JP2018062483A - 抗体よりなる消化管ブロッキングlps産生増強組成物及び鎮痛作用組成物 - Google Patents

抗体よりなる消化管ブロッキングlps産生増強組成物及び鎮痛作用組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2018062483A
JP2018062483A JP2016202131A JP2016202131A JP2018062483A JP 2018062483 A JP2018062483 A JP 2018062483A JP 2016202131 A JP2016202131 A JP 2016202131A JP 2016202131 A JP2016202131 A JP 2016202131A JP 2018062483 A JP2018062483 A JP 2018062483A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibody
analgesic
pain
group
milk
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016202131A
Other languages
English (en)
Inventor
塩野谷 博
Hiroshi Shionoya
博 塩野谷
瑞夫 矢嶋
Mizuo Yajima
瑞夫 矢嶋
香織 北村
Kaori Kitamura
香織 北村
豪 鈴木
Takeshi Suzuki
豪 鈴木
国昭 寺戸
Kuniaki Terato
国昭 寺戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asama Chemical Co Ltd
Original Assignee
Asama Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asama Chemical Co Ltd filed Critical Asama Chemical Co Ltd
Priority to JP2016202131A priority Critical patent/JP2018062483A/ja
Publication of JP2018062483A publication Critical patent/JP2018062483A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

【課題】抗体を有効成分とする経口投与により有効な鎮痛作用、特に痛覚過敏、神経障害性疼痛に有効な鎮痛作用組成物の提供を目的とする。【解決手段】抗体または抗体とプレバイオティクス、プロバイオティクスとを有効成分とする鎮痛作用組成物であって、抗体としてミルク抗体を含有し、プレバイオティクスとしてアラビノキシラン、フラクトオリゴ糖などを含有する鎮痛作用組成物を経口摂取することにより、抗体又を単独で摂取した場合と比較して相乗効果的に鎮痛作用を高める。【選択図】図8B

Description

本発明は、抗体を経口摂取することによる痛みの治療および予防に関する組成物とその使用に関する。
痛み、疼痛は外傷、熱、圧通、寒冷、化学物質による損傷に伴い、ヒトが感じる感覚で、生体に危険を知らせるシグナルとして重要である。
痛みの感覚の発生は以下のように説明される。痛みは外傷の場合、外傷により、その外傷局所において疼痛物質が生ずる。疼痛物質としてはセロトニン、ヒスタミン、ブラジキニン、アデノシン三リン酸、プロスタギランジンI2、プロスタギランジンEなの疼痛物質が知られている。これらの疼痛物質は、痛覚神経末端のある痛覚受容体に作用して、受容体を活性化し、電気信号として抹消神経線維を流れる。電気信号は脊椎後根で脊髄中枢神経に伝達し、脊髄を流れて、脳幹に達し、脳幹で次の神経線維に伝達され視床に到達する。視床でさらに、次の線形繊維に伝達され、大脳の中心後回に到達して痛みとして感知される。すなわち痛覚受容体で発生した電気信号は一つの抹消神経と2つの中枢神経細胞を経由して痛みとして感知される。
痛みには、痛覚受容体由来の信号がなくとも、または、発生源の損傷が軽微または治癒したにもかかわらず強い痛みが継続ずる場合がある。これは、痛みの電気信号を大脳に伝達させる神経細胞の異常により、痛みの電気信号がないにもかかわらず、または微小な電気信号が拡大されて伝達される病態である。この病態が痛覚過敏、アロデイニアで、痛覚神経系の伝達経路における異状に基づく痛みで、神経障害性疼痛とも称される。このように、痛覚過敏は痛覚神経系の機能不全により発生するもので、触られただけでも激烈に痛む、何もせずとも痛むなどの感覚異常の状態となる。神経痛、四十肩、腰痛、筋肉痛、関節痛、がん性疼痛、糖尿病性神経痛などが関係する。
痛みは本来生体に危険を知らせるシグナルであるが、痛覚過敏、神経障害性疼痛は痛み本来の危険シグナルとしての役割ではなくなる。痛覚過敏、神経障害性疼痛は、生命には差し迫った危険ではないが、発生頻度が極めて高く、QOLを悪くすること、そのうえ、既存の非ステロイド性消炎鎮痛剤やモルヒネが効きづらいために、臨床上の問題となっている。傷の痛みは傷が治癒されれば痛みはないので短期的であるのに対し、痛覚過敏の痛みは数か月以上に及ぶ慢性的である特徴を有する。痛みの神経経路は、暑さ寒さについても同じ神経経路であるために、痛覚過敏は熱寒過敏でもある。
痛覚過敏の原因としては、大腸菌LPSがかかわることが、人、動物で知られている。Goeij MD(2013)は健常人に大腸菌LPSを静脈内投与すると、2時間後には、LPS非投与群に比べて圧痛閾値(圧力により発生する痛み)が有意に減少することを見出した(非特許文献1)。圧痛試験以外にも、電極をつまんで電流を流すことにより発生する痛みに耐えられる電流量測定、氷水に手を付け発生する痛みに耐えられる時間の測定においても、LPS投与により、閾値が優位に低下した。
関節リウマチは関節、特に手足の関節が腫れて慢性的に痛む自己免疫病の一つである。特許第4911894号には、関節リウマチなどの自己免疫病の予防に抗体の経口摂取が有効であることが記載されている(特許文献1)。
特許第4911894号
Goeij MD et al. Systemic inflammation decreases pain threshold in humans in vivo. Plos ONE 2013 8(12): e84159
本発明の目的は、抗体組成物の経口摂取により、痛み、特に、痛みの電気信号伝達神経経路の異状による痛覚過敏を軽減し、慢性疼痛の治療、予防する抗体組成物を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するため、牛生乳由来の自然抗体を関節リウマチ患者に投与して、関節リウマチの治療試験を行う過程において、ミルク抗体が、消化管内においてブロッキングLPS(=BLPS)産生増強作用を介して、疼痛、痛覚過敏、神経障害性疼痛を軽減するという知見を得た。さらに、ミルク抗体の疼痛軽減作用は、プレバイオティクス、プロバイオティクスの添加により効果が増強されるという知見を得た。
本発明はかかる知見に基づきなされたものであり、抗体を有効成分とする消化管ブロッキングLPS産生増強組成物及び抗体を鎮痛作用成分として含有する鎮痛作用組成物を提供するものである。
本発明によれば、ミルク抗体が、消化管内においてブロッキングLPS(=BLPS)産生増強作用を介して、疼痛、痛覚過敏、神経障害性疼痛を軽減するため、鎮痛作用組成物として利用することができる。また、この疼痛軽減作用は、プレバイオティクス、プロバイオティクスを介在させることにより増強させることができる。
ミルク抗体が各群のDAS28−ESR、DAS28−CRPの改善スコアの平均±標準誤差(SE)を改善することを示す図である。 各患者のDAS28-ESR改善スコアに基づき、表2の改善度の判定基準に照らして、改善(Good responder)、中等度改善(Moderate responder)、非反応(No response)に分けた後、中等度以上の患者数を%で示した図である。 各患者のDAS28-CRP改善スコアに基づき、表2の改善度の判定基準に照らして、改善(Good response)、中等度改善(Moderate response)、非反応(No response)に分けた後、中等度以上の患者数を%で示した図である。 ミルク抗体、スキムミルク投与前後における糞便乾燥物1g中のLPS量を示す図である。 ミルク抗体が糞便のLPS濃度に与える影響を、改善度群別に検討した結果を示す図である。 ミルク抗体が消化管バリアに与える影響を検討した結果を示す図である。 鎮痛作用組成物がPain VASに及ぼす効果を検討した結果を示す図である。 鎮痛作用組成物がPain VASに及ぼす効果を、Responder(症例数n=9) Non-responder(n=20)に分けて示した図である。 痛みの軽減度(Pain-VAS)と糞便B.fragilis菌数/糞便大腸菌数の比との相関性を求めると、スキムミルク改善群においては相関性がなかったことを示す図である。 痛みの軽減度(Pain-VAS)と糞便B.fragilis菌数/糞便大腸菌数の比との相関性を求めると、ミルク抗体改善群においては相関性が認められたことを示す図である 痛みの軽減度とB. fragilis菌との相関性をスキムミルク群、Ab300mg群、Ab600mg群の各responder群について比較すると、ミルク抗体の投与量に比例して鎮痛効果が高まることを示した図である。 B.フラジリス菌とPain VAS、腫脹関節数(SJC)、疼痛関節数(TJC)との相関関係を、スキムミルク投与群、Ab300mg群、Ab600mg群の各responderについて検討した結果を示す図である。
ブロッキングLPS(BLPS)を以下に説明し、定義する。エンドトキシンはグラム陰性細菌菌細胞が産生する致死毒で、化学的にリポ多糖体で、細胞壁構成成分として菌細胞が合成する。菌細胞の死に伴い毒性成分として遊離するので、菌が細胞外に分泌する外毒素に対して内毒素である。大腸菌、サルモネラ菌など、腸内細菌科の内毒素は毒性が高く、多臓器不全、敗血症死の原因となる。一方、ヒト腸内にはグラム陰性細菌のバクテロイデス属は大腸菌よりも高いオーダーで常在するが、その致死毒性は大腸菌など腸内細菌科の毒性の1/100〜1/1000である(Mancuso G et al. Bacteroides frgilis-derived lipopolysaccharides produces cell activation and lethal toxicity via toll-like recptor 4. Inf Immunity 2005 73 5620-5627.)。さらに、バクテロイデス属細菌LPSは試験管内において大腸菌LPSによるマクロファージの活性化を抑制することが報告されている(Delahooke D M, Barclay G. R., Poxton I. Tumor necrosis factor induction by an aqueous phenol-extracted lipopolysaccharide complex from Bacteroides species. R. Infect. Immun. 1976 13:22-26.)。本発明者らは、ミルク抗体が消化管内においてバクテロイデス属細菌のLPSを増加させることにより、大腸菌のLPS活性をブロックすることを見出し、本発明に係る消化管ブロッキングLPS産生増強組成物を完成させた。バクテロイデス属、プレボテラ属LPSなどサイトファガ・バクテロイデス属由来のLPSは、大腸菌LPSの毒性活性をブロックすることから、これらのLPSを総称してブロッキングLPSすなわちBLPSと命名する。
本実施形態において使用される抗体は、生体にとって異物である病原菌やその構成成分に結合して、異物を体外に排除し、無害化する作用を有する免疫システムの産物で、化学的には免疫グロブリンである。
抗体の選択は、ウシ、水牛、ウマ、ブタ、ヤギ、ウサギ、ウサギなどの家畜の血漿、初乳、生乳、ニワトリなどの卵が関節リウマチ予防用及び治療用組成物作成の出発原料となる。抗体の濃度を高めるために、各種ヒト病原細菌をワクチンとして接種することもできる。出発原料は、さらに、血漿の場合は脱繊維素処理後凍結乾燥、噴霧乾燥が、初乳、生乳の場合は乳脂肪、乳糖、カゼインを除去後、限外濾過による水分除去と濃縮、無菌濾過、さらに凍結乾燥、噴霧乾燥により粉末化する。これらの技術はすでに確立され、実施されている。
抗体は液体状態では加熱により急速に活性が失われるので、加熱による殺菌に当たっては殺菌と抗体熱変性防止の両面を満足する管理が必要である。関節リウマチ予防用及び治療用組成物の実用形態は水溶液または乾燥粉末である。
品質の評価は抗体の定量によりなされる。総抗体量の測定はテキストに従って、例えば二重抗体酵素免疫測定法、免疫拡散法、プロテインAまたはプロテインGカラム法などが推奨される。また、特定の細菌や細菌毒素に対する抗体の測定には酵素免疫測定法により測定する。
血液と糞便中の大腸菌エンドトキシンの低下、BLPSの上昇機能を有する組成物の機能を確保するためには、抗体の抗原特異性のチェックが重要である。即ち、エンドトキシン産生細菌に対する抗体とヒト由来病原細菌、エンドトキシンに対する抗体、ブドウ球菌やウエルシュ菌などが産生する外毒素、エキソトキシンに対する抗体を含むことが必須の要件となる。
エンドトキシン産生菌に対する抗体は、エンドトキシン産生細菌を腸管から排泄させることにより除去を促進し、また、エンドトキシンに対する抗体は、エンドトキシンに結合して、体内移行の阻止に働く。
一方、エンドトキシンを産生しないグラム陽性ヒト病原菌(ウェルシュ菌、ブドウ球菌など)は、エキソトキシンを産生して消化管のバリアを破壊し、エンドトキシンの体内移行を高める。エキソトキシンに対する抗体がエキソトキシンに結合して、エンドトキシンの体内移行を阻止する。
エンドトキシン産生細菌としては以下に示す属に該当する細菌である。例えば、フソバクテリム(Fusobacterium)、ベイヨネラ(Veillonella)、メガスフェラ(Megasphaera)、ナイセリア(Neisseria)、モラクセラ(Moraxella)、ブランハメラ(Branhamella)、アシネトバクター(Acinetobacter)、シトロバクター(Citrobacter)、エンテロバクター(Enterobacter)、大腸菌(Escherichia)、ハフニア(Hafnia)、クレブシエラ(Klebsiella)、モルガネラ(Morganella)、プロテウス(Proteus)、プロビデンシア(Providencia)、サルモネラ(Salmonella)、セラチア(Serratia)、シゲラ(Shigella)、エルシニア(Yersinia)、ビブリオ(Vibrio)、エロモナス(Aeromonas)、プレジオモナス(Plesiomonas)、ヘモフィルス(Haemophillus)、パスツレラ(Pasteurella)、緑膿菌(Pseudomonas)、レジオネラ(Legionella)などを挙げることができる。
エンドトキシン産生細菌のホルマリン処理ないし加熱死菌を抗体検出定量用の抗原として、必要に応じて選択する。フィンブリエ、鞭毛に対する抗体の検出定量に当たってはホルマリン処理が必要である。エンドトキシンとしては、上記の各細菌菌体をそのまま、またはこれら菌体より、成書に従ってトリクロロ酢酸法やフェノール法によりエンドトキシン(LPS)を抽出して用いることができる。
抗エンドトキシン抗体の活性は、各細菌体より抽出したエンドトキシン、または、加熱ないしホルマリン処理菌体を抗原として、ELISA法により抗体量を測定することができる。
本実施形態においては、抗体の素材として、生乳由来の自然免疫抗体を含有する乳清蛋白(WPC)を用いることが好ましい。「自然免疫抗体」とは、ある動物の免疫系の外来抗原への暴露が自然に行われた結果、獲得された抗体をいう。WPCは、チーズ製造の副生物である乳清に含まれる蛋白を集めたもので、熱履歴の少ない製造方法を用いることにより自然免疫抗体はこのWPCに濃縮される。自然免疫抗体を含有するWPCとしては既に市販されているものを用いることができる。市販のWPCとしては、例えば、「アサマ乳清たんぱく」(アサマ化成株式会社製)を用いることができる。
「アサマ乳清たんぱく」は、自然免疫抗体の中でも特に、a)ヒト病原細菌の内から選択した33株の病原細菌由来のエンドトキシン、b)病原性大腸菌O−26株、O−55株、O−111株由来のエンドトキシンと、サルモネラ・ミネソタ菌由来のリピッドAの4種類のエンドトキシン、c)黄色ブドウ球菌由来のエンテロトキシンB、ウェルシュ菌由来のエンテロトキシンの2種類のエキソトキシンを指標として選択された抗体を含む製品である(木島佳子他,日本食品化学工学会誌,2009,56:475−482)。従って「アサマ乳清たんぱく」は、ヒト病原細菌と細菌毒素に対する自然免疫抗体を多く含有する。これは、ELISA法に勝る高感度、高精度測定方法であるELMBA法を新規に開発したことにより、ヒト病原細菌に対する抗体を含む乳清蛋白製品の選別が可能になり、その結果として得られたものである。
「アサマ乳清たんぱく」中のヒト病原細菌に対する33種の自然免疫抗体とは、大腸菌O−111(Escherichia coli O-111)、腸管出血性大腸菌O−157(Escherichia coli O-157)、サルモネラ菌(Salmonella)、志賀赤痢菌(Shigella)、セレウス菌(Bacillus cereus)、リステリア菌(Listeria)、エルシニア菌(Yersinia)、セラチア菌(Serratia marcescens)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、サルモネラ・ミネソタR595菌(Salmonella minnesota R595)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、カンピロバクター(Campylobacter)、バクテロイデス(Bacteroides)、カンジダ菌(Candida)、プロピオン酸菌(Propionibacterium)、サングイス連鎖球菌(Streptococcus sanguis)、唾液連鎖球菌(Streptococcus salivarius)、ミュータンス菌(Streptococcus mutans)、アエロゲネス菌(Enterobacter aerogenes)、アルカリゲネス(Alcaligenes)、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloacae)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、プロテウス菌(Proteus)、ピロリ菌(Helicobacter pylori)、A群化膿レンサ球菌1型(Group A Streptococci type-1)、A群化膿レンサ球菌12型(Group A Streptococci type-12)、A群化膿レンサ球菌22型(Group A Streptococci type-22)、緑色レンサ球菌(Streptococcus viridans)、肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumoniae)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)及びインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)に対する抗体であり、自然免疫抗体はこれ以外の抗ヒト病原細菌抗体を含むことがある。
「アサマ乳清たんぱく」中の細菌毒素に対する自然免疫抗体とは、病原性大腸菌O−26株、O−55株及びO−111株由来のエンドトキシン、サルモネラ・ミネソタ菌由来のリピッドA、黄色ブドウ球菌由来のエンテロトキシンB、ウェルシュ菌由来のエンテロトキシンに対する抗体であり、自然免疫抗体はこれ以外の抗細菌毒素抗体を含むことがある。
自然免疫抗体の選別は、上記a)については抗体価がホエイタンパク質1g中に8μg以上である点、上記b)及びc)については抗体価がホエイタンパク質1g中に1μg以上である点を指標とした。
本実施形態に係る鎮痛効果を発揮させるために必要とする抗体含有量は0.001重量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.01重量%以上であることが好ましい。抗体の摂取量は、成人一日当たり10mg以上であることが好ましく、より好ましくは100mg以上である。
本発明は、また、ミルク抗体の鎮痛効果はスキムミルクとの混合物が最も優れた効果を示したことから(図8)、ミルク抗体の鎮痛効果はプレバイオティクスの添加によって鎮痛活性が強化されることを示した。
本実施形態において使用されるプレバイオティクスは、腸内のプロバイオティクス又は健康を促進する微生物の増殖を促進する、消化できない食品を意味する。プレバイオティクスは、プレバイオティクスを摂取した人の胃及び/若しくは上部腸内で分解、又は消化管内で吸収されないが、胃腸の微生物叢はプレバイオティクスによって発酵する。プレバイオティクスは、例えば、Glenn R.Gibson及びMarcel B.Roberfroid, Dietary Modulation of the Human Colonic Microbiota:Introducing the Concept of Prebiotics, J. Nutr. 1995 125:1401〜1412によって定義されている。
本実施形態においてら使用し得るプレバイオティクスは特に限定されず、腸内でプロバイオティクス又は健康を促進する微生物の増殖を促進する全ての食品が含まれる。好ましくは、プレバイオティクスは、スキムミルク、オリゴ糖(ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、乳果オリゴ糖、キシロオリゴ糖、イソマルオリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、コーヒー豆マンノオリゴ糖、グルコン酸など)や食物繊維(ポリデキストロースなど)、イヌリン、またはこれらの混合物からなる群から選択し得る。好ましいプレバイオティクスは、スキムミルク、フラクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、イソマルトオリゴ糖(IOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、アラビノキシラン、大豆オリゴ糖、グリコシルスクロース(GS)、ラクトスクロース(LS)、ラクツロース(LA)、パラチノースオリゴ糖(PAO)、マルトオリゴ糖(MOS)、ガム及び/又はその加水分解物、ペクチン及び/又はその加水分解物である。なお、スキムミルクはこれまでプレバイオティクスとしての機能は知られていなかったが、本発明者らにより、スキムミルクがプレバイオティクスとして機能しうることが明らかとなった。
ミルク抗体の鎮痛効果がプレバイオティクスによって改善される結果は、プレバイオティクスの作用はプロバイオティクス作用をする微生物の増殖促進に基づくものであることから、ミルク抗体の鎮痛効果増強にはプロバイオティクスの添加が好ましい。
添加の対象となるプロバイオティクスは、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、エンテロコッカス(Enterococcus)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属などの乳酸菌(代謝産物として乳酸を産生する細菌を含む)、ビフィズス菌、酪酸菌またはこれらの混合物等を例示することができる。本実施形態に係る鎮痛作用組成物に添加することにより、疼痛をより効果的に軽減することができる。添加量は、関節リウマチ予防用及び治療用組成物に対し、0.1〜10重量%であることが好ましい。
本実施形態に係る鎮痛作用組成物の摂取形態は、例えば、粉末、錠剤、カプセル、顆粒、クッキー、アイスクリーム、飲料などを挙げることができる。但し、有効成分の抗体が失活しない条件で摂取することが前提となる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明は、以下の実施例に記載した如く、ミルク抗体による関節リウマチ治療試験に基づきなされたものである。
1.鎮痛作用組成物の調製
抗体として「アサマ乳清たんぱく」(アサマ化成社製ミルク抗体、抗体量30mg/g)からなる鎮痛作用組成物を調製し、1包20gに分包した(Ab 600mg、サンプル1)。
また、「アサマ乳清たんぱく」(アサマ化成社製ミルク抗体、抗体量30mg/g)とプレバイオティクスとしてスキムミルク(よつ葉乳業社製、乳糖53%、蛋白質34%、灰分8%、抗体量0mg/g)の各30kgを1:1の割合で混合した鎮痛作用組成物を調製し、1包20gに分包した(Ab 300mg+スキムミルク、サンプル2)。
「アサマ乳清たんぱく」(アサマ化成社製ミルク抗体、抗体量30mg/g)10kgと、プロバイオティクスとしてラクトバチルス・カゼイ TISTR390の凍結乾燥生菌菌体33%を含有する凍結乾燥粉末300gを均一に混合し、アサマ乳清タンパク10g(抗体量30mg/g)中に1011〜12のプロバイオティクスを含有する鎮痛作用組成物を調製し、1包20gに分包した。
なお、比較例として、スキムミルク単独を1包20gに分包して治験用製剤とし、後述する試験に供試した(比較例1)。
2.試験方法
(1)被験者患者
無作為割り付け二重盲検法により、93例の患者を用いて行われた。被験者は通常の関節リウマチ化学療法剤(DMARDs)の使用により改善の見られない患者で、関節リウマチ疾患活動性はヨーロッパリウマチ学会(EULAR)の判定基準によるDAS28-ESR3.2以上(中等度以上)の患者を対象とした。
(2)試験項目
ア 鎮痛作用組成物による関節リウマチの予防・治療効果
患者31例を一群として、ミルク抗体600mgを含有する鎮痛作用組成物群(Ab 600 mg、サンプル1)、ミルク抗体300mgとスキムミルク10gを含有する鎮痛作用組成物混合物群(Ab 300mg、サンプル2)、スキムミルク20g群(比較例1)に分け、12週間毎日投与した。
ミルク抗体投与開始前、中、後の期間、被験者はすべて、関節リウマチ化学治療薬剤(DMARD)による治療を継続した。この治験は、関節リウマチの病態に、消化管内エンドトキシンの体内移行が関与するという仮説に基づく治験である。従って、評価項目には、ヨーロッパリウマチ学会(EULAR)における臨床評価項目に加えて、腸内細菌(総細菌数、大腸菌、バクテロイデス・フラジリス(以下、「B.フラジリス」という)、ビフィズス菌、乳酸桿菌など)、糞便および血液エンドトキシンとその影響に関する項目が含まれる。
関節リウマチの治療効果については、関節リウマチの疾患活動性を示す国際的指標として使用されているDAS28-ESRおよびDAS28-CRPスコアを0、4、8、12週の4回測定し、鎮痛作用組成物による関節リウマチの予防・治療効果を評価した。
DAS28-ESRおよびDAS28-CRPは以下の手順で算出した。関節リウマチは手足の関節が痛みと腫れが特徴的であり、診断は左右10本の指について、指の先端から2番目(PIP)と3番目(MCP)の関節の計20か所、両腕、肘、肩関節6か所、膝関節2か所の合計28か所について、それらの腫れ具合(腫脹関節、swollen joint、SJ)、痛み具合(医師が患者関節を押さえたときの圧痛, tender joint、TJ)を医師が診断して、それぞれ腫脹関節数(SJC)、圧痛関節数(TJC)を測定した。さらに、血液を採取して、ガラス管中に入れて立てかけ、ガラス管中での赤血球の沈殿する速度(ESR=赤血球沈降速度)を測定した(mm/時間h)。患者血清のCRP濃度(肝臓由来の炎症指標蛋白、mg/dl)、さらに患者が関節リウマチを自己評価し、診断時の体調を0mm(最もよい)から100mm(最も悪い)の長さで示した値(患者VASmm)を測定した。以上の測定値をもとに、次の式によりDAS28-ESRスコア、およびDAS28-CRPスコアを算出した。
スコアの算出と疾患活動性、および治療効果判定基準を以下に示す。
DAS28スコアによる疾患活動性の分類は関節リウマチの病態の程度を数値化したものである。表1に疾患活動性の判定基準を示す。
表2に治療による改善度の判定基準(EULAR改善基準)を示す。EULARの治療効果の評価はDAS28スコアの減少度をGood response、Moderate response、No responseの3段階に分けて行った。
本試験における効果の判定は以下による。12週投与による各群の関節リウマチ活動性評価はEULARによるDAS28-CRP、およびDAS28-ESRを算出し、EULAR改善基準により中等度改善以上(Moderate response及びGood response)を反応例(Responder)とした。中等度改善に至らない症例は非反応例(Non-responder)とした。
イ 関節リウマチにおける痛みの臨床評価
関節リウマチにおける痛みの臨床評価は、圧痛関節数(TJC)の測定とPain VAS(Visual Analogue Scale)の2つある。圧痛関節数(TJC)の測定方法については上述したとおりである。
Pain VASの測定方法は、被験者に痛みの状態を自己評価してもらい、痛みの程度を100mmの直線上に印をつける方法で実施した。痛みなしを0mm、耐えられない痛みを100mmとする方法である。測定値はmmである。
ウ 糞便菌数の測定
糞便菌数の測定は成書に従い、細菌16sリボゾーム遺伝子DNAをプローブとするPCR法により測定し、乾燥糞便1g当たりの菌数で示した。菌種は、総細菌数、ビフィズス菌、乳酸桿菌、B.フラジリス、大腸菌、ウエルシュ菌、クロストリジウムデイフィシル菌であった。
エ エンドトキシン(LPS)の測定と消化管バリアの算出
エンドトキシン(LPS)の測定キットを用いて、リムラス法により、血清1ml、乾燥糞便1g中のLPS量で示した。リムラス法においては、大腸菌などの腸内細菌科由来のLPSとバクテロイデス属、プレボテラ属、プロフィロモナス属のLPS(=BLPS)と区別できないので、リムラス法によるLPS値はBLPSを含む測定値である。
消化管バリアの測定は、血清LPS濃度(pg/ml)と糞便LPS濃度(μg/g乾燥糞便)の比をバリア値とした。
3.結果
ミルク抗体が、B.フラジリス菌やBLPSを増やして痛みを軽減に至る発見のプロセスを、以下に説明する。なお、サンプル1(Ab 600mg)、サンプル2(Ab 300mg+スキムミルク)及び比較例(スキムミルク)投与期間が計画の12週であった患者数は各群2例ずつ減って29例であった。
ア ミルク抗体による関節リウマチの治療効果
図1に各群のDAS28-ESR、DAS28-CRPの改善スコアの平均±標準誤差(SE)を4週ごとに示す。3群を比較するとサンプル2(Ab 300mg)がDAS28-ESR, DAS28-CRPの両評価法ともに最も有効であることが示された。
各症例のDAS28スコア減少量から、EULAR改善機基準によって改善(Good response)、中等度改善(Moderate response)と評価された被験者の割合を図2及び、図3に示した。EULAR-CRPによると、投与期間12週における中等度改善以上の症例数の割合は9/29(33%)と同数であり、以後の比較はDAS28-CRPについて記載する。
イ 関節リウマチにおける痛みの臨床評価
図7Aは鎮痛作用組成物のPain VASに及ぼす効果を検討した結果を示す図である。サンプル1(Ab 600mg)投与群及びサンプル2(Ab 300mg+スキムミルク)投与群では痛みの軽減の可能性を示唆した。
図7Bは3群について、Responder(症例数n=9) Non-responder(n=20)に分けて示した図である。比較例1(スキムミルク)投与群の反応群ではPainVASの低下は認められなかったのに対し、サンプル1(Ab 600mg)投与群及びサンプル2(Ab 300mg+スキムミルク)投与群の反応群においては、ともに有意な痛みの軽減が認められた。
ウ 糞便菌数の測定
大腸菌(E.coli)のエンドトキシン(大腸菌LPS)とフラジリス菌(B.fragilis) のエンドトキシン(フラジリス菌LPS)の毒性は大きく異なり、致死毒性で比較すると、フラジリス菌LPSは大腸菌LPSの1/100〜1/1000である(Mancuso G et al. Bacteroides frgilis-derived lipopolysaccharides produces cell activation and lethal toxicity via toll-like recptor 4. Inf Immunity 2005 73 5620-5627.)。LPSによる致死毒性は、TNF、IL-6などの炎症性サイトカインの誘導活性を反映するものと考えられる。また、マクロファージ培養系に於いては、両LPSの共在は大腸菌LPSによるTNF産生を抑制することが報告されている(Delahooke D M, Barclay G. R., Poxton I. Tumor necrosis factor induction by an aqueous phenol-extracted lipopolysaccharide complex from Bacteroides species. R. Infect. Immun. 1976 13:22-26.)。
そこで、これらのLPS産生菌であるフラジリス菌(B.fragilis)と大腸菌(E.coli)菌数比の変化とPain VAS値の変化の相関性を、改善症例群について調べ、図8Aに、スキムミルク改善9例、図8BにAb 300mg改善例、Ab 600mg改善例の計18例をプロットした。
スキムミルク群ではB.フラジリス菌/大腸菌比の変化(図8横軸)は疼痛(Pain VAS)に影響しなかったのに対し、ミルク抗体群では、B.フラジリス菌/大腸菌比の増加(右方向)により痛みは減少(下方向)した。すなわち、ミルク抗体の投与により大腸菌に比べフラジリス菌の増大が大きい患者ほど痛みが軽減することを示している(スペアマン順位検定r=0.43、p=0.038)。このことはin vivoにおいて大腸菌LPS活性をB.フラジリス菌LPS(=BLPS)が阻害すること、および、大腸菌LPSの体内移行が疼痛の原因の一因であることを示唆した。
図9は、3群各群の反応群について、痛みの軽減度(Pain VAS 12w-0w)と、投与終了時(12w)の糞便フラジリス菌数との相関関係を示したものである。
3処置群についてB.フラジリス菌数と痛みの程度を比べると、比較例1(スキムミルク)反応群においては、菌数と相関は認められなかった(相関係数r<0.2)が、サンプル2(Ab 300mg+スキムミルク)反応群では弱い相関傾向(0.2<r<0.4)が認められ、サンプル1(Ab 600mgh)反応群では強く(r>0.7)有意な相関(p<0.01)であった。すなわち、ミルク抗体は用量依存的に痛みの改善に作用すると考えられる。
関節リウマチの診断においては、患者の関節28か所を医師が指で押すことによる痛み(圧痛)を診断し、圧痛痛関節数(Tender Joint Count、TJC)を求める。そこで、関節の圧痛の発生におけるB.フラジリス菌の関与を、圧痛関節数(TJC)とB.フラジリス菌数との相関関係を調べた。また、腫れは、一般的に痛みを伴うものであるので、腫脹関節数(Swollen Joint Count、SJC)との相関関係についても調べた。その結果を図10に示した。
フラジリス菌の増加とSJC及びTJCの相関については、ミルク抗体両群はともに相関係数、及びp値から相関は認められなかった。スキムミルク群においては、B.フラジリス菌数の増加はSJCスコアの増加に作用した(r=0.721、p<0.003、rs=0.67、p<0.01)。
Pain VASにより測定される痛みは、TJCにより測定される関節局所の痛みとは質的に異なることがB.フラジリス菌に対する相関関係の違いにより示唆された(図10)。さらに、ミルク抗体によるPain VAS値の低減が、B.フラジリス菌数に負の相関を示し(図9)、さらにまた、B.フラジリス菌数/大腸菌数のミルク抗体投与による12週間における増加とも負の相関を示した(図8B)。また、ミルク抗体投与のAb 300mg, Ab600mgの両群においては、ともに糞便LPSの上昇(図4、図5)があった。
エンドトキシン定量試薬のリムラス法においてはB.フラジリス菌LPSは大腸菌LPSと同様に発色反応を呈する。すでに、大腸菌LPSは痛覚過敏を起こすこと、また、大腸菌LPSはB.フラジジリスLPSによって拮抗されることが報告されている。
以上のことから、ミルク抗体は大腸菌LPSに拮抗するLPS(=BLPS)の産生を促し、大腸菌LPSによる痛覚過敏を解消したものと考えられる。以上ミルク抗体は、関節リウマチ治療効果に加えて鎮痛作用を有することが明らかとなった。
エ エンドトキシン(LPS)の測定と消化管バリアの算出
図4に鎮痛作用組成物としてのサンプル1及び2(ミルク抗体)、比較例1(スキムミルク)投与前後における糞便乾燥物1g中のエンドトキシン(LPS)量を示す。サンプル1(Ab 600mg)投与群及びサンプル2(Ab 300mg+スキムミルク)投与群では、両群において有意なエンドトキシン(LPS)の増加が認められた。
3群の各群について、群全体と反応群(responder)非反応群(non-responder)の糞便エンドトキシン(LPS)濃度の変化を図5に示した。比較例1(スキムミルク)投与群では、反応群LPS濃度は低下傾向を示したのに対し、サンプル1、2(ミルク抗体)投与群では、両群とも糞便LPSは増加傾向であった。
図6はスキムミルク、Ab 300mg、Ab 600mg処置前後の計6群のバリア値を多重比較検定(Non-repeated measure ANOVA)し、バリアの値を中央値で示した図である。図6に示すように、サンプル1(Ab 600mg)投与群及びサンプル2(Ab 300mg+スキムミルク)投与群は両群とも有意なバリアの強化が認められ、Ab 600mg群が最も少ない中央値(0.161)を示した。
以上、図1〜図10は以下に要約できる。ミルク抗体は大腸菌LPSに拮抗作用を有するBLPSを増加させた。その結果、消化管バリアの強化と痛覚過敏軽減作用を示し、スキムミルクに勝る抗関節リウマチ効果となった。

Claims (11)

  1. 抗体を有効成分とする消化管ブロッキングLPS産生増強組成物。
  2. 抗体を、鎮痛作用成分として含有することを特徴とする鎮痛作用組成物。
  3. 前記抗体が、自然免疫抗体である、請求項2に記載の鎮痛作用組成物。
  4. 前記抗体の鎮痛作用が、痛覚過敏又は神経障害性疼痛である、請求項2又は3に記載の鎮痛作用組成物。
  5. さらに、プレバイオティクスを含有する、請求項2〜4のいずれか1項に記載の鎮痛作用組成物。
  6. 前記抗体が、大腸菌O−111、腸管出血性大腸菌O−157、サルモネラ菌、志賀赤痢菌、セレウス菌、リステリア菌、エルシニア菌、セラチア菌、ネズミチフス菌、サルモネラ・ミネソタR595菌、表皮ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌、ウェルシュ菌、カンピロバクター、バクテロイデス、カンジダ菌、プロピオン酸菌、サングイス連鎖球菌、唾液連鎖球菌、ミュータンス菌、アエロゲネス菌、アルカリゲネス、エンテロバクター・クロアカ、緑膿菌、プロテウス菌、ピロリ菌、A群化膿レンサ球菌1型、A群化膿レンサ球菌12型、A群化膿レンサ球菌22型、緑色レンサ球菌、肺炎レンサ球菌、肺炎桿菌及びインフルエンザ菌からなる群から選択された少なくとも1種である、請求項2〜5のいずれか1項に記載の鎮痛作用組成物。
  7. 前記抗体が、牛、ヤギ、ヒツジ、馬、鶏、ウサギからなる群から選択された少なくとも1種以上に由来するものであり、かつ、これら動物のミルク、初乳、血液、鶏卵からなる群から選択された少なくとも1種を原料としたものである、請求項2〜6のいずれか1項に記載の鎮痛作用組成物。
  8. 前記抗体が、ヒト病原細菌及び細菌毒素に対する抗体価により選別されたものである、請求項2〜6のいずれか1項に記載の鎮痛作用組成物。
  9. 前記プレバイオティクスが、スキムミルク、アラビノキシラン、オリゴ糖、食物繊維、イヌリン又はこれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1種である、請求項5〜8のいずれか1項に記載の鎮痛作用組成物。
  10. さらに、プロバイオティクスを含有する、請求項2〜9のいずれか1項に記載の鎮痛作用組成物。
  11. 前記プロバイオティクスが、乳酸菌、ビフィズス菌またはこれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1種である、請求項10に記載の鎮痛作用組成物。
JP2016202131A 2016-10-13 2016-10-13 抗体よりなる消化管ブロッキングlps産生増強組成物及び鎮痛作用組成物 Pending JP2018062483A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016202131A JP2018062483A (ja) 2016-10-13 2016-10-13 抗体よりなる消化管ブロッキングlps産生増強組成物及び鎮痛作用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016202131A JP2018062483A (ja) 2016-10-13 2016-10-13 抗体よりなる消化管ブロッキングlps産生増強組成物及び鎮痛作用組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018062483A true JP2018062483A (ja) 2018-04-19

Family

ID=61966383

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016202131A Pending JP2018062483A (ja) 2016-10-13 2016-10-13 抗体よりなる消化管ブロッキングlps産生増強組成物及び鎮痛作用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018062483A (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010123069A1 (ja) * 2009-04-24 2010-10-28 アサマ化成株式会社 自己免疫疾患患者の診断方法、体外診断薬及びその治療剤

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010123069A1 (ja) * 2009-04-24 2010-10-28 アサマ化成株式会社 自己免疫疾患患者の診断方法、体外診断薬及びその治療剤

Non-Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
NUTRITION JOURNAL (2011) VOL.10, 2, JPN6020038224, ISSN: 0004475788 *
塩野谷 博 SHIONOYA HIROSHI SHIONOYA HIROSHI: "悪玉菌を減らして自前の乳酸菌を増やすミルク抗体", ニューフードインダストリー VOL.56 NO.5, vol. 56, no. 5, JPN6020038225, 2014, pages 1 - 8, ISSN: 0004361482 *
日本食品科学工学会誌 (2011) VOL.58, NO.6, P.236-244, JPN6020038222, ISSN: 0004475787 *
細胞 (2014) VOL.46, NO.10, P.492-502, JPN6020038228, ISSN: 0004361483 *

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11529364B2 (en) Synthetic composition for treating metabolic disorders
Hermes et al. Casein glycomacropeptide in the diet may reduce Escherichia coli attachment to the intestinal mucosa and increase the intestinal lactobacilli of early weaned piglets after an enterotoxigenic E. coli K88 challenge
EP2318047B1 (en) Probiotics, secretory iga and infection
Steed et al. Prebiotics, synbiotics and inflammatory bowel disease
Wang et al. Probiotic bacteria: a viable adjuvant therapy for relieving symptoms of rheumatoid arthritis
EA031426B1 (ru) ПРИМЕНЕНИЕ Bifidobacterium lactis BL-04 ДЛЯ ЛЕЧЕНИЯ ЗАБОЛЕВАНИЙ ДЫХАТЕЛЬНЫХ ПУТЕЙ
Sakai et al. Prebiotic effect of two grams of lactulose in healthy Japanese women: a randomised, double-blind, placebo-controlled crossover trial
EP4003061B1 (en) Nutritional composition comprising milk fat and immunoglobulin
KR20180129945A (ko) 제지방 체중을 증가시키기 위한 비피더스균
KR20180129944A (ko) 식품, 에너지 및/또는 지방 섭취 감소를 위한 비피더스균
CN111163785A (zh) 作为生物疗法的人罗斯拜瑞氏菌、挑剔真杆菌及其组合
JP2018184352A (ja) 抗体を有効成分とするtnf産生抑制作用組成物
US11344584B2 (en) Gemella sanguinis as a biotherapeutic
US20240041948A1 (en) Compositions and methods using at least one strain of staphylococcus carnosus therapeutically or prophylactically
JP2018062483A (ja) 抗体よりなる消化管ブロッキングlps産生増強組成物及び鎮痛作用組成物
JP6804859B2 (ja) 関節リウマチ予防用及び治療用組成物
US11389487B2 (en) Streptococcus australis as a biotherapeutic
JP2015209412A (ja) 血中エンドトキシン濃度低下組成物及び血中エンドトキシン濃度低下方法
JP6872841B2 (ja) 脂肪低減組成物
JP6058223B2 (ja) リン吸収抑制用組成物
Fischer Effects of colostrum management practices on the neonatal dairy calf
Mikis In vivo study of gastrointestinal tract survival and intestinal mucosa adhesion of Lactobacillus plantarum 2035 using a rat model

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191008

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201006

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210330