JP2018170212A - 有機el画像表示装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マトリクス状に配置された有機電界発光層を含む発光素子基板と上記有機電界発光層に対応した部位をマトリクス状に含む光学機能性樹脂層とを接着することを含む有機EL画像表示装置の製造方法において、シワを発生させず、かつ各有機電界発光層と各光学機能性樹脂層との位置ずれを生じさせない製造方法を提供する。【解決手段】接着層を光学機能性樹脂層を含むフィルム表面または上記発光素子基板表面に設けること、上記フィルムを上記発光素子基板と対面させ、上記フィルムに張力負荷しながら上記有機電界発光層と上記対応した部位との位置合わせを行なうこと、および上記位置合わせされた状態で上記接着層を紫外線照射等で硬化することを含み、上記接着層が転写により設けられる、上記製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、有機EL画像表示装置の製造方法に関する。
マトリクス状に配置された有機電界発光層の発光に基づき画像を形成する有機EL画像表示装置(「有機電界発光画像表示装置」、以下、単に「画像表示装置」ということがある。)においては、画像性能向上のために画像表示面に各種光学機能性樹脂層が設けられている。
例えば、外光の映り込みの低減およびコントラスト向上のために位相差層と偏光層とからなる円偏光板を配置することが一般的である。また、円偏光板の配置による輝度の低下をさらに偏光分離層を用いて防止することも提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の有機EL画像表示装置では、有機電界発光層から出射する光に対応した波長範囲で選択反射波長を調整してコレステリック液晶層をパターニングするため、各有機電界発光層と各コレステリック液晶層とが対応するように位置合わせして画像表示面に偏光分離層を積層する必要がある。
フィルム部材の積層における位置合わせの方法として、特許文献2には、位置合わせパターンを形成した基板と位置合わせパターンを形成したフィルム部材を用いる方法が開示されている。この方法においては、フィルム部材に硬化型接着層が塗工により設けられ、その後、この硬化型接着層を位置合わせパターン近傍から段階的に硬化して基板とフィルム部材を接着している。
特開2016−149372号公報 特開2002−113784号公報
一般的に、樹脂フィルムを発光素子基板等の基板に接着させる際にシワを発生させないようにするためには、樹脂フィルムに張力負荷し、伸ばした状態で接着させることが一般的である。しかし、特許文献1に記載のようにマトリクス状にコレステリック液晶層を含む偏光分離層を、張力負荷した状態で上記位置合わせを行なって発光素子基板と接着すれば、張力負荷方向の残留応力により、合わせた位置がずれてくると考えられる。また、特許文献2に記載の方法では、段階的な硬化の過程で、光学部材にシワが発生する可能性がある。
本発明は、マトリクス状に配置された有機電界発光層を含む発光素子基板と上記有機電界発光層に対応した部位をマトリクス状に含む光学機能性樹脂層とを接着することを含む有機EL画像表示装置の製造方法において、光学機能性樹脂層またはこれを含むフィルム等にシワを発生させず、かつ各有機電界発光層と各光学機能性樹脂層との位置ずれを生じさせない製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題の解決のために鋭意検討を行い、上記課題を解決する位置合わせ手段とその後の接着手段とを見出し、得られた知見に基づいて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は下記の[1]〜[11]を提供するものである。
[1]有機電界発光層がマトリクス状に配置された発光素子基板と上記有機電界発光層に対応した部位をマトリクス状に含む光学機能性樹脂層とを含む有機EL画像表示装置の製造方法であって、
接着層を、上記光学機能性樹脂層を含むフィルムのいずれか一方の表面または上記発光素子基板のいずれか一方の表面に設けること、
上記フィルムを上記発光素子基板と対面させて上記接着層を上記フィルムと上記発光素子基板との間に配置し、上記フィルムに張力負荷しながら上記有機電界発光層と上記対応した部位との位置合わせを行なうこと、および
上記位置合わせされた状態で上記接着層を加熱または紫外線照射を用いて硬化して、上記フィルムと上記発光素子基板とを接着することを含み、
上記接着層が上記接着層を含む転写フィルムからの転写により設けられる、上記製造方法。
[2]上記フィルムがロール状であって、上記張力負荷の方向が上記フィルムの長軸方向である[1]に記載の製造方法。
[3]上記発光素子基板がロール状であって、上記張力負荷の方向が上記発光素子基板の長軸方向である[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]上記接着層を上記発光素子基板のいずれか一方の表面に設けることを含む[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]上記接着層の厚みが2.0μm〜30μmである[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]上記接着層が重量平均分子量5万〜50万の熱可塑性樹脂、エチレン性不飽和二重結合を含む重合性化合物、および重合開始剤を含む[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]上記接着層が、さらに、フッ素系界面活性剤を含む[6]に記載の製造方法。
[8]上記硬化が紫外線による硬化である[1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9]上記光学機能性樹脂層が偏光分離層であり、
上記部位が、対応する上記有機電界発光層が発光した光のうち、1つの偏光状態の光を反射し、かつ他方の偏光状態の光を透過する偏光分離部位である[1]〜[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10]上記偏光分離部位がコレステリック液晶相を固定して形成された層からなる[9]に記載の製造方法。
[11]上記フィルムがさらに位相差層および偏光層を含み、
上記偏光分離層、上記位相差層、および上記偏光層が、上記対面側から、この順に配置される[9]または[10]に記載の製造方法。
本発明により、マトリクス状に配置された有機電界発光層を含む発光素子基板と上記有機電界発光層に対応した部位をマトリクス状に含む光学機能性樹脂層とを接着することを含む有機EL画像表示装置の製造方法において、光学機能性樹脂層にシワを発生させず、かつ各有機電界発光層と各光学機能性樹脂層との位置ずれを生じさせない製造方法が提供される。
実施例で用いたマスクを概略的に示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、数値、数値範囲、及び定性的な表現(例えば、「全て」、「同一」、「同じ」等の表現)については、画像表示装置やそれに用いられる部材について一般的に許容される誤差を含む数値、数値範囲及び性質を示していると解釈されるものとする。
本明細書において、例えば、「45°」、「平行」、「垂直」あるいは「直交」等の角度は、特に記載がなければ、厳密な角度との差異が5°未満の範囲内であることを意味する。厳密な角度との差異は、4°未満であることが好ましく、3°未満であることがより好ましい。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方または双方」の意味で使用される。「(メタ)アクリル酸」等についても同様である。
本明細書において、円偏光につき「センス」というときは、右円偏光であるか、または左円偏光であるかを意味する。円偏光のセンスは、光が手前に向かって進んでくるように眺めた場合に電場ベクトルの先端が時間の経過に従って時計回りに回る場合が右円偏光であり、反時計回りに回る場合が左円偏光であるとして定義される。
本明細書においては、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向について「センス」との用語を用いることもある。コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向(センス)が右の場合は右円偏光を反射し、左円偏光を透過し、センスが左の場合は左円偏光を反射し、右円偏光を透過する。
可視光線は電磁波のうち、ヒトの目で見える波長の光であり、380nm〜780nmの波長域の光を示す。
本明細書において、可視光透過率はJIS A 5759:2008に準拠して測定したものであればよい。可視光透過率の測定は、例えば、紫外可視近赤外分光機(日本分光(株)製、V−670、積分球ユニットISN−723使用)を用いて行うことができる。
また、本明細書において、可視光反射率は、JIS A5759に記載の計算方法に基づき算出した数値を意味する。すなわち、分光光度計にて波長 380nm〜780nmの反射率を測定し、CIE(国際照明委員会)昼光 D65の分光分布、CIE 明順応標準比視感度の波長分布および波長間隔から得られる重価係数を乗じて加重平均することによって可視光反射率を求める。
可視光反射率を得る際には、例えば、日本分光(株)製分光光度計「V−670」を用いることができる。
<有機EL画像表示装置の製造方法>
有機EL画像表示装置は、自発光型の表示装置であり、CRT(Cathode Ray Tube)型の表示装置や液晶表示装置と比較して視認性が高い、視野角依存性がないなどの表示性能の利点を有し、また、軽量化、薄型化できるといった利点もある。有機EL画像表示装置は、有機電界発光層群が設けられた発光素子基板により画像表示を行う。
本発明の製造方法により製造される有機EL画像表示装置においては有機電界発光層がマトリクス状に配置された発光素子基板と有機電界発光層に対応した部位をマトリクス状に含む光学機能性樹脂層とを含む。本発明の製造方法により製造される有機EL画像表示装置においてはまた、発光素子基板と光学機能性樹脂層との間に、接着層が含まれる。なお、本明細書において、接着層という用語は、硬化後の接着層および硬化前の接着層(後述する接着層形成用組成物により形成されている層)のいずれを示すときにも用いられる。いずれであるかは文脈より明らかであり、例えば、本発明の製造方法において、光学機能性樹脂層を含むフィルムのいずれか一方の表面または発光素子基板のいずれか一方の表面に設けられる接着層は、硬化前の接着層である。
本発明の製造方法により製造される有機EL画像表示装置は上記以外の他の層を含んでいてもよい。
本発明の製造方法は、
接着層を、光学機能性樹脂層を含むフィルムのいずれか一方の表面または発光素子基板のいずれか一方の表面に設けること、
上記フィルムを上記発光素子基板と対面させて上記接着層を上記フィルムと上記発光素子基板との間に配置し、上記フィルムに張力負荷しながら上記有機電界発光層と上記の対応した部位との位置合わせを行なうこと、および
上記位置合わせされた状態で上記接着層を加熱または紫外線照射を用いて硬化することを含む。
以下、各工程において用いられる材料、手順について説明する。
[発光素子基板]
発光素子基板としては、有機電界発光層がマトリクス状に配置されているものが用いられる。通常、発光素子基板は、ガラスなどの表面に薄膜トランジスタ(TFT)などにより形成された画素構造を有するTFT基板上に反射層および有機電界発光層を含むものであればよい。
単色発光の画像表示装置においては、有機電界発光層群に含まれる有機電界発光層はいずれも同じ波長の光を発光していればよい。一方、通常は、有機電界発光層群は、互いに異なる波長の光を発光する有機電界発光層を含むことが好ましく、2種以上の有機電界発光層、特に3種以上の有機電界発光層を含むことがより好ましい。有機電界発光層群は、赤色発光の有機電界発光層、緑色発光の有機電界発光層、および青色発光の有機電界発光層を含むことが好ましい。
発光素子基板において、TFT基板、反射層および有機電界発光層がこの順に配置されているとき、画像表示装置はトップエミッション方式で光を取り出して画像表示できる。発光素子基板において、TFT基板、有機電界発光層および反射層がこの順に配置されているとき、画像表示装置はボトムエミッション方式で光を取り出して画像表示できる。本発明の画像表示装置はトップエミッション方式でもボトムエミッション方式でもよいがトップエミッション方式であることが好ましい。
反射層は例えば反射電極であればよい。反射電極としては、有機電界発光装置に一般的に用いられているアルミニウム電極を用いることができる。発光素子基板はさらにITO(Indium Tin Oxide)電極などの透明電極を含む。発光素子基板における層構成の例としては、以下が挙げられる。
層構成1:TFT基板/反射電極/有機電界発光層/透明電極
層構成2:TFT基板/透明電極/有機電界発光層/反射電極
発光素子基板はさらに有機電界発光層の封止のためのバリア層、光取り出し層などを含んでいてもよい。
バリア層を設けることにより、水分に弱い有機電界発光層を封止して微量の水分も遮断することができる。バリア層は、通常、TFT基板、有機電界発光層、およびバリア層がこの順になるように設けられていればよい。
本発明の製造方法において発光素子基板が光学機能性樹脂層を含むフィルムと接着される表面は、上記層構成1の発光素子基板である場合はバリア層又は透明電極となっていることが好ましい。上記層構成2の発光素子基板である場合はTFT基板の面(TFTが設けられている面とは逆側の面)であればよい。
発光素子基板は、後述の張力負荷をラミネータを用いて行なうことを可能とするために、ロール状で用意されていてもよいが、ロール状としなくてもよい。
[有機電界発光層]
有機電界発光層は、少なくとも発光層を有し、さらに発光層以外の機能層として、正孔輸送層、電子輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層を含んでいてもよい層を意味する。
有機電界発光層は特開2016−139372号公報に記載のマイクロキャビティ構造の有機電界発光層を用いてもよい。
有機電界発光層、有機電界発光層中の各層、透明電極と反射電極の作製材料や構成、積層順、および発光素子基板の構成については、特開2012−155177号公報の段落0081〜0122の記載、特許第4011292号公報、特開2016−139372号公報を参照することができる。
[光学機能性樹脂層]
本明細書において、光学機能性樹脂層は、本発明の製造方法において組み合わせて使用される発光素子基板中の有機電界発光層に対応した部位をマトリクス状に含む層を意味する。本明細書において、対応するとは、本発明の製造方法により製造された画像表示装置を画像表示側から見たときに、有機電界発光層と上記部位とが同じ位置または少なくとも互いに一部が重なる位置にある状態であることを意味する。
光学機能性樹脂層の例としては、後述の偏光分離層が挙げられる。また、上記の対応した部位の例としては後述の偏光分離部位が挙げられる。
対応している有機電界発光層と上記部位とはサイズが同じであってもよく、有機電界発光層のサイズが大きくてもよく、上記部位のサイズが大きくてもよい。そのうち、上記部位が偏光分離部位であるとき、偏光分離部位のサイズが有機電界発光層のサイズより大きいことが好ましい。画像表示側から見たときに有機電界発光層が対応する偏光分離部位に覆われるようなサイズであることが好ましい。
本発明の製造方法に用いられる光学機能性樹脂層を含むフィルムは、光学機能性樹脂層以外の層を含んでいてもよい。例えば、光学機能性樹脂層が偏光分離層である場合、光学機能性樹脂層を含むフィルムはさらに位相差層、偏光層、または円偏光板を含んでいてもよい。さらに、それらいずれかの層と光学機能性樹脂層との接着のための接着層を含んでいてもよい。
光学機能性樹脂層を含むフィルムは、張力未負荷状態において、本発明の製造方法における張力負荷の方向と平行方向の有機電界発光層のピッチよりも小さいピッチで上記部位を含むように用意されることが好ましく、99.0〜99.99%の同方向のピッチで上記部位を含むように用意されることがより好ましい。光学機能性樹脂層を含むフィルムの準備の段階で、接着される発光素子基板における有機電界発光層のピッチに対して小さいピッチで上記部位を含むように光学機能性樹脂層を形成したフィルムを用いて、フィルムに張力がかかりフィルムが若干伸びた状態で上記部位の張力負荷の方向のピッチと有機電界発光層のピッチが一致するように調整することで、本発明の製造方法において、張力負荷しながら位置合わせを行なうことが可能となるからである。本明細書において、張力未負荷状態とは、張力がかけられていない状態を意味し、例えば、ロール状で用意されたフィルムについては、ロールをほどいた状態を意味する。
有機電界発光層のピッチに対する上記部位のピッチは99.9〜99.99%であることがより好ましい。
光学機能性樹脂層を含むフィルムは、支持体等の表面に設けられたフィルムとして用意されてもよい。支持体は、後述の位置合わせ前、または接着前に剥離してもよい。
また、光学機能性樹脂層を含むフィルムは、後述の張力負荷をラミネータを用いて行なうことを可能とするために、ロール状で用意されることが好ましい。
[位置合わせ、張力負荷]
光学機能性樹脂層を含むフィルムを、発光素子基板と対面させ、フィルムに張力負荷しながらマトリクス状の有機電界発光層とマトリクス状の上記部位との位置合わせを行なう。
張力負荷の方法は特に限定されないが、通常は、フィルムと発光素子基板との接着の際に用いられるラミネータで負荷される張力(ウェブテンション)により行なえばよい。ラミネータを用いた張力負荷の方法での張力の強度の調節はラミネータのテンションコントローラーにより行なうことができる。
ラミネータとしては、(株)日立インダストリイズ製(LamicII型)等を用いることができる。
張力負荷はフィルムの伸び率が0.01%〜1.0%であるように行なわれることが好ましく、0.01〜0.1%であるように行なわれることがより好ましい。
これにより、有機電界発光層と光学機能性樹脂層の位置ズレが累積することを防ぐことができる。例えば、フィルムの伸びにより0.1%のピッチのズレがあった場合、50cmの長さがある基板にフィルムを位置合わせする場合においてピッチの調整を行わなければ、基板の端において500μmもの位置ズレが生じてしまう。有機EL画像表示装置においては、発光層の大きさがおよそ50μm程度であるため、このズレを解消することが重要である。また、使用する基板のサイズが大きくなるほど基板の端側において位置ズレが大きくなるが、本発明の製造方法によればこれを改善することができる。
光学機能性樹脂層を含むフィルムがロール状である場合、張力負荷の方向は上記フィルムの長軸方向とすることが好ましい。このとき、これと直交する方向においては張力が負荷されていてもされていなくてもよい。
さらに、発光素子基板がロール状である場合、上記フィルムへの張力負荷の方向は発光素子基板の長軸方向とすることが好ましい。
位置合わせは、発光素子基板中の有機電界発光層とフィルム中の部位が対応するように行なう。有機EL画像表示装置の作製のために必要な範囲に配置されている有機電界発光層と上記部位は全て対応するように位置合わせを行なえばよい。
位置合わせは公知の方法で行なうことができる。例えば、特開2007-187926号公報に記載の方法をとることもできる。
位置合わせと同時または位置合わせの後に、貼り合わせを行なってもよい。貼り合わせは、光学機能性樹脂層を含むフィルムと発光素子基板とを接着層を介して互いに接触している状態にすることを意味する。貼り合せは、接着(硬化)の前に行なわれていればよい。貼り合せは、例えば、貼り合わせ用ローラーを内部に有する貼り合わせ装置(ラミネータ)により行なうことができる。
[接着、硬化]
本発明の製造方法において、光学機能性樹脂層を含むフィルムと発光素子基板とは、位置合わせされた状態で接着される。すなわち、フィルムに張力が負荷された状態で、そのまま接着される。
接着は、光学機能性樹脂層を含むフィルムと発光素子基板との間に配置された接着層を加熱または紫外線照射を用いて硬化することにより行なう。硬化は位置合わせされた部分については全面に同時に行なうことが好ましい。
硬化は用いる接着層に応じて、熱硬化または紫外線照射に基づく光硬化であればよい。このうち光硬化が好ましい。負荷された張力を保った状態で硬化しやすいためである。
熱硬化は、80℃〜200℃、好ましくは90℃〜150℃に加熱することにより行なえばよい。
光硬化における紫外線照射エネルギーは、20mJ/cm2〜3000mJ/cm2が好ましく、100mJ/cm2〜1000mJ/cm2がより好ましい。加熱条件下または窒素雰囲気下で光照射を実施してもよい。照射紫外線波長は350nm〜430nmが好ましい。
硬化を位置合わせされた部分については全面に同時に行なうため、例えば、貼り合わせ装置の中にある貼り合わせ用ローラーの直後に、紫外線照射装置または加熱装置を設置し、貼り合わせを行った直後に接着層の硬化を行うことができる。このような手順により、フィルムに張力が負荷され位置合わせした状態で、接着層の硬化を行うことができる。特に、紫外線照射装置を設置することが好ましい。紫外線による接着層の硬化によって熱膨張による位置精度の低下を回避できるためである。
接着層の配置は、光学機能性樹脂層を含むフィルムのいずれか一方の表面、または発光素子基板のいずれか一方の表面に、接着層を設けることにより行なう。特に、発光素子基板のいずれか一方の表面に、位置合わせの前に接着層を設けることが好ましい。より弾性率の高い発光素子基板に予め接着層を設けておくことにより硬化後の接着層に由来するシワや位置ずれが生じにくいからである。本発明の製造方法においては、接着層は、仮支持体および接着層を含む転写フィルムから、接着層を転写することにより上記いずれかの表面に設けられる。具体的には、例えば、仮支持体および接着層を含む転写フィルムの接着層側を上記いずれかの表面に接触させ、その後、仮支持体を剥離することにより転写が行なわれる。
接着層および硬化後の接着層の厚みは、いずれも、2.0μm〜30μmであることが好ましく、5.0μm〜20μmであることがより好ましい。
[接着層の組成]
接着層の組成は特に限定されず、後述の接着層形成に用いられる硬化タイプの接着剤を用いることができる。
また、本発明の製造方法においては、特開2003−228165号公報に記載の熱可塑性樹脂層の組成に、光または熱重合開始剤、および可塑剤と光又は熱による硬化の機能を兼ねて、重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物を加えた以下の組成の熱可塑性樹脂層を接着層として用いることも好ましい。
(熱可塑性樹脂層)
熱可塑性樹脂層は、少なくとも熱可塑性樹脂、重合開始剤、および上記重合性化合物を含む。熱可塑性樹脂層は必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。
熱可塑性樹脂としては、エチレンとアクリル酸エステル共重合体とのケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体とのケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、および(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等との(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のケン化物、等より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらの熱可塑性樹脂のうち、軟化点が80℃以下のものが好ましい。
上記熱可塑性樹脂の中で、好ましくは、重量平均分子量5万〜50万(Tg=0〜140℃)の範囲の樹脂が、より好ましくは重量平均分子量6万〜20万(Tg=30〜110℃)の範囲の樹脂を選択して使用することができる。これらの樹脂の具体例としては、特開昭63−147159号明細書に記載されたメチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体が挙げられる。
また、上記の種々の樹脂の中から、好ましくは重量平均分子量3千〜3万(Tg=30〜170℃)の範囲の樹脂、より好ましくは重量平均分子量4千〜2万(Tg=60〜140℃)の範囲の樹脂を選択して使用できる。好ましい具体例としては、特公昭55−38961号、特開平5−241340号の各公報に記載のスチレン/(メタ)アクリル酸共重合体が挙げられる。
重量平均分子量3千〜3万(Tg=30〜170℃)の範囲の樹脂は、上記の重量平均分子量5万〜50万(Tg=0〜140℃)の範囲の樹脂と併用することができる。
エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物は光の照射又は熱によって重合可能な重合性化合物であればよい。エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物としては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物が挙げられる。例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能アクリレートおよび単官能メタクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシドにプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
上記エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物は可塑剤としての機能も兼ねることができる。
重合開始剤は、硬化方法に応じて光重合開始剤または熱重合開始剤が用いられ、光重合開始剤を用いることが好ましい。
光重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。
ラジカル重合開始剤の例としてはBASF社から市販されているイルガキュア(Irgacure)シリーズ(例えば、イルガキュア651、イルガキュア754、イルガキュア184、イルガキュア2959、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア819など)、ダロキュア(Darocure)シリーズ(例えば、ダロキュアTPO、ダロキュア1173など)、クオンタキュア(Quantacure)PDO、ランベルティ(Lamberti)社から市販されているエザキュア(Esacure)シリーズ(例えば、エザキュアTZM、エザキュアTZT、エザキュアKTO46など)、エザキュアKIPシリーズ等が挙げられる。
熱重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬 V−60または 大塚化学 AIBNとして入手可能)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬 V−65または大塚化学ADVNとして入手可能)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬 V−70として入手可能)等の油溶性または水溶性の有機アゾ化合物等が挙げられる。
重合開始剤は熱可塑性樹脂の質量に対し、0.5質量%〜10.0質量%、好ましくは1質量%〜5質量%で含まれていればよい。
熱可塑性樹脂層には、熱可塑性樹脂および重合開始剤以外に他の成分として、仮支持体または剥離層との接着力を調節する目的で、実質的に軟化点が80℃を超えない範囲内で各種ポリマー、可塑剤、過冷却物質、密着改良剤、界面活性剤、離型剤等を添加することができる。これらによりTgの調整も可能である。好ましい可塑剤の具体例としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂とポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの付加反応生成物、有機ジイソシアネートとポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの付加反応生成物、有機ジイソシアネートとポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの付加反応生成物、ビスフェノールAとポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの縮合反応生成物を挙げることができる。アルカリ可溶性熱可塑性樹脂層中の、可塑剤の量は熱可塑性樹脂に対して200質量%以下が一般的で、20〜100質量%の範囲が好ましい。
界面活性剤は、熱可塑性樹脂と混ざり合うものであれば使用可能である。好ましい界面活性剤としては、公知の各種フッ素系界面活性剤、およびシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、又は、シリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)が挙げられる。これらの界面活性剤を2種以上組み合わせて用いてもよい。これらのうち、フッ素系界面活性剤が最も好ましい。
フッ素系界面活性剤の分子中のフッ素含有置換基のフッ素原子数は1〜38が好ましく、5〜25がより好ましく、7〜20が最も好ましい。
特に好ましい界面活性剤として、下記一般式(a)及び、一般式(b)で表されるモノマーを含み、且つ一般式(a)/一般式(b)の質量比が20/80〜60/40の共重合体を含有するものが挙げられる。
(式中、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を示す。nは1〜18の整数、mは2〜14の整数を示す。pは0〜18の整数を示すが、pが同時に0になる場合は含まない。)
また、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF−780、F171、F173、F176、F177、F189、F−554、R08(DIC(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、又は、シリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
[転写フィルム]
上記の組成の熱可塑性樹脂層を接着層として用いる場合は、必要に応じて溶媒に溶解した上記各成分の混合物を仮支持体に塗布し、塗布膜を乾燥することにより転写フィルムを得ることができる。また、必要に応じて仮支持体上に剥離層を設けてもよい。
このときの溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶剤、およびそれらの混合溶剤が挙げられる。
仮支持体としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどのポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリル樹脂フィルム、エポキシ樹脂フィルム、ポリウレタンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンフィルム、セルロース誘導体フィルム、シリコーンフィルムなどが挙げられる。また、剥離層としては、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ化シリコーン系樹脂などの中から選択して使用することができる。
転写フィルムを用いて発光素子基板表面または光学機能性樹脂層を含むフィルム表面に接着層を転写する方法については、特に限定されないが、特開2000−334836号、特開2002−148794号、特開平7−110575号、特開平11−77942号の各公報に記載の方法を参照することができる。
[その他の接着層]
本発明の画像表示装置は、各層の接着のためのその他の接着層を含んでいてもよい。接着層形成に用いられる接着剤としては硬化方式の観点からホットメルトタイプ、熱硬化タイプ、光硬化タイプ、反応硬化タイプ、硬化の不要な感圧接着タイプがあり、それぞれ素材としてアクリレート系、ウレタン系、ウレタンアクリレート系、エポキシ系、エポキシアクリレート系、ポリオレフィン系、変性オレフィン系、ポリプロピレン系、エチレンビニルアルコール系、塩化ビニル系、クロロプレンゴム系、シアノアクリレート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリスチレン系、ポリビニルブチラール系などの化合物を使用することができる。作業性、生産性の観点から、硬化方式として光硬化タイプ、特に紫外線硬化タイプが好ましく、光学的な透明性、耐熱性の観点から、素材はアクリレート系、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系などを使用することが好ましい。
その他の接着層の厚みは、0.1μm〜10μmであることが好ましく、0.5μm〜5.0μmであることがより好ましい。
[光学機能性樹脂層の例:偏光分離層]
偏光分離層は偏光分離部位を含む層である。
本明細書において、偏光分離部位は、対応する有機電界発光層の発光の波長域において、偏光分離を行う部位をいう。偏光分離とは、1つの偏光状態の光を反射し、かつ他方の偏光状態の光を透過することをいう。偏光分離は、1つの偏光方向の直線偏光を反射し、かつ上記偏光方向に直交する偏光方向の直線偏光を透過すること、または、一方のセンスの円偏光を反射し、かつ他方のセンスの円偏光を透過することであればよい。
有機EL画像表示装置は、一般的に外光の映り込みの低減およびコントラスト向上のために有機電界発光層群の画像表示側に、位相差層と偏光層から構成される円偏光板を含む。この構成では、有機電界発光層で発光した光の半分以上が円偏光板で吸収されるが、さらに偏光分離層を用いることにより輝度を向上させることができる。偏光分離層によって、偏光層を透過する光は透過させ、偏光層で吸収される偏光は反射して発光素子基板中の反射層で鏡面反射させることに基づき、光利用効率が高められるためである。
偏光分離層は、発光素子基板および円偏光板との間、または位相差層と偏光層との間に設けることができる。偏光分離層を有する有機EL画像表示装置においては、反射層、有機電界発光層、偏光分離層、および円偏光板がこの順に配置される。
偏光分離部位は、対応する有機電界発光層の発光の波長域において選択的に偏光分離を行うことができる部位であってもよく、上記波長域以外の波長域でも偏光分離を行うことができる部位であってもよい。「選択的な偏光分離」は、可視光領域のうち、偏光分離部位が対応する有機電界発光層の発光の波長域に対応する波長域のみにおける偏光分離をいう。したがって、偏光分離部位は、可視光領域のうち、偏光分離部位が対応する有機電界発光層の発光の波長域に対応する波長域のみにおいて偏光分離するものであってもよく、実質的に可視光の全波長域において偏光分離するものであってもよく、赤色波長域、緑色波長域、および青色波長域などの複数の波長域で偏光分離するものであってもよい。
本発明の画像表示装置における偏光分離層には、有機電界発光層群の複数の有機電界発光層に対応する複数の偏光分離部位が含まれる。対応している有機電界発光層と偏光分離部位とにおいては、有機電界発光層からの発光(発光の総量のうち、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上)が偏光分離部位で反射または透過されている状態であればよい。
対応している有機電界発光層と偏光分離部位とにおいて、偏光分離部位の反射の波長域が有機電界発光層の発光の波長域よりも広いことが好ましい。このような関係を満たす有機EL画像表示装置においては、輝度が正面だけでなく、斜め方向においても向上するからである。
偏光分離部位および偏光分離層は、それぞれ単層であってもよく、複数の層からなっていてもよい。偏光分離部位および偏光分離層は、例えば、複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子、ワイヤグリッド偏光子、またはコレステリック液晶層を含むことが好ましい。偏光分離部位および偏光分離層は、これらの層のいずれかに加えて、配向層、保護層(添加剤層)などを含んでいてもよい。偏光分離部位および偏光分離層は、コレステリック液晶層形成のために用いられる組成物を液晶化合物が配向していない状態で硬化して形成された光学的に等方性の層を含んでいてもよい。
偏光分離部位は、有機電界発光層が発光した光のうち、1つの偏光状態の光を反射し、かつ他方の偏光状態の光を透過する上記性質を達成している限り特に限定されないが、コレステリック液晶層を含む部位であることが好ましい。
コレステリック液晶層を含む偏光分離部位は、コレステリック液晶層のみからなっていてもよく、配向層や保護層(添加剤層)などの他の層を含んでいてもよい。
(コレステリック液晶層)
本明細書において、コレステリック液晶層は、コレステリック液晶相を固定した層を意味する。
コレステリック液晶相は、特定の波長域において右円偏光または左円偏光のいずれか一方のセンスの円偏光を選択的に反射させるとともに他方のセンスの円偏光を透過する円偏光選択反射を示すことが知られている。本明細書において、円偏光選択反射を単に選択反射ということもある。
円偏光選択反射性を示すコレステリック液晶相を固定した層を含むフィルムとして、重合性液晶化合物を含む組成物から形成されたフィルムは従来から数多く知られており、コレステリック液晶層については、それらの従来技術を参照することができる。
コレステリック液晶層は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持されている層であればよく、典型的には、重合性液晶化合物をコレステリック液晶相の配向状態としたうえで、紫外線照射、加熱等によって重合、硬化し、流動性が無い層を形成して、同時に、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることのない状態に変化した層であればよい。なお、コレステリック液晶層においては、コレステリック液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、層中の液晶化合物はもはや液晶性を示していなくてもよい。例えば、重合性液晶化合物は、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
コレステリック液晶層の選択反射の中心波長λは、コレステリック液晶相における螺旋構造のピッチP(=螺旋の周期)に依存し、コレステリック液晶層の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。なお、本明細書において、コレステリック液晶層が有する選択反射の中心波長λは、コレステリック液晶層の法線方向から測定した円偏光反射スペクトルの反射ピークの重心位置にある波長を意味する。また、本明細書において、選択反射の中心波長はコレステリック液晶層の法線方向から測定した時の中心波長を意味する。
コレステリック液晶層の選択反射中心波長と半値幅は下記のように求めることができる。
分光光度計UV3150(島津製作所)を用いてコレステリック液晶層の透過スペクトル(コレステリック液晶層の法線方向から測定したもの)を測定すると、選択反射帯域に透過率の低下ピークがみられる。このピークの極小透過率と低下前の透過率との中間(平均)の透過率となる2つの波長のうち、短波長側の波長の値をλl(nm)、長波長側の波長の値をλh(nm)とすると、選択反射の中心波長λと半値幅Δλは下記式で表すことができる。
λ=(λl+λh)/2
Δλ=(λh−λl
上記のように求められる選択反射中心波長はコレステリック液晶層の法線方向から測定した円偏光反射スペクトルの反射ピークの重心位置にある波長と略一致する。
上記λ=n×Pの式から分かるように、螺旋構造のピッチを調節することによって、選択反射の中心波長を調整できる。偏光分離部位に用いられるコレステリック液晶層においては対応する有機電界発光層から入射する(例えば法線方向で入射する)光の反射のために必要とされる選択反射の波長において右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射するようにn値とP値を調節して、中心波長λを調節することができる。
すなわち、本発明の画像表示装置においては、用いられる有機電界発光層の発光スペクトルのピーク(極大値)が対応する偏光分離部位のコレステリック液晶層が有する選択反射の中心波長と略同一となるように調整すればよい。選択反射の中心波長と画像表示装置の画像表示のための有機電界発光層の発光ピークの波長を合わせることにより、有機電界発光層が発光した光のうち、1つの偏光状態の光を反射し、かつ他方の偏光状態の光を透過することができる。
なお、コレステリック液晶層に対して斜めに入射する光に対しては、選択反射の中心波長は短波長側にシフトする。屈折率n2のコレステリック液晶層中でコレステリック液晶層の法線方向(コレステリック液晶層の螺旋軸方向)に対して光線がθ2の角度で通過するときの選択反射の中心波長をλdとするとき、λdは以下の式で表される。
λd=n2×P×cosθ2
コレステリック液晶層の平均屈折率nは重合性液晶化合物の種類などにより調整することができる。
コレステリック液晶相のピッチ(P値)は重合性液晶化合物とともに用いるキラル剤の種類、またはその添加濃度に依存するため、これらを調整することによって所望のピッチを得ることができる。なお、螺旋のセンスやピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46頁、および「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 丸善 196頁に記載の方法を用いることができる。
画像表示装置の偏光分離部位としては、各有機電界発光層の発光の波長に対応した選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層を用いればよい。例えば、有機電界発光層群は、赤色発光の有機電界発光層、緑色発光の有機電界発光層、および青色発光の有機電界発光層を含むときは、それぞれに対応した配置で赤色光の波長域(例えば580nm以上700nm未満)に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層と、緑色光の波長域(例えば500nm以上580nm未満)に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層と、青色光の波長域(例えば400nm以上500nm未満)に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層とを含んでいればよい。
各コレステリック液晶層としては、本発明の画像表示装置の円偏光板が透過する円偏光のセンスに合わせて螺旋のセンスが右または左のいずれかであるコレステリック液晶層が用いられる。具体的には円偏光板が透過する円偏光のセンスと同じセンスの円偏光を透過するコレステリック液晶相が用いられる。
コレステリック液晶層の反射円偏光のセンスは螺旋のセンスに一致する。偏光分離層に複数種のコレステリック液晶層が含まれるとき、それらの螺旋のセンスは通常全て同じであればよい。
(コレステリック液晶層の作製方法)
以下、コレステリック液晶層の作製方法について説明する。
コレステリック液晶層の形成には重合性液晶化合物を含む液晶組成物が用いられる。液晶組成物は、さらにキラル剤(光学活性化合物)を含んでいてもよい。必要に応じてさらに界面活性剤や重合開始剤などと混合して溶剤などに溶解した上記液晶組成物を、支持体、配向膜、下層となるコレステリック液晶層などに塗布し、配向熟成後、液晶組成物の硬化により固定化してコレステリック液晶層を形成することができる。
(重合性液晶化合物)
重合性液晶化合物としては、棒状液晶化合物であっても、円盤状液晶化合物であってもよいが、棒状液晶化合物が好ましい。
棒状の重合性液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物が挙げられる。棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。かかる棒状液晶化合物は、低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性液晶化合物は、重合性基を液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、オキセタニル基、およびアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、液晶化合物の分子中に導入できる。重合性液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586、WO95/24455、WO97/00600号公報、WO98/23580、WO98/52905、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、および特開2001−328973号公報、特開2009−69793号公報、特開2010−113249号公報、および特開2011−203636号公報などに記載の化合物が含まれる。
また、上記以外の重合性液晶化合物として、特開昭57−165480号公報に開示されているようなコレステリック液晶相を有する環式オルガノポリシロキサン化合物等を用いることができる。さらに、前述の高分子液晶化合物としては、液晶を呈するメソゲン基を主鎖もしくは側鎖、または主鎖及び側鎖の両方の位置に導入した高分子、コレステリル基を側鎖に導入した高分子コレステリック液晶、特開平9−133810号公報に開示されているような液晶性高分子、特開平11−293252号公報に開示されているような液晶性高分子等を用いることができる。
重合性液晶化合物としては、重合条件の異なる2種類以上の反応性基を同一分子内に有する液晶化合物を用いることも好ましい。重合条件の異なる反応性基の組み合わせとしてはラジカル光重合性反応性基およびカチオン光重合性反応性基の組み合わせが挙げられる。
重合性液晶化合物としては、高い屈折率異方性Δnを示す液晶化合物を用いることも好ましい。上記の式(Δλ=Δn×P)からわかるように、高い屈折率異方性Δnを示す液晶化合物を用いることによって広い半値幅Δλを得ることができる。そのため、上述のように偏光分離部位の反射の波長域を有機電界発光層の発光の波長域よりも広くなるようにすることができるからである。具体的には、液晶化合物の30℃におけるΔnは0.25以上が好ましく、0.3以上がより好ましく、0.35以上がさらに好ましい。上限は特に制限されないが、0.6以下の場合が多い。
屈折率異方性Δnの測定方法としては、液晶便覧(液晶便覧編集委員会編、丸善株式会社刊)202頁に記載の楔形液晶セルを用いた方法が一般的であり、結晶化しやすい化合物の場合は、他の液晶との混合物による評価を行い、その外挿値から屈折率異方性Δnを見積もることもできる。
高い屈折率異方性Δnを示す液晶化合物としては、例えば、米国特許6514578号公報、特許3999400号公報、特許4117832号公報、特許4517416号公報、特許4836335号公報、特許5411770号公報、特許5411771号公報、特許5510321号公報、特許5705465号公報、特許5721484号公報、および、特許5723641号公報等に記載の化合物が挙げられる。
本発明において用いられる好ましい重合性液晶化合物として以下の一般式(I)または(II)で表される化合物が挙げられる。一般式(I)または(II)で表される化合物は高い屈折率異方性Δnを示す。
式中、
Aは、置換基を有していてもよい2価の芳香環基を示し、
Lは単結合、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−NH−C(=O)−、−C(=O)−NH−、−CH=CH−C(=O)O−、および−OC(=O)−CH=CH−からなる群から選択される連結基を示し、
mは2〜12の整数を示し、
Sp1およびSp2はそれぞれ独立に、単結合、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、および炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、または−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択される連結基を示し、
1およびQ2はそれぞれ独立に、重合性基を示す。
Aは、置換基を有していてもよい2価の芳香環基である。2価の芳香環基は芳香環から2つの水素原子を除いて形成される基であり、芳香環としては、ベンゼン、ナフタレン、フラン、チオフェン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジンなどが挙げられる。2価の芳香環基としてはフェニレン基が好ましく、1,4−フェニレン基が特に好ましい。
m個のAおよびLはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
2価の芳香環基において、「置換基を有していてもよい」というときの置換基は、特に限定されず、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルエーテル基、アミド基、アミノ基、およびハロゲン原子ならびに、上記の置換基を2つ以上組み合わせて構成される基からなる群から選択される置換基が挙げられる。また、置換基の例としては、−C(=O)−X3−Sp3−Q3で表される置換基が挙げられる。ここで、X3は単結合、−O−、−S−、−NH−、もしくは−N(CH3)−を示し、Sp3はSp1と同義であり、Q3は重合性基を示す。2価の芳香環基は、置換基を1〜4個有していてもよい。2個以上の置換基を有するとき、2個以上の置換基は互いに同一であっても異なっていてもよい。
本明細書において、アルキル基は直鎖状または分岐鎖状のいずれでもよい。アルキル基の炭素数は1〜30が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6が特に好ましい。アルキル基の例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、直鎖状または分岐鎖状のヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、またはドデシル基を挙げることができる。アルキル基に関する上記説明はアルキル基を含むアルコキシ基においても同様である。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。
本明細書において、シクロアルキル基の炭素数は、3〜20が好ましく、5〜10以下がより好ましい。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基を挙げることができる。
Lは単結合、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−NH−C(=O)−、−C(=O)−NH−、−CH=CH−C(=O)O−、および−OC(=O)−CH=CH−からなる群から選択される連結基を示す。Lは、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−NH−C(=O)−、または−C(=O)−NH−であることが好ましい。m個のLはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
mは2〜12の整数を示し、3〜7であることが好ましく、3〜5であることがより好ましい。
Sp1、Sp2はそれぞれ独立に、単結合、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、および炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、または−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択される連結基を示す。Sp1およびSp2はそれぞれ独立に、両末端にそれぞれ−O−、−OC(=O)−、および−C(=O)O−からなる群から選択される連結基が結合した炭素数1から10の直鎖のアルキレン基、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−O−、および炭素数1から10の直鎖のアルキレン基からなる群から選択される基を1または2以上組み合わせて構成される連結基であることが好ましく、両方の末端に−O−がそれぞれ結合した炭素数1から10の直鎖のアルキレン基であることが好ましい。
1およびQ2はそれぞれ独立に、重合性基を示し、以下の式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基を示すことが好ましい。
重合性基としては、アクリロイル基(式(Q−1))、メタアクリロイル基(式(Q−2))、オキセタニル基(式(Q−5))が好ましい。Q1およびQ2の双方がアクリロイル基またはメタアクリロイル基である化合物、およびQ1およびQ2の何れか一方がアクリロイル基またはメタアクリロイル基であり他方がオキセタニル基である化合物がより好ましい。
一般式(I)で表される化合物は、特表平11−513019号公報(WO97/00600)に記載の方法等で合成することができる。
以下に式(I)で示される重合性化合物の例を示すが、これらの例に限定されるものではない。
11〜A14は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭素基または2価の複素環基を表す。2価の芳香族炭素基は芳香族炭素環から2つの水素原子を除いて形成される基であり、2価の複素環基は複素環から2つの水素原子を除いて形成される基である。芳香族炭素環としては、ベンゼン環およびナフタレン環が挙げられる。複素環としては、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピロリン環、ピロリジン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾール環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、フラザン環、テトラゾール環、ピラン環、チイン環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環、および、トリアジン環が挙げられる。なかでも、A11〜A14は、2価の芳香族炭素基であることが好ましく、フェニレン基であることがより好ましく、1,4―フェニレン基であることがさらに好ましい。
芳香族炭素基または複素環基に置換してもよい置換基の種類は特に制限されず、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキル置換カルバモイル基、および、炭素数が2〜6のアシルアミノ基が挙げられる。
11およびX12は、それぞれ独立に、単結合、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CH2CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−CH=CH−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または−C≡C−を表す。なかでも、単結合、−COO−、−CONH−、−NHCO−または、−C≡C−が好ましい。
11およびY12は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CH=CH−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、または、−C≡C−を表す。なかでも、−O−が好ましい。
Sp11およびSp12は、それぞれ独立に、単結合、または、炭素数1〜25のアルキレン基を表す。アルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状、および、環状のいずれもよい。なかでも、炭素数1〜10のアルキレン基がより好ましい。
11およびQ12は、それぞれ独立に、水素原子または重合性基を表し、Q11およびQ12の少なくとも一方は重合性基を表す。重合性基としては、式(Q−1)〜式(Q−5)で表される基からなる群から選択される重合性基が例示される。P1またはP2で表される重合性基としては、アクリロイル基(式(Q−1))、メタアクリロイル基(式(Q−2))が好ましい。
11およびn12はそれぞれ独立に0〜2の整数を表し、n11またはn12が2の場合、複数あるA11、A2、X11およびX12は同じでもあっても異なっていてもよい。
一般式(II)で表される化合物の具体例としては、下記式(2−1)〜(2−30)に示す化合物が挙げられる。


2種類以上の重合性液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
また、重合条件の異なる2種類以上の反応性基を同一分子内に有する液晶化合物と、重合条件が同一である反応性基を同一分子内に2つ以上有する液晶化合物を併用すると、選択反射の反射帯域を広げることができ、より好ましい。具体的には、(メタ)アクリロイル基とオキセタニル基とを含む液晶化合物と(メタ)アクリロイル基を2つ含む液晶化合物との組み合わせが挙げられる。
液晶組成物中の重合性液晶化合物の添加量は、液晶組成物の固形分質量(溶媒を除いた質量)に対して、80〜99.9質量%であることが好ましく、85〜99.5質量%であることがより好ましく、90〜99質量%であることが特に好ましい。
(キラル剤:光学活性化合物)
コレステリック液晶層の形成に用いる材料はキラル剤を含んでいることが好ましい。キラル剤はコレステリック液晶相の螺旋構造を誘起する機能を有する。キラル化合物は、化合物によって誘起する螺旋のセンスまたは螺旋ピッチが異なるため、目的に応じて選択すればよい。
キラル剤としては、特に制限はなく、公知の化合物を用いることができる。キラル剤の例としては、液晶デバイスハンドブック(第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989)、特開2003−287623号、特開2002−302487号、特開2002−80478号、特開2002−80851号、特開2010−181852号または特開2014−034581号の各公報に記載の化合物が挙げられる。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤と液晶化合物とがいずれも重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性液晶化合物との重合反応により、重合性液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性液晶化合物が有する重合性基と同種の基であることが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。
また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
キラル剤としては、イソソルビド誘導体、イソマンニド誘導体、またはビナフチル誘導体を好ましく用いることができる。イソソルビド誘導体としては、BASF社製のLC−756等の市販品を用いてもよい。
液晶組成物における、キラル剤の含有量は、重合性液晶化合物の総モル量に対しての0.01モル%〜200モル%が好ましく、1モル%〜30モル%がより好ましい。
(重合開始剤)
液晶組成物は、重合開始剤を含有していることが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤の例としては、ラジカル重合開始剤およびカチオン重合開始剤が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)、アシルフォスフィンオキシド化合物(特公昭63−40799号公報、特公平5−29234号公報、特開平10−95788号公報、特開平10−29997号公報、特開2001−233842号公報、特開2000−80068号公報、特開2006−342166号公報、特開2013−114249号公報、特開2014−137466号公報、特許4223071号公報、特開2010−262028号公報、特表2014−500852号公報記載)、オキシム化合物(特開2000−66385号公報、特許第4454067号明細書記載)、およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。例えば、特開2012−208494号公報の段落0500〜0547の記載も参酌できる。
ラジカル重合開始剤としては、アシルフォスフィンオキシド化合物またはオキシム化合物を用いることが好ましい。
アシルフォスフィンオキシド化合物としては、例えば、市販品のBASFジャパン(株)製のIRGACURE819(化合物名:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)を用いることができる。オキシム化合物としては、IRGACURE OXE01(BASF社製)、IRGACURE OXE02(BASF社製)、TR−PBG−304(常州強力電子新材料有限公司製)、アデカアークルズNCI−831、アデカアークルズNCI−930(ADEKA社製)、アデカアークルズNCI−831(ADEKA社製)等の市販品を用いることができる。
カチオン重合開始剤としては、有機スルフォニウム塩系、ヨードニウム塩系、フォスフォニウム塩系等を例示することができ、有機スルフォニウム塩系が好ましく、トリフェニルスルフォニウム塩が特に好ましい。これら化合物の対イオンとしては、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロフォスフェートなどが好ましく用いられる。
重合開始剤は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の含有量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜5質量%であることがさらに好ましい。
(架橋剤)
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などが挙げられる。これらのうち、多官能アクリレート化合物が好ましい。多官能アクリレート化合物としては、3〜6官能アクリレート化合物が好ましく、4〜6官能アクリレート化合物がより好ましい。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
液晶組成物中の架橋剤の含有量は、液晶組成物中の重合性液晶化合物100質量部に対し、0質量部〜8.0質量部が好ましく、0.1質量部〜7.0質量部がより好ましく、0.2質量部〜5.5質量部がさらに好ましい。
(配向制御剤)
液晶組成物中には、安定的にまたは迅速にプレーナー配向するために寄与する配向制御剤を添加してもよい。配向制御剤の例としては特開2007−272185号公報の段落〔0018〕〜〔0043〕等に記載のフッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、特開2012−203237号公報の段落〔0031〕〜〔0034〕等に記載の式(I)〜(IV)で表される化合物などが挙げられる。
なお、配向制御剤としては1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
液晶組成物中における、配向制御剤の添加量は、重合性液晶化合物の全質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜5.0質量%がより好ましく、0.02質量%〜1.0質量%が特に好ましい。
(その他の添加剤)
その他、液晶組成物は、塗膜の表面張力を調整し厚みを均一にするための界面活性剤、および重合性化合物等の種々の添加剤から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。また、液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、色材、金属酸化物微粒子等を、光学的性能を低下させない範囲で添加することができる。
(溶媒)
液晶組成物の調製に使用する溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましく用いられる。
有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、エーテル類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が特に好ましい。
(塗布、配向、重合)
支持体、配向膜、1/4波長板、下層となるコレステリック液晶層などへの液晶組成物の塗布方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワイヤーバーコーティング法、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法などが挙げられる。また、別途支持体上に塗設した液晶組成物を転写することによっても実施できる。塗布した液晶組成物を加熱することにより、液晶分子を配向させる。コレステリック液晶層形成の際はコレステリック配向させればよく、1/4波長板形成の際は、ネマチック配向させることが好ましい。コレステリック配向の際、加熱温度は200℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。この配向処理により、重合性液晶化合物がフィルム面に対して実質的に垂直な方向に螺旋軸を有するようにねじれ配向している光学薄膜が得られる。ネマチック配向の際、加熱温度は50℃〜120℃が好ましく、60℃〜100℃がより好ましい。
配向させた液晶化合物は、更に重合させ、液晶組成物を硬化することができる。重合は、熱重合、光照射を利用する光重合のいずれでもよいが、光重合が好ましい。光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2が好ましく、100mJ/cm2〜1,500mJ/cm2がより好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下または窒素雰囲気下で光照射を実施してもよい。照射紫外線波長は350nm〜430nmが好ましい。重合反応率は安定性の観点から高いことが好ましく、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。重合反応率は、重合性の官能基の消費割合をIR吸収スペクトルを用いて測定することにより、決定することができる。
個々のコレステリック液晶層の厚みは、上記特性を示す範囲であれば、特に限定はされないが、好ましくは1.0μm以上20μm以下の範囲、より好ましくは2.0μm以上10μm以下の範囲である。
(支持体)
液晶組成物は、支持体または支持体表面に形成された配向層の表面に塗布され層形成されていればよい。支持体または支持体および配向層は、層形成後に剥離してもよい。例えば、層を発光素子基板に接着後に剥離してもよい。支持体の例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース誘導体、アクリル樹脂、シクロオレフィンポリマー、またはガラス板などが挙げられる。
支持体の厚みは5μm〜1000μm程度であればよく、好ましくは10μm〜250μm、より好ましくは15μm〜120μmであればよい。
(配向層)
コレステリック液晶層を形成する際、支持体上に直接もしくはその上に設けた配向層で液晶組成物の配向状態を規制することが好ましい。配向層は、光学異方性層に配向性を付与できるものであれば、どのような層でもよい。配向層の好ましい例としては、ポリマーなどの有機化合物(ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、変性ポリアミドなどの樹脂)のラビング処理された層、アゾベンゼンポリマーやシンナメートポリマーに代表される偏光照射により液晶の配向性を発現する光配向層、無機化合物の斜方蒸着層、およびマイクログルーブを有する層、さらにω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライドおよびステアリル酸メチル等のラングミュア・ブロジェット法(LB膜)により形成される累積膜、あるいは電場あるいは磁場の付与により誘電体を配向させた層を挙げることができる。配向層としてはラビングの態様ではポリビニルアルコールを含むことが好ましく、配向層の上または下の少なくともいずれか1層と架橋できることが特に好ましい。具体的には、特開2009−69793号公報、特開2010−113249号公報、および特開2011−203636号公報に記載の配向層を利用することができる。また、光配向層も、好適に用いることができる。光配向層を用いると、微小異物による配向欠陥の発生が抑えられ、微細な形状であっても高い光学的性能でコレステリック液晶層を形成することができるからである。例えば、特開2015−26050号公報に記載の液晶配向剤(例えば、エポキシ含有ポリオルガノシロキサンを含む液晶配向剤)を用いることができる。配向層の配向規制力を十分に発揮させるために、塗布した液晶組成物の温度を制御して、所望の相を発現させる処理(配向処理)を行ってもよい。
配向層の厚みは0.01μm〜5.0μmであることが好ましく、0.05μm〜2.0μmであることがさらに好ましい。
(パターニング方法)
異なる波長において偏光分離を示す複数種の偏光分離部位を含む偏光分離層の形成のために、コレステリック液晶層をパターニングにより形成することができる。発光素子基板の各有機電界発光層の発光波長に対応して、選択反射波長を調整したパターン状のコレステリック液晶層を用いることで、光利用効率をより高めることができる。パターニング方法によってコレステリック液晶層を形成することにより、偏光分離層における偏光分離部位および可視光透過領域の形成、およびマトリクス状に配置された偏光分離部位の形成も行なうことができる。
パターニング方法としては、溶剤現像による方法や光異性化キラル剤を用いる方法(特開2001−159706号公報)、予め配向固定し、コレステリック液晶層をレーザーやサーマルヘッドを用いて転写する方法(特開2001−4822号公報、特開2001−4824公報)、インクジェット法(特開2001−159709号公報)、コレステリックの螺旋ピッチの温度依存性を利用する方法(特開2001−159708号公報)、領域間で液晶組成物の硬化の際の紫外線照射量を段階的に変化させる方法などが挙げられる。
一例として、光異性化キラル剤を用いる方法は以下のように行なうことができる。光異性化キラル剤を含む液晶組成物を用いて、まず、紫外線波長域に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層を全面形成する。その後、パターン露光(紫外線照射)により、コレステリック液晶層の一部を、紫外線波長域または赤外光波長域に選択反射の中心波長を有する状態で固定化し、可視光透過領域を形成する。続いて形成したい選択反射の中心波長を有する領域それぞれに応じて適切な光量でキラル剤の吸収波長の光を各領域に選択的に照射する。これにより、キラル剤を異性化し、それぞれの領域に応じた螺旋構造のピッチを得る。最後に全面に紫外線照射することにより、各領域の配向を固定化し、ひとつの層内に可視光透過領域と、所望の波長域に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層のパターンを有する偏光分離層を形成することができる。
パターニング方法においては、上述のようにパターン露光を行なうことができる。
パターン露光の手法としてはマスクを用いたコンタクト露光、プロキシ露光、投影露光などが挙げられる。上記露光の光源の照射波長としては250〜450nmにピークを有することが好ましく、300〜410nmにピークを有することがさらに好ましい。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、青色レーザー等が挙げられる。好ましい露光量としては通常3〜2000mJ/cm2程度であり、より好ましくは5〜1000mJ/cm2程度、さらに好ましくは10〜500mJ/cm2程度、最も好ましくは10〜100mJ/cm2程度である。
用いる材料に応じて、パターン露光の代わりにまたはパターン加熱を行なってもよい。パターン加熱の手法としては加温したパターニングプレートを用いたコンタクト加熱、赤外レーザーによる加熱などを用いることができる。
また、この両方を組み合わせてもよい。
パターン露光を用い、以下のように複数層で構成される偏光分離層を形成することもできる。
すなわち、第一の液晶組成物から形成された層にパターン露光を行った後、第一の液晶組成物から形成された層にパターン露光を行った後、その上に新たな第二の液晶組成物から形成された層を形成または転写し、その後に別のパターン露光を行うことができる。さらに、その上に新たな第三の液晶組成物から形成された層を形成または転写し、その後に別のパターン露光を行うことができる。
第一の液晶組成物、第二の液晶組成物、および第三の液晶組成物は同一の組成物に由来するものであってもよいし、異なる組成物に由来するものであってもよい。キラル剤の濃度のみが異なる3種の液晶組成物を用いることも好ましい。
パターン露光された液晶組成物の層に対して50℃以上400℃以下、好ましくは80℃以上200℃以下で加熱を行うことにより未露光部を光学的に等方性にすることができる。このようにすることによりパターン状にコレステリック液晶層を有する層を形成することができる。光学的に等方性となる領域を偏光分離部位を区分するように形成し、可視光透過領域としてもよい。赤色光の波長域に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層と、緑色光の波長域に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層と、青色光の波長域に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層とにつき、発光素子基板の有機電界発光層の発色の色に応じた波長域となるように、それぞれパターン状にコレステリック液晶層を有する層を形成し、それらを複数積層することにより、偏光分離層を形成することができる。
パターン露光、およびパターン状のコレステリック液晶層(光学異方性層)の形成については、特開2009−69793号公報、特開2010−113249号公報、および特開2011−203636号公報の記載を参照することができる。
(保護層(添加剤層))
特に、液晶組成物を用いてパターン状に偏光分離部位を有する偏光分離層を形成する場合などにおいて、保護層を用いてもよい。保護層は液晶組成物を仮硬化した後に残る未反応の反応性基による重合反応を開始させる機能を有する重合開始剤を少なくとも一種以上含んでいればよい。コレステリック液晶層と保護層は直接接していることが好ましい。重合開始剤を含む保護層の構成としては特に限定は無いが、重合開始剤以外に少なくとも1種のポリマーを含むことが好ましい。
ポリマー(本発明においては別名として「バインダ」と呼ぶことがある。)としては、特に限定は無いがポリメチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸とその各種エステルの共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸あるいは各種(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸あるいは各種(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/エチレン共重合体、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、ポリエステル、ポリイミド、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリカーボネート等を挙げることができる。好ましい例としてはメチル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体、アリル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸の共重合体、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体などを挙げることができる。これらのポリマーは単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて使用してもよい。全固形分に対するポリマーの含有量は20〜99質量%が一般的であり、40〜99質量%が好ましく、60〜98質量%がより好ましい。
(偏光分離層の作製方法)
コレステリック液晶層を含む偏光分離部位は上記支持体表面、位相差層表面、円偏光板表面などに作製すればよい。得られた積層体をそのまま光学機能性層を含むフィルムとして用いることができる。
[円偏光板]
円偏光板は、有機EL画像表示装置における、外光の映り込みの低減およびコントラスト向上のために有機電界発光層の画像表示側に設けられるものである。円偏光板としては、有機EL画像表示装置において用いられる円偏光板として公知の円偏光板を用いることができる。
円偏光板は、位相差層と偏光層を含む。円偏光板は、接着層、表面保護層などの他の層を有していてもよい。本発明の画像表示装置において、円偏光板は、偏光分離層、位相差層および偏光層がこの順となるように配置される。円偏光板は、位相差層と偏光層からなっていてもよい。位相差層は、1/4波長板からなることが好ましく、偏光層は直線偏光板からなることが好ましい。
直線偏光板はこれを通過する光のうち特定の直線偏光は透過し、これと直交する直線偏光は吸収するものである。直線偏光板としては、例えばポリビニルアルコールにヨウ素を吸収させて延伸させ、偏光機能を付与した膜の両面にトリアセチルセルロースの保護層を施したもの、あるいは、ポリビニルアルコールにAg等の金属ナノロッドを添加し、延伸させたものなどを用いることができる。
1/4波長板は可視光領域において1/4波長板として機能する位相差層であればよい。1/4波長板の例としては、一層型の1/4波長板、1/4波長板と1/2波長位相差板とを積層した広帯域1/4波長板などが挙げられ、好適に用いることができる。
本明細書において、位相差は正面レターデーションを意味する。位相差はAXOMETRICS社製の偏光位相差解析装置AxoScanを用いて測定することができる。
1/4波長板としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、石英板、延伸されたポリカーボネートフィルム、延伸されたノルボルネン系ポリマーフィルム、炭酸ストロンチウムのような複屈折を示す無機粒子を含有して配向させた透明フィルム、支持体上に無機誘電体を斜め蒸着した薄膜、あるいは、支持体、または配向膜に液晶組成物を塗布し、そこで液晶組成物中の重合性液晶化合物を液晶状態においてネマチック配向に形成後、光架橋や熱架橋によって固定化して形成したもの、などが挙げられる。これらを複数組合せたものを用いてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(配向膜組成物Aの調製)
下記に示す組成物を、80℃に保温された容器中にて攪拌、溶解させ、配向膜組成物Aを調製した。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
配向膜組成物A(質量部)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
純水 97.2
PVA−205(クラレ製) 2.8
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(偏光分離層用組成物LC−1の調製)
下記の組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、偏光分離層用組成物LC−1として用いた。
LC−1−1は特開2004−12382号公報に記載の方法を基に合成した。LC−1−1は2つの反応性基を有する液晶化合物であり、2つの反応性基の片方はラジカル性の反応性基であるアクリル基、他方はカチオン性の反応性基であるオキセタン基である。LC−1−2はTetrahedron Lett.誌、第43巻、6793頁(202)に記載の方法に準じて合成した。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
偏光分離層用組成物LC−1(質量部)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
棒状液晶(LC−1−1) 19.57
水平配向剤(LC−1−2) 0.01
カチオン系モノマー(OXT−121、東亞合成(株)製) 0.98
カチオン系開始剤
(Curacure UVI6974、ダウ・ケミカル製) 0.4
重合制御剤(IRGANOX1076、BASF社製) 0.02
メチルエチルケトン 80.0
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
保護層組成物AD−1(質量部)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メタクリル酸メチル
=35.9/22.4/41.7モル比のランダム共重合物
(重量平均分子量3.8万) 8.05
ラジカル重合開始剤(2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)
1,3,4−オキサジアゾール) 0.12
ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.002
メガファックF−554(DIC(株)製) 0.05
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 34.80
メチルエチルケトン 50.5
メタノール 1.61
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(パターン形成した偏光分離層の形成)
上記で調製した配向膜組成物Aを、厚み60μm、幅30cmのロール状のTACフィルム上にスリットコーターを用いて均一塗布した後、100℃のオーブン内で2分乾燥し、膜厚0.5μmの配向膜付きTACフィルムを得た。この配向膜に塗布方向と平行方向にラビング処理を施した。ラビング処理面上に上記偏光分離層用組成物LC−1を塗布した。次いで、膜面温度80℃で60秒間加熱熟成し、その後ただちに、膜面温度70℃空気下にて空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、500mJ/cm2の紫外線を照射し、その配向状態を固定化することにより、偏光分離層用作製用材料を形成した。
上記偏光分離層用作製用材料上に、上記で調製した保護層組成物AD−1を塗布し、80℃、60秒間乾燥した後に、25℃空気下にて、キヤノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用い、50mJ/cm2の露光量でマスクを介し露光した。マスクとしては、図1に示す間隔で光透過部(白表示部分)を有する、パターンがある領域が25cm×15cmの石英製マスクを用いた。マスクの光遮蔽部(白表示部分以外の部分)はCrである。なお、マスクの光透過部の配置は、発光素子基板中の有機電界発光層の配置に対応させたものである。またマスクの光透過部のMD(Machine direction)方向(材料の長軸方向)の間隔は発光素子基板の接着の工程で用いたMD方向の伸び率である0.1%を考慮して、有機電界発光層の間隔に対して平均99.9%になるようにした。
その後、基板全体を140℃オーブン内で30分焼成することにより、選択反射の中心波長を青色領域に有する偏光分離部位が光学的に等方な領域の中にマトリクス状に配列している、偏光分離層を有するフィルムを得た。
(接着層付転写フィルムの作製)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
接着層形成用塗布液 H−1の組成 (質量部)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
メタノール 11.1
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.36
メチルエチルケトン 52.4
メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジル
メタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=
55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃)5.83
スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、
重量平均分子量=1万、Tg≒100℃) 13.6
重合性化合物 商品名:BPE−500、新中村化学工業(株)製) 9.1
メガファックF−554(DIC(株)製) 0.54
熱重合開始剤 AIBN(和光純薬製、分解温度100〜103℃) 0.2
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
上記塗布液H−1を、仮支持体である厚み75μm、幅30cmのロール状のPETフィルム上に塗布し、60℃で2分間乾燥して接着層付転写フィルムを作製した。接着層の厚みは、塗布量を調整し10μmとした。
(発光素子基板への貼り合わせ)
長さ約27cm、幅約15cm、有機電界発光層のピッチが57.74μmのトップエミッション型発光素子基板のバリア層の上に、上記の方法により作製した接着層付転写フィルムを、ラミネータ((株)日立インダストリイズ製(LamicII型))を用いてラミネートした。条件は下記の通りである。

ウェブテンション 86.4N
基板予備加熱温度 80℃
ゴムローラー温度 80℃
線圧 50N/cm
搬送速度 3.0m/分
引き続き、仮支持体であるPETフィルムを剥離して、接着層のみを発光素子基板上に転写した。
接着層が転写された発光素子基板と、偏光分離層を形成したTACフィルムを、接着層と偏光分離層側の面が対面するように、フィルムの幅方向と発光素子基板の長さ方向を合わせて重ね合わせ、有機電界発光層と偏光分離部位とが重なるように、テンションを一定に保ったまま、有機電界発光層と偏光分離部位の位置合わせを行い、ラミネータによって貼り合わせを行なった。発光素子基板と偏光分離層用作製用材料の相対位置の微調整を繰り返し、貼り合わせ後の有機電界発光層と偏光分離部位の相対位置をその都度、顕微鏡により観察しながらサンプルを作製した。ラミネートの条件は下記の通りであり、このときのTACフィルムの伸び率は0.1%であった。

ウェブテンション 86.4N
基板予備加熱温度 80℃
ゴムローラー温度 80℃
線圧 50N/cm
搬送速度 3.0m/分
貼り合わせを行った直後、ウェブテンションを保ったまま、発光素子基板と光学フィルムとを103℃に加熱して、接着層の熱硬化を行った。加熱は赤外線による予備加熱を用いて行い、接着層の温度が103℃にまで上昇することを熱電対により確認しながら設定条件を調整した。
その後、発光素子基板よりはみ出した余分の光学フィルムを切断、および除去し、光学フィルム付き発光素子基板を作製した。
<実施例2>
接着層形成用塗布液H−1の代わりに接着層形成用塗布液H−2を用い、また、貼り合わせ後の接着層の硬化方法を下記のように変更した以外は、実施例1と同じ方法により実施例2の光学フィルム付き発光素子基板を作製した。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
接着層形成用塗布液 H−2の組成 (質量部)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
メタノール 11.1
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.36
メチルエチルケトン 52.4
メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジル
メタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=
55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃)5.83
スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、
重量平均分子量=1万、Tg≒100℃) 13.6
重合性化合物 商品名:BPE−500、新中村化学工業(株)製) 9.1
メガファックF−554(DIC製) 0.54
光重合開始剤 イルガキュア907 (BASF社製) 0.2
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
上記塗布液H−2を、仮支持体である厚み75μmのロール状のPETフィルム上に塗布し、60℃で2分間乾燥して接着層付転写フィルムを作製した。接着層の厚みは、塗布量を調整し10μmとした。
実施例1と同じ手順で貼り合わせを行った後、ウェブテンションを保ったまま、発光素子基板と光学フィルムに光学フィルム側より1000mJ/cm2(365nm)の紫外線を照射し、接着層の光硬化を行った。
<実施例3>
光学フィルムに用いるTACフィルムの厚みを30μmにすると同時に、発光素子基板と光学フィルムを貼り合わせる時のウェブテンションを43Nに調整して貼り合わせる以外は実施例2と同様にして、実施例3の光学フィルム付の発光素子基板を作製した。光学フィルムを発光素子基板に貼りつけるときの、光学フィルムの伸び率は1%であった。
<実施例4>
接着層の厚みを2μmにした以外は、実施例2と同様にして、実施例4の光学フィルム付き発光素子基板を作製した。
<実施例5>
接着層の厚みを30μmにした以外は、実施例2と同様にして、実施例5の光学フィルム付き発光素子基板を作製した
<実施例6>
接着層の組成として、接着層形成用塗布液H−2の代わりに下記の接着層形成用塗布液H−3を用いた以外は実施例2と同様にして、実施例6の光学フィルム付き発光素子基板を作製した。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
接着層形成用塗布液H−3の組成 (質量部)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
メタノール 11.1
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.36
メチルエチルケトン 52.4
メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジル
メタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=
55/11.7/4.5/28.8、分子量=4万、Tg≒70℃)5.83
スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、
重量平均分子量=1万、Tg≒100℃) 13.6
重合性化合物 商品名:BPE−500、新中村化学工業(株)製) 9.1
メガファックF−554(DIC製) 0.54
光重合開始剤 イルガキュア907 (BASF社製) 0.2
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
<実施例7>
接着層の組成として、接着層形成用塗布液H−2の代わりに下記の組成H−4を用いた以外は実施例2と同様にして、実施例7の光学フィルム付き発光素子基板を作製した。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
接着層形成用塗布液 H−4の組成 (質量部)
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メタノール 11.1
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.36
メチルエチルケトン 52.4
メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジル
メタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=
55/11.7/4.5/28.8、分子量=60万、Tg≒70℃)5.83
スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、
重量平均分子量=1万、Tg≒100℃) 13.6
重合性化合物 商品名:BPE−500、新中村化学工業(株)製) 9.1
メガファックF−554(DIC製) 0.54
光重合開始剤 イルガキュア907 (BASF社製) 0.2
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<比較例1>
接着層形成用塗布液H−2の代わりに接着層形成用塗布液H−5を用い、かつ紫外線照射を行なわなかった以外は、実施例2と同様にして光学フィルム付き発光素子基板を作製した。

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接着層形成用塗布液H−5の組成 (質量部)
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メタノール 11.1
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.36
メチルエチルケトン 52.4
メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジル
メタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=
55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃)5.83
スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、
重量平均分子量=1万、Tg≒100℃) 13.6
重合性化合物 商品名:BPE−500、(新中村化学工業(株)製) 9.1
メガファックF−554(DIC(株)製) 0.54
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[評価]
作製した光学フィルム付き発光素子基板を顕微鏡観察し、基板面内で9点での偏光分離部位の中心と有機電界発光層の中心とのズレの値の平均値で評価した。
作製した光学フィルム付きの発光素子基板を発光させて、有機EL画像表示装置の輝度が光学フィルムによりどの程度向上しているかを測定した。測定は画面のY値を測定することにより行った。結果を表1に示す。

A:光学フィルムを取り付けていない場合に対して、輝度向上率が25%以上
B:光学フィルムを取り付けていない場合に対して、輝度向上率が20%以上25%未満
C光学フィルムを取り付けていない場合に対して、輝度向上率が15%以上20%未満
D:光学フィルムを取り付けていない場合に対して、輝度向上率が15%未満。

Claims (11)

  1. 有機電界発光層がマトリクス状に配置された発光素子基板と前記有機電界発光層に対応した部位をマトリクス状に含む光学機能性樹脂層とを含む有機EL画像表示装置の製造方法であって、
    接着層を、前記光学機能性樹脂層を含むフィルムのいずれか一方の表面または前記発光素子基板のいずれか一方の表面に設けること、
    前記フィルムを前記発光素子基板と対面させて前記接着層を前記フィルムと前記発光素子基板との間に配置し、前記フィルムに張力負荷しながら前記有機電界発光層と前記対応した部位との位置合わせを行なうこと、および
    前記位置合わせされた状態で前記接着層を加熱または紫外線照射を用いて硬化して、前記フィルムと前記発光素子基板とを接着することを含み、
    前記接着層が前記接着層を含む転写フィルムからの転写により設けられる、前記製造方法。
  2. 前記フィルムがロール状であって、前記張力負荷の方向が前記フィルムの長軸方向である請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記発光素子基板がロール状であって、前記張力負荷の方向が前記発光素子基板の長軸方向である請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記接着層を前記発光素子基板のいずれか一方の表面に設けることを含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記接着層の厚みが2.0μm〜30μmである請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記接着層が重量平均分子量5万〜50万の熱可塑性樹脂、エチレン性不飽和二重結合を含む重合性化合物、および重合開始剤を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記接着層が、さらに、フッ素系界面活性剤を含む請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記硬化が紫外線による硬化である請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 前記光学機能性樹脂層が偏光分離層であり、
    前記部位が、対応する前記有機電界発光層が発光した光のうち、1つの偏光状態の光を反射し、かつ他方の偏光状態の光を透過する偏光分離部位である請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 前記偏光分離部位がコレステリック液晶相を固定して形成された層からなる請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記フィルムがさらに位相差層および偏光層を含み、
    前記偏光分離層、前記位相差層、および前記偏光層が、前記対面側から、この順に配置される請求項9または10に記載の製造方法。
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