JP2018165529A - ベルト式無段変速機の可変速プーリ支持装置 - Google Patents

ベルト式無段変速機の可変速プーリ支持装置 Download PDF

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加藤 晃央
Akio Kato
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Abstract

【課題】電動式の駆動機構を採用したベルト式無段変速機において作動音を抑制する。
【解決手段】プーリ軸24に設けられた固定シーブ22及び可動シーブ23と、その可動シーブ23をプーリ軸24に沿って軸方向に移動させるボールねじ機構30とを備え、ボールねじ機構30は、筒状のねじ軸31と、そのねじ軸31にボール35を介してねじ係合されたナット33を備え、そのねじ軸31と前記ナット33のうちの一方がプーリ支持対象10に固定される固定側部品、他方が可動側部品とされ、前記可動側部品の外周にギヤを備え、前記可動側部品と前記可動シーブ23及び前記固定側部品と前記プーリ軸24の相互間が転動体を備えた軸受要素40,50,60を介して回転自在に連結され、前記ボールねじ機構30の螺旋状のねじ溝32,34の1列当たりの前記ボール35の数を、前記軸受要素40,50,60の前記転動体の数の2倍以上とした。
【選択図】図1

Description

この発明は、ベルト式無段変速機の可変速プーリ支持装置に関する。
自動車エンジンの回転を変速して出力する無段変速機として、駆動側の可変速プーリと従動側の可変速プーリ間にVベルトをかけ渡し、駆動側可変速プーリと従動側可変速プーリのプーリ溝幅を互いに逆方向に変化させて変速比を無段階に可変するVベルト式無段変速機が従来から知られている。
駆動側、従動側の各可変速プーリは、プーリ軸に設けられた固定シーブに対して可動シーブを対向配置し、その可動シーブをプーリ軸に沿ってスライド自在に支持し、且つ、プーリ軸に対して回り止めし、上記可動シーブをボールねじ機構により軸方向に移動させてプーリ溝幅を制御している。
ボールねじ機構は、ねじ軸の外周に形成されたねじ溝と、ナットの内周に形成されたねじ溝間に、多数のボールを循環可能に組込んだものである。
例えば、特許文献1では、ボールねじ機構におけるねじ軸を筒状とし、その筒状のねじ軸を変速機のケーシングに固定し、ナットを可動シーブに回動自在に連結し、そのナットに回転トルクを付与して、ナットとともに可動シーブをプーリ軸の軸方向に移動させるようにしている。
また、特許文献2では、ボールねじ機構におけるナットをケーシングに固定し、筒状のねじ軸を可動シーブに回動自在に連結し、そのねじ軸に回転トルクを付与して、ねじ軸とともに可動シーブをプーリ軸の軸方向に移動させるようにしている。
特開2003−139207号公報 特開2005−273735号公報
上記特許文献1,2に記載されたベルト式無段変速機では、モータ等の駆動源に接続されるギヤが形成されたナットを、軸受を介してプーリに固定する電動式の駆動機構を採用している。
このようにベルト式無段変速機の駆動機構を電動化すると、油圧式の駆動機構の場合では生じなかった、ギヤの噛み合い部分、ボールねじ等のねじ機構の噛み合い部分、支持軸受といった振動を発生させる要素が多数加わることとなる。このため、油圧式の駆動機構の場合と比べて、電動式の駆動機構の場合は、作動音が大きくなるという問題点がある。
そこで、この発明の課題は、電動式の駆動機構を採用したベルト式無段変速機において、作動音を抑制することである。
上記の課題を解決するために、この発明は、プーリ軸に設けられた固定シーブと、前記プーリ軸にスライド自在に嵌合され且つ回り止めされて前記固定シーブに対向配置された可動シーブと、その可動シーブを前記プーリ軸に沿って軸方向に移動させるボールねじ機構とを備え、前記ボールねじ機構は、筒状のねじ軸と、そのねじ軸にボールを介してねじ係合されたナットを備え、前記ねじ軸と前記ナットのうちの一方がプーリ支持対象に固定される固定側部品とされ、他方が回転トルクの負荷により軸方向に移動する可動側部品を備え、前記可動側部品と前記可動シーブ及び前記固定側部品と前記プーリ軸の相互間が、転動体を備えた軸受要素を介して回転自在に連結されており、前記ボールねじ機構が備える螺旋状のねじ溝の1列当たりの前記ボールの数を、少なくともいずれか一つの前記軸受要素の前記転動体の数の2倍以上としたベルト式無段変速機の可変速プーリ支持装置を採用した。
ここで、前記ボールねじ機構が備える螺旋状のねじ溝の1列当たりの前記ボールの数を、前記可動側部品の外周に設けたギヤの歯数の2倍以外の数とした構成を採用することができる。
また、前記可動側部品が転動体を備えた第一の軸受要素を介して前記可動シーブに回転自在に連結され、前記固定側部品が転動体を備えた第二の軸受要素及び第三の軸受要素を介して前記プーリ軸に回転自在に連結され、前記第一の軸受要素、前記第二の軸受要素及び前記第三の軸受要素はそれぞれニードル軸受であり、前記プーリ軸(24)の回転速度をn、前記可動側部品の外周に設けた前記ギヤの回転速度をn、前記可動側部品の外周に設けた前記ギヤの歯数をnt、それぞれの前記ニードル軸受の転動体のP.C.DをDNP40,NP50,NP60、それぞれの前記ニードル軸受の転動体の直径をdN40,N50,N60、それぞれの前記ニードル軸受の転動体の個数をnN40,N50,N60、前記ボールねじ機構の前記ボールのP.C.DをDBP、前記ボールねじ機構の前記ボールの直径をd、前記ボールねじ機構の前記ボールの個数をnとする。
前記第一の軸受要素が発生させる振動、すなわち転動体公転数を
(n−n)/2・・・(1)式
前記第二の軸受要素が発生させる振動、すなわち転動体公転数を
/2 ・・・(2)式
前記第三の軸受要素が発生させる振動、すなわち転動体公転数を
{(DNP60−d)/2DNP60}×n×nN60・・・(3)式
前記ボールねじ機構が発生させる振動を
{(DBP+d)/2DBP}×n×n ・・・(4)式
前記ギヤの発生させる振動を
×n ・・・(5)式
とする。
このとき、
(1)式≠(2)式、
(1)式≠(3)式、
(1)式≠(4)式、
(1)式≠(5)式、
(2)式≠(3)式、
(2)式≠(4)式、
(2)式≠(5)式、
及び、
(3)式≠(5)式、
の中から選択される一つ又は複数の数式を満たす構成を採用することができる。
この態様において、さらに、(1)式≠(2)式≠(3)式≠(4)式≠(5)式を満たすようにすれば、さらに良好な結果が期待できる。
ここで、前記第一の軸受要素及び前記第二の軸受要素はスラストニードル軸受であり、前記第三の軸受要素はニードル軸受である構成を採用することができる。
この発明は、ギヤとボールねじ機構、軸受要素の加振周波数を互いに異なる周波数とすることで、それぞれの振動の相乗効果を防ぐようにしたので、電動式の駆動機構を採用したベルト式無段変速機の作動音を抑制することができる。
この発明の第一の実施形態を示す縦断面図 図1の要部拡大断面図 図2の平面図 第二の実施形態を示す縦断面図 図4の要部拡大断面図
以下、この発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1〜図3は、第一の実施形態のVベルト式無段変速機20である。
図1に示すように、プーリ支持対象としてのケーシング10内には、Vベルト式無段変速機20が組み込まれている。Vベルト式無段変速機20は、駆動側の可変速プーリPと、従動側の可変速プーリPと、その両プーリP、P間に掛け渡されたVベルト21とからなる。
図1に示すように、駆動側の可変速プーリPは、固定シーブ22と、その固定シーブ22に対向配置された可動シーブ23を有する。固定シーブ22と可動シーブ23の対向面には、テーパ面22a、23aが設けられ、そのテーパ面22a、23a間に断面V字形のプーリ溝Gが設けられている。
固定シーブ22は、プーリ軸24に一体化されている。一体化に際し、ここでは、プーリ軸24に固定シーブ22を一体的に設けているが、プーリ軸24に固定シーブ22を嵌合してキー止めし、あるいは、ピン止めしてもよい。また、スプラインやセレーションによる嵌合として回り止めし、止め輪の取り付けにより軸方向に固定してもよい。
可動シーブ23は、プーリ軸24にスライド自在に嵌合され、且つ、回り止めされている。回り止めに際し、プーリ軸24に滑りキー25を固定し、一方、可動シーブ23の内径面には軸方向に延びるキー溝26を形成し、そのキー溝26に滑りキー25をスライド自在に嵌合している。
上記のような滑りキー25による回り止めに代えて、プーリ軸24に可動シーブ23をスプラインによる嵌合あるいはセレーションによる嵌合として、プーリ軸24に対し、可動シーブ23をスライド自在とし、且つ、回り止めとしてもよい。
駆動側可変速プーリPにおける可動シーブ23は、ねじ機構30によって軸方向に移動される。図2に示すように、ねじ機構30は、筒状のねじ軸31の外径面に形成されたねじ溝32と、ナット33の内径面に形成されたねじ溝34間に多数のボール35を組み込んだボールねじからなる(以下、ボールねじ30とも称する。)。上記多数のボール35は、ナット33及びねじ軸31間に形成された図示省略の循環路に沿って、循環可能とされている。
循環路は、螺旋状のねじ溝34の隣り合う2つのピッチ間で、ボール35を循環させるものである。すなわち、ねじ軸31のねじ溝32は複数ピッチに亘って螺旋状に形成されているのに対し、ナット33のねじ溝34は1ピッチ分(1周分)の螺旋長さに形成されている。循環路は、ナット33の1ピッチ分のねじ溝34の一方の端部から他方の端部へボール35を戻して、そのねじ溝34内にボール35を循環させる。なお、ナット33のねじ溝34を複数ピッチに亘って螺旋状に形成し、ねじ軸31のねじ溝32を1ピッチ分(1周分)の螺旋長さに形成して、ねじ軸31のねじ溝32に循環路を形成してもよい。
ねじ軸31とナット33のうちの一方が、ケーシング10に回転方向に固定される固定側部品とされ、他方が、回転トルクの負荷により軸方向に移動する可動側部品とされる。ここでは、ねじ軸31はねじ機構30の固定側部品として機能し、ナット33はねじ機構30の可動側部品として機能するようになっている。
可動側部品であるナット33は、第一の軸受要素40を介して可動シーブ23に回転自在に連結されている。
第一の軸受要素40は、可動シーブ23の軸方向端面(背面)と、それに対向するナット33の軸方向端面との間に配置される第一のスラスト軸受41で構成されている。この実施形態では、第一のスラスト軸受41は、可動シーブ23とナット33との間に、転動体41aとして複数のニードルを放射状に配置したスラストニードル軸受を採用している。
また、固定側部品であるねじ軸31は、ケーシング10に直接固定されている。この実施形態では、ケーシング10の内面に対してねじ軸31の端面が直接当接しており、ケーシング10の外側からそのケーシング10の貫通孔12を通って、ねじ軸31の穴31aに向かって差し込まれた回転方向を固定するピン11によって、ねじ軸31はケーシング10に回転方向に固定されている。なお、回転方向への移動はピン11により規制されており、軸方向への移動は可能であるが、軸方向への移動は軸方向からの荷重により規制されている。
固定側部品のケーシング10に対する回転方向を固定する構造としては、固定側部品とケーシング10とが直接接触して、回転方向を固定することが望ましい。
ケーシング10又はねじ軸31と、プーリ軸24との間には、第二の軸受要素50が配置される。第二の軸受要素50は、プーリ軸24の軸端にねじ込まれた止めナット27の内側端面と、それに対向するねじ軸31の軸方向端面との間に配置される第二のスラスト軸受51で構成されている。このような構成とすることで、ねじ軸31のラジアル方向の荷重を受けとめている。この実施形態では、第二のスラスト軸受51は、止めナット27とねじ軸31との間に、複数のニードルを放射状に配置したスラストニードル軸受を採用している。止めナット27はプーリ軸24とともに一体に軸回り回転する。
プーリ軸24は、ナット33の軸心に形成された嵌合孔に挿通され、プーリ軸24とナット33とは、互いに相対回転可能である。また、プーリ軸24は、ねじ軸31に設けられた嵌合孔に挿通されて、プーリ軸24とねじ軸31とは、第三の軸受要素60を介して軸回り回転自在に支持されている。ここでは、第三の軸受要素60として、プーリ軸24の外面とねじ軸31の嵌合孔の内面との間に、転動体61aとして複数のニードルを2列に配置した複列のニードル軸受61を配置している。
プーリ軸24の両端は、それぞれケーシング10との間に組み込まれた支持軸受62,62によって、そのケーシング10に回転自在に支持されている。支持軸受62としては、例えば、深溝玉軸受やアンギュラ玉軸受を採用することができる。
ナット33の端部外周には、変速ギヤ43が嵌合されている。変速ギヤ43は、ナット33に対して回り止めされ、そのナット33の端部に取り付けられた止め輪45によって軸方向に固定されている。
変速ギヤ43は駆動ギヤ46と噛合している。駆動ギヤ46は図示省略したモータによって回転駆動される。その駆動ギヤ46の回転を変速ギヤ43に伝達することにより、変速ギヤ43とともにナット33が回転する。
このとき、ナット33は、ボール35を介して回転方向に固定されたねじ軸31とねじ係合しているため、ナット33が回転しつつ軸方向へ移動するとともに、変速ギヤ43は駆動ギヤ46に噛合する状態を保持してナット33とともに軸方向へ移動する。変速ギヤ43の軸方向への移動を可能とするため、その変速ギヤ43及び駆動ギヤ46のそれぞれを平歯車としている。
変速ギヤ43は、駆動側可変速プーリPと従動側可変速プーリP間に組み込まれた変速軸70の一端部上に設けられた平歯車からなる入力ギヤ71と噛合して、ナット33の回転を変速軸70に伝達しており、その変速軸70の回転は他端部に設けられた出力ギヤ72から出力される。
上記変速軸70においては、両端部がケーシング10に支持された転がり軸受73によって回転自在に支持されている。
従動側の可変速プーリPは、前述の駆動側可変速プーリPと同様に、固定シーブ22と、その固定シーブ22に対向配置された可動シーブ23からなる。
これらの固定シーブ22及び可動シーブ23は、駆動側可変速プーリPの固定シーブ22及び可動シーブ23に対して左右逆の配置とされている点で、駆動側可変速プーリPと相違している。固定シーブ22に設けられたプーリ軸24で、可動シーブ23を回転自在に、且つ、スライド自在に支持している等、可動シーブ23の支持構造については、駆動側の可変速プーリPの可動シーブ23と同一とされている。このため、同一部品には同一の符号を付して説明を省略する。
また、可動シーブ23をボールねじ30で移動させる点、そのボールねじ30を形成するねじ軸31をケーシング10で支持する支持構造、プーリ軸24の両端部をケーシング10で回転自在に支持する支持構造についても、駆動側の可変速プーリPと同一であるため、同一部品には同一の符号を付して説明を省略する。
従動側において、ボールねじ30のナット33に支持された変速ギヤ43は、変速軸70に設けられた出力ギヤ72に噛合して、駆動側可変速プーリP1の可動シーブ23と従動側可変速プーリPの可動シーブ23は連動回転するようになっている。
この実施の形態で示すVベルト式無段変速機の機能を、以下説明する。駆動ギヤ46を駆動すると、その駆動ギヤ46の回転は変速ギヤ43に伝達され、駆動側可変速プーリPのボールねじ30におけるナット33が回転する。
このとき、ナット33は、ケーシング10に回転方向に固定されたねじ軸31に対して、ボール35を介してねじ係合しているため、ナット33は回転しつつ軸方向に移動し、そのナット33に回転自在に連結された可動シーブ23が、プーリ軸24に沿って軸方向に移動し、固定シーブ22との対向部間に形成されたプーリ溝の溝幅が変化する。
また、駆動側可変速プーリPのナット33の回転は、変速ギヤ43からこれに噛合する入力ギヤ71に伝達されて変速軸70が回転し、その変速軸70の回転は、出力ギヤ72から従動側可変速プーリPの変速ギヤ43に伝達されるため、従動側可変速プーリPにおけるボールねじ30のナット33が回転する。
このとき、従動側可変速プーリPにおけるナット33も、駆動側可変速プーリPのナット33と同様に、回転方向に固定されたねじ軸31に対してボール35を介してねじ係合しているため、ナット33は回転しつつ軸方向に移動し、そのナット33に回転自在に連結された可動シーブ23がプーリ軸24に沿って軸方向に移動し、固定シーブ22との対向部間に形成されたプーリ溝の溝幅が変化する。
この場合、駆動側可変速プーリPと従動側可変速プーリPとは固定シーブ22と可動シーブ23が左右逆の配置とされているため、駆動側可変速プーリPと従動側可変速プーリPとはプーリ溝幅が互いに逆方向に変化する。すなわち、駆動側可変速プーリPのプーリ溝幅が広くなると従動側可変速プーリPのプーリ溝幅が狭くなり、逆に、駆動側可変速プーリPのプーリ溝幅が狭くなると従動側可変速プーリPのプーリ溝幅が広くなる。そのプーリ溝幅の変化によって駆動側可変速プーリPから従動側可変速プーリPへの変速比が変化する。
ところで、この発明では、ボールねじ機構30が備える螺旋状のねじ溝32,34の1列当たり、すなわち、1ピッチ当たりのボール35の数は、少なくともいずれか一つの軸受要素40,50,60の転動体41a,51a,61aの数の2倍以上となるように設定されている(構成1)。
すなわち、一対のねじ溝32,34の一方は、螺旋状に1周だけ形成されて、その両端が循環路で連結されており、その一対のねじ溝32,34が単数、又は、軸方向に沿って複数配置されている。このため、螺旋状に1周だけ形成されたねじ溝32又はねじ溝34に収容されたボール35の数は、使用途中で増減することはない。
この実施形態では、1ピッチ当たりのボール35の数は、第一の軸受要素40の転動体41aの数の2倍以上であり、第二の軸受要素50の転動体51aの数の2倍以上であり、且つ、第三の軸受要素60の転動体61aの数の2倍以上となるように、それぞれ設定されている。
この構成1の特徴を備えたことにより、軸受要素の加振周波数を互いに異なる周波数とすることで、それぞれの振動の相乗効果を防ぎ、生じる作動音を抑制することができる。
また、ボールねじ機構30が備える螺旋状のねじ溝32,34の1列当たり、すなわち、1ピッチ当たりのボール35の数は、可動側部品であるナット33の外周に設けたギヤの歯数の2倍以外の数に設定している(構成2)。
ここで、ギヤの歯数とは、ボールねじ30のナット33に係合部36を介して支持された変速ギヤ43の歯数である。
なお、係合部36をギヤで構成して、そのギヤからなる係合部36を、駆動ギヤ46や出力ギヤ72等に直接噛み合わせてもよい。この構成によれば、変速ギヤ43の設置を省略することにより、さらなる装置の小型化が可能である。この場合は、ギヤの歯数とは、ギヤからなる係合部36の歯数となる。
この構成2の特徴を備えたことにより、振動の相乗効果を防ぐことによる作動音の抑制の効果を、さらに高めることができる。
さらに、第一の軸受要素40、第二の軸受要素50、第三の軸受要素60を備え、そのそれぞれをニードル軸受41,51,61としたこの実施形態においては、以下の諸元を備えることにより、さらなる作動音抑制の効果を発揮できる(構成3)。
ここで、プーリ軸24の回転速度をn、可動側部品の外周に設けたギヤの回転速度をn、可動側部品の外周に設けたギヤの歯数をnt、それぞれのニードル軸受41,51,61の転動体41a,51a,61aのP.C.DをDNP40,NP50,NP60、それぞれのニードル軸受41,51,61の転動体41a,51a,61aの直径をdN40,N50,N60、それぞれのニードル軸受41,51,61の転動体41a,51a,61aの個数をnN40,N50,N60、ボールねじ機構30のボール35のP.C.DをDBP、ボールねじ機構30のボール35の直径をd、ボールねじ機構30のボール35の個数をnとする。
このとき、第一の軸受要素40が発生させる振動、すなわち、転動体公転数を、
(n−n)/2・・・(1)式
とすることができる。
第二の軸受要素50が発生させる振動、すなわち、転動体公転数を、
/2 ・・・(2)式
とすることができる。
第三の軸受要素60が発生させる振動、すなわち、転動体公転数を、
{(DNP60−d)/2DNP60}×n×nN60・・・(3)式
とすることができる。
ボールねじ機構30が発生させる振動、すなわち、転動体(ボール)公転数を、
{(DBP+d)/2DBP}×n×n ・・・(4)式
とすることができる。
ギヤの発生させる振動を、
×n ・・・(5)式
とすることができる。
ここで、
(1)式≠(2)式、
(1)式≠(3)式、
(1)式≠(4)式、
(1)式≠(5)式、
(2)式≠(3)式、
(2)式≠(4)式、
(2)式≠(5)式、
及び、
(3)式≠(5)式、
の8つの数式の中から選択される一つ又は複数の数式を満たすように設定する。満たされる数式の数は自由であり、一つであっても二つであっても、あるいは、全部であってもよい。
なお、(1)式≠(2)式≠(3)式≠(4)式≠(5)式を満たすように設定されることが、作動音抑制の上で最も好ましいが、特に、(3)式≠(4)式、(4)式≠(5)式とすることが、最も効果的である。
(3)式≠(4)式の数式について、(3)式の左辺に記載の
{(DNP60−d)/2DNP60
は、
NP60>>d
のため、その値は、概ね1/2と考えることができる。
同様に、(4)式の左辺に記載の
{(DBP+d)/2DBP
についても、その値は、概ね1/2と考えることができる。
したがって、
≠(n/n)×nN60
となればよい。
ところが、nおよびnは、ベルト式無段変速機の使用状況において、それぞれ1000〜7000、0〜500ぐらいの間で変動するため、(n/n)は2以上数値の範囲で変動する。その結果、n>2×nN60とすることで、全ての回転域において、(3)式と(4)式との共振を抑えることができる。
よってボールねじ機構が備える螺旋状のねじ溝32,34の1列当たりのボール35の数を、少なくともいずれか一つの軸受要素40,50,60の転動体41a,51a,61aの数の2倍以上とすることが望ましい。
また、(4)式≠(5)式の数式について、上記と同様に、(4)式の左辺に記載の
{(DBP+d)/2DBP
の値を概ね1/2と考えると、(4)式≠(5)式、
≠2×n
となるため、このようにギヤの歯数とボールねじ30の転動体数(ボール35の数)を設定するとよい。
よって、ボールねじ機構が備える螺旋状のねじ溝32,34の1列当たりのボール35の数を、駆動力伝達用のギヤの歯数の2倍以外の数とすることが望ましい。
なお、この実施形態では、第一の軸受要素40、第二の軸受要素50、第三の軸受要素60を、それぞれニードル軸受として検討を行ったが、これを、玉軸受やローラ軸受とした場合も同様の結果となる。
図4〜図5は、この発明の第二の実施形態を示す。この第二の実施形態は、軸受要素として玉軸受を採用した実施形態である。
ここでは、第一の実施形態における第三の軸受要素60の設置を省略し、第一の軸受要素40と第二の軸受要素50として、それぞれ深溝玉軸受を採用している。第三の軸受要素60が設置されていないため、上記構成3の数式に基づく条件は適用できないが、上記構成1、上記構成2の条件のいずれか又は両方を適用すれば、作動音抑制の効果が期待できる。
これらの実施形態では、ねじ軸31はねじ機構30の固定側部品として機能し、ナット33はねじ機構30の可動側部品として機能するようになっていたが、これを逆にして、ねじ軸31はねじ機構30の可動側部品として機能し、ナット33はねじ機構30の固定側部品として機能する構成に、この発明を適用してもよい。
この場合、ねじ軸31を可動シーブ23に回転自在に連結し、ねじ軸31の外径面に変速ギヤ43を取り付け、変速比の変更に際し、その変速ギヤ43に回転トルクを伝達する。また、可動側部材であるねじ軸31と可動シーブ23との間を、スラスト軸受からなる第一の軸受要素40で支持することとなる。
10 ケーシング(プーリ支持対象)
22 固定シーブ
23 可動シーブ
23b ボス部
24 プーリ軸
30 ボールねじ(ねじ機構)
31 ねじ軸
32 ねじ溝
33 ナット
34 ねじ溝
35 ボール
40 第一の軸受要素
41 第一のスラスト軸受
50 第二の軸受要素
51 第二のスラスト軸受
60 第三の軸受要素
61 ニードル軸受
62 支持軸受

Claims (5)

  1. プーリ軸(24)に設けられた固定シーブ(22)と、前記プーリ軸(24)にスライド自在に嵌合され且つ回り止めされて前記固定シーブ(22)に対向配置された可動シーブ(23)と、その可動シーブ(23)を前記プーリ軸(24)に沿って軸方向に移動させるボールねじ機構(30)とを備え、
    前記ボールねじ機構(30)は、筒状のねじ軸(31)と、そのねじ軸(31)にボール(35)を介してねじ係合されたナット(33)を備え、前記ねじ軸(31)と前記ナット(33)のうちの一方がプーリ支持対象(10)に固定される固定側部品とされ、他方が回転トルクの負荷により軸方向に移動する可動側部品を備え、前記可動側部品と前記可動シーブ(23)及び前記固定側部品と前記プーリ軸(24)の相互間が、転動体(41a,51a,61a)を備えた軸受要素(40,50,60)を介して回転自在に連結されており、
    前記ボールねじ機構(30)が備える螺旋状のねじ溝(32,34)の1列当たりの前記ボール(35)の数を、少なくともいずれか一つの前記軸受要素(40,50,60)の前記転動体(41a,51a,61a)の数の2倍以上とした
    ベルト式無段変速機の可変速プーリ支持装置。
  2. 前記ボールねじ機構(30)が備える螺旋状のねじ溝(32,34)の1列当たりの前記ボール(35)の数を、前記可動側部品の外周に設けた駆動力伝達用のギヤの歯数の2倍以外の数とした請求項1に記載のベルト式無段変速機の可変速プーリ支持装置。
  3. 前記可動側部品が転動体(41a)を備えた第一の軸受要素(40)を介して前記可動シーブ(23)に回転自在に連結され、
    前記固定側部品が転動体(51a,61a)を備えた第二の軸受要素(50)及び第三の軸受要素(60)を介して前記プーリ軸(24)に回転自在に連結され、
    前記第一の軸受要素(40)、前記第二の軸受要素(50)及び前記第三の軸受要素(60)はそれぞれニードル軸受(41,51,61)であり、
    前記プーリ軸(24)の回転速度をn、前記可動側部品の外周に設けた前記ギヤの回転速度をn、前記可動側部品の外周に設けた前記ギヤの歯数をnt、それぞれの前記ニードル軸受(41,51,61)の転動体(41a,51a,61a)のP.C.DをDNP40,NP50,NP60、それぞれの前記ニードル軸受(41,51,61)の転動体(41a,51a,61a)の直径をdN40,N50,N60、それぞれの前記ニードル軸受(41,51,61)の転動体(41a,51a,61a)の個数をnN40,N50,N60、前記ボールねじ機構(30)の前記ボール(35)のP.C.DをDBP、前記ボールねじ機構(30)の前記ボール(35)の直径をd、前記ボールねじ機構(30)の前記ボール(35)の個数をnとして、
    前記第一の軸受要素(40)が発生させる振動を
    (n−n)/2・・・(1)式
    前記第二の軸受要素(50)が発生させる振動を
    /2 ・・・(2)式
    前記第三の軸受要素(60)が発生させる振動を
    {(DNP60−d)/2DNP60}×n×nN60・・・(3)式
    前記ボールねじ機構(30)が発生させる振動を
    {(DBP+d)/2DBP}×n×n ・・・(4)式
    前記ギヤの発生させる振動を
    ×n ・・・(5)式
    として、
    (1)式≠(2)式、
    (1)式≠(3)式、
    (1)式≠(4)式、
    (1)式≠(5)式、
    (2)式≠(3)式、
    (2)式≠(4)式、
    (2)式≠(5)式、
    及び、
    (3)式≠(5)式、
    の中から選択される一つ又は複数の数式を満たす
    請求項1又は2に記載のベルト式無段変速機の可変速プーリ支持装置。
  4. (1)式≠(2)式≠(3)式≠(4)式≠(5)式を満たす
    請求項3に記載のベルト式無段変速機の可変速プーリ支持装置。
  5. 前記第一の軸受要素(40)及び前記第二の軸受要素(50)はスラストニードル軸受であり、
    前記第三の軸受要素(60)はニードル軸受である
    請求項3又は4に記載のベルト式無段変速機の可変速プーリ支持装置。
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