JP2018180001A - 電波センサ、検知方法および検知プログラム - Google Patents

電波センサ、検知方法および検知プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】消費電力を抑制しながら対象物を正しく検知することが可能な電波センサ、検知方法および検知プログラムを提供する。【解決手段】電波センサは、対象エリアへ電波を送信する送信部と、前記対象エリアからの電波を受信する受信部と、前記受信部によって受信された電波に基づいて、前記対象エリアにおける対象物を検知するための検知処理を行う検知部と、前記検知処理の結果に基づいて、前記検知処理の実行間隔を変更する制御を行う制御部とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、電波センサ、検知方法および検知プログラムに関し、特に、電波を用いて対象物を検知する電波センサ、検知方法および検知プログラムに関する。
特開2012−247215号公報(特許文献1)には、車両に搭載され、当該車両の周囲に存在する物体の種別を識別する物体識別装置が開示されている。物体識別装置は、自車両の周囲に音波または電磁波を照射して当該音波または当該電磁波の反射波を検出することによって得られた、反射強度および自車両周囲の物体までの距離の情報を含む物体情報と、画像処理によって得られた物体の高さの情報とを取得する。物体識別装置は、物体の高さおよび物体までの距離に応じて反射強度を補正する。そして、物体識別装置は、補正後の反射強度に応じて物体の種別を識別する。
稲葉 敬之、桐本 哲郎、"車載用ミリ波レーダ"、自動車技術、2010年2月、第64巻、第2号、P.74−79 四分一 浩二、外2名、"拡大するミリ波技術の応用"、[online]、[平成26年4月9日検索]、インターネット〈URL:http://www.spc.co.jp/spc/pdf/giho21_09.pdf〉 神保 郁充、外2名、"2周波ICW方式レーダの安全運転支援システムへの適用検討"、Proceedings of the 2013 IEICE General Conference 2013年総合大会講演論文集、2013年3月、講演番号:B−2−23、P265
特開2012−247215号公報
しかしながら、たとえば特許文献1に記載の物体識別装置を、供給可能な電力が制限されている場所に設置する場合において、当該物体識別装置における消費電力が制限値を超えてしまうと、当該物体識別装置を安定に動作させることが困難となるときがある。このため、低消費電力で動作可能な物体識別装置等の電波センサが求められている。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、消費電力を抑制しながら対象物を正しく検知することが可能な電波センサ、検知方法および検知プログラムを提供することである。
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電波センサは、対象エリアへ電波を送信する送信部と、上記対象エリアからの電波を受信する受信部と、上記受信部によって受信された電波に基づいて、上記対象エリアにおける対象物を検知するための検知処理を行う検知部と、上記検知処理の結果に基づいて、上記検知処理の実行間隔を変更する制御を行う制御部とを備える。
(13)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる検知方法は、電波センサにおける検知方法であって、対象エリアへ電波を送信するステップと、上記対象エリアからの電波を受信するステップと、受信した電波に基づいて、上記対象エリアにおける対象物を検知するための検知処理を行うステップと、上記検知処理の結果に基づいて、上記検知処理の実行間隔を変更する制御を行うステップとを含む。
(14)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる検知プログラムは、対象エリアへ電波を送信し、上記対象エリアからの電波を受信する電波センサにおいて用いられる検知プログラムであって、コンピュータに、受信した電波に基づいて、上記対象エリアにおける対象物を検知するための検知処理を行うステップと、上記検知処理の結果に基づいて、上記検知処理の実行間隔を変更する制御を行うステップとを実行させるためのプログラムである。
本発明は、このような特徴的な処理部を備える電波センサとして実現することができるだけでなく、電波センサの一部または全部を実現する半導体集積回路として実現したり、電波センサを備えるシステムとして実現したりすることができる。
本発明によれば、消費電力を抑制しながら対象物を正しく検知することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る信号制御システムの構成を示す図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る信号制御システムにおける電波センサの構成を示す図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサにおける制御部の構成を示す図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態に係る送信部における送信波処理部の構成を示す図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサによる動作モードの変更の一例を示す図である。 図6は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサによる動作モードの変更の一例を示す図である。 図7は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサが対象物を検知可能な通常対象エリアおよび拡大対象エリアの一例を示す図である。 図8は、本発明の第1の実施の形態に係る受信部における受信波処理部の構成を示す図である。 図9は、本発明の第1の実施の形態に係る送信アンテナ、受信アンテナおよび対象物の配置の一例を示す図である。 図10は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサにおける信号処理部の構成を示す図である。 図11は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサにおける検知部の構成を示す図である。 図12は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサの変形例の構成を示す図である。 図13は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサの変形例における制御部の構成を示す図である。 図14は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサの変形例による動作モードの変更の一例を示す図である。 図15は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサの変形例による動作モードの変更の一例を示す図である。 図16は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサの変形例の構成を示す図である。 図17は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサの変形例における制御部の構成を示す図である。 図18は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサの変形例による動作モードの変更の一例を示す図である。 図19は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサの変形例による動作モードの変更の一例を示す図である。 図20は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサの変形例におけるチルト可変送信アンテナの指向性の方向の一例を示す図である。 図21は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサが対象エリアにおける対象物を動作モードに応じて検知する際の動作手順を定めたフローチャートである。 図22は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサが拡大検知モードにおいて拡大対象エリアにおける対象物を検知する際の動作手順を定めたフローチャートである。 図23は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサが通常検知モードにおいて通常対象エリアにおける対象物を検知する際の動作手順を定めたフローチャートである。 図24は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサの構成を示す図である。 図25は、本発明の第2の実施の形態に係る送信部における送信波処理部の構成を示す図である。 図26は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサによる動作モードの変更の一例を示す図である。 図27は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサによる動作モードの変更の一例を示す図である。 図28は、本発明の第2の実施の形態に係る送信部および受信部が生成するパルス信号の一例を示す図である。 図29は、本発明の第2の実施の形態に係る受信部における受信波処理部の構成を示す図である。 図30は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサにおける検知部の構成を示す図である。 図31は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサの変形例の構成を示す図である。 図32は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサの変形例による動作モードの変更の一例を示す図である。 図33は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサの変形例による動作モードの変更の一例を示す図である。 図34は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサの変形例の構成を示す図である。 図35は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサの変形例による動作モードの変更の一例を示す図である。 図36は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサの変形例による動作モードの変更の一例を示す図である。
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る電波センサは、対象エリアへ電波を送信する送信部と、上記対象エリアからの電波を受信する受信部と、上記受信部によって受信された電波に基づいて、上記対象エリアにおける対象物を検知するための検知処理を行う検知部と、上記検知処理の結果に基づいて、上記検知処理の実行間隔を変更する制御を行う制御部とを備える。
このような構成により、検知処理の結果に悪影響を及ぼさない範囲で検知処理の頻度を下げることができるので、検知処理による電力消費を抑制しながら対象物を正しく検知することができる。
(2)好ましくは、上記送信部は、第1の期間において電波を連続的に送信し、第2の期間において電波の送信を停止し、上記第1の期間および上記第2の期間を交互に繰り返し、上記制御部は、上記検知処理の結果に基づいて上記第2の期間の長さを変更することで上記実行間隔を変更する。
このように、第1の期間の長さを維持したまま消費電力の小さい第2の期間の長さを変更する構成により、検知処理の精度が劣化することを回避しながら消費電力を抑制することができる。
(3)好ましくは、上記送信部は、パルス状の電波であるパルス電波を繰り返し送信し、上記制御部は、上記検知処理の結果に基づいて上記パルス電波の送信間隔を変更することで上記実行間隔を変更する。
このように、繰り返し送信されるパルス電波の送信間隔を検知処理の結果に応じて変更する構成により、検知処理の精度が劣化することを回避しながら消費電力を抑制することができる。
(4)好ましくは、上記制御部は、上記検知部によって上記対象物が検知されていない状態から検知された状態へ遷移したか否かについての判断を行い、上記判断の結果に基づいて上記実行間隔を短くする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電波センサ。
このような構成により、対象エリアに対象物が存在する場合において、対象物の検知結果の時間的推移を高精度に取得することができる。また、対象物が検知された後の高頻度の検知処理を要する状況下で検知処理の頻度を上げる構成により、効率的な検知処理を行うことができる。
(5)好ましくは、上記制御部は、上記検知部によって上記対象物が検知された状態から検知されていない状態へ遷移したか否かについての判断を行い、上記判断の結果に基づいて上記実行間隔を長くする。
このように、対象物が検知されなくなった後の高頻度の検知処理を要しない状況下で検知処理の頻度を下げる構成により、効率的な検知処理を行うことができる。
(6)好ましくは、上記制御部は、上記検知処理の結果に関する条件を含む所定条件が満たされるか否かに応じて、上記対象エリアの範囲を変更する。
このような構成により、対象エリアの範囲を、検知処理の結果に応じた適切な範囲に変更することができる。
(7)より好ましくは、上記制御部は、上記送信部の送信電力を変更することにより上記対象エリアの範囲を変更する。
このような構成により、機械的な動作を用いずに対象エリアの範囲を変更することができるので、アンテナ等の送信機器の機構を簡易にすることができる。
(8)より好ましくは、上記制御部は、上記送信部におけるアンテナの指向性を変更することにより上記対象エリアの範囲を変更する。
このような構成により、電波の送信電力を大きくすることなく電波の到達距離を伸ばすことができるので、対象エリアの範囲の変更に伴う消費電力の増加を抑制することができる。
(9)より好ましくは、上記制御部は、上記送信部におけるアンテナの向きを変更することにより上記対象エリアの範囲を変更する。
このような構成により、簡易な方法で電波のビーム方向を変更し、対象エリアの範囲を柔軟に変更することができる。
(10)好ましくは、上記制御部は、上記検知処理を行うための回路への電力供給の停止期間を変更することにより、上記実行間隔を変更する。
このように、検知処理を行わない期間において当該検知処理を行うための回路を停止することにより、検知処理の実行間隔を変更しながら消費電力を抑制することができる。
(11)好ましくは、上記電波センサは、さらに、バッテリーを備え、上記制御部は、上記バッテリーの残量および上記検知処理の結果に基づいて、上記検知処理の実行間隔を変更する制御を行う。
このように、バッテリーの残量に応じて検知処理の頻度を変更する構成により、バッテリーの残量がゼロになるまでの時間を延ばしながら対象物を正しく検知することができる。すなわち、電波センサの動作時間を長くすることができる。
(12)より好ましくは、上記電波センサは、さらに、バッテリーを備え、上記制御部は、上記バッテリーの残量に基づいて、上記電力供給の停止に関する判断を行う。
このような構成により、バッテリーの残量に応じて上記回路における消費電力を変更することができるので、バッテリーの残量がゼロになるまでの時間を延ばすことができる。すなわち、電波センサの動作時間を長くすることができる。
(13)本発明の実施の形態に係る検知方法は、電波センサにおける検知方法であって、対象エリアへ電波を送信するステップと、上記対象エリアからの電波を受信するステップと、受信した電波に基づいて、上記対象エリアにおける対象物を検知するための検知処理を行うステップと、上記検知処理の結果に基づいて、上記検知処理の実行間隔を変更する制御を行うステップとを含む。
このような構成により、検知処理の結果に悪影響を及ぼさない範囲で検知処理の頻度を下げることができるので、検知処理による電力消費を抑制しながら対象物を正しく検知することができる。
(14)本発明の実施の形態に係る検知プログラムは、対象エリアへ電波を送信し、上記対象エリアからの電波を受信する電波センサにおいて用いられる検知プログラムであって、コンピュータに、受信した電波に基づいて、上記対象エリアにおける対象物を検知するための検知処理を行うステップと、上記検知処理の結果に基づいて、上記検知処理の実行間隔を変更する制御を行うステップとを実行させるためプログラムである。
このような構成により、検知処理の結果に悪影響を及ぼさない範囲で検知処理の頻度を下げることができるので、検知処理による電力消費を抑制しながら対象物を正しく検知することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る信号制御システムの構成を示す図である。
図1を参照して、信号制御システム201は、電波センサ101と、信号制御装置151と、歩行者用信号灯器161と、発電部121と、バッテリーB1とを備える。信号制御システム201における信号制御装置151および歩行者用信号灯器161は、交通信号機を構成し、たとえば幹線道路Rd1の近傍に設置される。
電波センサ101は、通常対象エリアAn1および拡大対象エリアAe1における対象物Tgtを検知する検知センサとして機能する。以下、通常対象エリアAn1、拡大対象エリアAe1および後述する拡大対象エリアAe2の各々を対象エリアとも称する。
対象エリアは、たとえば、電波センサ101の設置者であるセンサ設置者が設定するエリアである。具体的には、図1に示すように、センサ設置者は、たとえば、幹線道路Rd1を隔てて設置された歩道Pv1,Pv2の間に位置する横断歩道PC1における歩行者Tgt2を対象物Tgtとする場合、横断歩道PC1を含むエリアを通常対象エリアAn1として設定する。
また、センサ設置者は、たとえば、横断歩道PC1における歩行者Tgt2および横断歩道PC1近傍に位置する歩行者Tgt2を対象物Tgtとする場合、以下のエリアを拡大対象エリアAe1またはAe2として設定する。
すなわち、センサ設置者は、たとえば、横断歩道PC1に隣接する歩道の一部であって幹線道路Rd1に対して電波センサ101の反対側に位置する歩道Pv2の一部すなわち待機エリアAs、および横断歩道PC1を含むエリアを拡大対象エリアAe1またはAe2として設定する。
なお、センサ設置者は、たとえば、横断歩道PC1の一部を含むエリアを対象エリアとして設定してもよい。また、センサ設置者は、たとえば、電波センサ101が自動車に取り付けられる場合において、当該自動車の前方に位置する歩行者Tgt2および自動車Tgt1を対象物Tgtとするとき、当該自動車の前方の所定範囲を対象エリアとして設定する。
発電部121は、たとえば太陽光発電装置であり、太陽光を受けると、受けた太陽光のエネルギーから電力を生成し、生成した電力を図示しない電力線経由でバッテリーB1へ出力する。なお、発電部121は、たとえば風力発電装置でもよい。
バッテリーB1は、発電部121から受ける電力を蓄電する。また、バッテリーB1は、蓄電した電力に基づいて電波センサ101の動作電力を供給する。
電波センサ101は、たとえば幹線道路Rd1付近に設置されている。具体的には、電波センサ101は、たとえば幹線道路Rd1付近に設置された支柱P1に固定されている。
電波センサ101は、図示しない電力線経由でバッテリーB1から受ける電力を用いて動作する。なお、電波センサ101は、たとえば系統から受ける電力を用いて動作してもよい。
歩行者用信号灯器161および信号制御装置151は、たとえば支柱P1に固定されている。電波センサ101および信号制御装置151は、たとえば図示しない信号線で接続されている。信号制御装置151および歩行者用信号灯器161は、たとえば図示しない信号線で接続されている。なお、電波センサ101は、幹線道路Rd1上に設置されてもよいし、自動車に搭載されてもよい。
電波センサ101は、たとえば対象エリアにおける対象物Tgtを検知する検知処理を行う。より詳細には、電波センサ101は、たとえば信号制御装置151の制御に従って、横断歩道PC1を含む対象エリアへ電波を送信する。対象物Tgtは、たとえば歩行者Tgt2等である。なお、対象物Tgtは、たとえば自動車Tgt1でもよい。
対象物Tgtは、たとえば対象エリア内に位置しており、電波センサ101から送信される電波を反射する。電波センサ101は、たとえば、対象物Tgtにより反射された電波を受信し、受信した電波に基づいて対象エリアにおける対象物Tgtを検知する検知処理を間欠的に行う。電波センサ101は、たとえば検知処理の結果である検知結果を信号制御装置151へ送信するとともに、当該検知結果に基づいて検知処理の実行間隔を変更する。
歩行者用信号灯器161は、信号制御装置151の制御に従って、たとえば横断歩道PC1を横断する歩行者Tgt2に対して「すすめ」または「とまれ」を点灯して表示する。
信号制御装置151は、電波センサ101から検知結果を受信すると、受信した検知結果に基づいて歩行者用信号灯器161を制御する。
たとえば、信号制御装置151は、歩行者Tgt2が待機エリアAsへ進入したことを検知結果が示すとき、歩行者用信号灯器161において「すすめ」を点灯する。これにより、歩行者Tgt2を優先的に通行させることができる。
また、たとえば、信号制御装置151は、歩行者用信号灯器161において「すすめ」を点灯する残り時間が少ない場合において、対象エリアにおいて歩行者Tgt2を検知したとき、残り時間の延長を行う。なお、信号制御装置151は、たとえば、「すすめ」を点灯する残り時間が少ない旨を歩行者Tgt2に音声で通知してもよい。
また、信号制御装置151は、たとえば、歩行者用信号灯器161において「とまれ」を点灯している場合において、対象エリアにおいて歩行者Tgt2を検知したとき、危険である旨を歩行者Tgt2に音声で警告する。
なお、信号制御装置151は、電波センサ101から受信する検知結果に基づいて自動車Tgt1に対してサービスを提供してもよい。具体的には、信号制御装置151は、たとえば、検知結果が対象エリアにおいて歩行者Tgt2を検知したことを示すとき、横断歩道PC1における歩行者Tgt2に注意すべき旨の警告を自動車Tgt1に与える。
[電波センサの構成]
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る信号制御システムにおける電波センサの構成を示す図である。
図2を参照して、電波センサ101は、送信部1と、受信部2と、信号処理部3と、検知部4と、制御部5とを備える。送信部1は、送信波処理部10と、送信アンテナ11とを含む。受信部2は、受信波処理部12と、受信アンテナ13とを含む。なお、送信アンテナ11および受信アンテナ13は、電波センサ101が備える構成に限らず、電波センサ101の外部に設けられてもよい。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサにおける制御部の構成を示す図である。
図3を参照して、制御部5は、供給電力断続部80と、増幅率制御部81と、総合判断部82と、電池残量測定部83とを含む。総合判断部82は、モード設定部84と、実行間隔設定部85とを含む。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る送信部における送信波処理部の構成を示す図である。
図4を参照して、送信波処理部10は、電波生成部31と、方向性結合器32と、パワーアンプ33とを含む。電波生成部31は、周波数切替部35と、電圧発生部36と、電圧制御発振器37とを含む。
図2〜図4を参照して、電波センサ101は、たとえば、稲葉 敬之、桐本 哲郎、”車載用ミリ波レーダ”、自動車技術、2010年2月、第64巻、第2号、P.74−79(非特許文献1)、または四分一 浩二、外2名、”拡大するミリ波技術の応用”、[online]、[平成26年4月9日検索]、インターネット〈URL:http://www.spc.co.jp/spc/pdf/giho21_09.pdf〉(非特許文献2)に記載された2周波CW(Continuous Wave)方式に従って、対象エリアにおける対象物Tgtを検知する検知処理を行う。検知処理の詳細については後述する。
送信部1における送信波処理部10は、制御部5経由でバッテリーB1から受ける電力を用いて、制御部5による制御に従って、対象エリアへ送信アンテナ11経由で電波を送信する。受信部2における受信波処理部12は、対象エリアからの電波を受信アンテナ13経由で受信する。
検知部4は、受信部2によって受信された電波に基づいて、対象エリアにおける対象物Tgtを検知するための検知処理を行う。検知部4は、検知処理の結果を制御部5および信号制御装置151へ出力する。
制御部5は、たとえば、検知部4から受ける検知処理の結果、およびバッテリーB1におけるバッテリーの残量に基づいて、検知処理の実行間隔を変更する制御を行う、具体的には、電波の送信を停止する停止期間の長さを変更する。
より詳細には、制御部5は、たとえば、送信波処理部10における電波生成部31およびパワーアンプ33への電力供給の停止期間を変更することにより、実行間隔を変更する。電波生成部31およびパワーアンプ33は、たとえば、検知処理を行うための回路に相当する。
図3に示す制御部5における電池残量測定部83は、バッテリーB1の残量を測定し、測定した結果である残量測定結果を総合判断部82へ出力する。
[実行間隔の設定]
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサによる動作モードの変更の一例を示す図である。図5には、たとえば時刻(t1+68)ミリ秒において動作モードが通常検知モードから拡大検知モードへ切り替わる場合の動作が示される。
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサによる動作モードの変更の一例を示す図である。図6には、たとえば時刻(t2+125)ミリ秒において動作モードが拡大検知モードから通常検知モードへ切り替わる場合の動作が示される。
図5および図6を参照して、総合判断部82は、検知部4から受ける検知処理の結果に基づいて動作モードの設定を行う。
より詳細には、総合判断部82におけるモード設定部84は、たとえば、検知部4から受ける検知処理の結果に基づいて、動作モードを、通常実行間隔Inで検知処理が繰り返される通常検知モード、および拡大実行間隔Ieで検知処理が繰り返される拡大検知モードのいずれかに設定する。
ここで、通常実行間隔Inは、たとえば送信期間Ttnの長さおよび停止期間Thnの長さの和である。また、拡大実行間隔Ieは、たとえば送信期間Tteの長さおよび停止期間Theの長さの和である。
送信期間Ttnの長さおよび送信期間Tteの長さはたとえば同じである。また、停止期間Theの長さは、停止期間Thnの長さより長い。したがって、拡大実行間隔Ieは、通常実行間隔Inより長い。
以下、送信期間Ttnおよび送信期間Tteの各々を送信期間Ttとも称する。また、停止期間Thnおよび停止期間Theの各々を停止期間Thとも称する。
モード設定部84は、たとえば、検知部4によって対象物Tgtが検知された状態から検知されていない状態へ遷移したか否かについての判断を行い、当該判断の結果に基づいて動作モードを拡大検知モードに設定する。
より詳細には、モード設定部84は、たとえば、通常検知モードに設定している状態において、対象エリアにおける対象物Tgtを検知していない旨を示す対象物不検知情報を検知部4から受けた回数に基づいて上記判断を行い、当該判断の結果に基づいて通常検知モードから拡大検知モードに切り替える。
具体的には、モード設定部84は、たとえば、対象物不検知情報を検知部4から連続して受けた回数が時刻(t1+68)ミリ秒において所定のしきい値Thc以上になると、検知部4によって対象物Tgtが検知されていない状態へ遷移したと判断し、図5に示すように時刻(t1+68)ミリ秒において動作モードを通常検知モードから拡大検知モードに切り替える。
また、モード設定部84は、たとえば、検知部4によって対象物Tgtが検知されていない状態から検知された状態へ遷移したか否かについての判断を行い、当該判断の結果に基づいて動作モードを通常検知モードに設定する。
より詳細には、モード設定部84は、たとえば、拡大検知モードに設定している状態において、対象エリアにおける対象物Tgtを検知した旨を示す対象物検知情報を検知部4から受けると、検知部4によって対象物Tgtが検知された状態へ遷移したと判断し、対象物検知情報を受けたタイミングにおいて動作モードを拡大検知モードから通常検知モードに切り替える。
具体的には、モード設定部84は、たとえば、対象物検知情報を時刻(t2+125)ミリ秒に検知部4から受けると、図6に示すように時刻(t2+125)ミリ秒において動作モードを拡大検知モードから通常検知モードに切り替える。
また、総合判断部82は、設定した動作モードおよび電池残量測定部83から受ける残量測定結果に基づいて、電波生成部31およびパワーアンプ33への電力供給の停止に関する判断を行う。
より詳細には、実行間隔設定部85は、たとえば、停止期間Thを変更することにより、検知処理の実行間隔を変更する。
具体的には、実行間隔設定部85は、たとえば、現在の動作モード、および残量測定結果に基づいて停止期間を設定することにより、100ミリ秒の通常実行間隔Inおよび4000ミリ秒の拡大実行間隔Ieを設定する。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサが対象物を検知可能な通常対象エリアおよび拡大対象エリアの一例を示す図である。
図7を参照して、拡大実行間隔Ieは、たとえば以下のように決定される。すなわち、拡大実行間隔Ieは、たとえば、歩道Pv2を移動する歩行者Tgt2が拡大対象エリアAe1に進入してから通常対象エリアAn1に進入するまでに要する時間Tbに基づいて決定される。
具体的には、たとえば、横断歩道PC1の横断方向における拡大対象エリアAe1の長さと通常対象エリアAn1の長さとの差が20メートルである場合において、歩行者Tgt2が5メートル毎秒の速さで移動するとき、時間Tbは、最大で概ね4000ミリ秒となる。拡大実行間隔Ieは、たとえば、時間Tbの最大値である4000ミリ秒に決定される。
たとえば、実行間隔設定部85は、バッテリー残量が少ない旨を残量測定結果が示す場合、具体的にはバッテリー残量が所定値以下である場合、通常実行間隔Inおよび拡大実行間隔Ieを以下のように設定する。
すなわち、実行間隔設定部85は、通常検知モードにおいて、たとえば、図5および図6に示すように100ミリ秒の通常実行間隔Inを設定し、設定した通常実行間隔Inに基づいて50ミリ秒の送信期間Ttnおよび50ミリ秒の停止期間Thnを設定する。
そして、実行間隔設定部85は、動作モードが通常検知モードに維持される場合、次の通常実行間隔Inを設定する。これにより、送信期間Ttnおよび停止期間Thnが交互に繰り返される。
また、実行間隔設定部85は、たとえば、拡大検知モードにおいて、たとえば、図5および図6に示すように4000ミリ秒の拡大実行間隔Ieを設定し、設定した拡大実行間隔Ieに基づいて50ミリ秒の送信期間Tteおよび3950ミリ秒の停止期間Theを設定する。
実行間隔設定部85は、動作モードが拡大検知モードに維持される場合、次の拡大実行間隔Ieを設定する。これにより、送信期間Tteおよび停止期間Theが交互に繰り返される。
一方、歩行者Tgt2が歩道Pv2を移動する経路によっては、時間Tbが4000ミリ秒より短くなる場合もある。このため、バッテリー残量が十分である旨を残量測定結果が示す場合、具体的にはバッテリー残量が上記所定値より大きい場合、たとえば4000ミリ秒より短い拡大実行間隔Ieを設定することにより、検知処理の頻度をバッテリーの残量が少ないときの頻度より増やすことが好ましい。
したがって、実行間隔設定部85は、バッテリー残量が十分である旨を残量測定結果が示す場合、検知処理の頻度をバッテリーの残量が少ないときの頻度より増やすために、拡大実行間隔Ieを以下のように設定する。
すなわち、実行間隔設定部85は、拡大検知モードにおいて、たとえば、2000ミリ秒の拡大実行間隔Ieを設定し、設定した拡大実行間隔Ieに基づいて50ミリ秒の送信期間Tteおよび1950ミリ秒の停止期間Theを設定する。
また、実行間隔設定部85は、たとえば、通常実行間隔Inについては、バッテリーの残量に関わらず、図5および図6に示すように100ミリ秒の通常実行間隔Inを設定する。
また、実行間隔設定部85は、たとえば、動作モードが切り替わる際、通常実行間隔Inおよび拡大実行間隔Ieを以下のように設定する。すなわち、実行間隔設定部85は、たとえば、図5に示すように、時刻t1から通常実行間隔Inに相当する時間が経過する前の時刻(t1+68)ミリ秒において動作モードが通常検知モードから拡大検知モードへ切り替わる際、以下の処理を行う。すなわち、実行間隔設定部85は、たとえば、時刻t1から通常実行間隔Inに相当する時間が経過する時刻(t1+100)ミリ秒を始点として時刻(t1+4100)ミリ秒までの拡大実行間隔Ieを新たに設定し、送信期間Tteおよび停止期間Theを新たに設定する。
また、実行間隔設定部85は、たとえば、図6に示すように、時刻t2から拡大実行間隔Ieに相当する時間が経過する前の時刻(t2+125)ミリ秒において動作モードが拡大検知モードから通常検知モードへ切り替わる際、以下の処理を行う。すなわち、実行間隔設定部85は、たとえば、切り替わる時刻(t2+125)ミリ秒で拡大実行間隔Ieを125ミリ秒の拡大実行間隔Ieiに短縮し、時刻(t2+125)ミリ秒を始点として時刻(t2+225)ミリ秒までの通常実行間隔Inを新たに設定し、送信期間Ttnおよび停止期間Thnを新たに設定する。
なお、実行間隔設定部85は、通常実行間隔Inおよび拡大実行間隔Ieについて他の内容の設定を行うことも可能である。また、実行間隔設定部85は、送信期間Ttの長さおよび停止期間Thの長さについて他の内容の設定を行うことも可能である。
具体的には、たとえば、実行間隔設定部85は、100ミリ秒の通常実行間隔Inを設定し、設定した通常実行間隔Inに基づいて100ミリ秒の送信期間Ttnおよびゼロミリ秒の停止期間Thnを設定してもよい。
[供給電力の制御]
供給電力断続部80は、バッテリーB1から供給される電力に基づいて以下の処理を行う。すなわち、供給電力断続部80は、たとえば、図5および図6に示すように、送信期間Ttnにおいて送信波処理部10における電波生成部31およびパワーアンプ33へ電力Pcnを供給する。また、供給電力断続部80は、たとえば、送信期間Tteにおいて電波生成部31およびパワーアンプ33へ電力Pcnより大きい電力Pceを供給する。したがって、送信期間TtnおよびTteにおいて送信波処理部10から送信アンテナ11経由で電波が送信される。
一方、供給電力断続部80は、たとえば、停止期間ThnおよびTheにおいて電波生成部31およびパワーアンプ33への電力の供給を停止する。したがって、停止期間ThnおよびTheにおいては、送信波処理部10からの電波の送信が停止する。
[対象エリアの範囲の変更]
増幅率制御部81は、たとえば、検知処理の結果に関する条件を含む所定条件が満たされるか否かに応じて、対象エリアの範囲を変更する。具体的には、増幅率制御部81は、たとえば、パワーアンプ33の増幅率を動作モードに応じて設定することにより、送信部1の送信電力を変更することで対象エリアの範囲を変更する。
具体的には、増幅率制御部81は、たとえば、図5および図6に示すように、通常実行間隔Inに基づく送信期間Ttnおよび停止期間Thnにおいてパワーアンプ33の増幅率をGnに設定し、また、拡大実行間隔Ieに基づく送信期間Tteおよび停止期間Theにおいてパワーアンプ33の増幅率をGnより大きいGeに設定する。
したがって、送信期間Tteにおいて送信波処理部10から送信アンテナ11経由で送信される電波の電力は、送信期間Ttnにおいて送信波処理部10から送信アンテナ11経由で送信される電波の電力より大きい。
具体的には、送信期間Tteにおいて拡大対象エリアAe1へ電波が送信され、また、送信期間Ttnにおいて通常対象エリアAn1へ電波が送信される。すなわち、送信期間Tteにおける対象エリアの範囲は、送信期間Ttnにおける対象エリアの範囲より大きい。
なお、増幅率制御部81は、送信期間Ttnおよび停止期間Thnにおいてパワーアンプ33の増幅率をGnに設定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。増幅率制御部81は、たとえば、少なくとも送信期間Ttnにおいて、パワーアンプ33の増幅率をGnに設定する構成であればよい。
また、増幅率制御部81は、送信期間Tteおよび停止期間Theにおいてパワーアンプ33の増幅率をGeに設定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。増幅率制御部81は、たとえば、少なくとも送信期間Tteにおいて、パワーアンプ33の増幅率をGeに設定する構成であればよい。
[電波の送信処理]
再び図4を参照して、送信部1における送信波処理部10は、制御部5の制御に従って、送信期間Ttにおいて電波を送信アンテナ11経由で連続的に送信し、停止期間Thにおいて電波の送信を停止する。
より詳細には、電波生成部31は、送信期間Ttにおいて、供給電力断続部80から受ける電力を用いて、たとえば24GHz帯の周波数を有する電波すなわちミリ波を生成する。そして、電波生成部31は、生成したミリ波を方向性結合器32へ出力する。
なお、電波生成部31は、たとえば60GHz帯、76GHz帯または79GHz帯の周波数を有する電波を生成してもよい。また、電波生成部31は、たとえばミリ波帯より周波数の低いマイクロ波帯の周波数を有する電波を生成してもよいし、また、ミリ波帯より周波数の高いテラヘルツ帯の周波数を有する電波を生成してもよい。
より詳細には、電波生成部31における周波数切替部35は、送信アンテナ11から送信される電波である送信波の周波数を所定の切替周波数fswtで交互に切替えるための切替信号を電圧発生部36および信号処理部3へ出力する。
具体的には、周波数切替部35は、たとえば、図5および図6に示すように、送信期間Ttにおいて、10キロヘルツの切替周波数fswtすなわち0.1ミリ秒の周期でレベルLsをハイレベルおよびローレベルに切り替える切替信号を電圧発生部36および信号処理部3へ出力する。また、停止期間Thにおいて、切替信号のレベルLsはたとえばゼロとなる。
電圧発生部36は、たとえば、所定の送信周波数f1,f2の電波を電圧制御発振器37に発生させるための制御電圧Vf1,Vf2をそれぞれ設定する。なお、送信周波数f2およびf1の差は、たとえば数メガヘルツ程度である。
電圧発生部36は、たとえば、周波数切替部35から受ける切替信号のレベルLsがローレベルである場合、制御電圧Vf1を生成し、生成した制御電圧Vf1を電圧制御発振器37へ出力する。また、電圧発生部36は、たとえば、切替信号のレベルLsがハイレベルである場合、制御電圧Vf2を生成し、生成した制御電圧Vf2を電圧制御発振器37へ出力する。
電圧制御発振器37は、具体的にはVCO(Voltage−controlled oscillator)であり、電圧発生部36から受ける制御電圧Vf1,Vf2に応じた周波数を有するミリ波帯の送信波を生成する。
より詳細には、電圧制御発振器37は、たとえば、図5および図6に示すように、ローレベルの切替信号に基づく制御電圧Vf1を電圧発生部36から受けている間、以下の式(1)に示す周波数f1を有する送信波T1(t)を生成する。
Figure 2018180001
ここで、φ1は初期位相である。式(1)および以下の式中におけるtは時刻を表す。また、電圧制御発振器37は、たとえば、図5および図6に示すように、ハイレベルの切替信号に基づく制御電圧Vf2を電圧発生部36から受けている間、以下の式(2)に示す周波数f2を有する送信波T2(t)を生成する。
Figure 2018180001
ここで、φ2は初期位相である。なお、送信波T1(t)の振幅および送信波T2(t)の振幅はたとえば共にAである。電圧制御発振器37は、送信波T1(t),T2(t)を交互に生成して方向性結合器32へ出力する。
方向性結合器32は、電波生成部31から受ける送信波T1(t),T2(t)をパワーアンプ33および受信部2へ分配する。パワーアンプ33は、供給電力断続部80から受ける電力を用いて、方向性結合器32から受ける送信波T1(t),T2(t)を制御部5における増幅率制御部81により設定された増幅率で増幅する。
具体的には、パワーアンプ33は、増幅率制御部81により増幅率がGnに設定された場合、方向性結合器32から受けた送信波を増幅率Gnで増幅し、たとえば0dBmの電力を有する送信波T1(t),T2(t)を送信アンテナ11経由で通常対象エリアAn1へ交互に送信する。
また、パワーアンプ33は、増幅率制御部81により増幅率がGeに設定された場合、方向性結合器32から受けた送信波を増幅率Geで増幅し、たとえば6dBmの電力を有する送信波T1(t),T2(t)を送信アンテナ11経由で拡大対象エリアAe1へ交互に送信する。
送信アンテナ11は、図1に示すように、たとえば指向性の方向Dnが横断歩道PC1の横断方向に沿うように設置される。ここで、指向性の方向Dnは、たとえば電波センサ101から横断歩道PC1の略中央の位置Cnへの方向である。
好ましくは、送信アンテナ11は、たとえば、横断歩道PC1の面に対して指向性の方向Dnを当該面の法線方向に射影した方向と、歩行者Tgt2が対象エリアにおける横断歩道PC1を移動する方向vmすなわち方向vm2とが平行または反平行になるように設置される。
[電波の受信処理]
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る受信部における受信波処理部の構成を示す図である。
図8を参照して、受信波処理部12は、ローノイズアンプ41と、ミキサ42と、IF(Intermediate Frequency)アンプ43と、ローパスフィルタ44と、A/Dコンバータ(ADC)45とを含む。
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る送信アンテナ、受信アンテナおよび対象物の配置の一例を示す図である。
図8および図9を参照して、受信部2における受信波処理部12は、対象エリアからの電波、たとえば反射波を受信アンテナ13経由で受信する。ここで、受信アンテナ13は、送信期間Ttにおいて、対象エリアにおける対象物Tgtが送信波T1(t)またはT2(t)をそれぞれ反射することにより生成される反射波R1(t)またはR2(t)を受信可能な構成であればよい。
具体的には、受信アンテナ13は、送信アンテナ11と同じアンテナであってもよいし、異なるアンテナであってもよい。なお、送信アンテナ11および受信アンテナ13が別々のアンテナである場合、受信アンテナ13は、送信アンテナ11から離れた位置に配置されてもよいが、電波センサ101の構成を簡易にするために送信アンテナ11の近傍に配置されることが好ましい。
より詳細には、受信アンテナ13が受信する反射波には、たとえば、対象エリア内を移動する対象物Tgtが送信アンテナ11により送信された送信波を反射することによって発生するドップラー反射波が含まれる。
ここで、電波センサ101に対して近づくかまたは遠ざかる方向に沿った対象物Tgtの移動速度を検出対象速度vdと定義する。言い換えると、電波センサ101に対して近づくかまたは遠ざかる方向に沿った受信アンテナ13に対する対象物Tgtの相対速度の成分が検出対象速度vdである。
たとえば、受信アンテナ13に対する対象物Tgtの速度を相対速度vtと定義すると、検出対象速度vdは、対象物Tgtから受信アンテナ13への方向の単位ベクトルndと相対速度vtとの内積で表される。なお、電波センサ101は、たとえば支柱P1等の地面に対して動かないものに固定されていてもよいし、地面に対して動くものに固定されていてもよい。たとえば電波センサ101が支柱P1に固定されている場合、受信アンテナ13および対象エリアは地面に対して固定されるので、相対速度vtは、対象物Tgtの地面に対する相対速度でもある。
受信アンテナ13が受信する対象物Tgtからのドップラー反射波の周波数f1r,f2rは、送信波の周波数f1,f2に対して、対象物Tgtに対応する検出対象速度vdに応じてそれぞれシフトする。また、ドップラー反射波の振幅は、対象物Tgtの反射断面積σに応じた振幅となる。
より詳細には、送信波T1(t)が式(1)により表される場合において、たとえば受信アンテナ13が送信アンテナ11の近傍に配置されているとき、ドップラー反射波R1d(t)は、非特許文献1または非特許文献2に示すように以下の式(3)により表される。
Figure 2018180001
ここで、Lは受信アンテナ13および対象物Tgt間の距離である。cは光速である。aはたとえば送信波T1(t)の振幅Aおよび波長、送信アンテナ11および受信アンテナ13のアンテナゲイン、距離Lならびに反射断面積σ等により定まる値である。
ドップラー反射波R1d(t)の周波数f1rは、式(3)に示すように、送信波T1(t)の周波数f1に対して、f1×(2×vd/c)を加えた周波数となる。具体的には、対象物Tgtが受信アンテナ13へ近づく方向へ移動するとき、vdが正となるので周波数f1rは周波数f1より高くなり、また、対象物Tgtが受信アンテナ13から遠ざかる方向へ移動するとき、vdが負となるので周波数f1rは周波数f1より低くなる。
受信アンテナ13が受信する反射波R1(t)には、一般に、ドップラー反射波R1d(t)、および対象物Tgt以外の部分からの非ドップラー反射波R1nd(t)が含まれる。したがって、反射波R1(t)は、ドップラー反射波R1d(t)および非ドップラー反射波R1nd(t)の重ね合わせとなり、以下の式(4)により表される。
Figure 2018180001
ここで、対象物Tgt以外のものの検出対象速度vdがゼロである状況、すなわち非ドップラー反射波R1nd(t)の周波数が送信波T1(t)の周波数f1と同じである状況を想定する。
同様に、受信波処理部12は、送信アンテナ11から送信波T2(t)が送信されている期間、式(1)、(3)および(4)と同様に導出される、以下の式(5)に示す反射波R2(t)を受信アンテナ13経由で受信する。
Figure 2018180001
ここで、送信波T1(t)およびT2(t)の振幅はともにAであり、かつ周波数f1およびf2はほぼ同じであるため、ドップラー反射波R2d(t)の振幅は、式(3)におけるaで表すことが可能である。
再び図8を参照して、受信波処理部12におけるローノイズアンプ41は、受信アンテナ13が受信した反射波R1(t),R2(t)を増幅し、ミキサ42へ出力する。
ミキサ42は、送信部1から送信波T1(t)が送信されている期間、以下の処理を行う。すなわち、ミキサ42は、送信波処理部10における方向性結合器32から受ける送信波T1(t)と、ローノイズアンプ41から受ける反射波R1(t)とを乗算する。そして、ミキサ42は、送信波T1(t)の周波数成分と反射波R1(t)の周波数成分との差の周波数成分を有する差分信号および両周波数成分の和の周波数成分を有する和周波信号を生成する。
ミキサ42において、送信波T1(t)と反射波R1(t)とから生成される差分信号B1(t)は、以下の式(6)により表される。
Figure 2018180001
ここで、B1d(t)は、送信波T1(t)とドップラー反射波R1d(t)とから生成される差分信号である。Kは差分信号B1d(t)の振幅である。−4π×f1×L/cが遅延位相θ1である。2×f1×vd/cがドップラー周波数f1dである。また、D1は、送信波T1(t)と非ドップラー反射波R1nd(t)とから生成される差分信号であり、非ドップラー反射波R1nd(t)の周波数が送信波T1(t)の周波数f1と同じであるため、直流成分となる。
同様に、ミキサ42は、送信部1から送信波T2(t)が送信されている期間、以下の処理を行う。すなわち、ミキサ42は、送信波T2(t)と反射波R2(t)とを乗算し、以下の式(7)により表される差分信号B2(t)および和周波信号を生成する。
Figure 2018180001
ここで、B2d(t)は、送信波T1(t)とドップラー反射波R2d(t)とから生成される差分信号である。Kは差分信号B2d(t)の振幅である。−4π×f2×L/cが遅延位相θ2である。2×f2×vd/cがドップラー周波数f2dである。また、D2は、送信波T2(t)と非ドップラー反射波R2nd(t)とから生成される直流の差分信号である。
ミキサ42は、生成した差分信号B1(t),B2(t)および和周波信号をIFアンプ43へ出力する。
IFアンプ43は、たとえば低周波数帯から中間周波数帯にかけて大きな増幅率を有するアンプであり、ミキサ42において生成された差分信号B1(t),B2(t)および和周波信号のうち差分信号B1(t),B2(t)を大きな増幅率で増幅し、増幅した差分信号B1(t),B2(t)をローパスフィルタ44へ出力する。
ローパスフィルタ44は、IFアンプ43において増幅された差分信号B1(t),B2(t)の周波数成分のうち、所定の周波数以上の成分、たとえば1キロヘルツ以上の成分を減衰させる。
A/Dコンバータ45は、たとえば所定のサンプリング周波数fsmplで差分信号B1(t),B2(t)のサンプリング処理を行う。より詳細には、A/Dコンバータ45は、ローパスフィルタ44を通過したアナログ信号である差分信号B1(t),B2(t)を、サンプリング周期である(1/fsmpl)ごとにqビット(qは2以上の整数)のデジタル信号に変換する。A/Dコンバータ45は、変換後のデジタル信号を信号処理部3へ出力する。
[信号処理]
図10は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサにおける信号処理部の構成を示す図である。図10を参照して、信号処理部3は、バッファ制御部71と、第1バッファ72と、第2バッファ73と、FFT処理部74とを含む。
信号処理部3は、受信部2から受けるデジタル信号を処理する。より詳細には、信号処理部3におけるバッファ制御部71は、送信期間Ttにおいて、送信部1から受ける切替信号のレベルLsに基づいて、受信部2から受けるデジタル信号を第1バッファ72および第2バッファ73へ振り分けながら蓄積する。
具体的には、バッファ制御部71は、たとえばローレベルの切替信号を受けている期間、すなわち送信部1が周波数f1の送信波T1(t)を送信している期間、受信部2から受けるデジタル信号を第1バッファ72に時系列順に蓄積する。また、バッファ制御部71は、たとえばハイレベルの切替信号を受けている期間、すなわち送信部1が周波数f2の送信波T2(t)を送信している期間、受信部2から受けるデジタル信号を第2バッファ73に時系列順に蓄積する。
バッファ制御部71は、たとえば切替信号のレベルLsがゼロになると送信期間Ttが満了したと認識し、デジタル信号の蓄積を終了する。そして、バッファ制御部71は、たとえばFFT処理部74へ蓄積完了通知を出力する。
したがって、蓄積完了通知が出力されるタイミングにおいて、第1バッファ72には、送信期間Ttにおける差分信号B1(t)に基づくデジタル信号すなわち時間スペクトルTS1が蓄積され、また、第2バッファ73には、送信期間Ttにおける差分信号B2(t)に基づくデジタル信号すなわち時間スペクトルTS2が蓄積されている。
FFT処理部74は、たとえば、バッファ制御部71から蓄積完了通知を受けると、第1バッファ72に蓄積された時間スペクトルTS1を高速フーリエ変換することにより、ドップラースペクトルDS1および位相スペクトルPS1を作成する。また、FFT処理部74は、たとえば、第2バッファ73に蓄積された時間スペクトルTS2を高速フーリエ変換することにより、ドップラースペクトルDS2および位相スペクトルPS2を作成する。
FFT処理部74は、作成したドップラースペクトルDS1およびDS2、ならびに位相スペクトルPS1およびPS2を検知部4へ出力する。
[検知処理]
図11は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサにおける検知部の構成を示す図である。図11を参照して、検知部4は、スペクトル分析部76と、分析結果判断部77とを含む。
より詳細には、検知部4は、たとえば、送信期間Ttにおいて、受信部2によって受信された電波に基づいて、1回分の上記検知処理を行う。
具体的には、検知部4におけるスペクトル分析部76は、FFT処理部74から受けるドップラースペクトルDS1およびDS2、ならびに位相スペクトルPS1およびPS2を分析し、分析結果を分析結果判断部77へ出力する。
より詳細には、スペクトル分析部76は、たとえば、ドップラースペクトルDS1において、1または複数のピークを探索し、探索したピークの周波数であるドップラー周波数f1dmaxを取得する。スペクトル分析部76は、たとえば、以下の式(8)を用いて、取得したドップラー周波数f1dmaxから対象物Tgtの検出対象速度vdを算出する。なお、スペクトル分析部76は、たとえば、ドップラースペクトルDS2から検出対象速度vdを算出してもよい。
Figure 2018180001
また、スペクトル分析部76は、たとえば、位相スペクトルPS1およびPS2を参照し、ドップラー周波数f1dmaxに対応する遅延位相θ1maxおよびθ2maxをそれぞれ取得する。スペクトル分析部76は、たとえば、以下の式(9)を用いて、取得した遅延位相θ1maxおよびθ2maxから対象物Tgtまでの距離Lを算出する。
Figure 2018180001
スペクトル分析部76は、たとえば、ピークの強度ならびに当該ピークに対応する検出対象速度vdおよび距離Lを分析結果として分析結果判断部77へ出力する。
分析結果判断部77は、スペクトル分析部76から受ける分析結果に基づいて、対象エリアにおける対象物Tgtを検知する。分析結果判断部77は、たとえば、対象エリアにおける対象物Tgtを検知すると、対象物検知情報を制御部5および信号制御装置151へ出力する。また、分析結果判断部77は、たとえば、対象エリアにおける対象物Tgtを検知していない場合、対象物不検知情報を制御部5および信号制御装置151へ出力する。
[効果]
再び図5および図6を参照して、前述のように、100ミリ秒の通常実行間隔Inに対応する期間において、0dBmすなわち1ミリワットの電力を有する電波が50ミリ秒間送信され、また、4000ミリ秒の拡大実行間隔Ieに対応する期間において、6dBmすなわち約4ミリワットの電力を有する電波が50ミリ秒間送信される。
したがって、供給電力断続部80が供給する電力PceおよびPcnの比が、たとえば4ミリワットおよび1ミリワットの比である4と近似すると、通常実行間隔Inに対応する期間における平均消費電力が(Pcn/2)ミリワットであるのに対し、拡大実行間隔Ieに対応する期間における平均消費電力は、((4×Pcn)/80)ミリワットとなる。
ここで、(Pcn/2)ミリワットから((4×Pcn)/80)ミリワットを差し引いた値は、((36×Pcn)/80)ミリワットとなる。Pcnは正であるので、((36×Pcn)/80)ミリワットは正の値となる。すなわち、拡大実行間隔Ieに対応する期間において((36×Pcn)/80)ミリワットに相当する電力を平均的に節電することができる。
また、たとえば、拡大実行間隔Ieが2000ミリ秒である場合における平均消費電力は、((4×Pcn)/40)ミリワットとなる。したがって、(Pcn/2)ミリワットから((4×Pcn)/40)ミリワットを差し引いた値は、((16×Pcn)/40)ミリワットとなる。Pcnは正なので((16×Pcn)/40)ミリワットは正の値となる。すなわち、拡大実行間隔Ieが2000ミリ秒である場合においても、電力を平均的に節電することができる。
上述の計算から、電力PceおよびPcnの比を4と近似する場合、拡大実行間隔Ieが通常実行間隔Inの4倍より長ければ、拡大実行間隔Ieに対応する期間において電力を平均的に節電できることが分かる。
[電波センサ101の変形例1]
図12は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサの変形例の構成を示す図である。
図12を参照して、図2に示す電波センサ101の変形例である電波センサ102は、電波センサ101と比べて、送信部1および制御部5の代わりに、送信部6および制御部7を備える。送信部6は、図2に示す送信部1と比べて、送信アンテナ11の代わりに、遠方用送信アンテナ15および通常用送信アンテナ16を含み、さらに、アンテナスイッチ14を含む。なお、遠方用送信アンテナ15および通常用送信アンテナ16は、電波センサ102が備える構成に限らず、電波センサ102の外部に設けられてもよい。
受信部2、信号処理部3および検知部4の動作は、図2に示す受信部2、信号処理部3および検知部4とそれぞれ同様である。送信部6における送信波処理部10の動作は、図2に示す送信部1における送信波処理部10と同様である。なお、送信波処理部10におけるパワーアンプ33の増幅率はたとえば固定値が設定される。
図13は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサの変形例における制御部の構成を示す図である。
図13を参照して、制御部7は、図3に示す制御部5と比べて、増幅率制御部81の代わりに、アンテナ切替制御部86を含む。
制御部7における供給電力断続部80、総合判断部82および電池残量測定部83の動作は、図3に示す制御部5における供給電力断続部80、総合判断部82および電池残量測定部83とそれぞれ同様である。
図14は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサの変形例による動作モードの変更の一例を示す図である。図14には、図5と同様に、たとえば時刻(t1+68)ミリ秒において動作モードが通常検知モードから拡大検知モードへ切り替わる場合の動作が示される。図14に示す切替信号のレベルLsの時間変化は、図5に示す切替信号のレベルLsの時間変化と同様である。
図15は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサの変形例による動作モードの変更の一例を示す図である。図15には、図6と同様に、たとえば時刻(t2+125)ミリ秒において動作モードが拡大検知モードから通常検知モードへ切り替わる場合の動作が示される。図15に示す切替信号のレベルLsの時間変化は、図6に示す切替信号のレベルLsの時間変化と同様である。
図12〜図15を参照して、通常用送信アンテナ16は、たとえば、図2に示す送信アンテナ11と同様の指向性を有し、また、たとえば指向性の方向が横断歩道PC1の横断方向に沿うように設置される。したがって、所定の電力の送信波T1(t)およびT2(t)が通常用送信アンテナ16から送信される場合における対象エリアは、たとえば、図1および図7に示す通常対象エリアAn1となる。
また、遠方用送信アンテナ15は、たとえば、通常用送信アンテナ16に対して、ビーム幅を絞ってゲインを増加させることによりカバー距離を伸ばし、ビーム方向に長い指向性を有する。したがって、当該所定の電力の送信波T1(t)およびT2(t)が遠方用送信アンテナ15から送信される場合における対象エリアは、たとえば、図7に示す拡大対象エリアAe2となる。
図13に示す供給電力断続部80は、たとえば、図14および図15に示すように、送信期間TtnおよびTteにおいて送信波処理部10における電波生成部31およびパワーアンプ33へ電力Pc2を供給する。なお、パワーアンプ33の増幅率は固定値であるので、送信期間TtnおよびTteにおいてパワーアンプ33へ供給される電力はたとえば同じである。
アンテナ切替制御部86は、たとえば、検知処理の結果に関する条件を含む所定条件が満たされるか否かに応じて、対象エリアの範囲を変更する。具体的には、アンテナ切替制御部86は、たとえば、送信部6におけるアンテナスイッチ14を実行間隔の種類に応じて切り替え、送信部6におけるアンテナの指向性を変更することで対象エリアの範囲を変更する、言い換えると、送信部6におけるアンテナのゲインを変更することで対象エリアの範囲を変更する。
より詳細には、アンテナ切替制御部86は、たとえば、図14および図15に示すように、通常実行間隔Inに基づく送信期間Ttnおよび停止期間Thnにおいて、パワーアンプ33の出力端と通常用送信アンテナ16とを電気的に接続する。したがって、送信期間Ttnにおいて、送信波処理部10は通常用送信アンテナ16経由で通常対象エリアAn1へ電波を送信する。
また、アンテナ切替制御部86は、たとえば、図14および図15に示すように、拡大実行間隔Ieに基づく送信期間Tteおよび停止期間Theにおいて、パワーアンプ33の出力端と遠方用送信アンテナ15とを電気的に接続する。したがって、送信期間Tteにおいて、送信波処理部10は遠方用送信アンテナ15経由で拡大対象エリアAe2へ電波を送信する。
なお、アンテナ切替制御部86は、送信期間Ttnおよび停止期間Thnにおいてパワーアンプ33の出力端と通常用送信アンテナ16とを電気的に接続する構成であるとしたが、これに限定するものではない。アンテナ切替制御部86は、たとえば、少なくとも送信期間Ttnにおいて、パワーアンプ33の出力端と通常用送信アンテナ16とを電気的に接続する構成であればよい。
また、アンテナ切替制御部86は、送信期間Tteおよび停止期間Theにおいて、パワーアンプ33の出力端と遠方用送信アンテナ15とを電気的に接続する構成であるとしたが、これに限定するものではない。アンテナ切替制御部86は、たとえば、少なくとも送信期間Tteにおいて、パワーアンプ33の出力端と遠方用送信アンテナ15とを電気的に接続する構成であればよい。
[電波センサ101の変形例2]
図16は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサの変形例の構成を示す図である。
図16を参照して、図2に示す電波センサ101の変形例である電波センサ103は、電波センサ101と比べて、送信部1および制御部5の代わりに、送信部8および制御部9を備える。送信部8は、図2に示す送信部1と比べて、送信アンテナ11の代わりに、チルト可変送信アンテナ18を含む。なお、チルト可変送信アンテナ18は、電波センサ103が備える構成に限らず、電波センサ103の外部に設けられてもよい。
受信部2、信号処理部3および検知部4の動作は、図2に示す受信部2、信号処理部3および検知部4とそれぞれ同様である。送信部8における送信波処理部10の動作は、図2に示す送信部1における送信波処理部10と同様である。なお、送信波処理部10におけるパワーアンプ33の増幅率はたとえば固定値が設定される。
図17は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサの変形例における制御部の構成を示す図である。
図17を参照して、制御部9は、図3に示す制御部5と比べて、増幅率制御部81の代わりに、チルト角制御部87を含む。
制御部9における供給電力断続部80、総合判断部82および電池残量測定部83の動作は、図3に示す制御部5における供給電力断続部80、総合判断部82および電池残量測定部83とそれぞれ同様である。
図18は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサの変形例による動作モードの変更の一例を示す図である。図18には、図5と同様に、たとえば時刻(t1+68)ミリ秒において動作モードが通常検知モードから拡大検知モードへ切り替わる場合の動作が示される。図18に示す切替信号のレベルLsの時間変化は、図5に示す切替信号のレベルLsの時間変化と同様である。
図19は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサの変形例による動作モードの変更の一例を示す図である。図19には、図6と同様に、たとえば時刻(t2+125)ミリ秒において動作モードが拡大検知モードから通常検知モードへ切り替わる場合の動作が示される。図19に示す切替信号のレベルLsの時間変化は、図6に示す切替信号のレベルLsの時間変化と同様である。
図20は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサの変形例におけるチルト可変送信アンテナの指向性の方向の一例を示す図である。図20には、鉛直面であってチルト可変送信アンテナ18の指向性の方向DnおよびDeを含む面における、鉛直下方方向に対するチルト可変送信アンテナ18の向きを示すチルト角αnおよびαeが示される。
図16〜図20を参照して、図17に示す供給電力断続部80は、たとえば、図18および図19に示すように、送信期間TtnおよびTteにおいて送信波処理部10における電波生成部31およびパワーアンプ33へ電力Pc3を供給する。なお、パワーアンプ33の増幅率は固定値であるので、送信期間TtnおよびTteにおいてパワーアンプ33へ供給される電力は同じである。
チルト角制御部87は、たとえば、検知処理の結果に関する条件を含む所定条件が満たされるか否かに応じて、対象エリアの範囲を変更する。具体的には、チルト角制御部87は、たとえば、送信部8におけるチルト可変送信アンテナ18の向きすなわちチルト角を実行間隔の種類に応じて切り替えることにより、送信部8におけるアンテナの向きを変更することで対象エリアの範囲を変更する。
具体的には、チルト角制御部87は、たとえば、図18および図19に示すように、通常実行間隔Inに基づく送信期間Ttnおよび停止期間Thnにおいて、チルト可変送信アンテナ18のチルト角をαnに設定することにより、指向性の方向Dnが図1、図7および図20に示す横断歩道PC1の略中央の位置Cnに向くように設定する。
したがって、送信期間Ttnにおいて、所定の電力の送信波T1(t)およびT2(t)がチルト角αnのチルト可変送信アンテナ18から送信される場合における対象エリアは、たとえば、図1および図7に示す通常対象エリアAn1となる。
また、チルト角制御部87は、たとえば、図18および図19に示すように、拡大実行間隔Ieに基づく送信期間Tteおよび停止期間Theにおいて、チルト可変送信アンテナ18のチルト角をαnより大きいαeに設定することにより、指向性の方向Deが以下の方向を向くように設定する。すなわち、チルト角制御部87は、たとえば、送信波の指向性の方向Deが横断歩道PC1の横断方向に沿うように、かつ図1、図7および図20に示す位置Cnと比べて電波センサ103から離れた位置Ceに向くように設定する。
したがって、送信期間Tteおよび停止期間Theにおけるチルト可変送信アンテナ18の向きは、送信期間Ttnおよび停止期間Thnにおけるチルト可変送信アンテナ18の向きより上向きとなる。また、送信期間Tteにおいて、上記所定の電力の送信波T1(t)およびT2(t)がチルト角αeのチルト可変送信アンテナ18から送信される場合における対象エリアは、たとえば、図1および図7に示す拡大対象エリアAe1となる。
なお、チルト角制御部87は、送信期間Ttnおよび停止期間Thnにおいてチルト可変送信アンテナ18のチルト角をαnに設定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。チルト角制御部87は、たとえば、少なくとも送信期間Ttnにおいて、チルト可変送信アンテナ18のチルト角をαnに設定する構成であればよい。
また、チルト角制御部87は、送信期間Tteおよび停止期間Theにおいてチルト可変送信アンテナ18のチルト角をαeに設定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。チルト角制御部87は、たとえば、少なくとも送信期間Tteにおいて、チルト可変送信アンテナ18のチルト角をαeに設定する構成であればよい。
[動作]
図21は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサが対象エリアにおける対象物を動作モードに応じて検知する際の動作手順を定めたフローチャートである。信号制御システム201における電波センサ101は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。この装置のプログラムは、外部からインストールすることができる。この装置のプログラムは、記録媒体に格納された状態で流通する。
図21を参照して、まず、電波センサ101における制御部5は、動作モードが拡大検知モードに維持される場合(ステップS102でYES)、拡大検知処理を繰り返し行う(ステップS104)。
一方、制御部5は、動作モードが通常検知モードに維持される場合(ステップS102でNO)、通常検知処理を繰り返し行う(ステップS106)。
図22は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサが拡大検知モードにおいて拡大対象エリアにおける対象物を検知する際の動作手順を定めたフローチャートである。図22は、図21のステップS104における拡大検知処理の動作の詳細を示している。
図22を参照して、まず、電波センサ101における制御部5は、拡大実行間隔Ieを設定する(ステップS202)。
次に、制御部5により設定された拡大実行間隔Ieに基づく送信期間Tteが満了するまで(ステップS204でNO)、送信部1は、拡大対象エリアAe1へ電波を送信し(ステップS206)、また、受信部2は、拡大対象エリアAe1からの電波を受信する(ステップS208)。
一方、制御部5は、送信期間Tteが満了すると(ステップS204でYES)、停止期間Theにおいて、送信部1への電力供給を停止することにより、送信部1からの電波の送信を停止させる(ステップS210)。
次に、検知部4は、送信期間Tteにおいて受信部2によって受信された電波に基づいて検知処理を行う(ステップS212)。
次に、制御部5は、検知処理の結果、対象物Tgtが検知されない場合(ステップS214でNO)、停止期間Theが満了するまで送信部1への電力供給の停止を継続することにより、送信部1からの電波の送信停止を継続する(ステップS216)。
次に、制御部5は、停止期間Theが満了すると、次の拡大実行間隔Ieを設定する(ステップS202)。
また、制御部5は、検知処理の結果、対象物Tgtが検知された場合(ステップS214でYES)、拡大検知モードから通常検知モードへ切り替える(ステップS218)。
次に、制御部5は、通常検知モードへ切替えるタイミングで拡大実行間隔Ieを短縮することにより、拡大検知処理を終了して通常検知処理を開始する(ステップS220)。
図23は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサが通常検知モードにおいて通常対象エリアにおける対象物を検知する際の動作手順を定めたフローチャートである。図23は、図21のステップS106における通常検知処理の動作の詳細を示している。
図23を参照して、まず、電波センサ101における制御部5は、カウント値Cntをゼロにリセットする(ステップS302)。
次に、制御部5は、通常実行間隔Inを設定する(ステップS304)。
次に、制御部5により設定された通常実行間隔Inに基づく送信期間Ttnが満了するまで(ステップS306でNO)、送信部1は、通常対象エリアAn1へ電波を送信し(ステップS308)、また、受信部2は、通常対象エリアAn1からの電波を受信する(ステップS310)。
一方、制御部5は、送信期間Ttnが満了すると(ステップS306でYES)、停止期間Thnにおいて、送信部1への電力供給を停止することにより、送信部1からの電波の送信を停止させる(ステップS312)。
次に、検知部4は、送信期間Ttnにおいて受信部2によって受信された電波に基づいて検知処理を行う(ステップS314)。
次に、制御部5は、検知処理の結果、対象物Tgtが検知された場合(ステップS316でYES)、カウント値Cntをゼロにリセットする(ステップS318)。
次に、制御部5は、停止期間Thnが満了するまで送信部1への電力供給の停止を継続することにより、送信部1からの電波の送信停止を継続する(ステップS320)。
次に、制御部5は、停止期間Thnが満了すると、次の通常実行間隔Inを設定する(ステップS304)。
また、制御部5は、検知処理の結果、対象物Tgtが検知されない場合(ステップS316でNO)、カウント値Cntをインクリメントする(ステップS322)。
次に、制御部5は、カウント値Ctnが所定のしきい値Thcより小さい場合(ステップS324でNO)、停止期間Thnが満了するまで送信部1への電力供給の停止を継続することにより、送信部1からの電波の送信停止を継続する(ステップS320)。
一方、制御部5は、カウント値Ctnが所定のしきい値Thc以上である場合(ステップS324でYES)、通常検知モードから拡大検知モードへ切り替える(ステップS326)。
次に、制御部5は、現在実行中の通常検知処理における停止期間Thnが満了するまで送信部1への電力供給の停止を継続することにより、送信部1からの電波の送信停止を継続し、当該停止期間Thnが満了すると通常検知処理を終了して拡大検知処理を開始する(ステップS328)。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサは、バッテリーB1の残量および検知処理の結果に基づいて、検知処理の実行間隔を変更する制御を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。電波センサは、たとえば、検知処理の結果に基づいて、検知処理の実行間隔を変更する制御を行う構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサは、電波生成部31およびパワーアンプ33への電力供給の停止期間を変更する構成であるとしたが、これに限定するものではない。電波センサは、たとえば、停止期間Thにおける検知処理が完了した後、検知処理を行うための回路として受信部2、信号処理部3および検知部4への電力供給を停止する構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサは、停止期間Thにおいて、電波生成部31およびパワーアンプ33への電力供給を停止する構成であるとしたが、これに限定するものではない。電波センサは、停止期間Thにおいて、電波生成部31およびパワーアンプ33へ電力を供給する構成であってもよい。これは、たとえば、電波生成部31およびパワーアンプ33における消費電力は、電波の停止時と比べて電波の送信時の方が大きいので、停止期間Thにおいて電力を供給する構成であっても、停止期間の長さを変更する構成により、消費電力を抑制するからである。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサでは、2周波CW方式に従って、対象エリアにおける対象物Tgtを検知する構成であるとしたが、これに限定するものではない。電波センサは、2周波CW方式以外の方式に従って、対象エリアにおける対象物Tgtを検知する構成であってもよい。具体的には、電波センサは、たとえば、非特許文献1もしくは非特許文献2に記載されたFM−CW(Frequency−Modulated Continuous−Wave)方式、または非特許文献3に記載された2周波ICW(Interrupted Continuous−Wave)方式に従って、対象エリアにおける対象物Tgtを検知する構成であってもよい。
ところで、たとえば特許文献1に記載の物体識別装置を、供給可能な電力が制限されている場所に設置する場合において、当該物体識別装置における消費電力が制限値を超えてしまうと、当該物体識別装置を安定に動作させることが困難となるときがある。このため、低消費電力で動作可能な物体識別装置等の電波センサが求められている。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサでは、送信部1、6および8は、対象エリアへ電波を送信する。受信部2は、対象エリアからの電波を受信する。検知部4は、受信部2によって受信された電波に基づいて、対象エリアにおける対象物Tgtを検知するための検知処理を行う。制御部5、7および9は、検知処理の結果に基づいて、検知処理の実行間隔を変更する制御を行う。
このような構成により、検知処理の結果に悪影響を及ぼさない範囲で検知処理の頻度を下げることができるので、検知処理による電力消費を抑制しながら対象物を正しく検知することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサでは、送信部1、6および8は、送信期間Ttにおいて電波を連続的に送信し、停止期間Thにおいて電波の送信を停止し、送信期間Ttおよび停止期間Thを交互に繰り返す。制御部5、7および9は、検知処理の結果に基づいて停止期間Thの長さを変更することで上記実行間隔を変更する。
このように、送信期間Ttの長さを維持したまま消費電力の小さい停止期間Thの長さを変更する構成により、検知処理の精度が劣化することを回避しながら消費電力を抑制することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサでは、制御部5、7および9は、検知部4によって対象物Tgtが検知されていない状態から検知された状態へ遷移したか否かについての判断を行い、当該判断の結果に基づいて実行間隔を短くする。
このような構成により、対象エリアに対象物Tgtが存在する場合において、対象物Tgtの検知結果の時間的推移を高精度に取得することができる。また、対象物Tgtが検知された後の高頻度の検知処理を要する状況下で検知処理の頻度を上げる構成により、効率的な検知処理を行うことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサでは、制御部5、7および9は、検知部4によって対象物Tgtが検知された状態から検知されていない状態へ遷移したか否かについての判断を行い、当該判断の結果に基づいて実行間隔を長くする。
このように、対象物Tgtが検知されなくなった後の高頻度の検知処理を要しない状況下で検知処理の頻度を下げる構成により、効率的な検知処理を行うことができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサでは、制御部5、7および9は、検知処理の結果に関する条件を含む所定条件が満たされるか否かに応じて、対象エリアの範囲を変更する。
このような構成により、対象エリアの範囲を、検知処理の結果に応じた適切な範囲に変更することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサでは、制御部5は、送信部1の送信電力を変更することにより対象エリアの範囲を変更する。
このような構成により、機械的な動作を用いずに対象エリアの範囲を変更することができるので、アンテナ等の送信機器の機構を簡易にすることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサでは、制御部7は、送信部6におけるアンテナの指向性を変更する、具体的には、アンテナスイッチ14を用いて遠方用送信アンテナ15および通常用送信アンテナ16を切り替えることにより対象エリアの範囲を変更する。
このような構成により、電波の送信電力を大きくすることなく電波の到達距離を伸ばすことができるので、対象エリアの範囲の変更に伴う消費電力の増加を抑制することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサでは、制御部9は、送信部8におけるチルト可変送信アンテナ18の向きを変更することにより対象エリアの範囲を変更する。
このような構成により、簡易な方法で電波のビーム方向を変更し、対象エリアの範囲を柔軟に変更することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサでは、制御部5、7および9は、検知処理を行うための回路への電力供給の停止期間を変更することにより、実行間隔を変更する。
このように、検知処理を行わない期間において当該検知処理を行うための回路を停止することにより、検知処理の実行間隔を変更しながら消費電力を抑制することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサでは、制御部5、7および9は、バッテリーB1の残量および検知処理の結果に基づいて、検知処理の実行間隔を変更する制御を行う。
このように、バッテリーB1の残量に応じて検知処理の頻度を変更する構成により、バッテリーB1の残量がゼロになるまでの時間を延ばしながら対象物Tgtを正しく検知することができる。すなわち、電波センサの動作時間を長くすることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサでは、制御部5、7および9は、バッテリーB1の残量に基づいて、電力供給の停止に関する判断を行う。
このような構成により、バッテリーB1の残量に応じて上記回路における消費電力を変更することができるので、バッテリーB1の残量がゼロになるまでの時間を延ばすことができる。すなわち、電波センサの動作時間を長くすることができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る電波センサと比べて、パルス方式を用いて対象物を検知する電波センサに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電波センサと同様である。
[電波センサの構成]
図24は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサの構成を示す図である。
図24を参照して、電波センサ104は、送信部301と、受信部302と、検知部304と、制御部5とを備える。送信部301は、送信波処理部310と、送信アンテナ11とを含む。受信部302は、受信波処理部312と、受信アンテナ13とを含む。なお、送信アンテナ11および受信アンテナ13は、電波センサ104が備える構成に限らず、電波センサ104の外部に設けられてもよい。
制御部5の動作は、図2に示す本発明の第1の実施の形態に係る電波センサ101における制御部5と同様である。送信部301における送信アンテナ11の動作は、図2に示す送信部1における送信アンテナ11と同様である。受信部302における受信アンテナ13の動作は、図2に示す受信部2における受信アンテナ13と同様である。
図25は、本発明の第2の実施の形態に係る送信部における送信波処理部の構成を示す図である。
図25を参照して、送信波処理部310は、電波生成部61と、パワーアンプ33とを含む。電波生成部61は、パルス発生器62と、ミキサ63と、ローカル発振器64とを含む。パワーアンプ33の動作は、図4に示す送信波処理部10におけるパワーアンプ33と同様である。
図24〜図25を参照して、電波センサ104は、たとえばパルス方式を用いる電波センサである。より詳細には、電波センサ104における制御部5は、検知処理の結果に基づいて、送信部301が送信する一群のパルス状の電波であるパルス電波群の送信間隔を変更する。
[実行間隔の設定]
図26は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサによる動作モードの変更の一例を示す図である。図26には、たとえば時刻(t3+68)ミリ秒において動作モードが通常検知モードから拡大検知モードへ切り替わる場合の動作が示される。
図27は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサによる動作モードの変更の一例を示す図である。図27には、たとえば時刻(t4+125)ミリ秒において動作モードが拡大検知モードから通常検知モードへ切り替わる場合の動作が示される。
図26および図27を参照して、図4に示す制御部5におけるモード設定部84は、たとえば、対象物不検知情報を検知部304から連続して受けた回数が時刻(t3+68)ミリ秒において所定のしきい値Thc以上になると、図26に示すように時刻(t3+68)ミリ秒において動作モードを通常検知モードから拡大検知モードに切り替える。
また、モード設定部84は、たとえば、対象物検知情報を時刻(t4+125)ミリ秒に検知部304から受けると、図27に示すように時刻(t4+125)ミリ秒において動作モードを拡大検知モードから通常検知モードに切り替える。
実行間隔設定部85は、たとえば、動作モードおよび残量測定結果に基づいて検知処理の実行間隔すなわちパルス群の間隔を設定する、具体的には、実行間隔設定部85は、たとえば、バッテリー残量が少ない旨を残量測定結果が示す場合、図26および図27に示すように、通常検知モードにおいて100ミリ秒の通常実行間隔Inを設定し、また、拡大検知モードにおいて4000ミリ秒の拡大実行間隔Ieを設定する。
また、実行間隔設定部85は、たとえば、バッテリー残量が十分である旨を残量測定結果が示す場合、通常検知モードにおいて100ミリ秒の通常実行間隔Inを設定し、また、拡大検知モードにおいて2000ミリ秒の拡大実行間隔Ieを設定する。
また、実行間隔設定部85は、たとえば、図26に示すように、時刻t3から通常実行間隔Inに相当する時間が経過する前の時刻(t3+68)ミリ秒において動作モードが通常検知モードから拡大検知モードへ切り替わる際、以下の処理を行う。すなわち、実行間隔設定部85は、たとえば、時刻t3から通常実行間隔Inに相当する時間が経過する時刻(t3+100)ミリ秒を始点として時刻(t3+4100)ミリ秒までの拡大実行間隔Ieを新たに設定する。
また、実行間隔設定部85は、たとえば、図27に示すように、時刻t4から拡大実行間隔Ieに相当する時間が経過する前の時刻(t4+125)ミリ秒において動作モードが拡大検知モードから通常検知モードへ切り替わる際、以下の処理を行う。すなわち、実行間隔設定部85は、たとえば、切り替わる時刻(t4+125)ミリ秒で拡大実行間隔Ieを125ミリ秒の拡大実行間隔Ieiに短縮し、時刻(t4+125)ミリ秒を始点として時刻(t4+225)ミリ秒までの通常実行間隔Inを新たに設定する。
[供給電力の制御]
供給電力断続部80は、たとえば、図26および図27に示すように、通常実行間隔Inに基づく期間の開始タイミングから3つのパルス電波を含むパルス電波群の送信に要する時間Δt2が経過する終了タイミングまで送信波処理部310における電波生成部61およびパワーアンプ33へ電力Pcnを供給し、また、当該終了タイミングから次の開始タイミングまで電力の供給を停止する。
また、供給電力断続部80は、たとえば、図26および図27に示すように、拡大実行間隔Ieに基づく期間の開始タイミングから3つのパルス電波を含むパルス電波の送信に要する時間Δt2が経過する終了タイミングまで送信波処理部310における電波生成部61およびパワーアンプ33へ電力Pceを供給し、また、当該終了タイミングから次の開始タイミングまで電力の供給を停止する。
したがって、たとえば図26に示す場合では、時刻(t3+100)ミリ秒までは、パルス電波群が送信波処理部310から送信アンテナ11経由で通常実行間隔Inごとに送信され、また、時刻(t3+100)ミリ秒以降では、パルス電波群が拡大実行間隔Ieごとに送信される。
[対象エリアの範囲の変更]
増幅率制御部81は、たとえば、図26および図27に示すように、通常実行間隔Inに基づく期間においてパワーアンプ33の増幅率をGnに設定し、また、拡大実行間隔Ieに基づく期間においてパワーアンプ33の増幅率をGnより大きいGeに設定する。
したがって、拡大実行間隔Ieに基づく期間において拡大対象エリアAe1へパルス電波群が送信され、また、通常実行間隔Inに基づく期間において通常対象エリアAn1へパルス電波群が送信される。
[電波の送信処理]
再び図25を参照して、送信部301における送信波処理部310は、パルス電波群を送信アンテナ11経由で繰り返し送信する。具体的には、送信波処理部310における電波生成部61は、制御部5の制御に従って、パルス電波群を送信アンテナ11経由で実行間隔ごとに送信する。
図28は、本発明の第2の実施の形態に係る送信部および受信部が生成するパルス信号の一例を示す図である。
図28を参照して、電波生成部61におけるパルス発生器62は、たとえば、レベルLptおよび時間幅Δt1を有する送信パルス信号Pt1〜Pt3を図26および図27に示すように実行間隔ごとに生成し、生成した送信パルス信号Pt1〜Pt3をミキサ63へ出力する。この際、パルス発生器62は、たとえば、送信パルス信号Pt1およびPt2の間隔、ならびに送信パルス信号Pt2およびPt3の間隔をTpに設定する。
なお、時間幅Δt1は、電波センサ104から対象エリアまでの距離、および距離Lの測定精度等に応じて適宜設定する。また、間隔Tpは、たとえば送信した電波が対象物Tgtに反射して戻ってくるまでの時間に基づいて決定される。
ローカル発振器64は、たとえば、24GHzの搬送波を生成し、生成した搬送波をミキサ63へ出力する。ミキサ63は、パルス発生器62から受ける送信パルス信号Pt1〜Pt3とローカル発振器64から受ける搬送波とを乗算することにより一群のパルス波である送信波Txp1〜Txp3をそれぞれ生成し、生成した送信波Txp1〜Txp3をパワーアンプ33へ出力する。
パワーアンプ33は、たとえば、増幅率制御部81により増幅率がGnに設定された場合、ミキサ63から受ける送信波Txp1〜Txp3を増幅率Gnで増幅し、増幅後の送信波Txp1〜Txp3をそれぞれ送信アンテナ11経由で通常対象エリアAn1へ送信する。また、パワーアンプ33は、たとえば、増幅率制御部81により増幅率がGeに設定された場合、ミキサ63から受ける送信波Txp1〜Txp3を増幅率Geで増幅し、増幅後の送信波Txp1〜Txp3をそれぞれ送信アンテナ11経由で拡大対象エリアAe1へ送信する。
[電波の受信処理]
再び図24を参照して、受信部302は、対象エリアからの電波を受信する。より詳細には、受信部302における受信アンテナ13は、対象エリアにおける対象物Tgtが送信波Txp1〜Txp3をそれぞれ反射することにより生成されるパルス電波群すなわち反射波Rxp1〜Rxp3を受信する。
図29は、本発明の第2の実施の形態に係る受信部における受信波処理部の構成を示す図である。
図29を参照して、受信波処理部312は、ローノイズアンプ41と、ミキサ42と、IFアンプ43と、ローカル発振器46と、検波器47とを含む。受信波処理部312におけるローノイズアンプ41、ミキサ42およびIFアンプ43の動作は、図8に示す受信波処理部12におけるローノイズアンプ41、ミキサ42およびIFアンプ43と同様である。
受信波処理部312におけるローノイズアンプ41は、受信アンテナ13が受信した反射波Rxp1〜Rxp3を増幅し、ミキサ42へ出力する。
ローカル発振器46は、たとえば、24GHzのローカル信号を生成し、生成したローカル信号をミキサ42へ出力する。ミキサ42は、ローノイズアンプ41から受ける反射波Rxp1〜Rxp3とローカル発振器46から受けるローカル信号とを乗算することにより、ローカル信号の周波数成分と反射波Rxp1〜Rxp3の周波数成分との差の周波数成分を有する差分信号および両周波数成分の和の周波数成分を有する和周波信号を生成する。
IFアンプ43は、ミキサ42において生成された差分信号および和周波信号のうち差分信号を大きな増幅率で増幅し、増幅した差分信号を検波器47へ出力する。
検波器47は、IFアンプ43から受ける差分信号を検波することにより図28に示す受信パルス信号Pr1〜Pr3を生成し、生成した受信パルス信号Pr1〜Pr3を検知部304へ出力する。
[検知処理]
図30は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサにおける検知部の構成を示す図である。
図30を参照して、検知部304は、時間比較部51と、強度取得部52と、距離算出部53と、測定結果判断部54とを含む。
検知部304は、受信部302によって受信された電波に基づいて、対象エリアにおける対象物Tgtを検知するための検知処理を行う。より詳細には、検知部304は、たとえば、受信部302によって受信された、対象エリアからの反射波Rxp1〜Rxp3に基づいて上記検知処理を行う。
具体的には、検知部304における強度取得部52は、たとえば、受信波処理部312における検波器47から受ける受信パルス信号Pr1〜Pr3の各々のレベルLpr1〜Lpr3すなわち強度を取得し、取得した強度を測定結果判断部54へ出力する。
時間比較部51は、送信部301から送信パルス信号Pt1〜Pt3を受けた後、検波器47から受信パルス信号Pr1〜Pr3をそれぞれ受けるまでに要する時間差β1〜β3を算出し、算出した時間差β1〜β3を距離算出部53へ出力する。
距離算出部53は、時間比較部51から受ける時間差β1〜β3に基づいて距離Lを算出する。具体的には、距離算出部53は、たとえば、c×β1/2、c×β2/2およびc×β3/2の平均を距離Lとして算出し、算出結果を測定結果判断部54へ出力する。
測定結果判断部54は、強度取得部52から受ける強度および距離算出部53から受ける距離Lに基づいて、対象エリアにおける対象物Tgtを検知する。
測定結果判断部54は、たとえば、対象エリアにおける対象物Tgtを検知すると、対象物検知情報を制御部5および信号制御装置151へ出力する。また、測定結果判断部54は、たとえば、対象エリアにおける対象物Tgtを検知していない場合、対象物不検知情報を制御部5および信号制御装置151へ出力する。
なお、検知部304は、たとえば、距離Lの時間変化に基づいて対象物Tgtの移動速度を取得し、取得した移動速度ならびに、強度および距離Lに基づいて、対象エリアにおける対象物Tgtを検知してもよい。
なお、本発明の第2の実施の形態に係る送信部は、3つのパルス電波を含むパルス電波群を繰り返し送信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。送信部は、たとえば、1つのパルス電波を繰り返し送信する構成であってもよいし、2つまたは4つ以上のパルス電波を含むパルス電波群を繰り返し送信する構成であってもよい。
[電波センサ104の変形例1]
図31は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサの変形例の構成を示す図である。
図31を参照して、図24に示す電波センサ104の変形例である電波センサ105は、電波センサ104と比べて、送信部301および制御部5の代わりに、送信部306および制御部7を備える。
送信部306は、図24に示す送信部301と比べて、送信アンテナ11の代わりに、遠方用送信アンテナ15および通常用送信アンテナ16を含み、さらに、アンテナスイッチ14を含む。なお、遠方用送信アンテナ15および通常用送信アンテナ16は、電波センサ105が備える構成に限らず、電波センサ105の外部に設けられてもよい。
受信部302および検知部304の動作は、図24に示す受信部302および検知部304とそれぞれ同様である。制御部7の動作は、図12に示す電波センサ102における制御部7と同様である。
送信部306におけるアンテナスイッチ14、遠方用送信アンテナ15および通常用送信アンテナ16の動作は、図12に示す送信部6におけるアンテナスイッチ14、遠方用送信アンテナ15および通常用送信アンテナ16とそれぞれ同様である。送信部306における送信波処理部310の動作は、図24に示す送信部301における送信波処理部310と同様である。なお、送信波処理部310におけるパワーアンプ33の増幅率はたとえば固定値が設定される。
図32は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサの変形例による動作モードの変更の一例を示す図である。図32には、図26と同様に、たとえば時刻(t3+68)ミリ秒において動作モードが通常検知モードから拡大検知モードへ切り替わる場合の動作が示される。図32に示す送信パルス信号のレベルLpの時間変化は、図26に示す送信パルス信号のレベルLpの時間変化と同様である。
図33は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサの変形例による動作モードの変更の一例を示す図である。図33には、図27と同様に、たとえば時刻(t4+125)ミリ秒において動作モードが拡大検知モードから通常検知モードへ切り替わる場合の動作が示される。図33に示す送信パルス信号のレベルLpの時間変化は、図27に示す送信パルス信号のレベルLpの時間変化と同様である。
図31〜図33を参照して、図13に示す制御部7におけるアンテナ切替制御部86は、たとえば、送信部306におけるアンテナスイッチ14を実行間隔の種類に応じて切り替え、送信部306におけるアンテナの指向性を変更することで対象エリアの範囲を変更する。
より詳細には、アンテナ切替制御部86は、たとえば、図32および図33に示すように、通常実行間隔Inに基づく期間において、送信波処理部310におけるパワーアンプ33の出力端と通常用送信アンテナ16とを電気的に接続する。したがって、当該期間において、たとえば、所定の電力のパルス電波群が通常用送信アンテナ16から図1および図7に示す通常対象エリアAn1へ送信される。
また、アンテナ切替制御部86は、たとえば、図32および図33に示すように、拡大実行間隔Ieに基づく期間において、パワーアンプ33の出力端と遠方用送信アンテナ15とを電気的に接続する。したがって、当該期間において、たとえば、当該所定の電力のパルス電波群が遠方用送信アンテナ15から図7に示す拡大対象エリアAe2へ送信される。
[電波センサ104の変形例2]
図34は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサの変形例の構成を示す図である。
図34を参照して、図24に示す電波センサ104の変形例である電波センサ106は、電波センサ104と比べて、送信部301および制御部5の代わりに、送信部308および制御部9を備える。
送信部308は、図24に示す送信部301と比べて、送信アンテナ11の代わりに、チルト可変送信アンテナ18を含む。なお、チルト可変送信アンテナ18は、電波センサ106が備える構成に限らず、電波センサ106の外部に設けられてもよい。
受信部302および検知部304の動作は、図24に示す受信部302および検知部304とそれぞれ同様である。制御部9の動作は、図16に示す電波センサ103における制御部9と同様である。
送信部308におけるチルト可変送信アンテナ18の動作は、図16に示す送信部8におけるチルト可変送信アンテナ18と同様である。送信部308における送信波処理部310の動作は、図24に示す送信部301における送信波処理部310と同様である。なお、送信波処理部310におけるパワーアンプ33の増幅率はたとえば固定値が設定される。
図35は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサの変形例による動作モードの変更の一例を示す図である。図35には、図26と同様に、たとえば時刻(t3+68)ミリ秒において動作モードが通常検知モードから拡大検知モードへ切り替わる場合の動作が示される。図35に示す送信パルス信号のレベルLpの時間変化は、図26に示す送信パルス信号のレベルLpの時間変化と同様である。
図36は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサの変形例による動作モードの変更の一例を示す図である。図36には、図27と同様に、たとえば時刻(t4+125)ミリ秒において動作モードが拡大検知モードから通常検知モードへ切り替わる場合の動作が示される。図36に示す送信パルス信号のレベルLpの時間変化は、図27に示す送信パルス信号のレベルLpの時間変化と同様である。
図34〜図36を参照して、図17に示す制御部9におけるチルト角制御部87は、たとえば、送信部308におけるチルト可変送信アンテナ18のチルト角を実行間隔の種類に応じて切り替え、送信部308におけるアンテナの向きを変更することで対象エリアの範囲を変更する。
具体的には、チルト角制御部87は、たとえば、図35および図36に示すように、通常実行間隔Inに基づく期間において、チルト可変送信アンテナ18のチルト角をαnに設定することにより、指向性の方向Dnが図1、図7および図20に示す横断歩道PC1の略中央の位置Cnに向くように設定する。
したがって、当該期間において、たとえば、所定の電力のパルス電波群がチルト角αnのチルト可変送信アンテナ18から図1および図7に示す通常対象エリアAn1へ送信される。
また、チルト角制御部87は、たとえば、図35および図36に示すように、拡大実行間隔Ieに基づく期間において、チルト可変送信アンテナ18のチルト角をαeに設定することにより、指向性の方向Deが図1、図7および図20に示す位置Ceに向くように設定する。
したがって、当該期間において、たとえば、当該所定の電力のパルス電波群がチルト角αeのチルト可変送信アンテナ18から図1および図7に示す拡大対象エリアAe1へ送信される。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサでは、送信部301、306および308は、パルス状の電波であるパルス電波を繰り返し送信する。制御部5、7および9は、検知処理の結果に基づいてパルス電波の送信間隔を変更することで上記実行間隔を変更する。
このように、繰り返し送信されるパルス電波の送信間隔を検知処理の結果に応じて変更する構成により、検知処理の精度が劣化することを回避しながら消費電力を抑制することができる。
なお、本発明の第1の実施の形態〜第2の実施の形態に係る各装置の構成要素および動作のうち、一部または全部を適宜組み合わせることも可能である。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
対象エリアへ電波を送信する送信部と、
前記対象エリアからの電波を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された電波に基づいて、前記対象エリアにおける対象物を検知するための検知処理を行う検知部と、
前記検知処理の結果に基づいて、前記検知処理の実行間隔を変更する制御を行う制御部とを備え、
前記送信部は、2周波CW方式またはパルス方式に従って、前記対象エリアへ電波を送信し、
前記対象エリアは、横断歩道であり、
前記対象物は、歩行者であり、
前記制御部は、前記検知処理の結果に基づいて、通常実行間隔と前記通常実行間隔より長い拡大実行間隔とを切り替える、電波センサ。
1,6,8,301,306,308 送信部
2,302 受信部
3 信号処理部
4,304 検知部
5,7,9 制御部
10,310 送信波処理部
11 送信アンテナ
12,312 受信波処理部
13 受信アンテナ
14 アンテナスイッチ
15 遠方用送信アンテナ
16 通常用送信アンテナ
18 チルト可変送信アンテナ
31 電波生成部
32 方向性結合器
33 パワーアンプ
35 周波数切替部
36 電圧発生部
37 電圧制御発振器
41 ローノイズアンプ
42 ミキサ
43 IFアンプ
44 ローパスフィルタ
45 A/Dコンバータ
46 ローカル発振器
47 検波器
51 時間比較部
52 強度取得部
53 距離算出部
54 測定結果判断部
61 電波生成部
62 パルス発生器
63 ミキサ
64 ローカル発振器
71 バッファ制御部
72 第1バッファ
73 第2バッファ
74 FFT処理部
76 スペクトル分析部
77 分析結果判断部
80 供給電力断続部
81 増幅率制御部
82 総合判断部
83 電池残量測定部
84 モード設定部
85 実行間隔設定部
86 アンテナ切替制御部
87 チルト角制御部
101,102,103,104,105,106 電波センサ
121 発電部
151 信号制御装置
161 歩行者用信号灯器
201 信号制御システム
B1 バッテリー

Claims (14)

  1. 対象エリアへ電波を送信する送信部と、
    前記対象エリアからの電波を受信する受信部と、
    前記受信部によって受信された電波に基づいて、前記対象エリアにおける対象物を検知するための検知処理を行う検知部と、
    前記検知処理の結果に基づいて、前記検知処理の実行間隔を変更する制御を行う制御部とを備える、電波センサ。
  2. 前記送信部は、第1の期間において電波を連続的に送信し、第2の期間において電波の送信を停止し、前記第1の期間および前記第2の期間を交互に繰り返し、
    前記制御部は、前記検知処理の結果に基づいて前記第2の期間の長さを変更することで前記実行間隔を変更する、請求項1に記載の電波センサ。
  3. 前記送信部は、パルス状の電波であるパルス電波を繰り返し送信し、
    前記制御部は、前記検知処理の結果に基づいて前記パルス電波の送信間隔を変更することで前記実行間隔を変更する、請求項1に記載の電波センサ。
  4. 前記制御部は、前記検知部によって前記対象物が検知されていない状態から検知された状態へ遷移したか否かについての判断を行い、前記判断の結果に基づいて前記実行間隔を短くする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電波センサ。
  5. 前記制御部は、前記検知部によって前記対象物が検知された状態から検知されていない状態へ遷移したか否かについての判断を行い、前記判断の結果に基づいて前記実行間隔を長くする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電波センサ。
  6. 前記制御部は、前記検知処理の結果に関する条件を含む所定条件が満たされるか否かに応じて、前記対象エリアの範囲を変更する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電波センサ。
  7. 前記制御部は、前記送信部の送信電力を変更することにより前記対象エリアの範囲を変更する、請求項6に記載の電波センサ。
  8. 前記制御部は、前記送信部におけるアンテナの指向性を変更することにより前記対象エリアの範囲を変更する、請求項6または請求項7に記載の電波センサ。
  9. 前記制御部は、前記送信部におけるアンテナの向きを変更することにより前記対象エリアの範囲を変更する、請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の電波センサ。
  10. 前記制御部は、前記検知処理を行うための回路への電力供給の停止期間を変更することにより、前記実行間隔を変更する、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の電波センサ。
  11. 前記電波センサは、さらに、
    バッテリーを備え、
    前記制御部は、前記バッテリーの残量および前記検知処理の結果に基づいて、前記検知処理の実行間隔を変更する制御を行う、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電波センサ。
  12. 前記電波センサは、さらに、
    バッテリーを備え、
    前記制御部は、前記バッテリーの残量に基づいて、前記電力供給の停止に関する判断を行う、請求項10に記載の電波センサ。
  13. 電波センサにおける検知方法であって、
    対象エリアへ電波を送信するステップと、
    前記対象エリアからの電波を受信するステップと、
    受信した電波に基づいて、前記対象エリアにおける対象物を検知するための検知処理を行うステップと、
    前記検知処理の結果に基づいて、前記検知処理の実行間隔を変更する制御を行うステップとを含む、検知方法。
  14. 対象エリアへ電波を送信し、前記対象エリアからの電波を受信する電波センサにおいて用いられる検知プログラムであって、
    コンピュータに、
    受信した電波に基づいて、前記対象エリアにおける対象物を検知するための検知処理を行うステップと、
    前記検知処理の結果に基づいて、前記検知処理の実行間隔を変更する制御を行うステップとを実行させるための、検知プログラム。
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