JP2018163829A - 回転型操作装置および入力装置 - Google Patents

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涼介 福元
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保至 浅井
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Abstract

【課題】電磁アクチュエータが通電時の時と無通電時の時とにおける操作感触の違いを無くし、良好な操作感が得られる回転型操作装置を提供する。
【解決手段】回転型操作装置は、回転操作されるノブと、回転操作に応じて回転する回転軸体と、回転操作に節度感を発生させる電磁アクチュエータと、を備え、電磁アクチュエータは、略歯型形状の磁性体であるティースを成す複数の第1ティース及び第2ティースが交互に環状に配設されたコアと、回転軸体の回転に応じて回転可能に回転軸体に連結され、ティースに対向するように配置されて周方向に異なる磁極が交互に着磁されたマグネットと、通電されることにより第1ティースおよび第2ティースを互いに異なる極性に磁化するコイルと、を有し、ティースのうち少なくとも1つには補助磁石が設けられており、補助磁石は、コイルが通電されたときに補助磁石が設けられたティースの磁極と同極となる磁石で構成されている。
【選択図】図10

Description

本発明は、回転操作に応じて所定の動作をする回転型操作装置および回転型操作装置を用いた入力装置に関する。
従来から、異なるシフト位置に回転可能な操作素子(例えば、ノブ、つまみ)を備え、操作素子の回転を検出して、車両トランスミッションがシフト位置に割り当てられたシフト状態に切り替え可能となったシフト装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に開示されたシフト装置では、アクチュエータによって操作素子に結合されたシャフトに対して、該シャフトの回転に対抗するトルクを出力できる構成となっている。この構成により、特許文献1に開示されたシフト装置は、操作素子の回転の際に、操作者に触覚的フィードバックを提供することができる。
特表2009−519855号公報
ところで、特許文献1のアクチュエータとして、例えば、電磁アクチュエータを用いる構成が考えられる。このような構成の場合、電磁アクチュエータが通電している時と通電していない時とでは、ノブに対する操作感触に違いが生じる。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、電磁アクチュエータが通電時の時と無通電時の時とにおける操作感触の違いを無くし、良好な操作感が得られる回転型操作装置および入力装置を提供することを目的とする。
本発明のある形態に係る回転型操作装置は、回転操作されるノブと、ノブに対する回転操作に応じて回転する回転軸体と、回転軸体の回転にトルクを与えて回転操作に節度感を発生させる電磁アクチュエータと、を備えた回転型操作装置であって、電磁アクチュエータは、略歯型形状の磁性体であるティースを成す複数の第1ティース及び第2ティースが交互に環状に配設されたコアと、回転軸体の回転に応じて回転可能に回転軸体に連結され、ティースの内面に対向するようにコアの内側に配置されて周方向に異なる磁極が交互に着磁された環状のマグネットと、コアの外側に配置され、通電されることにより第1ティースおよび第2ティースを互いに異なる極性に磁化するコイルと、を有し、ティースのうち少なくとも1つには補助磁石が設けられており、補助磁石は、コイルが通電されたときに補助磁石が設けられたティースの磁極と同極となる磁石で構成されている。
上記構成によると、電磁アクチュエータでは、回転軸体の回転に応じて回転するマグネットホルダーによってマグネットが保持されているため、回転軸体が回転するとマグネットもその回転に応じて回転することができる。
また、電磁アクチュエータにおいて、ティースの内面に対向するようにマグネットが備えられているため、ティースとマグネットとの間で吸着する力が作用する。また、コイルが通電されることにより、第1ティースおよび第2ティースを互いに異なる極性に磁化させるため、第1ティースおよび第2ティースとマグネットとの間で吸着する力および反発する力が作用する。
このため、マグネットの回転により、第1ティースおよび第2ティースとマグネットとの間で作用する磁力の向きおよび大きさは変化し、第1ティースおよび第2ティースとマグネットとが互いに吸着するように力が及ぼされる安定点の状態や、互いの間で反発する力が作用し、マグネットに外力が少しでも加わると安定点に移動してしまう不安定点の状態とが生じる。
また、ティースのうち少なくとも1つには、補助磁石が設けられており、補助磁石は、コイルが通電されたときにこの補助磁石が設けられているティースの磁極と同極となる磁石で構成されている。
このため、コイルに電流を供給していない状態(無通電時の状態)であっても、ティースとマグネットとの間において通電時と同様な吸着する力および反発する力を作用させることができる。このため、回転型操作装置は、無通電時において回転軸体の回転に応じてマグネットが回転したとしても、安定点の状態となる位置を通電時と一致させることができる。
よって、本発明のある形態に係る回転型操作装置は、電磁アクチュエータが通電時の時と無通電時の時とにおける操作感触の違いを無くし、良好な操作感が得られるという効果を奏する。
また、本発明のある形態に係る回転型操作装置は、上記した構成において、補助磁石は、ティースの先端部に、ティースの先端側へ延設されるようにして設けられる構成であってもよい。
上記構成によると、補助磁石をティースの先端部に、ティースの先端側へ延設されるように設けることができるため、補助磁石とティースとを同一面となるように容易に形成することができる。
また、本発明のある形態に係る回転型操作装置は、上記した構成において、補助磁石は、第1ティースおよび第2ティースそれぞれにおいて所定の間隔ごとに設けられた構成であってもよい。
上記構成によると、第1ティースおよび第2ティースそれぞれにおいて所定の間隔ごとに補助磁石を設けた構成とすることができる。このため、回転型操作装置において備える補助磁石の個数を低減させることができ、製造コストを抑制することができる。
本発明のある形態に係る入力装置は、回転操作されるノブと、ノブに対する回転操作に応じて回転する回転軸体と、回転軸体の回転にトルクを与えて回転操作に節度感を発生させる電磁アクチュエータと、を備えた回転型操作装置であって、電磁アクチュエータは、略歯型形状の磁性体であるティースを成す複数の第1ティース及び第2ティースが交互に環状に配設されたコアと、ティースの内面に対向するようにコアの内側に配置され、周方向に異なる磁極が交互に着磁された環状のマグネットと、回転軸体の回転に応じて回転するとともに、マグネットを保持するマグネットホルダーと、コアの外側に配置され、通電されることにより第1ティースおよび第2ティースを互いに異なる極性に磁化するコイルと、を有し、ティースのうち少なくとも1つには補助磁石が設けられており、補助磁石は、コイルが通電されたときに補助磁石が設けられたティースの磁極と同極となる磁石で構成されている回転型操作装置と、ノブの回転を検出し、検出した結果を示す信号を出力する検出部と、を備える。
上記構成によると、上記した構成を有する回転型操作装置を備えているため、無通電時に、回転軸体の回転に応じてマグネットが回転したとしても、安定点の状態となる位置を通電時と一致させることができる。
したがって、本発明のある形態に係る入力装置は、電磁アクチュエータが通電時の時と無通電時の時とにおける操作感触の違いを無くし、良好な操作感が得られるという効果を奏する。
本発明は、以上に説明した構成を有し、電磁アクチュエータが通電時の時と無通電時の時とにおける操作感触の違いを無くし、良好な操作感が得られるという効果を奏する。
本発明の実施の形態に係る入力装置の外観形状の一例を示す斜視図である。 図1に示す入力装置の分解斜視図である。 図1に示す入力装置の構成の一例を示す断面図である。 図1に示す入力装置が備える、フランジ部材、弾性部材、およびアーマチュアを示す斜視図である。 図1に示す入力装置が備えるディテント装置の分解斜視部である。 図5に示すディテント装置における、第1コアおよび第2コアの配置関係の一例を模式的に示す図である。 図5に示すディテント装置が備える第1コアおよび第2コアの配置状態の一例を示す図である。 本発明の比較例に係るディテント装置が無通電時にあるときの、第1ティースおよび第2ティースとマグネットとの位置関係ならびにそれぞれの磁極の一例を模式的に示す図である。 本発明の比較例に係るディテント装置が通電時にあるときの、第1ティースおよび第2ティースとマグネットとの位置関係ならびにそれぞれの磁極の一例を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係るディテント装置が無通電時にあるときの、第1ティースおよび第2ティースとマグネットとの位置関係、ならびにそれぞれの磁極の一例を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係るディテント装置が通電時にあるときの、第1ティースおよび第2ティースとマグネットの位置関係、ならびにそれぞれの磁極の一例を模式的に示す図である。 本実施の形態の変形例に係る入力装置の一例を示す平面図である。
(実施の形態)
本発明の実施の形態を、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する部材には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、図面は、本発明を示すために適宜強調や省略、比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状や位置関係、比率とは異なる場合がある。また、説明の便宜上、入力装置100において、ノブ101が設けられている側を上方と称し、筐体200の底面側を下方と称する。ただし、入力装置100の取付方向は任意であり、この取付方向によっては、必ずしも、ノブ101が上方に位置するとは限らない。
まず、図1〜4を参照して入力装置100の構成を説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る入力装置100の外観形状の一例を示す斜視図である。図2は、図1に示す入力装置100の分解斜視図である。図3は、図1に示す入力装置100の構成の一例を示す断面図である。図4は、図1に示す入力装置100が備える、フランジ部材103、弾性部材104、およびアーマチュア151を示す斜視図である。
入力装置100は、ユーザによる回転操作に対応した信号を電気機器や車など各種装置に入力することができる装置である。図1に示すように、本実施の形態に係る入力装置100は、回転型操作装置110と検出器106およびスイッチ108とを備えてなる構成である。
(回転型操作装置の構成)
まず回転型操作装置110の構成について説明する。回転型操作装置110は、ノブ101と、回転軸体102と、フランジ部材103と、弾性部材104と、回転制御部105と、ディテント装置(電磁アクチュエータ)107と、固定軸体109(図3参照)と、筐体200(図3参照)とを備えてなる構成である。
ノブ101は、ユーザによる回転操作を受けつける部材である。本実施の形態の場合、ノブ101は、円柱形状をしているがこれに限定されるものではない。例えば、ノブ101は、その中心軸を回転軸として回転可能な柱体であればよく、中心軸に垂直な断面形状が星形など任意の形状とすることができる。また、ノブ101の周面には、滑り止めとして例えばローレット模様が刻まれていてもよい。なお、図3ではノブ101を中実のように図示しているが、ノブ101は中空であってもかまわない。また、ノブ101の材質は、金属や樹脂など任意の材質を選択しうる。
回転軸体102は、ノブ101の底部に接合され、ノブ101の回転に連動して回転する筒部材である。回転軸体102は、ノブ101に対する回転操作に応じて、該回転軸体102の中心軸を回転軸として回転する。本実施の形態の場合、回転軸体102の回転軸と、ノブ101の回転軸とが一致するように(同軸上となるように)、回転軸体102とノブ101とが接合されている。
回転軸体102は、図3に示すように、筐体200の底部から立設された円柱形状の固定軸体109を嵌め込むことができるように内部が中空となっている。そして、回転軸体102は、固定軸体109周りに回転可能となっている。なお、回転軸体102の回転軸は、固定軸体109の中心軸と一致するように配置されている。
また、回転軸体102の外周面には、外方に突出し、かつ該回転軸体102の軸方向に沿って所定の長さ延伸した第一突部121が形成されている。第一突部121は、回転軸体102の周方向に均等な間隔で4箇所設けられていてもよい。なお、第一突部121が設けられる個数はこの4つに限定されるものではなく、任意である。さらに、回転軸体102の外周面において、第一突部121の下方において、第一突部121と同様な形状を有する第二突部122が設けられている。第二突部122は、回転軸体102の周方向に均等な間隔で2か所設けられていてもよい。なお、第二突部122が設けられる個数はこの2つに限定されるものではなく第一突部121と同様に4つであってもよいし、任意である。
なお、回転軸体102を構成する材料は特に限定されるものではないが、後述の回転制御部105、検出器106、ディテント装置107等が磁力を用いて機能する場合は非磁性体の材料が好ましい。例えば回転軸体102は、樹脂により形成されてもよい。
図2または図4に示すように、フランジ部材103は、回転軸体102の外周面側に配置され、回転軸体102と共に回転可能な部材である。本実施の形態では、図4に示すように、フランジ部材103は、円環状の平板部材であり、その内周面には回転軸体102に設けられた第一突部121と嵌合するための第一溝131が設けられている。第一溝131は、回転軸体102に設けられた4つの第一突部121の位置と対応するように該回転軸体102の周方向に沿って均等な間隔でフランジ部材103の内周面に設けられている。そして、第一溝131において第一突部121が、回転軸体102の周方向に移動しないように第一溝131と第一突部121とはきっちりと嵌合している。このため、回転軸体102がノブ101に対する回転操作に応じて回転すると、フランジ部材103はこの回転軸体102と共に回転することができる。また、詳細は後述するが、フランジ部材103の回転が許可されない場合、回転軸体102も回転移動させないようにすることができる構成となっている。
また、第一溝131において第一突部121は、回転軸体102の軸方向には摺動可能となっている。このため、軸方向に沿って回転軸体102が移動したとしても、フランジ部材103は、回転軸体102に追従して一緒に移動しないように構成されている。
また、フランジ部材103を構成する材料は特に限定されるものではないが、後述の弾性部材104との接合を加硫接着により行う場合は、鉄などの金属でフランジ部材103を構成してもよい。
なお、本実施形態では回転軸体102に第一突部121を設け、フランジ部材103に第一溝131を設ける構成であったが、回転軸体102に第一溝131を設け、フランジ部材103に第一溝131と嵌合する第一突部121を設ける構成としてもよい。
弾性部材104は、回転軸体102の外周面側に配置された、可撓性を有する円環状部材であり、弾性部材104の上面においてフランジ部材103の下方側の端部に固定され、下面においてアーマチュア(電気子)151の上方側の端部に固定されている。つまり、フランジ部材103とアーマチュア151との間に弾性部材104が配置された構造となっている。このため、アーマチュア151を介して弾性部材104が移動できないように固定されたとしても、弾性部材104は可撓性を有するため、フランジ部材103は所定角度までは回転可能となる。
本実施の形態の場合、弾性部材104は、フランジ部材103よりも厚みのある円環状の板状部材であり、その内周面には回転軸体102に設けられた第一突部121を嵌合させるように第二溝142が第一溝131の下端から、該第一溝131の延伸方向に沿って連なるように設けられている。なお、第二溝142は、第一溝131よりも溝幅が広くなっており、第一突部121とは所定範囲の遊びが存在した状態で嵌合する。また、第二溝142において、第一突部121は、回転軸体102の軸方向には摺動可能となっている。このため、軸方向に沿って回転軸体102が移動したとしても、フランジ部材103と同様に弾性部材104は、回転軸体102に追従して一緒に移動しないように構成されている。
なお、弾性部材104を構成する材料は、自らの可撓性により固定的に接続されたフランジ部材103を回転軸体102の周方向の僅かな回転を許容する材料であり、復元力によりフランジ部材103を元の位置に戻すことができる材料である。具体的には、弾性部材104を構成する材料としては可撓性エラストマー、硬質ゴムなどを例示することができる。
本実施形態では、回転軸体102に第一突部121を設け、弾性部材104に第二溝142を設ける構成であるが、回転軸体102に第二溝142を設け、弾性部材104にフランジ部材103から延設した第一突部121を設ける構成としてもよい。
回転制御部105は、弾性部材104の回転軸体102周りの回転移動の可否を制御する装置である。本実施の形態の場合、回転制御部105は、電磁ブレーキにより実現してもよく、回転制御部105が電磁ブレーキにより実現される場合、図2、図3に示すように、上記したアーマチュア151に加え、電磁石152およびヨーク153を備える。
本実施の形態の場合、アーマチュア151は、フランジ部材103と同等の厚みを有した円環状の板状部材である。アーマチュア151の内周面には回転軸体102に設けられた第一突部121に嵌合させるように第三溝154が第二溝142の下端から、該第二溝142の延伸方向に沿って連なるように設けられている。第三溝154は、第一溝131よりも溝幅が広く第二溝142の溝幅と同等であり、第一突部121とは所定範囲の遊びが存在した状態で嵌合する。また、第三溝154において、第一突部121は、回転軸体102の軸方向には摺動可能となっている。このため、軸方向に回転軸体102が移動したとしても、フランジ部材103および弾性部材104と同様に、アーマチュア151は、回転軸体102に追従して一緒に移動しないように構成されている。
また、アーマチュア151は、電磁石152に通電することにより電磁石152の磁力によって固定され、電磁石152への通電を停止することによりこの固定が解除される磁性材料から構成される。具体的には、アーマチュア151を構成する材料としては鉄を例示することができる。
なお、本実施形態では、回転軸体102に第一突部121を設け、アーマチュア151に第三溝154を設ける構成であったが、回転軸体102に第三溝154を設け、フランジ部材103、弾性部材104、およびアーマチュア151にわたって延びた第一突部を設ける構成としてもよい。
図4に示すように、フランジ部材103とアーマチュア151とは、弾性部材104を挟み込むようにして、該弾性部材104に固着されている。このようなフランジ部材103と弾性部材104とアーマチュア151との固着方法は特に限定されるものではなく、接着剤による接合等でもかまわない。なお、弾性部材104がゴムで形成される場合、対向して配置されるフランジ部材103とアーマチュア151の間に弾性部材104を形成しつつ、これらを一体に接合する加硫接着によりフランジ部材103と弾性部材104とアーマチュア151とを接続してもかまわない。
電磁石152は、回転軸体102の外周面側に配置された、電線を巻き回して形成したコイルにより構成する。電磁石152は、外部から電流が供給されることより磁力を発生させることができ、電流の供給が遮断されることにより磁力を発生しない状態に切り替わる。本実施の形態の場合、電磁石152は、回転軸体102の外周面において、その周方向に沿って電線が巻き回された円環形状となっており、ヨーク153内に収容された状態で配置されている。
ヨーク153は、回転軸体102の外周面側に配置され、電磁石152から発生する磁束を制御し、アーマチュア151を磁気的に強く引きつけてアーマチュア151の回転軸体102周りの回転を抑止させる部材である。また、電磁石152への電力の供給が遮断されることにより磁力を発生しない状態になると、アーマチュア151との間の摩擦が減少し、アーマチュア151が回転軸体102周りに回転可能となる。
ヨーク153の形状は、電磁石152を収容することのできる形状であればよく、特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、上方が開口した環形状となっている。また、ヨーク153を構成する材料は、電磁石152が発生させる磁束を制御することができる磁性材料である。具体的には、ヨーク153を構成する材料としては鉄を例示することができる。
ディテント装置107は、回転軸体102を介してノブ101が所定の回転角度にあることを力覚として人の手に伝えることができる節度装置である。すなわち、ディテント装置107は、回転軸体102に対して、該回転軸体102の回転にトルクを与えることで、節度感覚(クリック感)を、ノブ101を回転させる人の手に伝えることができる。本実施の形態の場合、ディテント装置107は、節度感覚を、磁気を用いて発生させることができるものであり、磁気の状態を制御することで節度感覚の変更や節度感覚の消失などを制御することができる。また、磁気の状態は、ディテント装置107が備える後述のコイル50に供給する電流の大きさを変化させたり、電流の流れる方向を変化させたりすることで制御することができる。なお、ディテント装置107の詳細な構成については後述する。
筐体200は、電気機器や車などの他の機器に固定されて、ノブ101の回転や、ノブ101の押し下げまたは押し上げ位置の基準となる部材である。また、筐体200は、回転制御部105の一部であるヨーク153を固定状態で保持するとともに、ディテント装置107の一部を固定状態で保持している。本実施の形態では、上記した回転型操作装置110が備える各部のうち、ノブ101および回転軸体102の先端部以外の部材を、筐体200内に収容することができる構成となっている。
さらにまた筐体200は、下記において詳述するスイッチ108および検出器106を取り付けることができる構成となっている。このため、筐体200にスイッチ108および検出器106を取り付け、スイッチ108および検出器106により検出された検出結果を示す信号を出力することで、回転型操作装置110は、入力装置100として機能することができる。なお、本発明の検出部は、スイッチ108および/または検出器106によって実現することができる。
(検出器およびスイッチの構成)
検出器106は、回転軸体102の回転状態を検出する装置である。本実施の形態の場合、図2に示すように、検出器106は、主歯車160と、第一歯車161と、第二歯車162と、検出素子163とを備えている。
主歯車160は、回転軸体102に同軸で取り付けられる平歯車であり、回転軸体102と共に回転する歯車である。第一歯車161および第二歯車162は、主歯車160にかみ合って回転する相互に径の異なる平歯車である。なお、第一歯車161および第二歯車162にはマグネット(不図示)が取り付けられており、検出素子163によってそれぞれの回転を検出できるように構成されている。つまり、検出素子163は、第一歯車161および第二歯車162それぞれの回転を検出する素子であり、より具体的には、第一歯車161および第二歯車162それぞれに設けられたマグネットの動きを個別に検出可能な磁気抵抗素子を備える。
ここで、検出器106は、主歯車160とそれぞれかみ合い、相互に径の異なる第一歯車161、および、第二歯車162の回転を二つの検出素子163でそれぞれ検出することで、主歯車160を介した回転軸体102の回転状態を検出できるものとなっている。検出器106は、回転軸体102の回転状態を検出すると、この検出した結果を示す信号を制御装置(不図示)に出力することができる。なお、検出器106は、上記に限定されるものではなく、ロータリーエンコーダーなど任意のものでもよい。
スイッチ108は、回転軸体102の軸方向の動きを検出することができる装置である。本実施の形態の場合、スイッチ108は、プッシュスイッチであり、人がノブ101を押下する動作を、回転軸体102を介して検出し、その検出結果を示す信号を回転制御部105に出力することができる装置である。
(ディテント装置の構成)
次に、図5を参照してディテント装置107の構成について説明する。図5は、図1に示す入力装置100が備えるディテント装置107の分解斜視部である。図5に示すように、ディテント装置107は、第1コア10、第2コア15、第1軸受21、第2軸受22、マグネットホルダー30、マグネット40、およびコイル50を備えてなる構成である。
ディテント装置107では、後述する第1ティース11および第2ティース16の外周を囲む円環形状のボビン51に電線52が巻き回されてコイル50が形成されている。コイル50は、通電されることにより第1ティース11および第2ティース16を互いに異なる極性に磁化する。コイル50では、ボビン51の上面側の外周端部から側方に突出したコネクタ53が設けられており、このコネクタ53によってコイル50を構成する電線52と外部電源(不図示)から電流を供給するための外部電線(不図示)とを接続することができる。
また、コイル50の内側であり、かつ後述する第1ティース11および第2ティース16が交互に環状に配設されたコア(第1コアおよび第2コア)の内側において、第1ティース11および第2ティース16の内面に対向するように円環形状のマグネット40が配置される。マグネット40では、その外周側の周面において、周方向に沿ってN極に着磁された部分とS極に着磁された部分とが交互に配置されている。
マグネット40は、円環形状のマグネットホルダー30の外周面側に配置され、マグネットホルダー30に保持されている。マグネットホルダー30の内周面には、第四溝部31が形成されており、回転軸体102の外周面に設けられた第二突部122を嵌合させることができる構成となっている。また、マグネットホルダー30の中心軸と回転軸体102の中心軸とは同軸となるように配置されている。このため、回転軸体102が回転すると、該回転軸体102の回転に連動してマグネットホルダー30も、該マグネットホルダー30の中心軸を回転軸として回転することができる。
図5に示すように、マグネット40を保持するマグネットホルダー30の上端側には第1コア10に固定された第1軸受21が、マグネットホルダー30の下端側には第2コア15に固定された第2軸受22がそれぞれ配置されている。そして、マグネットホルダー30は、第1軸受21および第2軸受22それぞれに対して摺動可能となっている。このため、回転軸体102の回転に連動してマグネットホルダー30が回転したとしても、第1コア10および第2コア15の位置は固定されたままとなる。
第1コア10および第2コア15は、コイル50に電流が流れて発生した磁界が作用することで磁力を帯びて磁石化する磁性体であり、例えば、鉄などが例示できる。第1コア10および第2コア15により本発明のコアを実現する。なお、本明細書では、コイル50に電流が流れている状態を通電時と称する。
第1コア10は、図5に示すように略円環形状をしており、その内周において所定間隔で複数の略歯型形状の磁性体である第1ティース11が環状に配設されている。そして、第1コア10では、その内周側の縁に沿って、複数の略歯型形状の第1ティース11が下方(第2コア)に向って突出している。一方、第2コア15は、図5に示すように、第1コアと対向する位置に配置され、その内周において所定間隔で複数の略歯型形状の磁性体である第2ティース16が環状に配設されている。そして、第2コア15では、その内周側の縁に沿って、複数の略歯型形状の第2ティース16が上方(第1コア)に向かって突出している。そして、ディテント装置107が組み立てられた際には、図6に示すように、第1ティース11の凹凸と第2ティース16の凹凸とが噛み合うように配置される。換言すると、第1ティース11および第2ティース16が交互に環状に配設されるように第1コア10および第2コア15が配置される。なお、図6は、図5に示すディテント装置107における、第1コア10および第2コア15の配置関係の一例を模式的に示す図である。図6に示す図では、第1コア10の第1ティース11と第2ティース16との配置関係が理解しやすいように、マグネットホルダー30およびマグネット40は図示していない。
また、第1コア10には、その外周の下端から側方に突出した3つの第1フランジ部12が設けられており、各第1フランジ部12にはネジ(不図示)を挿通させるための第1ネジ孔13がそれぞれ2つずつ形成されている。同様に第2コア15には、その外周の上端から側方に突出した3つの第2フランジ部17が設けられており、各第2フランジ部17にはネジ(不図示)を挿通させるための第2ネジ孔18がそれぞれ2つずつ形成されている。そして、第1ネジ孔13と第2ネジ孔18とが一致するように第1コア10および第2コア15を配置し、ネジを挿通させることで両者の位置決めおよび両者の固定ができるように構成されている。なお、第1コア10に設けられる第1フランジ部12および第1ネジ孔13の個数ならびに第2コア15に設けられる第2フランジ部17および第2ネジ孔18の個数は任意である。
また、本実施の形態に係るディテント装置107では、図7に示すように、第1ティース11の先端部において、該第1ティース11の先端側へ延設されるように第1補助磁石61が設けられている。また、第2ティース16の先端部において、該第2ティース16の先端側へ延設されるように第2補助磁石62が設けられている。第1補助磁石61および第2補助磁石62は、ともに永久磁石とすることができる。図7は、図5に示すディテント装置107が備える第1コア10および第2コア15の配置状態の一例を示す図である。
第1補助磁石61は、通電時において磁石化した第1コア10の第1ティース11と同極となる磁石が選択される。また、第2補助磁石62は、通電時において磁石化した第2コア15の第2ティース16と同極となる磁石が選択される。
第1補助磁石61および第2補助磁石62の取付位置は、上記した第1ティース11の先端部および第2ティース16の先端部に限定されるものではない。例えば、第1ティース11および第2ティース16それぞれの基端部に設けられていてもよい。あるいは、第1ティース11および第2ティース16それぞれの内側の面(マグネット40と対向する側の面)における中間位置に、第1補助磁石61および第2補助磁石62が設けられる構成であってもよい。このように構成した場合、第1補助磁石61および第2補助磁石62の厚み分だけ第1ティース11および第2ティース16と、マグネット40との距離を離す必要があるため、マグネット40の吸着力によるトルクの大きさが小さくなったり、ディテント装置107の寸法が大きくなったりする場合がある。このため、第1補助磁石61および第2補助磁石62は、第1ティース11および第2ティース16と同一面となるように設けることが好適である。特には、第1補助磁石61および第2補助磁石62を、第1ティース11および第2ティース16の先端部に設ける構成とした場合、第1補助磁石61および第2補助磁石62が第1ティース11および第2ティース16と同一面となるように容易に形成できる。
また、ディテント装置107では、回転軸体102の回転に応じて回転するマグネットホルダー30によってマグネット40が保持された構成であったが、この構成に限定されるものではない。例えば、マグネット40が回転軸体102の回転に応じて回転可能となるように、該回転軸体102に連結された構成であってもよい。このように構成される場合、ディテント装置107は、マグネットホルダー30を必ずしも備える必要はない。
ところで、上記した構成を有するディテント装置107において第1補助磁石61および第2補助磁石62を設けない構成とした場合、コイル50が通電時の時と、無通電時の時とでは操作感触が異なる。ここで、操作感触の相違が生じる要因を比較例に係るディテント装置107aを例に挙げて以下に説明する。
(比較例)
比較例に係るディテント装置107aは、上記した本実施の形態に係るディテント装置107と比較して、第1補助磁石61および第2補助磁石62を備えていない点以外は同様の構成となる。このため、比較例に係るディテント装置107aが備える各部には本実施の形態に係るディテント装置107が備える各部と同様の符号を付し、各部の説明については省略する。
比較例に係るディテント装置107aが無通電時にあるとき、第1ティース11および第2ティース16とマグネット40との位置関係は図8に示すようになる。図8は、本発明の比較例に係るディテント装置107aが無通電時にあるときの、第1ティース11および第2ティース16とマグネット40との位置関係ならびにそれぞれの磁極の一例を模式的に示す図である。この例では、隣接する第1ティース11と第2ティース16とにおいて、それぞれの中心間の間隔が11.25度となるように配置されている。
図8に示すように、無通電時における初期位置(0度)では、マグネット40の着磁部分の対向する位置に第1ティース11または第2ティース16が配置されており、マグネット40の各着磁部分は、対向する第1ティース11または第2ティース16に対して吸引力が働く。このように、マグネット40の着磁部分と第1ティース11または第2ティース16とが対向する位置に停止し、マグネット40の吸引力により安定している位置を安定点と称する。
ここで、ノブ101の回転操作に応じてマグネットホルダー30が5.625度だけ回転すると、マグネット40の着磁部分が移動し、第1ティース11と第2ティース16との間隙位置と対向する位置となる。図8の例ではマグネット40の着磁部分は紙面右側に向かって移動するものとする。
このとき、マグネット40の着磁部分は隣接する第1ティース11と第2ティース16との両方に吸引力が働くこととなる。このため、マグネット40に外力が少しでも加わると左右いずれかの安定点に移動してしまう。このような外力が少しでも加わると左右いずれかの安定点に移動してしまう位置を不安定点と称する。
マグネットホルダー30が5.625度だけさらに同じ方向に移動すると、マグネット40の着磁部分が移動し、マグネット40の着磁部分と第1ティース11または第2ティース16とが対向する位置、すなわち安定点となる。
このため、無通電時では、マグネット40が11.25度移動する度に、第1ティース11および第2ティース16とマグネット40の着磁部分とは安定点となる位置関係にある。なお、この安定点となる位置で、ノブ101の回転移動が停止する構成となっている。
これに対して、通電時では、第1ティース11および第2ティース16とマグネット40の着磁部分との関係は図9に示すようになる。図9は、本発明の比較例に係るディテント装置107aが通電時にあるときの、第1ティース11および第2ティース16とマグネット40との位置関係ならびにそれぞれの磁極の一例を模式的に示す図である。
なお、本実施形態では、通電時においてコイル50で生じた磁界が作用して第1ティース11がS極に、第2ティース16がN極にそれぞれ磁石化する構成を例に挙げて説明する。
図9に示すように、通電時における初期位置(0度)では、マグネット40のN極に着磁された部分の対向する位置にS極となる第1ティース11が配置されており、マグネット40のS極に着磁された部分の対向する位置にN極となる第2ティース16が配置され、マグネット40の着磁部分と対向する第1ティース11または第2ティース16との間で吸引力が働く安定点の位置にある。
ここで、ノブ101の回転操作に応じてマグネットホルダー30が5.625度だけ回転すると、マグネット40の着磁部分は、第1ティース11と第2ティース16との間隙位置と対向する位置まで移動する。図9の例では、図8の例と同様に、マグネット40の着磁部分は紙面右側に向かって移動するものとする。
このとき、例えば、マグネット40のN極に着磁された部分は、隣接する第1ティース11と第2ティース16とにおいて、第1ティース11に対しては吸引力が働くが、第2ティース16に対しては反発力が働いた状態となる。さらに、マグネットホルダー30が5.625度だけ同じ方向に移動すると、マグネット40の着磁部分と、該着磁部分と対向する位置にある第1ティース11または第2ティース16とは同極となる。このため、マグネット40の着磁部分と対向する第1ティース11または第2ティース16とは互いに反発力が働いた状態であり、外力が少しでも加わると紙面における左右いずれかの安定点に移動してしまう不安定点にある。
この不安定点の位置から、ノブ101の回転操作に応じてマグネットホルダー30が5.625度だけさらに同じ方向に移動すると、マグネット40の着磁部分は、第2ティース16と第1ティース11との間隙位置と対向する位置に移動する。この位置からさらに、ノブ101の回転操作に応じてマグネットホルダー30が5.625度だけ同じ方向に移動するとマグネット40の着磁部分と、該着磁部分と対向する位置にある第1ティース11または第2ティース16とは異極となり、安定点となる。
このため、通電時では、マグネット40が22.5度移動する度に、第1ティース11および第2ティース16とマグネット40の着磁部分とは安定点となる位置関係にある。したがって、比較例に係るディテント装置107aにおいて、無通電時と通電時とでは、安定点となる周期が異なるため、ノブ101の回転移動を停止させる位置が異なる場合がある。
そのため、無通電時にノブ101が回転し、任意の安定点でノブ101が停止したとする。この状態において通電させると、回転後のノブ101の位置が、通電時の安定点と一致しない場合は、ノブ101は左右いずれかに回転し、通電時の安定点となる位置まで移動してしまうこととなる。
(本実施の形態に係るディテント装置における安定点)
一方、本実施の形態に係るディテント装置107では、第1ティース11および第2ティース16に第1補助磁石61および第2補助磁石62を備える構成である。このため、無通電時および通電時において安定点を図10、11に示すように一致させることができる。図10は、本発明の実施形態に係るディテント装置107が無通電時にあるときの、第1ティース11および第2ティース16とマグネット40との位置関係、ならびにそれぞれの磁極の一例を模式的に示す図である。また、図11は、本発明の実施形態に係るディテント装置107が通電時にあるときの、第1ティース11および第2ティース16とマグネット40の位置関係、ならびにそれぞれの磁極の一例を模式的に示す図である。
図10、11に示す例では、第1ティース11と第2ティース16とは、それぞれの中心間の間隔が11.25度となるように配置されている。また、通電時では第1ティース11はS極に、第2ティース16はN極に磁石化するものとする。
すなわち、図10に示すように、まず無通電時におけるマグネット40の初期位置(0度)では、マグネット40の着磁部分の対向する位置に、該着磁部分の磁極とは異極となる第1補助磁石61または第2補助磁石62を備えた第1ティース11または第2ティース16が配置されている。このため、マグネット40の各着磁部分と、対向する第1ティース11および第2ティース16とは互いに吸引力が働く安定点の位置にある。
ここで、ノブ101の回転操作に応じてマグネットホルダー30が5.625度だけ移動すると、マグネット40の着磁部分が移動し、第1ティース11と第2ティース16との間隙部分と対向する位置となる。図10の例ではマグネット40の着磁部分は紙面右側に向かって移動するものとする。このとき、マグネット40の着磁部分は隣接する第1ティース11と第2ティース16とにおいて、一方に対して吸引力が働くが、他方に対しては反発力が働く状態となる。
さらに、ノブ101の回転操作に応じてマグネットホルダー30が5.625度だけ同じ方向に移動すると、マグネット40の着磁部分が移動し、マグネット40の着磁部分の対向する位置に、マグネット40の着磁部分の磁極と同極の第1補助磁石61または第2補助磁石62を備えた第1ティース11または第2ティース16が配置された不安定点の位置となる。このため、マグネット40に外力が少しでも加わると左右いずれかの安定点の位置に移動してしまう。
この不安定点の位置からマグネットホルダー30が5.625度だけさらに同じ方向に移動すると、マグネット40の着磁部分は、第2ティース16と第1ティース11との間隙部分と対向する位置となる。このとき、マグネット40の着磁部分は隣接する第1ティース11と第2ティース16とにおいて、一方に対して吸引力が働くが、他方に対しては反発力が働く状態となる。
ノブ101の回転操作に応じてマグネットホルダー30がこの位置からさらに5.625度だけ同じ方向に移動すると、マグネット40の着磁部分は、マグネット40の着磁部分の磁極とは異極となる第1補助磁石61または第2補助磁石62を備えた第1ティース11または第2ティース16と対向する位置、すなわち安定点となる。
このように、本実施の形態に係るディテント装置107では、無通電時のときであっても、マグネット40が22.5度移動する度に、第1ティース11および第2ティース16とマグネット40の着磁部分とは安定点となる。
これに対して、通電時では、第1ティース11および第2ティース16とマグネット40の着磁部分との吸引/反発状態の関係は図11に示すように、図10に示す比較例に係るディテント装置107aと同様となり、22.5度の周期で安定点となる。このため、通電時における本実施の形態に係るディテント装置107の第1ティース11および第2ティース16とマグネット40の着磁部分との吸引/反発状態の関係に関する説明は省略する。
以上のように、本実施の形態に係る入力装置100では、ディテント装置107のコイル50が通電時のときと、無通電時のときとで、安定点の状態となる周期を一致させることができる。このため、入力装置100では、操作感触の違いを無くし、良好な操作感を得ることができる。なお、実施の形態では、入力装置100を例に挙げて説明したが、ディテント装置107を備えた回転型操作装置110においても同様な効果が得られる。
また、第1ティース11および第2ティース16は、第1補助磁石61および第2補助磁石62を備え、これらの磁力をマグネット40の着磁部分と第1ティース11および第2ティース16との間における吸引力/反発力に利用することができる構成となっている。このため、通電時において、コイル50に供給する電流の大きさを第1補助磁石61および第2補助磁石62を備えない構成の時よりも小さくすることができる。
また、上記では、全ての第1ティース11に第1補助磁石61を、全ての第2ティース16に第2補助磁石62を設ける構成を例に挙げて説明した。しかしながら、第1補助磁石61は、環状に配設された複数の第1ティース11において所定の間隔ごとに設けられ、第2補助磁石62は、環状に配設された複数の第2ティース16において所定の間隔ごとに設けられてもよい。このように構成する場合、全ての第1ティース11および第2ティース16に第1補助磁石61および第2補助磁石62を設ける必要がないため、製造コストを抑制することができる。さらには、第1ティース11または第2ティース16のいずれか1つだけに補助磁石(第1補助磁石61または第2補助磁石62)が設けられた構成としてもよい。補助磁石(第1補助磁石61または第2補助磁石62)を1つだけ備えた構成としたとしても、補助磁石が設けられている部分ではノブ101が22.5度回転する度に、換言するとマグネット40が22.5度移動する度に安定点となり、無通電時における安定点の位置と、通電時における安定点の位置を一致させることができる。
(変形例)
次に、図12を参照して、本実施の形態に係る入力装置100をシフト装置の入力部として車に取り付けられた場合を、変形例として説明する。図12は、本実施の形態の変形例に係る入力装置100の一例を示す平面図である。
図12に示すように、入力装置100は、車(不図示)の動作状態を変更する、シフトバイワイヤ方式のシフト装置の入力部として車に取り付けられている。図中のP、R、N、D、Lは、以下の意味で記載されている。P:パーキング(タイヤをロックした状態)。N:ニュートラル(タイヤをロックしない状態)。D:ドライブ(通常走行状態)。L:ロー(エンジンブレーキなどが必要な状態)。R:リバース(後退させる状態)。
通常、入力装置100を用いて車の運転を行う場合、運転者はノブ101を回転させて運転状態を選択する。ノブ101には、選択位置を示す目印111が刻印されており、ディテント装置107は、目印111がP、R、N、D、Lの各位置へ移動する際に強い力覚が発生するように回転軸体102のトルクを制御している。具体的には、ディテント装置107では、運転者がノブ101を回転させると、その回転を検出器106が検出し、検出結果を示す信号を制御装置(不図示)に出力する。制御装置は、検出器106から受け付けた信号に応じて、ディテント装置107のコイル50に電流を流し、ディテント装置107を通電状態とする。このようにディテント装置107を通電状態とすることで、回転軸体102に強いトルクを与え、節度感覚を発生させる。なお、ノブ101の回転を検出した際、検出器106は、目印111がP、R、N、D、Lのどの位置をあるかを示す情報を制御装置(不図示)にさらに送信してもよい。
なお、目印111がDの位置にある場合は、回転制御部105がアーマチュア151を固定して、ノブ101が回転できないように制御する構成となっていてもよい。これは、走行中に、不本意に目印111の位置がDの位置からLの位置に変わり、エンジンブレーキが急にかかることを防止するためである。
また、目印111の位置をDの位置からLの位置に変更させるには、運転者はノブ101を押下しながら右に回転させる構成としてもよい。このように構成される場合、ノブ101が押下されることにより回転軸体102を介してスイッチ108が運転者による押下動作を検出する。そして、その検出結果を示す信号を回転制御部105に出力する。回転制御部105は、スイッチ108から受け付けた信号に応じて、アーマチュア151の固定を解除させる。これにより、運転者はノブ101を回転させて目印111の位置をDの位置からLの位置に変更することができる。
以上のように、入力装置100は、シフト装置の入力部として適用することができる。なお、上記した変形例では、入力装置100をシフト装置の入力部として適用させる例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、入力装置100は、テレビやエアコンなどの電気機器を操作するための入力部など任意の機器にも適用することができる。
本発明は、車や電気機器など回転操作によって制御される装置などに利用可能である。
10 第1コア
11 第1ティース
12 第1フランジ部
13 第1ネジ孔
15 第2コア
16 第2ティース
17 第2フランジ部
18 第2ネジ孔
21 第1軸受
22 第2軸受
30 マグネットホルダー
31 第四溝部
40 マグネット
50 コイル
51 ボビン
52 電線
53 コネクタ
61 第1補助磁石
62 第2補助磁石
100 入力装置
101 ノブ
102 回転軸体
103 フランジ部材
104 弾性部材
105 回転制御部
106 検出器
107 ディテント装置
107a ディテント装置
108 スイッチ
109 固定軸体
110 回転型操作装置
111 目印
121 第一突部
122 第二突部
131 第一溝
142 第二溝
151 アーマチュア
152 電磁石
153 ヨーク
154 第三溝
160 主歯車
161 第一歯車
162 第二歯車
163 検出素子
200 筐体

Claims (4)

  1. 回転操作されるノブと、
    前記ノブに対する回転操作に応じて回転する回転軸体と、
    前記回転軸体の回転にトルクを与えて前記回転操作に節度感を発生させる電磁アクチュエータと、を備えた回転型操作装置であって、
    前記電磁アクチュエータは、
    略歯型形状の磁性体であるティースを成す複数の第1ティース及び第2ティースが交互に環状に配設されたコアと、
    前記回転軸体の回転に応じて回転可能に前記回転軸体に連結され、前記ティースの内面に対向するように前記コアの内側に配置されて周方向に異なる磁極が交互に着磁された環状のマグネットと、
    前記コアの外側に配置され、通電されることにより前記第1ティースおよび前記第2ティースを互いに異なる極性に磁化するコイルと、を有し、
    前記ティースのうち少なくとも1つには補助磁石が設けられており、前記補助磁石は、前記コイルが通電されたときに当該補助磁石が設けられた前記ティースの磁極と同極となる磁石で構成されている、回転型操作装置。
  2. 前記補助磁石は、前記ティースの先端部に、該ティースの先端側へ延設されるようにして設けられる請求項1に記載の回転型操作装置。
  3. 前記補助磁石は、前記第1ティースおよび第2ティースそれぞれにおいて所定の間隔ごとに設けられている請求項1または2に記載の回転型操作装置。
  4. 請求項1に記載の回転型操作装置と、
    前記ノブの回転を検出し、検出した結果を示す信号を出力する検出部と、を備える入力装置。
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