JP2018177808A - 抗癌療法 - Google Patents
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Abstract
【課題】グルフォスファミドおよびゲムシタビンを併用して投与する癌治療方法の提供。【解決手段】グルフォスファミドは1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回の、または8回を上回る投薬サイクルで投与され、各サイクルは特定の範囲でのグルフォスファミドを注入する。ゲムシタビンは1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回の、または8回を上回る投薬サイクルで投与され、各サイクルは以下のゲムシタビンの注入を含む:a)約30分の期間にわたり約1000mg/m2;b)約30分の期間にわたり約2200mg/m2;またはc)約150分の期間にわたり約1500mg/m2。【選択図】なし
Description
技術分野
本発明は、一般に、癌の治療のための方法に関する。特に、本発明は、グルフォスファミド単独での、またはもう1つの抗癌薬との併用による投与を含む、癌の治療方法に関する。
本発明は、一般に、癌の治療のための方法に関する。特に、本発明は、グルフォスファミド単独での、またはもう1つの抗癌薬との併用による投与を含む、癌の治療方法に関する。
関連出願の相互参照
本出願は、参照として本明細書に組み入れられる、2004年2月6日に提出された米国仮特許出願第60/542,494号の恩典を主張する。
本出願は、参照として本明細書に組み入れられる、2004年2月6日に提出された米国仮特許出願第60/542,494号の恩典を主張する。
発明の背景
「癌」は一般に、隣接組織または身体の他の部分へと広がる恐れのある、細胞の非統制的な異常増殖によって引き起こされる100種を上回る一群の疾患のことを指す。癌細胞は、癌細胞が合わさって集塊化した固形腫瘍を形成することもあり、または白血病のように分散性の細胞として存在することもある。正常細胞は成熟に達するまで分裂(複製)し、その後は損傷細胞または死細胞の置き換えのために必要な時のみそれを行う。癌細胞はしばしば「悪性」と呼ばれるが、これはそれが際限なく分裂し、最終的には近傍細胞を押しのけて身体の他の部分へと広がるためである。癌細胞は1つの臓器から別の臓器に、または身体の1つの部分から別の部分に広がる傾向がある点で、過成長はするが他の臓器にも身体の他の部分にも広がることのない良性腫瘍細胞とは区別される。悪性癌細胞は最終的には転移し、血流またはリンパ系を通って身体の他の部分に広がり、そこで増殖して新たな腫瘍を形成することができる。この種の腫瘍進行のため、癌は致死性の疾患となる。癌の診断および治療の大きな進歩にもかかわらず、毎年多くの人々が癌のために死亡しており、彼らの死因は多くの場合、従来の治療法に対する抵抗性のある転移および癌のためである。化学療法によって以前に治療された進行期および/または転移性悪性腫瘍(すなわち、化学療法抵抗性癌)の治療のための現行の方法は不十分である。化学療法の後に再発した進行期悪性腫瘍の患者における根治療法は不可能である。
「癌」は一般に、隣接組織または身体の他の部分へと広がる恐れのある、細胞の非統制的な異常増殖によって引き起こされる100種を上回る一群の疾患のことを指す。癌細胞は、癌細胞が合わさって集塊化した固形腫瘍を形成することもあり、または白血病のように分散性の細胞として存在することもある。正常細胞は成熟に達するまで分裂(複製)し、その後は損傷細胞または死細胞の置き換えのために必要な時のみそれを行う。癌細胞はしばしば「悪性」と呼ばれるが、これはそれが際限なく分裂し、最終的には近傍細胞を押しのけて身体の他の部分へと広がるためである。癌細胞は1つの臓器から別の臓器に、または身体の1つの部分から別の部分に広がる傾向がある点で、過成長はするが他の臓器にも身体の他の部分にも広がることのない良性腫瘍細胞とは区別される。悪性癌細胞は最終的には転移し、血流またはリンパ系を通って身体の他の部分に広がり、そこで増殖して新たな腫瘍を形成することができる。この種の腫瘍進行のため、癌は致死性の疾患となる。癌の診断および治療の大きな進歩にもかかわらず、毎年多くの人々が癌のために死亡しており、彼らの死因は多くの場合、従来の治療法に対する抵抗性のある転移および癌のためである。化学療法によって以前に治療された進行期および/または転移性悪性腫瘍(すなわち、化学療法抵抗性癌)の治療のための現行の方法は不十分である。化学療法の後に再発した進行期悪性腫瘍の患者における根治療法は不可能である。
当技術分野には化学療法によって以前に治療された進行期および/または転移性悪性腫瘍の治療のための改良された方法に対する需要がある。本発明はこうした需要に応え、癌の治療方法を提供する。
発明の概要
本発明は一般に、癌の治療のための方法に関する。特に、本発明は、癌の治療のための、グルフォスファミド単独での、またはもう1つの抗癌薬との併用による投与に関する。さらに、本発明は、化学療法によって以前に治療された進行期および/または転移性悪性腫瘍の治療のための方法も提供する。
本発明は一般に、癌の治療のための方法に関する。特に、本発明は、癌の治療のための、グルフォスファミド単独での、またはもう1つの抗癌薬との併用による投与に関する。さらに、本発明は、化学療法によって以前に治療された進行期および/または転移性悪性腫瘍の治療のための方法も提供する。
1つの局面において、本発明は、癌を治療する方法であって、このような治療を必要とする対象に対して、グルフォスファミドおよびゲムシタビンを併用して投与する段階を含む方法を提供する。例えば膵臓癌、大腸癌、乳癌などといった、さまざまな癌をこの方法によって治療することができる。
1つの態様において、グルフォスファミドは1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回の、または8回を上回る投薬サイクルで投与され、各サイクルは以下の範囲でのグルフォスファミドの注入を含む:
a)3週毎に1回、1〜6時間の注入期間にわたり、約1.5〜約8.0g/m2;約1.5〜約6.0g/m2;約1.5〜約4.5g/m2;約4.5〜約8.0g/m2;約4.5〜約6.0g/m2;もしくは約4.5〜約5.0g/m2;
b)3週毎に連続して3日(第1日、第2日および第3日)、1〜6時間の注入期間にわたり、約1.5〜約3.0g/m2もしくは約1.5〜約2.0g/m2;
c)毎週1回、1〜6時間の注入期間にわたり、約1.5〜約2.0g/m2;または
d)4週毎に1回、1〜6時間の注入期間にわたり、約1.5〜約8.0g/m2;約1.5〜約6.0g/m2;もしくは約1.5〜約4.5g/m2。
a)3週毎に1回、1〜6時間の注入期間にわたり、約1.5〜約8.0g/m2;約1.5〜約6.0g/m2;約1.5〜約4.5g/m2;約4.5〜約8.0g/m2;約4.5〜約6.0g/m2;もしくは約4.5〜約5.0g/m2;
b)3週毎に連続して3日(第1日、第2日および第3日)、1〜6時間の注入期間にわたり、約1.5〜約3.0g/m2もしくは約1.5〜約2.0g/m2;
c)毎週1回、1〜6時間の注入期間にわたり、約1.5〜約2.0g/m2;または
d)4週毎に1回、1〜6時間の注入期間にわたり、約1.5〜約8.0g/m2;約1.5〜約6.0g/m2;もしくは約1.5〜約4.5g/m2。
1つの態様において、グルフォスファミドは1回、2回、3回、4回の、または4回を上回る投薬サイクルで投与され、各サイクルは7週間のサイクルである。1つの態様において、グルフォスファミドは1回、2回、3回、4回、5回、6回の、または6回を上回る投薬サイクルで投与され、各サイクルは3週間のサイクルである。1つの態様において、グルフォスファミドは1回、2回、3回、4回、5回、6回の、または6回を上回る投薬サイクルで投与され、各サイクルは4週間のサイクルである。
1つの態様において、ゲムシタビンは1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回の、または8回を上回る投薬サイクルで投与され、各サイクルは以下のゲムシタビンの注入を含む:
a)約30分の期間にわたり約1000mg/m2;
b)約30分の期間にわたり約2200mg/m2;または
c)約150分の期間にわたり約1500mg/m2。
a)約30分の期間にわたり約1000mg/m2;
b)約30分の期間にわたり約2200mg/m2;または
c)約150分の期間にわたり約1500mg/m2。
1つの態様において、ゲムシタビンは1回、2回、3回、4回の、または4回を上回る投薬サイクルで、投薬サイクルの第1週、2週、3週、5週、6週および7週に投与され、各サイクルは7週間のサイクルである。1つの態様において、ゲムシタビンは1回、2回、3回、4回、5回、6回の、または6回を上回る投薬サイクルの第1週、2週および3週に投与され、各サイクルは4週間のサイクルである。ゲムシタビンは、グルフォスファミドの投与の1日前、1日後または同じ日に投与される。1つの態様において、ゲムシタビンは、グルフォスファミドの投与と同じ日に、グルフォスファミドの投与から約30分後〜約4時間後に投与される。
第2の局面において、本発明は、化学療法によって以前に治療された進行期および/または転移性悪性腫瘍の治療を必要とする対象に対して、グルフォスファミドを投与する段階を含む、治療の方法を提供する。1つの局面において、本発明は、ゲムシタビン抵抗性膵臓癌の治療のための方法を提供する。
もう1つの局面において、本発明は、癌を治療するための方法であって、ベバシズマブ、イリノテカン、エキサテカン、ペメトレキセドまたはシスプラチンといった抗腫瘍活性を有する薬剤を、グルフォスファミドと併用して、またはグルフォスファミドおよびゲムシタビンと併用して投与する段階を含む方法を提供する。
発明の詳細な説明
本発明の1つの局面においては、癌に対する治療を必要とする対象に対して、グルフォスファミドおよびゲムシタビンが併用して投与される。さまざまな癌をこの方法によって治療することができる。この方法によって治療しうる癌の一例は膵臓癌である。抗腫瘍活性を有する第3の薬剤、例えば、ベバシズマブ;トポイソメラーゼI阻害薬(イリノテカンおよびエキサテカンなど);葉酸拮抗薬、例えばメトトレキサート、ラルチトレキセド、ロメトレキソールおよびペメトレキセド;またはプラチナを基にした抗腫瘍薬、例えばカルボプラチンおよびシスプラチンなどを、グルフォスファミドおよびゲムシタビンと併用して投与することもできる。
本発明の1つの局面においては、癌に対する治療を必要とする対象に対して、グルフォスファミドおよびゲムシタビンが併用して投与される。さまざまな癌をこの方法によって治療することができる。この方法によって治療しうる癌の一例は膵臓癌である。抗腫瘍活性を有する第3の薬剤、例えば、ベバシズマブ;トポイソメラーゼI阻害薬(イリノテカンおよびエキサテカンなど);葉酸拮抗薬、例えばメトトレキサート、ラルチトレキセド、ロメトレキソールおよびペメトレキセド;またはプラチナを基にした抗腫瘍薬、例えばカルボプラチンおよびシスプラチンなどを、グルフォスファミドおよびゲムシタビンと併用して投与することもできる。
本発明の1つの局面においては、グルフォスファミドおよびベバシズマブが、癌に対する治療を必要とする対象に対して併用して投与される。さまざまな癌をこの方法によって治療することができる。この方法によって治療しうる癌の一例は大腸癌である。
本発明の1つの局面においては、グルフォスファミド、ならびに、トポイソメラーゼI阻害薬、例えばイリノテカンおよびエキサテカン;葉酸拮抗薬、例えばメトトレキサート、ラルチトレキセド、ロメトレキソールおよびペメトレキセド;またはプラチナを基にした抗腫瘍薬、例えばカルボプラチンおよびシスプラチンからなる群より選択されるもう1つの抗癌薬が、癌に対する治療を必要とする対象に対して併用して投与される。
本発明の1つの局面において、グルフォスファミドは、乳癌に対する治療を必要とする対象に対して投与される。本発明のもう1つの局面において、グルフォスファミドは、大腸癌に対する治療を必要とする対象に対して投与される。本発明のもう1つの局面においては、グルフォスファミドは、ゲムシタビン抵抗性膵臓癌に対する治療を必要とする対象に対して投与される。乳癌、大腸癌およびゲムシタビン抵抗性膵臓癌の前述の治療のためには、グルフォスファミドは、単一の薬剤として投与される(すなわち、別の抗腫瘍薬とも別の抗癌薬とも併用されない)。
本発明に用いる場合、グルフォスファミド、ゲムシタビン、ベバシズマブ、イリノテカン、エキサテカン、ペメトレキセドおよびシスプラチンは、臨床的に日常的に用いられているものと同等な用量などのように、治療的に有効な任意の用量で用いることができる。公知の承認済みの抗腫瘍薬に関する具体的な投薬レジメン(例えば、推奨有効量)は医師には公知であり、これらは例えば、「PHYSICIANS' DESK REFERENCE」, 2003, 57th Ed., Medical Economics Company, Inc., Oradell, N.J;「Goodman & Gilman's THE PHARMACOLOGICAL BASIS OF THERAPEUTICS」, 2001, 10th Edition, McGraw-Hill, New Yorkに記載された製品関連文書に提示されており;および/または米国食品医薬品局(Federal Drug Administration)から入手可能であり、および/または医学文献中に考察されている。
1つの局面において、本発明は、治療のために特に有効であることが判明しているスケジュールまたは投与レジメンに従って、グルフォスファミドを単独で、またはもう1つの抗癌薬と併用して投与する治療方法を提供する。
投与レジメン
癌に対する化学療法が、それぞれのサイクルが指定のスケジュールに従った1回または複数回の薬剤の投与を含むような、多数の「ラウンド」または「投薬サイクル」にわたる薬剤の投与を時に必要とすることは理解されていると思われる。サイクルは一般に(しかし必然的にではない)週単位の長さであり、例えば、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間または8週間の長さであってよい。いくつかの態様において、1サイクルは8週間よりも長い。例えば、化学療法薬は、1回〜8回の投薬サイクルにわたって、またはそれよりも長い期間にわたって投与することができる。いくつかの態様において、投薬サイクルは3週間のサイクル、4週間のサイクルまたは7週間のサイクルである。投薬サイクルにおいて、薬剤は指定のスケジュール、例えば、毎日;毎週1回;毎週複数回を連続した日または連続しない日に;サイクル毎に1回;サイクル毎に複数回(3週毎に連続して3日など)などに従って投与される。複数の薬剤(例えば、2種類の薬剤)を対象に投与する場合には、それぞれを以上に例示したようなそれ自体のスケジュールに従って投与することができる(例えば、毎週;3週毎に1回など)。諸薬剤の投与は、たとえ異なる周期で投与される場合でも、両方の薬剤が少なくともいくつかの時点では同じ日に、または代替的には、諸薬剤が少なくともいくつかの時点では連続した日に投与されるように調整しうることは明らかである。
癌に対する化学療法が、それぞれのサイクルが指定のスケジュールに従った1回または複数回の薬剤の投与を含むような、多数の「ラウンド」または「投薬サイクル」にわたる薬剤の投与を時に必要とすることは理解されていると思われる。サイクルは一般に(しかし必然的にではない)週単位の長さであり、例えば、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間または8週間の長さであってよい。いくつかの態様において、1サイクルは8週間よりも長い。例えば、化学療法薬は、1回〜8回の投薬サイクルにわたって、またはそれよりも長い期間にわたって投与することができる。いくつかの態様において、投薬サイクルは3週間のサイクル、4週間のサイクルまたは7週間のサイクルである。投薬サイクルにおいて、薬剤は指定のスケジュール、例えば、毎日;毎週1回;毎週複数回を連続した日または連続しない日に;サイクル毎に1回;サイクル毎に複数回(3週毎に連続して3日など)などに従って投与される。複数の薬剤(例えば、2種類の薬剤)を対象に投与する場合には、それぞれを以上に例示したようなそれ自体のスケジュールに従って投与することができる(例えば、毎週;3週毎に1回など)。諸薬剤の投与は、たとえ異なる周期で投与される場合でも、両方の薬剤が少なくともいくつかの時点では同じ日に、または代替的には、諸薬剤が少なくともいくつかの時点では連続した日に投与されるように調整しうることは明らかである。
グルフォスファミドおよびゲムシタビン(またはもう1つの薬剤)を併用して投与する治療レジメンにおいて、それらは任意の順序で投与することができる。ある特定の態様において、グルフォスファミドは、ゲムシタビンの投与の1日前、1日後または同じ日に投与される。ある特定の態様において、ゲムシタビンはグルフォスファミドと同じ日に投与される;そしてゲムシタビンの投与はグルフォスファミドの投与の前、それと同時またはその後に開始される。ある特定の態様において、ゲムシタビンはグルフォスファミドの投与から約30分後〜約4時間後に投与される(すなわち、投与が開始される)。医師が決定した通りにその他のスケジュールを用いることもできることは理解されると思われる。
さまざまな態様において、グルフォスファミドは、癌に対する治療を必要とする対象に対して、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回の、または8回を上回る投薬サイクルで投与され、各サイクルは以下の範囲でのグルフォスファミドの注入を含む:
a)3週毎に1回、1〜6時間の注入期間にわたり、約1.5〜約8.0g/m2;約1.5〜約6.0g/m2;約1.5〜約4.5g/m2;約4.5〜約8.0g/m2;約4.5〜約6.0g/m2;もしくは約4.5〜約5.0g/m2;
b)3週毎に連続して3日間(第1日、第2日および第3日)、1〜6時間の注入期間にわたり、約1.5〜約3.0g/m2もしくは約1.5〜約2.0g/m2;
c)毎週1回、1〜6時間の注入期間にわたり、約1.5〜約2.0g/m2;または
d)4週毎に1回、1〜6時間の注入期間にわたり、約1.5〜約8.0g/m2;約1.5〜約6.0g/m2;もしくは約1.5〜約4.5g/m2。
a)3週毎に1回、1〜6時間の注入期間にわたり、約1.5〜約8.0g/m2;約1.5〜約6.0g/m2;約1.5〜約4.5g/m2;約4.5〜約8.0g/m2;約4.5〜約6.0g/m2;もしくは約4.5〜約5.0g/m2;
b)3週毎に連続して3日間(第1日、第2日および第3日)、1〜6時間の注入期間にわたり、約1.5〜約3.0g/m2もしくは約1.5〜約2.0g/m2;
c)毎週1回、1〜6時間の注入期間にわたり、約1.5〜約2.0g/m2;または
d)4週毎に1回、1〜6時間の注入期間にわたり、約1.5〜約8.0g/m2;約1.5〜約6.0g/m2;もしくは約1.5〜約4.5g/m2。
1つの態様において、グルフォスファミドは1回、2回、3回、4回の、または4回を上回る投薬サイクルにわたって投与され、各サイクルは7週間のサイクルである。1つの態様において、グルフォスファミドは1回、2回、3回、4回、5回、6回の、または6回を上回る投薬サイクルで投与され、各サイクルは3週間のサイクルである。1つの態様において、グルフォスファミドは1回、2回、3回、4回、5回、6回の、または6回を上回る投薬サイクルにわたって投与され、各サイクルは4週間のサイクルである。本明細書で用いる場合、「1〜6時間の注入期間」とは、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間および約6時間の注入期間を含む。
さまざまな態様において、ゲムシタビンは1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回の、または8回を上回る投薬サイクルで投与され、各サイクルは以下のゲムシタビンの注入を含む:
a)約30分の期間にわたり約1000mg/m2;
b)約30分の期間にわたり約2200mg/m2;または
c)約150分の期間にわたり約1500mg/m2。
a)約30分の期間にわたり約1000mg/m2;
b)約30分の期間にわたり約2200mg/m2;または
c)約150分の期間にわたり約1500mg/m2。
1つの態様において、ゲムシタビンは1回、2回、3回、4回の、または4回を上回る投薬サイクルにわたり、投薬サイクルの第1週、2週、3週、5週、6週および7週に投与され、各サイクルは7週間のサイクルである。1つの態様において、ゲムシタビンは1回、2回、3回、4回、5回、6回の、または6回を上回る投薬サイクルにわたり、投薬サイクルの第1週、2週および3週に投与され、各サイクルは4週間のサイクルである。ゲムシタビンは、グルフォスファミドの投与の1日前、1日後または同じ日に投与される。1つの態様において、ゲムシタビンは、グルフォスファミドの投与と同じ日に、グルフォスファミドの投与から約30分後〜約4時間後に投与される。
当技術分野で理解されているように、癌治療薬による治療は、毒性が観察されたならば、または患者の便宜に応じて、本発明の範囲を逸脱しない範囲で一時的に中止し、その後に再開することができる。
併用による投与
2種類または3種類の薬剤は、それらの薬剤が同一の治療コースの一部として投与される場合、対象に対して「併用して」投与される。治療コースとは、相加的、相補的、相乗的またはその他の様式で協同して働き、単一の薬剤の投与に関して予期されるよりも好ましい成果が得られると医療専門家が考えている薬剤の組み合わせの投与のことを指す。治療コースは1日または数日間でもよいが、多くの場合は数週間にわたる。
2種類または3種類の薬剤は、それらの薬剤が同一の治療コースの一部として投与される場合、対象に対して「併用して」投与される。治療コースとは、相加的、相補的、相乗的またはその他の様式で協同して働き、単一の薬剤の投与に関して予期されるよりも好ましい成果が得られると医療専門家が考えている薬剤の組み合わせの投与のことを指す。治療コースは1日または数日間でもよいが、多くの場合は数週間にわたる。
すなわち、併用による投与の一例は、1〜8回の3週間サイクルにわたる第1日に開始する3週毎に1回のグルフォスファミドの投与、ならびに、1回または複数回の7週間サイクルにわたる7週間サイクルの第1週、2週、3週、5週、6週および7週での週1回のゲムシタビンの投与である。1つの態様において、ゲムシタビンの投与は、グルフォスファミドの投与に対して第1日、第-1日(第1日の前日)または第2日または別の日に開始される。併用による投与のもう1つの例は、1〜8回の4週間サイクルにわたる4週間サイクルの第1週(第1日)に開始する4週毎に1回のグルフォスファミドの投与、ならびに、1〜8回の4週間サイクルにわたる4週間サイクルの第1週、2週および3週(第1日、8日および15日)でのゲムシタビンの投与である。1つの態様において、ゲムシタビンは、グルフォスファミドと同じ日に、グルフォスファミドの投与から約30分後〜約4時間後に投与される。
2種類の薬剤を併用して投与する場合には、さまざまなスケジュールを用いることができる。1つのケースでは(これは例であってこれには限定されないが)、薬剤1を薬剤2の投与の前にまず投与し、薬剤1による治療を薬剤2の投与コースの全体を通じて継続する;または、薬剤1を薬剤2療法の開始後もしくは完了後に投与する;または、薬剤1を他の癌療法の開始と同時期に(contemporaneously)まず投与する。本明細書で用いる場合、「同時期」とは、2種類の薬剤を同じ日に、または連続した日に投与することを意味する。
原理的にはある種の複数の薬剤を合わせて製剤化することもできるが、一般的にはそれらは別個の組成物として投与される。同様に、ある種の薬剤は同時に投与することができるが、多くの場合には(特に注入によって投与される薬剤に関しては)、薬剤は同じ日の異なる時点に、連続した日に、または別のスケジュールに従って投与される。例えば、1つの態様において、グルフォスファミドは4週間サイクルの第1日に始まるように4週毎に1回、4時間の注入期間にわたって投与され、ゲムシタビンは1〜8回の4週間のサイクルにわたり4週間サイクルの第1日、8日および15日に30分間の注入期間にわたって投与される。第1日には、ゲムシタビンはグルフォスファミドの投与の30分後に投与される。
本発明のいくつかの態様において、グルフォスファミドは「単一の薬剤」として投与される、すなわち、もう1つの抗腫瘍薬と「併用して」は投与されない。例えば、グルフォスファミドは、化学療法によって以前に治療された進行期および/または転移性悪性腫瘍を治療するために投与される。1つの態様において、本発明は、化学療法によって以前に治療されていない局所進行した切除不能性または転移性の膵腺癌を治療するための、グルフォスファミドの投与の方法を提供する。1つの態様において、本発明は、ゲムシタビン抵抗性の転移性膵腺癌を治療するための、グルフォスファミドの投与の方法を提供する。
癌
本発明の方法はあらゆる癌の治療のために用いることができ、これには、乳癌、膵臓癌、結腸および/または直腸の癌、白血病、皮膚癌、骨悪性腫瘍、前立腺癌、肝癌、肺癌、脳悪性腫瘍、咽頭、胆嚢、副甲状腺、甲状腺、副腎、神経組織、頭頸部、胃、気管支および腎臓の癌、基底細胞癌、扁平上皮癌(潰瘍型および乳頭型の両方)、転移性皮膚癌、骨肉腫、ユーイング肉腫、細網細胞肉腫、骨髄腫、巨細胞腫瘍、小細胞肺腫瘍、島細胞癌、原発性脳腫瘍、急性および慢性のリンパ球性および顆粒球性の腫瘍、有毛細胞腫瘍、腺腫、過形成、髄様癌、褐色細胞腫、粘膜神経腫、腸神経節腫、過形成性角膜神経腫瘍、マルファン体型腫瘍、ウィルムス腫瘍、精上皮腫、卵巣腫瘍、平滑筋腫、子宮頸部形成異常および子宮頸部非浸潤癌、神経芽腫、網膜芽腫、軟部組織肉腫、悪性カルチノイド、局所皮膚病変、菌状息肉腫、横絞筋肉腫、カポジ肉腫、骨原性および他の肉腫、悪性高カルシウム血症、腎細胞腫瘍、真性多血症、腺癌、多形膠芽腫、白血病、リンパ腫、悪性黒色腫、ならびに類表皮癌が非制限的に含まれる。
本発明の方法はあらゆる癌の治療のために用いることができ、これには、乳癌、膵臓癌、結腸および/または直腸の癌、白血病、皮膚癌、骨悪性腫瘍、前立腺癌、肝癌、肺癌、脳悪性腫瘍、咽頭、胆嚢、副甲状腺、甲状腺、副腎、神経組織、頭頸部、胃、気管支および腎臓の癌、基底細胞癌、扁平上皮癌(潰瘍型および乳頭型の両方)、転移性皮膚癌、骨肉腫、ユーイング肉腫、細網細胞肉腫、骨髄腫、巨細胞腫瘍、小細胞肺腫瘍、島細胞癌、原発性脳腫瘍、急性および慢性のリンパ球性および顆粒球性の腫瘍、有毛細胞腫瘍、腺腫、過形成、髄様癌、褐色細胞腫、粘膜神経腫、腸神経節腫、過形成性角膜神経腫瘍、マルファン体型腫瘍、ウィルムス腫瘍、精上皮腫、卵巣腫瘍、平滑筋腫、子宮頸部形成異常および子宮頸部非浸潤癌、神経芽腫、網膜芽腫、軟部組織肉腫、悪性カルチノイド、局所皮膚病変、菌状息肉腫、横絞筋肉腫、カポジ肉腫、骨原性および他の肉腫、悪性高カルシウム血症、腎細胞腫瘍、真性多血症、腺癌、多形膠芽腫、白血病、リンパ腫、悪性黒色腫、ならびに類表皮癌が非制限的に含まれる。
本発明のある種の治療レジメンは、上述したように、膵臓癌、乳癌または大腸癌の治療に特に適している。したがって、本発明のある特定の態様において、治療薬が投与される対象は大腸癌または転移性大腸癌を有する。大腸癌または転移性大腸癌は現在、放射線療法、手術療法および/または化学療法(例えば、フルオロウラシルの投与)によって治療されている。
本発明のある特定の態様において、治療薬が投与される対象は乳癌を有する。乳癌は一般に、手術療法、放射線療法、化学療法およびホルモン療法のさまざまな組み合わせによって治療される。
本発明のある特定の態様において、治療薬が投与される対象は膵臓癌を有する。膵臓癌の中でも、化学療法抵抗性の膵臓癌、例えば、ゲムシタビンによる治療に対する抵抗性のある膵臓癌(例えば、Araneo et al., 2003, Cancer Invest. 21: 489-96;Kozuch et al., 2001, The Oncologist 6: 488-95;Noble and Goa, 1997, Drugs 54: 447-72N;Stephens et al., 1998, Oncol. Nurs. Forum 25: 87-93;Burris and Storniolo, 1997, Eur.J. Cancer 33:Suppl 1: S18-22;Rothenberg et al., 1996, Ann. Oncol. 7: 347-53)などを、本明細書に開示した方法を用いて、例えばグルフォスファミドの投与によって、治療することができる。血清中の糖質19-9は、膵臓癌におけるゲムシタビン療法に対する応答を評価するための有用なマーカーとなりうることが報告されている(Ziske et al., 2003, Br. J. Cancer 89: 1413-17)。1つの態様において、グルフォスファミドを単一の薬剤として、またはもう1つの抗癌薬と併用して投与した場合のグルフォスファミド療法に対する応答は、治療中の対象の血清における糖質19-9レベルを測定することによって調べられる。
対象
本明細書で用いる場合、「対象」とは、癌に対する治療を必要としている哺乳動物のことである。一般に、対象はヒト癌患者である。本発明のいくつかの態様において、対象は、非ヒト霊長動物、モデル系に用いられる動物(例えば、医薬品のスクリーニング、特性決定および評価に用いられるマウスおよびラットなどの動物)およびその他の哺乳動物などの非ヒト哺乳動物である。
本明細書で用いる場合、「対象」とは、癌に対する治療を必要としている哺乳動物のことである。一般に、対象はヒト癌患者である。本発明のいくつかの態様において、対象は、非ヒト霊長動物、モデル系に用いられる動物(例えば、医薬品のスクリーニング、特性決定および評価に用いられるマウスおよびラットなどの動物)およびその他の哺乳動物などの非ヒト哺乳動物である。
治療
本明細書で用いる場合、および当技術分野で十分に理解されているように、「治療」とは、臨床的結果を含む、有益なまたは所望の医学的結果を得るためのアプローチのことである。本発明の目的において、有益なまたは所望の臨床的結果には、1つまたは複数の症状の軽減または改善、疾患の程度の軽減、疾患が安定化された(すなわち、悪化しない)状態、疾患の広がりの防止、疾患の進行の遅延または緩徐化、疾患の状態の改善または緩和、および寛解(部分的または完全の別を問わず)が、検出可能であるか検出不能であるかを問わず、非制限的に含まれる。「治療」はまた、治療を受けていない場合または異なる治療を受けている場合の予想生存期間と比較して生存期間が延長することも意味しうる。
本明細書で用いる場合、および当技術分野で十分に理解されているように、「治療」とは、臨床的結果を含む、有益なまたは所望の医学的結果を得るためのアプローチのことである。本発明の目的において、有益なまたは所望の臨床的結果には、1つまたは複数の症状の軽減または改善、疾患の程度の軽減、疾患が安定化された(すなわち、悪化しない)状態、疾患の広がりの防止、疾患の進行の遅延または緩徐化、疾患の状態の改善または緩和、および寛解(部分的または完全の別を問わず)が、検出可能であるか検出不能であるかを問わず、非制限的に含まれる。「治療」はまた、治療を受けていない場合または異なる治療を受けている場合の予想生存期間と比較して生存期間が延長することも意味しうる。
化学療法薬
以下の項では、本発明のさまざまな態様に用いられる薬剤について述べる。これらの薬剤はよく知られているため、ごく簡単な考察のみを提示する。この項で引用した刊行物は、臨床医の利益のために薬剤の諸様相を説明することを意図している;しかし、この項または本開示の他の箇所における具体的な刊行物の引用は、用量、併用および適応に関するものを含め、いかなる面でも本発明を制限することを意図したものではない。
以下の項では、本発明のさまざまな態様に用いられる薬剤について述べる。これらの薬剤はよく知られているため、ごく簡単な考察のみを提示する。この項で引用した刊行物は、臨床医の利益のために薬剤の諸様相を説明することを意図している;しかし、この項または本開示の他の箇所における具体的な刊行物の引用は、用量、併用および適応に関するものを含め、いかなる面でも本発明を制限することを意図したものではない。
グルフォスファミド
抗腫瘍薬グルフォスファミド(β-D-グルコシル-イフォスファミドマスタード;glc-IPM)は、癌の治療のために用いられるアルキル化剤である(米国特許第5,622,936号(これは参照として本明細書に組み入れられる)およびNiculescu-Duvaz, 2002, Curr Opin Investig Drugs 3: 1527-32を参照のこと)。そのアルキル化部分(イソホスホルアミドマスタード、IPM)はβ-Dグルコースとグリコシド結合しており、グルフォスファミドの細胞内取り込みはナトリウム依存性膜貫通型グルコース輸送体タンパク質によって媒介されると思われる(Briasoulis et al., 2000, J. Clin Oncol 18: 35354-44)。第II相臨床試験において、グルフォスファミドは、第一選択の治療を受けている患者、および二次的な化学療法を受けている非小細胞肺癌の患者、ならびに膠芽腫、乳癌および結腸癌の患者に投与された(Niculescu-Duvaz, 2002, 前記を参照)。グルフォスファミドは通常、静脈内に投与される;本発明の実施に際しては、髄腔内投与、腫瘍内注射、経口投与などの他の投与経路を用いうると考えられる。グルフォスファミドは、臨床的に日常的に用いられているものと同等な用量で投与することができる(Niculescu-Duvaz, 2002, 前記)。好ましい態様において、グルフォスファミドは本明細書の別の箇所に記載したように投与される。
抗腫瘍薬グルフォスファミド(β-D-グルコシル-イフォスファミドマスタード;glc-IPM)は、癌の治療のために用いられるアルキル化剤である(米国特許第5,622,936号(これは参照として本明細書に組み入れられる)およびNiculescu-Duvaz, 2002, Curr Opin Investig Drugs 3: 1527-32を参照のこと)。そのアルキル化部分(イソホスホルアミドマスタード、IPM)はβ-Dグルコースとグリコシド結合しており、グルフォスファミドの細胞内取り込みはナトリウム依存性膜貫通型グルコース輸送体タンパク質によって媒介されると思われる(Briasoulis et al., 2000, J. Clin Oncol 18: 35354-44)。第II相臨床試験において、グルフォスファミドは、第一選択の治療を受けている患者、および二次的な化学療法を受けている非小細胞肺癌の患者、ならびに膠芽腫、乳癌および結腸癌の患者に投与された(Niculescu-Duvaz, 2002, 前記を参照)。グルフォスファミドは通常、静脈内に投与される;本発明の実施に際しては、髄腔内投与、腫瘍内注射、経口投与などの他の投与経路を用いうると考えられる。グルフォスファミドは、臨床的に日常的に用いられているものと同等な用量で投与することができる(Niculescu-Duvaz, 2002, 前記)。好ましい態様において、グルフォスファミドは本明細書の別の箇所に記載したように投与される。
ゲムシタビン
ゲムシタビン(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ-シチジン、これは1-(4-アミノ-2-オキソ-1H-ピリミジン-1-イル)-2-デスオキシ-2,2-ジフルオロリボース)は、細胞複製のプロセスを妨害するヌクレオシド類似体である。米国特許第4,808,614号および第5,464,826号(これらはそれぞれ参照として本明細書に組み入れられる)を参照されたい。ゲムシタビンHCl(Gemzar(商標);Lilly)は、非小細胞肺癌および膵臓癌の患者の治療に用いられている。ゲムシタビンHClは通常、無菌溶液として製剤化され、静脈内注入によって投与される。他の塩形態、例えば一リン酸塩、硫酸塩、マロン酸塩、クエン酸塩およびコハク酸塩も容易に調製することができ、必要に応じて用いることができる。腫瘍内注射、髄腔内投与などを含む、他の投与経路も用いうると考えられる。好ましい態様において、ゲムシタビンは本明細書の別の箇所に記載したように投与される。
ゲムシタビン(2'-デオキシ-2',2'-ジフルオロ-シチジン、これは1-(4-アミノ-2-オキソ-1H-ピリミジン-1-イル)-2-デスオキシ-2,2-ジフルオロリボース)は、細胞複製のプロセスを妨害するヌクレオシド類似体である。米国特許第4,808,614号および第5,464,826号(これらはそれぞれ参照として本明細書に組み入れられる)を参照されたい。ゲムシタビンHCl(Gemzar(商標);Lilly)は、非小細胞肺癌および膵臓癌の患者の治療に用いられている。ゲムシタビンHClは通常、無菌溶液として製剤化され、静脈内注入によって投与される。他の塩形態、例えば一リン酸塩、硫酸塩、マロン酸塩、クエン酸塩およびコハク酸塩も容易に調製することができ、必要に応じて用いることができる。腫瘍内注射、髄腔内投与などを含む、他の投与経路も用いうると考えられる。好ましい態様において、ゲムシタビンは本明細書の別の箇所に記載したように投与される。
ベバシズマブ
ベバシズマブ(Avastin(商標);Genentech)は、大腸癌、非小細胞肺癌、乳癌および他の固形腫瘍といった癌の治療のための血管新生阻害剤として開発された抗血管内皮増殖因子(VEGF)モノクローナル抗体である。Salgaller, 2003, Curr Opin Mol Ther, 5: 657-67およびPCT出願WO 96/30046号およびWO 98/45331号を参照されたい。本発明に用いる場合、ベバシズマブは、臨床的に日常的に用いられているものと同等な用量で投与することができる(例えば、Yang, 2003, N. Eng. J. Med., 349: 419-21およびCobleigh et al., 2003, Semin Oncol. 30(5 Suppl 16): 117-24を参照)。
ベバシズマブ(Avastin(商標);Genentech)は、大腸癌、非小細胞肺癌、乳癌および他の固形腫瘍といった癌の治療のための血管新生阻害剤として開発された抗血管内皮増殖因子(VEGF)モノクローナル抗体である。Salgaller, 2003, Curr Opin Mol Ther, 5: 657-67およびPCT出願WO 96/30046号およびWO 98/45331号を参照されたい。本発明に用いる場合、ベバシズマブは、臨床的に日常的に用いられているものと同等な用量で投与することができる(例えば、Yang, 2003, N. Eng. J. Med., 349: 419-21およびCobleigh et al., 2003, Semin Oncol. 30(5 Suppl 16): 117-24を参照)。
イリノテカン
イリノテカン(CPT-11、Camptosar(登録商標);Pharmacia & Upjohn)は、トポイソメラーゼIを阻害する植物アルカロイドであるカンプトテシンの半合成誘導体である。これは大腸癌の治療のための抗癌薬として開発された。イリノテカンは、臨床的に日常的に用いられているものと同等な用量で投与することができる。例えば(これには限定されないが)、患者にはCamptosar(登録商標)を3週毎に1回、90分間の注入を行うことができる。ほとんどの患者に対する開始用量は350mg/m2であってよいが、年齢70歳またはそれ以上の患者には用量を300mg/m2に減らしてもよい。Camptosar(登録商標)を、125mg/m2から始める週1回の投薬スケジュールに従って投与することもできる。投薬は約2〜4週間にわたって行い、このコースを7週間毎に繰り返すことができる。http://www.meds.com/colon/camptosar/treatmet.htmlを参照のこと。同じく、Rothenberg et al., 1996, J Clin Oncol.14: 1128-35も参照されたい。
イリノテカン(CPT-11、Camptosar(登録商標);Pharmacia & Upjohn)は、トポイソメラーゼIを阻害する植物アルカロイドであるカンプトテシンの半合成誘導体である。これは大腸癌の治療のための抗癌薬として開発された。イリノテカンは、臨床的に日常的に用いられているものと同等な用量で投与することができる。例えば(これには限定されないが)、患者にはCamptosar(登録商標)を3週毎に1回、90分間の注入を行うことができる。ほとんどの患者に対する開始用量は350mg/m2であってよいが、年齢70歳またはそれ以上の患者には用量を300mg/m2に減らしてもよい。Camptosar(登録商標)を、125mg/m2から始める週1回の投薬スケジュールに従って投与することもできる。投薬は約2〜4週間にわたって行い、このコースを7週間毎に繰り返すことができる。http://www.meds.com/colon/camptosar/treatmet.htmlを参照のこと。同じく、Rothenberg et al., 1996, J Clin Oncol.14: 1128-35も参照されたい。
エキサテカン
メシル酸エキサテカン(DX-8951f;Daiichi Pharmaceutical Co.)は、トポイソメラーゼIを阻害する植物アルカロイドであるカンプトテシンの水溶性類似体である。メシル酸エキサテカンは、非小細胞肺癌、卵巣、卵管癌または腹膜癌および乳癌の治療のための治療薬として開発された。癌の治療のためのメシル酸エキサテカンのさまざまな用量および投与が記載されている。例えば、Verschraegen et al, 2004, Cancer Chemother Pharmacol. 53: 1-7;Esteva et al., 2003, Cancer 98: 900-7;Braybrooke et al., 2003, Lung Cancer, 41: 215-9;Royce et al., 2004, Invest New Drugs. 22: 53-61を参照されたい。
メシル酸エキサテカン(DX-8951f;Daiichi Pharmaceutical Co.)は、トポイソメラーゼIを阻害する植物アルカロイドであるカンプトテシンの水溶性類似体である。メシル酸エキサテカンは、非小細胞肺癌、卵巣、卵管癌または腹膜癌および乳癌の治療のための治療薬として開発された。癌の治療のためのメシル酸エキサテカンのさまざまな用量および投与が記載されている。例えば、Verschraegen et al, 2004, Cancer Chemother Pharmacol. 53: 1-7;Esteva et al., 2003, Cancer 98: 900-7;Braybrooke et al., 2003, Lung Cancer, 41: 215-9;Royce et al., 2004, Invest New Drugs. 22: 53-61を参照されたい。
ペメトレキセド
ペメトレキセド(Alimta(商標))は、チミジル酸シンターゼ、ジヒドロ葉酸レダクターゼ、グリシンアミドリボヌクレオチドホルミルトランスフェラーゼおよびアミノイミダゾールカルボキサミドリボヌクレオチドホルミルトランスフェラーゼを阻害する葉酸拮抗薬である。ペメトレキセドは、インビトロで膵臓癌細胞株に対する作用があり、進行期膵臓癌の患者にも活性を示している。Kindler, 2002、Semin Oncol. 29: 49-53およびAdjei, 2003, Expert Rev Anticancer Ther. 3: 145-56を参照のこと。
ペメトレキセド(Alimta(商標))は、チミジル酸シンターゼ、ジヒドロ葉酸レダクターゼ、グリシンアミドリボヌクレオチドホルミルトランスフェラーゼおよびアミノイミダゾールカルボキサミドリボヌクレオチドホルミルトランスフェラーゼを阻害する葉酸拮抗薬である。ペメトレキセドは、インビトロで膵臓癌細胞株に対する作用があり、進行期膵臓癌の患者にも活性を示している。Kindler, 2002、Semin Oncol. 29: 49-53およびAdjei, 2003, Expert Rev Anticancer Ther. 3: 145-56を参照のこと。
シスプラチン
シスプラチン(シス-ジアミンジクロロ白金(II))は、抗腫瘍薬として幅広い活性を備えた二価無機水溶性白金含有複合体である(Go and Adjei, 1999, J Clin Oncol. 17: 409-22を参照)。
シスプラチン(シス-ジアミンジクロロ白金(II))は、抗腫瘍薬として幅広い活性を備えた二価無機水溶性白金含有複合体である(Go and Adjei, 1999, J Clin Oncol. 17: 409-22を参照)。
本発明をこれまでの項で詳細に説明してきたが、以下の実施例は本発明のいくつかの局面を例示するために提示され、本発明を限定するためのものではない。
実施例1
グルフォスファミドおよびゲムシタビンの併用療法
グルフォスファミドとゲムシタビンの組み合わせを、HS766-TまたはAs-PC-1ヒト膵臓癌細胞に由来する腫瘍を有する雌性NMRI nu/nuマウスに対して、7日間にわたり毎日投与した。マウスに対して、媒体対照(0.9%塩化ナトリウム溶液、i.v.)、ゲムシタビン(i.p.)、グルフォスファミド(i.v.)またはゲムシタビン/グルフォスファミドの組み合わせを連続7日間にわたり1日1回投与した。試験全体を通じて、ゲムシタビンについては標準的な用量である用量1.25mg/kgを用いた。
グルフォスファミドおよびゲムシタビンの併用療法
グルフォスファミドとゲムシタビンの組み合わせを、HS766-TまたはAs-PC-1ヒト膵臓癌細胞に由来する腫瘍を有する雌性NMRI nu/nuマウスに対して、7日間にわたり毎日投与した。マウスに対して、媒体対照(0.9%塩化ナトリウム溶液、i.v.)、ゲムシタビン(i.p.)、グルフォスファミド(i.v.)またはゲムシタビン/グルフォスファミドの組み合わせを連続7日間にわたり1日1回投与した。試験全体を通じて、ゲムシタビンについては標準的な用量である用量1.25mg/kgを用いた。
HS766-T腫瘍モデルでは、10mg/kgのグルフォスファミドの投与は、ゲムシタビン単独群または媒体対照群と比較して、腫瘍増殖の発現の劇的な遅延を引き起こした。ゲムシタビン単独による治療は腫瘍進行に対してわずかな阻害効果しかなかった。10mg/kgグルフォスファミドおよび1.25mg/kgゲムシタビンの併用投与は、試験期間の終了時(第42日)に、グルフォスファミド単独による治療と比較して、被験動物の腫瘍サイズの統計学的に有意な(P=0.009)縮小を引き起こした。As-PC-1腫瘍モデルでは、グルフォスファミドおよびゲムシタビンの投薬レジメンは単独でも併用でも腫瘍増殖に対して明らかな阻害効果がなかった。これらの結果はHS766-T腫瘍モデルにグルフォスファミドおよびゲムシタビンの併用投与に対する感受性があることを示している。
実施例2
グルフォスファミドおよびゲムシタビンの併用療法
グルフォスファミドとゲムシタビンの組み合わせを、MiPaca2ヒト膵臓癌細胞に由来する腫瘍を有するヌードマウスに対して投与した。マウスに対して、媒体対照、ゲムシタビン、グルフォスファミドまたはゲムシタビン/グルフォスファミドの組み合わせを、以下の表1にまとめたように投与した(マウス10匹/群)。グルフォスファミドを14日間にわたり1日1回静脈内投与した(第1〜4群および7〜12群)。ゲムシタビンを3週間にわたり週1回、300mg/kgで複腔内投与した(第6群および第10〜12群)。ゲムシタビンを3週間にわたり週2回、150mg/kgで複腔内投与した(第5群および第7〜9群)。
グルフォスファミドおよびゲムシタビンの併用療法
グルフォスファミドとゲムシタビンの組み合わせを、MiPaca2ヒト膵臓癌細胞に由来する腫瘍を有するヌードマウスに対して投与した。マウスに対して、媒体対照、ゲムシタビン、グルフォスファミドまたはゲムシタビン/グルフォスファミドの組み合わせを、以下の表1にまとめたように投与した(マウス10匹/群)。グルフォスファミドを14日間にわたり1日1回静脈内投与した(第1〜4群および7〜12群)。ゲムシタビンを3週間にわたり週1回、300mg/kgで複腔内投与した(第6群および第10〜12群)。ゲムシタビンを3週間にわたり週2回、150mg/kgで複腔内投与した(第5群および第7〜9群)。
第3群および第4群では腫瘍サイズがわずかに縮小した。第6群では腫瘍サイズの約50%の縮小が観察された。第10群は第6群と同等であった。第11群および第12群では、第6群に比して腫瘍サイズのより高度の縮小が認められた(第12群では毒性が生じたように思われた)。ゲムシタビンは150mg/kg(第5群、第7〜9群)ではマウスの急激な死亡を引き起こした。これらの結果は、グルフォスファミドおよびゲムシタビンの併用投与がマウスにおける腫瘍の縮小を引き起こしたことを示している。
実施例3
進行期固形腫瘍および膵腺癌におけるグルフォスファミドおよびゲムシタビンの併用療法
以下の机上の(prophetic)実験例は、グルフォスファミドおよびゲムシタビンの併用療法による癌の治療について説明するために提供される。臨床試験を、グルフォスファミドをゲムシタビンと併用することの安全性の評価および有効性の実証のために行う。併用して投与した場合のグルフォスファミド(イソホスホルアミドマスタード、IPMを含む)およびゲムシタビン(dFdUを含む)の薬物動態パラメーターも評価する
進行期固形腫瘍および膵腺癌におけるグルフォスファミドおよびゲムシタビンの併用療法
以下の机上の(prophetic)実験例は、グルフォスファミドおよびゲムシタビンの併用療法による癌の治療について説明するために提供される。臨床試験を、グルフォスファミドをゲムシタビンと併用することの安全性の評価および有効性の実証のために行う。併用して投与した場合のグルフォスファミド(イソホスホルアミドマスタード、IPMを含む)およびゲムシタビン(dFdUを含む)の薬物動態パラメーターも評価する
対象を以下の2つの群に分けて多施設試験を実施する:(i)以前に治療を受けた、または有効な標準的治療法がない、局所進行性および/または転移性固形腫瘍を有する対象(第I群);ならびに(ii)以前に化学療法を受けたことのない進行期/転移性膵腺癌を有する対象(第II群)。これらの対象をコホートに割り当てる。
各対象に関する試験期間全体の長さは、投薬前の3週間(スクリーニング期間)を含め、最長29週間とする。治療期間は8週間とし、グルフォスファミドはすべての4週間サイクルの第1日に投与し、ゲムシタビンはそれぞれの4週間サイクルの第1日、8日および15日に投与する。グルフォスファミド(1500、2500、3500および4500mg/m2―各用量レベルで1つのコホート)は、各サイクルの第1日に4週毎に1回4時間にわたり、静脈内に投与する。用量の4分の1を最初の30分間に投与する。用量の残りの4分の3はその後の3時間半にわたって投与する。ゲムシタビン(1000mg/m2)は、すべての4週間サイクルの第1日、8日および15日に30分間にわたり静脈内に毎週投与する。各サイクルの第1日に、グルフォスファミド注入の完了から30分後にゲムシタビンの注入を開始する。疾患が安定している対象、または2サイクル後に完全もしくは部分的な反応が得られた対象には、任意に、治療の期間を最長でさらに4回の4週間サイクルに延長する。この投薬スケジュールは以下の表2に示されている:
安全性の評価にはバイタルサイン、心電図、臨床検査の結果および有害事象を用いる。コンピュータ断層(CT)スキャンを含む、腫瘍の評価は、ベースライン時、および対象の試験中に8週間毎に行う。薬物動態パラメーターは、投薬後に特定の間隔で得たグルフォスファミドおよびゲムシタビンの血漿中濃度から決定する。グルフォスファミド/IPM(サイクル1および2の第1日のグルフォスファミド注入開始から0.25、0.5、1、1.5、2、3、4、4.25、4.5、5、6、8、12、16および24時間後)およびゲムシタビン/dFdU(サイクル1および2の第1日および第8日のゲムシタビン注入の開始から15、30、40、50分後ならびに1、1.5、3.5、7.5、11.5および19.5時間後)の血漿中濃度の決定のために、各対象から連続して血液試料を最終する。血液試料をグルフォスファミドおよびゲムシタビンのレベルに関して分析する。有効性および安全の分析のために用いるすべての統計学的検定は両側性として有意水準0.05で行い、90%信頼区間を算出する。
グルフォスファミド/IPMおよびゲムシタビン/dFdUに関して、以下の薬物動態パラメーターを各対象について算出する:最大濃度到達時間(Tmax);最大ピーク観察濃度(Cmax);終期における対数濃度の線形回帰の勾配の大きさ(時間に対して)のプロフィール(Kel);ln(2)/Kel(T1/2)として算出される半減期;時間0から濃度を定量可能な最終時点(LQCT)までの濃度時間曲線下面積(AUClast)、ここでLQCTは濃度を定量可能であった最後の試料が得られた時間である;線形台形法則を用いてAUClast+CLQCT/Kelとして算出した、0から無限時までの濃度時間曲線下面積(AUC);用量をAUC(グルフォスファミドおよびゲムシタビンのみ)で除算したものとして算出したクリアランス(Cl);用量にAUMC/AUC2を乗算したものとして算出した、分布の見かけ上の定常状態容積(Vss)、ここでAUMCは血漿中濃度時間曲線の第1モーメント下面積である(グルフォスファミドおよびゲムシタビンのみ);Clと終期消失速度定数Kel(グルフォスファミドおよびゲムシタビンのみ)との比として算出した分配後期における見かけ上の分布容積(Vβ)。用量補正AUCおよびCmaxを、AUCおよびCmaxを用量によって除算することにより、各対象に関して算出する。有効性結果は、膵臓癌対象に関しては、奏功率、奏効期間、無進行生存率、全生存率(6カ月および12カ月の生存率ならびに血清糖質19-9の変化)による判定で評価される。グルフォスファミドとゲムシタビンとの併用療法は、ゲムシタビンを単一の薬剤として用いた治療よりも改善されている。
実施例4
ゲムシタビン抵抗性転移性膵腺癌に対するグルフォスファミド療法
以下の机上の実施例は、グルフォスファミド療法によるゲムシタビン抵抗性転移性膵腺癌の治療を説明している。ゲムシタビン抵抗性転移性膵腺癌の対象におけるグルフォスファミドの安全性および有効性を評価するために、最善の支持的ケアを受けた場合と比較して、全生存率を指標とする多施設ランダム化非盲検試験を行う。
ゲムシタビン抵抗性転移性膵腺癌に対するグルフォスファミド療法
以下の机上の実施例は、グルフォスファミド療法によるゲムシタビン抵抗性転移性膵腺癌の治療を説明している。ゲムシタビン抵抗性転移性膵腺癌の対象におけるグルフォスファミドの安全性および有効性を評価するために、最善の支持的ケアを受けた場合と比較して、全生存率を指標とする多施設ランダム化非盲検試験を行う。
対象は投与群当たり150例の対象からなる2つの群に分ける:(1)グルフォスファミド投与群(第I群)および(ii)最善の支持的ケア(BSC、第II群)。第I群の対象にはグルフォスファミドを最長51週間の期間にわたって投与する。グルフォスファミドは、最大17回の投薬にわたり、4500mg/m2で3週毎に1回、6時間かけて静脈内に投与する。用量の4分の1は30分間かけて注入し、残りは以後の5時間半をかけて注入する。対象には苦痛緩和の放射線療法を行ってもよいが、グルフォスファミドの投与から±48時間以内には行わない。グルフォスファミド治療の有効性を評価するために、第II群の対象には抗腫瘍効果を有する医薬品、例えば、化学療法または他の全身性細胞毒性薬/細胞分裂阻止薬による療法を行わない。しかし、その他の妥当な支持的手段および抗腫瘍効果のない同時併用薬、例えば鎮痛薬、抗生物質、輸液、造血性コロニー刺激因子(予防としてではなく治療法として)、エリスロポエチン、食欲刺激のための酢酸メゲストロールなどは適宜投与される。第I群の対象にも最善の支持的ケアを行う。この投薬スケジュールは以下の表3に示されている:
腫瘍評価は、ベースライン時、および最初の24週間には6週間毎に行い、その後は疾患の進行が文書で記録されるまで9週間毎に行う。薬物動態評価用の試料を、第I群の患者からサイクル1および2の最中に採取する。グルフォスファミド/IPMの血漿中濃度に関する血液試料は、第I群の対象からサイクル1および2の第1日に以下の時点で採取する:投与前およびグルフォスファミド注入の完了直後。そのほかの薬物動態パラメーターを、第I群の24例の対象サブセットに関して測定する(AUC、Cmax、およびT1/2、グルフォスファミド/IPMに関して)。血液試料をこのサブセットからサイクル1および2の第1日に以下の時点で採取する:投与前、グルフォスファミド注入から0.5時間後(注入速度を変更する直前)、1、3、6時間後(グルフォスファミド注入の完了直前)、6.25、6.5、7、8、10、16、24時間後。
グルフォスファミド/IPMに関する薬物動態パラメーター(上記実施例3に記載した通り)(サイクル1および2の第1日)を、24例の対象サブセットの各対象に関して算出する。有効性結果は、最良の支持的ケアと比較した、奏功率(完全反応および部分的反応)、奏功期間、無進行生存率、6カ月および12カ月の生存率、VAS疼痛スコアおよび血清糖質19-9応答の変化に基づいて評価する。グルフォスファミドによる治療を受けたゲムシタビン抵抗性転移性膵腺癌の対象では、最良の支持的ケアを受けた場合と比較して全生存率が改善されている。
同等物および参照としての組み入れ
本発明をその具体的な態様を参照しながら説明してきたが、当業者には、発明の真の精神または範囲を逸脱することなく、さまざまな変更を加えうること、および同等物と置換しうることは理解されるはずである。さらに、特定の状況、材料、物質の組成物、工程、工程の1つまたは複数の段階を本発明の目的、精神および範囲に対して適合させるために、多くの変更を加えることも可能である。このような変更はすべて本明細書に添付される特許請求の範囲に含まれるものとする。
本発明をその具体的な態様を参照しながら説明してきたが、当業者には、発明の真の精神または範囲を逸脱することなく、さまざまな変更を加えうること、および同等物と置換しうることは理解されるはずである。さらに、特定の状況、材料、物質の組成物、工程、工程の1つまたは複数の段階を本発明の目的、精神および範囲に対して適合させるために、多くの変更を加えることも可能である。このような変更はすべて本明細書に添付される特許請求の範囲に含まれるものとする。
本明細書中に引用したすべての刊行物および特許文書は、参照として本明細書に組み入れられる。このような刊行物または文書が参照として組み込まれるように明確かつ個別に示されている場合と同程度に、参照として本明細書に組み入れられる。刊行物および特許文書の引用は、このような文書が適切な先行技術であることの表示を意図したものではなく、その内容または日付に関する承認をなすものでもない。
Claims (20)
- 癌を治療する方法であって、癌に対する治療を必要とする対象に対して、グルフォスファミドおよびゲムシタビンを併用して投与する段階を含む、方法。
- 癌が局所進行性および/または転移性の固形腫瘍である、請求項1記載の方法。
- 癌が膵臓癌である、請求項1記載の方法。
- グルフォスファミドが1回または複数回の投薬サイクルで投与され、各サイクルが以下の範囲でのグルフォスファミドの注入を含む、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法:
a)3週毎に1回、1〜6時間の注入期間にわたり、約1.5〜約8.0g/m2;約1.5〜約6.0g/m2;約1.5〜約4.5g/m2;約4.5〜約8.0g/m2;約4.5〜約6.0g/m2;もしくは約4.5〜約5.0g/m2;
b)3週毎に連続して3日(第1日、第2日および第3日)、1〜6時間の注入期間にわたり、約1.5〜約3.0g/m2もしくは約1.5〜約2.0g/m2;
c)毎週1回、1〜6時間の注入期間にわたり、約1.5〜約2.0g/m2;または
d)4週毎に1回、1〜6時間の注入期間にわたり、約1.5〜約8.0g/m2;約1.5〜約6.0g/m2;もしくは約1.5〜約4.5g/m2。 - ゲムシタビンが7週間投薬サイクルの週毎に1回投与され、該投与が1回または複数回の7週間サイクルにわたり、各サイクルが以下のゲムシタビンの注入を含む、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法:
a)約30分の期間にわたり約1000mg/m2;
b)約30分の期間にわたり約2200mg/m2;または
c)約150分の期間にわたり約1500mg/m2。 - ゲムシタビンが複数回の4週間サイクルにわたり4週間サイクルの第1週、2週および3週に投与され、各サイクルが以下のゲムシタビンの注入を含む、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法:
a)約30分の期間にわたり約1000mg/m2;
b)約30分の期間にわたり約2200mg/m2;または
c)約150分の期間にわたり約1500mg/m2。 - サイクルが、4週毎に1回、1〜6時間の注入期間にわたる、約1.5〜約4.5g/m2の範囲でのグルフォスファミドの注入を含む、請求項6または請求項7記載の方法。
- ゲムシタビンがグルフォスファミドの投与と同じ日に投与される、請求項7記載の方法。
- ゲムシタビンがグルフォスファミドの投与から約30分後〜約4時間後に投与される、請求項10記載の方法。
- 局所進行性および/または進行期の転移性進行固形腫瘍を治療するための方法であって、このような治療を必要とする対象に対してグルフォスファミドおよびゲムシタビンを併用して投与する段階を含み、グルフォスファミドが1回または複数回の投薬サイクルで投与され、各サイクルが以下を含む方法:
a)4週毎に1回、1〜6時間の注入期間にわたる、約1.5〜約8.0g/m2;約1.5〜約6.0g/m2;または約1.5〜約4.5g/m2の範囲でのグルフォスファミドの注入;および
b)約30分の期間にわたる、約1000mg/m2でのゲムシタビンの注入。 - 膵臓癌を治療する方法であって、このような治療を必要とする対象に対してグルフォスファミドおよびゲムシタビンを併用して投与する段階を含み、グルフォスファミドが1回または複数回の投薬サイクルで投与され、各サイクルが以下を含む方法:
a)4週毎に1回、1〜6時間の注入期間にわたる、約1.5〜約8.0g/m2;約1.5〜約6.0g/m2;または約1.5〜約4.5g/m2の範囲でのグルフォスファミドの注入;および
b)約30分の期間にわたる約1000mg/m2でのゲムシタビンの注入。 - 各サイクルが、4週毎に1回、1〜6時間の注入期間にわたる、約1.5〜約4.5g/m2の範囲でのグルフォスファミドの注入を含む、請求項10または請求項11記載の方法。
- ゲムシタビンがグルフォスファミドの投与と同じ日に投与される、請求項12記載の方法。
- ゲムシタビンがグルフォスファミドの投与から約30分後〜約4時間後に投与される、請求項13記載の方法。
- 各グルフォスファミドが、4週毎に1回、4時間の注入期間にわたる約1.5〜約4.5g/m2の範囲での注入として投与され、ゲムシタビンがグルフォスファミドの投与から30分後に投与される、請求項14記載の方法。
- 化学療法抵抗性膵臓癌に対する治療を必要とする対象に対してグルフォスファミドを投与する段階を含む、治療の方法。
- ゲムシタビン抵抗性膵臓癌に対する治療を必要とする対象に対してグルフォスファミドを投与する段階を含む、治療の方法。
- 請求項16または請求項17記載の方法であって、グルフォスファミドが1回または複数回の投薬サイクルで投与され、各サイクルが以下の範囲でのグルフォスファミドの注入を含む、方法:
a)3週毎に1回、1〜6時間の注入期間にわたり、約1.5〜約8.0g/m2;約1.5〜約6.0g/m2;約1.5〜約4.5g/m2;約4.5〜約8.0g/m2;約4.5〜約6.0g/m2;もしくは約4.5〜約5.0g/m2;
b)3週毎に連続して3日(第1日、第2日および第3日)、1〜6時間の注入期間にわたり、約1.5〜約3.0g/m2もしくは約1.5〜約2.0g/m2;
c)毎週1回、1〜6時間の注入期間にわたり、約1.5〜約2.0g/m2;または
d)4週毎に1回、1〜6時間の注入期間にわたり、約1.5〜約8.0g/m2;約1.5〜約6.0g/m2;もしくは約1.5〜約4.5g/m2。 - ゲムシタビン抵抗性膵臓癌を治療する方法であって、このような治療を必要とする対象に対してグルフォスファミドを投与する段階を含み、グルフォスファミドが1回または複数回の投薬サイクルで投与され、各サイクルが3週毎に1回、1〜6時間の注入期間にわたる約1.5〜約6.0g/m2の範囲でのグルフォスファミドの注入を含む、方法。
- グルフォスファミドが1回または複数回の投薬サイクルで投与され、各サイクルが3週毎に1回、1〜6時間の注入期間にわたる約4.5g/m2のグルフォスファミドの注入を含む、請求項19記載の方法。
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