JP2018179428A - 加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の被加熱物を同時に加熱する加熱調理器を提供する。
【解決手段】複数の被加熱物61を収納して加熱するための加熱室と、加熱室の底面にはマグネトロンより放射されたマイクロ波エネルギーを放射する回転アンテナと、加熱室の天面にはグリル加熱手段と、加熱室の上方には被加熱物60cの温度を検出する赤外線センサと、赤外線センサの検出結果に基づいてマグネトロンを制御する制御手段とを備え、被加熱物60cを加熱室の上方であるグリル加熱手段寄りに載置し、被加熱物60dを被加熱物60cより下方となる回転アンテナ寄りに載置して複数の被加熱物61を同時に加熱するものである。
【選択図】図9

Description

本発明は、異なる複数の被加熱物を同時に加熱調理する加熱調理器に関するものである。
特許文献1では、加熱時の温度が異なる複数の被加熱物を、マイクロ波を使用して適切に加熱するものである。
特開2009−257634号公報
上記した特許文献1に示す高周波加熱装置は、二種類の被加熱物の加熱(温め)に用いる加熱方法は、どちらの被加熱物も同じマイクロ波加熱によって加熱するものである。
そのため、加熱方法としてはマイクロ波加熱に限定された被加熱物のみの加熱が対象であり、被加熱物の加熱に使用する加熱手段(調理方法)が異なる焼き物とゆで物を同時に加熱することが出来ない課題がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、複数の被加熱物を収納して加熱するための加熱室と、該加熱室の底面にはマグネトロンより放射されたマイクロ波エネルギーを放射する回転アンテナと、前記加熱室の天面にはグリル加熱手段と、前記加熱室の上方には前記被加熱物の温度を検出する赤外線センサと、該赤外線センサの検出結果に基づいて前記マグネトロンを制御する制御手段とを備え、前記被加熱物の一方を前記加熱室の上方である前記グリル加熱手段寄りに載置し、前記被加熱物の他方を前記被加熱物の一方より下方となる前記回転アンテナ寄りに載置して前記複数の被加熱物を同時に加熱するものである。
本発明によれば、被加熱物を最適に加熱する加熱手段の異なる複数の被加熱物を同時に加熱できる加熱調理器を提供する。
本発明の加熱調理器の正面斜視図。 加熱調理器の外枠を外した後方斜視図。 図1のA−A断面図。 同加熱調理器の赤外線センサの基準位置を示す拡大図。 同加熱調理器の赤外線センサの終点位置を示す拡大図。 同加熱調理器の赤外線センサユニットの観測窓を閉めた状態を示す拡大図。 同加熱調理器のテーブルプレートに被加熱物を載せた場合の赤外線センサの動作説明図。 同加熱調理器の金属網に被加熱物を載せた場合の赤外線センサの動作説明図。 同加熱調理器の二段同時調理の加熱動作を説明する説明図。 二段同時調理の加熱工程を示す図。 同加熱調理器の二段同時調理の制御に関わる制御ブロック図。 同加熱調理器の二段同時調理の被加熱物を三品載せた説明図。
以下、本発明の実施例を添付図1〜図3に従って説明する。
図において、加熱調理器の本体1は、加熱室28の中に加熱する食品(被加熱物)を入れ、マイクロ波やヒータの熱、過熱水蒸気を使用して食品を加熱調理する。
ドア2は、加熱室28の内部に食品を出し入れするために開閉するもので、ドア2を閉めることで加熱室28を密閉状態にし、食品を加熱する時に使用するマイクロ波の漏洩を防止し、ヒータの熱や過熱水蒸気を封じ込め、効率良く加熱することを可能とする。
取っ手9は、ドア2に取り付けられ、ドア2の開閉を容易にするもので、手で握りやすい形状になっている。
ガラス窓3は、調理中の食品の状態が確認できるようにドア2に取り付けられており、ヒータ等の発熱による高温に耐えるガラスを使用している。
入力手段71は、ドア2の前面下側の操作パネル4に設けられ、マイクロ波加熱やヒータ加熱等の加熱手段を選択し加熱する時間等と加熱温度など加熱条件を入力するための操作部6と、操作部6から入力された内容や調理の進行状態を表示する表示部5とで構成されている。
外枠7は、加熱調理器の本体1の上面と左右側面を覆うキャビネットである。
水タンク42は、水蒸気を作るのに必要な水を溜めておく容器であり、加熱調理器の本体1の前面下側に設けられ、本体1の前面から着脱可能な構造とすることで給水および排水が容易にできるようになっている。
後板10は、前記したキャビネットの後面を形成するものであり、上部に外部排気ダクト18が取り付けられ、食品から排出した蒸気や本体1の内部の部品を冷却した後の冷却風(廃熱)39を外部排気ダクト18の外部排気口8から排出する。
機械室20は、加熱室底面28aと本体1の底板21との間の空間部に設けられ、底板21上には食品を加熱するためのマグネトロン33、マグネトロン33に接続された導波管47、制御手段23a(図11参照)を実装した制御基板23、その他後述する各種部品、これらの各種部品を冷却するファン装置15等が取り付けられている。
加熱室底面28aは、略中央部が凹状に窪んでおり、その中に回転アンテナ26が設置され、マグネトロン33より放射されるマイクロ波エネルギーが導波管47、回転アンテナ26の出力軸46aが貫通する開孔部47aを通して回転アンテナ26の下面に流入し、該回転アンテナ26で拡散されて加熱室28内に放射される。回転アンテナ26の出力軸46aは回転アンテナ駆動手段46に連結されている。
ファン装置15は、底板21に取り付けた冷却モータに取り付けられた冷却ファンとで構成する。このファン装置15によって発生する冷却風39は、機械室20内の自己発熱するマグネトロン33やインバータ回路(図示無し)、奥側重量センサ25などを冷却する。また、加熱室28の外側と外枠7の間および前記したように熱風ケース11aと後板10の間を流れ、外枠7と後板10を冷却しながら外部排気ダクト18の外部排気口8より排出される。さらに、後述する熱風モータ13を冷却するためのダクト16aと、後述する赤外線ケース48内に収められた赤外線ユニット50を冷却するためのダクト16bが設けられ、赤外線ユニット50を冷却した冷却風39は外部排気ダクト18の外部排気口8より排出され、加熱室28内の排熱は加熱室天面28cに設けられた排気ダクト28eを通って同様に後外部排気ダクト18の外部排気口8より外に排出される。
レンジ加熱手段330(図11参照)はマグネトロン33とインバータ回路(図示せず)よりなり制御手段23aによって制御される。レンジ加熱手段330は、加熱室28の下面より加熱室28にマイクロ波を供給する。
加熱室28の後部には熱風ユニット11が取り付けられ、該熱風ユニット11内には加熱室28内の空気を効率良く循環させる熱風ファン32が取り付けられ、加熱室奥壁面28bには空気の通り道となる熱風吸気孔31と熱風吹出し孔30が設けられている。
熱風ファン32は、熱風ケース11aの外側に取り付けられた熱風モータ13の駆動により回転し、熱風ヒータ14で循環する空気を加熱する。
また、熱風ユニット11は、加熱室奥壁面28bの後部側に熱風ケース11aを設け、加熱室奥壁面28bと熱風ケース11aとの間に熱風ファン32とその外周側に位置するように熱風ヒータ14を設け、熱風ケース11aの後側に熱風モータ13を取り付け、そのモータ軸を熱風ケース11aに設けた穴を通して熱風ファン32と連結している。
熱風モータ13は、加熱室28や熱風ヒータ14からの熱によって温度上昇するため、それを防ぐために、熱風モータカバー17によって囲い、略筒状に形成されてダクト16aを熱風ケース11aと後板10との間に位置し、ダクト16aの上端開口部を熱風モータカバー17の下面に接続し、下端開口部をファン装置15の吹出し口に接続し、ファン装置15からの冷却風39の一部を熱風モータカバー17内に取り入れるようにしている。
グリル加熱手段12は加熱室28の加熱室天面28cの裏側に取り付けられている。グリル加熱手段12は、マイカ板にヒータ線を巻き付けて平面状に形成し、加熱室28の天面裏側に押し付けて固定し、加熱室28の天面を加熱して加熱室28内の食品を輻射熱によって焼くものである。グリル加熱手段12は、加熱室28の上面から被加熱物61を加熱する。グリル加熱手段12は加熱室28内にヒータを設けたタイプでも良い。
また、加熱室28の加熱室天面28cの奥側には後述する赤外線ユニット50が設けられ、赤外線ユニット50を冷却するために赤外線ケース48にて覆い、略筒状に形成されてダクト16bを熱風ケース11aと後板10との間に位置し、ダクト16bの上端開口部を赤外線ケース48の側面に接続し、下端開口部を熱風モータカバー17上面と接続し、ファン装置15からの冷却風39の一部を赤外線ケース48内に取り入れるようにしている。
加熱室28の上方に加熱室天面28cの左奥側にはサーミスタによって加熱室28内の雰囲気室温度Qを検出する加熱室温度センサ80を設ける。
また、加熱室底面28aには、複数の重量センサ25、例えば前側左右に左側重量センサ25b、右側重量センサ(図示無し)、後側中央に奥側重量センサ25cが設けられ、その上にテーブルプレート24が載置されている。制御手段23aはテーブルプレート24に載置した被加熱物の重量を検知できるように組み込まれているプログラムにテーブルプレート24の重量を風袋引きするように設定されている。
テーブルプレート24は、食品を載置するためのもので、ヒータ加熱とマイクロ波加熱の両方に使用できるように耐熱性を有し、かつ、マイクロ波の透過性が良い材料で成形されている。また、周囲に持ちやすくするフランジ部24b(立上壁24aを含む)を設けている。さらにフランジ部24b(立上壁24aを含む)を設ける事で、加熱時の被加熱物の出し入れ時に例えば飲み物をこぼした場合でも、汚れはテーブルプレート24に止まり後の清掃が容易である。
ボイラー43は、加熱室側面28fの外側に設けられボイラー43で発生した過熱水蒸気を加熱室28に臨ませた吐出口43aから加熱室28内に吐出させる。
ポンプ手段87は、水タンク42の水をボイラー43まで汲み上げるもので、ポンプとポンプを駆動するモータで構成される。ボイラー43への給水量の調節はモータのON/OFFの比率で決定する。スチーム加熱手段430(図11参照)はボイラー43とポンプ手段87よりなり制御手段23aによって制御される。スチーム加熱手段430は被加熱物60cを水蒸気で加熱する。
加熱手段はレンジ加熱手段330、熱風ヒータ14、熱風モータ13、グリル加熱手段12、スチーム加熱手段430などである。
制御手段23aは、入力手段71からの入力に応じて重量センサ25と赤外線センサ52と加熱室温度センサ80の検出結果から被加熱物61を加熱する加熱手段を制御する。
次に、図4〜図7を用いて加熱室28の上方に設けられた非接触で被加熱物60dの温度を検出する赤外線センサ52の動作と、赤外線センサ52を用いてテーブルプレート24に載置した被加熱物60dの温度の検出について詳細を説明する。
51はモータで、モータ51の向きは、回転軸51aと加熱室奥壁面28bと並行となるように取り付けられている。そして、回転軸51aが後述する筒状のユニットケース54を回転(駆動)させることで、ユニットケース54に収めた赤外線センサ52を搭載した基板53を回転させて赤外線センサ52のレンズ部52aの向きを加熱室底面28aの奥側(加熱室奥壁面28b側)から加熱室開口部28dまでの範囲を回転移動して温度を検出できるようにしている。モータ51はステッピングモータを使用し内部に減速用のギアを備え、制御基板23に設けられた制御手段23aの制御によって回転軸51aを正転、逆転、また回転角度を好みに動作可能となっている。モータ51は、調理の加熱条件に合わせた動作となるように制御される。
52は赤外線センサで、赤外線検出素子(例えばサーモパイル)を複数個設けたもので、ここでは、回転軸51aの鉛直方向に一列に8素子整列した赤外線センサを使用している。そのため、加熱室底面28aの左右方向は一度に前記複数個所の温度の検出が可能であり、加熱室28の奥側(加熱室奥壁面28b側)から前側(ドア2側)にかけては、赤外線センサ52を一定角度の回転を複数回行う事(温度の測定時は回転を停止)で加熱室底面28aの全域を複数回に分けて温度を検出するものである。具体的には、加熱室底面28aに載置するテーブルプレート24の全面の温度を検知する。
55は金属板から成るシャッタである。シャッタ55は、赤外線センサ52を使用しない時に観測窓44aを閉じるものである(図6参照)。44aは観測部44に設けた観測窓で、赤外線センサ52の検出する視野範囲となる範囲を開口している。観測部44を加熱室28の内側に突出させることで、最低限の狭い観測窓開口範囲で広範囲の温度検知が可能となる。
制御手段23aは、モータ51を駆動して赤外線センサ52の視野を閉鎖状態から基準位置(検知点a)に回転移動する。
その後、観測面の温度の検知を開始する。初めに基準位置で温度検知を行い、備えている検出素子の複数個分の温度を検知しそのデータを保存する。
その後、次の検知点bの温度を測定できるように、モータ51を回転して赤外線センサ52を一定角度たとえば終点方向(ドア2側)へ3度回転移動して、観測面の温度を測定した後、再び3度回転移動を行い、赤外線センサ52の視野が終点の検知点hを向くまで前記の動作を繰り返して測定する。本実施例では、8素子の赤外線検出素子を14回回転移動させて15列の温度データを検出している。全温度データは120カ所の温度を検出している。移動角度はS1(約42度)となる。
赤外線センサ52によって終点位置である検知点hの温度の検出が終了した後、復路では、温度の検出を行わないで直接基準位置に戻るため早く基準位置に戻れる。以上の往復動作を一周期として、基準位置に戻ったら再び測定を開始して前記動作を繰り返す。
赤外線センサ52は、テーブルプレート24に載置した被加熱物60dの略大きさ・外形を認識できるように、前記したように複数(例えば8素子)の赤外線センサを一列に配置したもので、この赤外線センサ52を3度ずつ14回移動させて15列の温度を測定することで、デーブルプレート24内を総数120(8×15)個の温度データを取得する。
次に、赤外線センサ52を用いて金属網111に載置した被加熱物60cの温度検出について図4〜図6、図8を用いて説明する。
金属網111は金属網脚部114を用いてテーブルプレート24に置き、金属網111の金属網平面部112に載置した被加熱物60cの温度を検出できるように赤外線センサ52を回転駆動する。
制御手段23aは、モータ51を駆動して赤外線センサ52の視野を閉鎖状態から基準位置(検知点a)に回転移動する。
その後、観測面の温度の検知を開始する。初めに基準位置で温度検知を行い、備えている検出素子の複数個分の温度を検知しそのデータを保存する。
その後、次の検知点の温度を測定できるように、モータ51を回転して赤外線センサ52を一定角度たとえば終点方向(ドア2側)へ3度回転移動して、観測面の温度を測定した後、再び3度回転移動を行い、赤外線センサ52の視野が終点の検知点Kを向くまで前記の動作を繰り返して測定する。本実施例では、8素子の赤外線検出素子を16回回転移動させて17列の温度データを検出している。全温度データは136カ所の温度を検出している。移動角度はS2(約48度)となる。
赤外線センサ52によって終点位置である検知点Kの温度の検出が終了した後、復路では、温度の検出を行わないで直接基準位置に戻るため早く基準位置に戻れる。以上の往復動作を一周期として、基準位置に戻ったら再び測定を開始して前記動作を繰り返す。
温度データの検出数(モータ51の回転する移動角度)の違いは、入力手段71からの入力に応じて異ならせている。
次に図9を用いて、テーブルプレート24に被加熱物60dを載置し、金属網111を用いて金属網111に被加熱物60cを載置して異なる被加熱物61を同時に調理する加熱制御について。例えば鶏の照り焼きとほうれん草のソテーの二段同時調理である鶏の照り焼きセットを例にして詳細に説明する。
初めに被加熱物60dと被加熱物60cを入れる容器を作る。該容器は、オーブンシートなど軽くて耐熱性のある紙で加熱後の液漏れがしない容器を作る。
被加熱物60dは、ほうれん草のソテーの材料を入れる。材料は、ほうれん草400g、コーン、バター、塩、こしょう、水を混ぜ合わせて前記容器に入れ、テーブルプレート24に載置する。
被加熱物60cは鶏の照り焼きの材料を入れる。材料は、しょうゆ、みりん、砂糖、しょうが汁に漬け込んだ鶏もも肉500gを前記容器に入れる。
被加熱物60dを入れた容器をテーブルプレート24に載置し、被加熱物60cを入れた容器を金属網111に載せて、加熱室28に収容する。
入力手段71で、二段同時調理である鶏の照り焼きセットの自動調理を制御手段23aに設定し、水タンク42に水を入れて本体1にセットして調理を開始する。
制御手段23aは、入力手段71からの被加熱物60cと被加熱物60dの調理を行う入力に応じて重量センサ25と赤外線センサ52と加熱室温度センサ80の検出結果に基づいて前記加熱手段を制御する。
次に調理方法(二段同時調理)について説明する。
被加熱物60cである肉・魚類の調理は主に焼き物である。グリル加熱手段12などのヒータによる輻射熱で調理すると美味しく調理が出来る。反対にマイクロ波で加熱を行うと脱水して硬くなる欠点がある。
被加熱物60dである野菜の加熱は、特におひたし・ゆで野菜などはマイクロ波による加熱すると良く、ヒータで加熱すると野菜が乾燥したり焼ける課題が有る。
そこで、加熱室28の下方よりマイクロ波を放射し、加熱室28の上方にグリル加熱手段12を備えた加熱調理器において、マイクロ波の加熱に向かない被加熱物60cをマイクロ波が放射される回転アンテナ26から遠い金属網111に載置し、テーブルプレート24にヒータ加熱に向かない被加熱物60dを載置し、被加熱物61を二段に載置している。そうすることで、マイクロ波が放射される回転アンテナ26の直上に水分を多く含む野菜などの被加熱物60dを載置する事で、マイクロ波は被加熱物60dを主に加熱し、被加熱物60cのマイクロ波の加熱による影響を少なくしている。またグリル加熱手段12からの輻射熱による加熱が向かない被加熱物60dとの間に被加熱物60cが設ける事で、グリル加熱手段12からの輻射熱で被加熱物60cを主に加熱し、被加熱物60cの陰になりグリル加熱手段12から遠い被加熱物60dへの加熱の影響を少なくしている。
次に制御を行う二段同時調理の加熱工程について図10を用いて説明する。
加熱工程は、レンジ加熱手段330によるレンジ加熱Rの第一加熱工程K1と、スチーム加熱手段430とグリル加熱手段12によるスチームグリル加熱SGの第二加熱工程K2、グリル加熱手段12によるグリル加熱Gの第三加熱工程K3である。
テーブルプレート24に被加熱物60dと被加熱物60cを載置した金属網111を載せて加熱を開始する。加熱開始直後に重量センサ25より金属網111と被加熱物60dと被加熱物60cの全合計の重量を検出し、金属網111を風袋引きして被加熱物60cと被加熱物60dの合計重量Wを検出する。
制御手段23aは、前述した被加熱物60cと被加熱物60dの合計重量Wから出し、合計重量Wに応じて第一加熱工程K1の基準加熱時間Tk1、第二加熱工程K2の基準加熱時間Tk2、第三加熱工程K3の基準加熱時間Tk3を決定する。そしてそれらの合計から総基準加熱時間Tkを決定する。
第一加熱工程K1は、レンジ加熱手段330で加熱室28の下面より加熱室28にマイクロ波を供給し、テーブルプレート24に置いた被加熱物60dを主に加熱し、金属網111に置いた被加熱物60cを加熱する。
加熱は、マイクロ波の放射される回転アンテナ26の直上に置かれたテーブルプレート24を介して被加熱物60dを主体的に加熱される。そのため、被加熱物60dの温度上昇は大きく、被加熱物60cへのマイクロ波による加熱の影響は少なく温度上昇を抑えている。
制御手段23aは、金属網111に載置した被加熱物60cの温度を検出するため赤外線センサ52を制御し被加熱物60cの温度Pを検出し続け、被加熱物60cの過加熱を防止する。
加熱が進むと、被加熱物60cの温度に対して被加熱物60cの周囲の温度が高くなっているのを検出する。これは、被加熱物60cと加熱室28の壁との隙間から被加熱物60dの温度を検出するためで、主体的に加熱される被加熱物60dの温度が高くなるためである。
制御手段23aは、周囲温度より温度が低い被加熱物60cの温度Pを検出し、被加熱物60cの検出温度が特定の温度より高くならないように制御する。そこで赤外線センサ52で検出する温度Pが第一所定温度D1に到達すると、第一加熱工程K1を終了して次の第二加熱工程K2に移行する。
もし第一加熱工程K1で基準加熱時間TK1までに赤外線センサ52で検出する温度Pが第一所定温度D1に到達しない場合は、第一加熱工程K1の基準加熱時間TK1が終了した時点で第二加熱工程K2に移行する。
ここでは、第一所定温度D1は35℃と低い温度を設定し、被加熱物60cの温度Pが35℃を検出した時点で第二加熱工程K2に移行する。理由はマイクロ波加熱による被加熱物60cの過加熱を防止するためで、加熱しすぎると被加熱物60cが固くなり脱水をおこすのを防ぐためである。
この第一加熱工程K1から第二加熱工程K2に移行するまでの時間が加熱時間Tj1となる。
次に、第ニ加熱工程K2では、スチーム加熱手段430を用いて加熱室28に過熱水蒸気を供給し、グリル加熱手段12によって被加熱物60cを加熱する。
加熱室28への加熱水蒸気の供給は、グリル加熱手段12の加熱で加熱室28の温度を上昇した後に供給が開始される。
加熱室28に過熱水蒸気が供給することで、被加熱物60cと被加熱物60dとの温度ムラの少ない加熱を行い、被加熱物61と熱交換後に水滴となって被加熱物61に水分を供給する事で、グリル加熱手段12の輻射熱で被加熱物60cを加熱する際に、加熱室28内の温度上昇に伴う被加熱物60dである葉菜の乾燥を防止する。
第二加熱工程K2からは、加熱室28の上方に設けられた加熱室温度センサ80によって加熱室28の雰囲気温度Qを検出する。
制御手段23aは、グリル加熱手段12のヒータの消費電力などのバラツキによって被加熱物61の加熱量の誤差を無くするために、加熱室温度センサ80の温度上昇を確認して、温度上昇が早い場合は第二加熱工程K2の加熱時間Tk2を短く制御し、温度上昇が遅い場合は第二加熱工程K2の加熱時間Tk2を長くなるように制御する。
制御方法は、加熱室温度センサ80で検出する雰囲気温度Qが第二所定温度D2(例えば100℃)に到達するまでの到達時間T9を計時し、該到達時間の基準となる所定時間T7と比較する。
加熱室温度センサ80で検出する雰囲気温度Qが第二所定温度D2に到達するまでの時間が所定時間T7よりも早い場合(到達時間T9<所定時間T7)は、第二加熱工程K2の基準加熱時間Tk2から差分T8(T8=T7−T9)を差し引いた時間を第二加熱工程K2の加熱時間(加熱時間Tj2=基準加熱時間Tk2−差分T8)となる。
逆に、加熱室温度センサ80で検出する雰囲気温度Qが第二所定温度D2に到達する時間が所定時間T7よりも遅く到達する場合(到達時間T9>所定時間T7)は、第二加熱工程K2の基準加熱時間Tk2に差分T8(T8=T9−T7)を加えた時間を第二加熱工程K2の加熱時間(加熱時間Tj2=基準加熱時間Tk2+差分T8)となる。
第三加熱工程K3では、グリル加熱手段12によって被加熱物60cの表面に香ばしく焼き色をつけるもので、基準加熱時間Tk3が経過すると調理を終了する。
こうして、被加熱物60cの鶏の照り焼きはマイクロ波加熱による悪影響を受ける事無く、また被加熱物60dのほうれん草のソテーはグリル加熱手段12の輻射加熱の悪影響を受ける事無く、異なる被加熱物の二段同時調理を可能としている。
前述した制御方法は、第二加熱工程K2において補正時間(T8)を算出して基準加熱時間Tk2を調整して加熱時間Tj2を求めたのに対して、第二加熱工程K2で補正時間(T8)を算出して第三加熱工程K3に移行し、第三加熱工程K3の加熱時間Tk3を調整して加熱時間Tj3を決定しても良い。
本加熱では、前述した被加熱物60dが一種類に対して図12に示すように、2種類の被加熱物60dを加熱可能である。例としてほうれん草のソテーの他、きのこの焼きびたしや、ホットサラダなどがある。
以上の実施により発明者の開発例では、1つの主菜(被加熱物60c)につき7種類の副菜(被加熱物60d)から好きな2種類を選んで加熱でき、主菜として前述以外に「ピーマンの肉詰め」、「塩サバ」、「ぶりの照り焼き」など7品目、副菜として前述以外に「アスパラベーコン巻物」、「水菜としめじの和え物」、「かぼちゃのごま和え」など7品目あり、組合せとして1つの主菜につき21通りの組み合わせで同時調理が可能としている。
以上は重量センサ25を用いて被加熱物61である食材の重さに応じて加熱時間を調整する制御方式を説明した。次に重量センサ25を使用しない場合について以下説明する。
食材の分量を例えば2人分など、ある程度加熱する量を特定することで基準加熱時間Tk(Tk1,Tk2,Tk3)を定数で設け、赤外線センサ52と加熱室温度センサ80で検出した温度と経過時間に基づいて前述した加熱時間Tj1とTj2で調整して加熱することが出来る。
また、使用する器具として、被加熱物60dを載置するマイクロ波を透過するテーブルプレート24の代わりに陶器の皿などを用いて被加熱物60dを加熱室24の底面に載置しても良く、前述したオーブンシートで作った皿を加熱室28の底面に直接載置しても良い。また被加熱物60cを載置した金属網111もテーブルプレート24に置ける網を限定する必要は無く、マイクロ波加熱した時に加熱室28との間で異常加熱をしない処置が施され、加熱室28の壁面との隙間からボイラー43で発生した過熱水蒸気が回り込み被加熱物60cを加熱出来れば良く、例えば加熱室28の側壁面に設ける棚に載せられる角皿を使用しても良い。
上記した本実施例によれば、被加熱物を最適に加熱する加熱手段の異なる複数の被加熱物を同時に加熱できる加熱調理器を提供する。
5・・・表示部、6・・・操作部、12・・・グリル加熱手段、23a・・・制御手段、24・・・テーブルプレート、25・・・重量センサ、26・・・回転アンテナ、28・・・加熱室、28a・・・加熱室底面、28c・・・天面、33・・・マグネトロン、52・・・赤外線センサ、61・・・被加熱物、60c・・・被加熱物、60d・・・被加熱物、71・・・入力手段、80・・・加熱室温度センサ、111・・・金属網、330・・・レンジ加熱手段、430・・・スチーム加熱手段

Claims (3)

  1. 複数の被加熱物を収納して加熱するための加熱室と、
    該加熱室の底面にはマグネトロンより放射されたマイクロ波エネルギーを放射する回転アンテナと、
    前記加熱室の天面にはグリル加熱手段と、
    前記加熱室の上方には前記被加熱物の温度を検出する赤外線センサと、
    該赤外線センサの検出結果に基づいて前記マグネトロンを制御する制御手段とを備え、
    前記被加熱物の一方を前記加熱室の上方である前記グリル加熱手段寄りに載置し、
    前記被加熱物の他方を前記被加熱物の一方より下方となる前記回転アンテナ寄りに載置して前記複数の被加熱物を同時に加熱することを特徴とする加熱調理器。
  2. 複数の被加熱物を収納して加熱するための加熱室と、
    該加熱室の底面にはマグネトロンより放射されたマイクロ波エネルギーを放射する回転アンテナと、
    前記加熱室の天面にはグリル加熱手段と、
    前記加熱室の上方には前記被加熱物の温度を検出する赤外線センサと、
    前記加熱室の上方には前記加熱室の温度を検出する加熱室温度センサと、
    前記赤外線センサの検出結果と前記加熱室温度センサの検出結果に基づいて前記マグネトロンと前記グリル加熱手段とを制御する制御手段とを備え、
    前記被加熱物の一方を前記加熱室の上方である前記グリル加熱手段寄りに載置し、
    前記被加熱物の他方を前記被加熱物の一方より下方となる前記回転アンテナ寄りに載置し、前記複数の被加熱物を同時に加熱することを特徴とする加熱調理器。
  3. 複数の被加熱物を収納して加熱するための加熱室と、
    該加熱室の底面にはマグネトロンより放射されたマイクロ波エネルギーを放射する回転アンテナと、
    前記加熱室の天面にはグリル加熱手段と、
    前記加熱室の上方には前記被加熱物の温度を検出する赤外線センサと、
    前記加熱室の上方には前記加熱室の温度を検出する加熱室温度センサと、
    前記加熱室の下方には前記被加熱物の重量を検出する重量センサと、
    該重量センサの検出した重量に応じた加熱時間を設定し、前記赤外線センサの検出結果と、
    前記加熱室温度センサの検出結果に基づいて前記マグネトロンと前記グリル加熱手段とを制御する制御手段とを備え、
    前記被加熱物の一方を前記加熱室の上方である前記グリル加熱手段寄りに載置し、
    前記被加熱物の他方を前記被加熱物の一方より下方となる前記回転アンテナ寄りに載置し、前記複数の被加熱物を同時に加熱することを特徴とする加熱調理器。
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