従来、包装物としての粉粒体を包装袋に包装するための包装機として、内部を通して粉粒体を供給するための手段として縦置きされた充填筒を用い、当該充填筒を内部に通した状態で当該充填筒に沿って下方に送られる筒状包装材から包装袋を製作しつつ粉粒体を当該包装袋に充填し包装する縦型製袋充填包装機が用いられている。かかる縦型製袋充填包装機においては、充填筒を取り囲む状態に置かれた筒状包装材を充填筒の先端側に向けて供給(紙送り)する包装材供給手段と、充填筒を通じて投下された粉粒体を内部に収容した状態で筒状包装材を長手方向に隔置した位置で封止する横シール手段とを具備している。横シール手段は、筒状包装材を封止することで包装袋の袋底部を形成し、更に粉粒体の充填後に充填された粉粒体の上方の位置で筒状包装材を再度封止することにより、包装袋の袋頭部を形成して袋包装体を完成させると共に、次の包装のための袋底部を形成している。これら一連の手順を繰り返して継続することにより、袋の形成、粉粒体の充填、及び袋のシールを逐次繰り返して、粉粒体の袋包装体を連続して製造することができる。
筒状包装材の成形は、通常、帯状包装材を製筒フォーマで略筒状に曲成し、重ね合わせた両側縁部分を封鎖する縦シール手段によって行なわれる。縦シール手段及び横シール手段としては、内部にヒータを備えたヒートシール手段がある。各ヒートシール手段は、発生した熱によって包装材(又は、包装材にラミネートされた溶着層)をヒートシールする。また、横シール手段は、カッタを組み込んだ構造の横シール・カッタとすることができる。横シール・カッタを作動させることにより、横シールによって順次完成する袋包装体をカッタによって筒状包装材から切断して個々の袋包装体に切断することができる。
図6はこの種の縦型製袋充填包装機の一例を示す斜視図である。図6に示す製袋充填包装機50は、多数の小物品からなる包装物Aを投下するため、縦に配置された充填筒51を備えている。包装物Aは、上方から充填筒51の内部を通じて筒状包装材Ft内に投下される。充填筒51の上部には、帯状包装材Fwを筒状に成形するため、充填筒51の外周を取り巻くように製筒フォーマ52が設けられている。帯状包装材Fwは、製筒フォーマ52を通過するときに充填筒51の外周面を取り囲むように筒状に曲げられ、製筒フォーマ52と充填筒51との間の隙間から充填筒51に沿って下方へ送り出される。
筒状に曲成された帯状包装材Fwは、充填筒51に沿って送られるときに縦シール手段である縦ヒートシーラ53によって筒状包装材Ftに成形される。縦ヒートシーラ53は、充填筒51の側方に充填筒51に沿って平行に延びるように配置されたバー状のヒータであり、内部にヒータを備えると共に互いに接離可能な縦ヒートシールバー54a,54bを備えている。縦ヒートシールバー54a,54bは、筒状に曲成された帯状包装材Fwの互いに重なる長手方向の側縁部分fe,feを挟み付けたときに両縁部を熱溶着して縦シール部分Scを形成する。帯状包装材Fwは、このようにして筒状包装材Ftとなって充填筒51の先端から送り出される。
充填筒51の側方において、充填筒51の周方向に縦ヒートシーラ53とは直角方向に隔置した位置に、筒状包装材Ftを紙送りする包装材送り手段55が設けられている。包装材送り手段55は、図6では一方のみが描かれているが、充填筒51の直径方向の反対位置にも同じ構造の包装材送り手段55が設けられている。両包装材送り手段55,55は、筒状包装材Ftを充填筒51の外面に対して押しつけており、互いに同期して駆動されるときに各包装材送り手段55が筒状包装材Ftを充填筒51に沿って紙送りする。
各包装材送り手段55は、サーボモータ56によって駆動される駆動側プーリ57と、駆動側プーリ57と対に設けられた従動側プーリ58と、駆動側プーリ57及び従動側プーリ58とに巻き掛けられたタイミングベルト59とを有する公知の構造のものであってよい。サーボモータ56は、任意のタイミングで作動可能であり、応答性が良好で且つ精度良く送り量を制御可能なパルスモータである。タイミングベルト59は、内側に駆動側プーリ57及び従動側プーリ58と噛み合う噛み合い歯を有しており、外側は筒状包装材Ftに対して大きな摩擦力を生じる材料で形成された層を備えている。各包装材送り手段55は、筒状包装材Ftを充填筒51の外面との間に挟み付けるため、全体が適宜の手段で充填筒51に向かって押し付けられている。
帯状包装材Fwは、包装材ロールFrから、幾つかの案内ローラ60の周りを誘導されて製筒フォーマ52に送られる。供給途上に上下方向に移動可能なダンサーローラ61が配置されており、ダンサーローラ61は帯状包装材Fwに生じる弛みを吸収すると共に自身の重みによって帯状包装材Fwに適度の張力を与えることができる。包装材送り手段55は、その作動により、帯状包装材Fwを引っ張って、包装材ロールFrから繰り出して製筒フォーマ52を通過させる。なお、帯状包装材Fwの供給途中にマーカの判別センサ等の各種センサを配置して、帯状包装材Fwの送り制御を行なうことが可能である。
充填筒51の先端に繰り出された筒状包装材Ftには、通常、先行する包装サイクルにおいて横シールが施されているので、筒状包装材Ftには後続の袋の底部となるべき横シール部分Seが既に形成されている。この状態で一包装体の長さ、即ち、充填量に応じて予め定められた送り量だけ、包装材送り手段55によって筒状包装材Ftが順方向に送られる。筒状包装材Ftのこの送りに合わせて、充填筒51を通じて包装物Aが充填され、包装物Aは底部に横シール部分Seが形成されている筒状包装材Ft内に堆積する。
充填筒51の下方には、横シール手段としての横ヒートシーラ63が設けられている。横ヒートシーラ63は、対向して配置された一対の横ヒートシールブロック64a,64bを備えている。横ヒートシールブロック64a,64bは、内部にヒータを有しており、且つ互いに同期して接近又は離間するように往復動可能である。横ヒートシールブロック64a,64bが筒状包装材Ftを挟みつけると、筒状包装材Ftは互いに溶着されて横シール部分Seが形成され、包装物Aが内部に収容された袋包装体Pbが製造される。横シールとタンミングを合わせて、筒状に曲成された帯状包装材Fwに対して縦ヒートシールが施され、次の包装サイクルの準備が行なわれる。横ヒートシーラ63にはカッタ機構65が組み込まれており、横ヒートシールとタイミングを合わせてカッタ機構65のカッタによって袋包装体Pbが筒状包装材Ftから切断される。
横ヒートシーラ63の直下にはしごき部材70が配置されている。しごき手段70は、筒状包装材Ftに対して接離可能な一対のしごき板71a,71bを備えている。しごき板71a,71bの作動機構は、横ヒートシーラ63の作動機構とは独立した機構としてもよく、また、横ヒートシーラ63の作動機構に付設して設けることで当該作動機構に連動させてもよい。しごき板71a,71bは、横ヒートシーラ63が非作動状態、即ち、一対の横ヒートシールブロック64a,64bが開いている状態で、筒状包装材Ftを完全に平らに潰してしまわないようにわずかの間隙G(図7(c))を残して閉じ、包装体側の内部の空気が間隙Gを通じて筒状包装材Ftの上部へ逃げることを許容する。しごき部材70のしごき作動によって、包装物Aが成形途中の袋包装体Pbの下部に移動させられて、袋包装体Pbにおいて包装物Aの上部空間Su(図7(b))が減少すると共に袋内での充填度が高められる。更に、しごき部材70は、横ヒートシールされるべき筒状包装材Ftの部分から包装物Aやそれから生じた破片を排除しようとする働きをするので、横ヒートシールブロック64a,64bによる包装物Aの噛込み回避が期待される。
図7は、図6に示す製袋充填包装機の作動状態を説明する要部の説明図である。図7の記載に基づいてしごき部材70の作動を説明する。図7(a)は、先の包装サイクルが終了した状態を示している。横ヒートシーラ63及びしごき部材70は後退した非作動位置にある。筒状包装材Ftの先端は横シール部分Seとなっていて、袋の底部が既に形成されているので、この状態で包装物Aが充填筒51を通じて充填される。図7(b)は、包装材送り手段55の順方向供給(正転供給)によって、包装物Aが筒状包装材Ft内に充填された状態で筒状包装材Ftが繰り出される状態を示している。図7(a)から図7(b)までの筒状包装材Ftの送り量は、包装物Aの充填量に応じて予め定められている送り量である。
図7(b)の状態で、しごき部材70によるしごき動作が開始される。なお、図7(a)に示すように、しごき板71a,71bの下部にはリミットスイッチ72(スイッチ72aとその作動子72b)が設けられており、所定の隙間Gにまでしごき板71a,71bが接近するとリミットスイッチ72がONとなって信号が出力される。リミットスイッチ72については、図7(b)〜図7(d)においては煩雑さを避けるために記載を省略してある。図7(c)は、図7(b)の次の動作として、しごき部材70によるしごき動作が行なわれた状態を示している。しごき部材70は、しごき板71a,71bが前進し且つリミットスイッチ72がONとなった作動位置にあり、サーボモータが逆回転している。図7(d)は、しごき動作が終了した状態を示している。横ヒートシーラ63による横シール部分Seの形成に合わせて、カッタ機構65によって袋包装体Pbが筒状包装材Ftから切断される。その後、横ヒートシールブロック64a,64bは、しごき板71a,71bと同期して又はしごき板71a,71bが後退した後に待機位置に戻り、袋包装体Pbが取り出される。
上記の縦型製袋充填包装機では、実用的には、小物品である包装物Aやその破片が横ヒートシールの予定部分に噛み込まれるのを充分に防止することができるものであるが、包装物が粉粒体である場合には、充填筒51の内部にオーガと称される粉粒体の供給装置を配置することによって、縦型製袋充填包装機をそのまま転用可能である。しかしながら、包装物が粉粒体である場合には、筒状包装材内で舞い上がる可能性がより高くなることは避けられない。包装物が舞い上がりやすい細かな粉体であっても、横ヒートシールの予定部分に噛み込まれるのをより確実に防止して、袋包装体の不良品が生じるのをより一層に防止することが望まれている。
そこで、粉粒体の縦型製袋充填包装において、粉粒体の充填の際に粉粒体の落下距離を殆ど無くしてその舞い上がりを抑制するとともに、仮に粉粒体が充填の際に舞い上がったとしても筒状包装材の横シール予定部分を舞い上がりが生じる領域から離れた位置とすることで、横シールの際に横ヒートシーラが粉粒体を噛み込むのを極力防止する点で解決すべき課題がある。
この発明の目的は、上記課題を解決することであり、粉粒体を充填する際に当該粉粒体の舞い上がりを抑制するとともに、仮に粉粒体がその充填の際に舞い上がったとしても筒状包装材の横シール予定部分に粉粒体が入り込むのを極力防止して、横シールの際に横ヒートシーラが筒状包装材の横シール予定部分間に粉粒体を噛み込むのを防止し、その結果、横シール不良となる袋包装体を製造するのを防止することができる粉粒体の縦型充填包装機を提供することである。
この発明による粉粒体の縦型充填包装機は、縦方向に延びる態様で配置されている充填筒と、前記充填筒に被せられた筒状包装材を前記充填筒に沿って縦方向に送るため、前記充填筒の側方に配置されている包装材送り手段と、前記筒状包装材の内部に粉粒体を充填するため、前記充填筒の内部に配設されており且つ下端に粉粒体を吐出する吐出端を備えている粉粒体供給手段と、前記粉粒体供給手段の前記吐出端よりも下方に配置されていて、前記筒状包装材を横方向に挟んで、当該筒状包装材に対して、先行して製造された袋包装体の頭部になる部分と後続して形成される袋の底部になる部分とに横シールを施す横シール手段と、前記粉粒体供給手段による前記粉粒体の供給と前記包装材送り手段による前記筒状包装材の送りを制御する制御手段とを備えており、前記制御手段は、前記粉粒体の前記筒状包装材への充填時に、前記粉粒体供給手段の前記吐出端と前記筒状包装材における粉粒体の充填堆積面とが実質的に一致するように前記粉粒体の充填量に見合って前記筒状包装材を送り、前記粉粒体の前記筒状包装材への充填終了後に、前記充填堆積面の高さから前記横シール手段までの前記筒状包装材の送り長さが所定長さとなるように前記筒状包装材を送ることからなっている。
この粉粒体の縦型充填包装機によれば、粉粒体供給手段によって粉粒体を底部に横シールが施された筒状包装材の内部に充填する時には、粉粒体の充填が進行するにつれて筒状包装材の内部での粉粒体の充填高さは時々刻々上昇していくが、制御手段は、粉粒体の充填高さの上昇分に見合うだけ筒状包装材の送りを制御して、粉粒体供給手段の吐出下端と粉粒体の充填堆積面とが実質的に一致するように制御する、即ち、新たに充填される粉粒体は既に吐出された粉粒体の上に静置されるように吐出されていくので、吐出端から吐出される粉粒体が落下速度を増して既に充填された粉粒体と勢いを以て衝突することがなく、筒状包装材の内部で舞い上がるのを防ぐことができる。また、制御手段は、粉粒体の筒状包装材への充填が終了した後に、筒状包装材の送り量が所定長さとなるように包装材送り手段を制御するので、筒状包装材の内部における粉粒体の充填堆積面の上方に所定長さの空間が得られ、粉粒体の舞い上がり防止作用と相まって、横シール手段による粉粒体の噛み込みを極力抑えることができる。
この粉粒体の縦型充填包装機において、前記粉粒体の前記筒状包装材内への基本充填量と、前記筒状包装材の内部における前記粉粒体の前記基本充填量に見合う充填高さに対応した前記筒状包装材の基本送り長さが定められており、1袋当たりの前記粉粒体の前記充填量とそれに対応した前記筒状包装材の送り長さは前記基本充填量及び前記基本送り長さの1以上の整数倍の量であり、前記制御手段は、前記粉粒体の前記基本充填量の充填とそれに対応した前記筒状包装材の前記基本送り長さの送りを前記整数倍繰り返すこととすることができる。
この縦型充填包装機によれば、粉粒体の充填量が基本充填量の整数倍であることに対応して筒状包装材の送りを基本送り長さの整数倍とし、粉粒体の基本充填量の充填とそれに対応した筒状包装材の前記基本送り長さの送りを整数倍繰り返すことで、製袋充填包装の連続した袋の形成・粉粒体の充填・袋包装体の製造中で、粉粒体の充填量の異なる袋包装体を、連続して製造することが可能になる。
この粉粒体の縦型充填包装機において、前記横シール手段は、前記筒状包装材を横方向から挟み込んで前記筒状包装材に横ヒートシールを施す横シールブロックと、当該横シールブロックの直上方において開閉可能に設けられており且つ少なくとも前記粉粒体の充填開始から前記横シールブロックが前記筒状包装材を挟み込むまで閉じ動作をして前記筒状包装材を挟み込むことで、充填された前記粉粒体が落下するのを防止するシャッタを備えているとすることができる。
この縦型製袋充填包装機によれば、少なくとも粉粒体の充填開始から横シールブロックが筒状包装材を挟み込むまでは、横シールブロックの直上方においてシャッタが閉じて筒状包装材を挟み込んでいるので、充填された粉粒体の落下を極力阻止し、横シールブロックが挟み込む位置にある筒状包装材の内部に粉粒体が付着するようなことを防ぐことができるので、横シールブロックがそのシール面で粉粒体を噛み込むようなことをなくすことができる。なお、シャッタは、横シールブロックが筒状包装材を挟み込んでいる間、閉じ動作をしていることが好ましい。
この粉粒体の縦型充填包装機は、前記制御手段が、粉粒体充填済みの前記筒状包装材に対する前記横シール手段の横シール動作中に、前記粉粒体の充填と前記包装材送り手段による前記筒状包装材の送りとを停止させ、前記横シール手段の横シール動作後に、前記粉粒体の次の袋包装のために前記粉粒体の充填と前記包装材送り手段による前記筒状包装材の送りとを再開する制御を行う間欠動作型の縦型充填包装機であるとすることができる。 間欠動作型の縦型充填包装機である場合には、動作する部分が少なくて済み、包装機の構造が簡単化されるとともに、粉粒体が包装された個々の袋包装体を確実に製造することができる。
この粉粒体の縦型充填包装機は、前記制御手段が、粉粒体充填済みの前記筒状包装材に対する横シール動作中の前記横シール手段を、前記粉粒体の次の袋包装のために前記粉粒体の充填量に見合う前記筒状包装材の送りと同期して縦方向に移動させる制御を行う連続動作型の縦型充填包装機であるとすることができる。
連続動作型の縦型充填包装機である場合には、横シール手段を横シール動作させつつ筒状包装材の移動と同期して移動させる必要があるが、横シール手段の横シール動作中に粉粒体の充填を行うので、包装速度が速くなり、包装機の稼働効率を高めることができる。
この粉粒体の縦型充填包装機によれば、粉粒体を充填しつつ行う包装材送りにおいては、筒状包装材の内部に充填されて次第に増加していく粉粒体の充填量に見合って、粉粒体供給手段の下端より下方に送り出される筒状包装材の送り量が制御されるので、粉粒体の充填が進行しても、粉粒体供給手段の下端と充填済みの粉粒体の充填天面との間に実質的距離が生じない。したがって、吐き出された粉粒体が落下速度を増しながら既に充填された粉粒体と衝突することがないで、粉粒体の舞い上がりが抑制される。また、粉粒体充填終了後の包装材送りにおいては、粉粒体供給手段の下端より下方に送り出される筒状包装材の送り量が一定長さ追加された長さとなるように、筒状包装材の送りが制御されるので、粉粒体供給手段の下端に粉粒体が堆積していない空所の領域が形成される。この空所の領域を形成することで、粉粒体が吐出時に仮に舞い上がったとしても、筒状包装材の横シール予定部分にまで入り込む可能性を極力回避することができる。その結果、横シール手段が、筒状包装材のシール予定部分に粉粒体を噛み込んだ状態で横シールを施すことが回避され、シール不良となった袋包装体の製造を防止することができる。
以下、添付した図面に基づいて、この発明による粉粒体の縦型充填包装機の実施例を説明する。この発明が適用可能な縦型充填包装機それ自体の基本的な構造は、図6に示されているような従来知られている縦型製袋充填包装機のものであってよい。図1は本発明による縦型充填包装機の制御手段の一例を示すブロック図であり、図2は本発明による縦型充填包装機の主要な構成の一作動例を時系列式に示す概略図であり、図3は本発明による縦型充填包装機の当該主要な構成の時間的な動作変化を示すタイミングチャートと、製造された袋包装体を示す図である。
図2(a)に一部を概略で示すように、縦型製袋充填包装機1は間欠動作型の縦型製袋充填包装機である。充填筒11は縦方向に延びている筒状部材であり、包装機の固定フレームに定位置に置かれている。筒状包装材Ftは充填筒11の外周筒面に被さった状態にあり、充填筒11によってそれに沿った縦方向の送りが案内されている。充填筒11の内部には、粉粒体を強制的に吐出して筒状包装材Ftの内部に充填する粉粒体供給手段12が定位置に配設されている。粉粒体供給手段12は、詳細を図示しないが、オーガと称されるスクリュウコンベヤのような吐出供給量を制御できる公知の供給手段であってよい。充填筒11の下端には、吐出端として粉粒体供給手段12の粉粒体を吐出する充填ノズル13が位置しており、本実施例では充填ノズル13は包装動作中、その高さ位置を変えることはない。縦型製袋充填包装機1には、筒状包装材を縦方向に送る手段として、図6に示したベルト式の包装材送り手段55と同様の構造を有する包装材送り手段14が配設されている。なお、縦型製袋充填包装機1には、帯状包装材の側縁部分をシールして筒状包装材Ftとするため、図6に示す縦ヒートシーラ53と同様の構造を有する縦シール手段17が備わっている。
充填筒11の充填ノズル13よりも下方に、横シール手段15とシャッタ16が配設されている。横シール手段15とシャッタ16は公知の構造のものであってよい。シャッタ16は、筒状包装材Ftの外側に水平に配置された一対のシャッタ板材16a,16bを備えており、筒状包装材Ftを横(水平)方向に窄めて粉粒体Sが落下するのを遮断する働きをする。シャッタ16は、少なくとも粉粒体の充填開始から横シール手段15が筒状包装材Ftを挟み込むまで閉じ動作をすることで粉粒体Sが横シール位置のまで落下するのを防止するが、横シール手段15が閉じ動作をしている間は、シャッタ16も継続して閉じ動作をしているのが好ましい。横シール手段15は、シャッタ16の直下に配設されている一対の横ヒートシールブロック15a,15bを備えている。横ヒートシールブロック15a,15bは、それぞれ内部に設けられている発熱手段が発熱することで高温となり、筒状包装材Ftを外側から横(水平)方向に挟み付けるときに筒状包装材Ftの内面同士を溶着してヒートシールを施す。このヒートシールによって、先行して製造された袋包装体Pbの頭部と後続して形成される袋Bの底部とに横シールSeが形成される。横シール手段15には、従来の縦型製袋充填包装機50(図6)と同様、筒状包装材Ftに横シールSeを施す際に当該横シール位置で筒状包装材Ftを切断するカッタ手段18が組み込まれている。
縦型製袋充填包装機1の各動作部分の動作を制御する制御装置20は、図1にブロック図として示すように、設定部19から粉粒体の包装に関して入力・設定された各種の設定値を受けて、演算部21がこれらの設定値に基づいて演算をして粉粒体供給制御部22、包装材送り制御部24、横シール制御部25、縦シール制御部27及びカッタ制御部28にそれぞれ基本的な動作タイミングと動作内容を含む動作指令を出力する。動作タイミングは、通常、各駆動部を構成するサーボモータやサーボアクチュエータのタイミングとして、タイムチャート上の動作のON又はOFFの時刻によって定めることができる。演算部21からの動作指令に基づいて、粉粒体供給制御部22は粉粒体供給手段12の駆動部(オーガの駆動部)に対して、包装材送り制御部24は包装材送り手段14の駆動部に対して、横シール制御部25は横シール手段15の駆動部に対して、縦シール制御部27は縦シール手段17の駆動部に対して、カッタ制御部28はカッタ手段18に対して、設定されたタイミングでどのような速度・位置等で動作するか具体的な動作制御を行う。
設定部19において入力・設定される設定値の項目には、包装機の包装能力(単位時間(例えば1分間)に製造される包装袋の個数)N、袋長さL、包装サイクルにおける粉粒体の充填とともに送りが行われる第1包装材送りのON及びOFF時刻(後述のt1,t2;t11,t12)と粉粒体の充填後に送りが行われる第2包装材送りのON及びOFF時刻(後述のt2,t3;t12,t13)、並びに第2包装材送りによって送られる包装材の所定長さ(追加的な所定の送り長さ)Laが含まれる。演算部21においては、これらの設定値に基づいて、包装材の送り速度等が演算されて決定される。包装材の種類とヒートシール時間は、設定入力又はデータベースから選択することができる。
制御手段20は、横シール制御部25が横シール手段15の駆動部に対してONとなる制御をすることで、横シール手段15を作動させて横ヒートシールブロック15a,15bを閉じ状態とし、先行して製造された袋包装体Pbと次の包装袋Bのための横シールSeを施す。制御手段20は、縦シール制御部27が縦シール手段17の駆動部に対してONとなる制御をすることで、縦シール手段17を作動させて両縦ヒートシールブロックを閉じ状態とし、帯状包装材Fwに縦シールScを施して筒状包装材Ftに形成する。制御手段20は、粉粒体供給制御部22が粉粒体供給手段12の駆動部を制御することで、粉粒体供給手段12による粉粒体Sの筒状包装材Ft内への充填を行う。シャッタ16は、横シール手段15と連動動作をし、筒状包装材Ftを挟み込むときには粉粒体Sが落下するのを防止する働きをする。更に、制御手段20は、カッタ制御部28がカッタ手段18の駆動部に対しONとなる制御をすることで、カッタ手段18に横シールSeの位置で筒状包装材Ftを切断する動作をさせ、筒状包装材Ftから袋包装体Pbを切り離す。
図2(a)〜(g)及び図3の記載に基づいて、縦型製袋充填包装機1の作動の一例を時系列式に説明する。図3(a)はこの実施例における縦型製袋充填包装機の当該主要な構成の時間的な動作変化を示すタイミングチャートであり、図3(b)は製造された袋包装体を示す側面図である。図2(b)〜(c)では、直前の包装サイクルで製造した袋包装体Pbをも図示している。図2(b)及び図3に示すように、各袋包装体を製造するための包装サイクルの開始時刻t0の前(先の包装サイクルにおける時刻t5の直前)では、包装材送り手段14への信号はOFFであり、包装材送り手段14は停止している。横シール手段15及び縦シール手段17(それと連動するカッタを含む)も、それらへの信号はONであって、閉じ状態にある。また、この時刻では、粉粒体供給制御部22が粉粒体供給手段12を制御することで、粉粒体供給手段12による筒状包装材Ft内への粉粒体Sの充填供給が開始されている。シャッタ16が閉じているので、粉粒体が充填供給されても横シール手段15の位置まで落下することがない。時刻t0では、横シール手段15及び縦シール手段17への信号はOFFとなって開き状態となっており、その後の包装材の送りに備える。
時刻t0の直後の時刻t1においては、図2(c)に示すように、包装材送り制御部24が包装材送り手段14に対してONとする制御をすることで、包装材送り手段14による筒状包装材Ftの第1包装材送りが開始される。制御手段20においては、包装材が送られる間、横シール制御部25が横シール手段15に対してOFFとする制御を維持することで、横シール手段15(シャッタ16を含む)の時刻t0からの開き動作が継続するとともに、粉粒体供給制御部22が粉粒体供給手段12を制御して粉粒体供給手段12による粉粒体Sの充填供給も継続している。既に製造された袋包装体Pbは、横シール手段15に組み込まれているカッタ手段18が筒状包装材Ftを横シールSeの部位で切断しているので、横シール手段15の開きに伴って筒状包装材Ftから切り離されて落下排出される。筒状包装材Ftの先端に形成されつつあり且つ粉粒体Sが充填中である包装袋Bが、開状態にある横シール手段15及びシャッタ16の間を通って降下される。
粉粒体供給制御部22は、粉粒体供給手段12を制御して、粉粒体Sが筒状包装材Ft内で充填ノズル13の位置まで堆積し始める図2(c)に示す状態から図2(d)に示す途中状態を経て図2(e)に示す粉粒体Sの供給・充填が終了する時刻t2の状態に至るまで、粉粒体Sの充填を継続する。この間、筒状包装材Ftの送りを停止したままだと、筒状包装材Ftの内部に堆積される粉粒体Sの充填高さは、粉粒体Sの充填の進行とともに充填ノズル13の位置を越えて時々刻々上昇することになり、粉粒体Sの充填に支障が生じる。制御装置20においては、粉粒体供給制御部22が粉粒体供給手段12による粉粒体Sの充填量(充填速度)を制御する一方で、包装材送り制御部24が包装材送り手段14を制御することで包装材送り手段14による筒状包装材Ftの送り量(送り速度)を制御する。即ち、充填筒11の下端からの筒状包装材Ftの送り(送り量及び速度)が、筒状包装材Ft内への粉粒体Sの時々刻々進行する充填(充填量及び速度)に見合うように制御されるので、粉粒体供給手段12の吐き出し位置(充填ノズル13の位置)は、既に筒状包装材Ft内に充填された粉粒体Sの高さ位置(充填堆積面)と常に実質的に一致している。したがって、充填ノズル13から吐出された粉粒体Sは、既に充填されている粉粒体Sの上に静置されるように堆積するので、粉粒体Sの充填に支障を生じることなく、また、加速度をつけて落下して既に充填された粉粒体Sと衝突するというようなこともないので筒状包装材Ftの内部で粉粒体Sが舞い上がるのを防ぐことができる。粉粒体Sの1回の充填量Q1に対応する袋包装体Pbにおける高さ、即ち、粉粒体Sの充填を伴う第1包装材送りによる筒状包装材Ftの送り長さを第1包装材送り長さL1とする。
第1包装材送りの送り期間T1は、包装材送り制御部24による包装材送り手段14への第1包装材送りのONとOFFの時刻設定(時刻t1と時刻t2)で可変である。第1包装材送り長さL1は、設定された袋長さLから第2包装材送りによって追加的に送られる所定長さLaを差し引いた長さである。時刻t2では袋Bへの粉粒体Sの充填量は定められた充填量Q1に達しており、図2(e)に示すように、制御手段20においては、粉粒体供給制御部22が粉粒体供給手段12を制御することで粉粒体供給手段12による当該包装サイクルでの粉粒体Sの充填が停止される。包装材送り手段14による筒状包装材Ftの第1包装材送りについても終了する。他の手段については同じ動作を継続中であり、縦シール手段17、横シール手段15及びカッタ手段18はそれぞれ開いた状態を維持している。
第1包装材送りの終了(時刻t2)後、包装材送り制御部24は、包装材送り手段14を制御して、粉粒体Sの充填を伴わない筒状包装材Ftの第2包装材送りを開始する。第2包装材送りによる包装材の追加的な送り長さは、設定部19で所定長さLaとして設定されている。第2包装材送りの送り期間(追加送り期間)Taは、追加的な送り長さが所定長さLaとなるように、包装材送り制御部24による包装材送り手段14への第2包装材送りのONとOFFの設定時刻(時刻t2と時刻t3)で調整可能である。1包装サイクルにおいて、包装材送り手段14による包装材の全送り期間Tは第1包装材送りの送り期間T1と第2包装材送りの送り期間Taの合計となる。第2包装材送りの送り速度は、粉粒体Sの充填とともに送られる第1包装材送りの送り速度と比較して、同じ速度であってもよいが、より速い速度で送ってもよい。制御手段20においては、図2(f)に示す時刻t3の直前の状態では、包装材送り制御部24が包装材送り手段14を制御して筒状包装材Ftの送りを停止する。このとき、筒状包装材Ftの内部における粉粒体Sの充填堆積面の上方に、充填ノズル13に至るまで粉粒体Sが堆積していない空間Suが形成される。この例では、第1包装材送りの終了時刻と第2包装材送りの開始時刻とは同時刻t2として、第2包装材送りを第1包装材送りと実質的に連続させているが、包装速度に余裕があれば、第1包装材送りが終了して後、一旦包装材の送りを停止してから第2包装材送りを再開してもよい。一旦時間を置くことで、粉粒体Sが仮に舞い上がったとしても、筒状包装材Ft内で静まる時間が得られる場合がある。
時刻t3においては、第2包装材送りが停止すると同時に、図2(g)に示すように、制御手段20において、横シール制御部25が横シール手段15に対して、そして縦シール制御部27が縦シール手段17に対してそれぞれONとなる制御をすることで、横シール手段15及び縦シール手段17がそれぞれ閉じる動作をする。シャッタ16は閉じているので、横シール手段15によって横シールが施される際に、充填ノズル13から仮に粉粒体Sがこぼれ落ちることがあっても、横シール手段15まで落下することがない。また、横シール手段15は、粉粒体Sの充填堆積面の上方に粉粒体Sが堆積していない空間Suに対応した範囲内の筒状包装材Ftに対して横シールを施す。筒状包装材Ftの内部には、充填堆積面の高さから横シール手段15までの長さが、設定された所定長さLaとなる空間が形成されるので、仮に粉粒体Sが充填堆積面から僅かに舞い上がるようなことがあってとしても、横シール手段15の高さ位置まで上昇することがない。そのため、横シール手段15がそのシール動作の際に筒状包装材Ftの横シール予定部分において粉粒体Sを噛み込むことがなく、横シール不良というような事態になることが回避される。横シール手段15及びシャッタ16はそれぞれ閉じた状態となり、袋B内に粉粒体Sが包装された袋包装体Pbが製造され、次の袋包装体の製造が開始される。
時刻t3から横シール手段15と縦シール手段17とがシールを施すシール期間Tsが経過する直前の時刻t4において、制御手段20は、横シール手段15に組み込まれているカッタ手段18を動作させて、横シール部分Seにおいて筒状包装材Ftから袋包装体Pbを切断・分離する。制御手段20は、カッタ手段18の動作をOFFにする時刻t5において、横シール手段15と縦シール手段17の動作もOFFにする。時刻t5の直後の時刻t6において包装サイクルが終了する。なお、この例では、粉粒体Sの充填については、図2(b)に示すように時刻t5の直前に次の包装サイクルとして先行開始されているが、次の包装サイクルの時刻t0(前の包装サイクルの時刻t6)を待って充填開始をしてもよいことは勿論である。このようにして、時刻t0から時刻t6に至る包装サイクルが繰り返されることにより、製袋充填包装機1では、所定量の粉粒体Sを包装した袋包装体Pbが次々に製造される。
図4には、本発明による縦型充填包装機の主要な構成の別作動例が概略図として時系列式に示されている。また、図5は、図4に示す縦型充填包装機の作動図に対応した主要な構成の時間的な動作変化を示すタイミングチャートと製造された袋包装体の図である。図4及び図5に示す第2例では、粉粒体Sの充填量が異なること以外に変更はないので、図2及び図3に示した第1例との重複する説明を省略する。図5(a)はこの実施例における縦型製袋充填包装機の当該主要な構成の時間的な動作変化を示すタイミングチャートであり、図5(b)は製造された袋包装体を示す側面図である。
第1実施例においては、粉粒体の製袋充填包装で示した粉粒体Sの充填量をQ1(以下、基本充填量という)とし、筒状包装材Ftの内部における粉粒体Sの基本充填量Q1に見合う筒状包装材Ftの送り方向長さを第1包装材送り長さL1(=袋長さL−所定長さLa;以下、基本送り長さという)として定めたが、第2実施例での粉粒体Sの製袋充填包装では、1袋当たりの粉粒体の充填量Q2とそれに対応した筒状包装材の送り長さL2は、それぞれ基本充填量Q1及び基本送り長さL1の2倍である。袋長さL’は、L2に所定長さLaを加えた長さである。第2実施例の場合、図5に示すように、1包装サイクルは、1回目の包装サイクル部分(1サイクル目)と2回目の包装サイクル部分(2サイクル目)とからなり、包装材の送り制御は、1回目の包装サイクル部分では第1包装材送りのみを行って第2包装材送りをせず、2回目の包装サイクル部分では第1包装材送りと第2包装材送りを行っている。袋包装体Pb’の長さL’は長くなるので、縦シール手段17は、1回目の包装サイクル部分と2回目の包装サイクル部分とでそれぞれ動作する必要がある。横シール手段15とカッタ手段18は、1包装サイクルに1回しか動作しないので、2回目の包装サイクル部分の後半の期間に作動する。
図4及び図5に示すように、図4(a)及び図4(b)は、袋包装体Pbの長さ以外、図2(a)及び図2(b)と同じ内容を示しているので、詳細な再度の説明を省略する。制御手段20は、粉粒体Sの基本充填量Q1の充填とそれに対応した筒状包装材Ftの基本送り長さL1の送りを2回繰り返す。即ち、図4(c)及び図4(d)が、1回目の包装サイクル部分を示しており、筒状包装材ftは基本送り長さL1だけ送られ、基本充填量Q1の粉粒体Sが充填される。第1包装材送りを行った後、第2包装材送りは行われず、送り停止中の包装材に対して時刻t3から時刻t5まで縦シール手段17によって縦シールが施される。その後の図4(e)〜(h)が2回目の包装サイクル部分を示している。第1実施例で説明した工程と同じ工程を経て、途中図4(e)に示す状態から図4(f)に示す状態にまで第1包装材送りが行われる。この第1包装材送りでは、1回目の包装サイクル部分の第1包装材送りの場合と同様に、粉粒体供給手段12の充填ノズル13と粉粒体Sの充填堆積面とが実質的に一致するように、粉粒体Sの充填とその充填量に見合った筒状包装材Ftの送りとが行われるので、吐出される粉粒体Sが加速度をつけて落下し、既に充填された粉粒体Sと衝突するというようなことがなく、筒状包装材Ftの内部で粉粒体Sが舞い上がるのを防ぐことができる。
2回目の包装サイクル部分においては、その後、包装材送り制御部24が包装材送り手段14を制御して時刻t12から時刻t13の間、粉粒体Sを充填することなく筒状包装材Ftを送る第2包装材送りが行われる(追加送り期間Ta)。図4(g)に示すように、筒状包装材Ftの内部において粉粒体Sの充填堆積面の上方に充填ノズル13の位置まで粉粒体Sが堆積していない空間Suが形成される。仮に粉粒体Sが充填堆積面から僅かに舞い上がるようなことがあってとしても、横シール手段15の高さ位置まで上昇することがないので、横シール手段15は横シール動作の際に粉粒体Sを噛み込むことがなく、横シール不良というような事態になることが回避される。時刻t13で筒状包装材Ftの送りが停止された後、時刻t15までの期間Tsにおいて、横シール手段15及び縦シール17の作動がONとなり、図4(h)に示すように、シャッタ16と横シール手段15が閉じて、シャッタ16が次の粉粒体Sの供給を受け止める用意が整い、送り停止中の包装材に対して縦シール手段17が縦シールを施して筒状包装材Ftを形成するとともに、横シール手段15が筒状包装材Ftに横シールを施す。包装袋B’内に、充填された粉粒体Sの上方に所定長さLaとして設定された長さの空間が形成されるので、横シール手段15が粉粒体Sを噛み込むのが更に回避される。時刻t15において、横シール手段15及び縦シール17の作動がOFFとなる。横シール手段15の作動がOFFになる若干前の時刻t14から時刻t15まで、カッタ手段18が作動して筒状包装材Ftを横シールSeの位置で切断する。なお、この例でも、粉粒体Sの充填については、図4(b)に示すように時刻t15の直前に次の包装サイクルとして先行開始されているが、次の包装サイクルの時刻t0(前の包装サイクルの時刻t16)を待って充填開始をしてもよいことは勿論である。
本発明の実施例として、1袋当たりの粉粒体Sの充填量とそれに対応した筒状包装材Ftの送り長さは、それぞれ基本充填量Q1及び基本送り長さL1の1倍(第1実施例の場合)や2倍(第2実施例の場合)を説明したが、基本充填量Q1及び基本送り長さL1の3以上の整数倍であってよい。粉粒体Sの充填量が基本充填量Q1の整数倍であることに対応して筒状包装材Ftの送りを基本送り長さL1の同じ整数倍とし、粉粒体Sの基本充填量Q1の充填とそれに対応した筒状包装材Ftの基本送り長さL1の送りを当該整数倍繰り返す(即ち、図5の1サイクル目の包装手順を繰り返し、最後に2サイクル目の包装手順を行う)ことで、同じ縦型製袋充填包装機を用いながら、粉粒体Sの充填量の異なる袋包装体を製造することが可能になる。
また、本発明の実施例においては、基本充填量と基本送り長さ及び所定長さLaについては、一組(Q1、L1、La)ではなく、複数の値の組を制御装置20に予め記録・登録しておき、1袋包装体当たりの粉粒体Sの充填量及び筒状包装材Ftの送り長さをその複数の基本充填量と基本送り長さ及び所定長さLaを適宜選択して、所望の充填量の袋包装体を製造することも可能である。
更に、本発明による縦型充填包装機の実施例を間欠作動型の包装機として説明したが、本発明は、この型式の充填包装機に限らず、連続作動型の包装機としても構成することができる。即ち、制御手段20が、縦シール手段17並びに粉粒体Sの充填済みの筒状包装材Ftに対する横シール動作中の横シール手段15及びシャッタ16を、粉粒体の次の袋包装のために粉粒体Sの充填量に見合う筒状包装材Ftの送りと同期して縦方向に移動させ、その後、当初の位置に戻る軌跡(例えば、ボックスモーション軌跡)を辿る制御を行うことで、筒状包装材Ftの送りを停止させることなく、連続して袋包装体を製造することができる。