JP2018176357A - 精密バイス用ブロック - Google Patents

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Abstract

【課題】使用時には表面の磁束密度が高くなり、ブロック本体の配置を安定化させ、不使用時には表面の磁束密度が低くなり、鉄粉、切削粉をウエスまたはエアーガンで除去可能としたこと。
【解決手段】底面強磁性体36A,36Bは、ブロック本体34内をメイン磁路とする。また、底面38側に精密バイス等の外部磁性体が接触吸引すると、磁気抵抗の大きい大気中側が低抵抗側となり、第1底面挿入孔33a及び第2底面挿入孔33bの各々に1個装着した立面強磁性体46A,46Bと連結強磁性体82が磁路となり、磁気抵抗の低い精密バイス等の外部磁性体側がメイン磁路となる。
【選択図】図6

Description

本発明は、工作機械に被加工物を正確に取付ける精密バイスに使用される精密バイス用ブロックに関するもので、特に、被加工物の工作機械で加工しても、その取付け状態が安定する精密バイス用ブロックに関するものである。
従来、被加工物を工作機械で加工する場合、工作機械のテーブル面に被加工物を取付けるとか、工作機械のテーブル上にバイスを取付けて、そのバイスに被加工物を保持させて加工するのが一般的である。また、精度を要する部品等を加工する場合には、工作機械のテーブル面に対し、被加工物を保持する平面度が確保されている精密バイスが用いられ、被加工物の角度、加工面等の精度維持が図られてきた。
例えば、図1は公知の精密バイスの斜視図で、図2はその中央の垂直断面図である。
図において、基体11の両端側に併設させられた内面を有する保持ブロック12及び保持ブロック13は、基体11及び保持ブロック12及び保持ブロック13によってバイス本体10を構成している。保持ブロック12及び保持ブロック13の内側の面は並行面となっている。また、基体11の上面は、可動壁16の底面が摺動する摺動面14となっている。その底面15側は摺動面14と並行する水平面となっている。
可動壁16は、ボールネジ18の先端に取付けられ、往復移動するように構成されている。ボールネジ18の他端は、調整摘17によって回転自在になっている。特に、調整摘17に配設されたレバー17aは、締付力を必要な場合に使用される。可動壁16を底面15より抜け止めする離脱防止片16aが往復動する移動溝19は、略T字状の可動壁16の足部に対して2本のボルト16bで固着している。可動壁16とボールネジ18との接続は、ボールネジ18の先端の溝部18aが、可動壁16の上部から打ち込まれたピン16cの先端で保持され、回動自在で離脱防止となっている。
したがって、可動壁16の隙間は殆どなく、移動溝19とボールネジ18によって移動自在となっている。よって、ボールネジ18の端部に配設された調整摘17を回転させることによって、可動壁16が移動し、バイスブロック3とバイスブロック4が被加工物5を挟持するから、その状態で精密バイスを移動させれば、その状態で複数種類の機械加工ができる。
ところが、保持ブロック13側にはバイスブロック3を、可動壁16側にはバイスブロック4を配設し、被加工物5を安定した保持状態に維持できるようにしている。例えば、図2に示すように、被加工物5の面がテーパーになっているとか、被加工物5が薄く保持できる範囲が限られている場合には、希望する立面がでない可能性がある。
図2で具体的に説明すると、被加工物5の可動壁16側の面が角度θで垂直でないとき、バイスブロック4は、ボールネジ18の締付けによって被加工物5の可動壁16側の面に密着しようとし、被加工物5とバイスブロック3及びバイスブロック4との間の立面、水平面が異なってくる。
特許文献1は、回転モーメントθを如何に少なくして加工精度を維持するかを検討し、被加工物5が小物部品であるときには、その回転モーメントθで被加工物5の加工精度が得られず、また薄板等を保持する場合には、薄板の上面には引張り力が働くとともに底面には圧縮力が働くことになり、薄板としては上に凸の曲がりが発生することになり、この状態で加工して平面が得られても精密バイスから取外した段階では、その加工面は凹面となる等の問題点を検討している。
その結果、特許文献1では、工作機械のテーブル上で被加工物5を保持する精密バイスであって、被加工物5を保持する保持ブロック13側のバイスブロック3は、保持ブロック13と被加工物5の接触面との間で平行であり、他の一方の可動壁16側のバイスブロック4の上端部は、被加工物5を保持する上端部と平行に形成されている。そして、可動壁16との接触面においてバイスブロック4にほぼ平行で、かつ可動壁16側の保持部分の上部が狭小、下部が拡大するテーパー面で接する構造としている。
一般に、上記構造によって、小物部品とか、薄板状の加工部品等を精密バイスで所定の位置に保持する方法として木槌等で叩いたりして回転モーメントθによる被加工物5の浮き上がりがなくなるようにしていた。しかし、本発明では木槌等で打つ必要はなく、可動壁16とバイスブロック4との間に設けた可動側保持ブロックのテーパーにより下方向にベクトル力が発生するから、被加工物5の浮き上がりがなくなり、よって、加工精度の維持が確保される。
このように、特許文献1は、バイスブロック3とバイスブロック4間で被加工物5を挟持できるが、ボールネジ18が締付けられることにより、例えば、被加工物5の底面が先に当接したとすると、その底面に締付けによる反力が付与される。
このとき、被加工物5が小物部品であったり、また薄板であったりした場合には、ボールネジ18の中心軸に対し、被加工物5の底面に反力が発生することになり、図2に示す回転モーメントθが働くことになる。
即ち、この回転モーメントθを如何に少なくして加工精度を維持するかが問題となるが、被加工物5が小物部品であるときには、その回転モーメントθによって被加工物5の底面が精密バイスの底面15に対し平行にならず、加工精度が得られない。また、薄板等を保持する場合には、薄板の上面には引張り力が働くとともに、その底面には圧縮力が働く。このため、薄板としては上に凸の曲がりが発生することになり、この状態で加工して平面が得られても精密バイスから取外すと、その加工面は凹面となる。
これに対して特許文献1は、可動壁16と、可動壁16側のバイスブロック4との間にテーパーを形成することによりボールネジ18の回動による圧縮力がテーパー部分で分力となり、被加工物5を精密バイスの底面15側に押し下げることになる。
可動壁16とバイスブロック4のテーパーにより下方にベクトル分力が発生することから、被加工物5の浮き上がりがなくなり、加工精度の維持が確保される。
しかし、特許文献1の技術は、テーパーが機能するように木槌等で叩くことにより修正できる被加工物5の取付状態であればよいが、被加工物5自体の面が歪んでいる場合には、バイスブロック3も、バイスブロック4もその角度に従ってしまう可能性がある。また、特定の部品の形状を整える場合には、バイスブロック3及びバイスブロック4で正確に被加工物5を挟持しないで水平、垂直がでない状態となる可能性も有る。特に、何らかの要因で、特定の箇所で接触抵抗が高くなると、そこが起点で被加工物5が保持されるようになり、結果、加工精度の維持ができなくなる。
そこで、本願発明者らは、被加工物が小さくても、薄くても、また、その被加工物の面にテーパーが付与されていても、精密バイスの保持ブロックと同様に精密バイスの保持ブロックと一体に動き、被加工物を所望の位置で垂直及び水平を正確に挟持できる精密バイス用ブロックとして、磁性体からなる金属で形成されたブロック本体の立面からの厚みδ=0.4〜1.2mmを残して穿設した第1挿入孔に、底面強磁性体を取付けた厚み0.5〜2.5mmに反磁性体または非磁性体の第1筐体を挿入し、前記第1筐体内に反磁性体または非磁性体の前記第1筐体を挿入し、前記底面強磁性体の離脱を防止する反磁性体または非磁性体からなる第1離脱防止体によって前記ブロック本体と一体に固着したものを提供した。
したがって、本発明にかかる精密バイス用ブロックは、前記底面強磁性体によって立面方向に吸引し、また、前記立面強磁性体によって前記ブロック本体の前記立面と直角の水平方向に吸引するものであるから、前記ブロック本体の垂直方向及び水平方向に移動できなくなり、安定した取付け状態が維持できる。
そして、底面強磁性体で立面にある固定ブロック側に水平方向の磁路が形成され、固定ブロックとの吸引がなされ、精密バイスの固定ブロックと一体に吸引されるから、ブロック本体が傾動することがない。同時に、立面強磁性体で底面にある基体にブロック本体の底面が垂直方向に吸引されるから、精密バイスの基体と一体に吸引され、ブロック本体が浮き上がることがない。結果的に、互いに、前記底面強磁性体と前記立面強磁性体は磁界が水平方向を軸とするものと、垂直方向を軸とするものとの両方が同時に作用し、本発明の精密バイス用ブロックは、精密バイスの一部として機能し、所望位置で被加工物の水平及び垂直を正確に挟持できる。
また、磁性体からなる金属で形成されたブロック本体の底面からの厚みδ=0.4〜1.2mmを残して穿設した第2挿入孔に、立面強磁性体を取付けた厚み0.5乃至2.5mmの反磁性体または非磁性体の第2筐体を挿入し、前記第2筐体及び前記立面強磁性体の離脱を防止する反磁性体または非磁性体からなる第2離脱防止体によって前記ブロック本体と一体化したものである。
したがって、底面強磁性体が配設されたブロック本体の立面に吸引する面側は、厚みδ=0.4〜1.2mmを残して穿設した第1挿入孔に、0.5〜2.5mmの反磁性体または非磁性体の第1筐体内に底面強磁性体を配設し、底面強磁性体の離脱を防止する反磁性体または非磁性体からなる第1離脱防止体で前記第1挿入孔に封止したものである。よって、第1挿入孔に第1筐体内に底面強磁性体を配設し、第1筐体及び第1離脱防止体を外部から圧縮力を付与することにより、前記第1挿入孔を封止すれば、強磁性体からの磁界はブロック本体中を磁路とするだけでなく、立面にある固定ブロック側にも水平方向の磁路が形成され、固定ブロックとの吸引がなされる。
同時に、立面強磁性体が配設されたブロック本体の底面に吸引する面側は、厚みδ=0.4〜1.2mmを残して穿設した第2挿入孔に、0.5〜2.5mmの反磁性体または非磁性体の第2筐体内に立面強磁性体を配設し、立面強磁性体の離脱を防止する反磁性体または非磁性体からなる第2離脱防止体で前記第2挿入孔に封止したものである。したがって、第2挿入孔に立面強磁性体を第2筐体内に入れて配設し、第2筐体及び第2離脱防止体を圧縮することにより前記第2挿入孔を封止すれば、強磁性体からの磁界はブロック本体中を磁路とするだけでなく、立面にある固定ブロック側にも第2方向の磁路が形成され基体との吸引がなされる。
また、底面強磁性体で立面にある固定ブロック側にも水平方向の磁路が形成され、固定ブロックとの吸引がなされる。同時に、立面強磁性体で底面にある基体にブロック本体の底面が垂直方向に吸引される。このとき、互いに、前記底面強磁性体と前記立面強磁性体は磁界が水平方向を軸とするものと、第2垂直方向を軸とするものとの両方が同時に形成される。しかも、厚みδ=0.4〜1.2mmの肉厚を残して前記底面強磁性体と前記立面強磁性体が配設されており、前記底面強磁性体と前記立面強磁性体は反磁性体または非磁性体で閉じられているから、ブロック本体の随所で磁界のない部位が形成され、精密バイス用ブロック自体に鉄粉が付着しても、ウエスまたはエアーで簡単に除去できる。
特開平9−108969 特願2016−107114(特許第5981064号)
ところが、ブロック本体の随所で磁界の強い部位が形成されると、特に、精密バイス用ブロックに埋設した底面強磁性体、立面強磁性体の磁極の付近は鉄粉が付着しやすい場所となる。ウエスまたはエアーで簡単に除去できる場合もあるが、底面強磁性体、立面強磁性体等の強磁性体を強くすると、ウエス、エアーで除去しても一部の鉄粉がブロック本体に残る可能性が高くなる。鉄粉が微小であっても残ると、加工品の仕上げ精度の低下となって跳ね返ってくる。
特に、発明者らは、バイスブロック3及びバイスブロック4を安定させるために精密バイス用ブロックに埋設した底面強磁性体、立面強磁性体を強くしたが、底面強磁性体、立面強磁性体を強くするに従って、鉄粉、鉄等の切削粉がウエスまたはエアーで簡単に除去できなくなる。
ブロック本体の立面及び/または底面に鉄粉、鉄等の切削粉が保持されると、加工精度が低下する。したがって、特許文献2の技術は、単純に底面強磁性体、立面強磁性体の磁界を強くしても加工精度を上げることができないことが判明した。殊に、鉄粉、切削粉の1個または数個が残ると、鉄粉、切削粉の存在が見落とされ、ブロック本体の立面または底面が確保できず、加工品の仕上げ精度が低下する要因となる。
そこで、本発明は、かかる従来の問題点を解消し、使用時には表面の磁気吸引力が強くなり、ブロック本体の配置を安定化させ、不使用時には表面の磁気吸引力が弱くなり、鉄粉、切削粉等の表面の汚れをウエスまたはエアーガンで除去可能とした精密バイス用ブロックの提供を課題とするものである。
請求項1の発明にかかる精密バイス用ブロックは、磁性体金属で形成されたブロック本体の底面からの残存厚δ=0.4〜1.2mmの範囲を残して形成してなる第1底面挿入孔及び前記第1底面挿入孔との間に水平距離を離した第2底面挿入孔と、前記第1底面挿入孔及び前記第2底面挿入孔の各々に1個挿着した底面強磁性体、及び/または、前記ブロック本体の立面からの残存厚δ=0.4〜1.2mmの範囲を残して形成してなる第1立面挿入孔及び前記第1立面挿入孔との間に水平距離を離した第2立面挿入孔と、前記第1立面挿入孔及び前記第2立面挿入孔の各々に1個挿着した立面強磁性体と、前記第1底面挿入孔と前記第2底面挿入孔を両端に配設し、及び/または、前記第1立面挿入孔と前記第2立面挿入孔を両端に配設し、前記ブロック本体の前記底面及び前記立面に平行に穿設した連結挿入孔と、前記内部挿入孔に挿入され、互いにS極とN極との向きを同一とすべく配置された連結強磁性体とを具備するものである。
請求項1において、磁性体金属で形成されたブロック本体は、鉄またはステンレス(SUS304等を除く)である。
また、上記第1底面挿入孔と第2底面挿入孔と、上記第1立面挿入孔と第2立面挿入孔は、通常、同一形状の孔で、ブロック本体の立面及び/または底面からの残存厚δ=0.4〜1.2mmの範囲を残して形成したものであり、第1底面挿入孔と第2底面挿入孔と、上記第1立面挿入孔と第2立面挿入孔との間には水平距離を離している。発明者らの実験によれば、残存厚δは、好ましくは、残存厚δ=0.4〜0.8が好適であり、残存厚δ=0.5〜0.6mmが理想的である。
但し、ブロック本体の立面(垂直面)または底面からの残存厚δが0.4mm以下であると、仕上げ加工する場合に、削りしろが確保できなくなる可能性があり、特に、削って調整する場合には、肉厚が薄くなりすぎ、特性に誤差が生ずる。そして、残存厚δが1.2mm以上となると、そのブロック本体側の磁気抵抗が低くなり、当該低い磁気抵抗が磁路となり、ブロック本体の立面の磁界がブロック本体から外に出難くなる。結果、外部から磁性体を近づけても磁路が変化し難くなる。
また、通常、前記第1底面挿入孔と前記第2底面挿入孔と、前記第1立面挿入孔と前記第2立面挿入孔との間の水平距離は5〜15cmに設定される。この水平距離は、工作機械に被加工物を正確に取付ける精密バイスの寸法サイズによって概略の値が決定されるが、前記第1底面挿入孔と前記第2底面挿入孔と、前記第1立面挿入孔と前記第2立面挿入孔の対を1または2または3個としてもよい。
なお、本発明を実施する場合の強磁性体とは、隣り合うスピンが同一の方向を向いて整列し、全体として大きな磁気モーメントを持つことができる鉄、コバルト、ニッケル、ネオジム等の物質で、外部磁場が無くても自発磁化を持つことができる材料である。非磁性体とは、強磁性体でない物質で、常磁性体、反磁性体、反強磁性体がこれに該当する。反磁性体は、磁場をかけたとき、物質が磁場の逆向きに磁化され、磁場とその勾配の積に比例する力が、磁石に反発する方向に生ずる磁性である。反磁性体の材料としては、ビスマス、炭素、銅、鉛、金、銀等である。
そして、上記底面強磁性体及び上記立面強磁性体は、全長が前記第1底面挿入孔、前記第2底面挿入孔の距離に、また、全長が前記第1立面挿入孔、前記第2立面挿入孔の距離に等しくなることを必要とするものではなく、1個以上の強磁性体と1個以上の磁性体とを直列接続したものであってもよい。何れにせよ、強磁性体と磁性体との間に間隙を介すことなく、強磁性体と磁性体とが接合吸引して直列接続されておればよい。互いにS極とN極との向きを同一とすべく環状に接合されておればよい。
更にまた、前記連結挿入孔と前記連結強磁性体は、前記内部強磁性体の長さが前記内部挿入孔の長さよりも短い場合には、磁性体を中継用として中継磁性体を接続し、当該中継磁性体と内部強磁性体との間に磁気抵抗の大きい間隙を作らなければよい。前記底面強磁性体及び前記立面強磁性体並びに内部強磁性体も同様に間隙を作らないことが必要である。S極とN極との向きを同一方向とし、その間に中継磁性体を介在しても間隙が形成されなければよい。通常、前記底面強磁性体及び前記立面強磁性体の端部が、内部強磁性体に直接または間接的に接触吸引すればよい。
特に、互いにS極とN極との向きの同一方向とは、スピンの方向が同一方向を向くものであり、底面強磁性体及び立面強磁性体並びに内部強磁性体のS極とN極が互いに吸引するように接合すればよい。即ち、前記底面強磁性体及び前記立面強磁性体が互いにS極とN極が吸引するように、その向きを同一とすべく配置された連結強磁性体は、現実には着磁が弱い強磁性体と着磁が強い強磁性体とを吸引されると、着磁が強い強磁性体が勝り、S極とS極でも吸引されるが、本願発明は、最大の吸引力が生じる吸引状態を意味する。
請求項2の発明にかかる精密バイス用ブロックは、前記第1底面挿入孔及び前記第2底面挿入孔の各々に1個挿着した底面強磁性体と、前記第1立面挿入孔及び前記第2立面挿入孔の各々に1個挿着した立面強磁性体とに共通する連結強磁性体を配設したものである。
ここで、前記第1底面挿入孔及び前記第2底面挿入孔の各々に配設した底面強磁性体と連結強磁性体により底面の磁路を形成し、また、前記第1立面挿入孔及び前記第2立面挿入孔の各々に配設した立面強磁性体と前記内部強磁性体により立面の磁路を構成する。このとき、共通の連結強磁性体を用いて底面の磁路と立面の磁路とを形成するものである。
請求項3の発明にかかる精密バイス用ブロックは、前記第1底面挿入孔及び前記第2底面挿入孔の各々に1個挿着した底面強磁性体と、または、前記第1立面挿入孔及び前記第2立面挿入孔の各々に1個挿着した立面強磁性体とに、各々独立した連結強磁性体を配設したものである。
ここで、前記第1底面挿入孔及び前記第2底面挿入孔の各々に配設した底面強磁性体とブロック本体に内蔵させた連結強磁性体により底面の磁路を形成する。または、前記第1立面挿入孔及び前記第2立面挿入孔の各々に配設した立面強磁性体とブロック本体に内蔵させた連結強磁性体により、立面の磁路を各々独立して形成する。したがって、2個の連結強磁性体は、各々底面強磁性体及び内部強磁性体または立面強磁性体と連結強磁性体とが各独立して磁気回路を構成する。
請求項4の発明にかかる精密バイス用ブロックの前記連結強磁性体は、前記連結強磁性体の両端から直角に底面強磁性体を配設し、正面視においてコ字状とすべく磁性体を配設したものである。
ここで、前記連結強磁性体の両端から直角に底面強磁性体を配設したものは、正面視において、開口が下に位置するコ字状とする磁性体を配設したものである。このとき、底面側に磁界を形成させるものである。
請求項5の発明にかかる精密バイス用ブロックの前記連結強磁性体は、前記連結強磁性体の両端から直角に立面強磁性体を配設し、平面視においてコ字状とすべく磁性体を配設したものである。
ここで、前記連結強磁性体の両端から直角に底面強磁性体を配設したものは、平面視において、開口が水平方向に位置するコ字状とする磁性体を配設したものである。このとき、立面側に磁界を形成させるものである。
請求項6の発明にかかる精密バイス用ブロックの前記連結強磁性体は、両端部側に中継磁性体及びその間の中央に連結強磁性体を配設し、かつ、反磁性体または非磁性体からなる筐体にそれらを収容したものである。
ここで、前記連結強磁性体は、内部強磁性体の両端部側に中継磁性体を配設してもよいし、2個の内部強磁性体の両端部側に3個の中継磁性体を設けても、3個の内部強磁性体の両端部側に4個の中継磁性体を設けてもよい。
請求項1の発明の精密バイス用ブロックは、磁性体金属で形成されたブロック本体の底面からの残存厚0.4〜1.2mmの範囲を残して形成してなる第1底面挿入孔及び前記第1底面挿入孔との間に水平距離を離した第2底面挿入孔と、前記第1底面挿入孔及び前記第2底面挿入孔の各々に1個挿着した底面強磁性体と、及び/または、前記ブロック本体の立面からの残存厚0.4〜1.2mmの範囲を残して形成してなる第1立面挿入孔及び前記第1立面挿入孔との間に水平距離を離した第2立面挿入孔と、前記第1立面挿入孔及び前記第2立面挿入孔の各々に1個挿着した立面強磁性体とを具備し、前記ブロック本体の前記底面及び前記立面に平行に穿設した連結挿入孔と、前記連結挿入孔に挿入され、互いにS極とN極との向きを同一とすべく配置された連結強磁性体は、前記連結強磁性体と前記底面強磁性体と前記立面強磁性体は、互いにN極とS極とが対向するようにN,S,N,S・・・と接合させ、磁極の向きを同一(スピンの方向を同一)とすべく前記ブロック本体内に配置したものである。
したがって、底面側に精密バイスの構成部品がない(大気中に浮いていると想定)場合のブロック本体に内蔵させた連結強磁性体は、前記ブロック本体内の磁性体中を磁路とし、大気中側は磁気抵抗が大きくなる。前記第1底面挿入孔及び前記第2底面挿入孔の各々に1個挿着した前記底面強磁性体に前記内部強磁性体の磁界が加わり、磁気抵抗の低い前記ブロック本体内の磁路がメイン磁路となる。同様に、前記内部強磁性体は立面側に精密バイスの構成部品がない場合には、前記ブロック本体内の磁性体中を磁路とし、磁気抵抗の大きい大気中は殆ど磁路を形成せず、前記第1立面挿入孔及び前記第2立面挿入孔の各々に1個挿着した立面強磁性体と前記内部強磁性体が磁路となり、磁気抵抗の低い前記ブロック本体内を磁束が通過する。
ところが、前記ブロック本体の前記底面側に精密バイスの外部磁性体が吸引すると、前記ブロック本体と当該磁性体が磁気抵抗の低い精密バイスの外部磁性体側が磁束のメインの通路となる。よって、前記内部強磁性体は精密バイス等の外部磁性体中を底磁気抵抗の磁路となり、磁気抵抗の大きい大気中が逆に低抵抗の磁路となり、前記第1底面挿入孔及び前記第2底面挿入孔の各々に1個挿着した底面強磁性体と前記内部強磁性体が磁路となり、磁気抵抗の低い精密バイス等の外部磁性体側がメイン磁路となる。
同様に、立面側に精密バイス等の外部磁性体が接触し、吸引した場合も、前記ブロック本体内の磁性体中を磁路としているが、磁気抵抗の大きい大気中側が低抵抗側となり、前記第1立面挿入孔及び前記第2立面挿入孔の各々に1個挿着した立面強磁性体と前記内部強磁性体が磁路となり、磁気抵抗の低い精密バイス等の外部磁性体側がメイン磁路となる。
即ち、前記内部強磁性体の両端の底面強磁性体、または、前記内部強磁性体の両端の立面強磁性体によって、ブロック本体中に何れかの磁界が形成されていても、精密バイス等の外部磁性体が接触吸引すると、両端の底面強磁性体と立面強磁性体は精密バイス等を構成する外部磁性体を通る磁路の磁気抵抗が低くなり、安定した吸引力により、前記ブロック本体は立設を維持できる。
したがって、ブロック本体が大気中にあるとき、大気中の磁気抵抗が高いから前記ブロック本体内に磁気回路が形成され、例えば、ブロック本体に切削粉等の切り屑が付着しても、それらがエアーガンまたはウエス等で一掃でき、また、ブロック本体が精密バイス等の外部磁性体に接触し、吸引すると、前記ブロック本体外の磁気回路が前記ブロック本体内の磁気回路よりも磁気抵抗が低くなり、結果的に、前記ブロック本体の底面及び立面の接合力を強くし、精密バイス等に正確に吸引され立設保持させることができる。
よって、使用時には表面の吸引力を強くし、ブロック本体の配置を安定化させ、不使用時には表面の磁界が低くなり、鉄粉、切削粉をウエスまたはエアーガンで除去可能とした精密バイス用ブロックとするものである。
請求項2の発明の精密バイス用ブロックの前記連結強磁性体は、前記第1底面挿入孔及び前記第2底面挿入孔の各々に1個挿着した底面強磁性体と、前記第1立面挿入孔及び前記第2立面挿入孔の各々に1個挿着した立面強磁性体とに共通する連結強磁性体を配設したものであるから、請求項1に記載の効果に加えて、単純な構成によって前記底面強磁性体+前記連結強磁性体+前記底面強磁性体の磁気回路と、前記内部強磁性体を共通とする前記立面強磁性体+前記連結強磁性体+前記立面強磁性体の磁気回路が形成できるので、最もシンプルな構成により、底面側または立面側の何れにも吸引力を大きくすることができる。
請求項3の発明の精密バイス用ブロックの前記連結強磁性体は、前記第1底面挿入孔及び前記第2底面挿入孔の各々に1個挿着した底面強磁性体と、前記第1立面挿入孔及び前記第2立面挿入孔の各々に1個挿着した立面強磁性体とに、各々独立した内部強磁性体を配設したものであるから、請求項1の効果に加えて、前記底面強磁性体+前記連結強磁性体+前記底面強磁性体の磁気回路と、前記立面強磁性体+前記連結強磁性体+前記立面強磁性体の磁気回路とを形成できるので、底面側または立面側の何れの吸引力をも大きくすることができる。
請求項4の発明の精密バイス用ブロックの前記連結強磁性体は、前記連結強磁性体の両端から直角に底面強磁性体を配設し、正面視においてコ字状とすべく磁性体を配設したものであるから、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の残存厚δに形成される磁路と、前記連結強磁性体の両端から直角に底面強磁性体を配設した磁路とは、底面側の残存厚δによって切替えが容易であるから、任意の残存厚δとすることができる。
請求項5の発明の精密バイス用ブロックの前記連結強磁性体は、前記連結強磁性体の両端から直角に立面強磁性体を配設し、平面視においてコ字状とすべく磁性体を配設したものであるから、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の残存厚δ=0.4〜1.2mmに形成される磁路と、前記連結強磁性体の両端から直角に底面強磁性体を配設した磁路とは、立面側の残存厚δによって切替えが容易であるから、任意の残存厚δとすることができる。
請求項6の発明の精密バイス用ブロックの前記連結強磁性体は、両端部側に中継磁性体及びその間の中央に内部強磁性体を配設し、かつ、反磁性体または非磁性体からなる筐体にそれらを収容したものであるから、請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の効果に加えて、磁束が拡大する磁束を筐体で抑えるから、中継磁性体を使用しても広がりが少なくて済む。
図1は従来の精密バイスの斜視図である。 図2は図1の中央横縦断面図である。 図3は本発明の実施の形態1の精密バイス用ブロックを用いた精密バイスの斜視図である。 図4は本発明の実施の形態1の精密バイス用ブロックを用いた精密バイスの中央横断面図である。 図5は本発明の実施の形態1の精密バイス用ブロックの底面の底面強磁性体及び内部強磁性体を示す配置図である。 図6は本発明の実施の形態1の精密バイス用ブロックで、(a)は図5の切断線A−Aによる断面図、(b)は図6の切断線B−Bによる断面図である。 図7は本発明の実施の形態1の精密バイス用ブロックの底面の吸引力を増した厚肉部を下にした斜視図である。 図8は本発明の実施の形態2の精密バイス用ブロックの立面の立面強磁性体及び内部強磁性体を示す配置図である。 図9は本発明の実施の形態2の精密バイス用ブロックで、(a)は図8の切断線C−Cによる断面図、(b)は図9の切断線D−Dによる断面図である。 図10は本発明の実施の形態3の精密バイス用ブロックの立面の立面強磁性体及び底面の底面強磁性体及び内部強磁性体を示す配置図である。 図11は本発明の実施の形態3の精密バイス用ブロックの底面及び立面の吸引力を増した厚肉部を下にした斜視図である。 図12は本発明の実施の形態3の精密バイス用ブロックで、(a)は図10の切断線E−Eによる断面図、(b)は図12の切断線F−Fによる断面図である。 図13は本発明の実施の形態3の精密バイス用ブロックで、図10の切断線E−Eによる断面に相当する図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
[実施の形態1]
まず、本発明の実施の形態1について、図3の本発明の実施の形態1の精密バイス用ブロックを用いた精密バイスの斜視図、同じく、図4の精密バイス用ブロックを用いた精密バイスの中央横断面図について説明する。
図3及び図4において、基体11の両端側に並設させられた内面を有する保持ブロック12及び保持ブロック13は、基体11及び保持ブロック12及び保持ブロック13によってバイス本体10を構成している。保持ブロック12及び保持ブロック13の内側の面は互いに並行する面となっている。また、基体11の上面は、可動壁16が摺動する摺動面14となっている。その底面15側は底面となっている。よって、摺動面14は底面15と共に底面となっている。
本実施の形態1の精密バイス用ブロックは、保持ブロック13と可動壁16に装着される。
可動壁16は、ボールネジ18の先端に取付けられ、往復移動するように構成されている。ボールネジ18の他端は、調整摘17によって回転自在になっている。特に、調整摘17のレバー17aは締付力が必要な場合に使用される。可動壁16を底面15より抜け止めする離脱防止片16aが往復動する移動溝19は、略T字状の可動壁16の足部に対して2本のボルト16bで固着している。可動壁16とボールネジ18との接続は、ボールネジ18の先端の溝部18aが、可動壁16の上部から打ち込まれたピン16cによって回動自在で、離脱防止となっている。
したがって、可動壁16は、遊び(ガタツキ)はなく、移動溝19とボールネジ18によって垂直状態で移動自在となっている。よって、ボールネジ18の端部に配設された調整摘17を回転させることによって、可動壁16が移動し、精密バイス用ブロック20が被加工物21を挟持するから、その状態で精密バイス用ブロック20を締付ければ、精密バイスの単位で移動自在な複数種類の機械加工ができる。
次に、図5乃至図7を用いて、一対の精密バイス用ブロック20について説明する。
なお、一対の精密バイス用ブロック20は、実質的に左右が区別されるものでなく下側の厚肉部32の上に位置する薄肉部39で、ブロック本体34が形成されている。厚肉部32及び薄肉部39の裏面は、磁性体からなる保持ブロック13に吸引され、面接触(接合)するブロック本体34の立面31となっている。また、底面38は立面31に対して直角な面、即ち、水平面となっている。
厚肉部32の中央付近に互いに5〜15cm間隔を設けた第1底面挿入孔33aと第2底面挿入孔33bを設けている。なお、以下の「第1底面挿入孔33a」と「第2底面挿入孔33b」及びこの種の構造と同様な関係にある「・・・a」、「・・・b」の区別は、両者間の間隔の違いのみであり、機能は同じであるから、これを区別なく「第1,第2底面挿入孔33」及び同趣旨と同様の表現とすることもある。
この第1,第2底面挿入孔33の深さの残存厚δは、ブロック本体34の立面31からの残存厚δ=0.4〜1.2mmを残して穿設したものである。この残存厚δ=0.4〜1.2mmを残して穿設するのは、磁性体から形成されたブロック本体34は、その磁性体の機械的強度から、この残存厚δに設定すれば、表面を切削加工することができるし、外力を加えて磨き加工する場合にも窪みや、突起ができない。発明者による実験では、残存厚δ=0.4mmがその最低の残存厚δであり、また、残存厚δの1.2mmはその最大の厚さであり、残存厚δ1.2mm以上の厚みに増加させると、磁気抵抗が低下し、ブロック本体34内に磁路ができてしまう。残存厚δ=1.2mm以下では、ブロック本体34の内部に磁路を形成するか、外部に磁路を形成するかの境界と思われる。
第1,第2底面挿入孔33には、厚み0.5〜2.5mmの筒体からなる銅、真鍮等の反磁性体または非磁性体からなる第1,第2筐体35に挿入された底面強磁性体36A,36Bを有する。厚み0.5〜2.5mmからなる反磁性体または非磁性体の第1,第2筐体35とは、厚みが0.5以下であると、底面強磁性体36A,36Bを巻き込むだけの材料の余裕がなく、磁気抵抗の低い回路がブロック本体34内に形成されるから、厚み0.5〜2.5mmからなる反磁性体または非磁性体の筒体が望ましい。また、厚みが0.5以下であると、底面強磁性体36A,36Bがガタツク要因になり、重心移動が生じて安定した特性が生じ難い。そこで、厚み0.5〜2.5mmの反磁性体または非磁性体の材料で底面強磁性体36A,36Bを巻き込み、押圧力を加えるだけで収まるようにした。更に、それぞれを非磁性体または反磁性体の銅、真鍮等からなる第1,第2離脱防止体37a,37bによって、底面強磁性体36A,36Bを固定している。機械的強度からして、真鍮が望ましい。第1,第2筐体35の厚み2.5mm以下は、2.5mmを超える厚みを有していると、磁路の切り替えが良好に行われなくなる。
第1,第2離脱防止体37a,37bは、その底面強磁性体36A,36B側に磁性体からなる中継磁性体40a,40bを配設し、底面強磁性体36A,36Bの面に中継磁性体40の各面が接触し、かつ、連結強磁性体82の中継磁性体81a,81bに穿設した嵌合孔86a,86bに挿入されるように組み付けている。したがって、底面強磁性体36A,36Bの上面を中継磁性体40a,40bが押圧し、更に、第1,第2離脱防止体37a,37bによって圧縮する外力によって一体に固着している。
なお、本実施の形態では第1,第2筐体35として筒体を使用したが、本発明を実施する場合には、筒体でなくて、特定の面のみを露出させ、それ以外を閉じる巻き芯であってもよい。特に、本実施の形態では、筒体に底面強磁性体36A,36Bが嵌合する商品規格があったので、それを採用している。
また、第1,第2筐体35は省略することも可能であるが、設けることにより、磁束密度の高い底面強磁性体36A,36Bの中央からの磁束の広がりが急激に広くなり、ブロック本体34の表面では磁束密度が低くなるから、第1,第2筐体35を省略するよりも条件的に有利である。
第1,第2筐体35から底面強磁性体36A,36Bの離脱を防止すべくブロック本体34と一体化した反磁性体または非磁性体からなる第1,第2離脱防止体37は、第1,第2筐体35及び底面強磁性体36A,36Bの第1,第2底面挿入孔33からの離脱の防止だけでなく、内部で接合吸引し、それらが移動することのないように一体に固着されるものである。
本発明を実施する場合の底面強磁性体36A,36Bとして、円柱状のネオジム磁石を使用した。しかし、本発明を実施する場合、底面強磁性体36A,36Bとしては、円柱状に限定されるものではなく、四角柱状、サイコロ状等を使用することもできるし、ネオジム磁石以外のKS鋼、MK鋼、フェライト磁石としてもよいし、他の磁石を用いてもよい。
このように、磁性体からなる金属で形成されたブロック本体34の立面31からの残存厚δとして穿設した第1,第2底面挿入孔33に対して、厚み0.5〜2.5mmの筒体からなる反磁性体または非磁性体の第1,第2筐体35を挿入している。厚み0.5〜2.5mmの筒体からなる第1,第2筐体35には底面強磁性体36A,36Bが挿入される。または、第1,第2筐体35で底面強磁性体36A,36Bを包み込み、それを第1,第2底面挿入孔33に挿入される。第1,第2底面挿入孔33に第1,第2筐体35及び底面強磁性体36A,36Bを挿入した後、反磁性体または非磁性体からなる第1,第2離脱防止体37を挿入してブロック本体34と一体化する。
このとき、第1,第2筐体35と第1,第2離脱防止体37が変形するが、底面強磁性体36A,36Bと連結強磁性体82との接触吸引に空気層が生じないようにする必要がある。
第1,第2底面挿入孔33に第1,第2離脱防止体37を挿入してブロック本体34と一体化するには、第1,第2底面挿入孔33に第1,第2筐体35及び第1,第2底面強磁性体36A,36Bを挿入し、次いで、第1,第2離脱防止体37を挿入して押圧力を加え、第1,第2筐体35及び第1,第2離脱防止体37を変形させて、ブロック本体34と一体化し、表面を工作機械で切削加工し、仕上げ加工をする。
特に、第1,第2離脱防止体37を詰め込む際には、第1,第2底面強磁性体36A,36Bと内部強磁性体80または中継磁性体81が面で接触するように加圧固定する。なお、内部強磁性体80と底面強磁性体36A,36Bとの接合とは、後述する中継磁性体を介在する場合には、それらの金属との接触を維持する構成としてもよい。何れにせよ、途中に空気層または真空層が形成され、磁気抵抗が高くならなければよい。
第1,第2筐体35及び第1,第2底面強磁性体36A,36Bの残存厚δの反対側は、内部強磁性体80が接触するように配設されている。即ち、連結強磁性体82は内部強磁性体80と、その両端に配設した中継磁性体81からなり、前記内部強磁性体80及びその両端に配設した中継磁性体81によって構成されている。本実施の形態のブロック本体34には、内部強磁性体80の磁極に対して吸着するように底面強磁性体36A,36Bが配設されている。
したがって、連結強磁性体82の磁極Nは底面強磁性体36Bの磁極Sに、連結強磁性体82の磁極Sは底面強磁性体36Aの磁極Nに吸引され、面接触するように接続されている。しかし、本発明を実施する場合には、1本の内部強磁性体80並びに第1,第2底面強磁性体36A,36Bを取付けた略コ字状をブロック本体34の長さ方向に2個または3個繰り返して配設することができる。
連結強磁性体82は、ブロック本体34から容易に離脱しないように、反磁性体または非磁性体または磁性体で両端を離脱防止体37cで位置決めするように配設している。ここで、離脱防止体37cは、銅、真鍮等の反磁性体または非磁性体で構成することにより、第1,第2底面強磁性体36A,36Bの磁束密度を変化させることができる。また、第1,第2離脱防止体37を磁性体で構成すると、第1,第2底面強磁性体36A,36Bの磁界が若干増加するが、ブロック本体34の左右両端に拡散する。
特に、第1,第2底面強磁性体36A,36B側の残存厚δ側に、磁性体等が配置されていると、その磁路の抵抗が低くなり、吸引力を大きくすることができる。
第1,第2底面強磁性体36A,36Bの上面と連結強磁性体82の両端は、隙間が生じると磁気抵抗が増加するので、面接触し、互いに吸着していることが必要である。そのため、連結強磁性体82は、内部強磁性体80及び中継磁性体81a及び中継磁性体81bからなり、その中央には、強磁性体からなる内部強磁性体80が配設されている。中継磁性体81aと中継磁性体81bとは、下面が第1,第2底面強磁性体36A,36Bに面接触し、吸引するように下面が切削されている。それによって、磁気抵抗を小さくしている。
なお、本実施の形態では、強磁性体からなる連結強磁性体82は、直径が中継磁性体81a,81bよりも小さくしているが、本発明を実施する場合には、連結強磁性体82が挿入できる連結挿入孔84としては、内部強磁性体80並びに中継磁性体81a及び中継磁性体81bが固定できた連結筐体83であればよい。
本実施の形態では、連結筐体83を銅、真鍮等の反磁性体または非磁性体で構成し、磁束が広がらないようにしているが、本発明を実施する場合には、磁性体でも同様な効果が得られたが、ブロック本体34と精密バイスの保持ブロック13、可動壁16に装着されるとその吸引力が若干弱くなる。
したがって、本実施の形態の精密バイス用ブロック20は、ブロック本体34が精密バイスの保持ブロック13、可動壁16に装着されていないとき、ブロック本体34の立面31からの残存厚δの範囲を残して形成してなる第1,第2底面挿入孔33との間に適当な水平距離(例えば、5〜15cm)を離し、第1,第2底面強磁性体36A,36Bが配設されているから、磁束は第1,第2底面強磁性体36A,36B側の残存厚δの範囲の磁路が形成される。このとき、ブロック本体34の立面31は残存厚δによって磁路が形成され、ブロック本体34外の磁束が弱くなり、ブロック本体34の立面31の表面に付着する鉄粉、切削粉が存在しても、エアーガン等で容易に清掃できる。
また、本実施の形態の精密バイス用ブロック20は、ブロック本体34が精密バイスの保持ブロック13、可動壁16に装着されたとき、ブロック本体34の立面31側の磁路が、装着された保持ブロック13、可動壁16側にも形成され、磁気抵抗が低下するから、ブロック本体34の立面31からの残存厚δの範囲を残して形成され、第1,第2底面強磁性体36A,36Bは、ブロック本体34外の立面31側の磁界は、残存厚δの範囲の磁束密度が高くなるから、精密バイスの保持ブロック13、可動壁16に装着されると、ブロック本体34を大きな吸引力で吸着する。
よって、使用時には表面側の残存厚δの範囲の磁束密度が高くなり、ブロック本体34の挿着状態を安定化させ、不使用時には表面の磁束密度が低くなり、鉄粉、切削粉をウエスまたはエアーガンで除去可能となる。故に、ブロック本体34の垂直方向31に移動できなくなり、切り屑がブロック本体34に付着しないから精度の良い加工が可能となる。
このとき、連結強磁性体82は、両端の側部から第1,第2底面強磁性体36A,36Bに磁束が通る。この磁束は、底面強磁性体36A,36Bの残存厚δに磁路が形成され、そこを通過することになる。また、連結強磁性体82自体は、ブロック本体34外に磁力線を漏らすことなく、ブロック本体34内に閉じられた磁束となる。また、第1,第2底面強磁性体36A,36Bと内部強磁性体80とは、残存厚δに磁路を形成するから、ブロック本体34外の磁束を少なくすることができる。
したがって、ブロック本体34が精密バイスの保持ブロック13、可動壁16に装着されていないとき、ブロック本体34の外部の精密バイスの保持ブロック13、可動壁16に装着され、そこに出る磁束密度を小さくすることができ、逆に、ブロック本体34が精密バイスの保持ブロック13、可動壁16に装着されたとき、ブロック本体34の立面31及び底面38から外部、精密バイスの保持ブロック13、可動壁16に装着され出る磁束密度は小さいが、その積分値は大きくなり、安定に保持することができる。
[実施の形態2]
次に、図8乃至図9を用いて、実施の形態2の一対の精密バイス用ブロック20について説明する。
本実施の形態の一対の精密バイス用ブロック20は、厚肉部32とその上に位置する薄肉部39で、ブロック本体34が形成されているのは実施の形態1と同じである。厚肉部32及び薄肉部39の裏面は、磁性体からなる保持ブロック13に吸引され、面接触(接合)するブロック本体34の立面31となっている。
厚肉部32の中央付近に互いに5〜15cm間隔を設けた第1,第2立面挿入孔43を設けている。この第1,第2立面挿入孔43の深さの残存厚δは、実施の形態1と同様に、ブロック本体34の立面31からの残存厚δを残して穿設する。この残存厚δを残して穿設するのは、磁性体から形成されたブロック本体34は、その磁性体の機械的強度から、この残存厚δに設定すれば、表面を切削加工することができるし、外力を加えて磨き加工する場合にも窪みや、突起ができない。発明者による実験では、残存厚δ=0.4mmがその最低の残存厚δであり、また、残存厚δの1.2mmはその最大の厚さであり、残存厚δ=1.2mm以上の厚みに増加させると、磁気抵抗が低下し、ブロック本体34内に磁路ができてしまう。残存厚δ=1.2mm以下では、ブロック本体34の内部に磁路を形成するか、外部に磁路を形成するかの境界と思われる。
第1,第2立面挿入孔43には、厚み0.5〜2.5mmの筒体からなる反磁性体または非磁性体の第1,第2立面挿入孔43に挿入された立面強磁性体46A,46Bを有する。厚み0.5〜2.5mmからなる反磁性体または非磁性体の第1,第2筐体45とは、厚みが0.5以下であると、立面強磁性体46A,46Bを巻き込むだけの材料の余裕がなく、抵抗の低い磁気回路がブロック本体34内に形成されるから、厚み0.5〜2.5mmからなる反磁性体または非磁性体の第1,第2筐体45が望ましい。また、立面強磁性体46A,46Bがガタツク要因になり、重心移動が生じて安定した特性が生じ難い。そこで、厚み0.5〜2.5mmの反磁性体または非磁性体の材料で立面強磁性体46を巻き込み、加えて、第1,第2離脱防止体47で押圧力を加えるだけで収まるようにしたものである。
更に、第1,第2離脱防止体47によって、立面強磁性体46A,46Bを固定する機械的強度からして、第1,第2筐体45の厚み2.5mmを超えると、磁束密度が高くなり、当該磁気回路の抵抗値が低すぎて、磁束の直線性が高くなり、精密バイスの保持ブロック13、可動壁16に装着されたときの磁路の切り替えが行われ難くなる。
なお、本実施の形態では第1,第2筐体45として筒体を使用したが、本発明を実施する場合には、筒体でなくて、特定の面のみを露出させ、それ以外を閉じる筐体または曲げ板であってもよい。
また、第1,第2筐体45は省略することも可能であるが、設けることにより、磁束密度の高い立面強磁性体46A,46Bの中央からの磁束の広がりが急激に広くなり、ブロック本体34の表面では磁束密度が低くなるから、第1,第2筐体45を省略するよりも条件的に有利である。
第1,第2筐体45及び立面強磁性体46A,46Bの離脱を防止すべくブロック本体34と一体化した反磁性体または非磁性体からなる第1,第2離脱防止体47は、第1,第2筐体45及び立面強磁性体46A,46Bの第1,第2立面挿入孔43からの離脱の防止だけでなく、内部で接触吸着しても、それらが移動することもないように一体に固着されるものである。
即ち、第1,第2離脱防止体47a,47bは、その立面強磁性体46A,46B側に磁性体からなる中継磁性体40a,40bを配設し、立面強磁性体46A,46Bの面に中継磁性体40の各面が接触し、かつ、連結強磁性体82の中継磁性体81a,81bに穿設した嵌合孔86a,86bに挿入されるように組み付けている。よって、立面強磁性体46A,46Bの上面を中継磁性体40a,40bが押圧し、更に、第1,第2離脱防止体47a,47bによって圧縮する外力によって一体に固着している。
このように、磁性体からなる金属で形成されたブロック本体34の立面31からの残存厚δとして穿設した第1,第2立面挿入孔43に対して、厚み0.5〜2.5mmの筒体からなる反磁性体または非磁性体の第1,第2筐体45を挿入する。厚み0.5〜2.5mmの筒体からなる第1,第2筐体45には立面強磁性体46A,46Bが挿入される。または、第1,第2筐体45で立面強磁性体46A,46Bを包み込み、それを第1,第2立面挿入孔43に挿入する。
第1,第2立面挿入孔43に第1,第2筐体45及び立面強磁性体46A,46Bを挿入した後、反磁性体または非磁性体からなる第1,第2離脱防止体47を挿入してブロック本体34と一体化する。
このとき、第1,第2離脱防止体47a,47bは、その底面強磁性体36A,36B側に磁性体からなる中継磁性体40a,40bを配設し、底面強磁性体36A,36Bの面に中継磁性体40の各面が接触し、かつ、連結強磁性体82の中継磁性体81a,81bに穿設した嵌合孔86a,86bに挿入されるように組み付けている。よって、底面強磁性体36A,36Bの上面を中継磁性体40a,40bが押圧し、更に、第1,第2離脱防止体47a,47bによって圧縮する外力によって一体に固着している。
また、第1,第2離脱防止体47a,47bは、その立面強磁性体46A,46B側に磁性体からなる中継磁性体40a,40bを配設し、立面強磁性体46A,46Bの面に中継磁性体40の各面が接触し、かつ、連結強磁性体82の中継磁性体81a,81bに穿設した嵌合孔に86a,86bに挿入されるように組み付けている。よって、底面強磁性体36A,36Bの上面を中継磁性体40a,40bが押圧し、更に、第1,第2離脱防止体47a,47bによって圧縮する外力によって一体に固着している。
即ち、第1,第2立面挿入孔43に第1,第2離脱防止体47を挿入してブロック本体34と一体化するには、第1,第2立面挿入孔43に第1,第2筐体45及び立面強磁性体46A,46Bを挿入し、次いで、第1,第2離脱防止体47を挿入して押圧力を加え、第1,第2筐体45及び第1,第2離脱防止体47を変形させて、ブロック本体34と一体化し、表面を工作機械で切削加工し、仕上げ加工をする。
第1,第2筐体45及び立面強磁性体46A,46Bの残存厚δの反対側には、第1,第2筐体45の外周まで連結強磁性体82が配設されている。各磁極は、連結強磁性体82の磁極に対して吸引するように立面強磁性体46A,46Bが配設されている。したがって、連結挿入孔84に挿入した連結筐体83内の連結強磁性体82の磁極Nは立面強磁性体46の磁極Sに、連結強磁性体82の磁極Sは立面強磁性体46A,46Bの磁極Nに吸引接続されている。
本実施の形態のブロック本体34には、1本の内部強磁性体80と、その両端に中継磁性体80a,80bを取付けた略コ字状の配設を行っている。しかし、本発明を実施する場合には、1本の内部強磁性体80並びに立面強磁性体46A,46Bを取付けた略コ字状をブロック本体34の長さ方向に2個または3個繰り返して配設することができる。
連結強磁性体82は、ブロック本体34から容易に離脱しないように、反磁性体または非磁性体または磁性体で両端を第1,第2離脱防止体47で位置決めするように配設している。ここで、第1,第2離脱防止体47は、反磁性体または非磁性体で構成することにより、立面強磁性体46A,46Bの磁界を強くすることができる。また、第1,第2離脱防止体47を磁性体で構成すると、立面強磁性体46A,46Bの磁界が若干増加するが、ブロック本体34の左右両端に拡散する。
特に、立面強磁性体46A,46B側の残存厚δに、精密バイスの保持ブロック13、可動壁16に装着され、磁性体等が配置されると、その磁路の抵抗が低くなり、保持ブロック13、可動壁16に装着され、吸引力を大きくすることができる。
立面強磁性体46A,46Bの上面と連結強磁性体82の両端は、隙間が生じると磁気抵抗が増加するので、面接触(接合)していることが必要である。そのため、連結強磁性体82は、内部強磁性体80及び中継磁性体81a及び中継磁性体81bからなり、その中央には、強磁性体からなる内部強磁性体80が配設されている。中継磁性体81aと中継磁性体81bとは、下面が立面強磁性体46A,46Bに面接触するように下平面が切削されている。それによって、磁気抵抗を小さくしている。
なお、本実施の形態では、強磁性体からなる内部強磁性体80は、直径が中継磁性体81よりも小さくしているが、本発明を実施する場合には、連結強磁性体82が挿入できる内部挿入孔84に挿入した連結筐体83内で内部強磁性体82が固定できるものであればよい。
したがって、本実施の形態の精密バイス用ブロック20は、ブロック本体34が精密バイスの保持ブロック13、可動壁16に装着されていないとき、ブロック本体34の立面31からの残存厚δの範囲を残して形成してなる第1,第2立面挿入孔43との間に適当な水平距離(例えば、5〜15cm)を離し、立面強磁性体46A,46Bが配設されているから、磁束は、立面強磁性体46A,46B側の残存厚δの範囲の磁路が形成される。このとき、ブロック本体34の立面31は残存厚δによって磁路が形成され、ブロック本体34外の磁界が弱くなり、ブロック本体34の立面31の表面に付着する鉄粉、切削粉が存在しても、エアーガン等で容易に清掃できる。
また、本実施の形態の精密バイス用ブロック20は、ブロック本体34が精密バイスの保持ブロック13、可動壁16に装着されとき、ブロック本体34の立面31側の磁路が、挿着された保持ブロック13、可動壁16側にも形成され、磁気抵抗が低下するから、ブロック本体34の立面31からの残存厚δの範囲を残して形成され、立面強磁性体46は、ブロック本体34外の立面31側の磁界は、残存厚δの範囲の磁束密度が高くなるから、精密バイスの保持ブロック13、可動壁16はブロック本体34を大きな吸引力で吸着する。
よって、使用時には表面の残存厚δの範囲の磁束密度が高くなり、ブロック本体34の挿着状態を安定化させ、不使用時には表面の磁束密度が低くなり、鉄粉、切削粉をウエスまたはエアーガンで除去可能となる。故に、ブロック本体34の垂直方向31に移動できなくなり、精度の良い加工が可能となる。
このとき、内部強磁性体80は、両端の側部から立面強磁性体46A,46Bに磁束が通る。この磁束は、立面強磁性体46A,46Bの残存厚δに磁路が形成され、そこを通過することになる。また、内部強磁性体82自体は、ブロック本体34外に磁力線を漏らすことなく、ブロック本体34内で閉じられた磁束となる。また、立面強磁性体46A,46Bと内部強磁性体80とは、残存厚δ=0.4〜1.2mmに磁路を形成するから、ブロック本体34外の磁束を少なくすることができる。
したがって、ブロック本体34が精密バイスの保持ブロック13、可動壁16に装着されていないとき、ブロック本体34の外部に出る磁束密度を小さくすることができ、逆に、ブロック本体34が精密バイスの保持ブロック13、可動壁16に装着されたとき、ブロック本体34の立面31及び底面38から外部に出る磁束は小さいが、その和は大きくなり、安定に保持することができる。
[実施の形態3]
上記実施の形態1,2では、各立面31側の磁界、底面38側の磁界について説明した。しかし、本発明を実施する場合には、各々独立した連結強磁性体82を2本以上使用してもよいが、単一の連結強磁性体82を共通として使用することもできる。
図10乃至図12において、第1,第2底面挿入孔33の深さ、第1,第2立面挿入孔43の深さは、ブロック本体34中の底面強磁性体36A,36Bの底面38からの残存厚δ、ブロック本体34中の底面強磁性体46A,46Bの立面31からの残存厚δ、言い換えれば、第1,第2底面挿入孔33の底または第1,第2立面挿入孔43の底と底面38との厚みである。
第1,第2底面挿入孔33及び第1,第2立面挿入孔43の深さには、厚み0.5〜2.5mmの筒体からなる反磁性体または非磁性体の第1,第2筐体35、第1,第2筐体45に挿入された底面強磁性体36A,36B、第1,第2筐体45に挿入された立面強磁性体46A,46Bを有する。
本実施の形態3では、第1,第2筐体35及び底面強磁性体36A,36Bの離脱を防止すべくブロック本体34と一体化した反磁性体または非磁性体からなる第1,第2離脱防止体37は、第1,第2筐体35及び立面強磁性体46A,46Bの離脱の防止だけでなく、内部でそれらが移動しないように一体に固着している。同様に、第1,第2筐体45及び立面強磁性体46A,46Bの離脱を防止すべくブロック本体34と一体化した反磁性体または非磁性体からなる第1,第2離脱防止体47は、第1,第2筐体45及び立面強磁性体46A,46Bの離脱の防止だけでなく、ブロック本体34の内部でそれらが移動することもないように、また、吸着状態を維持するように一体に固着している。
このように、磁性体からなる金属で形成されたブロック本体34の立面31からの残存厚δとして穿設した第1,第2底面挿入孔33に対して、厚み0.5〜2.5mmの筒体からなる反磁性体または非磁性体の第1,第2筐体35を挿入する。同じく、ブロック本体34の立面31からの残存厚δとして穿設した第1,第2立面挿入孔43に対して、厚み0.5〜2.5mmの筒体からなる反磁性体または非磁性体の第1,第2筐体45を挿入する。厚み0.5〜2.5mmの筒体からなる第1,第2筐体45には立面強磁性体46A,46Bが挿入され、また、第1,第2筐体35には底面強磁性体36A,36Bが挿入される。
第1,第2立面挿入孔43に第1,第2筐体45及び立面強磁性体46A,46Bを挿入した後、非磁性体からなる第1,第2離脱防止体47を挿入してブロック本体34と一体化する。第1,第2立面挿入孔43に第1,第2離脱防止体47を挿入してブロック本体34と一体化するには、第1,第2立面挿入孔43に第1,第2筐体45及び立面強磁性体46A,46Bを挿入し、次いで、第1,第2離脱防止体47を挿入して押圧力を加え、第1,第2筐体45及び第1,第2離脱防止体47を変形させて、ブロック本体34と一体化する。そして、表面を工作機械で切削加工し、仕上げ加工をする。
また、第1,第2立面挿入孔43に第1,第2筐体45及び立面強磁性体46A,46Bを挿入した後、非磁性体からなる第1,第2離脱防止体47を挿入してブロック本体34と一体化する。第1,第2立面挿入孔43に第1,第2離脱防止体47を挿入してブロック本体34と一体化するには、第1,第2立面挿入孔43に第1,第2筐体45及び立面強磁性体46A,46Bを挿入し、次いで、第1,第2離脱防止体47を挿入して押圧力を加え、第1,第2筐体45及び第1,第2離脱防止体47を変形させて、ブロック本体34と一体化し、表面を工作機械で切削加工し、仕上げ加工をする。
第1,第2筐体45及び立面強磁性体46A,46Bの残存厚δの反対側には、第1,第2筐体45の外周まで連結強磁性体82が配設されている。連結強磁性体82は、中央に内部強磁性体80が配設され、その両側に中継磁性体81a,81bが吸着され、それらが反磁性体または非磁性体からなる連結筐体83に収容され、そして、ブロック本体34の第1,第2底面挿入孔33を両端に配設し、及び第1,第2立面挿入孔43を両端に配設し、ブロック本体34の底面38及び立面31に平行な連結挿入孔84に挿入される。
このとき、中継磁性体81の2面を平面、即ち、切削面85a,85bとし、そこに底面強磁性体36A,36B及び立面強磁性体46A,46Bの端部が吸引するように接合を得る。これによって、磁気抵抗の低い結合が得られる。
中継磁性体81aと中継磁性体81bに挟まれた内部強磁性体80は、中継磁性体81aと中継磁性体81bに直角に交差する2面を切削したものであるが、内部強磁性体80も同様の径のものを直角に交差する2面を切削してもよいし、または、切削した2面により小径化した円筒とすることもできる。
何れにせよ、中継磁性体81aと中継磁性体81bに挟まれた形状の内部強磁性体80であれば、半円でも、直方体でも、四角柱、六角柱でもよい。
底面強磁性体36A,36Bと立面強磁性体46A,46Bと内部強磁性体80は、内部強磁性体80の磁極に対して互いに吸引するように立面強磁性体46A,46Bが配設されている。したがって、連結強磁性体82の磁極Nは立面強磁性体46Bの磁極Sに、立面強磁性体46Bの磁極Nは残存厚δを介して底面強磁性体36Aの磁極Sに、底面強磁性体36Aの磁極Nは連結強磁性体82の磁極Sに吸引、接続されている。また、連結強磁性体82の磁極Nは立面強磁性体46Bの磁極Sに、立面強磁性体46Aの磁極Nは残存厚δを介して立面強磁性体46Aの磁極Sに、立面強磁性体46A,46Bの磁極Nは連結強磁性体82の磁極Sに吸引、接続されている。
本実施の形態のブロック本体34には、1本の連結強磁性体82を共通とし、その両端に底面強磁性体36A及び底面強磁性体36Bを取付けた略コ字状の、第1立面挿入孔43a、第2立面挿入孔43b及び立面強磁性体46Aと立面強磁性体46Bを取付けた略コ字状の配設を行っている。また、1本の連結強磁性体82並びに立面強磁性体46A及び立面強磁性体46Bを取付けた略コ字状とし、2組を構成している。
そして、連結強磁性体82は、ブロック本体34から容易に離脱しないように、離脱防止体47cで位置決めしている。ここで、離脱防止体47cは、非磁性体または反磁性体を使用することにより、連結強磁性体82から立面強磁性体46A,46Bを通る磁束を多くすることができる。
逆に、第1,第2離脱防止体47及び第1,第2離脱防止体47を磁性体で構成すると、ブロック本体34の左右両端に拡散する磁束が現れ、特に、立面強磁性体46A,46B側の残存厚δ側に、磁性体等が配置されていると、その磁路の抵抗が低くなり吸引力を大きくすることができる。
同様に、連結強磁性体82は、両端を磁性体からなる第1離脱防止体37a及び第2離脱防止体37bと、第1離脱防止体47a及び第2離脱防止体47b、並びに離脱防止体47cで位置決めされることにより、ブロック本体34の左右両端に拡散する磁界は全体が均一化されるから、立面31及び/または底面38の残存厚δ側の磁路の抵抗の影響力が大となり、また、その吸引力を大きくすることができる。
したがって、本実施の形態の精密バイス用ブロック20は、ブロック本体34が精密バイスの保持ブロック13、可動壁16に装着されていないとき、磁束は底面強磁性体36Aから底面強磁性体36B側の残存厚δの範囲から、更に、立面強磁性体46Aから立面強磁性体46B側の残存厚δまで連結強磁性体82を通り、ブロック本体34の立面31は残存厚δ内に磁路が形成され、ブロック本体34外の磁界が弱くなり、ブロック本体34の立面31の表面に付着する鉄粉、切削粉が存在しても、エアーガン等で容易に清掃できる。
また、本実施の形態の精密バイス用ブロック20は、ブロック本体34が精密バイスの保持ブロック13、可動壁16に取付けられたとき、ブロック本体34の立面31側の磁路が、取付けられた保持ブロック13、可動壁16側の磁気抵抗が低下する。ブロック本体34の立面31及び底面38からの残存厚δの範囲を残して形成され、底面強磁性体36A,36B、立面強磁性体46A,46Bはブロック本体34外の立面31及び底面38側の磁界は、残存厚δの範囲の磁束密度が高くなるから、精密バイスの保持ブロック13、可動壁16はブロック本体34を大きな吸引力で吸着する。
よって、使用時には表面の残存厚δの範囲の磁束密度が高くなり、ブロック本体34の挿着状態を安定化させ、不使用時には表面の磁束密度が低くなり、鉄粉、切削粉をウエスまたはエアーガンで除去可能となる。故に、ブロック本体34の垂直方向31に移動できなくなり、精度の良い加工が可能となる。
このとき、連結強磁性体82は、両端の底面強磁性体36A,36Bまたは立面強磁性体46A,46Bに磁束が通り、立面強磁性体46A,46Bの残存厚δに磁路が形成され、ブロック本体34内のみで短絡回路を形成することなく、連結強磁性体82自体は、ブロック本体34外に形成された低磁気回路がメインの磁路となる。また、底面強磁性体36A,36Bまたは立面強磁性体46A,46Bと連結強磁性体82は、残存厚δを通過してブロック本体34外の磁束がメイン磁路の磁束となる。
したがって、ブロック本体34が精密バイスの保持ブロック13、可動壁16に装着されていないとき、ブロック本体34の外部に出る磁束密度を小さくすることができ、逆に、ブロック本体34が精密バイスの保持ブロック13、可動壁16に装着されたとき、ブロック本体34の立面31及び底面38から外部に出る磁束の和は大きくなり、安定に保持することができる。
図13は、上記図10乃至図12に示す実施の形態と共に使用するブロック本体34の形態である。ここで、第1,第2底面挿入孔33、第1,第2筐体35、底面強磁性体36A,36B、立面強磁性体46A,46B、第1,第2立面挿入孔43、連結強磁性体82等は上記実施の形態と相違するものではない。
本実施の形態の形態では、ブロック本体34の両端部位置に連結挿入孔84を穿設する。強磁性体からなる内部強磁性体80と中継磁性体81aと中継磁性体81b、そして、連結挿入孔84に、反磁性体または非磁性体からなる連結挿入孔84から連結筐体83が離脱しないように挿入している。
また、本実施の形態の精密バイス用ブロック20は、ブロック本体34が精密バイスの保持ブロック13、可動壁16に装着されたとき、ブロック本体34の立面31側の磁路が、装着された保持ブロック13、可動壁16側により磁気抵抗が低下するから、ブロック本体34の立面31からの残存厚δ=0.4乃至1.2mmの範囲を残して形成されているから、底面強磁性体36A,36B及び立面強磁性体46A,46Bは、ブロック本体34外の立面31側の磁界は、残存厚δ=0.4乃至1.2mmの範囲の磁束密度が高くなるから、精密バイスの保持ブロック13、可動壁16に装着され、ブロック本体34を大きな吸引力で吸着する。
したがって、使用時には表面の残存厚δ=0.4乃至1.2mmの範囲の磁束密度が高くなり、ブロック本体34の挿着状態を安定化させ、不使用時には表面の磁束密度が低くなり、鉄粉、切削粉をウエスまたはエアーガンで除去可能となる。故に、ブロック本体34の垂直方向31に移動できなくなり、精度の良い加工が可能となる。
以上のように、本実施の形態の精密バイス用ブロックは、磁性体金属で形成されたブロック本体34と、ブロック本体34の底面38からの残存厚δ=0.4乃至1.2mmの範囲を残して形成してなる第1底面挿入孔33a及び第1底面挿入孔33aとの間に水平距離を離した第2底面挿入孔33bと、第1底面挿入孔33a及び第2底面挿入孔33bの各々に1個挿着した底面強磁性体36A,36Bと、または、ブロック本体34の立面31からの残存厚δ=0.4乃至1.2mmの範囲を残して形成してなる第1立面挿入孔43a及び前記第1立面挿入孔43aとの間に水平距離を離した第2立面挿入孔43bと、前記第1立面挿入孔43a及び第2立面挿入孔43bの各々に1個挿着した立面強磁性体46A,46Bと、第1底面挿入孔33aと第2底面挿入孔33bを両端に配設し、または、第1立面挿入孔43aと第2立面挿入孔43bを両端に配設し、ブロック本体34の底面38及び立面31に平行な連結挿入孔84と、連結挿入孔84に挿入され、互いにS極とN極との向きを同一とすべく配置された連結強磁性体82とを具備する。
本実施の形態の精密バイス用ブロックは、磁性体金属で形成されたブロック本体34の底面38からの残存厚δ=0.4乃至1.2mmの範囲を残して形成してなる第1底面挿入孔33a及び第1底面挿入孔33aとの間に水平距離を離した第2底面挿入孔33bと、第1底面挿入孔33a及び第2底面挿入孔33bの各々に1個挿着した底面強磁性体36A,36Bと、または、ブロック本体34の立面31からの残存厚δ=0.4乃至1.2mmの範囲を残して形成してなる第1立面挿入孔43a及び第1立面挿入孔43aとの間に水平距離を離した第2立面挿入孔43bと、第1立面挿入孔43a及び第2立面挿入孔43bの各々に1個挿着した立面強磁性体46A,46Bとを具備し、ブロック本体34の底面38及び立面31に平行に穿設した連結挿入孔84と、連結挿入孔84に挿入され、互いにS極とN極との向きを同一とすべく配置された連結強磁性体82は、連結強磁性体82と底面強磁性体36A,36Bと立面強磁性体46A,46Bは、互いにN極とS極とが対向するようにN,S,N,S・・・と接合させ、磁極の向きを同一(スピンの方向を同一)とすべくブロック本体34内に配置したものである。
したがって、底面38側に磁性体がない(大気中に浮いていると想定した)場合の連結強磁性体82は、ブロック本体34内の磁性体中を磁路とし、大気中側は磁気抵抗が大きくなる。第1底面挿入孔33a及び第2底面挿入孔33bの各々に1個挿着した底面強磁性体36A,36Bに内部強磁性体80の磁界が加わり、磁気抵抗の低いブロック本体34内の磁路がメイン磁路となる。同様に、内部強磁性体80は立面31側に磁性体がない場合には、ブロック本体34内の磁性体中を磁路とし、磁気抵抗の大きい大気中は殆ど磁路を形成せず、第1立面挿入孔43a及び第2立面挿入孔43bの各々に1個挿着した立面強磁性体46A,46Bと内部強磁性体80が磁路となり、磁気抵抗の低い前記ブロック本体34内を磁束が通過する。
ところが、本実施の形態の精密バイス用ブロックは、精密バイスの保持ブロック13、可動壁16を装着すると、それに伴って磁気抵抗が低下するからブロック本体34と当該磁性体が磁気抵抗の低い精密バイスの外部磁性体側が磁束のメインの通路となる。よって、内部強磁性体80は精密バイスの外部磁性体中を底磁気抵抗の磁路となり、磁気抵抗の大きい大気中が逆に低抵抗の磁路となり、第1底面挿入孔33a及び第2底面挿入孔33bの各々に1個挿着した底面強磁性体36A,36Bと内部強磁性体80が磁路となり、磁気抵抗の低い精密バイスの外部磁性体側がメイン磁路となる。
同様に、立面31側に精密バイス等の外部磁性体が接触し、吸引した場合も、前記ブロック本体34内の磁性体中を磁路としているが、磁気抵抗の大きい大気中側が低抵抗側となり、第1立面挿入孔43a及び第2立面挿入孔43bの各々に1個挿着した立面強磁性体46A,46Bと内部強磁性体80が磁路となり、磁気抵抗の低い精密バイス等の外部磁性体側がメイン磁路となる。
即ち、内部強磁性体80の両端の底面強磁性体36A,36B、または、内部強磁性体80の両端の立面強磁性体46A,46Bによって、ブロック本体34中に何れかの磁界が形成されていても、精密バイス等装着されると、両端の底面強磁性体36A,36Bと立面強磁性体46A,46Bは精密バイスを構成する保持ブロック13、可動壁16を装着すると磁路の磁気抵抗が低くなり、安定した吸引力により、ブロック本体34は立設を維持できる。
したがって、ブロック本体34が精密バイスを構成する保持ブロック13、可動壁16に装着されていないとき、大気中の磁気抵抗が高いからブロック本体34内に磁気回路が形成され、例えば、ブロック本体34に切削粉等の切り屑が付着しても、それらがエアーガンまたはウエス等で一掃でき、また、ブロック本体34が精密バイスを構成する保持ブロック13、可動壁16側に吸引すると、ブロック本体34外の磁気回路がブロック本体34内の磁気回路よりも磁気抵抗が低くなり、結果的に、ブロック本体34の底面38及び立面31の吸引力を強くし、精密バイスに正確に吸引され立設保持させることができる。
よって、使用時には表面の吸引力を強くし、ブロック本体34の配置を安定化させ、不使用時には表面の磁界が低くなり、鉄粉、切削粉をウエスまたはエアーガンで除去可能とした精密バイス用ブロックとするものである。
また、他の実施の形態の精密バイス用ブロックは、磁性体金属で形成されたブロック本体34と、ブロック本体34の底面38からの残存厚δ=0.4乃至1.2mmの範囲を残して形成してなる第1底面挿入孔33a及び第1底面挿入孔33aとの間に水平距離を離した第2底面挿入孔33bと、第1底面挿入孔33a及び第2底面挿入孔33bの各々に1個挿着した底面強磁性体36A,36Bと、ブロック本体34の立面31からの残存厚δ=0.4乃至1.2mmの範囲を残して形成してなる第1立面挿入孔43a及び第1立面挿入孔43aとの間に水平距離を離した第2立面挿入孔43bと、第1立面挿入孔43a及び第2立面挿入孔43bの各々に1個挿着した立面強磁性体46A,46Bと、第1底面挿入孔33aと第2底面挿入孔33bを両端に、及び/または、第1立面挿入孔33aと第2立面挿入孔33bを両端に配設し、ブロック本体34の底面38及び立面31に平行な連結挿入孔84と、連結挿入孔84に挿入され、互いにS極とN極との向きを同一とすべく配置された連結強磁性体82とを具備する。
したがって、本実施の形態の精密バイス用ブロック20は、磁性体金属で形成されたブロック本体34の底面38からの残存厚δの範囲を残して形成してなる第1底面挿入孔33a及び第1底面挿入孔33aとの間に水平距離を離した第2底面挿入孔33bと、第1底面挿入孔33a及び第2底面挿入孔33bの各々に1個挿着した底面強磁性体36A,36Bと、ブロック本体34の立面31からの残存厚δの範囲を残して形成してなる第1立面挿入孔43a及び第1立面挿入孔43aとの間に水平距離を離した第2立面挿入孔43bと、第1立面挿入孔43a及び第2立面挿入孔43bの各々に1個挿着した立面強磁性体46A,46Bを具備し、ブロック本体34の底面38及び立面31に平行に穿設した連結挿入孔84と、連結挿入孔84に挿入され、互いにS極とN極との向きを同一とすべく配置された連結強磁性体82は、連結強磁性体82と底面強磁性体36A,36Bと立面強磁性体46A,46Bは、互いにN極とS極とが対向するようにN,S,N,S・・・と接合させ、磁極の向きを同一(スピンの方向を同一)とすべくブロック本体34内に配置したものである。
また、底面38側に磁性体がない場合、連結強磁性体82は、ブロック本体34内の磁性体中をメイン磁路とし、磁気抵抗の大きい大気中は磁束が少なくなる。第1底面挿入孔33a及び第2底面挿入孔33bの各々に1個挿着した底面強磁性体36A,36Bと内部強磁性体80が磁路となり、磁気抵抗の低いブロック本体34内がメイン磁路となる。また、連結強磁性体82は立面31側に磁性体がない場合、ブロック本体34内の磁性体中をメイン磁路とし、磁気抵抗の大きい大気中は殆ど磁路とせず、第1立面挿入孔43a及び第2立面挿入孔43bの各々に1個挿着した立面強磁性体46A,46Bと内部強磁性体80が磁路となり、磁気抵抗の低いブロック本体34内を磁束が通過する。
ところが、精密バイスの保持ブロック13、可動壁16を装着すると、ブロック本体34と当該磁性体が磁気抵抗の低い精密バイス等の外部磁性体側がメイン磁路となる。よって、連結強磁性体82は精密バイスの外部磁性体中が逆に低抵抗のメイン磁路となり、第1底面挿入孔33a及び第2底面挿入孔33bの各々に1個挿着した底面強磁性体36A,36Bと連結強磁性体82が磁路となり、磁気抵抗の低い精密バイスの外部磁性体側がメイン磁路となる。
同様に、立面31側に精密バイスの外部磁性体が接触吸引した場合も、ブロック本体内の磁性体中を磁路としているが、磁気抵抗の大きい大気中側が低抵抗側となり、第1立面挿入孔33a及び第2立面挿入孔33bの各々に1個挿着した立面強磁性体46A,46Bと内部強磁性体80が磁路となり、磁気抵抗の低い精密バイスの外部磁性体側がメイン磁路となる。
即ち、連結強磁性体80の両端の底面強磁性体36A,36Bと、連結強磁性体82の両端の立面強磁性体46A,46Bは、2個の磁界が並列的に接続されている。それらの2個の磁界の残存厚δ側は、例えば、磁束密度を上げて他極の底面強磁性体36A,36Bまたは立面強磁性体46A,46B側にメイン磁路が形成されていても、精密バイスの外部磁性体が接触吸引すると、両端の底面強磁性体36A,36Bと立面強磁性体46A,46Bは精密バイスを構成する外部磁性体を通る磁路の磁気抵抗側が低くなり、それがメイン磁路となり、安定した吸引力により、ブロック本体34は立設保持される。
したがって、ブロック本体34が大気中にあるとき、大気中の磁気抵抗が高いからブロック本体34内に磁気回路が形成され、例えば、ブロック本体34に切削粉等の切り屑が付着しても、それらがエアーガンまたはウエス等で一掃でき、また、ブロック本体34が精密バイスの外部磁性体に接触し、吸引すると、ブロック本体34外の磁気回路がブロック本体34内の磁気回路よりも磁気抵抗が低くなり、結果的に、ブロック本体34の底面38及び立面31の接合力を強くし、精密バイスに正確に吸引され立設保持させることができる。
よって、使用時には表面の吸引力を強くし、ブロック本体34の配置を安定化させ、不使用時には表面の磁界が低くなり、鉄粉、切削粉をウエスまたはエアーガンで除去可能とした精密バイス用ブロックとするものである。
本実施の形態の精密バイス用ブロック20の連結強磁性体82は、第1底面挿入孔33a及び第2底面挿入孔33bの各々に1個挿着した底面強磁性体36A,36Bと、第1立面挿入孔33a及び第2立面挿入孔33bの各々に1個挿着した立面強磁性体46A,46Bに、各々独立した内部強磁性体80を配設したものであるから、底面強磁性体36A,36B+連結強磁性体82+底面強磁性体36A,36Bの磁気回路と、立面強磁性体46A,46B+連結強磁性体82+立面強磁性体46A,46Bの磁気回路とを形成できるので、底面38側または立面31側の何れの吸引力をも大きくすることができる。
本実施の形態の精密バイス用ブロック20の連結強磁性体82は、第1底面挿入孔33a及び第2底面挿入孔33bの各々に1個挿着した底面強磁性体36A,36Bと、第1立面挿入孔43a及び第2立面挿入孔43bの各々に1個挿着した立面強磁性体46A,46Bに共通する連結強磁性体82を配設したものであるから、単純な構成によって底面強磁性体36A,36B+連結強磁性体82+底面強磁性体36A,36Bの磁気回路と、内部強磁性体80を共通とする立面強磁性体46A,46B+連結強磁性体82+立面強磁性体46A,46Bの磁気回路が形成できるので、最もシンプルな構成により、底面38側または立面31側の何れにも吸引力を大きくすることができる。
本実施の形態の精密バイス用ブロック20の連結強磁性体82は、連結強磁性体82の両端から直角に底面強磁性体36A,36Bを配設し、正面視においてコ字状とすべく磁性体を配設したものであるから、残存厚δに形成される磁路と、連結強磁性体82の両端から直角に底面強磁性体36A,36Bを配設した磁路とは、底面38側の残存厚δによって切替えが容易であるから、任意の残存厚δとすることができる。
本実施の形態の精密バイス用ブロック20の連結強磁性体82は、連結強磁性体82の両端から直角に立面強磁性体46A,46Bを配設し、平面視においてコ字状とすべく磁性体を配設したものであるから、残存厚δ=0.4〜1.2mmに形成される磁路と、連結強磁性体82の両端から直角に底面強磁性体36A,36Bを配設した磁路とは、立面側の残存厚δによって切替えが容易であるから、任意の残存厚δとすることができる。
本実施の形態の精密バイス用ブロック20の連結強磁性体82は、両端部側に中継磁性体81及びその間の中央に内部強磁性体80を配設し、かつ、反磁性体または非磁性体からなる連結筐体83にそれらを収容したものであるから、磁束が拡大する磁束を連結筐体83で抑えるから、中継磁性体81を使用しても広がりが少なくて済む。
本実施の形態の精密バイス用ブロック20の底面強磁性体36A,36B及び立面強磁性体46A,46Bは、大きさ、例えば、直径、長さを変化させることにより、希望する磁力が得られる。また、内部強磁性体80の数、中継磁性体81の数及びによっても希望する磁力が得られる。
残存厚δを0.4〜1.2mmにするのは、第1,第2筐体35で底面強磁性体36A,36B及び立面強磁性体46A,46Bの磁束の広がりを防止し、或いは底面強磁性体36A,36B及び立面強磁性体46A,46Bがショートカットしないようにしている。
そして、発明者らの実験により、底面38側または立面31側の何れにもブロック本体34に精密バイス用ブロック20の可動壁16と保持ブロック13が吸引され、被加工物5の吸引力を大きくすることができる。特に、残存厚δを0.4〜1.2mmにすると、精密バイス用ブロック20の可動壁16と保持ブロック13が吸引され、そのスイッチング動作を大きく変化させることができる。
図5乃至図7と図8乃至図10の実施の形態を同時に持つような連結強磁性体82は、第1底面挿入孔33a及び第2底面挿入孔33bの各々に1個挿着した底面強磁性体36A,36Bと、第1立面挿入孔43a及び第2立面挿入孔43bの各々に1個挿着した立面強磁性体46A,46Bに共通する連結強磁性体82を配設した構成とすることができる。
また、図11乃至図12の実施の形態のように、連結強磁性体82は、第1底面挿入孔33a及び第2底面挿入孔33bの各々に1個挿着した底面強磁性体36A,36Bと、第1立面挿入孔43a及び第2立面挿入孔43bの各々に1個挿着した立面強磁性体46A,46Bに、各々独立した連結強磁性体82を配設した構成とすることができる。
そして、本実施の形態の精密バイス用ブロック20は、立面31、底面38に密着しているので安心感が強い。本実施の形態の精密バイス用ブロック20は、立面31、底面38が共に密着して動かないから、被加工物5の取付け、取外しのとき、従来のように5mmくらいスライドするのを阻止できる。本実施の形態の精密バイス用ブロック20は立面31に密着し、しかも底面8は磁力で浮き上がりを防止いているので高い精度が維持できる。
このように、被加工物5を精密バイス用ブロック20にセットするとき、精密バイス用ブロック20が動かないので、精度よく固定できる。また、切削加工後、精密バイス用ブロック20の表面に、鉄粉、切削粉等が付着し難い。そして、加工終了後、引き続き同じ被加工物5を載せるとき浮たり、傾向いたりしない。更に、鉄粉、切削粉はエアーガンで吹けば容易に飛ぶので除去できるので掃除が容易である。
なお、第1,第2離脱防止体37(37a,37b,37c)または第1,第2離脱防止体47(47a,47b,47c)は、表面側の一部を、ブロック本体34と同一の磁性体金属で形成すると、表面から内部構造がわからなくなる。特に、外観上の違いがなく、機能のみに特徴を持たせることができる。
δ 残存厚
31 立面
33 第1,第2底面挿入孔
33a 第1底面挿入孔
33b 第2底面挿入孔
34 ブロック本体
35 第1,第2筐体
35a 第1筐体
35b 第2筐体
36A,36B 底面強磁性体
37 第1,第2離脱防止体
37a 第1離脱防止体
37b 第2離脱防止体
38 底面
40 中継磁性体
40a 中継磁性体
40b 中継磁性体
43 第1,第2立面挿入孔
43a 第1立面挿入孔
43b 第2立面挿入孔
45 第1,第2筐体
45a 第1筐体
45b 第2筐体
46A,46B 立面強磁性体
47 第1,第2離脱防止体
47a 第1離脱防止体
47b 第2離脱防止体
47c 離脱防止体
49 中継磁性体
49a 中継磁性体
49b 中継磁性体
80 内部強磁性体
81 中継磁性体
81a 中継磁性体
81b 中継磁性体
82 連結強磁性体
83 連結筐体
84 連結挿入孔

Claims (6)

  1. 磁性体金属で形成されたブロック本体と、
    前記ブロック本体の底面からの残存厚0.4乃至1.2mmの範囲を残して形成してなる第1底面挿入孔及び前記第1底面挿入孔との間に水平距離を離した第2底面挿入孔と、前記第1底面挿入孔及び前記第2底面挿入孔の各々に1個挿着した底面強磁性体と、
    及び/または、前記ブロック本体の立面からの残存厚0.4乃至1.2mmの範囲を残して形成してなる第1立面挿入孔及び前記第1立面挿入孔との間に水平距離を離した第2立面挿入孔と、前記第1立面挿入孔及び前記第2立面挿入孔の各々に1個挿着した立面強磁性体と、
    前記第1底面挿入孔と前記第2底面挿入孔を両端に配設し、及び/または、前記第1立面挿入孔と前記第2立面挿入孔を両端に配設し、前記ブロック本体の前記底面及び前記立面に平行な連結挿入孔と、
    前記連結挿入孔に挿入され、前記底面強磁性体及び前記立面強磁性体が互いにS極とN極が吸引するように、その向きを同一とすべく配置された連結強磁性体と
    を具備したことを特徴とする精密バイス用ブロック。
  2. 前記連結強磁性体は、前記第1底面挿入孔及び前記第2底面挿入孔の各々に1個挿着した底面強磁性体と、前記第1立面挿入孔及び前記第2立面挿入孔の各々に1個挿着した立面強磁性体とに共通する連結強磁性体を配設したことを特徴とする請求項1に記載の精密バイス用ブロック。
  3. 前記連結強磁性体は、前記第1底面挿入孔及び前記第2底面挿入孔の各々に1個挿着した底面強磁性体と、前記第1立面挿入孔及び前記第2立面挿入孔の各々に1個挿着した立面強磁性体とに、各々独立した連結強磁性体を配設したことを特徴とする請求項1に記載の精密バイス用ブロック。
  4. 前記連結強磁性体は、前記連結強磁性体の両端から直角に底面強磁性体を配設し、正面視においてコ字状とすべく磁性体を配設したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の精密バイス用ブロック。
  5. 前記連結強磁性体は、前記連結強磁性体の両端から直角に立面強磁性体を配設し、平面視においてコ字状とすべく磁性体を配設したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の精密バイス用ブロック。
  6. 前記連結強磁性体は、両端部側に中継磁性体及びその間の中央に1以上の内部強磁性体を配設し、かつ、反磁性体または非磁性体からなる連結筐体にそれらを収容してなることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の精密バイス用ブロック。
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