JP2018179131A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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直道 山口
Naomichi Yamaguchi
直道 山口
務 赤池
Tsutomu Akaike
務 赤池
文博 大澤
Fumihiro Osawa
文博 大澤
規雄 村山
Norio Murayama
規雄 村山
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Abstract

【課題】セレクトレバーを前進レンジから後退レンジへ切り替えるセレクト操作に対して、車両を発進可能な状態にするセレクト制御の応答性を向上させることができる制御装置を提供する。【解決手段】制御装置10は、センサ104からレンジ位置を取得したときに即時にその取得したレンジ位置に対応するギヤにスリーブを移動させて締結させる即時プリシフト部11と、センサ104からレンジ位置を取得してから所定時間の経過後にその取得したレンジ位置の確定を判定するレンジ位置判定部12と、レンジ位置の確定の判定後にスリーブが締結されたギヤを含む一方のギヤ機構にトルクを伝達する一方のクラッチを締結させるクラッチ駆動部13と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、自動変速機の制御装置に関する。
駆動伝達経路を複数に分割し、複数の駆動伝達経路毎にそれぞれ発進クラッチを設けた自動マニュアルトランスミッションの発進制御装置の技術分野に属する発明が知られている(下記特許文献1を参照)。特許文献1に記載された自動マニュアルトランスミッションの発進制御装置は、ニュートラルレンジの選択状態から前進レンジまたは後退レンジが選択されると、ギヤ選択制御と発進クラッチの締結制御を行う発進制御手段を備えている(同文献、請求項1等を参照)。
この発進制御装置は、第1クラッチと、第2クラッチと、を備えている。第1クラッチは、発進クラッチとして、後退レンジへ切り替え時に選択される後退発進ギヤ段を含む変速段グループの選択時に締結される。第2クラッチは、前進レンジへの切り替え時に選択される前方発進ギヤ段を含む変速段グループの選択時に締結される。
この発進制御手段は、ニュートラルレンジの選択中、前記第1クラッチと前記第2クラッチとを解放とし、かつ、発進時に選択される前方発進ギヤ段と後退発進ギヤ段をレンジ切り替えに先行して選択するプリシフトを実行する。その後、この発進制御手段は、ニュートラルレンジから前進レンジへの切り替え時には第2クラッチを締結し、ニュートラルレンジから後退レンジへの切り替え時には第1クラッチを締結する。
この発進制御装置にあっては、発進制御手段において、ニュートラルレンジの選択中、第1クラッチと第2クラッチとを解放とし、かつ、発進時に選択される前方発進ギヤ段と後退発進ギヤ段をレンジ切り替えに先行して選択するプリシフトが実行される。そして、ニュートラルレンジから前進レンジへの切り替え時には第2クラッチを締結することで前方発進し、ニュートラルレンジから後退レンジへの切り替え時には第1クラッチを締結することで後退発進する。
すなわち、ニュートラルレンジ選択中にて前方発進ギヤ段と後退発進ギヤ段を予め選択しておくプリシフト待機により、発進を意図するレンジ切り替え時には、発進クラッチの締結のみにより直ちにトルク伝達による発進が可能となる。この結果、ニュートラルレンジから前進レンジまたは後退レンジへ切り替えての発進時、発進セレクト操作に対して車両の高い発進応答性を確保することができる(同文献、段落0007等を参照)。
特開2007−40439号公報
前記特許文献1に記載された発進制御装置において、車両の高い発進応答性を確保できるのは、ニュートラルレンジから前進レンジまたは後退レンジへ切り替えての発進時に限られている。そのため、たとえば、セレクトレバーを前進レンジから後退レンジへ切り替えて車両を発進させるときに、セレクトレバーのセレクト操作に対して車両の高い発進応答性を確保することが課題となる。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、セレクトレバーを前進レンジから後退レンジへ切り替えるセレクト操作に対して、車両を発進可能な状態にするセレクト制御の応答性を向上させることができる制御装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明の制御装置は、エンジンからのトルクが二つのクラッチのいずれかを介して伝達される二系統のギヤ機構と、セレクトレバーのレンジ位置を取得するセンサと、前記レンジ位置に応じて移動され前記二系統のギヤ機構の一方のギヤに締結されるスリーブとを備えた自動変速機を制御するための制御装置であって、前記センサから前記レンジ位置を取得したときに即時にその取得した前記レンジ位置に対応する前記ギヤに前記スリーブを移動させて締結させる即時プリシフト部と、前記センサから前記レンジ位置を取得してから所定時間の経過後にその取得した前記レンジ位置の確定を判定するレンジ位置判定部と、前記レンジ位置の確定の判定後に前記スリーブが締結された前記ギヤを含む一方の前記ギヤ機構に前記トルクを伝達する一方の前記クラッチを締結させるクラッチ駆動部と、を備えることを特徴とする。
本発明の制御装置は、車両の運転者によってセレクトレバーを前進レンジから後退レンジへ切り替えるセレクト操作が行われると、センサによって後退レンジのレンジ位置を取得する。センサが後退レンジのレンジ位置を取得すると、即時プリシフト部は、後退レンジのレンジ位置に応じて、即時にスリーブを移動させて二系統のギヤ機構の一方のギヤに締結させる。これにより、車両を後退方向に発進可能な状態にするまでの時間を短縮することができる。
レンジ位置判定部は、センサから後退レンジのレンジ位置を取得してから所定時間の経過後にレンジ位置の確定を判定する。すなわち、レンジ位置判定部は、センサから後退レンジのレンジ位置を取得してから所定時間が経過するまでは、レンジ位置の確定を判定しない。そのため、所定時間が経過するまでは、クラッチ駆動部によってクラッチが締結されることはなく、車両の運転者が意図していない後退方向への発進が防止される。
また、レンジ位置判定部は、センサから他のレンジ位置を取得することなく、後退レンジのレンジ位置を取得してから所定時間が経過した後に、レンジ位置が後退レンジに確定したことを判定する。すると、クラッチ駆動部は、二系統のギヤ機構のうち、即時プリシフト部によってスリーブが締結されたギヤを含む一方のギヤ機構にエンジンからのトルクを伝達する一方のクラッチを締結させる。
これにより、レンジ位置判定部が後退レンジのレンジ位置の確定を判定した後にスリーブを移動させる必要がなくなる。すなわち、後退レンジのレンジ位置が確定した時点で、後進段のギヤの選択が完了しており、クラッチを締結するだけで車両を後進方向に発進させることが可能になる。したがって、セレクトレバーを前進レンジから後退レンジへ切り替える運転者のセレクト操作に対して車両を発進可能な状態にするセレクト制御の応答性を向上させ、車両の高い発進応答性を確保することができる。
本発明の制御装置によれば、セレクトレバーを前進レンジから後退レンジへ切り替えるセレクト操作に対して、車両を発進可能な状態にするセレクト制御の応答性を向上させることができる。
本発明の実施形態1に係る制御装置と自動変速機の概略図。 図1に示す制御装置のブロック図。 図1に示す制御装置によるセレクト制御のフローチャート。 図1に示す制御装置によるセレクト制御のタイムチャート。 本発明の実施形態2に係る制御装置によるセレクト制御のフローチャート。 比較例の制御装置によるセレクト制御のタイムチャート。
以下、図面を参照して本発明の自動変速機の制御装置の実施の形態を説明する。
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係る制御装置10とその制御対象である自動変速機100の概略図である。本実施形態の制御装置10によって制御される自動変速機100が搭載される車両は、たとえば、エンジン200と、自動変速機100と、エンジン200を制御するためのエンジン制御ユニット300と、自動変速機100を制御するためのパワートレーン制御ユニット400と、を備えている。
パワートレーン制御ユニット400は、エンジン制御ユニット300と相互に通信可能に構成され、相互に情報を送受信する。本実施形態の制御装置10は、たとえば、車両のパワートレーン制御ユニット400に含まれている。以下では、まず、本実施形態の制御装置10の制御対象である自動変速機100の一例およびその周辺の構成について説明し、次に、本実施形態の制御装置10について説明する。
(自動変速機)
自動変速機100は、たとえば、二つのクラッチ101,102と、二系統のギヤ機構110,120と、出力軸103と、油圧機構130とを備えている。また、自動変速機100は、たとえば、セレクトレバーのレンジ位置を取得するセンサ104と、センサ104によって取得されたレンジ位置に応じて移動されて二系統のギヤ機構110,120の一方のギヤに締結されるスリーブ105と、スリーブ105の位置を検出する位置センサ106とを備えている。
二つのクラッチ101,102は、たとえば、第1クラッチ101と第2クラッチ102を含んでいる。第1クラッチ101は、締結された状態において、エンジン200からのトルクを第1ギヤ機構110の第1入力軸111に伝達し、解放された状態において、エンジン200から第1入力軸111への動力伝達を切断する。第2クラッチ102は、締結された状態において、エンジン200からのトルクを第2ギヤ機構120の第2入力軸121に伝達し、解放された状態において、エンジン200から第2入力軸121への動力伝達を切断する。
二系統のギヤ機構110,120は、第1ギヤ機構110と第2ギヤ機構120を含み、エンジン200からのトルクが第1クラッチ101と第2クラッチ102の二つのクラッチ101,102のいずれかを介して伝達される。第1ギヤ機構110は、たとえば第1入力軸111と、この第1入力軸111の回転によって回転する第2ドリブンギヤ112および第4ドリブンギヤ113を備えている。第2ドリブンギヤ112および第4ドリブンギヤ113は、それぞれ、セレクトレバーのレンジ位置が前進レンジである場合に選択される2速および4速のギヤである。
第2ギヤ機構120は、たとえば中空の第2入力軸121と、この第2入力軸121の回転によって回転する第1ドリブンギヤ122、第3ドリブンギヤ123、第5ドリブンギヤ124および第6ドリブンギヤ125を備えている。第1ドリブンギヤ122、第3ドリブンギヤ123、および第5ドリブンギヤ124は、それぞれ、セレクトレバーのレンジ位置が、前進レンジである場合に選択される1速、3速、および5速のギヤである。第6ドリブンギヤ125は、セレクトレバーのレンジ位置が、後進レンジである場合に選択される後進段のギヤである。
第1ギヤ機構110の第1入力軸111は、第2ギヤ機構120の中空の第2入力軸121の内部に配置され、第2入力軸121を軸方向に貫通している。これにより、第1ギヤ機構110の第1入力軸111と第2ギヤ機構120の第2入力軸121とは、互いに独立して単独で回転するように構成されている。
車両のセレクトレバーのレンジ位置を取得するセンサ104は、たとえば、インヒビタースイッチによって構成することができる。センサ104は、取得したセレクトレバーのレンジ位置を、パワートレーン制御ユニット400に入力する。パワートレーン制御ユニット400は、センサ104からのスイッチ出力信号により、レンジ位置を検出する。
車両に搭載される自動変速機100のセレクトレバーのレンジ位置は、たとえば、駐車レンジ、後退レンジ、ニュートラルレンジ、前進レンジ、低速レンジの順に並んでいる。以下では、駐車レンジ、後退レンジ、ニュートラルレンジ、前進レンジ、および低速レンジの各レンジ位置を、それぞれ、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ、およびLレンジと略称する場合がある。
なお、車両のセレクトレバーのレンジ位置を取得するセンサ104は、インヒビタースイッチに限定されず、任意の検出素子および検出機構を採用することができる。また、セレクトレバーのレンジ位置の並び順は、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ、およびLレンジの順に限定されず、任意の並び順を選択することが可能である。
スリーブ105は、車両のタイヤを駆動させる出力軸103のギヤに対して常に噛み合って締結された状態になっている。スリーブ105は、センサ104によって取得されたセレクトレバーのレンジ位置に応じて所定の締結位置に移動され、ギヤ機構の各変速段のギヤに締結されることで、エンジンからの動力を出力軸103に伝達する。自動変速機100は、たとえば、第1スリーブ105a、第2スリーブ105bおよび第3スリーブ105cの三つのスリーブ105を備えている。
第1スリーブ105aは、第2ギヤ機構120の第1ドリブンギヤ122に対する締結位置と、第2ギヤ機構120の第6ドリブンギヤ125に対する締結位置と、いずれのギヤにも締結されない中立位置に移動可能に構成されている。第1スリーブ105aは、第2ギヤ機構120の第1ドリブンギヤ122または第6ドリブンギヤ125に締結されたときに、その締結されたギヤの動力を出力軸103に伝達する。
第2スリーブ105bは、第2ギヤ機構120の第3ドリブンギヤ123に対する締結位置と、第2ギヤ機構120の第5ドリブンギヤ124に対する締結位置と、いずれのギヤにも締結されない中立位置に移動可能に構成されている。第2スリーブ105bは、第2ギヤ機構120の第3ドリブンギヤ123または第5ドリブンギヤ124に締結されたときに、その締結されたギヤの動力を出力軸103に伝達する。
第3スリーブ105cは、第1ギヤ機構110の第2ドリブンギヤ112に対する締結位置と、第1ギヤ機構110の第4ドリブンギヤ113に対する締結位置と、いずれのギヤにも締結されない中立位置に移動可能に構成されている。第3スリーブ105cは、第1ギヤ機構110の第2ドリブンギヤ112または第4ドリブンギヤ113に締結されたときに、その締結されたギヤの動力を出力軸103に伝達する。
出力軸103は、第2ギヤ機構120の第1ドリブンギヤ122または第6ドリブンギヤ125と第1スリーブ105aとを介して、第2ギヤ機構120の第2入力軸121の動力が伝達される。また、出力軸103は、第2ギヤ機構120の第3ドリブンギヤ123または第5ドリブンギヤ124と第2スリーブ105bとを介して、第2ギヤ機構120の第2入力軸121の動力が伝達される。また、出力軸103は、第1ギヤ機構110の第2ドリブンギヤ112または第4ドリブンギヤ113と第3スリーブ105cとを介して、第1ギヤ機構110の第1入力軸111の動力が伝達されて回転する。
油圧機構130は、たとえば、複数の動力発生部131と、複数の電磁弁132と、複数の油圧アクチュエータ133とを備えている。複数の油圧アクチュエータ133は、たとえば、第1油圧アクチュエータ133aから第3油圧アクチュエータ133cまでの三つの油圧アクチュエータ133を含んでいる。
複数の動力発生部131は、たとえば、第1動力発生部131aと第2動力発生部131bの二つの動力発生部131を含む。第1動力発生部131aは、たとえばエンジン200によって駆動されるオイルポンプを備え、エンジン200の駆動時に油圧を発生させるように構成されている。第2動力発生部131bは、たとえば、電動式のオイルポンプと、そのオイルポンプに電力を供給する蓄電式の電力供給部とを備え、アイドリングストップ時を含むエンジン200の停止中に、油圧を発生させるように構成されている。
複数の電磁弁132は、たとえば、第1電磁弁132aから第8電磁弁132hまでの八つの電磁弁132を含む。第1電磁弁132aは、第1動力発生部131aまたは第2動力発生部131bによって発生した油圧を制御して第1クラッチ101を駆動させる。すなわち、第1電磁弁132aを制御することによって、第1クラッチ101の締結と解放を制御することができる。第2電磁弁132bは、第1動力発生部131aまたは第2動力発生部131bによって発生した油圧を制御して第2クラッチ102を駆動させる。すなわち、第2電磁弁132bを制御することによって、第2クラッチ102の締結と解放を制御することができる。
第3電磁弁132cおよび第4電磁弁132dは、第1動力発生部131aまたは第2動力発生部131bによって発生した油圧を制御して第1油圧アクチュエータ133aを駆動させる。第1油圧アクチュエータ133aは、たとえば油圧ピストンを備え、第3電磁弁132cおよび第4電磁弁132dによって油圧を調節することで、第1スリーブ105aを所定の位置に移動させる。具体的には、第1油圧アクチュエータ133aは、たとえば、第1スリーブ105aを、第2ギヤ機構120の第1ドリブンギヤ122もしくは第6ドリブンギヤ125に対する締結位置、または、いずれのギヤにも締結されない中立位置に移動させる。
第5電磁弁132eおよび第6電磁弁132fは、第1動力発生部131aまたは第2動力発生部131bによって発生した油圧を制御して第2油圧アクチュエータ133bを駆動させる。第2油圧アクチュエータ133bは、たとえば油圧ピストンを備え、第5電磁弁132eおよび第6電磁弁132fによって油圧を調節することで、第2スリーブ105bを所定の位置に移動させる。具体的には、第2油圧アクチュエータ133bは、たとえば、第2スリーブ105bを、第2ギヤ機構120の第3ドリブンギヤ123または第5ドリブンギヤ124に対する締結位置、または、いずれのギヤにも締結されない中立位置に移動させる。
第7電磁弁132gおよび第8電磁弁132hは、第1動力発生部131aまたは第2動力発生部131bによって発生した油圧を制御して第3油圧アクチュエータ133cを駆動させる。第3油圧アクチュエータ133cは、たとえば油圧ピストンを備え、第7電磁弁132gおよび第8電磁弁132hによって油圧を調節することで、第3スリーブ105cを所定の位置に移動させる。具体的には、第3油圧アクチュエータ133cは、たとえば、第3スリーブ105cを、第1ギヤ機構110の第2ドリブンギヤ112または第4ドリブンギヤ113に対する締結位置、または、いずれのギヤにも締結されない中立位置に移動させる。
位置センサ106は、たとえば、第1スリーブ105aから第3スリーブ105cまでの各スリーブ105に対して設けられ、各スリーブ105の位置を検出するように構成されている。なお、位置センサ106は、第1スリーブ105aのみに設けるようにしてもよい。位置センサ106の構成は、特に限定されず、任意の検出素子および検出機構を採用することができる。
より詳細には、位置センサ106は、たとえば、第1スリーブ105aの位置が、第2ギヤ機構120の第1ドリブンギヤ122に対する締結位置、第2ギヤ機構120の第6ドリブンギヤ125に対する締結位置、または、いずれのギヤにも締結されない中立位置にあることを検出する。
また、位置センサ106は、たとえば、第2スリーブ105bの位置が、第2ギヤ機構120の第3ドリブンギヤ123に対する締結位置、第2ギヤ機構120の第5ドリブンギヤ124に対する締結位置、または、いずれのギヤにも締結されない中立位置にあることを検出する。
また、位置センサ106は、たとえば、第3スリーブ105cの位置が、第1ギヤ機構110の第2ドリブンギヤ112に対する締結位置、第1ギヤ機構110の第4ドリブンギヤ113に対する締結位置、または、いずれのギヤにも締結されない中立位置にあることを検出する。
(自動変速機の制御装置)
本実施形態の自動変速機100の制御装置10は、前述のように、たとえば、車両のパワートレーン制御ユニット400に含まれている。パワートレーン制御ユニット400および本実施形態の制御装置10は、たとえば、中央演算処理装置、記憶装置、コンピュータプログラム、入出力部などを備えたコンピュータユニットによって構成することができる。
図2は、本実施形態の制御装置10の概略構成を示すブロック図である。本実施形態の制御装置10は、主に、即時プリシフト部11と、レンジ位置判定部12と、クラッチ駆動部13とを備えている。
即時プリシフト部11は、センサ104からレンジ位置を取得したときに即時にその取得したレンジ位置に対応するギヤにスリーブ105を移動させて締結させる。即時プリシフト部11は、たとえば、センサ104から取得したレンジ位置が、Rレンジ以外のレンジ位置からRレンジに切り替わったときに、即時にRレンジに対応するギヤにスリーブ105を移動させて締結させる。
より詳細には、即時プリシフト部11は、たとえば、センサ104から取得したレンジ位置が、Rレンジ以外のレンジ位置からRレンジに切り替わったときに、即時に、油圧機構130に制御信号を出力して、第3電磁弁132cと第4電磁弁132dを制御する。これにより、即時プリシフト部11は、レンジ位置がRレンジに切り替わったときに、即時に第1スリーブ105aを後進段のギヤである第6ドリブンギヤ125に締結させる。
より詳細には、即時プリシフト部11は、たとえば、センサ104から取得したレンジ位置が、車両の走行時に選択されるDレンジから、車両の後退時に選択されるRレンジに切り替わったときに、即時に、油圧機構130に制御信号を出力して、第3電磁弁132cと第4電磁弁132dを制御する。これにより、即時プリシフト部11は、レンジ位置がDレンジからRレンジに切り替わったときに、即時に第1スリーブ105aを第6ドリブンギヤ125に締結させる。
また、即時プリシフト部11は、たとえば、スリーブ105の位置を検出する位置センサ106から入力されたスリーブ105の位置に基づいて、移動させたスリーブ105のギヤに対する締結が終了したか否かを判定することができる。具体的には、即時プリシフト部11は、たとえば、Rレンジに対応するギヤにスリーブ105を移動させて締結させるときに、スリーブ105とRレンジに対応するギヤとの締結が完了したか否かを判定することができる。
より詳細には、即時プリシフト部11は、たとえば、レンジ位置がRレンジに切り替わり、即時に第1スリーブ105aを移動させて後進段のギヤである第6ドリブンギヤ125に締結させるときに、第1スリーブ105aと第6ドリブンギヤ125との締結が終了したか否かを判定することができる。なお、即時プリシフト部11による締結終了判定は、第1スリーブ105aを第1ドリブンギヤ122に締結させる場合や、第2スリーブ105bおよび第3スリーブ105cを各ギヤに締結させる場合にも、同様に行うことができる。
レンジ位置判定部12は、センサ104からレンジ位置を取得してから所定時間の経過後にその取得したレンジ位置の確定を判定する。レンジ位置判定部12は、たとえば、センサ104から取得したレンジ位置が、Rレンジ以外のレンジ位置からRレンジに切り替わったときに、タイマカウンタによる時間の計測を開始する。
そして、レンジ位置判定部12は、レンジ位置が、Rレンジに切り替わった後に、Rレンジ以外のレンジ位置に切り替わることなく、タイマカウンタによって所定時間の経過が計測されたときに、セレクトレバーのレンジ位置がRレンジに確定したことを判定する。なお、レンジ位置判定部12によるレンジ位置確定の判定は、Rレンジ以外においても、同様に行うことができる。
タイマカウンタを用いることで、たとえばセレクトレバーのレンジ位置を取得するセンサ104からの入力が、接点を持つスイッチからのスイッチ入力であっても、入力の判定にチャタリング回避を目的とした一定の時間を確保することができる。また、セレクトレバーのレンジ位置は、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジ、Lレンジなど、複数のレンジ位置が存在する。そのため、セレクトレバーを操作して現在のレンジ位置から目標とするレンジ位置を選択するときに、他のレンジ位置を経由することがある。
たとえば、セレクトレバーを操作してNレンジからPレンジを選択するときに、Rレンジを経由する。このような場合に、Rレンジを経由する時間は、短時間であることから、通常は、所定時間を超えることはない。したがって、Rレンジを経由するセレクトレバーの操作時に、レンジ位置判定部12によってRレンジの確定が判定されるのを防止できる。
クラッチ駆動部13は、レンジ位置判定部12によるレンジ位置の確定の判定後にスリーブ105が締結されたギヤを含む一方のギヤ機構にトルクを伝達する一方のクラッチを締結させる。より具体的には、たとえば、レンジ位置判定部12によってレンジ位置がRレンジに確定したことが判定されると、クラッチ駆動部13は、第1スリーブ105aが締結された後進段の第6ドリブンギヤ125を含む第2ギヤ機構120にトルクを伝達する第2クラッチ102を締結させる。
より詳細には、たとえば、レンジ位置判定部12によってレンジ位置がRレンジに確定したことが判定されると、クラッチ駆動部13は、油圧機構130に制御信号を入力して第2電磁弁132bを制御する。これにより、クラッチ駆動部13は、レンジ位置がRレンジに確定したことが判定されたときに、第1スリーブ105aが締結された後進段の第6ドリブンギヤ125を含む第2ギヤ機構120にトルクを伝達する第2クラッチ102を締結させる。
なお、クラッチ駆動部13による二系統のギヤ機構110,120の一方に対する二つのクラッチ101,102の一方の締結は、レンジ位置がRレンジ以外に確定した場合においても、確定したレンジ位置に対応するギヤを含むギヤ機構110またはギヤ機構120に対して同様に行うことができる。
以下、本実施形態とは異なる制御装置の比較例との対比に基づいて、本実施形態の自動変速機100の制御装置10の作用について説明する。ここでは、前述の即時プリシフト部11を有しない比較例の制御装置を想定する。
前述の特許文献1に記載された従来の発進制御装置において、車両の高い発進応答性を確保できるのは、前述のように、NレンジからDレンジまたはRレンジへ切り替えての発進時に限られている。たとえば、セレクトレバーをDレンジからRレンジへ切り替えて車両を発進させるときに、セレクトレバーのセレクト操作に対して車両の高い発進応答性を確保することが課題となる。
図6は、即時プリシフト部11を有しない比較例の制御装置による自動変速機の制御の一例を示すタイムチャートである。図6の(A)から(G)に示すタイムチャートにおいて、横軸は時間Tである。図6に示すタイムチャートにおいて、(A)はブレーキ信号のオンとオフ、(B)はセレクトレバーのレンジ位置、(C)はタイマカウンタ値、(D)は確定したレンジ位置、(E)はスリーブ105の位置、(F)はクラッチの解放と締結、(G)は車速を示している。
図6において、時間T=0から時間T=t1までは、(A)に示すように、車両の運転者によってブレーキがオンにされた状態で、(B)に示すように、セレクトレバーのレンジ位置がDレンジである。また、(C)に示すように、タイマカウンタ値はゼロであり、(D)に示すように、確定したレンジはDレンジであり、(E)に示すように、スリーブ105の位置は、1速のギヤに対する締結位置にある。また、(F)に示すように、奇数段の変速段のギヤに動力を伝達するクラッチは解放され、(G)に示すように、車速はゼロである。
図6において、時間T=t1で車両の運転者によってセレクトレバーが操作され、(B)に示すように、セレクトレバーのレンジ位置がDレンジからNレンジにシフトしている。同時に、(D)に示すように、確定したレンジ位置が、DレンジからNレンジにシフトし、(E)に示すように、スリーブ105の位置が、1速のギヤに対する締結位置から、1速のギヤにも後進段のギヤにも締結されない中立位置にシフトしている。なお、スリーブ105のシフトには、たとえば、時間T=t1から時間T=t2までの一定の時間を要している。
図6において、時間T=t2で車両の運転者によってセレクトレバーが操作され、(B)に示すように、セレクトレバーのレンジ位置がNレンジからRレンジにシフトしている。同時に、タイマカウンタによる時間の計測が開始され、(C)に示すように、計測開始からの累積時間であるタイマカウンタ値が増加していく。しかし、(C)に示すタイマカウンタ値が、所定の値TMを超えるまでは、(D)に示すように、確定したレンジ位置は、Nレンジに維持され、スリーブ105の位置は、中立位置からシフトしない。
図6において、時間T=t2から時間T=t3までの間に、(A)に示すように、車両の運転者によってブレーキがオフにされている。さらに、時間T=t3で、タイマカウンタによって計測された累積時間が所定時間を超え、(C)に示すように、タイマカウンタ値が所定の値TMを超えている。それと同時に、(D)に示すように、確定したレンジ位置は、NレンジからRレンジにシフトし、(E)に示すように、スリーブ105の移動が開始され、スリーブ105の位置が、中立位置から後進段のギヤに対する締結位置へのシフトを開始する。
図6において、時間T=t4で、(E)に示すように、スリーブ105の移動が完了して、スリーブ105の位置が後進段のギヤに対する締結位置に配置される。すると、(F)に示すように、奇数段のギヤを駆動するクラッチの締結が開始され、(G)に示すように、車速が上昇を始める。このように、図2に示す即時プリシフト部11を有しない比較例の制御装置による制御では、時間T=t3においてレンジ位置がRレンジに確定した後に、スリーブ105の移動が完了する時間T=t4までは、車両を発進させることができないという課題がある。
図1に示すように、本実施形態の制御装置10は、二系統のギヤ機構110,120と、セレクトレバーのレンジ位置を取得するセンサ104と、スリーブ105とを備えた自動変速機100を制御する点では、前述の比較例の制御装置と共通している。自動変速機100の二系統のギヤ機構110,120は、エンジン200からのトルクが二つのクラッチ101,102のいずれかを介して伝達される。また、スリーブ105は、レンジ位置に応じて移動され前記二系統のギヤ機構110,120の一方のギヤに締結される。しかし、本実施形態の制御装置10は、図2に示すように、即時プリシフト部11と、レンジ位置判定部12と、クラッチ駆動部13と、を備える点で、前述の比較例の制御装置と異なっている。即時プリシフト部11は、センサ104からレンジ位置を取得したときに即時にその取得したレンジ位置に対応するギヤにスリーブ105を移動させて締結させる。レンジ位置判定部12は、センサ104からレンジ位置を取得してから所定時間の経過後にその取得したレンジ位置の確定を判定する。クラッチ駆動部13は、レンジ位置の確定の判定後にスリーブ105が締結されたギヤを含む一方のギヤ機構にトルクを伝達する一方のクラッチを締結させる。
図3は、本実施形態の制御装置10による自動変速機100の制御フローの一例を示すフローチャートである。本実施形態の制御装置10は、たとえば、図3に示すように、レンジ位置取得工程S101と、プリシフト工程S103と、レンジ位置確定工程S104と、クラッチ締結工程S106と、を有する自動変速機の制御方法S100を実施することができる。図3に示す例において、自動変速機の制御方法S100は、カウンタクリア工程S102とプリシフト完了判定工程S105を有している。
図4は、本実施形態の制御装置10による自動変速機100の制御の一例を示すタイムチャートである。図4の(A)から(G)に示すタイムチャートにおいて、横軸は時間である。図4に示すタイムチャートにおいて、(A)はブレーキ信号のオンとオフ、(B)はセレクトレバーのレンジ位置、(C)はタイマカウンタ値、(D)は確定したレンジ位置、(E)はスリーブ105の位置、(F)はクラッチの解放と締結、(G)は車速を示している。なお、図6に示した前述の比較例の制御装置による自動変速機の制御のタイムチャートを、図4の(E)、(F)、(G)に破線で示している。
図4において、時間T=0から時間T=t1までは、(A)に示すように、車両の運転者によってブレーキがオンにされた状態で、(B)に示すように、セレクトレバーのレンジ位置がDレンジである。また、(C)に示すように、タイマカウンタ値はゼロであり、(D)に示すように、確定したレンジはDレンジであり、(E)に示すように、スリーブ105の位置は、1速のギヤに対する締結位置にある。また、(F)に示すように、奇数段の変速段のギヤに動力を伝達するクラッチは解放され、(G)に示すように、車速はゼロである。
図4において、時間T=t1で車両の運転者によってセレクトレバーが操作され、(B)に示すように、セレクトレバーのレンジ位置がDレンジからNレンジにシフトしている。ここで、本実施形態の制御装置10は、たとえば、図3に示すレンジ位置取得工程S101を行う。レンジ位置取得工程S101において、制御装置10は、たとえば、即時プリシフト部11によって、センサ104から入力されたレンジ位置がRレンジであるか否かを判定する。
図4において、時間T=t1では、セレクトレバーのレンジ位置がDレンジからNレンジにシフトしているので、制御装置10は、レンジ位置取得工程S101において、レンジ位置がRレンジではないと判定し(NO)、カウンタクリア工程S102に進む。制御装置10は、カウンタクリア工程S102において、Rレンジの確定を判定するためのタイマカウンタの計測値であるタイマカウンタ値をゼロにするタイマカウンタ値のクリアを行い、制御を終了する。
また、図4において、時間T=t1でセレクトレバーのレンジ位置がDレンジからNレンジにシフトするのと同時に、制御装置10は、たとえばレンジ位置判定部12によって、レンジ位置がNレンジに確定したことを判定する。すなわち、レンジ位置判定部12は、Rレンジ以外のレンジ位置がセンサ104から入力された場合には、即時にその入力されたレンジ位置の確定を判定することができる。これにより、図4の(D)に示すように、確定したレンジ位置が、DレンジからNレンジにシフトする。
図4の(D)に示すように、時間T=t1でレンジ位置がNレンジに確定すると、制御装置10は、たとえば即時プリシフト部11によって、図1に示す第3電磁弁132cと第4電磁弁132dの制御を即時に開始する。これにより、即時プリシフト部11は、第1油圧アクチュエータ133aによって、第1スリーブ105aを中立位置に移動させる。その結果、図4の(E)に示すように、時間T=t1から時間T=t2までの間に、第1スリーブ105aの位置が、1速の第1ドリブンギヤ122に対する締結位置から、1速の第1ドリブンギヤ122にも後進段の第6ドリブンギヤ125にも締結されない中立位置にシフトする。
図4において、時間T=t2で車両の運転者によってセレクトレバーが操作され、(B)に示すように、セレクトレバーのレンジ位置がNレンジからRレンジにシフトしている。ここで、本実施形態の制御装置10は、たとえば、図3に示すレンジ位置取得工程S101を行う。レンジ位置取得工程S101において、制御装置10は、たとえば、即時プリシフト部11によって、センサ104から入力されたレンジ位置がRレンジであるか否かを判定する。
図4において、時間T=t2では、セレクトレバーのレンジ位置がDレンジからNレンジを経由してRレンジにシフトしている。そのため、制御装置10は、図3に示すレンジ位置取得工程S101において、レンジ位置がRレンジであると判定し(YES)、プリシフト工程S103に進む。 制御装置10は、プリシフト工程S103において、たとえば即時プリシフト部11によって、スリーブ105のプリシフトを行う。
ここで、プリシフトとは、ある変速段から他の変速段へ変速するときに、変速が予定されている変速段のギヤに対する締結位置に、予めスリーブを移動させておくことをいう。具体的には、プリシフト工程S103で、即時プリシフト部11は、図4に示す時間T=t2において即時に第3電磁弁132cと第4電磁弁132dの制御を開始する。そして、即時プリシフト部11は、第1油圧アクチュエータ133aによって、第1スリーブ105aを後進段の第6ドリブンギヤ125に対する締結位置に、即時に移動させる。
すなわち、即時プリシフト部11は、センサ104から取得したレンジ位置が、車両の走行時に選択されるDレンジから、たとえばNレンジを経由して、車両の後退時に選択されるRレンジに切り替わったときに、即時にRレンジに対応するギヤにスリーブ105を移動させて締結させる。
これにより、図4の(E)に示すように、時間T=t2が経過した直後に、第1スリーブ105aのシフトが開始され、第1スリーブ105aの位置が、中立位置から後進段の第6ドリブンギヤ125に対する締結位置にシフトする。したがって、本実施形態の制御装置10によれば、図4の(E)に破線で示す比較例の制御装置によるスリーブ105の移動よりも早い時間Tに、第1スリーブ105aを、後進段の第6ドリブンギヤ125に対する締結位置にシフトさせるプリシフトを行うことができる。
また、図4において、時間T=t2で、(B)に示すようにセレクトレバーのレンジ位置がNレンジからRレンジにシフトすると、制御装置10は、たとえば、図3に示すレンジ位置確定工程S104を実施する。レンジ位置確定工程S104は、たとえば、カウント開始工程S104aと、時間判定工程S104bと、レンジ確定工程S104cとを有している。
カウント開始工程S104aにおいて、制御装置10は、たとえばレンジ位置判定部12によって、タイマカウンタによる時間の計測を開始する。これにより、図4の時間T=t2において、(C)に示すように、タイマカウンタ値が増加し始める。その後、制御装置10は、図3に示す時間判定工程S104bを行う。
時間判定工程S104bにおいて、制御装置10は、たとえばレンジ位置判定部12によって、所定時間の経過を判定するために、タイマカウンタ値が所定の値TMを超えたか否かを判定する。時間判定工程S104bにおいて、所定時間を経過することなく、レンジ位置がRレンジから他のレンジに切り替えられると、レンジ位置判定部12は、タイマカウンタ値が所定の値TMを超えていないと判定し(NO)、制御を終了する。
また、時間判定工程S104bにおいて、所定時間が経過するまでレンジ位置がRレンジから他のレンジに切り替えられなければ、図4の(C)に示すように、時間T=t3でタイマカウンタ値が所定の値TMを超える。すると、レンジ位置判定部12は、図3に示す時間判定工程S104bにおいて、タイマカウンタ値が所定の値TMを超えたと判定し(YES)、レンジ確定工程S104cを行う。
レンジ確定工程S104cにおいて、レンジ位置判定部12は、所定時間に亘って切り替えられることなく維持されたレンジ位置を、確定したレンジ位置とする。これにより、図4の(D)に示すように、時間T=t3において、確定したレンジ位置がNレンジからRレンジにシフトする。ここで、制御装置10は、図3に示すプリシフト完了判定工程S105を行うことができる。なお、プリシフト完了判定工程S105は、任意の工程であり、省略することも可能である。
プリシフト完了判定工程S105において、制御装置10は、たとえば即時プリシフト部11によって、プリシフトが完了しているか否かを判定する。具体的には、たとえば即時プリシフト部11によって、第1スリーブ105aに設けられた位置センサ106から第1スリーブ105aの位置を取得し、第1スリーブ105aが後進段の第6ドリブンギヤ125との締結位置まで移動し、第1スリーブ105aと第6ドリブンギヤ125との締結が完了しているか否かを判定する。すなわち、即時プリシフト部11は、スリーブ105の位置を検出する位置センサ106からスリーブ105の位置を取得して、スリーブ105のギヤに対する締結完了を判定する。
プリシフト完了判定工程S105において、たとえば、第1スリーブ105aと第6ドリブンギヤ125との締結が完了していれば、即時プリシフト部11は、プリシフトが完了していると判定する(YES)。その後、制御装置10は、クラッチ締結工程S106を行う。一方、プリシフト完了判定工程S105において、たとえば、第1スリーブ105aと第6ドリブンギヤ125との締結が完了していなければ、即時プリシフト部11は、プリシフトが完了していないと判定する(NO)。この場合、即時プリシフト部11は、プリシフトを継続して第1スリーブ105aと第6ドリブンギヤ125とを締結させ、再度、プリシフト完了判定工程S105を行う。
クラッチ締結工程S106において、制御装置10は、レンジ位置判定部12によって確定されたレンジ位置に基づいて、クラッチ駆動部13によってクラッチを締結する。具体的には、クラッチ駆動部13は、レンジ位置判定部12によって確定されたRレンジに基づいて、図1に示す油圧機構130の第2電磁弁132bを制御して、後進段の第6ドリブンギヤ125を駆動させる第2クラッチ102を締結する。これにより、図4の(F)および(G)において破線で示す比較例の制御装置による制御よりも早い時間T=t3にクラッチの締結が開始されて車速が上昇を開始する。
このように、本実施形態の制御装置10によれば、レンジ位置判定部12がRレンジのレンジ位置の確定を判定した後にスリーブ105を移動させる必要がなくなる。すなわち、Rレンジのレンジ位置が確定した時点で、後進段の第6ドリブンギヤ125の選択が完了しており、第2クラッチ102を締結するだけで車両を後進方向に発進させることが可能になる。これにより、セレクトレバーをDレンジからRレンジへ切り替える運転者のセレクト操作に対して車両を発進可能な状態にするセレクト制御の応答性を向上させ、車両の高い発進応答性を確保することができる。
また、本実施形態の制御装置10において、即時プリシフト部11は、エンジン200の停止中にスリーブ105を移動させる動力を発生可能な第2動力発生部131bによって駆動する油圧機構130を制御して、スリーブ105を移動させることができる。したがって、本実施形態の制御装置10は、たとえば、アイドリングストップ制御によってエンジン200が停止している場合でも、セレクトレバーをDレンジからRレンジへ切り替える運転者のセレクト操作に対して、セレクト制御の応答性を向上させ、車両の高い発進応答性を確保することができる。
以上説明したように、本実施形態の制御装置10によれば、セレクトレバーを前進レンジから後退レンジへ切り替えるセレクト操作に対して、車両を発進可能な状態にするセレクト制御の応答性を向上させることができる。
[実施形態2]
次に、図1、図2および図4を援用し、図5を用いて、本発明の制御装置の実施形態2を説明する。図5は、本実施形態の制御装置によるセレクト制御のタイムチャートである。
本実施形態の制御装置は、即時プリシフト部11がセンサ104から取得したレンジ位置が、車両の駐車時に選択される駐車レンジから後退レンジを経由して前進レンジに切り替わったときに、スリーブ105の移動を規制する点で、前述の実施形態1の制御装置10と異なっている。本実施形態の制御装置のその他の点は、前述の実施形態1の制御装置10と同様であるので、同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態の制御装置による自動変速機の制御方法S100’は、前述のレンジ位置取得工程S101の前に、Dレンジ判定工程S107を有している。図4において、時間T=0から時間T=t1までは、(B)に示すように、セレクトレバーのレンジ位置がDレンジである。ここで、本実施形態の制御装置は、図5に示すDレンジ判定工程S107を行う。
Dレンジ判定工程S107において、本実施形態の制御装置は、即時プリシフト部11によって、センサ104から取得したレンジ位置が、Dレンジであるか否かを判定する。仮に、センサ104から取得したレンジ位置がDレンジでなければ、即時プリシフト部11は、Dレンジ判定工程S107においてDレンジでない(NO)と判定し、制御を終了する。
しかし、図4において、時間T=0から時間T=t1までは、(B)に示すように、セレクトレバーのレンジ位置がDレンジである。この場合、即時プリシフト部11は、センサ104からレンジ位置としてDレンジを取得し、Dレンジ判定工程S107においてDレンジである(YES)と判定する。その後、本実施形態の制御装置は、前述の実施形態1の制御装置10と同様の制御を行う。
したがって、本実施形態の制御装置によれば、前述の実施形態1の制御装置10と同様の効果が得られる。さらに、即時プリシフト部11は、前述のように、センサ104から取得したレンジ位置が、車両の駐車時に選択されるPレンジからRレンジを経由してDレンジに切り替わったときに、スリーブ105の移動を規制する。
これにより、たとえば運転者がPレンジからDレンジまでセレクトレバーを操作するときにRレンジを経由しても、Rレンジに対応する無駄なプリシフトが行われない。そのため、スリーブ105が後進段のギヤとの締結位置へ動いた後に、前進段のギヤの締結位置へ動くような無駄な動作が発生しない。したがって、セレクト操作に対して、車両を発進可能な状態にするセレクト制御の応答性を向上させることができる。
以上、図面を用いて本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
10 制御装置
11 即時プリシフト部
12 レンジ位置判定部
13 クラッチ駆動部
100 自動変速機
101 第1クラッチ
102 第2クラッチ
104 センサ
105 スリーブ
106 位置センサ
110 第1ギヤ機構
120 第2ギヤ機構
125 第6ドリブンギヤ(ギヤ)
131 動力発生部
200 エンジン

Claims (5)

  1. エンジンからのトルクが二つのクラッチのいずれかを介して伝達される二系統のギヤ機構と、セレクトレバーのレンジ位置を取得するセンサと、前記レンジ位置に応じて移動され前記二系統のギヤ機構の一方のギヤに締結されるスリーブとを備えた自動変速機を制御するための制御装置であって、
    前記センサから前記レンジ位置を取得したときに即時にその取得した前記レンジ位置に対応する前記ギヤに前記スリーブを移動させて締結させる即時プリシフト部と、
    前記センサから前記レンジ位置を取得してから所定時間の経過後にその取得した前記レンジ位置の確定を判定するレンジ位置判定部と、
    前記レンジ位置の確定の判定後に前記スリーブが締結された前記ギヤを含む一方の前記ギヤ機構に前記トルクを伝達する一方の前記クラッチを締結させるクラッチ駆動部と、
    を備えることを特徴とする制御装置。
  2. 前記即時プリシフト部は、前記センサから取得した前記レンジ位置が、車両の走行時に選択される前進レンジから該車両の後退時に選択される後退レンジに切り替わったときに即時に前記後退レンジに対応する前記ギヤに前記スリーブを移動させて締結させることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記即時プリシフト部は、前記センサから取得した前記レンジ位置が、車両の駐車時に選択される駐車レンジから前記後退レンジを経由して前記前進レンジに切り替わったときに、前記後退レンジの前記ギヤに対する前記スリーブの移動を規制することを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記即時プリシフト部は、前記スリーブの位置を検出する位置センサから前記スリーブの位置を取得して、前記スリーブの前記ギヤに対する締結完了を判定することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  5. 前記即時プリシフト部は、前記エンジンの停止中に前記スリーブを移動させる動力を発生可能な動力発生部によって前記スリーブを移動させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の制御装置。
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WO2023246945A1 (zh) * 2022-06-23 2023-12-28 中国第一汽车股份有限公司 一种带有犬牙离合器的车辆控制方法和控制装置

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