JP2018167645A - 自動運転制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自動運転ECU36は、自動運転制御部360と、タイヤ状態判定部361と、を備える。自動運転制御部360は、車両の自動運転制御を実行する。タイヤ状態判定部361は、タイヤの状態が自動運転に適した状態であるか否かを判定する。自動運転制御部360は、タイヤ状態判定部361の判定結果に基づいて、タイヤの状態が自動運転に適した状態でないと判定した場合には、自動運転制御を制限する。
【選択図】図1
Description
本開示は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、自動運転の可能な車両においてタイヤの状態が自動運転に適した状態でない場合に、より適切に車両走行を維持することの可能な自動運転制御装置を提供することにある。
<第1実施形態>
はじめに、自動運転制御装置の第1実施形態について説明する。まず、第1実施形態の自動運転制御装置が搭載される車両システムの概略構成について説明する。
動力システム20は、車両の動力を統括的に管理する部分である。動力システム20は、エンジン21と、回転センサ22と、エンジンECU(Electronic Control Unit)23とを備えている。
回転センサ22は、エンジン21の出力軸であるクランクシャフトの回転速度を検出するとともに、検出された回転速度に応じた信号を出力する。
具体的には、エンジンECU23は、運転者によるエンジン始動操作を検出した際にエンジン21を始動させる、いわゆるエンジン始動制御を実行する。また、エンジンECU23は、回転センサ22の出力信号に基づいてエンジン回転速度Nsの情報を算出する。エンジンECU23は、エンジン回転速度Nsの他、エンジン冷却水の温度やアクセルペダルの踏み込み量、吸入空気量等に基づいてエンジン21の駆動を制御する。
例えば、自動運転ECU36は、エンジンECU23と通信を行うことにより、エンジン21の各種状態量の情報を取得することができる。また、自動運転ECU36は、自動運転制御において、エンジンECU23に対してエンジン21の動作を指示することにより、エンジン21の回転速度等を自動的に制御することができる。
自動運転制御部360は、車両の自動運転制御を実行する部分である。具体的には、自動運転制御部360は、操作装置34の出力信号に基づいて、運転者により自動運転の開始操作が行われたことを検出すると、自動運転制御を開始する。本実施形態の自動運転制御部360は、自動運転制御として、エンジン21やトランスミッション等を含む車両の動力系、電子制御ブレーキシステム70やブレーキ装置等を含む車両の制動系、及び電動パワーステアリング装置60等を含む車両の操舵系を自動的に制御する。
図5に示されるように、タイヤ状態判定部361は、まず、ステップS20の処理として、タイヤの状態が自動運転に適した状態であるか否かを判定する。続いて、自動運転制御部360は、ステップS21の処理として、タイヤ状態判定部361の判定結果に基づいて、タイヤの状態が自動運転に適した状態であるか否かを判断する。自動運転制御部360は、ステップS21の処理で肯定判断した場合には、一連の処理を一旦終了する。すなわち、この場合には、自動運転制御部360は、自動運転制御を通常通りに実行する。
(1)自動運転制御部360は、タイヤ状態判定部361の判定結果に基づいて、タイヤの状態が自動運転に適した状態でないと判定した場合には、自動運転制御を制限する。これにより、タイヤの状態が自動運転に適していないにも関わらず、車両の自動運転制御が通常通りに実行されることを回避できる。結果として、自動運転に適していないタイヤの状態により車両の自動運転に支障をきたす状況が生じ難くなるため、より適切に車両走行を維持することが可能となる。
(4)自動運転制御部360は、自動運転制御を実行している期間に、タイヤの状態が自動運転に適した状態であるか否かを判定する。これにより、自動運転制御の実行中にタイヤの状態が自動運転に適さない状態になった場合に、その状況を反映した処理、具体的には手動運転への権限移譲処理、あるいは自動運転制御の制限が可能となる。
次に、第1実施形態の自動運転ECU36の第1変形例について説明する。
車両が低速で走行している場合、カメラ31等を用いて演算される車両の実際の走行速度V2の誤差が大きくなる。
なお、車両の実際の走行速度V2が所定値以下であって、且つ車両の理想的な走行速度V1が所定値以上である場合、すなわち整備場等のローラ上試験、並びに雪道や泥道等でのホイールスピンの可能性が高い場合には、タイヤ劣化判定のための演算にこれを含めない。車両の実際の走行速度V2に対して設定される所定値は、ほぼ零に設定されている。また、車両の理想的な走行速度V1は、例えば車軸の回転速度とタイヤの理想的な半径とから求めることができる。
または、ローラ上試験の際は、外部通信機器との認証により、タイヤ劣化判定演算にこれを含めない処理をしてもよい。
次に、第1実施形態の自動運転ECU36の第2変形例について説明する。
路面状態や外気温等の環境因子によっても、車両の実際の走行速度V2の誤差が大きくなる状況が考えられる。そこで、路面状態や外気温に応じて、偏差Δrに乗算される係数を変化させてもよい。
このような構成によれば、より高い精度で車両の実際の走行速度V2を演算することができるため、結果的にタイヤの状態が自動運転に適した状態であるか否かを、より的確に判定することが可能となる。
次に、第1実施形態の自動運転ECU36の第3変形例について説明する。
本変形例のタイヤ状態判定部361は、タイヤの交換時にタイヤの実際の半径の平均値r2aを演算する。具体的には、操作装置34には、タイヤ交換が行われた際に操作されるスイッチ等が設けられている。タイヤ状態判定部361は、このスイッチ等の操作情報に基づいて、タイヤの交換時期を検出する。タイヤ状態判定部361は、タイヤの交換を検出した時点から所定時間が経過するまでの期間、あるいは車両が所定距離だけ走行する期間、タイヤの実際の半径r2を所定の周期で演算する。そして、タイヤ状態判定部361は、演算されたタイヤの実際の半径の平均値r2aをタイヤの理想的な半径r1としてメモリに記憶する。
(第4変形例)
次に、第1実施形態の自動運転ECU36の第4変形例について説明する。
(第5変形例)
次に、第1実施形態の自動運転ECU36の第5変形例について説明する。
タイヤ状態判定部361は、車両の理想的な走行距離d1及び車両の実際の走行距離d2を所定の周期で逐次演算する。そして、タイヤ状態判定部361は、例えば現在の時刻から所定時間前の時刻までの期間における車両の理想的な走行距離の平均値d1a、及び車両の実際の走行距離の平均値d2aを演算する。この車両の実際の走行距離の平均値d2aは、タイヤが摩耗するほど、車両の理想的な走行距離の平均値d1aから乖離することになる。すなわち、タイヤが摩耗するほど、「d1a>d2a」の傾向が強くなる。
(第6変形例)
次に、第1実施形態の自動運転ECU36の第6変形例について説明する。
具体的には、図1に破線で示されるように、車両システム10は、認証機器39を更に備えている。認証機器39は、タイヤやホイールに設けられた認証情報を読み込むことにより、タイヤの直径φaやタイヤの種類等の情報を取得するための機器である。認証情報は、例えばバーコードである。認証機器39により読み込まれた情報は、自動運転ECU36に送信される。自動運転ECU36は、認証機器39から送信される情報に基づいて、タイヤの直径φa等の情報を取得する。自動運転ECU36は、タイヤの半径の基準値φbをタイヤの直径φaにより除算することにより係数を演算する。
<第2実施形態>
次に、自動運転ECU36の第2実施形態について説明する。以下、第1実施形態の自動運転ECU36との相違点を中心に説明する。
タイヤ状態判定部361は、ステップS30の処理で否定判断した場合には、タイヤの状態が自動運転に適した状態でないと判定する。この場合、自動運転制御部360は、ステップS14の処理として、自動運転制御を制限する。
以上説明した本実施形態の自動運転ECU36によれば、第1実施形態による(1),(3)〜(6)の作用及び効果に加え、以下の(7)に示される作用及び効果を得ることができる。
次に、自動運転ECU36の第3実施形態について説明する。以下、第1実施形態の自動運転ECU36との相違点を中心に説明する。
本実施形態の操作装置34には、タイヤ交換が行われた際に操作されるスイッチ等が設けられている。自動運転ECU36は、このスイッチの操作情報に基づいて、タイヤの交換時期を検出するとともに、検出された交換時期をタイヤの使用開始時期と判断する。自動運転ECU36は、タイヤの使用開始時期からの経過時間に基づいて、タイヤの状態が自動運転に適した状態であるか否かを判定する。
以上説明した本実施形態の自動運転ECU36によれば、第1実施形態による(1),(3)〜(6)の作用及び効果に加え、以下の(8)に示される作用及び効果を得ることができる。
<第4実施形態>
次に、自動運転ECU36の第4実施形態について説明する。以下、第3実施形態の自動運転ECU36との相違点を中心に説明する。
具体的には、車両が手動運転で操作されている場合、自動運転ECU36は、図11に示される処理に代えて、図13に示される処理を所定の周期で繰り返し実行する。図13に示されるように、タイヤ状態判定部361は、ステップS50の処理で肯定判断した場合には、すなわちタイヤの使用が開始された場合には、ステップS70の処理として、計測距離dmをリセットする。
以上説明した本実施形態の自動運転ECU36によれば、第3実施形態による(8)に代わる作用及び効果として、以下の(9)に示される作用及び効果を得ることができる。
次に、自動運転ECU36の第5実施形態について説明する。以下、第1実施形態の自動運転ECU36との相違点を中心に説明する。
図15に示されるように、本実施形態のタイヤ状態判定部361は、まず、ステップS90の処理として、操作装置34のスイッチの操作情報に基づいて、タイヤ交換が行われたか否かを判断する。タイヤ状態判定部361は、ステップS90の処理で肯定判断した場合には、すなわちタイヤ交換が行われた場合には、ステップS91の処理として、タイヤの認証を行う。具体的には、タイヤ状態判定部361は、図1に示される認証機器39を通じてタイヤの種類等の情報を取得するとともに、取得したタイヤの種類が所定の種類のタイヤであるか否かの認証を行う。所定の種類のタイヤは、自動運転車両用の認定を受けたタイヤ、例えばランフラットタイヤである。
(10)タイヤ状態判定部361は、タイヤの種類が所定のタイヤの種類でないことに基づいて、タイヤの状態が自動運転に適した状態でないと判定する。所定のタイヤの種類は、自動運転車両用に認定を受けたタイヤ、例えばランフラットタイヤである。これにより、タイヤの状態が自動運転に適した状態であるか否かを容易に判定することができる。
なお、各実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・第1実施形態のタイヤ状態判定部361は、偏差Δrに代えて、タイヤの理想的な半径r1とタイヤの実際の半径の平均値r2aとの比率を用いてもよい。同様に、第1実施形態の第4変形例のタイヤ状態判定部361は、偏差ΔVに代えて、車両の理想的な走行速度の平均値V1aと、車両の実際の走行速度の平均値V2aとの比率を用いてもよい。また、第1実施形態の第5変形例のタイヤ状態判定部361は、偏差Δdに代えて、車両の理想的な走行距離の平均値d1aと、車両の実際の走行距離の平均値d2aとの比率を用いてもよい。
・第3及び第4実施形態のタイヤ状態判定部361は、タイヤの使用開始時期に代えて、タイヤの製造時期を用いてもよい。この場合、タイヤ状態判定部361は、図1に示される認証機器39により取得されるタイヤの情報に基づいて、タイヤの製造時期を取得する。
360:自動運転制御部
361:タイヤ状態判定部
Claims (13)
- 車両の自動運転制御を実行する自動運転制御部(360)と、
タイヤの状態が自動運転に適した状態であるか否かを判定するタイヤ状態判定部(361)と、を備え、
前記自動運転制御部は、
前記タイヤ状態判定部の判定結果に基づいて、前記タイヤの状態が自動運転に適した状態でないと判定した場合には、前記自動運転制御を制限する
自動運転制御装置。 - 前記タイヤ状態判定部は、
前記タイヤの摩耗量が所定量以上であることに基づいて、前記タイヤの状態が自動運転に適した状態でないと判定する
請求項1に記載の自動運転制御装置。 - 前記タイヤ状態判定部は、
前記タイヤの空気圧が所定の範囲から外れていることに基づいて、前記タイヤの状態が自動運転に適した状態でないと判定する
請求項1に記載の自動運転制御装置。 - 前記タイヤ状態判定部は、
前記タイヤの製造時期から所定時間が経過していること、または前記タイヤの使用開始時期から所定時間が経過していることに基づいて、前記タイヤの状態が自動運転に適した状態でないと判定する
請求項1に記載の自動運転制御装置。 - 前記タイヤ状態判定部は、
前記タイヤの製造時から前記車両が所定距離だけ走行していること、あるいは前記タイヤの使用開始時から前記車両が所定距離だけ走行していることに基づいて、前記タイヤの状態が自動運転に適した状態でないと判定する
請求項1に記載の自動運転制御装置。 - 前記タイヤ状態判定部は、
前記タイヤの種類が所定のタイヤの種類でないことに基づいて、前記タイヤの状態が自動運転に適した状態でないと判定する
請求項1に記載の自動運転制御装置。 - 前記所定のタイヤの種類は、自動運転車両用に認定を受けたタイヤである
請求項6に記載の自動運転制御装置。 - 前記所定のタイヤの種類は、ランフラットタイヤである
請求項6に記載の自動運転制御装置。 - 前記自動運転制御部は、
前記自動運転制御を開始する前に、前記タイヤの状態が自動運転に適した状態であるか否かを判定する
請求項1〜8のいずれか一項に記載の自動運転制御装置。 - 前記自動運転制御部は、
前記自動運転制御を実行している期間に、前記タイヤの状態が自動運転に適した状態であるか否かを判定する
請求項1〜8のいずれか一項に記載の自動運転制御装置。 - 前記自動運転制御部は、
前記自動運転制御の制限として、前記自動運転制御の機能の一部を制限する
請求項1〜10のいずれか一項に記載の自動運転制御装置。 - 前記自動運転制御部は、
前記自動運転制御の制限として、前記車両の動力機能、前記車両の制動機能、及び前記車両の操舵機能のうちの少なくとも一つの機能を制限する
請求項11に記載の自動運転制御装置。 - 前記自動運転制御部は、
前記自動運転制御の制限として、前記自動運転制御を禁止する
請求項1〜10のいずれか一項に記載の自動運転制御装置。
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