JP2018167512A - 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 Download PDF

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祐紀 藤原
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【課題】液体吐出ヘッド内部の液量の誤検出を防止することが可能な液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置を提供する。【解決手段】液体吐出ヘッド20は、液体および空気を収容可能な液室21と、液室21に収容された液体を吐出する吐出口25Bと、液室21に収容された空気を外部へ排出可能な気体排出部26と、液室内部に液体を供給する液体供給部22とを備える。さらに液体吐出ヘッド20は、液室21に収容された液体の液面を検出する液面検出手段70と、気体排出部26と液面検出手段70との間に空気路が形成されるように液体供給部22から液室21へ供給される液体の流路を変更させる流路変更手段81とを有する。【選択図】図5

Description

本発明は、液体を吐出可能な液体吐出ヘッド、および、それを備える液体吐出装置に関する。
インクなどの液体を吐出して記録を行う液体吐出装置には、画像を形成するためのインクや画質向上のための処理液などを吐出する液体吐出ヘッドが設けられている。このような液体吐出ヘッドとしては、液体貯蔵タンクから供給される液体を収容する液室と、液室に供給された液体が充填される複数の液路を備えたものが知られている。各液路内には電気熱変換体(ヒータ)やピエゾ素子などの吐出エネルギー発生素子が備えられている。この吐出エネルギー発生素子を駆動することにより、液路内の液体が液路の端部に形成されている吐出口から吐出され、吐出された液体が記録媒体に着弾することによって画像が形成される。
このような液体吐出ヘッドの内部は、吐出口から安定的に液体を吐出するために一定の負圧に維持されていることが必要となる。そのため、液体吐出装置には、液体吐出ヘッド内の負圧を維持するための構成が設けられている。このような構成を有する液体吐出ヘッドとして、特許文献1には、液室内に液体を供給するための液体供給部とは別に、液室内に対し液体や気体の流出および流入を可能とする連通孔を設けた液体吐出ヘッドが開示されている。この液体吐出ヘッドでは、連通孔に接続されたポンプにより、連通孔を介して液室内の空気や液体の流出、流入を行うことにより、液体吐出ヘッド内の圧力を調整することが可能になっている。従って、例えば、連通孔から液室内の空気を流出させて液室内の負圧を高めることにより、液体貯蔵タンクと液体吐出ヘッドとを連結する液体供給部を介して、液室(インク室)内にインクを補給することができる。また、液室内に液室内の液量を検出するために液面センサを設け、検出された液面に従って液室内の液量を判断し、判断した液量に応じてポンプを駆動することにより液室内の液量の確保、調整が可能になっている。
特開2015−214166号公報
しかしながら、特許文献1に開示の液体吐出ヘッドでは、液体吐出ヘッドの液室が液体供給部から供給された液体によって2つの領域に分断され、その2つの領域において空気の流通が遮断されることがある。この場合、分断された一方の領域に位置する連通口から空気およびインクの流出が行われると、連通口の位置する領域の空気のみが流出し、それに伴って、一方の領域の液面のみが上昇し、他方の領域の液面が変化しない、という状態が発生する。つまり、2つの領域の液面の高さに差が生じることとなる。この場合、液室内の液量を検出するために液室内の液面の高さを検出する液面センサがいずれか一方の領域に設けられていると、液量検出センサは一方の領域の液面の高さのみを検出することとなる。すなわち、液量検出センサの検出結果が液室全体に収容されている液量と対応せず、液量の誤検出が生じることとなる。
本発明は、液体吐出ヘッド内部の液量の誤検出を防止することが可能な液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置の提供を目的とする。
本発明は、液体および空気を収容可能な液室と、前記液室に収容された液体を吐出する吐出口と、前記液室に収容された空気を外部へ排出可能な気体排出部と、前記液室内部に液体を供給する液体供給部と、前記液室に収容された液体の液面を検出する液面検出手段と、前記気体排出部と前記液面検出手段との間に空気路が形成されるように前記液体供給部から前記液室へ供給される液体の流路を変更させる流路変更手段と、を有することを特徴とする液体吐出ヘッドである。
また、本発明は、上記の液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置であって、前記液体吐出ヘッドの前記液体供給部に接続される液体貯蔵タンクと、前記液体吐出ヘッドの前記気体排出部に接続されるポンプと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、液体吐出ヘッド内部の液量の誤検出を防止することが可能になる。
本発明を適用可能な記録装置の基本構成の要部を模式的に示す斜視図である。 図1に示す液体吐出装置の制御系のブロック図である。 第1の実施形態における液体流下部を示す説明図である。 図3におけるインクタンク30の拡大断面図である。 図3における記録ヘッド20の拡大断面図である。 図5に示すインク保持部材の説明図である。 図3に示したものの記録停止時における液体の状態を示す図である。 図3に示したものの記録時における液体の各段階の状態を示す説明図である。 第2の実施形態における液体流下部を示す説明図である。 第3の実施形態における液体流下部を示す説明図である。 第4の実施形態における液体流下部を示す説明図である。 第5の実施形態における液体流下部を示す説明図である。 第6の実施形態における液体流下部を示す説明図である。 比較例における液体供給時の状態を示す説明図である。 図14の状態から連通部より吸引を実施した状態を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態に係る液体吐出装置を、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本実施形態では、液体吐出装置として、インクを吐出して記録媒体に画像を形成するインクジェット記録装置(以下、単に記録装置という)を例に採り説明する。また、以下の説明において、インクとは、記録媒体上に画像を形成するための色材を含んだ液体、および記録媒体上に形成される画像の品質を向上させるための処理液などを含み、これらの液体の総称を指すこととする。
[第1の実施形態]
(基本構成)
図1は、本発明を適用可能な記録装置(液体吐出装置)100の基本構成の要部を模式的に示す斜視図、図2は、液体吐出装置100の制御系のブロック図である。記録装置100には、本発明の液体吐出ヘッドの一実施形態として、インク(液体)を吐出するインクジェット記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)20が交換可能に備えられている。
本実施形態の記録装置100は、いわゆるフルラインタイプの記録装置であり、搬送系(搬送機構)110によって記録媒体Pを矢印A方向に連続的に搬送しつつ、記録ヘッド20からインクを吐出することにより、記録媒体Pに画像を記録することができる。本例の搬送系110は、搬送ベルト110Aを用いて記録媒体Pを搬送する。しかし、搬送系110の構成は限定されず、搬送ローラなどを用いて記録媒体Pを搬送するものであってもよい。また本例の場合は、記録ヘッド20として、後述するインク供給系(インク供給機構)120によって供給されたイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(Bk)を吐出する記録ヘッド20Y,20M,20C,20Bkが備えられている。これにより、カラー画像を記録することができる。
記録装置100には、記録ヘッド20におけるインクの吐出状態を良好に維持するための回復処理に用いられる回復処理系130が備えられている。回復処理としては、画像の記録に寄与しないインクを吐出口からキャップ内に吐出する予備吐出動作、および、記録ヘッド内のインクを加圧して、それを吐出口からキャップ内に強制的に排出させる加圧回復動作などを含むことができる。さらに、吐出口からキャップ内にインクを吸引排出させる吸引回復動作、吐出口が形成される記録ヘッドの吐出口面をワイピングするワイピング動作などを含むことができる。
記録装置100のCPU(制御部)101は、本記録装置の動作の制御処理やデータ処理等を実行する。ROM102には、それらの処理手順等のプログラムが格納され、RAM103は、それらの処理を実行するためのワークエリアなどとして用いられる。CPU101は、記録ヘッド20、搬送系110、インク供給系120、および回復処理系130をそれらに対応するドライバ20A,110A,120A,130Aを介して制御する。CPU101は、ホストコンピュータなどのホスト装置200から入力した画像データに基づいて、記録ヘッド20からインクを吐出させることにより、記録媒体Pに画像を記録させる。CPU101は、記録ヘッド20、搬送系110、インク供給系120、および回復処理系130の動作を制御する。
図3はインク供給系120および回復処理系130の概略構成を示す説明図である。また、図4は図3におけるインクタンク(液体タンク)30の拡大断面図、図5は図3における記録ヘッド20の拡大断面図である。
液体収納容器としてのインクタンク30の内部にはインクを貯留するインク貯留室(液体貯留室)31が形成されており、そのインク貯留室31は、ジョイント部32のみにおいて外部と連通可能な空間を形勢している。インクタンク30は、記録ヘッド20に対して着脱可能に構成されている。また、インクタンク30は、記録ヘッド20の上部に備えられている。インク貯留室31は柔軟性のある部材により形成されており、その内部には負圧発生用のバネ33−1に接続された圧力板33−2が内蔵されている。このバネ33−1は、圧力板33−2を介してインク貯留室31の内部空間を拡大させるように、圧力板33−2を付勢している。これによって、バネ33−1はインク貯留室31の内部に所定の負圧を発生させる。これらバネ33−1、圧力板33−2及びインク貯留室31によって負圧発生部が構成される。ジョイント部32には不織布からなるフィルタ34が備えられている。
一方、記録ヘッド20は、図5(a)の縦断正面図、および図5(a)のVb−Vb線に沿って切断した縦断正面図である図5(b)に示すように、略直方体形状をなしている。記録ヘッド20は、インクタンク30から供給されたインクを収容するインク室(液室)21と、インク室21内のインクを吐出する吐出部25とを備えている。インク室21の収容空間21sには、インクIと共に空気(気体)が収容可能になっている。すなわち、インク室21内の収容空間21sは、インクIを収容するインク収容部(液体収容部)21aと、空気(気体)を収容する空気収容部(気体収容部)21bと、が形成される。なお、図5(a)において、21Aはインク室21の上壁部、21Bは前側壁部、21Cは後側壁部をそれぞれ示している。また、図5(b)において、21Dはインク室21の左側壁部、21Eはインク室21の右側壁部、21Fはインク室の底壁部をそれぞれ示している。
インク室21の上壁部21Aには、インクタンク30のジョイント部32(図4参照)と連通可能なインク供給部(液体供給部)22が設けられている。インク供給部22は、インク室21の上壁部21Aにおける前端部21A1と後端部21A2の中間位置に形成された貫通孔23と、貫通孔23の内面に固定されたインク保持部材(液体保持部材)24により構成されている。
インク保持部材24の内部には、図6(a)の斜視図および図6(a)のVIb−VIb線断面図である図6(b)に示すように、断面円形の流路24Aが複数形成されている。各流路24Aの口径は1.0mm程度である。インク保持部材24の開口部にはフィルタ部材23が備えられている。フィルタ部材23には、例えば、金属繊維を織り込んで構成されているメッシュなどが用いられる。本実施形態のメッシュはSUS製の金属繊維によって構成されている。フィルタ部材23によって覆われる供給部22の平均的な開口部の幅は10mm程度である。フィルタ部材23は、その細孔により、液体の通過は可能とするが、外部から記録ヘッド内への塵埃の侵入を阻止する。
また、インク室21の底壁部21Fには、吐出部25が設けられている。この吐出部25は、インク室21の収容空間21sに連通する複数の液路25Aが互いに独立して設けられている。各液路25Aの端部はインク室21の底壁部21Fと略同一平面において開口しており、この開口が液路25Aのインクを吐出する吐出口25Bとなっている。複数の液路25Aの各々の内部には、液路25Aに充填されているインクを吐出口25Bから吐出させるためのエネルギーを発生させる吐出エネルギー発生素子(図示せず)が設けられている。吐出エネルギー発生素子としては、電気熱変換素子(ヒータ)やピエゾ素子などを用いることができる。電気熱変換体を用いた場合には、その発熱によりインクを発泡させ、その発泡エネルギーを利用して吐出口25Bからインクを吐出することができる。
インク室21の前壁部21Bの上方部には、外部の流路として気体を移送するための移送部51(図3参照)に接続可能な連通部(気体排出部)26が設けられている。連通部26の内側連通部26にはフィルタ27が設けられている。この連通部26連通部26は、インク室21内の気体を外部に排出可能に構成されている。また、連通部26は、記録ヘッド20の外部の気体を流入させることも可能である。
インク室21には、その収容空間21s内に貯留されているインク量を検出するための液面センサ(液面検出手段)70が設けられている。液面センサ70は、インク保持部材24の後方に配置されている。すなわち、インク保持部材24は、インク室21の前側壁部21Bに設けられた連通部26と液面センサ70との間に配置されている。換言すれば、インク室21の内部において、連通部(気体排出部)26、インク供給部(液体供給部)22、液面センサ(液面検出手段)70が、所定の方向(ここでは、液室の前側壁部21Bから後側壁部21Cに向かう方向)に沿って順次配置されている。
液面センサ70は、インク室21の上壁部21Aの内面に保持された3本の電極71、72、73を有している。これらの電極71、72、73は、上壁部21Aから下方に向けて突出している。各電極71、72、73は異なる長さを有しており、各電極の下端部からインク室21の底壁部21Fの内面までの距離に差を持たせてある。ここでは、電極72および電極73から底壁部21Fまでの距離が最も短く、電極71から底壁部21Fまでの距離が最も長くなっている。従って、インク室21の底壁部21Fが水平となる通常の使用状態において、各電極の下端は、インク室21内に貯留されているインクの液面と異なる高さ位置で接することとなる。
本実施形態では、電極72がグランド電極となっており、電極71と電極72とがインクで導通することにより、インク室21内のインク量が上限以上に達したことを検出する。また、電極71と電極72とが非導通であり、かつ電極73と電極72とがインクを介して導通することにより、インク室21内のインクの液面は上限と下限の間に存在していることを検出する。さらに、電極71と電極72、および電極73と電極72がいずれも非導通の場合には、インク室21内のインク量が下限以下に減少したことを検出する。このように、この液面の位置(高さ)を検出することにより、インク室21内に供給されているインク量を検出することができる。
記録ヘッド20とインクタンク30は図3のように連結される。すなわち、記録ヘッド20側のフィルタ部材23aとインクタンク30側のフィルタ34とが上下に圧接するように、記録ヘッド20の供給部22とインクタンク30のジョイント部32とが連結される。このような記録ヘッド20とインクタンク30との連結部は、その周囲がゴム製の弾性キャップ部材50によって囲まれることにより、密閉性が維持される。本実施形態においては、このように記録ヘッド20とインクタンク30が直接的に接続される。このため、記録ヘッド20とインクタンク30との間は、極めて短いインク供給路(液体供給路)で接続される。
記録ヘッド20の連通部26に接続される移送部51は二股に分かれており、一方は、開閉可能な弁52を介して外気と連通し、他方は、開閉可能な弁53を介してバッファ室54に連通している。バッファ室54は10mL程度の容積の空間が形成されており、その空間はポンプ55を通して廃インクタンク56に連通している。ポンプ55は、気体(空気)を記録ヘッド20に流入させたり、気体(空気)を記録ヘッド20から流出させたりする移送手段を構成している。本実施形態では、ポンプ55として正逆両方向に回転可能なチューブポンプが用いられている。
バッファ室54には、弁61を介してキャップ60が接続されている。キャップ60は、インク室21における底壁部21Fの外面に密着可能である。キャップ60が底壁部21Fの外面に密着することにより、吐出口25Bは外気から遮断されたキャッピング状態となる。このキャッピング状態において、ポンプ55を駆動してキャップ60内に負圧を発生させることにより、吐出口25Bからキャップ60内にインクを吸引排出(吸引回復)させることができる。また、画像の記録に寄与しないインクを吐出口25Bからキャップ60内に吐出する予備吐出動作、および、記録ヘッド20内を加圧してインク室21内のインクを吐出口25Bからキャップ60へと強制的に排出させる加圧回復動作を実施することもできる。加圧回復動作は、弁53を開き、弁52を閉じた状態でポンプ55を駆動し、バッファ室54および弁53を通して記録ヘッド20内の圧力を増大させることにより行う。このような回復処理によりキャップ60内に受容されたインクは、ポンプ55によって発生させた吸引力によって廃インクタンク56(図3参照)に排出することができる。
次に、記録装置の状態をインクの静止時、記録動作時、およびインクの供給開始時に分けて説明する。
<インクの静止時>
記録装置の停止時等におけるインクの静止時には、図7(a)のように弁52,53が閉じている。インク保持部材24の流路24A内にはインクが充填されている。記録ヘッド20のインク室21内はインクタンク30内の負圧によって所定の負圧状態にあり、吐出口25Bに形成されているインクのメニスカスは維持されている。インク保持部材24の流路24Aには、図7(b)のようにインクのメニスカスが形成され、そのメニスカスに対しては、力Pt、Pk、Pgが作用する。力Ptはインクタンク30内の負圧によりメニスカスをインクタンク30内へ引き込む力であり、力Pkはインクの表面張力によって流路24Aに形成される液体のメニスカスを維持するメニスカス力であり、力Pgはインクの自重によりインクが下方へ移動しようとする力である。これらの力が釣り合うことによって、すなわち、Pk=Pt−Pgとなることによって、インク保持部材24に形成されるメニスカスが維持され、記録ヘッド20内のインクは静止状態が保たれる。
<記録動作時>
記録装置の記録動作時には、図8のように弁52、53が閉じられている。図8(a)のように吐出口25Bからインクを吐出することにより、インク室21内のインクIが消費されて、図8(b)のようにインク室21内がさらに減圧される。このように増大するインク室21内の負圧は、インク保持部材24の流路24A内のインクをインクタンク30内に引き込む方向に作用する。インク室21内の負圧が所定以上に増大したときに、インク保持部材24の流路24Aに形成されているインクのメニスカスが破れて、図8(c)のように、インクタンク30内のインクが記録ヘッド20に供給される。そして、このようなインクの供給によってインク室21内の負圧が低下することにより、再び、図8(a)のようにインク保持部材24の流路24Aにメニスカスが形成されて、インクの供給が停止する。このように、記録ヘッド20のインク室21内には、インクの消費量に応じてインクタンク30からインクが供給される。
インク保持部材24の流路24Aに形成されるメニスカスのメニスカス力Pkは、インクタンク30から記録ヘッド20に供給されるインクの流れに抗する力として作用する。そのため、そのメニスカス力Pkが大き過ぎた場合には、インクが供給しにくくなって、インクの供給性能が低下する。流路24Aに形成される液体のメニスカスのメニスカス力Pkは、液体の表面張力をγ、流路24Aの半径をr、液体流路内におけるインクの接触角度をθとした場合、下式1によって表すことができる。
Pk=2γcosθ/r・・・(式1)
また、流路24Aの開口部が円でない場合、開口部のメニスカス力Pkと、周長Lと、開口面積Sとの関係は、以下の式2の関係になる(メニスカス力Pkは、L/Sに比例する)。仮に開口部が真円でない場合でも、その開口部と同じ面積を有する半径rの円形管に換算すると、式1の理論式が形状によらず適用される。
Pk∝L/S ・・・(式2)
従って、流路24Aの開口部の半径rが大きい程、メニスカス力Pkは小さくなる。本実施形態におけるインク保持部材24には、内径が1mm程度の流路24Aが複数貫通形成されている。この流路24Aの内径は、その流路24Aにおけるインクのメニスカス力がフィルタ部材23a、34におけるメニスカス力よりも小さくなるように設定されている。記録動作に伴うインクの供給時には、フィルタ部材23a、34にインクのメニスカスが形成されないため、インクの供給性能を高めることができ、高速記録にも対応することが可能になる。
仮に、インク保持部材24を備えなかった場合には、フィルタ部材23aまたは34にメニスカスが形成されることになり、インクの供給性能が低下する。具体的には、フィルタ部材23a、34に形成されるインクの流路の内径がインク保持部材24の流路24Aの内径の1000分の1程度であるため、前者のインクの流路におけるメニスカス力は、後者の流路24Aにおけるメニスカス力の1000倍程度となる。したがって、インク保持部材24を備えなかった場合には、インクの供給性能が大幅に低下することになる。
<インク供給開始時>
インクが存在していない記録ヘッド20にインクタンク30を接続したときには、キャップ60を記録ヘッド20の吐出口形成面に密着させたキャッピング状態としてから、そのキャップ60の内部をポンプ55によって吸引する。これにより、図7(a)のように、インクタンク30内のインクを記録ヘッド20に供給することができる。また、ポンプ55によって負圧を発生させて、その負圧をバッファ室54、弁53、および連通部26を通してインク室21内に作用させることによって、記録ヘッド20にインクタンク30内のインクを供給することもできる。前者のキャップ60を用いて吸引する場合には、記録ヘッド20内へのインクの供給も可能となる反面、前述の吸引回復動作時と同様にキャップ60内に画像の記録に寄与しないインクが排出されることになる。一方、後者のように連通部(気体排出部)26を通して吸引する場合には、記録に寄与しないインクの排出が行われることなく記録ヘッド20内にインクが供給される。従って、インクの消費を抑えることができる。吐出口25Bにおけるインクのメニスカスは、キャッピング状態のキャップ60の内部をポンプ55によって吸引する吸引回復動作によって形成することができる。
記録ヘッド20のインク室21内に供給する供給量は、インク室21内のインク量を検出する前述の液面センサを用いることにより、最適な量に調整することができる。吐出口25Bにおけるインクのメニスカスは、キャッピング状態のキャップ60の空気または液体をポンプ55によって吸引し、インク室21内に供給されたインクを吐出部25における液路25Aに充填させることによって形成することができる。
また、記録ヘッド20に接続されているインクタンク30内のインク残量が無くなり、インクタンク30から記録ヘッド20のインク室21へのインク供給が断たれた場合、インク室21内のインク量は記録動作に伴って減少していく。この減少状態は、液面センサ70の電極71と電極72とが非導通となることによって検出することができる。インク室21内のインクの減少が検出された場合には、記録ヘッド20に新たなインクタンク30を接続し、インク室21内のインク量を最適な量まで増加させる。これは、ポンプ55によって発生した負圧を連通部26からインク室21へと導入して、新たに接続されたインクタンク30内のインクを記録ヘッド20内に供給することによって行う。また、インクタンク30内の記録ヘッド20内のインク量が液面センサ70によって検出できない程度にまで減少し、電極73と電極72とが非導通となることもある。この場合には、連通部26を通して記録ヘッド20内の負圧を高め、インクタンク30内のインクを記録ヘッド20内に供給する。
このように、連通部26を通して、インク室21内の負圧を高めることにより、インクを無駄に消費することなく、記録ヘッド20内にインクを供給することができる。このようなインクの供給時には、キャップ60をキャッピング状態としてもよい。
(第1の実施形態における特徴的構成)
次に、本発明の第1の実施形態における特徴的構成について説明する。図5(b)に示すように、インク保持部材24と、インク室21の相対向する一対の側壁部(左右の側壁部21D、21E)のうち、一方の側壁部(ここでは、右側壁部21E)の内面には、リブ(突出部)81が収容空間の内方に向けて突設されている。リブ81はインク保持部材24の下端から下方に向けて略垂直方向に延在している。リブ81の下方部は、右側壁部21Eに向けて傾斜する先細り形状をなしている。本実施形態では、図5(a)に示すように、インク室21の右側壁21Eに、所定の間隔を介して複数のリブ81が設けられている。
インク室21へのインク供給時において、インク保持部材24の流路24Aからインク室21へと流入したインクは、図5(b)に示すように、リブ81を伝って右側壁部21Eの内面側に偏倚した状態で流下する。すなわち、インク室21内に形成されるインク収容空間に想定される全ての縦断面の一部に沿って流下する。この際、インク保持部材24からインク室21内に流入するインクのうち、右側壁部21Eに近い位置に流入したインクIは、右側壁部21Eに設けられたリブ81に案内されてスムーズに流下する。このため、左側壁部21Dに近い位置に流入したインクも、右側壁部21E側に引き寄せられて流下する。つまり、インク室21内に供給されるインクは、インク室21の左右両側壁のうち、選択された一方の側壁部(ここでは右側壁部)に接触した状態で流下することとなる。
このようにインク供給時において、インク室21の一方の側壁部(右側壁部21E)にのみ選択的にインクが接触しつつ流下することにより、インク室21内にはインクが存在しない空間Eが形成される。この空間Eによって、インク室21の収容空間21sは、前後の領域が常に連通した状態、すなわち空気路が形成された状態に保たれる。従って、インク室21内に流入したインクによって、インク収容空間21s内の空気が、連通部26側と液面センサ70側とに分断されることはなくなる。
一方、図14に示す比較例のように、インク室21の側壁にリブ81を形成していない構成の記録ヘッドでは、インク保持部材24からインク室21内に流入したインクによって収容空間21sが分断されることがある。すなわち、連通部26を通じてインク室21内の負圧を増大させ、インク室21へのインク供給を実施した場合、インク保持部材24から流入したインクは偏りなく均一に流下し、図14(a)に示すようなインク溜りIBが形成されることがある。このインク溜りIBの発生は、インクの表面張力が大きい場合に特に顕著である。このインク溜りIBがインクの供給に伴って拡大すると、インク室21の左右の側壁部21D、21Eおよびインク室21の底壁部21Fに存在しているインクの液面に触れて、図14(b)に示すように隔壁状になる。その結果、収容空間21は、図14(a)に示すように連通部26に連通する前方の空間領域21s1と、液面センサ70が存在する後方の空間領域21s2とに分断される。
インク溜りIBによって収容空間21sが前後に分断された状態で、さらにポンプ55によってインク室21内の空気を吸引すると、前方の収容空間21s1内の空気のみが連通部26を通じてバッファ室54側へと吸引される。その結果、収容空間21s1内のインクの液面のみが上昇する。そして、前方の収容空間21s1内の空気が全て連通部26を通して吸引されると、その後は、図15に示すように、インクタンク30から流入したインクが直接的に連通部26を通じてバッファ室54側へと吸引されて行く。この間、後方の収容空間21s2内に存在する空気は、収容空間21s1へと移動することはなく、後方の収容空間21s内の液面の高さは殆ど変化しない。このため、インク室21の内部(液室内部)に供給されている液体の液面の高さは不均一な状態となり、液面センサ70により検出した液面に基づくインク量と実際にインク室21内に存在するインク量とが一致しない、誤検出が発生する。すなわち、記録ヘッド20内のインク量を最適な量まで増加すべく、インクタンク30からインク室21へとインクの供給を行ったとしても、収容空間21s2内のインクの液面が上昇しないことにより液面センサ70がインクの増大を検出できない。従って、インク室21内のインクは適正量まで供給されているにも拘わらず、ポンプ55は作動し続け、インクタンク30内のインクを、連通部26を通して吸引し続けることとなり、インクが無駄に排出されることとなる。
これに対し第1の本実施形態では、連通部26を通じてインク室21内の空気を吸引し、インクタンク30からインク室21へとインクを供給したとしても液面が変動することはなく、インク室21の液面は均一な高さに保たれる。従って、液面センサ70により検出された液面の高さに基づき、インク室21内のインク量を適正に検出することが可能になる。その結果、記録ヘッド20内のインク量を最適な量まで調整することが可能となり、ポンプ55側へとインクが無駄に排出されることはなくなる。
[第2の実施形態]
次に本発明の第2の実施形態を、図9を参照しつつ説明する。図9(a)は本実施形態における液体吐出ヘッドおよび液体供給系の概略構成を示す説明図であり、(b)は図9(a)におけるIXb−IXb線断面図である。なお、図9において、第1の実施形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付す。
第2の実施形態における記録ヘッド20は、インク室21の左右の側壁部21D、21Eのうち、一方の側壁部(ここでは右側壁部)21Eの内面に、インクの流路変更手段として溝82を設けた構成を有する。溝82は、インク室21内に突出するインク保持部材24の下端から下方に向けて略垂直方向に延在している。ここで、溝82は、1つないし複数でも構わない。本実施形態では、所定の間隔を介して複数の溝82が形成されている。
インク保持部材24の流路24Aからインク室21内へと流入したインクは、溝82を伝ってインク室21Aの右側面の溝に沿ってスムーズに流下し、左側壁部21Dに近い位置に流入したインクも、選択的に右側壁部21E側に引き寄せられて流下する。その結果、図9(b)に示すように、インク室21内にはインクの存在しない空間Eが形成され、インク室21内の前後の領域は互いに連通した状態となる。つまり、比較例のような隔壁状のインク溜りIBが形成されることはなくなり、連通部26側と液面センサ70側とで空気が分断されることはなくなる。
従って、連通部26を通してインク室21内の空気を吸引し、インクタンク30内のインクをインク室21の収容空間21sへと供給した場合、インクの液面は均一な高さを維持しつつ変化する。このため、液面センサ70により検出された液面の高さに基づいてインク室21内のインク量を適正に検出することが可能になり、インク室21内のインクが適量まで供給された時点でポンプ55を停止させることが可能になる。よって、インクが無駄に排出されることはなくなる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態を、図10を参照しつつ説明する。図10(a)は本実施形態における液体吐出ヘッドおよび液体供給系の概略構成を示す説明図であり、図10(b)は図10(a)におけるXb−Xb線断面図である。なお、図10において、第1の実施形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付す。
図10に示すように、第3の実施形態におけるインク保持部材24は、内部に形成されている複数の流路24Aのうち、インク室21の一方の側壁部(ここでは右側壁部21E)に近いものほど、大きな断面積を有するよう構成されている。図10では、流路24Aの断面積は、24Aa<24Ab<24Acとなっており、これが本発明の流路変更手段を構成している。なお、図10では、流路24Aは、3つ形成されているが、流路24Aの数は2以上であればよい。また、複数の流路24Aのうち、最も大きい断面積を有する流路は、インクの静止時にPk=Pt−Pgの関係を満たすように形成されている。
インクタンク30からインク保持部材24を介してインク室21へとインクが供給されるとき、流路断面積が大きい流路ほど液体の流下に抗する表面張力および流路抵抗が小さくなり、よりスムーズに液体が流下する。つまり、液体の流れ易さは、24Aa<24Ab<24Acとなる。このため、インクタンク30から供給されるインクは、3種類の流路のうち流路24Acを優先的に流れる。また、流路24Aa、24bから流下する液体は図10(b)に示すように、流路24cから流下する液体に引き寄せられて右側壁21E側に偏倚した状態で流下する。その結果、インク保持部材24から流下する液体と左側壁部21Dとの間には空間Eが形成される。つまり、左右両側壁部21D、21Eのうち、一方の側壁部(右側壁部21E)に選択的に接触しつつ液体が流下することとなる。
流下する液体と左側壁部21Dとの間に空間Eが形成されることにより、連通部26が設けられている前方の空間領域と液面センサ70が設けられている空間領域とは常に連通した状態に保たれる。このため、比較例に示したようなインク溜りIBにより収容空間21sが分断されることはなくなり、収容空間21s内に収容されるインクの液面は均一な高さを維持しつつ供給されるインク量に応じて変化することとなる。従って、液面センサ70によって検出される液面の高さに基づいて、インク室21内に供給されているインク量を適正に検出することが可能となり、インクの無駄な排出を回避することが可能になる。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態を、図11に基づき説明する。図11(a)は本実施形態における液体吐出ヘッドおよび液体供給系の概略構成を示す説明図であり、図10(b)は図10(a)におけるXIb−XIb線断面図である。なお、図10において、第1の実施形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付す。
上記第1ないし第3の実施形態では、インク室21へのインク供給時において、左右の側壁部21D、21Eのうち、一方の側壁部に沿ってインクが流下する構成とした。しかし、本実施形態では、左右いずれの側壁部にもインクが接触しないように、液体を流下させる構成をとる。具体的には、図11に示すように、インク保持部材24の中央部からインク室21の底部に向かって鉛直下方に突出する流路変更手段としてのピン(線状部材)83が設けられている。ピン83はインク室21を構成する左右、前後のいずれの側壁部21B〜21Eのいずれにも接触しない状態で設けられている。なお、本実施形態におけるインク保持部材24の流路24Aは、全て同一の流路断面積を有している。
インクタンク30からインク保持部材24を介してインク室21へとインクが供給されるとき、インク保持部材24内の流路24Aから供給されるインクは、図11(b)に示すように、ピン83を伝って流下する。このため、流下するインクはインク室21のいずれの側壁部にも接触せず、流下するインクと側壁部との間には空間Eが形成される。従って、比較例のようなインク溜り層IBは形成されず、図11(a)、(b)に示すように、連通部26が設けられている空間領域と液面センサ70が設けられている空間領域とは連通した状態となる。このため、収容空間21s内に収容されるインクの液面は、均一な高さを維持しつつ供給されるインク量に応じて変化することとなる。従って、液面センサ70によって検出される液面の高さに基づいて、インク室21内に供給されているインク量を適正に検出することが可能になる。
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態を、図12を参照しつつ説明する。図12(a)は本実施形態における液体吐出ヘッドおよび液体供給系の概略構成を示す説明図であり、図12(b)は図12(a)におけるXIIb−XIIb線断面図である。なお、図12において、第1の実施形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付す。
第5の本実施形態におけるインク保持部材24は、その底面がインク室21の一方の側壁部(図12(b)では左側壁部21D)の内側面から他方の側壁部(図12(b)では右側壁部21E)の内側面に向けて傾斜する傾斜面24Cとなっている。この傾斜面24Cは本発明の流路変更手段を構成している。
従って、インクタンク30からインク保持部材24を介してインク室21へとインクが供給されるとき、インク保持部材24内の流路24Aから流出したインクは、図12(b)に示すように、インク保持部材24の底面の傾斜方向に流れる。その結果、インクはインク室21の一方の側壁部(右側壁部21E)を伝って流下する。このため、他方の側壁部(左側壁部21D)とインクとの間には空間Eが形成され、比較例のようなインク溜り層IBは形成されない。従って、連通部26が設けられた空間領域と液面センサ70が設けられた空間領域とは連通した状態となる。
このため、収容空間21s内に収容されるインクの液面は、均一な高さを維持しつつ変化する。よって、液面センサ70によって検出される液面の高さに基づいて、インク室21内に供給されているインク量を適正に検出することが可能になる。
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態を、図12を参照しつつ説明する。図13(a)は本実施形態における液体吐出ヘッドおよび液体供給系の概略構成を示す説明図であり、図13(b)は図13(a)におけるXIIIb−XIIIb線断面図である。なお、図13において、第1の実施形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付す。
第6の実施形態におけるインク室21では、左右両側壁部21D、21Eのうち、一方の側壁部(図13(b)では左側面21D)の内側面には撥水処理部85が、他方の側壁部(図13(b)では右側壁21E)の内側面には親水処理部84が形成されている。この親水処理部84および撥水処理部85は、本発明の流路変更手段を構成している。
インクタンク30からインク保持部材24を介してインク室21へと供給されたインクは、右側壁21Eの親水処理部84に沿って流下し、左側壁21Dの撥水処理部85からは離間した状態となる。すなわち、インク保持部材24から流出したインクと撥水処理部85との間には空間Sが形成される。従って、インク室内には、比較例のようなインク溜り層IBは形成されず、連通部26が設けられている空間領域と液面センサ70が設けられている空間領域とは連通した状態を維持する。このため、この第6の実施形態においても、収容空間21s内に収容されるインクの液面は、均一な高さを維持しつつ供給されるインク量に応じて変化する。よって、液面センサ70によって検出される液面の高さに基づいて、インク室21内に供給されているインク量を適正に検出することが可能になる。
なお、第6の実施形態では、インク室21の一方の内側面部に撥水処理部85を形成し、他方の内側面部に親水処理部84を形成したが、一方の内側面のみに、撥水処理部または親水処理部を形成することも可能である。
[他の実施形態]
上記実施形態においては、液室が直方体形状を有する記録ヘッドを用いた例を示したが、液室の形状はこれに限定されるものではなく、側壁部が連続した曲面形状を有するものであってもよい。この場合にも、液室の相対向する部分に第1、第2、第6の実施形態のような流路変更手段を形成することも可能である。さらに、第3〜第5の実施形態における流路変更手段を採用することも可能である。
また、上記実施形態では、インク保持部材24を記録ヘッド20側に備えているが、そのインク保持部材24はインクタンク30側に備えていてもよく、あるいは記録ヘッド20が装着される記録装置側の記録ヘッド装着部に備えてもよい。同様に、フィルタ部材23aはインクタンク30側に備えてもよく、あるいは記録ヘッド20が装着される記録装置側の記録ヘッド装着部に備えてもよい。
また、記録動作時における記録ヘッド20内の負圧変動を小さく抑えるために、連通部26を通して記録ヘッド20内の圧力を制御してもよい。また、記録ヘッド20内に吸引(減圧)力を作用させるときには、連通部26は気体及び/又は液体の排出による吸引力の導入を許容する吸引力導入部として機能し、移送部51は吸引力を供給可能な吸引力供給路として機能する。また、インク室21内部(液室内部)にインクを供給するための吸引力は、記録ヘッド20内を減圧する圧力であればよく、必ずしも大気圧を基準とする負圧に限定されない。
また、本発明は、フルラインタイプの記録装置の他、記録ヘッドの移動と、記録媒体の搬送動作と、を伴って画像を記録するシリアルスキャンタイプの記録装置等、種々の記録方式の記録装置に対して適用することができる。
また、本発明の液体吐出ヘッドは、インクを吐出可能なインクジェット記録ヘッドの他、種々の液体を吐出するためのヘッドとして広く適用することができる。例えば、液流路内に供給される種々の処理液や薬剤などを吐出するためのヘッドとして用いることもできる。
また、本発明の液体吐出装置は、インクジェット記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置の他、薬剤や回路構成用の液体などの処理液を所定の部材に付与するための装置として、広く適用することができる。
20 記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
21 インク室(液室)
22 インク供給部(液体供給部)
24 インク保持部材(液体保持部材)
24A 流路
24Aa、24Ab、24Ac 流路
26 連通部
55 ポンプ
70 液面センサ
81 リブ
82 溝
83 ピン
84 親水処理部
85 撥水処理部
100 インクジェット記録装置(液体吐出装置)

Claims (12)

  1. 液体および空気を収容可能な液室と、
    前記液室に収容された液体を吐出する吐出口と、
    前記液室に収容された空気を外部へ排出可能な気体排出部と、
    前記液室の内部に液体を供給する液体供給部と、
    前記液室に収容された液体の液面を検出する液面検出手段と、
    前記気体排出部と前記液面検出手段との間に空気路が形成されるように前記液体供給部から前記液室へ供給される液体の流路を変更させる流路変更手段と、
    を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記液室の内部において所定の方向に沿って前記気体排出部、前記液体供給部、前記液面検出手段の順に配置されることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記流路変更手段は、前記液体供給部の下方において前記液室の内側面に形成した突出部により形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記流路変更手段は、前記液室の内側面に形成されている溝により形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記流路変更手段は、前記液体供給部の中央部から下方に向けて突出する線状部材によって構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記流路変更手段は、前記液体供給部に形成された複数の流路により構成され、
    前記複数の流路は、前記液室の相対向する内側面の中の一方の内側面に近いほど大きな流路断面積を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記流路変更手段は、前記液体供給部の底面が、前記液室の一方の内側面から他方の側の内側面に向かって傾斜する傾斜面によって構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体吐出ヘッド
  8. 前記流路変更手段は、液室の一方の内側面に親水処理を施した部分により構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記流路変更手段は、前記液室の一方の内側面に撥水処理を施した部分により構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 前記流路変更手段は、複数の液体流路が形成された液体保持部材により構成され、
    前記複数の液体流路に形成される液体のメニスカスのメニスカス力は、前記吐出口に形成される液体のメニスカスのメニスカス力よりも小さいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置であって、
    前記液体吐出ヘッドの前記液体供給部に接続される液体貯蔵タンクと、
    前記液体吐出ヘッドの前記気体排出部に接続されるポンプと、
    を有することを特徴とする液体吐出装置。
  12. 前記液室から空気を前記ポンプによって吸引することにより、前記液体貯蔵タンクに貯蔵されている液体を、前記液体供給部を介して前記液室へと流入させることを特徴とする請求項11に記載の液体吐出装置。
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