JP6058223B2 - リン吸収抑制用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、発酵乳製品とオリゴ糖を有効成分として含む、リン吸収の抑制用の組成物に関する。また、本発明は、発酵乳製品とオリゴ糖を有効成分として含む、リンの過剰な取り込みに起因する疾患の治療や予防のいずれか一方または両方のための組成物に関する。
強力な胃酸分泌抑制剤であるプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor / PPI)は、世界中で最も広く使用されている経口薬の一つであり、一般的に安全であると考えられている。一方、PPIを使用すると、骨折リスクが増加することが報告されている。これに対して、本発明者らは、成長期のラットにおいて、PPIを短期間で皮下投与することで、骨密度(bone mineral density/ BMD)と骨強度を低下させることを報告した(非特許文献1、非特許文献2)。しかし、ヒトや動物において、PPIを長期間で皮下投与した場合に、骨強度に及ぼす影響についての報告はない。
牛乳や発酵乳製品(発酵乳、チーズなど)を経口摂取すると、骨粗鬆症の予防に有用であることが報告されている。これに対して、本発明者らは、成長期のラットにおいて、PPIを短期間で皮下投与した際に、乳酸菌発酵物を短期間で経口投与することで、カルシウムの吸収を部分的に改善し、BMDと骨強度を増加させることを報告した(非特許文献1)。一方、ガラクトオリゴ糖(galacto - oligosaccharides / GOS)を経口投与することで、成長期のラットや卵巣摘出ラットにおいて、カルシウムの吸収を促進し、BMDを増加させることが報告されている(非特許文献3−5)。ここで、GOSは、小腸で消化されにくく、大腸で発酵する難消化性の炭水化物である。これに対して、本発明者らは、成長期のラットにおいて、PPIを短期間で皮下投与した際に、乳酸菌発酵物とGOSの組み合わせを短期間で経口投与することで、カルシウムの吸収を相加的に改善し、骨強度を増加させることを報告した(非特許文献2)。
Takasugi et al., Br.J.Nutr., 2011, 106, 1487-1494 Takasugi et al., Biol.Trace Elem.Res., 2013, 153, 309-318 Wearer et al., J.Agric.Food Chem., 2011, 59, 6501-6510 Chonan et al., J.Nutr.Sci.Vitaminol., 1995, 41, 95-104 Chonan et al., Biosci.Biotechnol.Biochem., 1995, 59, 236-239
上述のように、成長期のラットにおいて、PPIを短期間で皮下投与してから、乳酸菌発酵物とGOSの組み合わせを短期間で経口投与すると、カルシウムの吸収を改善し、骨強度を増加させる。しかし、ラットにおいて、PPIを長期間で投与し、リンの代謝に悪影響を及ぼしてから、乳酸菌発酵物とGOSの組み合わせを長期間で投与した場合に、この悪化したリンの代謝に及ぼす影響について明らかではなかった。そこで、本発明者らは、PPIを長期間で皮下投与し、胃酸の分泌が低下した(胃液のpHが上昇した)状態で、乳酸菌発酵物とGOSの組み合わせを長期間で投与した場合に、この悪化したリンの代謝に及ぼす影響について実験的に検討した。
すなわち、本発明は、長い食経験から安全性や味覚性に優れていることが実証されている(栄養)成分で構成され、長期間で摂取できる、乳酸菌発酵物(発酵乳製品)とGOSの組み合わせを有効成分として含む、骨粗鬆症を治療や予防するための組成物、及びリンの代謝を改善するための(特に、リンの過剰な取り込みを抑制するための)組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、乳酸菌発酵物とGOSの組み合わせを有効成分として含む、リンの過剰な取り込みに起因する疾患の治療や予防のための組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上述の課題を解決するために鋭意研究を行った。具体的には、ラットにおいて、PPIを投与して、胃酸の分泌が低下した状態と、PPIを投与していない健常な状態で、乳酸菌発酵物(発酵乳製品)とGOSの組み合わせを長期間で経口投与し、リンの代謝、カルシウムの代謝、骨強度などに及ぼす影響について実験的に検討した。その結果として、本発明者らは、ラットにおいて、発酵乳製品とGOSの組み合わせを長期間で経口投与することで、胃酸の分泌が低下した状態と健常な状態のいずれにおいても、骨強度が増加することについて明らかにした。また、発酵乳製品とGOSの組み合わせを長期間で経口投与することで、胃酸の分泌が低下した状態において、リンの吸収の増加が抑制されることについて明らかにした。よって、発酵乳製品とGOSの組み合わせを長期間で経口投与することで、リンの代謝の異常を改善し、リンの過剰な取り込みに起因する疾患を治療および/または予防できる可能性を見出した。
本発明は、上述のような知見に基づくものであり、以下の内容を提供する。
〔1〕発酵乳製品とオリゴ糖を有効成分として含む、リン吸収抑制用組成物。
〔2〕オリゴ糖が、ガラクトースを構成糖として含むオリゴ糖である、前記〔1〕に記載の組成物。
〔3〕オリゴ糖が、ガラクトオリゴ糖である、前記〔2〕に記載の組成物。
〔4〕発酵乳製品が、Lactobacillus属に属する乳酸菌および/またはStreptococcus属に属する乳酸菌を用いて得られた発酵乳製品である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の組成物。
〔5〕発酵乳製品が、ヨーグルトおよび/または非熟成チーズである、前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の組成物。
〔6〕胃酸の分泌が低下した対象および/または胃液のpHが上昇した対象へ経口投与する(経口摂取させる)ために用いられる、前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の組成物。
〔7〕少なくとも4週間以上に亘って毎日で経口投与する(経口摂取させる)ために用いられる、前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の組成物。
〔8〕食品添加剤として(食品に添加するために)用いられる、前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の組成物。
〔9〕リン吸収抑制用組成物の製造における発酵乳製品とオリゴ糖の使用。
本発明の組成物は、胃酸の分泌の低下に伴う、リンの吸収の増加を抑制することができる。したがって、本発明の組成物を経口投与(経腸投与の概念も含むことがある)することで、高齢者などの胃酸の分泌が低下した対象において、リンの吸収の増加を抑制して、リンの代謝の異常を改善し、リンの過剰な取り込みを正常の範囲に戻すことができる。また、本発明の組成物を経口投与することで、リンの過剰な取り込みに起因する疾患を改善(治療や予防など)することができる。本発明の組成物は、長い食経験から安全性や味覚性に優れていることが実証されている発酵乳製品とオリゴ糖を有効成分(主成分)として含んでいるので、副作用の問題がなく、長期間で経口投与することができる。
本発明は、発酵乳製品とオリゴ糖を有効成分として含む、リン吸収抑制用組成物を提供する。また、本発明は、発酵乳製品とオリゴ糖を有効成分として含む、リンの過剰な取り込みに起因する疾患の治療や予防の両方またはいずれか一方のための組成物に関する。リンの体内への過剰な取り込みは、例えば、胃酸の分泌の低下によるpHの上昇によって生じる。本発明の組成物は、胃酸の分泌の低下によるpHの上昇によって生じる、リンの体内への過剰な取り込みを有意に抑制し、リンの代謝の異常を改善する。
本発明のリン吸収抑制用組成物は、リンの吸収を抑制するための組成物、リン吸収抑制剤などと表現することもできる。そして、本発明のリン吸収抑制用組成物は、胃酸の分泌が低下した対象および/または胃液のpHが上昇した対象に経口投与することができる。すなわち、本発明は、胃酸の分泌が低下した対象および/または胃液のpHが上昇した対象に投与するために用いられる、リン吸収抑制用組成物に関する。本発明のリン吸収抑制用組成物は、「発酵乳製品とオリゴ糖を有効成分として含む、リン吸収抑制用組成物であって、その投与(摂取)の対象において、胃液の分泌が低下しているか否か、および/または胃液のpHが上昇しているか否かを判定する工程を含む方法によって、胃液の分泌が低下していると判定された対象、および/または胃液のpHが上昇していると判定された対象に経口投与するのに用いるための組成物」と表現することもできる。なお、本発明において、「投与」は「摂取」と言い換えることもできる。
ここで、胃酸の分泌が低下したか否かは、胃液のpHを測定することによって判定することができる。すなわち、胃液のpHを測定し、そのpHが上昇している場合、胃酸の分泌が低下したと判定することができる。本発明では、胃酸の分泌が低下した対象および/または胃液のpHが上昇した対象として、胃液のpHが好ましくは9〜2、より好ましくは8〜2、さらに好ましくは7〜2である対象を挙げることができるが、これらに限定されない。なお、胃液のpHの測定方法は、当業者に周知であり、例えば、有線微小pHガラス電極を経鼻的に胃内に挿入して測定する方法(Pharma.Medica., 2009, 27, 109-115)などが知られている。胃酸の分泌が低下した対象および/または胃液のpHが上昇した対象として、例えば、PPIを長期間で経口投与した対象を挙げることができる。すなわち、本発明のリン吸収抑制用組成物は、PPIを長期間で経口投与した対象に経口投与するために用いることができる。また、他に胃酸の分泌が低下した対象および/または胃液のpHが上昇した対象として、例えば、高齢者、胃切除患者、H2ブロッカー投与患者などを挙げることができる。本発明では、長期間として、例えば、好ましくは1週間以上30年以下、より好ましくは2週間以上20年以下、さらに好ましくは3週間以上10年以下を挙げることができるが、これらに限定されない。
本発明において、リン吸収の抑制とは、体内へのリンの取り込みが減少することをいい、「リンの体内への吸収が過剰である状態を改善すること」などと表現することもできる。本発明のリン吸収抑制用組成物は、リンの過剰な取り込みに起因する疾患(リンの吸収の亢進に起因する疾患)の治療や予防に用いることができる。
本発明の発酵乳製品とオリゴ糖を有効成分として含む、リンの過剰吸収に起因する疾患の治療や予防の両方またはいずれか一方のための組成物は、リンの過剰な取り込みに起因する疾患の治療や予防の両方またはいずれか一方のための(薬)剤と表現することもできる。本発明のリンの過剰な取り込みに起因する疾患の治療や予防の両方またはいずれか一方のための組成物は、胃酸の分泌が低下した対象および/または胃液のpHが上昇した対象に経口投与することができる。すなわち、本発明は、胃酸の分泌が低下した対象および/または胃液のpHが増加した対象に経口投与するために用いられる、リンの過剰な取り込みに起因する疾患の治療や予防の両方またはいずれか一方のための組成物に関する。本発明のリンの過剰な取り込みに起因する疾患の治療や予防の両方またはいずれか一方のための組成物は、「発酵乳製品とオリゴ糖を有効成分として含む、リンの過剰な取り込みに起因する疾患の治療や予防の両方またはいずれか一方のための組成物であって、その投与(摂取)の対象において、胃液の分泌が低下しているか否か、および/または胃液のpHが上昇しているか否かを判定する工程を含む方法によって、胃液の分泌が低下していると判定された対象、および/または胃液のpHが上昇していると判定された対象に経口投与するのに用いるための組成物」と表現することもできる。ここで、「リンの過剰な取り込みに起因する疾患」は、「リンの過剰な摂取に起因する疾患」、「リンの吸収の亢進に起因する疾患」などと表現することができる。本発明では、「リンの過剰な取り込みに起因する疾患」として、好ましくは、胃酸の分泌の低下や、胃液のpHの上昇や、PPIの長期間の(経口)投与などにより、リンの吸収が過剰になり、それに起因して発症する疾患を挙げることができるが、これらに限定されない。つまり、より具体的には、胃酸の分泌の低下や、胃液のpHの上昇や、PPIの長期間の投与などを原因とするリンの過剰な取り込みに起因して発症する疾患として、心血管疾患、異所性石灰化、骨粗鬆症などを挙げることができるが、これらに限定されない。
本発明者らは、発酵乳製品とオリゴ糖を長期間で経口摂取することで、リンの過剰な取り込みを抑制できることを見出した。したがって、本発明の組成物は、それを必要とする対象(特に、胃酸の分泌が低下した対象、胃液のpHが上昇した対象、PPIを長期間で投与した対象)に長期間に亘って毎日で経口投与することができる。すなわち、本発明は、それを必要とする対象に長期間に亘って毎日で経口投与するために用いる、リン吸収抑制用組成物に関する。また、本発明は、それを必要とする対象に長期間に亘って毎日で経口投与するために用いる、リンの過剰な取り込みに起因する疾患の治療や予防の両方もしくはいずれか一方のための組成物に関する。本発明では、長期間として、例えば、好ましくは1週間以上、より好ましくは2週間、さらに好ましくは3週間以上(例えば3、4、5、6、7、8、9、10、11、12週間以上)を挙げることができるが、これらに限定されない。本発明の組成物は、長い食経験から安全性や味覚性に優れていることが実証されている発酵乳製品とオリゴ糖を有効成分(主成分)として含んでいるので、副作用の問題がなく、長期間で経口投与することができる。したがって、本発明では、その投与の期間に上限はないが、あえて例示すれば、好ましくは30年以下、より好ましくは20年以下、さらに好ましくは10年以下を挙げることができるが、これらに限定されない。
本発明の組成物は、その一部に、オリゴ糖を用いて調製される。本発明において、オリゴ糖とは、少糖類を指し、2〜20個の糖がグリコシド結合してなる化合物をいう。本発明では、オリゴ糖として、例えば、乳果オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ラクトース、スクロース、マルトース、トレハロース、パラチノースなどを挙げることができるが、これらに限定されない。なお、本発明の組成物が酸性である場合、酸分解などによる減衰を生じにくい性質のオリゴ糖を使用することが好ましい。
本発明では、ガラクトースを構成糖として含むオリゴ糖(ガラクトオリゴ糖など)を用いることが好ましい。ガラクトースを構成糖に含むオリゴ糖とは、2〜20個の糖がグリコシド結合してなる化合物をいい、この化合物を構成する糖に1つまたは複数のガラクトースが含まれるものをいう。ガラクトオリゴ糖は、母乳に含まれ、腸内のビフィズス菌を増やす効果があり、消化吸収されにくい糖として知られている。ガラクトオリゴ糖は、特定保健用食品(規格基準型)制度における規格基準において、「乳糖からβ-ガラクトシダーゼ(β-D-galactoside galactohydrolase、E.C.3.2.1.23、クリプトコッカス属酵母由来)の作用により生成する、乳糖のガラクトース残基に1つまたは複数のガラクトースがグリコシド結合したオリゴ糖であって、4'-ガラクトシルラクトース(Gal (β1-4) Gal (β1-4) Glc)を主成分とするもの」と定義されている(平成17年7月1日付け食安発第0701007号厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知、「特定保健用食品(規格基準型)制度の創設に伴う規格基準の設定等について」)。本発明において、ガラクトオリゴ糖は、この定義に当てはまるものであれば、特に限定されない。
本発明では、ガラクトオリゴ糖として、例えば、乳糖(Gal(β1-4)Glc)を基本構造とし、これに1〜複数個のガラクトース残基が結合した構造を有するオリゴ糖や、ガラクトースとグルコースがβ-1,3結合などした2糖類(転移2糖類)、Gal- (Gal)n - Glc (n=1〜18)、Gal - (Gal)n - Gal (n=1〜18)などを挙げることができるが、これらに限定されない。
ガラクトオリゴ糖は、商業的(工業的)な製造方法によって得ることができる。そして、ガラクトオリゴ糖の製造方法として、例えば、乳糖をガラクトース転移能の高いβ-ガラクトシダーゼ(主に、Cryptococcuslaurentii、Bacillus circulans等の微生物等に由来)に作用させる方法を挙げることができる(澤入淑人、ガラクトオリゴ糖の機能と食品への応用、FOODSTYLE 21, 1998, 2, 76-78)が、これに限定されない。
本発明の組成物は、その一部に、発酵乳製品を用いて調製される。本発明において、発酵乳製品とは、乳又はこれと同程度の無脂乳固形分を含む乳等を、乳酸菌、ビフィズス菌、プロピオン酸菌など(スターターなど)を用いて発酵させて得られるものの全般をいう。本発明では、「乳又はこれと同程度の無脂乳固形分を含む乳等」として、例えば、牛乳、水牛乳、ヤギ乳、羊乳、馬乳などの家畜乳(全脂乳)、これらの部分脱脂乳、脱脂乳、還元全脂乳、還元部分脱脂乳、還元脱脂乳、全脂粉乳、部分脱脂粉乳、脱脂粉乳、全脂濃縮乳、部分脱脂濃縮乳、脱脂濃縮乳、カゼイン、ホエイ、ホエイタンパク質、ホエイ関連製品(ホエイタンパク質濃縮物(WPC)、ホエイタンパク質分離物(WPI)など)、乳タンパク質濃縮物(MPC)、バター、バターミルク、クリームなどの1種または2種以上の組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。また、本発明において、発酵乳製品とは、好ましくは、発酵乳(ヨーグルトなど)、チーズ(熟成チーズ、非熟成チーズ(フレッシュチーズ)、プロセスチーズなど)、チーズフード、乳清(ホエイ)発酵物であり、より好ましくは、発酵乳、チーズであり、さらに好ましくは、ヨーグルト、非熟成チーズであり、特に好ましくは、ヨーグルトを挙げることができるが、これらに限定されない。
「ホエイ関連製品」としては、例えば、ホエイを濃縮処理した濃縮ホエイ、ホエイを乾燥処理したホエイパウダー、ホエイの主要なタンパク質などを限外濾過(Ultrafiltration:UF)法などで濃縮処理した後に乾燥処理したホエイタンパク質濃縮物(Whey Protein Concentrate:以下、「WPC」ともいう)、ホエイを精密濾過(Microfiltration:MF)法や遠心分離法などで脂肪を除去してからUF法で濃縮処理した後に乾燥処理した脱脂WPC(低脂肪・高タンパク質)、ホエイの主要なタンパク質などをイオン交換樹脂法やゲル濾過法などで選択的に分画処理した後に乾燥処理したホエイタンパク質分離物(Whey Protein Isolate:以下、「WPI」ともいう)、ナノ濾過(Nanofiltration:NF)法や電気透析法などで脱塩処理した後に乾燥処理した脱塩ホエイ、ホエイ由来のミネラル成分を沈殿処理してから遠心分離法などで濃縮処理したミネラル濃縮ホエイなどを挙げることができる。また、脱脂乳をMF法やUF法などで濃縮処理した後に乾燥処理した乳タンパク質濃縮物(Milk Protein Concentrate:以下、「MPC」ともいう)は、WPCやWPIと同様に、乳糖や塩類などの量が低減されており、カゼインやホエイタンパク質の量が相対的に増強されている。
本発明において、発酵乳(ヨーグルトなど)とは、「乳又はこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等を乳酸菌又は酵母で発酵させ、糊状又は液状にしたもの又はこれらを凍結したもの」をいう(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令2条38号)。本発明において、発酵乳は、この定義に含まれるものであれば、特に限定されない。また、本発明において、チーズとは、「乳又はこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等を1種または2種以上で組み合わせて調製した液状乳を、発酵、酵素添加または酸添加し、その結果できた凝乳から乳清を除去したもの」をいう。本発明において、チーズは、固形化されているものと固形化されていないもののいずれであってもよい。また、本発明において、チーズとは、熟成されているもの(熟成チーズ)と熟成されていないもの(非熟成チーズ)のいずれであってもよい。
本発明では、発酵乳製品を製造するためのスターターとして、例えば、Lactobacillus属、Streptococcus属、Lactococcus属、Leuconostoc属、Pediococcus属などに属する乳酸菌を用いることができ、好ましくは、Lactobacillus属、Streptococcus属、Lactococcus属に属する乳酸菌を用いることができ、より好ましくは、Lactobacillus属、Streptococcus属に属する乳酸菌を用いることができるが、これらに限られない。つまり、より具体的には、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus、Lactobacillus gasseri、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus casei、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus oris、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus brevis、Lactobacillus mucosae、Lactobacillus murinus、Streptococcus thermophilus、Streptococcus diacetylactis、Lactococcus lactis、Lactococcus cremoris、Enterococcus faecium、Enterococcus faecalisなどの乳酸菌、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium breveなどのビフィズス菌、Propionibacterium freudenreichii、Propionibacterium thoenii、Propionibacterium acidipropionici、Propionibacterium jensenii Propionibacterium avidum、Propionibacterium acnes、Propionibacterium lymphophilum、Propionibacterium granulosamなどのプロピオン酸菌などを含めた、通常の発酵乳の製造に用いられている微生物、好ましくは、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus、Lactobacillus gasseri、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus casei、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus oris、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus brevis、Streptococcus thermophilus、Lactococcus lactis、Lactococcus cremorisを用いることができ、より好ましくは、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus、Lactobacillus gasseri、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus plantarum、Streptococcus thermophilus、Lactococcus lactis、Lactococcus cremorisを用いることができ、さらに好ましくは、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus、Lactobacillus gasseri、Lactobacillus helveticus、Streptococcus thermophilusを用いることができ、特に好ましくは、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus、Streptococcus thermophilusを用いることができるが、これらに限られない。そして、本発明では、これらの微生物(スターター)を1種または2種以上で組み合わせて用いることができる。
本発明において、発酵乳(ヨーグルトなど)は公知の製造方法を用いて得ることができる。また、本発明において、チーズも公知の製造方法を用いて得ることができる。例えば、非熟成チーズでは、その組成(質量単位)として、例えば、全固形分が17〜19%、タンパク質が11〜13%、脂肪が1%以下、炭水化物が2〜8%を挙げることができるが、これに限定されない。
本発明の組成物は、通常では、オリゴ糖、発酵乳製品、および他の任意成分の混合物として調製されるが、例えば、オリゴ糖を含むものと発酵乳製品を含むものに分けたような他の形態として調製されてもよい。オリゴ糖を含むものと発酵乳製品を含むものに分けた形態として調製された場合、オリゴ糖を含むものと発酵乳製品を含むものを同時に(経口)投与することが望ましい。
本発明の組成物は、全固形分(100質量%)に含まれるオリゴ糖の濃度として、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜8質量%、さらに好ましくは0.3〜6質量%、特に好ましくは0.4〜6質量%である。また、本発明の組成物は、全固形分(100質量%)に含まれる発酵乳製品の濃度として、好ましくは5〜98質量%、より好ましくは10〜97質量%、さらに好ましくは15〜96質量%、特に好ましくは18〜96質量%である。なお、本明細書において、全固形分とは、特に断らない限り、デシケータ内の20℃の乾燥雰囲気下で乾燥させた後の質量(液状の油脂の質量を含む)を意味する(粉末飼料のような含水固形分の質量を意味するものではない)。
本発明の組成物は、オリゴ糖の投与(摂取)量として、1日に体重1kg当たり、固形分含量で、好ましくは0.1mg〜2g、より好ましくは0.5mg〜1.5g、さらに好ましくは1mg〜1g、特に好ましくは 5mg〜0.5gである。また、本発明の組成物は、発酵乳製品の投与(摂取)量として、1日に体重1kg当たり、固形分含量で、好ましくは100mg〜10g、より好ましくは200mg〜7.5g、さらに好ましくは300mg〜5g、特に好ましくは 500mg〜2.5gである。
本発明の組成物は、オリゴ糖のヒトに対する投与量として、1日当たり、固形分含量で、好ましくは0.01g〜20g、より好ましくは0.05g〜15g、さらに好ましくは0.1g〜10g、特に好ましくは0.5g〜5gである。また、本発明の組成物は、発酵乳製品のヒトに対する投与量として、1日当たり、固形分含量で、好ましくは1g〜100g、より好ましくは2g〜75g、さらに好ましくは3g〜50g、特に好ましくは5g〜25gである。なお、本発明の組成物は、その投与を必要とする対象(患者など)に、食前、食後、食間および/または就寝前などにおいて適宜、一括して投与することもできるし、分割して投与することもできる。なお、本発明の組成物は、その投与を必要とする対象(患者など)の年齢、体重、投与目的に応じて、その投与量を個別に定めることができるため、その投与量は必ずしも前記の数値範囲内に限定されるものではない。
本発明において、発酵乳製品/オリゴ糖の質量比(固形分換算値)は、好ましくは1〜49、より好ましくは1〜30、さらに好ましくは2〜9、特に好ましくは3〜8である。
本発明の組成物は、医薬品(医薬組成物、栄養医薬組成物、薬剤、経腸栄養剤、医薬品添加物など)、飲食品(飲食品組成物、栄養組成物、特別用途食品、栄養機能食品、健康食品、食品添加物(食品添加剤)など)、化粧品などのいずれの形態でも用いることができる。また、本発明の組成物は、医薬品、飲食品、化粧品などに添加(配合)して用いる、および/または医薬品、飲食品、化粧品などと組み合わせて用いることができる。これにより、医薬品、飲食品、化粧品などに、リン吸収抑制効果や、リンの過剰な取り込みに起因する疾患の治療効果および/または予防効果を付与することができる。
本発明の組成物を医薬品として使用する(医薬品の形態とする)場合、種々の形態で投与することができる。その投与形態として、例えば、経腸栄養剤、液剤などの医薬品を経口投与または経腸投与(経鼻チューブ、胃ろう、腸ろうなど)することなどを挙げることができる。このとき、本発明の組成物を、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤などの製剤に加工して投与することもできる。そして、これらの各種の製剤として、常法に従って、主剤に、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤、溶剤、等張化剤などの医薬品の製剤の技術分野における既知の補助剤を用いて製造したものを挙げることができるが、これらに限定されない。また、これらの各種の製剤では、適当量のカルシウムを含んでいてもよく、さらに、適当量のビタミン、ミネラル、有機酸、糖類、アミノ酸、ペプチド類などを含んでいてもよい。
本発明の組成物を医薬品として使用する場合、その投与を必要とする対象(患者など)の年齢、体重、投与目的(症状)などに応じて、その投与量や投与方法を適宜選定することができる。このとき、本発明の組成物は、その有効な投与量として、1回に体重1kg当たり、例えば5mg 〜1500mg、好ましくは10mg〜1000mg、より好ましくは20mg〜750mg、さらに好ましくは30mg〜500mg、特に好ましくは50mg〜250mgで適宜選定することができる。また、本発明の組成物は、その有効な投与量として、1回に患者当たり、例えば0.5g 〜150g、好ましくは1g〜100g、より好ましくは2g〜75g、さらに好ましくは3g〜50g、特に好ましくは5g〜25g で適宜選定することができる。そして、本発明の組成物は、その有効な投与量や投与方法として、1回に体重1kg当たり、例えば5mg 〜1500mg、好ましくは10mg〜1000mg、より好ましくは20mg〜750mg、さらに好ましくは30mg〜500mg、特に好ましくは50mg〜250mgを、例えば1日に1回〜6回、好ましくは1日に1回〜5回、より好ましくは1日に1回〜4回、さらに好ましくは1日に1回〜3回で、例えば1週間以上、好ましくは1週間〜12月間、より好ましくは2週間〜6月間、さらに好ましくは3週間〜4月間、特に好ましくは4週間〜2月間に亘って投与することを挙げることができる。さらに、本発明の組成物は、その投与を必要とする対象(患者など)に、食前、食事後、食間および/または就寝前などにおいて適宜、一括して投与することもできるし、分割して投与することもできる。また、本発明の組成物は、実際に対象へ投与した後の状態や血液検査の動向などを観察しながら、それぞれの対象の状態に応じて、その有効な投与回数を個別に調整することができる。
本発明の組成物を飲食品として使用する(飲食品の形態とする)場合、種々の形態で摂取することができる。その摂取形態として、例えば、乳製品、流動食などの飲食品を経口摂取または経腸摂取(経鼻チューブ、胃ろう、腸ろうなど)させることなどを挙げることができる。このとき、本発明の組成物を、液状、ペースト状、固形状、粉末状などの飲食品に加工して摂取させることができ、実際には、各種の飲食品に添加(配合)して摂取させる、および/または各種の飲食品と組み合わせて摂取させることもできる。そして、これらの飲食品として、好ましくは、水、飲料、菓子(デザートなどを含む)、乳製品、流動食(栄養価が高い飲食品などを含む)、乳幼児用調合乳、インスタント食品であり、より好ましくは、水、飲料、菓子、乳製品、流動食、乳幼児用調合乳であり、さらに好ましくは、菓子、乳製品、流動食であり、特に好ましくは、乳製品を挙げることができるが、これらに限定されない。つまり、より具体的には、牛乳、清涼飲料、発酵乳、ヨーグルト、チーズ、パン、ビスケット、クラッカー、プリン、ゼリー、アイスクリーム、ピッツァクラスト、調製粉乳、流動食、病者用食品、栄養食品、冷凍食品、食品組成物、加工食品、その他の市販食品などを挙げることができる。また、これらの各種の飲食品では、各種の学校、介護施設、福祉施設における給食などとして提供することもできる。
本発明の組成物を飲食品として使用する場合、その摂取を必要とする対象(ヒト)の年齢、体重、摂取目的などに応じて、その摂取量や摂取方法を適宜選定することができるが、その有効成分を直接、そのままで経口摂取できることが好ましい。このとき、本発明の組成物は、その形態として、乳製品、流動食などを挙げられるが、例えば、フルーツジュース型の飲料、ミルクシェイク型の飲料などであってもよいし、その摂取前に水などに溶解・分散できる粉末状の食品などであってもよい。また、本発明の組成物は、その有効な摂取量として、1日当たり、固形分含量で、例えば0.5g〜150g、好ましくは1g〜100g、より好ましくは2g〜75g、さらに好ましくは3g〜50g、特に好ましくは5g〜25gである。そして、本発明の組成物は、その摂取を必要とする対象に、食前、食事後、食間および/または就寝前などにおいて適宜、一括して投与することもできるし、分割して投与することもできる。また、本発明の組成物は、食事の代わりとして用いることもできるし、食事の補助として用いることもできる。
本発明の組成物を医薬品や飲食品として使用する場合、当業者に周知の方法で製造することができる。当業者であれば、本発明の組成物またはその処理物を他の成分と混合する調合工程、殺菌工程、発酵工程、濃縮工程、成形工程、焼成工程、乾燥工程、冷却工程、造粒工程、包装工程などを適宜選択して組み合わせ、所望の医薬品や飲食品を製造することができる。本発明の組成物を酸性の医薬品や飲食品として使用する場合、そのpHは、例えば2〜6、好ましくは3〜5に設定することができる。
本発明の組成物を各種の乳製品として使用する場合、当業者に周知の方法で製造することができる。例えば、ヨーグルトの場合、乳酸菌を培養などするスターターの調製工程、必要に応じて、ガラクトオリゴ糖を配合(添加)してから、乳成分などを混合する原料乳の調合工程、スターターを原料乳と混合してから所定の温度で保持する発酵工程、発酵乳を所定の温度まで低下させる冷却工程、必要に応じて、発酵乳を破砕や微粒化などしてから、ガラクトオリゴ糖を配合する混合工程、必要に応じて、香料や風味物質などを配合するフレーバーリング工程、充填工程などを経るような方法で製造することができる。このとき、スターターとして、例えば、Lactobacillus属の乳酸菌およびStreptococcus属の乳酸菌の混合物を用いることができ、好ましくは、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricusおよびStreptococcus thermophilusの混合物を用いることができる。また、チーズの場合、前記のようなスターターの調製工程、前記のような原料乳の調合工程、前記のような発酵工程、レンネットを配合するチーズカードの生成工程、チーズカードの切断工程、チーズホエイの排出工程、加塩工程、熟成工程などを経るような方法で製造することができる。このとき、スターターとして、例えば、Lactobacillus属の乳酸菌を用いることができ、好ましくは、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus、Lactobacillus helveticusを用いることができる。
本発明の組成物を医薬品や飲食品として使用する場合、さらに付加的な栄養素を配合することによって、その栄養学的な組成を調節することができる。本発明において、付加的な栄養素には、タンパク質、糖質、脂質、ペプチド、アミノ酸、食物繊維、ビタミン類、ミネラル類、有機酸、有機塩基、果汁、フレーバー類、人工甘味料(例えば、アスパルテームなど)などを用いることができる。このとき、タンパク質として、例えば、全脂粉乳、脱脂粉乳、部分脱脂粉乳、全脂濃縮乳、脱脂濃縮乳、部分脱脂濃縮乳、カゼイン、ホエイ粉、ホエイタンパク質、ホエイタンパク質濃縮物、ホエイタンパク質分離物、α―カゼイン、β―カゼイン、κ−カゼイン、β―ラクトグロブリン、α−ラクトアルブミン、ラクトフェリン、大豆タンパク質、鶏卵タンパク質、肉タンパク質などや、これらの分解物、バター、クリーム、ホエイ、乳清ミネラル、非タンパク態窒素、シアル酸、リン脂質、乳糖などの各種の乳由来成分などを用いることができる。そして、カゼインホスホペプチド、アルギニン、リジンなどのペプチドやアミノ酸も用いることができる。また、糖質として、例えば、ショ糖、ブドウ糖、果糖、ハチミツなどの糖類、加工澱粉(デキストリン(マルトデキストリン、難消化デキストリンなど)のほか、可溶性澱粉、ブリティッシュスターチ、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテルなど)、食物繊維などを用いることができる。さらに、脂質として、例えば、ラード、魚油等、これらの分別油、水素添加油、エステル交換油などの動物性油脂;パーム油、サフラワー油、コーン油、ナタネ油、ヤシ油、これらの分別油、水素添加油、エステル交換油などの植物性油脂などを用いることができる。
本発明の組成物を医薬品や飲食品として使用する場合、便臭低減効果があるシャンピニオンエキスを例えば0.005〜0.5重量%、栄養強化効果があるカロチノイド製剤(例えば、α-カロチン、 β-カロチン、リコピン、ルテインなどを含む)を例えば0.00001〜0.0002重量%で配合(添加)することもできる。また、抗酸化剤として、カテキン、ポリフェノールなどを配合することもできる。さらに、脂質代謝の亢進効果等があるカルニチンを配合することもできる。カルニチンは、リジンとメチオニンから肝臓や腎臓で作られる生体微量成分であり、年齢と共に、その生成量は低下することが知られている。カルニチンは、筋肉細胞への長鎖脂肪酸の受け渡しなどで、栄養成分の代謝に重要な働きを示している。
食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分類され、いずれも用いることができる。そして、水溶性食物繊維として、難消化性オリゴ糖のラクツロース、ラクチトール、ラフィノースを用いることができる。難消化性オリゴ糖の生理機能として、未消化物のままで、大腸に到達し、腸内ビフィズス菌の活性化や増殖に寄与し、腸内環境を改善する効果などがある。ラクツロースは、ガラクトースとフルクトースからなる合成二糖類であり、高アンモニア血症の治療用の基本的な薬剤として用いられる(Bircher, J. et al., Lancet i: 890, 1965 )。慢性肝不全による慢性再発型肝性脳症は、ラクツロースの投与、肝不全用の特殊アミノ酸輸液(Fischer液)などに良く反応する。ラクチトール(β-galactosyl-sorbitol)は、第二世代のラクツロースというべきものであり、慢性肝性脳症の臨床効果では、ラクツロースと同程度であり(Lanthier, PL. and Morgan, M., Gut, 26: 415, 1985; Uribe, M., et al., Dig. Dis. Sci., 32: 1345, 1987; Heredia, D. et al., J. Hepatol, 7: 106, 1988; Riggio, O., et al., Dig. Dis. Sci., 34: 823, 1989)、高アンモニア血症の治療用の薬剤として用いられている。
また、水溶性食物繊維として、脂質代謝の改善効果(コレステロールの低下作用や中性脂肪の低下作用)があるペクチン(プロトペクチン、ペクチニン酸、ペクチン酸)、グアーガム酵素分解物、タマリンドシードガムなどを用いることができる。グアーガム酵素分解物には、血糖値上昇の抑制効果やインスリン節約効果が認められている(大和谷一彦ら、日本栄養・食糧学会誌, 46: 199, 1993 )。さらに、水溶性食物繊維として、高分子水溶性食物繊維では、こんにゃくグルコマンナン、アルギン酸、低分子アルギン酸、サイリウム、アラビアガム、海藻多糖類(セルロース、リグニン様物質、寒天、カラギーナン、アルギン酸、フコダイン、ラミナリン)、微生物ガム(ウエランガム、カードラン、キサンタンガム、ジェランガム、デキストラン、プルラン、ラムザンガム)、その他のガム(種子由来のローカストビーンガム、タマリンドガム、タラガム、樹液由来のカラヤガム、トラガントガム)などを用いることができ、低分子水溶性食物繊維では、ポリデキストロース、難消化性デキストリン、マルチトールなどを用いることができる。
一方、不溶性食物繊維として、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、キチン、キトサン、大豆食物繊維、小麦ふすま、パインファイバー、コーンファイバー、ビートファイバーなどを用いることができる。不溶性食物繊維の生理機能として、大腸において不消化物のカサを増やし、通過時間を短縮させることで、排便回数を増やし、便量を増加させる効果がある。
ビタミン類として、例えば、ビタミンA、カロチン類、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD群、ビタミンE、ビタミンK群、ビタミンP、ビタミンQ、ナイアシン、ニコチン酸、パントテン酸、ビオチン、イノシトール、コリン、葉酸などを用いることができる。ビタミンとして、13種類が知られている。
ミネラル類として、例えば、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、銅、鉄、マンガン、亜鉛、セレンなどを用いることができるし、天然物由来の微量元素、例えば、ミネラル酵母の銅、亜鉛、セレン、マンガン、クロム、グルコン酸銅、グルコン亜鉛なども用いることができる。有機酸として、例えば、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酒石酸などを用いることができる。体液を管理する場合、通常で問題となる電解質は、ナトリウム、塩素、カリウム、リン、カルシウムおよびマグネシウムである。ミネラルの処方を調整する場合、(1) 細胞内に取り込まれるミネラルが十分に配分されているか、(2) 患者の内分泌環境が栄養基質の投与量と種類へ十分に対応できるか、(3) 腎への浸透圧物質の負荷量の推測と適正な尿浸透圧を維持するために水分の投与量は適切であるか、の3点に配慮する。
これらの付加的な栄養素には、化学的に合成した成分と天然物由来の成分のうち、いずれも用いることができる。また、目的とする成分を含む食品を原材料として配合して用いることもできる。これらの成分は少なくとも1種あるいは2種以上を組み合わせて配合して用いることができる。
本発明の組成物は、浸透圧として、例えば300〜1000 mOsm/Lであり、好ましくは300〜750 mOsm/Lである。また、本発明の組成物は、室温(25 ℃)で測定する場合、粘度として、例えば1〜40 cp(mPa・s)であり、好ましくは3〜20 cpである。そして、本発明の組成物は、カロリーとして、例えば0.5〜3 kcal/mLであり、好ましくは1〜2.5 kcal/mL、より好ましくは1〜2 kcal/mLである。本発明の組成物の形態は、固体でもよいし、液体でもよいし、ゲル状や半固形でもよい。
本発明の組成物は、飲料、乳製品、流動食、経腸栄養剤の分野で公知の方法によって製造することができる。例えば、本発明の組成物の使用形態が液状の場合、当該組成物(原料液)を予め加熱殺菌してから、必要に応じて、冷却した後に、無菌的に容器へ充填する方法(例えば、超高温(UHT)殺菌法(例えば、130〜145℃、1〜10秒間)や高温(HTST)殺菌法(例えば、100〜130℃、1〜60秒間)と、無菌(アセプティック)充填(包装)法を併用した方法)や、本発明の組成物の使用形態が液状の場合、当該組成物(原料液)を容器へ充填してから、容器と共に加熱殺菌する方法(例えば、レトルト法、オートクレーブ法)などを用いることができる。すなわち、本発明の組成物の使用形態が液状の場合、当該組成物に基づく均質化物(原料液や殺菌液を均質化したもの)を、必要に応じて、再び加熱殺菌(例えば、超高温(UHT)殺菌法や高温(HTST)殺菌法)してから冷却した後に、無菌的に充填する方法や、缶容器やソフトバックなどへ充填してから、容器と共に加熱殺菌する方法などを用いることができる。そして、本発明の組成物の使用形態が粉末状の場合、当該組成物に基づく均質化物を、必要に応じて、例えば、真空蒸発濃縮や凍結濃縮した後に、例えば、噴霧乾燥や凍結乾燥する方法などを用いることができる。
本発明の組成物は、その用途として、以下(1)〜(11)のように表現することもできる。
(1)発酵乳製品とオリゴ糖、またはこれらを含む組成物を対象に(経口)投与する(摂取させる)工程を含む、リン吸収の抑制方法。
(2)リン吸収抑制のために使用するための、発酵乳製品とオリゴ糖。
(3)発酵乳製品とオリゴ糖と薬学的に許容される担体を配合する工程を含む、リン吸収抑制用組成物の製造方法。
(4)発酵乳製品とオリゴ糖を含む、医薬品(医薬組成物)または飲食品(飲食組成物)への添加に用いられ、かつリン吸収抑制に用いられる組成物。
(5)発酵乳製品とオリゴ糖、またはこれらを含む組成物を、医薬組成物、栄養医薬組成物、医薬品、薬剤、飲食組成物、飲食品、栄養組成物、特別用途食品、栄養機能食品、健康食品などに添加(配合)する工程を含む、医薬組成物、栄養医薬組成物、医薬品、薬剤、飲食組成物、飲食品、栄養組成物、特別用途食品、栄養機能食品、健康食品などに、リン吸収抑制効果を付与する方法。
(6)発酵乳製品とオリゴ糖、またはこれらを含む組成物を対象に投与する工程を含む、リンの過剰な取り込みに起因する疾患の治療や予防の両方またはいずれか一方のための方法。
(7)リンの過剰な取り込みに起因する疾患の治療や予防の両方またはいずれか一方のための組成物の製造における、発酵乳製品とオリゴ糖の使用。
(8)リンの過剰な取り込みに起因する疾患の治療や予防の両方またはいずれか一方のために使用するための、発酵乳製品とオリゴ糖。
(9)発酵乳製品とオリゴ糖と薬学的に許容される担体を配合する工程を含む、リンの過剰な取り込みに起因する疾患の治療や予防の両方またはいずれか一方のため組成物の製造方法。
(10)発酵乳製品とオリゴ糖を含む、医薬品または飲食品への添加に用いられ、かつリンの過剰な取り込みに起因する疾患の治療や予防の両方またはいずれか一方のために用いられる組成物。
(11)発酵乳製品とオリゴ糖、またはこれらを含む組成物を医薬組成物、栄養医薬組成物、医薬品、薬剤、飲食組成物、飲食品、栄養組成物、特別用途食品、栄養機能食品、健康食品などに添加する工程を含む、医薬組成物、栄養医薬組成物、医薬品、薬剤、飲食組成物、飲食品、栄養組成物、特別用途食品、栄養機能食品、健康食品などに、リンの過剰な取り込みに起因する疾患の治療や予防の両方またはいずれか一方の効果を付与する方法。
なお、本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
1.試験材料と試験方法
1.1.飼料
発酵乳では、脱脂乳を培地として、乳酸菌(明治ブルガリア ヨーグルト プレーンから分離した、Lactobacillus bulgaricusとStreptococcus thermophilus)を培養し、この得られた培養物を凍結乾燥した。そして、この凍結乾燥した発酵乳を、10-kGyで電子線滅菌して調製(製造)した。一方、ガラクトオリゴ糖(GOS)原料(Cup-Oligo)では、GOSの含有量が73重量% であった。
対照食には、AIN93M(Caの含有量:0.5重量%、リンの含有量:0.3重量%)を用いた。発酵乳とGOS原料の試験食(YG食)には、カゼインの一部を発酵乳の凍結乾燥物で置換し、ショ糖の一部(5重量%)をGOSで置換して作製したものを用いた。このとき、対照食と試験食(YG食)で、Ca、リン、粗タンパク質の濃度を同等になるように調整した。なお、粗タンパク質の濃度は、ケルダール法で測定した窒素含量×6.38で算出した。
発酵乳とGOS原料の試験食(YG食)および対照食の組成を表1に示した。
Figure 0006058223
ここで、表1の「カルシウム及びリンを含有しないAIN-93Mミネラルプレミックス」の組成を表2に示した。
Figure 0006058223
また、表1の「重酒石酸コリンを含有するAIN-93ビタミンプレミックス」の組成を表3に示した。
Figure 0006058223
1.2.動物
11週齢のWistar系オスラット(日本SLCから購入した)の32匹を用いた。これらラットを、明暗サイクルが12時間の室温(25℃)の部屋において、ステンレス代謝ケージで個別に飼育した。これらラットを1週間で馴化した後に、それぞれの体重が群間で均一になるように8匹ずつ、以下の4群に分けた。ここで、PPIは、オメプラゾールナトリウム(Omepral Injection 20、アストラゼネカ社)である。
- Control(対照)群(対照食の給与および溶媒の投与)
- PPI群(対照食の給与およびPPIの投与)
- YG群(YG食の給与および溶媒の投与)
- YG+PPI群(YG食の給与およびPPIの投与)
1.3.試験方法
全部の群(対照群、PPI群、YG群、YG+PPI群)に、対照食やYG食(試験飼料)を12週間に亘って、暗期の時間帯のみで給与した。このとき、対照群およびPPI群では、ペアフィーディング法を適用し、YG群およびYG+PPI群における試験飼料の摂取量に合わせた。そして、PPI群およびYG+PPI群では、暗期の開始の1時間前に毎日、PPIを20 mg/kg-BWの用量で、前記のラットに皮下投与した。なお、予備試験として、PPIを20 mg/kg-BWの用量で、成熟ラットに皮下投与したときには、胃液のpHがベースラインのpH:1.8 ± 0.2に対して、皮下投与してから2〜5時間後のpH:7.0 ± 0.2、9〜12時間後のpH:2.5 ± 0.3となり、有意に高い数値を示すことを確認した。また、対照群およびYG群では、同様の方法として、暗期が始まる1時間前に毎日、生理食塩水を20 mg/kg-BWの用量で、前記のラットに皮下投与した。なお、全部の群に、試験期間中において、イオン交換水を自由摂取させた。
試験開始から4週目、12週目に3日間で、各ラットの糞尿を集めて、Ca、リンの測定に用いた。ここで、試験終了時には、ペントバルビタール麻酔下で、腹部大動脈から採血し、各ラットを屠殺した。そして、各ラットを屠殺した後に、各ラットの右大腿骨を摘出し、エタノール(70%)で保存して、X線CTの測定、μCTの測定、骨強度の測定に用いた。
・X線CTによる大腿骨の骨密度(BMD)と骨強度の測定(ラシータのCT撮影)
動物用CT装置であるラシータ(LCT-100M、アロカ社)を用いて、1 mm の間隔で、各ラットの右大腿骨の画像を撮影した。そして、ラシータソフトウェア(version 1.31)を用いて、これら撮影した画像を解析し、皮質骨密度、海綿骨密度、全骨密度、皮質骨幅、最小断面二次モーメント(MMICA) 、断面二次極モーメント (PMICA) を算出した。大腿骨をはじめとする骨は、一般に「皮質骨」と「海綿骨」という2種類の構造部から成り立っており、骨の種類によって、この2種類の構造の割合は異なっている。ここで、皮質骨は、骨の表面部を覆っている硬くて緻密な構造である。一方、海綿骨は、小さな細い骨が複雑に組み合わさった網目状の構造である。そして、「皮質骨密度」とは、「皮質骨」の部分の骨密度(単位体積(単位面積)あたりの骨の量)である。「海綿骨密度」とは、上記の「海綿骨」の部分の骨密度(単位体積(単位面積)あたりの骨の量)である。「全骨密度」とは、上記の「皮質骨」の部分と「海綿骨」の部分を合わせたものの骨密度(単位体積(単位面積)あたりの骨の量)である。これらは、いずれも骨の強度を示す指標となる。また、「皮質骨幅」とは、皮質骨の厚みである。骨の太さが同じであれば、皮質骨の幅が厚いほど、力学的な強度が高まる傾向にあることが知られている。さらに、「最小断面二次モーメント(MMICA)」とは、曲げに対する強さを表す断面の強度の指標の一つである。丸棒のような部材に対して、曲げを生じるように荷重を掛けたときに、その曲げの荷重に対する強さの指標となる。このとき、断面二次モーメントが大きいほど、曲げに対して強いこととなる。つまり、複数の骨について、最小の断面二次モーメントを比較することで、曲げに対する強さを相対的に比較できる。一方、「断面二次極モーメント(PMICA)」とは、捻じれに対する強さを表す断面の強度の指標の一つである。丸棒のような部材に対して、捻じれを生じる(一端を固定した状態のままで、反対側の端を回転させる)ように荷重を掛けたときに、その捻じれの荷重に対する強さの指標となる。実際には、断面二次極モーメントは部材の断面の半径と荷重の負荷の大きさによって決まる。このとき、断面二次極モーメントが大きいほど、捻じれに対して強いこととなる。つまり、複数の骨について、荷重の負荷を同じ条件に設定し、断面二次極モーメントを比較することで、捻じれに対する強さを相対的に比較できる。
・μCTによる大腿骨遠位骨幹端の骨微細構造の測定(μCT撮影)
μCT(ScanXmate-L080、コムスキャンテクノ社)を用いて、2 mm の長さで、各ラットの右大腿骨の成長板から0.5 mm の離れた場所の画像を撮影した。μCTでは、通常のCTに比べて、撮影の視野は狭いが、分解能(最終的に認識できる最少の寸法)が高いことが特徴である。μCTでは、試料を非破壊の状態で、その内部構造を詳細に観察でき、実際の条件次第では、1〜10μmの形状を判別できる。この撮影条件は、管電圧:80 kV、管電流:100 μA、倍率:6.96、ボクセルサイズ:14.368 × 14.368 × 14.368 μmとした。そして、ビームハードニング効果を減弱させるために、0.1 mmの厚さの真鍮板フィルターを用いた。TRI/3D-BON ソフトウェア(ラトックシステムエンジニアリング社)を用いて、骨梁の骨密度(BV/TV,%)、骨梁幅(Tb.Th,μm)、骨梁数(Tb.N,mm-1)、骨梁間隙(Tb.Sp,μm)、骨髄空間のスターボリューム(V*m.space,mm3)、骨梁のスターボリューム(V*tr,mm3)、組織の体積当たりのノード(Nd:3個以上の骨梁の結合点)の数(N.Nd/TV)、組織の体積当たりのターミナス(Tm:他の骨梁と結合のない端点)の数(N.Tm/TV)、組織の体積当たりのコーテックス(Ct:皮質骨との結合点)の数(N.Ct/TV)、組織の体積当たりの骨の解析部分の総骨格線長(TSL/TV)、総体積(Tt.V,mm3)、皮質骨体積(Ct.V,mm3)、皮質骨体積の割合(Ct.V/Tt.V,%)、平均の皮質骨幅(Ct.Th,mm)、最小断面モーメント(Imin,mm5)、密度重みづけ最小断面モーメント(Imin Dn,mm (mm2))を算出した。ここで、「骨梁」とは、海綿骨における基本的な単位であり、網目のように縦横に張り巡らされた、スポンジ状の部分である。ここでは、皮質骨に比べて、骨代謝が盛んである。また、「骨髄」とは、骨梁の間隙である。ここでは、赤血球、白血球、血小板などが生産される。「骨梁幅」とは、骨梁の厚さであり、「骨梁数」とは、単位長さ当たりの骨梁の個数である。「骨梁間隙」とは、2つの骨梁の間隙の幅である。これらは、いずれも、海綿骨の強度を示す指標となる。そして、それぞれの数値は、例えば、μCTで得られる骨の断層の画像から、骨梁の三次元構造を解析することで定量的に算出できる。さらに、「スターボリューム」とは、骨粗鬆化の指標であり、任意の箇所から全方向において遮ることなく見渡せる範囲の体積である。例えば、骨髄空間の直線的な連続性が保たれていると、骨髄空間のスターボリュームは大きくなる。また、骨梁の直線的な連続性が保たれていると、骨梁のスターボリュームは大きくなる。つまり、スターボリュームの解析では、骨髄空間のスターボリュームと骨梁のスターボリュームを求めて、それらの数値を骨粗鬆化の指標として用いることとなる。また、ノードストラット解析とは、骨梁構造を点と線のみの構造体と見なし、骨梁構造を評価する方法であり、骨梁像に対して画像処理を施し、骨梁構造を骨格化させて、二次元的に表現する。次いで、ノード(3個以上の骨梁の結合点)、ターミナス(他の骨梁と結合の無い末端点)、コーテックス(骨梁と皮質骨との結合点)を求めてから、ノード、ターミナス、コーテックスを連結し、総骨格線長を求めて、それぞれの数値を骨梁の内部構造の変化の指標として用いる。
・三点曲げ試験
ラシータのCT撮影とμCT撮影を行った右大腿骨を用いて、骨強度試験機(Bone Strength Tester model TK-252C、室町機械社)による三点曲げ試験を行った。すなわち、右大腿骨を支持器具(間隔:15mm)の上に置いて、大腿骨の中央部へ垂直に、5 mm/minの定速で、骨が折れるまで力を加え、破断エネルギー、剛性、最大荷重を算出した。ここで、三点曲げ試験における「破断エネルギー」とは、被験試料に対して荷重を掛けたときに、被験試料が破断に至るまでに要した総エネルギーをいう。また、「剛性」とは、曲げや捻じりの力に対する変形しにくさの度合いである。つまり、力に対する変形が小さいときには、剛性は大きくなり、変形が大きいときには、剛性は小さくなる。これらは、いずれも、被験試料の強度を示す指標となる。
・Caとリンの出納
湿式灰化装置(Multiwave3000、パーキンエルマー社)を用いて、試験飼料、糞、尿を濃硝酸の存在下で灰化してから、ICP装置(ICP-S7500、島津製作所社)を用いて、Ca、リンを測定した。そして、見かけのCaの吸収量(mg/ 3 days)は、「Ca摂取量」−「糞中のCa排泄量」によって算出し、見かけのCa吸収率(%)は、[「Ca摂取量」−「糞中のCa排泄量」]/「Ca摂取量」×100によって算出し、Ca蓄積量(mg/ 3 days)は、「見かけのCa吸収量」−「尿中のCa排泄量」によって算出し、Ca蓄積率(%)は、[「見かけのCa吸収量」−「尿中のCa排泄量」]/「Ca摂取量」×100によって算出した。このとき、Caと同様に、リンのパラメーターも算出した。
・統計解析
全部のデータを、平均値±標準誤差で評価した。そして、全部のデータを、Bartlett検定により、等分散性を確認した。ここで、データに等分散性が認められた場合、PPIと食事の二要因で、二元配置分散分析を行った。さらに、二元配置分散分析において、交互作用が有意であった場合(Interaction値が0.05以下の場合)、Tukey-Kramer多重検定を行った。一方、データに等分散性が認められなかった場合、Kruskal-Wallis 検定を行った後に、Steel-Dwass 多重検定を行った。このとき、P<0.05を統計的に有意であると見なした。なお、エクセル統計2012(社会情報サービス社)を用いて、統計解析を行った。そして、表7と表8において、異種の符号間で統計的に有意差があるときに、「a」、「b」、「c」の符号を付与した。
2.試験結果
2.1.体重
試験終了時には、対照群の体重が340.6 ± 5.2 g、PPI群の体重が347.3 ± 4.2 g、YG群の体重が348.5 ± 4.1 g、YG + PPI群の体重が348.6 ± 5.5 gであった。このとき、これら群間の体重に有意差は認められなかった。
・全大腿骨の骨密度と骨強度
X線CTによる大腿骨の骨密度や骨強度の測定結果と、三点曲げ試験の測定結果を表4に示した。ここで、PPIによって、大腿骨の全骨密度、皮質骨密度、海綿骨密度、皮質骨厚は有意に低下した(表2の「対照群」と「PPI群」の比較、「YG群」と「YG+PPI群」の比較で、二元配置分散分析におけるP値(PPI)が0.0008〜0.0113であり、いずれも5%未満で、有意に低下したことが示された。)。一方、YG食によって、大腿骨の全骨密度、皮質骨密度、海綿骨密度、皮質骨厚は有意に増加した(表2の「対照群」と「YG群」の比較、「PPI群」と「YG+PPI群」の比較で、二元配置分散分析におけるP値(飼料)が0.0001以下であり、いずれも5%未満で、有意に増加したことが示された。)。また、PPIの投与では、最小断面二次モーメントを有意に低下させ、断面二次極モーメントを低下させる傾向(P値:0.0623)が認められた。一方、YG食の投与では最小断面二次モーメントおよび断面二次極モーメントを有意に増加させた。さらに、三点曲げ試験において、PPIの投与では、大腿骨の剛性および最大荷重を有意に低下させたが、破断エネルギーには影響が認められなかった。一方、YG食の投与では、破断エネルギーおよび最大荷重を有意に増加させ、大腿骨の剛性を増加させる傾向(P値:0.0576)が認められた。なお、対照群(310±11)とPPI群(274±4)の比較では、PPIの投与によって、大腿骨の剛性は低下したが、YG群(311±11)とYG+PPI群(309±8)の比較では、PPIの投与によって、大腿骨の剛性は変化しなかった。すなわち、本来なら、PPIによって、大腿骨の剛性が低下するところ、YG食によって、大腿骨の剛性が増加することで、YG+PPI食の投与では、PPIの影響が相殺される傾向(Interaction値:0.0611)が認められた。これらの結果から、PPIを投与していない健常時と、PPIを投与した骨強度の低下時と、いずれにおいても、YG食によって、骨強度が向上(増加)されることが明らかとなった。
Figure 0006058223
・大腿骨の遠位骨幹端の骨微細構造
μCTによる大腿骨の微細構造の測定結果を表5に示した。ここで、PPIの投与では、海綿骨の骨梁の骨密度、骨梁数、骨梁間隙に影響が認められなかったが、骨梁幅を低下させる傾向(P値:0.0549)が認められた。一方、YG食の投与では、海綿骨の骨梁の骨密度、骨梁数、骨梁間隙を有意に向上(増加)させたが、骨梁幅には影響が認められなかった。また、スターボリューム解析において、PPIの投与では、骨髄空間のスターボリューム、骨梁のスターボリュームのいずれにも影響が認められなかった。一方、YG食の投与では、骨髄空間のスターボリュームを有意に低下させ、骨梁のスターボリュームを有意に増加させた。さらに、ノードストラット解析において、PPIの投与では、いずれの指標にも影響が認められなかった。一方、YG食の投与では、ノードの数、コーテックスの数、総骨格線長を有意に増加させ、ターミナスの数を低下させる傾向(P値:0.0955)が認められた。これらの結果から、PPIを投与していない健常時と、PPIを投与した骨強度の低下時と、いずれにおいても、YG食によって、大腿骨の海面骨の骨構造が改善されることが明らかとなった。したがって、骨粗鬆症などの骨構造が悪化する疾患の治療や予防のために、本発明の組成物を有効に使用できることが示唆された。
Figure 0006058223
μCTによる大腿骨の皮質骨の形態の測定結果を表6に示した。ここで、皮質骨形態の計測において、PPIの投与では、皮質骨体積、皮質骨体積の割合、平均皮質骨幅、最小断面二次モーメント、密度重みづけ最小断面二次モーメントは有意に低下した。一方、YG食の投与では、皮質骨体積、皮質骨体積の割合、平均皮質骨幅、最小断面二次モーメント、密度重みづけ最小断面二次モーメントは有意に増加した。これらの結果から、PPIを投与していない健常時と、PPIを投与した骨強度の低下時と、いずれにおいても、YG食によって、皮質骨の骨密度が向上(増加)され、大腿骨の海面骨の骨構造が改善されることが明らかとなった。
Figure 0006058223
・Caとリンの出納
Caの出納の結果を表7に、リンの出納の結果を表8に示した。ここで、PPIの投与では、Caの出納に有意な影響が認められなかった。一方、YG食の投与では、4週目のCa吸収と、4週目と12週目の尿中Ca排泄を有意に増加した。また、PPI群では、4週目のリン吸収量とリン吸収率が有意に増加した。一方、YG群では、4週目のリン吸収量もリン吸収率も有意に増加しなかった。このとき、YG+PPI群では、PPI群に比べて、リン吸収量もリン吸収率も有意に減少した。したがって、健常時においては、YG食によって、リン出納は何も影響されないが、PPIの投与に伴う胃酸の低下時においては、YG食によって、リン吸収を低下させることが明らかとなった。そして、12週目のリン吸収量、リン吸収率、4週目と12週目の尿中リン排泄量にも、これと同様な傾向が認められた。これらの結果から、YG食の投与では、リン吸収を低下させる効果があり、リン吸収が異常に増加した場合において、リン吸収を正常化させる効果があることが明らかとなった。
以上の結果から、発酵乳製品とオリゴ糖の組み合わせを含む組成物には、骨強度の改善効果、骨密度の改善効果、リン吸収の抑制効果(リン代謝の正常化効果)があることが示された。これまで、発酵乳製品とオリゴ糖の組み合わせがリン代謝に対して、何らかで影響することは全く知られていなかった。つまり、本発明では、11週齢の高齢ラットにおいて12週間に亘り、発酵乳製品とオリゴ糖を経口投与する(経口摂取させる)ことで、長期的な影響について初めて評価・検証したこととなる。そして、その結果として、発酵乳製品とオリゴ糖の組み合わせに、胃酸の低下時におけるリン代謝の異常(リンの過剰な取り込み)を正常化させる効果があることを初めて見出した。また、加えて、本発明では、発酵乳製品とオリゴ糖の組み合わせに、特に優れた骨強度の改善効果や骨密度の改善効果があることも初めて見出した。したがって、本発明の組成物を経口投与することで、リン代謝の異常を正常化させながら、骨強度や骨密度を改善させることが可能であり、特に胃酸の低下者にとって非常に有益な効果をもたらすことが明らかとなった。
Figure 0006058223
Figure 0006058223
本発明の組成物である発酵乳製品とオリゴ糖の組み合わせを長期間で投与することにより、例えば、胃酸の分泌の低下に伴うpHの上昇によって生じる、リンの過剰な取り込みが抑制され、リンの吸収を正常の範囲に戻すことができる。すなわち、本発明の組成物は、リンの代謝の異常を改善することができる。また、本発明の組成物は、リンの過剰な取り込みに起因する疾患を改善することができる。なお、本発明の組成物は、長い食経験から安全性や味覚性に優れていることを実証された成分で構成されており、それを投与した際に、身体的な負担が小さく、それを長期間で投与することができる。

Claims (8)

  1. Lactobacillus属に属する乳酸菌およびStreptococcus属に属する乳酸菌を用いて得られる発酵乳製品とガラクトオリゴ糖を有効成分として含む、リンの吸収が増加した対象へ投与するために用いられるリン吸収抑制用組成
  2. Lactobacillus属に属する乳酸菌がLactobacillus bulgaricus、Lactobacillus gasseri、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus casei、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus oris、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus brevis、Lactobacillus mucosaeおよびLactobacillus murinusからなる群より選択され、Streptococcus属に属する乳酸菌がStreptococcus thermophilusまたはStreptococcus diacetylactisである、請求項1に記載の組成物。
  3. Lactobacillus属に属する乳酸菌がLactobacillus bulgaricusであり、Streptococcus属に属する乳酸菌がStreptococcus thermophilusである、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 発酵乳製品が発酵乳である、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 発酵乳製品が、ヨーグルトおよび/または非熟成チーズである、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 経口投与するために用いられる、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 少なくとも4週間以上に亘って毎日で経口投与するために用いられる、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 食品添加剤として用いられる、請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
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