JP2018166504A - 養生構造及び養生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度管理を適切に行うと共に、天然芝を保護することができる養生構造及び養生方法を提供する。【解決手段】一実施形態に係る養生構造は、天然芝11を養生する養生構造1であって、天然芝11を覆うと共に天然芝11に対向する空隙部を有する空隙保持部材2と、空隙保持部材2に設けられて天然芝11を冷却するクーリングパイプ3と、クーリングパイプ3及び空隙保持部材2に載せられてクーリングパイプ3及び空隙保持部材2を保護すると共に、クーリングパイプ3及び空隙保持部材2を断熱する断熱剛性部材5と、を備える。【選択図】図3
Description
本発明は、天然芝を養生する養生構造及び養生方法に関する。
従来から、天然芝を養生する養生構造及び養生方法としては種々のものが知られている。特許文献1には、天然芝の競技場の構造及び保守方法が記載されている。この構造は、複数のフレームと、複数のフレーム上に設けられる複数の矩形枠状のパレットと、各パレットにおいて育成されると共に外部に露出する天然芝とを備える。複数のフレームの下には、液体肥料を噴霧する複数の噴霧ノズルと、基礎地盤上に設けられて過剰な液体肥料を回収する回収パンとが設けられる。特許文献1の保守方法では、スポーツイベント等によって天然芝が損傷したときに、天然芝とパレットとを共に交換することにより、天然芝を利用できない期間を減らすことを可能としている。
特許文献2には、芝生育成制御方法、芝生グラウンドの温度管理方法、及び芝生グラウンド管理装置が記載されている。この芝生育成制御方法では、サッカー競技用芝生グラウンドに管材が埋め込まれ、管材に熱媒体を流通させることによって温度管理が行われる。グラウンドは複数のゾーンに区分けされ、各ゾーンごとに熱媒体の流通時間、流通量及び温度の少なくともいずれかが調整されて芝生の育成条件が制御される。
特許文献3には、芝育成管理装置が記載されている。芝育成管理装置は、芝植栽地に埋め込まれた埋設配管路と、芝植栽地の温度を検知する温度検知器と、埋設配管路に冷水又は温水を供給する冷温水機及び冷温水循環ポンプと、温度検知器が検知した温度に基づいて埋設配管路への冷水及び温水の温度を制御する温度制御装置とを備える。芝植栽地は、外部に露出する天然芝と、天然芝の下層に位置する細砂と、細砂の下層に位置する粗砂と、粗砂の下層に位置する砕石と、砕石の下層に位置する基盤とを備える。この芝育成管理装置では、寒冷期に芝植栽地の温度を15〜20℃以上に保持することにより、芝の枯死を防止すると共に芝の発育の促進を図っている。
天然芝を養生するときに、前述したように天然芝が外部に露出する場合、熱が外部に逃げやすくなるため、温度管理を適切に行えなくなる懸念がある。また、芝生グラウンドでは、春季、夏季及び秋季に競技が行われると共に冬季にコンサート等のイベントが行われることがある。芝生グラウンドにおいて冬季にイベントが行われる場合、天然芝の上にカバーがかけられることがある。このように天然芝の上にカバーがかけられてイベントが行われる場合、天然芝が傷んで春季に競技を行うときに天然芝が回復しないという問題が生じうる。
本発明は、温度管理を適切に行うと共に、天然芝を保護することができる養生構造及び養生方法を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するために、本発明者が鋭意検討した結果、冬季に天然芝を−5℃以上且つ0℃以下に温度管理して天然芝を冬眠状態に維持すると、天然芝を傷めずに養生できるという知見を見出した。「天然芝を冬眠状態にする」とは、天然芝が枯れない程度に天然芝が冷却されて天然芝の代謝活動が抑えられた状態を示している。すなわち、天然芝に雪を被せた状態を再現して天然芝を−5℃以上且つ0℃以下に冷却することにより、天然芝を傷めることなく、春季に競技を開始するときに天然芝を回復させることができる。本発明は、かかる知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明に係る養生装置は、天然芝を養生する養生構造であって、天然芝を覆うと共に天然芝に対向する空隙部を有する空隙保持部材と、空隙保持部材に設けられて天然芝を冷却するクーリングパイプと、クーリングパイプ及び空隙保持部材に載せられてクーリングパイプ及び空隙保持部材を保護すると共に、クーリングパイプ及び空隙保持部材を断熱する断熱剛性部材と、を備える。
この養生装置では、空隙部を有する空隙保持部材が天然芝を覆う。従って、天然芝の上方に空隙保持部材の空隙部が設けられることにより、天然芝の呼吸を妨げないようにすることができるので、天然芝の生育が妨げられないようにすることができる。また、空隙保持部材には天然芝を冷却するクーリングパイプが設けられているので、クーリングパイプに冷媒を供給することによって天然芝を−5℃以上且つ0℃以下に冷却させて温度管理を適切に行うことができる。よって、天然芝に雪を被せた状態を再現することができ、天然芝を冬眠状態にすることができるので、冬季に天然芝を傷めないようにすることができる。従って、春季に競技を開始するときに天然芝を回復させることができる。更に、クーリングパイプ及び空隙保持部材には断熱剛性部材が載せられるので、断熱剛性部材によってクーリングパイプ及び空隙保持部材を保護することができる。すなわち、断熱剛性部材に荷重がかかっても空隙保持部材及びクーリングパイプが潰れないようにすることができ、荷重に対する耐性を高めることができる。従って、断熱剛性部材に上から荷重がかかっても天然芝に対する影響を抑えることができるため、天然芝を冬眠させた状態で断熱剛性部材の上でコンサート等のイベントを行うことができる。また、断熱剛性部材によってクーリングパイプ及び空隙保持部材が断熱されるので、クーリングパイプ及び空隙保持部材が外部の温度の影響を受けないようにすることができると共に、クーリングパイプ及び空隙保持部材の冷熱が断熱剛性部材の外部に逃げないようにすることができる。従って、天然芝に対する冷却作用を確実に維持することができるので、天然芝をより確実に冬眠状態に維持することができる。
また、養生構造は、空隙保持部材に挿通されて天然芝に空隙保持部材を固定する複数のピンを備えてもよい。この場合、複数のピンが空隙保持部材に挿通されることによって天然芝に空隙保持部材を固定して天然芝の上で空隙保持部材を支えることができる。従って、空隙保持部材を天然芝の上で支えることによって天然芝を傷めないようにすることができると共に、天然芝に対する空隙保持部材の位置ずれを抑制することができる。
また、断熱剛性部材は、空隙保持部材の上方に位置する剛性部材と、剛性部材に載せられる断熱材とを含んでもよい。この場合、空隙保持部材の上方に設けられる剛性部材によって、上から荷重がかかっても荷重を分散することができる。剛性部材は、空隙保持部材の上部で上からかかる荷重を分散するため、空隙保持部材にかかる荷重を抑えて空隙保持部材を保護することができる。また、剛性部材の上部に断熱材が設けられることにより、断熱材を剛性部材とは別にして軽量の断熱材を用いることができる。従って、断熱材の運搬及び敷設を容易に行うことができるので、天然芝の養生作業の作業性を向上させることができる。
また、養生構造は、断熱剛性部材の天然芝側の面に取り付けられて天然芝に光を照射する発光素子を更に備えてもよい。この場合、発光素子から空隙保持部材を介して天然芝に光を照射することにより、天然芝に対する雪の透過光を再現することができる。よって、天然芝にぼんやりとした青系統の光を照射して波長が短い光を天然芝に照射することができるので、天然芝の生育をより確実に維持することができる。
また、空隙保持部材は、天然芝に対向する第1空隙保持部材と、第1空隙保持部材から見て天然芝の反対側に位置する第2空隙保持部材とを含んでおり、クーリングパイプは、第1空隙保持部材及び第2空隙保持部材の間に挟まれていてもよい。この場合、第1空隙保持部材及び第2空隙保持部材の間にクーリングパイプを挟み込んで空隙保持部材とクーリングパイプの組み立てを容易に行うことができる。従って、空隙保持部材及びクーリングパイプの設置を容易に行うことができるので、天然芝の養生作業の作業性をより向上させることができる。
また、クーリングパイプは、空隙保持部材の内部に挿通されていてもよい。このように、クーリングパイプを空隙保持部材の内部に挿通させて空隙保持部材及びクーリングパイプの設置を行うことができる。
本発明に係る養生方法は、天然芝を養生する養生方法であって、空隙部を有する空隙保持部材にクーリングパイプを設置する工程と、クーリングパイプが設けられた空隙保持部材を天然芝に載せる工程と、クーリングパイプ及び空隙保持部材に、クーリングパイプ及び空隙保持部材を保護すると共にクーリングパイプ及び空隙保持部材を断熱する断熱剛性部材を載せる工程と、を備える。
この養生方法では、空隙部を有する空隙保持部材によって天然芝を覆うことにより、天然芝の呼吸を妨げないようにすることができるので、天然芝の生育が妨げられないようにすることができる。また、前述した養生構造と同様、クーリングパイプを空隙保持部材に設置することにより、天然芝を−5℃以上且つ0℃以下に冷却させて温度管理を適切に行うことができるので、天然芝を冬眠状態にして冬季に天然芝を傷めないようにすることができる。更に、クーリングパイプ及び空隙保持部材に断熱剛性部材を載せることにより、前述した養生構造と同様、空隙保持部材及びクーリングパイプを保護して荷重に対する耐性を高めることができる。よって、断熱剛性部材に上から荷重をかけても天然芝に対する影響を抑えることができる。その結果、天然芝を冬眠させた状態で断熱剛性部材の上でコンサート等のイベントを行うことができる。また、断熱剛性部材によって空隙保持部材及びクーリングパイプを断熱することにより、前述した養生構造と同様、天然芝に対する冷却作用を確実に維持することができるので、天然芝をより確実に冬眠状態に維持することができる。
また、クーリングパイプを設置する工程は、空隙保持部材を構成する第1空隙保持部材と第2空隙保持部材との間にクーリングパイプを挟み込む工程と、第1空隙保持部材及び第2空隙保持部材に複数のピンを挿通させて第1空隙保持部材と第2空隙保持部材とを互いに接合する工程と、を含んでおり、空隙保持部材を天然芝に載せる工程では、天然芝に当該複数のピンを挿し込んでもよい。この場合、第1空隙保持部材と第2空隙保持部材の間にクーリングパイプを挟み込むことにより、空隙保持部材とクーリングパイプの組み立てを容易に行うことができる。また、第1空隙保持部材及び第2空隙保持部材に複数のピンを挿通させると共に、当該複数のピンを天然芝に挿し込むことにより、天然芝に空隙保持部材を固定して天然芝の上で空隙保持部材を支えることができる。従って、空隙保持部材の設置を容易に行うことができると共に、天然芝に対する空隙保持部材の位置ずれを抑制することができる。
また、空隙保持部材を天然芝に載せる工程の前に、天然芝に耐踏圧資材を埋め込む工程を備えてもよい。この場合、天然芝に空隙保持部材を設置する前に耐踏圧資材を天然芝に埋め込むことにより、空隙保持部材の設置前に天然芝の地耐力を高めることができる。従って、耐踏圧資材を天然芝に埋め込むことによって、荷重に対する天然芝の耐力を高めることができる。
本発明によれば、温度管理を適切に行うと共に、天然芝を保護することができる。
以下では、図面を参照しながら、本発明に係る養生構造及び養生方法の実施形態について説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、図面は、理解を容易にするため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法等は図面に記載のものに限定されない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る養生構造1が適用される対象の例を示す野球場Gの平面図である。図2は、野球場Gに養生構造1が適用された例を示す平面図である。図1及び図2に示されるように、養生構造1は、例えば、野球場Gの天然芝11が設けられる箇所に対して全体的に敷設される。野球場Gは、例えば、開閉式のドーム球場であるが、開閉式でないドーム球場であってもよいし、ドームが無い球場であってもよい。
図1は、第1実施形態に係る養生構造1が適用される対象の例を示す野球場Gの平面図である。図2は、野球場Gに養生構造1が適用された例を示す平面図である。図1及び図2に示されるように、養生構造1は、例えば、野球場Gの天然芝11が設けられる箇所に対して全体的に敷設される。野球場Gは、例えば、開閉式のドーム球場であるが、開閉式でないドーム球場であってもよいし、ドームが無い球場であってもよい。
野球場Gでは、例えば、毎年3月から11月までの間(春季から秋季までの間)には野球が行われ、12月から2月までの間(冬季)にはイベントが行われる。養生構造1は、例えば、冬季の間に設置される構造である。イベントとは、競技以外の集客できる催しを示しており、例えば、コンサート、フェス又は見本市等を含んでいる。このように、野球場Gは、野球等の競技だけでなくイベント会場としても使用される。また、野球場Gでは、野球以外の競技が行われてもよい。
図3は、養生構造1を示す断面図である。図3に示されるように、養生構造1は、野球場Gの天然芝11を養生するための構造である。養生構造1は、野球場Gの天然芝11を凍結しない程度に冷却し、天然芝11の代謝活動を低下させて天然芝11を冬眠させる。天然芝11は、例えば、寒地型の芝草(冬芝)であり、冬季に枯れない芝草である。一例として、天然芝11は砂層12と、砂層12の下部に位置する砂利層13とを備えた土壌Bに設けられており、砂層12の上面には耐踏圧資材14が設けられる。
砂層12は、混合砂が含まれる層であり、砂層12の砂の粒径は砂利層13の砂利の粒径よりも小さい。砂層12は、天然芝11の生育空間を構成する層であり、天然芝11の根が張る層である。砂層12には複数の温度調整パイプ15が埋め込まれており、各温度調整パイプ15の内部に熱媒体を供給することによって土壌Bの温度が調整される。温度調整パイプ15は、例えば、3月、4月、10月又は11月等、比較的寒冷なときには土壌Bを加熱して、7月又は8月等、暑いときには土壌Bを冷却する。
砂利層13には有孔管16が埋め込まれており、有孔管16には水が通される。砂層12と砂利層13の間には、目潰し砂利17が設けられており、目潰し砂利17によって砂利層13に含まれる砂利の間の隙間が埋められている。目潰し砂利17は、例えば、水と空気のみを通す層を構成する。砂層12と砂利層13の間に目潰し砂利17が設けられることにより、砂利層13に含まれる砂利の間に砂層12の砂が落下することが抑制されるので、土壌Bの不陸を防止することが可能となる。
砂利層13の下部には断熱材18が設けられる。断熱材18は、例えば、EPS(ExpandedPoly-Styrene)建材であり、発泡プラスチック系の断熱材であってもよい。断熱材18は発泡スチロールによって構成されていてもよい。また、断熱材18は、木材、ウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム又はグラスファイバー等の各種断熱ボードであってもよい。断熱材18は、砂利層13、砂層12及び天然芝11を下から断熱している。すなわち、天然芝11、砂層12及び砂利層13は断熱材18より下方の熱から断熱されている。よって、断熱材18の下方の熱を遮断することにより、天然芝11、砂層12及び砂利層13の熱量計算及び温度調整を容易に行うことが可能である。
耐踏圧資材14は、例えば、芝生保護材であり、天然芝11を荷重から保護する資材である。すなわち、耐踏圧資材14は、天然芝11の地耐力を高める資材である。一例として、耐踏圧資材14は、樹脂製であり、鉛直方向に延びる複数の筒部が地面に沿って配列される形状とされている。耐踏圧資材14は、ハニカム状とされていてもよい。耐踏圧資材14は、例えば、砂層12に埋め込まれている。また、耐踏圧資材14は、金属製であってもよいし、メッシュエレメントであってもよい。このように耐踏圧資材14の形状及び材料は適宜変更可能である。
養生構造1は、耐踏圧資材14が設けられた天然芝11を冷却して天然芝11を保護する。養生構造1は、天然芝11を覆う空隙保持部材2と、空隙保持部材2に設けられるクーリングパイプ3と、空隙保持部材2を天然芝11に対して固定する複数のピン4と、空隙保持部材2を覆う断熱剛性部材5とを備える。本実施形態では、断熱剛性部材5は、空隙保持部材2に載せられる剛性部材6と、剛性部材6に載せられる断熱材7とを含んでいる。断熱材7の上部には、人又は車等の荷重が付与される。
空隙保持部材2は、例えば、第1空隙保持部材2aと、第2空隙保持部材2bとを含んでいる。第1空隙保持部材2a及び第2空隙保持部材2bは、例えば、互いに同一の材料によって構成されており、互いに同一の大きさであってもよい。以下では、第1空隙保持部材2a及び第2空隙保持部材2bをまとめて説明する場合、並びに、第1空隙保持部材2a及び第2空隙保持部材2bを総称する場合には、第1空隙保持部材2a及び第2空隙保持部材2bを空隙保持部材2として説明する。
図4は、空隙保持部材2(第1空隙保持部材2a及び第2空隙保持部材2bのそれぞれ)を示す断面図である。図4に示されるように、空隙保持部材2は空隙部2eを有しており、空隙部2eは例えば空隙保持部材2の全体に設けられる。このため、空隙保持部材2は高い通気性及び光透過性を備える。空隙保持部材2は緩衝材として機能してもよい。空隙保持部材2は、プラスチック立体網状成形品であってもよい。この場合、空隙保持部材2を軽量化することができる。空隙保持部材2は、例えば、耐圧性及び排水性能を有する部材であって、集水性を有していてもよい。
空隙保持部材2は、硬質プラスチックによって構成された立体網状構造体2cを含んでいる。立体網状構造体2cは、例えば、線状の樹脂部材2dが不規則に絡み合って形成された三次元樹脂構造体である。立体網状構造体2cの線状の樹脂部材2dの間には微細な空間が形成されており、この微細な空間が空隙部2eに相当する。空隙保持部材2は、線状の樹脂部材2d及び空隙部2eを含むことにより、天然芝11に線接触又は点接触する。
図3に示されるように、クーリングパイプ3は、第1空隙保持部材2aと第2空隙保持部材2bの間に挟み込まれている。第1空隙保持部材2a及び第2空隙保持部材2bは、例えば、予めロール状とされている。ロール状とされた第1空隙保持部材2aが広げられて第1空隙保持部材2aの上にクーリングパイプ3が載せられ、クーリングパイプ3が第2空隙保持部材2bと第1空隙保持部材2aの間に挟み込まれることにより、空隙保持部材2にクーリングパイプ3が設けられる。
クーリングパイプ3が第1空隙保持部材2a及び第2空隙保持部材2bの間に挟み込まれることにより、温度分布の偏りが大きくならない程度にクーリングパイプ3を天然芝11に近づけることができる。よって、天然芝11の効率的な冷却が可能となる。図5は、空隙保持部材2に挟み込まれたクーリングパイプ3の一例を示す図であり、クーリングパイプ3は空隙保持部材2の全体にわたるように配置されている。クーリングパイプ3は、例えば、平面視において長方形状とされる空隙保持部材2の一辺2fの端部から第1方向D1に入り込む。
クーリングパイプ3は、第1方向D1に入り込んだ部分から空隙保持部材2の面内方向であって且つ第1方向D1に交差する第2方向D2に曲げられて第2方向D2に直線状に延在する。空隙保持部材2の第2方向D2の一端から他端まで延びるクーリングパイプ3は、空隙保持部材2の第2方向D2の他端において反対方向に曲がって折り返されて当該反対方向に延在する。
このように、クーリングパイプ3は、空隙保持部材2において、第2方向D2に蛇行しながら第1方向D1に延在しており、空隙保持部材2の全体にわたるように配置される。また、空隙保持部材2に設けられたクーリングパイプ3は、隣接する空隙保持部材2のクーリングパイプ3に第1方向D1に沿って連結される。これにより、クーリングパイプ3は空隙保持部材2を介して天然芝11を均一に冷却させることが可能となる。
複数の空隙保持部材2の間で互いに連結された複数のクーリングパイプ3の端部には熱交換器が接続されており、熱交換器からクーリングパイプ3には冷媒が供給される。クーリングパイプ3に供給される冷媒は、例えば、不凍液である。不凍液は、天然芝11に接触しても天然芝11に無害な材料によって構成されており、一例として、プロピレングリコールによって構成されていてもよい。
不凍液としては、例えば、原液ではなく、薄めたものが用いられる。一例として、クーリングパイプ3に−10℃程度の不凍液を流し込むことによって空隙保持部材2を介して天然芝11が冷却され、これにより天然芝11の温度が−5℃以上且つ0℃以下に冷却される。クーリングパイプ3には不凍液が連続的に供給され、これにより天然芝11の温度は−5℃以上且つ0℃以下に維持される。
ピン4は、クーリングパイプ3を挟んだ第1空隙保持部材2a及び第2空隙保持部材2bを互いに接合すると共に、天然芝11に空隙保持部材2を固定する。複数のピン4は、空隙保持部材2(第1空隙保持部材2a及び第2空隙保持部材2b)に互いに間隔を空けて挿通される間隔保持ピンである。一例として、各ピン4は、平面視における空隙保持部材2の四隅のそれぞれに挿通される。但し、各ピン4が挿通される位置は適宜変更可能である。
図3に示されるように、空隙保持部材2に挿通されたピン4は天然芝11に挿入される。このように空隙保持部材2に挿通された複数のピン4が天然芝11に挿入されることにより、天然芝11の上方で空隙保持部材2及びクーリングパイプ3が支持される。また、複数のピン4が互いに間隔を空けて空隙保持部材2及びクーリングパイプ3を支持することにより、天然芝11を傷めないようにすることができると共に、荷重の付与に伴う空隙保持部材2の位置ずれを抑制することができる。
剛性部材6は、空隙保持部材2及びピン4の上に載せられる板状の部材である。剛性部材6は、例えば、プラスチック板である。この場合、剛性部材6を軽量化することができる。剛性部材6は、上から付与された線荷重を面荷重に変えて空隙保持部材2の変形を抑制して空隙保持部材2を保護する剛性板である。すなわち、剛性部材6は、荷重分散を行うと共に空隙保持部材2を保護する機能を有する。なお、剛性部材6はメッシュ状又は格子状のグレーチングであってもよく、剛性部材6の材料及び形状は適宜変更可能である。
剛性部材6の天然芝11側の面6aには、発光素子8が取り付けられている。発光素子8は、天然芝11よりも上方であって且つ天然芝11から離間した位置に設けられる。発光素子8は、空隙保持部材2を介して天然芝11に光を照射する発光素子であり、例えば、LED(発光ダイオード)である。このように発光素子8が空隙保持部材2を介して天然芝11に光を照射することにより、天然芝11にはうっすらとした光が照射される。面6aには、例えば、複数の発光素子8が取り付けられており、各発光素子8は、青系統の波長が短い可視光を下方に照射する。
断熱材7は、例えば断熱材18と同様、EPS建材であり、発泡プラスチック系の断熱材であってもよく、発泡スチロールによって構成されていてもよい。この場合、断熱材7を軽量化することができるので、養生構造1の敷設の作業を容易に行うことができる。また、断熱材7がEPS建材である場合、断熱材7の曲げ強さを高めることができるため、断熱材7の荷重分散性を高めることができる。なお、断熱材7は、木材、ウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム又はグラスファイバー等の各種断熱ボードであってもよい。
断熱材7は剛性部材6、空隙保持部材2、クーリングパイプ3及び天然芝11を断熱しており、剛性部材6、空隙保持部材2、クーリングパイプ3及び天然芝11は断熱材7より上方の熱から断熱されている。このように断熱材7の上方の熱を遮断することにより、剛性部材6、空隙保持部材2、クーリングパイプ3及び天然芝11の熱量計算及び温度制御を容易に行うことができる。すなわち、野球場Gの空調によって温度調整された断熱材7の上方の熱の影響を断熱材7より下において遮断することができる。
次に、本実施形態に係る養生方法について説明する。以下では、前述した養生構造1によって野球場Gを養生する方法について説明する。すなわち、野球場Gで冬季にイベントが行われるときに養生構造1によって野球場Gの天然芝11を養生する方法について説明する。まず、初期状態は、目潰し砂利17及び断熱材18が設けられた土壌Bに天然芝11が植え込まれた状態であり、この天然芝11に対して養生構造1で養生を行う。まず、天然芝11に耐踏圧資材14を埋め込む。このとき、耐踏圧資材14を砂層12に埋め込んで天然芝11に対して耐踏圧資材14を固定し、天然芝11の地耐力を高める(耐踏圧資材を埋め込む工程)。
一方、空隙部2eを有する第1空隙保持部材2aと第2空隙保持部材2bを用意して、第1空隙保持部材2aと第2空隙保持部材2bの間にクーリングパイプ3を挟み込んで空隙保持部材2とクーリングパイプ3と組み立てる(クーリングパイプを挟み込む工程)。具体的には、ロール状とされた第1空隙保持部材2aを広げて第1空隙保持部材2aの上にクーリングパイプ3を載せ、その後、クーリングパイプ3を第1空隙保持部材2aの反対側から第2空隙保持部材2bで挟み込む。このようにクーリングパイプ3を挟み込んだ状態で第2空隙保持部材2b及び第1空隙保持部材2aに複数のピン4を挿通して第1空隙保持部材2a及び第2空隙保持部材2bを互いに接合する(第1空隙保持部材と第2空隙保持部材とを互いに接合する工程)。
次に、第1空隙保持部材2a及び第2空隙保持部材2bを接合した複数のピン4のそれぞれを天然芝11に挿入し、天然芝11に空隙保持部材2を載せる(空隙保持部材を天然芝に載せる工程)。このとき、第1空隙保持部材2aから突出する複数のピン4のそれぞれを突き刺すことにより、天然芝11に対して空隙保持部材2を固定する。また、図5に示されるように、複数の空隙保持部材2のクーリングパイプ3を互いに接続させる。続いて、空隙保持部材2及びピン4に剛性部材6を載せると共に、剛性部材6の上に断熱材7を載せる(断熱剛性部材を載せる工程)。
図6(a)及び図6(b)は、野球場Gに断熱材7を敷き詰める方法の例を示す平面図である。図6(a)及び図6(b)に示されるように、野球場Gの外野に一対に設けられた出入口G1から車で複数の断熱材7が野球場Gの内部に搬入され、野球場Gの平面視の中央から断熱材7の配置が行われる。一例として、断熱材7の面積は約1m2であり、野球場Gの面積は約9000m2であるため、野球場Gには約9000枚の断熱材7が配置される。
前述したように断熱材7は軽量であり人手で運搬することができるものであるため、作業員1人あたりで1日50枚程度の断熱材7を配置することが可能である。従って、10人の作業員で断熱材7の配置を行う場合、1日に500枚の断熱材7を配置することができるので、18日程度で断熱材7の配置を完了させることができる。野球場Gの面積、及び作業員の人数によっては、10日〜15日程度で断熱材7の配置を完了させることが可能である。以上のように、野球場Gに断熱材7の配置を行った後に養生方法の一連の工程が完了する。
次に、本実施形態に係る養生構造1及び養生方法の作用効果について詳細に説明する。図3及び図4に示されるように、本実施形態に係る養生構造1及び養生方法では、空隙部2eを有する空隙保持部材2が天然芝11を覆う。従って、天然芝11の上方に空隙保持部材2の空隙部2eが設けられることにより、天然芝11の呼吸を妨げないようにすることができるので、天然芝11の生育が妨げられないようにすることができる。
また、空隙保持部材2には天然芝11を冷却するクーリングパイプ3が設けられているので、クーリングパイプ3に冷媒を供給することによって天然芝11を−5℃以上且つ0℃以下に冷却させて温度管理を適切に行うことができる。よって、天然芝11に雪を被せた状態を再現することができ、天然芝11を冬眠状態にすることができるので、冬季に天然芝11を傷めないようにすることができる。従って、春季に競技を開始するときに天然芝11を回復させることができる。
更に、クーリングパイプ3及び空隙保持部材2には断熱剛性部材5が載せられるので、断熱剛性部材5によってクーリングパイプ3及び空隙保持部材2を保護することができる。すなわち、断熱剛性部材5に荷重がかかっても空隙保持部材2及びクーリングパイプ3が潰れないようにすることができ、荷重に対する耐性を高めることができる。従って、断熱剛性部材5に上から荷重をかけても天然芝11に対する影響を抑えることができるため、天然芝11を冬眠させた状態で断熱剛性部材5の上でコンサート等のイベントを行うことができる。
また、断熱剛性部材5によってクーリングパイプ3及び空隙保持部材2が断熱されるので、クーリングパイプ3及び空隙保持部材2が外部の温度の影響を受けないようにすることができると共に、クーリングパイプ3及び空隙保持部材2の冷熱が断熱剛性部材5の外部に逃げないようにすることができる。従って、天然芝11に対する冷却作用を確実に維持することができるので、天然芝11をより確実に冬眠状態に維持することができる。
また、養生構造1は、空隙保持部材2に挿通されて天然芝11に空隙保持部材2を固定する複数のピン4を備える。複数のピン4が空隙保持部材2に挿通されることによって天然芝11に空隙保持部材2を固定して天然芝11の上で空隙保持部材2を支えることができる。従って、空隙保持部材2を天然芝11の上で支えることによって天然芝11を傷めないようにすることができると共に、天然芝11に対する空隙保持部材2の位置ずれを抑制することができる。
また、断熱剛性部材5は、空隙保持部材2の上方に位置する剛性部材6と、剛性部材6に載せられる断熱材7とを含む。空隙保持部材2の上方に設けられる剛性部材6によって、上から荷重がかかっても荷重を分散することができる。剛性部材6は、空隙保持部材2の上部で上からかかる荷重を分散するため、空隙保持部材2にかかる荷重を抑えて空隙保持部材2を保護することができる。また、剛性部材6の上部に断熱材7が設けられることにより、断熱材7を剛性部材6とは別にして軽量の断熱材7を用いることができる。従って、断熱材7の運搬及び敷設を容易に行うことができるので、天然芝11の養生作業の作業性を向上させることができる。
また、養生構造1は、断熱剛性部材5の天然芝11側の面6aに取り付けられて天然芝11に光を照射する発光素子8を更に備える。従って、発光素子8から空隙保持部材2を介して天然芝11に光を照射することにより、天然芝11に対する雪の透過光を再現することができる。よって、天然芝11にぼんやりとした青系統の光を照射して波長が短い光を天然芝11に照射することができるので、天然芝11の生育をより確実に維持することができる。
また、空隙保持部材2は、天然芝11に対向する第1空隙保持部材2aと、第1空隙保持部材2aから見て天然芝11の反対側に位置する第2空隙保持部材2bとを含んでおり、クーリングパイプ3は、第1空隙保持部材2a及び第2空隙保持部材2bの間に挟まれている。よって、第1空隙保持部材2a及び第2空隙保持部材2bの間にクーリングパイプ3を挟み込んで空隙保持部材2とクーリングパイプ3の組み立てを容易に行うことができる。従って、空隙保持部材2及びクーリングパイプ3の設置を容易に行うことができるので、天然芝11の養生作業の作業性をより向上させることができる。
また、本実施形態に係る養生方法において、クーリングパイプ3を設置する工程は、空隙保持部材2を構成する第1空隙保持部材2aと第2空隙保持部材2bとの間にクーリングパイプ3を挟み込む工程と、第1空隙保持部材2a及び第2空隙保持部材2bに複数のピン4を挿通させて第1空隙保持部材2aと第2空隙保持部材2bとを互いに接合する工程と、を含んでおり、空隙保持部材2を天然芝11に載せる工程では、天然芝11に複数のピン4を挿し込む。よって、第1空隙保持部材2aと第2空隙保持部材2bの間にクーリングパイプ3を挟み込むことにより、空隙保持部材2とクーリングパイプ3の組み立てを容易に行うことができる。
また、第1空隙保持部材2a及び第2空隙保持部材2bに複数のピン4を挿通させると共に、複数のピン4を天然芝11に挿し込むことにより、天然芝11に空隙保持部材2を固定して天然芝11の上で空隙保持部材2を支えることができる。従って、空隙保持部材2の設置を容易に行うことができると共に、天然芝11に対する空隙保持部材2の位置ずれを抑制することができる。
また、本実施形態に係る養生工程では、空隙保持部材2を天然芝11に載せる工程の前に、天然芝11に耐踏圧資材14を埋め込む工程を備える。よって、天然芝11に空隙保持部材2を設置する前に耐踏圧資材14を天然芝11に埋め込むことにより、空隙保持部材2の設置前に天然芝11の地耐力を高めることができる。従って、耐踏圧資材14を天然芝11に埋め込むことによって、荷重に対する天然芝11の耐力を高めることができる。
更に、本実施形態に係る養生構造1では、天然芝11、空隙保持部材2及びクーリングパイプ3が断熱剛性部材5と断熱材18との間に設けられている。従って、天然芝11、空隙保持部材2及びクーリングパイプ3の上下が断熱されるので、天然芝11等の温度管理を一層容易に行うことができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図7を参照しながら説明する。第2実施形態に係る養生構造は、空隙保持部材22及びクーリングパイプ23の構成が第1実施形態と異なっている。以降の説明では、第1実施形態と重複する説明を適宜省略する。図7に示されるように、第2実施形態に係るクーリングパイプ23は、空隙保持部材22の内部に挿通されている。空隙保持部材22の内部におけるクーリングパイプ23の配置は、クーリングパイプ3と同様、第2方向D2に蛇行しながら第1方向D1に延在しており、空隙保持部材22の全体にわたるように配置される。
次に、第2実施形態について図7を参照しながら説明する。第2実施形態に係る養生構造は、空隙保持部材22及びクーリングパイプ23の構成が第1実施形態と異なっている。以降の説明では、第1実施形態と重複する説明を適宜省略する。図7に示されるように、第2実施形態に係るクーリングパイプ23は、空隙保持部材22の内部に挿通されている。空隙保持部材22の内部におけるクーリングパイプ23の配置は、クーリングパイプ3と同様、第2方向D2に蛇行しながら第1方向D1に延在しており、空隙保持部材22の全体にわたるように配置される。
以上、第2実施形態に係る養生構造は、空隙保持部材22及びクーリングパイプ23を備えることにより、クーリングパイプ23に冷媒を供給して天然芝11を−5℃以上且つ0℃以下に冷却させることができる。従って、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。また、第2実施形態では、クーリングパイプ23を空隙保持部材22の内部に挿通させて空隙保持部材22及びクーリングパイプ23の設置を行うことができる。更に、空隙保持部材22の内部にクーリングパイプ23が挿通されることにより、1枚の空隙保持部材22のみを用意すればよいので部材の点数を減らすことができる。
以上、本発明に係る養生構造及び養生方法の各実施形態について説明したが、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲において変形してもよい。すなわち、養生構造の各部の形状、大きさ、材料、数及び配置態様、並びに、養生方法の各工程の内容及び順序は、上記の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、前述の実施形態では、樹脂製の立体網状構造体2cを含む空隙保持部材2について説明したが、空隙保持部材の形状及び材料は適宜変更可能である。また、耐踏圧資材の形状及び材料についても適宜変更可能である。例えば、前述した耐踏圧資材14、及び立体網状構造体2cを含む空隙保持部材2に代えて、格子状又は多角形状に分散して配置された複数の凸部を有する樹脂製の芝生保護材を空隙保持部材として備えていてもよい。この場合、上方に突出する芝生保護材の複数の凸部によって剛性部材及び断熱材を支持することができる。このように、空隙保持部材は、立体網状構造体とは異なる態様の空洞を有する空隙保持部材であってもよいし、樹脂製でない空隙保持部材であってもよい。また、空隙保持部材の数は、3枚以上であってもよく、適宜変更可能である。
また、前述の実施形態では、空隙保持部材2において第2方向D2に蛇行しながら第1方向D1に延在するクーリングパイプ3について説明した。しかしながら、空隙保持部材におけるクーリングパイプの配置態様は適宜変更可能である。また、ピン4の配置態様についても適宜変更可能である。更に、丈夫で強度が高い空隙保持部材を用いた場合には、ピン4を省略することも可能である。
また、前述の実施形態では、プラスチック板の剛性部材6、及びEPSである断熱材7について説明したが、剛性部材及び断熱材の材料及び種類は適宜変更可能である。例えば、EPSの断熱材7に代えて、XPS、PUF、PEF又はPF等の他の発泡プラスチック系断熱材を備えていてもよいし、繊維系の断熱材を備えていてもよい。更に、前述の実施形態では、断熱剛性部材5が剛性部材6及び断熱材7を含む例について説明したが、剛性部材及び断熱材が一体となった断熱剛性部材であってもよい。
また、前述の実施形態では、天然芝11が植えられた土壌Bに耐踏圧資材14、温度調整パイプ15、有孔管16、目潰し砂利17及び断熱材18が設けられる例について説明した。しかしながら、天然芝11が植えられる土壌は、耐踏圧資材14、温度調整パイプ15、有孔管16、目潰し砂利17及び断熱材18が設けられる構成に限られず、適宜変更可能である。
また、前述の実施形態では、野球場Gの天然芝11を養生する養生構造1及び養生方法について説明した。しかしながら、養生構造及び養生方法の態様は適宜変更可能である。例えば、天然芝11を冷却して天然芝11を冬眠状態としているときに土壌Bに気泡(空気又は酸素)を供給してもよい。また、養生構造及び養生方法が適用される対象は、野球場Gとは異なる形状及び大きさを備える野球場であってもよい。更に、本発明に係る養生構造及び養生方法は、野球場以外の場所にも適用可能であり、例えば、サッカー場、ラグビー場、テニスコート、ゴルフ場、若しくは陸上競技場等の他の天然芝グラウンド、又は、競技場以外の天然芝の管理が必要な場所にも適用することが可能である。
1…養生構造、2,22…空隙保持部材、2a…第1空隙保持部材、2b…第2空隙保持部材、2c…立体網状構造体、2d…樹脂部材、2e…空隙部、2f…一辺、3,23…クーリングパイプ、4…ピン、5…断熱剛性部材、6…剛性部材、6a…面、7…断熱材、8…発光素子、11…天然芝、12…砂層、13…砂利層、14…耐踏圧資材、15…温度調整パイプ、16…有孔管、17…目潰し砂利、18…断熱材、B…土壌、D1…第1方向、D2…第2方向、G…野球場、G1…出入口。
Claims (9)
- 天然芝を養生する養生構造であって、
前記天然芝を覆うと共に前記天然芝に対向する空隙部を有する空隙保持部材と、
前記空隙保持部材に設けられて前記天然芝を冷却するクーリングパイプと、
前記クーリングパイプ及び前記空隙保持部材に載せられて前記クーリングパイプ及び前記空隙保持部材を保護すると共に、前記クーリングパイプ及び前記空隙保持部材を断熱する断熱剛性部材と、
を備える養生構造。 - 前記空隙保持部材に挿通されて前記天然芝に前記空隙保持部材を固定する複数のピンを備える、
請求項1に記載の養生構造。 - 前記断熱剛性部材は、前記空隙保持部材の上方に位置する剛性部材と、前記剛性部材に載せられる断熱材とを含む、
請求項1又は2に記載の養生構造。 - 前記断熱剛性部材の前記天然芝側の面に取り付けられて前記天然芝に光を照射する発光素子を更に備える、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の養生構造。 - 前記空隙保持部材は、前記天然芝に対向する第1空隙保持部材と、前記第1空隙保持部材から見て前記天然芝の反対側に位置する第2空隙保持部材とを含んでおり、
前記クーリングパイプは、前記第1空隙保持部材及び前記第2空隙保持部材の間に挟まれている、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の養生構造。 - 前記クーリングパイプは、前記空隙保持部材の内部に挿通されている、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の養生構造。 - 天然芝を養生する養生方法であって、
空隙部を有する空隙保持部材にクーリングパイプを設置する工程と、
前記クーリングパイプが設けられた前記空隙保持部材を前記天然芝に載せる工程と、
前記クーリングパイプ及び前記空隙保持部材に、前記クーリングパイプ及び前記空隙保持部材を保護すると共に前記クーリングパイプ及び前記空隙保持部材を断熱する断熱剛性部材を載せる工程と、
を備える養生方法。 - 前記クーリングパイプを設置する工程は、
前記空隙保持部材を構成する第1空隙保持部材と第2空隙保持部材との間に前記クーリングパイプを挟み込む工程と、
前記第1空隙保持部材及び前記第2空隙保持部材に複数のピンを挿通させて前記第1空隙保持部材と前記第2空隙保持部材とを互いに接合する工程と、を含んでおり、
前記空隙保持部材を前記天然芝に載せる工程では、前記天然芝に前記複数のピンを挿し込む、
請求項7に記載の養生方法。 - 前記空隙保持部材を前記天然芝に載せる工程の前に、前記天然芝に耐踏圧資材を埋め込む工程を備える、
請求項7又は8に記載の養生方法。
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JP2018051451A JP2018166504A (ja) | 2018-03-19 | 2018-03-19 | 養生構造及び養生方法 |
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JP7355662B2 (ja) | 2020-01-22 | 2023-10-03 | 清水建設株式会社 | 競技場用天然芝の維持管理方法 |
-
2018
- 2018-03-19 JP JP2018051451A patent/JP2018166504A/ja active Pending
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