JP2018182574A - 圧電振動子及び電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板と蓋との接合が破損しにくい圧電振動子を提供することである。【解決手段】本発明に係る圧電振動子は、第1主面を有し、かつ、第1主面にキャビティが設けられた基板と、キャビティ内に収容された圧電振動素子と、第2主面及び第3主面を有する板状の形状を有し、かつ、第2主面によりキャビティを密閉する蓋と、を備え、第1主面を法線方向から見たときに、キャビティの形状は第1長辺及び第2長辺を有する矩形状であり、蓋の第2主面又は第3主面に、第1溝が設けられ、第1溝の第1部分は、法線方向から第1主面を見たときにキャビティと重なる領域において、重複領域の中心よりも第1長辺の中点の近くに設けられ、かつ、第1長辺に沿う。【選択図】図2

Description

本発明は、圧電振動子及び電子部品に関する。
従来の圧電振動子に関する発明としては、例えば、特許文献1に記載の電子デバイスが知られている。図19は、特許文献1に記載の電子デバイス500の断面図である。なお、電子デバイス500の構造については、簡素化して表現した。図19の紙面における上下方向を上下方向と定義する。図19の紙面における左右方向を左右方向と定義する。図19の紙面に対する法線方向を前後方向と定義する。
電子デバイス500は、容器501及び圧電素子506を備える。容器501は、ベース基板502及び蓋体504を含む。ベース基板502は、板状部材である。ベース基板502の形状は、上方から見たときに、矩形状である。ただし、ベース基板502の上面には、キャビティ510が設けられる。キャビティ510の形状は、上方から見たときに、矩形状である。以下では、ベース基板502において前後方向及び左右方向からキャビティ510を囲む部分を側壁502aと呼ぶ。また、キャビティ510内におけるベース基板502の上面上には、外部電極512が設けられる。
蓋体504は、板状部材である。蓋体504の形状は、上方から見たときに、矩形状である。蓋体504は、ベース基板502の上方に配置され、キャビティ510を塞ぐ。蓋体504の下面には、ロウ材層が設けられる。圧電素子506は、キャビティ510内に配置され、外部電極512上に実装される。
以上のような電子デバイス500では、蓋体504は、エネルギービームにより側壁502aの上面に接合される。より詳細には、側壁502aの上面上に蓋体504を配置する。次に、蓋体504に対してエネルギービームを照射する。これにより、蓋体504のロウ材層が溶融した後に固化する。これにより、蓋体504が側壁502aの上面に接合される。
特開2014−67849号公報
ところで、特許文献1に記載の電子デバイス500を回路基板上に実装した後、電子デバイス500を封止材により封止する場合がある。このような場合に、電子デバイス500では、蓋体504とベース基板502との接合が破損するおそれがある。より詳細には、封止材は、射出成形等により回路基板上に実装された電子デバイス500を覆うように成形される。封止材としては硬化時に収縮する樹脂が用いられる。封止材が収縮すると、封止材により蓋体504の中央部が下方に押される。圧電素子506の右方の側壁502aでは、側壁502aの左上方の角が支点520aとなって、蓋体504の右端(右辺)が上方に向かって力を受ける。すなわち、蓋体504の右端(右辺)が側壁502aの上面から外れようとする。同様に、圧電素子506の左方の側壁502aでは、側壁502aの右上方の角が支点520bとなって、蓋体504の左端(左辺)が上方に向かって力を受ける。すなわち、蓋体504の左端(左辺)が側壁502aの上面から外れようとする。同じ現象が蓋体504の前辺及び後辺においても生じる。その結果、蓋体504とベース基板502との接合が破損するおそれがある。
そこで、本発明の目的は、基板と蓋との接合の破損を抑制できる圧電振動子及び電子部品を提供することである。
本発明の一形態である圧電振動子は、
第1主面を有し、かつ、前記第1主面にキャビティが設けられた基板と、
前記キャビティ内に収容された圧電振動素子と、
第2主面及び第3主面を有する板状の形状を有し、かつ、前記第2主面により前記キャビティを密閉する蓋と、
を備えており、
前記第1主面を法線方向から見たときに、前記キャビティの形状は第1長辺及び第2長辺を有する矩形状であり、
前記蓋の前記第2主面又は前記第3主面に、第1溝が設けられ、
前記第1溝の第1部分は、前記法線方向から前記第1主面を見たときに、前記キャビティと重なる重複領域において、前記重複領域の中心よりも前記第1長辺の中点の近くに設けられ、かつ、前記第1長辺に沿う。
本発明の一形態である電子部品は、
回路基板と、
前記回路基板に実装された上述の圧電振動子と、
前記回路基板上で前記圧電振動子を封止するモールド部材と
を備える。
本発明によれば、基板と蓋との接合の破損を抑制できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る水晶振動子30の分解斜視図である。 図2は、水晶振動子30を上方から見た図である。 図3は、図2のA−Aにおける断面図である。 図4は、電子部品70の断面図である。 図5は、比較例に係る水晶振動子230の断面図である。 図6は、水晶振動子230の蓋14の上面14Bに発生する引張応力の分布を示したグラフである。 図7は、水晶振動子30の蓋14の上面14Bに発生する引張応力の分布を示したグラフである。 図8は、水晶振動子30Aを上方から見た図である。 図9は、水晶振動子30Bを上方から見た図である。 図10は、水晶振動子30Cを上方から見た図である。 図11は、水晶振動子30Dを上方から見た図である。 図12は、水晶振動子30Eの断面図である。 図13は、水晶振動子30Fの断面図である。 図14は、第1のモデルの応力分布を示す断面図である。 図15は、第2のモデルの応力分布を示す断面図である。 図16は、第3モデルの応力分布を示す斜視図である。 図17は、実施例に係る水晶振動子30Gを上方から見た図である。 図18は、溝50,56,57の半径と最大応力との関係を示すグラフである。 図19は、特許文献1に記載の電子デバイス500の断面図である。
(水晶振動子の構造)
以下に、本発明の一実施形態に係る水晶振動子について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る水晶振動子30の分解斜視図である。水晶振動子30の形状は、直方体状である。以下では、水晶振動子30の主面である上面及び下面に対する法線方向を上下方向と定義する。上方から見たときに、水晶振動子30の長辺が延びる方向を前後方向と定義し、水晶振動子30の短辺が延びる方向を左右方向と定義する。なお、方向の定義は、一例であり、水晶振動子30の実際の使用時の方向と一致しなくてもよい。
水晶振動子30は、図1に示すように、パッケージ11及び水晶振動素子16を備える。パッケージ11は、基板12、蓋14及び接合材15を含む密封容器である。基板12は、基板本体120、外部電極126A,126B,128A〜128D及びビアホール導体130A,130Bを備える。
基板本体120は、上面(第1主面)及び下面を有する板状部材である。上面及び下面の法線方向は、上下方向と一致する。基板12の上面及び下面の形状は、上方から見たときに、矩形状である。ただし、基板本体120の上面には、キャビティ122が設けられる。キャビティ122は、基板本体120の上面の一部が下方に窪むことにより形成される。キャビティ122の形状は、上方から見たときに、矩形状である。これにより、基板本体120は、側壁124A〜124D及び底面124Eを含む。底面124Eの形状は、上方から見たときに、矩形状である。側壁124Aは、底面124Eの前方の短辺(以下、前短辺と呼ぶ)上に設けられる。側壁124Bは、底面124Eの後方の短辺(以下、後短辺と呼ぶ)上に設けられる。側壁124Cは、底面124Eの左方の長辺(以下、左長辺と呼ぶ)上に設けられる。側壁124Dは、底面124Eの右方の長辺(以下、右長辺と呼ぶ)上に設けられる。側壁124A〜124Dの厚みは実質的に等しい。また、基板本体120の上面は、側壁124A〜124Dの上面及び底面124Eの上面である。以上のような基板本体120は、例えば、アルミナ等のセラミックスにより作製される。基板12の変形例の1つとして、平板状の基体と、基体に接合される開口部を有する枠体とを有する、キャビティが設けられている基板12であってもよい。
蓋14は、下面14A(第2主面)及び上面14B(第3主面)を有する板状部材である。蓋14の形状は、上方から見たときに、矩形状である。蓋14の長辺は、上側から見たときに、キャビティ122の長辺よりも長く、かつ、基板本体120の長辺よりも短い。蓋14の短辺は、上側から見たときに、キャビティ122の短辺よりも長く、かつ、基板本体120の短辺よりも短い。これにより、蓋14は、基板本体120の上方に配置されると、キャビティ122の外縁から前後方向及び左右方向にはみ出す。ただし、蓋14は、基板本体120の上方に配置されると、基板本体120の外縁から前後方向及び左右方向にはみ出さない。これにより、上方から見たときに、蓋14の外縁近傍は、側壁124A〜124Dの上面の一部と重なる。蓋14は、例えば、コバール等の金属により作製される。
また、蓋14の上面14Bには、上方から見たときに、第1溝である溝50が設けられる。溝50の形状は、上側から見たときに、矩形状である。溝50の詳細については後述する。
接合材15は、基板12と蓋14とを接合するロウ材である。接合材15の形状は、上方から見たときに、矩形状の枠状である。接合材15は、側壁124A〜124Dの上面上に配置される。接合材15の内周は、上方から見たときに、キャビティ122の外縁と実質的に一致する。接合材15の外周は、上方から見たときに、蓋14の外縁と実質的に一致する。接合材15は、基板12と蓋14との間に配置された状態で、加熱により流動化させられた後に固化することによって、基板12と蓋14とを接合する。これにより、蓋14は、下面14Aによりキャビティ122を密閉する。パッケージ11は気密構造及び液密構造を有している。そのため、パッケージ11外とパッケージ11内との間で気体及び液体が行き来できない。ただし、パッケージ11は、気密構造を有さず液密構造を有していてもよい。すなわち、パッケージ11外とパッケージ11内との間で液体が行き来できず、パッケージ11外とパッケージ11内との間で気体が行き来できてもよい。接合材15の材料は、例えば、金−錫合金等である。
外部電極126Aは、底面124Eの上面においてキャビティ122の左後方の角近傍に設けられる。外部電極126Bは、底面124Eの上面においてキャビティ122の右後方の角近傍に設けられる。外部電極126A,126Bの形状は、上方から見たときに、矩形状である。外部電極126A,126Bは、後述する水晶振動素子16の実装に用いられる。
外部電極128Aは、底面124Eの下面の左後方の角近傍に設けられる。外部電極128Bは、底面124Eの下面の右後方の角近傍に設けられる。外部電極128Cは、底面124Eの下面の左前方の角近傍に設けられる。外部電極128Dは、底面124Eの下面の右前方の角近傍に設けられる。外部電極128A〜128Dの形状は、下方から見たときに、矩形状である。外部電極128A〜128Dは、水晶振動子30の回路基板への実装に用いられる。
ビアホール導体130Aは、底面124Eを上下方向に貫通しており、外部電極126Aと外部電極128Aとを接続する。ビアホール導体130Bは、底面124Eを上下方向に貫通しており、外部電極126Bと外部電極128Bとを接続する。
外部電極126A,126B,128A〜128Dは、例えば、下層側から上層側へとモリブデン層、ニッケル層及び金層が積層されることにより作製される。ビアホール導体130A,130Bは、底面124Eに形成されたビアホールに対してモリブデン等の導体が埋め込まれて作製される。
水晶振動素子16は、キャビティ122内に収容される。水晶振動素子16は、水晶片160、外部電極162A,162B、励振電極164A,164B及び引き出し導体166A,166Bを含み、圧電振動素子の一例である。水晶片160は、板状の圧電片である。水晶片160の形状は、上方から見たときに、矩形状である。水晶片160は、例えば、水晶の原石などから所定の角度で切り出されたATカット型の水晶片である。なお、水晶片160は、圧電片の一例である。従って、水晶片160の代わりに、圧電片として、圧電セラミックス片が用いられてもよい。
外部電極162Aは、水晶片160の左後方の角及びその近傍に設けられる導体層である。外部電極162Aは、上面、下面、後面及び左面に跨って形成される。外部電極162Bは、水晶片160の右後方の角及びその近傍に設けられる導体層である。これにより、外部電極162A,162Bは、上方から見たときに、水晶片160の短辺に沿って左方から右方へとこの順に並ぶ。
励振電極164Aは、水晶片160の下面の中央に設けられる。励振電極164Aの形状は、下方から見たときに、矩形状である。励振電極164Bは、水晶片160の上面の中央に設けられる。励振電極164Bの形状は、上方から見たときに、矩形状である。励振電極164Aと励振電極164Bとは、上方から見たときに、一致した状態で重なる。
引き出し導体166Aは、水晶片160の下面に設けられ、外部電極162Aと励振電極164Aとを接続する。引き出し導体166Bは、水晶片160の上面に設けられ、外部電極162Bと励振電極164Bとを接続する。外部電極162A,162B、励振電極164A,164B及び引き出し導体166A,166Bは、下層側から上層側へとクロム層及び金層が積層されることにより作製される。
水晶振動素子16は、基板本体120の底面124Eの上面に実装される。具体的には、外部電極126Aと外部電極162Aとが導電性接着剤210Aにより電気的に接続された状態で固定される。外部電極126Bと外部電極162Bとが導電性接着剤210Bにより電気的に接続された状態で固定される。
(溝の構造)
次に、溝50について主に図2を参照しながら説明する。図2は、水晶振動子30を上方から見た図である。図3は、図2のA−Aにおける断面図である。
キャビティ122は、上側から見たときに、長辺31A,31B及び短辺31C,31Dを有する。長辺31A(第1長辺)は、右長辺である。長辺31B(第2長辺)は、左長辺である。短辺31C(第1短辺)は、前短辺である。短辺31D(第2短辺)は、後短辺である。また、長辺31A,31B及び短辺31C,31Dの中点をそれぞれ中点M1〜M4と呼ぶ。また、上方から見たときに、キャビティ122と重なる領域を重複領域A1と呼ぶ。重複領域A1の形状は、上方から見たときに、キャビティ122の形状と同じ矩形状である。従って、長辺31A,31B及び短辺31C,31Dは、重複領域A1の4辺でもある。また、上方から見たときに、重複領域A1及びキャビティ122の対角線の交点を中心Cと呼ぶ。
第1溝である溝50は、上方から見たときに、重複領域A1において蓋14の上面14Bに設けられる。溝50は、蓋14の上面14Bの一部が下方に窪むことにより設けられる。溝50の断面形状は、図3に示すように、下方に向かって突出する半円状である。溝50の断面とは、溝50が延びる方向に直交する断面である。溝50の形状は、上方から見たときに、中心Cを囲む環状(より正確には、矩形状)である。従って、溝50は、長辺部分50A,50B及び短辺部分50C,50Dを含む。
長辺部分50A(第1部分)は、上方から見たときに、中心Cよりも右方に位置し、長辺31Aに沿う直線である。本実施形態では、長辺部分50Aは、上方から見たときに、長辺31Aに実質的に平行である。また、長辺部分50Aは、上方から見たときに、重複領域A1の中心Cより、長辺31Aの中点M1の近くに設けられる。従って、長辺部分50Aの全体は、上方から見たときに、直線L1よりも右方に位置する。直線L1は、中心Cと中点M1との垂直二等分線である。
また、長辺部分50Aの前端は、重複領域A1の右前方の角近傍に位置する。また、長辺部分50Aの後端は、重複領域A1の右後方の角近傍に位置する。長辺部分50Aは、前端と後端との間において途切れることなく連続する。従って、長辺部分50Aは、中心Cと長辺31Aの中点M1とを結ぶ線分L3と交差する。長辺部分50Aと線分L3との交点は、長辺部分50Aの中点である。
長辺部分50B(第2部分)は、上方から見たときに、中心Cよりも左方に位置し、長辺31Bに沿う直線である。ただし、長辺部分50Bは、上方から見たときに、中心Cに関して長辺部分50Aと点対称な関係にある。すなわち、中心Cを中心として、長辺部分50Bを180°回転させると、長辺部分50Aと一致する。故に、長辺部分50Bのこれ以上の説明を省略する。
短辺部分50C(第3部分)は、上方から見たときに、中心Cよりも前方に位置し、短辺31Cに沿う直線である。本実施形態では、短辺部分50Cは、上方から見たときに、短辺31Cに実質的に平行である。また、短辺部分50Cは、上方から見たときに、重複領域A1の中心Cより、短辺31Cの中点M3の近くに設けられる。従って、短辺部分50Cの全体は、上方から見たときに、直線L2よりも前方に位置する。直線L2は、中心Cと中点M3との垂直二等分線である。
また、短辺部分50Cの右端は、重複領域A1の右前方の角近傍に位置する。また、短辺部分50Cの左端は、重複領域A1の左前方の角近傍に位置する。短辺部分50Cは、右端と左端との間において途切れることなく連続する。従って、短辺部分50Cは、中心Cと短辺31Cの中点M3とを結ぶ線分L4と交差する。短辺部分50Cと線分L4との交点は、短辺部分50Cの中点である。
短辺部分50D(第4部分)は、上方から見たときに、中心Cよりも後方に位置し、短辺31Dに沿う直線である。ただし、短辺部分50Dは、上方から見たときに、中心Cに関して短辺部分50Cと点対称な関係にある。すなわち、中心Cを中心として、短辺部分50Dを180°回転させると、短辺部分50Cと一致する。故に、短辺部分50Dのこれ以上の説明を省略する。
ここで、長辺部分が長辺に沿うとは、長辺部分と長辺とのなす角度が、±3°以下であることをいう。同様に、短辺部分が短辺に沿うとは、短辺部分と短辺とのなす角度が、±3°以下であることをいう。更に、これらの角度は、±1°以下であることがより好ましい。
(電子部品の構造)
次に、水晶振動子30を備える電子部品70について図4を参照しながら説明する。図4は、電子部品70の断面図である。図4における方向については、図1における方向を援用する。
電子部品70は、水晶振動子30、回路基板71、半導体装置73及びモールド部材74を備える。
回路基板71は、基板本体71a及び外部電極71b〜71iを含む。基板本体71aは、板状部材である。基板本体71aの形状は、上方から見たときに、矩形状である。外部電極71b〜71eは、基板本体71aの上面に設けられる。外部電極71b〜71eは、後方から前方へとこの順に並ぶ。外部電極71b〜71eは、水晶振動子30及び半導体装置73の回路基板71への実装に用いられる。外部電極71f〜71iは、基板本体71aの下面に設けられる。外部電極71f〜71iは、後方から前方へとこの順に並ぶ。外部電極71f〜71iは、回路基板71のマザー基板(図示せず)への実装に用いられる。外部電極71b〜71iは、基板本体71a内に設けられる配線により電気的に接続される。
水晶振動子30は、外部電極71d,71eに実装される。具体的には、水晶振動子30の外部電極128B,128Dはそれぞれ、はんだや導電性接着剤等により、外部電極71d,71eに電気的に接続された状態で固定される。なお、外部電極128A,128C(図4には図示せず)も、はんだや導電性接着剤等により、回路基板71の図示しない外部電極に電気的に接続された状態で固定される。
半導体装置73は、例えば、水晶振動子30の制御用の半導体素子である。半導体装置73は、素子本体73a及び外部電極73b,73cを含む。素子本体73aの形状は、直方体状である。外部電極73b,73cは、素子本体73aの下面に設けられる。外部電極73b,73cは、後方から前方へとこの順に並ぶ。
半導体装置73は、外部電極71b,71cに実装される。具体的には、外部電極73b,73cはそれぞれ、はんだや導電性接着剤等により、外部電極71b,71cに電気的に接続された状態で固定される。
モールド部材74は、回路基板71の上面の全面を覆う。モールド部材74の外形は、直方体状である。これにより、水晶振動子30及び半導体装置73は、モールド部材74内に埋没する。従って、水晶振動子30及び半導体装置73の周囲にはモールド部材74が存在する。すなわち、モールド部材74は、水晶振動子30と回路基板71との間隙、及び、半導体装置73と回路基板71との間隙にも存在する。モールド部材74の材料は、例えば、エポキシ樹脂である。モールド部材74は、例えば、射出成形技術により回路基板71上に形成される。モールド部材74は、硬化時に収縮する。
(効果)
以上のように構成された水晶振動子30及び電子部品70によれば、基板12と蓋14との接合が破損することを抑制できる。図5は、比較例に係る水晶振動子230の断面図である。なお、水晶振動子230において水晶振動子30と同じ構成については同じ参照符号を付した。図5は、図2のA−Aと同じ位置における断面図である。
水晶振動子230は、溝50が蓋14に設けられない点において、水晶振動子30と相違する。水晶振動子230は、水晶振動子30と同様に、回路基板に実装されて電子部品の一部として用いられる。水晶振動子230は、電子部品の製造時にモールド部材で封止される。モールド部材は、硬化時に収縮する性質を有する。モールド部材は、水晶振動子230の周囲に存在するので、水晶振動子230の表面を水晶振動子230の中心に向かって押す力を加える。そのため、蓋14は、モールド部材から下方に力F1を受ける。
蓋14の4つの辺はそれぞれ、上方から見たときに、側壁124A〜124D(側壁124A,124Bについては図示せず)により支持される。また、蓋14の下方にはキャビティ122が存在する。従って、蓋14における重複領域A1は、基板12に支持されない。そのため、蓋14が力F1により下方に押されると、蓋14の中央が下方に突出するように撓む。このとき、基板12と蓋14との接合が破損するおそれがある。以下に、蓋14の右長辺近傍を例に挙げてより詳細に説明する。
蓋14の右長辺近傍は、側壁124Dの上面により支持される。蓋14において側壁124Dより左方の部分が下方に押されると、側壁124Dの上面の左端が支点Fとなる。その結果、蓋14の右長辺近傍は、上方に力F2を受ける。すなわち、蓋14の右長辺近傍は、側壁124Dの上面から離間する方向の力F2を受ける。蓋14の左長辺近傍、蓋14の前短辺近傍及び蓋14の後短辺近傍も、同様の原理により、蓋14の右長辺近傍と同様の力を受ける。その結果、水晶振動子230では、基板12と蓋14との接合が破損するおそれがある。
そこで、本願発明者は、蓋14の右長辺近傍が受ける力F2の大きさについて検討した。図6は、水晶振動子230の蓋14の上面14Bに発生する引張応力の分布を示したグラフである。縦軸は引張応力の大きさを示し、横軸は蓋14の上面14Bの左右方向の位置を示す。
蓋14の右部(蓋14の右半分の部分)は、支点Fにおいて側壁124Dに固定された片持ち梁構造を有する。従って、蓋14の右部の変形については、片持ち梁の変形と等価と考えることができる。蓋14の右部は、下方に力F1を受けると、支点Fから左方に離れるにしたがって下方に大きく変位するように撓む。このとき、蓋14の上面14Bは伸びるので、蓋14の上面14Bには引張応力が発生する。また、蓋14の下面14Aは縮むので、蓋14の下面14Aには圧縮応力が発生する。引張応力及び圧縮応力は、材料力学の観点より、図6に示すように、支点Fに近づくほどに大きくなる。これは、蓋14の上面14B及び下面14Aが連続的な形状を有するため、引張応力及び圧縮応力が上面14B及び下面14Aを伝わることができるためである。このような引張応力及び圧縮応力は、蓋14の右長辺近傍を側壁124Dの上面から離間させようとする力F2となる。
そこで、本願発明者は、蓋14の上面14Bに発生する引張応力又は蓋14の下面14Aに発生する圧縮応力を軽減できれば、蓋14の右長辺近傍が受ける力F2を軽減できると考えた。そこで、本願発明者は、水晶振動子30において、図2に示すように、蓋14の上面14Bに溝50を設けることに思い至った。これにより、蓋14の右長辺近傍、蓋14の左長辺近傍、蓋14の前短辺近傍及び蓋14の後短辺近傍がそれぞれ側壁124A〜124Dから離間する方向の力が軽減される。以下に、蓋14の右長辺近傍を例に挙げて説明する。図7は、水晶振動子30の蓋14の上面14Bに発生する引張応力の分布を示したグラフである。縦軸は引張応力の大きさを示し、横軸は蓋14の上面14Bの左右方向の位置を示す。
溝50は、長辺部分50Aを含む。長辺部分50Aは、上方から見たときに、重複領域A1の中心Cより、長辺31Aの中点M1の近くに設けられる。このような長辺部分50Aが設けられると、蓋14の上面14Bの形状が長辺部分50Aにおいて不連続となる。よって、蓋14の上面14Bに発生する引張応力は、長辺部分50Aを跨いで上面14Bを伝わりにくい。これにより、蓋14の上面14Bに発生する引張応力の分布は以下に説明するようになる。
蓋14の上面14Bに発生する引張応力は、図7に示すように、中心Cから長辺部分50Aに近づくにしたがって増加する。ただし、蓋14の上面14Bに発生する引張応力は、長辺部分50Aが存在するので、上面14Bにおいて長辺部分50Aよりも右方に伝わりにくい。そのため、長辺部分50Aの右端における引張応力は、長辺部分50Aの左端における引張応力よりもはるかに小さくなる。そして、蓋14の上面14Bに発生する引張応力は、長辺部分50Aの右端から支点Fに近づくにしたがって増加する。ただし、図6及び図7より分かるように、水晶振動子30の支点Fにおける引張応力は、水晶振動子230の支点Fにおける引張応力よりも小さくなる。すなわち、長辺部分50Aが設けられることにより、蓋14の上面14Bに発生する引張応力が軽減される。その結果、蓋14の右長辺近傍が受ける力F2が軽減される。同じ原理により、蓋14の左長辺近傍、蓋14の前短辺近傍及び蓋14の後短辺近傍が受ける力が軽減される。よって、基板12と蓋14との接合が破損することが抑制される。
なお、本願発明者は、FEM(有限要素法)により、水晶振動子230の蓋14における応力分布をコンピュータに演算させた。演算結果によれば、引張応力は、長辺31Aの中点M1近傍、長辺31Bの中点M2近傍、短辺31Cの中点M3近傍及び短辺31Dの中点M4近傍において大きくなることが分かった。更に、長辺31Aの中点M1近傍及び長辺31Bの中点M2近傍における引張応力は、短辺31Cの中点M3近傍及び短辺31Dの中点M4近傍における引張応力よりも大きくなることが分かった。そこで、水晶振動子30では、長辺部分50A又は長辺部分50Bが少なくとも設けられることが好ましい。
ところで、図7より、長辺部分50Aを支点Fに近づけると、支点Fにおける引張応力を小さくできると考えられる。そのため、長辺部分50Aは、支点F近傍に位置することが好ましい。そこで、水晶振動子30では、長辺部分50Aは、上方から見たときに、中心Cより中点M1の近くに設けられる。同じ理由により、長辺部分50Bは、上方から見たときに、中心Cより中点M2の近くに設けられる。短辺部分50Cは、上方から見たときに、中心Cより中点M3の近くに設けられる。短辺部分50Dは、上方から見たときに、中心Cより中点M4の近くに設けられる。
また、以下の理由によっても、水晶振動子30では、基板12と蓋14との接合が破損することが抑制される。より詳細には、本願発明者による演算結果によれば、蓋14の右長辺の中点M1近傍において、引張応力が大きくなることが分かった。よって、長辺部分50Aは、中点M1近傍に設けられることが好ましい。そこで、長辺部分50Aは、中心Cと中点M1とを結ぶ線分L3と交差する。これにより、長辺部分50Aは、中点M1近傍に存在するようになる。同じ理由により、長辺部分50Bは、中心Cと中点M2とを結ぶ線分と交差する。短辺部分50Cは、中心Cと中点M3とを結ぶ線分と交差する。短辺部分50Dは、中心Cと中点M4とを結ぶ線分と交差する。
また、以下の理由によっても、水晶振動子30では、基板12と蓋14との接合が破損することが抑制される。蓋14において溝50が設けられている部分の厚みは、蓋14において溝50以外の部分の厚みよりも薄い。そのため、蓋14において溝50が設けられている部分は、蓋14において溝50以外の部分よりも変形しやすい。これにより、蓋14の右長辺近傍、蓋14の左長辺近傍、蓋14の前短辺近傍及び蓋14の後短辺近傍が側壁124A〜124Dから離間する方向に受ける力が軽減される。よって、基板12と蓋14との接合が破損することが抑制される。
また、蓋14には、溝50以外の溝が設けられてもよい。たとえば、溝50に加えて、(a)〜(c)の領域の少なくとも1つに溝が設けられてもよい。この場合、溝50以外の溝はいずれの方向に延びてもよい。
(a)重複領域A1であって、重複領域A1の中心Cより中点M1〜M4のいずれかに近い領域。
(b)重複領域A1であって、中点M1〜M4のいずれよりも、重複領域A1の中心Cに近い領域。
(c)重複領域A1以外の領域。
(第1変形例)
以下に、第1の変形例に係る水晶振動子30Aについて図面を参照しながら説明する。図8は、水晶振動子30Aを上方から見た図である。
水晶振動子30Aの溝51の形状は、水晶振動子30の溝50の形状と異なる。より詳細には、溝51は、長辺部分51A,51B及び短辺部分51C,51Dを含む。長辺部分51Aは、右長辺である。長辺部分51Bは、左長辺である。短辺部分51Cは、前短辺である。短辺部分51Dは、後短辺である。ただし、溝51の形状は、上方から見たときに、環状ではない。従って、長辺部分51Aの前端と短辺部分51Cの右端とは繋がっていない。長辺部分51Aの後端と短辺部分51Dの右端とは繋がっていない。長辺部分51Bの前端と短辺部分51Cの左端とは繋がっていない。長辺部分51Bの後端と短辺部分51Dの左端とは繋がっていない。なお、水晶振動子30Aのその他の構成は、水晶振動子30と同じであるので説明を省略する。
以上のように構成された水晶振動子30Aも、水晶振動子30と同じ作用効果を奏することができる。
なお、水晶振動子30Aにおいて、短辺部分51C又は短辺部分51Dのいずれか一方が設けられなくてもよい。また、水晶振動子30Aにおいて、長辺部分51A又は長辺部分51Bのいずれか一方が設けられなくてもよい。
(第2変形例)
以下に、第2の変形例に係る水晶振動子30Bについて図面を参照しながら説明する。図9は、水晶振動子30Bを上方から見た図である。
水晶振動子30Bの溝52の形状は、水晶振動子30の溝50と異なる。より詳細には、溝52は、長辺部分52A,52Bを含み、短辺部分を含まない。長辺部分52Aは、右長辺である。長辺部分52Bは、左長辺である。
本願発明者による演算結果によれば、長辺31Aの中点M1近傍及び長辺31Bの中点M2近傍における引張応力は、短辺31Cの中点M3近傍及び短辺31Dの中点M4近傍における引張応力よりも大きくなることが分かった。従って、水晶振動子30Bのように、長辺部分52A及び長辺部分52Bが設けられ、短辺部分が設けられなくてもよい。なお、水晶振動子30Bのその他の構成は、水晶振動子30と同じであるので説明を省略する。
以上のように構成された水晶振動子30Bも、水晶振動子30と同じ作用効果を奏することができる。
なお、水晶振動子30Bにおいて、長辺部分52A又は長辺部分52Bのいずれか一方が設けられなくてもよい。
(第3変形例)
以下に、第3の変形例に係る水晶振動子30Cについて図面を参照しながら説明する。図10は、水晶振動子30Cを上方から見た図である。
水晶振動子30Cの溝53の形状は、水晶振動子30Bの溝52と異なる。より詳細には、溝53は、長辺部分53A,53Bを含む。長辺部分53Aは、右長辺である。長辺部分53Aは、中点において途切れている。これにより、長辺部分53Aは、中心Cと長辺31Aの中点M1とを結ぶ線分L3と交差しない。長辺部分53Bは、左長辺である。長辺部分53Bは、中点において途切れている。これにより、長辺部分53Bは、中心Cと長辺31Bの中点M2とを結ぶ線分L4と交差しない。なお、水晶振動子30Cのその他の構成は、水晶振動子30Bと同じであるので説明を省略する。
以上のように構成された水晶振動子30Cも、水晶振動子30Bと同じ作用効果を奏することができる。
なお、水晶振動子30Cにおいて、長辺部分53A又は長辺部分53Bのいずれか一方が設けられなくてもよい。
(第4変形例)
以下に、第4の変形例に係る水晶振動子30Dについて図面を参照しながら説明する。図11は、水晶振動子30Dを上方から見た図である。
水晶振動子30Dの溝54の形状は、水晶振動子30の溝50と異なる。より詳細には、溝54の形状は、上方から見たときに、前後方向に平行な長軸及び左右方向に平行な短軸を有する楕円形状である。長軸及び短軸の交点は、中心Cと一致する。このように、溝54は、曲線であってもよい。なお、水晶振動子30Dのその他の構成は、水晶振動子30と同じであるので説明を省略する。
以上のように構成された水晶振動子30Dも、水晶振動子30と同じ作用効果を奏することができる。
(第5変形例)
以下に、第5の変形例に係る水晶振動子30Eについて図面を参照しながら説明する。図12は、水晶振動子30Eの断面図である。図12は、図2のA−Aと同じ位置における断面図である。
水晶振動子30Eの溝55は、蓋14の下面14Aに設けられる。溝55の形状は、上側から見たときに、溝50の形状と同じ矩形状である。なお、水晶振動子30Eのその他の構成は、水晶振動子30と同じであるので説明を省略する。
水晶振動子30Eのように、蓋14の下面14Aに溝55が設けられた場合には、蓋14の下面14Aに発生する圧縮応力が軽減される。これにより、水晶振動子30Eにおいても、基板12と蓋14との接合が破損することが抑制される。
なお、水晶振動子30Eにおいて、溝55の形状は、上側から見たときに、溝51〜54の形状と同じであってもよい。
(第6変形例)
以下に、第6の変形例に係る水晶振動子30Fについて図面を参照しながら説明する。図13は、水晶振動子30Fの断面図である。図13は、図2のA−Aと同じ位置における断面図である。
水晶振動子30Fの第1溝である溝56は、蓋14の上面14Bに設けられる。水晶振動子30Fの第2溝である溝57は、蓋14の下面14Aに設けられる。溝56と溝57の形状は、上側から見たときに、溝50の形状と同じ矩形状である。また、溝56と溝57とは、上方から見たときに、全体において一致した状態で重なる。
水晶振動子30Fのように、蓋14の上面14Bに溝56が設けられると、蓋14の上面14Bに発生する引張応力が軽減される。また、蓋14の下面14Aに溝57が設けられると、蓋14の下面14Aに発生する圧縮応力が軽減される。これにより、水晶振動子30Fにおいて、基板12と蓋14との接合が破損することが抑制される。
なお、水晶振動子30Fにおいて、溝56,57の形状は、上方から見たときに、溝51〜54の形状と同じであってもよい。
なお、水晶振動子30Fにおいて、溝56と溝57とは、上方から見たときに、全体において一致して重ならなくてもよく、一部において重なってもよい。例えば、溝56の形状が溝50と同じである場合には、溝57は、溝56の長辺部分50Aに相当する長辺部分と重なる長辺部分(第5部分)を含んでもよい。また、溝56と溝57とは、上方から見たときに、重ならなくてもよい。
(その他の実施形態)
本発明に係る圧電振動子は、水晶振動子30,30A〜30Fに限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。本発明に係る電子部品は、電子部品70に限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。
また、水晶振動子30,30A〜30Fの構成を任意に組み合わせてもよい。また、電子部品70は、水晶振動子30の代わりに水晶振動子30A〜30Fを備えてもよい。
(実施例1)
本願発明者は、水晶振動子30,30A〜30Fが奏する効果をより明確にするために、以下に説明するコンピュータシミュレーションを行った。本願発明者は、図13に示す水晶振動子30Fの第1モデルを作成した。第1モデルの溝56,57の形状は、図2に示す溝50の形状と同じである。更に、本願発明者は、図5に示す水晶振動子230の第2モデルを作成した。本願発明者は、FEMによる応力分布シミュレーションにより第1モデル及び第2モデルの応力分布を求めた。第1のモデル及び第2のモデルの全体に均等な荷重を与えた。荷重の大きさは、回路基板に実装された水晶振動子を、モールド樹脂により封止する際の荷重を想定し、30MPaとした。以下にシミュレーション条件を記載する。
蓋14の厚さ:0.065mm
蓋14の長辺の長さ:1.16mm
蓋14の短辺の長さ:0.96mm
基板12の長辺の長さ:1.20mm
基板12の短辺の長さ:1.00mm
基板12の側壁の厚さ:0.11mm
溝56,57の半径:30μm
溝56,57の長辺部の長さ:0.58mm
溝56,57の短辺部の長さ:0.48mm
上方から見たときの溝55,56の中心と蓋14の外縁との距離:0.24mm
図14は、第1のモデルの応力分布を示す断面図である。図15は、第2のモデルの応力分布を示す断面図である。図14及び図15は、図2のA−Aと同じ位置における断面図である。図14及び図15の応力分布では、圧縮応力を負の値とし、引張応力を正の値として示した。
図14及び図15によれば、第1モデルでは第2モデルよりも、支点F近傍において蓋14の上面14Bに発生する引張応力が軽減された。更に、第1モデルでは第2モデルよりも、支点F近傍において蓋14の下面14Aに発生する圧縮応力が軽減された。これらの引張応力及び圧縮応力が軽減されることにより、蓋14の右長辺近傍と側壁124Dとの境界に生じる引張応力も軽減されることが分かる。すなわち、基板12と蓋14との接合の破損が抑制されることが分かる。
次に、本願発明者は、図1及び図2に示す水晶振動子30の第3モデルを作成した。本願発明者は、FEMによる応力分布シミュレーションにより第3モデルの応力分布を求めた。第3モデルのシミュレーション条件は、第1モデル及び第2モデルのシミュレーション条件と同じである。図16は、第3モデルの応力分布を示す斜視図である。
蓋14に溝が設けられない場合、引張応力は、長辺31Aの中点M1近傍、長辺31Bの中点M2近傍、短辺31Cの中点M3近傍及び短辺31Dの中点M4近傍に集中した。一方、第3モデルでは、図16に示すように、引張応力は、長辺31Aの全体、長辺31Bの全体、短辺31Cの全体及び短辺31Dの全体にわたって、実質的に均等に分布した。すなわち、本シミュレーションによれば、溝50が設けられることによって、長辺31Aの中点M1近傍、長辺31Bの中点M2近傍、短辺31Cの中点M3近傍及び短辺31Dの中点M4近傍に引張応力が集中することが抑制されることが分かる。
次に、本願発明者は、長辺部分50Aの好ましい位置について検討した。図17は、実施例に係る水晶振動子30Gを上方から見た図である。
水晶振動子30Gでは、長辺31Aと重複領域A1の中心Cとの距離を距離D1と定義する。距離D1は0.39mmである。また、長辺31Aと長辺部分50Aの中心線(幅方向の中心線)との距離を距離D2と定義する。距離D2は0.15mmである。水晶振動子30Gでは、距離D2の最適値は0.15mmである。そのため、距離D2が0.15mmよりも30%小さな0.105mmより大きく、0.15mmよりも30%大きな0.195mmより小ければ、基板12と蓋14との接合の破損が十分に抑制されると予測される。これらの数値を一般化するために、距離D1(0.39mm)に対する距離D2(0.15mm,0.105mm,0.195mm)の割合Xを以下に示す。
D2=0.15mm:X=0.15mm/0.39mm×100=38%
D2=0.105mm:X=0.105mm/0.39mm×100=27%
D2=0.195mm:X=0.195mm/0.39mm×100=50%
よって、割合Xは式(1)を満たせばよい。
38%<X<50%・・・(1)
長辺31Aからの距離が重複領域A1の中心Cと長辺31Aとの距離D1の50%である直線を仮想線L21(第1仮想線)と定義する。また、長辺31Aからの距離が重複領域A1の中心Cと長辺31Aとの距離D1の27%である直線を仮想線L22(第2仮想線)と定義する。式(1)を満足するためには、長辺部分50Aの中心線は、仮想線L21と仮想線L22との間の領域に位置すればよい。なお、長辺部分50Bの位置も、長辺部分50Aの位置と同様である。
(実施例2)
次に、本願発明者は、好ましい溝の半径を検討するために、以下に説明するコンピュータシミュレーションを行った。本願発明者は、図1及び図2に示す水晶振動子30の第4モデルを作成した。更に、本願発明者は、図13に示す水晶振動子30Fの第5モデルを作成した。第5モデルの溝56,57の形状は、図2に示す溝50と同じである。本願発明者は、FEMによる応力分布シミュレーションにより第4モデル及び第5モデルの応力分布を求めた。この際、本願発明者は、第4モデル及び第5モデルにおいて、溝50,56,57の半径を0μmから30μmまで変化させた。そして、溝50,56,57の半径毎に、第4モデル及び第5モデルの基板12と蓋14との間に生じる応力の最大値(以下、単に最大応力)を算出した。
図18は、溝50,56,57の半径と最大応力との関係を示すグラフである。溝の半径が0μmであることは、溝50,56,57を設けなかったことを意味する。図18において、縦軸は最大応力を示し、横軸は溝50,56,57の半径を示す。
第4モデル及び第5モデルのいずれにおいても、溝50,56,57の半径が大きくなると、最大応力が小さくなった。溝50,56,57の半径が20μmより小さな領域では、第4モデルの最大応力と第5モデルの最大応力とは略等しくなった。ただし、溝50,56,57の半径が20μm以上の領域では、第5モデルの最大応力が第4モデルの最大応力より小さくなった。すなわち、溝の半径が大きい領域では、蓋14の上面14B及び下面14Aの両方に溝56,57が設けられることにより、より効果的に最大応力が低減されることが分かる。
11:パッケージ
12:基板
14:蓋
14A:下面
14B:上面
15:接合材
16:水晶振動素子
30,30A〜30G:水晶振動子
50〜57:溝
50A,50B,51A,51B,52A,52B,53A,53B:長辺部分
50C,50D,51C,51D:短辺部分
70:電子部品
71:回路基板
71a,120:基板本体
71b〜71i:外部電極
73:半導体装置
74:モールド部材
120:基板本体
122:キャビティ
124A〜124D:側壁
124E:底面
160:水晶片
A1:重複領域
C:中心
F:支点
M1〜M4:中点

Claims (11)

  1. 第1主面を有し、かつ、前記第1主面にキャビティが設けられた基板と、
    前記キャビティ内に収容された圧電振動素子と、
    第2主面及び第3主面を有する板状の形状を有し、かつ、前記第2主面により前記キャビティを密閉する蓋と、
    を備えており、
    前記第1主面の法線方向から見たときに、前記キャビティの形状は第1長辺及び第2長辺を有する矩形状であり、
    前記蓋の前記第2主面又は前記第3主面に、第1溝が設けられ、
    前記第1溝の第1部分は、前記法線方向から前記第1主面を見たときに、前記キャビティと重なる重複領域において、前記重複領域の中心よりも前記第1長辺の中点の近くに設けられ、かつ、前記第1長辺に沿う、
    圧電振動子。
  2. 前記法線方向から前記第1主面を見たときに、前記第1部分は、前記中心と前記第1長辺の中点とを結ぶ線分と交差する、
    請求項1に記載の圧電振動子。
  3. 前記法線方向から前記第1主面を見たときに、前記第1溝が前記重複領域に設けられ、
    かつ前記第1溝の形状が前記キャビティの中心を囲む環状である、
    請求項1又は請求項2のいずれかに記載の圧電振動子。
  4. 前記法線方向から前記第1主面を見たときに、前記キャビティは、第1短辺及び第2短辺を有し、
    前記法線方向から前記第1主面を見たときに、前記第1溝は、前記第2長辺に沿う第2部分、前記第1短辺に沿っている第3部分、及び、前記第2短辺に沿う第4部分を更に含み、
    前記第2部分、前記第3部分及び前記第4部分はそれぞれ、前記法線方向から前記第1主面を見たときに、前記重複領域において、前記重複領域の中心よりも前記第2長辺の中点、前記第1短辺の中点及び前記第2短辺の中点の近くに設けられる、
    請求項1から請求項3のいずれかに記載の圧電振動子。
  5. 前記第1部分は、前記第1長辺に平行であり、
    前記第2部分は、前記第2長辺に平行であり、
    前記第3部分は、前記第1短辺に平行であり、かつ
    前記第4部分は、前記第2短辺に平行である、
    請求項4に記載の圧電振動子。
  6. 前記第1溝は、前記蓋の前記第2主面に設けられ、
    前記蓋の前記第3主面には溝が設けられない、
    請求項1から請求項5のいずれかに記載の圧電振動子。
  7. 前記第1溝は、前記蓋の前記第3主面に設けられ、
    前記蓋の前記第2主面には溝が設けられない、
    請求項1から請求項5のいずれかに記載の圧電振動子。
  8. 前記第1溝は、前記蓋の前記第2主面に設けられ、
    前記蓋の前記第3主面に第2溝が設けられる、
    請求項1から請求項5のいずれかに記載の圧電振動子。
  9. 前記法線方向から前記第1主面を見たときに、前記第2溝は、前記第1部分と重なる第5部分を含む、
    請求項8に記載の圧電振動子。
  10. 前記第1長辺からの距離が前記重複領域の中心と前記第1長辺との距離の50%である直線を第1仮想線と定義し、
    前記第1長辺からの距離が前記重複領域の中心と前記第1長辺との距離の27%である直線を第2仮想線と定義し、
    前記第1仮想線と前記第2仮想線との間の領域に、前記第1部分の幅方向の中心線が位置する、
    請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の圧電振動子。
  11. 回路基板と、
    前記回路基板に実装された請求項1から請求項10のいずれかに記載の圧電振動子と、
    前記回路基板上で前記圧電振動子を封止するモールド部材と、
    を備える、電子部品。
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