JP2018172336A - ウレトジオン基を含有するカップリング性有機化合物および、それらを含む医科歯科用硬化性組成物 - Google Patents
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-223289号公報には有機酸または無機酸を含む2-HEMA/水からなるプライマー組成物、特開平4-8368号公報には水/酸基を有する重合性化合物/水酸基を有する重合性化合物/酸基を有するアミノ化合物からなるプライマー組成物等が挙げられる。これらの組成物は象牙質に対してある程度の接着力を示すものの、エナメル質に対しては無機成分への脱灰作用が乏しいいために十分な接着力を有するには至っていなかった。またプライマー組成物には重合性に乏しい酸性基含有重合性単量体や水溶性重合性単量体等を含むために、ボンディング材塗布後の硬化が不十分であり、その結果過酷な口腔内環境下における接着耐久性等において問題が生じていた。さらに、これらのプライマー組成物は基本的に水/酸性基含有重合性単量体が共存する酸性雰囲気下であるため、プライマー組成物中に含まれている成分における分子内主鎖や官能基の加水分解による劣化や変質等が起こり、貯蔵安定性や材料安定性において大きな問題があった。そのため、包装形態を分割する必要があった。
した特定の分子構造を有するビニルモノマーを含むプライマー溶液と酸性基を有するビニルモノマーからなる接着組成物からなる新規な接着方法、特開2000-204010号公報にはスルホン酸基含有重合性単量体/水溶性重合性単量体/水を含むプライマー組成物と酸性リン酸エステル系多官能性重合性単量体を含む接着材からなる歯科用接着キット、特開平9-295313号公報にはスルホン酸基含有重合性単量体/水溶性重合性単量体/水を含むプライマー組成物と多価カルボン酸基含有多官能性重合性単量体を含む接着材からなる歯科用接着キット、特開平11-180814号公報には酸性基含有(メタ)アクリレート/水溶性有機溶媒/水を含むセルフエッチングプライマーと酸性基および水酸基を有しない(メタ)アクリレート/光重合開始剤/光重合促進剤/フィラーを含む歯質接着剤からなる歯質接着剤セット、特開平6-24928号公報には特定の金属化合物/酸性基含有重合性単量体/重合性単量体を含有するプライマー溶液組成物とトリアルキルホウ素またはその部分酸化物を重合開始剤として含有する硬化性組成物からなる接着剤、特許第3449755号公報には酸性基含有ビニル重合化合物/水酸基含有水溶性ビニル化合物/水/芳香族アミンを含むプライマー組成物と酸性基含有アクリル系モノマー/酸性基非含有アクリル系モノマー/重合開始剤を含むアクリル系接着剤からなる接着剤キット等が挙げられる。
以下に本発明のウレトジオン基および、少なくとも一種類以上のラジカル重合性基を分子内に併せ持つカップリング性有機化合物の代表的な化学構造をに記載する。
(a) ホスホン酸基含有重合性単量体;
(b) 多価カルボン酸基含有重合性単量体;
(c) 重合性単量体;
(d) 水;
(e) 水溶性有機溶媒
(f) 重合開始剤
(g) 光酸発生剤
が挙げられ、それらの各成分の詳細について示す。
本発明の医科歯科用硬化性組成物に必須成分として含まれるホスホン酸基含有重合性単量体(a)とは、分子中に少なくとも炭素原子に直結した一つの(-PO(OH)2)またはホスホン酸モノエステル基(-PO(OH)(OR))および少なくとも一つの重合性不飽和基を持つ重合性単量体を意味する。つまり、これらの条件を満たすものであれば、いかなる官能基を分子内に有するものであっても何等制限なく使用することができる。また、ホスホン酸基含有重合性単量体は分子内に有するホスホン酸基またはホスホン酸モノエステル基の数や(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ビニル基、アリル基等のラジカル重合可能な不飽和基の種類や数においても特に限定されない。本発明の医科歯科用硬化性組成物中にホスホン酸基含有重合性単量体を含有することにより、リン酸モノエステル基またはリン酸ジエステル基を有した重合性単量体と比較して、特にエナメル質に対して優れた歯質接着性能を発揮することができる。また、ホスホン酸基含有重合性単量体はホスホン酸基がエステル結合により酸素原子と結合していないことから、水を共存させた酸性雰囲気下においても分子内における加水分解を受けにくく、貯蔵安定性に優れている。そのため、包装形態も2分割された2液型の包装形態だけでなく、1液型の包装形態にすることも可能である。
これらホスホン酸基含有重合性単量体の含有量が40.0重量部を越えると、重合性に基因した硬化性が低下するために、接着特性に悪影響を与える。一方、ホスホン酸基含有重合性単量体の含有量が0.1重量部未満になると、エナメル質に対する接着性において効果が認められない。
本発明の医科歯科用硬化性組成物に必須成分として含まれる多価カルボン酸基含有重合性単量体(b)とは、分子中に少なくとも2つ以上のカルボン酸基、あるいは水と容易に反応して2つ以上のカルボン酸基を生じる基と、少なくとも一つの重合性不飽和基を持つ重合性単量体を意味する。つまり、これらの条件を満たすものであれば、いかなる官能基を分子に有していても何等制限なく使用することができる。また、多価カルボン酸基含有重合性単量体は分子内に有する(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ビニル基、アリル基等のラジカル重合可能な不飽和基の種類や数においても特に限定されない。本発明の医科歯科用硬化性組成物中に多価カルボン酸基含有重合性単量体を含有することにより、象牙質に対して優れた歯質接着性能を発揮することができる。
に基因した硬化性が低下するために、接着特性に悪影響を与える。一方、多価カルボン酸基含有重合性単量体の含有量が0.1重量部未満になると象牙質に対する接着性において効果が認められない。
本発明の医科歯科用硬化性組成物に用いることができる重合性単量体(c)としては、ラジカル重合可能な不飽和基の種類に関係なく単官能性または多官能性のいずれにおいても、何等制限なく使用することができる。重合性単量体が有するラジカル重合可能な不飽和基の種類としては、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルミド基、スチリル基、ビニル基、アリル基等が挙げられるが、特に(メタ)アクリロイル基や(メタ)アクリルミド基を不飽和基として有している重合性単量体を用いることが好ましい。具体的に例示すると、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のシラン化合物類、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート等の窒素含有化合物、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2, 2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシイソプロポキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1, 3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジ−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジカルバメート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。脂肪族系四官能基含有の疎水性重合性単量体としては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ハイドロキシプロピル(メタ)アクリレートのような水酸基を有する重合性単量体とメチルシクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジイソシアネートメチルメチルベンゼン、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートのようなジイソシアネート化合物との付加物から誘導される二官能または三官能以上の重合性基を有し、かつウレタン結合を有するジ(メタ)アクリレート等、2,2−ビス(4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン(Bis-GMA)、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン(D-2.6E)、ジ(メタクリロイルオキシ)−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジウレタン(UDMA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,2−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル−1,3−ジ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル−1,2−ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、2−トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルクロライド、(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート(オキシエチレン基の数が9以上のもの)、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート(オキシエチレン基の数が9のもの)、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート(オキシエチレン基の数が14のもの)、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート(オキシエチレン基の数が23のもの)等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
本発明の医科歯科用硬化性組成物に必須成分として含まれる水溶性有機溶媒(e)は、医科歯科用硬化性組成物中に含まれているホスホン酸基含有重合性単量体や多価カルボン酸基含有重合性単量体を含む種々の重合性単量体、水、重合開始剤およびその他の配合成分を任意の割合で相溶させる溶解促進材的な役割を有しているとともに、医科歯科用硬化性組成物の歯質への浸透を促進させる働きがある。また、医科歯科用硬化性組成物の液粘度を低下させ、容器からの滴下や接着させる部位への塗布等の操作性を向上させることができる。この水溶性有機溶媒を具体的に例示すると、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノ−ル等のアルコール類、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル化合物類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物類等の水溶性有機溶媒が挙げられるが、これらに限定されるものではなく何等制限なく使用することができる。また、これらの水溶性有機溶媒は単独または数種を組み合わせて用いることができる。これらの水溶性有機溶媒の中でも水との相溶性に優れるメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトンが好ましく、より好ましくはアセトン、エタノールである。
本発明の医科歯科用硬化性組成物に必須成分として含まれる重合開始剤(f)は特に限定されず、公知のラジカル発生剤が何等制限なく用いられる。重合開始剤の種類としては、一般に使用直前に混合することにより重合を開始させるもの(化学重合開始剤)、加熱や加温により重合を開始させるもの(熱重合開始剤)、光照射により重合を開始させるもの(光重合開始剤)に大別されるが、いずれも単独または複数を組み合わせて用いることができる。
本発明の医科歯科用硬化性組成物に必須成分として含まれる光酸発生剤(g)は特に限定されず、公知の光酸発生剤が何等制限なく用いられる。光酸発生剤の種類としては、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、2-メチル-2-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-1-プロパノン、ビス(tert-ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4-メチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ジフェニル-4-メチルフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル-2,4,6-トリメチルフェニルスルホニウム‐p-トルエンスルホネート、ジフェニル(4-メトキシフェニル)スルホニウム‐トリフルオロメタンスルホネート、Tris(4-メチルフェニル)スルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、(1R,2S,5R)-5-メチル-2-(プロパン-2-イル)シクロヘキシル‐4-メチルベンゼンスルホネート、2,4,6-tris(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン 等が挙げられるが、いずれも単独または複数を組み合わせて用いることができる。
評価目的:医科歯科用硬化性組成物を用いたエナメル質および象牙質に対する歯質接着性、およびポーセレンへの接着性の評価。
評価方法:屠殺後、抜去した牛歯下顎永久歯中切歯を24時間以内に冷凍保存したものを解凍後、歯根部の除去および歯冠部の切断を行って牛歯細片を作製し、その牛歯細片をエポキシ樹脂にて包埋を行う。その包埋牛歯を注水下、#600番の耐水研磨紙にてエナメル質または象牙質を露出させて水洗・乾燥する。この露出したエナメル質または象牙質に直径4mmの穴の空いた両面テープを貼って接着面を規定する。その規定した接着面に実施例または比較例で調製した医科歯科用硬化性組成物を塗布し光重合照射器(グリップライトII、株式会社松風製)を用いて30秒間光照射を行い硬化させ接着処理を行った。その後、その接着処理した面にプラスチックモールド(内径4mm、高さ2mm)を固定して、光重合型コンポジットレジン(ビューティフィル、株式会社松風製)をそのモールド内部に充填し、光重合照射器(グリップライトII、株式会社松風製)を用いて30秒間光照射を行い硬化させる。硬化後、モールドを除去し、それを接着試験体とする。この接着試験体を37℃蒸留水中に24時間浸漬後、インストロン万能試験機(インストロン5567、インストロン社製)を用いてクロスヘッドスピード1mm/分で剪断接着強さによる歯質接着性試験を行う。また、牛歯下顎永久歯中切歯に代え陶材料円盤状平板(直径15.0、高さ5.0mm:ヴィンテージハロー、株式会社松風製)への接着性試験を行った。すなわち、陶材被着体(#600番研磨済)にサンドブラスト処理(0.2MPa)を行い、超音波洗浄後に自然乾燥させたサンプルに歯質同様の試験を行った。
評価目的:医科歯科用硬化性組成物を用いたエナメル質および象牙質に対する歯質接着性、およびポーセレンへの接着性の評価。
評価方法:接着性試験と同様に接着試験体を作製した後、その接着性試験体を37℃蒸留水中に24時間浸漬する。その後、4℃および60℃の恒温水槽に各1分間ずつ交互に浸漬するサーマルサイクルを2000サイクル実施する。サーマルサイクル終了後、この接着試験体をインストロン万能試験機(インストロン5567、インストロン社製)を用いて、クロスヘッドスピード1mm/分で剪断接着強さによる歯質接着性試験およびポーセレン接着性試験を行う。
評価目的:調製した各種医科歯科用硬化性組成物を50℃の環境下で4週間保存し、その組成物を用いたエナメル質および象牙質に対する接着性の評価。
評価方法: 接着性試験と同様の方法にて剪断接着強さによる接着性試験を行う。
ウレトジオン基および、少なくとも一種類以上のラジカル重合性基を分子内に併せ持つカップリング性有機化合物
UDN1:(2,4-ジオキソ-1,3-ジアゼチジン-1,3-ジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル) ビス(2-メタクリレート)
UDN2:(2,4-ジオキソ-1,3-ジアゼチジン-1,3-ジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル) ビス(2-アクリレート)
UDN:(((2,4-ジオキソ-1,3-ジアゼチジン-1,3-ジイル)ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル) ビス(2-メタクリレート)
UDN4:(2,4-ジオキソ-1,3-ジアゼチジン-1,3-ジイル)ビス(2-メチルプロパン-2,1,3-トリイル) テトラアクリレート
UDN5:2-(3-(2-(アクリロイルオキシ)エチル)-2,4-ジオキソ-1,3-ジアゼチジン-1-イル)-2-メチルプロパン-1,3-ジイル ジアクリレート
その他
SC_C1: 3-アミノプロピルトリメトキシシラン
SC_C2: 3-メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン
(a) ホスホン酸基含有重合性単量体;
MHPA:6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホノアセテート
その他
MHP:6−メタクリロイルオキシヘキシルジハイドロジエンホスフェート
MDP:10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジエンホスフェート
(b) 多価カルボン酸基含有重合性単量体;
AET:4−アクリロイルオキシエチルトリメリット酸
(c) 重合性単量体;
Bis-GMA:2,2−ビス(4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン
UDMA:ジ(メタクリロイルオキシ)−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジウレタン
TGDMA:トリエチレングリコールジメタクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチル(メタ)メタクリレート
(f) 重合開始剤
CQ:カンファーキノン
DMBE:p−ジメチルアミノベンゾイックアシッドエチルエステル
(e) 水溶性有機溶媒
EtOH:エタノール
(d) 水;
DW:蒸留水
(g) 光酸発生剤
PA:2,4,6-tris(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン
その他
BHT:ジブチルヒドロキシトルエン
表1.医科歯科用硬化性組成物の組成表 に示した組成にて、1液型医科歯科用硬化性組成物(調合例1〜7)をそれぞれ調製し、実施例および比較例に用いた。
本発明のウレトジオン基および、少なくとも一種類以上のラジカル重合性基を分子内に併せ持つカップリング性有機化合物を含有した医科歯科用硬化性組成物の接着性試験に関して、表2に接着性試験結果、表3に接着耐久性試験結果、表4に貯蔵安定性試験結果を示す。
これらの結果より分かるように、本発明のウレトジオン基および、少なくとも一種類以上のラジカル重合性基を分子内に併せ持つカップリング性有機化合物を含有した医科歯科用硬化性組成物は歯質およびポーセレンに対し良好な接着性能を有する事が分る。しかしながら、1級アミノ基を末端に有するシランカップリング剤(比較例1)や従来から医科歯科分野で使用されているシランカップリング剤(比較例2)では調製直後から既に著しく接着能が低い事が分る。これは、比較例1の場合、1級アミノ基はホスホン酸基やカルボン酸基を有する重合性単量体と錯体形成するために、歯質およびポーセレンに対する接着活性を失うためと推察される。また、比較例2の場合はシランカップリング剤の脱アルコール(加水分解反応)が進行し、縮合するために、同様に接着活性を失うためと推察される。対して、本発明のウレトジオン基および、少なくとも一種類以上のラジカル重合性基を分子内に併せ持つカップリング性有機化合物は貯蔵安定性試験後も分解する事無く安定した接着性を示した。これは、本発明のウレトジオン基および、少なくとも一種類以上のラジカル重合性基を分子内に併せ持つカップリング性有機化合物は耐酸性が高く加水分解反応が抑制されたためと考えられる。以上の評価結果より、本発明のウレトジオン基および、少なくとも一種類以上のラジカル重合性基を分子内に併せ持つカップリング性有機化合物は耐酸性が高く、従来技術では貯蔵困難なpH2から3の酸性下でも安定に存在が可能となった。これにより、1液性の医科歯科用硬化性組成物の製造が可能となった。
Claims (4)
- ウレトジオン基および、少なくとも一種類以上のラジカル重合性基を分子内に併せ持つカップリング性有機化合物。
- 分子構造が以下の式である事を特徴とする請求項1記載のカップリング性有機化合物。
- 請求項1〜2に記載のカップリング性有機化合物を含有する医科歯科用硬化性組成物。
- 前記カップリング性有機化合物以外に、ホスホン酸基含有重合性単量体、多価カルボン酸基含有重合性単量体、重合性単量体、水、水溶性有機溶媒、重合開始剤、光酸発生剤を含む事を特徴とする、請求項3に記載の医科歯科用硬化性組成物。
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