JP2008540559A - グルフォスファミド併用療法 - Google Patents

グルフォスファミド併用療法 Download PDF

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Abstract

グルフォスファミドを単独で又は他の化学治療剤と組み合わせて投与することはがんの治療に有用である。一局面において、本発明が提供するがんの治療方法は、治療が必要な対象に、治療上有効な用量のグルフォスファミドをドキソルビシン(例えばアドリアマイシン、ドキシル及びカエリックス(Caelyx))と組み合わせて投与することを包含する。一実施態様において、本発明が提供するがんの治療方法は、グルフォスファミドをエルロチニブ(タルセバ(商標))と組み合わせて投与することを包含する。

Description

関連出願の相互参照
本発明は、2005年5月11日に出願した米国仮特許出願第60/680,451号(これらは、その全体が参考として本明細書に援用される。)の利益を主張する。
発明の分野
本発明は、グルフォスファミドを抗がん剤とともに用いてがんを治療するための組成物及び方法を提供するものであり、広く化学、生物学、分子生物学、薬理学、及び医学に関するものである。
発明の背景
イフォスファミドはアルキル化剤の親油性プロドラッグである。イフォスファミド療法は、がんの治療に使用されるが、患者に重い毒性の副作用を示す。イフォスファミドが代謝されるとクロロアセトアルデヒドとアクロレインが生じる。脱毛及び吐き気/嘔吐に加えて、イフォスファミドの代謝産物であるクロロアセトアルデヒドとアクロレインは、中枢神経系(CNS)毒性の原因となり、また出血性膀胱炎、排尿障害、及び頻尿を生じ得る膀胱の炎症の原因となる(非特許文献1(この引用によりその内容は本明細書に記載されたものとする)参照)。
イフォスファミドによって生じる膀胱の炎症を改善するため、メスナ(メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム)をイフォスファミドと同時に投与するのが一般的である。メスナは、イフォスファミド代謝産物アクロレインによって引き起こされる出血性膀胱炎を特異的に抑えるウロプロテクタントである。しかし、メスナ自体が、いくつかの副作用(例えば、吐き気、嘔吐、後味の悪さ、下痢又は軟便、及び頭痛)を引き起こし得る。さらに、患者の最高で6%がメスナに反応せず、血尿を生じたままである。
イフォスファミドによって重い副作用が生じることを考えると、イフォスファミドを使用しないがんの化学療法が必要である。グルフォスファミド(α−D−グルコシル−イフォスファミドマスタード又はglc−IPMとしても知られる)は、アルキル化剤のプロドラッグ形であり、最近臨床でがんの治療に使用されるようになったものである。特許文献1(Wiessler et al.)、特許文献2及びPCT出願番号PCT/US2005/047314号(WO2005/ として公開)(それぞれはこの引用によりその内容が本明細書に記載されたものとする)を参照されたい。イフォスファミドとは対照的に、グルフォスファミドの代謝によって毒性の代謝産物アクロレインは放出されず、またクロロアセトアルデヒドもほとんど生成されない。
それでも、特定の種類のがんをグルフォスファミドにより治療するためさらなる療法が必要とされており、望ましくは、腫瘍反応率が顕著に向上しかつ総合的に毒性が低い療法が必要とされている。本発明は、以下に要約するような新規な併用療法を提供することにより、そのような要求を満たすものである。
米国特許第6,489,302号明細書 国際公開第2005/07688号パンフレット Hardman et al.,Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,2001,10th Edition,McGraw−Hill,New York,1390−6
発明の概要
本発明は、グルフォスファミドを単独で又は抗がん剤と組み合わせて投与することによりがんを治療する方法を提供する。
一局面において、本発明が提供するがんの治療方法は、治療が必要な対象に、治療上有効な用量のグルフォスファミドをドキソルビシン(例えばアドリアマイシン、ドキシル及びカエリックス(Caelyx))と組み合わせて投与することを包含する。
一実施態様において、本発明が提供するがんの治療方法は、グルフォスファミドをエルロチニブ(タルセバ(商標))と組み合わせて投与することを包含する。一実施態様において、本発明が提供するがんの治療方法は、そのような治療が必要な対象に、グルフォスファミド、ゲムシタビン及びエルロチニブを組み合わせて投与することを包含する。
種々のがんを本方法により治療することができ、例えば、膵がん、直腸結腸がん、乳がん、骨がん、肺がん、リンパ腫、肉腫などを治療することができる。
一局面において、本発明はドキソルビシンに抵抗性の肉腫を治療する方法を提供し、該方法は、治療が必要な対象に、治療上有効な用量のグルフォスファミドを投与することを包含する。
上述したように、既存の併用療法は、望ましくない副作用を有するとともに、メスナのような化学的予防薬又はウロプロテクタントを同時に投与することを必要とする。これに対し、グルフォスファミドの代謝によって毒性の代謝産物アクロレインは放出されない。従って、一実施態様において、本発明は、メスナのような化学的予防薬又はウロプロテクタントを同時に投与することを必要としない。
発明の詳細な説明
本発明は、グルフォスファミドを単独で使用するか又はグルフォスファミドを他の抗がん剤とともに併用療法において使用することによって、副作用がより少なくなり、さらにメスナのようなそれ自体が副作用をもつ可能性のある追加の医薬を同時に投与する必要がなくなることを見出した結果、なされたものである。さらに、グルフォスファミドは、イフォスファミドに比べて、より短い注入時間で患者に注入することができる。ある投与法において、イフォスファミドは24時間にわたって注入され、これは患者の入院を必要とする。一実施態様において、腎毒性を抑えるため、グルフォスファミドは週に1回投与される。
この項で引用する刊行物は、当業者の便宜のため医薬の態様を具体的に示すことを目的とする。しかし、この項及び本開示の別の記載において特定の刊行物を引用することは、いかなる態様(例えば、用量、組み合わせ、及び兆候に関するいかなる態様)においても、本発明を限定しようとするものではない。
対象
対象の一つはがんの治療が必要な哺乳動物である。一般的にそのような対象はヒトの患者である。本発明のある実施態様において、対象は、ヒト以外の哺乳動物、例えばヒト以外の霊長動物、イヌ、ネコ、ウサギ、ブタなどであり得る。本発明のある実施態様において、対象は、動物モデル(例えば、医薬のスクリーニング、特性解析、及び評価に使用されるマウス及びラットのような動物)であり得る。
治療
ここで使用しており、また当該技術においてよく理解されている用語「治療」は、有益な結果又は所望する結果(臨床結果を含む)を得るためのアプローチ(はたらきかけ)を意味する。本発明の目的に対して、有益な又は所望する臨床結果には、検出可能なもの検出可能でないものを問わず、一以上の症状の軽減又は改善、病気の程度の軽減、病状の安定(すなわち悪化しないこと)、病気の広がりの防止、病気の進行の遅延又は減速、病状の改善又は緩和、及び緩解(部分的又は全体的を問わず)が含まれるが、それらに限定されるものではない。また「治療」は、治療を受けない場合に予想されるものと比べて、生存が長くなることをも意味する。
一実施態様において、本発明はリンパ腫の治療方法を提供し、そこにおいて、リンパ腫の治療が必要な対象に治療上有効な用量のグルフォスファミドが投与される。特定の実施態様において、リンパ腫は、非ホジキンリンパ腫である。
一実施態様において、本発明は肉腫の治療方法を提供し、そこにおいて、肉腫の治療が必要な対象に治療上有効な用量のグルフォスファミドが投与される。特定の実施態様において、肉腫は軟部組織肉腫である。特定の実施態様において、肉腫は非軟部組織肉腫である。特定の実施態様において、肉腫は、化学療法に抵抗性の肉腫、例えば、ドキソルビシンによる治療に抵抗性の肉腫である。他の実施態様において、治療は肉腫の二次治療である。
一実施態様において、本発明が提供するがんの治療方法は、治療上有効な用量のグルフォスファミドをドキソルビシンと組み合わせて投与することを包含する。この方法により治療できるがんの具体例には、乳がん、骨がん、肺がん、リンパ腫、肉腫、及び多発性骨髄腫があるが、これらに限定されるものではない。
一実施態様において、本発明が提供するがんの治療方法は、治療が必要な対象に、治療上有効な用量のグルフォスファミドをエルロチニブ(例えばタルセバ(商標))及び必要に応じてその他の抗がん剤と組み合わせて投与することを包含する。一実施態様において、本発明が提供するがんの治療方法は、そのような治療が必要な対象に、グルフォスファミド、ゲムシタビン及びエルロチニブを組み合わせて投与することを包含する。種々のがんを本方法により治療することができ、例えば、膵がん、直腸結腸がん、乳がん、リンパ腫、肉腫、肺がんなどを治療することができる。
一実施態様において、本発明が提供するがんの治療方法は、治療が必要な対象に、治療上有効な用量のグルフォスファミドを別の抗がん剤と組み合わせて投与することを包含する。
抗がん剤の具体例には、ドキソルビシン(例えばアドリアマイシン、ドキシル及びカエリックス(Caelyx))、タキサン類(例えばドセタキセル及びパクリタキセル)、メシル酸イマチニブ(Gleevac)、ダカルバジン(DTIC)、ビンクリスチン、トポテカン、エトポシド、カルボプラチン、リツキシマブ、メトトレキサート、トラスツズマブ(ハーセプチン(Herceptin(登録商標))、EGFR阻害薬(例えばイレッサ)、ベバシズマブ、イリノテカン、エキサテカン、ペメトレキセド、シスプラチン、2−デオキシグルコース、及びリツキシマブがあるが、これらに限定されるものではない。
限定ではなく例示として、種々の抗がん剤(がん治療用のグルフォスファミド及びゲムシタビンを含む)を投与することについての記載が、PCT公開番号WO2005/07688及びPCT出願番号PCT/US2005/047314(WO2005/ として公開)に存在する。これらのそれぞれの内容は、この引用により本明細書にそっくり記載されたものとする。
一実施態様において、本発明は、メスナのような化学的予防薬又はウロプロテクタントを同時に投与することを必要としない。
がん
本発明の方法は、任意のがんの治療に使用することができる。そのようながんには、乳がん、膵がん、結腸及び/又は直腸のがん、白血病、皮膚がん、骨がん、前立腺がん、肝臓がん、肺がん、脳腫瘍、咽頭がん、胆嚢がん、副甲状腺がん、甲状腺がん、副腎がん、神経組織のがん、頭及び頚のがん、胃がん、気管支がん、腎臓がん、基底細胞がん、潰瘍性及び乳頭状の両方のタイプの扁平上皮がん、転移性の皮膚がん、骨肉腫、ユーイング肉腫、小胞体細胞の肉腫、横紋筋肉腫、カポージ肉腫、骨原性肉腫及びその他の肉腫、骨髄腫、巨細胞腫、小細胞肺腫瘍、胆石、膵島細胞がん、原発性脳腫瘍、急性及び慢性のリンパ球及び顆粒球の腫瘍、毛様細胞腫、腺腫(アデノーマ)、過形成、髄様がん、褐色細胞腫、粘膜神経腫、腸神経節細胞腫、増殖性角膜神経腫、マルファン症候群様体質腫瘍、ウィルムス腫、セミノーマ(精上皮腫)、卵巣腫瘍、平滑筋腫、子宮頚部形成異常及びその場でのがん腫、神経芽腫、網膜芽腫、軟部組織肉腫、悪性カルチノイド、局所的皮膚損傷、菌状息肉腫、悪性高カルシウム血症、腎細胞腫、真性赤血球増加症、腺がん、多形グリア芽腫、精巣がん、生殖細胞がん、悪性黒色腫、並びに類表皮がんがあるが、これらに限定されるものではない。
一実施態様において、本発明の方法は、特にリンパ腫(ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫を含む)の治療に有用である。
一実施態様において、本発明の方法は、特に肉腫(軟部組織肉腫及び非軟部組織肉腫を含む)の治療に有用である。本発明の方法は、任意の肉腫の治療に使用することができる。そのような肉腫には、血管肉腫、軟骨肉腫、隆起性皮膚線維肉腫、線維様肉腫、ユーイング肉腫、線維肉腫、消化管間質腫瘍(GIST)、カポージ肉腫、非子宮平滑筋肉腫、子宮平滑筋肉腫、脂肪肉腫、悪性線維組織球腫(MFH)、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、骨肉腫、骨原性肉腫、横紋筋肉腫、滑膜肉腫、及び小胞体細胞肉腫があるが、これらに限定されるものではない。他の実施態様において、本発明は肉腫の治療方法を提供し、該方法は、予め化学療法で治療された進行性及び/又は転移性の悪性腫瘍の治療が必要な対象にグルフォスファミドを投与することを包含する。特定の実施態様において、肉腫は、化学療法に抵抗性の肉腫、例えば、ドキソルビシンによる治療に抵抗性の肉腫である。
一実施態様において、本発明の方法は、膵がん、乳がん、又は結腸直腸がんの治療に特に適している。従って、本発明の特定の実施態様において、治療が施される対象は、結腸直腸がん又は転移性の結腸直腸がんを有している。本発明の特定の実施態様において、治療が施される対象は乳がんを有している。本発明の特定の実施態様において、治療が施される対象は膵がんを有している。膵がんの中で、化学療法に抵抗性の膵がん、例えば、ゲムシタビンによる治療に抵抗性の膵がん(例えば、Araneo et al.,2003,Cancer Invest.21:489−96;Kozuch et al.,2001,The Oncologist 6:488−95;Noble and Goa,1997,Drugs 54:447−72N;Stephens et al.,1998,Oncol.Nurs.Forum 25:87−93;Burris and Storniolo,1997,Eur.J.Cancer 33:Suppl 1:S18−22;Rothenberg et al.,1996,Ann.Oncol.7:347−53参照)を、ここに開示する方法により、例えば、グルフォスファミドをエルロチニブ及び必要に応じてその他の抗がん剤と組み合わせて投与することにより、治療することができる。報告によれば、血清炭水化物(serum carbohydrate)19−9が、膵がんにおけるそのようなグルフォスファミド療法への反応を評価するのに有用なマーカーとなり得る(Ziske et al.,2003,Br.J.Cancer 89:1413−17)。
投与方法
明らかなとおり、化学療法によるがんの治療では、複数の「ラウンド」又は「サイクル」で医薬の投与を行うことがあり、ここで、各サイクルは、特定のスケジュール(例えば、毎日、1週間に1回、1週間に複数回連続した日に又は連続していない日に、各サイクルごとに1回、各サイクルごとに複数回(例えば3週間ごとに3日連続して)などで、ここで各サイクルは、1週間から最高数週間の範囲、好ましくは2、3、4、5、6、7、又は8週間である)に従って1回以上医薬を投与することを包含する。例えば、化学療法剤は、1〜8サイクルの間、又はそれより長い間投与することができる。1種より多い医薬(例えば2種の医薬)を対象に投与する場合、各医薬は、それ自体の上述したようなスケジュール(例えば毎週(週1回)、3週間ごとに1回など)に従って投与することができる。明らかなとおり、複数種の医薬の投与は、それらが異なる周期で投与されたとしても、時期が重なる可能性があり、従って、少なくともある時、同じ日に両方の医薬が投与されることがあり、あるいは、すくなくともある時、それらの医薬が連続した日に投与されることがある。
当該技術において明らかなとおり、毒性が見られる場合、あるいは患者の都合により、本発明の範囲を逸脱することなく、がん治療薬による治療を一時的に中止することができ、その後再開することができる。
組み合わせ投与
がんの化学療法中、2種、3種又は4種の医薬を、同じ治療の過程の一部としてそれらを投与することにより、対象に「組み合わせ」投与することができる。治療の過程は、相加的に、相補的に、相乗的に、あるいは、単一医薬の投与に対して予測されるよりもより好ましい結果をもたらすよう協同して働くと医学の専門家が考える複数種の医薬の組み合わせ投与を指す。治療の過程は、1日間又は数日間とすることができるが、より多くの場合、数週間にわたる。
2種以上の医薬を組み合わせ投与する場合、種々のスケジュールを用いることができる。一つの場合、例えば限定されることなく、医薬1を医薬2の投与の前に最初に投与し、そして、医薬2の投与の過程の間、医薬1による治療を継続する。一方、医薬2による療法の開始又は終了の後、医薬1を投与する。一方、医薬1を最初に投与し、それと同時に他のがん療法を開始する。ここで使用する用語「同時に」は、2種の医薬を同じ日に又は連続した日に投与することを意味する。
原則として特定の複数種の医薬を同時に処方することができるが、一般にそれらは別々の組成物で投与される。同様に、特定の複数種の医薬を同時に投与することができるが、より多くの場合(特に輸液(又は注入)によって投与される医薬の場合)、複数種の医薬は、共に投与されるか、同じ日の異なる時間に投与されるか、連続した日に投与されるか、又はその他のスケジュールに従って投与される。ここで「共に投与」は、同じ治療の過程(特に同じ日)において投与することを意味する。
その他の抗がん剤と組み合わせて本発明で使用するグルフォスファミドは、治療上有効な任意の用量(例えば、臨床的に通常使用されるものと同等の用量)で投与することができる。既知の承認されている抗がん剤に対する特定の用法(例えば推奨される有効用量)は、医師の知るところであり、例えば、PHYSICIAN’S DESK REFERENCE,2003,57th Ed.,Medical Economics Company,Inc.,Oradell,N.J.;Goodman & Gilman’s THE PHARMACOLOGICAL BASIS OF THERAPEUTICS 2001,10th Edition,McGraw−Hill,New Yorkにある製品説明に示されており、かつ/又はFederal Drug Administrationより得ることができ、かつ/又は医学文献で論じられている。
一実施態様において、グルフォスファミドは、1、2、3、4、5、6、7、8、又は8より多い投与サイクルで投与され、各サイクルは、以下のいずれかの範囲においてグルフォスファミドを注入することを包含する。
(a)約1.0〜約8.0g/m、約1.0〜約6.0g/m、約1.5〜約4.5g/m、約4.5〜約8.0g/m、約4.5〜約6.0g/m、又は約4.5〜約5.0g/mで、3週間ごとに1回、1〜6時間の注入時間、
(b)約1.0〜約3.0g/m、約1.5〜約3.0g/m、又は約1.5〜約2.0g/mで、3週間ごとに、3日連続して(1日目、2日目及び3日目)、1〜6時間の注入時間、
(c)約1.0〜約2.0g/m又は約1.5〜約2.0g/mで、1週間に1回、1〜6時間の注入時間、又は
(d)約1.0〜約8.0g/m、約1.0〜約6.0g/m、又は約1.5〜約4.5g/mで、4週間ごとに1回、1〜6時間の注入時間。
一実施態様において、グルフォスファミドは、1、2、3、4投与サイクル、又は4より多い投与サイクルで、投与され、ここで、各サイクルは7週間のサイクルである。一実施態様において、グルフォスファミドは、1、2、3、4、5、6投与サイクル、又は6より多い投与サイクルで、投与され、ここで、各サイクルは3週間のサイクルである。一実施態様において、グルフォスファミドは、1、2、3、4、5、6投与サイクル、又は6より多い投与サイクルで、投与され、ここで、各サイクルは4週間のサイクルである。一実施態様において、グルフォスファミドは、週に1回、1.0〜約3.0g/mの範囲で、例えば、21日サイクルの1日目と8日目、28日サイクルの1日目、8日目、及び15日目、又は21日サイクルの1日目、8日目、15日目に、投与される。
ここで使用する用語「1〜6時間の注入時間」には、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、及び約6時間の注入時間が含まれるが、これらに限定されるものではない。
他の実施態様において、グルフォスファミドは、7週間サイクルの1週間目、2週間目、3週間目、5週間目、6週間目、及び7週間目に投与され、そして、その投与は、7週間サイクルを1、2、3、4回、又は4より多い回数行い、ここで各サイクルは、(a)約30分の時間で約1.0g/m、(b)約30分の時間で約2.2g/m、(c)約150分の時間で約1.5g/mを注入することを包含する。
一実施態様において、エルロチニブは、約25mg〜約200mg、約100mg〜約200mg、約150mg、食後1時間以上で投与される。一実施態様において、エルロチニブは、食後2時間で投与される。一実施態様において、エルロチニブは経口投与される。
一実施態様において、ゲムシタビンは、1、2、3、4、5、6、7、8投与サイクル、又は8より多い投与サイクルで投与され、そして各サイクルは、(a)約30分の時間で約1000mg/m、(b)約30分の時間で約2200mg/m、又は(c)約150分の時間で約1500mg/mのゲムシタビンを注入することを包含する。
一実施態様において、ゲムシタビンは、1、2、3、4投与サイクル、又は4より多い投与サイクルの間、各投与サイクルの1週目、2週目、3週目、5週目、6週目、及び7週目に投与され、ここで各投与サイクルは7週間のサイクルである。一実施態様において、ゲムシタビンは、1、2、3、4、5、6投与サイクル、又は6より多い投与サイクルの間、各投与サイクルの1週目、2週目及び3週目に投与され、ここで各投与サイクルは4週間のサイクルである。ゲムシタビンは、グルフォスファミドの投与の1日前若しくは1日後に、又はグルフォスファミドの投与と同じ日に、投与される。一実施態様において、ゲムシタビンは、グルフォスファミドの投与と同じ日で、グルフォスファミドの投与後、約30分〜約4時間で投与される。
以上において本発明を詳細に説明してきたが、以下の実施例は本発明の特定の局面を例示するため設けられたものであり、本発明を限定するものではない。
細胞株及び試薬
MES−SA細胞株及びMES−SA/DX5細胞株(バーキットリンパ腫)をAmerican Type Culture Collection(ATCC,Rockville,MD)から入手した。これらの細胞株をダルベッコ変法イーグル培地(10%胎児ウシ血清、ピルビン酸ナトリウム、非必須アミノ酸、L−グルタミン、ビタミン類、及び抗生物質を添加)で培養した。5%CO、21%Oを含む37℃の加湿インキュベーターにおいて細胞を維持した。特に断らない限り、すべての化学試薬はSigma Chemical Co.(St.Louis,MO)から購入したものである。グルフォスファミド及びダウノルビシンは、Threshold Pharmaceuticals,Inc.が直接提供したものであり、実験ごと新たにPBS中で再構成した。
実施例1
細胞増殖アッセイ
細胞増殖に対する本発明の組み合わせの効果を判定するため、組み合わせの抗増殖活性をマルチウェルアラマーブルー(Alamar Blue)系アッセイにおいて調べた(3日で)。表1に示す試験化合物が存在する場合と存在しない場合において、細胞の増殖を比較した。細胞の増殖は、励起550nm及び発光590nmで、蛍光プレートリーダーにより測定した(Biosource International Inc.,Tech Application Notes,Use of Alamar Blue in the measurement of Cell Viability and Toxicity,Determining IC50参照)。MES−SA細胞株(ヒト子宮肉腫)(ATCCカタログ番号CRL−1976)(5000細胞/ウェル/180μl)及びその多剤耐性変異株MES−SA/DX5(ATCCカタログ番号CRL−1977)(5000細胞/180μl)を96ウェルプレートでRPMI培地(Invitrogen Corporation,Carlsbad,CA)において播種し、一夜インキュベートした。24時間後、それらのプレートを対照群と3日処理群とに分けた。
試験化合物(グルフォスファミド、ダウノルビシン、ドキソルビシン)を、表1に示す濃度(それぞれ200μlの培地中)で処理群の各プレートに添加した。細胞を3日間インキュベートし、その後、アラマーブルーで染色した。対照群では、(i)0日目と(ii)3日目にアラマーブルーをプレートに添加し、測定を行って対照測定値を確立した。すべての群において、励起550nm及び発光590nmで蛍光プレートリーダーを用いてアラマーブルー添加の6時間後に細胞の増殖能力を測定した。アッセイの結果を表1にまとめ、図1〜3に示す。グルフォスファミド、ダウノルビシン及びドキソルビシンについて用量反応曲線を作成し、そしてIC50値を求めた。用量依存的阻害百分率をGraphpad Prism(登録商標)(GraphPad Software,Inc.)を用いて算出した。
Figure 2008540559
実施例2
H460肺異種移植モデルにおけるグルフォスファミドの効果
H460ヒト肺がん細胞を雌のヌードマウス(一群あたり10匹のマウス)の側腹に皮下注射した。腫瘍が約100mmに達したら、動物を無作為に処理群にふりわけた。対照のマウスには、1日1回、7日間、生理食塩水をIP(腹腔内)投与した。グルフォスファミドは、1日1回、7日間、50mg/kg/日でIP投与した。シスプラチン(CDDP)は、3mg/kgで1回だけIV(静脈内)投与した。残りの群はグルフォスファミドとCDDPの両方を摂取した。図4に示すとおり、CDDP単独の場合、実験の終了時に対照と比較して腫瘍の増殖が43%減少した(P<0.05)。グルフォスファミド単独の場合、腫瘍の増殖は55%減少した(P<0.05)。グルフォスファミドとCDDPを組み合わせた場合、腫瘍の増殖は66%減少した(担体に対してP<0.01)。これらの結果は、グルフォスファミド単独で腫瘍増殖の抑制に効果があること、そして、グルフォスファミドにCDDPを組み合わせるとそれぞれ単独の場合よりも治療効果がより高いことを示している。
均等及び引用による援用
特定の実施態様に言及して本発明を説明してきたが、当業者に明らかなとおり、本発明の技術的範囲を逸脱することなく、種々の変更が可能であり、そして等価物の置換が可能である。さらに、本発明の技術的範囲を逸脱することなく、本発明による効果を達成するため、特定の状況、材料、物の組成、方法、方法の一つ又は複数の工程に適合するよう多くの修飾又は変更が可能である。そのような修飾又は変更のすべては、ここに添付する特許請求の範囲に入ると解釈されるものである。
ここに引用するすべての刊行物及び特許文献は、この引用により、それぞれが個別に本明細書にその内容が記載されたものとする。刊行物及び特許文献の引用は、そのような文献が先行技術に該当することを示そうとするものではなく、また、その内容又は日付について何らかの認識を示すものでもない。
MES−SA細胞及びMES−SA/DX5細胞の増殖に対するグルフォスファミドの効果を示す図である。 MES−SA細胞及びMES−SA/DX5細胞の増殖に対するダウノルビシンの効果を示す図である。 MES−SA細胞及びMES−SA/DX5細胞の増殖に対するアドリアマイシンの効果を示す図である。 H460肺異種移植モデルにおけるグルフォスファミド/シスプラチンの検討結果を示す図である。

Claims (12)

  1. 治療が必要な対象に治療上有効な用量のグルフォスファミドを投与することを包含する、肉腫の治療方法。
  2. 該肉腫が軟部組織肉腫である、請求項1の方法。
  3. 該肉腫が非軟部組織肉腫である、請求項1の方法。
  4. 該肉腫がドキソルビシンに抵抗性の肉腫である、請求項1の方法。
  5. 治療が必要な対象に治療上有効な用量のグルフォスファミドをドキソルビシンと組み合わせて投与することを包含する、がんの治療方法。
  6. 該がんが肉腫である、請求項5の方法。
  7. がんの治療が必要な対象にグルフォスファミドとエルロチニブを組み合わせて投与することを包含する、がんの治療方法。
  8. 治療上有効な用量のゲムシタビンを投与することをさらに包含する、請求項7の方法。
  9. 該がんが、局所的に進行した充実性腫瘍及び/又は進行した転移性の充実性腫瘍である、請求項7又は8の方法。
  10. 該がんが膵がんである、請求項7の方法。
  11. 該がんがゲムシタビンに抵抗性の膵がんである、請求項10の方法。
  12. グルフォスファミドを一以上の投与サイクルで投与し、各サイクルが、
    (a)約1.5〜約8.0g/m、約1.5〜約6.0g/m、約1.5〜約4.5g/m、約4.5〜約8.0g/m、約4.5〜約6.0g/m、又は約4.5〜約5.0g/mで、3週間ごとに1回、1〜6時間の注入時間、
    (b)約1.5〜約3.0g/m又は約1.5〜約2.0g/mで、3週間ごとに、3日連続して(1日目、2日目及び3日目)、1〜6時間の注入時間、
    (c)約1.5〜約2.0g/mで、1週間に1回、1〜6時間の注入時間、又は
    (d)約1.5〜約8.0g/m、約1.5〜約6.0g/m、又は約1.5〜約4.5g/mで、4週間ごとに1回、1〜6時間の注入時間
    の範囲内で注入することを包含する、請求項1〜11のいずれか1項の方法。
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