JP2018166144A - 太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法 - Google Patents

太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低熱収縮率化が必要な太陽電池モジュール用裏面保護シートを安価で、かつ短い生産リードタイムで製造する製造方法を提供する。【解決手段】巻き出し機構と加熱乾燥機構を有する装置において、プラスチックフィルム(A層)11、接着剤層13およびプラスチックフィルム(B層)12をこの順に有する積層体を巻き出し機構により繰り出し、該積層体の長手方向の熱収縮率(150℃×30分処理)が1.0%以下となるように加熱乾燥機構によりアニール処理を行うことを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シート10の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュール製造時に裏面保護シート側で突起欠点が発生せず、外観に優れた太陽電池モジュールに仕上げることができる太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法に関するものである。
太陽光発電は、半永久的で無公害のクリーンエネルギー源として実用化され、普及が進んでいる。太陽光エネルギーを直接電気に変換する単結晶シリコンや多結晶シリコンによる太陽電池素子は、実用的な電気出力を発生させるために複数個接続されて、種々の材料で封止・固定された太陽電池モジュールに加工されて使用される。一般に太陽電池モジュールは、透明表面保護シート、表面側封止材、太陽電池素子、裏面側封止材、および裏面保護シートを順次積層し、これらを真空吸引して加熱圧着する方法により製造される。太陽電池モジュールは長期間にわたって屋外に設置して使用されることが多いため、太陽電池モジュールを構成する部材には高い耐候性と耐久性が必要とされる。なかでも、裏面保護シートは、機械強度に優れ、かつ耐候性・耐加水分解性・耐久性等を備えることが必要とされており(例えば特許文献1を参照)、さらに近年の太陽電池モジュールの発電効率向上に向けたシステム電圧の高電圧化に伴い、裏面保護シートの高耐電圧化への要求が強くなっている。
裏面保護シートの耐電圧特性を向上させる技術としては、例えば特許文献2に開示されているような熱可塑性樹脂と表面抵抗値の調整により絶縁性を担保する技術や、特許文献3に開示されているように、単にシートを厚くすることで良好な絶縁性を担保する技術が提案されている。
しかしながら、太陽電池モジュール用裏面保護シートを厚くすると、太陽電池モジュール製造時のラミネート工程の熱により裏面保護シートに収縮する応力が発生し、太陽電池素子の裏面側の配線が折れ曲がったりねじれたりすることによって配線の突起が発生し、外観不良となることが問題となっている。
特開2000―164907号公報 特開2015−146411号公報 特開2015−192107号公報
本発明が解決しようとする課題は、厚いながら配線の折れや曲がりを起因とした突起による外観不良の発生のない太陽電池モジュール用裏面保護シートを、安価で、かつ短い生産リードタイムで製造する製造方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。
第1の発明は、巻き出し機構と加熱乾燥機構を有する装置において、プラスチックフィルム(A層)、接着剤層およびプラスチックフィルム(B層)をこの順に有する積層体を巻き出し機構により繰り出し、該積層体の長手方向の熱収縮率(150℃×30分処理)が1.0%以下となるように加熱乾燥機構によりアニール処理を行うことを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法である。
第2の発明は、第1巻き出し機構、塗工機構および加熱乾燥機構、並びに第2巻き出し機構により繰り出されたフィルムとの貼り合せ機構を有する装置において、プラスチックフィルム(A層)、接着剤層およびプラスチックフィルム(B層)をこの順に有する積層体を第1巻き出し機構により繰り出し、塗工機構によりB層側に接着剤を塗工し、加熱乾燥機構により接着剤を乾燥させると同時にアニール処理を行い、かかる後に第2巻き出し機構により繰り出したプラスチックフィルム(C層)と貼り合せ機構により貼り合わせることにより、長手方向の熱収縮率(150℃×30分処理)を1.0%以下とすることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法である。
第3の発明は、巻き出し機構、塗工機構および加熱乾燥機構を有する装置において、プラスチックフィルム(A層)、接着剤層およびプラスチックフィルム(B層)をこの順に有する積層体を巻き出し機構により繰り出し、塗工機構によりB層側に易接着コート剤を塗工し、加熱乾燥機構により易接着コート剤を乾燥させて易接着樹脂層(D層)を形成するのと同時にアニール処理を行うことにより、長手方向の熱収縮率(150℃×30分処理)を1.0%以下とすることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法である。
第4の発明は、第1巻き出し機構、第1塗工機構および第1加熱乾燥機構、第2巻き出し機構により繰り出されたフィルムとの貼り合せ機構、第2塗工機構および第2加熱乾燥機構、並びに第3巻き出し機構により繰り出されたフィルムとの貼り合せ機構を有する装置において、第1巻き出し機構により繰り出されたプラスチックフィルム(A層)に第1塗工機構により接着剤を塗工し、第1加熱乾燥機構により接着剤を乾燥させたのちに、第2巻き出し機構により繰り出されたプラスチックフィルム(B層)と貼り合せ機構により貼り合わせた積層体のB層側に第2塗工機構により接着剤を塗工し、第2加熱乾燥機構により接着剤を乾燥させると同時にアニール処理を行い、かかる後に第3巻き出し機構により繰り出したプラスチックフィルム(C層)と貼り合せ機構により貼り合わせることにより、長手方向の熱収縮率(150℃×30分処理)を1.0%以下とすることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法である。
第5の発明は、第1巻き出し機構、第1塗工機構および第1加熱乾燥機構、第2巻き出し機構により繰り出されたフィルムとの貼り合せ機構、並びに第2塗工機構および第2加熱乾燥工程を有する装置において、第1巻き出し機構により繰り出されたプラスチックフィルム(A層)に第1塗工機構により接着剤を塗工し、第1加熱乾燥工程により接着剤を乾燥させたのちに、第2巻き出し機構により繰り出されたプラスチックフィルム(B層)と貼り合せ機構により貼り合わせた積層体のB層側に第2塗工機構により易接着コート剤を塗工し、第2加熱乾燥機構により易接着コート剤を乾燥させて易接着樹脂層(D層)を形成するのと同時にアニール処理を行うことで、長手方向の熱収縮率(150℃×30分処理)を1.0%以下とすることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法である。
第6の発明は、前記プラスチックフィルム(A層)と前記プラスチックフィルム(B層)の長手方向の熱収縮率(150℃×30分処理)の差が0.5%以下であり、かつ前記プラスチックフィルム(A層)と前記プラスチックフィルム(B層)のTD方向の熱収縮率(150℃×30分処理)の差が0.5%以下であることを特徴とする上記の太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法である。
第7の発明は、前記プラスチックフィルム(A層)が白色化剤を含み、かつポリエステル樹脂あるいはフッ素樹脂を単体または混合物として50質量%以上含むことを特徴とする上記の太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法である。
第8の発明は、前記プラスチックフィルム(B層)がポリエステル樹脂を50質量%以上含むことを特徴とする上記の太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法である。
第9の発明は、前記プラスチックフィルム(C層)がポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂又はエチレン・ビニルアセテート共重合体を単体または混合物として50質量%以上含むことを特徴とする上記の太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法である。
第10の発明は、前記易接着樹脂層(D層)がアクリル系樹脂あるいはフッ素系樹脂を単体または混合物として50質量%以上含むことを特徴とする上記の太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法である。
本発明によれば、太陽電池モジュール用裏面保護シ−ト用フィルムの製造工程を簡略化することで製造コストを低減させ、さらには生産リードタイムの短縮や工程歩留まり(収率)の改善を図ることができる。
本発明の製造方法により製造された太陽電池モジュール用裏面保護シートの一例を示した概略断面図である。 本発明の製造方法により製造された太陽電池モジュール用裏面保護シートの一例を示した概略断面図である。 本発明の製造方法により製造された太陽電池モジュール用裏面保護シートの一例を示した概略断面図である。 本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートを使用した太陽電池モジュールの一例を示した概略断面図である。
本発明について、詳しく説明する。
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法は、加熱乾燥機構を有する種々の構成の装置において、プラスチックフィルム(A層)、接着剤層およびプラスチックフィルム(B層)をこの順に有する積層体をアニール処理する工程を有することが重要である。
(装置)
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法のための装置としては、第1巻き出し機構と塗工機構と加熱乾燥機構、次いで第2巻き出し機構から繰り出されたフィルムとの貼り合せ機構を有するラミネーターが使用でき、富士機械工業株式会社製のFL2シリーズ、FML2シリーズなどのシングルドライラミネーターが例示される。このラミネーターは、フィルム基材を支持する上流側ガイドロールと下流側ガイドロール、ならびに上流側ガイドロール/下流側ガイドロール間にフィルム基材の搬送方向と同じ方向に回転しつつフィルム基材に塗工剤を塗工する塗工ロール、および塗工ロールに塗工剤を供給する塗工ユニットから成り、さらに塗工ロールと下流側ガイドロールとの間に塗工剤の乾燥工程、次いでフィルム基材の塗工面に別のフィルム基材をラミネートするラミネートロールが配設されている。
本発明における、第1巻き出し工程と乾燥工程を有するラミネーター、あるいは第1巻き出し工程と塗工工程と乾燥工程を有するラミネーターとは上記のシングルドライラミネーターを包含するものであり、プラスチックフィルム(C層)の貼り合せ有無、または易接着樹脂層(D層)を形成有無によって、塗工工程や第2巻き出し工程を省略したものである。
また、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法のための装置としては、第1巻き出し機構と第1塗工機構と第1加熱乾燥機構、次いで第2巻き出し機構により繰り出されたフィルムとの貼り合せ機構と第2塗工機構と第2加熱乾燥機構、さらに第3巻き出し機構により繰り出されたフィルムとの貼り合せ機構を有するラミネーターが使用でき、岡崎機械工業株式会社製のタンデムドライラミネーターが商用化されている。
(シングルドライラミネーターによる太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法)
上述のシングルドライラミネーターを用いる場合、本発明におけるプラスチックフィルム(A層)、接着剤層およびプラスチックフィルム(B層)をこの順に有する積層体は、第1巻き出し部よりプラスチックフィルム(A層)を繰り出し、塗工部において接着剤を塗工し、加熱乾燥機構である乾燥オーブンにより接着剤の溶剤を乾燥させ、かかる後に第2巻き出し部より繰り出したプラスチックフィルム(B層)と貼り合わせることで作成することができる。
さらに上記で得られたプラスチックフィルム(A層)、接着剤層およびプラスチックフィルム(B層)をこの順に有する積層体をシングルドライラミネーターの第1巻き出し部に再セットして繰り出し、乾燥オーブンにより後述のアニール条件で長手方向の熱収縮率(150℃×30分処理)が1.0%以下となるようにアニール処理を行い、太陽電池モジュール用裏面保護シートを得る。
さらに、プラスチックフィルム(A層)、接着剤層およびプラスチックフィルム(B層)をこの順に有する積層体に、封止材との密着性を有するプラスチックフィルム(C層)を積層してもよく、この場合、上記で得られたプラスチックフィルム(A層)、接着剤層およびプラスチックフィルム(B層)をこの順に有する積層体をシングルドライラミネーターの第1巻き出し部にセットして繰り出し、塗工部において該積層体の一方の面に接着剤を塗工し、乾燥オーブンにより接着剤の溶剤を乾燥させると同時に、後述のアニール条件でアニール処理を行い、かかる後に第2巻き出し部より繰り出したプラスチックフィルム(C層)とニップロールにより貼り合わせて、太陽電池モジュール用裏面保護シートを得る。
あるいは、裏面保護シートと封止材の密着性を向上させるために、プラスチックフィルム(A層)、接着剤層およびプラスチックフィルム(B層)をこの順に有する積層体に、封止材との密着性を有する易接着樹脂層(D層)を塗工により設けてもよく、この場合、上記で得られたプラスチックフィルム(A層)、接着剤層およびプラスチックフィルム(B層)をこの順に有する積層体をシングルドライラミネーターの第1巻き出し部にセットして繰り出し、塗工部において、該積層体の一方の面に易接着コート剤を塗工し、乾燥オーブンにより易接着コート剤の溶剤を乾燥させ、易接着樹脂層(D層)を形成するのと同時にアニール処理を行い、太陽電池モジュール用裏面保護シートを得る。
(タンデムドライラミネーターによる太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法)
上述のタンデムドライラミネーターを用いる場合、第1巻き出し部よりプラスチックフィルム(A層)を繰り出し、第1塗工部において接着剤を塗工し、第1乾燥オーブンにより接着剤の溶剤を乾燥させ、かかる後に第2巻き出し部より繰り出したプラスチックフィルム(B層)とニップロールにより貼り合せて、プラスチックフィルム(A層)、接着剤層およびプラスチックフィルム(B層)をこの順に有する積層体を得、さらに連続する次工程に導く。
連続する次工程として、プラスチックフィルム(A層)、接着剤層およびプラスチックフィルム(B層)をこの順に有する積層体に、封止材との密着性を有するプラスチックフィルム(C層)を積層してもよく、この場合、第2塗工部において上記積層体の一方の面に接着剤を塗工し、第2乾燥オーブンにより接着剤の溶剤を乾燥させると同時に、後述のアニール条件でアニール処理を行い、かかる後に第3巻き出し部より繰り出したプラスチックフィルム(C層)とニップロールにより貼り合せて、太陽電池モジュール用裏面保護シートを得る。
あるいは連続する次工程として、プラスチックフィルム(A層)、接着剤層およびプラスチックフィルム(B層)をこの順に有する積層体に、封止材との密着性を有する易接着樹脂層(D層)を塗工により設けてもよく、この場合、第2塗工部において上記積層体の一方の面に易接着コート剤を塗工し、第2乾燥オーブンにより易接着コート剤の溶剤を乾燥させ、易接着樹脂層(D層)を形成するのと同時にアニール処理を行い、太陽電池モジュール用裏面保護シートを得る。
(アニール処理)
本発明におけるアニール処理の目的は、裏面保護シートを構成するプラスチックフィルム(A層)、接着剤層およびプラスチックフィルム(B層)をこの順に有する積層体の残留歪みを除去し、裏面保護シートの加熱による収縮を低減させることである。アニール処理工程では、乾燥オーブンの中に設置されたヒーターで加熱しながら、複数の搬送ローラーの上にプラスチックフィルムを通すなどの方法が挙げられる。
アニール処理のためのヒーターは、被処理体を加熱できるものであれば特に限定されず、セラミックスヒーター、ステンレスヒーター、シーズヒーターなど、公知のものを用いることができる。 またアニール処理のための搬送ローラーは、加熱された被処理体を搬送するため、離型性に優れていることが必要である。そのため、エンボス加工や金属や金属酸化物などの化合物を溶射することにより表面に凹凸を設けた金属ローラーや、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロエチレンプロピレンコポリマー(FEP)、パーフルオロエチレン・(アルコキシアルカン)コポリマー(PFA)等のフッ素樹脂をコーティングしたものを用いたり、離形性のコーティング処理をした紙やフィルムなどを金属ローラーの表面に巻き付けたものを用いても良い。これらの離形性の付与方法は、特に限定する必要はなく、従来公知の方法を用いることができる。また、乾燥オーブン内の搬送ローラーは、該積層体の収縮に併せて、その速度を個別に制御することが加熱による収縮を低減するためには好ましい。
アニール処理における雰囲気温度は後述の加熱時間にもよるが、被処理体の少なくとも一方の表面の最高温度を、太陽電池モジュールの熱ラミネート温度付近、すなわち130〜145℃まで加熱することができる温度とすることが好ましい。最高温度が太陽電池モジュールの熱ラミネート温度を大きく下回る、すなわち130℃未満の場合は、アニール処理を実施しても、加熱による収縮を低減する効果が不十分であったり、長時間のアニール処理が必要となってしまう。一方、アニール処理中の温度が高くなり過ぎると、プラスチックフィルムが搬送ローラーに粘着したり、平面性が低下したり、それらを原因としてシワが発生する場合がある。
アニール処理における被処理体の加熱時間、すなわち乾燥オーブン内に被処理体を滞留させる時間は、20〜50秒の範囲とすることが好ましい。乾燥オーブン内に滞留する時間は、該被処理体の表面温度がアニール処理に効果的な温度130〜145℃の範囲に到達するための加熱時間と、前記温度に到達後に加熱による収縮を低減するためのアニール処理時間との合計である。加熱時間が20秒を下回ると、加熱による収縮の除去が不十分となり、加熱時間の下限は22秒以上がより好ましく、さらに好ましくは25秒以上である。また加熱時間が50秒を超えて加熱しても、効果は飽和しており、乾燥オーブン長がいたずらに長くなるだけである。加熱時間の上限は、加熱収縮の除去が十分にできている限りにおいて短い方がよく、45秒以下がより好ましく、さらに好ましくは40秒以下である。
また乾燥オーブン出口の張力は、被処理体の厚さ、搬送速度によって設定する必要があるが、低張力のほうがアニール処理による、とくに長手方向の熱収縮率の低減効果が高く、該被処理体の搬送性に問題ない範囲で、低張力とすることが好ましい。
本発明において、プラスチックフィルム(A層)、接着剤層およびプラスチックフィルム(B層)をこの順に有する積層体をアニール処理する際に、該積層体を構成するプラスチックフィルム(A層)とプラスチックフィルム(B層)の長手方向の熱収縮率(150℃×30分処理)の差が0.5%以内であり、かつプラスチックフィルム(A層)とプラスチックフィルム(B層)の幅方向の熱収縮率(150℃×30分処理)の差が0.5%以内であることが好ましい。プラスチックフィルム(A層)とプラスチックフィルム(B層)の長手方向および幅方向の熱収縮率を上記の範囲にすることで、該積層体をアニール処理した後の、長手方向および幅方向のカールを低減させることができ、アニール処理時の搬送性が良好で、また太陽電池モジュール製造時に、裏面保護シートのハンドリング性を向上させることができる。
(プラスチックフィルム(A層))
本発明において、プラスチックフィルム(A層)は白色化剤を含み、かつポリエステル樹脂あるいはフッ素樹脂を単体または混合物として50質量%以上含むことが好ましい。これによりプラスチックフィルム(A層)に耐光性、耐紫外線性を好ましく付与することができ、本発明による裏面保護シートが太陽電池モジュールに組み込まれた後、A層側からの光照射による裏面保護シートの劣化を抑制することができる。
プラスチックフィルム(A層)に含まれる白色化剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、リン酸カルシウム、アルミナ、マイカ、雲母チタン、タルク、クレー、カオリン、フッ化リチウム、およびフッ化カルシウム等などを用いることが可能である。これらの中でも、耐候性および光の拡散性などの観点から酸化チタンを用いることが好ましい。
プラスチックフィルム(A層)に用いられるポリエステル樹脂はポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートが好ましく用いられ、特にポリエチレンテレフタレートは、耐水性、耐久性および耐薬品性などに優れており、最も好ましく用いられる。
また、プラスチックフィルム(A層)に用いられるフッ素樹脂は、樹脂を形成する全原子100モル%中、フッ素原子を20モル%以上含む樹脂のことをいい、例えば、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、パーフルオロエチレンプロピレンコポリマー(FEP)等を単独で又は複数種類を混合して用いることができる。中でも、太陽電池モジュールとしたときの長期耐久性の観点から、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンを用いることが好ましい。
本発明に用いられるプラスチックフィルム(A層)の厚さは、25μm以上100μm以下が好ましく、30μm以上75μm以下がより好ましく、これにより、裏面保護シートが長期にわたり屋外使用されるのに十分な耐光性、耐紫外線性を付与することができる。
本発明におけるプラスチックフィルム(A層)は、具体的には、ポリエステル樹脂層と、白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層とが共押し出し成形されてなる、白色耐加水分解性二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである、東レ(株)製“ルミラー”(登録商標)MX11(厚さ50μm、75μm)やMG13(厚さ50μm、75μm)、MX70(厚さ38μm)を用いることができる。また、白色ポリフッ化ビニル(PVF)フィルムである、デュポン社製“テドラー”(登録商標)PV2001(厚さ37.5μm)やPV2111(厚さ25μm)、あるいは白色ポリフッ化ビニリデン(PVDF)フィルムである、アルケマ社製“カイナー”(登録商標)フィルム(厚さ30μm)等を用いることができる。
(プラスチックフィルム(B層))
本発明において、プラスチックフィルム(B層)はポリエステル樹脂を50質量%以上含むことが好ましい。これによりプラスチックフィルム(B層)に機械特性、電気絶縁性を好ましく付与することができ、太陽電池モジュール製造時の裏面保護シートのハンドリング性が良好となり、また裏面保護シートが太陽電池モジュールに組み込まれた後、裏面保護シートの電気絶縁性を発現させることができる。
プラスチックフィルム(B層)に用いられるポリエステル樹脂はポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートが好ましく用いられ、特にポリエチレンテレフタレートは、耐水性、耐久性および耐薬品性などに優れており、最も好ましく用いられる。
またプラスチックフィルム(B層)に用いられるポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂と非相溶ポリマー(ポリエステル樹脂に対して)を含むポリエステル樹脂組成物としてもよい。ポリエステル樹脂中に、非相溶ポリマーを細かく分散させ、それを延伸(例えば、二軸延伸)することにより、この非相溶ポリマーの周りに空洞が形成され、ポリエステル樹脂と空洞との屈折率差により、太陽電池モジュール正面から裏面保護シートに入射した太陽光を効率的に反射させることが可能である。
本発明に用いられるプラスチックフィルム(B層)の厚さは、100μm以上250μm以下が好ましく、150μm以上200μm以下がより好ましく、これにより、裏面保護シートが長期にわたり屋外使用されるのに十分な耐久性を付与することができる。
本発明におけるプラスチックフィルム(B層)は、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである東レ(株)製“ルミラー”(登録商標)S10(厚さ125μm、250μm)、耐加水分解性二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである東レ(株)製“ルミラー”(登録商標)X10S(厚さ125μm、188μm)、ポリエステル樹脂層と白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層とが共押し出し成形されてなる、白色中耐加水分解性二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである東レ(株)製“ルミラー”(登録商標)MX40(厚さ160μm)、白色化剤が添加されたポリエステル樹脂層と非相溶ポリマーが添加されたポリエステル樹脂層が共押し出し成形されてなる高反射耐加水分解性二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである東レ(株)製“ルミラー”(登録商標)MX07(厚さ160μm)等を用いることができる。
(接着剤層)
本発明におけるプラスチックフィルム(A層)とポリエステルフィルム(B層)を積層し、積層体に加工する手法は、本発明における塗工機構および貼り合せ機構によるものであるが、具体的な方法としては、公知のドライラミネート法が利用できる。ドライラミネート法とは、1方の巻き出し機構から繰り出されたフィルムに塗工機構によりドライラミネート用接着剤を塗布し、加熱乾燥機構により溶剤を揮発させることで接着剤を乾燥させ、他方の巻き出し機構から繰り出されたフィルムと貼り合せ機構により加圧接合する方法である。ドライラミネート法を用いた樹脂フィルムの貼り合わせには、ポリエーテルポリウレンタン系樹脂、ポリエステルポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエポキシ系樹脂などの主剤とポリイソシアネート系の硬化剤とを含有成分とする公知のドライラミネート用接着剤を用いることができる。ただし、これらの接着剤を用いて形成される接着剤層には、接着強度が長期間の屋外使用で劣化することに起因する剥離を生じないこと、外観の悪化や光線反射率の低下につながる黄変を生じないことなどが必要である。また、接着剤層の厚さとしては、好ましくは1〜10μmの範囲である。1μm未満であると十分な接着強度が得られ難い場合がある。一方、10μmを越えると接着剤塗工のスピードが上がらず、さらには接着剤使用量が増加し生産コストの上昇につながる。塗工機構としては種々の方法を適用することができ、例えば、ロールコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、ダイコーティング法およびグラビアロールコーティング法等や、これらを組み合わせた方法を利用することができる。中でも、グラビアロールコーティング法は、接着剤層を安定して形成することができ一般的で好ましい。
(プラスチックフィルム(C層))
本発明におけるプラスチックフィルム(C層)は、プラスチックフィルム(A層)、接着剤層およびプラスチックフィルム(B層)をこの順に有する積層体のいずれか一方の面に積層され、裏面保護シートを形成する。これにより表面保護シート、表面側封止材、太陽光発電素子、裏面側封止材、および裏面保護シートをこの順に積層し、加熱圧着成型により一体化する太陽電池モジュールの製造過程において、裏面保護シートと裏面側封止材との密着性を向上させることができる。
封止材としては、例えば、アイオノマー樹脂、エチレン・ビニルアセテート共重合体(EVA)、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリウレタンおよび変性ポリオレフィンなどが挙げられる。これらの中では、耐候性や他部材との密着性および部材コストの観点からEVAが好ましく用いられる。
本発明におけるプラスチックフィルム(C層)は、C層を構成する全成分を100質量%としたときに、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂あるいはエチレン・ビニルアセテート共重合体を単体または混合物として50質量%以上含むことが好ましい。ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂あるいはエチレン・ビニルアセテート共重合体はいずれも一般的に太陽電池モジュール用裏面側封止材に用いられる樹脂との密着性に優れているため、太陽電池モジュールを製造する際に、プラスチックフィルム(C層)と裏面側封止材とを直接積層することができ、太陽電池モジュール用裏面保護シートと裏面側封止材との密着がより強固になる。とりわけ耐候性や水蒸気バリア性の観点から、ポリエチレン系樹脂を50質量%以上含むことが好ましい。
プラスチックフィルム(C層)と、プラスチックフィルム(A層)、接着剤層およびプラスチックフィルム(B層)をこの順に有する積層体に積層する手法としては、上述と同じ公知のドライラミネート法が利用できる。
なお、プラスチックフィルム(A層)が白色化剤を含み、かつポリエステル樹脂あるいはフッ素樹脂を単体または混合物として50質量%以上含むフィルムであり、プラスチックフィルム(B層)がポリエステル樹脂を50質量%以上含むフィルムである場合、プラスチックフィルム(C層)は、プラスチックフィルム(A層)、接着剤層およびプラスチックフィルム(B層)をこの順に有する積層体のプラスチックフィルム(B層)側に貼り合せることが好ましい。これにより本発明により製造される裏面保護シートが太陽電池モジュールに組み込まれた際、プラスチックフィルム(A層)が最外層となりA層側からの光照射による裏面保護シートの劣化を抑制することができる。
(易接着樹脂層(D層))
本発明における易接着樹脂層(D層)は、プラスチックフィルム(A層)、接着剤層およびプラスチックフィルム(B層)をこの順に有する積層体のいずれか一方の面に積層され、裏面保護シートを形成する。これにより太陽電池モジュールの製造過程において、裏面保護シートと裏面側封止材との密着性を向上させることができる。
本発明における易接着樹脂層(D層)はアクリル系樹脂またはフッ素系樹脂を単体または混合物として50質量%以上含むことが好ましい。
アクリル系樹脂としては、アクリル樹脂、アクリルポリオール共重合体、アクリル・ウレタン共重合体などが用いられる。例えば“アクリナール”(東栄化成(株)製)、“アクリット”(大成ファインケミカル(株)製)、“ヒタロイド”(日立化成工業(株)製)、“アクリディック”(DIC(株)製)、“ユーダブル”((株)日本触媒製)、“ダイヤナール”(三菱レイヨン(株)製)などが挙げられる。ポリウレタン系樹脂としては、例えば、“サンプレン”(三洋化成工業(株)製)、“タケラック”(三井化学(株)製)、TA(日立化成ポリマー(株)製)、“セイカボンド”(大日精化工業(株)製)などが挙げられる。
フッ素系樹脂としては、構成単位の観点から、例えばパーフルオロオレフィン単位を主体とするパーフルオロオレフィン系樹脂が挙げられる。具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロエチレンプロピレンコポリマー(FEP)、パーフルオロエチレン・(アルコキシアルカン)コポリマー(PFA)を主体としたもの、さらにはこれらと共重合可能な他の単量体との共重合体などが挙げられる。これらのうち、テトラフルオロエチレンを主体とするフッ素系樹脂が、顔料分散性や耐候性、共重合性、耐薬品性に優れている点で好ましく、例えばダイキン工業(株)製の“ゼッフル”GKシリーズなどが例示できる。これらフッ素系樹脂は難燃性にも優れるため、太陽電池裏面保護シート用フィルムの難燃性を向上させる効果もある。
本発明における易接着樹脂層(D層)の厚さは0.2〜10μmが好ましく、さらに好ましくは1〜5μmである。この易接着樹脂層(D層)を塗布方法により形成する場合、易接着樹脂層(D層)の厚さが0.2μm未満であると、塗工時にはじきや膜切れといった現象を生じ易く、均一な塗膜を形成し難いために、プラスチックフィルム(A層)、接着剤層およびプラスチックフィルム(B層)をこの順に有する積層体と封止材間の密着強度が十分に発現しない場合がある。一方、易接着樹脂層(D層)の厚さが10μmを越えると、密着強度は十分に発現するが、塗布方法に制約を生じる、生産コストが高くなる、搬送ロールへの塗膜粘着やそれに伴う塗膜の剥がれ等を生じ易くなるなどの点が懸念される。
本発明における易接着樹脂層(D層)を塗布方法により形成するためのコーティング液の溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メタノール、エタノールおよび水等を例示することができ、該コーティング液の性状としてはエマルジョン型および溶解型のいずれでも良い。
易接着樹脂層(D層)を、プラスチックフィルム(A層)、接着剤層およびプラスチックフィルム(B層)をこの順に有する積層体の上に形成する方法は本発明における塗工機構によるものであるが、具体的な方法としては特に制限されるべきものではなく、公知の塗布手法を用いることができる。塗布手法としては、種々の方法を適用することができ、例えば、ロールコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、ダイコーティング法およびグラビアロールコーティング法等や、これらを組み合わせた方法を利用することができる。中でも、グラビアロールコーティング法は、易接着樹脂層(D層)を安定して形成することができ一般的で好ましい。
なお、プラスチックフィルム(A層)が白色化剤を含み、かつポリエステル樹脂あるいはフッ素樹脂を単体または混合物として50質量%以上含むフィルムであり、プラスチックフィルム(B層)がポリエステル樹脂を50質量%以上含むフィルムである場合、易接着樹脂層(D層)は、プラスチックフィルム(A層)、接着剤層およびプラスチックフィルム(B層)をこの順に有する積層体のプラスチックフィルム(B層)側に形成することが好ましい。これにより本発明により製造される裏面保護シートが太陽電池モジュールに組み込まれた際、プラスチックフィルム(A層)が最外層となりA層側からの光照射による裏面保護シートの劣化を抑制することができる。
次に、実施例を挙げて、具体的に本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法について説明する。
(特性の評価方法)
本発明で用いた特性の評価方法は、下記のとおりである。
(1)熱収縮率
プラスチックフィルム(A層)、プラスチックフィルム(B層)または得られた太陽電池モジュール用裏面保護シートを長手(MD)方向、幅(TD)方向の熱収縮率測定用に以下の短冊状サイズでカットする。長手方向測定用(MD250mm×TD25mm)、幅方向測定用(MD25mm×TD250mm)。熱処理前の寸法として、(株)ミツトヨ製のデジタルノギスを用いてに250mm長の寸法を測定した。本短冊状シートを、タバイエスペック(株)製P−212オーブンにて150℃、30分の熱処理を行い、熱処理後の寸法を同様に測定した。熱処理前の寸法をA、熱処理後の寸法をBとし、((A−B)/A)×100(%)にて得られる数値を熱収縮率とした。
(2)アニール処理時のフィルム表面温度(ヒートラベル)
積層体の表面温度(最高到達温度)は、積層体の表面にヒートラベル(ミクロン(株)製、品番:CR−DもしくはCR−E)を貼付し、アニール処理後のラベルの変色を確認した。完全変色を示したインジケータ窓部の下に表記されている数値を、積層体の表面温度とした。
(3)カール
得られた太陽電池モジュール用裏面保護シートを切断して1m×1.6mサイズのシートとし、このシートを23±5℃、50±10%RH環境下で24時間保管後、裏面保護シートが上側にカールするように平坦面にのせて、平坦面から4つの頂点までの反り高さをノギスで測定し、その平均値をカール値とし、以下の基準に基づいて○および△のものを合格とした。
○:カールが7cm未満
△:カールが7cm以上、10cm未満
×:カールが10cm以上。
(4)擬似太陽電池モジュール製造方法
厚さ3.2mm、971mm×1475mmの白板ガラス(旭硝子(株)製)の上に厚さ0.45mmのEVAシート(SKC Co., Ltd製「EF−3N」)を1枚重ねた。
6インチ太陽電池素子は3mm間隔で9枚並べ、厚さ0.24mm、幅1.5mmの配線で接続した後に、前述のEVAシート上にセットした。同様の手順で太陽電池素子9枚を作製し、先にセットした太陽電池素子と重ならない様な位置にもう1セットの太陽電池素子を並べた。2セットの太陽電池素子9枚の上に前述のEVAシートをもう1枚重ね、さらにその上から太陽電池モジュール用裏面保護シート(以下、裏面保護シートと記載する場合もある)を積層した状態で、(株)JET製フルサイズ真空ラミネーター装置を用いて熱板設定温度を160℃、真空時間5分20秒、100kPaで10秒間プレスした。その後、熱板設定温度を160℃、真空時間12秒、100kPaで5分間プレスし、擬似太陽電池モジュールを作製した。
(5)配線突起高さ確認方法
前述の方法で作製した擬似太陽電池モジュールの裏面保護シート側を上側にした状態で、配線の突起箇所に(株)タミヤ製メイクアップ材「光硬化パテ87076」を塗りつけ、およそ5分硬化させた。5分硬化後、硬化したパテを取り除き、突起によってできたパテの窪み部分をレーザー顕微鏡((株)キーエンス製VK−8700)を用いて観察し、配線突起高さとした。
該方法にて3箇所の配線突起高さを測定した後、平均値で代表させ、以下の基準に基づいて○および△のものを合格とした。
○:配線突起高さが40μm未満
△:配線突起高さが40μm以上、70μm未満
×:配線突起高さが70μm以上。
(易接着コート剤1の調製)
アクリル系共重合ポリマーとブロックイソシアネート化合物を含有する東洋インキSCホールディングス(株)製コーティング剤PRC−112W(固形分濃度:30質量%)100重量部と希釈剤として酢酸n−ブチルを20重量部配合し、15分間攪拌することにより耐光性の易接着コート剤1(固形分濃度25質量%)を得た。
(易接着コート剤2の調製)
水酸基含有テトラフルオロエチレン系共重合樹脂と無機顔料として配合された酸化チタンを含むダイキン工業(株)製のコーティング剤“ゼッフル”GK570白(固形分濃度:65質量%)100重量部、ヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート樹脂である住化バイエル社製“デスモジュール”N3300(固形分濃度:100質量%)4重量部および希釈剤として酢酸n−ブチルを126重量部配合し、15分間攪拌することにより耐光性の易接着コート剤2(固形分濃度30質量%)を得た。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
第1巻き出し部、塗工部および乾燥オーブン、並びに第2巻き出し部から繰り出されたフィルムとの貼り合せのためのニップロールを有するシングルドライラミネーターを用いた。
プラスチックフィルム(A層)として、白色耐加水分解性二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである東レ(株)製“ルミラー”(登録商標)MX11(厚さ75μm、幅1000mm、長さ4000m、熱収縮率(150℃×30分処理):1.6%(MD方向)、0.0%(TD方向))を用い、第1巻き出し部にセットした。またプラスチックフィルム(B層)として、高反射耐加水分解性二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである東レ(株)製“ルミラー”(登録商標)MX07(厚さ160μm、幅1000mm、長さ2000m、熱収縮率(150℃×30分処理):1.4%(MD方向)、0.2%(TD方向))を用い、第2巻き出し部にセットした。塗工部には、接着剤として、ウレタン系接着剤(東洋モートン(株)製「AD503」)10重量部とイソシアネート系硬化剤(同社製「CAT−10」)1重量部の混合物に、溶剤として酢酸エチル10重量部、トルエン10重量部を室温で撹拌しながら混合し、均一な溶液とした接着剤溶液を充填した。
第1巻き出し部からMX11をライン速度80m/分で繰り出し、次いで塗工部において、乾燥後の塗工量が5g/mとなるようにグラビアロールを用いて接着剤を塗工し、次いで最高温度80℃に調整された熱風乾燥オーブン中を約12秒かけて通過させ、溶剤を揮発、乾燥させた。その後、第2巻き出し部から繰り出したMX07とニップロール間で貼り合わせ加工したのち、巻き取り部でロール状に巻き取った。1回の加工シリーズで72,000mの加工を行い、収率98%、要した時間は15時間であった。
上記で得られたロール状物を、40℃エージング庫にて48時間硬化エージングし、MX11、接着剤層、MX07をこの順に有する積層体を得た。
次に、上記で得られた積層体を第1巻き出し部にセットし、ライン速度40m/分で繰り出し、最高温度190℃に調整された熱風乾燥オーブン中を約24秒かけて通過させ、アニール処理を行ったのち巻き取り部でロール状に巻き取り、MX11、接着剤層およびMX07をこの順に有する積層体からなる裏面保護シートを得た。収率99%、要した時間は29時間であり、またアニール処理時の積層体表面温度は138℃、得られた裏面保護シートのMD方向の熱収縮率(150℃×30分処理)は0.6%であった。
全工程に要した日数は約4.5日間であった。またラミネーターを通過(巻き出し〜巻き取り)させた回数は2回、得られた裏面保護シートの、MX11/MX07加工長に対する収率は97%であった。
(実施例2)
実施例1と同じ手順でMX11、接着剤層およびMX07をこの順に有する積層体を得た。1回の加工シリーズで72,000mの加工を行い、収率98%、要した時間は15時間であった。
次に、上記で得られた積層体を第1巻き出し部にセットし、またプラスチックフィルム(C層)として、白色ポリエチレンフィルムであるタマポリ(株)製SE625NWT(厚さ150μm、幅1000mm、長さ2000mを用い、第2巻き出し部にセットした。塗工部には、実施例1と同様の、均一な溶液とした接着剤溶液を充填した。
第1巻き出し側から上記積層体をライン速度40m/分で繰り出し、塗工部において、該積層体のMX07側(B層側)に、乾燥後の塗工量が5g/mとなるようにグラビアロールを用いて接着剤を塗工し、最高温度190℃に調整された熱風乾燥オーブン中を約24秒かけて通過させ、溶剤を揮発、乾燥させると同時にアニール処理を行い、その後、第2巻き出し部から繰り出したSE625NWTとニップロール間で貼り合わせ加工したのち、巻き取り部でロール状に巻き取った。収率97%、要した時間は29時間であった。またアニール処理時の積層体表面温度は138℃であった。
上記で得られたロール状物を、40℃エージング庫にて48時間硬化エージングし、MX11、接着剤層、MX07、接着剤層およびSE625NWTをこの順に有する太陽電池モジュール用裏面保護シートを得た。得られた裏面保護シートのMD方向の熱収縮率(150℃×30分処理)が0.6%であった。
全工程に要した日数は約6.7日間であった。またラミネーターを通過(巻き出し〜巻き取り)させた回数は2回、得られた裏面保護シートの、MX11/MX07加工長に対する収率は95%であった。
(実施例3)
実施例1と同じ手順でMX11、接着剤層およびMX07をこの順に有する積層体を得た。1回の加工シリーズで72,000mの加工を行い、収率98%、要した時間は15時間であった。
次に、上記で得られた積層体を第1巻き出し部にセットし、また塗工部には、易接着コート剤1を充填した。
第1巻き出し部から上記積層体をライン速度40m/分で繰り出し、次いで塗工部にて、該積層体のMX07側(B層側)に、乾燥後の塗工量が3g/mとなるようにグラビアロールを用いて易接着コート剤1を塗工し、次いで最高温度190℃に調整された熱風乾燥オーブン中を約24秒かけて通過させ、溶剤を揮発、乾燥させ、易接着樹脂層(D層)を形成させるのと同時にアニール処理を行ったのち、巻き取り部でロール状に巻き取った。収率97%、要した時間は29時間であった。またアニール処理時の積層体表面温度は138℃であった。
上記で得られたロール状物を、40℃エージング庫にて48時間硬化エージングし、MX11、接着剤層、MX07および易接着樹脂層(D層)をこの順に有する太陽電池モジュール用裏面保護シートを得た。得られた裏面保護シートのMD方向の熱収縮率(150℃×30分処理)が0.6%であった。
全工程に要した日数は約6.7日間であった。またラミネーターを通過(巻き出し〜巻き取り)させた回数は2回、得られた裏面保護シートの、MX11/MX07加工長に対する収率は95%であった。
(実施例4)
実施例1と同じ手順でMX11、接着剤層、MX07をこの順に有する積層体を得た。1回の加工シリーズで72,000mの加工を行い、収率98%、要した時間は15時間であった。
次に、上記で得られた積層体を第1巻き出し部にセットし、ライン速度60m/分で繰り出した以外は、実施例2と同様の手順で裏面保護シートを得た。収率97%、要した時間は20時間であった。またアニール処理時の積層体表面温度は132℃であった。
全工程に要した日数は約6.4日間であった。またラミネーターを通過(巻き出し〜巻き取り)させた回数は2回、得られた裏面保護シートの、MX11/MX07加工長に対する収率は95%であった。
得られた裏面保護シートのMD方向の熱収縮率(150℃×30分処理)が0.9%であった。MD方向の熱収縮率が高めであったが、太陽電池モジュール背面の配線突起は実用上許容できるレベルであった。
(実施例5)
プラスチックフィルム(B層)として、MX07に代えて、耐加水分解性二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、東レ(株)製“ルミラー”(登録商標)X10S(厚さ188μm、幅1000mm、長さ2000m、熱収縮率(150℃×30分処理):1.9%(MD方向)、0.9%(TD方向))を用いた以外は実施例2と同様に太陽電池モジュール用裏面保護シートを得た。
全工程に要した日数は約6.7日間であった。またラミネーターを通過(巻き出し〜巻き取り)させた回数は2回、得られた裏面保護シートの、MX11/X10S加工長に対する収率は95%であった。
得られた裏面保護シートのMD方向の熱収縮率(150℃×30分処理)が0.7%であった。アニール処理によるX10Sの収縮量が大きいため、得られた裏面保護シートのカールが大きめであったが、太陽電池モジュール製造時の裏面保護シートのハンドリング性は許容レベルであった。
(実施例6)
第1巻き出し部と第1塗工部と第1乾燥オーブン、次いで第2巻き出し部から繰り出されたフィルムとの貼り合わせのためのニップロール、第2塗工部と第2乾燥オーブン、さらに第3巻き出し部から繰り出されたフィルムとの貼り合わせのためのニップロールを有するタンデムドライラミネーターを用いた。
プラスチックフィルム(A層)として、デュポン社製白色ポリフッ化ビニル(PVF)フィルム “テドラー”(登録商標)PV2001(厚さ37.5μm、幅1000mm、長さ8000m、熱収縮率(150℃×30分処理):4.5%(MD方向)、0.0%(TD方向))を用い、第1巻き出し部にセットした。またプラスチックフィルム(B層)として、東レ(株)製二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム“ルミラー”(登録商標)S10(厚さ250μm、幅1000mm、長さ1000m、熱収縮率(150℃×30分処理):0.9%(MD方向)、0.4%(TD方向))、を用い、第2巻き出し部にセットした。さらにプラスチックフィルム(C層)として、タマポリ(株)製白色ポリエチレンフィルムSE625NWT(厚さ150μm、幅1000mm、長さ2000mを用い、第3巻き出し部にセットした。第1塗工部および第2塗工部には、実施例1と同様の、均一な溶液とした接着剤溶液を充填した。
第1巻き出し部からPV2001をライン速度40m/分で繰り出し、第1塗工部において、乾燥後の塗工量が5g/mとなるようにグラビアロールを用いて接着剤を塗工し、次いで第1乾燥オーブンにより、最高温度80℃に調整された雰囲気中を約24秒かけて通過させ、溶剤を揮発、乾燥させた。その後、第2巻き出し部から繰り出したS10とニップロール間で貼り合わせ加工したのち、引き続き第2塗工部にてS10側に、乾燥後の塗工量が5g/mとなるようにグラビアロールを用いて接着剤を塗工し、溶剤を揮発、乾燥させると同時にアニール処理を行い、その後、第3巻き出し側から繰り出したSE625NWTとニップロール間で貼り合わせ加工したのち、巻き取り部でロール状に巻き取った。1回の加工シリーズで72,000mの加工を行い、収率97%、要した時間は30時間であった。またアニール処理時の積層体表面温度は138℃であった。
上記で得られたロール状物を、40℃エージング庫にて48時間硬化エージングし、PV2001、接着剤層、S10、接着剤層およびSE625NWTをこの順に有する積層体からなる裏面保護シートを得た。
得られた裏面保護シートのMD方向の熱収縮率(150℃×30分処理)が0.8%であった。アニール処理によるPV2001の収縮量が大きいため、得られた裏面保護シートのカールが大きめであったが、太陽電池モジュール製造時の裏面保護シートのハンドリング性は許容レベルであった。
全工程に要した日数は約3.7日間であった。またラミネーターを通過(巻き出し〜巻き取り)させた回数は1回、得られた裏面保護シートの、PV2001/S10加工長に対する収率は97%であった。
(実施例7)
実施例6と同じ手順で、第1巻き出し側からPV2001をライン速度40m/分で繰り出し、次いで第1塗工部において、乾燥後の塗工量が5g/mとなるようにグラビアロールを用いて接着剤を塗工し、次いで第1乾燥オーブンにより、最高温度80℃に調整された雰囲気中を約24秒かけて通過させ、溶剤を揮発、乾燥させた。その後、第2巻き出し部から繰り出したS10とニップロール間で貼り合わせ加工したのち、引き続き第2塗工部にてS10側に、乾燥後の塗工量が10g/mとなるようにグラビアロールを用いて易接着コート剤2を塗工し、次いで第2乾燥オーブンにより、最高温度190℃に調整された雰囲気中を約24秒かけて通過させ、溶剤を揮発、乾燥させ、易接着樹脂層(D層)を形成させるのと同時にアニール処理を行ったのち、巻き取り部でロール状に巻き取った。1回の加工シリーズで72,000mの加工を行い、収率97%、要した時間は30時間であった。またアニール処理時の積層体表面温度は138℃であった。
上記で得られたロール状物を、40℃エージング庫にて48時間硬化エージングし、PV2001、接着剤層、S10および易接着樹脂層(D層)をこの順に有する太陽電池モジュール用裏面保護シートを得た。得られた裏面保護シートのMD方向の熱収縮率(150℃×30分処理)が0.8%であった。アニール処理によるPV2001の収縮量が大きいため、得られた裏面保護シートのカールが大きめであったが、太陽電池モジュール製造時の裏面保護シートのハンドリング性は許容レベルであった。
全工程に要した日数は約3.7日間であった。またラミネーターを通過(巻き出し〜巻き取り)させた回数は1回、得られた裏面保護シートの、PV2001/S10加工長に対する収率は97%であった。
(比較例1)
実施例1と同じ、シングルドライラミネーターを用いた。
プラスチックフィルム(A層)として、白色耐加水分解性二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである東レ(株)製“ルミラー”(登録商標)MX11(厚さ75μm、幅1000mm、長さ4000m、熱収縮率(150℃×30分処理):1.6%(MD方向)、0.0%(TD方向))を第1巻き出し部にセットし、ライン速度40m/分で繰り出し、最高温度190℃に調整された乾燥オーブン中を約24秒かけて通過させてアニール処理を行い、その後、巻き取り部でロール状に巻き取った。1回の加工シリーズで72,000mの加工を行い、収率99%、要した時間は30時間であった。アニール処理時のフィルム表面温度は138℃であり、MX11アニール処理品のMD方向の熱収縮率(150℃×30分処理)は0.6%であった。
次いで、プラスチックフィルム(B層)として、高反射耐加水分解性二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである東レ(株)製“ルミラー”(登録商標)MX07(厚さ160μm、幅1000mm、長さ2000m、熱収縮率(150℃×30分処理):1.4%(MD方向)、0.2%(TD方向))を用い、第1巻き出し部にセットし、ライン速度40m/分で繰り出し、最高温度190℃に調整された乾燥オーブン中を約24秒かけて通過させてアニール処理を行い、その後、巻き取り部でロール状に巻き取った。1回の加工シリーズで72,000mの加工を行い、収率99%、要した時間は30時間であった。アニール処理時のフィルム表面温度は138℃であり、MX07アニール処理品のMD方向の熱収縮率(150℃×30分処理)は0.6%であった。
MX11アニール処理品を第1巻き出し部にセットし、MX07アニール処理品を第2巻き出し部にセットした。塗工部には、接着剤として、ウレタン系接着剤(東洋モートン(株)製「AD503」)10重量部とイソシアネート系硬化剤(同社製「CAT−10」)1重量部の混合物に、溶剤として酢酸エチル10重量部、トルエン10重量部を室温で撹拌しながら混合し、均一な溶液とした接着剤溶液を充填した。
第1巻き出し部からMX11アニール処理品をライン速度80m/分で繰り出し、次いで塗工部において、乾燥後の塗工量が5g/mとなるようにグラビアロールを用いて接着剤を塗工し、次いで最高温度80℃に調整された乾燥オーブン中を約12秒かけて通過させ、溶剤を揮発、乾燥させた。その後、第2巻き出し部から繰り出したMX07アニール処理品とニップロール間で貼り合わせ加工したのち、巻き取り部でロール状に巻き取った。収率98%、要した時間は15時間であった。
上記で得られたロール状物を、40℃エージング庫にて48時間硬化エージングし、MX11アニール処理品、接着剤層、MX07アニール処理品をこの順に有する積層体からなる裏面保護シートを得た。得られた裏面保護シートのMD方向の熱収縮率(150℃×30分処理)は0.6%であった。
全工程に要した日数は約6.0日間であった。またラミネーターを通過(巻き出し〜巻き取り)させた回数は3回、得られた裏面保護シートの、MX11/MX07加工長に対する収率は97%であった。得られた製品は実施例1と同じであるが、実施例1と比較して、ラミネーターを通過させる回数が多く、製造コストが高くなり、また生産リードタイムが長くなる結果であった。
(比較例2)
比較例1によりMX11アニール処理品、接着剤層およびMX07アニール処理品をこの順に有する積層体を得た。
次に、上記積層体を第1巻き出し部にセットし、またプラスチックフィルム(C層)として、白色ポリエチレンフィルムであるタマポリ(株)製SE625NWT(厚さ150μm、幅1000mm、長さ2000mを用い、第2巻き出し部にセットした。塗工部には、実施例1と同様の、均一な溶液とした接着剤溶液を充填した。
第1巻き出し部から上記積層体をライン速度80m/分で繰り出し、次いで塗工部において、該積層体のMX07側(B層側)に、乾燥後の塗工量が5g/mとなるようにグラビアロールを用いて接着剤を塗工し、次いで最高温度80℃に調整された乾燥オーブン中を約12秒かけて通過させ、溶剤を揮発、乾燥させ、その後、第2巻き出し部から繰り出したSE625NWTとニップロール間で貼り合わせ加工したのち、巻き取り部でロール状に巻き取った。収率97%、要した時間は29時間であった。
上記で得られたロール状物を、40℃エージング庫にて48時間硬化エージングし、MX11、接着剤層、MX07、接着剤層およびE625NWTをこの順に有する太陽電池モジュール用裏面保護シートを得た。得られた裏面保護シートのMD方向の熱収縮率(150℃×30分処理)は0.6%であった。
全工程に要した日数は約9.0日間であった。またラミネーターを通過(巻き出し〜巻き取り)させた回数は4回、得られた裏面保護シートの、MX11/MX07加工長に対する収率は95%であった。得られた製品は実施例2と同じであるが、実施例2と比較して、ラミネーターを通過させる回数が多く、製造コストが高くなり、また生産リードタイムが長くなる結果であった。
(比較例3)
第1巻き出し側からMX11、接着剤層およびMX07をこの順に有する積層体をライン速度80m/分で繰り出した以外は、実施例2と同様の手順で裏面保護シートを得た。1回の加工シリーズで72,000mの加工を行い、収率97%、要した時間は15時間であり、またアニール処理時のフィルム表面温度は127℃であった。
全工程に要した日数は約6.1日間であった。またラミネーターを通過(巻き出し〜巻き取り)させた回数は2回、得られた裏面保護シートの、MX11/MX07加工長に対する収率は95%であった。
得られた裏面保護シートのMD方向の熱収縮率(150℃×30分処理)が1.2%であった。MD方向の熱収縮率が大きく、太陽電池モジュール背面の配線突起が大きい結果であった。
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法によれば、低熱収縮率の裏面保護シートを安価で、かつ短い生産リードタイムで製造することができる。
10:太陽電池モジュール用裏面保護シート(2層)
11:プラスチックフィルム(A層)
12:プラスチックフィルム(B層)
13:接着剤層
20:太陽電池モジュール用裏面保護シート(3層)
21:プラスチックフィルム(C層)
30:太陽電池モジュール用裏面保護シート(2層+易接着樹脂層)
31:易接着樹脂層(D層)
40:太陽電池モジュール
41:封止材シート1
42:封止材シート2
43:ガラス板
44:配線を配設した太陽光発電素子

Claims (10)

  1. 巻き出し機構と加熱乾燥機構を有する装置において、プラスチックフィルム(A層)、接着剤層およびプラスチックフィルム(B層)をこの順に有する積層体を巻き出し機構により繰り出し、該積層体の長手方向の熱収縮率(150℃×30分処理)が1.0%以下となるように加熱乾燥機構によりアニール処理を行うことを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法。
  2. 第1巻き出し機構、塗工機構および加熱乾燥機構、並びに第2巻き出し機構により繰り出されたフィルムとの貼り合せ機構を有する装置において、プラスチックフィルム(A層)、接着剤層およびプラスチックフィルム(B層)をこの順に有する積層体を第1巻き出し機構により繰り出し、塗工機構によりB層側に接着剤を塗工し、加熱乾燥機構により接着剤を乾燥させると同時にアニール処理を行い、かかる後に第2巻き出し機構により繰り出したプラスチックフィルム(C層)と貼り合せ機構により貼り合わせることにより、長手方向の熱収縮率(150℃×30分処理)を1.0%以下とすることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法。
  3. 巻き出し機構、塗工機構および加熱乾燥機構を有する装置において、プラスチックフィルム(A層)、接着剤層およびプラスチックフィルム(B層)をこの順に有する積層体を巻き出し機構により繰り出し、塗工機構によりB層側に易接着コート剤を塗工し、加熱乾燥機構により易接着コート剤を乾燥させて易接着樹脂層(D層)を形成するのと同時にアニール処理を行うことにより、長手方向の熱収縮率(150℃×30分処理)を1.0%以下とすることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法。
  4. 第1巻き出し機構、第1塗工機構および第1加熱乾燥機構、第2巻き出し機構により繰り出されたフィルムとの貼り合せ機構、第2塗工機構および第2加熱乾燥機構、並びに第3巻き出し機構により繰り出されたフィルムとの貼り合せ機構を有する装置において、第1巻き出し機構により繰り出されたプラスチックフィルム(A層)に第1塗工機構により接着剤を塗工し、第1加熱乾燥機構により接着剤を乾燥させたのちに、第2巻き出し機構により繰り出されたプラスチックフィルム(B層)と貼り合せ機構により貼り合わせた積層体のB層側に第2塗工機構により接着剤を塗工し、第2加熱乾燥機構により接着剤を乾燥させると同時にアニール処理を行い、かかる後に第3巻き出し機構により繰り出したプラスチックフィルム(C層)と貼り合せ機構により貼り合わせることにより、長手方向の熱収縮率(150℃×30分処理)を1.0%以下とすることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法。
  5. 第1巻き出し機構、第1塗工機構および第1加熱乾燥機構、第2巻き出し機構により繰り出されたフィルムとの貼り合せ機構、並びに第2塗工機構および第2加熱乾燥工程を有する装置において、第1巻き出し機構により繰り出されたプラスチックフィルム(A層)に第1塗工機構により接着剤を塗工し、第1加熱乾燥工程により接着剤を乾燥させたのちに、第2巻き出し機構により繰り出されたプラスチックフィルム(B層)と貼り合せ機構により貼り合わせた積層体のB層側に第2塗工機構により易接着コート剤を塗工し、第2加熱乾燥機構により易接着コート剤を乾燥させて易接着樹脂層(D層)を形成するのと同時にアニール処理を行うことで、長手方向の熱収縮率(150℃×30分処理)を1.0%以下とすることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法。
  6. プラスチックフィルム(A層)とプラスチックフィルム(B層)の長手方向の熱収縮率(150℃×30分処理)の差が0.5%以下であり、かつ前記プラスチックフィルム(A層)と前記プラスチックフィルム(B層)の幅方向の熱収縮率(150℃×30分処理)の差が0.5%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法。
  7. 前記プラスチックフィルム(A層)が白色化剤を含み、かつポリエステル樹脂あるいはフッ素樹脂を単体または混合物として50質量%以上含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法。
  8. 前記プラスチックフィルム(B層)がポリエステル樹脂を50質量%以上含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法。
  9. 前記プラスチックフィルム(C層)がポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂あるいはエチレン・ビニルアセテート共重合体を単体または混合物として50質量%以上含むことを特徴とする請求項2または請求項4に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法。
  10. 前記易接着樹脂層(D層)がアクリル系樹脂あるいはフッ素系樹脂を単体または混合物として50質量%以上含むことを特徴とする請求項3または請求項5に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法。

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