JP2018176679A - 延伸フィルム - Google Patents

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一成 勝原
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Abstract

【課題】ポリエステル系樹脂と酸化チタンを含有する反射層を備えた延伸フィルムにおいて、反射率を高めつつ、いわゆる明欠陥の発生を抑制することができる延伸フィルムを提供する。【解決手段】ポリエステル系樹脂(A)と酸化チタンとカルボジイミドとを含有する中間反射層Xと、前記ポリエステル系樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂(B)からなる連続相(I)と、これと非相溶の樹脂(C)からなる分散相(II)とによる海島構造を有する表面反射層Yとが積層されてなる構成を備え、前記酸化チタンは、シリカを含有する被覆層を備えたものであり、且つ、前記カルボジイミドの中間反射層Xにおける含有量が、中間反射層Xに存在するシリカ量に対して2〜40質量%である延伸フィルムを提案する。【選択図】 なし

Description

本発明は、光を反射する延伸フィルムに関し、例えば液晶表示装置、照明器具或いは照明看板などに用いる反射材として好適に使用することができる延伸フィルムに関する。
液晶表示装置をはじめ、照明器具或いは照明看板など多くの分野で反射材が使用されている。最近では、特に液晶ディスプレイの分野において装置の大型化及び表示性能の高度化が進み、少しでも多くの光を液晶に供給してバックライトユニットの性能を向上させることが求められている。そのために反射材に関しては、バックライトユニットの輝度向上及び輝度均一性の点から、より一層優れた光反射性(単に「反射性」ともいう)及び光拡散性(単に「拡散性」ともいう)が求められている。
高い反射性及び拡散性を示す反射材としては、例えば、樹脂に充填材を添加して形成されたフィルムを延伸することによって、フィルム内に微細な空隙を形成させ、光散乱反射を生じさせた白色フィルムが知られている。
この種の反射フィルムにおいて、光反射性は、ベース樹脂と充填材の屈折率差、ベース樹脂と空隙の屈折率差、並びに、充填材と空隙の屈折率差などで決定され、屈折率差が大きいほど高い光反射性が得られるため、屈折率の高い充填材として酸化チタンが用いられている。
この種の反射フィルムに関しては、例えば特許文献1には、屈折率が1.52未満である樹脂と、酸化チタンとを含有する樹脂組成物Aから成るA層を有する面積倍率が1.2未満の実質無延伸のフィルムであり、該酸化チタンは屈折率が2.5以上であって、該酸化チタン中のバナジウム含有量が5ppm以下であり、かつ、該フィルムの550nmの波長の光に対する反射率が98.1%以上、かつ、80℃で180分間処理を行った後の熱収縮率が縦方向(MD)及び横方向(TD)が共に−0.1%より大きく、1.0%未満であることを特徴とする反射フィルムが開示されている。
複数の層を積層してなる積層構造の反射フィルムに関し、特許文献2には、波長380nm〜780nmの領域に吸収帯を持つ充填材を含有する白色フィルムの少なくとも反射使用面側に、屈折率の異なるベース樹脂からなる、少なくとも2種類以上の熱可塑性樹脂層を順番に繰り返し積層してなる構成を備え、波長400nmの光の反射率が70%以上であり、且つ、波長500〜780nmの領域の光に対する反射率が当該全領域の波長にわたり50%以下である樹脂積層体を、積層してなる反射フィルムが開示されている。
海島構造を有する層を備えた反射フィルムに関し、例えば特許文献3には、ポリエステル系樹脂(A)及び充填材を含有し、且つ空隙を有する反射層Xと、該反射層Xの表裏両側に配置され、2種の熱可塑性樹脂(B)(C)からなる海島構造を備えた反射層Y、Yとの2種3層構造を備え、下記(式1)の左式で算出される厚み−空隙係数が下記(式1)を満たすことを特徴とする反射フィルムが開示されている。
(式1)・・フィルム全体の厚み(μm)×フィルムの空隙率(%)×反射層Xの厚み占有比(%)≧1300
特許文献4には、ジオール成分として脂環構造を有するポリエステル系樹脂(A)と充填材とを含有し、一軸又は二軸延伸されてなる反射層Xと、前記熱可塑性樹脂(B)からなる連続相(I)と、これと非相溶の熱可塑性樹脂(C)からなる分散相(II)による海島構造を有し、前記ポリエステル系樹脂(A)以外の樹脂を主成分樹脂として含有し、一軸又は二軸延伸されてなる反射層Yとを備えた反射フィルムが開示されている。
特許文献5には、非晶性であるポリエステル系樹脂(A)及び充填材を含有する反射層Xと、該反射層Xの表裏両側に配置され、2種の熱可塑性樹脂(B)(C)からなる海島構造を備えた反射層Y、Yとを備えた反射フィルムであって、当該反射フィルムを70℃で60分間保持した後の収縮率が5%以下であり、かつ、115℃で30分間保持した後の収縮率が20%以下であることを特徴とする反射フィルムが開示されている。
特許文献6には、ポリエステル系樹脂(A)及び充填材を含有し、且つ空隙を有する反射層Xと、該反射層Xの表裏両側に配置され、2種の熱可塑性樹脂(B)(C)からなる海島構造を備えており、空隙率が実質上ゼロである反射層Y、Yとを備えた反射フィルムであって、貫孔強度が140N/mm〜1000N/mmであることを特徴とする反射フィルムが開示されている。
また、カルボジイミドを含有する反射フィルムに関して、例えば特許文献7において、樹脂と、酸化チタンとを含有する樹脂組成物Aから成るA層を有する実質無延伸のフィルムである反射フィルムが記載され、当該酸化チタンの表面は、シリカ、アルミナ、および、ジルコニアからなる群から選ばれる少なくとも1種類の不活性無機酸化物で被覆されていることが記載され、耐久性を付与する目的で、更に加水分解防止剤としてカルボジイミド化合物を添加してもよい旨が記載されている。
特開2012−77311号公報 特開2013−113872号公報 特開2016−200792号公報 特開2016−200796号公報 特開2016−200795号公報 特開2016−200794号公報 特開2012−77311号公報
ポリエステル系樹脂と酸化チタンとを含有する反射層においてさらなる反射率の向上が望まれている。特許文献1〜7で使用されていた酸化チタンは、被覆層中のシリカ含量が1.0%未満と少ないため、酸化チタンの含有量を仮に多くしたとしても、反射率を向上させることができなかった。他方、反射率向上のために、シリカ含有量の多い酸化チタンを使用することが考えられる。しかし、ポリエステル系樹脂とシリカ含有量の多い酸化チタンとを混練して押出すると、発泡を生じたり、均一に混練されずにムラが生じたりするなど、安定して押出することができず、その結果、延伸すると、いわゆる明欠陥、すなわち、当該反射層の厚さ方向全体に渡る空隙が出来ることがあり、光を反射せずに透過してしまう問題が生じることが明らかになってきた。
そこで本発明は、ポリエステル系樹脂と、シリカを含有する被覆層を備えた酸化チタンとを含有する反射層を備えた延伸フィルムにおいて、反射率を向上させることができ、いわゆる明欠陥の発生を抑制することができる、新たな延伸フィルムを提供せんとするものである。
本発明は、ポリエステル系樹脂(A)と酸化チタンとカルボジイミドとを含有する中間反射層Xと、前記ポリエステル系樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂(B)からなる連続相(I)と、これと非相溶の樹脂(C)からなる分散相(II)とによる海島構造を有する表面反射層Yとが積層されてなる構成を備え、
前記酸化チタンは、シリカを含有する被覆層を備えたものであり、且つ、前記カルボジイミドの中間反射層Xにおける含有量が、中間反射層Xに存在するシリカ量に対して2〜40質量%であることを特徴とする延伸フィルムを提案する。
本発明が提案する延伸フィルムは、ポリエステル系樹脂と酸化チタンを含有する反射層を備えた延伸フィルムにおいて、反射率を向上させることができるばかりか、当該酸化チタンを被覆しているシリカに対して所定量のカルボジイミドを含有させることにより、いわゆる明欠陥の発生を抑制することができるものである。
次に、実施の形態例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明が次に説明する実施形態に限定されるものではない。
[本延伸フィルム]
本発明の実施形態の一例に係る延伸フィルム(「本延伸フィルム」と称する)は、ポリエステル系樹脂(A)と酸化チタンとカルボジイミドとを含有する中間反射層Xと、
前記ポリエステル系樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂(B)からなる連続相(I)と、これと非相溶の樹脂(C)からなる分散相(II)とによる海島構造を有する表面反射層Yとが積層されてなる構成を備えた延伸フィルムである。
<中間反射層X>
中間反射層Xは、ポリエステル系樹脂(A)と酸化チタンとカルボジイミドとを含有し、一軸又は二軸延伸されてなる層であるのが好ましい。
(ポリエステル系樹脂(A))
ポリエステル系樹脂(A)としては、例えばジオール成分として脂環構造を有するポリエステル系樹脂を挙げることができる。但し、これに限定するものではない。
ポリエステル系樹脂(A)として、ジオール成分として脂環構造を有するポリエステル系樹脂を用いることにより、他のポリエステル系樹脂を用いた場合に比べて、より均一な大きさ及び形の空隙をより均一に分散させることができ、光反射性をさらに高めることができる。
また、ジオール成分として脂環構造を有するポリエステル系樹脂は、低い屈折率、優れた透明性及び優れた柔軟性を備えていると共に高いガラス転移温度(Tg)を有するという点でも好ましい。
ジオール成分として脂環構造を有するポリエステル系樹脂としては、例えばスピログリコール、イソソルビド、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールから選ばれる少なくとも1種の脂環構造を有するジオール成分を有する樹脂を挙げることができ、耐熱性の観点から2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールが特に好ましい。但し、これらに限定するものではない。
但し、ガラス転移温度(Tg)や屈折率を調整する観点から、上記樹脂以外に、その他のポリエステル系樹脂や添加剤を組み合わせて用いてもよい。
ポリエステル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、100〜130℃であるのが好ましく、中でも105℃以上或いは125℃以下、その中でも110℃以上或いは120℃以下であるのが特に好ましい。
ポリエステル系樹脂(A)は、表面反射層Yにおいて連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(B)とのガラス転移温度の差が15℃以下であるポリエステル系樹脂であるのが好ましい。
中間反射層Xのポリエステル系樹脂(A)と表面反射層Yにおいて連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(B)とのガラス転移温度の差が15℃以下であれば、後述するように、中間反射層Xと表面反射層Yとを共押出して積層することができるから、生産効率が高くなるばかりではなく、中間反射層Xと表面反射層Yとを接着層などの中間層を介さずに直接積層することができ、本延伸フィルムをより薄く形成することができる。
かかる観点から、前記ポリエステル系樹脂(A)と前記熱可塑性樹脂(B)のガラス転移温度の差(絶対値)は15℃以下であるのが好ましく、中でも13℃以下、その中でも11℃以下であるのが特に好ましい。
(酸化チタン)
中間反射層Xは、充填材を含有することで、ポリエステル系樹脂(A)との屈折率差による屈折散乱のほか、充填材の周囲に形成される空洞との屈折率差による屈折散乱、さらに充填材の周囲に形成される空洞と充填材との屈折率差による屈折散乱などからも光反射性を得ることができる。
中でも、充填材として酸化チタンを使用すると、他の充填材に比べて屈折率が顕著に高く、ポリエステル系樹脂(A)との屈折率差が顕著に大きくなるため、他の充填材を使用した場合よりも少ない配合量で優れた反射性を得ることができる。さらに、酸化チタンを用いることにより、反射材の厚みを薄くしても高い光反射性を得ることができる。
酸化チタンには、例えば、アナターゼ型及びルチル型のような結晶構造を持つ酸化チタンがある。中でも、屈折率が2.5以上の酸化チタンとして、ルチル型酸化チタンが好ましい。
フィルムを構成するベース樹脂との屈折率差を大きくするという観点からは、屈折率が2.6以上の酸化チタンであることが好ましく、ルチル型酸化チタンであればこの条件も満たすことができる。
屈折率差が大きいほど、ベース樹脂と酸化チタンとの境界面で光の屈折散乱作用が大きくなり、フィルムに光反射性を容易に付与することができる。
屈折率は、JIS K 7124に従い測定することができる。
フィルムに高い光反射性を付与するためには、可視光に対する光吸収能が小さい酸化チタンを用いることが必要である。酸化チタンの光吸収能を小さくするには、酸化チタンに含有されている着色元素の量が少ないことが好ましい。例えば、バナジウムの含有量が5ppm以下の酸化チタンを用いれば、高い光反射性を有する延伸フィルムを得ることができる。なお、光吸収能を小さくするという観点からは、酸化チタンに含まれる、鉄、ニオブ、銅、マンガン等の着色元素も少ないことが好ましい。
塩素法プロセスで製造される酸化チタンは純度が高く、この製造方法によれば、バナジウムの含有量が5ppm以下の酸化チタンを得ることができる。塩素法プロセスでは、酸化チタンを主成分とするルチル鉱を1,000℃程度の高温炉で塩素ガスと反応させて、まず、四塩化チタンを生成させる。次いで、この四塩化チタンを酸素で燃焼させることにより、高純度の酸化チタンを得ることができる。なお、酸化チタンの工業的な製造方法としては硫酸法プロセスもあるが、この方法によって得られる酸化チタンには、バナジウム、鉄、銅、マンガン、ニオブ等の着色元素が多く含まれるので、可視光に対する光吸収能が大きくなる。
本発明で用いられる酸化チタンは、被覆層を備えていることが好ましい。さらには、酸化チタンの表面が不活性無機酸化物で被覆処理されていることが好ましい。
酸化チタンの表面を不活性無機酸化物で被覆処理することにより、酸化チタンの光触媒活性を抑制することができ、フィルムの耐光性を高めることができる。不活性無機酸化物としては、シリカ、アルミナ、およびジルコニアからなる群から選ばれる少なくとも1種類を用いることが好ましい。これらの不活性無機酸化物を用いれば、酸化チタンを用いた場合に発揮する高い光反射性を損なうことなくフィルムの耐光性を高めることができる。また、2種類以上の不活性無機酸化物を併用することが更に好ましく、中でもシリカを必須とする組み合わせが特に好ましい。
中でも、酸化チタンは、1.0〜4.0質量%のシリカで被覆されているものが好ましい。
所定量のシリカで被覆された酸化チタンを使用すると、反射率を高めることができる反面、ポリエステル系樹脂と酸化チタンとを混練して押出した際、発泡を生じたり、均一に混練されずにムラが生じたりするなど、安定して押出することができず、その結果、延伸した際、いわゆる明欠陥が出来てしまう場合があることが明らかになった。本延伸フィルムにおいては、このような問題点を解決することができるから、本発明の効果をより一層効果的に享受することができる観点から、酸化チタンは1.0〜4.0質量%のシリカで被覆されているものが好ましい。
かかる観点から、酸化チタンは、1.0〜4.0質量%のシリカで被覆されているのが好ましく、中でも2.0質量%以上或いは3.8質量%以下、その中でも2.5質量%以上或いは3.5質量%以下のシリカで被覆されているのがさらに好ましい。
また、酸化チタンの樹脂への分散性を向上させるために、酸化チタンの表面をシロキサン化合物、シランカップリング剤等からなる群から選ばれる少なくとも1種類の無機化合物や、ポリオール、ポリエチレングリコール等からなる群から選ばれる少なくとも1種類の有機化合物で表面処理してもよい。また、上記不活性無機酸化物による被覆処理と併用してもよい。
酸化チタンの平均粒径D50は0.1μm〜1.0μmであるのが好ましく、中でも0.2μm以上或いは0.5μm以下であることが更に好ましい。
酸化チタンの平均粒径D50が0.1μm以上であれば、ポリエステル系樹脂(A)への分散性が良好であり、均質なフィルムを得ることができる。また、酸化チタンの平均粒径D50が1.0μm以下であれば、ポリエステル系樹脂(A)と酸化チタンとの界面が緻密に形成されるので、延伸フィルムに高い光反射性を付与することができる。
なお、平均粒径D50は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定して得られる体積基準粒度分布によるD50の意味である。
中間反射層Xにおいて、前記ポリエステル系樹脂(A)と酸化チタンとの含有割合(質量部)は、光反射性、機械的強度及び生産性等の観点から、ポリエステル系樹脂(A):酸化チタン=20:80〜80:20であるのが好ましい。酸化チタンの含有量が、ポリエステル系樹脂(A)80質量部に対して20質量部以上であれば、ポリエステル系樹脂(A)と酸化チタンとの界面の面積を充分に確保することができ、反射材に高反射性を付与することができる。他方、酸化チタンの含有量がポリエステル系樹脂(A)20質量部に対して80質量部以下であれば、反射シートに必要な機械的強度を確保することができる。
かかる観点から、前記中間反射層Xにおいて、ポリエステル系樹脂(A):酸化チタンとの含有割合(質量部)は、20:80〜80:20であるのが好ましく、中でも40:60〜60:40であるのが特に好ましい。
(カルボジイミド)
上述のように、シリカで被覆された酸化チタンを充填材として用いた場合、延伸フィルムに明欠陥が出来てしまうなどの問題を生じることがあった。これに対し、酸化チタンを被覆している当該シリカに対して所定量のカルボジイミドを含有させることにより、延伸フィルムに明欠陥ができるのを抑制することができる。
カルボジイミド(carbodiimide)は、化学式−N=C=N−で表される官能基を含む化合物であればよい。
カルボジイミドとしては、例えばビス(プロピルフェニル)カルボジイミド、ビス(ジプロピルフェニル)カルボジイミド、ポリ(4,4'−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、芳香族ポリカルボジイミド等、および、これらの単量体が、カルボジイミド化合物を挙げることができる。これらは、1種のみを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
カルボジイミド化合物の重合体としては質量平均分子量が2,000〜50,000であることが好ましい。
中間反射層Xにおけるカルボジイミドの含有量は、中間反射層Xにおけるシリカの含有量に対して2〜40質量%であるのが好ましい。
上述のように、酸化チタンを被覆している当該シリカに対して所定量のカルボジイミドを含有させることにより、延伸フィルムに明欠陥ができるのを抑制することができる。
かかる観点から、中間反射層Xにおけるカルボジイミドの含有量は、中間反射層Xに存在するシリカ量に対して2〜40質量%であるのが好ましく、中でも3質量%以上或いは20質量%以下、その中でも4質量%以上或いは10質量%以下であるのがさらに好ましい。
(延伸又は配向性)
中間反射層Xは、少なくとも一方向に延伸され配向されたものが好ましく、中でもフィルムの流れ方向(以下、MDと表記することがある)と幅方向(以下、TDと表記することがある)の二軸方向に延伸され配向されたものがさらに好ましい。
この際、中間反射層Xの延伸倍率としては、フィルムの流れ方向、及び/又は、フィルムの幅方向に2〜9倍、中でも2.5倍以上或いは6.0倍以下の倍率で延伸されてなるものが好ましい。
(空隙)
中間反射層Xは空隙を有するのが好ましい。
中間反射層Xの空隙は、表面反射層Yの分散相(II)と同様に平板状構造であるのが好ましい。その場合、中間反射層Xの空隙の厚みは、表面反射層Yの分散相(II)の厚みに比べて厚いことが好ましい。
中間反射層Xの空隙率は30〜70%であるのが好ましい。
中間反射層Xの空隙率が30〜70%であれば、より一層反射率を高めることができる。
かかる観点から、中間反射層Xの空隙率は30〜70%であるのが好ましく、中でも40%以上或いは65%以下、その中でも45%以上或いは60%以下であるのがさらに好ましい。
中間反射層Xに空隙を形成させる方法としては、例えば、少なくとも一軸方向に延伸させることによる方法や、発泡性粒子を添加し、溶融押出することによってフィルム内部にて発泡させる方法のほか、不活性ガスを高圧で溶解させ、その後、圧力を開放することにより多孔質層を形成させる方法などを挙げることができる。なお、これらの方法の何れか一種の方法を採用してもよいし、複数の方法を組み合わせて採用してもよい。
(固有粘度(IV))
中間反射層Xの樹脂成分の固有粘度(IV)は0.57〜0.80dl/gであるのが好ましい。
中間反射層Xの樹脂成分の固有粘度(IV)が0.57dl/g以上であれば、容易に延伸することができ、かつ、フィルムのムラを抑制することができる。一方、当該IVが0.80dl/g以下であれば、安定して押出することができる。
かかる観点から、中間反射層Xの樹脂成分の固有粘度(IV)は、0.57〜0.80dl/gであるのが好ましく、中でも0.60dl/g以上或いは0.75dl/g以下、その中でも0.65dl/g以上或いは0.70dl/g以下であるのがさらに好ましい。
なお、上記中間反射層Xの樹脂成分の固有粘度の測定方法については、中間反射層Xの樹脂成分を、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(質量部)の溶媒に溶解させて、濃度0.01g/cmの溶液を調製したのち、30℃における溶媒との相対粘度ηrを測定し、固有粘度IV[dl/g]を算出することができる。
中間反射層Xの樹脂成分の固有粘度(IV)を上記範囲に調製するには、カルボジイミドの添加量及び押出条件を調整すればよい。但し、かかる方法に限定するものではない。
<表面反射層Y>
表面反射層Yは、反射性能を高めるため、前記ポリエステル系樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂(B)からなる連続相(I)と、これと非相溶の樹脂(C)からなる分散相(II)による海島構造を有し、一軸又は二軸延伸されてなる層であるのが好ましい。
(海島構造)
ここで、海島構造とは、複数成分の片方が連続する相の中に、もう一方が粒子状(島状)に分散している構造を言い、通常、分散相である島部は、不連続であり、かつ、微小な略球状構造を示すが、表面反射層Yにおける上記の島部は、流れ方向及び幅方向に延伸されるため、扁平した楕円状構造、又は、円盤状構造を示す。このような構造の有無は、表面反射層YのMD断面、もしくは、TD断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察することにより、確認することができる。
この際、連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(B)と、分散相(II)を形成する樹脂(C)との平均屈折率差は0.05以上であることが好ましい。
両者の平均が0.05以上であることにより、連続相と分散相との界面における光の反射が生じやすくなるため、高い反射特性を付与することが可能となる。
かかる理由により、該連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(B)と、該分散相(II)を形成する樹脂(C)の平均屈折率差は、0.10以上であることがより好ましく、0.15以上であることがさらに好ましい。
連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(B)と、分散相(II)を形成する樹脂(C)との平均屈折率差は、それぞれの樹脂ついてJIS K7124に従い平均屈折率を測定した後、その差を求めることにより算出することができる。
(熱可塑性樹脂(B))
前記ポリエステル系樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂(B)の好ましい一例として、結晶性のポリエステル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂又はこれら両方の組み合わせを挙げることができる。
(ポリエステル系樹脂)
熱可塑性樹脂(B)が結晶性のポリエステル系樹脂であれば、高分子鎖が配向しやすく、配向方向に対する連続相(I)と分散相(II)の屈折率差を増大させやすく、反射特性を向上させやすいため好ましい。また、熱処理の際に、結晶性の熱可塑性樹脂は、配向結晶化しやすくなり、寸法安定性の観点からも好ましい。
また、結晶性のポリエステル系樹脂は、延伸を行うと、高分子鎖が配向しやすく、配向方向に対する連続相(I)と分散相(II)の屈折率差を増大させやすく、反射特性を向上させやすいため好ましい。また、熱処理の際に、配向結晶化しやすくなり、寸法安定性の観点からも好ましい。
一般に、ポリエステル系樹脂は、固有複屈折率が正となることが多く、中でも芳香族ポリエステル系樹脂は高い複屈折率を有する為、配向方向に対する連続相(I)と分散相(II)の屈折率差を増大させやすく、反射特性を向上させやすいため好ましい。
結晶性のポリエステル系樹脂としては、特にその種類を限定するものではない。例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロへキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸、ポリ−ε−カプロラクタム等のポリエステル系樹脂などを挙げることができる。
これらの中でも、結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂であることが好ましく、特にポリエチレンナフタレート系樹脂であることが、高い平均屈折率と高い複屈折率を有するという観点から好ましい。また、表面反射層Yとのガラス転移温度(Tg)の差を15度以下にする観点や屈折率を調整する観点から、上記樹脂を組み合わせて用いてもよい。
また、ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリエチレンナフタレート(PEN)との混合樹脂も好ましい一例である。PENとPETは相溶するためで、PENにPETを混ぜることによって、Tgや屈折率が調整することができる。
ポリエチレンナフタレート系樹脂を使用する場合、該樹脂の質量平均分子量は、耐衝撃性や製膜性の観点から、3万以上であるのが好ましい。
なお、結晶性のポリエステル系樹とは、一般に結晶融解ピーク温度(融点)が存在するとされるポリエステル系樹脂を指し、より具体的にはJISK7121に準拠して行う示差走査熱量測定(DSC)において融点が観測されるポリエステル系樹脂であって、いわゆる半結晶性の状態のものを包含する。逆に、DSCにおいて融点が観測されない熱可塑性樹脂を「非晶性」と称する。
(ポリカーボネート系樹脂)
上記ポリカーボネート系樹脂としては、二価フェノールと、ホスゲン、炭酸エステル化合物等のカーボネート前駆体とを反応させることによって製造されたものを挙げることができる。例えば、塩化メチレン等の溶媒中において、二価フェノールとホスゲン等のカーボネート前駆体との反応により、あるいは溶媒の存在下または不存在下、二価フェノールと炭酸エステル化合物等のカーボネート前駆体とのエステル交換反応などによって得ることができる。
二価フェノールとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられ、好ましくは、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系化合物、特にビスフェノールAを挙げることができる。これらの二価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カルボニルエステル、またはハロホルメート等が挙げられ、例えば、ホスゲン、ジフェニルカーボネート、二価のフェノールのジハロホルメートおよびそれらの混合物を挙げることができる。
なお、ポリカーボネート系樹脂は、前記二価フェノールの1種を用いたホモポリマーであってもよく、また2種以上を用いたコポリマーであってもよい。さらに、多官能性芳香族化合物を前記二価フェノールと併用して得られる熱可塑性ランダム分岐ポリカーボネート樹脂であってもよい。さらには、各種のポリカーボネート樹脂の2種以上の混合物であってもよい。
(樹脂(C))
樹脂(C)は、好適な海島構造を形成する観点から、樹脂(C)としてはフッ素系樹脂であるのが好ましい。
フッ素系樹脂としては、分子構造中にフッ素原子が含まれていて、屈折率が1.52未満の樹脂であるのが好ましい。屈折率が1.52未満であれば、他の樹脂との共重合体であってもよい。
フッ素系樹脂としては、例えば四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂(ETFE)、ビニリデンフルオライド樹脂(PVDF)、クロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリビニルフルオライド(PVF)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン樹脂(ECTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフロロジメチルジオキソール共重合樹脂(TFE/PDD)等を挙げることができる。
中でも、フッ素系樹脂としては、低い平均屈折率を有する点、優れた延伸性を有することから、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド系樹脂、又は、エチレン−テトラフルオロエチレン系樹脂であることが好ましい。
上記樹脂(C)は、融解吸熱ピーク温度が130℃以上250℃以下である樹脂であるのが好ましい。
樹脂(C)の融解吸熱ピーク温度が130℃以上であれば、熱可塑性樹脂(B)との混練・押出の際に表面荒れが生じたり、延伸フィルムの耐熱性が低下したりするのを抑えることができるから、好ましい。延伸フィルムは、その性質上、光源周辺に配置されることが多いため、耐熱性が求められる。そのため、樹脂(C)の融解吸熱ピーク温度が130℃以上であることが好ましく、中でも好ましくは150℃以上、特に好ましくは180℃以上である。
また、樹脂(C)の融解吸熱ピーク温度が250℃以下であれば、表面荒れを抑制することができ、分散相(II)のモルフォロジーが粗雑になるのを抑制することができるため、好ましい。
かかる理由により、樹脂(C)の融解吸熱ピーク温度は、245℃以下であることが好ましく、240℃以下であることがより好ましく、235℃以下であることが特に好ましい。
樹脂(C)の融点(Tm)は、耐熱性付与の理由において、130℃〜250℃の範囲が好ましく、中でも180℃〜240℃以下の範囲が更に好ましい。
((B)(C)の含有割合)
表面反射層Yにおいて、連続相(I)を構成する熱可塑性樹脂(B)と、分散相(II)を構成する樹脂(C)との含有質量比は、(B)/(C)=90/10〜50/50であることが好ましく、中でも80/20〜55/45、その中でも75/25〜60/40であるのが特に好ましい。このような含有質量比であれば、分散相が少なくなり過ぎず、連続相と分散相との界面における散乱が小さくなり反射特性が低下するなどのおそれがないため好ましい。
なお、表面反射層Yは、熱可塑性樹脂(B)及び樹脂(C)以外の他の熱可塑性樹脂を含有しても構わない。
(その他成分)
表面反射層Yは、分散性を向上させる目的で、必要に応じて相溶化剤などの添加剤を含有してもよい。
相溶化剤としては、表面反射層Yにおける連続相及び分散相の種類に応じて慣用の相溶化剤から選択することができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、エステル系樹脂、エポキシ基を持つ樹脂、オキサゾリン環を持つ樹脂、アズラクトン基を持つ樹脂から選ばれた少なくとも1つの樹脂と、スチレン系樹脂、ポリフェニレンオキシド、ポリアミドから選ばれた少なくとも1つの樹脂とからなるブロックコポリマー、あるいはグラフトコポリマーを挙げることができる。中でも、分散性向上の点で、エポキシ基やオキサゾリン基を持つ樹脂などが特に好ましく、特にエポキシ変性のものが好ましい。
相溶化剤を添加する場合の配合割合は、熱可塑性樹脂(B)及び樹脂(C)の合計100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜15質量部、特に0.2〜10質量部、さらに好ましくは1〜10質量部とするのが好ましい。
また、前記相溶化剤以外の添加剤として、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内で、一般に樹脂組成物に配合される添加剤を適宜添加できる。前記添加剤としては、成形加工性、生産性および本延伸フィルムの諸物性を改良・調整する目的で添加される、、難燃剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、溶融粘度改良剤、架橋剤、滑剤、核剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤または着色剤などの添加剤を挙げることができる。具体的には、「プラスチックス配合剤」のP154〜P158に記載されている酸化防止剤、P178〜P182に記載されている紫外線吸収剤、P271〜P275に記載されている帯電防止剤としての界面活性剤、P283〜P294に記載されている滑剤などを挙げることができる。
(配向性又は延伸)
表面反射層Yは、少なくとも一方向に延伸され配向されたものが好ましく、中でもフィルムの流れ方向(以下、MDと表記することがある)と幅方向(以下、TDと表記することがある)の二軸方向に延伸され配向されたものがさらに好ましい。
延伸操作等により、フィルムに配向を付与させることにより、連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(B)と、分散相(II)を形成する樹脂(C)との屈折率を変化させることにより、熱可塑性樹脂(B)と樹脂(C)の屈折率差を更に増大させることが可能となる。また、前記分散相(II)の流れ方向、幅方向、および厚み方向の平均寸法を本発明の規定する範囲に調節することができ、本発明のフィルムに、より高い反射特性を付与することができる。
表面反射層Yの延伸倍率としては、フィルムの流れ方向(MD)、及び/又は、フィルムの幅方向(TD)に2〜9倍、中でも2.5倍以上或いは6.0倍以下の倍率で延伸されてなるものが好ましい。
(空隙)
表面反射層Yは、反射性能を維持する観点から、空隙を有しない層であることが好ましい。
<本延伸フィルムの形状および物性>
本延伸フィルムにおいて、中間反射層Xと表面反射層Yは共押出により積層一体化された構成であるのが特に好ましい。
この際、必要に応じて他の層Pを適宜導入してもよい。例えば、力学特性向上のため金属板と重ね合わせることができる。
例えば、Y/Xの2層構成の他にも、Y/X/P、Y/X/Y等の3層構成、Y/X/P/X、Y/X/P/Y、等の4層構成、Y/X/P/X/Y等の5層構成とすることもできる。また、積層構成とするにあたり、各層の樹脂組成に関しては同一であっても異なっていてもよい。
(厚み)
本延伸フィルムの厚みは、40μm〜1000μmであるのが好ましい。本延伸フィルムの厚みが40μm以上であれば、十分な反射率と正反射特性を得ることができ、1000μm以下であれば十分な実用面の取扱い性を有することができる。かかる観点から、本延伸フィルムの厚みは、より好ましくは50μm以上或いは800μm以下であり、さらに好ましくは60μm以上或いは400μm以下である。
(層厚み比)
本延伸フィルムの厚みに対し、前記表面反射層Yの厚みが40〜90%を占めるのが好ましく、中でも50%以上或いは80%以下、その中でも特に60%以上或いは75%以下を占めるのがさらに好ましい。
他方、中間反射層Xの厚みは、本延伸フィルムの厚みに対し10〜60%を占めるのが好ましく、中でも20%以上或いは50%以下、その中でも25%以上或いは40%以下を占めるのがさらに好ましい。
各層の厚み比が上記範囲であれば、本延伸フィルムに正反射特性と高反射率とを効率よく付与することができる。また、積層後の強度・ハンドリング性を十分に確保することができる。
(平均反射率および平均透過率)
本延伸フィルムは、測定波長400nm〜700nmの平均反射率が90%以上であることが好ましい。前記平均反射率が90%以上であることにより、フィルムの反射特性を担保することができる。かかる理由により、当該平均反射率が93%以上であることがさらに好ましく、95%以上であることが特に好ましい。このような反射性能を有するものであれば、反射材として良好な反射特性を示し、この反射材を組み込んだ液晶ディスプレイ等はその画面が十分な明るさを実現することができる。
また、本延伸フィルムは、測定波長400nm〜700nmでの透過率が当該全領域の波長にわたり5%以下であるのが好ましい。これにより、反射面の裏側の光の透過を抑制でき、光隠蔽性に優れた延伸フィルムを得ることができる。
(正反射特性)
本延伸フィルムは、正反射性を示すことが好ましい。
反射特性の評価方法としては、変角光度測定があり、例えば、フィルムの面に対して法線方向を0°とし、入射角を、−X°として、サンプルに光を入射した時、サンプルが拡散反射性を示す場合においては、その反射光は様々な角度に広がりを持って反射される。一方、サンプルが正反射性を示す場合、反射光の分布は、反射角X°をピークとした反射光分布を示す。このとき、正反射性が高い程、ピークがシャープに現れる。このとき、反射された光のピークの最大強度を100%と規格化し、横軸受光角、縦軸受光相対ピーク強度としたときの受光相対ピーク強度が1%、10%となる受光角幅が正反射特性の指標となる。
この受光相対ピーク強度10%の受光角幅は、10°以下であることが好ましい。10°以下であれば、入射角に対して、指向性の強い反射光を得ることができ、優れた正反射特性を示す。また、受光相対ピーク強度1%の受光角幅は、50°以下であることが好ましい。50°以下であれば、入射角に対して、入射した光のロスを防ぐことができ、指向性の強い反射光を得ることができ、優れた正反射特性を示す。
<本延伸フィルムの形態>
本延伸フィルムの形態は特に限定するものではなく、板状、シート状、フィルム状その他の形態であってもよい。
<本延伸フィルムの製膜方法>
本延伸フィルムの製造方法としては、特に制限されるものではなく、公知の方法を採用することができる。以下に、積層構成を備えた本延伸フィルムの製造方法について、一例を挙げて説明するが、下記製造方法に何ら限定されるものではない。
本延伸フィルムの製造方法の一例として、反射層Y形成用樹脂組成物及び反射層X形成用樹脂組成物を調製し、共押出により中間反射層X及び表面反射層Yを積層一体化した後、一軸又は二軸延伸して作製する方法を挙げることができる。
但し、かかる方法に限定するものではない。例えば、反射層Yを構成するフィルム及び反射層Xを構成するフィルムをそれぞれ作製しておき、両フィルムをラミネートして積層一体化し、一軸又は二軸延伸して作製する方法を挙げることができる。
(反射層X形成用樹脂組成物の調製)
ポリエステル系樹脂(A)に、シリカを含有する被覆層を備えた酸化チタン及びカルボジイミド、さらには必要に応じてその他添加剤を予め配合しておく。具体的には、ポリエステル系樹脂(A)に酸化チタン及びカルボジイミド、さらにその他酸化防止剤等を必要に応じて加えて、リボンブレンダー、タンブラー、ヘンシェルミキサー等で混合した後、バンバリーミキサー、1軸又は2軸押出機等を用いて、樹脂の流動開始温度以上の温度で混練することにより、反射層X形成用の樹脂組成物を得ることができる。
また、ポリエステル系樹脂(A)、酸化チタン及びカルボジイミド等を別々のフィーダー等により所定量を添加して混練することにより得ることができる。
また、ポリエステル系樹脂(A)及び酸化チタンをあらかじめ所定低濃度で混練し、その後カルボジイミドを所定量添加し、再度混練を行うことにより得ることもできる。
また、ポリエステル系樹脂(A)とその他の酸化防止剤等を予めに高濃度に配合したいわゆるマスターバッチを作っておき、このマスターバッチとポリエステル系樹脂や酸化チタン及びカルボジイミドとを混合して所望の濃度に調整することもできる。
(反射層Y形成用樹脂組成物の調製)
熱可塑性樹脂(B)及び樹脂(C)に、必要に応じて相溶化剤、酸化防止剤等を添加しシート(Y)用の樹脂組成物とする。具体的にはリボンブレンダー、タンブラー、ヘンシェルミキサー等で混合した後、バンバリーミキサー、1軸又は2軸押出機等を用いて、樹脂の流動開始温度以上の温度で混練することにより、得ることができる。
また、熱可塑性樹脂(B)及び樹脂(C)とその他の相溶化剤や酸化防止剤等を予めに高濃度に配合したいわゆるマスターバッチを作っておき、このマスターバッチと熱可塑性樹脂(B)及び樹脂(C)とを混合して所望の濃度に調整することもできる。
(共押出)
次に、このようにして得られた反射層X形成用樹脂組成物、及び、反射層Y形成用樹脂組成物を乾燥させた後、共にそれぞれ別の押出機に供給し、それぞれ所定の温度以上に加熱して溶融させる。
押出温度等の条件は、各層に用いる熱可塑性樹脂により異なるが、いずれの樹脂を用いる場合においても分解によって分子量が低下すること等を考慮して設定されることが必要である。例えば、各層において、上述の例に挙げた熱可塑性樹脂を用いる場合には、前記反射層X形成用樹脂組成物の押出温度は270℃〜290℃であることが好ましい。
その後、溶融した各樹脂組成物を2種2層用若しくは2種3層用のTダイに合流させ、Tダイのスリット状の吐出口から積層状に共押出し、冷却ロールに密着固化させてキャストシートを形成する。
(延伸)
次に、少なくとも一軸方向に延伸するのが好ましい。
延伸方向としては、MDとTDのいずれかでも、両軸でもよい。但し、本延伸フィルムの有する特性をより効果的に発現させるためには、MD及びTDの両方向に延伸し、フィルムを配向させること好ましい。延伸することにより、中間反射層Xにおいてポリエステル系樹脂(A)と酸化チタンの界面が剥離して空隙が形成され、シートの白化が進行して、フィルムの光反射性を高めることができる。
なお、MD、TD両方向にフィルムを配向させる方法としては、上述の延伸による方法以外にも、例えば、Tダイキャスト法において製膜する際に、引き取り速度(キャストロールの速度)を速くすることによってMDにドラフトをかけた後にTDに延伸する方法、インフレーション法によって製膜する際に、引き取り速度を速くすることによってMDにドラフトをかけた後にTDに延伸する方法などを例示できる。
中でも、製膜安定性や生産効率化を考慮する場合には、上述の通りTダイキャスト法によって製膜したシートを、MD、TDに二軸延伸する方法を選択することが好ましい。
このように二軸延伸することにより、例えば表面反射層Yにおいて連続相(I)中に分散相(II)をほぼ一定方向に配列させて固定させることができるため、連続相(I)と分散相(II)との屈折率差は延伸方向に大きくなるとともに、分散相(II)が延伸方向に伸長される。そのため、分散相(II)が擬似的な超多層構造を有するようになり、金属のような光沢を有する延伸フィルムを作製することができる。また、2軸延伸することによって、反射層X形成用樹脂組成物におけるポリエステル系樹脂(A)と酸化チタンとの界面の剥離面積が増大し、シートの白化がさらに進行し、その結果、フィルムの光反射性をさらに高めることができる。
また、2軸延伸するとフィルムの収縮方向の異方性が少なくなるので、フィルムに耐熱性を向上させることができ、またフィルムの機械的強度を増加させることもできる。
延伸方法は、引っ張り延伸法、ロール間延伸法、ロール圧延法、その他の方法のいずれを採用してもよい。
延伸温度は、樹脂のガラス転移温度(Tg)程度から(Tg+50℃)の範囲内の温度とするのが好ましい。延伸温度がこの範囲であれば、延伸時に破断することなく安定して延伸を行うことができる。
延伸倍率は、特に限定するものではない。例えば、MD及び/又はTDに2〜9倍好ましくはMD及び/又はTDに3〜9倍、特にMD及び/又はTDに4〜7倍とするのが好ましい。延伸倍率が、MD及び/又はTDに2倍以上であれば、表面反射層Yにおける分散相(II)が伸長し、かつ中間反射層Xにおけるポリエステル系樹脂(A)と酸化チタンとの界面の剥離面積が増大するため好ましい。また、配向が付与され、連続相(I)を形成する熱可塑性樹脂(B)と分散相を形成する樹脂(C)との屈折率差が増大し、反射率向上の効果が得られるため好ましい。一方、MD及び/又はTDの延伸倍率が9倍以下であれば、フィルムの破断を抑制できる為、好ましい。
延伸したシートは、耐熱性及び寸法安定性を付与するべく、熱処理するのが好ましい。
熱処理温度は、使用する樹脂にもよるが、上述の例に挙げた樹脂組成物を使用する場合には、120〜170℃、中でも140℃以上或いは160℃以下、その中でも130℃以上或いは150℃以下とするのがさらに好ましい。熱処理に要す処理時間は、好ましくは1秒〜5分である。
<用途>
本延伸フィルムを利用することにより、本延伸フィルムを反射材として備えてなる液晶表示装置、照明装置、装飾用物品などを構成することができる。
<用語の説明>
一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚みが極めて小さく、最大厚みが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいい(日本工業規格JISK6900)、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、一般にその厚みが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいう。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
本発明において、「主成分」と表現した場合には、特に記載しない限り、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含する。また、当該主成分の含有割合を特定するものではないが、特に記載しない限り、主成分は組成物中の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上(100%含む)を占める意を包含する。また、2種類以上の樹脂が主成分を構成する場合、各樹脂の組成物中の割合は10質量%以上、好ましくは20質量%以上、特に好ましくは30質量%以上である。
また、本発明において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
さらにまた、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。
<測定及び評価方法>
先ずは、各種物性値の測定方法及び評価方法について説明する。
(1)固有粘度:IV[dl/g]
測定試料1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(質量部)の溶媒に溶解させて濃度が0.01g/cmの溶液を調製する。この際、測定試料が酸化チタンなどのフィラーを含有する場合は、測定対象樹脂成分の濃度が0.01g/cmになるように同じ溶媒に溶解させ、遠心分離操作を行ってその上澄み液を採取して、それを測定試料として上述のように溶液を調製した。
以上のように調整した溶液で30℃における溶媒との相対粘度ηrを測定し、固有粘度:IV[dl/g]を求めた。なお、Huggins定数を0.33と仮定した。
比較例2については、測定値のばらつきが大き過ぎて、測定値を示すことができなかった。
(2)コンパウンドの安定性
押出機を用いて、ポリエステル系樹脂と酸化チタンとを混練して押出した際に、安定して押出することができた場合は「〇」と評価し、破断や著しい昇圧などが生じて安定して押出することができなかった場合は「×」と評価した。
(3)厚み
得られた延伸フィルムの全厚みについては、1/1000mmのダイヤルゲージにて、面内を不特定に5箇所測定しその平均を厚みとした。
表面反射層Y、中間反射層Xの各層厚みについては走査型電子顕微鏡(SEM)にて得られたフィルムの断面を観察し、得られた写真を用いて測定した。
(4)反射率の評価方法
分光光度計(「U―3900H」、(株)日立製作所製)に積分球を取付け、アルミナ白板を100%とした時の反射率を、波長400nm〜800nmにわたって0.5nm間隔で測定し、反射率を得た。このうち、波長425nm〜750nmにわたって0.5nm間隔で測定した測定値の平均値を平均反射率(%)とした。
比較例1、2については、連続して製膜することができなかったため、採取出来た部分について測定を行った。
得られた結果より、下記基準にて判断した。
○(good):波長425nm〜750nmの平均反射率が100.5%以上である。
×(poor):波長425nm〜750nmの平均反射率が100.5%未満である。
(5)透過率の評価方法
分光光度計(「U―3900H」、(株)日立製作所製)に積分球を取付け、波長400nm〜800nmにわたって0.5nm間隔で測定し、透過率(%)を得た。なお、測定前にアルミナ白板を標準板として校正を行った。このうち、波長425nm〜750nmにわたって0.5nm間隔で測定した測定値の平均値を平均透過率(%)とした。
比較例1、2については、連続して製膜することができなかったため、採取出来た部分について測定を行った。
得られた結果より、下記基準にて判断した。
○(good):波長425nm〜750nmの平均透過率が0.5%以下である。
×(poor):波長425nm〜750nmの平均透過率が0.5%を超える。
(6)変角光度測定
ゴニオフォトメーターGR200(村上色彩研究所製、自動変角光度測定機)を用い、フィルムの面に対して法線方向0°とし、入射角を−45°として、サンプルに光を入射し、−60°から90°の範囲でフィルムに反射された光を受光した。このとき、得られるピークの最大強度を100%と規格化し、横軸受光角、縦軸受光相対ピーク強度のグラフを作成した。得られたグラフより、受光相対ピーク強度が1%、10%となる受光角幅を算出した。この受光角幅が狭い方がより正反射性が強いことを示す。得られた結果より、下記基準にて判断した。
○(good):受光相対ピーク強度10%の受光角幅が10°以下である。
×(poor):受光相対ピーク強度10%の受光角幅が10°より大きい。
○(good):受光相対ピーク強度1%の受光角幅が60°以下である。
×(poor):受光相対ピーク強度1%の受光角幅が60°より大きい。
(7)延伸性の評価
延伸性の評価は、135℃で 縦(MD)3.5倍、横(TD)4.0倍の逐次延伸を行った際の延伸性について、下記基準で判断した。
○:連続延伸できた。
△:連続延伸できたが、明欠陥が多数みられた。
×:フィルム破断が多発し、延伸出来なかった。
(8)明欠陥の個数
延伸フィルムを30cm×30cmに切り出してバックライトつきのトレース台の上に置き、透過光をとおして観察した際に明るく見えるスポット状の欠陥(明欠陥)をカウントし、1m2あたりの個数に換算して算出した。なお、小数点以下の数値は四捨五入した。
○:明欠陥の個数が30個未満。
△:明欠陥の個数が30個以上100未満。
×:明欠陥の個数が100個以上。
<実施例1>
ポリエステル系樹脂(A)として、ジオール成分として脂環構造を有するポリエステル系樹脂(2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール34.5mol%、Tg:117℃、以下「A−1」と表記)のペレットと、酸化チタン(シリカ含量3.5%、平均粒径D50:0.31μm)と、60:40の質量割合で混合した後、混合質量100に対して0.1質量部のカルボジイミド(日清紡社製「HMV―15CA」)、270℃で加熱された二軸押出機を用いてペレット化し、反射層X形成用樹脂組成物を作製した。
熱可塑性樹脂(B)としてのポリエチレンナフタレート樹脂(平均屈折率:1.646、Tg:118℃、Tm:261℃、固有粘度0.71dl/g、質量平均分子量5万、固有複屈折率:正、以下「B−1」と表記)と、樹脂(C)としてのテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド系樹脂(平均屈折率:1.3547、Tm:223℃、以下、「C−1」と表記)とを、70:30の質量混合比で配合し、十分混合した後、290℃で加熱された二軸押出機を用いてペレット化し、反射層Y形成用樹脂組成物を作製した。
上記反射層X形成用樹脂組成物及び反射層Y形成用樹脂組成物をそれぞれ、290℃に加熱された押し出し機A、Bに供給し、各押出機において、290℃で溶融混練した後、2種3層用のTダイに合流させ、表面反射層Y/中間反射層X/表面反射層Yの3層構成になるようにシート状に押出し、ロール温度130℃のキャストロールにて冷却固化して、積層シートを得た。
得られたキャストシートを、予熱ロール、延伸ロール、冷却ロールからなる縦延伸機にて、予熱温度120℃、延伸温度143℃、冷却温度60℃にて、延伸ロール間でのロール速度差によりMDに3倍延伸した。
その後、得られた縦延伸フィルムを、予熱ゾーン、延伸ゾーン、熱処理ゾーンからなるテンターにて、予熱135℃、延伸135℃、熱処理135℃にてTDに4倍延伸して延伸フィルムを得た。予熱ゾーン、延伸ゾーン、熱処理ゾーンの通過時間はそれぞれ32秒であった。
得られた延伸フィルムの評価結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1において、カルボジイミドの添加量を0.3質量部に変更した以外、実施例1と同様に延伸フィルムを作製した。
<実施例3>
実施例1において、カルボジイミドの添加量を0.5質量部に変更した以外、実施例1と同様に延伸フィルムを作製した。
<実施例4>
実施例1において、カルボジイミドの添加量を0.7質量部に変更した以外、実施例1と同様に延伸フィルムを作製した。
<比較例1>
実施例1において、カルボジイミドを添加しなかった以外、実施例1と同様に延伸フィルムを作製した。
<比較例2>
実施例1において、カルボジイミドの添加量を1.0質量部に変更した以外、実施例1と同様に延伸フィルムを作製した。
Figure 2018176679
(考察)
上記実施例・比較例及びこれまで発明者が行ってきた試験結果から、少なくとも、ポリエステル系樹脂(A)と、シリカを含有する被覆層を備えた酸化チタンを含有する中間反射層Xと、前記ポリエステル系樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂(B)からなる連続相(I)と、これと非相溶の樹脂(C)からなる分散相(II)による海島構造を有する表面反射層Yとが積層されてなる構成を備えた延伸フィルムに関しては、中間反射層Xに存在するシリカ量に対して2〜40質量%のカルボジイミドを、中間反射層Xに含有させることにより、反射率を高めつつ、延伸フィルムに明欠陥が生じるのを抑制することができることが分かった。

Claims (4)

  1. ポリエステル系樹脂(A)と酸化チタンとカルボジイミドとを含有する中間反射層Xと、
    前記ポリエステル系樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂(B)からなる連続相(I)と、これと非相溶の樹脂(C)からなる分散相(II)とによる海島構造を有する表面反射層Yとが積層されてなる構成を備え、
    前記酸化チタンは、シリカを含有する被覆層を備えたものであり、且つ、前記カルボジイミドの中間反射層Xにおける含有量が、中間反射層Xに存在するシリカ量に対して2〜40質量%であることを特徴とする延伸フィルム。
  2. 前記酸化チタンは、1.0〜4.0質量%のシリカで被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の延伸フィルム。
  3. 中間反射層Xの樹脂成分の固有粘度(IV)が0.57〜0.80dl/gであることを特徴とする請求項1又は2に記載の延伸フィルム。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の延伸フィルムの製造方法であって、
    中間反射層Xと表面反射層Yは、共押出により積層一体化した後、一軸又は二軸延伸することを特徴とする延伸フィルムの製造方法。
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