴とする請求項1の眼科装置。
  3. 前記水準器は、前記眼科装置の筐体外面に設けられており、前記可動部の移動方向が水平方向になっているか否かを目視可能であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかの眼科装置。
  4. 前記水準器は、電子式水準器であって、
    前記電子式水準器から検出信号に基づいて前記可動部の移動方向が水平方向に対して傾斜している旨を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの眼科装置。


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