JP2018177773A - 医薬 - Google Patents

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Abstract

【課題】ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物による治療(以下、ペマフィブラート療法ともいう)が必要な患者を安全に処置するための医薬の提供。【解決手段】ペマフィブラート療法を必要とする患者を処置するための医薬であって、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有し、処置がクロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬との併用時におけるペマフィブラートの血漿中濃度上昇を抑制するために、該併用の回避若しくは停止又はペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を減少する工程を含む、医薬。【選択図】なし

Description

本発明は、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を有効かつ安全に使用するための新たな医薬に関する。
ペマフィブラート(化学名:(2R)−2−[3−({1,3−ベンズオキサゾール−2−イル[3−(4−メトキシフェノキシ)プロピル]アミノ}メチル)フェノキシ]ブタン酸)若しくはその塩又はそれらの溶媒和物は、PPARα活性を有する化合物であり、脂質異常症などの疾患の予防や治療に有用であることが知られている(特許文献1)。
クロピドグレル(化学名:メチル(2S)−2−(2−クロロフェニル)−2−[6,7−ジヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−5(4H)−イル]アセテート)若しくはその塩又はそれらの溶媒和物は、血小板凝集阻害活性及び抗血栓症活性を有することが知られている化合物である(特許文献2)。
臨床現場では治療目的を果たすために複数の薬物を処方する場合が多く、併用薬物間の相互作用に注意が必要である。薬物相互作用により重篤な副作用が現れる場合や治療効果が減弱する場合があることから、新薬の開発においては、生じる可能性のある薬物相互作用の性質とその程度を適切に評価し、患者の不利益とならないように対処する必要がある。
国際公開第2005/023777号パンフレット 特公平6−45622号公報
ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の薬物動態や他の薬物との相互作用については上記先行文献には記載されていない。
本発明の課題は、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物による治療(以下、ペマフィブラート療法ともいう)が必要な患者を安全に処置するための医薬を提供することにある。
上記課題の解決の為、本発明者らは、鋭意研究を行なった結果、ペマフィブラートとクロピドグレルとを併用することにより、ペマフィブラートの血漿中濃度が上昇するため、併用する際には注意を要することが分かった。そして、本発明者らは、ペマフィブラートとクロピドグレルとの併用投与を回避又は停止するか、あるいはペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を減少することにより、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物による治療が必要な患者を安全に処置できることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は以下の〔1〕〜〔25〕を提供するものである。
〔1〕ペマフィブラート療法を必要とする患者を処置するための医薬であって、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有し、処置がクロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬との併用時におけるペマフィブラートの血漿中濃度上昇を抑制するために、該併用の回避若しくは停止又はペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を減少する工程を含む、医薬。
〔2〕ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物がペマフィブラートである、〔1〕に記載の医薬。
〔3〕クロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物がクロピドグレル硫酸塩である、〔1〕又は〔2〕に記載の医薬。
〔4〕ペマフィブラート療法を必要とする患者が、高脂血症、脂質異常症、動脈硬化症、糖尿病、糖尿病合併症、炎症、非アルコール性脂肪性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、及び心疾患からなる群から選択される1以上の疾患の患者である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の医薬。
〔5〕患者が、クロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物による治療中にさらにペマフィブラート療法が必要となった患者である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の医薬。
〔6〕患者が、ペマフィブラート療法中にさらにクロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物による治療が必要となった患者である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の医薬。
〔7〕ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を減少する工程が、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を、当該薬物を単独で投与する時の量の2/3以下に減少させた量とする工程である、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の医薬。
〔8〕ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を減少する工程が、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を、当該薬物を単独で投与する時の量の1/2に減少させた量とする工程である、〔7〕に記載の医薬。
〔9〕ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を減少する工程が、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を、当該薬物を単独で投与する時の量の1/4に減少させた量とする工程である、〔7〕に記載の医薬。
〔10〕ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を減少する工程が、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を、0.1〜0.2mg/日とする工程である、〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の医薬。
〔11〕ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を減少する工程が、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を、0.2mg/日とする工程である、〔10〕に記載の医薬。
〔12〕ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を減少する工程が、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を、0.1mg/日とする工程である、〔10〕に記載の医薬。
〔13〕ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物が1日2回に分けて投与される〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の医薬。
〔14〕(A)ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬と、(B)前記(A)とクロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬との併用を回避若しくは停止すること、又は該併用時におけるペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を減少することを指示する指示書とを含む医薬キット。
〔15〕ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物がペマフィブラートである、〔14〕に記載の医薬キット。
〔16〕クロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物がクロピドグレル硫酸塩である、〔14〕又は〔15〕に記載の医薬キット。
〔17〕(A)の医薬が、高脂血症、脂質異常症、動脈硬化症、糖尿病、糖尿病合併症、炎症、非アルコール性脂肪性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、及び心疾患からなる群から選択される1以上の疾患の予防又は治療薬である〔14〕〜〔16〕のいずれかに記載の医薬キット。
〔18〕ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を、当該薬物を単独で投与する時の量の2/3以下に減少させた量とすることを指示する〔14〕〜〔17〕のいずれかに記載の医薬キット。
〔19〕ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を、当該薬物を単独で投与する時の量の1/2に減少させた量とすることを指示する〔18〕に記載の医薬キット。
〔20〕ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を、当該薬物を単独で投与する時の量の1/4に減少させた量とすることを指示する〔18〕に記載の医薬キット。
〔21〕ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を、0.1〜0.2mg/日とすることを指示する〔14〕〜〔20〕のいずれかに記載の医薬キット。
〔22〕ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を、0.2mg/日とすることを指示する〔21〕に記載の医薬キット。
〔23〕ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を、0.1mg/日とすることを指示する〔21〕に記載の医薬キット。
〔24〕ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を1日2回に分けて投与することを指示する〔14〕〜〔23〕のいずれかに記載の医薬キット。
〔25〕指示書が、パッケージ挿入物、パッケージラベル、又は使用説明書である〔14〕〜〔24〕のいずれかに記載の医薬キット。
本発明によれば、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の血漿中濃度の上昇が抑制されるため、有効かつ安全に使用するための医薬が提供できる。
本明細書において、ペマフィブラートは下式(1):
Figure 2018177773
の化学構造式で示される化合物である。
本明細書において、「ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物」は、ペマフィブラートそのもののほか、医薬として許容される塩、さらにはペマフィブラートやその医薬として許容される塩と水等との溶媒和物が含まれる。本発明の一実施態様において、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物は、ペマフィブラートである。
また、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物は、例えば、国際公開第2005/023777号パンフレット等に記載の方法に従って製造することができる。
また、当該化合物を医薬として提供するために、文献に記載の方法に準じて製剤化することもできる。
ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬としては、経口投与用薬が好ましく、錠剤、カプセル剤、顆粒剤等が挙げられる。
本明細書において、「クロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物」は、クロピドグレルそのもののほか、医薬として許容される塩、さらにはクロピドグレルやその医薬として許容される塩と水等との溶媒和物が含まれる。クロピドグレルの塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、臭化水素酸塩およびタウロコール酸塩が挙げられるがこれらに限定されるものではない。本発明の一実施態様において、クロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物は、クロピドグレル硫酸塩であり、好ましくは、第十七改正日本薬局方に収載のクロピドグレル硫酸塩である。
また、本明細書において、「クロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬」には、クロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を唯一の薬理作用を示す化合物として含む医薬以外にも他の薬理作用を示す化合物と組み合わせてなる配合剤が含まれる。上記の配合剤としては、例えばアスピリンとの配合剤(例えばコンプラビン配合剤)が挙げられるが、これに限定されるものではない。
クロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬としては、経口投与用薬が好ましく、錠剤、カプセル剤、顆粒剤が挙げられる。
本明細書において、「ペマフィブラート療法の必要な患者」又は「ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物による治療が必要な患者」としては、特に限定されないが、例えば高脂血症、脂質異常症、動脈硬化症、糖尿病、糖尿病合併症、炎症、非アルコール性脂肪性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、及び心疾患からなる群から1つ又は2以上の疾患を発現している患者が挙げられる。
本明細書において、「クロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物による治療」としては、例えば、虚血性脳血管障害(心原性脳塞栓症を除く)後の再発抑制、経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される虚血性心疾患(急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)、安定狭心症、陳旧性心筋梗塞)の治療、末梢動脈疾患における血栓・塞栓形成の抑制が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の一実施態様において、ペマフィブラート療法の必要な患者は、さらにクロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物による治療を必要としている患者である。そのような患者としては例えば、クロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物による治療中にさらにペマフィブラート療法が必要となった患者、ペマフィブラート療法中にさらにクロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物による治療が必要となった患者、ペマフィブラート療法およびクロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物による治療を同時に開始することが必要となった患者が挙げられる。
本明細書において、「併用」とは、2つ以上の医薬及び/又は薬剤を患者が服用すること又は患者に服用させることである。また、本発明の一実施態様において、患者が2つの医薬を併用する場合、例えば患者は2つの医薬を同時に、又は時間をおいて1つずつ服用することができる。
本発明者らの検討により、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物とクロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物とを併用すると、ペマフィブラートの血漿中濃度が、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を単独で投与した場合に比べて上昇することが判明した(後記実施例参照)。このようなペマフィブラートの血漿中濃度の上昇は、予期せぬ副作用を生じるおそれがある。従って、本発明においては、このようなペマフィブラートの血漿中濃度の上昇を抑制するために、前記併用の回避若しくは停止、又はペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量の減少をすることとした。
本明細書において、「クロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬との併用の回避又は停止する」とは、特に限定されないが、例えば下記の(i)〜(vii)のいずれか1つの工程を含む。
(i)ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬をクロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬と併用することにより、ペマフィブラートの血漿中濃度が上昇するため、併用が禁忌であることを患者に勧告する工程。
(ii)ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬をクロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬と併用することにより、ペマフィブラートの血漿中濃度が上昇するため、併用を回避又は停止すべきであることを患者に勧告する工程。
(iii)ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬を使用する前にクロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬の使用を停止すべきであることを患者に勧告する工程。
(iv)ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬をクロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬と併用することにより、ペマフィブラートの血漿中濃度が上昇するため、原則として併用が禁忌であることを患者に勧告する工程。
(v)ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬をクロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬と併用することにより、ペマフィブラートの血漿中濃度が上昇するため、原則として併用を回避又は停止すべきであることを患者に勧告する工程。
(vi)ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬をクロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬と併用することにより、ペマフィブラートの血漿中濃度が上昇するため、副作用の発現に注意しながら併用することを患者に勧告する工程。
(vii)ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の正常な代謝がクロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬の服用によって阻害されることを患者に説明した上で行われる(i)〜(vi)から選択されるいずれか1つの工程。
本明細書において、「投与量」は、1日に用いられる有効成分の量を意味し、g/日又はmg/日の単位で表される。本発明の一実施形態として、ペマフィブラート療法を必要とする患者に対するペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量は、0.1〜0.4mg/日が好ましく、0.2〜0.4mgがより好ましいが、患者がさらにクロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物による治療を必要としている場合は0.4mg/日より少ないことが好ましく、0.1〜0.2mg/日がより好ましい。
また、本発明の一実施形態として、ペマフィブラート療法を必要とする患者に対するペマフィブラートの投与量は、0.1〜0.4mg/日が好ましく、0.2〜0.4mgがより好ましいが、患者がさらにクロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物による治療を必要としている場合は0.4mg/日より少ないことが好ましく、0.1〜0.2mg/日がより好ましい。また、本発明の一実施形態として、ペマフィブラートをクロピドグレル硫酸塩と併用する場合には、ペマフィブラートの1日投与量を0.1mgとし、最大投与量は1日0.2mgまでとすることが挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
また、本発明の一実施態様において、クロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物による治療が必要な患者に対するクロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量は、75〜400mg/日であり、好ましくはクロピドグレルとして75〜300mg/日であり、より好ましくは投与1日目にクロピドグレル硫酸塩391.5mg/日(クロピドグレル300mg/日相当)、投与2日目以降にクロピドグレル硫酸塩97.875mg/日(クロピドグレル75mg/日相当)である。
本明細書において、「ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を減少する」とは、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を、当該薬物を単独で投与する時の量よりも減少させた量とすることである。本発明の一実施態様において、減少後のペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量は、当該薬物を単独で投与する時の量の3/4以下に減少させた量であり、好ましくは当該薬物を単独で投与する時の量の2/3以下に減少させた量であり、さらに好ましくは当該薬物を単独で投与する時の量の1/2又は1/4に減少させた量である。
本発明の一実施形態としては、(A)ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬と、(B)前記(A)とクロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬との併用を回避若しくは停止すること、又はペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を減少することを指示する指示書とを含む医薬キットが挙げられる。
本明細書において、「併用の回避又は停止を指示する指示書」は、特定の2つの医薬の併用が行われる状況を回避又は停止すべきであることが記載された指示書である。本発明の一実施態様において、「医薬Aと医薬Bとの併用の回避又は停止を指示する指示書」は、特に限定されないが、例えば下記(a)〜(h)を指示する指示書が挙げられる。
(a)医薬Aを投与中の患者には医薬Bを投与しないこと
(b)医薬Aと医薬Bを併用しないこと
(c)医薬Bを投与中の患者には医薬Aを投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること
(d)医薬Aと医薬Bを原則として併用しないこととするが、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ慎重に併用すること
(e)医薬Bを投与中の患者に医薬Aを投与する場合には注意すること
(f)医薬Aと医薬Bを併用する場合には注意すること
(g)医薬Bを服薬している場合には、医薬Aを使用する前に薬剤の服薬を中止すること
(h)医薬Bを服薬している場合には、医薬Aを使用する前に現在の服薬状態を医師又は薬剤師へ説明すること
また、医薬Aの投与量を減少することを指示する指示書としては、次のような記載が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(i)医薬Bを投与中の患者に医薬Aを投与する場合には、医薬Aの投与量を、医薬Aを単独で投与する時の量の3/4以下に減少させた量、より好ましくは医薬Aを単独で投与する時の量の2/3以下に減少させた量、さらに好ましくは医薬Aを単独で投与する時の量の1/2又は1/4に減少させた量とすること。
(j)医薬Bを投与中の患者に医薬Aを投与する場合は、医薬Aの投与量を0.1〜0.2mg/日とすること。
(k)医薬Bを投与中の患者に医薬Aを投与する場合は、医薬Aの1日投与量を0.1mgとし、最大投与量は0.2mgまでとすること。
(l)医薬Aを医薬Bと併用する場合には、医薬Aの投与量を、医薬Aを単独で投与する時の量の3/4以下に減少させた量、より好ましくは医薬Aを単独で投与する時の量の2/3以下に減少させた量、さらに好ましくは医薬Aを単独で投与する時の量の1/2又は1/4に減少させた量とすること。
(m)医薬Aを医薬Bと併用する場合には、医薬Aの投与量を0.1〜0.2mg/日とすること。
(n)医薬Aを医薬Bと併用する場合には、医薬Aの1日投与量を0.1mgとし、最大投与量は0.2mgまでとすること。
本明細書において、「指示書」は、パッケージ挿入物、パッケージラベル又は使用説明書を含み、特に限定されないが、例えば、添付文書、インタビューフォーム、処方情報(Prescribing Information)、リーフレット(Leaflet)が挙げられる。
以下に実施例及び試験例を挙げて、本発明をより詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 ペマフィブラートとクロピドグレルとの薬物相互作用試験
健康成人被験者を対象にクロピドグレルがペマフィブラートの薬物動態に及ぼす影響を検討することを目的として、試験を行った。
[対象]
健康成人被験者20名
[用法・用量]
以下のスケジュールで被験者に経口投与した。薬剤投与は、少なくとも8時間の絶食下に行い、投与後4時間は絶食を維持した。
・1日目:ペマフィブラート0.4mg単独投与
・4日目:ペマフィブラート0.4mg及びクロピドグレル硫酸塩391.5mg(クロピドグレル300mg相当)の併用単回投与
・5、6日目:クロピドグレル硫酸塩91.875mg(クロピドグレル75mg相当)単独投与
・7日目:ペマフィブラート0.4mg及びクロピドグレル硫酸塩91.875mg(クロピドグレル75mg相当)併用単回投与
・8、9日目:クロピドグレル硫酸塩91.875mg(クロピドグレル75mg相当)単独投与
[測定]
1日目、4日目及び7日目の薬物の投与前、投与後0.25、0.5、1、1.5、2、3、4、6、8、10、12、14、16、24、36、48、72時間経過時に採取された患者の血液サンプルについて、ペマフィブラート未変化体の血漿中濃度を測定した。
ペマフィブラート未変化体のCmaxおよび無限大時間までの濃度−時間曲線下面積(AUC0-inf)の推定値について、幾何平均値及び単独投与時(1日目)に対する単回併用投与時(4日目)の幾何平均値の比を表1に示す。表1からわかるように、ペマフィブラートとクロピドグレルの併用投与により、ペマフィブラート未変化体の血漿中濃度はペマフィブラート単独投与と比較して増加が認められた。
Figure 2018177773
ペマフィブラート未変化体のCmaxおよびAUC0-infについて、幾何平均値及び単独投与時(1日目)に対するクロピドグレル反復投与後投与時(7日目)の幾何平均値の比を表2に示す。表2からわかるように、ペマフィブラートとクロピドグレルの併用投与により、ペマフィブラート未変化体の血漿中濃度はペマフィブラート単独投与と比較して増加が認められた。
Figure 2018177773
本発明によれば、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の血漿中濃度の上昇を回避することができる。従って、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を有効かつ安全に使用するための医薬を提供することができる。

Claims (13)

  1. ペマフィブラート療法を必要とする患者を処置するための医薬であって、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有し、処置がクロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬との併用時におけるペマフィブラートの血漿中濃度上昇を抑制するために、該併用の回避若しくは停止又はペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を減少する工程を含む、医薬。
  2. ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物がペマフィブラートである、請求項1に記載の医薬。
  3. クロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物がクロピドグレル硫酸塩である、請求項1又は2に記載の医薬。
  4. ペマフィブラート療法を必要とする患者が、高脂血症、脂質異常症、動脈硬化症、糖尿病、糖尿病合併症、炎症、非アルコール性脂肪性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、及び心疾患からなる群から選択される1以上の疾患の患者である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬。
  5. 患者が、クロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物による治療中にさらにペマフィブラート療法が必要となった患者である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬。
  6. 患者が、ペマフィブラート療法中にさらにクロピドグレル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物による治療が必要となった患者である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬。
  7. ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を減少する工程が、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を、当該薬物を単独で投与する時の量の2/3以下に減少させた量とする工程である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬。
  8. ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を減少する工程が、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を、当該薬物を単独で投与する時の量の1/2に減少させた量とする工程である、請求項7に記載の医薬。
  9. ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を減少する工程が、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を、当該薬物を単独で投与する時の量の1/4に減少させた量とする工程である、請求項7に記載の医薬。
  10. ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を減少する工程が、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を、0.1〜0.2mg/日とする工程である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の医薬。
  11. ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を減少する工程が、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を、0.2mg/日とする工程である、請求項10に記載の医薬。
  12. ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を減少する工程が、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の投与量を、0.1mg/日とする工程である、請求項10に記載の医薬。
  13. ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物が1日2回に分けて投与される請求項1〜12のいずれか1項に記載の医薬。
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