JP2018185214A - 圧力センサ - Google Patents

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達也 塩入
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Abstract

【課題】樹脂と異種材料との間のずれを抑制し、圧力リークを防止することが可能な圧力センサを提供する。
【解決手段】圧力センサ素子11と、圧力センサ素子11を収容する樹脂パッケージ14と、樹脂パッケージ14に固定されたリード13と、樹脂パッケージ14の圧力センサ素子11が実装される箇所に設けられた台座12とを備え、樹脂パッケージ14は、樹脂パッケージ14の外部から圧力センサ素子11の内部に向けて圧力が導入される圧力導入孔18を有し、台座12の周囲は、少なくとも圧力導入孔18に面する側から圧力センサ素子11の内部に向けて樹脂パッケージ14で覆われている。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧力センサに関する。
従来、圧力センサとしては、ダイアフラム等の機械的感圧素子により検知されたひずみを、ピエゾ抵抗等により電気信号に変換することで圧力を検知する方式が開発されている。特許文献1には、ダイアフラム等及びピエゾ抵抗等を有する圧力センサ素子が、リードフレームを有する樹脂パッケージ内に設けられた圧力センサが記載されている。
特開平11−326089号公報
測定可能な圧力領域がより小さくなり、より微圧の測定が求められるにつれて、樹脂パッケージの変形による外部応力の影響が無視できなくなる。これにより、センサ出力のオフセット電圧の変動が大きくなる。また、リードフレーム等の金属部を樹脂パッケージに一体化すると、樹脂と金属等の異種材料との間で圧力リークが発生する懸念がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、樹脂と異種材料との間のずれを抑制し、圧力リークを防止することが可能な圧力センサを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、圧力センサ素子と、前記圧力センサ素子を収容する樹脂パッケージと、前記樹脂パッケージに固定されたリードと、前記樹脂パッケージの前記圧力センサ素子が実装される箇所に設けられた台座とを備え、前記樹脂パッケージは、前記樹脂パッケージの外部から前記圧力センサ素子の内部に向けて圧力が導入される圧力導入孔を有し、前記台座の周囲は、少なくとも前記圧力導入孔に面する側から前記圧力センサ素子の内部に向けて前記樹脂パッケージで覆われていることを特徴とする圧力センサを提供する。
前記台座の周囲がすべて前記樹脂パッケージで覆われていてもよい。
前記台座は、少なくとも20〜200℃の間においてガラス転移点及び融点を持たない物質で形成されていてもよい。
前記台座は、前記樹脂パッケージの線膨張係数の0.5倍〜1.5倍の線膨張係数を有する物質で形成されていてもよい。
本発明によれば、樹脂パッケージと台座との間のずれを抑制し、圧力リークを防止することが可能になる。
第1実施形態の圧力センサを示す断面図である。 第2実施形態の圧力センサを示す断面図である。 対比例の圧力センサを示す断面図である。 台座の横断面形状を(a)〜(c)に例示する部分拡大断面図である。 圧力センサの製造工程の一部を(a)〜(c)の順に示す断面図である。 図5に続く製造工程を(a)〜(c)の順に示す断面図である。
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1に、第1実施形態の圧力センサを示す。本実施形態の圧力センサ10は、概略として、圧力センサ素子11と、台座12と、リード13と、樹脂パッケージ14を備える。
圧力センサ素子11は、基板11bに形成された検知部11aを有する。検知部11aとしては、例えばダイアフラムが挙げられる。検知部11aの厚さ、大きさ等により、圧力に対する感度を調整することができる。圧力センサ素子11の内部には、圧力導入孔18を介して圧力センサ10の外部に通じる凹部11cが設けられている。圧力導入孔18を通じ、樹脂パッケージ14の外部から圧力センサ素子11の内部の凹部11cに向けて、圧力が導入される。
検知部11aは、凹部11c内の圧力の変化に応じて変形が可能である。圧力が変化すると、検知部11aに歪みが生じる。検知部11aに生じた歪みは、ピエゾ抵抗等により、電圧等の電気信号に変換することが可能である。電気信号は、導電性のリード13を通じて圧力センサ10の外部に取り出される。
圧力センサ素子11は、台座12の上方に配置されている。台座12は、樹脂パッケージ14に圧力センサ素子11が実装される箇所に設けられている。台座12の材質は、例えば金属である。リード13は、樹脂パッケージ14に固定された固定端部13aと、樹脂パッケージ14の外部に突出した接続端部13bとを有する。リード13の材質は、例えば金属である。圧力センサ10を外部の基板等に実装する際は、リード13に半田を付与し、リフローする工程を有することが、生産性の観点から好ましい。
樹脂パッケージ14には、圧力センサ素子11が収容されている。樹脂パッケージ14は、圧力センサ素子11が実装される本体部14aと、圧力センサ素子11の周囲を囲む外郭部14bと、圧力導入孔18を囲む圧力導入部14cを有する。本体部14aの上面には、接着部15を介して圧力センサ素子11が固定されている。外郭部14bに蓋部16を取り付けると、圧力センサ素子11の周囲に空間部17が構成される。空間部17を圧力センサ10の外部から気密に封止すると、空間部17を圧力の基準として用いることができる。なお、樹脂パッケージ14の形状、材質などにより、差圧、ゲージ圧、絶対圧など様々な圧力センサを構成することができる。
樹脂パッケージ14を構成する樹脂は、金属等の異種材料に比べて線膨張係数が大きい。このため、圧力センサ素子11を樹脂パッケージ14上に実装すると、樹脂と金属等との界面には、線膨張係数の差などの影響により剥離や空隙ができやすくなる。
本実施形態では、台座12の周囲がすべて樹脂パッケージ14で覆われている。すなわち、台座12と圧力センサ素子11との間には、台座12の上を覆う第1被覆部14dが、樹脂パッケージ14の樹脂から形成されている。また、台座12と圧力導入孔18との間には、台座12の外周を覆う第2被覆部14eが、樹脂パッケージ14の樹脂から形成されている。これにより、台座12と樹脂パッケージ14との界面が空間部17及び圧力導入孔18に露出せず、圧力リークを防止することができる。
本実施形態では、圧力センサ素子11が樹脂パッケージ14の第1被覆部14dを介して台座12上に実装されている。この場合、台座12は、樹脂パッケージ14を構成する樹脂に比べて、リフロー等の温度変化に対する耐久性が高い。圧力センサ素子11と台座12の線膨張係数が異なるので、リフロー工程により圧力センサ10全体の温度が上昇すると、圧力センサ素子11が応力を受ける。しかし、圧力センサ10全体の温度が常温に戻る際、圧力センサ素子11及び台座12は、それぞれ温度上昇時の熱膨張に応じて温度下降時に熱収縮するため、圧力センサ素子11の応力は緩和される。温度変化による圧力センサ素子11のひずみを抑制するためには、第1被覆部14dの厚さが薄いことが好ましい。例えば第1被覆部14dの厚さとして5〜500μm程度が挙げられる。
台座12は、圧力センサ10の実装時又は使用時における外部環境の温度範囲で非流動的な弾性を保つ材料から構成されることが好ましい。例えば、少なくとも20〜200℃の間において相転移点を持たない物質が好ましく、少なくとも20〜300℃の間において相転移点を持たない物質がより好ましい。ここで、相転移点としては、例えば弾性体から粘性体に転移する温度、ガラス転移点及び融点等が挙げられる。
また、台座12が、樹脂パッケージ14の線膨張係数に近い線膨張係数を有する材料から構成されることが好ましい。例えば、樹脂パッケージ14の線膨張係数の0.5倍〜1.5倍の線膨張係数を有する物質が好ましく、0.7倍〜1.3倍の線膨張係数を有する物質がより好ましい。
これにより、リフロー等の高温環境において、樹脂パッケージ14が粘性を獲得し、圧力センサ素子11の応力が緩和されても、台座12の変形が圧力センサ素子11に与える影響を抑制することができる。高温環境から室温に冷却される際、樹脂パッケージ14が圧力センサ素子11より大きく収縮しても、圧力センサ素子11における応力の発生を低減することができる。
図2に、第2実施形態の圧力センサ20を示す。本実施形態の圧力センサ20は、第1被覆部14dの一部において台座12が露出され、この露出部において台座12上に接着部15を介して圧力センサ素子11が固定されていること以外は、第1実施形態の圧力センサ10と同様である。これらの圧力センサ10,20は、台座12の周囲において、少なくとも圧力導入孔18に面する側で、樹脂パッケージ14が台座12を被覆する第2被覆部14eを有する。これにより、樹脂パッケージ14の本体部14aと台座12の下面との界面が圧力導入孔18に接しないので、圧力リークを効果的に防止することができる。本体部14aと被覆部14d,14eにより台座12がほぼ囲まれると、台座12の剥離を抑制することができる。
図3に、対比例の圧力センサ100を示す。圧力センサ100は、第1被覆部14d及び第2被覆部14eを有しないので、本体部14aと台座12との界面が圧力導入孔18及び空間部17に接している。このため、本体部14aと台座12との界面に剥離や空隙ができると、この界面を通じて圧力導入孔18と空間部17との間で圧力媒体が移動可能となり、圧力リークとなる。その結果、空間部17の内部の気密が維持できなくなり、耐圧性能及びセンサ感度が損なわれる。
第2実施形態の圧力センサ20では、第1実施形態の圧力センサ10と同様に、圧力導入孔18から圧力センサ素子11の凹部11c内に向けて台座12の周囲が樹脂パッケージ14の被覆部14d,14eにより覆われている。これにより、圧力導入孔18又は空間部17に通じた剥離や空隙が樹脂パッケージ14と台座12との界面にできにくいので、圧力リークを効果的に防止することができる。
台座12の形状は、圧力センサ素子11が樹脂パッケージ14側に固着される箇所をすべて含むことが好ましい。図4(a)及び図4(b)には、台座12の横断面形状を例示する。台座12の外周形状としては、例えば図4(a)に示す四角形、図4(b)に示す円形等が挙げられる。台座12の中央部には、圧力導入孔18が通る貫通穴が形成されている。図4(c)に示すように、台座12が圧力センサ素子11の基板11bが固着される実装部のみに設けられ、第2被覆部14eが凹部11cに接する領域全体に拡大されてもよい。
台座12とリード13は、樹脂パッケージ14の成形時に、同時に形成されてもよい。図5〜6は、圧力センサ10の製造方法の一例を工程順に示す。
まず、図5(a)では、台座12とリード13を含むリードフレームが準備される。
次に、図5(a)では、台座12とリード13を含めた状態で金型30により樹脂をモールドし、樹脂パッケージ14を形成する。金型30は、外郭部14b側を成形する第1金型31と、本体部14a側を成形する第2金型32を備えている。リード13は、第1金型31と第2金型32との間に挟み込まれている。第1金型31は、外郭部14bの内面を成形するためのコア部33を有する。第2金型32は、圧力導入孔18を成形するためのピン部34を有する。台座12とコア部33及びピン部34との間隙を調整することにより、台座12の周囲に樹脂を導入して、被覆部14d,14eを形成することができる。
図5(c)では、樹脂パッケージ14の外部に露出された接続端部13bが所望の形状に曲げ加工される。
図6(a)では、台座12上の実装部に接着部15を介して圧力センサ素子11が固定される。
図6(b)では、圧力センサ素子11が、ワイヤ19を介してリード13の固定端部13aに接続される。
図6(c)では、樹脂パッケージ14に蓋部16を設けて、圧力センサが完成する。
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上述の圧力センサは、水深計、高度計等のように、周囲の水圧又は気圧に基づいて、圧力以外の物理量を計測する機器に利用することもできる。
10,20…圧力センサ、11…圧力センサ素子、12…台座、13…リード、14…樹脂パッケージ、14c…圧力導入部、14d…第1被覆部、14e…第2被覆部、15…接着部、16…蓋部、17…空間部、18…圧力導入孔、19…ワイヤ、30…金型、31…第1金型、32…第2金型。

Claims (4)

  1. 圧力センサ素子と、前記圧力センサ素子を収容する樹脂パッケージと、前記樹脂パッケージに固定されたリードと、前記樹脂パッケージの前記圧力センサ素子が実装される箇所に設けられた台座とを備え、
    前記樹脂パッケージは、前記樹脂パッケージの外部から前記圧力センサ素子の内部に向けて圧力が導入される圧力導入孔を有し、前記台座の周囲は、少なくとも前記圧力導入孔に面する側から前記圧力センサ素子の内部に向けて前記樹脂パッケージで覆われていることを特徴とする圧力センサ。
  2. 前記台座の周囲がすべて前記樹脂パッケージで覆われていることを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
  3. 前記台座は、少なくとも20〜200℃の間においてガラス転移点及び融点を持たない物質で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧力センサ。
  4. 前記台座は、前記樹脂パッケージの線膨張係数の0.5倍〜1.5倍の線膨張係数を有する物質で形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧力センサ。
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