JP2015209412A - 血中エンドトキシン濃度低下組成物及び血中エンドトキシン濃度低下方法 - Google Patents

血中エンドトキシン濃度低下組成物及び血中エンドトキシン濃度低下方法 Download PDF

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香織 北村
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香織 北村
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Takeshi Suzuki
豪 鈴木
恵美子 鈴木
Emiko Suzuki
恵美子 鈴木
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Abstract

【課題】安全性が高くかつ安価でありながら、血中のエンドトキシン濃度を効果的に低下させることが可能な、血中エンドトキシン濃度低下組成物を提供することを目的とする。【解決手段】抗体を有効成分とし、血中のエンドトキシン濃度を低下させるために使用される血中エンドトキシン濃度低下組成物、特に、自然免疫抗体を有効成分とする血中エンドトキシン濃度低下組成物により、安全性が高くかつ安価でありながら、血中のエンドトキシン濃度を効果的に低下させることが可能となる。【選択図】図1

Description

本発明は、血中エンドトキシン濃度低下組成物及び血中エンドトキシン濃度低下方法に関し、具体的には、ヒト病原菌及び細菌毒素に対する抗体、特にエンドトキシンに対する抗体を摂取することにより、血中のエンドトキシン濃度を低下させることができる血中エンドトキシン濃度低下組成物及び血中エンドトキシン濃度低下方法に関する。
細菌内毒素はその生物活性から、エンドトキシン(endotoxin)、あるいは単に、内毒素とも呼ばれる。エンドトキシンはグラム陰性細菌の細胞壁構成成分で、化学的にはリポ蛋白多糖体(Lipopolysaccharide)で、英語の略字LPSの略称で記載されることもある。グラム陰性細菌を、ヒトに対する病原性との関係でみると、病原性細菌から、日和見菌、非病原性細菌の広範わたり分布する。細菌グラム陰性細菌の増殖に伴い、消化管内のエンドトキシン濃度は上昇する。
ヒト腸内には1,000種類以上の細菌種が、糞便1グラム中に総細菌数で10の10乗ないし11乗個の密度で常在し、腸内細菌叢と呼ばれている。細菌は、顕微鏡観察に際し、色素により染色することがあるが、グラム染色法により紫色に染色される細菌をグラム陽性細菌、赤・桃色に染まる細菌はグラム陰性細菌と呼ばれる。
腸内細菌には大腸菌などのグラム陰性細菌が常在し、増殖と死滅を繰り返している。エンドトキシンはグラム陰性細菌の強力な致死毒性物質で、菌の増殖と死滅に伴う細菌細胞の崩壊に伴い、分解した菌体細胞壁成分として消化管内に溶出され、糞便と共に排泄される。
動物はグラム陰性細菌による感染症に際し、免疫系の細胞、即ち、マクロファージなどが、細胞表面のセンサー蛋白であるTLR−4によりエンドトキシンを感知することにより、免疫系細胞が活性化される。免疫系細胞が活性化されると、マクロファージなどは細菌を貪食して病原菌の駆除を活発に行うとともに、多種の生理活性物質、即ち、サイトカイン、ケモカインを産生し、免疫系の他の細胞を活性化もしくは、抑制することにより、免疫系の機能を調節し、感染症を治癒させる。
サイトカイン、ケモカインは細胞から分泌され、そのレセプターを有する他の細胞の分化、増殖,運動、死滅に影響する蛋白と定義されている。インターフェロンは良く知られたサイトカインの一つである。マクロファージがエンドトキシンにより活性化されて産生されるサイトカインとしてIL−1、TNF、IL−6、IL−17、IL−8(IL−8はケモカインに分類される)、インターフェロンなどがある。これらはいずれも、マクロファージや好中球などを活性化し、生体を炎症状態に誘導することから、炎症性サイトカインと称される。
感染症などの明確な疾病が認められない健常者であっても、加齢と共に、IL−6やTNFなどの炎症性サイトカインが、病的とは言えない軽度ではあるが、上昇することが知られている。炎症性サイトカインの上昇により、生体は常時軽度な炎症状態となる。これを、慢性炎症の状態という。慢性炎症が注目されるのは、慢性炎症が、生活習慣病(肥満症、2型糖尿病、脂質異常症、高血圧、脳卒中、心臓病)、動脈硬化、癌、アルツハイマー、パーキンソン病だけでなく、さまざまな自己免疫病、即ち関節リウマチ、乾癬、自己免疫性肝炎、自己免疫性甲状腺炎、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性腎炎、潰瘍性大腸炎、紅班性狼瘡、シューグレン症候群など、 更に、うつ病、慢性疲労などの慢性疾病の基礎病態と考えられているからである。
炎症性サイトカインの上昇を来たす原因として、自己由来成分説(飽和脂肪酸、酸化LDL、核酸、尿酸結石などの内因性リガンド説)と、加齢で生じた老化細胞における液性因子の過剰産生−この現象はSASP(senescence−associated secretory phenotypes)とよばれている−などが提唱されているが、まだ、学説の段階であり、慢性炎症の原因は確定していない。
これまでこのような慢性炎症を改善する組成物が提案されている。例えば、特開2012−62286号公報には、2位に特定の置換アミノ基を有する3−ニトロピリジン誘導体が抗炎症作用を有し、かつ2型糖尿病にも有効であることが開示されている(特許文献1)。また、特表2012−508698号公報には、IL−4由来の多くとも35個の連続するアミノ酸残基、または少なくとも70%同一である変異体からなる単離ペプチドを含む化合物がマクロファージ活性化を阻害し、炎症性応答を阻止することができる旨が開示されている(特許文献2)。
一方、免疫細胞を刺激するエンドトキシンそのものを抑制するものとしては、例えば、特表昭61−500355号公報に、グラム陰性菌のリポポリサッカライドの保存領域に特異なIgMイソタイプである哺乳動物モノクローナル抗体が、グラム陰性菌感染および哺乳動物のエンドトキシンシヨツクの治療に有効である旨が開示されている(特許文献3)。また、特開2012−214481号公報には、甘蔗汁、甘蔗の溶媒抽出液および甘蔗由来の糖蜜より選ばれる原料を、固定担体としてのイオン交換樹脂を充填したカラムでの親和力の差を利用したカラムクロマトグラフィー処理により分離して得られる画分のうち、波長420nmの光を吸収する画分が、抗エンドトキシン効果を発現する旨が開示されている(特許文献4)。
特開2012−62286号公報 特表2012−508698号公報 特表昭61−500355号公報 特開2012−214481号公報
最近は、天然のより安全性の高いアジュバントを望まれるようになり、また経口投与により効果が発揮されるものが特に望まれている。これまで報告されてきた抗エンドトキシン組成物は、効力を示すには高濃度の経口投与が必要であったり、価格が上がるなどの理由で必ずしも実用的ではなかった。そのため、広範囲の食品に添加可能な風味を有し、わずかな投与量で感染症の予防治療効果を示す、安価な天然素材が望まれている。
従って本発明は、安全性が高くかつ安価でありながら、血中のエンドトキシン濃度を効果的に低下させることが可能な、血中エンドトキシン濃度低下組成物を提供することを目的とする。
消化管は栄養の吸収器官であると同時に、消化管内の高分子の有害物質は通過させないバリヤーである。消化管内には、糞便1gあたり数マイクログラムからミルグラム単位のLPSが存在するが、正常人のLPS血中濃度は数ピコグラム/mlで、100pgを超えることはほとんどない。慢性炎症は、消化管内のエンドトキシンがバリヤーを通過して、消化管に多量に存在する免疫系の細胞、マクロファージ、リンパ球に接触し、これらの免疫細胞を活性化して、TNF、IL−6、IL−1βなどの炎症性サイトカインの産生を促した結果であると仮定すると、消化管内のエンドトキシン濃度を下げることにより、血液エンドトキシンレベルは低下すると考えられる。
本発明者らは、慢性炎症の原因として、消化管エンドトキシンの体内移行、トランスロケーションが原因であるという仮説のもとに、消化管内エンドトキシンのレベルの低下、血中エンドトキシンレベルを減少させる方法について検討した結果、哺乳動物由来の自然免疫抗体を経口摂取させることにより、糞便および血中エンドトキシンレベルを低下させることができるとの知見を得た。
本発明はかかる知見に基づきなされたものであり、抗体を有効成分とし、血液中のエンドトキシン濃度を低下させるために使用される、血中エンドトキシン濃度低下組成物を提供するものである。
本発明によれば、自然免疫抗体を有効成分とするため、安全性が高くかつ安価でありながら、血中のエンドトキシン濃度を効果的に低下させることが可能となる。
自然免疫抗体を摂取したヒトの血中エンドトキシン量に及ぼす効果を示す図である。
本発明に係る血中エンドトキシン濃度低下組成物について説明する。本実施形態に係る血中エンドトキシン濃度低下組成物は、抗体を有効成分とし、血液中のエンドトキシン濃度を低下させるために使用されるものである。
本実施形態において使用される抗体は、生体にとって異物である病原菌やその構成成分に結合して、異物を体外に排除し、無害化する作用を有する免疫システムの産物で、化学的には免疫グロブリンである。
抗体の選択は、ウシ、水牛、ウマ、ブタ、ヤギ、ウサギ、ウサギなどの家畜の血漿、初乳、生乳、ニワトリなどの卵が抗体組成物作成の出発原料となる。抗体の濃度を高めるために、各種ヒト病原細菌をワクチンとして接種することもできる。出発原料は、さらに、血漿の場合は脱繊維素処理後凍結乾燥、噴霧乾燥が、初乳、生乳の場合は乳脂肪、乳糖、カゼインを除去後、限外濾過による水分除去と濃縮、無菌濾過、さらに凍結乾燥、噴霧乾燥により粉末化する。これらの技術はすでに確立され、実施されている。抗体は液体状態では加熱により急速に活性が失われるので、加熱による殺菌に当たっては殺菌と抗体熱変性防止の両面を満足する管理が必要である。組成物の実用形態は水溶液または乾燥粉末である。
品質の評価は抗体の定量によりなされる。総抗体量の測定はテキストに従って、例えば二重抗体酵素免疫測定法、免疫拡散法、プロテインAまたはプロテインGカラム法などが推奨される。また、特定の細菌や細菌毒素に対する抗体の測定には酵素免疫測定法により測定する。
血液と糞便中のエンドトキシンの低下機能を有する組成物の機能を確保するためには、抗体の抗原特異性のチェックが重要である。即ち、エンドトキシン産生細菌に対する抗体とヒト病原細菌、エンドトキシンに対する抗体、エキソトキシンに対する抗体を含むことが必須の要件となる。
「ヒト病原細菌」は通常は健常者に生息しない病原性の強い病原細菌から、日和見菌を含み、ヒトと共生関係にある善玉菌以外の細菌である。例として、コレラ菌や志賀赤痢菌、肺炎球菌、ブドウ球菌など、グラム陰性と陽性の細菌が含まれる。
「エンドトキシン産生菌」は細菌菌体の構造成分として、細胞壁にエンドトキシンを有する細菌である。細菌のグラム色素染色による分類ではグラム陰性菌に分類される細菌の全てを含む。例えば、毒素産生性病原性大腸菌O−157や非病原性細菌大腸菌、緑膿菌など、グラム陰性の病原性細菌、日和見菌がこれに含まれる。
一方、エンドトキシンを産生しないグラム陽性ヒト病原菌(ウェルシュ菌、ブドウ球菌など)は、エキソトキシンを産生して消化管のバリヤーを破壊し、エンドトキシンの体内移行を高めるため、これをエキソトキシンに対する抗体がエキソトキシンに結合して、エンドトキシンの体内移行を阻止する。
エンドトキシン産生細菌としては以下に示す属に該当する細菌である。例えば、フソバクテリム(Fusobacterium)、ベイヨネラ(Veillonella)、メガスフェラ(Megasphaera)、ナイセリア(Neisseria)、モラクセラ(Moraxella)、ブランハメラ(Branhamella)、アシネトバクター(Acinetobacter)、シトロバクター(Citrobacter)、エンテロバクター(Enterobacter)、大腸菌(Escherichia)、ハフニア(Hafnia)、クレブシエラ(Klebsiella)、モルガネラ(Morganella)、プロテウス(Proteus)、プロビデンシア(Providencia)、サルモネラ(Salmonella)、セラチア(Serratia)、シゲラ(Shigella)、エルシニア(Yersinia)、ビブリオ(Vibrio)、エロモナス(Aeromonas)、プレジオモナス(Plesiomonas)、ヘモフィルス(Haemophillus)、パスツレラ(Pasteurella)、緑膿菌(Pseudomonas)、レジオネラ(Legionella)などを挙げることができる。
エンドトキシン産生細菌のホルマリン処理ないし加熱死菌を抗体検出定量用の抗原として、必要に応じて選択する。フィンブリエ、鞭毛に対する抗体の検出定量に当たってはホルマリン処理が必要である。エンドトキシンとしては、上記の各細菌菌体をそのまま、またはこれら菌体より、成書に従ってトリクロロ酢酸法やフェノール法によりエンドトキシン(LPS)を抽出して用いることができる。
血漿エンドトキシンの低下の活性は、これらの病原細菌やエンドトキシンに対する抗体含量の総体に比例するので、上記エンドトキシン産生細菌とエンドトキシンに対する抗体量の測定と、測定値に基づく選別が良質の製品作成のための重要要因である。
抗エンドトキシン抗体の活性は、各細菌体より抽出したエンドトキシン、または、加熱ないしホルマリン処理菌体を抗原として、ELISA法による抗体量の測定による評価の他、エンドトキシン活性をリムラス法により、市販のキットを用いて、測定することができる。
抗エンドトキシン抗体の活性は、抗エンドトキシン抗体がエンドトキシンを中和し、エンドトキシンの活性を失わせるので、一定量の抗エンドトキシン抗体に、抗体量よりも過剰のエンドトキシンを添加し、残存したエンドトキシンをリムラス法により測定することにより、様々な抗原特異性の異なる抗体混合物のエンドトキシン中和(=無毒化)活性の総体を定量的に測定することができる。
エンドトキシン中和活性を測定する場合、エンドトキシンは細菌種、菌株、抽出方法、精製の程度により活性が異なるので、活性の評価に齟齬をきたすことがないように、国際的に標準品が決められており、これを用いてエンドトキシン活性を表現する。
本実施形態においては、抗体の素材として、生乳由来の自然免疫抗体を含有する乳清蛋白(WPC)を用いることが好ましい。「自然免疫抗体」とは、ある動物の免疫系の外来抗原への暴露が自然に行われた結果、獲得された抗体をいう。WPCは、チーズ製造の副生物である乳清に含まれる蛋白を集めたもので、熱履歴の少ない製造方法を用いることにより自然免疫抗体はこのWPCに濃縮される。自然免疫抗体を含有するWPCとしては既に市販されているものを用いることができる。市販のWPCとしては、例えば、「アサマ乳清たんぱく」(アサマ化成株式会社製)を用いることができる。
「アサマ乳清たんぱく」は、自然免疫抗体の中でも特に、a)ヒト病原細菌の内から選択した33株の病原細菌由来のエンドトキシン、b)病原性大腸菌O−26株、O−55株、O−111株由来のエンドトキシンと、サルモネラ・ミネソタ菌由来のリピッドAの4種類のエンドトキシン、c)黄色ブドウ球菌由来のエンテロトキシンB、ウェルシュ菌由来のエンテロトキシンの2種類のエキソトキシンを指標として選別された抗体を含む製品である(木島佳子他,日本食品化学工学会誌,2009,56:475−482)。従って「アサマ乳清たんぱく」は、ヒト病原細菌と細菌毒素(菌体内毒素(エンドトキシン:endotoxin)と菌体外毒素(エキソトキシン:exotoxin))に対する自然免疫抗体を多く含有する。これは、ELISA法に勝る高感度、高精度測定方法であるELMBA法を新規に開発したことにより、ヒト病原細菌に対する抗体を含む乳清蛋白製品の選別が可能になり、その結果として得られたものである。
「アサマ乳清たんぱく」中のヒト病原細菌に対する33種の自然免疫抗体とは、大腸菌O−111(Escherichia coli O−111)、腸管出血性大腸菌O−157(Escherichia coli O−157)、サルモネラ菌(Salmonella)、志賀赤痢菌(Shigella)、セレウス菌(Bacillus cereus)、リステリア菌(Listeria)、エルシニア菌(Yersinia)、セラチア菌(Serratia marcescens)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、サルモネラ・ミネソタR595菌(Salmonella minnesota R595)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、カンピロバクター(Campylobacter)、バクテロイデス(Bacteroides)、カンジダ菌(Candida)、プロピオン酸菌(Propionibacterium)、サングイス連鎖球菌(Streptococcus sanguis)、唾液連鎖球菌(Streptococcus salivarius)、ミュータンス菌(Streptococcus mutans)、アエロゲネス菌(Enterobacter aerogenes)、アルカリゲネス(Alcaligenes)、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloacae)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、プロテウス菌(Proteus)、ピロリ菌(Helicobacter pylori)、A群化膿レンサ球菌1型(Group A Streptococci type−1)、A群化膿レンサ球菌12型(Group A Streptococci type−12)、A群化膿レンサ球菌22型(Group A Streptococci type−22)、緑色レンサ球菌(Streptococcus viridans)、肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumoniae)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)及びインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)に対する抗体であり、自然免疫抗体はこれ以外の抗ヒト病原細菌抗体を含むことがある。
「アサマ乳清たんぱく」中の細菌毒素に対する自然免疫抗体とは、病原性大腸菌O−26株、O−55株及びO−111株由来のエンドトキシン、サルモネラ・ミネソタ菌由来のリピッドA、黄色ブドウ球菌由来のエンテロトキシンB、ウェルシュ菌由来のエンテロトキシンに対する抗体であり、自然免疫抗体はこれ以外の抗細菌毒素抗体を含むことがある。
自然免疫抗体の選別は、上記a)については抗体価がホエイタンパク質1g中に8μg以上である点、上記b)及びc)については抗体価がホエイタンパク質1g中に1μg以上である点を指標とした。
本実施形態に係る血中エンドトキシン濃度低下組成物において、血液中のエンドトキシン濃度を低下させるために必要とする抗体含有量は0.001%以上であることが好ましく、より好ましくは0.01%以上であることが好ましい。抗体の摂取量は、成人一日当たり10mg以上であることが好ましく、より好ましくは100mg以上である。
本実施形態に係る血中エンドトキシン濃度低下組成物を用いて腸内病原菌と細菌毒素の有害作用の除去を、更に一層有効にするために、抗体以外の有効成分を配合することができる。抗体以外の有効物質としては、例えば、抗酸化食品素材のグリアジン処理SOD、プレバイオティクス、プロバイオティクスなどがある。プレバイオティクスは、腸管内に生息しているビフィズス菌などの限定した菌を特異的に増殖させることにより、ヒトの健康に有益な作用を示す難消化性の食品成分であり、ラクチュロースやラフィノースなどのオリゴ糖を例示することができる。プロバイオティクスは、腸内微生物のバランスを改善することによって宿主に有益に働く生菌添加物又は死菌添加物であり、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、エンテロコッカス(Enterococcus)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属などの乳酸菌で、代謝産物として乳酸を産生する細菌を含む)や酪酸菌等を例示することができる。
抗体の摂取形態は特に限定されることはなく、例えば、粉末、錠剤、カプセル、顆粒、クッキー、アイスクリーム、飲料などを挙げることができる。但し、有効成分の抗体が失活しない条件で摂取することが前提となる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.抗体の摂取による腸内細菌叢に及ぼす効果
(1)飼料
ラットに摂取させる飼料として、自然免疫抗体を含有するアサマ乳清たんぱく(アサマ化成株式会社製)を5重量%混合した飼料を調製した。なお、コントロールとして普通餌を用いた。
(2)実験方法
ラット6匹(ウィスター系雄3匹、ZDF系雄3匹)を、15週齢に至るまで普通餌を与えて飼育した後、上記のように調製した飼料を4週間摂取させた。糞便細菌叢の変化は蛍光標識16sリボゾームRNA染色(FISH法)により測定した。すなわち、細菌の16sリボゾームRNAに対する蛍光標識DNAプローブにより菌体を染色し、顕鏡により菌数を測定した。
(3)結果
ラットに自然免疫抗体の投与開始の15週齢時と4週投与後の19週齢時のおける糞便細菌数の測定結果を表1に示す。自然免疫抗体の摂取前後を比較すると、ビフィズス菌に増加傾向が認められた。また、ラクトバチルス、フラジリス菌も増加していたことが判明した。これに対し、エンドトキシン産生細菌である大腸菌は減少したことが判明した。
2.抗体の摂取による糞便と血中エンドトキシン量に及ぼす効果
(1)飼料
前記1(1)と同じ飼料を用いた。
(2)実験方法
ラット6匹(ウィスター系雄3匹、ZDF系雄3匹)を、15週齢に至るまで普通餌を与えて飼育した後、15週齢から19週齢までの期間は上記のように調製した飼料を4週間摂取させた。糞便および血液エンドトキシン濃度をリムラス法により測定した。
(3)結果
5週令では、糞便LPS量は糞便1g中約3μg、血清LPS量は約4pg/mlであったが、15週令では糞便LPS量は8〜9μg/g、血清LPS量は5〜6pg/mlに上昇した。
15週齢の時点で、自然免疫抗体を含有するアサマ乳清たんぱくを5重量%含有する餌に変え、ラットに4週間与えた。その結果、自然免疫抗体含有餌に変えた15週から、糞便、血液LPS量は、ともに減少に向かい、19週齢時の血液LPSレベルは2.97pg/ml(p<0.01)で、15週齢時の血中LPSレベルである5.87pg/mlと比べ、有意に低い値となった。
以上の結果より、自然免疫抗体の摂取は糞便LPSの低下に作用してエンドトキシンの体内移行を防御した。
3.健常成人の抗体摂取によるエンドトキシンの血中レベルに及ぼす効果
自然免疫抗体を含有する乳清たんぱく(アサマ化成株式会社製「アサマ乳清たんぱく」)60重量%、フラクトオリゴ糖30重量%、乳清カルシウム2.3重量%、粉末セルロース7.7重量%からなる「母乳のチカラ」(商品名、ラクトライフ株式会社製)を用いた。
3名の健常成人を被験者として、被験者に毎日10g、3カ月にわたり「母乳のチカラ」を摂取させ、血中エンドトキシン濃度をリムラス法により測定した。
結果を図1に示す。図1に示すように、被験者全員に血中エンドトキシン濃度の低下傾向が認められ、特に、1名(検体1)においてエンドトキシンレベルの低減が顕著に認められた。

Claims (10)

  1. 抗体を有効成分とし、血液中のエンドトキシン濃度を低下させるために使用される、血中エンドトキシン濃度低下組成物。
  2. 前記抗体が、自然免疫抗体である、請求項1に記載の血中エンドトキシン濃度低下組成物。
  3. 前記抗体が、ヒト病原細菌及び細菌毒素に対する抗体である、請求項1又は2に記載の血中エンドトキシン濃度低下組成物。
  4. 前記ヒト病原菌に対する抗体が、大腸菌O−111、腸管出血性大腸菌O−157、サルモネラ菌、志賀赤痢菌、セレウス菌、リステリア菌、エルシニア菌、セラチア菌、ネズミチフス菌、サルモネラ・ミネソタR595菌、表皮ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌、ウェルシュ菌、カンピロバクター、バクテロイデス、カンジダ菌、プロピオン酸菌、サングイス連鎖球菌、唾液連鎖球菌、ミュータンス菌、アエロゲネス菌、アルカリゲネス、エンテロバクター・クロアカ、緑膿菌、プロテウス菌、ピロリ菌、A群化膿レンサ球菌1型、A群化膿レンサ球菌12型、A群化膿レンサ球菌22型、緑色レンサ球菌、肺炎レンサ球菌、肺炎桿菌及びインフルエンザ菌に対する抗体を含む、請求項3に記載の血中エンドトキシン濃度組成物。
  5. 前記細菌毒素に対する抗体が、病原性大腸菌O−26株、O−55株及びO−111株由来のエンドトキシン、サルモネラ・ミネソタ菌由来のリピッドA、黄色ブドウ球菌由来のエンテロトキシンB、ウェルシュ菌由来のエンテロトキシンに対する抗体を含む、請求項3に記載の血中エンドトキシン濃度低下組成物。
  6. 前記抗体が、牛、ヤギ、ヒツジ、馬、鶏からなる群から選択された少なくとも1種により産生された抗体に由来するものであり、かつ、これら動物のミルク、初乳、血液、鶏卵からなる群から選択された少なくとも1種を原料として生産されたものである、請求項1から5のいずれか1項に記載の血中エンドトキシン濃度低下組成物。
  7. 前記抗体の含有量が0.001%以上である、請求項1から6のいずれか1項に記載の血中エンドトキシン濃度低下組成物。
  8. 前記抗体が、ヒト病原細菌及び細菌毒素に対する抗体価により選別されたものである、請求項1から7のいずれか1項に記載の血中エンドトキシン濃度低下組成物。
  9. さらに、プレバイオティクス、プロバイオティクス、グリアジン被覆スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)からなる群から選択された少なくとも1種含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の血中エンドトキシン濃度低下組成物。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の血中エンドトキシン濃度低下組成物を摂取することによる、血中エンドトキシン濃度低下方法。
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JP2018184352A (ja) * 2017-04-24 2018-11-22 アサマ化成株式会社 抗体を有効成分とするtnf産生抑制作用組成物

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