JP2018172065A - 車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】懸架装置をスムーズに作動させることができる車両を提供する【解決手段】自動車1は、車体8と、車体8に設けられた原動機2と、原動機2の出力によって回転する前輪WF1と、前輪WF1を回転自在に支える前輪アーム148と、車輪WF1の向きを変更するハンドル512と、車体8と前輪WF1との間での衝撃や振動の伝達を抑制する伸縮式フロントサスペンション312と、車体8と前輪WF1とを接続する前方スイングアーム134と、を備える。前方スイングアーム134は、揺動自在な前端部134aを備え、前端部134aには、前端部134aに揺動自在に連結された連結リンク152と、前方スイングアーム134を介して前輪WF1に動力を伝達自在な等速ジョイント140と、が設けられ、連結リンク152と前輪アーム148がボール継手150を介して接続されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、スイングアームと懸架装置とを介して車体に接続される車輪を備える車両に関する。
従来、車輪の接地面が変化し摩擦が変化しても変速機への衝撃を緩和すべく、前輪及び後輪が駆動される車両に搭載される原動機からの駆動力が伝達される入力軸と、入力軸に対して平行に配置され、且つ前輪へ駆動力を出力する前輪側出力軸と、入力軸及び前輪側出力軸に対して平行に配置され、且つ後輪へ駆動力を出力する後輪側出力軸と、入力軸の回転を変速自在に前輪側出力軸へ伝達可能な前輪側変速機構と、入力軸の回転を変速自在に後輪側出力軸へ伝達可能な後輪側変速機構と、前輪側変速機構から前輪までの間の動力伝達経路に設けられた前輪側クラッチと、後輪側変速機構から後輪までの間の動力伝達経路に設けられた後輪側クラッチとを備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
二輪駆動オートバイの前車輪を動かす駆動装置としては、特許文献2が知られている。
特許文献2のものでは、前車輪サスペンション及び原動機の間に配置された支柱であって、第1の伝動部材と、支柱本体及び舵取り前車輪の間に配置した第2の伝動部材とを設けた支柱を備える。2輪駆動オートバイの舵取り前車輪を舵取りコラム内の旋回ハンドルバーにより駆動する駆動装置において、前車輪サスペンションを伸縮式にし、このサスペンションに、前記舵取りコラムに対して回動自在に取り付けられ、且つ前車輪の車軸に固定したスリーブ内に滑動自在に取り付けた少なくとも1つのフォーク管を設け、ショックアブソーバ手段をフォーク管及びスリーブの間に挿入している。
特開2016−215886号公報 特表平4−505597号公報
特許文献1は、通常の例えばモノコック式ボディの四輪駆動車における前後輪変速装置であり、四輪バギーや二輪駆動車などの鞍乗型車両における軽量なボディやサスペンション形式における前後輪変速装置ではない。
また、特許文献2のような二輪駆動オートバイの前車輪を動かす駆動装置は、スポーツ用又は軍事用の砂や泥のような悪路環境下で荒く使用する場合には有利である。但し、特許文献2の支柱は、一端部を歯車箱出力軸同軸に取り付け、他端部をリレー箱に取り付け、リレー箱は前部サスペンションを構成する伸縮前部フォークのスリーブに固定してあるので、フロントサスペンションが往復運動するとき、駆動軸を装着した支柱は、歯車箱出力軸を中心に円運動するため、フロントサスペンションの作動は支柱の歯車箱出力軸中心の円運動によって制限されるので自由に作動することができないという問題がある。
更には、二輪駆動オートバイの場合には、前後のタイヤの周長が同じでない場合、例えば、後輪の方が大きい場合、前後のタイヤで周速に差が生じて、タイヤや駆動系に負荷が掛かる。直進時は問題なくともコーナリング時にトレッド(接地面)がタイヤの側面側に移動するため、周速が前後で異なり、その結果、舗装路でのハンドリングの重さ、フロントに駆動力があるためにアクセルを開けたときに後輪が大きいと後輪の周速が早くオーバーステア気味になるなど、路面からの負荷の伝達による動力循環等の不具合により、通常の後輪駆動車と比べると異なる乗り味になるなどの問題がある。それを回避するために、例えば、ワン・ウェイ・クラッチ等を介して動力を伝達する手段もあるが、一時的に動力が伝達できなくなるだけで根本的な解決手段にはならない。
そこで、フロントサスペンションのような懸架装置の作動に影響がなく、前後のタイヤの周速に差が生じず、路面からの負荷の伝達による動力循環等の不具合が起きない四輪バギーや二輪駆動車などの鞍乗型車両における軽量なボディやサスペンション形式における車両が求められる。
本発明は、以上の点に鑑み、懸架装置をスムーズに作動させることができる車両を提供することを目的とする。
[1]上記目的を達成するため、本発明は、
車体(例えば、実施形態の車体8。以下同一。)と、
前記車体に設けられた原動機(例えば、実施形態の原動機2。以下同一。)と、
前記原動機の出力によって回転する車輪(例えば、実施形態の前輪WF1,WF2。以下同一。)と、
前記車輪を回転自在に支える支持体(例えば、実施形態の前輪アーム148。以下同一。)と、
前記車輪の向きを変更する操舵装置(例えば、実施形態のハンドル512。以下同一。)と、
前記車体と前記車輪との間での衝撃や振動の伝達を抑制する懸架装置(例えば、実施形態の伸縮式フロントサスペンション312。以下同一。)と、
前記車体と前記車輪とを接続するスイングアーム(例えば、実施形態の前方スイングアーム134。以下同一。)と、
を備える車両(例えば、実施形態の自動車1や自転車1’。以下同一。)であって、
前記スイングアームは、揺動自在な揺動部(例えば、実施形態の前端部134a。以下同一。)を備え、
前記揺動部には、前記揺動部に揺動自在に連結された連結リンク(例えば、実施形態の連結リンク152。以下同一。)と、前記スイングアームを介して前記車輪に動力を伝達自在な等速ジョイント(例えば、実施形態の等速ジョイント140。以下同一。)と、が設けられ、
前記連結リンクと前記支持体とが球面継手(例えば、実施形態のボール継手150。以下同一。)を介して接続されていることを特徴とする。
本発明によれば、スイングアームの揺動部と車軸とが連結リンク及び球面継手を介して接続されているため、懸架装置の運動軌跡とスイングアームの運動軌跡とが異なる場合であっても、連結リンクと球体継手とで両軌跡の変化を吸収することができ、懸架装置及びスイングアームを滑らかに作動させることができる。
[2]また、本発明においては、
変速機(例えば、実施形態の無段変速機3。以下同一。)を備え、
前記車輪は、前輪又は後輪の何れか一方であり、
前記変速機は、
前記原動機からの駆動力が伝達される入力軸(例えば、実施形態の入力軸14。以下同一。)と、
前記入力軸に対して平行に配置され、且つ前記前輪へ駆動力を出力する前輪側出力軸(例えば、実施形態の前輪側出力軸16。以下同一。)と、
前記入力軸及び前記前輪側出力軸に対して平行に配置され、且つ前記後輪へ駆動力を出力する後輪側出力軸(例えば、実施形態の後輪側出力軸18。以下同一。)と、
前記入力軸の回転を変速自在に前記前輪側出力軸へ伝達可能な前輪側変速機構(例えば、実施形態の前輪側変速機構24。以下同一。)と、
前記入力軸の回転を変速自在に前記後輪側出力軸へ伝達可能な後輪側変速機構(例えば、実施形態の後輪側変速機構26。以下同一。)と、
前記前輪側変速機構から前記前輪までの間の動力伝達経路に設けられた前輪側クラッチ(例えば、実施形態の前輪側クラッチ28。以下同一。)と、
前記後輪側変速機構から前記後輪までの間の動力伝達経路に設けられた後輪側クラッチと(例えば、実施形態の後輪側クラッチ30。以下同一。)を備えることが好ましい。
かかる構成によれば、前輪側変速機構から前輪までの間の動力伝達経路に前輪側クラッチが設けられ、後輪側変速機構から後輪までの間の動力伝達経路に後輪側クラッチが設けられている。このため、車輪の接地面が変化して摩擦が変化しても変速機に伝達される衝撃を前輪側クラッチ及び後輪側クラッチで吸収することができる。
また、前輪側変速機構と後輪側変速機構との変速比を前輪と後輪の径の差を考慮して制御することにより、前輪と後輪との周速の差を制御することができる。これにより、前輪と後輪の周速の差に基づく路面からの余計な負荷が入力されることを防止することができる。
[3]また、本発明においては、前記前輪側クラッチは、前記前輪側出力軸と同一軸線上であって、前記前輪側変速機構に設けられ、前記後輪側クラッチは、前記後輪側出力軸と同一軸線上であって、前記後輪側変速機構に設けられていることが好ましい。
かかる構成によれば、前輪側クラッチ及び後輪側クラッチが変速機構に設けられるため、制御部による制御が容易となる。
[4]また、本発明においては、
請求項2又は請求項3に記載の変速機であって、
前記前輪側変速機構は、
前記入力軸と同一軸線上に設けられたプーリシャフト(例えば、実施形態のプーリシャフト20。以下同一。)と、
前記プーリシャフトに設けられた前輪側駆動プーリ(例えば、実施形態の前輪側駆動プーリ50。以下同一。)と、
前記前輪側出力軸に設けられた前輪側従動プーリ(例えば、実施形態の前輪側従動プーリ52。以下同一。)とを備え、
前記後輪側変速機構は、
前記プーリシャフトに設けられた後輪側駆動プーリ(例えば、実施形態の後輪側駆動プーリ60。以下同一。)と、
前記後輪側出力軸に設けられた後輪側従動プーリ(例えば、実施形態の後輪側従動プーリ62。以下同一。)とを備え、
前記前輪側駆動プーリは、前記プーリシャフトに固定された前輪駆動側固定半体(例えば、実施形態の前輪駆動側固定半体50a。以下同一。)と、前記プーリシャフトと一体に回転し且つ前記プーリシャフトの軸線方向に移動自在な前輪駆動側可動半体(例えば、実施形態の前輪駆動側可動半体50b。以下同一。)とを備え、
前記前輪側従動プーリは、前記前輪側出力軸に固定された前輪従動側固定半体(例えば、実施形態の前輪従動側固定半体52a。以下同一。)と、前記前輪側出力軸と一体に回転し且つ前記前輪側出力軸の軸線方向に移動自在な前輪従動側可動半体(例えば、実施形態の前輪従動側可動半体52b。以下同一。)とを備え、
前記後輪側駆動プーリは、前記プーリシャフトに固定された後輪駆動側固定半体(例えば、実施形態の後輪駆動側固定半体60a。以下同一。)と、前記プーリシャフトと一体に回転し且つ前記プーリシャフトの軸線方向に移動自在な後輪駆動側可動半体(例えば、実施形態の後輪駆動側可動半体60b。以下同一。)とを備え、
前記後輪側従動プーリは、前記後輪側出力軸に固定された後輪従動側固定半体(例えば、実施形態の後輪従動側固定半体62a。以下同一。)と、前記後輪側出力軸と一体に回転し且つ前記後輪側出力軸の軸線方向に移動自在な後輪従動側可動半体(例えば、実施形態の後輪従動側可動半体62b。以下同一。)とを備え、
前記前輪駆動側固定半体と前記後輪駆動側固定半体とが前記プーリシャフト上で隣接するように、前記前輪側駆動プーリと前記後輪側駆動プーリとが前記プーリシャフト上に配置され、
前記前輪従動側可動半体は、前記前輪従動側固定半体よりも前記後輪側駆動プーリ側に配置され、
前記後輪従動側可動半体は、前記後輪従動側固定半体よりも前記前輪側駆動プーリ側に配置されていることが好ましい。
かかる構成によれば、前輪駆動側固定半体と後輪駆動側固定半体とを隣接させて配置することができ、前輪側駆動プーリと後輪側駆動プーリとの間の距離を最小限に設定することができ、変速機の軸方向の寸法を短く設定することができる。
また、前輪従動側可動半体が、前輪従動側固定半体よりも後輪側駆動プーリ側に配置され、後輪従動側可動半体が、後輪従動側固定半体よりも前輪側駆動プーリ側に配置される。このため、前輪側従動プーリの後輪側変速機構の側の空きスペースを前輪従動側可動半体の移動スペースとして有効活用することができる。また、後輪側従動プーリの前輪側変速機構の側の空きスペースを後輪従動側可動半体の移動スペースとして有効活用することができる。従って、変速機の軸方向の寸法を短くすることができる。
[5]また、本発明においては、前記前輪側クラッチと前記後輪側クラッチとを制御する制御部(例えば、実施形態の制御部ECU。以下同一。)を備え、前記前輪側クラッチは、所定の車両情報に基づいて設定される前記前輪の目標駆動トルクが前記入力軸から前記前輪側出力軸へ伝達されるように制御され、前記後輪側クラッチは、所定の車両情報に基づいて設定される前記後輪の目標駆動トルクが前記入力軸から前記後輪側出力軸へ伝達されるように制御されることが好ましい。
かかる構成によれば、前輪側クラッチ及び後輪側クラッチで駆動力を制御することができ、運転者やトラクションコントロールシステムなどの駆動力要求に対する応答性及び制御性を向上させることができる。
図1は、本発明の実施形態の第1実施例の四輪自動車を示す模式図である。 図2は、図1の四輪自動車を横から示す模式図である。 図3Aは、第1実施例の四輪自動車の前輪を駆動する駆動装置とステアリングを示す平面図である。図3Bは、第1実施例の四輪自動車の前輪を駆動する駆動装置とステアリングを示す正面図である。 図4は、第1実施例の四輪自動車の前輪を駆動する駆動装置の説明図である。 図5は、本実施形態の第2実施例の四輪自動車の前輪を駆動する駆動装置の説明図である。 図6Aは、第2実施例の四輪自動車の前輪を駆動する駆動装置を示す平面図である。図6Bは、第2実施例の四輪自動車の前輪を駆動する駆動装置を示す正面図である。 図7は、本実施形態の第3実施例の二輪自動車の説明図である。 図8は、第3実施例の二輪自動車を横から示す模式図である。 図9Aは、第3実施例の前輪への動力伝達を示す説明図である。図9Bは、第3実施例の二輪自動車を示す正面図である。図9Cは、第3実施例の二輪自動車の前輪を駆動する駆動装置を横から示す説明図である。 図10Aは、第4実施例の前輪への動力伝達を示す説明図である。図10Bは、第4実施例の二輪自動車を示す正面図である。図10Cは、第3実施例の二輪自動車の前輪を駆動する駆動装置を横から示す説明図である。 図11は、第4実施例の二輪自動車のフロントサスペンションの直線的な運動軌跡と前輪スイングアームの弧を描く運動軌跡を示す説明図である。 図12は、本実施形態の車両の制御部の概念図である。 図13Aは、本実施形態の上り坂の駆動力制御を示す説明図である。図13Bは、本実施形態の上り坂の駆動力制御を示す説明図である。図13Cは、本実施形態の上り坂の駆動力制御を示す説明図である。図13Dは、本実施形態の上り坂の駆動力制御を示す説明図である。図13Eは、本実施形態の上り坂の駆動力制御を示す説明図である。図13Fは、本実施形態の上り坂の駆動力制御を示す説明図である。図13Gは、本実施形態の上り坂の駆動力制御を示す説明図である。 図14Aは、本実施形態の上り坂での姿勢制御の一例を示す説明図である。図14Bは、本実施形態の上り坂での姿勢制御の一例を示す説明図である。図14Cは、本実施形態の上り坂での姿勢制御の一例を示す説明図である。 図15Aは、本実施形態のジャンプから着地までの姿勢制御の一例を示す説明図である。図15Bは、従来品のジャンプから着地までの姿勢変化を示す従来説明図である。 図16Aは、本実施形態のジャンプから着地までの姿勢制御の一例を示す説明図である。図16Bは、従来品のジャンプから着地までの姿勢変化を示す従来説明図である。 図17Aは、本実施形態の第5実施例の二輪自転車の前輪を駆動する駆動装置の説明図である。図17Bは、本実施形態の第5実施例の二輪自転車の前輪を駆動する駆動装置の正面図である。図17Cは、本実施形態の第5実施例の二輪自転車の前輪を駆動する駆動装置を横から示す説明図である。 図18は、本実施形態の第5実施例の内装型の無段変速機を示す模式図である。
図を参照して、本発明の実施形態の車両を説明する。
[実施例1]
図1は、本実施形態の第1実施例のオフロード鞍乗型四輪自動車1を示している。図1に示すように、自動車1は、2つの前輪WF1,WF2と、2つの後輪WR1,WR2とを備える。自動車1は、内燃機関又は電動機からなる原動機2を前輪WF1,WF2と後輪WR1,WR2との間に横置きで配置したミッドシップレイアウト車両である。なお、本発明の車両は、ミッドシップレイアウトの横置き型車両(自動車1)に限定されるものではなく、車両のフロントやリヤに原動機を配置した車両に用いてもよく、また、原動機を縦置きしてもよく、何れの車両であっても、本発明の効果を得ることができる。
第1実施例の自動車1は、ベルト(チェーンを含む)式の無段変速機3(Continuously Variable Transmission。連続可変変速機ともいう。)を備える。
自動車1(車両)は、前輪側の差動制限装置4(Limited Slip Differential)と、後輪側の差動制限装置5と、を備える。
原動機2は吸気路に配置されたスロットルバルブを備える。スロットルバルブは、アクセルペダルと機械的に接続されておらず、電動モータなどのアクチュエータを備えるドライブバイワイヤ機構を介して電気信号によりアクセルペダルと接続され、アクセルペダルの操作に応じて開閉される。
原動機2に吸い込まれる空気は、スロットルバルブで流入量を調整されてインテークマニホールドを通ってインジェクタから噴射された燃料と混合し、混合気となる。シリンダの吸気バルブが開かれると、混合気はシリンダに流入する。シリンダ内の混合気は、点火プラグで点火されて燃焼し、ピストンを押圧する。押圧されたピストンはクランクシャフトを回転させ、燃焼した混合気は排気ガスとなって原動機2から排出される。原動機2のクランクシャフトから出力された駆動力は、無段変速機3に伝達される。
図2に自動車1の横から示すように、無段変速機3は、原動機2の下に配置されており、チェーン6(又はベルト)を介して原動機2の動力が入力される。
図1を参照して、無段変速機3は、車体8に取り付けられているものであり、変速機ケース12内に回転自在に軸支された入力軸14と、入力軸14と平行に配置された前輪側出力軸16と、入力軸14及び前輪側出力軸16と平行に配置された後輪側出力軸18と、入力軸14と同心に配置された筒状のプーリシャフト20と、前後進切換機構22と、前輪側変速機構24と、後輪側変速機構26と、前輪側クラッチ28と、後輪側クラッチ30とを備える。プーリシャフト20内には入力軸14が挿通され、プーリシャフト20は入力軸14に相対回転自在に軸支されている。
前後進切換機構22は、シングルピニオン型の遊星歯車機構で構成され、サンギヤ32と、リングギヤ34と、キャリア36と、ピニオン38と、前進切替クラッチ40と、後進切替ブレーキ42とを備える。
サンギヤ32は、入力軸14に固定されており、入力軸14と一体に回転する。リングギヤ34はサンギヤ32と同心に配置され、且つプーリシャフト20と一体に回転するように固定されている。
ピニオン38は、サンギヤ32の周りに等間隔で複数(例えば、3つ)配置され、サンギヤ32及びリングギヤ34に夫々噛合する。キャリア36は、ピニオン38を自転自在に軸支すると共に、キャリア36自身が回転することによりピニオン38をサンギヤ32に対して公転自在に軸支する。
前進切替クラッチ40は、サンギヤ32とリングギヤ34とを連結した連結状態と、この連結を断つ解放状態とに切換自在に構成されている。後進切替ブレーキ42は、キャリア36と変速機ケース12とを連結してキャリア36を回転不能とする固定状態と、この固定を解除する解放状態とに切換自在に構成されている。
前輪側変速機構24は、プーリシャフト20に一体回転するように固定された前輪側駆動プーリ50と、前輪側出力軸16に一体回転するように固定された前輪側従動プーリ52とを備える。前輪側駆動プーリ50と前輪側従動プーリ52には、金属ベルト又はチェーンで構成される前輪側無端部材54が巻き掛けられている。
また、後輪側変速機構26は、前輪側駆動プーリ50に隣接させて、プーリシャフト20に一体回転するように固定された後輪側駆動プーリ60と、後輪側出力軸18に一体回転するように固定された後輪側従動プーリ62とを備える。後輪側駆動プーリ60と後輪側従動プーリ62には、金属ベルト又はチェーンで構成される後輪側無端部材64が巻き掛けられている。
前輪側駆動プーリ50は、プーリシャフト20に固定された前輪駆動側固定半体50aと、プーリシャフト20と一体に回転し且つプーリシャフト20の軸線方向に移動自在な前輪駆動側可動半体50bとを備える。
前輪側従動プーリ52は、前輪側出力軸16に固定された前輪従動側固定半体52aと、前輪側出力軸16と一体に回転し且つ前輪側出力軸16の軸線方向に移動自在な前輪従動側可動半体52bとを備える。
後輪側駆動プーリ60は、プーリシャフト20に固定された後輪駆動側固定半体60aと、プーリシャフト20と一体に回転し且つプーリシャフト20の軸線方向に移動自在な後輪駆動側可動半体60bとを備える。
後輪側従動プーリ62は、後輪側出力軸18に固定された後輪従動側固定半体62aと、後輪側出力軸18と一体に回転し且つ後輪側出力軸18の軸線方向に移動自在な後輪従動側可動半体62bとを備える。
前輪従動側可動半体52bは、前輪従動側固定半体52aよりも後輪側駆動プーリ60側に配置されている。後輪従動側可動半体62bは、後輪従動側固定半体62aよりも前輪側駆動プーリ50側に配置されている。
自動車1は、無段変速機3から出力された駆動力を前輪側の差動制限装置4へ伝達させる前方チェーン72(又はベルト)と、変速機3から出力された駆動力を後輪側の差動制限装置5へ伝達させる後方チェーン82とを備える。
無段変速機3には、前輪側出力軸16と同一軸線上に位置させて、前輪変速側中間軸56が配置されている。前輪変速側中間軸56には、前輪変速側スプロケット58が設けられている。
前輪側の差動制限装置4は、前輪差動側スプロケット112を備える。
前方チェーン72は、前輪変速側スプロケット58及び前輪差動側スプロケット112に巻き掛けられており、前輪変速側スプロケット58から前輪差動側スプロケット112に動力を伝達することができる。
無段変速機3には、後輪側出力軸18と同一軸線上に位置させて、後輪変速側中間軸66が配置されている。後輪変速側中間軸66には、後輪変速側スプロケット68が設けられている。
後輪側の差動制限装置5は、後輪差動側スプロケット162を備える。
後方チェーン82は、後輪変速側スプロケット68及び後輪差動側スプロケット162に巻き掛けられており、後輪変速側スプロケット68から後輪差動側スプロケット162に動力を伝達することができる。
前輪側クラッチ28は、前輪側出力軸16と前輪変速側中間軸56とを解除自在に連結する。後輪側クラッチ30は、後輪側出力軸18と後輪変速側中間軸66とを解除自在に連結する。
前輪側の差動制限装置4は、左前輪差動軸114と、右前輪差動軸116と、左前輪差動軸114と右前輪差動軸116とを解除自在に連結する前輪差動制限用クラッチ118と、デファレンシャル機構120と、を備える。
デファレンシャル機構120は、左前輪差動軸114及び右前輪差動軸116の回転中心軸線に対して直交するように配置された直交軸122と、互いに対向させて配置され且つ直交軸122に回転自在に軸支される一対のベベルギヤ124と、左前輪差動軸114及び右前輪差動軸116に夫々1つずつ一体回転するように固定して設けられ且つ一対のベベルギヤ124に夫々噛合する一対のサイドギヤ126とを備える。直交軸122には、前輪差動側スプロケット112が同心に連結されている。
後輪側の差動制限装置5は、左後輪差動軸164と、右後輪差動軸166と、左後輪差動軸164と右後輪差動軸166とを解除自在に連結する後輪差動制限用クラッチ168と、デファレンシャル機構170と、を備える。
デファレンシャル機構170は、左後輪差動軸164及び右後輪差動軸166の回転中心軸線に対して直交するように配置された直交軸172と、互いに対向させて配置され且つ直交軸172に回転自在に軸支される一対のベベルギヤ174と、左後輪差動軸164及び右後輪差動軸166に夫々1つずつ一体回転するように固定して設けられ且つ一対のベベルギヤ174に夫々噛合する一対のサイドギヤ176とを備える。直交軸172には、後輪差動側スプロケット162が同心に連結されている。
左前輪差動軸114と、右前輪差動軸116とには、中間前輪駆動側スプロケット132,132が夫々設けられている。車体8には、前方に向かって延びる左右一対の前方スイングアーム134,134が設けられている。前方スイングアーム134,134の前端部134a,134a(揺動部)には、中間前輪従動側スプロケット136が夫々設けられている。中間前輪駆動側スプロケット132,132と、中間前輪従動側スプロケット136,136とには、夫々中間チェーン138,138が巻き掛けられており、中間チェーン138,138を介して、中間前輪駆動側スプロケット132,132から中間前輪従動側スプロケット136,136へと動力が伝達される。
中間前輪従動側スプロケット136,136には、等速ジョイント140,140の一端が接続されている。等速ジョイント140の他端には、前輪駆動側スプロケット142,142が等速回転自在に接続されている。この等速ジョイント140,140によって、ステアリング操作による前輪WF1,WF2の向きの変化を許容する。
前輪WF1,WF2には、夫々一対の伸縮式フロントサスペンション312が合計4つ設けられている。伸縮式フロントサスペンション312は、インナーチューブ312aと、インナーチューブ312aが挿入されるアウターチューブ312bとで構成される。一対の伸縮式フロントサスペンション312,312の上方部は、ブリッジ314で連結されている。左右一対のブリッジ314,314は、その間に配置されるハンドル512と、ステアリングリンク514で接続されている。ステアリングリンク514を介して、ハンドル512の操作が、ブリッジ314に伝達され、ハンドル512の傾きとブリッジ314が同一に変化する。これにより、自動車1の前輪WF1,WF2の向きが操作される。
また、前輪WF1,WF2には、対応する前輪WF1,WF2に夫々一体回転する前輪従動側スプロケット144が設けられている。前輪駆動側スプロケット142と、前輪従動側スプロケット144とには、前輪チェーン146が巻き掛けられており、前輪チェーン146を介して、前輪駆動側スプロケット142から前輪従動側スプロケット144へと動力が伝達される。
前輪駆動側スプロケット142と前輪従動スプロケット44とは、前輪アーム148に回転自在に取り付けられている。また、前輪アーム148には、前輪駆動側スプロケット142の取付位置よりも上端に位置させて、ボール継手150を介して連結リンク152の一端が取り付けられている。連結リンク152の他端は、前方スイングアーム134の揺動端に回動自在に連結されている。
左後輪差動軸164と、右後輪差動軸166とには、後輪駆動側スプロケット182,182が夫々設けられている。また、車体8の後方には、車体8に対して揺動自在に取り付けられた矩形状の後輪フレーム184,184が設けられている。後輪フレーム184には、後輪WR1,WR2が回転自在に取り付けられている。
また、後輪フレーム184,184には、後輪従動側スプロケット186が後輪WR1,WR2と一体回転するように取り付けられている。
後輪駆動側スプロケット182と後輪従動側スプロケット186とには、後輪チェーン188,188が巻き掛けられており、後輪チェーン188によって、後輪駆動側スプロケット182から後輪従動側スプロケット186に動力が伝達される。
また、車体8と後輪フレーム184とには、伸縮式リアサスペンション412が取り付けられている。伸縮式リアサスペンション412によって、後輪フレーム184を介した衝撃や振動が車体8に伝達されることを抑制している。伸縮式リアサスペンション412は、伸縮式フロントサスペンションよりも伸縮ストロークが小さく設定されている。
四輪バギーや二輪オフロード自動車などでは、悪路等で優れた運動性能を発揮するためにバネ下重量の低減による路面追従性と質量集中による慣性モーメントの低減が必要となる。
したがって、軽量な二輪形式の伸縮式懸架装置(伸縮式サスペンション)に加えて差動制限装置(LSD)などの重量物の質量集中化により優れた運動性能を発揮することが可能になる。それに加えて、原動機から前後進切替機構(発進クラッチ)を経て、1つのドライブプーリに対して2つのドリブンプーリを設け、各々に発進可能でトルク容量制御が可能なクラッチを設け、それぞれ前後輪に動力を伝達する機構により、路面状況により、スリップが生じた時も、路面からの負荷の伝達による動力循環等の不具合が生じることになり、路面状況により、スリップが生じた時に発進可能でトルク容量制御が可能なクラッチを設けたため、動力循環等の不具合が起きない。
また、それぞれ前後輪に動力を伝達する機構により、前輪および後輪のみの駆動が可能になったため、前、後輪で異なる路面状況にも適切に対応できる。
なお、図1では、説明の便宜上、差動制限装置(LSD)をドリブンプーリの前後方向にずらして配置された車両を示した。しかしながら、本実施例の四輪自動車は、図2で横から示すように、前後方向寸法を短くすべく、差動制限装置(LSD)をドリブンプーリの上下方向に配置してもよい。図2では、差動制限装置(LSD)をドリブンプーリの上方に配置したものを示している。しかしながら、差動制限装置(LSD)は、ドリブンプーリの下方に配置されていてもよい。同様に、動力源は、ドライブプーリの下方に位置していてもよい。
図3Aは、第1実施例の四輪自動車の前輪を駆動する駆動装置とステアリングを示す平面図である。図3Bは、第1実施例の四輪自動車の前輪を駆動する駆動装置とステアリングを示す正面図である。
図3A及び図3Bでは、四輪バギーや二輪駆動車におけるサスペンション形式における前輪駆動とステアリング装置を示している。
図4は、第1実施例の四輪自動車の前輪を駆動する駆動装置の説明図である。
ここで、フロントサスペンションは直線往復運動、前輪スイングアームはピボットを中心に円運動する。このため、前輪スイングアームの揺動端をフロンサスペンションに直接接続したのでは、フロントサスペンションの直線的な運動軌跡と、前輪スイングアームの揺動端の弧を描く運動軌跡との相対距離の変化によって、フロントサスペンションが滑らかに作動できない虞がある。そこで、第1実施例では、フロントサスペンションに連動して作動する球面ジョイントと前輪を駆動する駆動軸を装着した前輪スイングアームとが、連結リンクを介して連結されている。この連結リンクによって、両者の軌道のミスマッチを吸収することができる。
このことによりフロントサスペンションが十分にストロークしても、駆動軸を装着した前輪スイングアームと球面ジョイントに連結する前輪を駆動する駆動軸の軌道のミスマッチを小さくすることができる。
[第2実施例]
図5は、本実施形態の第2実施例の四輪自動車の前輪を駆動する駆動装置の説明図である。
図1で示した第1実施形態のものに対して、フロントサスペンションを片持ち構造にしたものである。フロントサスペンションを片持ち構造にすることで、内側のフロントサスペンションがなくなり、内側のフロントサスペンションが車体などに接触することがない。これにより、ハンドル切れ角を大きくすることができる。また、後輪スイングアーム184’も片持ち構造としている。
図6Aは、本実施形態の第2実施例の四輪自動車の前輪を駆動する駆動装置を示す平面図である。図6Bは、第2実施例の四輪自動車の前輪を駆動する駆動装置を示す正面図である。
[第3実施例]
図7は、本実施形態の第3実施例の二輪自動車の説明図である。
二輪自動車の場合は、特に前後進切替機構は必要がないが、第1、第2の両実施例と同様に、第3実施例の二輪自動車にも前後進切替機構を設けてもよい。
図8は、第3実施例の二輪自動車を横から示す模式図である。図8に示すようにコンパクトに配置することができる。
図9Aは、第3実施例の二輪自動車を示す正面図である。図9Bは、第3実施例の前輪への動力伝達を示す説明図である。
[第4実施例]
図10は、本実施形態の第4実施例の二輪自動車を示す正面図である。第4実施例の二輪自動車では、第3実施例の二輪自動車と比較して、フロントサスペンションを片持ち構造にしている。これにより、フロントサスペンションが2つ備えられたものと比較して、フロントサスペンションが1つになったことにより、省略された側の空間が広く取れ、ハンドル切れ角を大きくすることができる。
図11は、第4実施例の二輪自動車のフロントサスペンションの直線的な運動軌跡と前輪スイングアームの弧を描く運動軌跡を示す説明図である。
フロントサスペンションに連動して作動する球面ジョイントと前輪を駆動する駆動軸を装着した前輪スイングアームが連結リンクによって連結し、前輪スイングアームの前輪を駆動する駆動軸は駆動軸継手を介してフロントサスペンションに連動して作動する球面ジョイントに連結する前輪を駆動する駆動軸を駆動する駆動装置を持つため、悪路等でフロントサスペンションが十分にストロークしても前輪を駆動できる。
[制御部]
図12に模式的に示すように、自動車1は、CPUやメモリなどで構成される電子制御ユニットからなる制御部ECUを備える。制御部ECUはメモリなどの記憶部に記憶された制御プログラムをCPUで実行して、所定の車両情報に基づき、前後進切換機構22や前輪側変速機構24、後輪側変速機構26、前輪側クラッチ28、後輪側クラッチ30を制御する。
また、自動車1には、ハンドル角センサ、アクセル開度センサ、ブレーキ圧センサ、車輪速センサ、加速度センサ、ヨー・ピッチ・リーンのレートジャイロセンサ、プーリ回転数センサ、プーリ圧センサ、クラッチ圧センサが設けられている。
また、制御部ECUには、自動車1に設けられたハンドル角センサ、アクセル開度センサ、ブレーキ圧センサ、車輪速センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサ、プーリ回転数センサ、プーリ圧センサ、前輪側クラッチ28と後輪側クラッチ30と前進切替クラッチ40などのクラッチ圧センサ、などの各種センサからの情報(信号)が送信される。
制御部ECUは、受信した各種センサからの情報(所定の車両情報)に基づき、運転者の意思や現在の車両の状態や挙動、変速機の状態などを判定し、前輪WF1,WF2及び後輪WR1,WR2の目標駆動トルクを夫々個別に設定し(所定状況下において同一に設定するように構成してもよい)、設定された目標駆動トルクに基づいて、オイルポンプや油圧制御装置に設けられた電磁制御弁などを制御して、無段変速機3を制御する。
図12は、本実施形態の車両の制御部の概念図である。
路面状況により、スリップが生じた時も、前輪および後輪の駆動が可能にするために車両の状態を車輪速、加速度(前後G、横G、上下G)、レートジャイロ等で検出する。無段変速機3(CVT)の状態をプーリ回転数、プーリ圧、クラッチ圧等で検出する。
ライダーの意思をハンドル角、アクセル開度、ブレーキ圧、クラッチ圧等で検出する。
これらの情報で制御部ECUが判断、油圧ユニットを作動させ、CVTユニットを制御する。
クラッチ圧は、マニュアル・モードを設定して、例えば後輪はマニュアルで操作可能として、前輪は後輪の駆動力と車両の状態に応じた自動制御設定ができる。また、路面状況に応じて、例えば前輪はマニュアルで操作可能として、後輪は前輪の駆動力と車両の状態に応じた自動制御設定としてもよい。
[作用]
次に、図13A〜Gを参照して、自動車1が上り坂を上るときの制御部ECUの駆動力制御を説明する。まず、図13Aで、上り坂に差し掛かる前は、制御部ECUは、前輪WF1,WF2及び後輪WR1,WR2の駆動力を通常通り制御する。そして、図13Bに示すように、自動車1が上り坂に差し掛かって前輪WF1,WF2のみに摩擦力や負荷が増加したことを前輪WF1,WF2の車輪速センサからの信号に基づき確認した制御部ECUは、前輪WF1,WF2の駆動力を増加させるように、前輪側変速機構24の変速比、及び前輪側クラッチ28の締結圧を制御する。
そして、図13Cに示すように、後輪WR1,WR2も上り坂に到達して摩擦力や後輪WR1,WR2に加わる負荷が増加したことを後輪WR1,WR2の車輪速センサからの信号に基づき確認した制御部ECUは、前輪WF1,WF2及び後輪WR1,WR2の駆動力を通常通り制御する。
そして、図13Dに示すように、前輪WF1,WF2が上り坂を登り切って空転若しくは空転に近い状態であり、前輪WF1,WF2と路面との間の摩擦力が低下したことを前輪WF1,WF2の車輪速センサからの信号に基づき確認した制御部ECUは、後輪WR1,WR2の駆動力を増加させるように、後輪側変速機構26の変速比、及び後輪側クラッチ30を制御する。これにより、前輪WF1,WF2で得ることのできない駆動力を後輪WR1,WR2の駆動力で補うことができる。このとき、前輪WF1,WF2へ駆動力を伝達することなく、後輪WR1,WR2のみに駆動力を伝達する状態となってもよい。
そして、図13Eに示すように、前輪WF1,WF2が路面と接触して徐々に摩擦力が増加していくことを前輪WF1,WF2の車輪速センサからの信号に基づき確認した制御部ECUは、徐々に増加する摩擦力に基づいて、徐々に駆動力を増加させていく。
そして、図13Fに示すように、後輪WR1,WR2も上り坂を登り切って空転若しくは空転に近い状態となり、後輪WR1,WR2と路面との間の摩擦力が低下したことを後輪WR1,WR2の車輪速センサからの信号に基づき確認した制御部ECUは、前輪WF1,WF2の駆動力を増加させるように、前輪側変速機構24の変速比、及び前輪側クラッチ28を制御する。これにより、後輪WR1,WR2で得ることのできない駆動力を前輪WF1,WF2の駆動力で補うことができる。このとき、後輪WR1,WR2へ駆動力を伝達することなく、前輪WF1,WF2のみに駆動力を伝達する状態となってもよい。
そして、図13Gに示すように、後輪WR1,WR2が路面と接触して徐々に摩擦力が増加していくことを後輪WR1,WR2の車輪速センサからの信号に基づき確認した制御部ECUは、徐々に増加する摩擦力に基づいて、徐々に駆動力を増加させていき、通常の駆動力制御に戻る。
次に、図14Aから図14Cを参照して、本実施形態の上り坂を上ったときの自動車1の姿勢制御を説明する。自動車1にはジャイロセンサが搭載されており、ジャイロセンサから自動車1の傾きの情報が制御部ECUに送信される。
制御部ECUは、前輪WF1,WF2及び後輪WR1,WR2の車輪速センサからの信号に基づき自動車1の前輪WF1,WF2が地面から浮いた状態であると判定した場合には、制御部ECUは、ジャイロセンサから受信した自動車1の傾き情報に基づき、自動車1の傾きを確認する。
そして、自動車1の傾きを確認した制御部ECUは、前輪WF1,WF2の回転速度を増加させるように、前輪側変速機構24及び前輪側クラッチ28を制御する。このように制御することにより、前輪WF1,WF2を回転させる動力は、自動車1に対しては前輪WF1,WF2を軸にして後方を持ち上げるような反力となり、自動車1は前輪WF1,WF2を短時間で着地させることができる。
次に、図15A、図15B、図16A及び図16Bを参照して、本実施形態のジャンプ中の姿勢制御を説明する。自動車1にはジャイロセンサが搭載されており、ジャイロセンサから自動車1の傾きの情報が制御部ECUに送信される。
制御部ECUは、前輪WF1,WF2及び後輪WR1,WR2の車輪速センサからの信号に基づき自動車1がジャンプ中であると判定した場合には、制御部ECUは、ジャイロセンサから受信した自動車1の傾き情報に基づき、自動車1の傾きを確認する。
自動車1の傾きを確認した制御部ECUは、自動車1の前方側が下方に下がっているのか又は自動車1の前方側が上方に上がっているのかを確認する。
図15Aに示すように、ジャンプ中に自動車1の前方側が上方に上がっているのを確認した制御部ECUは、自動車1の水平姿勢に対する自動車1の傾き度合に応じて前輪WF1,WF2の回転速度を増加させるように、前輪側変速機構24及び前輪側クラッチ28を制御する。
このように制御することにより、前輪WF1,WF2を回転させる動力は、自動車1に対しては前輪WF1,WF2を軸にして後方を持ち上げるような反力となり、自動車1は着地時に水平姿勢を取ることができる。このとき、制御部ECUは、自動車1の後輪WR1,WR2のブレーキを掛けるように指示信号を送信して、後輪WR1,WR2の制動力の反力をも用いて水平姿勢とするように制御してもよい。
図15Bは、図15Aのように制御しなかった場合の比較例を示している。図15Bから明らかなように、後輪WR1,WR2で着地することとなり、後輪WR1,WR2への衝撃が大きくなる。
図16Aに示すように、自動車1の前方側が下方に下がっている場合には、自動車1の水平姿勢に対する自動車1の傾き度合に応じて後輪WR1,WR2の回転速度を増加させるように、後輪側変速機構26及び後輪側クラッチ30を制御する。
このように制御することにより、後輪WR1,WR2を回転させる動力は、自動車1に対しては後輪WR1,WR2を軸にして前方を持ち上げるような反力となり、自動車1は着地時に水平姿勢を取ることができる。このとき、制御部ECUは、自動車1の前輪WF1,WF2のブレーキを掛けるように指示信号を送信して、前輪WF1,WF2の制動力の反力をも用いて水平姿勢とするように制御してもよい。
図16Bは、図16Aのように制御しなかった場合の比較例を示している。図16Bから明らかなように、前輪WF1,WF2で着地することになり、前輪WF1,WF2への衝撃が大きくなる。
本実施形態においては、前輪側駆動プーリ50(プーリシャフト20と前輪側駆動プーリ50との間を含む)、前輪側従動プーリ52、前輪側出力軸16、前輪変速側中間軸56、前輪変速側スプロケット58、前方チェーン72、前輪差動側スプロケット112、前輪側の差動制限装置4、中間前輪駆動側スプロケット132、中間チェーン138、中間前輪従動側スプロケット136、等速ジョイント140、前輪駆動側スプロケット142、前輪チェーン146、前輪従動側スプロケット144、前輪WF1,WF2が、本発明の前輪側変速機構から前輪までの間の動力伝達経路に該当する。
また、本実施形態においては、後輪側駆動プーリ60(プーリシャフト20と後輪側駆動プーリ60との間を含む)、後輪側従動プーリ62、後輪側出力軸18、後輪変速側中間軸66、後輪変速側スプロケット68、後方チェーン82、後輪差動側スプロケット162、後輪側の差動制限装置5、後輪駆動側スプロケット182、後輪チェーン188、後輪従動側スプロケット186、後輪WR1,WR2が本発明の後輪側変速機構から後輪までの間の動力伝達経路に該当する。
本実施形態の自動車1によれば、前輪側変速機構24から前輪WF1,WF2までの間の動力伝達経路に前輪側クラッチ28が設けられ、後輪側変速機構26から後輪WR1,WR2までの間の動力伝達経路に後輪側クラッチ30が設けられている。このため、車輪の接地面が変化して摩擦が変化しても無段変速機3に伝達される衝撃を前輪側クラッチ28及び後輪側クラッチ30で吸収することができる。
また、本実施形態の変速機3によれば、前輪側クラッチ28及び後輪側クラッチ30が前輪側変速機構24及び後輪側変速機構26に夫々設けられるため、変速機3が備える油圧制御装置を用いて前輪側クラッチ28及び後輪側クラッチ30を制御することができる。このため、前輪側クラッチ28及び後輪側クラッチ30専用の油圧回路や電動モータを設ける必要がなく、制御部ECUによる前輪側クラッチ28及び後輪側クラッチ30の制御が容易となる。
また、本実施形態の自動車1によれば、前輪駆動側固定半体50aと後輪駆動側固定半体60aとを隣接させて配置することができ、前輪側駆動プーリ50と後輪側駆動プーリ60との間の距離を最小限に設定することができ、無段変速機3の軸方向の寸法を短く設定することができる。
また、本実施形態の自動車1によれば、前輪従動側可動半体52bが、前輪従動側固定半体52aよりも後輪側駆動プーリ60側に配置され、後輪従動側可動半体62bが、後輪従動側固定半体62aよりも前輪側駆動プーリ50側に配置される。このため、前輪側従動プーリ52の後輪側変速機構26の側の空きスペースを前輪従動側可動半体52bの移動スペースとして有効活用することができる。
また、後輪側従動プーリ62の前輪側変速機構24の側の空きスペースを後輪従動側可動半体62bの移動スペースとして有効活用することができる。従って、無段変速機3の軸方向の寸法を短くすることができる。
また、本実施形態の自動車1によれば、前輪側クラッチ28及び後輪側クラッチ30の締結圧を制御することにより前輪WF1,WF2及び後輪WR1,WR2に伝達される駆動力を制御することができ、運転者やトラクションコントロールシステムなどの駆動力要求に対する応答性及び制御性を向上させることができる。
なお、本実施形態においては、前輪側クラッチ28を、前輪側出力軸16と前輪変速側中間軸56とを接続できる位置に配置し、後輪側クラッチ30を、後輪側出力軸18と後輪変速側中間軸66とを接続できる位置に配置したものを説明した。
しかしながら、本発明の前輪側クラッチの介設箇所は、前輪側の動力伝達経路上であれば他の部分であってもよく、また後輪側クラッチの介設箇所は、後輪側の動力伝達経路上であれば他の部分であってもよい。但し、前輪側変速機構又は後輪側変速機構から離れた場所に介設する場合には、前輪側変速機構又は後輪側変速機構と同一の油圧制御装置を用いて制御し難くなるが、この場合には別途クラッチ専用の制御装置を設ければよい。
図13Aは、本実施形態の上り坂の駆動力制御を示す説明図である。図13Bは、本実施形態の上り坂の駆動力制御を示す説明図である。図13Cは、本実施形態の上り坂の駆動力制御を示す説明図である。図13Dは、本実施形態の上り坂の駆動力制御を示す説明図である。図13Eは、本実施形態の上り坂の駆動力制御を示す説明図である。図13Fは、本実施形態の上り坂の駆動力制御を示す説明図である。図13Gは、本実施形態の上り坂の駆動力制御を示す説明図である。
上り坂の駆動力を制御して効率的な駆動力を得る。
前輪の摩擦係数や負荷が増加時は前輪の駆動力を増加する。最大は前輪駆動である。
上り坂頂点部に前輪がさしかかった時のような前輪と路面との接触面積減少による前輪の摩擦係数が低下時は後輪の駆動力を増加する。最大は後輪駆動である。
上り坂頂点部を前輪が通過時のような前輪加重の減少時は後輪の駆動力を増加する。最大は後輪駆動である。
上り坂頂点部に後輪がさしかかった時のような後輪と路面との接触面積減少による後輪の摩擦係数が低下時は前輪の駆動力を増加する。最大は前輪駆動である。
図14Aは、本実施形態の上り坂での姿勢制御の一例を示す説明図である。図14Bは、本実施形態の上り坂での姿勢制御の一例を示す説明図である。図14Cは、本実施形態の上り坂での姿勢制御の一例を示す説明図である。
モータスポーツの様に上り坂を勢いよく上がり、前輪が上になったまま空中に投げ出された場合、前輪が浮き前輪を早く接地する車体の姿勢制御が必要になる。
本実施形態では、前輪の回転数を増加させることで、前輪のイナーシャが増加により車体を回転させ、接地時間が短縮できる。
図15Aは、本実施形態のジャンプから着地までの姿勢制御の一例を示す説明図である。図15Bは、従来品のジャンプから着地までの姿勢変化を示す従来説明図である。
図16Aは、本実施形態のジャンプから着地までの姿勢制御の一例を示す説明図である。図16Bは、従来品のジャンプから着地までの姿勢変化を示す従来説明図である。
モータスポーツのように高速でジャンプした場合、着地に車体の姿勢制御が必要になる。本実施形態では、前後輪を無段階に変速制御できるため車輪の回転数を増加させることで、車輪のイナーシャが増加により車体を回転させ、ジャンプによって空中に浮かんだ車体の姿勢制御が可能になる。
車両の前が高い時は、前輪の回転数を増加させることで、前輪のイナーシャが増加により車体を回転させ、水平姿勢にする。
車両の前が低い時は、後輪の回転数を増加させることで、後輪のイナーシャが増加により車体を回転させ、水平姿勢にする。
[第5実施例]
図17Aは、本実施形態の第5実施例の二輪自転車の前輪を駆動する駆動装置の説明図である。図17Bは、本実施形態の第5実施例の二輪自転車の前輪を駆動する駆動装置の正面図である。図17Cは、本実施形態の第5実施例の二輪自転車の前輪を駆動する駆動装置を横から示す説明図である。
図17に示す第5実施例のように、本実施形態は、動力源を有する車両のみならず、動力源を有しない車両(例えば、人力で走行する自転車(電動補助付き自転車を含む))にも適用することができる。第5実施例の自転車は、図18に示す、内装型の無段変速機3’を備えている。第5実施例の無段変速機3’は、環状の入力リング212と、入力リング212と同心に配置された環状の出力リング214と、入力リング212及び出力リング214の内端縁に当接するボール216と、ボール216を回転自在に軸支するボールシャフト218と、ボール216に無段変速機3’の径方向内側から当接する当接部材220とを備える。ボール216及びボールシャフト218は、周方向に間隔を存して複数配置されている。そして、ボールシャフト218の傾きを変更することにより、ボール216に接触する入力リング212の内端縁からボールシャフト218までの距離Riと、ボール216に接触する出力リング214の内端縁からボールシャフト218までの距離Roとが変化し、変速することができる。
第5実施例の自転車にも、第1実施例から第4実施例と同様に、前輪WF1への動力伝達経路に連結リンク152とボール継手150とを設けることができ、伸縮式フロントサスペンション312と前方スイングアーム134との運動軌跡の差を吸収させることができる。
また、伸縮式フロントサスペンション312には、ハンドル512が取り付けられ、ハンドル操作によって、前輪WF1の向きが変更しても、等速ジョイント140とボール継手150とでスムーズにハンドル512を切ることができる。
[その他の実施例]
伸縮式フロントサスペンション312は、インナーチューブ312aが上方に位置しアウターチューブ312bが下方に位置する正立フォークであってもよいし、アウターチューブが上方に位置しインナーチューブが下方に位置する倒立フォークであってもよいし、テレスコピック式フォーク以外の懸架装置であってもよい。倒立フォークであれば、ばね下荷重を軽減することができ、正立フォークであれば、メンテナンスし易く製品コストも抑えることができる。
本発明の懸架装置は伸縮式フロントサスペンション312に限らず、リアサスペンションであってもよい。
また、実施形態では、ハンドル512としての操舵装置によって前輪WF1,WF2の向きが変えられるものを説明したが、本発明の車両はこれに限らない。例えば、操舵装置によって、後輪の向きが変えられるものでもよく、又は前輪と後輪の両方の向きが変えられるものであってもよい。
また、制御部は、前輪及び後輪の径の差に基いて、クラッチや変速比を制御してもよい。前輪側変速機構と後輪側変速機構との変速比を前輪と後輪の径の差を考慮して制御することにより、前輪と後輪との周速の差を制御することができる。これにより、前輪と後輪の周速の差に基づく路面からの余計な負荷が入力されることを防止することができる。
1 自動車
1’ 自転車
2 原動機(内燃機関、電動機)
3 無段変速機
4 前輪側の差動制限装置
5 後輪側の差動制限装置
6 チェーン(又はベルト)
8 車体
12 変速機ケース
14 入力軸
16 前輪側出力軸
18 後輪側出力軸
20 プーリシャフト
22 前後進切換機構
24 前輪側変速機構
26 後輪側変速機構
28 前輪側クラッチ
30 後輪側クラッチ
32 サンギヤ
34 リングギヤ
36 キャリア
38 ピニオン
40 前進切替クラッチ
42 後進切替ブレーキ
50 前輪側駆動プーリ
50a 前輪駆動側固定半体
50b 前輪駆動側可動半体
52 前輪側従動プーリ
52a 前輪従動側固定半体
52b 前輪従動側可動半体
54 前輪側無端部材
56 前輪変速側中間軸
58 前輪変速側スプロケット
60 後輪側駆動プーリ
60a 後輪駆動側固定半体
60b 後輪駆動側可動半体
62 後輪側従動プーリ
62a 後輪従動側固定半体
62b 後輪従動側可動半体
64 後輪側無端部材
66 後輪変速側中間軸
68 後輪変速側スプロケット
72 前方チェーン(又はベルト)
82 後方チェーン(又はベルト)
112 前輪差動側スプロケット
114 左前輪差動軸
116 右前輪差動軸
118 前輪差動制限用クラッチ
120 デファレンシャル機構
122 直交軸
124 ベベルギヤ
126 サイドギヤ
132 中間前輪駆動側スプロケット
134 前方スイングアーム
134a 前端部(揺動部)
136 中間前輪従動側スプロケット
138 中間チェーン
140 等速ジョイント
142 前輪駆動側スプロケット
144 前輪従動側スプロケット
146 前輪チェーン
148 前輪アーム
150 ボール継手
152 連結リンク
162 後輪差動側スプロケット
164 左後輪差動軸
166 右後輪差動軸
168 後輪差動制限用クラッチ
170 デファレンシャル機構
172 直交軸
174 ベベルギヤ
176 サイドギヤ
182 後輪駆動側スプロケット
184 後輪フレーム
184’ 後輪スイングアーム
186 後輪従動側スプロケット
188 後輪チェーン
212 入力リング
214 出力リング
216 ボール
218 ボールシャフト
220 当接部材
312 伸縮式フロントサスペンション
312a インナーチューブ
312b アウターチューブ
314 ブリッジ
412 伸縮式リアサスペンション
512 ハンドル
514 ステアリングリンク
612 ペダル
ECU 制御部
WF1,WF2 前輪
WR1,WR2 後輪

Claims (5)

  1. 車体と、
    前記車体に設けられた原動機と、
    前記原動機の出力によって回転する車輪と、
    前記車輪を回転自在に支える支持体と、
    前記車輪の向きを変更する操舵装置と、
    前記車体と前記車輪との間での衝撃や振動の伝達を抑制する懸架装置と、
    前記車体と前記車輪とを接続するスイングアームと、
    を備える車両であって、
    前記スイングアームは、揺動自在な揺動部を備え、
    前記揺動部には、前記揺動部に揺動自在に連結された連結リンクと、前記スイングアームを介して前記車輪に動力を伝達自在な等速ジョイントと、が設けられ、
    前記連結リンクと前記支持体とが球面継手を介して接続されていることを特徴とする車両。
  2. 請求項1に記載の車両であって、
    変速機を備え、
    前記車輪は、前輪又は後輪の何れか一方であり、
    前記変速機は、
    前記原動機からの駆動力が伝達される入力軸と、
    前記入力軸に対して平行に配置され、且つ前記前輪へ駆動力を出力する前輪側出力軸と、
    前記入力軸及び前記前輪側出力軸に対して平行に配置され、且つ前記後輪へ駆動力を出力する後輪側出力軸と、
    前記入力軸の回転を変速自在に前記前輪側出力軸へ伝達可能な前輪側変速機構と、
    前記入力軸の回転を変速自在に前記後輪側出力軸へ伝達可能な後輪側変速機構と、
    前記前輪側変速機構から前記前輪までの間の動力伝達経路に設けられた前輪側クラッチと、
    前記後輪側変速機構から前記後輪までの間の動力伝達経路に設けられた後輪側クラッチとを備えることを特徴とする車両。
  3. 請求項2に記載の車両であって、
    前記前輪側クラッチは、前記前輪側出力軸と同一軸線上であって、前記前輪側変速機構に設けられ、
    前記後輪側クラッチは、前記後輪側出力軸と同一軸線上であって、前記後輪側変速機構に設けられていることを特徴とする車両。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の車両であって、
    前記前輪側変速機構は、
    前記入力軸と同一軸線上に設けられたプーリシャフトと、
    前記プーリシャフトに設けられた前輪側駆動プーリと、
    前記前輪側出力軸に設けられた前輪側従動プーリとを備え、
    前記後輪側変速機構は、
    前記プーリシャフトに設けられた後輪側駆動プーリと、
    前記後輪側出力軸に設けられた後輪側従動プーリとを備え、
    前記前輪側駆動プーリは、前記プーリシャフトに固定された前輪駆動側固定半体と、前記プーリシャフトと一体に回転し且つ前記プーリシャフトの軸線方向に移動自在な前輪駆動側可動半体とを備え、
    前記前輪側従動プーリは、前記前輪側出力軸に固定された前輪従動側固定半体と、前記前輪側出力軸と一体に回転し且つ前記前輪側出力軸の軸線方向に移動自在な前輪従動側可動半体とを備え、
    前記後輪側駆動プーリは、前記プーリシャフトに固定された後輪駆動側固定半体と、前記プーリシャフトと一体に回転し且つ前記プーリシャフトの軸線方向に移動自在な後輪駆動側可動半体とを備え、
    前記後輪側従動プーリは、前記後輪側出力軸に固定された後輪従動側固定半体と、前記後輪側出力軸と一体に回転し且つ前記後輪側出力軸の軸線方向に移動自在な後輪従動側可動半体とを備え、
    前記前輪駆動側固定半体と前記後輪駆動側固定半体とが前記プーリシャフト上で隣接するように、前記前輪側駆動プーリと前記後輪側駆動プーリとが前記プーリシャフト上に配置され、
    前記前輪従動側可動半体は、前記前輪従動側固定半体よりも前記後輪側駆動プーリ側に配置され、
    前記後輪従動側可動半体は、前記後輪従動側固定半体よりも前記前輪側駆動プーリ側に配置されていることを特徴とする車両。
  5. 請求項2から請求項4の何れか1項に記載の車両であって、
    前記前輪側クラッチと前記後輪側クラッチとを制御する制御部を備え、
    前記前輪側クラッチは、所定の車両情報に基づいて設定される前記前輪の目標駆動トルクが前記入力軸から前記前輪側出力軸へ伝達されるように制御され、
    前記後輪側クラッチは、所定の車両情報に基づいて設定される前記後輪の目標駆動トルクが前記入力軸から前記後輪側出力軸へ伝達されるように制御されることを特徴とする車両。
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