JP2018184352A - 抗体を有効成分とするtnf産生抑制作用組成物 - Google Patents

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瑞夫 矢嶋
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香織 北村
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国昭 寺戸
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Abstract

【課題】経口摂取により、消化管内において腸内細菌叢と消化管内LPSに作用し、TNFの産生を抑制する抗体含有組成物を提供する。【解決手段】牛、ヤギ、ヒツジ、馬、鶏、ウサギからなる群から選択された少なくとも1種以上の動物に由来するものであり、かつ、前記動物のミルク、初乳、血液、鶏卵からなる群から選択された少なくとも1種を原料とした抗体を有効成分とするTNF低下作用組成物が、経口摂取により、消化管内において腸内細菌叢と消化管内LPSに作用し、血液TNFレベルを低下する。【選択図】なし

Description

本発明は、抗体を経口摂取することによる血液TNF濃度低下作用組成物と、その使用に関する。
TNFは腫瘍壊死因子tumor necrosis factorの略称で、分子量17000、アミノ酸157残基の蛋白質で、マクロファージ、単球、Tリンパ球が活性化されることによって産生され、血液中を循環する。TNFの名称の由来から示されるように、がん細胞を壊死させるサイトカインとして1975年に発見されて以来、今日までに生体の生理的恒常性維持に重要な因子であることが明らかとなるとともに、TNFの過剰な産生が後述する多様な病態の原因でもあることが、インフリキシマブなどのTNF阻害剤が関節リウマチの治療効果を示したことが契機となって明らかとなった。インフリキシマブは抗ヒトTNFに対するモノクローナル抗体医薬品で、遺伝子工学により作られた免疫グロブリンであり、今日、関節リウマチの治療薬として汎用されている。
TNFが過剰となる病態は、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、クローン病、尋常性乾癬、強直性脊髄炎、若年性特発性関節炎、ベーチェット病、川崎病、動脈硬化症、虚血性心疾患、脳卒中、I型糖尿病、II型糖尿病、痛風、アルツハイマー病、パーキンソン病、肥満、脂質異常症、うつ病、自閉症、痛覚過敏、神経障害性疼痛、サルコペニアがある。これらの疾患はいずれも慢性的な炎症状態であるので、慢性炎症性疾患と総称される。
TNFの産生は以下のようにして行われる。白血球(マクロファージなど)の細胞膜表面にはTLR4自然免疫受容体があり、TLR4はグラム陰性細菌の細胞表面にあるリポポリサッカライド(LPS およびエンドトキシン、内毒素が同義語である)を認知して結合することにより、細胞の活性化が始まる。即ち、LPSの結合は細胞内情報伝達を経て細胞核内のTNF遺伝子が活動して、TNFが産生され、これが細胞外に分泌される。
健常人における血液TNFレベルはミリリットル当たり0〜数ピコグラム以下であるが、LPSを体重1kg当たり2ngを静脈内投与すると30分後に、体温の上昇とともにTNFが血液中に出現し、90分で平均500pg/mlのピークに達し、漸減して、正常値を回復するまでに約6時間以上を要する(非特許文献1)。これに対し、関節リウマチ患者においては、薬物治療を受けていない状態では常時数ピコグラムから数十ピコグラムのTNFレベルが継続する。
ヒト腸内には糞便1g中に約10の8乗個の大腸菌が常在する。LPSは大腸菌の細胞壁構成成分として生産され、菌細胞が死滅するとLPSが遊離し、糞便1グラム中には数〜数十μgのLPSがある。健康状態では、糞便LPSは消化管粘膜のバリアにより体内移行を阻止され、血液中のLPS濃度が数pg/ml以下に維持されているので、糞便LPSがTNF産生に至ることはない。
TLR4の活性化は、細菌由来のLPSだけでなく、自己組織に由来する物質によっても活性化されることが知られている。自己組織が怪我などにより損傷を受け死滅し、組織が破壊されると、組織細胞の分解物が遊離し、脂肪酸や核酸が遊離するが、TLR4は自己組織由来の脂肪酸によっても活性化され、TNFを産生する。慢性炎症性疾患においては、炎症組織に由来する自己組織分解物が慢性的に産生されるので、自己由来分解物のTLR4刺激物質、すなわち、別称内因性リガンドによるTNF産生の可能性があった(非特許文献2)。
関節リウマチは関節、特に手足の関節が腫れて慢性的に痛む自己免疫病の一つである。特許第4911894号には、関節リウマチなどの自己免疫病の予防に抗体の経口摂取が有効であることが記載されている(特許文献1)。
特許第4911894号公報
本発明の目的は、抗体組成物の経口摂取により、TNFの産生を抑制する組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため、牛生乳由来の自然抗体を関節リウマチ患者に投与して、関節リウマチの治療試験を行う過程において、ミルク抗体が、消化管内において腸内フローラを改善して、消化管バリアを修復させ、外因性リガンドの体内移行を阻止することによりTNF産生を低下させることを見出した。
本発明はかかる知見に基づきなされたものであり、抗体を有効成分とするTNF産生低下作用組成物を提供するものである。
本発明によれば、抗体、特に、牛、ヤギ、ヒツジ、馬、鶏、ウサギからなる群から選択された少なくとも1種以上の動物に由来するものであり、かつ、前記動物のミルク、初乳、血液、鶏卵からなる群から選択された少なくとも1種を原料とした抗体が、消化管内において腸内細菌叢と消化管内LPSに作用し、血液TNFレベルを低下させることができる。
本実施形態において使用される抗体は、生体にとって異物である病原菌やその構成成分に結合して、異物を体外に排除し、無害化する作用を有する免疫システムの産物で、化学的には免疫グロブリンである。
抗体の選択は、ウシ、水牛、ウマ、ブタ、ヤギ、ウサギ、ウサギなどの家畜の血漿、初乳、生乳、ニワトリなどの卵が出発原料となる。抗体の濃度を高めるために、各種ヒト病原細菌をワクチンとして接種することもできる。出発原料は、さらに、血漿の場合は脱繊維素処理後凍結乾燥、噴霧乾燥が、初乳、生乳の場合は乳脂肪、乳糖、カゼインを除去後、限外濾過による水分除去と濃縮、無菌濾過、さらに凍結乾燥、噴霧乾燥により粉末化する。これらの技術はすでに確立され、実施されている。
抗体は液体状態では加熱により急速に活性が失われるので、加熱による殺菌に当たっては殺菌と抗体熱変性防止の両面を満足する管理が必要である。TNF産生低下作用組成物の実用形態は水溶液または乾燥粉末である。
本実施形態のTNF産生低下作用組成物は、酸耐性カプセルに収容されてなることが好ましい。酸耐性カプセルに収容することにより、抗体の、胃酸とペプシンによる胃における分解失活を回避することができ、抗体含有量が少量でもTNF産生低下作用を向上させることができる。
品質の評価は抗体の定量によりなされる。総抗体量の測定はテキストに従って、例えば二重抗体酵素免疫測定法、免疫拡散法、プロテインAまたはプロテインGカラム法などが推奨される。また、特定の細菌や細菌毒素に対する抗体の測定には酵素免疫測定法(ELISA)により測定する。
血液TNFの低下効果の発現のためには、抗体の抗原特異性のチェックが重要である。即ち、エンドトキシン産生細菌に対する抗体とヒト由来病原細菌、エンドトキシンに対する抗体、ブドウ球菌やウエルシュ菌などが産生する外毒素、すなわちエキソトキシンに対する抗体を含むことが必須の要件となる。
エンドトキシン産生菌に対する抗体は、エンドトキシン産生細菌を腸管から排泄させることにより除去を促進し、また、エンドトキシンに対する抗体は、エンドトキシンに結合して、体内移行の阻止に働く。
一方、エンドトキシンを産生しないグラム陽性ヒト病原菌(ウェルシュ菌、ブドウ球菌など)は、エキソトキシンを産生して消化管のバリアを破壊し、エンドトキシンの体内移行を高める。エキソトキシンに対する抗体がエキソトキシンに結合して、エンドトキシンの体内移行を阻止する。
エンドトキシン(LPS)産生細菌としては以下に示す属に該当する細菌である。例えば、フソバクテリム(Fusobacterium)、ベイヨネラ(Veillonella)、メガスフェラ(Megasphaera)、ナイセリア(Neisseria)、モラクセラ(Moraxella)、ブランハメラ(Branhamella)、アシネトバクター(Acinetobacter)、シトロバクター(Citrobacter)、エンテロバクター(Enterobacter)、大腸菌(Escherichia)、ハフニア(Hafnia)、クレブシエラ(Klebsiella)、モルガネラ(Morganella)、プロテウス(Proteus)、プロビデンシア(Providencia)、サルモネラ(Salmonella)、セラチア(Serratia)、シゲラ(Shigella)、エルシニア(Yersinia)、ビブリオ(Vibrio)、エロモナス(Aeromonas)、プレジオモナス(Plesiomonas)、ヘモフィルス(Haemophillus)、パスツレラ(Pasteurella)、緑膿菌(Pseudomonas)、レジオネラ(Legionella)などを挙げることができる。
エンドトキシン産生細菌のホルマリン処理ないし加熱死菌を抗体検出定量用の抗原として、必要に応じて選択する。フィンブリエ、鞭毛に対する抗体の検出定量に当たってはホルマリン処理が必要である。エンドトキシンとしては、上記の各細菌菌体をそのまま、またはこれら菌体より、成書に従ってトリクロロ酢酸法やフェノール法によりエンドトキシン(LPS)を抽出して用いることができる。
抗エンドトキシン抗体の活性は、各細菌体より抽出したエンドトキシン、または、加熱ないしホルマリン処理菌体を抗原として、ELISA法により抗体量を測定することができる。
本実施形態においては、抗体の素材として、牛の生乳由来の自然免疫抗体を含有する乳清蛋白(WPC)を用いることが好ましい。「自然免疫抗体」とは、ある動物の免疫系の外来抗原への暴露が自然に行われた結果、獲得された抗体をいう。WPCは、チーズ製造の副生物である乳清に含まれる蛋白を集めたもので、熱履歴の少ない製造方法を用いることにより自然免疫抗体はこのWPCに濃縮される。自然免疫抗体を含有するWPCとしては既に市販されているものを用いることができる。市販のWPCとしては、例えば、「アサマ乳清たんぱく」(アサマ化成株式会社製)を用いることができる。
「アサマ乳清たんぱく」は、自然免疫抗体の中でも特に、a)ヒト病原細菌の内から選択した33種の病原細菌菌体、b)病原性大腸菌O-26株、O-55株、O-111株由来のエンドトキシンと、サルモネラ・ミネソタ菌由来のリピッドAの4種類のエンドトキシン、c)黄色ブドウ球菌由来のエンテロトキシンB、ウェルシュ菌由来のエンテロトキシンの2種類のエキソトキシンを指標として選択された抗体を含む製品である(木島佳子他,日本食品化学工学会誌,2009,56:475−482)。従って「アサマ乳清たんぱく」は、ヒト病原細菌と細菌毒素に対する自然免疫抗体を多く含有する。これは、ELISA法に勝る高感度、高精度測定方法であるELMBA法を新規に開発したことにより、ヒト病原細菌に対する抗体を含む乳清蛋白製品の選別が可能になり、その結果として得られたものである。
「アサマ乳清たんぱく」中のヒト病原細菌に対する33種の病原細菌菌体を指標として選択された抗体とは、大腸菌O-111(Escherichia coli O-111)、腸管出血性大腸菌O-157(Escherichia coli O-157)、サルモネラ菌(Salmonella)、志賀赤痢菌(Shigella)、セレウス菌(Bacillus cereus)、リステリア菌(Listeria)、エルシニア菌(Yersinia)、セラチア菌(Serratia marcescens)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、サルモネラ・ミネソタR595菌(Salmonella minnesota R595)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、カンピロバクター(Campylobacter)、バクテロイデス(Bacteroides)、カンジダ菌(Candida)、プロピオン酸菌(Propionibacterium)、サングイス連鎖球菌(Streptococcus sanguis)、唾液連鎖球菌(Streptococcus salivarius)、ミュータンス菌(Streptococcus mutans)、アエロゲネス菌(Enterobacter aerogenes)、アルカリゲネス(Alcaligenes)、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloacae)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、プロテウス菌(Proteus)、ピロリ菌(Helicobacter pylori)、A群化膿レンサ球菌1型(Group A Streptococci type-1)、A群化膿レンサ球菌12型(Group A Streptococci type-12)、A群化膿レンサ球菌22型(Group A Streptococci type-22)、緑色レンサ球菌(Streptococcus viridans)、肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumoniae)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)及びインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)に対する抗体であり、自然免疫抗体はこれ以外の抗ヒト病原細菌抗体を含むことがある。
「アサマ乳清たんぱく」中の細菌毒素に対する自然免疫抗体とは、病原性大腸菌O−26株、O−55株及びO−111株由来のエンドトキシン、サルモネラ・ミネソタ菌由来のリピッドA、黄色ブドウ球菌由来のエンテロトキシンB、ウェルシュ菌由来のエンテロトキシンに対する抗体であり、自然免疫抗体はこれ以外の抗細菌毒素抗体を含むことがある。
自然免疫抗体の選別は、上記a)については抗体価がホエイタンパク質1g中に8μg以上である点、上記b)及びc)については抗体価がホエイタンパク質1g中に1μg以上である点を指標とすることが好ましい。
本実施形態に係るTNF低下効果を発揮させるために必要とする抗体含有量は0.001重量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.01重量%以上であることが好ましい。抗体の摂取量は、成人一日当たり10mg以上であることが好ましく、より好ましくは100mg以上である。
本発明は、また、腸内細菌に作用することが知られているプレバイオティクス及び/又はプロバイオティクスを抗体に添加することによりTNF産生低下作用も高めることができるので有用性が高まる。プレバイオティクス又はプロバイオティクスの添加はそれぞれ単独でも効果が高まるが、両者を併用すれば、TNF産生低下作用をより高めることができるため好ましい。
本実施形態において使用されるプレバイオティクスは、腸内の健康を促進する微生物の増殖を促進する、消化できない食品を意味する。プレバイオティクスは、プレバイオティクスを摂取した人の胃及び/若しくは上部腸内で分解、又は消化管内で吸収されないが、胃腸の微生物叢はプレバイオティクスによって発酵する。プレバイオティクスは、例えば、Glenn R.Gibson及びMarcel B.Roberfroid, Dietary Modulation of the Human Colonic Microbiota:Introducing the Concept of Prebiotics, J. Nutr. 1995 125:1401〜1412によって定義されている。
本実施形態においてら使用し得るプレバイオティクスは特に限定されず、腸内でプロバイオティクス又は健康を促進する微生物の増殖を促進する全ての食品が含まれる。好ましくは、プレバイオティクスは、例えば、オリゴ糖(ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、乳果オリゴ糖、キシロオリゴ糖、イソマルオリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、コーヒー豆マンノオリゴ糖、グルコン酸など)や食物繊維(ポリデキストロースなど)、イヌリン、アカシアガムまたはこれらの混合物からなる群から選択し得る。好ましいプレバイオティクスは、スキムミルク、フラクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、イソマルトオリゴ糖(IOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、アラビノキシラン、大豆オリゴ糖、グリコシルスクロース(GS)、ラクトスクロース(LS)、ラクツロース(LA)、パラチノースオリゴ糖(PAO)、マルトオリゴ糖(MOS)、スキムミルク、ペクチン及び/又はその加水分解物である。
本実施形態において使用し得るプロバイオティクスは、例えば、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、エンテロコッカス(Enterococcus)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属などの乳酸菌(代謝産物として乳酸を産生する細菌を含む)、ビフィズス菌、プロピオン酸菌、酪酸菌またはこれらの混合物等を例示することができる。本実施形態に係るTNF産生低下作用組成物に添加することにより、血液TNFレベルをより効果的に低減することができる。添加量は、血液TNF低下組成物に対し、0.1〜10重量%であることが好ましい。
本実施形態に係るTNF産生低下作用組成物の摂取形態は、例えば、粉末、錠剤、カプセル、顆粒、クッキー、アイスクリーム、飲料などを挙げることができる。但し、有効成分の抗体が失活しない条件で摂取することが前提となる。
血液TNFレベルの測定は市販のヒトTNF測定ELISAキットを用いて定量することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.TNF低下作用組成物の調製
(1)自然免疫抗体としてアサマ乳清たんぱく(商品名、アサマ化成社製ミルク抗体含有WPC、抗体量30mg/g)を1包20gに分包した(抗体量 600mg/包、サンプル1)。
(2)抗体として牛初乳由来WPC(コロストラム社(Colostrum Technologoies GmbH)製、抗体量600mg/g)を酸耐性ハードカプセル(カプスゲル・ジャパン株式会社製、商品名DRcaps)1カプセルに牛初乳由来WPCの 0.17gを充填した(抗体量100mg/カプセル、サンプル2)。
(3)プレバイオティクス含有TNF低下作用組成物の調製
アサマ乳清たんぱく(商品名、アサマ化成社製ミルク抗体含有WPC、抗体量30mg/g)7kgとフルクトオリゴ糖(明治フードマテリア社製、商品名メイオリゴP)3kgを均一に混合し、1包10g中、ミルク抗体210mg、プレバイオティクス3gを含有するTNF低下作用組成物を調製した(サンプル3)。
(4)プロバイオティクス含有TNF低下作用組成物の調整
アサマ乳清たんぱく(商品名、アサマ化成社製ミルク抗体含有WPC、抗体量30mg/g)10kgとラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)TISTR390の凍結乾燥生菌菌体33%を含有する凍結乾燥粉末300gを均一に混合し、1包10g中、ミルク抗体300mg、プロバイオティクス1011を含有するTNF低下作用組成物を調製した(サンプル4)。
(5)比較例として、スキムミルク(よつ葉乳乳業社製)を1包20gに分包して治験用製剤とし、後述する試験に供試した(比較例1)。
2.試験方法
被験者は通常の関節リウマチ化学療法剤(DMARDs)の使用により改善の見られない関節リウマチ患者で、関節リウマチ疾患活動性はヨーロッパリウマチ学会(EULAR)の判定基準によるDAS28-ESR3.2以上(中等度以上)の患者を対象とした。患者30例を一群として、第一群には実施例のサンプル1を1包/日(抗体量600mg/日)、第2群にはサンプル2を3カプセル(抗体量300mg/日)、第3群にはサンプル3を1包/日(抗体量210mg/日)、第4群にはサンプル4を1包/日(抗体量300mg/日)、第5群には比較例1(抗体量0mg/日)を一日1回食後12週間摂取させた。ミルク抗体投与前と投与12週後に採血し、分離血清中のTNF濃度をヒトTNFアルファクアンテイカインHS ELISAキット(R&D社製)を用いて測定した。
3.結果
表1にミルク抗体の血液TNFレベルに及ぼす効果を検討した結果を示す。比較例においては、有意なTNFレベルの低下は認められなかったのに対し、サンプル1のミルク抗体600mg群、サンプル2の酸耐性カプセル充填ミルク抗体300mg群、サンプル3のプレバイオテイック3g添加ミルク抗体210mg群、サンプル4のプロバイオティック添加ミルク抗体300mg群において、有意なTNF血液濃度の低下が認められた。特に、酸耐性カプセル群(サンプル2)においてはミルク抗体量がサンプル1の半量300mgであるにも関わらず、64.4%の高い抑制率であった。サンプル2において、抗体量がサンプル1の半量であるにもかかわらず、TNF血液レベルの有意な低下を示したことは、酸耐性カプセルを用いたことにより、ミルク抗体の、胃酸とペプシンによる胃における分解失活か回避された結果であることを示唆した。

Claims (8)

  1. 抗体を有効成分とする血液TNF低下作用組成物。
  2. 前記抗体が、自然免疫抗体である、請求項1に記載の血液TNF低下作用組成物。
  3. 前記抗体が、牛、ヤギ、ヒツジ、馬、鶏、ウサギからなる群から選択された少なくとも1種以上の動物に由来するものであり、かつ、前記動物のミルク、初乳、血液、鶏卵からなる群から選択された少なくとも1種を原料としたものである、請求項1又は2に記載の血液TNF低下組成物。
  4. 前記抗体が、ヒト病原細菌及び細菌毒素に対する抗体価により選別されたものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の血液TNF低下作用組成物。
  5. さらに、プレバイオティクスを含有する、請求項1〜4のいずれかの1項に記載の血液TNF低下作用組成物。
  6. 前記プレバイオティクスが、フルクトオリゴ糖、アラビノキシラン、食物繊維、イヌリン又はこれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1種である、請求項5に記載の血液TNF低下作用組成物。
  7. さらに、プロバイオティクスを含有する、請求項1〜6のいずれかの1項に記載の血液TNF低下作用組成物。
  8. 前記プロバイオティクスが、乳酸菌、ビフィズス菌またはこれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1種である、請求項7に記載の血液TNF低下作用組成物。
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