JP2018179528A - スライムリスク評価方法、水質測定装置、及び水処理システム - Google Patents

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敦行 真鍋
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純一 中島
伸司 松友
Shinji Matsutomo
伸司 松友
隆 二宮
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隆 二宮
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Abstract

【課題】水処理システムにおけるスライム傾向の、より正確な評価が可能なスライムリスク評価方法を提供する。
【解決手段】未加温の原水のATP(アデノシン−5’−三リン酸)値である第1ATP値を測定する工程と、所定時間加温した原水のATP値である第2ATP値を測定する工程と、前記第1ATP値に基づいて、原水中の菌数を評価する工程と、前記第1ATP値と前記第2ATP値との差分に基づいて、原水中の栄養分を評価する工程と、前記菌数及び前記栄養分に基づいて、原水のスライムリスクを評価する工程とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、スライムリスク評価方法、水質測定装置、及び水処理システムに関する。
例えば、食品工場、機械工場、化学工場等の洗浄工程等においては、不純物を含まない高純度の純水が使用される。この種の純水を製造するため、水処理システムにおいて、逆浸透膜(以下、「RO膜」ともいう)を用いることにより、供給水から、塩分、重金属イオン、溶解シリカ、硝酸性窒素、細菌類、変異原性物質、有機塩素化合物等を取り除くことができる。しかし、逆浸透膜の使用においては、生物汚染による目詰まり、すなわち逆浸透膜の表面におけるスライムやバイオフィルム等の生成によって逆浸透膜が閉塞してしまう問題が存在する。
また、工場、事業所、ビル等において、冷却塔からの冷却水を取り込み、熱交換を行う冷凍機が用いられることがある。冷凍機においては、冷媒ガスを液体の冷媒に戻す凝縮器内や、冷却水が流れる配管内に、スライムやバイオフィルム等が付着すると、熱交換効率が低下して凝縮温度が上がり、冷媒ガスに圧力をかける圧縮機の消費電力が増大してしまう。
従って、RO膜における透過流束の確保や、冷却水系における熱交換効率の維持のためには、スライム傾向を監視した上で、スライム抑制に向けたスライムコントロール剤の選定やその濃度の調整、濃縮管理等の運転制御をする必要がある。
スライム傾向を判断する材料の一つとして、RO膜を備える水処理システムや、冷却水系を循環する循環水中の菌数を検知するために、例えば、特許文献1に開示されるようなATP定量法が用いられている。
特許3409962号公報
しかし、特許文献1は、試料中の単なるATP量を検知する方法を開示するのみであり、水処理システムを循環する循環水の、スライム傾向のポテンシャルを評価するものではなかった。
従って、本発明は、水処理システムにおけるスライム傾向の、より正確な評価が可能なスライムリスク評価方法を提供することを目的とする。
本発明は、スライムリスク評価方法であって、未加温の原水のATP(アデノシン−5’−三リン酸)値である第1ATP値を測定する工程と、所定時間加温した原水のATP値である第2ATP値を測定する工程と、前記第1ATP値に基づいて、原水中の菌数を評価する工程と、前記第1ATP値と前記第2ATP値との差分に基づいて、原水中の栄養分を評価する工程と、前記菌数及び前記栄養分に基づいて、原水のスライムリスクを評価する工程とを有する、スライムリスク評価方法に関する。
また、上記のスライムリスク評価方法において、前記第1ATP値及び前記第2ATP値の測定時には、AMP(アデノシン−一リン酸)からATPへの変換試薬を用いて、原水中のAMPをATPに変換した上で、前記第1ATP値及び前記第2ATP値を測定することが好ましい。
また、本発明は、上記のスライムリスク評価方法において、前記第1ATP値及び前記第2ATP値を測定する際に用いられる水質測定装置であって、原水を収容すると共に、光を透過する壁を有する原水収容部と、前記原水収容部を加温する加温部と、細胞溶解液を収容する細胞溶解液収容部と、発光試薬を収容する発光試薬収容部と、前記細胞溶解液収容部から前記原水収容部に前記細胞溶解液を供給し、前記発光試薬収容部から前記原水収容部に前記発光試薬を供給する供給手段と、前記発光試薬の添加により発光する、前記原水の光強度を検知する光強度検知部と、前記供給手段を制御することにより、前記原水収容部の原水に前記細胞溶解液及び前記発光試薬を添加し、前記光強度検知部が検知した光強度に基づいて、未加温の原水のATP値である前記第1ATP値と、更に前記加温部を制御することにより所定時間加温した原水のATP値である前記第2ATP値とを算出する制御部とを備える、水質測定装置に関する。
また、上記の水質測定装置において、前記原水収容部に供給する、AMPからATPへの変換試薬を収容する変換試薬収容部を更に備え、前記ポンプは、更に、前記原水収容部に前記変換試薬を供給し、前記制御部は、前記供給手段を制御することにより、前記原水収容部の原水に、前記変換試薬を添加することが好ましい。
また、本発明は、上記の水質測定装置を備え、系内の循環水又は系外へ排出される排水の水質を測定することにより、スライムリスクを評価する水処理システムに関する。
本発明によれば、単なる原水のATP値だけではなく、所定時間加温した原水のATP値をも測定することにより、元々の原水に含まれる菌数に加えて、原水中に含まれる栄養分量をも評価することが可能となる。これにより、原水のスライムリスクを、より正確に評価することが可能となる。
本発明の実施形態に係る水質測定装置の全体構成図である。 本発明の実施形態に係る水質測定装置の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る水質測定装置の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る第1の水処理システムの全体構成図である。 本発明の実施形態に係る第1の水処理システムの処理手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る第2の水処理システムの全体構成図である。
<水質測定装置の構成>
以下、本発明の実施形態である水質測定装置100の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、水質測定装置100の全体構成図である。
図1に示すように、水質測定装置100は、主として、給水バルブ130と、測定セル140と、センサ制御部150と、センサ表示部159と、指示薬注入部160と、光強度検知部170と、攪拌部180と、検査水導入ラインである給水ラインL61と、検査水排出ラインである排水ラインL62と、を備える。
測定セル140は、ATP量を測定する検査水(原水)W1を収容する容器である。測定セル140は、不透明の樹脂材料により形成されている。測定セル140は、その側壁に光透過壁141を有する。光透過壁141には、透明な板材141aが嵌め込まれている。また、測定セル140は、その底部に、測定セル140に収容された検査水W1を加温するための、加温部142を有する。なお、以降では、測定セル140を「原水収容部」とも呼称する。
給水ラインL61は、測定セル140への検査水W1の導入を行う。給水ラインL61には、給水バルブ130が設けられている。給水バルブ130は、検査水W1を採取する際に開かれる弁である。給水バルブ130の開閉は、センサ制御部150から出力される駆動信号により制御される。
排水ラインL62は、ATP量の測定が済んだ後に、測定セル140からの検査水W1、及び、細胞溶解液W2、発光試薬W3、変換試薬W4の排出を行うラインである。
指示薬注入部160は、指示薬カートリッジ161と、冷却部162と、ローラポンプ機構163と、を備える。更に、指示薬カートリッジ161は、細胞溶解液カートリッジ161aと、発光試薬カートリッジ161bと、変換試薬カートリッジ161cとを備える。
細胞溶解液カートリッジ161aは、細胞溶解液W2が充填された細胞溶解液パック(不図示)と、細胞溶解液パックに一端側が接続され且つ他端にノズルを有する弾性チューブとからなる注入体(不図示)とが収納された容器である。細胞溶解液は、ATP量を測定する前処理として、検査水W1に含まれる細胞を溶解するための液体であって、例えば、所定濃度の塩化ベンザルコニウムを含んでもよい。なお、ここでは、細胞溶解液カートリッジ161aのことを、「細胞溶解液収容部」とも呼称する。
発光試薬カートリッジ161bは、発光試薬W3が充填された発光試薬パック(不図示)と、発光試薬パックに一端側が接続され且つ他端にノズルを有する弾性チューブとからなる注入体(不図示)とが収納された容器である。発光試薬は、検査水W1に含まれるATPとの反応により発光を生成するための試薬であって、例えば、所定濃度のルシフェリン、ルシフェラーゼ、及び酢酸マグネシウムのうち1つ以上を含んでもよい。なお、ここでは、発光試薬カートリッジ161bのことを、「発光試薬収容部」とも呼称する。
変換試薬カートリッジ161cは、AMPをATPに変換する変換試薬W4が充填された変換試薬パック(不図示)と、変換試薬パックに一端側が接続され且つ他端にノズルを有する弾性チューブとからなる注入体(不図示)とが収納された容器である。変換試薬は、例えば、所定濃度のホスホエノールビルビン酸、及びピロリン酸のうち1つ以上を含んでもよい。なお、ここでは、変換試薬カートリッジ161cのことを、「変換試薬収容部」とも呼称する。
冷却部162は、指示薬カートリッジ161を冷却することにより、指示薬カートリッジ161に収納される、細胞溶解液W2、発光試薬W3、変換試薬W4を冷却する。冷却部162は、例えば、熱電素子の一種であるペルチェ素子を用いて実現してもよい。
ローラポンプ機構163の上部には、カートリッジ差込口164が設けられている。指示薬カートリッジ161は、カートリッジ差込口164に着脱自在に装着される。
ローラポンプ機構163は、ローラポンプ165を備える。ローラポンプ165を駆動して、指示薬カートリッジ161に収納された注入体の弾性チューブをしごくことにより、細胞溶解液パック内の細胞溶解液W2、発光試薬パック内の発光試薬W3、及び変換試薬パック内の変換試薬W4をノズルから測定セル140に向けて注入することができる。ローラポンプ165の駆動は、センサ制御部150から出力される駆動信号により制御される。なお、ここでは、ローラポンプ165のことを「供給手段」とも呼称する。
光強度検知部170は、検査水W1に対し、細胞溶解液W2及び発光試薬W3を添加したことにより生成する発光の強度を検知する設備である。光強度検知部170は、受光素子171と、受光基板172と、バンドパスフィルタ173とを備える。
受光素子171は、受光基板172に実装されている。受光素子171は、検査水W1への細胞溶解液W2と発光試薬W3の添加による、検査水W1からの発光を受光する素子である。受光素子171は、受光した発光の強度に対応した検出値信号をセンサ制御部150に出力する。
バンドパスフィルタ173は、測定セル140の側壁である光透過壁141の表面に実装されている。バンドパスフィルタ173により、検査水W1の発光のうち、特定の波長の光のみ透過させ、透過した光は、受光素子171で受光される。この特定の波長とは、例えば、ATPによる発光に対応する、556nmであってもよい。
攪拌部180は、測定セル140の内部に収容される検査水W1、細胞溶解液W2、発光試薬W3、及び変換試薬W4を攪拌する設備である。攪拌部180は、攪拌子181と、ステータコイル182と、を備える。攪拌子181は、測定セル140の底部に、回転可能に配置されている。ステータコイル182は、測定セル140の周囲を囲むようにリング状に形成された電磁誘導コイルである。ステータコイル182に駆動電流を供給すると、電磁誘導の作用により、測定セル140の底部に配置された攪拌子181が非接触で回転する。ステータコイル182の動作は、センサ制御部150から供給される駆動電流により制御される。
センサ表示部159は、測定した検査水W1の単位体積当たりのATPの含有量や水質測定装置100の動作状況等を表示する装置である。
センサ制御部150は、水質測定装置100の動作を制御する装置である。センサ制御部150は、加温部142を制御する。センサ制御部150は、光強度検知部170から受信する検出値信号に基づいて、単位体積当たりの検査水W1に含まれるATPの含有量を算出する。センサ制御部150は、単位体積当たりの検査水W1中のATPの含有量の算出値をセンサ表示部159に表示させる。
センサ制御部150は、光強度算出部151と、ATP量算出部152とを有する。
光強度算出部151は、光強度検知部170から受信した、発光の強度に対応する検出値信号に基づいて、検査水W1の発光強度を算出する。
ATP量算出部152は、光強度算出部151により算出された発光強度に基づいて、単位体積当たりの検査水W1中のATPの含有量を算出する。
<水質測定装置の動作>
以下、本発明の実施形態である水質測定装置100の動作について、図面を参照しながら説明する。図2は、水質測定装置100の第1の動作フローを示す図である。
ステップS11において、センサ制御部150の制御により、給水バルブ130を開き、測定セル140を検査水W1で満たした後、給水バルブ130を閉じる。
ステップS12において、センサ制御部150がローラポンプ165を制御することにより、測定セル140に細胞溶解液W2を供給する。これにより、測定セル140に収容される検査水W1中の菌の細胞は溶解する。
ステップS13において、センサ制御部150がローラポンプ165を制御することにより、測定セル140に発光試薬W3を供給する。これにより、検査水W1に含まれていた生菌の細胞内に存在したATPと発光試薬W3とが反応して、検査水W1は発光する。
ステップS14において、光強度検知部170が、検査水W1の発光の強度を検知し、センサ制御部150に検出値信号を送信する。更に、センサ制御部150の光強度算出部151が、光強度検知部170から受信した検出値信号に基づいて、光強度を算出する。
ステップS15において、光強度算出部151が算出した光強度に基づいて、センサ制御部150のATP量算出部152が、測定セル140に収納される検査水W1が含むATP量である、第1ATP値を算出する。ここで、第1ATP値は、検査水W1に当初から含まれていた生菌の菌数に対応する。
ステップS16において、センサ制御部150の制御により、給水バルブ130を再度開き、オーバーフローにより、測定セル140内の検査水W1を入れ替える。
ステップS17において、センサ制御部150の制御により、加温部142が測定セル140を、所定時間、所定の温度に加温する。例えば、30分間、36℃に加温してもよい。これにより、検査水W1に含まれている生菌が、検査水W1中の栄養分を用いて増殖する。
ステップS18において、センサ制御部150がローラポンプ165を制御することにより、測定セル140に細胞溶解液W2を供給する。これにより、測定セル140に収容される検査水W1中の、培養後の菌の細胞は溶解する。
ステップS19において、センサ制御部150がローラポンプ165を制御することにより、測定セル140に発光試薬W3を供給する。これにより、検査水W1に含まれていた培養後の生菌の細胞内に存在したATPと発光試薬W3とが反応して、検査水W1は発光する。
ステップS20において、光強度検知部170が、検査水W1の発光の強度を検知し、センサ制御部150に検出値信号を送信する。更に、センサ制御部150の光強度算出部151が、光強度検知部170から受信した検出値信号に基づいて、光強度を算出する。
ステップS21において、光強度算出部151が算出した光強度に基づいて、センサ制御部150のATP量算出部152が、測定セル140に収納される検査水W1が含むATP量である、第2ATP値を算出し、処理を終了する。ここで、第1ATP値と第2ATP値との差分は、検査水W1に含まれていた栄養分の量に対応する。
図3は、水質測定装置100の第2の動作フローを示す図である。第2の動作フローは、第1の動作フローに対し、変換試薬W4を測定セル140に供給することにより、検査水W1中のAMPをATPに変換するステップが加わる。
ステップS31において、センサ制御部150の制御により、給水バルブ130を開き、測定セル140を検査水W1で満たした後、給水バルブ130を閉じる。
ステップS32において、センサ制御部150がローラポンプ165を制御することにより、測定セル140に細胞溶解液W2を供給する。これにより、測定セル140に収容される検査水W1中の生菌及び死菌の双方の細胞は溶解する。
ステップS33において、センサ制御部150がローラポンプ165を制御することにより、測定セル140に変換試薬W4を供給する。これにより、測定セル140に収容される検査水W1中の死菌の細胞内に存在したAMPがATPに変換される。
ステップS34において、センサ制御部150がローラポンプ165を制御することにより、測定セル140に発光試薬W3を供給する。これにより、検査水W1に含まれていた生菌の細胞内に存在したATP、及び死菌の細胞内に存在したAMPから変換されたATPと、発光試薬W3とが反応して、検査水W1は発光する。
ステップS35において、光強度検知部170が、検査水W1の発光の強度を検知し、センサ制御部150に検出値信号を送信する。更に、センサ制御部150の光強度算出部151が、光強度検知部170から受信した検出値信号に基づいて、光強度を算出する。
ステップS36において、光強度算出部151が算出した光強度に基づいて、センサ制御部150のATP量算出部152が、測定セル140に収納される検査水W1が含むATP量である、第1ATP値を算出する。ここで、第1ATP値は、検査水W1に当初から含まれていた生菌の菌数と死菌の菌数の合計に対応する。
ステップS37において、センサ制御部150の制御により、給水バルブ130を再度開き、オーバーフローにより、測定セル140内の検査水W1を入れ替える。
ステップS38において、センサ制御部150の制御により、加温部142が測定セル140を、所定時間、所定の温度に加温する。例えば、30分間、36℃に加温する。これにより、検査水W1に含まれている生菌が、検査水W1中の栄養分を用いて増殖する。
ステップS39において、センサ制御部150がローラポンプ165を制御することにより、測定セル140に細胞溶解液W2を供給する。これにより、測定セル140に収容される検査水W1中の生菌及び死菌の双方の細胞は溶解する。
ステップS40において、センサ制御部150がローラポンプ165を制御することにより、測定セル140に変換試薬W4を供給する。これにより、測定セル140に収容される検査水W1中の死菌の細胞内に存在したAMPがATPに変換される。
ステップS41において、センサ制御部150がローラポンプ165を制御することにより、測定セル140に発光試薬W3を供給する。これにより、検査水W1に含まれていた生菌の細胞内に存在したATP、及び死菌の細胞内に存在したAMPから変換されたATPと、発光試薬W3とが反応して、検査水W1は発光する。
ステップS42において、光強度検知部170が、検査水W1の発光の強度を検知し、センサ制御部150に検出値信号を送信する。更に、センサ制御部150の光強度算出部151が、光強度検知部170から受信した検出値信号に基づいて、光強度を算出する。
ステップS43において、光強度算出部151が算出した光強度に基づいて、センサ制御部150のATP量算出部152が、測定セル140に収納される検査水W1が含むATP量である、第2ATP値を算出し、処理を終了する。ここで、第1ATP値と第2ATP値との差分は、検査水W1に含まれていた栄養分の量に対応する。
生菌の数のみ評価したい場合は、上記の第1のフローを実行し、例えば、スライムコントロール剤の効果を判断するために、生菌の数に加えて死菌の数も評価したい場合は、上記の第2のフローを実行する。
<水質測定装置を備える逆浸透膜システム>
以下、本発明の実施形態である水質測定装置100を備える逆浸透膜(RO膜)システムについて、図面を参照しながら説明する。図4は、水質測定装置100と逆浸透膜モジュール7とを備える逆浸透膜システムである、水処理システム1の全体構成図である。
図4に示すように、水処理システム1は、前処理装置3と、薬剤添加装置4と、加圧ポンプ5と、インバータ6と、逆浸透膜モジュール7と、定流量弁8と、比例制御排水弁9と、流量センサFMと、制御部30と、を備える。更に、図3は、水質測定装置100A〜100Cを示すが、水処理システム1は、これらの水質測定装置100A〜100Cの全てを備えてもよく、一部のみ備えてもよい。なお、制御部30と被制御対象機器との電気的接続線の図示については、省略している。
水処理システム1は、ラインとして、供給水ラインL1と、透過水ラインL2と、濃縮水ラインL3と、循環水ラインL4と、濃縮排水ラインL5と、を備える。「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。また、その由来(出所)やその水質によらず、供給水ラインL1、濃縮水ラインL3又は循環水ラインL4を流通する水を、「供給水」ともいい、濃縮水ラインL3、循環水ラインL4又は濃縮排水ラインL5を流通する水を、「濃縮水」ともいう。
供給水ラインL1は、原水W11及び供給水W12を逆浸透膜モジュール7に向けて供給するラインである。供給水ラインL1は、上流側から下流側に向けて、第1供給水ラインL11と、第2供給水ラインL12とを有する。
第1供給水ラインL11の上流側の端部は、原水W11の水源2に接続されている。第1供給水ラインL11の下流側の端部は、接続部J1において、第2供給水ラインL12及び循環水ラインL4に接続されている。なお、第1供給水ラインL11を流通する原水W11を「供給水W11」ともいう。第1供給水ラインL11には、前処理装置3が設けられる。
前処理装置3は、供給水W11を前処理する装置であり、たとえば供給水W11をろ過するろ過装置であってもよい。
第2供給水ラインL12の上流側の端部は、接続部J1に接続されている。第2供給水ラインL12の下流側の端部は、逆浸透膜モジュール7の一次側入口ポートに接続されている。なお、第2供給水ラインL12を流通する水を「供給水W12」ともいう。第2供給水ラインL12には、薬剤添加装置4、及び加圧ポンプ5が設けられる。
薬剤添加装置4は、薬剤として、スライムコントロール剤を、第2供給水ラインL12を流通する供給水W12に添加する装置である。とりわけ、後述のように、制御部30がスライムリスクを評価した後、薬剤添加装置4は、このスライムリスクに応じて、スライムコントロール剤を供給水W12に添加する。なお、スライムコントロール剤は、固形状でもよく、液体状でもよい。
加圧ポンプ5は、供給水W12を吸入し、逆浸透膜モジュール7に向けて圧送(吐出)する装置である。加圧ポンプ5には、インバータ6から周波数が変換された駆動電力が供給される。加圧ポンプ5は、供給(入力)された駆動電力の周波数(以下、「駆動周波数」ともいう)に応じた回転速度で駆動される。
インバータ6は、加圧ポンプ5に、周波数が変換された駆動電力を供給する電気回路(又はその回路を持つ装置)である。インバータ6は、制御部30と電気的に接続されている。インバータ6には、制御部30から指令信号が入力される。インバータ6は、制御部30により入力された指令信号(電流値信号又は電圧値信号)に対応する駆動周波数の駆動電力を加圧ポンプ5に出力する。
供給水W12は、加圧ポンプ5を介して逆浸透膜モジュール7に供給される。また、供給水W12は、供給水W11及び循環水W40(後述)からなる。
逆浸透膜モジュール7は、供給水W12を透過水W20と濃縮水W30とに分離する設備である。詳細には、逆浸透膜モジュール7は、加圧ポンプ5から吐出された供給水W12を、溶存塩類が除去された透過水W20と、溶存塩類が濃縮された濃縮水W30とに膜分離処理する設備である。逆浸透膜モジュール7は、単一又は複数の逆浸透膜エレメント(図示せず)を備える。逆浸透膜モジュール7は、これら逆浸透膜エレメントにより供給水W12を膜分離処理し、透過水W20と濃縮水W30とを製造する。
透過水ラインL2は、逆浸透膜モジュール7で分離された透過水W20を送出するラインである。透過水ラインL2の上流側の端部は、逆浸透膜モジュール7の二次側ポートに接続されている。透過水ラインL2の下流側の端部は、貯留タンク(図示せず)に接続されている。透過水ラインL2には、流量センサFMが設けられる。
流量センサFMは、透過水ラインL2を流通する透過水W20の流量を検出する機器である。流量センサFMは、制御部30と電気的に接続されている。流量センサFMで検出された透過水W20の流量(以下、「検出流量値」ともいう)は、制御部30にパルス信号として送信される。
濃縮水ラインL3は、逆浸透膜モジュール7で分離された濃縮水W30が流通するラインである。濃縮水ラインL3の上流側の端部は、逆浸透膜モジュール7の一次側出口ポートに接続されている。また、濃縮水ラインL3の下流側は、接続部J2において、循環水ラインL4及び濃縮排水ラインL5に分岐している。
循環水ラインL4は、濃縮水ラインL3に接続され、供給水としての濃縮水(循環水W40)を供給水ラインL1に返送するラインである。本実施形態においては、循環水ラインL4は、濃縮水ラインL3を流通する濃縮水W30を循環水W40として、供給水ラインL1における加圧ポンプ5よりも上流側に返送(循環)させるラインである。循環水ラインL4の上流側の端部は、接続部J2において濃縮水ラインL3に接続されている。また、循環水ラインL4の下流側の端部は、接続部J1において、供給水ラインL1に接続されている。循環水ラインL4には、定流量弁8が設けられる。
定流量弁8は、循環水ラインL4を流通する循環水W40の流量を所定の一定流量値に保持するように調節する機器である。定流量弁8において保持される「一定流量値」とは、一定流量値に幅がある概念であり、定流量弁における目標流量値のみに限られない。例えば、定流量機構の特性(例えば、材質や構造に起因する温度特性等)を考慮して、定流量弁における目標流量値に対して、±10%程度の調節誤差を有するものを含む。定流量弁8は、補助動力や外部操作を必要とせずに一定流量値を保持するものであり、例えば、水ガバナの名称で呼ばれるものが挙げられる。なお、定流量弁8は、補助動力や外部操作により動作して、一定流量値を保持するものでもよい。
濃縮排水ラインL5は、濃縮水ラインL3に接続され、濃縮排水W50としての濃縮水を系外へ排出するラインである。本実施形態においては、濃縮排水ラインL5は、接続部J2において濃縮水ラインL3に接続され、逆浸透膜モジュール7で分離された濃縮水W30を、濃縮排水W50として装置外(系外)に排出するラインである。濃縮排水ラインL5には、比例制御排水弁9が設けられる。
比例制御排水弁9は、濃縮排水ラインL5から装置外に排出される濃縮排水W50の流量を調節する弁である。比例制御排水弁9は、制御部30と電気的に接続されている。比例制御排水弁9の弁開度は、制御部30から送信される駆動信号により制御される。制御部30から電流値信号(例えば、4〜20mA)を比例制御排水弁9に送信して、弁開度を制御することにより、濃縮排水W50の排水流量を調節することができる。
制御部30は、CPU及びメモリを含むマイクロプロセッサ(図示せず)により構成される。制御部30において、マイクロプロセッサのCPUは、メモリから読み出した所定のプログラムに従って、水処理システム1に係る各種の制御を実行する。以下、制御部30の機能の一部について説明する。
制御部30は、透過水W20の流量が予め設定された目標流量値となるように、透過水W20の検出流量値(系内の物理量)をフィードバック値として、加圧ポンプ5を駆動するための駆動周波数を演算し、駆動周波数の演算値に対応する指令信号(電流値信号又は電圧値信号)をインバータ6に出力する(以下、「流量フィードバック水量制御」ともいう)流量制御部として機能する。なお、流量フィードバック水量制御における駆動周波数の演算には、例えば、速度形デジタルPIDアルゴリズムを用いることができる。
上記のように、水処理システム1は、水質測定装置100を備え、水質測定装置100のセンサ制御部150は、制御部30に接続され、制御部30により制御される。ここで、本発明の水質測定装置100は、図4における100A〜100Cによって示されるように、前処理装置3の前段に設置することも可能であり(100A)、前処理装置3の後段に設置することも可能であり(100B)、濃縮排水ラインL5中に設置することも可能である(100C)。また、これらのうち1つの箇所に設置することも、2つの箇所に設置することも、3つ全ての箇所に設置することも可能である。更に、1台の水質測定装置100で、上記の3箇所のうち複数箇所から取水することも可能である。
水質測定装置100Aは、前処理装置3の前段における、単位体積の供給水W11当たりのATP量を測定することが可能である。更に、制御部30は、このATP量を用いて、水処理システム1のスライムリスクを評価することが可能である。
水質測定装置100Bは、前処理装置3の後段における、単位体積の供給水W11当たりのATP量を測定することが可能である。更に、制御部30は、このATP量を用いて、水処理システム1のスライムリスクを評価することが可能である。
水質測定装置100Cは、濃縮排水ラインL5における、単位体積の濃縮排水W50当たりのATP量を測定することが可能である。更に、制御部30は、このATP量を用いて、水処理システム1のスライムリスクを評価することが可能である。
上記のように、制御部30は、水処理システム1のスライムリスクを評価するが、これに加えて、評価したスライムリスクに基づいて、水処理システム1の運転を制御する。図5は、この制御部30の動作フローを示す図である。
ステップS51において、水質測定装置100が算出した第1ATP値に基づき、制御部30は、原水W1(供給水W11又は濃縮排水W50)中の菌数を評価する。
ステップS52において、水質測定装置100が算出した第1ATP値と第2ATP値との差分に基づいて、制御部30は、原水W1(供給水W11又は濃縮排水W50)中の栄養分の量を評価する。
ステップS53において、制御部30は、自身が評価した原水W1(供給水W11又は濃縮排水W50)中の菌数と栄養分の量とに基づいて、水処理システム1のスライムリスクを評価する。
ステップS54において、制御部30は、水処理システム1のスライムリスクに基づいて、薬剤添加装置4を制御する。具体的には、制御部30は、薬剤添加装置4から供給水W12に添加されるスライムコントロール剤の量や、添加の頻度を制御する。
ステップS55において、制御部30は、水処理システム1のスライムリスクに基づいて、比例制御排水弁9を制御することにより、水処理システム1から系外への濃縮排水の排出(ブロー)を制御する。その後、処理は終了する。
なお、上記のステップS54とステップS55とは、どちらか一方のみを実行してもよく、双方を実行してもよい。
<水質測定装置を備える冷却システム>
以下、本発明の実施形態である水質測定装置100を備える冷却システムについて、図面を参照しながら説明する。図6は、水質測定装置100と冷却塔12とを備える冷却システムである、水処理システム11の全体構成図である。
本実施形態の水処理システム11は、主な構成として、冷却塔12と、被冷却装置13と、スライムコントロール剤供給手段としての薬剤添加装置14と、制御部50と、水質測定装置100と、を備える。水処理システム1は、主なラインとして、補給水ラインL20と、循環水ラインL30と、排水ラインL40と、分岐ラインL50と、薬液ラインL60とを備える。なお、「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。また、図1において、制御部50と被制御対象装置との電気的接続線の図示については、省略している。
冷却塔12は、被冷却装置13へ供給するための循環水W22及び被冷却装置13から返送される循環水W22を冷却する設備である。詳細には、冷却塔12は、補給水W21が供給されると共に、補給水W21を循環水W22として被冷却装置13へ供給し、被冷却装置13から返送される循環水W22を冷却する設備である。冷却塔12は、塔本体15と、貯留部16と、を備える。また、冷却塔12には、補給水ラインL20と、循環水ラインL30と、排水ラインL40と、薬液ラインL60と、が接続されている。
塔本体15は、冷却塔12の外郭を形成する筐体である。塔本体15は、散水部、ファン、開口部、ルーバー、充填材等からなる循環水冷却部(図示せず)を有する。塔本体15の下部には、貯留部16が設けられている。循環水W22は、循環水冷却部により冷却され、貯留部16に落下する。
貯留部16は、補給水ラインL20から補給される補給水W21と、上記の循環水冷却部で冷却された循環水W22とを貯留する部位である。貯留部16は、塔本体15の下部に設けられている。貯留部16の底部には、循環水ラインL30(詳細には、第1循環水ラインL31)が接続されている。貯留部16に貯留された循環水W22は、第1循環水ラインL31を介して被冷却装置13へ供給される。また、貯留部16の内部には、排水ラインL40の上流側の端部としてのオーバフロー口17が配置されている。貯留部16には、給水栓18が設けられている。
水処理システム11は、補給水W21を供給源(図示せず)から冷却塔12に供給するラインとして、補給水ラインL20を有する。補給水ラインL20は、第1補給水ラインL21と、第2補給水ラインL22と、第3補給水ラインL23を有する。
第1補給水ラインL21は、補給水W21の供給源(図示せず)と、第2補給水ラインL22及び第3補給水ラインL23の上流側の端部(分岐部)とを接続するラインである。第1補給水ラインL21の上流側は、補給水W21の供給源(図示せず)に接続される。第1補給水ラインL21の下流側は、第2補給水ラインL22と第3補給水ラインL23とに分岐している。第1補給水ラインL21の途中には、流量センサFMが設けられている。
流量センサFMは、補給水W21の供給量を検出する装置である。流量センサFMは、制御部50と電気的に接続されている。流量センサFMから出力されたパルス信号は、制御部50へ送信される。
第2補給水ラインL22の下流側の端部は、冷却塔12の貯留部16に接続されている。第2補給水ラインL22の途中には、補給水バルブ19が設けられている。
補給水バルブ19は、第2補給水ラインL22を開閉することにより、貯留部16に補給水W21を強制的に供給する給水設備である。補給水バルブ19は、制御部50と電気的に接続されている。補給水バルブ19における弁体の開閉は、制御部50から出力される補給水バルブ駆動信号により制御される。
第3補給水ラインL23の下流側の端部は、冷却塔12の塔本体15に接続されている。第3補給水ラインL23の下流側の端部には、給水栓18が設けられている。給水栓18は、貯留部16に貯留される循環水W22の水位(即ち、水量)を管理するボールタップ式の給水設備である。循環水W22の蒸発や飛散損失により貯留部16の水位が低下すると、給水栓18のボールタップが作動し、第3補給水ラインL23を経由して、貯留部16に補給水W21が供給される。
水処理システム11は、循環水W22を冷却塔12と被冷却装置13との間で循環させるラインとして、循環水ラインL30を有する。循環水ラインL30は、第1循環水ラインL31と、第2循環水ラインL32とを有する。
第1循環水ラインL31は、冷却塔12の貯留部16と被冷却装置13とを接続する。貯留部16に貯留された循環水W22は、第1循環水ラインL31を介して被冷却装置13に供給される。第1循環水ラインL31の途中には、循環水ポンプ20が設けられている。
循環水ポンプ20は、循環水ラインL30(第1循環水ラインL31、第2循環水ラインL32)の上流側から下流側へ向けて、循環水W22を吐出する。循環水ポンプ20は、制御部50と電気的に接続されている。循環水ポンプ20の運転(駆動及び停止)は、制御部50から出力されるポンプ運転信号により制御される。
被冷却装置13は、循環水W22による冷却が必要な熱交換器等の各種装置である。被冷却装置13は、例えば、各種の化学プラントのターボ冷凍機や吸収冷凍機、建築物の空調用冷却機、食品工場の冷水製造機や真空冷却機等である。
第2循環水ラインL32は、被冷却装置13と冷却塔12とを接続するラインである。被冷却装置13において、熱交換により加温された循環水W22は、第2循環水ラインL32を介して冷却塔12の循環水冷却部(図示せず)に回収される。
第2循環水ラインL32を経由した循環水W22は、水質測定装置100に流入する。水質測定装置100は、第2循環水ラインL32を流通する循環水W22の、単位体積当たりのATP含有量を検出する。
また、第2循環水ラインL32からは、分岐ラインL50が分岐している。分岐ラインL50の途中には、電動バルブ21が設けられている。分岐ラインL50の下流側の端部には、薬剤添加装置14が接続されている。薬剤添加装置14には、薬液ラインL60の上流側の端部が接続されている。薬液ラインL60の下流側の端部は、冷却塔12の貯留部16に開口している。電動バルブ21は、制御部50と電気的に接続されている。電動バルブ21における弁体の開閉は、制御部50から出力される電動バルブ駆動信号により制御される。
電動バルブ21が開くことにより、分岐ラインL50を経由した循環水W22は、薬剤添加装置14に流入する。薬剤添加装置14は、固形状のスライムコントロール剤、又は液体状のスライムコントロール剤を収容する。本実施形態における薬剤添加装置14には、固形状のスライムコントロール剤が収容されている。循環水W22が薬剤添加装置14に流入することにより、固形状のスライムコントロール剤が溶解され、溶解により生成される薬液は、薬液ラインL60を介して冷却塔12の貯留部16に流入する。
要するに、薬剤添加手段が、固形状のスライムコントロール剤を収容する薬剤添加装置14であって、水の移動を利用して薬剤添加装置14に収容される固形状のスライムコントロール剤を溶解させる薬剤添加装置14と、循環水ラインL30から分岐し、循環水W22が薬剤添加装置14へ流通する分岐ラインL50と、薬剤添加装置14からのスライムコントロール剤を含む薬液が循環水ラインL30へ直接的に又は間接的に流通する薬液ラインL60と、分岐ラインL50に設けられる電動バルブ21と、を備えて構成されている。
制御部50は、CPU及びメモリを含むマイクロプロセッサ(図示せず)により構成される。制御部50において、マイクロプロセッサのCPUは、メモリから読み出した所定のプログラムに従って、水処理システム11に係る各種の制御を実行する。また、制御部50は、水質測定装置100により検出されたATP量を用いて、水処理システム11のスライムリスクを評価し、評価したスライムリスクに基づいて、水処理システム11の運転を制御する。この制御部50の動作フローは、図5に記載の、水処理システム1における制御部30の動作フローと同一であるため、その説明を省略する。
<実施形態の効果>
上述した本実施形態に係る水質測定装置100によれば、例えば、以下のような効果が奏される。
本発明のスライムリスク評価方法は、未加温の原水のATP(アデノシン−5’−三リン酸)値である第1ATP値を測定する工程と、所定時間加温した原水のATP値である第2ATP値を測定する工程と、第1ATP値に基づいて、原水中の菌数を評価する工程と、第1ATP値と第2ATP値との差分に基づいて、原水中の栄養分を評価する工程と、菌数及び栄養分に基づいて、原水のスライムリスクを評価する工程とを有する。
原水を所定時間加温することにより、原水に含まれる栄養分量に応じて菌が増殖する。従って、加温前の原水の菌数を反映するATP値と、加温後の原水の菌数を反映するATP値との差分は、原水に含まれる栄養分量に比例する。本発明においては、単なる原水のATP値だけではなく、所定時間加温した原水のATP値をも測定することにより、元々の原水に含まれる菌数に加えて、原水中に含まれる栄養分量をも評価することが可能となる。これにより、原水のスライムリスクを、より正確に評価することが可能となる。
また、本発明のスライムリスク評価方法においては、第1ATP値及び第2ATP値の測定時には、AMP(アデノシン−一リン酸)からATPへの変換試薬W4を用いて、原水中のAMPをATPに変換した上で、第1ATP値及び第2ATP値を測定する。
そのため、死菌の菌数を把握することが可能となり、スライムコントロール剤を添加した場合における、当該スライムコントロール剤の効果を把握することが可能となる。
また、本発明の水質測定装置100は、上記のスライムリスク評価方法において、第1ATP値及び第2ATP値を測定する際に用いられる水質測定装置100であって、原水W1を収容すると共に、光を透過する壁を有する原水収容部140と、原水収容部140を加温する加温部142と、細胞溶解液W2を収容する細胞溶解液収容部161aと、発光試薬W3を収容する発光試薬収容部161bと、細胞溶解液収容部161aから原水収容部140に細胞溶解液W2を供給し、発光試薬収容部161bから原水収容部140に発光試薬W3を供給する供給手段165と、発光試薬W3の添加により発光する、原水の光強度を検知する光強度検知部170と、供給手段165を制御することにより、原水収容部140の原水に細胞溶解液W2及び発光試薬W3を添加し、光強度検知部170が検知した光強度に基づいて、未加温の原水のATP値である第1ATP値と、更に加温部142を制御することにより所定時間加温した原水のATP値である第2ATP値とを算出する制御部150とを備える。
原水を所定時間加温することにより、原水に含まれる栄養分量に応じて、菌が増殖する。従って、加温前の原水の菌数を反映するATP値と、加温後の原水の菌数を反映するATP値との差分は、原水に含まれる栄養分量に比例する。本発明においては、単なる原水のATP値だけではなく、所定時間加熱した原水のATP値をも測定することにより、元々の原水に含まれる菌数に加えて、原水中に含まれる栄養分量をも評価することが可能となる。これにより、原水のスライムリスクを、より正確に評価することが可能となる。更に、単純な装置構成で、原水のスライムリスクを連続的に自動監視することも可能となる。
また、本発明の水質測定装置100は、原水収容部140に供給する、AMPからATPへの変換試薬W4を収容する変換試薬収容部161cを更に備え、供給手段165は、更に、原水収容部140に変換試薬W4を供給し、制御部150は、供給手段165を制御することにより、原水収容部140の原水に、変換試薬W4を添加する。
そのため、死菌の菌数を把握することが可能となり、スライムコントロール剤を添加した場合における、当該スライムコントロール剤の効果を把握することが可能となる。
また、本発明の水処理システム1及び11は、上記の水質測定装置100を備え、系内の循環水又は系外へ排出される排水の水質を測定することにより、スライムリスクを評価する。
水処理システム1及び11自身が、スライムリスクを評価する水質測定装置を備えることにより、スライム傾向に応じた、スライムコントロール剤の選定及びその濃度調節、更には濃縮管理等の適正な運転調整が可能になる。
<変形例>
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、水質測定装置100において、測定セル140に細胞溶解液W2、発光試薬W3、及び変換試薬W4を供給する供給手段が、ローラポンプ165であるとしたが、これには限定されない。例えば、モータ等を用いてもよい。
また、水質測定装置100でATP量を測定し、水処理システム1の制御部30又は水処理システム11の制御部50が、このATP量に基づいてスライムリスクを評価する構成としたが、これには限られない。例えば、水質測定装置100自身がスライムリスクを評価する構成としてもよい。
また、水処理システム1及び11において、制御部30及び50は、水質測定装置100が測定したATP量に基づき、スライムコントロール剤の添加量や添加頻度を制御するとしたが、これには限られない。例えば、ATP量に応じて、スライムコントロール剤の種類を変更することが可能である。具体的には、薬剤添加装置4又は薬剤添加装置14に、複数の種類のスライムコントロール剤を収納し、水質測定装置100が測定したATP量に応じて、添加するスライムコントロール剤の種類を変更してもよい。
また、水処理システム1において、前処理装置3は、ろ過装置に限定されず、例えば活性炭処理装置でもよい。
また、水処理システム11において、薬剤添加装置14には、固形状のスライムコントロール剤が収容されるとしたが、これには限定されない。具体的には、液体状のスライムコントロール剤を収容してもよい。
1 11 水処理システム
100 水質測定装置
140 原水収容部
142 加温部
150 制御部(センサ制御部)
161a 細胞溶解液収容部
161b 発光試薬収容部
161c 変換試薬収容部
170 光強度検知部
W1 検査水(原水)
W2 細胞溶解液
W3 発光試薬
W4 変換試薬

Claims (5)

  1. スライムリスク評価方法であって、
    未加温の原水のATP(アデノシン−5’−三リン酸)値である第1ATP値を測定する工程と、
    所定時間加温した原水のATP値である第2ATP値を測定する工程と、
    前記第1ATP値に基づいて、原水中の菌数を評価する工程と、
    前記第1ATP値と前記第2ATP値との差分に基づいて、原水中の栄養分を評価する工程と、
    前記菌数及び前記栄養分に基づいて、原水のスライムリスクを評価する工程とを有する、スライムリスク評価方法。
  2. 前記第1ATP値及び前記第2ATP値の測定時には、AMP(アデノシン−一リン酸)からATPへの変換試薬を用いて、原水中のAMPをATPに変換した上で、前記第1ATP値及び前記第2ATP値を測定する、請求項1に記載のスライムリスク評価方法。
  3. 請求項1又は2に記載のスライムリスク評価方法において、前記第1ATP値及び前記第2ATP値を測定する際に用いられる水質測定装置であって、
    原水を収容すると共に、光を透過する壁を有する原水収容部と、
    前記原水収容部を加温する加温部と、
    細胞溶解液を収容する細胞溶解液収容部と、
    発光試薬を収容する発光試薬収容部と、
    前記細胞溶解液収容部から前記原水収容部に前記細胞溶解液を供給し、前記発光試薬収容部から前記原水収容部に前記発光試薬を供給する供給手段と、
    前記発光試薬の添加により発光する、前記原水の光強度を検知する光強度検知部と、
    前記供給手段を制御することにより、前記原水収容部の原水に前記細胞溶解液及び前記発光試薬を添加し、前記光強度検知部が検知した光強度に基づいて、未加温の原水のATP値である前記第1ATP値と、更に前記加温部を制御することにより所定時間加温した原水のATP値である前記第2ATP値とを算出する制御部とを備える、水質測定装置。
  4. 前記原水収容部に供給する、AMPからATPへの変換試薬を収容する変換試薬収容部を更に備え、
    前記供給手段は、更に、前記原水収容部に前記変換試薬を供給し、
    前記制御部は、前記供給手段を制御することにより、前記原水収容部の原水に、前記変換試薬を添加する、請求項3に記載の水質測定装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の水質測定装置を備え、系内の循環水又は系外へ排出される排水の水質を測定することにより、スライムリスクを評価する水処理システム。

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