JP2018174248A - 配線基板、該配線基板を備える構造物及び配線基板の取り付け方法 - Google Patents

配線基板、該配線基板を備える構造物及び配線基板の取り付け方法 Download PDF

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Abstract

【課題】引き延ばしながら取り付け作業を行う際に回路パターンの断線を防止しやすく、電通不能となる事態を容易に回避できる配線基板を提供する。【解決手段】樹脂基板の少なくとも片面に線状の金属箔で形成された回路パターンを備える配線基板であって、前記回路パターンの一部又は全部は、前記金属箔がつづら折り状に折り畳まれることで折り返し部が複数形成された構造を有する。配線基板は、前記回路パターンと電気的に接続していない、特定形状の犠牲パターンを、回路パターンが形成されている面上又は逆側の面上に備える。【選択図】図2

Description

本発明は、配線基板及び配線基板の取り付け方法に関する。
従来、回路用の配線基板としては、ガラスエポキシ基板、ポリイミド製フレキシブルプリント基板、RFIDに代表されるカード型アンテナ基板等、種々の基板が知られており、電子部品等を形成するための構成要素として欠かすことができない部材である。これらの配線基板は、シート状等の平面形状に形成されており、例えば、筐体内に格納されるボード型又はカード型等の部材に組み込まれて使用される。
近年では、電子機器、各種機械及び各種装置等は、形状が複雑となり、また、小型化も顕著であることから、そのような多様な構造に適合できるような配線基板の開発が求められている。特に、曲面形状及び立体形状を有する部材に対しては、従来使用されていた平面形状用の配線基板を適用することが難しい。この観点から、複雑な形状に取り付けることができるような、配線基板が種々提案されている。
例えば特許文献1には、柔軟に変形可能であり、かつ擦れたとしてもフレキシブル配線板の摩耗を防止することができる信頼性の高いフレキシブル回路体が開示されている。このフレキシブル回路体は、絶縁フィルム上に配線と熱可塑性エラストマーとを備え、融点以下の温度で成形することで立体形状を形成させている。
特開2012−231018号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示の技術では、配線基板を引き延ばしながら曲面を有する立体に貼り付ける用途で使用した場合、配線基板を引き延ばしすぎて回路パターンが前触れ無く断線することがあった。曲面等を有する基材に対して配線基板を貼り付ける場合、たるみ等を防止すべくできるだけ配線基板を引き延ばすことが必要である。ところが、配線基板を引き延ばし過ぎて回路パターンが破断すると、配線基板に形成された回路パターンは電通不能となり、そのような回路パターンが取り付けられた基材は不良品として廃棄され、その結果、製品の歩留まりが低下する問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、引き延ばしながら取り付け作業を行う際に回路パターンの断線を防止しやすく、電通不能となる事態を容易に回避できる配線基板及び配線基板の取り付け方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定形状を有する犠牲パターンを設けることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、例えば、以下の項に記載の主題を包含する。
項1.樹脂基板の少なくとも片面に線状の金属箔で形成された回路パターンを備える配線基板であって、
前記回路パターンの一部又は全部は、前記金属箔がつづら折り状に折り畳まれることで折り返し部が複数形成された構造を有し、
さらに下記(1)〜(4)
(1)前記樹脂基板の前記回路パターンが形成されている面上であって、前記折り返し部の内側に、折り返し形状に沿って、前記回路パターンから離間して設けられる円弧状の金属箔で形成される犠牲パターン、
(2)前記樹脂基板の前記回路パターンが形成されている面とは逆側の面上であって、前記樹脂基板の厚み方向で前記折り返し部の内側に対応する位置に、前記折り返し部の折り返し形状に沿って設けられる円弧状の金属箔で形成される犠牲パターン、
(3)前記樹脂基板の前記回路パターンが形成されている面とは逆側の面上に、前記回路パターンを形成する金属箔の線幅よりも短い金属箔で、かつ、前記回路パターンと略同一形状に形成される犠牲パターン、及び、
(4)前記樹脂基板の前記回路パターンが形成されている面とは逆側の面上に、前記回路パターンの振幅よりも小さい振幅で金属箔がつづら折り状に折り畳まれて形成される犠牲パターン、
からなる群より選ばれる少なくとも一以上を備え、
前記犠牲パターンは前記回路パターンと電気的に接続していない、配線基板。
項2.前記金属箔が、アルミニウム箔及び銅箔の少なくとも一方を含む、項1に記載の配線基板。
項3.前記樹脂基板が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、アクリル樹脂及びポリカーボネートからなる群より選択される一種以上を含む、項1又は2に記載の配線基板。
項4.請求項1〜3のいずれか1項に記載の配線基板を備える、構造物。
項5.請求項1〜3のいずれか1項に記載の配線基板を基材に取り付ける、配線基板の取り付け方法。
本発明に係る配線基板を使用すれば、引き延ばしながら対象基材に取り付け作業を行う際に回路パターンの断線を防止しやすく、電通不能となる事態を容易に回避できる。
本発明に係る配線基板の取り付け方法は、前記配線基板を用いるので、配線基板を引き延ばしながら対象基材に取り付け作業を行う際に回路パターンの断線を防止しやすく、電通不能となる事態を容易に回避できる。
本発明の配線基板が備える回路パターンの一例を示す平面図である。 (a)は、第1実施形態の配線基板が備える回路パターン及び犠牲パターンを示す平面図であり、(b)は、第1実施形態の配線基板が備える回路パターン及び犠牲パターンの他例を示す一部の平面図である。 (a)は、第2実施形態の配線基板の犠牲パターンを示し、(b)は、第2実施形態の配線基板の回路パターンを示し、(c)は、第2実施形態の配線基板の回路パターン側からの平面図であって、逆面側に形成されている犠牲パターンを透かして示し、(d)は(c)の他例であって、一部の拡大図を示している。 (a)は、第3実施形態の配線基板の犠牲パターンを示し、(b)は、第3実施形態の配線基板の回路パターンを示し、(c)は、第3実施形態の配線基板の回路パターン側からの平面図であって、逆面側に形成されている犠牲パターンを透かして示し、(d)は(c)の一部の拡大図である。 (a)は、第4実施形態の配線基板の犠牲パターンを示し、(b)は、第4実施形態の配線基板の回路パターンを示し、(c)は、第4実施形態の配線基板の回路パターン側からの平面図であって、逆面側に形成されている犠牲パターンを透かして示し、(d)は(c)の一部の拡大図である。 第4実施形態の配線基板の他例を示し、(a)は、配線基板の犠牲パターンを示し、(b)は、配線基板の回路パターンを示し、(c)は、配線基板の回路パターン側からの平面図であって、逆面側に形成されている犠牲パターンを透かして示し、(d)は(c)の一部の拡大図である。 各実施例及び比較例で得た配線基板の層構成の概略を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の配線基板は、樹脂基板の少なくとも片面に線状の金属箔で形成された回路パターンを備える。特に、本発明の配線基板は、前記回路パターンの一部又は全部は、前記金属箔がつづら折り状に折り畳まれることで折り返し部が複数形成された構造を有し、
さらに下記(1)〜(4)からなる群より選ばれる少なくとも一以上を備え、前記犠牲パターンは前記回路パターンと電気的に接続していない。
(1)前記樹脂基板の前記回路パターンが形成されている面上であって、前記折り返し部の内側に、折り返し形状に沿って、前記回路パターンから離間して設けられる円弧状の金属箔で形成される犠牲パターン、
(2)前記樹脂基板の前記回路パターンが形成されている面とは逆側の面上であって、前記樹脂基板の厚み方向で前記折り返し部の内側に対応する位置に、前記折り返し部の折り返し形状に沿って設けられる円弧状の金属箔で形成される犠牲パターン、
(3)前記樹脂基板の前記回路パターンが形成されている面とは逆側の面上に、前記回路パターンを形成する金属箔の線幅よりも短い金属箔で、かつ、前記回路パターンと略同一形状に形成される犠牲パターン、及び、
(4)前記樹脂基板の前記回路パターンが形成されている面とは逆側の面上に、前記回路パターンの振幅よりも小さい振幅で金属箔がつづら折り状に折り畳まれて形成される犠牲パターン。
以下、前記(1)の犠牲パターンを備える配線基板を第1実施形態、前記(2)の犠牲パターンを備える配線基板を第2実施形態、前記(3)の犠牲パターンを備える配線基板を第3実施形態、及び、前記(4)の犠牲パターンを備える配線基板を第4実施形態と記載する。また、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態及び第4実施形態の配線基板をまとめて「本実施形態」の配線基板と記載する。
本実施形態の配線基板は、配線基板を引き延ばしながら対象基材に取り付け作業を行う際に回路パターンの断線によって電通不能となる事態を容易に回避できる。
<樹脂基板>
樹脂基板は、本実施形態の配線基板の基材となる材料である。樹脂基板の種類は特に限定されず、公知の配線基板に適用されている樹脂基板を広く採用することができる。樹脂基板は、絶縁性を備え、かつ、少なくとも一方向に対して伸張可能な材料で形成されていることが好ましい。特に、樹脂基板の長手方向に向かって伸張しやすいことが好ましく、この場合、本発明の効果がより発揮されやすい。
例えば、樹脂基板を形成する樹脂は、塩化ビニル、EVA、ポリエチレン、ポリプロピレン、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、イソブチエン−イソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を挙げることができる。
中でも樹脂基板を形成する樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、アクリル樹脂及びポリカーボネートからなる群より選択される一種以上を含むことが好ましく、この場合、樹脂基板は、優れた絶縁性及び伸縮性を有するので、得られる配線基板がより伸長しやすく、フレキシブル性が高まりやすい。これらの樹脂は、変性されていてもよく、他の樹脂との共重合体であってもよい。
樹脂基板は、1種の樹脂のみで形成することができ、あるいは、2種以上の樹脂で形成することもできる。樹脂基板には、必要に応じて、分散安定剤、光安定剤等の添加剤が含まれていてもよい。
樹脂基板の形状は、例えば、公知の配線基板に使用される樹脂基板と同様の形状とすることができ、長尺のシート状、長尺のフィルム状等の形状にすることができる。樹脂基板は単層及び多層のいずれでもよい。
樹脂基板は、例えば、公知の製造方法で得ることができ、また、市販の樹脂基板を採用することもできる。
樹脂基板の厚みは特に制限されず、所望の配線基板に応じて任意の厚みに設定できる。例えば、樹脂基板の厚みは30〜500μmとすることができ、この場合、強度の低下を防止しやすく、変形を抑えることができ、また、成形性も良好となりやすい。樹脂基板の厚みは、100〜300μmであることがより好ましい。
樹脂基板は、その片面または両面に粘着剤層を備えることもできる。この場合、樹脂基板と金属箔等の他の層との接着性が良好となる。
粘着剤層は、例えば、公知の配線基板で使用される粘着剤層と同様とすることができる。例えば、粘着剤層は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、塩化ビニル樹脂等で形成することができる。粘着剤層の形成方法も特に限定されず、公知の形成方法を広く採用することができる。
<回路パターン>
図1は、本実施形態の配線基板が備える回路パターン1の一例を示す平面図である。
図1に示すように、回路パターン1の一部又は全部は、前記金属箔10がつづら折り状に折り畳まれることで折り返し部15が複数形成された構造を有する。回路パターン1は、線状の金属箔10(金属箔ライン)がつづら折り状に折り畳まれて形成される。つづら折り状に折り畳まれた線状の金属箔10(金属箔ライン)は、例えば、1本の直線状の金属箔ラインで形成され得る。なお、図1では回路パターン1のみを示し、樹脂基材等の図示は省略している。
図1の破線で囲った部分が折り返し部15を示す。
回路パターン1は、例えば、長尺に形成される。長尺に形成された回路パターン1は、長手方向に向かって折り返しを複数繰り返しながら伸長しており、これにより、長手方向につづら折り状に折り畳まれた構造を有することができる。
回路パターン1は、一部だけがつづら折り状に折り畳まれた構造を有することができるし、あるいは、回路パターン1の全部がつづら折り状に折り畳まれた構造を有することができる。つまり、回路パターン1は、一端から他端の全長にわたって連続的につづら折り状に折り畳まれた構造を有する場合、及び、断片的につづら折り状に折り畳まれた構造を有する場合があり得る。
回路パターン1は、つづら折り状に折り畳まれた構造を有する限りは、折り返し部15の形状は特に限定されず、例えば、図1に示す実施形態のように、湾曲しながら折り返された構造とすることができる。また、折り返し部15は、屈曲した構造とすることもできる。このように回路パターン1は、種々のつづら折り状を形成することができ、波状、ジグザグ状、ヘアピン状等の様々な蛇行形状をとり得る。
線状の金属箔10の線幅は特に限定されない。例えば、金属箔10の線幅は、0.1mm以上、3mm以下とすることができ、この場合、配線基板を引き延ばしながら対象基材に貼り付ける際に、折り返し部15が開いてすぐに金属箔10が切断することなく配線基板を引き延ばすことができる。金属箔10の線幅は、0.5mm以上2mm以下であることが特に好ましい。
つづら折り状に折り畳まれた構造において、折り返し幅D、振幅H(いずれも図1参照)は特に限定されず、要求される回路パターン1の形状に応じて適宜選択することができる。折り返し幅Dは、金属箔10の折り返しによって対向する金属箔どうしの最大距離とすることができる。振幅Hは、回路パターン1の一つの折り返し部15の頂点を通る接線と、この折り返し部15とは逆方向側に突出する折り返し部15の頂点を通る接線との距離とみることができる。
回路パターンを形成するための金属箔の種類は特に限定されず、例えば、公知の配線基板の回路パターンを形成するための各種金属を広く採用することができる。
金属箔は、アルミニウム箔及び銅箔の少なくとも一方を含むことが好ましく、この場合、回路パターンの形成を容易に行うことができる。金属箔は、アルミニウム箔のみで形成されていてもよいし、銅箔のみで形成されていてもよい。金属箔は、アルミニウム及び銅の両方のみで形成されていてもよい。
アルミニウム箔としては、JIS(AA)で規定される1030、1N30、1050、1100、8021、8079等の軟質材又は硬質材を使用することができる。アルミニウム箔の厚みは、例えば、5〜140μmである。加工性の面から、1N30、8021、8079の軟質材で、かつ、厚さが20〜50μmであるアルミニウム箔を使用することがより好ましい。
回路パターンは、金属箔をエッチング処理することにより、所望の形状に形成することができる。エッチング処理を採用する場合、例えば、公知の配線基板の回路パターンを形成するために採用されるエッチング処理と同様の条件で行うことができる。
回路パターンは、樹脂基板の少なくとも片面に形成される。回路パターンは、樹脂基板の片面のみに形成することができるし、あるいは、第1実施形態の配線基板である場合は、樹脂基板の両面に回路パターンを形成することができる。この場合、両面いずれも回路パターンも同形状とすることができる。すなわち、前記回路パターンを形成する線幅、折り返し幅D、振幅H、回路パターンの全長等をすべて同一とすることができる。この場合において、一方の面及び他方の面に形成されたそれぞれの回路パターンは、樹脂基板の厚み方向で互いにずれることなく重なり合っていること(対向していること)が好ましい。すなわち、一方の面及び他方の面に形成されたそれぞれの回路パターンは、樹脂基板に対して面対称の関係とすることができる。
回路パターンが両面に形成されている場合は、作業者は、配線基板の表面及び裏面をいずれの面を見ながらでも、犠牲パターンの断線の有無を確認することができ、より作業を行いやすくなる。
回路パターンの樹脂基板側と逆側の面には粘着剤層が形成されていてもよい。この粘着剤層は前記同様の構成であり、また、形成方法も前記同様とすることができる。回路パターンの樹脂基板側と逆側の面に粘着剤層が形成されていることにより、配線基板を貼り付ける対象物に粘着剤が塗布されていなくても、容易に対象物に回路基板を貼り付けることができる。
<犠牲パターン>
(第1実施形態の犠牲パターン)
図2(a)は、第1実施形態の配線基板の犠牲パターンを示し、(b)は、第1実施形態の配線基板の犠牲パターンの他例を示す。図2には、回路パターン1もあわせて図示している。
なお、第1実施形態の配線基板では、犠牲パターンを「犠牲パターン21」とし、図2においても符号21を付して犠牲パターン図示している。
第1実施形態の配線基板において、犠牲パターン21は、樹脂基板の回路パターン1が形成されている面上であって、折り返し部15の内側に、折り返し形状に沿って、前記回路パターン1から離間して設けられる円弧状の金属箔で形成される。
犠牲パターン21は、樹脂基板の回路パターン1が形成されている面上に形成される。
特に、犠牲パターン21は、回路パターン1の折り返し部15の内側に形成される。折り返し部15の内側とは、例えば、図2のように折り返し部15が湾曲状であれば、湾曲した金属箔10に囲まれている領域内をいう。一つの折り返し部15あたり、一つの犠牲パターン21を形成することができる。
犠牲パターン21を形成する円弧状のR、つまり、円弧の半径は、回路パターン1の折り返し部15のRと同様にすることができる。あるいは、図2(b)の形態のように、犠牲パターン21を形成する円弧状のRは、回路パターン1の折り返し部15のRと異なっていてもよく、この場合、犠牲パターン21を形成する円弧状のRを回路パターン1の折り返し部15のRよりも大きくすることができる。
図2(a)に示す犠牲パターン21は、円弧部21aと、この両端から延伸する一対の直線部21bを有する。一方、図2(b)に示す犠牲パターン21は、円弧部のみで形成され、直線部は有していない。
犠牲パターン21は、回路パターン1から離間して設けられる。離間しているとは、犠牲パターン21が回路パターン1に接触していないことを意味する。
犠牲パターン21は、犠牲パターン21の円弧部21aと、回路パターン1の円弧部21aとが対向するように形成されていることが好ましい。
第1実施形態の配線基板を長手方向に伸張した場合、犠牲パターン21も同じ方向に伸長する。第1実施形態の配線基板では、犠牲パターン21が前述のように形成されていることで、配線基板が長手方向に伸張すると、回路パターン1の折り返し部15の内側にある犠牲パターン21の方が回路パターン1よりも先に切断される。詳述すると、配線基板が長手方向に伸張すると、回路パターン1のつづら状に折り畳まれて形成される折り返し部15が開くようにして伸張し、特に折り返し部15内側の犠牲パターン21には回路パターン1よりも強い伸張負荷がかかる。これにより、犠牲パターン21の方が回路パターン1よりも先に切断される。なお、配線基板を引き延ばして犠牲パターン21が切断されたとしても、回路パターン1が切断されない限りは電通可能である。
犠牲パターン21は、複数ある折り返し部15の全てに設けられていてもよいし、複数ある折り返し部15の一部のみに犠牲パターン21が設けられていてもよい。犠牲パターンの断線状況を確認しやすい観点から、折り返し部15の全てが犠牲パターン21を一つずつ有していることが好ましい。
犠牲パターン21は、回路パターン1よりも切断されやすい構造とすることも好ましい。例えば、犠牲パターン21を形成する金属箔の線幅を、回路パターン1を形成する金属箔の線幅よりも細くすることが挙げられる。あるいは、犠牲パターン21を形成する金属箔の厚みを、回路パターン1を形成する金属箔の厚みよりも薄くすることが挙げられる。これらの場合、犠牲パターン21が、回路パターン1よりも切断されやすいことから、配線基板の引き延ばしにより、回路パターン1が切断されるおそれをより低減することができる。
(第2実施形態の犠牲パターン)
図3(a)は、第2実施形態の配線基板の犠牲パターンを示し、(b)は、第2実施形態の配線基板の回路パターン1を示す。第2実施形態の配線基板では、樹脂基材の一方の面(以下、「第1面」と略記する)に回路パターンが、他方の面(以下、「第2面」と略記する)に犠牲パターンが形成され得る。また、図3(c)は、第2実施形態の配線基板の回路パターン1側からの平面図であって、逆面側に形成されている犠牲パターンを透かして示している。なお、図3(c)において、透かされて図示されている犠牲パターンを破線で表している。
なお、第2実施形態の配線基板では、犠牲パターンを「犠牲パターン22」とし、図3においても符号22を付して犠牲パターン図示している。
第2実施形態の配線基板において、犠牲パターン22は、樹脂基板の回路パターン1が形成されている面(第1面)とは逆側の面(第2面)上であって、前記樹脂基板の厚み方向で折り返し部15の内側に対応する位置に、折り返し部15の折り返し形状に沿って、設けられる円弧状の金属箔で形成される。犠牲パターン22は、前記樹脂基板の厚み方向で回路パターン1から離間する位置に対応する位置に設けられていることが好ましい。
第2実施形態の配線基板に形成されている犠牲パターン22は、第1実施形態の配線基板において、犠牲パターン21が第1面ではなく第2面に形成されていることを除いては、第1実施形態の犠牲パターン21と同様である。犠牲パターン22の形状及び大きさ等の形態も、犠牲パターン21と同様である。図3(a)の犠牲パターン22の形状は、図2(a)の犠牲パターン21と同様である。
図3(d)は、第2実施形態の他例を示し、配線基板の回路パターン1側からの平面図であって、逆面側に形成されている犠牲パターンを透かして示している。なお、図3(d)において、透かされて図示されている犠牲パターンを破線で表している。図3(d)の形態の犠牲パターン22の形状は、図2(b)の犠牲パターン21に対応する。
特に、第2面に形成されている犠牲パターン22は、前記樹脂基板の厚み方向で折り返し部15の内側に対応する位置に形成される。「樹脂基板の厚み方向で折り返し部15の内側に対応する位置」とは、第1面に形成されている折り返し部15を、樹脂基板の面を軸として面対称に第2面にも形成したと仮定した場合に、第2面に形成される折り返し部15の内側のことをいう。折り返し部15の内側とは、前述の通り、例えば、図3のように折り返し部15が湾曲状であれば、湾曲した金属箔10に囲まれている領域内をいう。「樹脂基板の厚み方向で回路パターン1から離間する位置に対応する位置」とは、第1面に形成されている折り返し部15を、樹脂基板の面を軸として面対称に第2面にも形成したと仮定した場合に、第2面に形成される回路パターン1から離間する位置のことをいう。一つの折り返し部15あたり、一つの犠牲パターン22を形成することができる。
第2実施形態の配線基板を長手方向に伸張した場合、第2面の犠牲パターン22も同じ方向に伸長する。第2実施形態の配線基板では、犠牲パターン22が前述のように形成されていることで、配線基板が長手方向に伸張すると、第2面の犠牲パターン22の方が第1面の回路パターン1よりも先に切断される。詳述すると、配線基板が長手方向に伸張すると、回路パターン1のつづら状に折り畳まれて形成される折り返し部15が開くようにして伸張し、特に折り返し部15内側の位置に相当する部分に形成されている犠牲パターン22には、回路パターン1よりも強い伸張負荷がかかる。これにより、犠牲パターン22の方が回路パターン1よりも先に切断される。なお、配線基板を引き延ばして犠牲パターン22が切断されたとしても、回路パターン1が切断されない限りは電通可能である。
犠牲パターン22は、複数ある折り返し部15の第2面の対応する位置全てに設けられていてもよいし、複数ある折り返し部15の対応する位置一部のみに犠牲パターン22が設けられていてもよい。犠牲パターンの断線状況を確認しやすい観点から、折り返し部15の全ての第2面の対応する位置に犠牲パターン22を一つずつ有していることが好ましい。
犠牲パターン22は、回路パターン1よりも切断されやすい構造とすることも好ましい。例えば、犠牲パターン22を形成する金属箔の線幅を、回路パターン1を形成する金属箔の線幅よりも細くすることが挙げられる。あるいは、犠牲パターン22を形成する金属箔の厚みを、回路パターン1を形成する金属箔の厚みよりも薄くすることが挙げられる。これらの場合、犠牲パターン22が、回路パターン1よりも切断されやすいことから、配線基板の引き延ばしにより、回路パターン1が切断されるおそれをより低減することができる。
(第3実施形態の犠牲パターン)
図4(a)は、第3実施形態の配線基板の犠牲パターンを示し、(b)は、第3実施形態の配線基板の回路パターン1を示す。第3実施形態の配線基板では、第1面に回路パターンが、第2面に犠牲パターンが形成され得る。また、図4(c)は、第3実施形態の配線基板の回路パターン1側からの平面図であって、逆面側に形成されている犠牲パターンを透かして示している。なお、図4(c)において、透かされて図示されている犠牲パターンを破線で表している。図4(d)は、図4(c)の一部の拡大図である。
なお、第3実施形態の配線基板では、犠牲パターンを「犠牲パターン23」とし、図4においても符号23を付して犠牲パターン図示している。
第3実施形態の配線基板において、犠牲パターン23は、樹脂基板の前記回路パターン1が形成されている面(第1面)とは逆側の面(第2面)上に、前記回路パターン1を形成する金属箔の線幅よりも短い金属箔で、かつ、前記回路パターン1と略同一形状に形成される。
犠牲パターン23は第2面上に形成され、犠牲パターン23の線幅W(図4(a)参照)が、第1面に形成されている回路パターン1の線幅よりも短く形成される。犠牲パターン23を形成する金属箔の線幅Wは、回路パターン1を形成する金属箔の線幅よりも短い限りは特に限定されず、例えば、0.1mm以上、3mm以下とすることができ0.5mm以上2mm以下であることが特に好ましい。
犠牲パターン23は、線幅が異なることを除いては、第1面に形成されている回路パターン1と同一の形状及び大きさ等にすることができる。犠牲パターン23は、本発明の効果が阻害されない限りは、回路パターン1の形状と異なっていてもよい。
犠牲パターン23が、第2面上に形成される位置は特に限定されない。例えば、第1面に形成された回路パターン1と、第2面に形成された犠牲パターン23は、樹脂基板に対して面対称の関係となる位置に形成され得る。
あるいは、第1面に形成された回路パターン1と、第2面に形成された犠牲パターン23は、樹脂基板に対して面対称の位置関係に対して長尺方向側にずれていてもよい。この場合、第1面に形成された回路パターン1と、第2面に形成された犠牲パターン23とは、樹脂基板を介して少なくとも一部又は全部が互いに重なり合っていることが好ましい。図4(c)の形態は、第1面に形成された回路パターン1と、第2面に形成された犠牲パターン23とが、樹脂基板を介して互いに重なり合っている例である。回路パターン1の折り返し部15と、犠牲パターン23との折り返し部15とが少なくとも重なり合っていることが好ましい。
第3実施形態の配線基板を長手方向に伸張した場合、犠牲パターン23も同じ方向に伸長する。第3実施形態の配線基板では、犠牲パターン23が前述のように形成されていることで、配線基板が長手方向に伸張すると、犠牲パターン23の方が回路パターン1よりも先に切断される。詳述すると、配線基板が長手方向に伸張すると、回路パターン1のつづら状に折り畳まれて形成される折り返し部15が開くようにして伸張すると共に、犠牲パターン23の折り返し部も開くようにして伸張する。このとき、犠牲パターン23は回路パターン1よりも細い線幅の金属箔で形成されていることから、回路パターン1よりも犠牲パターン23の方が伸長しやすくなり、これにより、犠牲パターン23の方が回路パターン1よりも先に切断される。なお、配線基板を引き延ばして犠牲パターン23が切断されたとしても、回路パターン1が切断されない限りは電通可能である。
(第4実施形態の犠牲パターン)
図5(a)は、第4実施形態の配線基板の犠牲パターンを示し、(b)は、第4実施形態の配線基板の回路パターン1を示す。第4実施形態の配線基板では、第1面に回路パターンが、第2面に犠牲パターンが形成され得る。また、図5(c)は、第4実施形態の配線基板の回路パターン1側からの平面図であって、逆面側に形成されている犠牲パターンを透かして示している。なお、図5(c)において、透かされて図示されている犠牲パターンを破線で表している。図5(d)は、図5(c)の一部の拡大図である。
なお、第4実施形態の配線基板では、犠牲パターンを「犠牲パターン24」とし、図5においても符号24を付して犠牲パターン図示している。
第4実施形態の配線基板において、犠牲パターン24は、樹脂基板の前記回路パターン1が形成されている面(第1面)とは逆側の面(第2面)上に、金属箔が前記回路パターン1の振幅よりも小さい振幅でつづら折り状に折り畳まれて形成される。
「回路パターン1の振幅」とは、前記振幅Hをいう。つまり、回路パターン1の一つの折り返し部15の頂点を通る接線と、この折り返し部15とは逆方向側に突出する折り返し部15の頂点を通る接線との距離とみることができる。同様に、「犠牲パターン24の振幅」とは、犠牲パターン24の折り返し部15の頂点を通る接線と、この折り返し部15とは逆方向側に突出する折り返し部15の頂点を通る接線との距離とみることができる。犠牲パターン24の振幅をLとした場合(図5(a))、L<Hとなる。
犠牲パターン24の振幅Lが回路パターン1の振幅Hと異なることを除いては、犠牲パターン24の形状及び大きさ等は、第1面に形成されている回路パターン1と同様とすることができる。犠牲パターン24は、本発明の効果が阻害されない限りは、回路パターン1の形状と異なっていてもよい。
犠牲パターン24が、第2面上に形成される位置は特に限定されない。例えば、第1面に形成された回路パターン1と、第2面に形成された犠牲パターン24は、樹脂基板に対して面対称の関係となる位置に形成され得る(図5(c)参照)。
あるいは、第1面に形成された回路パターン1と、第2面に形成された犠牲パターン24は、樹脂基板に対して面対称の位置関係に対して長手方向側にずれていてもよい。この場合、第1面に形成された回路パターン1と、第2面に形成された犠牲パターン24とは、樹脂基板を介して少なくとも一部が互いに重なり合っていることが好ましい。
図6(c)の形態が、第1面に形成された回路パターン1と、第2面に形成された犠牲パターン24とが、樹脂基板を介して長手方向にずれて互いに重なり合っている例である(尚、図6(a)は犠牲パターン24、図6(b)は回路パターン1を示す)。図6(c)において、透かされて図示されている犠牲パターンを破線で表している。図6(d)は図6(c)の拡大図である。この形態のように、回路パターン1の折り返し部15と犠牲パターン24の折り返し部15とが少なくとも重なり合っていることが特に好ましい。
第4実施形態の配線基板を長手方向に伸張した場合、犠牲パターン24も同じ方向に伸長する。第4実施形態の配線基板では、犠牲パターン24が前述のように形成されていることで、配線基板が長手方向に伸張すると、犠牲パターン24の方が回路パターン1よりも先に切断される。詳述すると、配線基板が長手方向に伸張すると、回路パターン1のつづら状に折り畳まれて形成される折り返し部15が開くようにして伸張すると共に、犠牲パターン24の折り返し部も開くようにして伸張する。このとき、犠牲パターン24は回路パターン1よりも振幅が小さいことから、回路パターン1よりも犠牲パターン24の方が伸長しやすくなり、これにより、犠牲パターン24の方が回路パターン1よりも先に切断される。なお、配線基板を引き延ばして犠牲パターン24が切断されたとしても、回路パターン1が切断されない限りは電通可能である。
(第1〜第4実施形態の犠牲パターン)
犠牲パターンは、回路パターンと同様、金属箔をエッチング処理することにより、所望の形状に形成することができる。エッチング処理を採用する場合、例えば、公知の配線基板の回路パターンを形成するために採用されるエッチング処理と同様の条件で行うことができる。
犠牲パターンを形成するための金属箔の種類は特に限定されず、例えば、公知の配線基板の回路パターンを形成するための各種金属を広く採用することができる。特に本実施形態の配線基板では、回路パターンを形成する金属箔と同一の金属箔で形成することが好ましい。
本実施形態の配線基板において、犠牲パターンは回路パターンと電気的に接続していない。具体的には、配線基板を伸長する前において、回路パターンと犠牲パターンとは電気的に接続されておらず、両者の電通ができない状態である。
本実施形態の配線基板を引き延ばしながら対象基材に取り付けるにあたっては、犠牲パターンを目視確認しつつ、この断線の有無を指標として配線基板の引き延ばしの加減を調節することができる。つまり、本実施形態の配線基板を引き延ばして対象基材に取り付ける場合、引き延ばしによって犠牲パターンが切断すると、さらにそれ以上引き延ばせば回路パターンも切断されるおそれがあるので、犠牲パターンの切断の有無を、配線基板の引き延ばしの限度の一つの目安とすることができる。
本実施形態の配線基板を使用すれば、配線基板を引き延ばしながら基材に取り付けるにあたり、回路パターンを電通不能とさせることなく、基材に取り付けることが容易となる。しかも、犠牲パターンの切断の有無を視認しながら配線基板を引き延ばすので、配線基板を最大限引き延ばし状態で基材に取り付けることもでき、より配線基板を基材に密着させることができる。このように本実施形態の配線基板を使用すれば、引き延ばしながら対象基材に取り付け作業を行う際に回路パターンの断線によって電通不能となる事態を容易に回避でき、製品の歩留まりの低下を抑えやすい。
配線基板を対象基材に取り付けた状態において、犠牲パターンが切断されている状態であっても、回路パターンが切断されていない限りは、電通可能である。
第1〜第4実施形態の配線基板において、犠牲パターンは、他の実施形態の犠牲パターン一以上を組み合わせて採用することもできる。配線基板の製造を容易にするという観点からは、第1〜第4実施形態の配線基板において、それぞれの形態の犠牲パターンのみを有していることが好ましい。
また、犠牲パターンは単線とすることができ、必要に応じて、複数の線とすることもできる。
<セパレータ>
配線基板は、樹脂基板上に前記回路パターンを有する限りは、その他の構成は限定されず、例えば、公知の配線基板と同様の構成とすることができる。例えば、配線基板は、樹脂基板又は回路パターンに粘着剤層が形成されている場合、この粘着剤層を保護するセパレータを有することもできる。
セパレータとしては、例えば、剥離可能なシート、フィルム等を採用でき、例えば、公知のセパレータを広く使用できる。セパレータとしては、紙、PET、アルミニウム箔等が例示される。
セパレータは、配線基板を対象基材に取り付ける際に除去されるものである。
<配線基板>
本発明の配線基板は、例えば、第1実施形態の犠牲パターン21を有する配線基板である場合、前記樹脂基材、前記粘着剤層及び、前記回路パターンがこの順に積層されて形成され得る。回路パターン側形成されている面には、犠牲パターン21も形成される。
第2〜第4実施形態の犠牲パターンを有する配線基板である場合、前記樹脂基材、前記粘着剤層及び、前記回路パターンがこの順に積層され、さらに回路パターンの樹脂基材側とは逆側の面には、犠牲パターンが形成される。樹脂基材と、犠牲パターンとの間には粘着剤層が形成されていてもよい。
本実施形態の配線基板は、回路パターン上に粘着剤層を介してセパレータが積層され得る。また、本実施形態の配線基板は、犠牲パターン上に粘着剤層を介してセパレータが積層され得る。
また、本発明の配線基板は、例えば、前記樹脂基材、前記粘着剤層及び、前記回路パターンがこの順に積層されて形成され、さらに回路パターンの樹脂基材側とは逆側の面には、粘着剤層を介してセパレータを備えることができ、この場合において、樹脂基材の回路パターン側とは逆側の面にはさらに、粘着剤層を備えることができる。
配線基板が、両面に回路パターンを備える場合は、例えば、前記樹脂基材、前記粘着剤層及び、第1回路パターンがこの順に積層されて形成され、さらに樹脂基材の前記第1回路パターンとは逆側の面には、粘着剤層を介して第2回路パターンが形成され、第2回路パターンの前記樹脂基材とは逆側の面には、粘着剤層を介してセパレータを備えることができる。
本発明の配線基板は、長尺のシート状等の形状に形成され得る。配線基板は、長手方向に伸張可能となっており、配線基板を長手方向に引き延ばしつつ、対象基材に取り付けることができる。この場合、粘着剤層側が対象基材と接着するように配線基板を引き延ばしながら貼り合わせることができる。配線基板を長手方向に引き延ばすにあたっては、配線基板を加温させることもできる。
配線基板は、前記構造を有する回路パターンを備えることから、回路パターンの本線を切断させずに対象基材に取り付けることが容易である。
配線基板を製造する方法は特に限定されず、例えば、公知の配線基板の製造方法を広く採用することができる。例えば、第1実施形態の犠牲パターン21を有する配線基板である場合、樹脂基材上に粘着剤層を形成し、粘着剤層上に金属箔を形成する。その後、金属箔をエッチング処理することで、所望の形状の金属箔が形成され、回路パターン及び犠牲パターンが形成され得る。樹脂基材上に金属箔を形成する方法としては、例えば、公知のヒートラミネート法、真空ラミネート法等を採用できる。また、第2〜代4実施形態の犠牲パターン21を有する配線基板である場合、樹脂基材の両面上に粘着剤層を形成し、それぞれの粘着剤層上に金属箔を形成する。その後、一方の面の金属箔をエッチング処理することで回路パターンが、他方の面の金属箔をエッチング処理することで犠牲パターンが所望の形状に形成され得る。
配線基板は、種々の形状の対象基材に取り付けることができ、特に、曲面形状を有する基材、立体形状を有する基材等、複雑な形状を有する基材に対して取り付けても、回路パターンの本線が断線して、回路パターンが電通不能となる事態を抑止できる。しかも、配線基板をできる限り強く引き延ばしながら対象基材に貼り合わせることができるので、より密着させることができる。
そのため、本発明の配線基板を備える構造物は、電通不能が生じにくく、また、配線基板が貼り合わせられた後も回路パターンの断線が起こりにくいことから、長期間にわたって安定な性能を維持できる。
本発明の配線基板を対象基材に取り付ける方法では、例えば、犠牲パターンが断線し、かつ、本線(回路パターン)が断線しないように配線基板を長手方向に伸長した状態で、配線基板を対象基材に取り付ける。これにより、配線基板を取り付け時に、回路パターンの本線を断線させずに、作業者が容易に配線基板を対象基材に取り付けることができる。
本発明の配線基板は、例えば、自動車等のハンドル部材、ロボット等の構成部材、その他フレキシブル基材等、種々の基材に対して好適に使用することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の態様に限定されるものではない。
(実施例1)
樹脂基材(EPDM、クレハエラストマー社製)の両面に粘着剤(PC18、株式会社リーダー製)を介して厚みが30μmである長尺のアルミニウム箔(1N30、東洋アルミニウム製)を公知の方法で積層して積層体を得た。
次いで、この積層体の一方の面のアルミニウム箔をエッチング処理し、つづら折り状に折り畳まれた構造を有する回路パターンを形成した。また、他方の面のアルミニウム箔をエッチング処理し、犠牲パターンを有する配線基板を得た。この犠牲パターンは、図3(d)に示すように、前記他方の面であって、樹脂基板の厚み方向で回路パターンの折り返し部の内側に対応する位置、かつ、回路パターンから離間する位置に、該折り返し部の折り返し形状に沿って設けられる円弧状の金属箔で形成されたものとした。回路パターン及び犠牲パターンの線幅はいずれも1mmとした。この回路パターンの折り返し部は、湾曲形状とした。なお、犠牲パターンが形成された面には、粘着剤層(7021、株式会社寺岡製作所製)を介してセパレータを設けた。
(実施例2)
厚みが30μmである長尺のアルミニウム箔(1N30、東洋アルミニウム製)、粘着剤(PC18、株式会社リーダー製)及び厚みが300μmである長尺の樹脂基材(EPDM、クレハエラストマー社製)をこの順に公知の方法で積層し積層体を得た。
次いで、この積層体のアルミニウム箔をエッチング処理し、つづら折り状に折り畳まれた構造を有する回路パターンを形成すると共に、回路パターンの折り返し部の内側には、図2(b)に示すように、回路パターンの折り返し形状に沿った形状を有する円弧状の犠牲パターンを、回路パターンから離間するように設けた。これにより、配線基板を得た。回路パターン及びの犠牲パターンの線幅はいずれも1mmとした。この回路パターンの折り返し部は、湾曲形状とした。なお、回路パターン上には粘着剤層(7021、株式会社寺岡製作所製)を介してセパレータを設けた。
(比較例1)
厚みが30μmである長尺のアルミニウム箔(1N30、東洋アルミニウム製)、粘着剤(PC18、株式会社リーダー製)及び厚みが300μmである長尺の樹脂基材(EPDM、クレハエラストマー社製)をこの順に公知の方法で積層し積層体を得た。
次いで、この積層体のアルミニウム箔をエッチング処理し、つづら折り状に折り畳まれた構造を有する回路パターンを形成し、犠牲パターンを設けていない配線基板を得た。回路パターンの線幅は1mmとした。この回路パターンの折り返し部は、湾曲形状とした。なお、樹脂基材の回路パターンとは逆側の面には、粘着剤層(7021、株式会社寺岡製作所製)を介してセパレータを設けた。
(比較例2)
厚みが30μmである長尺のアルミニウム箔(1N30、東洋アルミニウム製)、粘着剤(PC18、株式会社リーダー製)及び厚みが300μmである長尺の樹脂基材(EPDM、クレハエラストマー社製)をこの順に公知の方法で積層し積層体を得た。
次いで、この積層体のアルミニウム箔をエッチング処理し、つづら折り状に折り畳まれた構造を有する回路パターンを形成し、犠牲パターンを設けていない配線基板を得た。回路パターンの線幅は1mmとした。この回路パターンの折り返し部は、湾曲形状とした。なお、回路パターン上には、粘着剤層(7021、株式会社寺岡製作所製)を介してセパレータを設けた。
図7は、各実施例及び比較例で得た配線基板の層構成の断面図を示す。図6(a)〜(d)はそれぞれ実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2の層構成を示す。
<評価方法>
各実施例及び比較例の配線基板をそれぞれ50個作製し、1名の作業者に対し、車載用ハンドルのもち手部分に配線基板の伸縮度が5〜10%の範囲に入るように長手方向に引き延ばして貼り付け作業をするように指示した。なお、伸縮度とは、配線基板の伸長前の長手方向の長さに対して、配線基板どれだけ伸ばしたかを示す値である。配線基板を引き延ばして伸長させる際、犠牲パターンが形成されている実施例品については、犠牲パターンを目視で確認しながら、少なくとも1箇所が断線した時点で、それ以上は伸長させずにハンドルのもち手部分に貼り付けるよう、作業者に伝えた。なお、配線基板の長手方向の両端には、それぞれ1.5cmの余白をつくり、作業者は、この余白部分を引っ張りながら作業を実施した。
配線基板を貼り合わせたハンドルについて、断線の有無を抵抗器によって確認し、断線がある場合には不合格(NG)とし、断線なく貼り合わせができており、かつ、貼り合わせ後の配線基板の長さを計測して、伸びが5〜10%であった場合を合格、それ以外をNGとした。
表1は、上記評価結果である。犠牲パターンが形成された実施例の配線基板の合格率は、犠牲パターンが形成されていない比較例の配線基板に比べて著しく高かった。
また、犠牲パターンが形成されていることによる効果として、断線が予防されるのみならず、配線基板の伸長率も所望の範囲におさまりやすい傾向にあったことから、犠牲パターンの存在は、配線基板を引き延ばす際の指標になることも確認された。
1:回路パターン
10:線状の金属箔
15:折り返し部
21:犠牲パターン
22:犠牲パターン
23:犠牲パターン
24:犠牲パターン

Claims (5)

  1. 樹脂基板の少なくとも片面に線状の金属箔で形成された回路パターンを備える配線基板であって、
    前記回路パターンの一部又は全部は、前記金属箔がつづら折り状に折り畳まれることで折り返し部が複数形成された構造を有し、
    さらに下記(1)〜(4)
    (1)前記樹脂基板の前記回路パターンが形成されている面上であって、前記折り返し部の内側に、折り返し形状に沿って、前記回路パターンから離間して設けられる円弧状の金属箔で形成される犠牲パターン、
    (2)前記樹脂基板の前記回路パターンが形成されている面とは逆側の面上であって、前記樹脂基板の厚み方向で前記折り返し部の内側に対応する位置に、前記折り返し部の折り返し形状に沿って設けられる円弧状の金属箔で形成される犠牲パターン、
    (3)前記樹脂基板の前記回路パターンが形成されている面とは逆側の面上に、前記回路パターンを形成する金属箔の線幅よりも短い金属箔で、かつ、前記回路パターンと略同一形状に形成される犠牲パターン、及び、
    (4)前記樹脂基板の前記回路パターンが形成されている面とは逆側の面上に、前記回路パターンの振幅よりも小さい振幅で金属箔がつづら折り状に折り畳まれて形成される犠牲パターン、
    からなる群より選ばれる少なくとも一以上を備え、
    前記犠牲パターンは前記回路パターンと電気的に接続していない、配線基板。
  2. 前記金属箔が、アルミニウム箔及び銅箔の少なくとも一方を含む、請求項1に記載の配線基板。
  3. 前記樹脂基板が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、アクリル樹脂及びポリカーボネートからなる群より選択される一種以上を含む、請求項1又は2に記載の配線基板。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の配線基板を備える、構造物。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の配線基板を基材に取り付ける、配線基板の取り付け方法。
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