JP2018184622A - マンガンの回収方法 - Google Patents

マンガンの回収方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018184622A
JP2018184622A JP2017085238A JP2017085238A JP2018184622A JP 2018184622 A JP2018184622 A JP 2018184622A JP 2017085238 A JP2017085238 A JP 2017085238A JP 2017085238 A JP2017085238 A JP 2017085238A JP 2018184622 A JP2018184622 A JP 2018184622A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
manganese
amount
molten steel
reducing agent
charged
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017085238A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6916658B2 (ja
Inventor
日登志 小林
Hitoshi Kobayashi
日登志 小林
原田 実
Minoru Harada
実 原田
小松 喜美
Yoshimi Komatsu
喜美 小松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Bars and Shapes Corp
Original Assignee
JFE Bars and Shapes Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Bars and Shapes Corp filed Critical JFE Bars and Shapes Corp
Priority to JP2017085238A priority Critical patent/JP6916658B2/ja
Publication of JP2018184622A publication Critical patent/JP2018184622A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6916658B2 publication Critical patent/JP6916658B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

【課題】簡便な方法で乾電池からマンガンを回収できるマンガンの回収方法を提供する。【解決手段】乾電池と鉄含有原料とを電気炉に装入し、乾電池と鉄含有原料とを溶解して溶鋼とし、溶鋼に還元剤を装入して還元製練して、乾電池に含まれるマンガンを鉄鋼合金成分として回収する。【選択図】図2

Description

本発明は、乾電池からマンガンを鉄鋼合金成分として回収する、マンガンの回収方法に関する。
使い捨ての一次電池であるマンガン乾電池は、国内で年間数億本が使用されているが、使い捨てであるので使用後は廃棄されている。使用済のマンガン乾電池は、積極的なリサイクルはなされておらず、事実上埋め立て処理されている。マンガン乾電池には、正極材料として炭素および二酸化マンガン、負極材料として亜鉛、電解液として塩化亜鉛および塩化アンモニウムが使用されている。このように、マンガン乾電池は、貴重な金属資源であるマンガンおよび亜鉛を含んでおり、且つ、安定した供給量が見込めることからリサイクル技術の確立が期待されている。
マンガン乾電池からマンガンを回収する技術として、特許文献1には、回収したマンガン乾電池を破砕・篩い分けすることで粉粒体を選別し、当該粉粒体を希酸で溶解処理し、溶液残渣となる二酸化マンガンと炭素とが混合した混合物を回収するとともに、溶解液をオゾン処理して溶液中に含まれるマンガンイオンを酸化・沈殿させてマンガンをさらに回収する方法が開示されている。
特開2015−206077号公報
特許文献1に開示された技術は、使用済のマンガン乾電池を破砕する工程、篩い分けして粉粒体を選別する工程、粉粒体を希塩酸または希硫酸で溶解処理する工程、溶解液を固液分離する工程、溶解液さらにオゾン処理する工程、オゾン処理した溶解液を固液分離する工程を経てマンガンを回収するという非常に煩雑な方法でマンガンを回収している。このため、マンガンを回収することの利益よりもマンガンを回収することに要する費用の方が高くなることが予測され、経済的にマンガン乾電池のリサイクルが成立しないおそれがある、という課題があった。本発明は、従来技術が抱える上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、従来技術よりも簡便な方法で乾電池からマンガンを回収できるマンガンの回収方法を提供することにある。
このような課題を解決するための本発明の特徴は、以下の通りである。
[1]乾電池と鉄含有原料とを電気炉に装入し、前記乾電池と前記鉄含有原料とを溶解して溶鋼とし、前記溶鋼に還元剤を装入して還元製練し、前記乾電池に含まれるマンガンを鉄鋼合金成分として回収する、マンガンの回収方法。
[2]前記還元剤は、炭素系還元剤及び/またはアルミニウム系還元剤であり、
下記(1)式を満足するように、炭素系還元剤における炭素の装入量と、アルミニウム系還元剤におけるアルミニウムの装入量と、を定める、[1]に記載のマンガンの回収方法。
Y+Z≧0.11X+8.01・・・(1)
但し、(1)式においてXは、溶鋼1tあたりの乾電池の装入量(kg/t)であり、Yは、溶鋼1tあたりの炭素系還元剤における炭素の装入量(kg/t)であり、Zは、溶鋼1tあたりのアルミニウム系還元剤におけるアルミニウムの装入量(kg/t)である。
[3]前記還元剤として高炉で製造された溶銑を用いる、[1]または[2]に記載のマンガンの回収方法。
[4]前記溶鋼の酸素濃度を700ppm以下にする、[1]から[3]の何れか1つに記載のマンガンの回収方法。
本発明のマンガンの回収方法は、スクラップ等の鉄含有原料とともに乾電池を電気炉に装入し、電気炉を用いた還元製錬を実施することで乾電池に含まれるマンガンを鉄鋼合金成分として回収する。このように、本発明のマンガンの回収方法の実施により、従来の方法よりも簡便な方法で乾電池からマンガンを回収できるので、乾電池からマンガンを回収する費用は少なくなり、マンガンの回収による乾電池のリサイクルを経済的に推進できる。
本実施形態に係るマンガンの回収方法が実施できる電気炉の一例を示す断面模式図である。 乾電池の装入量と溶鋼のマンガン濃度との関係を示したグラフである。 乾電池の装入量と炭素系還元剤における炭素の装入量との関係を示したグラフである。 乾電池の装入量とアルミニウム系還元剤におけるアルミニウムの装入量との関係を示したグラフである。 溶鋼の酸素濃度と溶鋼のマンガン濃度との関係を示すグラフである。
以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明する。図1は、本実施形態に係るマンガンの回収方法が実施できる電気炉の一例を示す断面模式図である。電気炉10は、炉本体12と、炉蓋14と、アーク電極16と、バーナー18と、酸素ランス20と、インジェクションランス21と、を備える。
本実施形態に係るマンガンの回収方法は、電気炉10を用いた二酸化マンガンの還元製練によって実施される。電気炉10を用いた二酸化マンガンの還元製練では、まず、スクラップ、廃棄物およびダスト等を含む鉄含有原料と、乾電池と、生石灰等を含む造滓剤と、還元剤である塊コークスとが1回目の装入として、炉蓋14が外された状態の炉本体12に装入される。これらの原料が装入された後、炉蓋14が炉本体12に装着される。これらの原料は、アーク電極16によって形成されるアークプラズマと、バーナー18を用いた鉄含有原料の側面からのカッチングによって溶解される。
鉄含有原料のほとんどが溶解し、炉本体12における鉄含有原料の嵩が低くなった後に、炉蓋14が外され、鉄含有原料が2回目の装入として炉本体12に装入される。鉄含有原料は、1回目の装入と同様に、アーク電極16およびバーナー18によって溶解される。図1は、鉄含有原料、乾電池、造滓剤および塊コークスが溶解され、炉本体12において溶鋼22の表面に溶融スラグ24が形成された状態を示している。
また、酸素ランス20からは酸素含有ガスが吹き付けられ、インジェクションランス21からは、粉コークスが吹き込まれる。酸素ランス20から吹き付けられる酸素含有ガスに含まれる酸素と、インジェクションランス21から吹き込まれる粉コークスとが反応して一酸化炭素が生成され、当該一酸化炭素によって溶融スラグ24がフォーミングされる。また、酸素と粉コークスとの反応は発熱反応であることから、当該一酸化炭素によって溶融スラグ24をフォーミングさせることで、溶融スラグ24に反応熱を着熱させ、溶融スラグ24の温度を上昇させることができる。溶融スラグ24に着熱された反応熱はさらに溶鋼22に伝熱し、これにより、溶鋼22の温度が高められる。
還元製練は、アーク電極16への通電を継続するとともに、酸素ランス20から酸素含有ガスを吹き付け、インジェクションランス21から粉コークスを吹き込み、溶鋼22の温度が約1600〜1660℃になるように制御されて実施される。溶鋼22の温度および溶鋼22の炭素濃度が、鋼種ごとに予め定められた温度および炭素濃度になったことを条件に、酸素ランス20からの酸素含有ガスの吹き付けと、インジェクションランス21からの粉コークスの吹き込みを停止するとともに、アーク電極16への通電を停止して還元製練を終了する。その後、炉本体12からマンガンを鉄鋼合金成分として含む溶鋼22が取鍋(不図示)に出鋼される。
本実施形態で使用する炉本体12の容量は、例えば140tである。130〜140tの鉄含有原料が、当該炉本体12に2回に分けて装入される。乾電池の装入量は、入荷状況によって異なるが、9kg/t以上41kg/t以下の範囲内となる量の乾電池が、鉄含有原料の1回目の装入とともに装入される。なお、乾電池は、鉄含有原料の1回目の装入とともに全て装入されてもよく、鉄含有原料の1回目の装入および鉄含有原料の2回目の装入とともに、分割されて装入されてもよい。また、本実施形態において、単位「kg/t」は、溶鋼1tあたりの装入質量(kg)を意味する。
本実施形態に係るマンガンの回収方法で用いられる乾電池は、正極材料に二酸化マンガンが使用された乾電池である。正極材料に二酸化マンガンが使用された乾電池とは、例えば、マンガン乾電池やアルカリ乾電池である。また、本実施形態に係るマンガンの回収方法で使用される乾電池は、使用されて回収された使用済の乾電池であるが、これに限られず、未使用の乾電池であっても本実施形態に係るマンガンの回収方法に用いることができる。
乾電池は、正極材料として炭素および二酸化マンガン、負極材料として亜鉛、電解液として塩化亜鉛、外装として鉄および酸化鉄(錆)を含む。電気炉10を用いた還元製練によって、正極材料の二酸化マンガンは還元されてマンガンとなる。マンガンは、溶鋼22に溶解し、鉄鋼合金成分として回収される。また、外装の酸化鉄も還元され、鉄として回収される。負極材料の亜鉛および電解液の塩化亜鉛は、還元製練中に蒸発し、集塵ダストとして回収される。
図2は、乾電池の装入量と溶鋼のマンガン濃度との関係を示したグラフである。図2において、横軸は乾電池の装入量(t/ch)であり、縦軸は溶鋼のマンガン濃度(質量%)である。図2のプロットは、電気炉10を用いて実施した還元製練における乾電池の装入量と出鋼された溶鋼のマンガン濃度の実績値であり、図2の実線は、当該実績値を示すプロットから算出された近似式である。なお、本実施形態において、単位「t/ch」は電気炉精錬1チャージあたりの装入質量(t)を意味する。
電気炉10に装入されるスクラップにもマンガンが含まれるので、図2に示すように、乾電池を全く装入しない操業においても溶鋼22はマンガンを含む。しかしながら、図2の近似式によって示されているように、乾電池の装入量の増加とともに溶鋼のマンガン濃度は高くなっていることから、電気炉に乾電池を装入して還元製錬を実施することで、乾電池に含まれるマンガンを鉄鋼合金成分として回収できることがわかる。
以上、説明したように本実施形態に係るマンガンの回収方法では、鉄含有原料とともに乾電池を電気炉10の炉本体12に装入し、電気炉10を用いた還元製練の実施により乾電池からマンガンを鉄鋼合金成分として回収できる。このように、本実施形態に係るマンガンの回収方法は、従来の方法よりも簡便な方法で乾電池からマンガンを回収できるので、乾電池からマンガンを回収する費用は少なくなり、乾電池のリサイクルを経済的に推進できる。
次に、還元剤の装入量について説明する。本実施形態に係るマンガンの回収方法では、還元剤として炭素系還元剤である塊コークスおよび粉コークスを使用している。本実施形態で使用する塊コークスは、例えば、目開き径35mmの篩で篩上に篩分けされるコークスである。また、粉コークスは、例えば、目開き径1mmの篩で篩下に篩分けされるコークスである。図3は、乾電池の装入量と炭素系還元剤における炭素の装入量との関係を示したグラフである。図3において、横軸は乾電池の装入量(kg/t)であり、縦軸は炭素系還元剤における炭素の装入量(kg/t)である。
図3における丸プロットは、電気炉10を用いて実施した還元製練における乾電池の装入量と炭素系還元剤における炭素の装入量の実績値である。なお、炭素系還元剤における炭素の装入量は、塊コークスおよび粉コークスの90質量%が炭素であるとして、塊コークスおよび粉コークスの装入量から算出した。図3の実線は、過去の還元製練の実績における、乾電池の装入量と炭素の装入量の下限値との関係を示すプロファイルである。このプロファイルは下記(2)式で表すことができる。なお、図3に示した還元製練における炭素の装入量は、専ら、鉄含有原料の還元製練における鉄の歩留を向上させるように算出された炭素の装入量である。
Y=0.10X+8.00・・・(2)
なお、上記(2)式において、Xは乾電池の装入量(kg/t)であり、Yは炭素系還元剤における炭素の装入量(kg/t)である。上記(2)式は、鉄含有原料の還元製練における鉄の歩留を向上させるように算出された炭素量の下限値であるので、当該下限値を下回ると、鉄の歩留が低下するとともに、マンガンの回収量も低下する。このため、炭素系還元剤を用いた場合においては、下記(3)式を満足するように、炭素の装入量を定めることが好ましい。
Y≧0.10X+8.00・・・(3)
上記(3)式を満足するように炭素の装入量を定めることで、鉄の歩留を向上できるとともに、乾電池の二酸化マンガンをも還元でき、マンガンを鉄鋼合金成分として回収できる。一方、炭素の装入量が上記(3)式を満足しない場合には、鉄の歩留が低下するとともに、乾電池に含有される二酸化マンガンも十分に還元できず、鉄鋼合金成分として回収されるマンガンが少なくなるので好ましくない。
還元剤は、炭素系還元剤に限られず、アルミニウム系還元剤を用いてもよい。図4は、乾電池の装入量とアルミニウム系還元剤におけるアルミニウムの装入量との関係を示したグラフである。図4において、横軸は乾電池の装入量(kg/t)であり、縦軸はアルミニウム系還元剤におけるアルミニウムの装入量(kg/t)である。なお、アルミニウム系還元剤としては、アルミ灰を用いることができる。
図4における三角プロットは、電気炉10を用いて実施した還元製練における乾電池の装入量とアルミニウム系還元剤におけるアルミニウムの装入量の実績値である。なお、アルミニウム系還元剤におけるアルミニウムの装入量は、アルミニウム系還元剤として用いたアルミ灰の10質量%がアルミニウムであるとして、アルミ灰の装入量から算出した。図4の実線は、過去の還元製練の実績における、乾電池の装入量とアルミニウムの装入量の下限値との関係を示すプロファイルである。このプロファイルは下記(4)式で表すことができる。なお、図4に示した還元製練におけるアルミニウムの装入量は、専ら、鉄含有原料の還元製練における鉄の歩留を向上させるように算出されたアルミニウムの装入量である。
Z=0.006X+0.010・・・(4)
なお、上記(4)式において、Xは乾電池の装入量(kg/t)であり、Zは、アルミニウム系還元剤におけるアルミニウムの装入量(kg/t)である。上記(4)式は、鉄含有原料の還元製練における鉄の歩留を向上させるように算出されたアルミニウム量の下限値であるので、当該下限値を下回ると、鉄の歩留が低下するとともに、マンガンの回収量も低下する。このため、アルミニウム系還元剤を用いた場合においては、下記(5)式を満足するように、アルミニウムの装入量を定めることが好ましい。
Z≧0.006X+0.010・・・(5)
上記(5)式を満足するようにアルミニウムの装入量を定めることで、鉄の歩留を向上できるとともに、乾電池に含有される二酸化マンガンをも還元でき、マンガンを鉄鋼合金成分として回収できる。一方、アルミニウムの装入量が上記(5)式を満足しない場合には、鉄の歩留が低下するとともに、乾電池に含有される二酸化マンガンも十分に還元できず、鉄鋼合金成分として回収されるマンガンが減少するので好ましくない。
また、還元剤として炭素系還元剤とアルミニウム系還元剤とを併用してもよい。炭素系還元剤とアルミニウム系還元剤を併用した場合には、(2)式を(4)式に加えることで、下記(6)式を導くことができる。
Y+Z=0.11X+8.01・・・(6)
上記(6)式は、炭素系還元剤とアルミニウム系還元剤を併用する場合における還元剤装入量の下限値を示す数式となる。このため、炭素系還元剤とアルミニウム系還元剤を併用した場合においては、下記(1)式を満足するように、炭素系還元剤における炭素とアルミニウム系還元剤におけるアルミニウムの装入量を定めることが好ましい。
Y+Z≧0.11X+8.01・・・(1)
上記(1)式を満足するように炭素およびアルミニウムの装入量を定めることで、鉄の歩留を向上できるとともに、乾電池の二酸化マンガンをも還元でき、マンガンを鉄鋼合金成分として回収できる。一方、炭素およびアルミニウムの装入量が上記(1)式を満足しない場合には、鉄の歩留が低下するとともに、乾電池に含有される二酸化マンガンも十分に還元できず、鉄鋼合金成分として回収されるマンガンが少なくなるので好ましくない。
また、本実施形態に係るマンガン回収方法では、還元製練中における溶鋼22の酸素濃度を700ppm以下に制御することが好ましい。図5は、溶鋼の酸素濃度と溶鋼のマンガン濃度との関係を示すグラフである。図5において、横軸は溶鋼の酸素濃度(ppm)であり、縦軸は溶鋼のマンガン濃度(1/100質量%)である。また、図中の白丸プロットは、電気炉10を用いて実施した還元製練における溶鋼22の酸素濃度と、溶鋼のマンガン濃度の実績値であり、黒丸プロットは、当該実績値に基づいて算出した近似式上のプロットである。
溶鋼22の炭素濃度は、溶鋼22の酸素濃度に反比例することが知られている。当該関係を溶鋼22のマンガン濃度にも適用して、溶鋼22のマンガン濃度をB(1/100質量%)、溶鋼22の酸素濃度をA(ppm)とした近似式である下記(6)式を作成した。そして、当該(6)式が電気炉10を用いて実施した還元製練の実績値にフィティングするように、Cの値およびDの値を算出した。本実施形態において、(6)式におけるCは「8000」であり、Dは「−5」である。
B=C/A+D・・・(6)
図5に示すとおり、還元製練における溶鋼22の酸素濃度を下げると、溶鋼22のマンガン濃度が高くなる。特に、溶鋼22の酸素濃度700ppm辺りを境に、溶鋼22の酸素濃度を下げることによる溶鋼22のマンガン濃度の増加量が多くなることがわかる。これらの結果から、溶鋼22の酸素濃度を700ppm以下に制御することによって、鉄鋼合金成分として回収できるマンガンの量を増やせることがわかる。
溶鋼22の酸素濃度は、酸素ランス20からの酸素の吹き付け量およびインジェクションランス21からの粉コークスの吹き込み量を調整することによって制御できる。具体的には、酸素の吹き付け量を少なくすれば溶鋼22の酸素濃度は低下し、酸素の吹き付け量を増やせば溶鋼22の酸素濃度は増加する。また、粉コークスの吹き込み量を少なくすれば溶鋼22の酸素濃度は増加し、粉コークスの吹き込み量を増やせば溶鋼22の酸素濃度は低下する。そして、溶鋼22の酸素濃度が700ppm以下となった操業実績における酸素ランスからの酸素吹き付け量と、インジェクションランス21からの粉コークスの吹き込み量とからそれぞれの目標値を定め、当該目標値になるように酸素ランスからの酸素吹き付け量と、インジェクションランス21からの粉コークスの吹き込み量とを調整することで、溶鋼22の酸素濃度を700ppm以下に制御できる。
なお、本実施形態では、還元剤として塊コークス、粉コークスおよびアルミ灰を用いた例を示したがこれに限られない。還元剤として、高炉で製造された溶銑を用いてもよい。高炉で製造された溶銑は、4.3質量%程度の炭素を含有するので、当該炭素によって効率的に二酸化マンガンが還元され、鉄鋼合金成分として回収できるマンガンの量を増やすことができる。
次に、本発明に係るマンガンの回収方法の実施例を説明する。電気炉容量が140tで、トランス容量が100MVAの電気炉10を用いて還元製錬を実施した。還元製錬の操業条件および当該還元製錬後の溶鋼組成およびスラグ組成を表1に示す。また、造滓剤として、3種の造滓剤(造滓剤A、造滓剤B、造滓剤C)を用いた。これらの造滓剤を装入した量(t/ch)を表2に示し、造滓剤A、造滓剤B、造滓剤Cの各組成を表3に示す。

実施例1では、1回目の装入で90.0t、2回目の装入で50.3tのスクラップを電気炉10へ装入した。乾電池、アルミ灰、塊コークスおよび造滓剤は、1回目の装入時にスクラップとともに電気炉10に装入した。装入したスクラップが溶解された後、酸素ランス20から酸素ガスを吹き付け、インジェクションランス21から粉コークスを吹き込んで還元製錬を実施した。溶鋼の炭素濃度が0.08〜0.15(質量%)の範囲内、溶鋼の温度が1590〜1650℃の範囲内となった後に、酸素ランス20からの酸素ガスの吹き付けと、インジェクションランス21からの粉コークスの吹き込みを停止するとともに、アーク電極16への通電を停止して還元製練を終了した。
スクラップの種類が操業ごとに異なり、スクラップに含まれるマンガンの量が一定ではないので、乾電池に含まれるマンガンをどの程度回収できたか正確な量は算出できないが、ある程度の量のマンガンを乾電池から回収できたことは、図2および表1から読み取れる。また、実施例1における溶鋼の酸素濃度を(6)式を用いて算出したところ347ppmとなった。このように、実施例1の溶鋼の酸素濃度は、700ppmを大きく下回っており、図5から、乾電池から多くのマンガンが回収できたと考えられる。
実施例2では、1回目の装入で90.0t、2回目の装入で45.0tのスクラップを電気炉10へ装入した。乾電池、アルミ灰、塊コークスおよび造滓剤は、1回目の装入時にスクラップとともに電気炉10に装入した。装入したスクラップが溶解された後、酸素ランス20から酸素ガスを吹き付けて還元製錬を実施した。溶鋼の炭素濃度が0.08〜0.15(質量%)の範囲内、溶鋼の温度が1590〜1650℃の範囲内となった後に、酸素ランス20からの酸素ガスの吹き付けを停止するとともに、アーク電極16への通電を停止して還元製練を終了した。
実施例2においてもスクラップの種類が操業ごとに異なり、スクラップに含まれるマンガンの量が一定ではないので、乾電池に含まれるマンガンをどの程度回収できたか正確な量は算出できないが、ある程度の量のマンガンを乾電池から回収できたことは、図2および表1から読み取れる。また、実施例2における溶鋼の酸素濃度を(6)式を用いて算出したところ400ppmとなった。このように、実施例2の溶鋼の酸素濃度は、700ppmを大きく下回っており、図5から、乾電池から多くのマンガンが回収できたと考えられる。
実施例3では、1回目の装入で90.0t、2回目の装入で48.5tのスクラップを電気炉10へ装入した。乾電池、アルミ灰、塊コークスおよび造滓剤は、1回目の装入時にスクラップとともに電気炉10に装入した。装入したスクラップが溶解された後、酸素ランス20から酸素ガスを吹き付け、インジェクションランス21から粉コークスを吹き込んで還元製錬を実施した。溶鋼の炭素濃度が0.08〜0.15(質量%)の範囲内、溶鋼の温度が1590〜1650℃の範囲内となった後に、酸素ランス20からの酸素ガスの吹き付けと、インジェクションランス21からの粉コークスの吹き込みを停止するとともに、アーク電極16への通電を停止して還元製練を終了した。
実施例3においてもスクラップの種類が操業ごとに異なり、スクラップに含まれるマンガンの量が一定ではないので、乾電池に含まれるマンガンをどの程度回収できたか正確な量は算出できないが、ある程度の量のマンガンを乾電池から回収できたことは、図2および表1から読み取れる。また、実施例2における溶鋼の酸素濃度を(6)式を用いて算出したところ333ppmとなった。このように、実施例3の溶鋼の酸素濃度は、700ppmを大きく下回っており、図5から、乾電池から多くのマンガンが回収できたと考えられる。
10 電気炉
12 炉本体
14 炉蓋
16 アーク電極
18 バーナー
20 酸素ランス
21 インジェクションランス
22 溶鋼
24 溶融スラグ

Claims (4)

  1. 乾電池と鉄含有原料とを電気炉に装入し、
    前記乾電池と前記鉄含有原料とを溶解して溶鋼とし、
    前記溶鋼に還元剤を装入して還元製練し、前記乾電池に含まれるマンガンを鉄鋼合金成分として回収する、マンガンの回収方法。
  2. 前記還元剤は、炭素系還元剤及び/またはアルミニウム系還元剤であり、
    下記(1)式を満足するように、炭素系還元剤における炭素の装入量と、アルミニウム系還元剤におけるアルミニウムの装入量と、を定める、請求項1に記載のマンガンの回収方法。
    Y+Z≧0.11X+8.01・・・(1)
    但し、(1)式においてXは、溶鋼1tあたりの乾電池の装入量(kg/t)であり、Yは、溶鋼1tあたりの炭素系還元剤における炭素の装入量(kg/t)であり、Zは、溶鋼1tあたりのアルミニウム系還元剤におけるアルミニウムの装入量(kg/t)である。
  3. 前記還元剤として高炉で製造された溶銑を用いる、請求項1または請求項2に記載のマンガンの回収方法。
  4. 前記溶鋼の酸素濃度を700ppm以下にする、請求項1から請求項3の何れか一項に記載のマンガンの回収方法。
JP2017085238A 2017-04-24 2017-04-24 マンガンの回収方法 Active JP6916658B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017085238A JP6916658B2 (ja) 2017-04-24 2017-04-24 マンガンの回収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017085238A JP6916658B2 (ja) 2017-04-24 2017-04-24 マンガンの回収方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018184622A true JP2018184622A (ja) 2018-11-22
JP6916658B2 JP6916658B2 (ja) 2021-08-11

Family

ID=64355903

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017085238A Active JP6916658B2 (ja) 2017-04-24 2017-04-24 マンガンの回収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6916658B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01228586A (ja) * 1988-03-09 1989-09-12 Nippon Jiryoku Senko Kk Ni―Cd電池屑の処理方法
JP2009011968A (ja) * 2007-07-06 2009-01-22 Nippou Kosan Kk リチウム電池の溶融処理方法
CN102569838A (zh) * 2012-01-18 2012-07-11 佛山市邦普循环科技有限公司 一种锰系废旧电池中有价金属的回收利用方法
JP2012193424A (ja) * 2011-03-17 2012-10-11 Shinkoo Flex:Kk マンガン酸化物系廃棄物からのマンガン系合金の回収方法
US20160030987A1 (en) * 2013-04-12 2016-02-04 Frank Riedewald Process for the recycling of waste batteries and waste printed circuit boards in molten salts or molten metals
JP2016156074A (ja) * 2015-02-26 2016-09-01 Jfeスチール株式会社 金属マンガンの製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01228586A (ja) * 1988-03-09 1989-09-12 Nippon Jiryoku Senko Kk Ni―Cd電池屑の処理方法
JP2009011968A (ja) * 2007-07-06 2009-01-22 Nippou Kosan Kk リチウム電池の溶融処理方法
JP2012193424A (ja) * 2011-03-17 2012-10-11 Shinkoo Flex:Kk マンガン酸化物系廃棄物からのマンガン系合金の回収方法
CN102569838A (zh) * 2012-01-18 2012-07-11 佛山市邦普循环科技有限公司 一种锰系废旧电池中有价金属的回收利用方法
US20160030987A1 (en) * 2013-04-12 2016-02-04 Frank Riedewald Process for the recycling of waste batteries and waste printed circuit boards in molten salts or molten metals
JP2016156074A (ja) * 2015-02-26 2016-09-01 Jfeスチール株式会社 金属マンガンの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6916658B2 (ja) 2021-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hu et al. Recovery of Co, Ni, Mn, and Li from Li-ion batteries by smelting reduction-Part II: A pilot-scale demonstration
JP6542354B2 (ja) リチウムイオン電池を溶解するためのプロセス
US20210328283A1 (en) Method for recovering valuable metals from waste lithium ion batteries
CN113166846B (zh) 用于回收锂的方法
JP5621437B2 (ja) コバルト回収方法
JP6219325B2 (ja) 金属マンガンの製造方法
JP6648674B2 (ja) 金属マンガンの製造方法
JP2021095628A (ja) 有価元素の回収方法
JP2021161453A (ja) 廃リチウムイオン電池からの有価金属の回収方法
Schwab et al. Zinc Recycling via the Imperial Smelting Technology—Latest Developments and Possibilities
JP2011094207A (ja) 金属マンガンの製造方法
CN108546829A (zh) 一种含锌冶金尘泥综合回收处理的方法
Popielska-Ostrowska et al. Dust arising during steelmaking processes
JP2021091940A (ja) 廃電池からの有価金属回収方法
JP6591675B2 (ja) 金属マンガンの製造方法
JP2020169357A (ja) 有価金属の回収方法
JP2018184622A (ja) マンガンの回収方法
JP2009256741A (ja) 廃電池よりの有価金属回収方法
JP2009209389A (ja) スラグフューミング方法
CN113073205B (zh) 炼锌设备和炼锌工艺
JP5532823B2 (ja) 廃電池等からの有価金属の回収方法
JP6820689B2 (ja) 金属マンガンの製造方法
JP7416153B1 (ja) 有価金属の回収方法
JPWO2018168472A1 (ja) 金属マンガンの製造方法
JPH10158718A (ja) 電気炉におけるダストのリサイクル方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20180620

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20180628

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20190322

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190325

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200123

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210629

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210716

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6916658

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250