JP2018183990A - ナノファイバーフォレストの緻密化 - Google Patents

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Abstract

【課題】ナノファイバーフォレストを緻密化する方法の提供。【解決手段】合成されたままの状態のナノファイバーフォレストと比較して、単位面積当たりのナノファイバーの数(「面密度」または同じ意味で「密度」ともいう)を増加させるために処理されたナノファイバーフォレストが記述される。この面密度の増加は、ナノファイバーフォレストが上に配置されている変形可能な基材を物理的に操作することによって達成される。高いレベルでは、この物理的な操作は、ナノファイバーフォレストを成長基材から変形可能な基材へと移動させることによって開始する。変形可能な基材の表面積は、ナノファイバーフォレストを付着させた時の基材の表面積よりも減少させられる。この面積の減少によって、フォレスト中のナノファイバーが互いにより近くに移動し、その結果単位面積当たりのナノファイバーの数が増加する。【選択図】図1

Description

関連出願
本出願は、2017年4月25日に出願された「Densifying a Nanofiber Sheet」という表題の米国仮特許出願第62/489,580に基づく優先権を主張する。これは、その全体がここに引用することで本明細書の記載の一部となすものとする。
本開示は、概してナノファイバーに関する。具体的には、本開示は、緻密化されたナノファイバーフォレスト、及びナノファイバーフォレストの緻密化のための技術に関する。
単層及び多層の両方のナノチューブからなるナノファイバーフォレストは、ナノファイバー糸へと延伸することができる。ナノファイバー糸は、有利な電気的特性及び機械的特性を示す。例えば、適切に処理された場合、ナノファイバー糸は大きい導電率、大きい弾性率、及び大きい最大引張強さを有する。それと同時に、ナノファイバー糸は、より標準的な繊維から製造される糸のように、撚り合わせたり、結んだり、巻き取ったり、加工したりすることができる。
本開示の一例として、初期表面積(starting surface area)を有する表面を有する変形可能な基材を準備することと、流動性接着剤を使用してナノファイバーフォレストを前記変形可能な基材の表面に付着させることと、前記変形可能な基材を初期表面積よりも小さい第2の表面積へと変形させることによってナノファイバーフォレストの面密度を増加させることとを含む方法が挙げられる。
一実施形態においては、ナノファイバーフォレストを付着させる前に、前記変形可能な基材を、初期表面積から初期表面積よりも大きい第1の表面積へと弾性的に変形させることを含む。
一実施形態においては、ナノファイバーフォレストの面密度を増加させることは、前記変形可能な基材を、第1の表面積から第1の表面積よりも小さい第2の表面積へと弛緩(relax)させることを含む。
一実施形態においては、刺激を加えることによって前記変形可能な基材を可塑的に変形させることを更に含み、前記変形可能な基材は、加えられた刺激に応答して初期表面積から第2の表面積へと収縮する。
一実施形態においては、刺激は、前記変形可能な基材の温度をガラス転移温度より高い温度にさせる熱である。
一実施形態においては、基材に流動性接着剤の層を設けることと、流動性接着剤によって前記変形可能な基材の表面にナノファイバーフォレストを付着させることとが更に含まれる。
前述の実施形態のいずれかの主題が含まれる一実施形態においては、変形可能な基材を弾性的に変形させることは、前記変形可能な基材に対して異方性の応力を加えることを含む。
前述の実施形態のいずれかの主題が含まれる一実施形態においては、ナノファイバーフォレストの面密度を増加させた後に変形可能な基材からナノファイバーフォレストを取り外すことを更に含む。
本開示の一例として、第1の弛緩状態にある第1の表面積を有する表面を有する弾性的に変形可能な基材を準備することと、前記弾性的に変形可能な基材を、その表面が第1の表面積よりも大きい第2の表面積を有する伸長状態へと弾性的に変形させることと、前記第2の表面積を有する伸長状態にある弾性的に変形可能な基材の表面にナノファイバーフォレストを配置することと、前記弾性的に変形可能な基材を、第2の表面積よりも小さい第3の表面積を有する第2の弛緩状態へと弛緩させることによって、ナノファイバーフォレストの面密度を増加させることとを含む方法が挙げられる。
一実施形態においては、弾性的に変形可能な基材の表面にナノファイバーフォレストを配置することは、伸長状態にある弾性的に変形可能な基材に、流動性接着剤によってナノファイバーフォレストを接着させることを含む。
一実施形態においては、弾性的に変形可能な基材にナノファイバーフォレストを接着させることは、ナノファイバーフォレストのナノファイバーの開放端または絡み合った端部のうちの1つを流動性接着剤と接触させることを更に含む。
一実施形態においては、流動性接着剤は、第1の弛緩状態と伸長状態の両方において流動性接着剤の連続層を含む。
一実施形態においては、流動性接着剤は、溶媒中の高分子接着剤である。
一実施形態においては、流動性接着剤は、加えられる応力を緩和するために流動することによって、加えられた応力に応答する。
一実施形態においては、先行請求項のいずれかの方法において、表面は、平面状、円筒状、又は球状である。
一実施形態においては、弾性的に変形可能な基材の上にナノファイバーフォレストを配置することは、ナノファイバーフォレストのナノファイバーの直線部分の縦軸が表面の平面に対してほぼ垂直であるようにナノファイバーフォレストを配向させることを更に含む。
一実施形態においては、先行請求項のいずれか1つの方法において、弾性的に変形可能な基材を弾性的に変形させることが、弾性的に変形可能な基材に対して等方的な応力を加えることを含む。
一実施形態においては、前述の実施形態または例のいずれかの方法において、変形可能な基材を弾性的に変形させることが、弾性的に変形可能な基材に対して異方性の応力を加えることを含む。
一実施形態においては、前述の実施形態または例のいずれかの方法において、弾性的に変形可能な基材を弾性的に変形させることが、弾性的に変形可能な基材に対して異方性の応力を加えることを含む。
一実施形態においては、前述の実施形態または例のいずれかの方法において、ナノファイバーフォレストの密度を変えた後に変形可能な基材からナノファイバーフォレストを取り外すことを含む。
一実施形態においては、変形可能な基材は、等方的に変形され、且つ異方的に弛緩される。
一実施形態においては、前述の実施形態または例のいずれかの方法において、ナノファイバーフォレストの密度が2倍よりも大きくされる。
一実施形態においては、前述の実施形態または例のいずれかの方法において、ナノファイバーフォレストの密度がy方向でよりもx方向で増加する。
本開示の一例として、第1の状態にある第1の表面積を有する変形可能な基材を準備することと、前記変形可能な基材の表面に第1の表面積を被覆する流動性接着剤の層を配置することと、前記変形可能な基材の上に配置された流動性接着剤の上にナノファイバーフォレストを配置することと、前記変形可能な基材を、第1の表面積よりも小さい第2の状態である第2の表面積へと収縮させることによってナノファイバーフォレストの面密度を増加させることとを含む方法が挙げられる。
一実施形態においては、変形可能な基材を第1の表面積よりも小さい第2の表面積へと収縮させることが、変形可能な基材に熱を加えることを含む。
一実施形態においては、カーボンナノファイバーフォレストが、フォレストが成長した時よりも少なくとも100%大きいナノファイバー面密度を有する。
一実施形態においては、カーボンナノファイバーフォレストが、y方向よりもx方向でより大きいナノファイバー密度を有する。
本開示の一例として、初期表面積を有する表面を有する変形可能な基材を準備することと、流動性接着剤を使用してナノファイバーフォレストを前記変形可能な基材の表面に付着させることと、前記変形可能な基材を初期表面積よりも大きい第2の表面積へと変形させることによってナノファイバーフォレストの面密度を減少させることとを含む方法が挙げられる。
図1Aは、一実施形態における基材上のナノファイバーフォレストの一例を示す。図1Bは、一実施形態における複数の独立したナノチューブを有するカーボンナノチューブフォレスト(本明細書では「層」ともいう)の走査型電子顕微鏡(SEM)立体写真であり、それぞれ直線部分及び弓形部分を含む。図1B’は、一実施形態におけるカーボンナノチューブフォレストの個々のナノファイバーの弓形部分からなる絡み合った部分のSEM平面写真である。 一実施形態における、シートの相対的な寸法を明らかにするナノファイバーシートの図であり、シート表面に平行な面で一方向に(end to end)整列したシート内のナノファイバーの概略図である。 ナノファイバーフォレストから横方向に引き出されたナノファイバーシートの写真であり、ナノファイバーは図2に概略的に示されているように一方向に整列している。 一実施形態における本開示のナノファイバーシートの製造方法のためのメソッドフロー図である。 図5A〜5C’は、一実施形態における製造の様々な段階でのナノファイバーシートの概略図である。 図5D〜5Fは、一実施形態における製造の様々な段階でのナノファイバーシートの概略図である。 一実施形態における変形可能な基材上のナノファイバーフォレストのナノファイバーの密度を増加させるためのメソッドフロー図である。 一実施形態における基材上に配置されたナノファイバーの密度を増加させるために変形された変形可能な基材の概略的な平面図である。 図8A〜8Cは、一実施形態における図7の平面図の側面概略図である。 図9A〜9Cは、一実施形態におけるナノファイバーフォレストのナノファイバーを共通の方向に整列させる方法の概略側面図であり、この中のナノファイバーフォレストは変形可能な基材を使用して緻密化されたものである。 図10A〜10Dは、一実施形態におけるナノファイバーフォレストの2層積層体のナノファイバーを共通の方向に整列させる方法の概略側面図であり、この中のナノファイバーフォレストの少なくとも1つは変形可能な基材を使用して緻密化されたものである。 図10E〜10Fは、一実施形態におけるナノファイバーフォレストの2層積層体のナノファイバーを共通の方向に整列させる方法の概略側面図であり、この中のナノファイバーフォレストの少なくとも1つは変形可能な基材を使用して緻密化されたものである。
図面は、例示の目的のみのために本開示の様々な実施形態を示している。様々な変形例、構成、及び他の実施形態は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
[概要]
本開示の実施形態は、合成したままの状態のナノファイバーフォレストと比較して、単位面積当たりのナノファイバーの数(「面密度」または同じ意味で「密度」ともいう)を増加させるために処理されたナノファイバーフォレストを含む。この面密度の増加は、ナノファイバーフォレストが上に配置されている変形可能な基材を物理的に操作することによって達成される。高いレベルでは、この物理的な操作は、ナノファイバーフォレストを成長基材から変形可能な基材へと移動させることによって開始する。ナノファイバーフォレストは、流動性接着剤を使用して変形可能な基材に付着させられる。ナノファイバーフォレストが付着した後、変形可能な基材の表面積は、ナノファイバーフォレストを付着させた時の基材の表面積よりも減少させられる。この面積の減少によって、フォレスト中のナノファイバーが互いにより近くに移動し、その結果単位面積当たりのナノファイバーの数が増加する。
変形可能な基材の1つの種類は、弾性的に変形可能な基材である。弾性的に変形可能な基材の製造のために使用できる材料の例としては、限定するものではないが、ブタジエンゴム、ラテックス、ポリクロロプレン、ならびにこれらのブレンド物及びコポリマーが挙げられる。弾性的に変形可能な基材は、その未変形の状態にある基材の面積よりも大きい面積を有するように弾性的に変形(「緊張」または「伸長」)することができる。この伸長は、その後、ナノファイバーフォレストの付着の後に、及び弛緩した際の変形可能な基材の表面積の減少の結果としてのナノファイバーフォレストの「緻密化」(すなわち単位面積当たりのナノファイバー数の増加)プロセスにおいて、開放されて基材を「弛緩状態」へと戻すことができる。変形可能な基材のもう1つの例は、熱などの刺激に応答してより小さな表面積へと収縮するものである。一実施形態においては、ポリマー基材は、ポリマー基材が収縮し得るそのガラス転移温度に近い温度まで加熱される。このタイプの可塑的に変形可能な基材を製造するために使用される材料の例としては、特には、ポリスチレン、ポリエチレン、「シュリンク包装」のために使用されるポリマーが挙げられる。変形可能な基材(可塑的と弾性的のいずれで変形可能であるかに関わらず)は、変形のタイプの中でも、等方的に、異方的に、一方向に、二方向に、変形できることが理解されるであろう。
フォレストを変形可能な基材に接着させるために、流動性接着剤が使用される。流動性接着剤は、下にある基材の変形状態に関わらず、平らな表面を維持する。流動性接着剤を使用すると、変形可能な基材が小さな表面積状態から大きな表面積状態へと伸長する際に、接着剤の中で不連続性(例えば亀裂、接着剤のない領域)が形成されることが防止される。この特性は、基材がより大きい面積状態からより小さい面積状態になる際に、接着剤の中で「座屈(buckles)」(正弦波構造を有する表面トポロジー)が形成されることも防止する。つまり、流動性接着剤は、滑らかな表面を有する層の状態であり、下にある基材の構造に関わらず連続的である。
上述したように、フォレストが変形可能な基材に接着した後、基材の面積は減らされる。上にナノファイバーフォレストが配置されている基材の表面積を小さくすることで、個々のナノファイバーが互いにより近く移動し、その結果単位面積当たりのナノファイバーの数が増加する。ナノファイバーの面密度の増加は、「緻密化」されたフォレストの熱伝導度及び導電率の増加など(ただしこれらに限定されない)の多くの利点を有する。これらの緻密化されたフォレストは、その後、ナノファイバーシート及びナノファイバー糸を製造するために使用することができる。シート、糸、及び他の製品の電気的及び機械的な特性は、フォレストの増加したナノファイバー密度を反映する。
本発明に記載の実施形態は、ナノファイバーの緻密化のために使用される様々な他の方法に対する多くの特異性及び利点を有する。例えば、ナノファイバーフォレストの面密度は、プロセスパラメータ(例えば温度、前駆体濃度/流量、触媒の種類、及び基材上の触媒の密度)が調整されることによって、フォレスト自体の合成時に影響され得るが、フォレストの個々の繊維は、多くの場合は互いに空間的に分離されたままである。個々のナノファイバー間の空間を減らすための他の従来の方法は、通常はフォレストから製造されたナノファイバーのシートまたは糸に対して行われ、ナノファイバーフォレスト自体には行われない。例えば、ナノファイバーフォレストから引き出されたナノファイバーシートは、シートに溶媒を塗布し、溶媒を蒸発させることによって緻密化することができる。もう1つの技術は、シートを機械的に圧縮すること(例えば、絞り、圧延、加圧)を含む。しかし、本開示の実施形態は、シートまたは糸に対してのみ行われる方法よりもナノファイバー密度を増加させることができ、フォレスト自体に対して行うことができる。いくつかの事例においては、フォレストは、ナノファイバーシートまたは糸よりも工学的な用途において使用することができ、フォレストを緻密化するための技術は、用途の性能を全体として改善することができる。
ナノファイバーの製造、ナノファイバーフォレストの製造、及びナノファイバーシートの製造の記述を、フォレスト緻密化技術の記述よりも先に行う。
[ナノファイバーフォレスト]
本明細書において、用語「ナノファイバー」とは、1μm未満の直径を有する繊維を意味する。本明細書の実施形態は主にカーボンナノチューブから作製されるものとして述べられているが、グラフェン、ミクロンもしくはナノスケールのグラファイト繊維及び/またはプレートのいずれかに関わらず他の炭素同素体も、更には窒化ホウ素などのナノスケール繊維の他の組成物も、以下に記載される技術を使用して緻密化できることが理解されるであろう。本明細書において、用語「ナノファイバー」及び「カーボンナノチューブ」には、中で炭素原子が互いに結合して円筒構造を形成している、単層カーボンナノチューブ及び/または多層カーボンナノチューブの両方が包まれる。いくつかの実施形態においては、本明細書において言及されているカーボンナノチューブは4〜10個の層を有する。本明細書において、「ナノファイバーシート」または単純に「シート」とは、引き出し工程(国際公開第2007/015710号に記載されているとおりであり、これはその全体がここに引用することで本明細書の記載の一部となすものとする)によって整列したナノファイバーのシートであり、その結果シートのナノファイバーの長手方向の軸がシートの主表面に対して垂直(すなわち、堆積したままの形態のシート、しばしば「フォレスト」と呼ばれる)ではなくシートの主表面に対して平行であるシートのことをいう。これは、それぞれ図2及び3の中で説明され示されている。
カーボンナノチューブの寸法は、使用する製造方法に応じて大きく変動し得る。例えば、カーボンナノチューブの直径は、0.4nm〜100nmであってもよく、その長さは10μmから55.5cm超の範囲であってもよい。カーボンナノチューブは、132,000,000:1以上もの大きさになる、非常に大きいアスペクト比(長さ対直径の比率)を有することもできる。幅広い寸法の可能性が備わっていることから、カーボンナノチューブの特性は高度に調整可能または「調節可能」である。カーボンナノチューブの数多くの興味深い特性が明らかになっているものの、カーボンナノチューブの特性を実際の用途に利用するためには、カーボンナノチューブの特徴を維持または向上させることができる、スケール拡張可能で制御可能な製造方法が必要とされる。
これらの特異的な構造のため、カーボンナノチューブは、特定の用途に特に適した特有の機械的、電気的、化学的、熱的、及び光学的特性を有している。具体的には、カーボンナノチューブは、優れた電気伝導度、高い機械的強度、良好な熱安定性を示し、また疎水性でもある。これらの特性に加えて、カーボンナノチューブは有用な光学特性も示し得る。例えば、カーボンナノチューブは、発光ダイオード(LED)、及び狭く選択された波長で光を放出または検出するための光検出器において使用することができる。カーボンナノチューブは光子の輸送及び/またはフォノンの輸送のために有用であることも示され得る。
主題の開示の様々な実施形態によれば、ナノファイバー(カーボンナノチューブが含まれるが、これに限定されない)は、本明細書で「フォレスト」と呼ばれる構造を含む様々な構造で配置されていてもよい。本明細書において、ナノファイバーまたはカーボンナノチューブの「フォレスト」とは、基材の上でお互いに実質的に平行に配置された、ほぼ等しい寸法を有するナノファイバーの配列のことをいう。図1Aは、基材上のナノファイバーの例示的なフォレストを示している。基材は任意の形状であってもよいが、いくつかの実施形態においては基材は平らな表面を有し、その上にフォレストが集積している。図1Aから分かるように、フォレスト中のナノファイバーは高さ及び/または直径がほぼ等しくてもよい。
ナノファイバーフォレストのいくつかの実施形態は、その堆積されたままの形態の2つの部分を有するナノファイバーを含む。図1B及び1B’を参照すると、1つの部分は、成長基材と接続しておりこれの近傍に配置されている「直線部分」(「開放端」で終端する)である。他方の部分は、ナノファイバー層の露出表面に配置されており直線部分の縦軸から離れるように曲がっている「弓形部分」(「絡み合った端部」と呼ぶ場合もある)である。これらの端部は、約300Xの倍率及び10kVの加速電圧で撮影された図1Bの走査型電子顕微鏡(SEM)画像で示される。図1B’はナノファイバー層の上面図であり、弓形部分の絡み合った性質を示している。
本明細書に開示のナノファイバーフォレストは、比較的密であってもよい。特には、本開示のナノファイバーフォレストは、少なくとも10億ナノファイバー/cmの密度を有していてもよい。いくつかの具体的な実施形態においては、本明細書に記載のナノファイバーフォレストは、100億/cm〜300億/cmの密度を有していてもよい。別の例においては、本明細書に記載のナノファイバーフォレストは、900億ナノファイバー/cmの範囲の密度を有していてもよい。フォレストは、高密度または低密度の領域を含んでいてもよく、特定の領域はナノファイバーの隙間であってもよい。フォレスト中のナノファイバーは、ファイバー間の接続性も示してもよい。例えば、ナノファイバーフォレスト中の隣接するナノファイバーは、ファンデルワールス力によって互いに引き寄せられていてもよい。それに関わらず、フォレスト中のナノファイバーの密度は、本明細書に記載の技術を利用することによって増加させることができる。
ナノファイバーフォレストの製造方法は、例えば国際公開第2007/015710号に記載されており、これはその全体がここに引用することで本明細書の記載の一部となすものとする。
ナノファイバー前駆体フォレストの製造のために様々な方法を使用することができる。例えば、いくつかの実施形態においては、ナノファイバーは高温炉の中で成長させることができる。いくつかの実施形態においては、触媒は反応器の中に配置されている基材の上で堆積されてもよく、その後反応器に供給される燃料化合物に曝されてもよい。基材は800℃超、更には1000℃超の温度に耐えることができ、これは不活性材料であってもよい。Siウェハーの代わりに他のセラミック基材が使用されてもよいものの(例えばアルミナ、ジルコニア、SiO、ガラスセラミック)、基材は、下にあるシリコン(Si)ウェハー上に配置されたステンレス鋼またはアルミニウムを含んでいてもよい。前駆体フォレストのナノファイバーがカーボンナノチューブである例においては、アセチレンなどの炭素を主体とする化合物が燃料化合物として使用されてもよい。反応器に入れられた後、燃料化合物(複数可)は、その後触媒上に堆積し始め、基材から上方へ成長することによって集積してナノファイバーのフォレストを形成することができる。反応器は、燃料化合物(複数可)及びキャリアガスを反応器へ供給することができるガス吸入口と、使用済み燃料化合物及びキャリアガスを反応器から放出することができるガス排出口も含んでいてもよい。キャリアガスの例としては、水素、アルゴン、及びヘリウムが挙げられる。これらのガス、特に水素は、ナノファイバーフォレストの成長を促進するために反応器に導入することもできる。更に、ナノファイバーに取り込まれるドーパントがガス流に添加されてもよい。
ナノファイバー成長時の反応条件は、得られるナノファイバー前駆体フォレストの特性を調整するために変更することができる。例えば、望ましい仕様を有するナノファイバーフォレストを製造するために、必要に応じて触媒の粒径、反応温度、ガス流量、及び/または反応時間を調整することができる。いくつかの実施形態においては、基材上の触媒の位置は、望ましいパターニングを有するナノファイバーフォレストを形成するために制御される。例えばいくつかの実施形態においては、触媒はあるパターンで基材上に堆積させられ、パターン化された触媒から成長する得られるフォレストは、同様にパターン化される。例示的な触媒としては、二酸化ケイ素(SiO)または酸化アルミニウム(Al)の緩衝層を有する鉄が挙げられる。これらは、特に、化学蒸着(CVD)、圧力支援化学蒸着(PCVD)、電子ビーム(eBeam)蒸着、スパッタリング、原子層堆積(ALD)、プラズマ支援化学蒸着(PECVD)を使用して基材上に堆積させることができる。
いくつかの具体的な実施形態においては、複数のナノファイバー前駆体フォレストが、同じ基材上で逐次的に成長して多層ナノファイバー前駆体フォレスト(または「積層体」とも呼ばれる)を形成してもよい。例示的な多層ナノファイバー前駆体フォレストは、図5A中に概略的に示されている。
図5A中に示されている構造を製造するための方法では、1つのナノファイバー前駆体フォレストが基材上に形成された後に、第1のナノファイバーフォレストと接触して第2のナノファイバー前駆体フォレストが成長する。多層ナノファイバー前駆体フォレストは、基材上に第1のナノファイバー前駆体フォレストを形成し、第1のナノファイバー前駆体フォレストの上に触媒を堆積し、次いで追加的な燃料化合物を反応器に導入して第1のナノファイバーフォレスト上に位置する触媒からの第2のナノファイバー前駆体フォレストの成長を促進することによるなどの様々な適切な方法によって、形成することができる。適用する成長方法、触媒の種類、及び触媒の位置に応じて、第2のナノファイバー前駆体層は、第1のナノファイバー前駆体層の上面に成長させてもよいし、または触媒を例えば水素ガスなどで回復させた後に基材上に直接成長させて結果として第1のナノファイバー前駆体層の下で成長させてもよい。いずれにせよ、第1と第2の前駆体フォレストの間には容易に検出可能な界面が存在するものの、第2のナノファイバー前駆体フォレストは、第1のナノファイバー前駆体フォレストのナノファイバーとほぼ一方向に整列することができる。多層ナノファイバー前駆体フォレストは、任意の数のフォレストを含んでいてもよい。例えば、多層前駆体フォレストは、2、3、4、5、またはそれ以上のフォレストを含んでいてもよい。
[ナノファイバーシート]
フォレスト構造の中での配置に加えて、主題の用途のナノファイバーは、シート構造に配置されていてもよい。本明細書において、用語「ナノファイバーシート」、「ナノチューブシート」、または単純に「シート」とは、ナノファイバーが平面内で一方向に整列しているナノファイバーの配置のことをいう。図示された相対的な寸法を有する例示的なナノファイバーシートの図が、図2に示されている。いくつかの実施形態においては、シートはシートの厚さよりも100倍超大きい長さ及び/または幅を有する。いくつかの実施形態においては、長さ、幅、または両方が、シートの平均厚さよりも10、10、または10倍大きい。ナノファイバーシートは、例えば約5nm〜30μmの厚さと、意図される用途に適切な任意の長さ及び幅を有する。いくつかの実施形態においては、ナノファイバーシートは、1cm〜10mの長さと1cm〜1mの幅を有していてもよい。これらの長さは例示のために示されているに過ぎない。ナノファイバーシートの長さ及び幅は製造装置の構成によって制約され、ナノチューブ、フォレスト、またはナノファイバーシートのいずれの物理的特性及び化学的特性によっても制約されない。例えば、連続プロセスは任意の長さのシートを製造することができる。これらのシートは、製造されたままの状態でロール状に巻き取ることができる。
図2から分かるように、ナノファイバーが一方向に整列している軸は、ナノファイバーの整列方向と呼ばれる。いくつかの実施形態においては、ナノファイバーの整列方向はナノファイバーシート全体にわたって連続的であってもよい。ナノファイバーは、必ずしも互いに完全に平行である必要はなく、ナノファイバーの整列方向は、ナノファイバーの整列方向の平均または全体的な程度であると理解される。
ナノファイバーシートは、互いの上に積層されて多層シートを形成していてもよい。ナノファイバーシートは、ナノファイバーの整列と同じ方向を有するように積層されていてもよく、またはナノファイバーの整列と異なる方向を有するように積層されていてもよい。任意の数のナノファイバーシートが互いの上に積層されて多層ナノファイバーシート積層体を形成していてもよい。例えば、いくつかの実施形態においては、ナノファイバーシート積層体は、2、3、4、5、10、またはそれ以上の個々のナノファイバーシートを含んでいてもよい。積層体中の隣接しているシート間のナノファイバーの整列の方向は、1°未満、5°未満、または10°未満異なっていてもよい。別の実施形態においては、隣接しているか交互に配置されているシート間のナノファイバーの整列の方向は、40°超、45°超、60°超、80°超、または85°超異なっていてもよい。特定の実施形態においては、隣接しているか交互に配置されているシート間のナノファイバーの整列の方向は90°であってもよい。多層シート積層体は、個々の非繊維シート間に、ポリマー、金属、及び接着剤などの他の材料を含んでいてもよい。
ナノファイバーシートは、シートを製造することが可能な任意のタイプの適切な方法を使用して組み立てることができる。いくつかの例示的な実施形態においては、ナノファイバーシートはナノファイバーフォレストから引き出されてもよい。ナノファイバーフォレストから引き出されるナノファイバーシートの例が、図3に示されている。
図3から分かるように、ナノファイバーはフォレストから横方向に引き出され、その後一方向に整列してナノファイバーシートを形成してもよい。ナノファイバーシートがナノファイバーフォレストから引き出される実施形態においては、フォレストの寸法を制御することで特定の寸法を有するナノファイバーシートを形成することができる。例えば、ナノファイバーシートの幅は、シートが引き出されるナノファイバーフォレストの幅とほぼ同じであってもよい。また、シートの長さは、例えば望ましいシートの長さが得られた時点で引き出し工程を終了させることによって制御することができる。
ナノファイバーシートは、様々な用途に利用できる数多くの特性を有する。例えば、ナノファイバーシートは、調節可能な不透明性、高い機械的強度及び柔軟性、熱伝導性及び導電性を有することができ、また疎水性も示し得る。シートの中にナノファイバーの高度な整列が存在することで、ナノファイバーシートは非常に薄くなることができる。いくつかの例においては、ナノファイバーシートは約10nmの程度の厚さであり(通常の測定公差内で測定される)、それによりこれはほぼ二次元になる。別の例においては、ナノファイバーシートの厚さは200〜300nmにも達する厚さであってもよい。そのため、ナノファイバーシートは、構成要素に最小限の追加的な厚さを付与し得る。
ナノファイバーフォレストと同様に、ナノファイバーシート中のナノファイバーは、シートのナノファイバー表面に化学基または元素を付加することによる、ナノファイバー単独とは異なる化学的活性を付与する処理剤によって、官能基化されていてもよい。ナノファイバーシートの官能基化は、予め官能基化されているナノファイバーに対して行ってもよいし、予め官能基化されていないナノファイバーに対して行ってもよい。官能基化は、CVDなどの(ただしこれらに限定されない)本明細書に記載の任意の技術及び様々なドーピング技術を使用して行うことができる。
ナノファイバーフォレストから引き出されたままの状態のナノファイバーシートは高純度であってもよく、いくつかの場合においては、ナノファイバーシートの重量パーセントの90%超、95%超、または99%超がナノファイバーに起因する。同様に、ナノファイバーシートは、90重量%超、95重量%超、99重量%超、または99.9重量%超の炭素を含んでいてもよい。
[変形可能な基材へのナノファイバーフォレストの移動]
フォレストがダメージを受けてフォレストの特性が損なわれることなしに、ナノファイバーフォレストを成長基材から別の基材へ移すことは困難な場合がある。本明細書に記載のようなフォレストの緻密化のために技術の実施は必要とはされないものの、変形可能な基材へナノファイバーフォレストを簡便に移動させるための例示的な方法が方法400として図4に示されており、また以下に記載されている。この例示的な方法400(米国特許出願第15/800,882にも記載されており、これはその全体がここに引用することで本明細書の記載の一部となすものとする)は、フォレストにダメージを与える(すなわち、ナノファイバーの密度を低下させる及び/またはフォレストの電気的特性若しくは熱的特性を低下させる構造の変化、あるいはシートへと引き伸ばされるか糸へと紡糸されるその能力の低下)ことなしにフォレストを移動させることができる。方法400を説明し易くするための方法400のいくつかの段階の概略的な図は図5A〜5Fに示されている。
方法400は、ナノファイバーの少なくとも2つの識別できる層(または「フォレスト」)を有する前駆体カーボンナノファイバー積層体を準備すること404から始まる。ナノファイバー積層体の製造は、例えばPCT特許出願公開第2007/015710に開示されており、これはその全体がここに引用することで本明細書の記載の一部となすものとする。本明細書において、ナノファイバーまたはカーボンナノチューブのフォレスト(または層)とは、基材上で互いに実質的に平行(すなわち+/−5°)に配置されたほぼ等しい寸法を有するナノファイバーの配列を意味し、この中のナノファイバーの少なくとも90%の縦軸は、ナノファイバーが上に配置されている基材の表面に対して実質的に垂直(すなわち+/−5°)である。
いくつかの実施形態においては、前駆体フォレストのナノファイバーは、90°より大きいまたは小さい共通の角度で基材の成長表面に対してそれぞれ配向していてもよい。例えば、前駆体フォレストのナノファイバーは、基材の表面に対して45°〜135°の角度であってもよい。特定の実施形態においては、フォレストのナノファイバーは、基材の表面から75°〜105°に配向していてもよく、選択された実施形態においては、ナノファイバーは基材から約90°に配向していてもよい。
フォレストを製造するこの方法は、少なくとも2つの整列したナノファイバーの層を有するナノチューブ積層体を合成して最終的に得る404ために、少なくとも1回繰り返される(空気を介在させる工程及び/または触媒を化学的に還元するための水素還元工程と共に)。2層ナノファイバーフォレスト500の一実施形態の図は図5Aに示されている。図5Aの中で示されているように、ナノファイバー層504Aは、成長基材502(これはステンレス鋼から製造されてもよい)の上に配置される。ナノファイバー層504Bは、ナノファイバー層504Aのナノファイバーの弓形部分の表面上に配置される。示されているように、層504Aの弓形部分のこの表面は、成長基材502と対向するナノファイバー層504Aの表面である。この構成は、堆積されたままの状態のナノファイバー層の前述の説明と一致する。
このように成長基材502の上で2層のナノファイバーフォレスト500を製造した後、図5Bはナノファイバー層504Bの露出表面に取り付けられた408変形可能な基材508を示している。取り付けられたままの状態の弾性的に変形可能な基材508は、第1の表面積を有する。しかし、下で説明するように、この第1の表面積は最終的には第1の表面積よりも小さい第2の表面積へと縮小し、その結果変形可能な基材508に付着している単位面積当たりのナノファイバーの密度が増加する。これも下で説明するように、変形可能な基材508は、流動性接着剤を含む。流動性接着剤は、変形可能な基材508の変形状態の状態に関わらず平らな表面を維持する。これにより、変形可能な基材508が伸長した際の不連続の形成(例えば接着剤の欠乏領域)が防止され、また変形可能な基材が弛緩した際または面積が減少した際の接着剤の座屈も防止される。
他で記載のように、変形可能な基材508の接着強度は、成長基材502を置き換えるために任意選択的に使用される置換基材よりも大きくすることができる。米国特許出願第62/348,423(その全体がここに引用することで本明細書の記載の一部となすものとする)に記載のように、変形可能な基材508と置換基材(例えば下に記載する基材520)との間のこの接着強度の相対的な差は、変形可能な基材508及び成長基材502(または置換接着基材)の表面に対してナノファイバーが最終的に配向する共通の方向に影響を与える。
例においては、変形可能な基材508の接着強度は、変形可能な基材508を層404Bの露出表面と約30分間接触させたままにした後(接着促進のため)、180°引き剥がし試験(West Chester,OhioのCHEMINSTRUMENTS(登録商標)から販売)を使用して測定した場合、5mm/秒の速度で引っ張った際に、2N/25mm〜4N/25mmの範囲である。つまり、接着強度の範囲は、2N/25mm〜3N/25mm、3N/25mm〜4N/25mm、または2.5N/25mm〜3.5N/25mmの範囲である。
任意選択的には、変形可能な基材508は、共通の方向にナノファイバーを整列させるための図4に示されている要素を省略して、成長基材502のうちの1つから引き離されてもよい424。これにより、変形可能な基材508に接着している1つのフォレストと、成長基材502に接着している1つのフォレストが製造されることになる。変形可能な基材508に接着しているフォレストは、その後図6〜9Fとの関連で下に記載されているように緻密化されるであろう。しかし、完全に説明するために、フォレスト中のナノファイバーを整列させるための方法400の任意選択的な要素が図5C〜5Fとの関連で記載されている。
図5Cの中で示されているように、成長基材502と変形可能な基材508のうちの一方または両方に、圧縮力が任意選択的に加えられる412。図5Cでは成長基材502と変形可能な基材508の両方に加えられる垂直な力512が図示されているが、力は、例えばローラー(またはローラー類)、プレート、または成長基材502と変形可能な基材508を一緒に絞る他の機構などによる非法線ベクトルによって加えられてもよい512ことが理解されるであろう。更に、図5Cでは垂直な力が示されているが、加えられる力は層504Aと504B(及び3つ以上のナノファイバーフォレスト層を有する実施形態におけるその他)のそれぞれの各ナノファイバーのために、垂直成分とせん断成分の両方を含んでいてもよいことが理解されるであろう。力を加えることによって、個々の繊維の縦軸が典型的には成長基材の表面と垂直である成長したままの配向から、繊維の縦軸が成長基材502の表面に対して鋭角であるかこれと平行である配向へと、ナノファイバーを再配向させることができる。そのような手順の際に、対向する基材502と508の間の距離は、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、または少なくとも70%小さくなり得る。
力を加える412機構、または加えられる412力の圧縮成分とせん断成分の相対的な大きさに関わらず、圧縮力は、両方の層のナノファイバーを共通の方向に任意選択的に整列416させる作用を有する。この1つの例が図5C’の中で概略的に示されており、この中で加えられた412圧縮力は、ナノファイバー層504A及び504Bの両方の個々の繊維の一部または全てを、成長基材502の表面の面に対して鋭角に整列させた。層504A及び504Bのナノファイバーが成長基材の表面に対して配置される鋭角の厳密な値は、最終的なナノファイバーシート中の繊維の最終的な望ましい配向よりも小さい値(すなわち、0°により近い、または言い換えると、成長基材502の表面により平行である)であるべきであることを除いては重要ではない。
図5Dの中で示されているように、成長基材502は、任意選択的には取り外され420、置換基材520が、成長基材502の除去によって露出した第1のナノファイバー層504Aの表面に設けられる420。置換基材520の接着強度は、最終的なナノファイバーシートに望ましいナノファイバーの配向によって選択される。例えば、変形可能な基材508よりも小さい接着強度であるが0.1N/25mm〜0.5N/25mmの範囲の接着強度を有する置換基材520は、層504A及び504Bのナノファイバーに接着し、その結果、繊維は接着破壊点において、変形可能な基材508及び置換基材520の表面とほぼ垂直に引っ張られる。0.1N/25mm〜0.4N/25mm、0.1N/25mm〜0.2N/25mm、0.2N/25mm〜0.3N/25mm、0.2N/25mm〜0.4N/25mm、及び0.3N/25mm〜0.5N/25mmなどの、他の接着強度範囲もこの配向を促進するであろう。0.5N/25mmの上限が記載されているものの、更に大きい接着強度を有する接着剤も使用できることが理解されるであろう。下でより詳しく説明するように、2つの接着基材を分離した後の繊維の配向を決定するのは、置換基材の接着剤に対する、変形可能な基材の接着剤の相対的な強度である。
別の例においては、上述のものよりも小さい大きさの接着強度を有する置換基材520は、圧縮力を加えた後に到達する角度よりも大きいがすぐ上で述べた垂直構成よりも小さい鋭角での繊維の配向を促進するであろう(図5C’中に示されている通り)。例えば、0.01N/25mm〜0.05N/25mmの範囲の接着強度は、シート中のナノファイバーのこの配向を生じさせるであろう。この配向のために適切な接着強度の他の範囲としては、0.01N/25mm〜0.02N/25mm、0.01N/25mm〜0.04N/25mm、及び0.02N/25mm〜0.03N/25mmが挙げられる。
ナノファイバーの配向を決定するのは接着剤の相対値な強度であることから、変形可能な基材508及び置換基材520の接着強度は、これらの相対的な強度に基づいて選択することができる。例えば、置換基材520と比較した変形可能な基材508の接着強度の比率は、4:1〜400:1の範囲であってもよい。異なる比率についてのナノファイバーの配向は、上で示した記述に基づいて理解される。
図5Eの中で示されているように、変形可能な基材508と置換基材520は、図5Eの矢印によって示されるように引き剥がされる424。変形可能な基材508と置換基材520を引き剥がす520ことによって、第2のナノファイバー層508Bのナノファイバーの直線部分が露出する。図5Dに関連して上で示したように、置換基材の接着強度は、2つの層が引き剥がされた424後の層の個々のナノファイバーが配向する(対応する下にある基材に対する)角度を変更する。
図5Fは、置換基材508の接着強度が例えば上述したような0.1N/25mm〜0.5N/25mmの範囲である1つの実施形態を示している。上に示されているように、この範囲の接着強度を有する基材は、個々のナノファイバーを「平らな」配向(図5Dに示されている通り)からナノファイバーが基材508及び520の表面に対してほぼ垂直である配向へと再配向させるのに十分な接着強度も与えながらも、ナノファイバー層504Bをナノファイバー層504Aから分離する。これは、層504Aの個々のナノファイバーの直線状の端部を露出する作用を有する。個々のナノファイバーの弓形端部からなる層504Aの表面も露出する。この実施形態においては、各基材の接着強度は、2つのナノファイバー層を互いに結合するその際の接着強度よりも大きい。
[ナノファイバーフォレストの密度の増加]
図6は、ナノファイバー基材上のナノファイバーの密度を増加させるための例示的な方法600を示している。例示的な方法600の要素は、図7〜10Fに概略的に示されている。図6と図7〜10Fを同時に参照することによって、方法600の様々な技術が解釈し易くなるであろう。
フォレストのナノファイバーの面密度は、本明細書に記載の実施形態を使用して、成長したままの状態のナノファイバーフォレストの面密度と比較して少なくとも100%増加できることが理解されるであろう。密度の増加の程度は、変形可能な基材の上に最初に配置されるナノファイバーフォレストの最初の面密度、伸長状態にある際の変形可能な基材の表面上にナノファイバーフォレストを付着させる前に変形可能な基材が変形される程度、及びナノファイバーフォレストが変形可能な基材を使用して緻密化される回数、の関数であってもよい。ある例においては、ナノファイバーフォレストを、個々のナノファイバーが合わせて基材の総表面積の2%から5%を占めるように成長させることができる。この表面積の集合的な占有は、各ナノファイバーの断面積を基材上のナノファイバーの推定数で掛け、その積を基材の表面積で割ることによって決定される。この例のナノファイバーフォレストについては、ナノファイバーの密度の増加は、予想外なことには、本明細書に記載の緻密化方法の1回の反復後に500%以上にもなり得る。別の例においては、ナノファイバーフォレストを、個々のナノファイバーが合わせて基材の総表面積の10%〜25%を占めるように成長させることができる。この場合、ナノファイバーフォレストの密度の増加は、本明細書に記載の緻密化方法の1回の反復後にフォレストのナノファイバーが合わせて基材の総表面積の30%〜75%を占めるように、100%〜300%であってもよい。
方法600は、第1の表面積を有する変形可能な基材700を準備すること604によって開始する。図7の平面図に示されているように、変形可能な基材700は、等方的に弾性である基材であり、その例としては特にはラテックス、ブタジエンゴムが挙げられる。図7に示されている例は、説明の利便性のみのために選択されたことが理解されるであろう。図7で図示されている基材700の例は平面構造のものであるが、基材700の他の実施形態が円筒状または球状の表面のものを含むことが理解されるであろう。
この例において、変形可能な基材700の第1の表面積は、寸法α及びβによって示される。α及びβの値は重要ではなく、変形によって生じる変形可能な基材700の寸法の例示的な変化を説明するための参考として示されているに過ぎない。
方法600は、変形可能な基材700の表面に流動性接着剤708の層を配置すること608によって続けられる。流動性接着剤は、上述したように、基材の変形状態に関わらず平らな表面を維持するように配合される。流動性接着剤708の例としては、限定するものではないが、液体のように流動する溶媒中のポリマー及び/または接着剤が挙げられる。流動性接着剤708の他の例としては、粘性(弾性ではない)挙動が下にある変形可能な基材700にかけられるひずみ及びひずみ速度の形態を支配する、粘弾性ポリマー及び/または接着剤が挙げられる。
図7中に示されている例においては、変形可能な基材700は、弛緩状態にある第1の表面積よりも大きい第2の表面積を有する伸長状態(700’として示される)へと等方的に伸長する。第2の表面積は、寸法α’及びβ’によって示される。図7の例において、α’はαよりも大きく、β’はβよりも大きく、結果として第1の表面積より大きいα’xβ’の伸長状態にある第2の表面積が生じる。等方的な伸長は必ずしも必要ではなく、ナノファイバーフォレストを緻密化するために異方的な伸長も使用できることは理解されるであろう。下で説明されるまた別の例においては、変形可能な基材は伸長せずに収縮してナノファイバーフォレストを緻密化する。
緻密化されていないナノファイバーフォレスト712は、その後、伸長した変形可能な基材700’の第2の表面積を覆う流動性接着剤の上に配置される612。緻密化されていないナノファイバーフォレスト712は、図4〜5Fに関連して上で述べられている任意の技術を使用して、伸長した変形可能な基材700’の上に配置することができる612。流動性接着剤は、フォレストを基材700’へと接着する。
ナノファイバーフォレスト712の面密度は、その後変形可能な基材700の伸長を開放することによって増加する616。上述したように、及び図7の中で示されているように、変形可能な基材700の伸長を開放すると(例えば、基材700を寸法α及びβを有する弛緩状態へ戻す)、基材の面積当たりのナノファイバーの数が増加する。基材自体の面密度が減少するだけでなく、フォレストの個々のナノファイバー間の距離も減少する。緻密化されたナノファイバーフォレスト716は、図7に概略的に示されている。
図7に示されている実施形態は基材700の等方的な拡大を示しているが、基材は等方的にまたは異方的に変形され得ることが理解されるであろう。例えば、平面状または長方形の基材の場合には、基材は、y方向よりもx方向により多く変形(基材へのフォレストの付着の前後に関わらず)することができる。これによって、y方向よりもx方向に大きいナノファイバー密度が生じる。他の異方的な変形は、ナノファイバーフォレストの異方的な密度に対応することになるであろう。
図8A〜8Cは、上に記載の方法600の側面概略図である。
図8Aの中で示されているように、ナノファイバーフォレスト800は、成長基材804上で形成される。流動性接着剤812を含む変形可能な基材808は、ナノファイバーフォレスト800の露出表面に取り付けられる。ここでは単層フォレスト800のみが示されているが、これは図示の便宜上に過ぎないことが理解されるであろう。単層ナノファイバーフォレスト800は、本明細書に記載の概念から逸脱しない上述のような多層フォレスト積層体であってもよい。
図8Bは、流動性接着剤812によってナノファイバーフォレスト800の露出表面に取り付けられた変形可能な基材808を示している。図8Bに示されている変形可能な基材808は、第1の表面積を有する。図8A〜8Cの図中では、変形可能な基材808は、弾性的に変形可能であるか可塑的に変形可能(つまり熱のような刺激に応答してその表面積を不可逆的に減少させる)であるかのいずれかであってもよい。弾性的に変形可能な基材と可塑的に変形可能基材の両方の例示的な材料は上で記載したが、材料または変形の機構に関わらず、変形可能な基材はその表面積を減らし、結果としてこれに付着しているナノファイバーフォレスト800中のナノファイバーの繊維間の空間を減少させることは理解されるであろう。
図8Cは、第1の表面積よりも小さい第2の表面積を有する変形状態にある変形可能な基材808を図示している。これについて図示するために、未変形の状態に対する変形状態の減少した大きさは、変形した大きさに対する未変形の大きさを示す図8B中の破線を使用して強調されている。緻密化されたフォレスト800の繊維間空間も、基材808の変形前のフォレストの繊維間空間よりも小さい。
変形後の繊維間空間の減少は、基材808全体にわたって均一である必要はないことも理解されるであろう。むしろ、繊維間空間は、基材全体にわたって不均一に減少し得る。
図9A〜図9Cは、緻密化されたナノファイバーフォレストの側面図を示しており、このナノファイバーは、図4に示されている及び米国特許出願第62/348,423により詳しく記載されている、任意選択的な要素412〜420に従って任意選択的に整列されたものである。図8A〜8B中に描かれている例を続けてみると、成長基材804は所定の位置にあるか、置換接着基材900で置き換えられる。基材に関わらず、2つの基材808、804、または900に対して圧縮力が加えられ、その結果、成長基材804または置換接着基材900の1つとの角度θを有する共通の方向に、フォレスト800のナノファイバーが整列する。
2つの基材は、その後「分離力」を使用して引き剥がされる。上記及び米国特許出願第15/800,882に記載のように、露出しているナノファイバーフォレスト800の得られる角度θ’は、流動性接着剤812及び成長基材804または置換接着基材900の相対的な接着強度の関数である。
図9A〜9C(及び実際は本明細書に記載の例示的な実施形態のいずれか)のフォレストは、ナノファイバーが共通の方向に整列する前と後のいずれにおいても緻密化できることは理解されるであろう。
図10A〜10Eは、図9A〜9Cに示されている方法と同様のナノファイバーフォレストの緻密化方法の段階の、概略的な側面図を示している。主な違いは、図10Aの中で示されているように、図10A〜10E中に描かれている断面が2層のナノファイバーフォレスト積層体を含むことである。
前述の記載と同様に、2層ナノファイバーフォレスト1004は、成長基材1008の上で作製される。図10Bの中で示されているように、変形可能な基材1012は、流動性接着剤1016によって2層ナノファイバーフォレスト1004の露出表面に取り付けられる。
図10Cの中で図示されている1つの代替実施形態においては、成長基材1008が取り外され、変形可能な基材1012の表面積が減少するか収縮し、結果として2層ナノファイバーフォレスト1004が緻密化する。
図10D、10E、及び10F中に図示されているもう1つの代替実施形態においては、弛緩状態の変形可能な基材1012が置換接着基材1020に取り付けられる。図10D中に示されているように、2層ナノファイバーフォレスト1004に圧縮力が加えられ、ナノファイバーが置換接着基材1020と角度θを形成する。図10E中に示されているように、2つの基材は分離力によって引き剥がされる。上述したように、下にある基材に対するフォレスト中のナノファイバーの角度はθ’であり、これは基材1012、1020の相対的な接着強度の関数として決定される。
図示されていないものの、ナノファイバーフォレストの面密度を減少させるために、付着しているナノファイバーフォレストを有する変形可能な基材を変形できることが理解されるであろう。つまり、上述の技術のいくつかを使用して、変形可能な基材を初期表面積よりも大きい第2の表面積へと変形させることができる。その後、「脱緻密化」されたナノファイバーは、その減少した密度状態で応用または使用することができる。
[追加的考察]
本開示の実施形態の前述の説明は、例示の目的で述べてきたものであり、網羅するものではないし、特許請求の範囲を開示の形態に厳密に限定することも意図していない。当該技術分野の当業者であれば、上述の開示を踏まえて、多くの変形例及び改変例が可能であることを理解できるであろう。
本明細書で使用されている表現は、基本的には読みやすさ及び教示の目的のために選択されており、本発明の範囲について輪郭を描いたり、境界線を引くために選択されたものではない場合がある。そのため、本発明の範囲は、この詳細な説明によっては限定されず、本出願に基づいて発行される特許請求の範囲によって限定される。したがって、実施形態の開示は、特許請求の範囲で規定する本発明の範囲についての例示であって、限定することを意図したものではない。

Claims (22)

  1. 初期表面積を有する表面を有する変形可能な基材を準備することと、
    流動性接着剤を使用して、ナノファイバーフォレストを前記変形可能な基材の前記表面に付着させることと、
    前記変形可能な基材を前記初期表面積よりも小さい第2の表面積へと変形させることによって前記ナノファイバーフォレストの面密度を増加させることと
    を含む方法。
  2. 前記ナノファイバーフォレストを付着させる前に、前記変形可能な基材を、前記初期表面積から前記初期表面積よりも大きい第1の表面積へと弾性的に変形させることを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ナノファイバーフォレストの面密度を増加させることが、前記変形可能な基材を、前記第1の表面積から前記第1の表面積よりも小さい第2の表面積へと弛緩させることを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記変形可能な基材を変形させることが、刺激を加えることによって前記変形可能な基材を可塑的に変形させることを含み、前記変形可能な基材は、前記加えられた刺激に応答して前記初期表面積から前記第2の表面積へと収縮する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記刺激が、前記変形可能な基材の温度をガラス転移温度より高い温度にさせる熱である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記変形可能な基材に流動性接着剤の層を設けることと、
    前記流動性接着剤によって前記変形可能な基材の前記表面に前記ナノファイバーフォレストを付着させることと
    を更に含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記変形可能な基材を弾性的に変形させることが、前記変形可能な基材に対して異方性の応力を加えることを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記ナノファイバーフォレストの前記面密度を増加させた後に前記変形可能な基材から前記ナノファイバーフォレストを取り外すことを更に含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  9. 第1の弛緩状態にある第1の表面積を有する表面を有する弾性的に変形可能な基材を準備することと、
    前記弾性的に変形可能な基材を、前記表面が前記第1の表面積よりも大きい第2の表面積を有する伸長状態へと弾性的に変形させることと、
    前記第2の表面積を有する前記伸長状態にある前記弾性的に変形可能な基材の前記表面上にナノファイバーフォレストを配置することと、
    前記弾性的に変形可能な基材を、前記第2の表面積よりも小さい第3の表面積を有する第2の弛緩状態へと弛緩させることによって、ナノファイバーフォレストの面密度を増加させることと
    を含む方法。
  10. 前記弾性的に変形可能な基材の前記表面上に前記ナノファイバーフォレストを配置することが、前記伸長状態にある前記弾性的に変形可能な基材に前記ナノファイバーフォレストを流動性接着剤により付着させることを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記弾性的に変形可能な基材に前記ナノファイバーフォレストを接着させることが、前記ナノファイバーフォレストのナノファイバーの開放端または絡み合った端部のうちの1つを前記流動性接着剤と接触させることを更に含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記流動性接着剤が、前記第1の弛緩状態と前記伸長状態の両方において流動性接着剤の連続層を含む、請求項10に記載の方法。
  13. 前記流動性接着剤が、溶媒中の高分子接着剤である、請求項10に記載の方法。
  14. 前記流動性接着剤が、加えられる応力を緩和するために流動することによって前記加えられた応力に応答する、請求項10に記載の方法。
  15. 前記表面が、平面状、円筒状、または球状である、請求項9〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記弾性的に変形可能な基材の上に前記ナノファイバーフォレストを配置することが、前記ナノファイバーフォレストのナノファイバーの直線部分の縦軸が前記表面の平面に対してほぼ垂直であるように前記ナノファイバーフォレストを配向させることを更に含む、請求項9に記載の方法。
  17. 前記弾性的に変形可能な基材を弾性的に変形させることが、前記弾性的に変形可能な基材に対して等方的な応力を加えることを含む、請求項9に記載の方法。
  18. 前記弾性的に変形可能な基材を弾性的に変形させることが、前記弾性的に変形可能な基材に対して異方性の応力を加えることを含む、請求項9に記載の方法。
  19. 前記ナノファイバーフォレストの前記面密度を変えた後に前記弾性的に変形可能な基材を前記ナノファイバーフォレストから取り外すことを更に含む、請求項9に記載の方法。
  20. 前記弾性的に変形可能な基材が、等方的に変形され、且つ異方的に弛緩される、請求項9に記載の方法。
  21. 前記ナノファイバーフォレストの前記面密度を増加させることが、前記面密度の2倍より大きくすることを含む、請求項9に記載の方法。
  22. 前記ナノファイバーフォレストの前記面密度がy方向でよりもx方向で増加する、請求項9に記載の方法。
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