以下、本発明の第1の実施形態について、図1乃至図5に基づいて説明する。1は本発明の扇風機である。この扇風機1は、円盤状の基部2と、この基部2の中央に設けられる円筒状の支柱3と、この支柱3の上部に取り付けられる送風部4とを有して構成される。
前記基部2は、その内部に、ステッピングモータ等の首振りモータ5と、この首振りモータ5によって回転させられる平歯車6とを有する。そして、この平歯車6は、前記支柱3に連結される。従って、前記支柱3は、前記基部2に対して回転可能である。なお、7は前記支柱3を軸支する軸受である。また、8は図示しないリモコンの受光部である。
前記送風部4は、直流モータ等のモータ9が収容されるモータケーシング10と、このモータケーシング10の後方に延びて設けられる延長部11と、前記モータケーシング10に取り付けられる後ガード12と、この後ガード12の前側に取り付けられる前ガード13と、前記後ガード12と前ガード13とで囲まれると共に前記モータケーシング10の前側に設けられる軸流ファン14とを有する。即ち、前記延長部11は、前記モータケーシング10を挟んで前記軸流ファン14の反対側(反軸流ファン14側)に形成される。なお、前記後ガード12及び前ガード13は、複数の金属線材を用いて構成される。
前記モータケーシング10について詳述する。このモータケーシング10は、前側に設けられたケーシング本体15と、このケーシング本体15の後方に設けられてこのケーシング本体15よりも径大なフランジ部16とを結合させて構成される。前記ケーシング本体15は、図4の姿勢において、軸方向が前後方向となる略円筒状に形成される。なお、このケーシング本体15における後述する締付体18よりも前となる部分の外径はD1である。そして、これらケーシング本体15とフランジ部16とで囲まれる空間に前記モータ9が収容される。このモータ9は、前記ケーシング本体15の内側に位置する。また、このモータ9は、図4の姿勢において、軸方向が前後方向となる略円筒状に形成される。なお、このモータ9の外径はD2である。また、前記ケーシング本体15の前部中央には、図示しない貫通孔が形成されており、この貫通孔から前記モータ9の回転軸17が突出する。更に、前記ケーシング本体15には、締付体18が着脱可能に取り付けられる。この締付体18は、前記フランジ部16と略同径に形成される。また、前記締付体18は、前記ケーシング本体15に対し螺合される。なお、前記締付体18の正面側には、指を掛けるための複数の突起部19が形成される。そして、前記締付体18と前記フランジ部16によって前記後ガード12の中央部を挟持することで、この後ガード12が前記モータケーシング10に対し固定される。従って、前記ケーシング本体15は、その大部分が前記後ガード12と前ガード13とで囲まれる領域に位置する。
また、前記ケーシング本体15の前記締付体18よりも前となる部分の外径D1は、前記軸流ファン14の中央ハブ20の内径D3よりもやや小さい。即ち、D3>D1>D2である。そして、前記モータケーシング10の軸流ファン側である前記ケーシング本体15の前部は、前記軸流ファン14の中央ハブ20内に収容される。これによって、前記軸流ファン14の前端から前記モータケーシング10の後端までの寸法を小さくすることができるので、前記送風部4を小型化することができる。なお、前記軸流ファン14は、取付ネジ21によって前記回転軸17に取り付けられる。
前記延長部11は略円筒状であり、前記モータケーシング10のフランジ部16の中央から後方に突出して設けられる。そして、前記延長部11は、前記モータケーシング10及び前記モータ9と同軸状に設けられる。また、前記延長部11の上面部には、操作手段22が設けられる。この操作手段22は、主操作手段22A及び副操作手段22Bを有する。前記主操作手段22Aは物理スイッチであり、前記軸流ファン14の回転及び停止の操作を行うものである。また、前記副操作手段22Bはタッチスイッチであり、前記軸流ファン14の回転速度の調節、前記送風部4の首振りの選択、及びオフタイマーの設定についての操作を行うものである。また、前記延長部11の内部には、スイッチ基板22Cが収容される。更に、前記延長部11の下面部の中央よりもやや前となる部分には、切欠部23が形成され、この切欠部23から前記支柱3の上端が前記延長部11内に挿入される。そして、前記支柱3の上端は、前記延長部11内において、前記送風部4の俯仰角度を調整するための上下首振り機構24に接続される。なお、前記延長部11は、前記モータ9が収容されないので、その外寸(本実施形態の場合、外径)を細くすることができる。即ち、前記延長部11の外径D4は、前記ケーシング本体15の前記締付体18よりも前となる部分の外径D1よりも小さい。即ち、前記延長部11の軸直断面積は、前記モータ9が収容された前記ケーシング本体15の軸直断面積よりも小さい。なお、ここで言う軸直断面積とは、中空部分を含む断面積であり、外殻部品や内蔵部品のみの断面積を指すものではない。本実施形態では、前記延長部11の軸直断面積は、直径D4の円の面積(π(D4/2)2)である。同様に、前記ケーシング本体15の軸直断面積は、直径D1の円の面積(π(D1/2)2)である。更に、前記延長部11の外径D4は、前記モータ9の外径D2よりも小さい。即ち、前記延長部11の軸直断面積は、前記モータ9の軸直断面積(π(D2/2)2)よりも小さい。従って、D3>D1>D2>D4である。なお、本実施形態において、D4は45mm前後である。また、前記支柱3は、前記延長部11に挿入されることから、少なくともその上端部において、その横幅が前記延長部11の外径D4よりも細く形成される。本実施形態の場合、前記支柱3が円筒状であることから、その外径D5は前記延長部11の外径D4よりも小さい(D4>D5)。
なお、前記上下首振り機構24は、無段階に回動すると共に回動範囲内の任意の位置で摩擦により保持される、いわゆるトルクヒンジと呼ばれる機構が用いられる。このトルクヒンジは、凹凸係合等を利用して多段階に保持される機構と比べて小型にできるので、小径の前記延長部11の内部であっても設置が可能である。なお、本発明の構造では、前記支柱3よりも前方に前記モータ9、後ガード12、前ガード13及び軸流ファン14が位置することで、前記送風部4の重心が前寄りとなる。このため、前記上下首振り機構24には、重力によって、前記送風部4の前方を下向きに傾ける力が加わる。従って、前記上下首振り機構24を構成するトルクヒンジとして、前記送風部4の姿勢を保つのに十分なトルクを有するものが用いられる。また、前記切欠部23と前記支柱3との間は、図示しないシートによって塞がれる。そして、このシートによって、使用者の指が前記切欠部23内に入るのを抑制することができる。これによって、使用者が前記切欠部23と支柱3とで指を挟んでしまう虞を減ずることができる。
そして、前述したように、前記モータ9が前記モータケーシング10に収容されると共に、このモータケーシング10の後方に、前記モータ9が収容されない前記延長部11を設けたことで、前記送風部4における無駄なスペースを削減して前記送風部4を小型化することができるので、デザイン性を向上させることができる。本実施形態では、前記延長部11に前記操作手段22のスイッチ基板22C及び上下首振り機構24が設けられるため、前記延長部11は、前記操作手段22のスイッチ基板22C及び上下首振り機構24が収容される大きさであれば十分である。また、前記モータ9自体も直流モータであって小型のものなので、前記モータケーシング10自体も小型に形成することができる。また、前記モータケーシング10の軸流ファン14側となるケーシング本体15における前記締付体18よりも前側部分が、前記軸流ファン14の中央ハブ20内に収容されることで、前記軸流ファン14の前端から前記モータケーシング10の後端までの寸法を小さくすることができるので、前記送風部4をより小型化することができる。更に、従来の扇風機では、首振りモータが送風部に収容される構造が一般的であったが、本発明の扇風機1では、前記首振りモータ5が前記基部2内に収容されるので、前記送風部4をより小型化することができる。
なお、前記軸流ファン14は、軸方向両端が開放した短円筒状の枠体25の外周に複数の翼26からなる翼部27を設けると共に、前記中央ハブ20と枠体25とを複数のスポーク28からなるスポーク部29で接続したものである。
次に、本発明の第1の実施形態の作用について説明する。まず使用者は、前記基部2の図示しない電源接続部に、同じく図示しない電源コードの一端を接続すると共に、この電源コードの他端を図示しない交流電源に接続する。このようにすることで、前記扇風機1が作動可能な状態となる。そして、前記延長部11の上部に設けられた前記操作手段22を操作することで、前記扇風機1を作動させることができる。なお、この扇風機1は、前記操作手段22によって、前記軸流ファン14の回転及び停止、前記軸流ファン14の回転速度の調節、前記送風部4の首振りの選択、及びオフタイマーの設定について操作可能である。そして、前記操作手段22が前記延長部11の上部に設けられることで、使用者が立ったまま前記扇風機1の操作をすることができ、操作性を向上させることができる。そして、前記軸流ファン14を回転させることで気流が発生することは、従来の扇風機と同様である。
なお、前記軸流ファン14を回転させると、前記翼部27が主気流を発生させる。そして、この主気流に伴って、従気流が発生し、前記枠体25の内側を流通する。
また、前記副操作手段22Bを操作して前記送風部4が首振りするように選択すると、前記基部2に内蔵された首振りモータ5が往復回動する。そして、前記首振りモータ5が往復回動すると、この首振りモータ5の動きが前記平歯車6に伝達され、この平歯車6に接続された前記支柱3が往復回動する。このように、この支柱3が往復回動すると、この支柱3の上端部に設けられた前記送風部4も連動して往復回動する。これによって、前記送風部4が水平方向に首振りしながら、前記軸流ファン14によって広い範囲に送風することができる。
なお、前記扇風機1を移動させる場合、使用者が把持可能な部位は3箇所ある。第1の把持位置H1は、前記支柱3の上部である。この支柱3は、前述した通り、外径D5の細い円筒状であるため、手の小さな人でも持ちやすい。また、第2の把持位置H2は、前記延長部11における前記支柱3よりも前の部分である。この位置は、前記扇風機1の重心の直上部に近いため、把持した際の重量バランスに優れ、把持しやすい。但し、この位置は、前記延長部11の下部に形成した前記切欠部23に近いので、前記送風部4が前記支柱3に対し相対的に下向き方向に倒れた場合、前記切欠部23の縁と前記支柱3とで指を挟んでしまう虞がある。このため、前記把持位置H2を把持する場合、前記延長部11の前端部を親指と人差し指(及び中指)で掴むように把持するか、又は人差し指(及び中指)で下方から引っ掛けるように把持し、前記扇風機1を傾けないように移動させる。そして、前述した通り、前記上下首振り機構24がトルクの大きなトルクヒンジを用いて構成されるので、把持位置H2を把持した際に前記送風部4が上下方向に傾きにくくなっている。更に、第3の把持位置H3は、前記延長部11における前記支柱3よりも後の部分である。この位置は、前記扇風機1の重心から外れるため、把持すると前記送風部4が前記支柱3に対し相対的に下向きとなるように傾くので、移動した後で前記送風部4の上下方向の向きを調節する必要がある。一方、把持位置H3を把持すると、前記切欠部23の後縁が前記支柱3から離れることになるため、前記切欠部23の後縁と前記支柱3とで指を挟むことがなく、安全である。
このように、前記支柱3又は前記延長部11を把持可能な構成とすることで、前記送風部4にハンドル等の把持部を設ける必要がなくなる。そして、このようにハンドル等の把持部を設ける必要がなくなることで、前記軸流ファン14の後方から吸引される気流がハンドル等の把持部で乱されることがない。これは、特に本発明のように、前記翼部27が発生させた主気流に従って発生する従気流を前記送風部4の後方から前記枠体25の内側に流通させるタイプの前記軸流ファン14を用いた前記扇風機1において、前記従気流を妨げないようにすることができるので有効である。
以上のように本発明は、モータ9が収容されたモータケーシング10と前記モータ9によって回転させられる軸流ファン14を有する送風部4と、この送風部4を支持する支柱3とを有する扇風機1において、前記モータケーシング10を挟んで前記軸流ファン14の反対側(反軸流ファン14側)に、前記モータ9が収容された部位である前記モータケーシング10のケーシング本体15における軸直断面積(π(D1/2)2)よりも小さい軸直断面積(π(D4/2)2)を有する延長部11が形成されると共に、この延長部11が前記支柱3の上部に接続されるものであり、前記送風部4における無駄なスペースを削減することができるので、前記送風部4を小型化することができる。
また、内部に首振りモータ5が収容された基部2を有し、この基部2に前記支柱3の下部が接続されると共に、前記首振りモータ5によって前記支柱3が回動可能とされることで、前記モータケーシング10に首振りモータ5を収容する必要がなくなるので、前記送風部4をより小型化することができる。
また、前記モータケーシング10の前記軸流ファン14側が、この軸流ファン14の中央ハブ20内に収容されることで、前記軸流ファン14の前端から前記モータケーシング10の後端までの寸法を小さくすることができるので、前記送風部4をより小型化することができる。
更に、前記延長部11に操作手段22が設けられることで、使用者が立ったまま前記操作手段22の操作を行うことができるので、操作性を向上させることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について、図6に基づいて説明する。なお、第2の実施形態において、延長部33以外の構成は、前述した第1の実施形態における構成と同一であるため、その説明を省略する。
31は本発明の扇風機である。この扇風機31は、円盤状の基部2と、この基部2の中央に設けられる円筒状の支柱3と、この支柱3の上部に取り付けられる送風部32とを有して構成される。
前記送風部32は、直流モータ等のモータ9が収容されるモータケーシング10と、このモータケーシング10の後方に延びて設けられる前記延長部33と、前記モータケーシング10に取り付けられる後ガード12と、この後ガード12の前側に取り付けられる前ガード13と、前記後ガード12と前ガード13とで囲まれると共に前記モータケーシング10の前側に設けられる軸流ファン14とを有する。即ち、前記延長部33は、前記モータケーシング10を挟んで前記軸流ファン14の反対側(反軸流ファン14側)に形成される。
前記延長部33は略円筒状であり、前記モータケーシング10のフランジ部16の中央から後方に突出して設けられる。そして、前記延長部33は、前記モータケーシング10及び前記モータ9と同軸状に設けられる。また、前記延長部33の上面部には、操作手段22が設けられると共に、前記延長部33の内部には、スイッチ基板22Cが収容される。更に、前記延長部33の下面部の中央よりもやや前となる部分には、切欠部23が形成され、この切欠部23から前記支柱3の上端が前記延長部33内に挿入される。そして、前記延長部33の後端部の下部には、突起部34が形成される。また、前記支柱3の上端は、前記延長部33内において、前記送風部4の俯仰角度を調整するための上下首振り機構24に接続される。なお、前記延長部33は、前記モータ9が収容されないので、その外寸(本実施形態の場合、外径)を細くすることができる。即ち、前記延長部33の前記突起部34を除いた部分の外径D4は、前記ケーシング本体15の前記締付体18よりも前となる部分の外径D1よりも小さい。即ち、前記延長部33の軸直断面積は、前記モータ9が収容された前記ケーシング本体15の軸直断面積よりも小さい。本実施形態では、前記延長部33の軸直断面積は、直径D4の円の面積(π(D4/2)2)である。同様に、前記ケーシング本体15の軸直断面積は、直径D1の円の面積(π(D1/2)2)である。更に、前記延長部33の外径D4は、前記モータ9の外径D2よりも小さい。即ち、前記延長部33の軸直断面積は、前記モータ9の軸直断面積(π(D2/2)2)よりも小さい。なお、本実施形態において、前記突起部34を除いた前記延長部33の外径D4は45mm前後である。また、前記支柱3は、前記延長部33に挿入されることから、少なくともその上端部において、その横幅が前記延長部33の外径D4よりも細く形成される。本実施形態の場合、前記支柱3が円筒状であることから、その外径D5は、前記突起部34を除いた前記延長部33の外径D4よりも小さい。
なお、前記上下首振り機構24は、無段階に回動すると共に回動範囲内の任意の位置で摩擦により保持される、いわゆるトルクヒンジと呼ばれる機構が用いられる。このトルクヒンジは、凹凸係合等を利用して多段階に保持される機構と比べて小型にできるので、小径の前記延長部33の内部であっても設置が可能である。なお、本発明の構造では、前記支柱3よりも前方に前記モータ9、後ガード12、前ガード13及び軸流ファン14が位置することで、前記送風部32の重心が前寄りとなる。このため、前記上下首振り機構24には、重力によって、前記送風部32の前方を下向きに傾ける力が加わる。従って、前記上下首振り機構24を構成するトルクヒンジとして、前記送風部32の姿勢を保つのに十分なトルクを有するものが用いられる。
そして、前述したように、前記モータ9が前記モータケーシング10に収容されると共に、このモータケーシング10の後方に、前記モータ9が収容されない前記延長部33を設けたことで、前記送風部32における無駄なスペースを削減して前記送風部32を小型化することができるので、デザイン性を向上させることができる。本実施形態では、前記延長部33に前記操作手段22のスイッチ基板22C及び上下首振り機構24が設けられるため、前記延長部33は、前記操作手段22のスイッチ基板22C及び上下首振り機構24が収容される大きさであれば十分である。また、前記モータケーシング10の軸流ファン14側となるケーシング本体15における前記締付体18よりも前側部分が、前記軸流ファン14の中央ハブ20内に収容されることで、前記軸流ファン14の前端から前記モータケーシング10の後端までの寸法を小さくすることができるので、前記送風部32をより小型化することができる。更に、従来の扇風機では、首振りモータが送風部に収容される構造が一般的であったが、本発明の扇風機31では、前記首振りモータ5が前記基部2内に収容されるので、前記送風部32をより小型化することができる。
次に、本発明の第2の実施形態の作用について説明する。まず使用者は、前記基部2の図示しない電源接続部に、同じく図示しない電源コードの一端を接続すると共に、この電源コードの他端を図示しない交流電源に接続する。このようにすることで、前記扇風機31が作動可能な状態となる。そして、前記延長部33の上部に設けられた前記操作手段22を操作することで、前記扇風機31を作動させることができる。なお、この扇風機31は、前記操作手段22によって、前記軸流ファン14の回転及び停止、前記軸流ファン14の回転速度の調節、前記送風部32の首振りの選択、及びオフタイマーの設定について操作可能である。そして、前記操作手段22が前記延長部33の上部に設けられることで、使用者が立ったまま前記扇風機31の操作をすることができ、操作性を向上させることができる。そして、前記軸流ファン14を回転させることで気流が発生することは、従来の扇風機と同様である。
また、前記副操作手段22Bを操作して前記送風部32が首振りするように選択すると、前記基部2に内蔵された首振りモータ5が往復回動する。そして、前記首振りモータ5が往復回動すると、この首振りモータ5の動きが前記平歯車6に伝達され、この平歯車6に接続された前記支柱3が往復回動する。このように、この支柱3が往復回動すると、この支柱3の上端部に設けられた前記送風部32も連動して往復回動する。これによって、前記送風部32が水平方向に首振りしながら、前記軸流ファン14によって広い範囲に送風することができる。
なお、前記扇風機31を移動させる場合、使用者が把持可能な部位は3箇所ある。第1の把持位置H1は、前記支柱3の上部である。この支柱3は、前述した通り、外径の細い円筒状であるため、手の小さな人でも持ちやすい。また、第2の把持位置H2は、前記延長部33における前記支柱3よりも前の部分である。この位置は、前記扇風機31の重心の直上部に近いため、把持した際の重量バランスに優れ、把持しやすい。但し、この位置は、前記延長部33の下部に形成した前記切欠部23に近いので、前記送風部32が前記支柱3に対し相対的に下向き方向に倒れた場合、前記切欠部23の縁と前記支柱3とで指を挟んでしまう虞がある。このため、前記把持位置H2を把持する場合、前記延長部33の前端部を親指と人差し指(及び中指)で掴むように把持するか、又は人差し指(及び中指)で下方から引っ掛けるように把持し、前記扇風機31を傾けないように移動させる。そして、前述した通り、前記上下首振り機構24がトルクの大きなトルクヒンジを用いて構成されるので、把持位置H2を把持した際に前記送風部32が上下方向に傾きにくくなっている。更に、第3の把持位置H3は、前記延長部33における前記支柱3よりも後の部分である。この位置は、前記扇風機31の重心から外れるため、把持すると前記送風部32が前記支柱3に対し相対的に下向きとなるように傾くので、移動した後で前記送風部32の上下方向の向きを調節する必要がある。一方、把持位置H3を把持すると、前記切欠部23の後縁が前記支柱3から離れることになるため、前記切欠部23の後縁と前記支柱3とで指を挟むことがなく、安全である。また、前記把持位置H3を把持すると、前記送風部32が前記支柱3に対し相対的に下向きとなるように傾くため、使用者が手を滑らせやすくなるが、前述した通り、前記延長部33の後端部の下部に前記突起部34が形成されていることで、この突起部34が使用者の手の指に引っ掛かり、前記扇風機31を落としにくくすることができる。
このように、前記支柱3又は前記延長部33を把持可能な構成とすることで、前記送風部32にハンドル等の把持部を設ける必要がなくなる。そして、このようにハンドル等の把持部を設ける必要がなくなることで、前記軸流ファン14の後方から吸引される気流がハンドル等の把持部で乱されることがない。これは、特に本発明のように、前記翼部27が発生させた主気流に従って発生する従気流を前記送風部32の後方から前記枠体25の内側に流通させるタイプの前記軸流ファン14を用いた前記扇風機31において、前記従気流を妨げないようにすることができるので有効である。
以上のように本発明は、モータ9が収容されたモータケーシング10と前記モータ9によって回転させられる軸流ファン14を有する送風部32と、この送風部32を支持する支柱3とを有する扇風機31において、前記モータケーシング10を挟んで前記軸流ファン14の反対側(反軸流ファン14側)に、前記モータ9が収容された部位である前記モータケーシング10のケーシング本体15における軸直断面積(π(D1/2)2)よりも小さい軸直断面積(π(D4/2)2)を有する延長部33が形成されると共に、この延長部33が前記支柱3の上部に接続されるものであり、前記送風部32における無駄なスペースを削減することができるので、前記送風部32を小型化することができる。
また、内部に首振りモータ5が収容された基部2を有し、この基部2に前記支柱3の下部が接続されると共に、前記首振りモータ5によって前記支柱3が回動可能とされることで、前記モータケーシング10に首振りモータ5を収容する必要がなくなるので、前記送風部32をより小型化することができる。
また、前記モータケーシング10の前記軸流ファン14側が、この軸流ファン14の中央ハブ20内に収容されることで、前記軸流ファン14の前端から前記モータケーシング10の後端までの寸法を小さくすることができるので、前記送風部32をより小型化することができる。
更に、前記延長部33に操作手段22が設けられることで、使用者が立ったまま前記操作手段22の操作を行うことができるので、操作性を向上させることができる。
次に、本発明の第3の実施形態について、図7に基づいて説明する。なお、第3の実施形態において、延長部43以外の構成は、前述した第1及び第2の実施形態における構成と同一であるため、その説明を省略する。
41は本発明の扇風機である。この扇風機41は、円盤状の基部2と、この基部2の中央に設けられる円筒状の支柱3と、この支柱3の上部に取り付けられる送風部42とを有して構成される。
前記送風部42は、直流モータ等のモータ9が収容されるモータケーシング10と、このモータケーシング10の後方に延びて設けられる前記延長部43と、前記モータケーシング10に取り付けられる後ガード12と、この後ガード12の前側に取り付けられる前ガード13と、前記後ガード12と前ガード13とで囲まれると共に前記モータケーシング10の前側に設けられる軸流ファン14とを有する。即ち、前記延長部43は、前記モータケーシング10を挟んで前記軸流ファン14の反対側(反軸流ファン14側)に形成される。
前記延長部43は略円筒状であり、前記モータケーシング10のフランジ部16の中央から後方に突出して設けられる。そして、前記延長部43は、前記モータケーシング10及び前記モータ9と同軸状に設けられる。また、前記延長部43の上面部には、操作手段22が設けられると共に、前記延長部43の内部には、スイッチ基板22Cが収容される。更に、前記延長部43の下面部の中央よりもやや前となる部分には、切欠部23が形成され、この切欠部23から前記支柱3の上端が前記延長部43内に挿入される。そして、前記延長部43の切欠部23の前端部及び後端部の下部には、それぞれ前突起部44及び後突起部45が形成される。また、前記支柱3の上端は、前記延長部43内において、前記送風部42の俯仰角度を調整するための上下首振り機構24に接続される。なお、前記延長部43は、前記モータ9が収容されないので、その外寸(本実施形態の場合、外径)を細くすることができる。即ち、前記延長部43の前記突起部44,45を除いた部分の外径D4は、前記ケーシング本体15の前記締付体18よりも前となる部分の外径D1よりも小さい。即ち、前記延長部43の軸直断面積は、前記モータ9が収容された前記ケーシング本体15の軸直断面積よりも小さい。本実施形態では、前記延長部43の軸直断面積は、直径D4の円の面積(π(D4/2)2)である。同様に、前記ケーシング本体15の軸直断面積は、直径D1の円の面積(π(D1/2)2)である。更に、前記延長部43の外径D4は、前記モータ9の外径D2よりも小さい。即ち、前記延長部43の軸直断面積は、前記モータ9の軸直断面積(π(D2/2)2)よりも小さい。なお、本実施形態において、前記突起部44,45を除いた前記延長部43の外径D4は45mm前後である。また、前記支柱3は、前記延長部43に挿入されることから、少なくともその上端部において、その横幅が前記延長部43の外径D4よりも細く形成される。本実施形態の場合、前記支柱3が円筒状であることから、その外径D5は、前記突起部44,45を除いた前記延長部43の外径D4よりも小さい。
なお、前記上下首振り機構24は、無段階に回動すると共に回動範囲内の任意の位置で摩擦により保持される、いわゆるトルクヒンジと呼ばれる機構が用いられる。このトルクヒンジは、凹凸係合等を利用して多段階に保持される機構と比べて小型にできるので、小径の前記延長部43の内部であっても設置が可能である。なお、本発明の構造では、前記支柱3よりも前方に前記モータ9、後ガード12、前ガード13及び軸流ファン14が位置することで、前記送風部42の重心が前寄りとなる。このため、前記上下首振り機構24には、重力によって、前記送風部42の前方を下向きに傾ける力が加わる。従って、前記上下首振り機構24を構成するトルクヒンジとして、前記送風部42の姿勢を保つのに十分なトルクを有するものが用いられる。
そして、前述したように、前記モータ9が前記モータケーシング10に収容されると共に、このモータケーシング10の後方に、前記モータ9が収容されない前記延長部43を設けたことで、前記送風部42における無駄なスペースを削減して前記送風部42を小型化することができるので、デザイン性を向上させることができる。本実施形態では、前記延長部43に前記操作手段22のスイッチ基板22C及び上下首振り機構24が設けられるため、前記延長部43は、前記操作手段22のスイッチ基板22C及び上下首振り機構24が収容される大きさであれば十分である。また、前記モータケーシング10の軸流ファン14側となるケーシング本体15における前記締付体18よりも前側部分が、前記軸流ファン14の中央ハブ20内に収容されることで、前記軸流ファン14の前端から前記モータケーシング10の後端までの寸法を小さくすることができるので、前記送風部42をより小型化することができる。更に、従来の扇風機では、首振りモータが送風部に収容される構造が一般的であったが、本発明の扇風機41では、前記首振りモータ5が前記基部2内に収容されるので、前記送風部42をより小型化することができる。
次に、本発明の第3の実施形態の作用について説明する。まず使用者は、前記基部2の図示しない電源接続部に、同じく図示しない電源コードの一端を接続すると共に、この電源コードの他端を図示しない交流電源に接続する。このようにすることで、前記扇風機41が作動可能な状態となる。そして、前記延長部43の上部に設けられた前記操作手段22を操作することで、前記扇風機41を作動させることができる。なお、この扇風機41は、前記操作手段22によって、前記軸流ファン14の回転及び停止、前記軸流ファン14の回転速度の調節、前記送風部42の首振りの選択、及びオフタイマーの設定について操作可能である。そして、前記操作手段22が前記延長部43の上部に設けられることで、使用者が立ったまま前記扇風機41の操作をすることができ、操作性を向上させることができる。そして、前記軸流ファン14を回転させることで気流が発生することは、従来の扇風機と同様である。
また、前記副操作手段22Bを操作して前記送風部42が首振りするように選択すると、前記基部2に内蔵された首振りモータ5が往復回動する。そして、前記首振りモータ5が往復回動すると、この首振りモータ5の動きが前記平歯車6に伝達され、この平歯車6に接続された前記支柱3が往復回動する。このように、この支柱3が往復回動すると、この支柱3の上端部に設けられた前記送風部42も連動して往復回動する。これによって、前記送風部42が水平方向に首振りしながら、前記軸流ファン14によって広い範囲に送風することができる。
なお、前記扇風機41を移動させる場合、使用者が把持可能な部位は3箇所ある。第1の把持位置H1は、前記支柱3の上部である。この支柱3は、前述した通り、外径の細い円筒状であるため、手の小さな人でも持ちやすい。また、第2の把持位置H2は、前記延長部43における前記支柱3よりも前の部分である。この位置は、前記扇風機41の重心の直上部に近いため、把持した際の重量バランスに優れ、把持しやすい。但し、この位置は、前記延長部43の下部に形成した前記切欠部23に近いので、前記送風部42が前記支柱3に対し相対的に下向き方向に倒れた場合、前記切欠部23の縁と前記支柱3とで指を挟んでしまう虞がある。このため、前記把持位置H2を把持する場合、前記延長部43の前端部を親指と人差し指(及び中指)で掴むように把持するか、又は人差し指(及び中指)で下方から引っ掛けるように把持し、前記扇風機41を傾けないように移動させる。また、前記延長部43の下部における前記切欠部23の前縁部に前記前突起部44が形成されており、使用者の指が前記前突起部44に触れることで、この前突起部44よりも後方では指を挟む虞があることを使用者に知らしめて、安全性を高めることができる。そして、前述した通り、前記上下首振り機構24がトルクの大きなトルクヒンジを用いて構成されるので、把持位置H2を把持した際に前記送風部42が上下方向に傾きにくくなっている。更に、第3の把持位置H3は、前記延長部43における前記支柱3よりも後の部分である。この位置は、前記扇風機41の重心から外れるため、把持すると前記送風部42が前記支柱3に対し相対的に下向きとなるように傾くので、移動した後で前記送風部42の上下方向の向きを調節する必要がある。一方、把持位置H3を把持すると、前記切欠部23の後縁が前記支柱3から離れることになるため、前記切欠部23の後縁と前記支柱3とで指を挟むことがなく、安全である。また、前記延長部43の下部における前記切欠部23の後縁部に前記後突起部45が形成されており、使用者の指が前記後突起部45に触れることで、この前突起部45よりも前方では指を挟む虞があることを使用者に知らしめて、安全性をより高めることができる。
このように、前記支柱3又は前記延長部43を把持可能な構成とすることで、前記送風部42にハンドル等の把持部を設ける必要がなくなる。そして、このようにハンドル等の把持部を設ける必要がなくなることで、前記軸流ファン14の後方から吸引される気流がハンドル等の把持部で乱されることがない。これは、特に本発明のように、前記翼部27が発生させた主気流に従って発生する従気流を前記送風部42の後方から前記枠体25の内側に流通させるタイプの前記軸流ファン14を用いた前記扇風機41において、前記従気流を妨げないようにすることができるので有効である。
以上のように本発明は、モータ9が収容されたモータケーシング10と前記モータ9によって回転させられる軸流ファン14を有する送風部42と、この送風部42を支持する支柱3とを有する扇風機41において、前記モータケーシング10を挟んで前記軸流ファン14の反対側(反軸流ファン14側)に、前記モータ9が収容された部位である前記モータケーシング10のケーシング本体15における軸直断面積(π(D1/2)2)よりも小さい軸直断面積(π(D4/2)2)を有する延長部43が形成されると共に、この延長部43が前記支柱3の上部に接続されるものであり、前記送風部42における無駄なスペースを削減することができるので、前記送風部42を小型化することができる。
また、内部に首振りモータ5が収容された基部2を有し、この基部2に前記支柱3の下部が接続されると共に、前記首振りモータ5によって前記支柱3が回動可能とされることで、前記モータケーシング10に首振りモータ5を収容する必要がなくなるので、前記送風部42をより小型化することができる。
また、前記モータケーシング10の前記軸流ファン14側が、この軸流ファン14の中央ハブ20内に収容されることで、前記軸流ファン14の前端から前記モータケーシング10の後端までの寸法を小さくすることができるので、前記送風部42をより小型化することができる。
更に、前記延長部43に操作手段22が設けられることで、使用者が立ったまま前記操作手段22の操作を行うことができるので、操作性を向上させることができる。
次に、本発明の第4の実施形態について、図8に基づいて説明する。なお、第4の実施形態において、延長部53以外の構成は、前述した第1乃至第3の実施形態における構成と同一であるため、その説明を省略する。
51は本発明の扇風機である。この扇風機51は、円盤状の基部2と、この基部2の中央に設けられる円筒状の支柱3と、この支柱3の上部に取り付けられる送風部52とを有して構成される。
前記送風部52は、直流モータ等のモータ9が収容されるモータケーシング10と、このモータケーシング10の後方に延びて設けられる前記延長部53と、前記モータケーシング10に取り付けられる後ガード12と、この後ガード12の前側に取り付けられる前ガード13と、前記後ガード12と前ガード13とで囲まれると共に前記モータケーシング10の前側に設けられる軸流ファン14とを有する。即ち、前記延長部53は、前記モータケーシング10を挟んで前記軸流ファン14の反対側(反軸流ファン14側)に形成される。
前記延長部53は略円筒状であり、前記モータケーシング10のフランジ部16の中央から後方に突出して設けられる。そして、前記延長部53は、前記モータケーシング10及び前記モータ9と同軸状に設けられる。また、前記延長部53の上面部には、操作手段22が設けられると共に、前記延長部53の内部には、スイッチ基板22Cが収容される。更に、前記延長部53の下面部の中央よりもやや前となる部分には、取付孔54が形成され、この取付孔54から前記支柱3の上端が前記延長部53内に挿入される。なお、前記取付孔54の内径は前記支柱3の外径とほぼ同一である。また、前記支柱3の上端は、前記延長部53内において、この延長部53の軸方向と直交した状態で固定される。なお、前記延長部53は、前記モータ9が収容されないので、その外寸(本実施形態の場合、外径)を細くすることができる。即ち、前記延長部53の外径は、前記ケーシング本体15の前記締付体18よりも前となる部分の外径よりも小さい。即ち、前記延長部53の軸直断面積は、前記モータ9が収容された前記ケーシング本体15の軸直断面積よりも小さい。本実施形態では、前記延長部53の軸直断面積は、直径D4の円の面積(π(D4/2)2)である。同様に、前記ケーシング本体15の軸直断面積は、直径D1の円の面積(π(D1/2)2)である。更に、前記延長部53の外径D4は、前記モータ9の外径D2よりも小さい。即ち、前記延長部53の軸直断面積は、前記モータ9の軸直断面積(π(D2/2)2)よりも小さい。なお、本実施形態において、前記延長部53の外径D4は45mm前後である。また、前記支柱3は、前記延長部53に挿入されることから、少なくともその上端部において、その横幅が前記延長部53の外径D4よりも細く形成される。本実施形態の場合、前記支柱3が円筒状であることから、その外径D5は、前記延長部53の外径D4よりも小さい。
そして、前述したように、前記モータ9が前記モータケーシング10に収容されると共に、このモータケーシング10の後方に、前記モータ9が収容されない前記延長部53を設けたことで、前記送風部52における無駄なスペースを削減して前記送風部52を小型化することができるので、デザイン性を向上させることができる。本実施形態では、前記延長部53に前記操作手段22のスイッチ基板22Cが設けられるため、前記延長部53は、前記操作手段22のスイッチ基板22Cが収容される大きさであれば十分である。また、前記モータケーシング10の軸流ファン14側となるケーシング本体15における前記締付体18よりも前側部分が、前記軸流ファン14の中央ハブ20内に収容されることで、前記軸流ファン14の前端から前記モータケーシング10の後端までの寸法を小さくすることができるので、前記送風部52をより小型化することができる。更に、従来の扇風機では、首振りモータが送風部に収容される構造が一般的であったが、本発明の扇風機51では、前記首振りモータ5が前記基部2内に収容されるので、前記送風部52をより小型化することができる。
次に、本発明の第4の実施形態の作用について説明する。まず使用者は、前記基部2の図示しない電源接続部に、同じく図示しない電源コードの一端を接続すると共に、この電源コードの他端を図示しない交流電源に接続する。このようにすることで、前記扇風機51が作動可能な状態となる。そして、前記延長部53の上部に設けられた前記操作手段22を操作することで、前記扇風機51を作動させることができる。なお、この扇風機51は、前記操作手段22によって、前記軸流ファン14の回転及び停止、前記軸流ファン14の回転速度の調節、前記送風部52の首振りの選択、及びオフタイマーの設定について操作可能である。そして、前記操作手段22が前記延長部53の上部に設けられることで、使用者が立ったまま前記扇風機51の操作をすることができ、操作性を向上させることができる。そして、前記軸流ファン14を回転させることで気流が発生することは、従来の扇風機と同様である。
また、前記副操作手段22Bを操作して前記送風部52が首振りするように選択すると、前記基部2に内蔵された首振りモータ5が往復回動する。そして、前記首振りモータ5が往復回動すると、この首振りモータ5の動きが前記平歯車6に伝達され、この平歯車6に接続された前記支柱3が往復回動する。このように、この支柱3が往復回動すると、この支柱3の上端部に設けられた前記送風部52も連動して往復回動する。これによって、前記送風部52が水平方向に首振りしながら、前記軸流ファン14によって広い範囲に送風することができる。
なお、前記扇風機51を移動させる場合、使用者が把持可能な部位は2箇所ある。第1の把持位置HAは、前記支柱3の上部である。この支柱3は、前述した通り、外径の細い円筒状であるため、手の小さな人でも持ちやすい。また、第2の把持位置HBは、前記延長部53全体である。この位置、特に前記支柱3の周辺から前記フランジ部16にかけての部分は、前記扇風機51の重心の直上部に近いため、把持した際の重量バランスに優れ、把持しやすい。また、第1乃至第3の実施形態と異なり、上下首振り機構24が存在しないので、指を挟む虞がなく安全である。
このように、前記支柱3又は前記延長部53を把持可能な構成とすることで、前記送風部52にハンドル等の把持部を設ける必要がなくなる。そして、このようにハンドル等の把持部を設ける必要がなくなることで、前記軸流ファン14の後方から吸引される気流がハンドル等の把持部で乱されることがない。これは、特に本発明のように、前記翼部27が発生させた主気流に従って発生する従気流を前記送風部52の後方から前記枠体25の内側に流通させるタイプの前記軸流ファン14を用いた前記扇風機51において、前記従気流を妨げないようにすることができるので有効である。
以上のように本発明は、モータ9が収容されたモータケーシング10と前記モータ9によって回転させられる軸流ファン14を有する送風部52と、この送風部52を支持する支柱3とを有する扇風機51において、前記モータケーシング10を挟んで前記軸流ファン14の反対側(反軸流ファン14側)に、前記モータ9が収容された部位である前記モータケーシング10のケーシング本体15における軸直断面積(π(D1/2)2)よりも小さい軸直断面積(π(D4/2)2)を有する延長部53が形成されると共に、この延長部53が前記支柱3の上部に接続されるものであり、前記送風部52における無駄なスペースを削減することができるので、前記送風部52を小型化することができる。
また、内部に首振りモータ5が収容された基部2を有し、この基部2に前記支柱3の下部が接続されると共に、前記首振りモータ5によって前記支柱3が回動可能とされることで、前記モータケーシング10に首振りモータ5を収容する必要がなくなるので、前記送風部52をより小型化することができる。
また、前記モータケーシング10の前記軸流ファン14側が、この軸流ファン14の中央ハブ20内に収容されることで、前記軸流ファン14の前端から前記モータケーシング10の後端までの寸法を小さくすることができるので、前記送風部52をより小型化することができる。
更に、前記延長部53に操作手段22が設けられることで、使用者が立ったまま前記操作手段22の操作を行うことができるので、操作性を向上させることができる。
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上記各実施形態では、前記延長部11,33,43,53を円筒形状に形成したが、この形状に限定されるものではなく、多角筒形状或いは楕円筒形状に形成しても良い。また、上記各実施形態では、支柱3のみが基部2に対し往復回動するように構成したが、前記基部を上下に分割し、この基部の上部分を支柱と一体に形成し、前記基部の上部分と支柱をいっしょに往復回動させるように構成しても良い。