JP2018185350A - 投射レンズ、プロジェクタ及びその画像劣化防止方法 - Google Patents

投射レンズ、プロジェクタ及びその画像劣化防止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】投射レンズの光軸に直交する方向での温度分布を均一にし、投射される画像の品質の低下を防止する投射レンズ、プロジェクタ及びその画像劣化防止方法を提供する。【解決手段】投射レンズ15中の不要光46を3個の遮光部材41〜43により遮光する。遮光部材41〜43は、投射レンズ15により画像を投影するスクリーンに近づくに従い、円形開口41a〜43aの直径を小さくする。隣接する遮光部材間で開口面積が減少し、この減少部分を開口変更部48a〜48cとする。開口変更部48a〜48cにより不要光46を各遮光部材41〜43間で分散される。不要光46の分散により、不要光46の照射による加熱量も分散され、その分だけ鏡筒40の部分的な温度上昇が抑えられる。部分的な温度上昇の抑制により鏡筒40の変形が抑えられ、投射される画像の品質の低下が防止される。【選択図】図6

Description

本発明は、投射レンズ、プロジェクタ及びその画像劣化防止方法に関する。
プロジェクタは、光源から出射された光に対して、画像形成パネルによって画像情報に応じた画像を付し、投射レンズによりスクリーンに投射して画像を表示している。画像形成パネルとしては、例えばLCD(liquid crystal display:液晶ディスプレイ)やDMD(Digital Mirror Device:登録商標)が用いられている。また、プロジェクタでは、投射画像の画質の向上のために照明光学系や投射レンズに絞りや遮光部材を配置し、画像形成に寄与しない光線を除去している。
最近のプロジェクタでは、LCDやDMD等の各種画像形成パネルや光源の改善により、投影画像の照度が従来よりも上昇している。このため、例えば不要光を除去する遮光部材が光源近くに配置される場合には、遮光部材の温度も著しく高くなる。その結果、遮光部材を保持する鏡筒の温度が従来よりも高くなってしまう。このため、遮光部材に反射領域を形成したり、遮熱部材としての金属板を配置したりして、遮光部材に光線が出射されることによる温度上昇を抑えている(例えば特許文献1参照)。また、樹脂製の部材を含む投射光学系鏡筒において、光学素子を保持する部材の熱による変形を防止するために、不要光吸収部材を鏡筒に設けている(例えば特許文献2参照)。特に、パネル中央を投射レンズの光軸からオフセットした、広角型の近距離投射可能なプロジェクタの場合、レンズ鏡筒内での温度の偏りが大きいためより顕著な温度影響を受けてしまう。
更には、鏡筒内の絞りやレンズ保持枠に当たった光のゴーストやフレアの発生を抑えるために、複数の遮光部材を光軸方向に離したレンズ鏡筒が提案されている(例えば特許文献3参照)。
特開2005−128217号公報 特開2014−59333号公報 特開2011−100020号公報
特許文献1,2に記載のような投射レンズ鏡筒では、絞りに反射領域を形成したり、遮熱部材としての金属板や不要光吸収部材を配置したりして、鏡筒の温度上昇を抑えているものの、投射画像の照度が従来よりも上昇している現状では、温度上昇の更なる抑制が望まれている。また、特許文献3では、複数の遮光部材を光軸方向に離して設けているものの、カメラや顕微鏡などに用いられるレンズ鏡筒である。このため、複数の遮光部材の記載はあるものの、フレア防止の観点で設けられており、投射レンズの光源からの不要光をカットすることにより発生する遮光部材の温度上昇を効率良く抑えることができない。
本発明は、簡単な構成で温度上昇を効率良く抑えることができる投射レンズ、プロジェクタ及び画像劣化防止方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の投射レンズは、レンズと、レンズを保持する鏡筒と、複数の遮光部材と、開口変更部と、遮光部材の保持部材とを備える。複数の遮光部材は、レンズの不要光をカットする開口を有し、レンズの光軸方向に離間して配されている。複数の遮光部材は、開口の形状、面積、配置位置、配置角度の少なくとも1つが複数の遮光部材間で異なる開口変更部を有する。この開口変更部により、不要光が複数の遮光部材に分散して当てられる。遮光部材の保持部材は断熱性を有し、複数の遮光部材を保持して鏡筒に固定する。
なお、開口は円形であり、開口変更部は遮光部材間での開口の面積を変更させ、面積の変更部分にて不要光を分散させることが好ましい。また、開口は非円形であって、開口変更部は遮光部材毎に開口の形状を変更させ、開口の形状の変更部分にて不要光を分散させることが好ましい。開口変更部は遮光部材毎に開口の配置位置及び配置角度の少なくとも一方が異なり、配置位置又は配置角度の異なる部分にて不要光を分散させることが好ましい。
複数の遮光部材は、複数のリング枠を光軸方向に連結して構成され、複数のリング枠により遮光部材の外周縁部が挟持されることが好ましい。鏡筒は合成樹脂製であり、保持部材はセラミック製であることが好ましい。
本発明のプロジェクタは、画像を形成する画像形成パネルと、画像形成パネルを照明する光源と、光源で照明された画像形成パネルからの光を投射する上記の投射レンズとを備える。
本発明のプロジェクタの画像劣化防止方法は、画像形成パネルに向けて光源から光を出射し、投射レンズにより投射面に画像形成パネルの画像を投射する。投射レンズの鏡筒内に光軸方向に離間して隣り合う複数の遮光部材には開口が設けられる。開口は、画像形成パネルからの光を透過させ不要光をカットする。開口の形状、面積、配置位置、配置角度の少なくとも1つを複数の遮光部材で異ならせることにより、不要光を複数の遮光部材に分散させて当てる。
なお、投射レンズの光軸に対して画像形成パネルの中心がシフトして配され、画像形成パネルのシフトした方向の不要光を複数の遮光部材でカットすることが好ましい。また、投射レンズの光軸から画像形成パネルの中心までの距離をY、画像形成パネルのシフト方向における長さをH、距離Yを長さHで除して求められる画像形成パネルのシフト量をS=Y/Hとした場合に、シフト量Sは、0.4<S<0.7の範囲内であることが好ましい。
本発明によれば、簡単な構成で鏡筒の温度上昇を効率良く抑えることができる投射レンズ、プロジェクタ及び画像劣化防止方法を提供することができる。
本発明のプロジェクタの概略構成を示す斜視図である。 光源の模式図である。 投射レンズを示す縦断面図である。 画像形成パネルのシフト量を説明する概略図である。 3個の遮光部材を画像形成パネル側から光軸方向に見た正面図である。 3個の遮光部材の開口と不要光との関係を説明する断面図である。 (A)は第2実施形態の遮光部材を示す断面図、(B)は(A)におけるB−B線の断面図である。 第3実施形態の3個の遮光部材を画像形成パネル側から光軸方向に見た正面図である。
[第1実施形態]
図1に示すように、本実施形態のプロジェクタ10は、略直方体をしたケース11に、光源13、画像形成パネル14、投射レンズ15、制御部17が収容されている。ケース11の上面には、ズームダイヤル21、光量調節ダイヤル22.フォーカスダイヤル23、上下ピン調ダイヤル24、左右ピン調ダイヤル25、画面修正ダイヤル26が設けられている。光源13から出射された光は、画像形成面14aで画像が付与され投射レンズ15から出射し、スクリーン(図1で不図示、図3に符号20で示す)に投射される。
図2に示すように、光源13はRGB3色の光をそれぞれ出射するLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)31R,31G,31Bを有する。R(赤)のLED31Rの出射する光はダイクロイックミラー32で反射され、G(緑)のLED31Gの出射する光はダイクロイックミラー33で反射され、ダイクロイックミラー32を透過する。B(青)のLED31Bの出射する光はダイクロイックミラー32、33を透過して、RGB3色の光は同一光軸上に出射される。
図1に戻って、制御部17は、画像形成面14aにRGB3色の画像を表示させる。制御部17は、他に以下の処理も行う。例えば、ズームダイヤル21の操作信号を受けると、スクリーン20に投射される画像の大きさを調節する。光量調節ダイヤル22の操作信号を受けると、スクリーン20に投射される画像の明るさを調節する。フォーカスダイヤル23の操作信号を受けると、投射レンズ15のピント調節機構(不図示)を作動させ、スクリーン20に投射された画像の中央部のピントを調節する。上下ピン調ダイヤル24の操作信号を受けると、姿勢調節装置(不図示)の第1モータを回転させる。これにより、投射レンズ15を光軸CLに直交する水平軸を中心に回転させ、投射レンズ15の上下方向の傾きを調節する。左右ピン調ダイヤル25の操作信号を受けると、姿勢調節装置の第2モータを回転させる。これにより、投射レンズ15を光軸CLに直交する鉛直軸を中心として回転させ、投射レンズ15の左右方向の傾きを調節する。画面修正ダイヤル26の操作信号を受けると、画像形成パネル14の画像形成面14aに形成される画像の表示サイズ及び形状を変更する。例えば、投射レンズ15の傾き角度に応じて矩形画像が台形画像として表示されることがないように表示サイズ及び形状を変更する。
画像形成パネル14は透過型液晶パネルを用いている。光源13は、画像形成パネル14の裏面すなわち、画像形成パネル14を基準として投射レンズ15の逆側に配置され、RGBの3色を同時に発光するLED31R,31G,31Bを用いている。なお、LED31R,31G,31Bに代えて、白色光を発光するキセノンランプやハロゲンランプ及び超高圧水銀ランプでもよい。
図3に示すように、画像は、投射レンズ15の光軸CLに対して、上側でスクリーン20に投射される。画像形成パネル14の中心は、投射レンズ15の光軸CLに対して、投射された像(スクリーン20の投射面)の中央位置のずれる方向と逆の方向、すなわち、投射レンズ15の光軸CLに対して、光軸CLに垂直方向で下側にシフトして固定される。
画像形成パネル14のシフト量について、図4の概略図を用いて説明する。画像形成パネル14をシフトするシフト量(シフト率)Sとしては、投射レンズ15の光軸CLから画像形成パネル14の中心までのシフト量(距離)をY、画像形成パネル14のシフト方向の長さをHとした場合に、S=Y/Hにより定義される。すなわち、S=0.5の時は、図4に示すように、画像形成パネル14の上端面が、投射レンズ15の光軸CLと一致する場合である。また、S>0.5(Sが0.5より大きい)の時は、画像形成パネル14の上端面が、投射レンズ15の光軸CLから離れる方向にシフトする。S=0の場合は、画像形成パネル14の中心と、投射レンズ15の光軸CLとが一致して、従来の遠距離投射タイプに近い配置になる。
画像形成パネル14をシフトするシフト量Sとしては、0.4を超え0.7未満とすることが好ましい。シフト量Sが0.4を超えると、0.4以下の場合に比べて、投射レンズ15の垂直方向の温度分の影響が顕著になるので、本発明の遮光部材41,42,43による熱分布軽減効果が発揮できるようになる。一方シフト量Sを0.7未満とすることで、画像形成パネル14のシフトの量が適正な範囲に抑えられるので径方向の温度分布の影響以外で発生する斜め投射量の増大に伴う投射レンズ15の大型化やレンズ枚数の増加なども適切に抑えることができる。これにより、径方向の温度分布を防止しながらプロジェクタの大型化や製造適性の低下そしてコストアップが防止される。このように、画像形成パネル14のシフト量Sを上記範囲に納めることで、投射レンズ15の垂直方向の温度分の影響を軽減しながら、高性能な製品を提供することができる。画像形成パネル14をシフトする量Sは、0.45を超え0.6未満とすることがより好ましい。この場合には、0.4を超え0.7未満とする場合に比べて、更に投射レンズ15の垂直方向の温度分の影響が少なくなり、且つレンズ系が大きくなることがなく、製造適性の低下がより防止される。
図3に示すように、投射レンズ15は、画像形成パネル14側から順に配される第1レンズL1〜第5レンズL5、フレアストッパとしての3個の遮光部材41,42,43、開口絞り44、及びこれらを保持する鏡筒40を備えている。第1レンズL1は、両側に凸面を有し、第2レンズL2は、スクリーン20側に凹面を画像形成パネル14側に凸面を有している。第3レンズL3は両側に凸面を有し、第4レンズL4は、スクリーン20側が凸面で画像形成パネル14側が平面を有している。第5レンズL5は、スクリーン20側に凸の非球面を画像形成パネル14側に平面を有している。
鏡筒40は、複数のレンズ保持枠40a〜40f、遮光部材保持枠(遮光部材保持部材)40g及びスペーサ40hを嵌合して構成されており、第1レンズL1〜第5レンズL5、遮光部材41〜43、及び開口絞り44を保持している。各レンズ保持枠40a〜40b及びスペーサ40hは複雑な断面形状に有するため、ポリカーボネート等の合成樹脂により成形されている。また、遮光部材保持枠40gは断熱性部材、例えばセラミック製である。なお、断熱性部材は、鏡筒40よりも熱伝導性が低いものであれば良い。また、レンズ保持枠40a〜40f及びスペーサ40hの一部又は全部を金属製としてもよい。
開口絞り44は、第4レンズL4のスクリーン20側の面に配される。開口絞り44はアルミやその他の金属製であり、Fナンバーを決定する円形の開口44aを有する円環状に形成されている。開口絞り44の表面には黒色層が塗布又はメッキにより形成されている。この開口絞り44の位置が絞り位置となる。
投射レンズ15内に入射した光は、投射レンズ15の光軸CLの主に下側を通る。そして、絞り位置で光の通過経路が反転し、投射レンズ15の上側を主に通過し、スクリーン20に投射される。画像形成パネル14のそれぞれの位置を通過した光の、投射レンズ15内における通過経路の概略を実線で、その光の中心を一点鎖線で示してある。
第3レンズL3と第2レンズL2との間には、不要光46を遮断するためにスクリーン20側から順に配される第1遮光部材41、第2遮光部材42、及び第3遮光部材43が配されている。これら3個の遮光部材41〜43は、金属板、セラミック、PPS(Polyphenylenesulfide:ポリフェニレンスルファイド)や、PI(polyimide:ポリイミド)等の高耐熱合成樹脂のいずれかにより構成されている。本実施形態では金属製である。
図5は、3個の遮光部材41〜43を画像形成パネル側から光軸方向に見た正面図である。3個の遮光部材41〜43は、円形の開口41a〜43aを有する円環状に形成されており、表面には黒色層が塗布又はメッキにより形成されている。
図6に示すように、遮光部材保持枠40gはセラミックから構成されている。なお、セラミック以外の断熱素材から遮光部材保持枠40gを構成してもよい。遮光部材保持枠40gは、例えば4個のリング枠47を光軸方向に連結して構成されている。これらリング枠47の一方の面(画像形成パネル側の面)は外周縁部に遮光部材保持溝47aを有し、他方の面は平坦面47bに形成されている。従って、4個のリング枠47が光軸方向に例えば耐熱性接着剤により連結されることにより、3個の遮光部材保持溝47aが形成される。これら3個の遮光部材保持溝47aによって、3個の遮光部材41〜43の外周縁部が挟持され、光軸方向に離間して配される。
図5に示すように、3個の遮光部材41〜43の円形開口41a〜43aは、第1遮光部材41の円形開口41aの直径に対して、第2遮光部材42の円形開口42aは大きく形成される。この直径の差分による面積変更部分が第1遮光部材41の第1開口変更部48aとなっている。同様に、第2遮光部材42の円形開口42aの直径に対して、第3遮光部材43の円形開口43aは大きく形成され、この直径の差分による面積変更部分が第2遮光部材42の第2開口変更部48bとなっている。また、第3遮光部材43の円形開口43aの周縁部が第3開口変更部48cとなっている。
図6に示すように、不要光カットライン45でカットされる不要光46は、第1開口変更部48a、第2開口変更部48b、第3開口変更部48cに当たる。第1開口変更部48aは第1遮光部材41、第2開口変更部48bは第2遮光部材42、第3開口変更部48cは第3遮光部材43に分散して形成される。このため、1個の遮光部材で不要光46を受ける場合に比べて不要光46が当たることによる温度上昇は各遮光部材41〜43に分散される。従って、1個の遮光部材で不要光46を受ける場合に比べて、不要光46による加熱量を光軸方向に分散することができる。このため、1個の遮光部材で不要光46を遮光する場合に比べて、過度な部分的な加熱が抑えられ、合成樹脂製の鏡筒40の熱による変形が抑えられる。
特に本実施形態では、画像形成パネル14を光軸CLに対して下側にシフトして配置している。このため、投射レンズ15内の絞り位置までは、投射レンズ15内の画像形成パネル14がシフトした方向、すなわち、投射レンズ15の光軸CLに対し、主に下側を光が通過する。従って、画像形成パネル14がシフトした方向の投射レンズ15の下側部分が、光の通過により加熱され、投射レンズ15内において、光の通過方向に対して垂直方向に温度分布が生じる。この温度分布による温度差が大きくなると、この温度分布が遮光部材41〜43からこれを保持する鏡筒40のレンズ保持枠40dに伝達される。従って、画像形成パネル14がシフトした一方側の部分のみが加熱されることにより、レンズ保持枠40dに変形が生じる。この変形によって、レンズL1〜L5が傾き、形成される画像全体の解像力が低下し、画像の品質が低下する。更に、レンズL1〜L5が傾くことで、レンズL1〜L5の回転対称性が崩れるため、像面湾曲の発生による対角方向でのピント位置ずれなどが発生し、投射画像全体の性能劣化につながる。このように、画像形成パネル14を光軸CLに対して一方にシフトすると、シフトした分だけシフトした側の鏡筒40が加熱される。これに対して、本実施形態では、1個の遮光部材によってこれを遮光するものと異なり、3個の遮光部材41〜43により不要光46による加熱分が分散されるため、鏡筒40の変形が抑えられる。
[第2実施形態]
図7に示す第2実施形態では、楕円形開口51a〜53aの形状(短軸長さ)及び配置角度を各遮光部材51〜53の間で変更して、第1開口変更部50a、第2開口変更部50b、第3開口変更部50cを設けている。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一構成部材には同一符号を付して、重複した説明を省略している。
各楕円形開口51a〜53aの長軸55は、光軸CLを回転中心として、隣り合う遮光部材51〜53との間で、傾斜角度θが例えば120°ずつ、回転して配置されている。これにより、第3遮光部材53の楕円形開口53aの長軸55を鉛直線VLに一致させた状態で、第2遮光部材52の楕円形開口52aの長軸55が、鉛直線VLに対し時計方向に120°に傾けられる。また、第1遮光部材51の楕円形開口51aの長軸55が、鉛直線VLに対して時計方向に240°に傾けられる。
各楕円形開口51a〜53aの短軸の長さは、第3楕円形開口53a、第2楕円形開口52a、第1楕円形開口51aの順に短くなっている。各遮光部材51〜53に当たる不要光照射エリア54a,54b,54cの面積は異なっていれば良く、不要光の分散効果が得られる。なお、各楕円形開口51a〜53aの長軸の長さ、短軸の長さ、長軸の傾斜角度θ等を適宜変更して、各不要光照射エリア54a〜54cの面積を略同じにすることが好ましい。この場合には、不要光による各遮光部材51〜53の温度上昇量が略同じになる。
第2実施形態では、各楕円形開口51a〜53aの長軸55が光軸CLを回転中心として一定の傾斜角度θでずらして配されることにより、各遮光部材51〜53に不要光46を分散して当てることができる。特に、第3遮光部材53の第3楕円形開口53aの長軸55を、画像形成パネル14のシフト方向である鉛直線VLに一致させることにより、光軸CLより鉛直下方部分の不要光46を各遮光部材51〜53に分散して当てることができる。従って、画像形成パネル14のシフトにより温度上昇が他の部分に比べて著しく高くなる鉛直下方部分の不要光46を効果的に分散させることができ、不要光46による局部的な温度上昇が抑えられる。
上記第1実施形態では、円形開口41a〜43aの直径を変えて開口変更部48a〜48cを構成したが、直径を変えて開口変更部48a〜48cを構成する代わりに、開口41a〜43aの形状や配置位置や配置角度を変えても良い。例えば、図8に示す第3実施形態のように、3個の遮光部材61〜63に偏心した位置で円形開口61a,62a,62aを形成し、これら3個の遮光部材61〜63を光軸CLを回転中心として、120ずつ回転させて配置してもよい。この場合にも、3個の円形開口61a〜63aの配置のずれによって各遮光部材の間に、開口変更部を設けることができる。なお、開口変更部48a〜48cによる不要光46の照射領域を各遮光部材41〜43で同一面積としているが、これは異なる面積としてもよい。また、遮光部材41〜43の厚みを均一にしているがこれは変更してもよい。
上記実施形態では、画像形成パネル14として透過型の液晶パネルを用いたが、反射型の液晶パネルを用いてもよい。この場合には、画像形成パネル14の前面側に光源13を配置してRGB三色の照射光を同時に照射する。また、画像形成パネル14としてDMDを用いる場合には、光源13を画像形成パネル14の前面側に配置し、DMDの三色画像の形成タイミングに同期させて、RGB3色のLED31R,31G,31Bを時分割発光させる。
上記各実施形態では、プロジェクタ10をテーブルに配置した状態で説明したが、天井などから吊り下げて使用する場合にも本発明を適用することができる。また、スクリーン20に像を投射する例で説明したが、投射面はスクリーン20に限定されず、様々な投射面に対して投射するプロジェクタとして用いることができる。
10 プロジェクタ
13 光源
14 画像形成パネル
15 投射レンズ
20 スクリーン
40 鏡筒
40g 遮光部材保持枠
41 第1遮光部材
41a円形開口
42 第2遮光部材
42a円形開口
43 第3遮光部材
43a円形開口
44 開口絞り
44a開口
45 不要光カットライン
46 不要光
47 リング枠
47a遮光部材保持溝
47b平坦面
48a第1開口変更部
48b第2開口変更部
48c第3開口変更部
50 開口変更部
51 第1遮光部材
51a 第1楕円形開口
52 第2遮光部材
52a 第2楕円形開口
53 第3遮光部材
53a 第3楕円形開口
61〜63 遮光部材
61a〜63a 円形開口
CL 光軸
L1〜L5 レンズ
S シフト量
VL 鉛直線
θ 傾斜角度

Claims (12)

  1. レンズと、
    前記レンズを保持する鏡筒と、
    前記レンズの不要光をカットする開口を有し、前記レンズの光軸方向に離間して配される複数の遮光部材と、
    前記開口の面積、形状、配置位置、配置角度の少なくとも1つが複数の前記遮光部材間で異なる開口変更部であって、前記不要光を複数の前記遮光部材に分散して当てる開口変更部と、
    複数の前記遮光部材を保持して前記鏡筒に固定する断熱性を有する保持部材と
    を備える投射レンズ。
  2. 前記開口は円形であり、前記開口変更部は前記遮光部材間での前記開口の面積を変更させ、前記面積の変更部分にて前記不要光を分散させる請求項1記載の投射レンズ。
  3. 前記開口は非円形であって、前記開口変更部は前記遮光部材毎に前記開口の形状を変更させ、前記開口の形状の変更部分にて前記不要光を分散させる請求項1記載の投射レンズ。
  4. 前記開口変更部は前記遮光部材毎に前記開口の配置位置及び配置角度の少なくとも一方が異なり、前記配置位置又は前記配置角度の異なる部分にて前記不要光を分散させる請求項1記載の投射レンズ。
  5. 複数の前記遮光部材は、複数のリング枠を光軸方向に連結して構成され、複数の前記リング枠により前記遮光部材の外周縁部が挟持される請求項1から4いずれか1項記載の投射レンズ。
  6. 前記鏡筒は合成樹脂製であり、前記保持部材はセラミック製である請求項1から5いずれか1項記載の投射レンズ。
  7. 画像を形成する画像形成パネルと、
    前記画像形成パネルを照明する光源と、
    前記光源で照明された前記画像形成パネルからの光を投射する請求項1から6いずれか1項記載の投射レンズと
    を備えるプロジェクタ。
  8. 前記投射レンズの光軸に対して前記画像形成パネルの中心がシフトして配され、前記画像形成パネルのシフトした方向の前記不要光を複数の前記遮光部材でカットする請求項7記載のプロジェクタ。
  9. 前記投射レンズの光軸から前記画像形成パネルの中心までの距離をY、
    前記画像形成パネルのシフト方向における長さをH、
    前記距離Yを前記長さHで除して求められる前記画像形成パネルのシフト量をS=Y/Hとした場合に、
    前記シフト量Sは、0.4<S<0.7の範囲内である請求項8記載のプロジェクタ。
  10. 画像形成パネルに向けて光源から光を出射し、投射レンズにより投射面に前記画像形成パネルの画像を投射するプロジェクタの画像劣化防止方法において、
    前記投射レンズの鏡筒内に光軸方向に離間して隣り合う複数の遮光部材に設けられる開口であって、前記画像形成パネルからの光を透過させ不要光をカットする開口の形状、面積、配置位置、配置角度の少なくとも1つを複数の前記遮光部材で異ならせて、前記不要光を複数の前記遮光部材に分散させて当てる
    プロジェクタの画像劣化防止方法。
  11. 前記投射レンズの光軸に対して前記画像形成パネルの中心がシフトして配され、前記画像形成パネルのシフトした方向の前記不要光を複数の前記遮光部材でカットする請求項10記載のプロジェクタの画像劣化防止方法。
  12. 前記投射レンズの光軸から前記画像形成パネルの中心までの距離をY、
    前記画像形成パネルのシフト方向における長さをH、
    前記距離Yを前記長さHで除して求められる前記画像形成パネルのシフト量をS=Y/Hとした場合に、
    前記シフト量Sは、0.4<S<0.7の範囲内である請求項11記載のプロジェクタの画像劣化防止方法。
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