JP2018172861A - 構造体鋼管用平行ねじ継手 - Google Patents
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Description
条数がNで嵌合するねじ山数がMの場合、嵌合完了までの回転数はM/Nで規定されるので、ねじの回転数を減らすには条数を増やすか、ねじ山数を減らす必要があり、回転量を半回転以下にするにはM/N≦0.5にすることが必要である。
なお、M、Nは自然数であるため、ここでは条数Nは2以上、ねじ山数Mは1以上となる。
このように嵌合する山数が少なくなると、鋼管杭のような構造体鋼管の接合に用いるねじ継手のように軸直交方向でかつ周方向の多方向から応力が作用する場合には、以下のような問題がある。
このねじ継手31の嵌合完了状態を図11に示している。周方向に見た場合、嵌合する山数はほとんどのところで5山となっているが、図11(a)は嵌合する山数が少ないところがある場合(4山のところが存在する)を示し、図11(b)は嵌合する山数が多いところがある場合(6山のところが存在する)を示している。これらの状態は、ねじの切削長さやねじ切りの開始位置などの影響を受け、構造体鋼管の継手では一般的にはそれほど厳密には管理されておらず、嵌合する山数が5山として扱われている。
以下、構造体鋼管用平行ねじ継手1の各構成要件について詳細に説明する。
嵌合するねじ山数Mとねじ条数Nとの関係は、M/N≦0.5に設定されており、Mは2で4以下となっている。このように設定することで、回転量(回転角度)を半回転(180度)以内にしてねじを締め込むことができる。これによって、前述したような大径の杭に適用した場合において、回転棒のセット位置の付け替えや杭打機の退避が不要となり、作業性を向上することができる。
図5(a)は、雄継手3において不完全ねじ部を除去した部位に逆転防止金具としてピンが挿入されるピン挿入孔11を設けたものである。
逆回転防止金具の設置位置に関し、従来は図5(b)に示すように、雄ねじ山7が形成された部位のさらに先端側に設けられていたために、継手長が長くなり、その分だけ継手製造に使用する鋼材量が増加するとともに、ねじ加工における切削加工長も長くなってしまい、コストアップにつながっていた。
これに対して、図5(a)に示したように、不完全ねじ部を除去した部位に逆回転防止金具の設置位置を設けることで、継手長さを長くする必要がなくなり経済的な構造にすることが出来る。
本実施の形態の構造体鋼管用平行ねじ継手1は、嵌合山数がMと異なる範囲が継手周方向長さの10%以下に設定されている。
嵌合山数がMと異なる範囲について、図1に示す4条ねじ(山数M=2)について説明する。
この例では嵌合山数は、1山の部分と2山の部分があるので、図1において、嵌合山数がMと異なる範囲は、1山嵌合区間として示す範囲であり、この範囲が全周長の10%以下に設定されている。
この理由について、分かりやすい例として、図6に示すように、構造体鋼管用平行ねじ継手1で接合された鋼管が曲げを受ける場合を例に挙げて説明する。図6(b)は鋼管に曲げが作用した状態を示し、図6(a)は図6(b)の矢視A−A部(構造体鋼管用平行ねじ継手1の断面)の応力状態を示している。
例えばΦ1000mmの8条ねじで、1条当たりの範囲長さを鋼管外周長で考えると、1000π×10/8/100≒39mmである。
実際のねじの加工公差を考えると、嵌合時の回転量がこの程度ばらつくことは容易に発生するため、10%以下にコントロールするためには、ねじ加工後に一度嵌め合わせた上で、ねじの嵌合長さを調整することが望ましい。
このような観点から、山数が4山以下の場合には、ねじ山のクリアランスは小さい方が好ましい。
この時、鋼管とねじ継手の溶接熱影響によりねじ継手に微小変形が生じる。このため、ねじ寸法は、鋼管との溶接取付後もねじの嵌合性を確保するために、雄ねじ山と雌ねじ山間に予めクリアランスを設定しておく必要がある。ただし、クリアランスを大きくするにつれて、上述のように、ねじの嵌合効率(噛み合わせ量)が減少してしまい、曲げや引張外力に対して外れやすい継手になってしまう。
従来、嵌合するねじ山数が5以上のねじ継手において、ねじの嵌合効率を0.5程度以上になるよう、ねじ山高さやねじ山間のクリアランスを設定がなされていたが、本発明では、M/N≦0.5かつM≦4を満足することを前提とするため、条件が異なる。該当する構造体鋼管用平行ねじ継手について実験を重ねた結果、ねじの嵌合効率0.6以上、より望ましくは0.7以上になるよう断面設定する必要があることを見出した。
嵌合率は、図7(b)において、ねじ山高さをh、噛み合わせ量をfとしたとき、f/hであり、この値が0.6以上が好ましく、より好ましくは0.7以上である。
また、ねじリード角θが、θ≦5.7°を満足するよう設定されていることが好ましい。この理由は以下の通りである。
ねじの回転量を少なくするためにねじの多条数化やねじピッチを大きくするにつれて、ねじのリード角が大きくなる。ねじのリード角が大きくなりすぎると曲げや引張力など継手部軸方向に引張力が作用する場合に緩んでしまい力の伝達機能が得られないことが考えられる。
ねじ山の接触部どうしの摩擦係数は、ねじの材料である鋼材どうしの摩擦係数μとしてμ≧0.10程度である。この摩擦係数を用いて、継手部軸方向に引張力が作用してもねじが動き出さないの条件としては、[ねじ山面どうしの摩擦抵抗力]≧[ねじ山平行方向への分力]であり、μ×Pcosθ≧Psinθとなる。
これより、μ≧sinθ/cosθ=tanθとなり、μ=0.1(潤滑材を塗布した金属面どおしの摩擦係数)とすると、0.1≧tanθとなり、θ≦5.71°以下であれば良いことが分かる。
つまり、リード角がθ≦5.7°を満足すれば継手軸方向に引張力が作用する場合でも継手の締結は保持され、構造体鋼管用平行ねじ継手1としての性能が保持されることが可能となる。
逆回転防止金具としては、主にピンやボルトなどの丸型鋼材が取付易く適しているが、マシンキーに見られるような角型鋼材を用いても良い。
構造体鋼管用平行ねじ継手に用いる継手管の最大板厚として、杭径の2.5〜5.0%が望ましい。これは、ねじを鋼管への溶接取付時の変形抑止効果や運搬時の真円度変形抑止効果から少なくとも2.5%程度あることが望ましく、一方で板厚があまり厚くなりすぎると杭径に対してねじの嵌合位置での径が小さくなりねじ山に偏心荷重が作用しやすくなることや、杭内径側への突出が大きくなりすぎると鋼管中空部にオーガスクリューなどの施工治具の挿入時の支障になってしまうため、杭径の5.0%以下にとどめておくことが良い。
・ねじ継手板厚を杭径の2.5〜5.0%とする場合、鋼管としては、主に引張強さTS=400〜590N/mm2級の鋼管を対象とする場合、ねじ継手に用いる鋼材についてはTS=780N/mm2以上の強度を有する材料を用いる
ねじ山の形状に関しては、力の伝達性を考慮して台形ねじもしくは角ねじが望ましい。また、ねじ山高さhとねじ底幅Bとの関係は、h≦2Bを満足することが望ましい。
3 雄継手
5 雌継手
7 雄ねじ山
9 雌ねじ山
11 ピン挿入孔
21 杭打機
23 ねじ継手
25 ねじ継手付鋼管
27 回転バンド
29 回転棒
31 ねじ継手(1条ねじで6山)
33 雄継手
35 雌継手
37 雄ねじ山
39 雌ねじ山
41 ねじ継手(4条ねじで2山)
Claims (5)
- 構造体を構成する鋼管の接合に用いられる構造体鋼管用平行ねじ継手であって、
嵌合するねじ山数Mとねじ条数Nとの関係がM/N≦0.5に設定されると共に、M≦4であり、嵌合するねじ山数がMと異なる範囲が、継手周方向長さに対して所定割合以下に設定されていることを特徴とする構造体鋼管用平行ねじ継手。 - 嵌合開始部にある雄ねじ山及び雌ねじ山の不完全ねじ部が除去されていることを特徴とする請求項1記載の構造体鋼管用平行ねじ継手。
- 前記不完全ねじ部を除去した部位に逆回転防止金具の設置位置が設定されていることを特徴とする請求項2記載の構造体鋼管用平行ねじ継手。
- ねじ山の嵌合効率が0.6以上を満たすようにねじ山高さ及びねじ山のクリアランスが設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の構造体鋼管用平行ねじ継手。
- ねじリード角θが、θ≦5.7°を満足するよう設定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の構造体鋼管用平行ねじ継手。
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