JP2020196171A - インクジェット記録装置およびその制御方法 - Google Patents

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典之 青木
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Toshiaki Yamaguchi
敏明 山口
匡和 長島
Masakazu Nagashima
匡和 長島
阿部 智仁
Tomohito Abe
智仁 阿部
直晃 和田
Naoaki Wada
直晃 和田
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大悟 黒沼
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遼平 丸山
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Abstract

【課題】インク流路における異常を検出しつつ、充填時間を短縮することができるインクジェット記録装置を提供する。【解決手段】インクを貯留する第1タンクと、第1タンクから供給されるインクを貯留する第2タンクと、第2タンクから供給されるインクを吐出する複数の吐出口が設けられた吐出口面を有する記録ヘッドと、吐出口面を密閉するキャップと、キャップと接続される吸引手段と、第2タンクに貯留されるインク量の変化を検知する検知手段と、キャップにより吐出口面を密閉した状態で吸引手段を駆動することによって第2タンクから記録ヘッドへインクを充填する制御手段と、を備えるインクジェット記録装置であって、制御手段は、吸引手段の駆動によって第2タンクに貯留されるインク量が所定量変化するか検知手段に検知させる異常検出動作S109を行う第1の充填モードと、異常検出動作を行わない第2の充填モードと、を実行可能である。【選択図】図4

Description

本発明は、インクを吐出して画像を記録するインクジェット記録装置及びその制御方法に関する。
特許文献1には、インクを貯留するインクタンクと、インクタンクから供給されるインクを貯留するリザーブタンクと、リザーブタンク内のインク量を検知する検知手段を備えるインクジェット記録装置が開示されている。リザーブタンクから記録ヘッドへインクを充填する充填動作の際に、検知手段の検知結果を参照することでインク流路における異常を検知することができる。
特開2016−112882号公報
インクの充填動作は一般的に、記録装置の初期設置のために充填する場合と、既に使用している記録装置を別の場所に輸送した後に再度充填する場合と、がある。しかしながら、特許文献1の構成では、いずれの充填を行う場合でもインク流路における異常を検知してしまうという課題がある。すなわち、輸送後の再充填においては、初期設置時にインク流路における異常がないことが既に確認されているにも関わらず、再度異常検知が行われる場合があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、インク流路における異常を検出しつつ、充填時間を短縮することができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るインクジェット記録装置は、インクを貯留する第1タンクと、前記第1タンクから供給されるインクを貯留する第2タンクと、前記第2タンクから供給されるインクを吐出する複数の吐出口が設けられた吐出口面を有する記録ヘッドと、前記吐出口面を密閉するキャップと、前記キャップと接続される吸引手段と、前記第2タンクに貯留されるインク量の変化を検知する検知手段と、前記キャップにより前記吐出口面を密閉した状態で前記吸引手段を駆動することによって前記第2タンクから前記記録ヘッドへインクを充填する制御手段と、を備えるインクジェット記録装置であって、前記制御手段は、前記吸引手段の駆動によって前記第2タンクに貯留されるインク量が所定量変化するか前記検知手段に検知させる異常検出動作を行う第1の充填モードと、前記異常検出動作を行わない第2の充填モードと、を実行可能であることを特徴とする。
本発明によれば、インク流路における異常を検出しつつ、充填時間を短縮することができるインクジェット記録装置を提供することができる。
第1実施形態に係るインクジェット記録装置の概略斜視図である。 第1実施形態に係るインクタンクから記録ヘッドまでの一色分のインク流路を示す概念図である。 第1実施形態に係るインクジェット記録装置の制御機構を示すブロック図である。 第1実施形態に係る第1の充填モードのフローチャートである。 第1実施形態に係る第1の充填モードによって流路にインクが充填される様子を示す概念図である。 第1実施形態に係るインクジェット記録装置の供給弁の異常が発生した場合の概念図である。 第1実施形態に係る第2の充填モードのフローチャートである。 第1実施形態に係る第2の充填モードによって流路にインクが充填される様子を示す概念図である。 第1実施形態に係る第3の充填モードのフローチャートである。 第1実施形態に係る第3の充填モードによって流路にインクが充填される様子を示す概念図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。但し、以下の実施形態は本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。また、実施形態に記載されている構成要素の相対配置、形状等はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
〔第1実施形態〕
(インクジェット記録装置の全体構成)
図1は、第1実施形態に係るインクジェット記録装置(以下、記録装置)50の内部構造を示す概略斜視図である。記録装置50は、互いに向き合うように設けられた2つの脚部55の上端部に跨るように支持固定されている。記録装置50の内部には、ベルト伝達手段62によりB方向(主走査方向)に往復移動するキャリッジ60が設けられている。キャリッジ60には、記録媒体に対してインクを吐出する記録ヘッド1が搭載されている。記録ヘッド1は、ホストコンピュータ等から送られてきた記録データに基づいて、各吐出口からインク滴を吐出して記録媒体に画像を記録する。
記録装置50の前面には、記録媒体を保持するロールホルダユニット52が設けられている。本実施形態では、記録媒体としてロール状の連続紙を用いる。記録装置50が記録命令を受信すると、ロールホルダユニット52にセットされた記録媒体は記録ヘッド1と対向する記録位置まで給送される。なお、記録媒体はロール紙に限定されるものではなく、例えばカット紙であってもよい。
キャリッジ60の主走査方向への移動と記録ヘッド1によるインクの吐出動作によって1バンド分の画像が記録されると、記録媒体は搬送ローラ(不図示)により所定量だけA方向(搬送方向)に搬送される。このように、1バンド分の吐出動作と間欠的な搬送動作を繰り返す記録動作によって、記録媒体の全体に画像が記録される。なお、本実施形態においてA方向(搬送方向)はB方向(主走査方向)と直交する。記録動作が完了すると、不図示のカッタによって記録媒体が切断される。切断された記録媒体は、ロールホルダユニット52の下方に設けられるスタッカ53に積載される。
さらに記録装置50の前面には、インク供給ユニット63が備えられている。インク供給ユニット63は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローなどの色毎にインクを収容するインクタンク5を有し、各インクタンク5は記録装置50に対して着脱可能に設けられている。インクタンク5には、後述するリザーブタンク(第2タンク)4(図2)を介して可撓性部材等で構成された供給チューブ2が接続され、供給チューブ2によってインクタンク5と記録ヘッド1とが接続されている。すなわち、供給チューブ2はインク供給路としての機能を有する。
記録ヘッド1の記録媒体と対向する面は、インクを吐出する複数の吐出口が設けられた吐出口面20(図2参照)である。吐出口面20は搬送方向に沿って複数の吐出口が配列された吐出口列をインク色毎に備える。インクの色毎に備えられた複数の供給チューブ2は各吐出口列と接続され、キャリッジ60の往復移動によってバラバラにならないようにチューブガイド61によって束ねられている。
回復ユニット70は、主走査方向においてキャリッジ60の走査範囲内であって、記録媒体の搬送領域外に設けられている。回復ユニット70は、必要に応じて吐出口面20に設けられた複数の吐出口からインクや空気を吸引してクリーニング動作を行ったり、インクタンク5から記録ヘッド1へインクを充填するための吸引動作を行ったりする。
記録装置50の前面でインク供給ユニット63の上方には操作パネル54が設けられている。ユーザが操作パネル54を操作することで、記録装置50に対する指令が入力される。操作パネル54は、例えばインクタンク5の交換が必要な際にユーザに対して警告を発する表示パネルの機能を備えた、タッチパネル形式等も含む。
図2は、インクタンク5から記録ヘッド1までの一色分のインク流路を示す概念図である。インクタンク5の下方には、インクタンク5から供給されるインクを収容するリザーブタンク4と、インクタンク5からリザーブタンク4へインクを補給(供給)するためのインク補給路6と、が設けられている。
インクタンク5は、内部にインクを貯留する空間を有し、底部に第1ジョイント部80と第2ジョイント部90が設けられている。第2ジョイント部90の周囲には、挿入される第2の中空管9を囲むように、インクタンク5の底部から立設された筒状の壁部42が配置されている。
インク補給路6は、一端6aが第1の中空管8と接続され、他端6bがリザーブタンク4と接続されている。第1の中空管8は、インクタンク5の底部に設けられた第1ジョイント部80に対して挿入可能である。
インク補給路6にはさらに、インク供給手段としての補給弁32と可撓部33とが設けられている。補給弁32は、駆動源によって開状態と閉状態とに切替可能な弁であり、インク補給路6を開閉することができる。補給弁32は、インク補給路6においてリザーブタンク4と接続される他端6bと、可撓部33との間に配置されている。なお、補給弁32とは別に、インクタンク5と可撓部33の間にも開閉弁を更に設ける構成でもよい。
可撓部33は、駆動源によって内部容積が変化可能な可撓性の部材で構成されている。可撓部33を変形させて内部容積を変化させることにより、可撓部33に対してインクが流入または流出する。可撓部33は、重力方向においてインク補給路6の最下部に設けられている。これにより、可撓部33の容積変化の妨げとなる気泡が可撓部33の内部に混入することを抑制することができる。
なお、本実施形態では、可撓部33の容積変化量は、約0.7〜1mlに設定されているが、容積変化量や可撓部33の配置は適宜変更可能である。また、可撓部33の容積の最大変形量をインク補給路6の容積よりも大きく設定することで、より効率的にインクの充填を行うことができる。
補給弁32と可撓部33は、不図示の共通の駆動機構により駆動される。また、インクの色毎に複数のインク流路がある場合は、複数の補給弁32を1つの部品で構成してもよいし、共通の駆動源によって制御する構成でもよい。
リザーブタンク4には、大気と連通する大気連通部7と、インクタンク5へ空気を導入するための空気導入路10が設けられている。すなわち、インクタンク5には大気と連通する大気連通部が設けられておらず、インクタンク5はリザーブタンク4を介して大気と連通する構成となっている。また、インクタンク5は、リザーブタンク4(装置本体)に対して着脱可能である。
空気導入路10は、一端10aが第2の中空管9に接続され、他端(開口)10cがリザーブタンク4の内部に開放している。第2の中空管9は、インクタンク5の底部に設けられた第2ジョイント部90に対して挿入可能である。
リザーブタンク4において、インク補給路6の他端6bは空気導入路10の開口10cよりも重力方向において下方に配置されている。インクの水頭差により、第1の中空管8及びインク補給路6を通じてインクタンク5からリザーブタンク4へインクが供給されると共に、インクと同量の空気が空気導入路10及び第2の中空管9を通じてリザーブタンク4からインクタンク5へ導入される。リザーブタンク4に貯留されているインクの液面が上昇することで空気導入路10の開口10cが封止されると、リザーブタンク4からインクタンク5への空気の導入が停止され、インクタンク5からリザーブタンク4へのインクの供給も停止される。
このように、リザーブタンク4内のインクが消費されて液面が下がると、空気導入路10を通じて空気がインクタンク5へ導入されると共に、インクタンク5からリザーブタンク4へインク補給路6を通じてインクが自動的に供給される。本実施形態は、このようなバードフィード供給方式によって、インクタンク5からリザーブタンク4へインクが供給される。なお、インクタンク5内のインクが無くなるまでは、リザーブタンク4内のインクの液面高さは、空気導入路10の開口10cと略同じ高さに保たれる。
リザーブタンク4内には、金属製の第1の中実管341、第2の中実管342及び第3の中実管343が電極34として設けられている。第1の中実管341の下端は空気導入路10の開口10cよりも重力方向において少し下方に位置するように設けられている。これにより、リザーブタンク4に貯留されるインク液面が開口10cとほぼ同じ高さまで到達した状態(満タン状態)を確実に検知することができる。
また、第2の中実管342と第3の中実管343は略同じ長さを有し、それぞれの下端は第1の中実管341の下端よりも下方に位置し、且つ、リザーブタンク4から記録ヘッド1へインクを供給するためのインク流出部401の上端よりも上方に位置している。
第1の中実管341と第3の中実管343の間に微弱な電圧を印加した場合、リザーブタンク4内のインクが満タン状態であれば、インクを通じて電極間に電流が流れて2つの電極間の抵抗値が低くなる。一方、インクが満タン状態でない場合は、電極間に電流が流れず、電極間の抵抗値が高くなる。このように、第1の中実管341と第3の中実管343を用いた電極間の抵抗値変化に基づいて、リザーブタンク4が「満タン状態」であるか否かを検知することができる。
同様に、第2の中実管342と第3の中実管343の間に微弱な電圧を印加した場合、リザーブタンク4内のインク液面が第2の中実管342と第3の中実管343の下端よりも低下した状態(空状態)であれば、2つの電極間に電流が流れず抵抗値が高くなる。一方、インク液面が第2の中実管342と第3の中実管343の下端より上方に位置する場合は、電極間に電流が流れて抵抗値が低くなる。このように、第2の中実管342と第3の中実管343を用いた電極間の抵抗値変化に基づいて、リザーブタンク4のインク量が「空状態」であるか否かを検知することができる。
前述したように、第2の中実管342と第3の中実管343は、リザーブタンク4内のインク量の下限を検知するために配置されている。リザーブタンク4のインク量が「空状態」であることを検知すると、液面が上昇するまで、インクを消費する全ての動作(記録動作やクリーニング動作など)が禁止される。
リザーブタンク4のインク量が「空状態」であることが検知されても、リザーブタンク4内のインク液面はインク流出部401の上端より高い位置にあるため、インク流出部401から記録ヘッド1へ向けて空気が供給されるのを抑制することができる。
また、インクタンク5内にインクが収容されている限り、バードフィード供給方式によってリザーブタンク4内は「満タン状態」が維持される。従って、リザーブタンク4内のインクが「満タン状態」ではないと検知された場合、インクタンク5内に収容されているインクが無くなった(インク無し状態)と推測できる。即ち、電極34(第1の中実管341と第3の中実管343)によって、インクタンク5の「インク無し状態」を検知することもできる。
インク流出部401は、リザーブタンク4の側面において最も低い位置に設けられ、記録ヘッド1へインクを供給するための供給チューブ2と接続される。すなわち、インク流出部401は供給チューブ2と共にインク供給路を構成する。インク流出部401には、駆動源によって開閉可能な供給弁3が設けられている。供給弁3は、複数のインク流出部401に対して共通に設けられる構成であってもよい。また、本実施形態では、補給弁32、可撓部33及び供給弁3が共通の駆動源によって駆動されるが、供給弁3を別の駆動源で駆動する構成であってもよい。
記録ヘッド1は、吐出口面20が空気導入路10の開口10cよりも重力方向において上方になるように配置されている。すなわち、吐出口面20と満タン状態のリザーブタンク4内のインク液面とに水頭差Hが維持される配置となっており、これにより記録ヘッド1内のインクの負圧が維持されて吐出口面20からインクが漏れない。なお、本実施形態では水頭差Hは約80mmである。
回復ユニット70は、吐出口面20を密閉可能なキャップ35と、キャップ35と接続される吸引ポンプ(吸引手段)31を有する。キャップ35は、吐出口面20を密閉する被覆状態と露出させる露出状態とに切替可能である。また、吸引ポンプ31はチューブをしごいて吸引するチューブポンプを用いる。
例えば記録ヘッド1内部に空気が溜まっている場合は、キャップ35を被覆状態に切り替え、供給弁3を閉じた状態にして、吸引ポンプ31を所定時間駆動して空気を吸引する。吸引ポンプ31により所定時間(例えば約25秒)の吸引を行った後、供給弁3を開放させる。これにより、記録ヘッド1内から空気が排出され、供給弁3から吸引ポンプ31までの流路にチャージされた負圧によってリザーブタンク4から記録ヘッド1へインクが充填される。
図3は、記録装置50の制御機構を示すブロック図である。制御手段であるCPU11は、記録装置50全体を制御するための演算処理装置である。RAM14は、制御ソフトウエアを動作させる際に一時的に使用する情報を保持可能な記憶装置である。ROM13は、制御ソフトウエアを内蔵し、読み出しのみ可能な記憶装置である。ユーザインターフェース(I/F)12は、ユーザが操作するキーや情報を表示する操作パネル54を含み、記録装置50とホストコンピュータを接続するデータ送受信用通信ポートとして機能する。
入出力I/O15は、駆動部16に接続される検知手段17とインクタンク装着センサ18の入出力を制御する。検知手段17は、電極34と、電極34に接続する電気回路を備え、電極34の電圧値からリザーブタンク4内の液面高さを検知する。なお、検知手段17によって、インクタンク5内の液面高さも検知可能な構成であってもよい。
インクタンク装着センサ18は、インクタンク5に取り付けられたEEPROM200の読み取り値で、記録装置50に対するインクタンク5の着脱状態を判断している。また、インクタンク装着センサ18を用いてEEPROM200の内容(記録情報)の読み書きを行う。つまり、記録ヘッド1等からインクを消費する度に、EEPROM200にインクタンク5の残量が記録され、インクタンク5の残量管理が行われている。
(第1の充填モード)
次に図4及び図5を用いて、記録装置50の第1の充填モードについて説明する。なお、本実施形態では、第1の充填モードは、記録装置50の初期設置時の初期充填動作として行われる。図4は、第1の充填モードのフローチャートを示す。図5(a)〜(f)は第1の充填モードによってインクが充填される様子を示す概念図である。
(第1の異常検出動作)
まず、インクタンク5からリザーブタンク4までの流路上の異常(異常Aとする)を検出する、第1の異常検出動作について説明する。まずCPU11は、S101にて補給弁32を閉じて、操作パネル54などを介してユーザにインクタンク5の装着を促す。
S102にて、インクタンク装着センサ18によりインクタンク5の装着が検知されると、インク補給路6内にインクを充填するために、CPU11は、可撓部33を所定時間で作動させた後に停止させる(S103)。
具体的には、図5(a)に示すように、補給弁32が閉じた状態で可撓部33の容積を縮小変形させることで、インク補給路6内の空気をインクタンク5へ押し出す。次に、可撓部33の容積を拡大変形させることで、インクタンク5からインク補給路6へインクを引き込む。CPU11は、S103でこのような可撓部33の容積変化動作(供給動作)を所定時間繰り返す。
なお、可撓部33の容積をV1とし、第1の中空管8内部の容積をV2とした場合、V1>V2の関係が成立するように構成されている。可撓部33の容積変化動作を所定時間連続的に実行することにより、インクタンク5と補給弁32の間のインク補給路6の内部において、空気とインクの気液交換が進む。この気液交換により、最終的には、インクタンク5と補給弁32の間のインク補給路6の内部がインクによって満たされる。
次に、図5(b)に示すように、インクタンク5から補給弁32までのインク補給路6内にインクが満たされた状態で、CPU11は補給弁32を開ける(S104)。これにより、バードフィード供給方式に基づいて、インクタンク5からリザーブタンク4へインクの補給(供給)が開始される。なお、S103とS104において行う動作を第1の動作と称する。
インクタンク5からのインクの補給により、リザーブタンク4内のインク液面は上昇することが想定される。CPU11は、S105にて、リザーブタンク4内の液面上昇(インク量の増加)を、第2の中実管342及び第3の中実管343によって検知する(第1の検知動作)。
S105において、例えば、図5(c)に示すように、第2中実管342の下端と第3中実管343の下端の両方に液面が接触すると、電圧が印加された際の電気抵抗が低下する。この電気抵抗の低下に基づき、リザーブタンク4内の液面上昇が検知される。このように、リザーブタンク4内のインク量の増加が検知された場合(即ち、「YES」の場合)、インクタンク5からリザーブタンク4までの流路上に「異常Aなし」と判定される。
一方、S105において、補給弁32を開放してから所定の時間が経過しても電気抵抗が低下しない場合は、リザーブタンク4内のインク量が増加していない(「NO」)ため、「異常Aあり」と判定される。「異常Aあり」と判定された場合は、操作パネル54などの通知手段を介してユーザや作業者に通知する。通知手段には、操作パネル54の他、I/F12経由でホストコンピュータにデータを送信し、ホストコンピュータの操作部を通じて通知するものも含む。
このように、異常検出手段としてのCPU11は、第1の動作を行った後に、第1の検知動作として検知手段17(電極34)を用いてリザーブタンク4内のインク量の変化を検知する。これにより、インクタンク5からリザーブタンク4までのインク流路上の「異常A」を検出している。異常Aとしては、例えば流路内の詰まりや、可撓部33の動作不良が挙げられる。
なお、CPU11は、第1の検知動作において検知された電気抵抗の変化値が所定値未満の場合、「異常Aあり」と判定する。ここで所定値とは、リザーブタンク4内のインクの変動量の目標値に対応する電気抵抗値の変動量である。
(第2の異常検出動作)
次に、供給弁3の異常(異常Bとする)を検出する第2の異常検出動作について説明する。図4のS105において、リザーブタンク4内のインク量の増加が検知された場合、図5(c)に示すように、CPU11は補給弁32を閉じる(S106)。
補給弁32を閉じた後、CPU11は供給弁3を閉じる(S107)。なお、供給弁3を閉じる前に、CPU11はキャップ35を被覆状態にすることで吐出口面20を密閉した状態にしておく。
次に、CPU11は、供給弁3を閉じた状態で、吸引ポンプ31を一定時間作動させる第2の動作を行う(S108)。これにより、供給弁3から吸引ポンプ31までの流路が負圧状態となる。通常は供給弁3が閉じているため、吸引ポンプ31による吸引動作を行っても、リザーブタンク4内のインク液面は変化(低下)しないことが想定される。しかし、供給弁3の動作不良によって供給弁3が正常に閉じられていない場合は、吸引動作によってリザーブタンク4のインク量が減少する。
従って、CPU11は、S109にて、第2の中実管342及び第3の中実管343によって、リザーブタンク4内の液面減少(インク量の減少)があるか検知する(第2の検知動作)。
S109において、吸引動作が開始してから所定の時間が経過しても、第2の中実管342及び第3の中実管343における電気抵抗の変化がない場合は、リザーブタンク4内のインク量が減少していない(「NO」)ため、「異常Bなし」と判定される。
一方、S109において、例えば図6(a)に示すように、第2中実管342の下端と第3中実管343の下端に液面が接触しなくなると、電極34の電気抵抗が上昇する。電気抵抗の上昇に基づき、リザーブタンク4内のインク量の減少が検出された場合、供給弁3の異常(正常に閉じられていないこと)が想定され、「異常Bあり」と判定される。「異常Bあり」と判定された場合は、操作パネル54などの通知手段を介してユーザや作業者に通知する。通知手段には、操作パネル54の他、I/F12経由でホストコンピュータにデータを送信し、ホストコンピュータの操作部を通じて通知するものも含む。
このように、異常検出手段としてのCPU11は、リザーブタンク4内のインクが所定量である状態で、補給弁32と供給弁3を閉じて、第2の動作として吸引ポンプ31を所定時間で駆動させる。その後、第2の検知動作として、検知手段17(電極34)を用いてリザーブタンク4内のインク量の変化を検知する。これにより、供給弁3のシール不良や動作不良といった異常Bを検出することができる。
本実施形態では、一色のインク流路で説明しているが、キャップ35によって複数の吐出口列を共通で覆い、複数色のインクを一括して吸引する構成でもよい。その場合、その複数色のインクのうち一つでもリザーブタンク4内のインク量の減少が検出されると「異常Bあり」と判定し、全色のリザーブタンク4でインク量の減少が所定量未満であれば「異常Bなし」と判定する。
(第3の異常検出動作)
次に、リザーブタンク4から吸引ポンプ31までの流路における異常(異常Cとする)を検出する第3の異常検出動作について説明する。図4のS109において「異常Bなし」と判定された場合、CPU11は供給弁3を開放させる(S110)(第3の動作)。供給弁3を開放することで、S108において吸引ポンプ31の作動(第2の動作)によりチャージされた負圧により、リザーブタンク4から供給チューブ2を介して記録ヘッド1へ向けてインクが供給(充填)される。
この記録ヘッド1へ向けたインクの供給に伴い、通常はリザーブタンク4内のインク液面が低下する。従って、CPU11は、S111にて第2の中実管342及び第3の中実管343によって、リザーブタンク4内の液面減少(インク量の減少)があるか検知する(第3の検知動作)。なお、第2の動作及び第3の動作によってリザーブタンク4内のインクが記録ヘッド1へ向けて吸引される吸引量は、吸引後にリザーブタンク4内に残留するインクの液面がインク流出部401の上端よりも高くなるように調整されている。これにより、インク流出部401から供給チューブ2を介して記録ヘッド1側へ空気(気泡)が混入するのを抑制することができる。
S111では、図5(d)に示すように、第2中実管342の下端と第3中実管343の下端に液面が接触しなくなり、電気抵抗の変化があった場合は、リザーブタンク4内のインク量が減少している(「YES」)ため、「異常Cなし」と判定される。
一方、S111において、供給弁3を開放してから所定の時間が経過しても、第2の中実管342及び第3の中実管343における電気抵抗の変化がない場合は、リザーブタンク4内のインク量が減少していない(「NO」)ため、「異常Cあり」と判定される。「異常Cあり」と判定された場合は、操作パネル54などの通知手段を介してユーザや作業者に通知する。通知手段には、操作パネル54の他、I/F12経由でホストコンピュータにデータを送信し、ホストコンピュータの操作部を通じて通知するものも含む。
S111において「異常Cなし」と判定された場合は、CPU11はS112において補給弁32を再び開放する。これにより、図5(e)に示すように、インクタンク5からリザーブタンク4へバードフィード供給方式に基づきインクが供給される。
S113にてCPU11は供給弁3を閉塞し、S114にて吸引ポンプ31を一定時間作動させて、供給弁3から吸引ポンプ31までの流路を負圧状態にする。一定時間経過後、CPU11は供給弁3を開放する(S115)ことで、リザーブタンク4から記録ヘッド1へ向けてインクが供給される。
CPU11はS113〜S115の動作(第2の動作及び第3の動作)を所定回数繰り返す充填動作(S116)を行うことで、記録ヘッド1にインクを充填する(図5(f))。なお、インクタンク5からリザーブタンク4への供給量(供給速度)は、S113〜S115の動作によってリザーブタンク4内のインクが記録ヘッド1へ向けて吸引される吸引量(充填速度)以上に設定されている。そのため、リザーブタンク4内のインク液面がインク流出部401の上端より低くなることは抑制される。
このように、異常検出手段としてのCPU11は、吸引ポンプ31を所定時間駆動させて供給弁3から吸引ポンプ31までの流路を負圧状態にした後、供給弁3を開放する。その後、第3の検知動作として検知手段17(電極34)を用いてリザーブタンク4内のインク量の変化を検知する。これにより、流路の詰まり、供給弁3の動作不良、記録ヘッド1の目詰まり、吸引ポンプ31の動作不良などの異常Cを検出することができる。
なお、キャップ35によって複数色の吐出口列を共通で覆う場合、インクの物性の違いなどによって流路抵抗がそれぞれ異なるため、供給弁3を開放した状態で吸引ポンプ31を駆動する通常の吸引では記録ヘッド1まで正常にインクが充填されないことがある。すなわち、流路抵抗が小さい第1流路に対して第1インクが先に充填され、流路抵抗が大きい第2流路には第2インクが充填されないことがある。
これに対して、本実施形態のように供給弁3を閉じた状態で吸引ポンプ31を一定時間作動させると、複数の流路の供給弁3から記録ヘッド1までの内部をほぼ同等の負圧状態にすることができる。従って、流路抵抗の違いがあっても複数の流路に対してインクを充填することができる。また、複数色のうち1色でもリザーブタンク4内のインク量が所定量以上変化した場合は「異常Cなし」と判定する。反対に、全ての色のリザーブタンク4でインク量の変化量が所定量未満であれば、「異常Cあり」と判定する。
(第4の異常検出動作)
次に、記録ヘッド1と記録装置50の電気的な接続不良(異常D)を検出する第4の異常検出動作について説明する。図4のS116における充填動作の後、CPU11は記録ヘッド1の吐出状態を検出する検出器(不図示)を用いて、記録ヘッド1にインクが充填されたか、そして、インク滴を正常に吐出できるか、を判定する(S117)。
記録ヘッドからインクが吐出された場合、電気的な接続不良がない(「YES」)ため、「異常Dなし」と判定される。このように第1の充填モードが正常に終了した場合、CPU11は、S118にてRAM14に初期充填正常フラグを記憶させて終了する。この初期充填正常フラグによって、記録装置50に電源が投入された際に、第1の充填モードを実行する必要があるか否かを判断することができる。
一方、記録ヘッド1からのインクの吐出を検出できない場合は、電気的な接続不良がある(「NO」)ため「異常Dあり」と判定される。「異常Dあり」と判定された場合は、操作パネル54などの通知手段を介してユーザや作業者に通知する。通知手段には、操作パネル54の他、I/F12経由でホストコンピュータにデータを送信し、ホストコンピュータの操作部を通じて通知するものも含む。
上述したように、第1の充填モードでは、記録装置50の初期設置時に記録装置50の異常を検出する第1〜第4の異常検出動作を実行する。これにより、記録装置50のように大型で複雑な記録装置であっても、不良があった場合はインク流路における不良箇所を特定することが可能となりユーザビリティが向上する。
(第2の充填モード)
次に、図7および図8を用いて、記録装置50の第2の充填モードについて説明する。通常、第2の充填モードは、既にインクを充填して使用している記録装置50のインク流路からインクを抜いて別の場所に輸送させた後、再びインク流路へインクを充填する際に実行される。このように、使用している記録装置50を輸送することを二次輸送と称し、第2の充填モードは二次輸送後の充填動作を意味する。
すなわち、第1の充填モードが正常に終了して初期充填正常フラグが記憶されている記録装置50を輸送した後に、記録ヘッド1へ再度インクを充填する際は第2の充填モードが選択される。図7は、第2の充填モードのフローチャートを示す。図8(a)〜(e)は、第2の充填モードによってインクが充填される様子を示す概念図である。
図7のS101〜S105までは、図4に示すS101〜S105と同様であり、第2の充填モードにおいても第1の異常検出動作を実行する。これにより、インクタンク5からリザーブタンク4までの流路上に異常(異常A)があるか検出される。なお、図8(a)は、S103において可撓部33を一定時間作動する様子を示し、図8(b)は、S104において補給弁32を開放する様子を示す。
S104においてCPU11が補給弁32を開放した後は、バードフィード供給方式によってインクタンク5からリザーブタンク4へインクが供給されていく。S105において「異常Aなし」と判定された場合は、S206に進みCPU11は補給弁32を開放したまま、供給弁3を閉塞する(図8(c))。一方、「異常Aあり」と判定された場合は、操作パネル54などの通知手段を介してユーザや作業者に通知する。通知手段には、操作パネル54の他、I/F12経由でホストコンピュータにデータを送信し、ホストコンピュータの操作部を通じて通知するものも含む。
そして、S207においてCPU11は吸引ポンプ31を一定時間作動させて、供給弁3から吸引ポンプ31までの流路を負圧状態にする。一定時間経過後、CPU11は図8(d)に示すように供給弁3を開放する(S208)。これにより、リザーブタンク4から記録ヘッド1へ向けてインクが供給される。CPU11は、S206〜S208の動作を所定回数繰り返す充填動作(S209)を行うことで、記録ヘッド1にインクを充填する(図8(e))。
次にS210において、CPU11はS210にて第4の異常検出動作を実行する。すなわちCPU11は、記録ヘッド1にインクが充填され、且つ、記録ヘッド1から正常にインク滴を吐出できるか判定する。記録ヘッド1からインク滴が吐出された場合は「異常Dなし」と判定されて、第2の充填モードを終了する。一方、記録ヘッド1からのインクの吐出を検出できない場合は「異常Dあり」と判定される。「異常Dあり」と判定された場合は、操作パネル54などの通知手段を介してユーザや作業者に通知する。通知手段には、操作パネル54の他、I/F12経由でホストコンピュータにデータを送信し、ホストコンピュータの操作部を通じて通知するものも含む。
上述したように、第2の充填モードでは、第1の異常検出動作と第4の異常検出動作を実行する一方で、第2の異常検出動作と第3の異常検出動作を実行しない。すなわち、第2の充填モードでは、供給弁3の異常(異常B)とリザーブタンク4から吸引ポンプ31までの流路における異常(異常C)を検出しない。これは、既に第1の充填モードで第2の異常検出動作と第3の異常検出動作を実行し、異常Bと異常Cはないことを確認済であることによる。
一方、インクタンク5からリザーブタンク4までの流路における異常(異常A)については、二次輸送のためにインクタンク5の着脱が行われることから、第2の充填モードにおいて再度検出を行う。また、記録ヘッド1と記録装置50の接続不良(異常D)については、輸送によって接続状態に変化が生じる可能性があり、最終的な記録ヘッド1の吐出状態の確認のために、第2の充填モードにおいても検出を行う。
これにより、S104において補給弁32を開放することでインクタンク5からリザーブタンク4へインクを供給しつつ、S206〜S209の記録ヘッド1に対する充填動作が並行して行われるため、第1の充填モードと比較して充填時間が短縮される。このように、記録装置50は第1の充填モードと第2の充填モードを実行可能であり、初期充填正常フラグの有無によってどちらかを選択することができる。
(第3の充填モード)
本実施形態では、第1の充填モードとして、第2の中実管342と第3の中実管343に電圧を印加することで異常Bと異常Cの検出動作を行う方法を説明した。しかしながら、第1の中実管341と第3の中実管343に電圧を印加して異常Bと異常Cを検出してもよい。以下で、第1の充填モードの他の初期充填動作としての、第3の充填モードについて説明する。
なお、第3の充填モードは特に、複数色のインク流路に設けられる補給弁32の開閉を共通の駆動源によって制御する場合に有効である。本実施形態のようにインクタンク5からリザーブタンク4へのインク供給をバードフィード供給方式によって行う形態では、インクの粘度の違いによって供給に要する時間が異なる。すなわち、粘度の高いインクは供給時間が長く、粘度の低いインクは供給時間が短い。
従って、第2の中実管342と第3の中実管343によって全色のインク量の増加を検知してからS106において補給弁32を閉塞した場合、リザーブタンク4内のインク液面高さにバラつきが生じる。そのため、粘度が低いインクは他のインクよりリザーブタンク4内に多くのインクが供給された状態となり、その後の第2の異常検出動作(S109)において供給弁3の異常を正確に検出できない虞がある。
これに対して、第3の充填モードでは、第1の中実管341と第3の中実管343によってインク量の増加を検知するため、粘度が低いインクに対しても供給弁3の異常を正確に検出することができる。
図9は、第3の充填モードのフローチャートを示す。図10(a)〜(f)は、第3の充填モードによってインクが充填される様子を示す概念図である。
図9のS101〜S105までは、図4に示す第1の充填モードと同様であり、S105において第1の異常検出動作を実行する。これにより、インクタンク5からリザーブタンク4までの流路上に異常(異常A)があるか検出される。なお、図10(a)は、S103において可撓部33を一定時間作動する様子を示し、図10(b)は、S104において補給弁32を開放する様子を示す。
S104にてCPU11が補給弁32を開放した後は、バードフィード供給方式によってインクタンク5からリザーブタンク4へインクが供給されていく。S306にてCPU11は、第1の中実管341と第3の中実管343に電圧を印加して、リザーブタンク4のインク液面が満タンまで満たされたか検知する。電圧印加から所定時間が経過してもリザーブタンク4内のインク量の増加が検知されない場合は、インクタンク5のインクが無くなったと判定してインクタンク5の交換をユーザや作業者に通知する。具体的には、操作パネル54などに「インクタンク交換」の表示を行う。
S306にて、電圧印加から所定時間内にインク量の増加が検知された場合、S307に進む。なお、S306において所定時間とは、記録装置50で使用されるインクのうち、粘度が最も高いインクが満タン状態になるまでに必要な時間以上に設定する。リザーブタンク4内では、開口10cにインク液面が到達するとインクタンク5からのインクの供給が停止するため、所定時間が経過した後は各色のインク液面が開口10cの高さで停止した状態となる。
図9のS307〜S309の動作は、図4のS106〜S108の動作と同様である。なお、図10(c)はS307とS308の動作によって、供給弁3と補給弁32が閉塞された状態を示す。CPU11は、S310にて、第1の中実管341と第3の中実管343に電圧を印加することによって、リザーブタンク4内の液面減少(インク量の減少)があるか検知する。図6(b)に示すように、インク液面が第1の中実管341の下端と接触しなくなり、インク量の減少が検出された(「YES」)場合、CPU11は「異常Bあり」と判定して操作パネル54などの通知手段を介してユーザや作業者に通知する。
インク量の減少がなければ、図10(d)に示すように、CPU11は供給弁3を開放する(S311)。供給弁3の開放により、リザーブタンク4から供給チューブ2を介して記録ヘッド1へ向けてインクが供給(充填)される。記録ヘッド1へのインクの供給が正常に行われたかを確認するため、CPU11はS312にて第1の中実管341と第3の中実管343に電圧を印加することによって、リザーブタンク4内の液面減少(インク量の減少)を検出したか判定する。液面減少が検出されない(「NO」)場合は、CPU11は「異常Cあり」と判定して操作パネル54などの通知手段を介してユーザや作業者に通知する。
「異常Cなし」と判定した場合、CPU11はS313〜S317の動作によって記録ヘッド1へインクを充填する。なお、図9のS313〜S317は、図4のS112〜S116と同様の動作のため、説明を省略する。図10(e)は、S313及びS314においてCPU11が補給弁32を開放して供給弁3を閉塞した様子を示す。また、図10(f)は、S316においてCPU11が供給弁3を開放して記録ヘッド1へインクが供給される様子を示す。記録ヘッド1への充填動作の後は、第1の充填モードと同様、S117で第4の異常検出動作を実行し、「異常Dなし」であればS118にてRAM14に初期充填正常フラグを記憶させて終了する。S117にて「異常Dあり」の場合は、操作パネル54などの通知手段を介してユーザや作業者に通知する。
このように、第3の充填モードでは、第2の異常検出動作と第3の異常検出動作で、第1の中実管341と第3の中実管343を用いる。これにより、粘度が異なる複数のインクの補給弁32の開閉を共通に制御する構成であっても、第1〜第4の異常検出動作を適切に実行することができる。
なお、本実施形態では、供給弁3を閉塞した状態で吸引ポンプ31を一定時間作動させてから第2の異常検出動作を実行したが、供給弁3を閉塞せずに吸引ポンプ31を作動させることで実行してもよい。
〔その他の実施形態〕
インクタンク5からリザーブタンク4へのインクの供給速度は、リザーブタンク4内の開口10cの高さと、第2の中空管9の下端面9a(図2参照)の高さとの高低差(水頭差)によって決定される。第1実施形態においては、この高低差を約20mmに設定しているが、記録ヘッド1のインク吐出量などに応じて適宜に設定することができる。
また、第1実施形態ではリザーブタンク4に大気連通部7が設けられており、インクタンク5からバードフィード供給方式によってインクが供給される構成を例として説明した。しかしながら、これに限らずリザーブタンクがインクタンクを介して大気と連通した構成で、バードフィード供給方式以外の方式でインクが供給される構成を採用してもよい。
また、第1の中空管8と第2の中空管9は共に金属針で構成され、それらでインクタンク5とリザーブタンク4とインク補給路6を接続する例を示した。しかしながら、インク補給路6と空気導入路10と一体的に形成してもよい。すなわち、インク補給路6の一端をインクタンク5の底部に接続し、インク補給路6の他端をリザーブタンク4の底部に接続してもよい。また、インクタンク5とリザーブタンク4を一体的に形成してもよい。すなわち、空気導入路10の一端をインクタンク5の底部に接続し、空気導入路10の他端をリザーブタンク4の上部に接続してもよい。
また、検知手段17として電極34を用いてリザーブタンク4内のインク量の検知を行う構成を示したが、例えば、フロート式や光学式等の他のセンサを採用してもよい。
また、第1実施形態では、リザーブタンク4から記録ヘッド1へのインク供給を水頭差方式で行う構成を採用したが、これに限らず、リザーブタンク4と記録ヘッド1の間にポンプを設けて、ポンプによって記録ヘッド1へインクを加圧して送り込む構成でもよい。
1 記録ヘッド
4 リザーブタンク(第2タンク)
5 インクタンク(第1タンク)
11 CPU(制御手段)
17 検知手段
20 吐出口面
31 吸引ポンプ(吸引手段)
35 キャップ
50 インクジェット記録装置(記録装置)

Claims (12)

  1. インクを貯留する第1タンクと、
    前記第1タンクから供給されるインクを貯留する第2タンクと、
    前記第2タンクから供給されるインクを吐出する複数の吐出口が設けられた吐出口面を有する記録ヘッドと、
    前記吐出口面を密閉するキャップと、
    前記キャップと接続される吸引手段と、
    前記第2タンクに貯留されるインク量の変化を検知する検知手段と、
    前記キャップにより前記吐出口面を密閉した状態で前記吸引手段を駆動することによって前記第2タンクから前記記録ヘッドへインクを充填する制御手段と、を備えるインクジェット記録装置であって、
    前記制御手段は、前記吸引手段の駆動によって前記第2タンクに貯留されるインク量が所定量変化するか前記検知手段に検知させる異常検出動作を行う第1の充填モードと、前記異常検出動作を行わない第2の充填モードと、を実行可能であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記制御手段は、前記異常検出動作において前記2タンクに貯留されるインク量が前記所定量減少した場合は異常なしと判定し、当該インク量が所定量減少しない場合は異常ありと判定することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記記録装置の状態を通知する通知手段を備え、前記異常検出動作において異常ありと判定された場合は前記通知手段により通知することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記制御手段は、前記異常検出動作により異常が検出されない場合は前記第1の充填モードを完了したフラグを記憶することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記第2タンクと前記記録ヘッドを接続するインク供給路と、前記インク供給路を開閉可能な第1弁と、を備え、
    前記制御手段は、前記第1弁を閉塞した状態で前記吸引手段を所定時間駆動した後、前記第1弁を開放することで前記第2タンクから前記記録ヘッドへインクを充填することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記制御手段は、前記異常検出動作において、前記第1弁を閉塞した状態で前記吸引手段を所定時間駆動した後であって且つ前記第1弁を開放した後に前記第2タンクに貯留されるインク量が変化するか前記検知手段に検知させることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記制御手段は、前記異常検出動作において、前記第1弁を閉塞した状態で前記吸引手段を所定時間駆動した後であって且つ前記第1弁を開放する前に前記第2タンクに貯留されるインク量が変化するか前記検知手段に検知させることを特徴とする請求項5または6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記第1タンクと前記第2タンクを接続するインク補給路と、前記インク補給路に設けられ容積が変化可能な可撓部と、前記第2タンクと前記可撓部の間に設けられ前記インク補給路を開閉可能な第2弁と、を備え、
    前記第2弁を閉塞した状態で前記可撓部を所定時間作動させた後、前記第2弁を開放することで前記第1タンクから前記第2タンクへインクが供給されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記制御手段は、前記第2の充填モードにおいて、前記第1タンクから前記第2タンクへのインクの供給と、前記第2タンクから前記記録ヘッドへのインクの供給を並行して行うことを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記第1の充填モードは、前記インクジェット記録装置を初期設置するときの初期充填動作であり、前記第2の充填モードは、前記初期充填動作が完了した前記インクジェット記録装置に対して再度インクを充填する動作であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  11. インクを貯留する第1タンクと、
    前記第1タンクから供給されるインクを貯留する第2タンクと、
    前記第2タンクから供給されるインクを吐出する複数の吐出口が設けられた記録ヘッドと、
    前記第1タンクから前記第2タンクへインクを供給する第1供給動作を実行する第1供給手段と、
    前記第2タンクから前記記録ヘッドへインクを供給する第2供給動作を実行する第2供給手段と、
    前記第2タンクに貯留されるインクが所定量以上かを検知する検知手段と、を備えるインクジェット記録装置であって、
    前記第1供給動作によって前記第2タンクに前記所定量以上のインクが供給されたのを検知した後に前記第2供給動作を実行させる第1充填モードと、前記第1供給動作と前記第2供給動作を並行して実行させる第2充填モードと、を実行可能な制御手段を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  12. インクを貯留する第1タンクと、前記第1タンクから供給されるインクを貯留する第2タンクと、前記第2タンクから供給されるインクを吐出する複数の吐出口が設けられた吐出口面を有する記録ヘッドと、前記吐出口面を密閉するキャップと、前記キャップと接続される吸引手段と、を備えるインクジェット記録装置の制御方法であって、
    前記キャップにより前記吐出口面を密閉した状態において前記吸引手段を駆動することで前記第2タンクから前記記録ヘッドへインクを充填する充填動作と、前記吸引手段の駆動により前記第2タンクに貯留されるインク量が所定量変化するか検知する異常検出動作と、を実行する第1の充填工程と、
    前記異常検出動作を実行せずに前記充填動作を実行する第2の充填工程と、を有する制御方法。
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