JP2018165525A - トルクリミッタ - Google Patents

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Abstract

【課題】互いに当接する円錐面(32)及び対向円錐面(42)の形成された外側リング(3)及び内側リング(4)を用い、輪ばねの原理を利用して大きな摩擦力を発生させるトルクリミッタにおいて、円錐面(32)と対向円錐面(42)との間の焼き付きを防止する新規のトルクリミッタを提供すること。【解決手段】外側リング(3)の内周と内側リング(4)の外周との間に、外側リング(3)の内周に形成された円錐面(32)と内側リング(4)の外周に形成された対向円錐面(42)とが当接せず離隔して相互に対向する空間部(S)を設け、かかる空間部(S)内に潤滑剤を封入するようにした。【選択図】 図1

Description

本発明は、回転伝達装置の入力部材と出力部材との間に所定値以上の回転トルクが作用したとき、両者が相対的に回転するトルクリミッタに関し、特に、小型でコンパクトに構成され、潤滑性に優れたトルクリミッタに関するものである。
近時においては、各種の部品をモーターで自動的に操作する生活用品、例えば、便座や便蓋が自動的に開閉する便器が広く普及している。このような便器においては、通常、便座や便蓋はモーター駆動によって開閉動させられるが、かかる開閉動の最中に人の手等による外力によっても便座や便蓋が開閉動させられることがある。この場合には、モーターに過負荷がかかってしまうため、これを回避するために、便座や便蓋を駆動する駆動装置には、通常トルクリミッタが装着されている。
便座や便蓋を自動的に開閉動させるための駆動装置の一例として、特許文献1に開示されたものを図11に、この駆動装置に装着されたトルクリミッタの単体図を図12に示す。駆動装置DSは、駆動源であるモーターM、従動装置である便座や便蓋を開閉動させるための従動歯車体JB、及びモーターMと従動歯車体JBとの間に設けられたトルクリミッタTLから構成される。
トルクリミッタTLは、回転中心となるシャフト部材SM、このシャフト部材SMに挿通されると共にこれと同軸に設けられる入力部材IM、出力部材OM、摩擦部材FM、及び軸方向ばね力付与部材AMを備える。摩擦部材FMは、何れも環状である複数の入力プレートIP及び出力プレートOPから構成される。入力プレートIP及び出力プレートOPは軸方向に交互に積層して配設されており、これらは溝と突起の嵌め合いにより、入力部材IM及び出力部材OMにそれぞれ相対回転不能に係合される。軸方向ばね力付与部材AMは、軸方向ばね力を付与するコイルばねSPと、ばね力を調整するナットNとを備える。コイルばねSPによって出力部材OMが軸方向に押圧されると、入力プレートIPと出力プレートOPとの間には所定の摩擦力が生じる。
通常の場合、即ち、便座や便蓋が所定値以下の回転トルクでモーター駆動によって開閉動する場合においては、モーターMから伝達された回転駆動によって、入力部材IMが回転すると共に入力部材IMと回転不能に係合された入力プレートIPが回転する。入力プレートIPは出力プレートOPと所定の摩擦力によって接続されているため、出力プレートOP及びこれと回転不能に係合された出力部材OMも一体となって回転する。従って、出力部材OMに接続された従動歯車体JBも入力部材IMと一体となって回転し、従動歯車体JBに接続された便座や便蓋が自動的に開閉動する。
一方、便座や便蓋がモーターによって駆動されている最中に、人の手等で所定の回転トルク以上の外力が加えられた場合には、外力による回転トルクが従動歯車体JBを介して出力部材OMに伝達され、出力プレートOPと入力プレートIPとの間の摩擦力に打ち勝って、出力プレートOPと入力プレートIPとの間で滑りが生じる。そのため、所定の回転トルク以上の外力、即ち過負荷、がモーターにかかることが回避される。
ところで、上述したトルクリミッタにおいては、摩擦部材FMに軸方向の押圧力を付与してこれに所定の摩擦力を発生させる軸方向ばね力付与部材AMが、軸方向において出力部材OMとは反対側に位置するため、装置全体をコンパクトにすることができない。そのため、上述したトルクリミッタにあっては、これを例えばパソコンの蓋を駆動モーターで開閉するヒンジ部分など、スペースが狭い場所に設置することができない。
このような問題に対処するよう、本出願人は、本願の出願に先立ち、いわゆる輪ばねのようなばね定数の非常に大きなばねを利用して、小型でコンパクトな構造でありながら、摩擦力を増大し回転トルクの設定値を大きくしたトルクリミッタを提案している(特願2016−17110号及び特願2016−17111号)。
特開2016−151297号公報
本出願人の提案したトルクリミッタでは、互いに当接する円錐面及び対向円錐面の形成された外側リング及び内側リングが用いられ、外側リング及び内側リングは、回転伝達装置の入力部材と出力部材を構成する内輪又はハウジングにそれぞれ相対回転不能に係合される。そして、外側リングと内側リングとの間に作用する回転トルクが、円錐面と対向円錐面との間で作用する摩擦力を上回ると、両方のリングが相対的に回転を始める。
このトルクリミッタは、輪ばねのように、外側リングが拡径して内側リングが縮径する弾性変形を利用して両者の間に大きな摩擦力を発生できるため、トルクリミッタをコンパクトに構成できる。しかし、次のような点に未だ改善の余地があることが判明した。
本出願人の提案のトルクリミッタにおいては、円錐面及び対向円錐面は外側リングの内周及び内側リングの外周の全体にわたって当接している。そのため、外側リングと内側リングとが相対的に回転する際に円錐面と対向円錐面との間で焼き付きを起こしてしまう恐れがある。
本発明は、本出願人が提案した輪ばねを利用するトルクリミッタにおける、上記したような問題点を解決することを課題とする。
上記の課題に鑑み、本発明は、互いに当接する円錐面及び対向円錐面の形成された外側リング及び内側リングを用い、輪ばねの原理を利用して大きな摩擦力を発生させるトルクリミッタにおいて、外側リングの内周と内側リングの外周との間に、外側リングの内周に形成された円錐面と内側リングの外周に形成された対向円錐面とが当接せず離隔して相互に対向する空間部を設け、かかる空間部内に潤滑剤を封入するようにしたものである。即ち、本発明は、
「軸状の内輪とハウジングとの間に所定値以上の回転トルクが付加されたとき、両者が相対的に回転するトルクリミッタであって、
前記ハウジング内には、共通の中心軸を有する外側リング及び内側リングが相互に隣接して配置され、
前記外側リング及び前記内側リングの一方が前記内輪に、他方が前記ハウジングにそれぞれ相対回転不能に係合されており、
前記外側リングの内周には円錐面が形成されると共に、前記内側リングの外周には、一部が前記円錐面と当接して軸方向に押圧する対向円錐面が形成され、
前記内輪と前記ハウジングとの間に所定値以上の回転トルクが付加されたときは、前記外側リングの円錐面と前記内側リングの対向円錐面との間の摩擦力に抗して、前記内輪と前記ハウジングとが相対的に回転するよう構成されており、さらに、
前記外側リングの内周と前記内側リングの外周との間には、前記円錐面と前記対向円錐面とが当接せず離隔して相互に対向する空間部が設けられ、前記空間部内には潤滑剤が封入される」
ことを特徴とするトルクリミッタとなっている。
前記内側リングの対向円錐面には凹部が形成されており、前記空間部は前記対向円錐面に形成された凹部の外側面と前記外側リングの円錐面との間に画成されるのがよい。
前記外側リングの円錐面には凹部が形成されており、前記空間部は前記円錐面に形成された凹部の外側面と前記内側リングの対向円錐面との間に画成されていてもよい。
前記ハウジングは、前記外側リング及び内側リングが設置されるとともに、軸方向の端部に開口が設けられた収容空間を有し、前記開口には、前記開口をシールドしながら、前記外側リングの円錐面及び前記内側リングの対向円錐面を互いに軸方向に押圧する蓋部材が設置されるのがよい。
前記外側リング及び内側リングが、共に、平面部とこれに接続された円錐部とからなる板状の金属により形成されていてもよい。
本発明のトルクリミッタは、軸状の内輪とハウジングとの間の回転トルクが所定値を超えると相対回転を生じるよう作動するものである。ハウジング内には、共通の中心軸を有する外側リング及び内側リングが相互に隣接して配置され、外側リング及び内側リングの一方が内輪に、他方がハウジングにそれぞれ相対回転不能に係合されている。外側リング及び内側リングには、軸方向荷重により摩擦力を発生する円錐面及び対向円錐面が形成してあり、内輪とハウジングとの間に作用する回転トルクがこの摩擦力よりも大きくなると、両者は相対的に回転する。
このように、本発明のトルクリミッタでは、輪ばねの原理を利用して大きな摩擦力を発生させるため、小型のものであったとしても、内輪とハウジングとの間で大きなトルクの伝達が可能となり、例えば、各種の動力伝達系において、駆動モーター保護用のトルクリミッタに要するスペースを小さくすることができる。
そして、本発明のトルクリミッタでは、外側リングの内周と内側リングの外周との間には、円錐面と対向円錐面とが当接せず離隔して相互に対向する空間部が設けられ、かかる空間部内にはグリスのような潤滑剤が封入される。これにより、外側リングと内側リングとが相対的に回転した際には、潤滑剤が外側リングと内側リングとの摺動部、即ち外側リングの円錐面と内側リングの対向円錐面との間に適宜に供給され、円錐面と対向円錐面との間での焼き付きが回避されることとなる。
本発明のトルクリミッタの第1実施例の全体的な構造を示す図である。 図1に示すトルクリミッタのハウジングを示す図である。 図1に示すトルクリミッタのシールドを示す図である。 図1に示すトルクリミッタの外側リングを示す図である。 図1に示すトルクリミッタの内側リングを示す図である。 本発明のトルクリミッタの第2実施例の全体的な構造を示す図である。 図6に示すトルクリミッタのハウジングを示す図である。 図6に示すトルクリミッタのシールドを示す図である。 図6に示すトルクリミッタの外側リングを示す図である。 図6に示すトルクリミッタの内側リングを示す図である。 自動開閉便座及び便蓋に用いられる駆動装置の一例を示す図である。 図11に示す駆動装置のトルクリミッタを示す図である。
以下、図面に基づいて、本発明のトルクリミッタについて説明する。図1には、本発明のトルクリミッタの第1実施例の全体的な構造図を示し、図2乃至図5には、その構成部品の単品図を示す。
図1に示すように、本発明のトルクリミッタの第1実施例のものは、固定されたハウジング1を具備し、このハウジング1内には共通の中心軸oを有する内輪2(二点鎖線で示す)、外側リング3、及び内側リング4が備えられている。
図1と共に図2及び図3を参照して説明すると、ハウジング1は本体1H及び蓋部材1Sを有する。本体1Hは全体として筒状であって、軸方向の片側には端板1H1が形成されると共に軸方向の他側には円形の開口1H2が設けられ、内部には収容空間1H3が形成されている。端板1H1の中央には円形の孔1H4が設けられている。本体1Hの外周縁部には、周方向に等角度間隔をおいて複数個(本実施例においては6個)のねじ穴1H5が形成されている。ねじ穴1H5は何れも軸方向に貫通しており、軸方向他側は開口1H2に面している。本体1Hの外周には軸方向の全長に亘って、外歯1H6が形成されており、収容空間1H3の外周には内歯1H7が形成されている。外歯1H6は、従動機器を駆動するための一般的な歯車であるが、内歯1H7は、後述するように、インボリュートスプラインの内歯側をなすものである。外歯1H6及び内歯1H7の歯形形状は共にインボリュートであって、外歯1H6の歯数は43、内歯1H7の歯数は24(ねじ穴1H5が設けられた角度位置においては歯が設けられていない)となっている。
図3を参照することによって明確に理解されるとおり、蓋部材1Sは円環状の板部材であり、外周縁部であって且つ本体1Hに設けられたねじ穴1H5に対応する位置に、小孔1S1が夫々形成されている。
図1において二点鎖線で示される内輪2は筒状の軸状部材であり、その外周には、歯形形状がインボリュートの外歯21(歯数は17)が全長に亘って形成されている。つまり、図1の実施例においては、内輪2は軸方向に長い外歯歯車であって、その一部はインボリュートスプラインの外歯側をなすものである。
後述するとおり、内輪2はモーターのような駆動源からの駆動力を外側リング3に伝達する部材である。そのため、内輪2は本発明のトルクリミッタに必須の部品ということではなく、内輪2には、本発明の外側リング3を相対回転不能に接続する部位が形成されていればよい。駆動源に結合される部位等、その他の形状は適宜に変更することができる。
図1及び図4を参照して説明すると、外側リング3は、内輪2が貫通する孔を有し、外周には外歯31が設けられている。外歯31はインボリュート歯形であって、この外歯31は、ハウジング1の内歯1H7と嵌り合ってインボリュートスプラインを構成する。外側リング3の内周には、径方向において内方を向く円錐面32と、この円錐面32の縮径端から軸方向に延びる円筒面33とが形成されている。円錐面32は円筒面33(軸方向)に対して10°乃至40°傾斜しているのが好ましく、図示の実施例においては30°傾斜している。
図1及び図5を参照して説明すると、内側リング4は、内輪2が貫通する孔を有し、内周には内歯41が設けられており、内歯41は、内輪2の外歯21に篏合してインボリュートスプラインを構成する。内側リング4の外周には、外側リング3の円錐面32に密着して嵌り合う対向円錐面42と、この対向円錐面42の拡径端から軸方向に延びる円筒面43とが形成されている。図5の左図を参照することによって明確に理解される通り、対向円錐面42には周方向に等角度間隔をおいて複数個(図示の実施例においては6個)の凹部44が形成されている。凹部44は軸方向に延在し、その断面は円弧形状である。
所望ならば、上記凹部44を内側リング4の対向円錐面42に形成することに替えて、又はこれと共に、外側リング3の円錐面32に形成してもよい。
主に図1を参照して説明を続けると、内輪2、外側リング3、及び内側リング4は、例えば以下のようにしてハウジング1内に装着される。
先ず、インボリュートスプラインをなす内輪2の外歯21と内側リング4の内歯41とを嵌め合わせ、内側リング4をハウジング1の収容空間1H3に位置させる。このとき、内側リング4の軸方向端面及び内輪2の軸方向端面(共に図1において右側)が端板1H1に当接するようにする。次いで、外側リング3を、内輪2に挿通させて円錐面32が内側リング4の対向円錐面42と当接すると共に、インボリュートスプラインをなす外歯31とハウジング1の内歯1H7とを嵌め合わせて、ハウジング1の収容区間1H3に位置させる。
これにより、外側リング3の内周と内側リング4の外周との間には、円錐面32と対向円錐面42とが当接せず離隔して相互に対向する空間部Sが設けられ、かかる空間部S内に潤滑剤を封入する。図示の実施例においては、空間部Sは内側リング4の対向円錐面42に形成された凹部44の外側面と外側リング3の円錐面32との間に画成される。潤滑剤は例えばフッ素系化合物を主成分とするものであり、グリスのような半固体状態であるのが好ましい。その後に、締結ねじ5を用いてハウジング1の本体1Hに蓋部材1Sを固定する。ハウジング1の本体1Hに蓋部材1Sが固定されると、蓋部材1Sにより外側リング3の軸方向端面が押圧され、外側リング3の円錐面32と内側リング4の対向円錐面42とが圧接、即ち当接して軸方向に押圧される(但し凹部44が形成された部位を除く)。
本発明のトルクリミッタでは、外側リング3と内側リング4とは、円錐面同士で当接しいわゆる「輪ばね」として知られるばね装置と類似の構造をなしている。蓋部材1Sにより加えられる軸方向の荷重によって両方のリングは弾性変形し、内側リング3が縮径すると同時に外側リング4が拡径する。この弾性変形に伴い、両方のリングの円錐面の間には摩擦力が作用するが、その摩擦力は、外側リング3と内側リング4の軸方向の相対変位がごく少量であっても非常に大きな値となる。したがって、本発明のトルクリミッタは、小型のものであったとしても、内輪2とハウジング1との間で大きな回転トルクの伝達が可能となる。
次に、主に図1を参照して第1実施例のトルクリミッタの作動について説明する。このトルクリミッタは、例えば、駆動源であるモーターにより従動部材であるパソコンの蓋や便座等を自動的に開閉する回転伝達系において、駆動源のモーターを過負荷から保護するために介在される回転伝達装置であり、内輪2が入力(駆動)部材としてモーターに接続され、ハウジング1が出力(従動)部材としてパソコンの蓋等に接続される。
内輪2とハウジング1とを相対的に回転させるトルクが所定値以下、つまり、従動部材がいわば正常な状態であれば、内輪2に係合された内側リング4の対向円錐面42とハウジング1に係合された外側リング3の円錐面32との間の摩擦力により、内輪2とハウジング1とは一体的に回転し、モーターからの回転駆動によって従動部材を駆動することができる。
一方、従動部材であるパソコンの蓋を手で押さえた際など、内輪2とハウジング1との間に所定値よりも大きい回転トルクが付加されると、外側リング3の円錐面32と内側リング4の対向円錐面42との間の摩擦力に打ち勝って、外側リング3と内側リング4とが相対的に回転する。つまり、内輪2とハウジング1との間に滑りが生じてモーターと従動部材とが遮断され、モーターが過負荷から保護されることとなる。
本発明のトルクリミッタでは、外側リング3の内周と内側リング4の外周との間には、円錐面32と対向円錐面42とが当接せず離隔して相互に対向する空間部Sが設けられ、かかる空間部S内にはグリスのような潤滑剤が封入される。これにより、外側リング3と内側リング4とが相対的に回転した際には、潤滑剤が外側リング3と内側リング4との摺動部、即ち外側リング3の円錐面32と内側リング4の対向円錐面42との間に適宜に供給され、円錐面32と対向円錐面42との間での焼き付きが回避される。
次いで図6乃至10に基づき、本発明のトルクリミッタの第2実施例について説明する。図6には、本発明のトルクリミッタの第2実施例の全体的な構造を示す図を示し、図7乃至図10には、その構成部品の単品図を示す。なお、以下の説明において、第1実施例と同様の構成要素については、その説明を省略して第1実施例の構成要素と同一の符号に「´」を示すことのみとする。
図6と共に図7を参照して説明すると、ハウジング1´の本体1H´は全体として円筒形状であり、端板1H1´の外面には、一対の略矩形形状の接続突起1H8´が形成されている。端板1H1´の内面には、円形の凹所1H9´が形成されている。本体1H´の内周面には、半径方向内側に突出し且つ軸方向に延びる突条1H10´が周方向に等角度間隔をおいて6個形成されている。6個の突条1H10´のうち、周方向に1個おきに位置する突条1H10´の夫々には、軸方向に延びるねじ穴1H5´が形成されており、ねじ穴1H5´が形成されていない突条1H10´の夫々には、軸方向に突出する円筒形状の係止突部1H11´が形成されている。
図8を参照することによって明確に理解されるとおり、蓋部材1S´は略円環状の板部材であり、外周縁部には、本体1H´に設けられた係止突部1H11´に対応する位置に切欠き1S2´が、夫々形成されている。
図6において二点鎖線で示される内輪2´は全体的に中実棒状であり、軸方向の片側には外周面に外歯21´が形成されている。外歯21´は内輪2´の軸方向の片端から軸方向略中間部まで軸方向に延在しており、その歯数は13である。軸方向の他端部には接続片25´が形成されている。
図6と共に図9を参照して説明すると、外側リング3´は、内輪2´の貫通する孔が形成された外側平面部34´と、この外側平面部34´の外周に接続された円錐部35´とを有する板状の金属からなる。外側平面部34´の内周には内歯31´が設けられており、その歯数は12である。円錐部35´は軸方向に対して10乃至40°傾斜しているのが好ましく、図示の実施例においては20°傾斜している。円錐部35´の内周には円錐面32´が設けられている。
図6と共に図10を参照して説明すると、内側リング4´は、内輪2´の貫通する孔が形成された内側平面部45´と、この内側平面部45´の内周に接続された対向円錐部46´とを有する板状の金属からなる。内側平面部45´の外周縁部には、上記ねじ穴1H5´に対応する3個の小孔47´と、上記小突出部1H8´と噛み合う3個の切欠き48´とが形成されている。対向円錐部46´の外周には対向円錐面42´が設けられており、対向円錐面42´には凹部44´が形成されている。
本実施例のトルクリミッタにおいては、外側リング3´及び内側リング4´を、共に板状の金属からなるものであって、平面部(34´及び45´)とそれに連なる(対向)円錐部(35´及び46´)とから形成されるようにすることで、外側リング3´及び内側リング4´は、適宜の金属板から加工容易なプレス加工により形成することができる。そのため、トルクリミッタの製造効率を上昇させることができると共に製造コストを低減させることができ、量産化に好都合である。
本実施例のトルクリミッタにおいても、所要通りにして各構成部品が組み合わされると、外側リング3´と内側リング4´とが「輪ばね」として知られるばね装置をなす。そして、外側リング3´の内周と内側リング4´の外周との間には、円錐面32´と対向円錐面42´とが当接せず離隔して相互に対向する空間部S´が設けられ、かかる空間部S´内に潤滑剤が封入される。本実施例においても、空間部S´は内側リング4´の対向円錐面42´に形成された凹部44´の外側面と外側リング3´の円錐面32´との間に画成される。そして、モーターのような駆動部材及び機械部品のような従動部材のいずれか一方が内輪2´の接続片25´に接続され、いずれか他方がハウジング1´の接続突起1H8´に接続され、上述した第1実施例のトルクリミッタと同様の作用効果を奏することが可能となる。
以上、本発明のトルクリミッタの好適実施形態について詳述した。上記実施例においては、外側リング及び内側リングは1対設けられていたが、これに限定されることはなく、使用用途に応じて外側リング及び内側リングは複数対設けるようにしてもよい。外側リング及び内側リングの設置数が増大することで、円錐面と対向円錐面との摩擦力が増大し、相対回転が生じるトルクをより大きな値に設定することが可能となる。また、上記実施例においては、内輪と外側リング等がスプラインによって相対回転不能に結合されていたが、これに限定されるものではなく、セレーション結合やキーとキー溝との組み合わせ等適宜の結合方法によって相対回転不能に結合するようにしてもよい。
1:ハウジング
2:内輪
3:外側リング
32:円錐面
4:内側リング
42:対向円錐面
44:凹部
S:空間部
上記の課題に鑑み、本発明は、互いに当接する円錐面及び対向円錐面の形成された外側リング及び内側リングを用い、輪ばねの原理を利用して大きな摩擦力を発生させるトルクリミッタにおいて、外側リングの内周と内側リングの外周との間に、外側リングの内周に形成された円錐面と内側リングの外周に形成された対向円錐面とが当接せず離隔して相互に対向する空間部を設け、かかる空間部内に潤滑剤を封入するようにしたものである。即ち、本発明は、
「軸状の内輪とハウジングとの間に所定値以上の回転トルクが付加されたとき、両者が相対的に回転するトルクリミッタであって、
前記ハウジングは、共通の中心軸を有する外側リング及び内側リングが相互に隣接して配置されるとともに軸方向の端部に開口が設けられた収容空間と、前記開口をシールドする蓋部材とを有し、
前記外側リング及び前記内側リングの一方が前記内輪に、他方が前記ハウジングにそれぞれ相対回転不能に係合されており、
前記外側リングの内周には円錐面が形成されると共に、前記内側リングの外周には、前記蓋部材によって軸方向に押圧されて一部が前記円錐面と当接してこれを軸方向に押圧する対向円錐面が形成され、
前記内輪と前記ハウジングとの間に所定値以上の回転トルクが付加されたときは、前記外側リングの円錐面と前記内側リングの対向円錐面との間の摩擦力に抗して、前記内輪と前記ハウジングとが相対的に回転するよう構成されており、さらに、
前記外側リングの内周と前記内側リングの外周との間には、前記円錐面と前記対向円錐面とが当接せず離隔して相互に対向する空間部が設けられ、前記空間部内には潤滑剤が封入される」
ことを特徴とするトルクリミッタとなっている。
前記内側リングの対向円錐面には凹部が形成されており、前記空間部は前記対向円錐面に形成された凹部の外側面と前記外側リングの円錐面との間に画成されるのがよい。
前記外側リングの円錐面には凹部が形成されており、前記空間部は前記円錐面に形成された凹部の外側面と前記内側リングの対向円錐面との間に画成されていてもよい。
記外側リング及び内側リングが、共に、平面部とこれに接続された円錐部とからなる板状の金属により形成されていてもよい。
主に図1を参照して説明を続けると、内輪2、外側リング3、及び内側リング4は、例えば以下のようにしてハウジング1内に装着される。
先ず、インボリュートスプラインをなす内輪2の外歯21と内側リング4の内歯41とを嵌め合わせ、内側リング4をハウジング1の収容空間1H3に位置させる。このとき、内側リング4の軸方向端面及び内輪2の軸方向端面(共に図1において右側)が端板1H1に当接するようにする。次いで、外側リング3を、内輪2に挿通させて円錐面32が内側リング4の対向円錐面42と当接すると共に、インボリュートスプラインをなす外歯31とハウジング1の内歯1H7とを嵌め合わせて、ハウジング1の収容区間1H3に位置させる。
これにより、外側リング3の内周と内側リング4の外周との間には、円錐面32と対向円錐面42とが当接せず離隔して相互に対向する空間部Sが設けられ、かかる空間部S内に潤滑剤を封入する。図示の実施例においては、空間部Sは内側リング4の対向円錐面42に形成された凹部44の外側面と外側リング3の円錐面32との間に画成される。潤滑剤は例えばフッ素系化合物を主成分とするものであり、グリスのような半固体状態であるのが好ましい。その後に、締結ねじ5を用いてハウジング1の本体1Hに蓋部材1Sを固定して、開口1H2をシールドする。ハウジング1の本体1Hに蓋部材1Sが固定されると、蓋部材1Sにより外側リング3の軸方向端面が押圧され、外側リング3の円錐面32と内側リング4の対向円錐面42とが圧接、即ち当接して軸方向に押圧される(但し凹部44が形成された部位を除く)。

Claims (5)

  1. 軸状の内輪とハウジングとの間に所定値以上の回転トルクが付加されたとき、両者が相対的に回転するトルクリミッタであって、
    前記ハウジング内には、共通の中心軸を有する外側リング及び内側リングが相互に隣接して配置され、
    前記外側リング及び前記内側リングの一方が前記内輪に、他方が前記ハウジングにそれぞれ相対回転不能に係合されており、
    前記外側リングの内周には円錐面が形成されると共に、前記内側リングの外周には、一部が前記円錐面と当接して軸方向に押圧する対向円錐面が形成され、
    前記内輪と前記ハウジングとの間に所定値以上の回転トルクが付加されたときは、前記外側リングの円錐面と前記内側リングの対向円錐面との間の摩擦力に抗して、前記内輪と前記ハウジングとが相対的に回転するよう構成されており、さらに、
    前記外側リングの内周と前記内側リングの外周との間には、前記円錐面と前記対向円錐面とが当接せず離隔して相互に対向する空間部が設けられ、前記空間部内には潤滑剤が封入される、ことを特徴とするトルクリミッタ。
  2. 前記内側リングの対向円錐面には凹部が形成されており、前記空間部は前記対向円錐面に形成された凹部の外側面と前記外側リングの円錐面との間に画成される、請求項1に記載のトルクリミッタ。
  3. 前記外側リングの円錐面には凹部が形成されており、前記空間部は前記円錐面に形成された凹部の外側面と前記内側リングの対向円錐面との間に画成される、請求項1又は2に記載のトルクリミッタ。
  4. 前記ハウジングは、前記外側リング及び内側リングが設置されるとともに、軸方向の端部に開口が設けられた収容空間を有し、前記開口には、前記開口をシールドしながら、前記外側リングの円錐面及び前記内側リングの対向円錐面を互いに軸方向に押圧する蓋部材が設置された請求項1乃至3のいずれかに記載のトルクリミッタ。
  5. 前記外側リング及び内側リングが、共に、平面部とこれに接続された円錐部とからなる板状の金属により形成される請求項1乃至4のいずれかに記載のトルクリミッタ。
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