JP2018172861A - 構造体鋼管用平行ねじ継手 - Google Patents

構造体鋼管用平行ねじ継手 Download PDF

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【課題】回転角度を少なくして作業効率を向上すると共に強度や剛性に方向性のない構造体鋼管用平行ねじ継手を得る。【解決手段】本発明に係る構造体鋼管用平行ねじ継手1は、構造体を構成する鋼管の接合に用いられる構造体鋼管用平行ねじ継手1であって、嵌合するねじ山数Mとねじ条数Nとの関係がM/N≦0.5に設定されると共に、M≦4であり、嵌合するねじ山数がMと異なる範囲が、継手周方向長さに対して所定割合以下に設定されていることを特徴とするものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、土木、建築分野における鋼管杭、鋼管矢板、柱材などの構造体を構成する鋼管の接合に用いられる構造体鋼管用平行ねじ継手に関する。
鋼管杭や鋼管矢板、柱材などの構造体を構成する鋼管(以下、「構造体鋼管」という)の接合は溶接接合によることが一般的であるが、火気が使えない場合や接合時間を短縮する必要がある場合などには、例えば特許文献1、2に開示されているような機械式継手が用いられるケースが増えている。
従来の構造体鋼管用平行ねじ継手は、一般に構造体を構成する部材として圧縮力、曲げ、引張力に対して接続される鋼管と同等以上の耐力が要求されるとともに、通常1回転以上回転させて締結がなされるようねじ山数、ねじピッチ、条数などのねじ仕様の設定がなされている。
特許3747594号公報 特許4000930号公報
しかしながら、近年、構造体鋼管のサイズがφ700mm以上となるような大径化が進んでおり、このような大径の構造体鋼管を平行ねじ継手で接合した場合、従来のように締結に際して1回転以上回転させることの作業負荷の増大あるいは、回転させることそのものが困難なケースがみられるようになってきた。以下、この点を具体的に説明する。
図9は、杭打機21で鋼管杭を施工する際の作業の様子を示している。ねじ継手23を取り付けた鋼管(以下、「ねじ継手付鋼管25」という)を回転接合する際、通常、ねじ継手付鋼管25に回転トルクを与えるための回転バンド27と回転棒29を取り付けるが、鋼管が大径になるにしたがって、回転させるために大きなトルクが必要となり、所定のトルクを与えるために回転棒29を長くする必要が生じる。しかし、回転棒29を長くした場合、回転作業の際に回転棒29が杭打機21に接触してしまうため、回転棒29のセット位置を付け替え直すかもしくは杭打機21を回転棒29に接触しない位置まで退避しなくてはならず、作業性の低下につながるという問題がある。
上記の課題に対する解決策としては、ねじ継手23の締結に至る回転量を半回転以下にすることで回転棒29のセット位置の付け替えをなくして作業性を向上することが可能である。
条数がNで嵌合するねじ山数がMの場合、嵌合完了までの回転数はM/Nで規定されるので、ねじの回転数を減らすには条数を増やすか、ねじ山数を減らす必要があり、回転量を半回転以下にするにはM/N≦0.5にすることが必要である。
なお、M、Nは自然数であるため、ここでは条数Nは2以上、ねじ山数Mは1以上となる。
条数が多いほど嵌合のための回転量を減らすことが出来るが、一方で条数を多くすると加工が難しくなるため、例えばφ700mmの継手の場合、通常は8条程度以下が望ましい。8条ねじで回転数を0.5とすれば、M/8=0.5からM=4となり、嵌合する山数の最大が4山となる。なお、4条ねじの場合には、M/4=0.5からM=2となり、嵌合する山数は2山となる。
このように嵌合する山数が少なくなると、鋼管杭のような構造体鋼管の接合に用いるねじ継手のように軸直交方向でかつ周方向の多方向から応力が作用する場合には、以下のような問題がある。
図10はねじ継手31(ここでは、図を見やすくするため、1条ねじで、ねじ山数が6山存在するものを図示している。)を模式的に示したもので、図10(a)が雄継手33、図10(b)が雌継手35(全体は図示せず)のねじ部を示している。なお、図10において、雄継手33のねじ山(雄ねじ山37)を白抜きの平行四辺形で示し、雌継手35のねじ山(雌ねじ山39)を黒塗りの平行四辺形で示している。このねじ山の図示方法は、他の図においても同様である。
このねじ継手31の嵌合完了状態を図11に示している。周方向に見た場合、嵌合する山数はほとんどのところで5山となっているが、図11(a)は嵌合する山数が少ないところがある場合(4山のところが存在する)を示し、図11(b)は嵌合する山数が多いところがある場合(6山のところが存在する)を示している。これらの状態は、ねじの切削長さやねじ切りの開始位置などの影響を受け、構造体鋼管の継手では一般的にはそれほど厳密には管理されておらず、嵌合する山数が5山として扱われている。
ねじ継手31では嵌合完了状態において嵌合する山数が周方向で異なることになるが、図11に示すように山数が多い場合には周方向における嵌合数の違いは鋼管杭の性能にさほど影響を与えることはない。つまり、嵌合する山数が少ない場合でも多い場合の(4/5)×100%=80%であり、嵌合する山数の全体に対する割合の差異が少ない。
しかしながら、図12に示すように、嵌合する山数が2山のねじ継手41の場合には2山嵌合の部分と1山嵌合の部分が生じ、嵌合する山数が多いところと少ないところでの差異が極端(少ないところは多いところの50%)になってしまい、その影響が無視できなくなり、ねじ継手41の強度や剛性に方向性が生じて構造体鋼管の継手として望ましくない。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、回転角度を少なくして作業効率を向上すると共に強度や剛性に方向性の少ない構造体鋼管用平行ねじ継手を得ることを目的としている。
(1)本発明に係る構造体鋼管用平行ねじ継手は、構造体を構成する鋼管の接合に用いられるものであって、嵌合するねじ山数Mとねじ条数Nとの関係がM/N≦0.5に設定されると共に、M≦4であり、嵌合するねじ山数がMと異なる範囲が、継手周方向長さに対して所定割合以下に設定されていることを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、嵌合開始部にある雄ねじ山及び雌ねじ山の不完全ねじ部が除去されていることを特徴とするものである。
(3)また、上記(2)に記載のものにおいて、前記不完全ねじ部を除去した部位に逆回転防止金具の設置位置が設定されていることを特徴とするものである。
(4)また、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のものにおいて、ねじ山の嵌合効率が0.6以上を満たすようにねじ山高さ及びねじ山のクリアランスが設定されていることを特徴とするものである。
(5)また、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のものにおいて、ねじリード角θが、θ≦5.7°を満足するよう設定されていることを特徴とするものである。
本発明においては、構造体に用いられる構造体鋼管用平行ねじ継手であって、嵌合するねじ山数Mとねじ条数Nとの関係がM/N≦0.5に設定されると共に、嵌合するねじ山数が4以下であり、嵌合山数がMと異なる範囲が、継手周方向長さに対して所定割合以下に設定されていることにより、構造体鋼管の接合に際して回転量を少なくして作業効率を向上できると共に強度や剛性に方向性の少ない構造体鋼管用平行ねじ継手が得られる。
本発明の一実施の形態の構造体鋼管用平行ねじ継手の説明図である。 本発明の一実施の形態の構造体鋼管用平行ねじ継手の備えるべき条件を説明するための説明図である(その1)。 本発明の一実施の形態の構造体鋼管用平行ねじ継手の備えるべき条件を説明するための説明図である(その2)。 本発明の一実施の形態の構造体鋼管用平行ねじ継手の備えるべき条件を説明するための説明図である(その3)。 本発明の一実施の形態の構造体鋼管用平行ねじ継手のより好ましい態様の説明図である(その1)。 本発明の一実施の形態の構造体鋼管用平行ねじ継手における嵌合山数がMと異なる範囲について説明する図である。 本発明の一実施の形態の構造体鋼管用平行ねじ継手のより好ましい態様の説明図である(その2)。 本発明の一実施の形態の構造体鋼管用平行ねじ継手のより好ましい態様の説明図である(その3)。 本発明が解決しようとする課題の説明図である(その1)。 本発明が解決しようとする課題の説明図である(その2)。 本発明が解決しようとする課題の説明図である(その3)。 本発明が解決しようとする課題の説明図である(その4)。
本発明の一実施の形態に係る構造体鋼管用平行ねじ継手1は、土木、建築分野における鋼管杭、鋼管矢板、柱材などの構造体に用いられるものであって、図1に示すように、雄継手3と雌継手5の嵌合するねじ山数Mとねじ条数Nとの関係がM/N≦0.5に設定されると共に、嵌合山数が4山以下であり、嵌合山数がMと異なる範囲が、継手周方向長さに対して所定割合(本例では、10%)以下に設定されていることを特徴とするものである。なお、図1の例は、雄継手3における雄ねじ山7と雌継手5における雌ねじ山9がそれぞれ2山の4条ねじの例である。
以下、構造体鋼管用平行ねじ継手1の各構成要件について詳細に説明する。
<ねじ山数Mとねじ条数Nとの関係>
嵌合するねじ山数Mとねじ条数Nとの関係は、M/N≦0.5に設定されており、Mは2で4以下となっている。このように設定することで、回転量(回転角度)を半回転(180度)以内にしてねじを締め込むことができる。これによって、前述したような大径の杭に適用した場合において、回転棒のセット位置の付け替えや杭打機の退避が不要となり、作業性を向上することができる。
ねじの嵌合開始点は、不完全ねじ部がある場合、嵌合の起点が不完全ねじ部の開始位置からになってしまうため、ねじの回転量を少なくする観点からは、不完全ねじ部は除去することが好ましい。なお、継手の力学性能面では、不完全ねじ部はねじ山形状が不完全である分、力学伝達性能が劣ることから、除去したとしても力学性能への影響は小さい。
図2に示す破線の丸で囲んだ部分が嵌合開始位置にある雄ねじ山7及び雌ねじ山9の不完全ねじ部であるが、これがある場合に、ねじの回転量が多くなることを図3、図4に基づいて説明する。図3、図4はねじを展開して模式的に示す図であり、図3が不完全ねじ部が有る場合、図4が不完全ねじ部を除去した場合の嵌合完了状態を示している。図3と図4は共に完全ねじ部の嵌合長さは同じであるが、図3の場合の回転長はaであり、図4の場合の回転長はaよりも短いbとなる。
不完全ねじ部を除去した部位に逆回転防止金具の設置位置が設定されていることがさらに好ましい。
図5(a)は、雄継手3において不完全ねじ部を除去した部位に逆転防止金具としてピンが挿入されるピン挿入孔11を設けたものである。
逆回転防止金具の設置位置に関し、従来は図5(b)に示すように、雄ねじ山7が形成された部位のさらに先端側に設けられていたために、継手長が長くなり、その分だけ継手製造に使用する鋼材量が増加するとともに、ねじ加工における切削加工長も長くなってしまい、コストアップにつながっていた。
これに対して、図5(a)に示したように、不完全ねじ部を除去した部位に逆回転防止金具の設置位置を設けることで、継手長さを長くする必要がなくなり経済的な構造にすることが出来る。
<嵌合山数がMと異なる範囲>
本実施の形態の構造体鋼管用平行ねじ継手1は、嵌合山数がMと異なる範囲が継手周方向長さの10%以下に設定されている。
嵌合山数がMと異なる範囲について、図1に示す4条ねじ(山数M=2)について説明する。
この例では嵌合山数は、1山の部分と2山の部分があるので、図1において、嵌合山数がMと異なる範囲は、1山嵌合区間として示す範囲であり、この範囲が全周長の10%以下に設定されている。
嵌合山数がMと異なる範囲を全周長の10%以下にすることで、強度や剛性に方向性が緩和され、継手としての性能を十分に発揮できる。
この理由について、分かりやすい例として、図6に示すように、構造体鋼管用平行ねじ継手1で接合された鋼管が曲げを受ける場合を例に挙げて説明する。図6(b)は鋼管に曲げが作用した状態を示し、図6(a)は図6(b)の矢視A−A部(構造体鋼管用平行ねじ継手1の断面)の応力状態を示している。
構造体鋼管用平行ねじ継手1が曲げを受けた場合、引張縁や圧縮縁の部位が最も厳しい状態になるので、図6に示すように、引張縁や圧縮縁に嵌合山数がMと異なるところが位置すると、強度や剛性への影響が大きい。もっとも、ねじ山は周方向に連続しているため、Mと異なる範囲が狭ければ、実際には周囲(嵌合山数が所定数Mのところ)の影響を受け、大きな違いが生じない。そして、このような大きな違いが生じないためには、嵌合山数がMと異なる範囲の全周長に対する割合が10%以下であればよい。もっとも、この割合は、接合される鋼管の用途や、使用態様等によって変わることがあり、予め定めた所定割合以下に設定すればよい。
なお、上記の割合が例えば全周長の10%以下ということはN条のねじの場合は、1条当たり10/N%以下ということであり、条数が多いほど1条当たりの範囲は狭くなり、より違いが生じにくくなる。
例えばΦ1000mmの8条ねじで、1条当たりの範囲長さを鋼管外周長で考えると、1000π×10/8/100≒39mmである。
実際のねじの加工公差を考えると、嵌合時の回転量がこの程度ばらつくことは容易に発生するため、10%以下にコントロールするためには、ねじ加工後に一度嵌め合わせた上で、ねじの嵌合長さを調整することが望ましい。
ねじ部に作用する曲げ、引張外力に対しては、ねじ山数が少なくなるにつれてねじ山を介して伝わる応力の分散効果は小さくなり、ねじ山が多い場合に比べて小さな作用荷重でねじ山部又はねじ底部が局所的に降伏あるいは塑性化してしまう傾向がみられる。ねじ山部あるいはねじ山底部に降伏あるいは塑性化が生じてしまうとねじ部径が広がろうとする変形が生じ、ねじ山の噛み合わせ量が急激に低下し、それに伴いねじ耐力も一気に低下し、ねじ外れに至る。
このような観点から、山数が4山以下の場合には、ねじ山のクリアランスは小さい方が好ましい。
一方、鋼管杭用に用いるような構造体鋼管用平行ねじ継手では、継手部の材質に高強度材を使用することや、ねじ加工後の必要板厚確保の観点から、鋼管に直接ねじ切り加工することはなく、ねじ継手を別途製作して、鋼管管端とねじ継手の片側を工場溶接して用いられることが一般的である。
この時、鋼管とねじ継手の溶接熱影響によりねじ継手に微小変形が生じる。このため、ねじ寸法は、鋼管との溶接取付後もねじの嵌合性を確保するために、雄ねじ山と雌ねじ山間に予めクリアランスを設定しておく必要がある。ただし、クリアランスを大きくするにつれて、上述のように、ねじの嵌合効率(噛み合わせ量)が減少してしまい、曲げや引張外力に対して外れやすい継手になってしまう。
従来、嵌合するねじ山数が5以上のねじ継手において、ねじの嵌合効率を0.5程度以上になるよう、ねじ山高さやねじ山間のクリアランスを設定がなされていたが、本発明では、M/N≦0.5かつM≦4を満足することを前提とするため、条件が異なる。該当する構造体鋼管用平行ねじ継手について実験を重ねた結果、ねじの嵌合効率0.6以上、より望ましくは0.7以上になるよう断面設定する必要があることを見出した。
図7はこの嵌合効率を説明する説明図であり、図7(a)は雄継手3の雄ねじ山7と雌継手5の雌ねじ山9とがねじ中央で嵌合している状態を示し、図7(b)は雄ねじ山7が図中上方に最もずれた状態を示している。
嵌合率は、図7(b)において、ねじ山高さをh、噛み合わせ量をfとしたとき、f/hであり、この値が0.6以上が好ましく、より好ましくは0.7以上である。
なお、クリアランスの大きさは、一般的に継手部の径が大きいほど大きくする必要があるが、継手によって連結される鋼管の径をD、雌継手5のねじ山底内径Dbi、雄継手3のねじ山での外径Dpoとしたときに、クリアランスはDbi−Dpoとなり、この値がDの0.10〜0.30%に設定するのが好ましい。
<ねじリード角θ>
また、ねじリード角θが、θ≦5.7°を満足するよう設定されていることが好ましい。この理由は以下の通りである。
ねじの回転量を少なくするためにねじの多条数化やねじピッチを大きくするにつれて、ねじのリード角が大きくなる。ねじのリード角が大きくなりすぎると曲げや引張力など継手部軸方向に引張力が作用する場合に緩んでしまい力の伝達機能が得られないことが考えられる。
ここで継手部軸方向に引張力が作用する場合のねじ山部での力の分力を模式的に図8に示す。
ねじ山の接触部どうしの摩擦係数は、ねじの材料である鋼材どうしの摩擦係数μとしてμ≧0.10程度である。この摩擦係数を用いて、継手部軸方向に引張力が作用してもねじが動き出さないの条件としては、[ねじ山面どうしの摩擦抵抗力]≧[ねじ山平行方向への分力]であり、μ×Pcosθ≧Psinθとなる。
これより、μ≧sinθ/cosθ=tanθとなり、μ=0.1(潤滑材を塗布した金属面どおしの摩擦係数)とすると、0.1≧tanθとなり、θ≦5.71°以下であれば良いことが分かる。
つまり、リード角がθ≦5.7°を満足すれば継手軸方向に引張力が作用する場合でも継手の締結は保持され、構造体鋼管用平行ねじ継手1としての性能が保持されることが可能となる。
もっとも、θ>5.7°の場合であっても継手管軸方向に引張力が作用した場合にねじが外れようとする力に応じて必要耐力を有する逆回転防止金具が具備されていれば、ねじは外れることなくねじ山を介して力の伝達が期待できる。
逆回転防止金具としては、主にピンやボルトなどの丸型鋼材が取付易く適しているが、マシンキーに見られるような角型鋼材を用いても良い。
<継手管の最大板厚について>
構造体鋼管用平行ねじ継手に用いる継手管の最大板厚として、杭径の2.5〜5.0%が望ましい。これは、ねじを鋼管への溶接取付時の変形抑止効果や運搬時の真円度変形抑止効果から少なくとも2.5%程度あることが望ましく、一方で板厚があまり厚くなりすぎると杭径に対してねじの嵌合位置での径が小さくなりねじ山に偏心荷重が作用しやすくなることや、杭内径側への突出が大きくなりすぎると鋼管中空部にオーガスクリューなどの施工治具の挿入時の支障になってしまうため、杭径の5.0%以下にとどめておくことが良い。
・ねじ継手板厚を杭径の2.5〜5.0%とする場合、鋼管としては、主に引張強さTS=400〜590N/mm2級の鋼管を対象とする場合、ねじ継手に用いる鋼材についてはTS=780N/mm2以上の強度を有する材料を用いる
<ねじ山形状>
ねじ山の形状に関しては、力の伝達性を考慮して台形ねじもしくは角ねじが望ましい。また、ねじ山高さhとねじ底幅Bとの関係は、h≦2Bを満足することが望ましい。
1 構造体鋼管用平行ねじ継手
3 雄継手
5 雌継手
7 雄ねじ山
9 雌ねじ山
11 ピン挿入孔
21 杭打機
23 ねじ継手
25 ねじ継手付鋼管
27 回転バンド
29 回転棒
31 ねじ継手(1条ねじで6山)
33 雄継手
35 雌継手
37 雄ねじ山
39 雌ねじ山
41 ねじ継手(4条ねじで2山)

Claims (5)

  1. 構造体を構成する鋼管の接合に用いられる構造体鋼管用平行ねじ継手であって、
    嵌合するねじ山数Mとねじ条数Nとの関係がM/N≦0.5に設定されると共に、M≦4であり、嵌合するねじ山数がMと異なる範囲が、継手周方向長さに対して所定割合以下に設定されていることを特徴とする構造体鋼管用平行ねじ継手。
  2. 嵌合開始部にある雄ねじ山及び雌ねじ山の不完全ねじ部が除去されていることを特徴とする請求項1記載の構造体鋼管用平行ねじ継手。
  3. 前記不完全ねじ部を除去した部位に逆回転防止金具の設置位置が設定されていることを特徴とする請求項2記載の構造体鋼管用平行ねじ継手。
  4. ねじ山の嵌合効率が0.6以上を満たすようにねじ山高さ及びねじ山のクリアランスが設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の構造体鋼管用平行ねじ継手。
  5. ねじリード角θが、θ≦5.7°を満足するよう設定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の構造体鋼管用平行ねじ継手。
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