JP2018166057A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】実際の製造工程において有機EL素子がどの程度不純物により汚染されているのか、適切に評価する手法は確立されていないことが問題となっている。【解決手段】複数の画素が配列する画素領域と、画素領域の外側に配置されたコンタクト領域と、複数の画素のそれぞれに対応して配置された第1電極と、複数の画素に亘って配置された第2電極と、第1電極と第2電極との間の有機層と、コンタクト領域に配置されたカソード配線と、を有し、第2電極は、コンタクト領域に延設され、且つカソード配線と積層され、第2電極とカソード配線との界面における質量数13の元素のイオン強度に対する不純物元素の相対的なイオン強度は2以下である表示装置が提供される。【選択図】図2

Description

本発明は有機エレクトロルミネセンス素子(以下、「有機EL素子」という。)が画素に配列された表示装置に関する。本明細書によって開示される発明の一実施形態は、有機EL素子の品質を評価するパターンを含む表示装置のパネル構造に関する。
表示領域に配列される各画素に、有機EL素子を配置させた表示装置が開発されている。有機EL素子は、陽極と陰極として区別される一対の電極間に有機エレクトロルミネセンス材料を含む有機層が配設された構造を有している。有機層は、機能別にホール注入層、ホール輸送層、電子ブロック層、発光層、ホールブロック層、電子輸送層、電子注入層に分類される。有機EL素子は、これら機能別に分類される有機層を適宜積層して形成される。
有機EL素子の発光原理は、陽極側から注入されたホールと、陰極側から注入された電子が有機層の中で再結合すると励起子が生成され、この励起子が基底状態に戻るとき発光する。有機EL素子は、発光時間と共に輝度が低下することが問題とされている。このような有機EL素子の劣化に対し、様々な対策が検討されている。例えば、有機層を真空蒸着法で形成する際に、成膜装置内で取り込まれる可塑剤の濃度を100ppm以下にすることで、有機EL素子の長寿命化を図る試みがなされている(例えば、特許文献1参照。)。また、有機半導体中のハロゲン含有量を20ppm以下にすることで、有機EL素子等の有機電子デバイスの耐用年数を向上させる試みがなされている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2007−095759号公報 特表2008−516421号公報
しかしながら、各画素に配置される有機EL素子は微小であるため、実際の製造工程において有機EL素子がどの程度不純物により汚染されているのか、適切に評価する手法は確立されていないのが現状である。そのため、有機EL素子にどのような不純物が、どの程度含まれていると信頼性に影響を及ぼすのか、実際の製造工程に基づいて評価することが困難であった。
本発明の一実施形態に係る表示装置は、複数の画素が配列する画素領域と、画素領域の外側に配置されたコンタクト領域と、複数の画素のそれぞれに対応して配置された第1電極と、複数の画素に亘って配置された第2電極と、第1電極と第2電極との間の有機層と、コンタクト領域に配置されたカソード配線と、を有し、第2電極は、コンタクト領域に延設され、且つカソード配線と積層され、第2電極とカソード配線との界面における質量数13の元素のイオン強度に対する不純物元素の相対的なイオン強度は2以下である。
本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る表示装置に設けられる有機EL素子の構造を示す図である。 本発明の一実施形態に係る表示装置の製造工程を説明する断面図である。 本発明の一実施形態に係る表示装置の製造工程を説明する断面図である。 本発明の一実施形態に係る表示装置に設けられるコンタクト領域の構造を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面等を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号(又は数字の後にa、bなどを付した符号)を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。さらに各要素に対する「第1」、「第2」と付記された文字は、各要素を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限りそれ以上の意味を有さない。
本明細書において、ある部材又は領域が他の部材又は領域の「上に(又は下に)」あるとする場合、特段の限定がない限りこれは他の部材又は領域の直上(又は直下)にある場合のみでなく他の部材又は領域の上方(又は下方)にある場合を含み、すなわち、他の部材又は領域の上方(又は下方)において間に別の構成要素が含まれている場合も含む。なお、以下の説明では、特に断りのない限り、断面視においては、基板の一主面に対して画素領域、タッチセンサが配置される側を「上方」に該当するとして説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置100の構成を示す。表示装置100は、基板102上に、画素領域104、第1駆動回路108、第2駆動回路、端子領域114が配置されている。画素領域104には複数の画素106が配列される。第1駆動回路108は、画素領域104の各画素106に走査信号を出力し、第2駆動回路110は映像信号を出力する。端子領域114の端子電極116には、外部回路から表示装置100を駆動する信号及び電力が入力される。
図1では詳細に示されないが、画素106は有機EL素子を含む。有機EL素子の詳細は後述されるが、有機EL素子は各画素106に対応して個別に形成される第1電極と、画素領域104の略一面に形成される第2電極と、第1電極と第2電極との間の有機層を含む。画素領域104の外側にコンタクト領域112が設けられる。コンタクト領域112は、有機EL素子の第2電極が、端子電極116と接続される配線と電気的に接続される領域となる。
図2は、画素106とコンタクト領域112の詳細を示す。図2は、図1においてA−B線に対応する断面構造を示す。図2に示すように、画素106は基板102上に配置される。画素106はトランジスタ118と有機EL素子120を含んで構成される。
基板102としては、ガラス基板、有機樹脂フィルム等が適用される。基板102の第1面にはベースコート層122が設けられる。ベースコート層122は無機絶縁膜で形成される。トランジスタ118は、半導体層124、ゲート絶縁層126及びゲート電極128が積層された構造を有する。トランジスタ118は、半導体層124とゲート電極128とが重畳する領域がチャネル形成領域となり、その外側に一導電型を付与する不純物元素が添加されたソース・ドレイン領域130を有する。
有機EL素子120は、第1電極142、有機層146、第2電極148が積層された構造を有する。本実施形態においては、第1電極142がアノード、第2電極148がカソードであるものとする。第1電極142は、各画素106に個別に配置され、トランジスタ118と電気的に接続される。具体的に第1電極142は、ソース・ドレイン電極134と電気的に接続される。ソース・ドレイン電極134は、またトランジスタ118のソース・ドレイン領域130と電気的に接続される。これにより、有機EL素子120は実質的にトランジスタ118と電気的に接続された状態となる。有機EL素子120はトランジスタ118によって発光が制御される。第2電極148は、画素領域104の略一面に形成され、画素領域104の外側のコンタクト領域112でカソード配線136と電気的に接続されている。
なお、トランジスタ118のゲート電極128とソース・ドレイン電極134との間には層間絶縁層132が設けられている。また、ソース・ドレイン電極134と第1電極142との間には平坦化層138が設けられている。さらに、平坦化層138上には、第1電極142の周縁部を覆う隔壁層144が設けられている。
図2で示す積層構造において、ベースコート層122、ゲート絶縁層126、層間絶縁層132は無機絶縁膜で形成される。無機絶縁膜としては、例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜等が用いられる。一方、平坦化層138、隔壁層144は、有機絶縁膜で形成される。有機絶縁膜としては、例えば、ポリイミド膜、アクリル膜、エポキシ膜等が用いられる。また、半導体層124は、シリコン半導体、又は酸化物半導体によって形成される。ゲート電極128は、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、モリブデン−タングステン合金(MoW)等の金属材料で形成される。ソース・ドレイン電極134は、例えば、アルミニウム(Al)膜の下層側及び上層側にチタン(Ti)膜が積層された構造を有する。また、カソード配線136は、ソース・ドレイン電極134と同じ導電層、又はゲート電極128と同じ導電層で形成される。図2は、カソード配線136が、ソース・ドレイン電極134と同じ導電層で設けられる態様を示す。
コンタクト領域112において、カソード配線136は平坦化層138及び隔壁層144の下層側に配置される。このためカソード配線136は、平坦化層138及び隔壁層144に形成された開口部140によって上面が露出される。第2電極148は、画素領域104から延長され、開口部140においてカソード配線136と電気的に接続される。
有機EL素子120の上層側には封止層150が設けられる。封止層150は、複数の膜が積層された構造を有する。図2は、封止層150として、第1無機絶縁膜152、有機樹脂膜154及び第2無機絶縁膜156が積層された構造を有する。封止層150は、異なる素材を組み合わせた積層構造により、封止性能を高められている。例えば、第1無機絶縁膜152に欠陥が含まれても、有機樹脂膜154がその欠陥部分を埋め込み、さらに第2無機絶縁膜156を設けることで当該欠陥による封止性能の劣化を補うことのできる構造を有している。
図3は、有機EL素子120の詳細を示す。有機EL素子120は、有機層146が第1電極142と第2電極148とに挟まれた構造を有する。有機層146は、有機エレクトロルミネセンス材料を含む発光層164に加え、キャリア輸送特性(例えば、キャリアの移動度)が異なる複数の層が積層されていてもよい。例えば、有機層146は、第1電極142側から、ホール注入層、ホール輸送層160、電子ブロック層162、発光層164、ホールブロック層166、電子輸送層168、電子注入層170が積層された構造を有していてもよい。
有機EL素子120の第1電極142はアノードであり、有機層146にホールを注入するため、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)導電性材料で形成される。例えば、第1電極142は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の導電性金属酸化物材料を用いて作製することができる。第1電極142は導電性金属酸化物材料を用いてスパッタリング法や真空蒸着法により作製される。なお、発光層164における発光を第2電極148側に出射する、所謂トップエミッション型の画素構造を有する場合には、第1電極142が光反射性を有することが好ましい態様となる。この場合、第1電極142は、酸化インジウムスズ(ITO)膜や酸化インジウム亜鉛(IZO)膜に重ねてアルミニウム(Al)、銀(Ag)などの金属膜が設けられてもよい。
ホール注入層158は、第1電極142から発光層164へのホールの注入障壁を下げると共に、第1電極142とホール輸送層160とのエネルギーレベルの相違を緩和し、ホールの注入を容易にするために設けることが好ましい。ホール注入層158は、フタロシアニン系、アミン系、カルバゾール系の有機材料が用いられる。ホール注入層158は、例えば、銅フタロシアニンやアリールアミン誘導体等の有機材料を用いて形成することができる。
ホール輸送層160は、アリールアミン系化合物、カルバゾール基を含むアミン化合物、フルオレン誘導体を含むアミン化合物等のホール移動度が高い有機材料が用いられる。ホール輸送層160は、例えば、ビス(ジ(p−トリル)アミノフェニル)−1,1−シクロヘキサン、TPD、N,N’−ジフェニル−N−N−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(α−NPD)等のトリフェニルジアミン類や、芳香族アミン誘導体等の有機材料を用いて形成することができる。
発光層164は、ホスト材料とゲスト材料を組み合わせて形成することができる。このような、ホスト材料とゲスト材料の組み合わせを用いると、励起状態のホスト分子のエネルギーがゲスト分子へ移動してゲスト分子がエネルギーを放出して発光する。ホスト化合物として、電子輸送材料、正孔輸送材料を用いることができる。例えば、Alq3等のキノリノール金属錯体に4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)、4−(ジシアノメチレン)−2−t−ブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルユロリジル−9−エニル)−4H−ピラン(DCJTB)等のピラン系誘導体、2,3−キナクリドン等のキナクリドン誘導体や、3−(2'−ベンゾチアゾール)−7−ジエチルアミノクマリン等のクマリン誘導体をドープしたもの、後述する電子輸送材料のビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリン)−4−フェニルフェノール−アルミニウム錯体に、ペリレン等の縮合多環芳香族をドープしたもの、あるいはホール輸送材料の4,4'−ビス(m−トリルフェニルアミノ)ビフェニル(TPD)にルブレン等をドープしたもの、4,4’−ビスカルバゾリルビフェニル (CBP)、4,4’−ビス(9−カルバゾリル)−2,2’−ジメチルビフェニル(CDBP)等のカルバゾール系化合物に、トリス−(2フェリニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy)3)(緑色)、ビス(4,6-ジ-フルオロフェニル)-ピリジネート−N,C2)イリジウム(ピコリネート)(FIr(pic))(青色)、ビス(2−2’−ベンゾチエニル)−ピリジネート−N,C3イリジウム(アセチルアセトネート)(Btp2Ir(acac))(赤色)、トリス−(ピコリネート)イリジウム(Ir(pic)3)(赤色)、ビス(2−フェニルベンゾチオゾラト−N,C2)イリジウム(アセチルアセトネート)(Bt2Ir(acac))(黄色)等のイリジウム錯体や白金錯体をドープしたもの等を用いることができる。
なお、発光層164は、上述のような材料を用いて、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色に対応して設けられていてもよいし、白色発光を得るために、赤(R)色に対応する層、緑(G)色に対応する層、青(B)に対応する層が積層された構造、又は青(G)と黄色(Y)に対応する層が積層された構造を有していてもよい。
電子輸送層168は、例えば、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(Bu−PBD)、OXD−7等のオキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、キノリノール系の金属錯体等の有機物質を用いて形成することができる。
電子注入層170は、第2電極148として用いられるアルミニウム(Al)、銀(Ag)等の金属、マグネシウム銀(MgAg)等の合金、酸化インジウム(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の導電性金属酸化物材料の仕事関数と、電子輸送層168の電子親和力(LUMO準位)のエネルギー差が大きいことに起因して電子の注入が困難になるのを緩和するために設けられる。具体的に電子注入層170は、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、セシウム(Cs)等のアルカリ金属、カルシウム(Ca)等のアルカリ土類金属、イッテルビウム(Yb)等の希土類、又はリチウム(Li)等と電子輸送材料との共蒸着膜、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、酸化リチウム(Li2O)、炭酸セシウム(CsCO3)等のフッ化物、酸化物や炭酸塩などから選択される仕事関数の小さい物質で形成することができる。
ホールブロック層166、電子ブロック層162は、発光層164を挟むように設けられる。ホールブロック層166は、第1電極142の側から発光層164を通過して第2電極148側へホールが移動することを抑制し、電子ブロック層162は、第2電極148の側から発光層164を通過して第1電極142側へ電子が移動することを抑制するために設けられる。このようなホールブロック層166及び電子ブロック層162を設けることにより、発光層164でホールと電子が再結合する確率を向上させ、発光効率(内部量子効率)の増加を期待することができる。
電子ブロック層162としては、LUMOレベルが高く(電子親和力の小さい)、HOMO準位が正孔輸送層のHOMOに近い材料で形成されることが好ましく、例えば、4,4’,4”−トリス〔3−メチルフェニル(フェニル)アミノ〕トリフェニルアミン(m−MTDATA)、4,4’,4”−トリス〔1−ナフチル(フェニル)アミノ〕トリフェニルアミン(1−TNATA)、4,4’,4”−トリス〔2−ナフチル(フェニル)アミノ〕トリフェニルアミン(2−TNATA)、4,4’,4”−トリス〔9,9−ジメチルフルオレン−2−イル(フェニル)アミノ〕トリフェニルアミン(TFATA)等のスターバーストアミン系材料、TPD等の有機材料を用いて形成することができる。
ホールブロック層166としては、HOMOレベルが低く(イオン化ポテンシャルの大きい)、LUMO準位が電子輸送層のLUMOに近い材料で形成されることが好ましく、例えば、2,9‐ジメチル‐4,7‐ジフェニル‐1,10‐フェナントロリン(BCP)、1,3,5―トリ(4−フルオロビフェニルー4’−イル)ベンゼン(F−TBB)やトリアリールボラン誘導体等、BAlq等の有機材料を用いて形成することができる。
第2電極148は、発光層164の光を出射する側の電極として、酸化インジウム(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の透光性の導電性金属酸化物材料を用いて形成される。これらの材料は、仕事関数が高いが、上述のように電子注入層170を設けることで、有機層146への電子を注入することが可能となる。
なお、上記で例示される有機材料は一例に過ぎず、上記以外にも公知の材料を用いることができる。また、有機層146の積層構造も図3に示す構造に限定されず、例えば、ホール注入層、ホールブロック層166、電子ブロック層162等が適宜省略された構造を有していてもよい。
有機層146に用いられる有機材料のうち、特に発光層164に用いられる有機材料は水分等で劣化することから、有機層146及び第2電極148の形成は、減圧下で連続的に行われる。図4に示すように、有機層146の作製は、例えば、真空蒸着法によって行われる。真空蒸着は、第1電極142上に隔壁層144が形成された状態で行われる。有機層146は封止層150の内側に配置されるようにするため、シャドーマスク172を用いて画素領域104以外の領域に有機層146が堆積しないようにして作製される。また、コンタクト領域112においては、平坦化層138に開口部140が形成され、カソード配線136が露出された状態で行われる。コンタクト領域112に有機層146が付着すると、カソード配線136と第2電極148との接触抵抗が増大するので、領域においても有機層146が直接的に堆積されないように、シャドーマスクで覆われている。
なお、カソード配線136は、有機層146を成膜する前段階で、平坦化層138に開口部140が形成され、表面が露出する。別言すれば、有機層146を成膜する前段階までは平坦化層138に覆われているため、意図しない不純物によって汚染されない状態にあるといえる。第1電極142の上面及びカソード配線136の上面は、成膜装置の真空チャンバ内でプラズマ処理等の処理がなされて成膜工程の初期段階では清浄化される。
一方、図5に示すように、第2電極148を形成する段階では、コンタクト領域112が露出するように、有機層146を成膜するときに用いるシャドーマスク172とは異なる開口幅のシャドーマスク174を用いて成膜が行われる。開口部の異なる2種類のシャドーマスクを用いることにより、第2電極148は有機層146を覆い、コンタクト領域112においてカソード配線136と電気的に導通するように形成される。
ところで、有機EL素子120は、前処理や成膜工程中の不純物汚染によって特性が低下する。具体的には、有機層146の中に不純物が含まれると、特性に悪影響を与える。有機層146に対する汚染源は、真空チャンバの中の残留気体、内壁や治具から放出される残留気体、基板102等の部材から放出されるガス状物質等が考えられる。例えば、基板102が樹脂材料であると、水分や可塑剤の放出が問題となる。しかしながら、画素領域104の画素106は微細であり、元素分析を行うには計測面積を十分にとれず、解析が困難である。また、有機層146に含まれる不純物の解析は、破壊検査となるため、製品毎に分析するのは困難である。
これに対し、本実施形態に係る表示装置100は、カソード配線136が露出するコンタクト領域112を設けておくことにより、有機層146を成膜する段階で発生する不純物の解析が可能となっている。すなわち、有機層146の成膜中に、コンタクト領域112のカソード配線136が露出していることから、真空チャンバの中で付着する不純物は、カソード配線136の表面にも付着することとなる。したがって、本実施形態によれば、コンタクト領域112における不純物を解析することで、有機EL素子120にとって、どのような不純物が、どの程度取り込まれると特性に悪影響を及ぼすかを、解析することができる。
図6(A)は、コンタクト領域112において、カソード配線136と第2電極148が積層された状態を示す。仮に、有機層146の成膜段階において、成膜装置の真空チャンバの中で、カソード配線136の表面に不純物元素が吸着すると、カソード配線136と第2電極148との界面の領域(図中→で示す領域)から不純物が検出される。また、図6(B)は、コンタクト領域112において、カソード配線136と、電子注入層170及び第2電極148が積層された状態を示す。この場合には、電子注入層170に、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、セシウム(Cs)のようなアルカリ金属、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)のようなアルカリ土類金属などの金属元素が用いられることにより、酸素等の残留気体と反応する。これにより、カソード配線136と電子注入層170との界面、又は電子注入層170から確実に不純物が検出されることが期待される。
コンタクト領域112における不純物元素の解析は、例えば、二次イオン質量分析法により行うことができる。表1は、有機層146の成膜段階で、不純物が多く取り込まれる可能性がある場合(条件1)と、不純物の発生を低減するようにした場合(条件2)との試料を、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS:Time-of-Flight Secondary Ion Mass Spectrometry)で元素分析を行った結果を示す。なお、条件2とは、条件1にない処理として、真空蒸着機の真空チャンバ内を、アルコール等で拭浄し、希ガスによるプラズマ処理、オゾン洗浄を行った後、成膜処理を行った試料である。
Figure 2018166057
表1において、条件1及び条件2で示される各元素に対する数値は、質量数13の元素(CH)のイオン強度で規格化された、相対的なイオン強度を示す。表1は、TOF−SIMSによって検出されたイオンのうち、O、OH、F、Cl、CHO2、PO2、SO279Br、PO3の相対強度を示す。また、比率は、条件2に対する条件1の不純物元素割合であり、数値が大きいほど条件1における不純物量が多いことを示す。表1で示されるように、比率として求められた値は全て1以上であり、条件1に対して条件2の試料の不純物量が低減されていることがわかる。
次に、表2は、条件1及び条件2で作製された有機EL素子の、発光強度が初期値から5%低下するまでの時間(以下、「LT95」という。)を示す。条件1で作製された有機EL素子のLT95は400時間であるのに対し、条件2で作製された有機EL素子のLT95は800時間となっている。このように、不純物元素が低減された条件2で作製された有機EL素子は、LT95の時間が2倍となっており、信頼性が改善されていることが実証されている。
Figure 2018166057
表1及び表2の結果より、不純物元素はCHのイオン強度に対する相対イオン強度に対して、O、OH、Fは2以下であることが好ましいといえる。また、Cl、CHO2は1以下であることが好ましい結果となっている。さらに、PO2、SO2、PO3は0.5以下であることが好ましく、79Brは0.005以下であることが好ましいといえる。
また、条件1と条件2との比率において、LT95の特性に影響を与える割合が高いのは、PO2、PO3のような酸化リンであるということができる。これらの元素は有機樹脂フィルムに含まれる可塑剤であるとも考えられる。したがって、酸化リン系の不純物を低減するには、基板102からの脱ガスを低減すればよいと考察される。例えば、不純物を低減するために、有機層146を成膜する前に真空チャンバ内で、基板102の脱ガス処理を行えばよいといえる。いずれにしても、表1と表2の結果は、有機EL素子の信頼性を高めるためには、酸素、ハロゲン、酸化リン等の不純物元素を低減すればよいことを示している。
このように、本発明の一実施形態によれば、第2電極148(カソード)のコンタクト領域112における不純物元素を代用特性として調べ、この部分から検出される不純物元素の量を低減することで、有機RL素子の信頼性を向上させることができる。コンタクト領域112の面積が、一つの画素106の面積よりも広い面積を設けることができるので、不純物元素を分析する際に測定精度を高めることができる。また、TOF−SIMSによって不純物を検出する際の、一次イオンのラスター領域は500μm〜50μm程度であるので、コンタクト領域112の電気的特性にほとんど影響を与えることなく、試料の分析が可能である。さらに、本実施形態で示す分析手法は、表示装置100の製造工程におけるプロセス管理、表示装置100の品質管理に適用することができ、生産性の向上を図ることができる。
100・・・表示装置、102・・・基板、104・・・画素領域、106・・・画素、108・・・第1駆動回路、110・・・第2駆動回路、112・・・コンタクト領域、114・・・端子領域、116・・・端子電極、118・・・トランジスタ、120・・・有機EL素子、122・・・ベースコート層、124・・・半導体層、126・・・ゲート絶縁層、128・・・ゲート電極、130・・・ソース・ドレイン領域、132・・・層間絶縁層、134・・・ソース・ドレイン電極、136・・・カソード配線、138・・・平坦化層、140・・・開口部、142・・・第1電極、144・・・隔壁層、146・・・有機層、148・・・第2電極、150・・・封止層、152・・・第1無機絶縁膜、154・・・有機樹脂膜、156・・・第2無機絶縁膜、158・・・ホール注入層、160・・・ホール輸送層、162・・・電子ブロック層、164・・・発光層、166・・・ホールブロック層、168・・・電子輸送層、170・・・電子注入層、172・・・シャドーマスク、174・・・シャドーマスク

Claims (10)

  1. 複数の画素が配列する画素領域と、
    前記画素領域の外側に配置されたコンタクト領域と、
    前記複数の画素のそれぞれに対応して配置された第1電極と、
    前記複数の画素に亘って配置された第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間の有機層と、
    前記コンタクト領域に配置されたカソード配線と、
    を有し、
    前記第2電極は、前記コンタクト領域に延設され、且つ前記カソード配線と積層され、
    前記第2電極と前記カソード配線との界面における質量数13の元素のイオン強度に対する不純物元素の相対的なイオン強度は2以下であること、
    を特徴とする表示装置。
  2. 前記不純物元素が酸素、ハロゲン、酸化リンから選ばれた一種又は複数種である、請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記不純物元素がO、OH、Fから選ばれた一種又は複数種である、請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記不純物元素がCl、CHO2から選ばれた一種又は複数種であり、前記質量数13の元素のイオン強度に対する相対的なイオン強度が1以下である、請求項1に記載の表示装置。
  5. 前記不純物元素がPO2、SO2、PO3から選ばれた一種又は複数種であり、前記質量数13の元素のイオン強度に対する相対的なイオン強度が0.5以下である、請求項1に記載の表示装置。
  6. 前記不純物元素が79Brであり、前記質量数13の元素のイオン強度に対する相対的なイオン強度が0.005以下である、請求項1に記載の表示装置。
  7. 前記イオン強度は、飛行時間型二次イオン質量分析法によって測定された値である、請求項1に記載の表示装置。
  8. 前記有機層は電子注入層を含み、前記第2電極と前記カソード配線との間に電子注入層をさらに含む、請求項1に記載の表示装置。
  9. 前記電子注入層が、Li、Na、Cs、Ca、Mg、Ybから選ばれた少なくとも一種の元素を含む、請求項8に記載の表示装置。
  10. 前記画素領域及び前記コンタクト領域が基板上に配置され、前記基板が有機樹脂フィルムである、請求項1に記載の表示装置。
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