JP2018162943A - 熱源制御システム、熱源制御システムの制御方法および演算装置 - Google Patents

熱源制御システム、熱源制御システムの制御方法および演算装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 空調システム全体のエネルギー消費量を最小にするとともに、室内の快適性を損なわない2次冷水往温度を、従来と比べてより簡易な手法で決定する。【解決手段】 熱源制御システムの演算装置において、熱源1次側処理部は、2次冷水流量の計測値および外気湿球温度の計測値を用いて、熱源1次側エネルギー消費量と2次冷水往温度との組み合わせを複数組算出し、該算出結果に基づいて、熱源1次側エネルギー消費量と2次冷水往温度との相関を示す第1の関数を生成する。熱源2次側処理部は、システム運用時の2次冷水ポンプのエネルギー消費量と2次冷水往温度の組み合わせの分布に基づいて、2次冷水ポンプのエネルギー消費量と2次冷水往温度との相関を示す第2の関数を生成する。目標値算出部は、第1の関数および第2の関数を合成して、システム全体のエネルギー消費量と2次冷水往温度との相関を示す目的関数を生成し、目的関数でシステム全体のエネルギー消費量が最小となる温度に基づいて2次冷水往温度の目標値を決定する。【選択図】 図4

Description

本発明は、空調設備の熱源制御システム、熱源制御システムの制御方法および演算装置に関する。
空調設備における熱源制御システムでは、熱源側である1次側の機器(冷凍機、1次冷水ポンプ、冷却塔、冷却水ポンプ)のエネルギー消費量と、空調負荷側である2次側の機器(空調機、2次冷水ポンプ)のエネルギー消費量とを合計した空調システム全体でのエネルギー消費量が最小となるような制御が求められている。
ここで、熱源制御システムの1次側の機器の制御では、1次側の機器の消費エネルギーが少なくなるように、冷凍機別の1次冷水流量を制御している。
また、2次側の機器に関しては、2次冷水流量や2次冷水往温度を制御することで空調システム全体のエネルギー消費量を制御できる。2次冷水流量については、吐出圧を一定とする制御や、末端差圧を一定とする制御が行われている。また、例えば、2次冷水往温度を上げると、1次側における冷凍機の冷水出口温度を上げることができるので、冷凍機でのエネルギー消費量が抑制される。そのため、熱源制御システムにおける2次冷水往温度の設定は、熱源機と空調システム全体のエネルギー消費量を決める大きな因子となる。特に、中間期や冬期には、2次冷水往温度を設定値より上げても空調負荷が処理可能であるため、省エネルギーのために2次冷水往温度の設定を上げることもある。
ところで、2次側の機器のエネルギー消費量は、外気条件、時刻、室内の使用状況などに基づく熱負荷の変動に応じて変化する。そのため、空調対象となる室内の快適性と省エネルギー性を同時に満たす最適な2次冷水往温度を物理演算で求めることは困難である。例えば、仮に、2次側の機器のエネルギー消費量が最小となる2次冷水往温度に設定したとしても、この2次冷水往温度が熱負荷を処理できない温度であった場合には室内の温度が上昇してしまい、室内の快適性が損なわれてしまう。
一般的な熱源制御システムの制御では、快適性と省エネルギー性を維持できると考えられる2次冷水往温度を、オペレータが個人的な勘と経験に基づいて手動で設定しているのが現状である。したがって、実際の熱源制御システムの制御では、空調負荷の状態に対して必ずしも最適な2次冷水往温度が設定されていないことも多い。また、2次冷水往温度の設定を変化させる場合において、オペレータが温度設定をどの程度変化させればよいか分からないことも多い。
また、空調システムの制御において、多変数スプラインによる応答曲面法(RSM−S:Response Surface Method by Spline)等を用いたモデルに基づき、操作パラメータを求めることも提案されている(例えば、特許文献1−3参照)。
特許第4402645号公報 特許第5860237号公報 特許第5320128号公報
しかし、従来技術の手法は、いずれも1次側の機器と2次側の機器のエネルギー消費量をまとめて統計分析するため、多様なパラメータを反映した応答曲面のモデルが非常に複雑な形状となってしまう。そのため、従来技術の手法では、応答曲面のモデルから最適解を求める演算工程が非常に複雑になってしまうため、実用性に乏しい。
本発明の目的は、空調システム全体のエネルギー消費量を最小にするとともに、室内の快適性を損なわない2次冷水往温度を、従来と比べてより簡易な手法で決定できる熱源制御システム、熱源制御システムの制御方法および演算装置を提供することにある。
本発明の一態様に係る熱源制御システムは、冷凍機と、前記冷凍機の冷水出口側に冷水1次往配管で接続される第1往ヘッダと、1次冷水ポンプを介して、前記冷凍機の冷水入口側に冷水1次還配管で接続される還ヘッダと、前記第1往ヘッダと前記還ヘッダとを接続するバイパス管と、2次冷水ポンプを介して、前記第1往ヘッダに往ヘッダ配管で接続される第2往ヘッダと、前記第2往ヘッダと前記還ヘッダとの間に冷水2次往配管および冷水2次還配管を介して接続される空調負荷と、前記第2往ヘッダ又は前記冷水2次往配管に配置され、2次冷水往温度を計測する2次往温度計と、前記還ヘッダ又は前記冷水2次還配管に配置され、2次冷水還温度を計測する2次還温度計と、前記冷水2次還配管に配置され、2次冷水流量を計測する2次流量計と、外気湿球温度を計測する外気温湿度センサと、前記2次冷水往温度の目標値を求める演算装置と、前記2次冷水往温度の目標値に基づき、前記冷凍機、前記1次冷水ポンプおよび前記2次冷水ポンプを制御する制御装置と、を備える。
前記演算装置は、2次負荷熱量算出部と、熱源1次側処理部と、熱源2次側処理部と、目標値算出部と、を有する。2次負荷熱量算出部は、前記2次冷水流量の計測値、前記2次冷水還温度の計測値および前記2次冷水往温度の計測値を用いて、2次負荷熱量を算出する。熱源1次側処理部は、前記2次冷水流量の計測値および前記外気湿球温度の計測値を用いて、1次側の機器のエネルギー消費量である熱源1次側エネルギー消費量と2次冷水往温度との組み合わせを複数組算出し、該算出結果に基づいて、前記熱源1次側エネルギー消費量と前記2次冷水往温度との相関を示す第1の関数を生成する。熱源2次側処理部は、前記2次負荷熱量と前記外気湿球温度の計測値に基づいて抽出された、システム運用時の前記2次冷水ポンプのエネルギー消費量と前記2次冷水往温度の組み合わせの分布に基づいて、前記2次冷水ポンプのエネルギー消費量と前記2次冷水往温度との相関を示す第2の関数を生成する。目標値算出部は、前記第1の関数および前記第2の関数を合成して、システム全体のエネルギー消費量と前記2次冷水往温度との相関を示す目的関数を生成し、前記目的関数で前記システム全体のエネルギー消費量が最小となる前記2次冷水往温度を算出し、算出された前記2次冷水往温度に基づいて前記2次冷水往温度の目標値を決定する。
また、熱源制御システムは、前記2次負荷熱量と前記外気湿球温度の計測値に基づいて抽出された、システム運用時の前記空調負荷のエネルギー消費量と前記2次冷水往温度の組み合わせの分布に基づいて、前記空調負荷のエネルギー消費量と前記2次冷水往温度との相関を示す第3の関数を生成する空調負荷処理部をさらに備えていてもよい。そして、前記目標値算出部は、前記第1の関数、前記第2の関数および前記第3の関数を合成して前記目的関数を生成してもよい。
また、熱源制御システムは、システム運用時における、前記2次負荷熱量、前記外気湿球温度、前記2次冷水ポンプのエネルギー消費量および前記2次冷水往温度の組み合わせを複数記憶した記憶装置をさらに備えていてもよい。そして、前記熱源2次側処理部は、前記2次負荷熱量算出部で算出した2次負荷熱量および前記外気湿球温度の計測値の条件に対応する前記2次冷水ポンプのエネルギー消費量と前記2次冷水往温度との組み合わせを前記記憶装置から複数抽出してもよい。
また、熱源制御システムは、システム運用時における、前記2次負荷熱量、前記外気湿球温度、前記空調負荷のエネルギー消費量および前記2次冷水往温度の組み合わせを複数記憶した記憶装置をさらに備えていてもよい。そして、前記空調負荷処理部は、前記2次負荷熱量算出部で算出した2次負荷熱量および前記外気湿球温度の計測値の条件に対応する前記空調負荷のエネルギー消費量と前記2次冷水往温度との組み合わせを前記記憶装置から複数抽出してもよい。
ここで、本発明の一態様に係る熱源制御システムの特徴は、熱源制御システムの制御方法や、熱源制御システムの2次冷水往温度の目標値を算出する演算装置の形式で表現することもできる。また、本発明の一態様に係る熱源制御システムの構成は、1次2次ポンプ方式の場合に限定されず、1次ポンプ方式の場合にも適用することが可能である。
本発明の一態様によれば、空調システム全体のエネルギー消費量を最小にするとともに、室内の快適性を損なわない2次冷水往温度を、従来と比べてより簡易な手法で決定できる。
一実施形態における1次2次ポンプ方式の熱源制御システムの構成例を示す図 データ収集サーバのデータベースの例を示す図 一実施形態のリアルタイムコントローラに関する制御フローの例を示す図 一実施形態の熱源制御システムにおける演算サーバでの演算処理例を示す図 (a):熱源1次側エネルギー消費量E1_HS1と2次冷水往温度Tcs2との対応関係の例を示すグラフ、(b):図5(a)に第1の関数F1をプロットした図 (a):2次冷水ポンプのエネルギー消費量EP_CP2と2次冷水往温度Tcs2との対応関係の例を示すグラフ、(b):図6(a)に第2の関数F2をプロットした図 (a):空調負荷のエネルギー消費量E1_AHUと2次冷水往温度Tcs2との対応関係の例を示すグラフ、(b):図7(a)に第3の関数F3をプロットした図 関数F1〜F4を示すグラフ 他の実施形態における1次ポンプ方式の熱源制御システムの構成例を示す図 他の実施形態の熱源制御システムにおける演算サーバでの演算処理例を示す図
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
空調設備の熱源制御システムは、1次ポンプ方式および1次2次ポンプ方式のいずれであってもよい。以下、1次2次ポンプ方式の熱源制御システムの構成と、1次ポンプ方式の熱源制御システムの構成とをそれぞれ説明する。なお、以下の説明では、冷水を冷熱媒とし、冷凍機を熱源とする場合を説明する。
<1次2次ポンプ方式の熱源制御システムの構成例>
図1は、一実施形態に係る1次2次ポンプ方式の熱源制御システム100の構成例を示す。1次2次ポンプ方式の熱源制御システム100では、往ヘッダ102および還ヘッダ103を境として冷凍機側と空調負荷側の揚程を2種類のポンプで分け合う。そのため、熱源制御システムは、複数台の冷凍機(熱源機R)11の各々に対して設けられる複数台の1次冷水ポンプ12と、2次冷水ポンプ85a,85bとを有している。1次冷水ポンプ12は、空調機104などの空調負荷で熱交換されて昇温して還ヘッダ103に還ってくる2次冷水を、冷凍機11を経由させて1次冷水として送り出す。1次冷水ポンプ12は、1次冷水を還ヘッダ103から冷凍機、冷凍機11から往ヘッダ102へと循環させるときに、往ヘッダ102及び還ヘッダ103までの配管抵抗と冷凍機11の水圧損分との合計を揚程として受け持つ。また、2次冷水ポンプ85a,85bは、冷凍機11から往ヘッダ102に送り出された1次冷水を、空調負荷に対して2次冷水として送り出す。2次冷水ポンプは、冷水2次往配管39および冷水2次還配管41の配管抵抗と空調負荷の熱交換器部分の水圧損分との合計を揚程として受け持つ。
図1に示す熱源制御システム100は、n台の単独熱源ユニット101(1)〜101(n)と、往ヘッダ102と、還ヘッダ103と、空調機(AHU)104と、リアルタイムコントローラ105と、外気湿球温度を計測する外気温湿度センサ106と、データ収集サーバ200と、演算サーバ300とを有する。ここで、外気温湿度センサ106は、計測した外気湿球温度をリアルタイムコントローラ105に信号として出力する。なお、図1の例では、簡単のため空調機(AHU)104を1台のみ示すが、空調負荷としての空調機(AHU)104の台数は複数である。また、リアルタイムコントローラ105、データ収集サーバ200、演算サーバ300は、公知の有線または無線のネットワーク400を介してそれぞれ接続されている。
単独熱源ユニット101は、冷凍機1台に関係する構成機器のまとまりであって、冷凍機(熱源機R)と、1次冷水ポンプと、冷却塔と、冷却水ポンプとの4つの機器を含む。図1に示すn台の単独熱源ユニット101は、各要素の性能に相違がある場合(例えば、冷凍機の形式による違い、冷却塔の伝熱面積による違い等)があるものの、その基本構成は同一または同様である。ここでは1つの単独熱源ユニット101(n)の構成を説明し、個々の単独熱源ユニット101に関する重複説明は省略する。単独熱源ユニット101(n)は、上記のように、冷凍機(熱源機R)11と、1次冷水ポンプ12と、冷却塔13と、冷却水ポンプ14とを有する。
冷凍機(熱源機R)11は、例えば、ターボ冷凍機、インバータターボ冷凍機、吸収式冷凍機、冷温水発生機、スクリューチラー、ヒートポンプチラーなどである。部分負荷特性が確認できる場合には、冷凍機(熱源機R)11として排熱回収型の冷凍機を用いることもできる。
n台の単独熱源ユニット101における各々の冷凍機(熱源機R)11は、それぞれ冷水1次往配管15により往ヘッダ102に対して並列に接続されており、それぞれ冷水1次還配管16により還ヘッダ103に対して並列に接続されている。ここで、冷水1次往配管15は、冷水の1次側において、熱源機Rで冷却(冷凍という)された冷水を往ヘッダ102へ送水する配管である。また、冷水1次還配管16は、冷水の1次側において、空調機104で熱交換されて温度が上昇した後に還ヘッダ103に戻り、合流した還冷水を還ヘッダ103から熱源機Rまで送水する配管である。
冷凍機(熱源機R)11には、リアルタイムコントローラ105から冷水出口温度SP(Set Point:設定値)の情報が入力される。冷凍機(熱源機R)11からは、熱源運転状態を示す情報がそれぞれリアルタイムコントローラ105へ出力される。
冷水1次往配管15には、冷凍機(熱源機R)11の冷水出口温度を計測する温度センサ17が設けられている。温度センサ17の温度PV(Process Value:計測値)は、リアルタイムコントローラ105へ出力される。
冷水1次還配管16には、還ヘッダ103から冷凍機(熱源機R)11に向かって、流量計18と、1次冷水ポンプ12と、冷凍機(熱源機R)の冷水入口温度を計測する温度センサ19とがそれぞれ設けられている。温度センサ19の温度PVは、リアルタイムコントローラ105へ出力される。また、流量計18の流量PVは、リアルタイムコントローラ105へ出力される。なお、1次冷水ポンプはポンプモータの電源としてインバータ(INV)を備えている。そして、1次冷水ポンプ12の回転数は、リアルタイムコントローラ105の指示によりインバータ(INV)により電源が周波数制御されることで可変する。
また、冷凍機(熱源機R)11には、排熱を熱交換する凝縮器などの熱交換器の入口出口に冷却水を出し入れ可能に接続された環状の冷却水配管21が設けられている。そして、環状の冷却水配管21により、冷却水ポンプ14を介して冷却塔13が熱源機Rに接続されている。冷却水ポンプ14の搬送力により、熱源機Rからは、熱源機Rの排熱で温度が上昇した冷却水が冷却水配管21を通じて冷却塔13へ送水される。また、冷却水ポンプ14の搬送力により、冷却塔13からは、冷却塔13の冷却塔ファンで外気と冷却水とが熱交換されて熱を放出し温度が下がった冷却水が冷却水配管21を通じて熱源機Rへ送水される。
冷却塔13は、冷却塔ファンによる外気との直接接触または外気との間接接触で、冷凍機(熱源機R)11の排熱で温度が上昇した冷却水を冷却する。冷却水ポンプ14は、冷却塔13で冷却された冷却水を冷凍機(熱源機R)11に送る。なお、冷却塔13の冷却塔ファンおよび冷却水ポンプ14はそれぞれインバータ(INV)を各モータの電源に備えている。そして、冷却塔13の冷却塔ファンおよび冷却水ポンプ14の回転数は、リアルタイムコントローラ105の指示によりそれぞれインバータ(INV)により電源が周波数制御されることで可変する。
また、往ヘッダ102および還ヘッダ103は、バイパス路31を介して接続されている。
このように、図1に示す熱源制御システム100では、n台の単独熱源ユニット101と、往ヘッダ102と、還ヘッダ103と、これらを接続する冷水1次往配管15および冷水1次還配管16とバイパス路31とによって熱源の1次側が構成される。
一方、図1に示す熱源制御システム100では、熱源の2次側において、並列に配置された2次冷水ポンプ85a,85bを挟んで、往ヘッダ102の下流側に第2の往ヘッダ83が配置され、冷水2次往配管の短管で往ヘッダ102と第2の往ヘッダ83とを2次冷水ポンプ85a、85bを介してそれぞれが接続されている。また、往ヘッダ102と第2の往ヘッダ83との間には、空調負荷へ送出する冷水の圧力制御に利用されるバイパス用の管路87が接続されている。なお、2次冷水ポンプ85a,85bの回転数は、インバータ(INV)により電源が周波数制御されることで可変する。
第2の往ヘッダ83と還ヘッダ103との間には、第2の往ヘッダ83と空調機(AHU)104とを接続する冷水2次往配管39と、空調機(AHU)104と還ヘッダ103とを接続する冷水2次還配管41とが設けられている。ここで、冷水2次往配管39は、冷水の2次側において、熱源機Rで冷凍された冷水を第2の往ヘッダ83から空調機104に送水する配管である。冷水2次往配管39には、複数の空調機104をまとめた空調負荷への送水温度を計測する温度センサ43が設けられている。また、冷水2次還配管41は、冷水の2次側において、空調機104で熱交換されて温度が上昇した冷水を空調機104から還ヘッダ103に送水する配管である。冷水2次還配管41には、複数の空調機104をまとめた空調負荷で熱交換された後に還ヘッダ103へ戻る冷水温度を計測する温度センサ51と、流量計53とが設けられている。温度センサ43,51および流量計53のそれぞれの計測値は、リアルタイムコントローラへ出力される。
このように、図1に示す熱源制御システム100では、往ヘッダ102と、還ヘッダ103と、第2の往ヘッダ83と、空調機(AHU)104と、これらを接続する配管によって熱源の2次側が構成される。
リアルタイムコントローラ105は、制御装置の一例であって、例えば、ハードを構成する主要な機器は、オープンな開発環境をもつPCベースのコントローラであるプログラマブルオートメーションコントローラ(PAC)を使用している。リアルタイムコントローラ105は、プログラムの実行により熱源制御システム100の動作を統括的に制御する。例えば、リアルタイムコントローラ105は、単独熱源ユニット101の稼働台数を変更する熱源の台数制御や、1次冷水の流量を調整する1次流量の変流量制御、冷却水量の変流量制御、冷却塔ファンの変風量制御、熱源の冷水出口温度の設定変更の制御などを実行する。
データ収集サーバ200は、記憶装置の一例であって、熱源制御システムの運用時におけるセンサ計測値や運転データを記憶したデータベースDBを有するコンピュータである。例えば、データ収集サーバ200は、リアルタイムコントローラ105などと連動して、熱源制御システム100を管理する機能を遂行するEMS(Energy Management System)サーバであってもよい。
図2は、データ収集サーバ200のデータベースDBの例を示す図である。データ収集サーバ200は、所定のインターバル期間ごとにリアルタイムコントローラ105からセンサ計測値や運転データを取得し、取得した情報をデータベースDBに順次記録する。これにより、データベースDBには、センサ計測値および運転データの組み合わせが日時情報と対応付けて記録される。このようにして、データベースDBは、一定期間分(例えば、過去1年分以上)のセンサ計測値および運転データの組み合わせを記憶する。図2の例では、所定の日時に取得されたセンサ計測値および運転データの組み合わせを1行ごとに示している。
ここで、データベースDBが記憶するセンサ計測値および運転データには、例えば、外気湿球温度(WBoa)、2次冷水往温度(Tcs2)、2次冷水還温度(Tcr2)、2次冷水流量(Vc2)、熱源1次側エネルギー消費量(E1_HS1)、2次冷水ポンプのエネルギー消費量(EP_CP2)、空調負荷のエネルギー消費量(E1_AHU)が含まれる。熱源1次側エネルギー消費量は、1次側の機器(冷凍機11、1次冷水ポンプ12、冷却塔13のファン、冷却水ポンプ14)のエネルギー消費量を合計したものである。
また、データ収集サーバ200は、空調に関してクレームを受けた日のセンサ計測値および運転データについて、データベースDBから上記のデータを削除するか、あるいは演算サーバ300による後述の演算のときに上記のデータを抽出対象から除外してもよい。同様に、データ収集サーバ200は、センサ計測値および運転データが統計的な異常値(例えば±2σの範囲から外れる値)を含む場合には、データベースDBから上記の場合のデータを削除するか、あるいは演算サーバ300による後述の演算のときに上記の場合のデータを抽出対象から除外してもよい。これらの処理により、演算サーバ300による後述の演算のときに、空調の快適性を維持できていないときのデータを除外できるので、演算の精度を向上させることができる。
演算サーバ300は、演算装置の一例であって、2次冷水往温度の目標値を求める演算処理を実行するコンピュータである。演算サーバ300は、リアルタイムコントローラ105から、2次冷水流量の計測値、2次冷水還温度の計測値および2次冷水往温度の計測値、外気湿球温度の計測値の各情報を受ける。そして、演算サーバ300は、後述の演算で求めた2次冷水往温度の目標値をリアルタイムコントローラ105に出力する。また、演算サーバ300は、データ収集サーバ200と通信して、データベースDBに記憶された情報を取得する。
演算サーバ300は、2次負荷熱量算出部301、熱源1次側処理部302、熱源2次側処理部303、空調負荷処理部304、目標値算出部305を有する。なお、演算サーバ300に含まれる各要素は、ハードウェアで構築されていてもよく、ソフトウェアで構築されていてもよい。
2次負荷熱量算出部301は、2次冷水流量の計測値、2次冷水還温度の計測値および2次冷水往温度の計測値を用いて、2次負荷熱量を算出する。
熱源1次側処理部302は、2次冷水流量の計測値および外気湿球温度の計測値を用いて、熱源1次側エネルギー消費量と2次冷水往温度との組み合わせを複数組算出する。そして、熱源1次側処理部302は、熱源1次側エネルギー消費量と2次冷水往温度との相関を示す第1の関数F1を生成する。
熱源2次側処理部303は、2次負荷熱量算出部301で算出した2次負荷熱量および外気湿球温度の計測値の条件に対応する2次冷水ポンプのエネルギー消費量と2次冷水往温度との組み合わせをデータベースDBから複数抽出する。そして、熱源2次側処理部303は、データベースDBから抽出された2次冷水ポンプのエネルギー消費量と2次冷水往温度の組み合わせの分布に基づいて、2次冷水ポンプのエネルギー消費量と2次冷水往温度との相関を示す第2の関数F2を生成する。
空調負荷処理部304は、2次負荷熱量算出部301で算出した2次負荷熱量および外気湿球温度の計測値の条件に対応する空調負荷のエネルギー消費量と2次冷水往温度との組み合わせをデータベースDBから複数抽出する。そして、空調負荷処理部304は、データベースDBから抽出された空調負荷のエネルギー消費量と2次冷水往温度の組み合わせの分布に基づいて、空調負荷のエネルギー消費量と2次冷水往温度との相関を示す第3の関数F3を生成する。
目標値算出部305は、第1の関数F1、第2の関数F2および第3の関数F3を合成して、システム全体のエネルギー消費量と2次冷水往温度との相関を示す目的関数F4を生成する。そして、目標値算出部305は、目的関数F4でシステム全体のエネルギー消費量が最小となる2次冷水往温度を、2次冷水往温度の目標値として算出する。
次に、一実施形態に係る熱源制御システム100の制御例を説明する。
熱源制御システム100の制御例の説明では、最初にリアルタイムコントローラ105に関する制御を説明し、その後に、演算サーバ300での演算処理を説明する。
(リアルタイムコントローラに関する制御の説明)
図3は、リアルタイムコントローラ105に関する制御フローの例を示す。図3の例では、事前のシミュレーション時とリアルタイム制御時とでそれぞれ最適化を行うことで、4つの制御目標値を同時に求めることが可能であるとともに、リアルタイム制御時の計算量を大幅に削減しつつ、精度の高い計算を可能としている。
図3に示すステップS101〜S105の処理は、リアルタイムコントローラ105とは異なるコンピュータによって実行される事前のシミュレーションでの処理である。
ここで、ステップS101〜S105の事前シミュレーションでは、各単独熱源ユニット101につき、熱源機11、冷却塔13の冷却塔ファンおよび冷却水ポンプ14の3つの機器の消費エネルギーを最小化して動力の最適値にする最適化計算をそれぞれ行っている。この最適化計算では、外気湿球温度WB,冷凍機_R[i]の冷凍熱量Qc_R[i], 冷凍機_R[i]の冷水出口温度Tc_out_R[i]を拘束条件(独立変数)とし、冷却水ポンプCDP[i]の冷却水量Vcd_CDP[i]と冷却塔CT[i]のファン風量Vg_CT[i]を制御変数(従属変数)として、拘束条件を固定した状態で、制御変数を演算する途上の多種の状態値について、状態値の一部を仮固定し残り一部を変化させて繰返し計算し、その後順次仮固定分を変化させて繰返し計算を行うことで、制御変数(Vcd_CDP[i]およびVg_CT[i])の組み合わせである最適解を算出している。ここで、符号「i」は、いずれかの単独熱源ユニット(またはその要素)を指定する引数であって、本実施形態では1〜nの範囲内で整数の値をとる。
そして、事前シミュレーションでは、拘束条件を実用的な範囲の様々なパターンで変化させて、上記の最適化計算を各パターンで行っている。そして、その計算結果をまとめることで、「3つの機器の最小消費エネルギーを求める関数」、「冷却水流量の最適運転関数」、「冷却塔風量の最適運転関数」の3種類の関数をそれぞれ生成する。
以下、図3のステップS101〜S105の処理の内容を詳細に説明する。
ステップS101では、コンピュータは、以下の式(1)により、各々の単独熱源ユニット101について、単独熱源ユニット101内の熱源機11、冷却塔13の冷却塔ファンおよび冷却水ポンプ14のエネルギー消費量の最適化を行う。この式(1)は、単独熱源ユニットごとに生成される式であって、拘束条件(WB,Qc_R[i],Tc_out_R[i])および制御変数(Vcd_CDP[i],Vg_CT[i])の入力に対して、熱源機、冷却塔、冷却水ポンプの消費エネルギーを出力する式を最適化問題の形とし方程式を解き戻す形にまとめたものである。
E_RCDPCT[i]=FE_RCDPCT[i](WB,Qc_R[i],Tc_out_R[i],Vcd_CDP[i],Vg_CT[i]) ……(1)
ここで、「E_RCDPCT[i]」は、単独熱源ユニット101iに含まれる熱源機11i、冷却塔13iの冷却塔ファンおよび冷却水ポンプ14iの3つの機器のエネルギー消費量を示す評価値である。「FE_RCDPCT[i]()」は、カッコ内に代入される条件に対して、熱源機11i、冷却塔13iの冷却塔ファンおよび冷却水ポンプ14iの3つの機器のエネルギー消費量を返す機器特性関数である。また、「Vcd_CDP[i]」は冷却水ポンプ14iの冷却水流量を示す変数である。冷却水による処理熱量Qcd=冷却塔入口温度と冷却塔出口温度の差分(冷却水ΔT)×冷却水流量の関係は自明である。そのため、上記の冷却水ポンプ14iの冷却水流量を示す変数を、冷却水ΔTの想定値で代替する場合もある。「Vg_CT[i]」は冷却塔13iの冷却塔ファンの風量を示す変数である。冷却塔での冷却水冷却塔出口温度の設定値に近づくべく制御する対象は冷却塔ファンの風量であり、冷却塔ファン風量の多少と、冷却塔出口温度設定値への近づき度合いの多少とは相関があることは自明である。そのため、上記の冷却塔ファンの風量を示す変数を、冷却塔出口温度の設定値で代替する場合もある。
つまり、事前のシミュレーションにおいて、ステップS101でのコンピュータは、WB,Qc_R[i]およびTc_out_R[i]の値を拘束条件とし、評価値E_RCDPCT[i]が最小値(最適値)をとる制御変数(Vcd_CDP[i]およびVg_CT[i])の組み合わせを最適解として算出する最適化演算を行う。
具体的には、ステップS101でのコンピュータは、以下の手法により、3つの拘束条件を組み合わせて得られる全てのパターンについて最適化演算を行う。
一例として、拘束条件のうちのWBは、2〜27℃の範囲において5℃刻みで変化して6通りの値をとるものとする。また、拘束条件のうちのQc_R[i]は、10〜100%の範囲において10%刻みで変化して10通りの値をとるものとする。また、拘束条件のうちのTc_out_R[i]は、7〜12℃の範囲において0.5℃刻みで変化して11通りの値をとるものとする。このとき、3つの拘束条件の組み合わせは、660種類(6×10×11)のパターンとなる。
そして、コンピュータは任意の拘束条件の組み合わせを1種類選択し、選択された拘束条件の組み合わせの下で、式(1)による評価値E_RCDPCT[i]が最小値(最適値)をとる制御変数の組み合わせ(Vcd_CDP[i]およびVg_CT[i])を最適解として算出する。この評価値E_RCDPCT[i]の算出のときには、コンピュータは、Vcd_CDP[i]を0〜100%の範囲において10%刻みで変化させ、Vg_CT[i]を0〜100%の範囲において10%刻みで変化させるものとする。この最適化演算により、選択された1種類の拘束条件の組み合わせに対しては、最適解となる制御変数の組み合わせ(Vcd_CDP[i]およびVg_CT[i])が1つ算出される。
この最適化演算について更に説明すると、コンピュータは、冷却塔冷却水入口温度Tcd_in_CT[i]に初期値(例えば32℃)を与え、その初期値(Tcd_in_CT[i])、拘束条件(外気湿球温度WB)、制御変数(冷却水ポンプの冷却水流量Vcd_CDP[i], 冷却塔の冷却塔ファンの風量Vg_CT[i])を以下の式(2)に与えることで冷却水冷却塔出口温度を得る。
Tcd_out_CT[i]=FTcd_out_CT(WB, Tcd_in_CT[i],Vcd_CDP[i],Vg_CT[i]) ……(2)
コンピュータは、冷却水冷却塔出口温度Tcd_out_CT[i]を冷凍機入口温度Tcd_in_R[i]に代入する。
Tcd_in_R[i]= Tcd_out_CT[i] ……(3)
コンピュータは、熱源機R[i]の冷凍熱量Qc_R[i]、冷凍機冷却水入口温度Tcd_in_R[i]、冷却水ポンプの冷却水流量Vcd_CDP[i]、冷凍機冷却水出口温度Tcd_out_R[i]を以下の式(4)に与えることで冷凍機本体消費エネルギーE_R[i]を算出する。
E_R[i]= FE_R (Qc_R[i], Tcd_in_R[i],Vcd_CDP[i], Tcd_out_R[i])……(4)
コンピュータは、以下の式(5)により、冷凍機排熱量Qcd_R[i]を算出する。
Qcd_R[i]=Qc_R[i]+E_R[i] ……(5)
コンピュータは、以下の式(6)により、冷凍機冷却水出口温度を算出する。
Tcd_out_R[i]=Qcd_R[i]/(cpw×w×Vcd_CDP[i]) +Tcd_in_R[i] ……(6)
コンピュータは、冷凍機冷却水出口温度Tcd_out_R[i]を冷却塔冷却水入口温度の計算値Tcd_in_CT[i]_calc_に代入する。
Tcd_in_CT[i]_calc=Tcd_out_R[i] ……(7)
コンピュータは、以下の式(8)により、冷却水冷却塔入口温度の仮定値と計算値の誤差を判定する。
|Tcd_in_CT[i]_calc- Tcd_in_CT[i] |<Err……(8)
誤差が所定範囲(Err)よりも大きければ(式(8)の判定が偽の場合)、コンピュータは、冷却塔冷却水入口温度Tcd_in_CT[i]の初期値(例えば32℃)から所定温度(例えば0.1℃)下げた値を仮定値に設定し、最初の式(2)に戻る。一方、誤差が所定範囲内に収まったとき(式(8)の判定が真の場合)には、コンピュータは、誤差が所定範囲内に収まったときの冷凍機本体消費エネルギーを以下の式(9)に与えることで各機器の消費エネルギー合計値を算出する。
E_RCDPCT[i]= E_R[i]+E_CDP(=FE_CDP(Vcd_CDP[i]))+E_CT(=FE_CT(Vg_CT[i]))……(9)
なお、FTcd_out_CT ()、FE_R ()、FE_CDP()、FE_CT()は、メーカーごとに公開されている機器性能から作成した機器特性関数である。
ここで、評価値E_RCDPCT[i]が最小値(最適値)をとる制御変数(Vcd_CDP[i]およびVg_CT[i])の組み合わせを最適解として算出しようとすると、コンピュータは、制御変数(Vcd_CDP[i]およびVg_CT[i])をループ変数とし、さらに冷却水冷却塔入口温度Tcd_in_CT[i]の収束判定を行わなければならない。このような計算は非常に負荷がかかりリアルタイム計算するのは困難である。よって、この部分を事前シミュレーションしてテーブル関数にしておくことでリアルタイム計算時の負荷の軽減を図っている。
次に、コンピュータは、拘束条件の組み合わせを変化させて、660種類の全てのパターンについて上記と同様の最適化演算を実行する。これにより、コンピュータは、拘束条件の組み合わせと、その条件で最適解となる制御変数の組み合わせとの対応関係の情報を、660種類の全てのパターン分取得する。
ステップS102では、コンピュータは、ステップS101でのWB,Qc_R[i]およびTc_out_R[i]の組み合わせにおける最適解の算出結果に基づいて、「熱源機11i、冷却塔13iおよび冷却水ポンプ14iの最小消費エネルギーの算出関数」を生成する。この「熱源機11i、冷却塔13iの冷却塔ファンおよび冷却水ポンプ14iの最小消費エネルギーの算出関数」は、各々の単独熱源ユニットについてそれぞれ生成される。
例えば、コンピュータは、ステップS101での最適解の算出結果に基づいて、WB,Qc_R[i],Tc_out_R[i]の3つの変数から、熱源機11i、冷却塔13iおよび冷却水ポンプ14iの最小消費エネルギーを求めるための式(10)に示す関数を生成する。
E_RCDPCT_min[i]=FE_RCDPCT_min[i](WB,Qc_R[i],Tc_out_R[i]) ……(10)
ここで、「E_RCDPCT_min[i]」は、熱源機11i、冷却塔13iの冷却塔ファンおよび冷却水ポンプ14iの最小消費エネルギーを示す変数であり、「FE_RCDPCT_min[i]()」は、シミュレーションの結果に基づいて、カッコ内に代入される変数に対して、熱源機11i、冷却塔13iの冷却塔ファンおよび冷却水ポンプ14iの最小消費エネルギーを返す関数である。
ステップS101で説明したように、事前シミュレーションでの最適化演算は拘束条件の組み合わせの各パターンに対して行われ、各パターンに対応する3つの機器の最小消費エネルギーも求められている。これを利用して、「熱源機11i、冷却塔13iの冷却塔ファンおよび冷却水ポンプ14iの最小消費エネルギーの算出関数」は、3つの拘束条件のパターンの入力と、そのパターンでの最小消費エネルギーを示す出力値とが対応付けされたデータテーブルの形式で生成される。「熱源機11i、冷却塔13iの冷却塔ファンおよび冷却水ポンプ14iの最小消費エネルギーの算出関数」のデータテーブルは、リアルタイムコントローラ105の記憶部(不図示)に格納されることとなる。
ステップS103では、コンピュータは、ステップS101でのWB,Qc_R[i]およびTc_out_R[i]の組み合わせにおける最適解の算出結果に基づいて、「冷却水ポンプ14iの最適運転関数」を生成する。この「冷却水ポンプ14iの最適運転関数」は、各々の単独熱源ユニットについてそれぞれ生成される。
例えば、コンピュータは、ステップS101での最適解の算出結果に基づいて、WB,Qc_R[i],Tc_out_R[i]の3つの変数から、冷却水ポンプ14iの冷却水流量を求めるための式(11)に示す関数を生成する。
Vcd_CDP[i]=FVcd_CDP[i](WB,Qc_R[i],Tc_out_R[i]) ……(11)
ここで、「FVcd_CDP[i]()」は、ステップS101での最適解の算出結果に基づいて、カッコ内に代入される条件に対して、冷却水ポンプ14iの冷却水流量を返す関数である。
ステップS101で説明したように、事前シミュレーションでの最適化演算は拘束条件の組み合わせの各パターンに対して行われ、各パターンに対応する最適解の冷却水流量も求められている。これを利用して、「冷却水ポンプ14iの最適運転関数」は、3つの拘束条件のパターンの入力と、そのパターンでの冷却水流量を示す出力値とが対応付けされたデータテーブルの形式で生成される。「冷却水ポンプ14iの最適運転関数」のデータテーブルは、リアルタイムコントローラ105の記憶部(不図示)に格納されることとなる。
ステップS104では、コンピュータは、ステップS101でのWB,Qc_R[i]およびTc_out_R[i]の組み合わせにおける最適解の算出結果に基づいて、「冷却塔13iの最適運転関数」を生成する。この「冷却塔13iの最適運転関数」は、各々の単独熱源ユニットについてそれぞれ生成される。
例えば、コンピュータは、ステップS101での最適解の算出結果に基づいて、WB,Qc_R[i],Tc_out_R[i]の3つの変数から、冷却塔13iの冷却塔ファンの風量を求めるための式(8)に示す関数を生成する。
Vg_CT[i]=FVg_CT[i](WB,Qc_R[i],Tc_out_R[i]) ……(12)
ここで、「FVg_CT[i]()」は、ステップS101での最適解の算出結果に基づいて、カッコ内に代入される条件に対して、冷却塔13iの冷却塔ファンの風量を返す関数である。
ステップS101で説明したように、事前シミュレーションでの最適化演算は拘束条件の組み合わせの各パターンに対して行われ、各パターンに対応する最適解の冷却塔の風量も求められている。これを利用して、「冷却塔13iの最適運転関数」は、3つの拘束条件のパターンの入力と、そのパターンでの冷却塔ファンの風量を示す出力値とが対応付けされたデータテーブルの形式で生成される。「冷却塔13iの最適運転関数」のデータテーブルは、リアルタイムコントローラ105の記憶部(不図示)に格納されることとなる。
なお、「熱源機11i、冷却塔13iの冷却塔ファンおよび冷却水ポンプ14iの最小消費エネルギーの算出関数」、「冷却水ポンプ14iの最適運転関数」、「冷却塔13iの最適運転関数」の各データテーブルは、S101の最適化演算の結果に基づいて同時に決定される。また、S102〜S104で生成される各データテーブルでは、WB,Qc_R[i]およびTc_out_R[i]の各変数の刻みが離散的であり、データテーブル上では限られたWB,Qc_R[i]およびTc_out_R[i]のパターンについてのみ出力値の情報が保持されている。そのため、後述のリアルタイム制御時に、データテーブル上で変数の刻みがない箇所に対応する最小消費エネルギーの情報が必要となる場合、リアルタイムコントローラ105は、データテーブルの出力値を用いて求める位置(WB,Tc_out_R[i],Qc_R[i])の周辺の2×2×2=8点を使って1次式で補間するトリリニア補間(3次元線形補間)をすることで、所望の変数に対応する出力値を求めることとなる。一方、ニアレストネイバ補間だと事前テーブル方式と変わらず、また、求める位置(WB,Tc_out_R[i],Qc_R[i])の周辺の4×4×4=64点を使って3次式で補間するトリキュービック補間だと計算負荷が大きくなる。本件のような熱源の消費エネルギーの最小値近傍は滑らかで変化が少ない凹曲面と考えられ、トリリニア補間のような3次元線形補間でも十分な精度が得られ、補間のときの計算量も少なくなる。
ステップS105において、コンピュータは、全ての単独熱源ユニット101についてステップS102〜S104の各関数が生成されたか否かを判定する。全ての単独熱源ユニット101についてステップS102〜S104の各関数が生成された場合(YES)には、コンピュータは事前のシミュレーションの処理を終了する。一方、いずれかの単独熱源ユニット101についてステップS102〜S104の各関数が生成されていない場合(NO)には、ステップS101に戻って、コンピュータは上記の処理を繰り返す。ステップS101からS105のループにより、シミュレーションのときには、単独熱源ユニット101(1)〜101(n)についてそれぞれステップS102〜S104の各関数が生成されることとなる。
そして、図3に示すステップS106以降の処理は、図1に示す熱源制御システム100のリアルタイムコントローラ105で実行されるリアルタイム制御時の処理である。
熱源制御システム100のリアルタイム制御において、リアルタイムコントローラ105は、上記の「熱源機11i、冷却塔13iの冷却塔ファンおよび冷却水ポンプ14iの最小消費エネルギーの算出関数」を用いて、複合熱源のシステム全体の消費エネルギーを最適化問題の式の形にする。そして、リアルタイムコントローラ105は、WB,Vc2,Tcr2を拘束条件、Vc_R[1〜n],Tc_out_R[1〜n]を制御変数として複合熱源の消費エネルギーが最小となるように最適化を行い、冷水流量と冷水出口温度を最適解として制御目標値とする演算を行う。リアルタイム制御時の演算入力には、事前想定値ではなくリアルタイムの計測値と運転状態の情報を用いることで、リアルタイムコントローラ105は、冷凍熱量を冷凍機冷水で入口温度差を一定と仮定して制御変数とする場合より、冷凍熱量としての温度と流量をそれぞれ制御変数にした精度の高い最適化を行うことができる。そして、ステップS101でのコンピュータは拘束条件のうち外気湿球温度WBを2〜27℃の範囲で5℃刻変化の6通りの値だけを実行しているが、リアルタイム制御時の演算入力には、事前想定値である6通りの値ではなくリアルタイムの外気湿球温度計測値を代入するので精度の高い最適化を行うことができる。
つまり、事前シミュレーションを行うコンピュータでは、拘束条件のうち外気湿球温度WBを、例えば、2〜27℃の範囲で5℃刻み変化の6通りの値だけを実行してデータテーブル関数を作成しているが、リアルタイム制御時の演算入力には、事前想定値である6通りの値ではなくリアルタイムの外気湿球温度計測値を代入するので精度の高い最適化を行うことができる。
また、熱源制御システム100のリアルタイム制御において、リアルタイムコントローラ105は、上記の「冷却水ポンプ14iの最適運転関数」を用いて、WB,Qc_R[i],Tc_out_R[i]を関数の入力として冷却水流量の最適運転関数から冷却水流量の制御目標値を求める演算を行う。同様に、熱源制御システム100のリアルタイム制御において、リアルタイムコントローラ105は、上記の「冷却塔13iの最適運転関数」を用いて、WB,Qc_R[i],Tc_out_R[i]を関数の入力として冷却塔風量の最適運転関数から冷却塔風量の制御目標値を求める演算を行う。
これらの処理によって、リアルタイムコントローラ105は、リアルタイム制御時に4つの制御目標値(冷水流量、冷凍機冷水出口温度、冷却水流量、冷却塔風量)を同時に算出することができる。なお、リアルタイム制御時には、例えば5〜20分程度の周期で4つの制御目標値を算出する動作を実行する。
以下、図3のステップS106以降の処理の内容を詳細に説明する。
ステップS106では、熱源制御システム100のリアルタイムコントローラ105は、以下の式(13)により、複合熱源のエネルギー消費量の最適化を行う。
Etotal=Σ{FE_RCDPCT_min[i](WB,Qc_R[i],Tc_out_R[i])+FE_CP[i](Vc_R[i])}
=FEtotal(WB,Vc2,Tcr2,Vc_R[1〜n],Tc_out_R[1〜n]) ……(13)
ここで、「FE_CP[i]」は、カッコ内に代入される条件に対して、ハードとしてのポンプの実際の流量と動力との性能曲線から得られる関係から求めた、1次冷水ポンプ12の消費エネルギーを返す関数である。「FEtotal()」は、カッコ内に代入される条件に対して、複合熱源のエネルギー消費量を返す関数である。「Vc2」は、2次冷水流量を示す変数であり、「Tcr2」は2次冷水還温度を示す変数である。
なお、ステップS106において、リアルタイムコントローラ105は、拘束条件のWB,Vc2およびTcr2にはセンサの計測値を代入し、評価値Etotalが最適値となる制御変数Vc_R[1〜n]およびTc_out_R[1〜n]の組み合わせをリアルタイムで求める。
また、式(13)のQc_R[i]は、後述の式(14)より、Cpw・ρw・Vc_R[i]・(Tc_in_R[i]-Tc_out_R[i])である。ここで、冷凍機冷水入口温度Tc_in_R[i]はバイパス路31を通るバイパス流Vcbpが正(Vcbp>0)のときは、2次冷水往温度Tcs2と次冷水還温度Tcr2の流量加重平均であり、2次冷水往温度Tcs2は、冷凍機冷水出口温度Tc_out_R[i]の流量加重平均であり、Vcbp<0のときは、2次冷水還温度Tcr2であり、いずれにせよ(13)式の最上行は最下行のように式変形できる。
各々の単独熱源ユニット101iでのエネルギー消費量を求める式は、熱源機11i、冷却塔13iの冷却塔ファンおよび冷却水ポンプ14iの最小消費エネルギーを求める式である上記の式(10)と、1次冷水ポンプ12の消費エネルギーとを求める式を合計することで導くことができる。
そして、複合熱源でのエネルギー消費量は、複合熱源のうちから稼働させる単独熱源ユニット101(1)〜101(n)の組み合わせを決定し、稼働させる単独熱源ユニット101(1)〜101(n)のエネルギー消費量を合計することで、式(13)の最上行のようにまとめることができる。この複合熱源でのエネルギー消費量は、整理すると式(13)の最下行のような最適化問題の形式で表すことができる。なお、式(13)の整理の過程は省略する。
上記の考えに基づいて式(9)を導出し、複合熱源の全ての機器での消費エネルギーの合計値が最小値となるように式(9)に基づく最適化計算を行うと、リアルタイムコントローラ105は、最適解として熱源機11(1)〜11(n)に対応する冷水流量と冷水出口温度とをそれぞれ得ることができる。
例えば、リアルタイムコントローラ105は、拘束条件がWB,Vc2およびTcr2のときに、評価値Etotalが最小値(最適値)となる制御変数Vc_R[1〜n]およびTc_out_R[1〜n]の組み合わせを求める。リアルタイム制御時の最適化演算では、式の入力となる拘束条件は、リアルタイム制御時の状況に応じて一意に決定されている。つまり、リアルタイムコントローラ105は、拘束条件のWB,Vc2およびTcr2にはセンサの計測値を代入し、評価値Etotalが最適値となる制御変数Vc_R[1〜n]およびTc_out_R[1〜n]の組み合わせをリアルタイムで求める。なお、上記の演算のときに点検や故障等により稼働していない熱源機11iについては、Vc_R[i]=0として最適化演算を行えばよい。この操作が行えるため、リアルタイムの各冷凍機や各単独熱源の運転状態を使ってリアルタイムで最適計算ができ、冷凍機の運転台数および運転順序を予め想定した最適計算は不要となり、現在運転中の冷凍機だけでの最適な運転が演算処理の容易な形で可能となる。
このような最適化演算により、リアルタイムコントローラ105は、熱源機11(1)〜11(n)に対応する冷水流量を一次冷水ポンプ12の制御目標値(Vc_R[1〜n])とし、熱源機11(1)〜11(n)に対応する冷水出口温度を熱源機11(1)〜(n)の制御目標値(Tc_out_R[1〜n])とする。
ステップS107では、リアルタイムコントローラ105は、ステップS103で生成された「冷却水ポンプ14iの最適運転関数」のデータテーブルを用いて、冷却水ポンプ14の冷却水流量の制御目標値(Vcd_CDP[1〜n])を求める。このとき、リアルタイムコントローラ105は、関数入力となるWB,Qc_R[i],Tc_out_R[i]にはセンサの計測値を代入し、制御目標値(Vcd_CDP[1〜n])をリアルタイムで求める。演算結果である「Vcd_CDP[i]」の実際量が冷却水流量である場合は、冷却水ポンプインバータ周波数に比例させ、「Vcd_CDP[i]」の実際量が冷却水ΔTの想定値である場合は、「冷凍機の冷却水出口温度設定値=冷凍機の冷却水入口温度計測値(冷凍機の運転不具合防止のため計測必要)+冷却水ΔTの想定値」とし、冷凍機の冷却水出口温度計測値が冷却水出口温度設定値になるように冷却水ポンプの変流量制御を行う。前者は計算ロジックそのものであるが熱媒の流量だけを管理し、温度場については直接制御していない。この場合、流量を管理しているので負荷に見合った流量は管理できる。また、冷凍機の凝縮器における冷却水出口温度が低下すると、蒸発器との圧力差が小さくなりすぎる場合があり、圧縮ガスの漏洩防止のための圧縮機周辺の金属筐体の隙間充填をかねた潤滑油の循環が滞り焼きつきの原因になる。しかし、後者のΔTを代表値に用いることで、上記の焼きつきを防止する働きをも、演算結果である「Vcd_CDP[i]」の実際量に持たせることができる。
ここで、ステップS107で関数の入力となるQc_R[i]の値は、次の式(14)から求める。
Qc_R[i]=Cpw・ρw・Vc_R[i]・(Tc_in_R[i]-Tc_out_R[i]) …(14)
ここで、式(14)での「Vc_R[i]」および「Tc_out_R[i]」はいずれもステップS106での演算結果である。また、式(14)での「Tc_in_R[i]」は計測値である。「Cpw」は水の比熱を示す物理定数であり、「ρw」は水の密度を示す物理定数である。
ステップS108では、リアルタイムコントローラ105は、ステップS104で生成された「冷却塔13iの冷却塔ファンの最適運転関数」のデータテーブルを用いて、冷却塔13の風量の制御目標値(Vg_CT[1〜n])を求める。このとき、リアルタイムコントローラは、関数入力となるWB,Qc_R[i],Tc_out_R[i]にはセンサの計測値を代入し、制御目標値(Vg_CT[1〜n])をリアルタイムで求める。演算結果である「Vg_CT[i]」の実際量が冷却塔風量である場合は、冷却塔風量ファンインバータ周波数に比例させ、「Vg_CT[i]」の実際量が冷却塔出口温度設定値である場合は、冷却塔出口温度計測値が冷却塔出口温度設定値となるように冷却塔ファン変風量制御を行う。冷却塔出口設定値は、冷凍機への冷却水入口温度設定値と同じになることが多い。また、冷凍機の凝縮器における冷却水入口温度が低下すると、蒸発器との圧力差が小さくなりすぎる場合があり、圧縮ガスの漏洩防止のための潤滑油の循環が滞り焼きつきの原因になったり、冷凍機の凝縮器における冷却水入口温度が上昇しすぎると、凝縮器が異常高圧になったりする。冷却塔出口温度計測値が冷却塔出口温度設定値となるように制御することで、上記の焼きつきや異常高圧を防止する働きをも、演算結果である「Vg_CT[i]」の実際量に持たせることができる。
なお、ステップS108においても、Qc_R[i]の算出方法はステップS107と同様である。
このようにして、リアルタイム制御時には、リアルタイムコントローラ105は、算出された4つの制御目標値に基づいて、熱源制御システム100の複合熱源に含まれる各要素を制御する。
(演算サーバでの演算処理の説明)
図4は、一実施形態の熱源制御システム100における演算サーバ300での演算処理例を示している。図4の例では、熱源制御システム100の運転時に、演算サーバ300が2次冷水往温度の目標値を算出する場合を説明する。なお、図4では、ステップS202、S203の処理と、ステップS204、S205の処理と、ステップS206、S207の処理とがそれぞれ並列に実行される例を示すが、これらの処理が直列に実行されてもよい。
ステップS201において、2次負荷熱量算出部301は2次負荷熱量を算出する。
2次負荷熱量算出部301は、リアルタイムコントローラ105を経由して、2次冷水流量Vc2[m3/sec]の計測値、2次冷水還温度Tcr2[deg]の計測値および2次冷水往温度Tcs2[deg]の計測値をそれぞれ取得する。そして、2次負荷熱量算出部301は、以下の式(15)により2次負荷熱量Qc2[kw]を算出する。
Qc2=Vc2×Cw×(Tcr2−Tcs2)×ρw …(15)
なお、式(15)において、Cw[kg/(kg’・C)]は水の比熱を示す物理定数であり、ρw[kg/m3]は水の密度を示す物理定数である。
ステップS202において、熱源1次側処理部302は、2次冷水流量Vc2の計測値および外気湿球温度WBoa[deg]の計測値を用いて、熱源1次側エネルギー消費量E1_HS1[MJ/h]と2次冷水往温度Tcs2の設定値との組み合わせを複数組算出する。
まず、演算サーバ300は、リアルタイムコントローラ105を経由して、外気温湿度センサ106から外気湿球温度WBoaの計測値を取得する。なお、外気温湿度センサ106が外気乾球温度DBoa[deg]と外気相対湿度RH[%]を計測する場合には、リアルタイムコントローラ105または演算サーバ300が、外気乾球温度DBoaおよび外気相対湿度RHの各計測値を用いて、外気湿球温度WBoaの計測値を算出してもよい。
次に、熱源1次側処理部302は、熱源1次側エネルギー消費量E1_HS1を求める標本点として、2次冷水往温度Tcs2の設定値(Tcs2_SP[deg])を複数仮決めする。例えば、熱源1次側処理部302は、Tcs2_SPとして7、8、9、10[deg]の4点を設定する。
また、熱源1次側処理部302は、2次冷水往温度の設定値Tcs2_SPに、Tcs2とTcr2との温度差の設計値ΔT[deg]を加えることで、Tcs2_SPに対応する2次冷水還温度Tcr2(Tcs2_SP+ΔT)をそれぞれ算出する。上記のように、Tcs2_SPが7、8、9、10の場合、算出されるTcr2を7+ΔT、8+ΔT、9+ΔT、10+ΔT[deg]とそれぞれ表記する。また、温度差の設計値ΔTはシステム設計時に決定されている固定値(例えば5℃)であり、センサの実測に基づくTcs2とTcr2との温度差とは相違する。
ここで、2次冷水還温度Tcr2をTcs2_SP+ΔTで算出する理由は、仮決めされた2次冷水往温度の設定値Tcs2_SPに対応する2次冷水還温度Tcr2は分からないため、設計値を用いてTcr2を算出することで計算の簡略化を図るものである。
そして、熱源1次側処理部302は、2次冷水流量Vc2の計測値および外気湿球温度WBoaの計測値とを用いて、以下の式(13)’により、2次冷水往温度の設定値Tcs2_SPごとに、熱源1次側エネルギー消費量E1_HS1を求める。以下の1次側のエネルギー消費量E1_HS1を求める式(13)’は、熱源制御システム100のリアルタイムコントローラ105のステップS106における複合熱源のエネルギー消費量Etotalの最適化と同じ式(EtotalとE1_HS1は同じ値)である。このように、演算サーバ300の熱源1次側処理部302はリアルタイムコントローラ105の制御フローの一部と同じ処理になっている。
E1_HS1=Σ{FE_RCDPCT_min[i](WB,Qc_R[i],Tc_out_R[i])+FE_CP[i](Vc_R[i])}
=FEtotal(WB,Vc2,Tcr2,Vc_R[1〜n],Tc_out_R[1〜n]) ……(13) ’
ここで、式(13)’において、「FE_RCDPCT_min[i]()」は、シミュレーションの結果に基づいて、カッコ内に代入される変数に対して、熱源機11i、冷却塔13iの冷却塔ファンおよび冷却水ポンプ14iの最小のエネルギー消費量を返す関数である。「WB」は外気湿球温度を示す変数である。「Qc_R[i]」は熱源機11iでの冷凍熱量を示す変数である。「Tc_out_R[i]」は、熱源機11iの冷水出口温度を示す変数である。「FE_CP[i]」は、カッコ内に代入される条件に対して、ハードとしてのポンプの実際の流量と動力との性能曲線から得られる関係から求めた、1次冷水ポンプ12の消費エネルギーを返す関数である。「Vc_R[i]」は、熱源機11iに対応する冷水流量(つまり1次冷水ポンプによる冷水流量)を示す変数である。「FEtotal()」は、カッコ内に代入される条件に対して、n台の単独熱源ユニットのまとまりである複合熱源のエネルギー消費量を返す関数である。「Vc2」は、2次冷水流量を示す変数であり、「Tcr2」は2次冷水還温度を示す変数である。なお、式(13)’に含まれる各関数は、事前のシミュレーションによってそれぞれ生成される。
また、上記の式(13)’において、外気湿球温度を考慮する理由は、冷凍機の性能は冷却水温度が低いほど効率が向上し、外気湿球温度が低いほど冷却塔で低温の冷却水を生成できるため、外気湿球温度に応じて冷凍機の効率が変化することによる。
そして、ステップS202での熱源1次側処理部302は、上記の式(13)’に対して、拘束条件のWB,Vc2には2次冷水流量Vc2の計測値および外気湿球温度WBoaの計測値をそれぞれ代入する。また、熱源1次側処理部302は、上記の式(13)’に対して、拘束条件のTcr2には上記の演算で求めたTcs2_SP+ΔT(つまり、7+ΔT、8+ΔT、9+ΔT、10+ΔT)をそれぞれ代入する。
また、ステップS202の演算において、一次冷水ポンプ12iの冷水流量および熱源機11iの冷水出口温度を最適化制御することは前提としていない。上記の式(13)’の演算では、外気湿球温度WB、2次冷水流量Vc2にそれぞれ計測値を入力し、仮決めした2次冷水往温度の設定値Tcs2_SPに設計値ΔTを加えた2次冷水還温度Tcr2を入力し、変数Vc_R[i]、変数Tc_out_R[i]をループ変数として最小となる1次側のエネルギー消費量E1_HS1を求めるものとする。
このようにして、熱源1次側処理部302は、上記の式(13)’により、仮決めした4点の2次冷水往温度の設定値Tcs2_SPにそれぞれ対応する熱源1次側エネルギー消費量E1_HS1の4つの値を算出する。
この熱源1次側処理部302で行われる処理をくわしく説明すると、各々の単独熱源ユニット101に生成される情報(外気湿球温度WBoa、熱源機11iの生成熱量Qc_R[i]および熱源機11iの冷水出口温度Tc_out_R[i]と、単独熱源ユニットのうちの熱源機、冷却塔ファンおよび冷却水ポンプの最小消費エネルギーとの対応関係を示す情報)を用いて、熱源機、冷却塔ファンおよび冷却水ポンプの最小消費エネルギーを求める第1の式と、熱源機への冷水流量に基づいて1次冷水ポンプの消費エネルギーを求める第2の式とを合計することで、単独熱源ユニットの消費エネルギーE_RCDPCT[i]を求める第3の式を生成する。そして、2次冷水流量Vc2の計測値および外気湿球温度WBoaの計測値を用いて、各々の単独熱源ユニットに対応する複数の第3の式に、外気湿球温度WBoa、2次冷水流量Vc2の計測値、および、仮決めした2次冷水往温度Tcs2に設計値ΔTを加えた2次冷水還温度Tcr2を代入し、熱源機の生成熱量Qc_R[i]を算出する。また、熱源機11i、冷却塔13iの冷却塔ファンおよび冷却水ポンプ14iの最小消費エネルギーの算出関数のデータテーブルに予め格納されている外気湿球温度WBoa、熱源機の冷水出口温度Tc_out_R[i]、熱源機の生成熱量Qc_R[i]の3次元グリッドから、代入した外気湿球温度WBoa、熱源機の冷水出口温度Tc_out_R[i]、熱源機の生成熱量Qc_R[i]の近傍の8点の外気湿球温度WBoa、熱源機の冷水出口温度Tc_out_R[i]、熱源機の生成熱量Qc_R[i]を用いて3次元線形補間することで、各々の単独熱源ユニットでの消費エネルギーE_RCDPCT[i]の合計値が最小となるように、単独熱源ユニットの冷水流量Vc_R[i]の制御目標値および冷水出口温度Tc_out_R[i]の制御目標値を求める最適化計算を実行する。この最適化計算を実行する過程で求まる熱源1次側エネルギー消費量E1_HS1(各々の単独熱源ユニットでの消費エネルギーE_RCDPCT[i]の合計値)と仮決めした2次冷水往温度Tcs2との組み合わせを複数組算出し、該算出結果に基づいて、熱源1次側エネルギー消費量と2次冷水往温度との相関を示す第1の関数を生成する。
図5(a)は、熱源1次側エネルギー消費量E1_HS1と2次冷水往温度Tcs2との対応関係の例を示すグラフである。図5(a)の縦軸はエネルギー消費量であり、図5(a)の横軸は温度である。
図5(a)では、Tcs2_SPが7、8、9、10の4点でのE1_HS1の値がそれぞれプロットされている。なお、2次冷水往温度Tcs2を低下させる場合には1次側でより多くのエネルギーが消費される。そのため、図5(a)に示すように、Tcs2_SPが小さいほどE1_HS1の値は大きくなる。
ステップS203において、熱源1次側処理部302は、熱源1次側エネルギー消費量と2次冷水往温度との相関を示す第1の関数F1(式(16))を生成する。
E1_HS1=F1(Tcs2) ……(16)
例えば、熱源1次側処理部302は、図5(a)のグラフの各点のデータを用いて、公知の関数フィッティング処理を実行し、熱源1次側エネルギー消費量と2次冷水往温度との近似関数である第1の関数F1を求める。近似関数は、右肩下がりの関数であればどのようなものでもよいが、計算の簡単さを考慮してステップS203での第1の関数F1は2次関数(y=ax2+bx+c)とする。なお、図5(b)は、図5(a)に第1の関数F1をプロットした図である。第1の関数F1は右肩下がりの関数となる。
ステップS204において、熱源2次側処理部303は、2次負荷熱量Qc2、外気湿球温度WBoaを用いて、データ収集サーバ200のデータベースDBから2次冷水ポンプのエネルギー消費量EP_CP2と2次冷水往温度Tcs2との組み合わせの統計情報を取得する。
熱源2次側処理部303は、ステップS201で算出された2次負荷熱量Qc2および外気湿球温度WBoaを検索キーとして、データベースDBに記憶されたセンサ計測値および運転データの組み合わせ(図2の行)のうちから、2次負荷熱量Qc2と外気湿球温度WBの条件が対応する組み合わせを複数抽出する。ここで、「2次負荷熱量Qc2と外気湿球温度WBの条件が対応する」とは、検索キーの値に対してデータベースDBの値が一致していなくても所定の許容幅の範囲にある場合、熱源2次側処理部303がデータベースDBの値を抽出対象として扱うことを意味する。例えば、データベースDBの2次負荷熱量Qc2の値が、ステップS201で算出された2次負荷熱量Qc2を基準とした所定の範囲内(例えば設計最大負荷熱量の±10%の範囲内)にある場合、熱源2次側処理部303は上記のデータベースDBのデータを抽出対象として扱う。同様に、データベースDBの外気湿球温度WBの値が、外気湿球温度WBoaの計測値を基準とした所定の範囲内(例えば±5℃の範囲内)にある場合、熱源2次側処理部303は上記のデータベースDBのデータを抽出対象として扱う。
そして、熱源2次側処理部303は、抽出された各々の組み合わせのうち、2次冷水ポンプのエネルギー消費量EP_CP2、2次冷水往温度Tcs2の情報を対応づけて取得する。つまり、データベースDBから抽出されたセンサ計測値および運転データの組み合わせがm組ある場合、m組分の2次冷水ポンプのエネルギー消費量EP_CP2、2次冷水往温度Tcs2の統計情報が取得されることになる。
なお、一般的に空調負荷の熱量は外気の温湿度状態の影響を大きく受ける。外壁を持たずに空調された空間に囲まれた室内空間(インテリアゾーン)の空調負荷は外気の温湿度状態の影響を受けにくいが、窓際および外壁側の室内空間(ペリメータゾーン)の空調負荷は外気の温湿度状態の影響を受けやすい。また、外調機は外気の温湿度状態の影響をダイレクトに受ける。そのため、外気湿球温度を変数に加えることで、計算精度を向上させることが期待できる。
図6(a)は、2次冷水ポンプのエネルギー消費量EP_CP2と2次冷水往温度Tcs2との対応関係の例を示すグラフである。図6(a)の縦軸はエネルギー消費量であり、図6(a)の横軸は温度である。m組分の2次冷水ポンプのエネルギー消費量EP_CP2、2次冷水往温度Tcs2の統計情報が取得された場合、図6(a)ではm個の点がプロットされる。
なお、2次冷水往温度Tcs2を低下させると、2次側の熱量を賄うために要求される2次冷水の送水量が減るので2次冷水ポンプのエネルギー消費量は小さくなる。そのため、図6(a)に示すように、統計情報の定性的な傾向として、Tcs2_SPが小さいほど、EP_CP2の値も小さくなるように分布する傾向がある。
ステップS205において、熱源2次側処理部303は、2次冷水ポンプのエネルギー消費量と2次冷水往温度との相関を示す第2の関数F2(式(17))を生成する。
E1_CP2=F2(Tcs2) ……(17)
例えば、熱源2次側処理部303は、図6(a)のグラフの各点のデータを用いて、公知の関数フィッティング処理を実行し、2次冷水ポンプのエネルギー消費量と2次冷水往温度との近似関数である第2の関数F2を求める。近似関数は、右肩上がりの関数であればどのようなものでもよいが、計算の簡単さを考慮してステップS205での第2の関数F2は2次関数(y=dx2+ex+f)とする。なお、図6(b)は、図6(a)に第2の関数F2をプロットした図である。第2の関数F2は右肩上がりの関数となる。
ステップS206において、空調負荷処理部304は、2次負荷熱量Qc2、外気湿球温度WBoaを用いて、データ収集サーバ200のデータベースDBから空調負荷のエネルギー消費量E1_AHUと2次冷水往温度Tcs2との組み合わせの統計情報を取得する。
空調負荷処理部304は、ステップS201で算出された2次負荷熱量Qc2および外気湿球温度WBoaを検索キーとして、データベースDBに記憶されたセンサ計測値および運転データの組み合わせ(図2の行)のうちから、2次負荷熱量Qc2と外気湿球温度WBの条件が対応する組み合わせを複数抽出する。ここで、「2次負荷熱量Qc2と外気湿球温度WBの条件が対応する」とは、検索キーの値に対してデータベースDBの値が一致していなくても所定の許容幅の範囲にある場合、空調負荷処理部304がデータベースDBの値を抽出対象として扱うことを意味する。例えば、データベースDBの2次負荷熱量Qc2の値が、ステップS201で算出された2次負荷熱量Qc2を基準とした所定の範囲内(例えば設計最大負荷熱量の±10%の範囲内)にある場合、空調負荷処理部304は上記のデータベースDBのデータを抽出対象として扱う。同様に、データベースDBの外気湿球温度WBの値が、外気湿球温度WBoaの計測値を基準とした所定の範囲内(例えば±5℃の範囲内)にある場合、熱源2次側処理部303は上記のデータベースDBのデータを抽出対象として扱う。
そして、空調負荷処理部304は、抽出された各々の組み合わせのうち、空調負荷のエネルギー消費量E1_AHU、2次冷水往温度Tcs2の情報を対応づけて取得する。つまり、データベースDBから抽出されたセンサ計測値および運転データの組み合わせがm組ある場合、m組分の空調負荷のエネルギー消費量E1_AHU、2次冷水往温度Tcs2の統計情報が取得されることになる。
なお、ステップS204でも説明したように、外気湿球温度を変数に加えることで、計算精度を向上させることが期待できる。
図7(a)は、空調負荷のエネルギー消費量E1_AHUと2次冷水往温度Tcs2との対応関係の例を示すグラフである。図7(a)の縦軸はエネルギー消費量であり、図7(a)の横軸は温度である。m組分の空調負荷のエネルギー消費量E1_AHU、2次冷水往温度Tcs2の統計情報が取得された場合、図7(a)ではm個の点がプロットされる。
なお、2次冷水往温度Tcs2を低下させると、空調運転の効率が向上することから空調負荷のエネルギー消費量は小さくなる。そのため、図7(a)に示すように、統計情報の定性的な傾向として、Tcs2_SPが小さいほど、E1_AHUの値も小さくなるように分布する傾向がある。
ステップS207において、空調負荷処理部304は、空調負荷のエネルギー消費量と2次冷水往温度との相関を示す第3の関数F3(式(18))を生成する。
E1_AHU=F3(Tcs2) ……(18)
例えば、空調負荷処理部304は、図7(a)のグラフの各点のデータを用いて、公知の関数フィッティング処理を実行し、空調負荷のエネルギー消費量と2次冷水往温度との近似関数である第3の関数F3を求める。近似関数は、右肩上がりの関数であればどのようなものでもよいが、計算の簡単さを考慮してステップS207での第3の関数F3は2次関数(y=gx2+hx+j)とする。なお、図7(b)は、図7(a)に第3の関数F3をプロットした図である。第3の関数F3は右肩上がりの関数となる。
ステップS208において、目標値算出部305は、第1の関数F1、第2の関数F2および第3の関数F3を合成して、システム全体のエネルギー消費量と2次冷水往温度との相関を示す目的関数F4を生成する。第1の関数F1、第2の関数F2および第3の関数F3は、いずれもエネルギー消費量と2次冷水往温度の相関を示す2次関数である。そのため、目標値算出部305は、以下の式(19)に示すように、関数F1、F2、F3の各係数を次数ごとに加算することで目的関数F4を算出できる。
y=(a+d+g)x2+(b+e+h)x+(c+f+j) ……(19)
図8は、関数F1〜F4を示すグラフである。図8の縦軸はエネルギー消費量であり、図8の横軸は温度である。
上記のように、第1の関数F1は右肩下がりの関数であり、第2の関数F2および第3の関数F3はいずれも右肩上がりの関数である。そのため、これらを合成した目的関数F4は下に凸をもつ関数となり、エネルギー消費量について極小値を有することが分かる。そして、目標値算出部305は、目的関数F4でシステム全体のエネルギー消費量が最小となる2次冷水往温度を、2次冷水往温度の目標値として算出する。
なお、目標値算出部305は、算出された2次冷水往温度の目標値を、例えば月ごとに予め設定された2次冷水往温度の上限値と比較し、算出された2次冷水往温度の目標値が2次冷水往温度の上限値を超える場合には、2次冷水往温度の上限値を2次冷水往温度の目標値としてもよい。
そして、演算サーバ300で算出された2次冷水往温度の目標値は、リアルタイムコントローラ105に出力される。その後、リアルタイムコントローラ105は、上記の2次冷水往温度の目標値に基づき、冷凍機11、1次冷水ポンプ12および2次冷水ポンプ85a,85bを制御する。これにより、熱源制御システム100の最適化制御を実行することができる。以上で、図4に示す制御例の説明を終了する。
以下、一実施形態での作用効果を述べる。
一実施形態での演算サーバ300は、熱源1次側エネルギー消費量と2次冷水往温度の相関を示す第1の関数F1と、2次冷水ポンプのエネルギー消費量と2次冷水往温度の相関を示す第2の関数F2と、空調負荷のエネルギー消費量と2次冷水往温度の相関を示す第3の関数F3とを合成して、システム全体のエネルギー消費量と2次冷水往温度との相関を示す目的関数F4を生成する。そして、演算サーバ300は、目的関数F4でシステム全体のエネルギー消費量が最小となる2次冷水往温度を、2次冷水往温度の目標値として算出する(S208)。
ここで、一実施形態では、熱源1次側エネルギー消費量に関する第1の関数F1は、一次側の機器の性能に基づき容易に演算できることから物理演算で求める(S202、S203)。一方、2次冷水ポンプのエネルギー消費量に関する第2の関数F2と、空調負荷のエネルギー消費量に関する第3の関数F3は、2次側における多様な要因を考慮する必要があるため、システム運用時のセンサ計測値および運転データを用いて、2次負荷熱量と外気湿球温度に応じて抽出された各パラメータの分布からそれぞれ統計処理で求めている(S204、S205、S206、S207)。
したがって、一実施形態の熱源制御システム100によれば、演算サーバ300の算出する2次冷水往温度の目標値に基づき制御を行うことで、オペレータの経験と勘に頼らず、空調熱源設備全体の消費エネルギーを最小とする2次冷水送水温度の設定が可能となり、快適性と省エネ性を両立する制御を実現できる。また、一実施形態の熱源制御システム100によれば、オペレータの操作時以外においても、状況に応じて自動かつリアルタイムでの設定変更が可能となる。
また、一実施形態では、第1の関数F1、第2の関数F2、第3の関数F3を求める工程をそれぞれ切り分けて、その性質に合わせて各関数を異なる手法で求めている。すなわち、一実施形態では、熱源1次側のエネルギー消費量については演算処理で関数F1を求め、2次冷水ポンプのエネルギー消費量および空調負荷のエネルギー消費量についてはそれぞれ統計処理で関数F2、F3を求め、これらの関数を合成してシステム全体のエネルギー消費量と2次冷水往温度との相関を示す目的関数F4を生成する。よって、一実施形態では、従来技術のように1次側の機器と2次側の機器のエネルギー消費量をまとめて統計分析する場合と比べて、2次冷水往温度の最適解を求める演算処理を非常に簡易にできる。
<1次ポンプ方式の熱源制御システムの構成例>
図9は、1次ポンプ方式の熱源制御システム100Aの構成例を示す。1次ポンプ方式は、熱源システムの冷水を搬送する冷水ポンプを冷水1次ポンプ1段だけとするものである。1次ポンプ方式の場合、構成が単純であり、空調負荷側の冷水流量制御によって余剰をヘッダ間バイパスする方式なので空調負荷への冷水往温度が基本的に安定する点が有利なシステムである。しかし、1次ポンプ方式の場合、ヘッダ間バイパスに多流量が流れる場合もあり、冷水1次ポンプが冷水配管系の全揚程を受け持つため、省エネルギーとしての最適制御が難しいシステムでもある。
なお、図9の説明において、図1に示す熱源制御システムと同様の要素については、共通の符号を付して重複説明を省略する。
1次ポンプ方式は、1次冷水ポンプのみで冷水を空調機(AHU)まで循環させる配管方式である。図9に示す熱源制御システム100Aは、熱源の2次側において、図1に示す第2の往ヘッダ83、2次冷水ポンプ85a,85bおよび管路87がなく、往ヘッダ102に冷水2次往配管39が接続されている。
このように、図9に示す熱源制御システム100Aでは、往ヘッダ102と、還ヘッダ103と、空調機(AHU)104と、これらを接続する配管によって熱源の2次側が構成される。
また、図9に示す熱源制御システム100Aのリアルタイムコントローラ105には、ネットワーク400を介して、データ収集サーバ200、演算サーバ300Aがそれぞれ接続されている。
図9のデータ収集サーバ200のデータベースDBは、2次冷水ポンプのエネルギー消費量の運転データがないことを除いて、図1に示すデータベースDBと同様である。また、図9の演算サーバ300Aは、熱源2次側処理部303がなく、目標値算出部305の代わりに目標値算出部305Aを有している点を除いて、図1に示す演算サーバ300と同様である。
図10は、他の実施形態の熱源制御システム100Aにおける演算サーバ300Aでの演算処理例を示している。図10の例では、図4と同様の処理については、共通の符号を付して重複説明を省略する。
図10の例では、演算サーバ300Aは、ステップS204、S205の処理を行わず、ステップS202、S203の処理と、ステップS206、S207の処理を実行する。そして、演算サーバ300Aは、ステップS208の代わりにステップS208Aの処理を実行する。
ステップS208Aにおいて、目標値算出部305Aは、第1の関数F1および第3の関数F3を合成して、システム全体のエネルギー消費量と2次冷水往温度との相関を示す目的関数F4を生成する。そして、目標値算出部305Aは、目的関数F4でシステム全体のエネルギー消費量が最小となる2次冷水往温度を、2次冷水往温度の目標値として算出する。
このように、他の実施形態の熱源制御システム100Aにおいても、一実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができる。
<実施形態の補足事項>
(1)熱源制御システムの構成は、上記の実施形態の構成に必ずしも限定されない。例えば、2次冷水往温度を計測する2次往温度計(43)は第2の往ヘッダ83に配置されていてもよく、2次冷水還温度を計測する2次還温度計(51)は、還ヘッダ103に配置されていてもよい。また、演算サーバ300,300Aは、リアルタイムコントローラ105を介さずに、各センサから直接計測値を取得してもよい。
(2)上記の実施形態では、センサの計測値を用いて2次冷水往温度の目標値を算出する演算サーバ300,300Aの演算処理を説明した。しかし、演算サーバ300,300Aは、現在値(計測値)の代わりに入力値として各パラメータの予測値を用いて2次冷水往温度の目標値を算出してもよい。このように予測値を用いて2次冷水往温度の目標値を算出することで、熱源制御システム100,100Aの運転状況の予測を行うことも可能となる。
(3)上記実施形態では、目標値算出部305、305Aは、目的関数F4でシステム全体のエネルギー消費量が最小となる2次冷水往温度を2次冷水往温度の目標値として算出する例を説明した。しかし、目標値算出部305、305Aは、システム全体のエネルギー消費量が最小となる2次冷水往温度をそのまま2次冷水往温度の目標値とせずに、システム全体のエネルギー消費量が最小となる2次冷水往温度の近似値を、2次冷水往温度の目標値としてもよい。例えば、目標値算出部305、305Aは、熱源制御システムにおける2次冷水往温度の変更時の刻み幅に合わせて、システム全体のエネルギー消費量が最小となる2次冷水往温度に近い温度を2次冷水往温度の目標値としてもよい。
(4)図1〜図8に示す1次2次ポンプ方式の熱源制御システムの実施形態では、目標値算出部305は、第1の関数F1、第2の関数F2、第3の関数F3を合成して目的関数F4を生成する例を説明した。しかし、目標値算出部305は、これらの関数のいずれかを除外して目的関数F4を生成してもよい。例えば、目標値算出部305は、第1の関数F1および第2の関数F2を合成して目的関数F4を生成してもよい。この場合、演算サーバ300において、空調負荷処理部304の処理(S206、S207)は不要となる。また、目標値算出部305は、1次ポンプ方式の場合と同様に、第1の関数F1および第3の関数F3を合成して目的関数F4を生成してもよい。この場合、演算サーバ300において、熱源2次側処理部303の処理(S204、S205)は不要となる。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲が、その精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずである。したがって、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。
11…冷凍機(熱源機R)、12…1次冷水ポンプ、13…冷却塔、14…冷却水ポンプ、43,51…温度センサ、53…流量計、83…第2の往ヘッダ、85a,85b…2次冷水ポンプ、100,100A…熱源制御システム、101…単独熱源ユニット、102…往ヘッダ、103…還ヘッダ、104…空調機(AHU)、105…リアルタイムコントローラ、106…外気温湿度センサ、200…データ収集サーバ、300,300A…演算サーバ、301…2次負荷熱量算出部、302…熱源1次側処理部、303…熱源2次側処理部、304…空調負荷処理部、305…目標値算出部、400…ネットワーク

Claims (10)

  1. 冷凍機と、
    前記冷凍機の冷水出口側に冷水1次往配管で接続される第1往ヘッダと、
    1次冷水ポンプを介して、前記冷凍機の冷水入口側に冷水1次還配管で接続される還ヘッダと、
    前記第1往ヘッダと前記還ヘッダとを接続するバイパス管と、
    2次冷水ポンプを介して、前記第1往ヘッダに往ヘッダ配管で接続される第2往ヘッダと、
    前記第2往ヘッダと前記還ヘッダとの間に冷水2次往配管および冷水2次還配管を介して接続される空調負荷と、
    前記第2往ヘッダ又は前記冷水2次往配管に配置され、2次冷水往温度を計測する2次往温度計と、
    前記還ヘッダ又は前記冷水2次還配管に配置され、2次冷水還温度を計測する2次還温度計と、
    前記冷水2次還配管に配置され、2次冷水流量を計測する2次流量計と、
    外気湿球温度を計測する外気温湿度センサと、
    前記2次冷水往温度の目標値を求める演算装置と、
    前記2次冷水往温度の目標値に基づき、前記冷凍機、前記1次冷水ポンプおよび前記2次冷水ポンプを制御する制御装置と、
    を備え、
    前記演算装置は、
    前記2次冷水流量の計測値、前記2次冷水還温度の計測値および前記2次冷水往温度の計測値を用いて、2次負荷熱量を算出する2次負荷熱量算出部と、
    前記2次冷水流量の計測値および前記外気湿球温度の計測値を用いて、1次側の機器のエネルギー消費量である熱源1次側エネルギー消費量と2次冷水往温度との組み合わせを複数組算出し、該算出結果に基づいて、前記熱源1次側エネルギー消費量と前記2次冷水往温度との相関を示す第1の関数を生成する熱源1次側処理部と、
    前記2次負荷熱量と前記外気湿球温度の計測値に基づいて抽出された、システム運用時の前記2次冷水ポンプのエネルギー消費量と前記2次冷水往温度の組み合わせの分布に基づいて、前記2次冷水ポンプのエネルギー消費量と前記2次冷水往温度との相関を示す第2の関数を生成する熱源2次側処理部と、
    前記第1の関数および前記第2の関数を合成して、システム全体のエネルギー消費量と前記2次冷水往温度との相関を示す目的関数を生成し、前記目的関数で前記システム全体のエネルギー消費量が最小となる前記2次冷水往温度を算出し、算出された前記2次冷水往温度に基づいて前記2次冷水往温度の目標値を決定する目標値算出部と、
    を有することを特徴とする熱源制御システム。
  2. 請求項1に記載の熱源制御システムにおいて、
    前記2次負荷熱量と前記外気湿球温度の計測値に基づいて抽出された、システム運用時の前記空調負荷のエネルギー消費量と前記2次冷水往温度の組み合わせの分布に基づいて、前記空調負荷のエネルギー消費量と前記2次冷水往温度との相関を示す第3の関数を生成する空調負荷処理部をさらに備え、
    前記目標値算出部は、前記第1の関数、前記第2の関数および前記第3の関数を合成して前記目的関数を生成することを特徴とする熱源制御システム。
  3. 請求項1に記載の熱源制御システムにおいて、
    システム運用時における、前記2次負荷熱量、前記外気湿球温度、前記2次冷水ポンプのエネルギー消費量および前記2次冷水往温度の組み合わせを複数記憶した記憶装置をさらに備え、
    前記熱源2次側処理部は、前記2次負荷熱量算出部で算出した2次負荷熱量および前記外気湿球温度の計測値の条件に対応する前記2次冷水ポンプのエネルギー消費量と前記2次冷水往温度との組み合わせを前記記憶装置から複数抽出する
    ことを特徴とする熱源制御システム。
  4. 請求項2に記載の熱源制御システムにおいて、
    システム運用時における、前記2次負荷熱量、前記外気湿球温度、前記空調負荷のエネルギー消費量および前記2次冷水往温度の組み合わせを複数記憶した記憶装置をさらに備え、
    前記空調負荷処理部は、前記2次負荷熱量算出部で算出した2次負荷熱量および前記外気湿球温度の計測値の条件に対応する前記空調負荷のエネルギー消費量と前記2次冷水往温度との組み合わせを前記記憶装置から複数抽出する
    ことを特徴とする熱源制御システム。
  5. 冷凍機と、前記冷凍機の冷水出口側に冷水1次往配管で接続される第1往ヘッダと、1次冷水ポンプを介して、前記冷凍機の冷水入口側に冷水1次還配管で接続される還ヘッダと、前記第1往ヘッダと前記還ヘッダとを接続するバイパス管と、2次冷水ポンプを介して、前記第1往ヘッダに往ヘッダ配管で接続される第2往ヘッダと、前記第2往ヘッダと前記還ヘッダとの間に冷水2次往配管および冷水2次還配管を介して接続される空調負荷と、前記第2往ヘッダ又は前記冷水2次往配管に配置され、2次冷水往温度を計測する2次往温度計と、前記還ヘッダ又は前記冷水2次還配管に配置され、2次冷水還温度を計測する2次還温度計と、前記冷水2次還配管に配置され、2次冷水流量を計測する2次流量計と、外気湿球温度を計測する外気温湿度センサと、前記冷凍機、前記1次冷水ポンプおよび前記2次冷水ポンプを制御する制御装置と、を備えた熱源制御システムの制御方法であって、
    前記2次冷水流量の計測値、前記2次冷水還温度の計測値および前記2次冷水往温度の計測値を用いて、2次負荷熱量を算出する工程と、
    前記2次冷水流量の計測値および前記外気湿球温度の計測値を用いて、1次側の機器のエネルギー消費量である熱源1次側エネルギー消費量と2次冷水往温度との組み合わせを複数組算出し、該算出結果に基づいて、前記熱源1次側エネルギー消費量と前記2次冷水往温度との相関を示す第1の関数を生成する工程と、
    前記2次負荷熱量と前記外気湿球温度の計測値に基づいて抽出された、システム運用時の前記2次冷水ポンプのエネルギー消費量と前記2次冷水往温度の組み合わせの分布に基づいて、前記2次冷水ポンプのエネルギー消費量と前記2次冷水往温度との相関を示す第2の関数を生成する工程と、
    前記第1の関数および前記第2の関数を合成して、システム全体のエネルギー消費量と前記2次冷水往温度との相関を示す目的関数を生成し、前記目的関数で前記システム全体のエネルギー消費量が最小となる前記2次冷水往温度を算出し、算出された前記2次冷水往温度に基づいて前記2次冷水往温度の目標値を決定する工程と、
    前記2次冷水往温度の目標値を前記制御装置に出力する工程と、
    を有することを特徴とする熱源制御システムの制御方法。
  6. 冷凍機と、前記冷凍機の冷水出口側に冷水1次往配管で接続される第1往ヘッダと、1次冷水ポンプを介して、前記冷凍機の冷水入口側に冷水1次還配管で接続される還ヘッダと、前記第1往ヘッダと前記還ヘッダとを接続するバイパス管と、2次冷水ポンプを介して、前記第1往ヘッダに往ヘッダ配管で接続される第2往ヘッダと、前記第2往ヘッダと前記還ヘッダとの間に冷水2次往配管および冷水2次還配管を介して接続される空調負荷と、前記第2往ヘッダ又は前記冷水2次往配管に配置され、2次冷水往温度を計測する2次往温度計と、前記還ヘッダ又は前記冷水2次還配管に配置され、2次冷水還温度を計測する2次還温度計と、前記冷水2次還配管に配置され、2次冷水流量を計測する2次流量計と、外気湿球温度を計測する外気温湿度センサと、前記冷凍機、前記1次冷水ポンプおよび前記2次冷水ポンプを制御する制御装置と、を備えた熱源制御システムの2次冷水往温度の目標値を算出する演算装置であって、
    前記2次冷水流量の入力値、前記2次冷水還温度の入力値および前記2次冷水往温度の入力値を用いて、2次負荷熱量を算出する2次負荷熱量算出部と、
    前記2次冷水流量の入力値および前記外気湿球温度の入力値を用いて、1次側の機器のエネルギー消費量である熱源1次側エネルギー消費量と2次冷水往温度との組み合わせを複数組算出し、該算出結果に基づいて、前記熱源1次側エネルギー消費量と前記2次冷水往温度との相関を示す第1の関数を生成する熱源1次側処理部と、
    前記2次負荷熱量と前記外気湿球温度の入力値に基づいて抽出された、システム運用時の前記2次冷水ポンプのエネルギー消費量と前記2次冷水往温度の組み合わせの分布に基づいて、前記2次冷水ポンプのエネルギー消費量と前記2次冷水往温度との相関を示す第2の関数を生成する熱源2次側処理部と、
    前記第1の関数および前記第2の関数を合成して、システム全体のエネルギー消費量と前記2次冷水往温度との相関を示す目的関数を生成し、前記目的関数で前記システム全体のエネルギー消費量が最小となる前記2次冷水往温度を算出し、算出された前記2次冷水往温度に基づいて前記2次冷水往温度の目標値を決定する目標値算出部と、
    を有することを特徴とする演算装置。
  7. 冷凍機と、
    前記冷凍機の冷水出口側に冷水1次往配管で接続される往ヘッダと、
    1次冷水ポンプを介して、前記冷凍機の冷水入口側に冷水1次還配管で接続される還ヘッダと、
    前記往ヘッダと前記還ヘッダとを接続するバイパス管と、
    前記往ヘッダと前記還ヘッダとの間に冷水2次往配管および冷水2次還配管を介して接続される空調負荷と、
    前記往ヘッダ又は前記冷水2次往配管に配置され、2次冷水往温度を計測する2次往温度計と、
    前記還ヘッダ又は前記冷水2次還配管に配置され、2次冷水還温度を計測する2次還温度計と、
    前記冷水2次還配管に配置され、2次冷水流量を計測する2次流量計と、
    外気湿球温度を計測する外気温湿度センサと、
    前記2次冷水往温度の目標値を求める演算装置と、
    前記2次冷水往温度の目標値に基づき、前記冷凍機および前記1次冷水ポンプを制御する制御装置と、
    を備え、
    前記演算装置は、
    前記2次冷水流量の計測値、前記2次冷水還温度の計測値および前記2次冷水往温度の計測値を用いて、2次負荷熱量を算出する2次負荷熱量算出部と、
    前記2次冷水流量の計測値および前記外気湿球温度の計測値を用いて、1次側の機器のエネルギー消費量である熱源1次側エネルギー消費量と2次冷水往温度との組み合わせを複数組算出し、該算出結果に基づいて、前記熱源1次側エネルギー消費量と前記2次冷水往温度との相関を示す第1の関数を生成する熱源1次側処理部と、
    前記2次負荷熱量と前記外気湿球温度の計測値に基づいて抽出された、システム運用時の前記空調負荷のエネルギー消費量と前記2次冷水往温度の組み合わせの分布に基づいて、前記空調負荷のエネルギー消費量と前記2次冷水往温度との相関を示す第3の関数を生成する空調負荷処理部と、
    前記第1の関数および前記第3の関数を合成して、システム全体のエネルギー消費量と前記2次冷水往温度との相関を示す目的関数を生成し、前記目的関数で前記システム全体のエネルギー消費量が最小となる前記2次冷水往温度を算出し、算出された前記2次冷水往温度に基づいて前記2次冷水往温度の目標値を決定する目標値算出部と、
    を有することを特徴とする熱源制御システム。
  8. 請求項7に記載の熱源制御システムにおいて、
    システム運用時における、前記2次負荷熱量、前記外気湿球温度、前記空調負荷のエネルギー消費量および前記2次冷水往温度の組み合わせを複数記憶した記憶装置をさらに備え、
    前記空調負荷処理部は、前記2次負荷熱量算出部で算出した2次負荷熱量および前記外気湿球温度の計測値の条件に対応する前記空調負荷のエネルギー消費量と前記2次冷水往温度との組み合わせを前記記憶装置から複数抽出する
    ことを特徴とする熱源制御システム。
  9. 冷凍機と、前記冷凍機の冷水出口側に冷水1次往配管で接続される往ヘッダと、1次冷水ポンプを介して、前記冷凍機の冷水入口側に冷水1次還配管で接続される還ヘッダと、前記往ヘッダと前記還ヘッダとを接続するバイパス管と、前記往ヘッダと前記還ヘッダとの間に冷水2次往配管および冷水2次還配管を介して接続される空調負荷と、前記往ヘッダ又は前記冷水2次往配管に配置され、2次冷水往温度を計測する2次往温度計と、前記還ヘッダ又は前記冷水2次還配管に配置され、2次冷水還温度を計測する2次還温度計と、前記冷水2次還配管に配置され、2次冷水流量を計測する2次流量計と、外気湿球温度を計測する外気温湿度センサと、前記2次冷水往温度の目標値に基づき、前記冷凍機および前記1次冷水ポンプを制御する制御装置と、を備えた熱源制御システムの制御方法であって、
    前記2次冷水流量の計測値、前記2次冷水還温度の計測値および前記2次冷水往温度の計測値を用いて、2次負荷熱量を算出する工程と、
    前記2次冷水流量の計測値および前記外気湿球温度の計測値を用いて、1次側の機器のエネルギー消費量である熱源1次側エネルギー消費量と2次冷水往温度との組み合わせを複数組算出し、該算出結果に基づいて、前記熱源1次側エネルギー消費量と前記2次冷水往温度との相関を示す第1の関数を生成する工程と、
    前記2次負荷熱量と前記外気湿球温度の計測値に基づいて抽出された、システム運用時の前記空調負荷のエネルギー消費量と前記2次冷水往温度の組み合わせの分布に基づいて、前記空調負荷のエネルギー消費量と前記2次冷水往温度との相関を示す第3の関数を生成する工程と、
    前記第1の関数および前記第3の関数を合成して、システム全体のエネルギー消費量と前記2次冷水往温度との相関を示す目的関数を生成し、前記目的関数で前記システム全体のエネルギー消費量が最小となる前記2次冷水往温度を算出し、算出された前記2次冷水往温度に基づいて前記2次冷水往温度の目標値を決定する工程と、
    前記2次冷水往温度の目標値を前記制御装置に出力する工程と、
    を有することを特徴とする熱源制御システムの制御方法。
  10. 冷凍機と、前記冷凍機の冷水出口側に冷水1次往配管で接続される往ヘッダと、1次冷水ポンプを介して、前記冷凍機の冷水入口側に冷水1次還配管で接続される還ヘッダと、前記往ヘッダと前記還ヘッダとを接続するバイパス管と、前記往ヘッダと前記還ヘッダとの間に冷水2次往配管および冷水2次還配管を介して接続される空調負荷と、前記往ヘッダ又は前記冷水2次往配管に配置され、2次冷水往温度を計測する2次往温度計と、前記還ヘッダ又は前記冷水2次還配管に配置され、2次冷水還温度を計測する2次還温度計と、前記冷水2次還配管に配置され、2次冷水流量を計測する2次流量計と、外気湿球温度を計測する外気温湿度センサと、前記2次冷水往温度の目標値に基づき、前記冷凍機および前記1次冷水ポンプを制御する制御装置と、を備えた熱源制御システムの2次冷水往温度の目標値を算出する演算装置であって、
    前記2次冷水流量の入力値、前記2次冷水還温度の入力値および前記2次冷水往温度の入力値を用いて、2次負荷熱量を算出する2次負荷熱量算出部と、
    前記2次冷水流量の入力値および前記外気湿球温度の入力値を用いて、1次側の機器のエネルギー消費量である熱源1次側エネルギー消費量と2次冷水往温度との組み合わせを複数組算出し、該算出結果に基づいて、前記熱源1次側エネルギー消費量と前記2次冷水往温度との相関を示す第1の関数を生成する熱源1次側処理部と、
    前記2次負荷熱量と前記外気湿球温度の入力値に基づいて抽出された、システム運用時の前記空調負荷のエネルギー消費量と前記2次冷水往温度の組み合わせの分布に基づいて、前記空調負荷のエネルギー消費量と前記2次冷水往温度との相関を示す第3の関数を生成する空調負荷処理部と、
    前記第1の関数および前記第3の関数を合成して、システム全体のエネルギー消費量と前記2次冷水往温度との相関を示す目的関数を生成し、前記目的関数で前記システム全体のエネルギー消費量が最小となる前記2次冷水往温度を算出し、算出された前記2次冷水往温度に基づいて前記2次冷水往温度の目標値を決定する目標値算出部と、
    を有することを特徴とする演算装置。
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