JP2018169639A - 不動産評価支援システム - Google Patents

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Abstract

【課題】適切な不動産の評価を支援することができる不動産評価支援システムを提供する。【解決手段】不動産供給者の不動産の価値を評価する不動産評価支援システムであって、不動産需要者の嗜好性情報データを含む前記不動産需要者の不動産情報データと、前記不動産供給者の嗜好性情報データを含む前記不動産供給者の不動産情報データと、を取得する不動産情報データ取得部と、前記不動産情報データ取得部で取得した前記不動産需要者の嗜好性情報データと前記不動産供給者の嗜好性情報データとを照合して照合度を算出する嗜好性情報データ照合部と、前記嗜好性情報データ照合部が算出した照合度を調整係数として、評価対象の前記不動産供給者の不動産の価値を算出する不動産評価部を有する、ことを特徴とする不動産評価支援システム。【選択図】図10

Description

本発明は、不動産評価支援システムに関する。
特許文献1には、戸建住宅、集合住宅を含む不動産価格の査定に用いる評価価格を所定の算出式により客観的に算出する情報処理システムが開示されており、それまで評価されにくかった中古住宅等の建物のリフォーム、メンテナンス履歴や増改築についても、建物の評価価格に反映することができるようになった。
また、参考として、優良ストック住宅推進協議会「スムストックの査定計算式」ページや(非特許文献1)、国土交通省 中古住宅の流通促進・活用に関する研究会 第2回資料 資料3がある(非特許文献2)。
また、特許文献2には、特徴ある不動産を、同じ好みを持つ購入希望者にマッチングさせる情報処理技術が開示されている。
但し、実際の不動産の査定価格は、特許文献1に記載の技術等を用いた不動産の評価価格そのものではなく、市場流通性の優劣(売れ易さ、売れ難さ)を反映した「流通性比率」を使って調整されている。
特許文献1を採用した優良ストック住宅推進協議会の査定においては、「流通性比率」による調整の幅は、+10%〜−10%となっている。
また、(公財)不動産流通推進センターが発行する「既存住宅価格査定マニュアル」においては、不動産の査定価格は所定の算出式によって算出された評価価格に「流通性比率」を乗じて調整されることが規定され、「流通性比率」は(1)価格、(2)物件の需給状況、(3)地域の特性、(4)日照・通風、(5)間取りや仕様、(6)その他の各項目で評価するようになっており、調整の幅は、+10%〜−15%となっている。
しかしながらこの「流通性比率」は、実際の運用においては査定者(不動産業者)の経験や感覚によって決定されることが多く、査定者の印象の良し悪しが評価を左右するおそれがある。すなわち、不動産の査定価格に不動産業者による恣意的な要素が含まれやすく、不動産供給者(査定依頼者)にとってのいわゆるブラックボックスがまだ残っているのが現状である。特に、嗜好性の高い特徴ある戸建住宅等の不動産評価では、その特徴的な部分の評価が「流通性比率」の決定に大きく影響することが考えられる。
例えば、戸建住宅の譲渡を行うに際し、居住者の趣味や好みで造りこんだ間取りや内外装、設備、庭、外構、又は居住者の家族形態に合わせて造った二世帯住宅など、特定用途の構築物や設備等を有する嗜好性の高い特徴ある戸建住宅が一般的な不動産査定を受けた場合において、これらの特徴が「流通性比率」をプラスの値にすることはほとんどないといえる。むしろ、趣味的、個人的であって一般的な不動産購入者が要望していないと査定者が考えるこれらの特徴ある不動産はかえって査定者の印象を悪化させ、更に、改修や撤去を行う場合には手間がかかるイメージがあることなどから、嗜好性や必要性からこれらの特徴ある不動産を希望する需要者にとっては価値があるものでも「流通性比率」においてマイナスに評価されている。
一方、昨今は、住まいが耐久消費財化し、いわゆる一所懸命的な先祖から受け継いだ土地を子孫にも引き継いでいくという住まい方ではなく、好みの時期に、好みの場所で、好みや必要に応じた間取りや機能を持つ住まいに住みたいというニーズが高まりつつある。その結果、特徴ある不動産や特定用途の構築物・設備をもつ不動産を求める購入希望者も多くなっており、新たに不動産の購入を希望する人は「子育て中の4人家族」が中心であるというようなステレオタイプの基準だけでは不動産の評価がしにくくなっている。
現に、インターネット上では特徴を持った賃貸/売却不動産を検索することができることを売りとする不動産検索サイトも登場してきており、IT技術の進歩により、大量の情報の中から個性的な、自分に合った賃貸/売却不動産を探し出すことが簡便になったが、これらの特徴を持った不動産の一部は、それらを専門に取り扱う仲介業者においては一般的な物件に比べ高い評価をされてはいるものの、その評価は流行や経験、感覚に頼られることが多く、構造や性能、市場のニーズを適切に評価したものではなく、一定のルールがないのが現状である。
今後、高度成長期の日本経済を支え、ともに発展してきた団塊の世代が、その経験や知識と資金を使って自分の住まいに特定用途の構築物や設備として造りこんだ、適切に維持管理され、更には、特定の購入希望者にとっては今では手に入りにくい希少価値がある構築物や設備、あるいは、建築に高額な費用を要する構築物や設備として、評価されるべき特徴を持った不動産が、団塊世代の高齢化と共に、住み替えや相続等で売却される機会が多くなることが予想される。
また、インターネット上では売却希望者が自ら不動産の概算価格を算出できたり、売りたいポイントを公開できるサイトも登場しており、一般商品のオークションサイトのように、不動産供給者が自ら売出価格を決め自ら販売活動を行い、一定のルールのもとで、不動産需要者と売買行為を行うことも現実味を帯びつつある。
このような状況を踏まえ、本発明は、特許文献1に記載の不動産評価支援システム及び特許文献2に記載の不動産取引支援システムに対して新たな技術として、「流通性比率」の中に含めて調整されていた嗜好性に係る部分を分離し、その評価方法と結果を明らかにすることを図るとともに、特定用途の構築物や設備等を備えた、特徴ある不動産の売却時における譲渡価格の評価を適切に行えるようにすることで、供給・需要双方の希望者にとって価値のある不動産が、適切な価格で譲渡されるためのシステムを提供するものである。
特許第4514300号公報 特許第4698093号公報
"スムストックの査定計算式"、[online]、優良ストック住宅推進協議会、[平成29年3月28日検索]、インターネット<URL:https://sumstock.jp/sale/detail.html> "中古住宅の流通促進・活用に関する研究会 第2回資料 資料3" 、[online]、国土交通省、[平成29年3月28日検索]、インターネット<URL:http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr2_000017.html>
上述のように、従来では、適切な不動産の評価を行うことに関して不十分な点があり、特に、「流通性比率」の内嗜好性に係る部分の評価が普遍的基準によらないで行われている場合が多かった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、適切な不動産の評価を支援することができる不動産評価支援システムを提供する。
本発明は、コンピュータを利用した情報処理により不動産供給者の不動産の価値を評価する不動産評価支援方法であって、不動産需要者の嗜好性情報データを含む前記不動産需要者の不動産情報データと、前記不動産供給者の嗜好性情報データを含む前記不動産供給者の不動産情報データと、を取得するステップと、前記取得した前記不動産需要者の嗜好性情報データと前記不動産供給者の嗜好性情報データとを照合して照合度を算出するステップと、前記算出した照合度を調整係数として評価対象の前記不動産供給者の不動産の価値を算出するステップとを有する、ことを特徴とする、不動産評価支援方法である。
また、本発明は、前記情報処理方法を実現する情報処理手段、これを備える装置、インターネットを含む情報ネットワークを利用した情報処理システムであって、以下に示すものも含まれる。
本発明の一態様は、不動産供給者の不動産の価値を評価する不動産評価支援システムであって、不動産需要者の嗜好性情報データを含む前記不動産需要者の不動産情報データと、前記不動産供給者の嗜好性情報データを含む前記不動産供給者の不動産情報データと、を取得する不動産情報データ取得部と、前記不動産情報データ取得部で取得した前記不動産需要者の嗜好性情報データと前記不動産供給者の嗜好性情報データとを照合して照合度を算出する嗜好性情報データ照合部と、前記嗜好性情報データ照合部が算出した照合度を調整係数として、評価対象の前記不動産供給者の不動産の価値を算出する不動産評価部を有する、ことを特徴とする不動産評価支援システムである。
本発明の一態様は、不動産評価支援システムにおいて、前記評価対象の前記不動産供給者の不動産は、土地、建物、又は前記土地もしくは前記建物に付帯する特定用途構築物もしくは特定用途設備を含み、前記不動産評価部は、前記建物又は前記特定用途構築物もしくは特定用途設備のうち、一方又は双方について嗜好性を評価する。
本発明の一態様は、不動産評価支援システムにおいて、前記建物の基本情報には、間取り情報又は履歴情報を含む建物のキーポイントとなるデータが施工時期の時系列及び価格費用と共に含まれ、前記不動産評価部は、前記建物の基本情報を用いて、前記評価対象となる前記不動産供給者の不動産を評価する。
本発明の一態様は、不動産評価支援システムにおいて、前記照合度は、属性データごとに算出した適合度を用いて調整されている。
本発明の一態様は、不動産評価支援システムにおいて、更に、不特定多数の前記不動産需要者の個別属性データを集めた不動産需要者属性データベースから抽出した属性データにより前記不動産需要者の不動産に対する嗜好性を評価するための照合基準となる嗜好性評価照合基準データを作成する嗜好性評価照合基準データ作成部を有し、前記不動産需要者の嗜好性情報データは、前記嗜好性評価照合基準データ作成部で作成された嗜好性評価照合基準データの一部又は全部である。
本発明の一態様は、不動産評価支援システムにおいて、前記嗜好性情報データ照合部は、嗜好性評価照合基準データ記憶部に記憶された前記嗜好性評価照合基準データの一部を選択する指令に基づいて選択された嗜好性評価照合基準データと前記不動産供給者の嗜好性情報データに含まれる照合対象データとを照合する。
本発明の一態様は、不動産評価支援システムにおいて、前記嗜好性評価照合基準データ作成部が作成する嗜好性評価照合基準データは、前記不動産需要者属性データベースから属性データを抽出したデータであって、各々の前記属性データごとに適合基準が定義されている。
本発明の一態様は、不動産評価支援システムにおいて、前記不動産需要者属性データベースから抽出される属性データ又は前記不動産供給者の嗜好性情報データの属性データは、特定用途構築物もしくは特定用途設備の名称、機能、もしくは特徴等を表す情報、感覚を表す情報、外部利便を表す情報、生活環境情報を表す情報、又は、売りポイントもしくは買いポイントに関する情報を含むフリーメッセージ情報のうちの1以上を含む。
本発明の一態様は、不動産評価支援システムにおいて、更に、前記不動産評価部による評価に関する情報として、嗜好性に関する照合度又は適合度に関する情報あるいは照合又は適合に用いられた前記嗜好性評価照合基準データの情報のうちの1以上を含む情報を表示する表示部を有する。
上記した不動産評価支援システムによれば、適切な不動産の評価を支援することができる。
本発明の一実施形態に係る不動産評価支援システムを構成する機器の概略的な構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るシステム運営者機器の概略的な機能構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る需要者情報記憶部に収納される不動産需要者属性データベースの構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る供給者情報記憶部に収納される不動産供給者個別属性データの構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る不動産供給者の入力シートの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る建物モデルの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る契約年別建築費倍率の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る地域別還元利回り照合基準の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る賃貸の想定評価賃料を算出するための算出式と照合基準(各評価項目と評価点設定)の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る想定建物評価価格を算出するための算出式の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る売却の想定土地評価価格を算出するための算出式と照合基準(各評価項目と評価点設定)の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る不動産需要者の入力シートの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る嗜好性評価照合基準DBの情報の概略を示す図である。 本発明の一実施形態に係り、「想定建物評価価格」を算出するための算出式に示される「(B)調整率」の算出に使用される「(8)嗜好性マッチング率」を算出するために個別不動産の不動産供給者個別属性データ(基本情報以外の部分)の情報と、嗜好性評価照合基準DBから抽出した文字列登録情報とを照合(マッチング)させている状況の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る個別不動産の嗜好性マッチング率の照合基準を示す図である。 本発明の一実施形態に係り、「特定用途構築物・設備想定評価価格」を算出するための算出式に示される「(E)調整率」(「(11)特定用途構築物・設備嗜好性マッチング率」)を算出するために個別不動産の不動産供給者個別属性データの特定用途構築物・設備に関する情報と、嗜好性評価照合基準DBから抽出した文字列登録情報とを照合(マッチング)させた状況の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る個別の特定用途構築物・設備のマッチング率照合基準の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る嗜好性評価照合基準DBからマッチング対象を絞り込んだ場合の選択範囲の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るマッチング対象の嗜好性評価照合基準DB全データ及び選択範囲の嗜好性マッチング率を表す画面情報の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る特定用途構築物・設備の名称により嗜好性評価照合基準DBからデータを検索した結果を表示する画面情報の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る想定建物評価価格の築年数及び本発明の一実施形態による評価、調整による変化を表すグラフの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るに係る不動産評価支援システムについて、不動産供給者機器において行われる不動産評価の処理の手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る不動産評価支援システムの演算処理に使用される照合基準等の設定を行うためにシステム運営者機器において行われる処理の手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る不動産評価支援システムを使って、不動産供給者機器において行われる不動産評価の情報処理フローを経て不動産評価の結果を出力した画面情報の一例を示す図である。
図を参照して、本発明に係る不動産評価支援システムの実施形態を具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る不動産評価支援システム101を構成する機器の概略的な構成例を示すブロック図である。
本実施形態では、不動産評価支援システム101を構成する機器として、不動産供給者側に設置された不動産供給者機器1、不動産評価支援システム101を運営する組織に設置されたシステム運営者機器2、不動産仲介業務を行う会社に設置された本店機器3a(本店の機器)及び支店機器3b(支店の機器)、不動産需要者側に設置された不動産需要者機器4が設けられている。
それぞれの機器(不動産供給者機器1、システム運営者機器2、本店機器3a、支店機器3b、不動産需要者機器4)は、例えば、操作などの入力を受け付ける入力部や、記憶部や、出力部(例えば、表示部)や、演算処理部などを有するコンピュータ等を用いて構成されてもよい。本実施形態では、不動産供給者機器1は不動産供給者により操作され、システム運営者機器2はシステム運営者により操作され、本店機器3aは本店の者により操作され、支店機器3bは支店の者により操作され、不動産需要者機器4は不動産需要者により操作される。
システム運営者機器2は、不動産評価支援システム101を運営する中枢セクションである本社のセンター等に設置される。システム運営者機器2は、不動産供給者機器1、本店機器3a、支店機器3b、不動産需要者機器4のそれぞれと、例えばネットワークを介して接続される。システム運営者機器2は、不動産供給者機器1、本店機器3a、支店機器3b、不動産需要者機器4のそれぞれと通信することが可能である。尚、ネットワークによる接続の代わりに、直接接続される部分があってもよい。
図2は、本発明の一実施形態に係るシステム運営者機器2の概略的な機能構成例を示すブロック図である。
システム運営者機器2は、供給者属性データ入力部5a、需要者属性データ入力部5b、供給者情報記憶部6a、需要者情報記憶部6b、演算処理部7、出力部8を有する。
供給者属性データ入力部5aは、不動産供給者機器1を介して不動産供給者により入力される属性データあるいはシステム運営者により入力される属性データを入力する。尚、供給者属性データ入力部5aは、任意の装置又は任意の者から、不動産供給者側に関する任意の情報を入力してもよい。
需要者属性データ入力部5bは、不動産需要者機器4を介して不動産需要者により入力される属性データあるいはシステム運営者により入力される属性データを入力する。尚、需要者属性データ入力部5bは、任意の装置又は任意の者から、不動産需要者側に関する任意の情報を入力してもよい。
供給者情報記憶部6aは、不動産供給者側に関する情報を記憶し、例えば、不動産に関する情報を記憶する。
需要者情報記憶部6bは、不動産需要者側に関する情報を記憶し、例えば、不動産に関する情報を記憶する。
演算処理部7は、供給者情報記憶部6aに記憶された情報及び需要者情報記憶部6bに記憶された情報などに基づいて、演算処理を行う。当該演算処理は、例えば、あらかじめ定められている。
出力部8は、演算処理部7による演算処理の元となる情報や、当該演算処理の結果の情報などを出力する。この出力は、一例として、情報を不動産供給者機器1あるいは不動産需要者機器4に送信(出力)することであってもよく、あるいは、情報を自己(システム運営者機器2)の画面に表示出力することであってもよい。
ここで、需要者情報記憶部6bは、嗜好性評価照合基準データを記憶する嗜好性評価照合基準データ記憶部611を含む。
また、演算処理部7は、不動産に関する情報を取得する不動産情報データ取得部711と、嗜好性情報データの照合を行う嗜好性情報データ照合部712と、不動産に関する評価を行う不動産評価部713と、嗜好性評価照合基準データを作成する嗜好性評価照合基準データ作成部714を含む。演算処理部7では、演算処理に必要な情報(不動産に関する情報)を不動産情報データ取得部711により取得し、不動産情報データ取得部711により取得された情報に基づいて嗜好性情報データ照合部712が照合を行って不動産評価部713が所定の演算処理を行うことで不動産に関する評価を行う。
また、出力部8は、情報を表示する画面を有する表示部811を含む。
本実施形態では、不動産供給者機器1は、例えば、不動産供給者による操作を受け付け、システム運営者機器2に処理を要求する。また、不動産供給者機器1は、システム運営者機器2から処理の結果を受信し、不動産供給者に処理の結果を出力(例えば、表示)してもよい。
また、不動産需要者機器4は、不動産需要者による操作を受け付け、システム運営者機器2に処理を要求する。また、不動産需要者機器4は、システム運営者機器2から処理の結果を受信し、不動産需要者に処理の結果を出力(例えば、表示)してもよい。
システム運営者機器2は、例えば、不動産供給者機器1から処理の指示(要求)を受け付け、当該処理を実行する。また、システム運営者機器2は、当該処理の結果を不動産供給者機器1に送信してもよい。
また、システム運営者機器2は、例えば、不動産需要者機器4から処理の指示(要求)を受け付け、当該処理を実行する。また、システム運営者機器2は、当該処理の結果を不動産需要者機器4に送信してもよい。
また、システム運営者機器2は、不動産供給者機器1や不動産需要者機器4からの指示(要求)がなくとも、当該システム運営者機器2において所定の処理を実行してもよい。例えば、システム運営者機器2は、システム運営者による操作に応じて、各種の情報や指示を入力してもよく、この入力に基づいて所定の処理を実行してもよい。
本店機器3a及び支店機器3bは、それぞれ、任意の機器であってもよく、例えば、不動産供給者機器1あるいは不動産需要者機器4の一方又は両方と同様な機器であってもよい。
本実施形態では、概略的には、不動産供給者機器1は不動産供給者とのユーザインタフェースとなり、不動産需要者機器4は不動産需要者とのユーザインタフェースとなり、そして、主に、システム運営者機器2が情報の記憶や演算処理を実行する。
本実施形態において説明される各種の算出等の演算処理は、主にシステム運営者機器2により実行されるが、他の構成例として、その一部又は全部が他の機器(例えば、不動産供給者機器1又は不動産需要者機器4)あるいは人(例えば、不動産供給者、不動産需要者、システム運営者、あるいは、他の者)により実行されてもよい。
また、不動産供給者による情報の入力や、不動産需要者による情報の入力や、システム運営者による情報の入力としては、例えば、リアルタイムで行われてもよく、あるいは、所定の処理が実行されるよりも事前に行われて、その情報があらかじめシステム運営者機器2などに記憶されていて必要なときに使用されてもよい。
尚、不動産評価支援システム101の構成や、システム運営者機器2の機能構成などは、それぞれ、本実施形態に限定されず、他の構成が用いられてもよい。
例えば、不動産供給者機器1の機能、システム運営者機器2の機能、不動産需要者機器4の機能は、任意のまとまりごとに構成されてもよく、一例として、これらのすべての機能が一体化されて単体の装置として構成されてもよい。
例えば、不動産評価支援システム101は、サーバ及びクライアントを備えるシステムとして構成されてもよく、あるいは、他の形態で構成されてもよい。
例えば、不動産評価支援システム101は、データベースなどの記憶部や、ユーザインタフェースとなる入力部を備えずに、これらの処理部(記憶部や入力部)が外部の装置として備えられてもよい。
また、本実施形態では、不動産供給者、不動産需要者、システム運営者の役割を分担して説明するが、それぞれの役割は、任意の者により行われても構わない。
図3は、本発明の一実施形態に係る需要者情報記憶部6bに収納される不動産需要者属性データベースの構成例を示すブロック図である。
不動産需要者属性データベースは、本実施形態では、不動産需要者が需要者側の情報を不動産需要者機器4から需要者属性データ入力部5bを経由して入力した情報に基づく。
不動産需要者属性データベースは、基本情報データベース(基本情報DB)9、嗜好性情報データベース(嗜好性情報DB)10、嗜好性評価照合基準データベース(嗜好性評価照合基準DB)11を含んで形成される。嗜好性評価照合基準DB11は、嗜好性評価照合基準データ記憶部611の一例である。
基本情報DB9は、登録者データベース(登録者DB)9a、及び基本事項データベース(基本事項DB)9bを含む。
嗜好性情報DB10は、特定用途構築物・設備データベース(特定用途構築物・設備DB)10a、感覚項目データベース(感覚項目DB)10b、外部利便データベース(外部利便DB)10c、フリーメッセージデータベース(フリーメッセージDB)10d、及び生活環境情報データベース(生活環境情報DB)10eを含む。
嗜好性評価照合基準DB11は、類似特定用途項目データベース(類似特定用途項目DB)11a、類似感覚項目データベース(類似感覚項目DB)11b、類似外部利便データベース(類似外部利便DB)11c、類似文字列データベース(類似文字列DB)11d、及び類似生活環境情報データベース(類似生活環境情報DB)11eを含む。
登録者DB9aは、登録者に関する情報を記憶し、例えば、年齢、性別、家族数等を記憶する。
基本事項DB9bは、基本事項に関する情報を記憶し、例えば、希望エリア、希望駅、希望面積、希望間取り等を記憶する。
特定用途構築物・設備DB10aは、特定用途構築物あるいは特定用途設備(特定用途構築物・設備)に関する情報を記憶し、例えば、特定用途構築物・設備の名称、機能等を記憶する。
感覚項目DB10bは、立地、環境、デザイン、構造、又は住まい心地等についての感覚的希望に関する情報を記憶する。
外部利便DB10cは、外部利便の希望に関する情報を記憶し、例えば、近隣系属性ファイル、教育系属性ファイル、社会系属性ファイル、医療系属性ファイル等に分類された近隣利便施設等の情報を記憶する。
フリーメッセージDB10dは、フリーメッセージに関する情報を記憶し、例えば、買いたいポイントについてのフリーなメッセージ(あるいは、コメントなどと呼ばれてもよい)に関する情報を記憶する。
生活環境情報DB10eは、生活環境に関するコメント等の情報を記憶する。
類似特定用途項目DB11aは、特定用途構築物・設備の希望に関する類似する文字列情報の群(グループ)を記憶し、例えば、「多世帯・併用系建物」グループ、「遮音室を有する建物」グループ等を記憶する。
類似感覚項目DB11bは、感覚的希望に関する類似する文字列情報の群(グループ)を記憶し、例えば、「爽やか」グループ、「頑丈」グループ等を記憶する。
類似外部利便DB11cは、外部利便の希望に関する類似する文字列情報の群(グループ)を記憶し、例えば、「近隣施設系」グループ、「教育施設系」グループ等を記憶する。
類似文字列DB11dは、フリーメッセージに関する類似する文字列情報の群(グループ)を記憶し、例えば、「家庭菜園系」グループ、「自然エネルギー系」グループ等を記憶する。
類似生活環境情報DB11eは、生活環境に関する類似する文字列情報の群(グループ)を記憶し、例えば、「陽当たり系」グループ、「公園系」グループ等を記憶する。
ここで、上記の各データベースに記憶される情報は、通常の文字で構成された文字列のデータであるが、これに限られず、通常の文字以外の絵文字、記号、図形、写真又は映像等の識別可能な要素で構成されたデータ、又は通常の文字と通常の文字以外の組合せで構成されたデータであってもよい。
嗜好性評価照合基準DB11は、一例として、特許文献2に記載された技術の運用により需要者属性データ入力部5bを通じて個別の不動産需要者により入力された個別属性データを蓄積したビッグデータ(嗜好性情報DB10のデータ)を分類、解析してデータベース化したものであってもよい。
図4は、本発明の一実施形態に係る供給者情報記憶部6aに収納される不動産供給者個別属性データの構成例を示すブロック図である。
不動産供給者個別属性データは、本実施形態では、不動産の評価を行う不動産供給者が、供給者側の情報を不動産供給者機器1から供給者属性データ入力部5aを経由して入力した情報に基づく。
不動産供給者個別属性データは、基本情報データ12、嗜好性情報データ13を含んで形成される。
基本情報データ12は、登録者データ12a、及び基本事項データ12bを含む。
嗜好性情報データ13は、特定用途構築物・設備データ13a、感覚項目データ13b、外部利便データ13c、フリーメッセージデータ13d、及び生活環境情報データ13eを含む。
登録者データ12aは、登録者に関する情報であり、例えば、年齢、性別、連絡先等を含む。
基本事項データ12bは、基本事項に関する情報であり、例えば、所在地、最寄り駅、面積、間取り等を含む。
特定用途構築物・設備データ13aは、特定用途構築物・設備に関する情報であり、例えば、特定用途構築物・設備の名称、機能等を含む。
感覚項目データ13bは、立地、環境、デザイン、構造、住まい心地等に関する実感に基づいた感覚に関する情報である。
外部利便データ13cは、外部利便に関する情報であり、例えば、近隣系属性データ、教育系属性データ、社会系属性データ、医療系属性データ等に分類された近隣利便施設等の情報である。
フリーメッセージデータ13dは、フリーメッセージに関する情報であり、例えば、売りたいポイントについてのフリーなメッセージ(あるいは、コメントなどと呼ばれてもよい)等を含む。
生活環境情報データ13eは、生活環境に関するコメント等の情報である。
本実施形態では、図4に示される不動産供給者の個別の嗜好性情報データ13と、図3に示される嗜好性評価照合基準DB11とを照合(マッチング)して照合度(マッチング率)を算出する。
尚、特許文献2に記載された技術では、図4に示される不動産供給者の個別の嗜好性情報データ13と、図3に示される嗜好性情報DB10(個別の嗜好性情報データ)とを照合することが行われる。
尚、本実施形態では、個別不動産は、例えば、個別の特徴ある戸建住宅であるが、他の任意の不動産であってもよい。
また、本実施形態では、幾つかの情報をファイルの情報として記憶するが、ファイルの名称は任意であってもよく、それぞれのファイルに記憶される情報の内容としても任意であってもよい。
図5は、本発明の一実施形態に係る不動産供給者の入力シートの一例を示す図である。
ここで、図5(及び後述する図12)における入力シートとは、サーバ、クライアント等の装置が有する入力部等によって書き込まれる(入力される)文字列等のデータを一まとめにして表示するものであって、コンピュータディスプレイの画面表示、その印刷物を含む(以下、同じ。)。本実施形態では、この装置は、不動産供給者機器1などの装置であってもよい。
文字列等のデータは、文字列等の通常の文字で構成されたデータに限られず、通常の文字以外の絵文字、記号、図形、写真又は映像等の識別可能な要素で構成されたデータ、又は通常の文字と通常の文字以外の組合せで構成されたデータであってもよい。
この入力シートに表示される(記載される)内容は、特定用途構築物・設備の名称等、感覚、外部利便、フリーメッセージ、生活環境情報を含み、個別不動産の評価を希望する不動産供給者の不動産供給者個別属性データを含む。
尚、この入力シートの内容は、例えば、特許文献2の図3に記載された内容と同様又は類似であってもよい。
図5の例では、この入力シートは、登録者(データベース)に関して、データ項目として、売却、貸付、住所、氏名、ニックネーム、e−mail、電話、性別、年代に関する情報を記載し得る。
また、この入力シートは、基本情報(データベース)に関して、データ項目として、物件形態、売買価格上限、売買価格下限、月額賃料上限、月額賃料下限、取引希望時期、所在地、沿線、最寄り駅、駅徒歩所要時間、バス所要時間、バス停徒歩所要時間、土地面積、土地持分、道路付け、道路幅員、歩道有無、地形・地勢、建物床面積、築年月、構造、階数、間取り、カーポートに関する情報を記載し得る。
また、この入力シートは、特定用途構築物・設備(データベース)に関して、建物系(属性ファイル)において、二世帯住宅等のデータ項目について、機能、施工時期、施工費用といった情報を記載し得る。
また、この入力シートは、特定用途構築物・設備(データベース)に関して、趣味系(属性ファイル)において、ホームシアターあるいは雨水利用設備等のデータ項目について、機能、施工時期、施工費用といったデータを記載し得る。
また、この入力シートは、感覚(データベース)に関して、データ項目として、「安心」、「明るい」、「楽しい」等の情報を記載し得る。
また、この入力シートは、外部利便(データベース)に関して、近隣系(属性ファイル)において、データ項目として、図書館等に関する情報を記載し得る。
また、この入力シートは、外部利便(データベース)に関して、教育系(属性ファイル)において、データ項目として、教育機関等に関する情報を記載し得る。
また、この入力シートは、外部利便(データベース)に関して、医療系(属性ファイル)において、データ項目として、産科病院等に関する情報を記載し得る。
また、この入力シートは、売りたいポイントのフリーメッセージ(データベース)に関して、任意の文章の情報を記載し得る。
また、この入力シートは、生活環境情報(データベース)に関して、任意の文章の情報を記載し得る。
図6は、本発明の一実施形態に係る建物モデルの一例を示す図である。
この建物モデルは、例えば、基準賃料を算出するための建物属性照合ファイルに格納される。
図6の例では、建物モデルは、最寄り駅からの距離(時間)、築年数、延床面積、間取り、間取り内容、階数、増改築、内装・設備、日照・通風、眺望・景観、建物モデル価格の情報を含む。
尚、この建物モデルの内容は、例えば、特許文献1の図3に記載された内容と同様又は類似であってもよい。
図7は、本発明の一実施形態に係る契約年別建築費倍率の一例を示す図である。
この契約年別建築費倍率は、例えば、建物属性照合ファイルに収納され、物価変動率の参照とされる。
図7の例では、契約年別建築費倍率は、年次、鉄骨造、木造に関する情報を含む。それぞれの年次について、鉄骨造と木造とに分けて、契約年別建築費倍率が設定されている。
尚、この契約年別建築費倍率の内容は、例えば、特許文献1の図6に記載された内容と同様又は類似であってもよい。
図8は、本発明の一実施形態に係る地域別還元利回り照合基準の一例を示す図である。
この地域別還元利回り照合基準は、例えば、利回り照合ファイルに収納される。
図8の例では、地域別還元利回り照合基準は、地域、還元利回りに関する情報を含む。それぞれの地域について、還元利回り(パーセント(%))が設定されている。
尚、この地域別還元利回り照合基準の内容は、例えば、特許文献1の図8に記載された内容と同様又は類似であってもよい。
図9は、本発明の一実施形態に係る賃貸の想定評価賃料を算出するための算出式と照合基準(各評価項目と評価点設定)の一例を示す図である。
この算出式と照合基準は、基準賃料を基に算出するものであり、例えば、賃貸の想定評価賃料を算出するための賃料照合ファイルに収納される。
尚、この算出式と照合基準は、例えば、特許文献1の図4に記載された内容に、嗜好性マッチング率に関する項目を追加した内容であってもよい。
本実施形態では、賃貸の想定評価賃料の計算方法(嗜好性に関する部分を除く)として、例えば、特許文献1に記載された方法と同じ方法が利用され、以下の通り算出する。
図6に示される標準的な中古住宅の「建物モデル」の個別不動産が所在する最寄り駅に対応する賃料を「基準賃料」とし、この「基準賃料」を基に個別不動産の所在地及び建物の個別土地属性データ項目と個別建物属性データ項目を照合し、加味補正して賃貸の想定評価賃料を算出する。
その後、個別不動産の不動産供給者個別属性データを嗜好性評価照合基準DB11に照合して、マッチング割合(マッチング率)を基に所定の算出式(あるいは、図9下段の「嗜好性マッチング率換算表」のように、マッチング率の程度(評価点)と調整係数の値(図9の例では、調整率)を対応付けした定義表を参照して、調整率を決定する方式でもよい)で算出した調整率を評価点に換算して評価率(嗜好性賃料評価率)を算出し、嗜好性評価を加味した賃貸の想定嗜好性評価賃料を算出する。
より詳しく説明する。本実施形態では、以下の処理は、演算処理部7により行われてもよい。
「基準賃料」を、最寄り駅別の賃料相場により抽出する。
「延床面積比率」を、「建築延床面積」を「建物モデル延床面積」で割って求める。
「評価点合計」を、複数の賃料評価項目(所在地及び建物の要素)の評価点を合計して求める。図9の例では、複数の賃料評価項目として、最寄り駅からの距離(徒歩圏あるいはバス圏のどちらかを選択)、築年数、間取り内容、階数、内装・設備、住環境・騒音、日照・通風、眺望・景観があり、それぞれについてあらかじめ評価点の付け方が設定されている。
そして、「賃料評価率」を、(「評価点合計」+100)を100で割って求める。
「想定評価賃料」を、「基準賃料」と、「延床面積比率」と、「賃料評価率」とを掛算(乗算)して求める。
また、「想定嗜好性評価賃料」について、「評価点」を嗜好性マッチング率(後述する。)に基づいて決定し、そして、「嗜好性賃料評価率」を、(評価点+100)を100で割って求める。ここで、嗜好性マッチング率に基づいて「評価点」(図9の例では、調整率の値)を付ける付け方があらかじめ設定されている。
「想定嗜好性評価賃料」を、「想定評価賃料」と、「嗜好性賃料評価率」とを掛算して求める。
次に、個別不動産の売却の想定建物評価価格を算出する演算処理について説明する。
図10は、本発明の一実施形態に係る「想定建物評価価格」を算出するための算出式の一例を示す図である。
この算出式は、例えば、建物属性照合ファイルに収納され、新築当時の建物取得価格を基に売却の想定建物評価価格を算出するための算出式である。
尚、この算出式と照合基準は、例えば、特許文献1の図5に記載された内容に、嗜好性マッチング率と特定用途構築物・設備の想定評価価格算出に関する項目を追加した内容であってもよい。
本実施形態では、売却の想定建物評価価格の計算方法(嗜好性に関する部分を除く)として、例えば、特許文献1に記載された方法と同じ方法が利用され、以下の通り算出する。
「(1)再調達価格」は、当初の新築建物と同一の建物を現時点で新築した場合の価格であり、「新築時取得価格」を物価変動率により加味補正して算出するものである。
具体的には、物価変動率としては、図7に示される「契約年別建築費倍率」を用い、「新築時取得価格」と「契約年別建築費倍率」とを掛算して「(1)再調達価格」を算出する。
更に「(1)再調達価格」を減価償却する方法としては、「(2)現価率」で補正して、「建物基本現価(当初新築部分)」を算出する。尚、当該建物において増築している場合には、当該建物を新築した時点で増築部分を増築したものと仮定して、同様の算出方法で「(3)増築部価格」を算出する。
具体的には、「(2)現価率」を、[1−{(1×0.9)÷流通耐用年数×築年数}]で求める。
「建物基本現価(当初新築部分)」を、「(1)再調達価格」と「(2)現価率」とを掛算して求める。
また、「(3)増築部価格」を、「増築部取得価格」と「契約年別建築費倍率」とを掛算して求める。
更に、「(3)増築部価格」を、実際に増築した時点からの減価償却すなわち「(4)増築部現価率」で補正して、「増築部基本現価」を算出する。
具体的には、「(4)増築部現価率」を、[1−{(1×0.9)÷流通耐用年数×増築後年数}]で求める。
「増築部基本現価」を、「(3)増築部価格」と「(4)増築部現価率」とを掛算して求める。
この場合、建物全体の「(A)建物基本現価」は、当初の新築部分の「建物基本現価(当初新築部分)」と「増築部基本現価」とを合算(加算)した値となる。尚、複数回に亘って増築した場合には、これら複数回の増築について同様に計算する。
ここで、個別不動産の「(A)建物基本現価」に対して、建物の履歴情報の評価要素(評価値)を使って、「(B)調整率」を算出する。この「(B)調整率」を、「(5)間取り調整率」、「(6)リフォーム調整率(内装・設備)」、「(7)ロングライフ可変率」(間取り変更・増築の自由度)の各項目で加味補正して算出する。
更に、本実施形態では、前記の「(B)調整率」について、「(8)嗜好性マッチング率」による調整率を掛け合わせて調整する。これまでは、不動産の嗜好性に係る部分は「流通性比率」の中に含めて調整されていたため、査定者の恣意的要素が入りやすく、普遍的に評価されているとは言い難かったが、本実施形態により、嗜好性評価を「流通性比率」の評価と分離して行うことができる。客観的な方法によって確実に不動産の評価価格に取り込むことができ、他の条件と同様に嗜好性評価を想定建物評価価格に反映させることができる。
具体的には、「(B)調整率」を、「(5)間取り調整率」の調整率、「(6)リフォーム調整率(内装・設備)」の調整率、「(7)ロングライフ可変率」の調整率、「(8)嗜好性マッチング率」の調整率を掛算して求める。
ここで、「(5)間取り調整率」について、「評価合計」を、複数の評価項目の評価点を合計して求める。図10の例では、複数の評価項目として、収納面積率、通風、採光、動線計画、地域性、時代性、シルバーケアーがあり、それぞれについてあらかじめ評価点の付け方が設定されている。そして、「調整率」を、(「評価合計」+100)を100で割って求める。
また、「(6)リフォーム調整率(内装・設備)」について、「評価合計」を、複数の評価項目の評価点を合計して求める。図10の例では、複数の評価項目として、壁や天井、床、フローリング床、キッチンセット、浴室、洗面化粧台、トイレ、給湯器、冷暖房機、床暖房、放送や通信機器、セキュリティや防犯機器、開口部やサッシガラスがあり、それぞれについてあらかじめ評価点の付け方が設定されている。そして、「調整率」を、(「評価合計」+100)を100で割って求める。
また、「(7)ロングライフ可変率」について、「評価合計」を、複数の評価項目の評価点を合計して求める。図10の例では、複数の評価項目として、間仕切り位置変更の難易度、増築準備の程度があり、それぞれについてあらかじめ評価点の付け方が設定されている。そして、「調整率」を、(「評価合計」+100)を100で割って求める。
また、「(8)嗜好性マッチング率」について、「評価平均」を、複数の評価項目の評価点を平均化して求める。図10の例では、複数の評価項目として、特定用途構築物・設備の名称のマッチング率、感覚情報のマッチング率、外部利便情報のマッチング率、フリーメッセージ情報のマッチング率、生活環境情報のマッチング率があり、それぞれについてあらかじめ評価点の付け方が設定されている。そして、「調整率」を、(「評価平均」+100)を100で割って求める。
次に、前記「(B)調整率」で調整された「(C)想定建物基本評価価格」(「(A)建物基本現価」に「(B)調整率」を掛算して算出)に、「(F)特定用途構築物・設備想定評価価格」を加算し、その合計価格から「リフレッシュ調整」(本実施形態では、建物属性照合ファイルに記憶(記録)された履歴情報から屋根・外壁等の劣化を評価して算出した減価額)による「(G)調整価格」を差し引くことで、個別不動産の売却の想定建物評価価格を算出する。
ここで、特定用途構築物・設備として付加的に設置された部分については、各々、増築部分と同様の算出方法で「(9)特定用途構築物・設備調達価格」を算出し、「(10)特定用途構築物・設備現価率」で補正して、各々の「(D)特定用途構築物・設備現価」を算出する。そして、各々の特定用途構築物・設備に関する不動産供給者個別属性データ(文字列)を嗜好性評価照合基準DB11(類似文字列)に照合して、互いに一致した場合に、嗜好性評価照合基準DB11の類似文字列に対して定義された値(例えば、その登録率)を使って所定の算出式で算出したマッチング率(照合度)により決定した「(E)調整率」(「(11)特定用途構築物・設備嗜好性マッチング率」)を係数として「(9)特定用途構築物・設備調達価格」の調整を行う。
特定用途構築物・設備が複数存在する場合は、各々の基本現価に各々の調整率を掛けた上で合計する。
より詳しく説明する。本実施形態では、以下の処理は、演算処理部7により行われてもよい。
すなわち、「特定用途構築物・設備再調達価格」に関し、本実施形態では、特定用途構築物・設備ファイルに記載された仕様がある場合に、その設置に追加的に要した費用の現在価格を算出し、使用可能の場合は加算する。また、特定用途構築物・設備が複数ある場合は、各々の現価と調整率を別々に算出し合計額を加算する。
「(9)特定用途構築物・設備調達価格」を、「特定用途構築物・設備取得価格」と、「契約年別建築費倍率」とを掛算して求める。
「(10)特定用途構築物・設備現価率」を、[1−{(1×0.9)÷減価償却年数×取得後年数}]で求める。
「(D)特定用途構築物・設備現価」を、「(9)特定用途構築物・設備調達価格」と「(10)特定用途構築物・設備現価率」とを掛算して求める。
また、「(11)特定用途構築物・設備嗜好性マッチング率」について、「評価平均」を、複数の評価項目の評価点(図10の例では、マッチング率)を平均化して求める。図10の例では、複数の評価項目として、特定用途構築物・設備のマッチング率、フリーメッセージ情報のマッチング率があり、それぞれについてあらかじめ評価点の付け方が設定されている。そして、「(D)特定用途構築物・設備現価」に「(E)調整率」(「(11)特定用途構築物・設備嗜好性マッチング率」:(「評価平均」+100)を100で割ったもの)を掛算して「(F)特定用途構築物・設備想定評価価格」を求める。
特定用途構築物・設備について、この「(11)特定用途構築物・設備嗜好性マッチング率」を「(E)調整率」とする。
「リフレッシュ調整」(屋根、外壁などの劣化)に関し、本実施形態では、建物属性照合ファイルに記憶(記録)された履歴から屋根防水、外壁仕上の劣化状態、屋根、外壁のリフォーム工事の実施状況を評価(本実施形態では、評価減)する。
「(12)リフレッシュ調整額」を、「劣化対象部分リフォーム工事費」と、「経過年数」と、「1/耐用年数」とを掛算して求める。この「(12)リフレッシュ調整額」を「(G)調整価格」とする。
「想定建物評価価格」を、「(C)想定建物基本評価価格」+「(F)特定用途構築物・設備想定評価価格」−「(G)調整価格」で求める。
ここで、「(B)調整率」及び「(E)調整率」は調整係数の例であり、「(B)調整率」は「(A)建物基本現価」に対する調整係数の例であり、「(E)調整率」は「(D)特定用途構築物・設備現価」に対する調整係数の例である。
次に、個別不動産の売却の想定土地評価価格を算定する演算処理について説明する。
図11は、本発明の一実施形態に係る売却の想定土地評価価格を算出するための算出式と照合基準(各評価項目と評価点設定)の一例を示す図である。
この算出式と照合基準は、例えば、売却の想定土地評価価格を算出するための土地属性照合ファイルに収納される。
尚、この算出式と照合基準は、例えば、特許文献1の図9に記載された内容と同様又は類似であってもよい。
本実施形態では、売却の想定土地評価価格の計算方法として、例えば、特許文献1に記載された方法と同じ方法が利用され、以下の通り算出する。本実施形態では、以下の処理は、演算処理部7により行われてもよい。
まず、前述の「建物モデル」の個別不動産が所在する最寄り駅に対応する「基準賃料」を図9に係る賃料照合ファイルに照合して、個別不動産の「最寄り駅からの距離」の評価点のみにより補正し、「地価計算用賃料」を算出する。この「地価計算用賃料」は、任意の算出式で算出されてもよい。
この「地価計算用賃料」について図8に係る地域別還元利回り照合基準を照合して、該当する地域の利回りで還元する投資額である「利回り還元投資額」を算出する。
ついで、「利回り還元投資額」(=「地価計算用賃料」×「利回り還元率」(還元利回り))から図6に示される「建物モデル価格」の価格を引き算し、「土地モデル価格」を算出する。
更に、「土地モデル価格」を、図6に示される建物モデルの「延床面積」(「建物モデルの延床面積」)を個別土地属性ファイルに収納される所在地の「容積率」(住宅用途に合わせて上限値を設定する。)で割算した数値に依って除し、「単位面積土地価格」を算出する。更に、個別土地属性ファイルに収納される個別不動産の「敷地面積」を「単位面積土地価格」に掛け算して、個別不動産の「仮土地価格」を算出する。
ここで、個別土地属性ファイルに収納される所在地の評価要素(評価値)を使って加味補正するために、規模修正、接道状況、前面道路幅、道路・敷地との高低差、眺望・景観、騒音・振動、日照・採光、嫌悪・危険施設、不整合度合、街並・環境、ガス、排水施設といった土地評価項目(所在地の要素)に対応した評価点を合計して「評価点合計」を算出する。そして、この「評価点合計」に100を加算した数値(つまり、{「評価点合計」+100})を100で割算して、「地価評価率」を算出する。尚、それぞれの土地評価項目の評価点の付け方は、あらかじめ設定されている。
そして、「仮土地価格」に「地価評価率」を掛け合わせて、売却の想定土地評価価格を算定する。
尚、本実施形態では、特定用途構築物・設備を含む個別不動産である場合も、特定用途構築物・設備を含まない場合も、その評価にかかわる外部利便施設や住環境があれば、想定建物評価価格の算出において嗜好性評価照合基準DB11に照合した時点ですでに調整率に反映されており、また、想定土地評価価格は普遍的な土地評価を行うため一般的な街並み・環境の評価点も入っているので、売却の想定土地評価価格を算定する際には、想定土地評価価格の算定に嗜好性評価照合基準DB11の外部利便や住環境の評価を加えない。
次に、嗜好性評価照合基準DB11を作成する演算処理について説明する。当該演算処理は、例えば、演算処理部7により行われてもよい。
図12は、本発明の一実施形態に係る不動産需要者の入力シートの一例を示す図である。
図12の例では、不動産需要者の入力シートに記載される内容は、図5に示される不動産供給者の入力シートとほぼ同様であるが、特定用途構築物・設備に関する機能、施工時期、施工費用を記載する欄が無く、また、売却及び貸付の欄の代わりに、購入及び借受の欄がある点が異なっている。
なお、不動産供給者の入力シートの内容や、不動産需要者の入力シートの内容は、それぞれ、任意であってもよい。
図13は、本発明の一実施形態に係る嗜好性評価照合基準DB11の情報の概略を示す図である。
図13の例では、特定用途構築物・設備に関する類似文字列、感覚に関する類似文字列、外部利便に関する類似文字列、フリーメッセージに関する類似文字列、生活環境情報に関する類似文字列のそれぞれについて、嗜好性の属性(系列)に分類された項目(類似項目)ごとに照合データと、総登録数と、登録率を示してある。
ここで、類似項目の情報の記憶場所としては、特定用途構築物・設備に関する類似文字列の情報は類似特定用途項目DB11aに記憶され、感覚に関する類似文字列の情報は類似感覚項目DB11bに記憶され、外部利便に関する類似文字列の情報は類似外部利便DB11cに記憶され、フリーメッセージに関する類似文字列の情報は類似文字列DB11dに記憶され、生活環境情報に関する類似文字列の情報は類似生活環境情報DB11eに記憶される。
本実施形態では、嗜好性評価照合基準DB11の情報は、嗜好性情報DB10に記憶された多数の情報(例えば、ビッグデータ)に基づいて作成される。
具体例として、特定用途構築物・設備に関する「防音室」系列の類似項目のキーワードとなる類似文字列の一例として、「防音室」、「ホームシアター」、「楽器演奏室」、「オーディオルーム」、「カラオケルーム」、「地下室」、「安眠室」、「空調付絵画保管室」といった文字列が、互いに類似する文字列(類似文字列)として嗜好性評価照合基準DB11の照合データに格納されている。
「総登録数」とは、不動産需要者個別属性データ(本実施形態では、不動産需要者の入力シートの情報)の特定用途構築物・設備の欄に記録された文字列(文字列登録情報)のうち、前記「防音室」系列の類似項目に含まれる類似文字列のいずれかに一致する文字列登録情報の個数をカウントしたものである。総登録数は「2,023,916」である。
「登録率」は、前記総登録数「2,023,916」を、データ総数「36,923,087」で割って算出したものであり、「5.48%」である。
ここで、データ総数は、不動産需要者個別属性データ(不動産需要者の入力シートの情報)の登録件数であり、不動産需要者の総件数を示すものである。
尚、図13の例において、特定用途構築物・設備に関する他の類似文字列や、特定用途構築物・設備以外に関する類似文字列についても、同様である。
嗜好性評価照合基準DB11を構成する照合データ等は以下の例のように作成される。
本実施形態では、不動産の購入希望者(不動産需要者)が入力した個別不動産情報を需要者の属性データとして不動産需要者属性データベースに記録して蓄積する。
この不動産需要者属性データベースに記録された情報を文字列に分解する(本実施形態において、各文字列を文字列登録情報という。)。「特定用途構築物・設備」、「感覚」、「外部利便」、「フリーメッセージ」、「生活環境情報」といった嗜好性に関する各属性に分かれた情報(属性データ)からキーワードとなる文字列登録情報を抽出する。ここで、データベースから文字列登録情報を抽出する処理は、後述のようにプログラムの演算処理で行うことができる。
そして、抽出した文字列登録情報を図13に示されるような類似項目(類似文字列の集合:一の類似項目に属する文字列登録情報は互いに類似する文字列登録情報(類似文字列)として扱われる。)ごとに分類する。
例えば、特定用途構築物・設備についての類似項目は、「防音室」系列、「二世帯住宅」系列等に分類される。
なお、照合データの作成は、これに限ることなく、類似項目ごとに人が適宜任意の文字列を引用して設定することも可能である。
図14の例において、更に、これを不動産需要者が記録された時期(登録年次)の範囲あるいは購入希望エリア(登録希望エリア)等の範囲を選択して嗜好性評価照合基準DB11を所定の範囲に絞って照合することができる。本実施形態では、このデータ数を選択範囲データ数という。
嗜好性評価照合基準DB11の全データを基にして、各類似項目に含まれる類似文字列に一致する文字列登録情報の個数(「総登録数」)を、それぞれの類似項目ごとに、不動産需要者の総件数である「データ総数」を母数に割り返した値(「登録率」)を算出し、又は、登録年次、登録希望エリア等により照合に使う嗜好性評価照合基準DB11の範囲を絞った選択範囲データを基にして、各類似項目に含まれる類似文字列に一致する文字列登録情報の個数(「総登録数」)を算出した「選択範囲内登録数」を、選択範囲データの不動産需要者の件数を母数に割り返した値(選択範囲登録率)を算出して、文字列嗜好性情報による照合基準データベースである嗜好性評価照合基準DB11を作成する。
尚、個別不動産需要者属性データとしては、例えば、特許文献2に記載された不動産取引支援システムを不動産の購入希望者が利用した際に入力した個別不動産需要者属性データが用いられてもよい。
また、図13に示される情報である類似項目ごとに設定される照合データの類似文字列は、例えば、不動産需要者属性データベースやその他の情報から引用したキーワードを用いて定義する等の方法で、適宜人の作業によりあらかじめ設定されてもよく、あるいは、不動産需要者属性データベース(ビックデータ)に対して、文字列等のデータ解析の演算処理プログラム(テキスト等のデータマイニング機能を有するソフトウェア)を用いてシステム運営者機器2等により自動的に抽出処理される文字列登録情報を基にして定義する等の方法で、あらかじめ設定されてもよい。この設定のための情報処理として、本実施形態では、嗜好性評価照合基準DB11の作成は、嗜好性評価照合基準データ作成部714により行うことができる。
次に、嗜好性評価照合基準DB11を評価値として所定の算出式で算出した調整率により、個別不動産の売却時における想定建物評価価格を算出する場合の演算処理について説明する。当該演算処理は、例えば、演算処理部7において、不動産情報データ取得部711が必要な情報を取得し、当該情報に基づいて嗜好性情報データ照合部712が嗜好性に関する照合を行い、不動産評価部713が所定の演算を行うことで、実現されてもよい。
図14は、本発明の一実施形態に係り、「想定建物評価価格」を算出するための算出式に示される「(B)調整率」の算出に使用される「(8)嗜好性マッチング率」を算出するために個別不動産の不動産供給者個別属性データ(基本情報以外の部分)の情報(文字列)と、不動産需要者属性データベースから抽出した文字列登録情報から設定された嗜好性評価照合基準DB11の類似文字列とを照合(マッチング)させている状況の一例を示す図である。図14の例では、嗜好性評価照合基準DB11から抽出した文字列登録情報として、特定用途構築物・設備の名称に関する類似文字列の情報を示してあり、他の情報(感覚に関する類似文字列の情報、外部利便に関する類似文字列の情報、生活環境情報に関する類似文字列の情報、フリーメッセージに関する類似文字列の情報)については図示を省略してある。
個別不動産(不動産供給者個別属性データ)の項目の文字列と合致(一致)した類似文字列に対応して設定されている登録率の値が高いほど、当該個別不動産の需要が高いと認識することができる。
図14の例では、特定用途構築物・設備の名称に関して、個別不動産の不動産供給者個別属性データ(基本情報以外の部分)に含まれる「二世帯住宅」、「ホームシアター」、「雨水利用設備」という文字列が、嗜好性評価照合基準DB11における特定用途構築物・設備の名称に関する照合データに含まれて一致している。ここで、全データについては、「二世帯住宅」、「ホームシアター」、「雨水利用設備」のそれぞれの総登録数及び登録率は「3,785,643」及び「10.25%」、「2,023,916」及び「5.48%」、「5,384,715」及び「14.58%」であり、これらの合計のマッチング率(30.32%)を名称マッチング率とする。
また、図示を省略した項目についても同様に下記となる。
感覚に関しては、「安心」、「明るい」、「ぽかぽか」が一致し、それぞれの総登録数及び登録率は「18.732,879」及び「50.73%」、「17,629,771」及び「47.75%」、「26,324,551」及び「71.30%」であり、これらの平均のマッチング率(56.59%)を感覚マッチング率とする。
外部利便に関しては、「産科病院」、「図書館」が一致し、それぞれの総登録数及び登録率は「4,242,316」及び「11.49%」、「8,648,976」及び「23.42%」であり、これらの合計のマッチング率(34.91%)を外部利便マッチング率とする。
フリーメッセージに関しては、「菜園」、「野菜」、「親世帯」、「シアター」、「音響」、「防音」、「楽器演奏」、「地下」が一致する。ここで、「菜園」と「野菜」は類似文字列であり、「シアター」、「音響」、「防音」、「楽器演奏」、「地下」は類似文字列である。このため、それぞれの総登録数及び登録率は、「菜園」と「野菜」については「6,981,234」及び「18.91%」であり、「親世帯」については「4,264,288」及び「11.55%」であり、「シアター」、「音響」、「防音」、「楽器演奏」、「地下」については「2,245,567」及び「6.08%」である。これら3つの平均のマッチング率(12.18%)をフリーメッセージマッチング率とする。
生活環境情報に関しては、「陽当たり」、「南西向き」、「高台」、「避難場所」が一致する。ここで、「陽当たり」と「南西向き」及び「高台」と「避難場所」はそれぞれ類似文字列である。このため、それぞれの総登録数及び登録率は、「陽当たり」と「南西向き」については「27,476,651」及び「74.42%」であり、「高台」と「避難場所」については「14,318,756」及び「38.78%」である。これら2つの平均のマッチング率(56.60%)を生活環境情報マッチング率とする。
これら5つのマッチング率(名称マッチング率、感覚マッチング率、外部利便マッチング率、フリーメッセージマッチング率、生活環境情報マッチング率)の平均値(38.91%)を嗜好性マッチング率とする。
尚、本実施形態では、各マッチング率として、個別不動産(不動産供給者個別属性データ)の所定の文字列が嗜好性評価照合基準DB11の各系列(類似項目)の照合データに存在する場合、その各系列(類似項目)の登録率(%)が用いられる(例えば、複数の異なる文字列が存在する場合はそれらの登録率(%)の平均値や合計値が用いられてもよい。)が、他の構成例として、任意の算出式を用いて各マッチング率が算出されてもよい。
また、本実施形態では、フリーメッセージとそれ以外の項目(特定用途構築物・設備、感覚、外部利便、生活環境情報)とで同じ文字列が特定された場合には、それぞれにおいて当該文字列を用いてマッチング率が求められるが、他の構成例として、いずれか一方において当該文字列を用いてマッチング率を求め、他方において当該文字列を用いないでマッチング率を求めてもよい。つまり、フリーメッセージとそれ以外の項目とで同じ文字列が特定された場合には、いずれか一方のみで当該文字列を用いてマッチング率が求められてもよい。
更に、図14の例では、嗜好性評価照合基準DB11に含まれる情報に関して、マッチング対象の選択範囲が設定されている。
マッチング対象の選択範囲は、登録年次や登録希望エリアについて設定される。登録年次の選択範囲は、例えば、「前年」、「2年前」、「3年前」等である。登録希望エリアの選択範囲は、例えば、「城西」、「城南」、「多摩東部」等の地域名である。
図14の例では、マッチング対象の選択範囲に限定された場合のデータ総数(選択範囲データ数)は「6,987,524」であり、全体に対して「18.92%」となっている。
マッチング対象の選択範囲に限定された場合についても、このような限定が無い場合(つまり、全体の場合)と同様な方法で、それぞれのマッチング率(名称マッチング率、感覚マッチング率、外部利便マッチング率、フリーメッセージマッチング率、生活環境情報マッチング率、嗜好性マッチング率)が求められる。
このように、個別不動産の全体の想定評価価格算出のための嗜好性に係る調整率としては、当該個別不動産に関する全ての文字列情報について、合致した類似文字列の登録率から所定の算出式で算出した項目毎の数字の平均値を嗜好性マッチング率として算出する。尚、登録率を用いた算出式の代わりに、登録数を用いた算出式が使用されてもよい。
ここで、調整率を算出する例として、嗜好性マッチング率の照合基準を定め、一定の基準を超えたものをプラス評価、その基準未満のものをマイナス評価とする算出式を設定して用いることも可能である。尚、当該一定の基準であるときは、プラスマイナスの評価は無くてもよく、あるいは、プラス又はマイナスのいずれかの評価に含められてもよい。
図15は、本発明の一実施形態に係る個別不動産の嗜好性マッチング率の照合基準を示す図である。
図15の例では、嗜好性マッチング率を0%〜5%、5%〜10%、10%〜15%等の範囲に分けて、それぞれの範囲ごとに調整率が設定されている。プラスマイナス“0”となる嗜好性マッチング率を25%〜30%としている。図14の例の場合、嗜好性評価照合基準DB11の全データから算出した嗜好性マッチング率で当該個別不動産の調整率を算出した場合は「1.02」となり、また、調整率を算出するためのマッチング対象の選択範囲を最近3年間と当該個別不動産の所在地周辺に絞り込んで算出した場合は「1.03」となる。
尚、図15の例では、嗜好性マッチング率と調整率との関係について、連続関数を用いる場合よりも処理を簡易化するために、5%おき等の範囲を用いているが、他の構成例として、当該範囲を小さくすると、より細かい調整が可能であり、連続関数が用いられてもよい。
最近の所在地周辺で絞り込んだ範囲で算出された調整率が全データから算出された調整率より高い場合は、最近の所在地周辺での嗜好性へのマッチング度合いが高いということであり、平均的な評価より高い評価とすることができることを表している。逆に、最近の所在地周辺で絞り込んだ範囲で算出した調整率が全データから算出した調整率より低い場合は、広範囲の不動産需要者に訴求することで、高い評価を得られる可能性があることを表す。
次に、特定用途構築物・設備の売却時の想定評価価格を算出する場合の演算処理について説明する。
図16は、本発明の一実施形態に係り、「特定用途構築物・設備想定評価価格」を算出するための算出式に示される「(E)調整率」(「(11)特定用途構築物・設備嗜好性マッチング率」)を算出するために個別不動産の不動産供給者個別属性データの特定用途構築物・設備に関する情報(文字列)と、不動産需要者属性データベースから抽出した文字列登録情報から設定された嗜好性評価照合基準DB11の類似文字列とを照合(マッチング)させた状況の一例を示す図である。
個別不動産に複数の特定用途構築物・設備がある場合は、それぞれ別々に照合(マッチング)を行い、それぞれの特定用途構築物・設備に関する文字列の登録率が高いほど当該特定用途構築物・設備の需要が高いと認識することができる。
個々の特定用途構築物・設備の想定評価価格算出のためのマッチング率は、それぞれの名称が含まれる類似文字列の登録率と、当該特定用途構築物・設備に関するフリーワード情報が含まれる類似文字列の登録率により算出する。このような演算処理は、例えば、演算処理部7において、不動産情報データ取得部711が必要な情報を取得し、当該情報に基づいて嗜好性情報データ照合部712が嗜好性に関する照合を行い、不動産評価部713が所定の演算を行うことで、実現されてもよい。
図16の例では、個々の特定用途構築物・設備として、「二世帯住宅」、「ホームシアター」、「雨水利用設備」といった名称のそれぞれについて、名称マッチング率及びフリーメッセージマッチング率が算出されており、これらの平均値を嗜好性マッチング率としている。
図17は、本発明の一実施形態に係る個別の特定用途構築物・設備のマッチング率照合基準の例を示す図である。
図17の例では、嗜好性マッチング率を0%〜2%、2%〜4%、4%〜6%等の範囲に分けて、それぞれの範囲ごとに調整率が設定されている。プラスマイナス“0”となるマッチング率を10%〜12%としている。
嗜好性評価照合基準DB11の全データについて「特定用途構築物・設備」と「フリーメッセージ」から算出したマッチング率(嗜好性マッチング率)で当該特定用途構築物・設備である「二世帯住宅」の調整率を算出した場合には、全データについて「1.00」となり、マッチング対象の選択範囲を最近3年間と当該個別不動産の所在地周辺に絞り込んで算出した場合は「1.05」となる。
また、「ホームシアター」の調整率を算出した場合は、全データについて「0.80」となり、マッチング対象の選択範囲を最近3年間と当該個別不動産の所在地周辺に絞り込んで算出した場合は「0.90」となる。
一方、「雨水利用設備」の調整率を算出した場合は、全データについて「1.10」となり、マッチング対象の選択範囲を最近3年間と当該個別不動産の所在地周辺に絞り込んで算出した場合は「1.10」となる。
これらの結果から、特定用途構築物・設備の種類により、需要の高低があることを認識することができる。
図18は、本発明の一実施形態に係る嗜好性評価照合基準DB11からマッチング対象を絞り込んだ場合の選択範囲の一例を示す図である。
図18の例では、登録年次の項目について、選択肢のなかで「前年」、「2年前」、「3年前」が選択欄で選択されている。また、登録希望エリアの項目について、選択肢のなかで「城西地区」、「城南地区」、「多摩東部」が選択欄で選択されている。また、「城西地区」が個別不動産の所在地であること(図18の例では、二重丸)が示されている。
本実施形態では、個別不動産のマッチング率を算出するための嗜好性評価照合基準DB11の選択範囲を可変とすることで、個別不動産の評価をより正確に算定することが可能となる。
図19は、本発明の一実施形態に係るマッチング対象の嗜好性評価照合基準DB全データ及び選択範囲の嗜好性マッチング率を表す画面情報の一例を示す図である。この画面情報は、例えば、不動産供給者機器1の表示部の画面(あるいは表示部811の画面など)に表示されてもよい。
この画面情報を見て、不動産供給者は、個別不動産について嗜好性マッチング率を算出するために、自らの判断で、照合(マッチング)させるデータを嗜好性評価照合基準DB11から選択する範囲を検討することができる。この画面情報は、例えば、照合させた全て(又は、一部でもよい)の文字列のマッチング率のデータを表示する。
図19の例では、登録年(登録年次)別の嗜好性マッチング率が、類似項目(特定用途構築物・設備の名称、感覚、外部利便、フリーメッセージ、生活環境情報)ごと、及び各登録年別に、全データと選択エリアの分のデータ(「登録希望エリア」に関する選択範囲データ)について表示されている。
また、登録エリア(登録希望エリア)別の嗜好性マッチング率が、類似項目ごと、及び各登録エリア別に、全データと選択年次の分のデータ(「登録年次」に関する選択範囲データ)について表示されている。
更に、選択範囲データ(マッチング対象を選択した範囲)の嗜好性マッチング率が、類似項目ごと、及び各選択年次(選択範囲の登録年次)別に、又は各選択エリア(選択範囲の登録希望エリア)別に、表示されている。
例えば、最近になって登録率が上昇している場合は、最近の流行に合った不動産であり、最近のデータを選択範囲とすることでより正確な評価をすることができる。
一方、項目によって嗜好性マッチング率の上がり下がりがバラバラで一定の傾向が見いだせない場合は、全てのデータを選択することにより、平均的な調整率にすることができる。
また、嗜好性マッチング率の高いエリアが偏っている場合で、かつ、個別不動産がその高いエリアに所在するような場合は、全てのデータによる評価より選択範囲を限ったデータによる評価の方が適正な算定をすることができる場合がある。
図20は、本発明の一実施形態に係る特定用途構築物・設備の名称により嗜好性評価照合基準DB11からデータを検索した結果を表示する画面情報の一例を示す図である。この画面情報は、例えば、不動産供給者機器1の表示部の画面(あるいは表示部811の画面など)に表示されてもよい。
この画面情報を見て、不動産供給者は、自らの判断で選択範囲を検討することができる。
図20の例では、「ホームシアター」という名称で検索している。数値の情報として、全体における「総登録数(3)」及び「データ総数(1)」に対するその登録率や、選択された登録年別の総登録数(「選択年次総登録数(4)」)及び「総登録数(3)」に対するその登録率や、選択された登録希望エリア別の総登録数(「選択希望エリア総登録数(5)」)及び「総登録数(3)」に対するその登録率や、選択範囲の総登録数(「選択範囲内登録数(6)」)及び「選択範囲データ数(2)」に対するその登録率(「選択範囲内登録率」)が表示されている。また、グラフの情報として、複数の登録年別の総登録数(年別登録数)及び平均値や、複数の登録希望エリア別の総登録数(エリア別登録数)及び選択範囲のエリア(図20の例では、四角の囲み)が表示されている。
不動産供給者は、需要者登録数の年次ごとの変遷による人気度の変化や所在地の属するエリアごとの需要者登録数等により、選択範囲を入れ直して複数のパターンから検討し決定することができる。
嗜好性評価照合基準DB11の選択範囲を、それぞれの特定用途構築物・設備の流行度、需要者総数、地域性、希少度等を考慮して、可変とすることで、その特定用途構築物・設備の評価をより正確に算定することが可能となる。
例えば、需要者数は少ないが、特定の需要者からは高い評価を受ける希少価値の高い特定用途構築物・設備である場合や、不動産供給者が売却に時間が掛かってもその特定用途構築物・設備を評価し活用してくれる購入希望者(不動産需要者)に売却したいと希望した場合には、不動産供給者は、選択した嗜好性の高い選択範囲による登録率から算出した調整率を承認することができる。また、不動産供給者が当該特定用途構築物・設備を評価はして欲しいが売却に時間を掛けたくない場合は、全体の登録率を選択し、平均的な調整率にすることができる。
また、最近流行した特定用途構築物・設備の評価の場合は、不動産供給者は、過去の関連する類似文字列の登録数を時系列で並べたグラフとして表示させて適切な期間を判断し、嗜好性評価照合基準DB11からの選択範囲を限定して、流行している期間に対応する調整率を算出することができる。また、毎年の登録数(あるいは、登録率)に大きな変動がない場合は、不動産供給者は、平均値を参考に全データを選択することができる。
また、希望エリア別データの選択範囲は、一例として、評価対象となる不動産の所在地に応じて、演算処理部7等により自動的に選択されてもよい。これに対して、不動産供給者は、エリアによって偏った需要がある場合や周辺エリアで似たような需要がある場合は、エリア別に登録数を並べたグラフを参考に選択範囲を変更してもよい。
個別不動産の全体の評価においても、特定用途構築物・設備の評価においても、嗜好性評価照合基準DB11の選択範囲を不動産供給者自らが検討することで、不動産供給者の売却活動に対する意向や流行、地域性等を評価価格に反映することができ、これだけでなく、不動産需要者の嗜好性をデータとして見ることができることで、不動産供給者の高望みや思い込み、時代遅れなどを是正し、適切な想定評価価格を算出することができる。
尚、図19に示されるように表を用いて情報を表示する方法と、図20に示されるようにグラフを用いて情報を表示する方法とは、任意の情報について、任意の一方又は両方の方法が用いられてもよい。
図21は、本発明の一実施形態に係る想定建物評価価格の築年数及び本発明の一実施形態による評価、調整による変化を表すグラフの一例を示す図である。
図21のグラフでは、横軸は築年数を表し、縦軸は価格を表す。このグラフでは、耐用年数20年の場合のインフィル(一般に、天井、間仕切り等の内部構成、内装、設備等を含む。)の特性と、耐用年数50年の場合のスケルトン(一般に、建物の構造体(骨組み)をいうが、本例では、建物の外部と内部の空間を仕切る屋根、外壁、床を構成する部位を含む。)の特性と、スケルトンの改修が必要な部位(防水性、断熱性等の居住性能を確保し維持するための外装等(外壁部の塗装、化粧材、断熱材、外壁目地シーリング、屋根防水シート等))の耐用年数が15年の場合のスケルトンのリフレッシュ(改修)調整の特性と、嗜好性マッチング率を含む調整率による調整範囲の特性と、耐用年数15年の場合の特定用途構築物・設備を考慮した場合の特性が把握される。
図10に示される「建物基本現価(当初新築部分)」(図10における(1)×(2))の計算では、流通耐用年数が異なる部分が一体になって構成される場合、それぞれの流通耐用年数ごとの部分について計算して、これらを合算して結果を求めることができる。このように、本実施形態では、図10に示される「(1)再調達価格」及び「(2)現価率」」を、インフィルとスケルトンとで分けて別々に算出するが、他の構成例として、これらをまとめて算出してもよい。
このグラフでは、インフィル部分とスケルトン部分の流通耐用年数の違いを反映して算出した特性を示してある。嗜好性マッチング率を用いることによって、想定建物評価価格が上下することを表している。また、その後に、特定用途構築物・設備の想定評価価格が加算されることを表している。リフレッシュ調整については、スケルトン部分の評価が対象部分の改修(リフォーム)の有無により上下することを表しており、上記の嗜好性マッチング率による調整及び特定用途構築物・設備の加算の合計額から減少分(リフレッシュされていない部分)が差し引かれる。
図22は、本発明の一実施形態に係る不動産評価支援システム101について、不動産供給者機器1において行われる不動産評価の処理の手順の一例を示すフローチャートである。
概略的には、個別の不動産供給者が、個別属性データ項目の基本情報データ及び嗜好性情報データを各属性ファイルに入力し、嗜好性評価照合基準データの選択範囲を決定するために演算処理の試算照合を指示したうえで選択範囲を決定し、その後、演算処理の照合を指示して、結果を出力させる。
(S1501)
不動産供給者機器1は、システム運営者機器2に通信可能に接続する。尚、本実施形態では、不動産供給者機器1は、不動産供給者からの指示等に応じて必要なときに、システム運営者機器2に接続するが、他の構成例として、不動産供給者機器1はシステム運営者機器2に常時接続していてもよい。
(S1502)
不動産供給者機器1は、個別属性データの項目を示す画面情報を当該不動産供給者機器1の表示部に表示する。当該表示部は、例えば、ディスプレイ画面である。当該画面情報は、例えば、図5に示されるような情報を不動産供給者から受け付けるための画面情報であってもよい。当該画面情報は、例えば、システム運営者機器2から提供されてもよい。
(S1503)
不動産供給者機器1は、個別属性データ項目のうち、基本情報のデータを入力する。この入力では、例えば、不動産供給者が画面に書き込んだデータを不動産供給者機器1が入力する。
不動産供給者機器1は、入力したデータをシステム運営者機器2に送信する。システム運営者機器2は、当該データを供給者属性データ入力部5aにより入力して、供給者情報記憶部6aに記憶する。
(S1504)
不動産供給者機器1は、個別属性データ項目のうち、嗜好性に関する情報(嗜好性情報)のデータを入力する。この入力では、例えば、不動産供給者が画面に書き込んだデータを不動産供給者機器1が入力する。
不動産供給者機器1は、入力したデータをシステム運営者機器2に送信する。システム運営者機器2は、当該データを供給者属性データ入力部5aにより入力して、供給者情報記憶部6aに記憶する。
(S1505)
不動産供給者機器1は、想定評価賃料及び/又は売却不動産想定評価価格(「及び/又は」は、一方又は両方を表し、以下も同様である。)の演算処理の試算照合指示をシステム運営者機器2に送信する。この指示は、例えば、不動産供給者による操作に応じて受け付けられてもよい。
システム運営者機器2は、この指示を入力し、当該指示に応じて演算処理部7により所定の演算処理を実行し、当該演算処理の結果を出力部8により不動産供給者機器1に送信する。
不動産供給者機器1は、システム運営者機器2から当該演算処理の結果を受信して当該不動産供給者機器1の表示部の画面に表示する。
(S1506)
不動産供給者機器1により提示(例えば、表示)された情報に基づいて、不動産供給者は、嗜好性評価照合基準データの選択範囲の検討及び決定を行う。そして、不動産供給者は、決定した選択範囲(全データの選択であってもよい)の指示を不動産供給者機器1に与える。
(S1507)
不動産供給者機器1は、想定評価賃料及び/又は売却不動産想定評価価格の演算処理の照合指示をシステム運営者機器2に送信する。このとき、不動産供給者機器1は、選択範囲(全データの選択であってもよい)の指示をシステム運営者機器2に送信する。
システム運営者機器2は、これらの指示を入力し、当該指示に応じて演算処理部7により所定の演算処理を実行し、当該演算処理の結果を出力部8により不動産供給者機器1に送信する。
(S1508)
不動産供給者機器1は、システム運営者機器2から演算処理の結果を受信して、当該不動産供給者機器1の表示部の画面に表示する。これにより、不動産供給者機器1は、想定評価賃料及び/又は売却不動産想定評価価格の情報を出力する。当該情報が不動産供給者により参照される。
(S1509)
不動産供給者機器1は、システム運営者機器2との接続を終了して、システム運営者機器2から分離する。この分離は、例えば、不動産供給者による指示に応じて行われてもよい。
図23は、本発明の一実施形態に係る不動産評価支援システム101の演算処理に使用される照合基準等の設定を行うためにシステム運営者機器2において行われる処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図23の例では、概略的には、システム運営者が、各種の照合ファイルに照合基準を設定入力し、また、嗜好性評価照合基準DB11の作成過程も含まれる。
(S1601)
システム運営者機器2は、建物属性照合ファイルへの照合基準の設定情報を入力する。この設定情報は、例えば、システム運営者により設定されてもよく、あるいは、他の者により設定されてもよい。
(S1602)
システム運営者機器2は、土地属性照合ファイルへの照合基準の設定情報を入力する。この設定情報は、例えば、システム運営者により設定されてもよく、あるいは、他の者により設定されてもよい。
(S1603)
システム運営者機器2は、賃料照合ファイルへの照合基準の設定情報を入力する。この設定情報は、例えば、システム運営者により設定されてもよく、あるいは、他の者により設定されてもよい。
(S1604)
システム運営者機器2は、利回り照合ファイルへの照合基準の設定情報を入力する。この設定情報は、例えば、システム運営者により設定されてもよく、あるいは、他の者により設定されてもよい。
尚、システム運営者機器2は、必要に応じて、更に他のファイル等の情報を入力して設定してもよい。
(S1605)
システム運営者機器2は、不動産需要者属性データの分類を解析する演算処理の実行指示を入力する。この指示は、例えば、システム運営者あるいは他の者による操作に応じて受け付けられてもよい。この指示に応じて、システム運営者機器2は、不動産需要者属性データの分類を解析する演算処理を実行する。
ここで、不動産需要者属性データは、例えば、事前に、不動産需要者機器4により不動産需要者から取得されて、需要者属性データ入力部5bを介して需要者情報記憶部6bに記憶されている。
(S1606)
システム運営者機器2は、演算処理の結果に基づいて、嗜好性評価照合基準DB11を作成する。そして、システム運営者機器2は、作成された嗜好性評価照合基準DB11の情報を記憶する。
ここで、本実施形態では、システム運営者機器2では、演算処理部7の嗜好性評価照合基準データ作成部714により、(S1605)〜(S1606)の処理が行われる。
図24は、本発明の一実施形態に係る不動産評価支援システム101を使って、不動産供給者機器において行われる不動産評価の情報処理フロー(図22の情報処理フロー)を経て不動産評価の結果を出力した画面情報の一例を示す図である。
本実施形態では、この出力画面情報は、例えば、不動産供給者機器1の表示部の画面(あるいは表示部811の画面など)に表示されてもよい。
この出力画面情報は、例えば、システム運営者機器2により生成されてもよい。
図24の例では、基本情報として、所在地、土地面積、構造・階段、建物面積、間取り等の情報が表示される。
また、想定評価価格の項目として、想定土地評価価格、想定建物評価価格、各々の特定用途構築物・設備想定評価価格(例えば、二世帯住宅、ホームシアター、雨水利用設備のぞれぞれの評価価格)、想定土地建物合計評価価格、想定評価賃料について、価格(円)が表示される。また、それとともに、嗜好性マッチング率が全データと選択範囲のそれぞれについて表示され、嗜好性マッチング率の数字への網掛けにより各想定評価価格の算出に採用された嗜好性マッチング率であることが表示される。想定価格評価における嗜好性マッチング率の採用は、全て「全データ」又は「選択範囲」のどちらかの数値を採用するように運用されてもよく、項目ごとに「全データ」又は「選択範囲」を選べるように運用されてもよい。
また、嗜好性評価照合基準データの選択範囲の内訳が表示される。具体的には、登録年次に関して、「前年」、「2年前」、「3年前」等の選択肢が表示され、選択の有無を示す選択欄が表示される。また、登録希望エリアに関して、「都心部」、「湾岸部」、「城東地区」等の選択肢が表示され、選択の有無を示す選択欄が表示される。
尚、図24の例では、想定評価価格の項目である価格(円)については「・・・」を示してあるが、実際には該当する評価価格の値が表示される。
このように、本実施形態では、想定土地評価価格、想定建物評価価格、想定評価賃料だけでなく、特定用途構築物・設備の評価価格及び嗜好性評価照合基準データの選択範囲も表示する。
以上のように、本実施形態に係る不動産評価支援システム101では、適切な不動産の評価を支援することができる。
尚、不動産の価値の評価を行う場合に、当該価値としては、一例として、価額(価格)が用いられてもよく、あるいは、任意の点数などのように、他の指標が用いられてもよい。
不動産評価支援システム101の構成例を示す。
一構成例として、不動産供給者の不動産の価値を評価する不動産評価支援システム101であって、不動産需要者の嗜好性情報データを含む不動産需要者の不動産情報データと、不動産供給者の嗜好性情報データを含む不動産供給者の不動産情報データと、を取得する不動産情報データ取得部711と、不動産情報データ取得部711で取得した不動産需要者の嗜好性情報データと不動産供給者の嗜好性情報データとを照合して照合度を算出する嗜好性情報データ照合部712と、前記嗜好性情報データ照合部712が算出した照合度(本実施形態では、嗜好性マッチング率)を調整係数として、評価対象の不動産供給者の不動産の価値を算出する不動産評価部713を有する。
これにより、不動産評価支援システム101では、不動産価値評価に嗜好性の照合度を使用することで、適切な不動産の評価を支援することができる。特に、従来における「流通性比率」の中に含めて調整されていた嗜好性に係る部分を分離して評価することができ、不動産業者の恣意ではなく、客観化することができる。
ここで、照合度を調整係数とする態様としては、一例として、照合度をそのまま調整係数とする態様が用いられてもよく、他の例として、所定の変換式によって照合度を調整係数に変換する態様が用いられてもよい。
また、不動産情報データ取得部711で取得した不動産需要者の嗜好性情報データと不動産供給者の嗜好性情報データとを照合して算出した照合度を調整係数とする態様としては、例えば、不動産情報データ取得部711で取得した不動産需要者の嗜好性情報データと不動産供給者の嗜好性情報データとを照合し、これらの照合度を算出し、算出された照合度に基づいて調整係数を取得する態様が用いられる。
一構成例として、不動産評価支援システム101において、評価対象の不動産供給者の不動産は、土地、建物、又は当該土地もしくは当該建物に付帯(付加)する特定用途構築物もしくは特定用途設備(特定用途構築物・設備)を含み、不動産評価部713は、当該建物又は当該特定用途構築物もしくは特定用途設備(特定用途構築物・設備)のうち、一方又は双方について嗜好性を評価する。
これにより、不動産評価支援システム101では、土地、建物、又は当該土地もしくは当該建物に付帯する特定用途構築物もしくは特定用途設備についての嗜好性を加味して、不動産の評価を支援することができる。
一構成例として、不動産評価支援システム101において、建物の基本情報には、間取り情報又は履歴情報を含む建物のキーポイントとなるデータが施工時期の時系列及び価格費用と共に含まれ、不動産評価部713は、当該建物の基本情報を用いて、評価対象となる不動産供給者の不動産を評価する。
これにより、不動産評価支援システム101では、建物の基本情報を用いて、不動産の評価を支援することができる。
一構成例として、不動産評価支援システム101において、照合度は、属性データごとに算出した適合度(本実施形態では、属性データごとのマッチング率であり、例えば、名称マッチング率、感覚マッチング率、外部利便マッチング率、フリーメッセージマッチング率、生活環境情報マッチング率)を用いて調整されている。
これにより、不動産評価支援システム101では、属性データごとの適合度を用いて、不動産の評価を支援することができる。
一構成例として、不動産評価支援システム101において、更に、不特定多数の不動産需要者の個別属性データを集めた不動産需要者属性データベースから抽出した属性データにより不動産需要者の不動産に対する嗜好性を評価するための照合基準となる嗜好性評価照合基準データを作成する嗜好性評価照合基準データ作成部714を有し、不動産需要者の嗜好性情報データは、嗜好性評価照合基準データ作成部714で作成された嗜好性評価照合基準データの一部又は全部である。
これにより、不動産評価支援システム101では、不動産需要者から収集されたビッグデータから作成された照合基準(嗜好性評価照合基準データ)に基づく嗜好性の評価を行って、不動産の評価を支援することができる。
一構成例として、不動産評価支援システム101において、嗜好性情報データ照合部712は、嗜好性評価照合基準データ記憶部611に記憶された嗜好性評価照合基準データの一部を選択する指令(指示)に基づいて選択された嗜好性評価照合基準データと不動産供給者の嗜好性情報データに含まれる照合対象データ(照合の対象となるデータであり、本実施形態では、文字列)とを照合する。
ここで、照合基準データ及び照合対象データは、文字列等のデータであって、通常の文字で構成されたデータに限られず、通常の文字以外の絵文字、記号、図形、写真又は映像等の識別可能な要素で構成されたデータ、又は通常の文字と通常の文字以外の組合せで構成されたデータであってもよい。
これにより、不動産評価支援システム101では、嗜好性評価照合基準データについて選択された範囲において嗜好性の評価を行って、不動産の評価を支援することができる。
一構成例として、不動産評価支援システム101において、嗜好性評価照合基準データ作成部714が作成する嗜好性評価照合基準データは、不動産需要者属性データベースから属性データを抽出したデータであって、各々の属性データごとに適合基準が定義されている。
これにより、不動産評価支援システム101では、各々の属性データごとに適合基準が定義された嗜好性評価照合基準データを用いて、嗜好性の評価を行って、不動産の評価を支援することができる。
ここで、各々の属性データごとの適合基準は、例えば、照合したときに一致すると判断されるべき属性データの代表値と、その代表値と同一又は類似のものであると扱う値を含む。
例えば、図13、図14、図16の例では、適合基準は、照合データの欄の中の類似文字列の群(つまり、適合の度合いを判断するための基準)を指す。
一構成例として、不動産評価支援システム101において、不動産需要者属性データベースから抽出される属性データ又は不動産供給者の嗜好性情報データの属性データ(不動産供給者の嗜好性情報データに含まれる評価照合データ(照合対象データ)の属性データ)は、特定用途構築物もしくは特定用途設備(特定用途構築物・設備)の名称、機能、もしくは特徴等を表す情報、感覚を表す情報、外部利便を表す情報、生活環境情報を表す情報、又は、売りポイントもしくは買いポイントに関する情報を含むフリーメッセージ情報のうちの1以上を含む。
これにより、不動産評価支援システム101では、特定用途構築物・設備、感覚、外部利便、生活環境、フリーメッセージのうちの1以上に関する嗜好性の評価を行って、不動産の評価を支援することができる。
ここで、評価照合データは、例えば、不動産供給者の嗜好性情報データにおいて、不動産の評価のために照合に使用される文字列等のデータである。
一構成例として、不動産評価支援システム101において、更に、不動産評価部713による評価に関する情報として、嗜好性に関する照合度又は適合度に関する情報、あるいは照合又は適合に用いられた嗜好性評価照合基準データの情報のうちの1以上を含む情報を表示する表示部(例えば、不動産供給者機器1の表示部(あるいは表示部811など)を有する。
これにより、不動産評価支援システム101では、不動産の評価に関する情報を表示することで、不動産の評価を支援することができる。
更に、不動産評価支援システム101の構成例を示す。
一構成例に係る不動産評価支援システム101は、不動産供給者が譲渡価格の評価を行う特徴ある戸建住宅等である個別不動産の建物の間取り情報又は履歴情報を含む建物のキーポイントとなるデータが施工時期の時系列及び価格費用と共に含まれる基本情報の他に、当該個別不動産の特徴や特定用途に関する、感覚情報、外部利便、フリーメッセージ情報、生活環境情報等と共に、当該個別不動産に付加された特定用途構築物・設備の各々の名称や機能、施工時期及び価格費用(施工費用)に関する情報が含まれる不動産供給者個別属性データが記憶されている個別不動産データと、年次と物価変動率を対応させた物価変動率照合基準データ、前記した建物のキーポイントとなるデータを評価値と対応させた建物評価照合基準データ、及び、当該個別不動産の特徴や特定用途の情報の嗜好性を評価するための嗜好性評価照合基準DB11を備える。
また、不動産評価支援システム101は、不動産供給者個別属性データを入力する機能、及び、嗜好性評価照合基準DB11の作成(更新を含んでもよい。)のために不動産需要者属性データを入力する機能、前記した個別不動産についての売却の想定評価価格を算出するための演算処理の機能を備える。
また、前記した演算処理の機能は、前記した個別不動産について、不動産供給者個別属性データに関する施工時期の価格費用である新築時取得価格に物価変動率照合基準データから引用した物価変動率を乗じて算出した再調達価格に対して、所定の減価償却率で減価償却の計算を行い、更に、不動産供給者個別属性データを建物評価照合基準データに照合して得た建物のキーポイントとなるデータに関する評価値を算出する機能に加え、不動産供給者個別属性データに含まれる当該個別不動産の特徴や特定用途に関する嗜好性文字列情報を嗜好性評価照合基準DB11に照合(マッチング)してそのマッチング率を基に所定の算出式で算出した調整率を乗じて、当該個別不動産の想定建物評価価格を算定する機能を含んでいる。
このような不動産評価支援システム101では、個別不動産の全体について、特定用途構築物・設備、感覚、外部利便、フリーメッセージ情報、生活環境情報等の情報を、嗜好性評価照合基準DB11に照合して嗜好性マッチング率を算出して調整率に積算し、想定建物評価価格を調整する。これにより、不動産評価支援システム101では、基本情報だけでは反映させることができない個別の不動産の特徴や特定用途構築物・設備の評価、売り易さ、売り難さを、評価対象の個別不動産の評価価格に反映させることができ、例えば、「流通性比率」として調整されていた嗜好性に係る部分の評価を分離して明確にすることができる。
一構成例に係る不動産評価支援システム101は、個別不動産に付加された特定用途構築物・設備の各々の譲渡時の想定評価価格を算出し、当該個別不動産の想定建物評価価格に加算する。不動産評価支援システム101では、当該特定用途構築物・設備の施工時期の価格費用である設置時の取得価格に物価変動率照合基準データから引用した物価変動率を乗じて算出した再調達価格に対して、所定の減価償却率で減価償却の計算を行い、更に、不動産供給者個別属性データを、各々の特定用途構築物・設備ごとに嗜好性評価照合基準DB11に照合(マッチング)して、それぞれのマッチング率を基に所定の算出式で算出した調整率を乗じて、当該特定用途構築物・設備の加算する想定評価価格を算定する機能を含んでいる。
このような不動産評価支援システム101では、特定用途構築物・設備について現価を算出し、嗜好性評価照合基準DB11に照合して決定された調整率(例えば、不動産供給者により選択された範囲の調整率でもよい)で調整した想定評価価格を算定し、これを評価対象の個別不動産の評価価格に加算する。これにより、不動産評価支援システム101では、これまで評価されずに、逆にマイナス評価にもなっていた特定用途構築物・設備に適切な評価を与えることができ、それだけでなく、当該特定用途構築物・設備を求めていた不動産需要者にとっても、当該特定用途構築物・設備を自ら新しく構築することなく再利用することで安価に取得することができる機会を提供することができる。
一構成例に係る不動産評価支援システム101は、嗜好性評価照合基準DB11の評価値には、特許文献2に記載された不動産取引支援システムで収集されるものと同様又は類似の不動産需要者個別属性データ(不動産需要者が入力した購入希望不動産の基本情報及び特定用途構築物・設備の名称、機能、購入希望不動産に関する感覚情報、外部利便情報、フリーメッセージ情報、生活環境情報を含む不動産需要者個別属性データ)を集めたビッグデータ(不動産需要者属性データベースのデータ)を解析して、入力された文字列を類似情報ごとにまとめ、その類似区分(群)に含まれる文字列を入力時期や入力者の属性別に分類し、更に、類似区分に含まれる文字列について全ての総登録数又は属性別の総登録数により分類した文字列嗜好性情報が含まれてもよい。
このような不動産評価支援システム101では、嗜好性評価照合基準DB11の評価値に文字列嗜好性情報が含まれていることにより、評価対象の個別不動産及び特定用途構築物・設備の市場における好感度や人気、需要度、嗜好性の高低やその傾向を計り、売り易さ、売り難さの評価をすることができる。
一構成例に係る不動産評価支援システム101は、個別不動産、及び、各々の特定用途構築物・設備ごとに嗜好性評価照合基準DB11に照合(マッチング)するため、文字列嗜好性情報を評価値として所定の算出式で各々の調整率を算出するにあたり、嗜好性評価照合基準DB11から評価値を抽出する選択範囲(マッチング対象の範囲)を登録年次別や登録希望エリア別に限定して選択することができる。
このような不動産評価支援システム101では、マッチング対象の範囲の適否を判断するために、嗜好性評価照合基準DB11に照合して、個別不動産、及び、各々の特定用途構築物・設備ごとに、不動産需要者の全体の登録数や、登録時期別あるいは登録希望エリア別の需要者の登録数の分布や、マッチング率あるいは登録率、それぞれの平均値等を算出し、全体や登録時期別あるいは登録希望エリア別に図表化、グラフ化して表示し、それぞれの分布傾向や、需要者登録数の増減の動向や、平均値等の分析結果を明示することができる。これにより、不動産評価支援システム101では、不動産需要者とのマッチングのスピードや可能性を予測し、マッチング対象の選択範囲を定めることを支援することができる。
また、不動産評価支援システム101では、不動産供給者は、過去からの動きも含めて嗜好性の分析結果を見ることができる。これにより、不動産供給者は、流行の盛衰も踏まえた個別の特徴ある戸建住宅等の現時点での適切な譲渡価格の評価をすることができ、それだけでなく、不動産供給者の思い込みによる高評価の是正や、不動産需要者の多いエリアの割り出しによる効率的な売却活動のための基礎情報として活用することができる。
以上の本実施形態では、実施形態に係る装置(例えば、不動産供給者機器1、システム運営者機器2、不動産需要者機器4など)の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体(記憶媒体)に記録(記憶)して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、処理を行ってもよい。
尚、ここでいう「コンピュータシステム」とは、オペレーティング・システム(OS:Operating System)あるいは周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
更に、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバあるいはクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)あるいは電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。更に、上記のプログラムは、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
1…不動産供給者機器、2…システム運営者機器、3a…本店機器、3b…支店機器、4…不動産需要者機器、5a…供給者属性データ入力部、5b…需要者属性データ入力部、6a…供給者情報記憶部、6b…需要者情報記憶部、7…演算処理部、8…出力部、9…基本情報DB、9a…登録者DB、9b…基本事項DB、10…嗜好性情報DB、10a…特定用途構築物・設備DB、10b…感覚項目DB、10c…外部利便DB、10d…フリーメッセージDB、10e…生活環境情報DB、11…嗜好性評価照合基準DB、11a…類似特定用途項目DB、11b…類似感覚項目DB、11c…類似外部利便DB、11d…類似文字列DB、11e…類似生活環境情報DB、12…基本情報データ、12a…登録者データ、12b…基本事項データ、13…嗜好性情報データ、13a…特定用途構築物・設備データ、13b…感覚項目データ、13c…外部利便データ、13d…フリーメッセージデータ、13e…生活環境情報データ、101…不動産評価支援システム、611…嗜好性評価照合基準データ記憶部、711…不動産情報データ取得部、712…嗜好性情報データ照合部、713…不動産評価部、714…嗜好性評価照合基準データ作成部、811…表示部

Claims (9)

  1. 不動産供給者の不動産の価値を評価する不動産評価支援システムであって、
    不動産需要者の嗜好性情報データを含む前記不動産需要者の不動産情報データと、前記不動産供給者の嗜好性情報データを含む前記不動産供給者の不動産情報データと、を取得する不動産情報データ取得部と、
    前記不動産情報データ取得部で取得した前記不動産需要者の嗜好性情報データと前記不動産供給者の嗜好性情報データとを照合して照合度を算出する嗜好性情報データ照合部と、前記嗜好性情報データ照合部が算出した照合度を調整係数として、評価対象の前記不動産供給者の不動産の価値を算出する不動産評価部を有する、
    ことを特徴とする不動産評価支援システム。
  2. 前記評価対象の前記不動産供給者の不動産は、土地、建物、又は前記土地もしくは前記建物に付帯する特定用途構築物もしくは特定用途設備を含み、
    前記不動産評価部は、前記建物又は前記特定用途構築物もしくは特定用途設備のうち、一方又は双方について嗜好性を評価する、
    ことを特徴とする請求項1に記載した不動産評価支援システム。
  3. 前記建物の基本情報には、間取り情報又は履歴情報を含む建物のキーポイントとなるデータが施工時期の時系列及び価格費用と共に含まれ、
    前記不動産評価部は、前記建物の基本情報を用いて、前記評価対象となる前記不動産供給者の不動産を評価する、
    ことを特徴とする請求項2に記載した不動産評価支援システム。
  4. 前記照合度は、属性データごとに算出した適合度を用いて調整されている、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載した不動産評価支援システム。
  5. 更に、不特定多数の前記不動産需要者の個別属性データを集めた不動産需要者属性データベースから抽出した属性データにより前記不動産需要者の不動産に対する嗜好性を評価するための照合基準となる嗜好性評価照合基準データを作成する嗜好性評価照合基準データ作成部を有し、
    前記不動産需要者の嗜好性情報データは、前記嗜好性評価照合基準データ作成部で作成された嗜好性評価照合基準データの一部又は全部である、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載した不動産評価支援システム。
  6. 前記嗜好性情報データ照合部は、嗜好性評価照合基準データ記憶部に記憶された前記嗜好性評価照合基準データの一部を選択する指令に基づいて選択された嗜好性評価照合基準データと前記不動産供給者の嗜好性情報データに含まれる照合対象データとを照合する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の不動産評価支援システム。
  7. 前記嗜好性評価照合基準データ作成部が作成する嗜好性評価照合基準データは、前記不動産需要者属性データベースから属性データを抽出したデータであって、各々の前記属性データごとに適合基準が定義されている、
    ことを特徴とする請求項5又は6のいずれか1項に記載した不動産評価支援システム。
  8. 前記不動産需要者属性データベースから抽出される属性データ又は前記不動産供給者の嗜好性情報データの属性データは、特定用途構築物もしくは特定用途設備の名称、機能、もしくは特徴等を表す情報、感覚を表す情報、外部利便を表す情報、生活環境情報を表す情報、又は、売りポイントもしくは買いポイントに関する情報を含むフリーメッセージ情報のうちの1以上を含む、
    ことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の不動産評価支援システム。
  9. 更に、前記不動産評価部による評価に関する情報として、嗜好性に関する照合度又は適合度に関する情報あるいは照合又は適合に用いられた前記嗜好性評価照合基準データの情報のうちの1以上を含む情報を表示する表示部を有する、
    ことを特徴とする請求項5から8のいずれか1項に記載の不動産評価支援システム。
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