JP2018186343A - 無線通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】多値FSK変調方式を使用した無線通信装置において、受信感度劣化に起因する通信エラーを低減する。【解決手段】送信側では、4値(+3,+1,−1,−3)のプリアンブル及び同期ワードを有する4値FSK部と、それらに続く2値(+3,−3)のプリアンブル、同期ワード、及びデータを有する2値FSK部で構成された4値FSK方式の通信データフォーマットのデータを送信する。受信側では、ノイズや受信劣化により2値の部分が4値に変化してエラーになっても、変換テーブルに従って4値を2値に変換してエラーを訂正する。【選択図】図2

Description

本発明は多値FSK(Frequency Shift Keying:周波数シフトキーイング)変調方式の無線通信装置に関する。
ガスメータや水道メータの自動検針、或いは火災や異常事態の監視等に用いられる遠隔監視システムが知られている。これらの遠隔監視システムでは、多値FSK変調方式として4値FSK変調方式の無線技術が使われるものがある(特許文献1)。
4値FSK変調方式では、データ送信側では4つのシンボルの+3、+1、−1、−3に対して、それぞれ、4つの周波数偏移の+945Hz、+315Hz、−315Hz、−945Hzを割り当てて変調する。データ受信側では、4つの周波数偏移を電圧に変換し、閾値を設定して4つのシンボルを判定する。そして、得られた4つのシンボルデータを、それぞれ01(+3)、00(+1)、10(−1)、11(−3)に変換して遠隔監視のセンサ側のデータとして取り出す。
特開2010−161676号公報
しかしながら、4値FSKの変調方式では、図8Aに示すような通信距離が短く受信電界レベルに余裕がある場合は、エラーのないデータを取り出すことができるが、図8Bに示すような通信距離が長くなる場合や受信側付近に妨害波源がある場合、受信感度劣化が起こり、閾値との比較によるシンボル判定でエラー(通信エラー)が発生するという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、多値FSK変調方式を使用した無線通信装置において、受信感度劣化に起因する通信エラーを低減することである。
本発明に係る無線通信装置は、送信する多値FSK変調方式の通信データフォーマットのデータとして、多値のプリアンブル部分及び同期ワード部分を有する第1のFSK部と、それらに続く前記多値より少ない値のプリアンブル部分、同期ワード部分、及びデータ部分を有する第2のFSK部を生成するFSKデータ生成手段と、受信した前記通信データフォーマットのデータの前記第2のFSK部のデータ部分で通信エラーにより多値に変化したデータを所定の変換規則で前記多値より少ない値のデータに変換することにより前記通信エラーを訂正する手段と、を有する無線通信装置である。
本発明によれば、多値FSK変調方式を使用した無線通信装置において、受信感度劣化に起因する通信エラーを低減することができる。
本発明の実施形態に係る無線通信装置の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る無線通信装置における通信データフォーマットを示す図である。 本発明の実施形態に係る無線通信装置における受信動作の概要について説明するための図である。 図1における送信部、受信部、及び制御部の要部構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る無線通信装置における送信側のFSK処理に関するデータと波形のタイミングを示す図である。 本発明の実施形態に係る無線通信装置における受信側の正常時のFSK処理に関するデータと波形のタイミングを示す図である。 本発明の実施形態に係る無線通信装置における受信側の異常時のFSK処理に関するデータと波形のタイミングを示す図である。 従来の4値FSK変調方式の受信動作の概要について説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
〈無線通信装置の構成〉
図1は、本発明の実施形態に係る無線通信装置の概略構成を示す図である。
この無線通信装置1は、例えば、ガスメータや水道メータの自動検針、或いは火災や異常事態の監視等に用いられる遠隔監視システムに用いられるものであって、制御部11と、それぞれが制御部11に接続された送信部12、受信部13、記憶部14、表示部15、及び操作入力部16、並びに送信部12と受信部13の入出力を切り替えるスイッチ部17、及び電波の送受信を行うアンテナ18を備えている。
制御部11は、例えばマイクロプロセッサ及びその周辺回路等で構成され、この無線通信装置全体の制御や演算処理等を行う。送信部12は、制御部12から出力される0,1の符号からなる元データを多値FSK変調方式としての4値FSK変調方式の信号に変換し、スイッチ部17を通してアンテナ18から送信する。受信部13は、アンテナ18で受信され、スイッチ部17を通して入力される4値FSK変調方式の信号を復調し、制御部11に出力する。
記憶部14は、ROMなど不揮発性メモリ、フラッシュメモリ等の書換え可能な不揮発性メモリ、RAM等の揮発性メモリからなる。そして、ROMには無線通信装置1を動作させるために必要な制御プログラムが格納されている。また、RAMには制御部11が実行中の各プログラムや、それらの実行に必要な情報が格納される。また、書換え可能な不揮発性メモリには、各種設定データ(例えば後述する表1〜3に示されているテーブル)などが格納される。
表示部15は、LED等で構成されており、無線通信装置1の動作状態等を表示するユーザI/Fである。操作入力部16は、ボタンやスイッチ等からなり、無線通信装置1に対する所定の設定を入力するためのユーザI/Fである。
〈通信データフォーマットの構成〉
図2は、本発明の実施形態に係る無線通信装置における通信データフォーマットを示す図である。
通信データフォーマットの構成は、4値FSK部として4値のプリアンブル及び4値の同期ワードを備え、2値FSK部として2値のプリアンブル、2値の同期ワード、及び2値のデータを備えている。4値FSK部は+3、−3、+1、−1の4つのシンボルを使用し、それぞれ01、11、00、10の4種類のデータで構成される。一方、2値FSK部は+3、−3の2つのシンボルを使用するので、01、11のみで構成されることになる。2値のプリアンブルパターンは01、11の繰り返しで作られ、受信側となった無線通信装置はここで同期を取る。4値FSK部、2値FSK部は、それぞれ本発明における第1のFSK部、第2のFSK部に対応する。
本実施形態では、467MHz−5Wの簡易無線の規格に沿った値とし、下記の表1に示すように、4つのシンボルの+3、+1、−1、−3に対して、それぞれ、4つの周波数偏移の+945Hz、+315Hz、−315Hz、−945Hzを割り当てる。
Figure 2018186343
〈受信動作の概要〉
図3は、本発明の実施形態に係る無線通信装置における受信動作の概要について説明するための図である。ここで、図3Aは、正常時、即ち送信側の無線通信装置からの距離が近く、受信電界レベルに余裕がある場合の動作を示し、図3Bは、異常時、即ち送信側の無線通信装置からの距離が遠く、受信電界レベルに余裕がない場合の動作を示している。なお、後述する図5〜図7と同様に、図3A及び図3Bにおいて、縦軸の「+3」、「閾値+1」、「+1」、「−1」、「閾値−1」、「−3」は、それぞれ+945Hz、+600Hz、+315Hz、−315Hz、−600Hz、−945Hzに対応する。
図3Aに示すように、正常時は周波数偏移が「閾値+1」より大きいか又は「閾値−1」より小さいため、再生されたデータ列のシンボルは、送信側で生成された元データである「01」と「11」に対応する「+3」と「−3」の繰り返しパターンとなり、エラーはない。
一方、図3Bに示す異常時は、周波数偏移が「閾値−1」より大きい部分が「−3」から「−1」に変化してしまい、エラーとなる。つまり、送信側では+3、−3の2つのシンボルのみであった2値FSK部のデータが4値FSK部で使用したデータに変化してしまう。
そこで、本実施形態に係る無線通信装置では、4値FSK部に使用されるデータ列のシンボルである(+1,−1)が2値FSK部で検出されたら、下記の表2、表3に示す変換規則を有する変換テーブルにより、「+1」を「+3」に変換し、「−1」を「−3」に変換することで(4値−2値変換)、エラーを訂正する。
Figure 2018186343
Figure 2018186343
〈制御部、送信部、受信部の要部構成と機能〉
図4は、図1における送信部12、受信部13、及び制御部11の要部構成を示すブロック図である。
制御部11は、送信側のFSK処理を行う部分として、元データ生成部11a、2値FSK生成制御部11b、及び4値FSK生成制御部11cを備えている。また、送信部12は、変調部12a、PLL(Phase Locked Loop:位相同期ループ)回路12b、及び高周波アンプ12cを備えている。
元データ生成部11aは、0,1の符号からなる元データを生成し、2値FSK生成制御部11bに供給する。2値FSK生成制御部11bは、通信データフォーマットに従って、2値FSK部を構成するプリアンブル(2値)、同期ワード(2値)、データ(2値)を生成する。
4値FSK生成制御部11cは、通信データフォーマットに従って、4値FSK部を構成するプリアンブル(4値)、同期ワード(4値)を生成する。また、生成した4値FSK部の後ろに2値FSK生成制御部11bから出力された2値FSK部を結合する。
変調部12aは、4値FSK生成制御部11cから出力される4値FSK部及び2値FSK部シンボルデータの+3、+1、−1、−3を+945Hz、+315Hz、−315Hz、−945Hzの周波数偏移に変換する。
PLL回路12bは、変調部12aで変換された周波数偏移毎に周波数をずらして高周波を生成する。
高周波アンプ12cは、PLL回路12bで生成された高周波を増幅して5Wにまで出力を上げて、アンテナから電波として無線送信する。
受信部13は、高周波アンプ13a、ミキサ13b、PLL回路13c、及び復調部13dを備えている。また、制御部11は、受信側のFSK処理を行う部分として、4値FSK変換制御部11d、2値FSK変換制御部11e、及びエラー訂正部11fを備えている。
高周波アンプ13aは、送信側の無線通信装置から送信された電波を受信して増幅する。ミキサ13bは、高周波アンプ13aで増幅された高周波信号を周波数偏移の成分を含むベースバンド信号に変換する。PLL回路13cは、ミキサ13bで周波数変換するための高周波の局部発振周波数信号を生成する。復調部13dは、ミキサ13bで変換されたベースバンド信号を周波数偏移に変換する。
4値FSK変換制御部11dは、復調部13dで変換された周波数偏移をシンボルデータに変換する。ここで、プリアンブル(4値)と同期ワード(4値)が抽出されるが、このときはこの抽出データを破棄する。
2値FSK変換制御部11eでは、4値FSK変換制御部11dから出力されたシンボルデータから、プリアンブル(2値)と同期ワード(2値)を抽出して、抽出された同期ワード(2値)が予め決められた同期ワード(2値)に一致すれば、同期が確定し、以降変換される部分をデータ(2値)と見なす。
エラー訂正部11fは、2値FSK変換制御部11eで変換されたシンボルデータに対して、前述した表2及び表3に示されているエラー訂正のパターンに従って、エラー訂正を行い、エラー訂正されて2値変換された0、1のデータを出力する。ここで通信が完了となる。
このように、閾値を4値FSKの条件のまま変えることなく、エラー訂正を行うことで、ソフトの制御変更のみでエラー訂正を可能とし、受信感度の向上に寄与している。従って、無線通信装置を安価に構成できる。
通常は、送信側の無線通信装置からの定期的なポーリング通信で、受信側の無線通信装置での受信電界レベルが閾値を下回る場合は、遠方設置又は妨害波による影響を受けていると判断し、送信側の無線通信装置に対して2値FSK化信号を送り、送信側の無線通信装置では、2値FSK生成制御部11bで生成した2値FSK部を送信データに付加する。
以上、送信部、受信部、及び制御部の要部構成と機能について説明した。次にデータの具体例を用いて詳細に説明する。
図5は、本発明の実施形態に係る無線通信装置における送信側のFSK処理に関するデータと波形のタイミングを示す図である。また、図6、図7は、それぞれ本発明の実施形態に係る無線通信装置における受信側の正常時、異常時のFSK処理に関するデータと波形のタイミングを示す図である。
〈送信側のFSK処理〉
図5に示すように、2値FSK生成制御部11bは、元データ生成部11aから供給された「10110001000011」からなる元データの入力波形(矩形波)から、その「1」、「0」をそれぞれ「01」、「11」に変換した2値データの出力波形(矩形波)を生成し、4値FSK生成制御部11cに出力する。
4値FSK生成制御部11cは、入力された矩形波の「01」、「11」からそれぞれのシンボルデータ「+3」、「−3」に対応するレベルのアナログベースバンド波形を生成し、変調部12aに出力する。
〈受信側の正常時のFSK処理〉
図6に示すように、正常時、即ち送信側の無線通信装置からの距離が近く、受信電界レベルに余裕がある場合は、図3Aの場合と同様に、4値FSK変換制御部11dの出力波形は+600Hzに対応する「閾値+1」より大きいか又は−600Hzに対応する「閾値−1」より小さいため、再生されたデータ列のシンボルは、送信側で生成された元データである「+3」と「−3」の繰り返しパターンとなり、エラーはない。
4値FSK変換制御部11dの出力波形は2値FSK変換制御部11eに入力され、ここで「+3」、「−3」がそれぞれ「01」、「11」となる矩形波に変換され、エラー訂正部11fに入力される。「+3」、「−3」のシンボルデータの状態でエラー訂正を行うのではなく、「1」、「0」の2値データに変換してから、エラー訂正を行う理由は、4値FSKの回路構成を流用しているからである。
エラー訂正部11fは、入力された「01」、「11」をそれぞれ表2、表3に示されている変換テーブルにより、「1」、「0」のレベルの矩形波に変換する。
〈受信側の異常時のFSK処理〉
図7に示すように、異常時、即ち送信側の無線通信装置からの距離が遠く、受信電界レベルに余裕がない場合は、図3Bの場合と同様に、4値FSK変換制御部11dの出力波形が+600Hzに対応する「閾値+1」より小さい部分と、−600Hzに対応する「閾値−1」より大きい部分、即ち通信データフォーマットと2値FSK部に無いはずの「+1」、「−1」のシンボルデータに対応するレベルが発生し、エラーとなる。
このエラーを含む4値FSK変換制御部11dの出力波形は2値FSK変換制御部11eに入力され、正しいデータである「+3」、「−3」がそれぞれ「01」、「11」となり、エラーデータである「+1」、「−1」がそれぞれ「00」、「10」となる矩形波に変換され、エラー訂正部11fに入力される。
エラー訂正部11fは、入力された正しいデータである「01」、「11」をそれぞれ表2、表3に示されている変換テーブルにより、「1」、「0」のレベルの矩形波に変換する。また、エラーデータである「00」、「10」をそれぞれ「1」、「0」に変換することで、エラーを訂正する。ここで、所定期間毎に「00」と「10」の総和をカウントしてエラー率を算出し、表示部15で表示するように構成することもできる。
なお、以上説明した実施形態における4値FSKの多値の数、電波の周波数、周波数偏移は一例であり、実施形態の4値以上の6値や8値など多値FSKでもよいことは言うまでもない。
1…無線通信装置、11b…2値FSK生成制御部、11c…4値FSK生成制御部、11d…4値FSK変換制御部、11e…2値FSK変換制御部、11f…エラー訂正部。

Claims (3)

  1. 送信する多値FSK変調方式の通信データフォーマットのデータとして、多値のプリアンブル部分及び同期ワード部分を有する第1のFSK部と、それらに続く前記多値より少ない値のプリアンブル部分、同期ワード部分、及びデータ部分を有する第2のFSK部を生成するFSKデータ生成手段と、
    受信した前記通信データフォーマットのデータの前記第2のFSK部のデータ部分で通信エラーにより多値に変化したデータを所定の変換規則で前記多値より少ない値のデータに変換することにより前記通信エラーを訂正する手段と、
    を有する無線通信装置。
  2. 請求項1に記載された無線通信装置において、
    前記多値が4値であり、前記多値より少ない値が2値である無線通信装置。
  3. 請求項2に記載された無線通信装置において、
    前記多値が前記多値より少ない値に変化してエラーになった個数をカウントしてエラー率を算出する手段と、当該エラー率を表示する手段とを有する無線通信装置。
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