JP2018162588A - 止水工法、及び止水剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造物からの漏水を止水又は防止する新たな技術を提供する。【解決手段】コンクリートと、金属製部材と、樹脂製部材とのうち、少なくとも何れか一つを含む構造物からの漏水を止水する止水工法であり、コンクリートと、金属製部材又は樹脂製部材との間に形成される空隙からなる漏水原因箇所と、金属製部材間に形成される空隙からなる漏水原因箇所と、樹脂製部材間に形成される空隙からなる漏水原因箇所と、金属製部材と樹脂製部材との間に形成される空隙からなる漏水原因箇所とのうち、少なくとも何れか一つの漏水原因箇所に、石油樹脂とアクリル樹脂をポリビニルアルコールによって水に乳化させた樹脂エマルジョン(A液)と、ウレタンプレポリマーを含むウレタン組成物(B液)とを混合して成り、 樹脂エマルジョンとウレタン組成物の質量比(A液:B液)が、100:5〜100:20である止水剤を充填する。【選択図】図4

Description

本発明は、止水工法、及び止水剤に関する。
地下ピット、よう壁などのコンクリート構造物の打ち継目やクラック等から漏水が生じた場合に止水する技術がある。例えば、特許文献1には、石油樹脂とアクリル樹脂をポリビニルアルコールによって水に乳化させた樹脂エマルジョン(A液)と、ウレタンプレポリマーを含むウレタン組成物(B液)とを混合して成り、樹脂エマルジョンとウレタン組成物の質量比(A液:B液)が、100:5〜100:20であることを特徴とする止水剤が開示されている。また、特許文献1には、コンクリート構造物の漏水の原因である間隙と交わるように当該コンクリート構造物に注入孔を削孔する工程と、石油樹脂及びアクリル樹脂をポリビニルアルコールによって水に乳化させた樹脂エマルジョン(A液)とウレタンプレポリマーを含むウレタン組成物(B液)とを質量比(A液:B液)100:5〜100:20で混合して注入孔に圧入する工程と、を有する止水工法が開示されている。
特許第5300162号公報
特許文献1に記載の技術によれば、コンクリート構造物からの漏水を短時間で止水し、また、長期にわたって止水することができる。ここで、コンクリート構造物には、鉄筋、セパレーター、鋼材、スチールセグメント、金具などの金属製部材や、スペーサ、配管などの樹脂製部材など、コンクリート以外の素材からなる部材が使用されている。コンクリート構造物からの漏水は、打ち継目やクラックに限らず、例えば、鋼材とコンクリートとの境界など、コンクリート以外の素材からなる部材とコンクリートとの境界から発生することも想定される。また、コンクリート構造物以外の構造物についても、例えば、金属製部材と金属製部材の隙間や、樹脂製部材と樹脂製部材との隙間や、金属製部材と樹脂製部材との隙間から漏水が発生することが想定される。また、構造物は、寒冷地に存在する場合もあり、低温による止水性能の変化が懸念される。また、金属製部材を含む構造物は、錆による止水性能の変化が懸念される。
本発明は、上記の問題に鑑み、構造物からの漏水を止水又は防止する新たな技術を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明者は、誠意研究を重ねた結果、石油樹脂とアクリル樹脂をポリビニルアルコールによって水に乳化させた樹脂エマルジョン(A液)と、ウレタンプレポリマーを含むウレタン組成物(B液)とを混合して成り、樹脂エマルジョンとウレタン組成物の質量比(A液:B液)が、100:5〜100:20である止水剤が、コンクリート以外の部材、例えば、金属製部材や樹脂製部材との付着性能にも優れ、更に、防錆性能や凍結融解抵抗性にも優れていることを見出した。
詳細には、本発明は、コンクリートと、金属製部材と、樹脂製部材とのうち、少なくとも何れか一つを含む構造物からの漏水を止水する止水工法であって、コンクリートと、金属製部材又は樹脂製部材との間に形成される空隙からなる漏水原因箇所と、金属製部材間に形成される空隙からなる漏水原因箇所と、樹脂製部材間に形成される空隙からなる漏水原因箇所と、金属製部材と樹脂製部材との間に形成される空隙からなる漏水原因箇所とのうち、少なくとも何れか一つの漏水原因箇所に、石油樹脂とアクリル樹脂をポリビニルアルコールによって水に乳化させた樹脂エマルジョン(A液)と、ウレタンプレポリマーを含むウレタン組成物(B液)とを混合して成り、 樹脂エマルジョンとウレタン組成物の質量比(A液:B液)が、100:5〜100:20である止水剤を充填する、止水工法である。
本発明に係る止水工法に用いる止水剤は、コンクリート以外の部材、例えば、金属製部材や樹脂製部材との付着性能に優れている。そのため、本発明に係る止水工法によれば、コンクリートと、金属製部材と、樹脂製部材とのうち、少なくとも何れか一つを含む構造物からの漏水を、短時間で止水し、また、長期にわたって止水することができる。また、本発明に係る止水剤は、防錆性能にも優れている。そのため、本発明に係る止水工法によれば、錆が発生している金属製部材を含む構造物や錆の発生が想定される金属製部材を含む構造物からの漏水も短時間で止水し、また、長期にわたって止水することができる。更に、本発明に係る止水剤は、凍結融解抵抗性にも優れている。そのため、本発明に係る止水工法によれば、寒冷地に存在する構造物からの漏水も短時間で止水し、また、長期にわたって止水することができる。また、漏水が発生していない場合でも、漏水が想定される原因箇所に止水剤を充填することで、漏水を防止することができる。
構造物は、漏水が想定される種々の構造物を含む。構造物には、土木構造物、建築構造物などが例示される。具体的には、構造物には、トンネル、暗渠、マンホール、橋梁、堤体、ビル、施設などのコンクリート構造物、金属製のタンクや配管、樹脂製のタンクや配管が例示される。金属製部材には、鉄筋、セパレーター、鋼材、スチールセグメント、金具などが例示される。また、樹脂製部材には、スペーサ、配管などが例示される。空隙からなる漏水原因箇所は、現に空隙ができ漏水が発生している場合の他、経年劣化等により将来的に空隙ができ漏水が想定される場合も含む。
止水剤は、樹脂エマルジョンのA液と、ウレタン組成物のB液を用いる2液型の止水剤である。樹脂エマルジョンのA液は、石油樹脂とアクリル樹脂を水に分散・乳化させたエマルジョンを含有する。石油樹脂は、例えば芳香族(C9)系石油樹脂である。また、石油樹脂は、脂肪族/芳香族共重合(C5/C9)系石油樹脂(C 410:Petroleum resins、CAS番号64742−16−1)でもよく、また、水添石油樹脂、天然ロジンでもよい。ウレタン組成物のB液は、ポリイソシアネートを主材料とするウレタンプレポリマーを含有する。ウレタンプレポリマーは、例えば、合成反応装置にポリオールおよびイソシアネート化合物を仕込んで撹拌し、60〜160℃で反応させて得ることができる。
また、本発明に係る止水工法では、一例として、構造物は、トンネルであり、トンネルは、コンクリート製のコンクリートセグメントと、当該コンクリートセグメントを接続する接続部材を収容する凹部を有するボルトボックスであって、一部に金属製部材が用いられたボルトボックスと、を含み、漏水原因箇所である、コンクリートセグメントの継ぎ目の隙間と、ボルトボックスとコンクリートセグメントとの境界の隙間と、ボルトボックスの凹部とのうち、少なくとも何れか一つに、止水剤を充填するようにしてもよい。これにより、トンネルにおける、コンクリートセグメントの継ぎ目の隙間、ボルトボックスとコンクリートセグメントとの境界の隙間、ボルトボックスの凹部(ボルトなどの接続部材とボルト孔との隙間など)からの漏水を短時間で止水し、また、長期にわたって止水することができる。また、ボルトボックスを構成する鋼板やボルト・ナット等に錆が発生している場合(又は将来的には錆が発生した場合)でも、止水効果を発揮することができる。また、トンネルが寒冷地に存在している場合でも、止水効果を発揮することができる。また、漏水が発生していない場合でも、トンネルの漏水原因箇所に止水剤を充填することで、漏水を防止することができる。
また、本発明に係る止水工法では、一例として、構造物は、トンネルであり、トンネルは、スチール製のスチールセグメントを含み、漏水原因箇所である、スチールセグメントの継ぎ目の隙間に、止水剤を充填するようにしてもよい。これにより、例えば、トンネルを構成するスチールセグメントの継ぎ目の隙間からの漏水を短時間で止水し、また、長期にわたって止水することができる。また、スチールセグメントに錆が発生している場合(又は将来的に錆が発生した場合)でも、止水効果を発揮することができる。また、トンネルが寒冷地に存在している場合でも、止水効果を発揮することができる。また、漏水が発生していない場合でも、トンネルのスチールセグメントの継ぎ目の隙間に止水剤を充填することで、スチールセグメントの継ぎ目の隙間からの漏水を防止することができる。
また、本発明に係る止水工法では、一例として、構造物は、マンホールであり、マンホールは、コンクリート製のマンホール側壁と、当該マンホール側壁を貫通する金属製又は樹脂製の配管と、を含み、漏水原因箇所である、マンホール側壁と配管との境界の隙間に、止水剤を充填するようにしてもよい。これにより、例えば、マンホール側壁と配管との境界の隙間からの漏水を短時間で止水し、また、長期にわたって止水することができる。また、配管が金属製部材であり、かつ、配管に錆が発生している場合(又は将来的に錆が発生した場合)でも、止水効果を発揮することができる。また、マンホールが寒冷地に存在している場合でも、止水効果を発揮することができる。また、漏水が発生していない場合でも、マンホール側壁と配管との境界の隙間に止水剤を充填することで、マンホール側壁と配管との境界の隙間からの漏水を防止することができる。
また、構造物は、寒冷地に設けられ、漏水原因箇所に、凍結融解抵抗性を有する止水剤を充填するようにしてもよい。上述したように本発明に係る止水剤は、凍結融解抵抗性にも優れている。そのため、構造物が寒冷地に設けられている場合でも、漏水原因箇所からの漏水を止水し、又は漏水を防止することができる。
ここで、本発明は、止水剤として特定することができる。例えば、本発明は、コンクリートと、金属製部材と、樹脂製部材とのうち、少なくとも何れか一つを含む構造物の漏水原因箇所からの漏水を止水する止水剤であって、漏水原因箇所は、金属製部材又は樹脂製部材との間に形成される空隙からなる漏水原因箇所と、金属製部材間に形成される空隙からなる漏水原因箇所と、樹脂製部材間に形成される空隙からなる漏水原因箇所と、金属製部材と樹脂製部材との間に形成される空隙からなる漏水原因箇所とのうち、少なくとも何れか一つの漏水原因箇所とのうち、少なくとも何れか一つを含み、当該止水剤は、石油樹脂とアクリル樹脂をポリビニルアルコールによって水に乳化させた樹脂エマルジョン(A液)と、ウレタンプレポリマーを含むウレタン組成物(B液)とを混合して成り、 樹脂エマルジョンとウレタン組成物の質量比(A液:B液)が、100:5〜100:20である止水剤として特定してもよい。
本発明に係る止水剤によれば、コンクリート構造物からの漏水を、短時間で止水し、また、長期にわたって止水することができる。また、構造物からの漏水を防止することができる。
また、構造物は、寒冷地に設けられ、当該止水剤は、凍結融解抵抗性を有するものとすることができる。上述したように本発明に係る止水剤は、凍結融解抵抗性にも優れている。そのため、構造物が寒冷地に設けられている場合でも、漏水原因箇所からの漏水を止水し、又は漏水を防止することができる。
本発明によれば、構造物からの漏水を止水又は防止する新たな技術を提供することができる。
図1は、実施形態に係る充填装置である。 図2は、実施形態に係るシールドトンネルの斜視図である。 図3は、コンクリートセグメントの斜視図である。 図4は、図2のA−A断面図である(コンクリートセグメント)。 図5は、スチールセグメントの斜視図である。 図6は、図2のA−A断面図である(スチールセグメント)。 図7は、実施形態に係るマンホールのマンホール側壁と防水管との境界の拡大断面である。 図8は、実施形態に係るダム堤体の断面図である。 図9は、付着強度試験の試験体(錆無し)を説明する図である。 図10は、付着強度試験を説明する図である。 図11は、付着強度試験(錆無し)の試験結果である。 図12は、付着強度試験の試験体(錆有り)を説明する図である。 図13は、付着強度試験(錆有り)の試験結果である。 図14は、凍結融解履歴を与えた場合の引張強度試験の試験結果である。 図15は、凍結融解履歴を与えた場合の付着強度試験を説明する図である。 図16は、凍結融解履歴を与えた場合の付着強度試験の試験結果である。
次に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。以下の説明は例示であり、本発明は以下の内容に限定されるものではない。
<止水剤>
実施形態に係る止水剤は、樹脂エマルジョンのA液と、ウレタン組成物のB液を用いる2液型の止水剤であり、コンクリート、金属製部材、樹脂製部材との付着性能に優れ、更に、防錆性能や凍結融解抵抗性にも優れている。
樹脂エマルジョンのA液は、石油樹脂とアクリル樹脂を水に分散・乳化させたエマルジョンを含有する。石油樹脂は、例えば芳香族(C9)系石油樹脂である。また、石油樹脂は、脂肪族/芳香族共重合(C5/C9)系石油樹脂(C 410:Petroleum resins、CAS番号64742−16−1)でもよく、また、水添石油樹脂あるいは天然ロジンでもよい。A液における石油樹脂の含有量は、例えば20〜60Wt%、望ましくは30〜45Wt%である。石油樹脂は、ナフサクラッカーから生成するC5留分やC9留分のカチオン重合により製造することができる。A液のアクリル樹脂は、例えばアクリル酸ブチルエステルである。A液におけるアクリル樹脂の含有量は、例えば5〜30Wt%、望ましくは7〜20Wt%である。
なお、A液は、乳化剤を含有してもよい。乳化剤には、ポリビニルアルコールが例示される。A液における乳化剤の含有量は、例えば1〜10Wt%、望ましくは2〜4Wt%である。A液における水の含有量は、例えば20〜75Wt%、望ましくは35〜55Wt%である。
また、A液には、イソシアネート化合物を含む硬化促進剤が、使用直前に混合される。硬化促進剤は、例えば、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン縮合物、γ−ブチロラクトン、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネートを含有する。
石油樹脂とアクリル樹脂を水に分散・乳化させたエマルジョンには、アルファー・ゾルG(登録商標:三生化工株式会社)が例示される。また、硬化促進剤には、アルファー・ゾル−ゲル化剤(登録商標:三生化工株式会社)が例示される。なお、硬化促進剤は、A液でなく、B液に混合してもよい。
ウレタン組成物のB液は、ポリイソシアネートを主材料とするウレタンプレポリマーを含有する。ウレタンプレポリマーは、例えば、合成反応装置にポリオールおよびイソシアネート化合物を仕込んで撹拌し、60〜160℃で反応させて得ることができる。ポリオールは、一種または二種以上のポリオールを含有するものであり、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアセタールポリオールが例示される。
ポリエーテルポリオールには、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエルスリトール、ソルビトール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ペンタンジオール等の多価アルコール類のアルキレンオキサイド付加物が例示される。また、アルキレンオキサイドには、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが例示され、これらの一種または二種以上を付加することができる。
また、ポリエーテルポリオールには、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリプロピレングリコールに加え、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールの1種または2種以上から構成される2量体その他の低分子量体も含まれる。
ポリエステルポリオールには、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン又はトリメチロールプロパン等のポリオールとコハク酸、グルタール酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等の飽和又は不飽和の多価カルボン酸、若しくはこれらの酸無水物との縮合生成物やポリカプロラクトンポリオール等が例示される。
イソシアネート化合物には、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートが例示される。
B液のウレタン組成物は、ウレタンプレポリマーの他、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)や有機酸エステルを含有してもよい。
B液におけるウレタンプレポリマーの含有量は、例えば40〜90Wt%、望ましくは50〜70Wt%である。また、B液におけるポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートの含有量は、例えば0〜30Wt%、望ましくは5〜15Wt%である。
B液には、ハイセル(登録商標:東邦化学工業株式会社)OH−1Xが例示される。
実施形態に係る止水剤は、コンクリート、金属製部材、樹脂製部材との付着性能にも優れ、防錆性能及び凍結融解抵抗性にも優れている。そのため、実施形態に係る止水剤は、コンクリートと、金属製部材と、樹脂製部材とのうち少なくとも何れか一つを含む構造物からの漏水を、短時間で止水し、また、長期にわたって止水することができる。また、実施形態に係る止水剤によれば、錆が発生している漏水原因箇所や錆の発生が想定される漏水原因箇所からの漏水も短時間で止水し、また、長期にわたって止水することができる。更に、実施形態に係る止水剤によれば、寒冷地に存在する構造物からの漏水も短時間で止水し、また、長期にわたって止水することができる。また、漏水が発生していない場合には、漏水が想定される漏水原因箇所に止水剤を充填することで、漏水を防止することができる。
<充填装置>
図1は、実施形態に係る充填装置を示す。実施形態に係る充填装置6は、第1タンク61、第1ポンプ62、第1配管63、第1バルブ64、第2タンク71、第2ポンプ72、第2配管73、第2バルブ74、変圧器81、混合機91、ノズル92を備える。
第1タンク61は、A液及びB液を貯蔵する。第1ポンプ62は、図示しない電源と接続され、第1タンクに貯蔵されたA液及びB液を圧送する。第1配管63は、一端が第1タンク61に接続され、他端が混合機91に接続され、圧送されたA液及びB液が流れる。第1バルブ64は、第1配管63に設けられ、第1配管63の流路を開閉する。
第2タンク71は、硬化促進剤を貯蔵する。第2ポンプ72は、図示しない電源と接続され、第2タンクに貯蔵されたB液を圧送する。第2配管73には、圧送された硬化促進剤が流れる。第2バルブ74は、第2配管73に設けられ、第2配管73の流路を開閉する。
変圧器81は、電圧を変化させることで、圧送する硬化促進剤の供給量を調整する。これにより、圧送する硬化促進剤の供給量の調整を容易に行うことができる。なお、第1バルブ64や第2バルブ74を絞り弁や流量調整弁で構成し、これらのバルブの開度を調整して、A液、B液、及び硬化促進剤の質量比(混合比)を調整してもよい。混合機91は、攪拌翼を有し、A液、B液、及び硬化促進剤を混合する。ノズル92は、混合された止水剤を吐出する。
なお、第1タンク61にA液及び硬化促進剤を貯蔵し、第1ポンプ62でA液及び硬化促進剤を圧送し、第2タンク71にB剤を貯蔵し、第2ポンプ72でB剤を圧送するようにしてもよい。
実施形態に係る充填装置6によれば、A液、B液、及び硬化促進剤を効率よく混合して止水剤を生成し、生成した止水剤を漏水原因箇所に充填することができる。
<止水工法>
<<シールドトンネルの止水>>
次に実施形態に係る止水剤を用いた止水工法について説明する。以下の説明では、構造物の一例として、シールドトンネルを例に説明する。図2は、実施形態に係るシールドトンネルの斜視図である。実施形態に係るシールドトンネル2は、地山1に設けられた円筒形のトンネルである。シールドトンネル2は、リング状に組み立てられた複数のコンクリートセグメント3がトンネルの軸方向に結合されることで構成されている。地山1とシールドトンネル2との間には、地山からの漏水を抑制するための裏込め材(図示せず)が注入されている。
シールドトンネル2の施工について簡単に説明すると、シールドトンネル2の施工方法は、地山の掘削工程、覆工工程を含む。覆工工程は、例えば、図示しないシールド機(シールドマシン)による掘削後に地山1を支持する一次覆工と、一次覆工の内側をコンクリートでライニングする二次覆工とを含む。なお、二次覆工は省略してもよい。一次覆工は、例えば、複数のコンクリートセグメント3をリング状に組み立て、組み立てたリングをトンネルの軸方向に更に結合することで行われる。
<<コンクリートセグメントの止水工法>>
図3は、コンクリートセグメントの斜視図である。図4は、図2のA−A断面図であり、コンクリートセグメント3の継ぎ目を通るシールドトンネルの軸方向の断面図である。コンクリートセグメント3には、端部にボルトボックス32が複数設けられている。ボルトボックス32は、コンクリートセグメント3同士を連結する際に用いる連結部であり、箱状の切欠き部321(本発明のコンクリートセグメントの凹部の一例)、切欠き部321の端面に設けられ、貫通孔を有する鋼板322、隣り合うコンクリートセグメント3の鋼板322,322の貫通孔を貫通してコンクリートセグメント3を固定するボルト・ナット323を有する。
コンクリートセグメントの止水工法(本発明の止水工法の一例)は、シールドトンネル2の施工時では、裏込め材の注入後、シールドトンネル2を構成するコンクリートセグメント3のボルトボックス32の箱状の切欠き部321(鋼板322の貫通孔とボルト・ナット323との隙間を含む)、ボルトボックス32とコンクリートセグメント3との境界(鋼板322とコンクリートセグメント3との隙間)及びコンクリートセグメント3の継ぎ目の隙間に止水剤Sが充填される。また、施工済のシールドトンネル2において、ボルトボックス32の箱状の切欠き部321、ボルトボックス32とコンクリートセグメント3との境界の隙間、及びコンクリートセグメント3の継ぎ目の隙間からの漏水がある場合、これらの漏水原因箇所に止水剤Sが充填される。なお、施工済のシールドトンネル2において漏水が発生していない場合でも、将来的な漏水を防止するため、上記漏水原因箇所に止水剤Sを充填することができる。
実施形態に係るコンクリートセグメントの止水工法によれば、シールドトンネル2の施工時では、ボルトボックス32の箱状の切欠き部321、ボルトボックス32とコンクリートセグメント3との隙間、及びコンクリートセグメント3の継ぎ目の隙間からの漏水を防止し、また、長期にわたって漏水を防止することができる。また、施工済のシールドトンネル2では、既に漏水している場合には、短時間で漏水を止水し、また、長期にわたって漏水を止水することができる。また、施工済のシールドトンネル2において漏水が発生していない場合でも、ボルトボックス32の箱状の切欠き部321、ボルトボックス32とコンクリートセグメント3との境界の隙間、及びコンクリートセグメント3の継ぎ目の隙間に止水剤Sを充填することで、これら漏水原因箇所からの漏水を防止し、また、長期にわたって漏水を防止することができる。また、ボルトボックス32の鋼板322又はボルト・ナット323に錆が発生している場合(又は錆が発生した場合)でも、止水効果を発揮することができる。また、シールドトンネル2が寒冷地に存在している場合でも、止水効果を発揮することができる。
<<スチールセグメントの継ぎ目の止水工法>>
図5は、スチールセグメントの斜視図である。図6は、図2のA−A断面図であり、スチールセグメント4の継ぎ目を通るシールドトンネルの軸方向の断面図である。以下、図2のシールドトンネル2のコンクリートセグメント3をスチールセグメント4に置き換えて説明する。スチールセグメント4には、端部にスチールセグメント4同士を連結する際に用いる連結部としての連結孔42が複数設けられている。スチールセグメント4は、連結孔42にボルト・ナット43を貫通させてスチールセグメント4同士が固定される。
スチールセグメントの継ぎ目の止水工法(本発明の止水工法の一例)は、シールドトンネル2の施工時では、裏込め材の注入後、シールドトンネル2を構成するスチールセグメント4の継ぎ目の隙間に止水剤Sが充填される。また、施工済のシールドトンネル2において、スチールセグメント4の継ぎ目の隙間からの漏水がある場合、スチールセグメント4の継ぎ目の隙間に止水剤Sが充填される。なお、施工済のシールドトンネル2において漏水が発生していない場合でも、将来的な漏水を防止するため、スチールセグメント4の継ぎ目の隙間に止水剤Sを充填することができる。
実施形態に係るスチールセグメントの継ぎ目の止水工法によれば、シールドトンネル2の施工時では、シールドトンネル2のスチールセグメント4の継ぎ目の隙間や連結孔42からの漏水を防止し、また、長期にわたって漏水を防止することができる。また、施工済のシールドトンネル2では、既に漏水している場合には、短時間で漏水を止水し、また、長期にわたって漏水を止水することができる。また、施工済のシールドトンネル2において漏水が発生していない場合でもスチールセグメント4の継ぎ目の隙間に止水剤Sを充填することで、シールドトンネル2のスチールセグメント4の継ぎ目の隙間や連結孔42からの漏水を防止し、また、長期にわたって漏水を防止することができる。また、スチールセグメント4又はボルト・ナット43に錆が発生している場合(又は錆が発生した場合)でも、止水効果を発揮することができる。また、シールドトンネル2が寒冷地に存在している場合でも、止水効果を発揮することができる。
<<マンホールの止水工法>>
図7は、実施形態に係るマンホールのマンホール側壁と防水管との境界の拡大断面である。マンホール10は、地盤110内に埋設され、コンクリート製のマンホール側壁101には、ケーブル102をマンホール10の内空111からマンホール10の外側(地盤110側)に通すための樹脂製の防水管103が貫通している。なお、防水管103は、鋼製の防水管でもよい。
マンホールの止水工法(本発明の止水工法の一例)は、マンホール10の施工時では、マンホール側壁101に防水管103を設置するための貫通孔を設け、防水管103を設置する際に、マンホール側壁101と防水管103との境界の隙間(マンホール側壁101と防水管103との隙間ともいう)に止水剤Sが充填される。また、施工済のマンホール10において、マンホール側壁101と防水管103との隙間からの漏水がある場合、マンホール側壁101と防水管103との隙間に止水剤Sが充填される。なお、施工済のマンホール10において漏水が発生していない場合でも、将来的な漏水を防止するため、マンホール側壁101と防水管103との隙間に止水剤Sを充填することができる。
実施形態に係るマンホールの止水工法によれば、マンホール10の施工時では、マンホール10のマンホール側壁101と防水管103との隙間からの漏水を防止し、また、長期にわたって漏水を防止することができる。また、施工済のマンホール10では、既に漏水している場合には、短時間で漏水を止水し、また、長期にわたって漏水を止水することができる。また、施工済のマンホール10において漏水が発生していない場合でもマンホール10のマンホール側壁101と防水管103との隙間に止水剤Sを充填することで、マンホール10のマンホール側壁101と防水管103との隙間からの漏水を防止し、また、長期にわたって漏水を防止することができる。また、防水管103が鋼製の防水管の場合には、防水管103に錆が発生している場合(又は錆が発生した場合)でも、止水効果を発揮することができる。また、マンホール10が寒冷地に存在している場合でも、止水効果を発揮することができる。
<<ダム堤体の目地の止水工法>>
図8は、実施形態に係るダム堤体の断面図である。ダム堤体5は、コンクリートダムの堤体であり、上流側の貯水池Wから下流側に伸びる目地51(施工目地)を有している。このダム堤体5は、寒冷地に存在しており、凍結融解を繰り返している。
ダム堤体の目地の止水工法(本発明の止水工法の一例)は、ダム堤体5の目地51に止水剤Sが充填される。
実施形態に係るダム堤体の目地の止水工法によれば、ダム堤体5の目地51からの漏水を、短時間で漏水を止水し、また、長期にわたって漏水を止水することができる。また、ダム堤体5の目地からの漏水が発生していない場合でも、凍結融解の繰り返しによって将来的に起こり得る目地51からの漏水を防止し、また、長期にわたって漏水を防止することができる。
<試験>
<<付着強度試験>>
次に付着強度試験について説明する。付着強度試験では、対象を鋼板(錆無し、錆有り)として、止水剤の付着強度を確認した。止水剤には、「注入型止水剤 アルファ―ゾルSTTG」(三生化工株式会社)を使用した。この止水剤の配合は、「STTG剤(A液):ゲル化剤(硬化促進剤):希釈水:OH−1X(B液)=100:5:5:5」である。
図9は、付着強度試験の試験体(錆無し)を説明する図である。試験体は、JIS A1132「コンクリートの強度試験用供試験体の作り方」に準拠して作製した。図10は、付着強度試験を説明する図である。「B:鋼板(厚さ3.2mm)」と「D:鋼板(厚さ3.2mm)」との間に止水剤である「C:STTG注入剤」を充填(塗布)し、「B:鋼板(3.2mm)」を「A:治具取付接着剤」を介して「引張治具(建研式引張試験機のアタッチメント)」に接着し、「D:鋼板(3.2mm)」を「E:治具取付接着剤」を介して「F:下地コンクリート平板」に接着して、試験体1を作成した。試験箇所は、試験体1に対して5箇所(1−1、1−2、1−3、1−4、1−5)とした。試験体1の養生は、気中で行い、養生期間は14日間とした。養生期間中の最低気温は、20.0℃であった。
養生後、JIS K5600に準拠して、付着強度試験を行った。具体的には、「引張治具」を建研式引張試験機に接続し、試験体1に対して上向きの引張力を加え、試験箇所(5箇所)について、試験体1が破断した際の最大引張荷重(T(KN))を「引張治具」の治具接着断面積(A:40×40=1600mm)で除し、付着強度(F(N/mm))を算出した。
F(付着強度)=T(最大引張荷重(KN))/A(治具接着断面積(mm))×1000
図11は、付着強度試験(錆無し)の試験結果である。当該試験では、試験箇所(5箇所)における、付着強度の最大値と最小値を除いて3箇所の平均値を求めた。付着強度の平均は、0.369(N/mm)であり、止水剤が鋼板に対し十分な付着強度を有していることが確認された。
次に、錆が有る鋼板による付着強度試験について説明する。図12は、付着強度試験の試験体(錆有り)を説明する図である。試験体2の作成手順は、基本的に試験体1と同じであるが、試験体2では、「B:鋼板(厚さ3.2mm)」と「D:鋼板(厚さ3.2mm)」は、錆が有るものを使用した(図10を参照)。試験箇所は、試験体2に対して5箇所(2−1、2−2、2−3、2−4、2−5)とした。試験体2の養生は、気中で行い、養生期間は14日間とした。養生期間中の最低気温は、20.0℃であった。
養生後、「引張治具」を建研式引張試験機に接続し、試験体2に対して上向きの引張力を加え、試験箇所(5箇所)について、付着強度(F(N/mm))を算出した。
図13は、付着強度試験(錆有り)の試験結果である。当該試験においても、試験箇所(5箇所)における、付着強度の最大値と最小値を除いて3箇所の平均値を求めた。付着強度の平均は、0.650(N/mm)であり、試験体1(錆無し)の付着強度の平均である0.369(N/mm)を上回った。従って、止水剤が、錆の有る鋼板に対して十分な付着強度を有していることが確認された。
<<凍結融解への抵抗性確認試験>>
次に、凍結融解への抵抗性確認試験について説明する。止水剤には、「注入型止水剤 アルファ―ゾルSTTG」(三生化工株式会社)を使用した。この止水剤の配合は、「STTG剤(A液):ゲル化剤(硬化促進剤):希釈水:OH−1X(B液)=100:5:5:5」である。試験体は、上記止水剤を平面状に硬化させて作成した。
凍結融解への抵抗性確認試験は、JIS A1148「コンクリートの凍結融解試験方法」に準拠し、凍結融解履歴を与えた試験体と与えない試験体での強度特性比較を行った。
凍結融解履歴は、以下の要領で行った。止水剤への凍結融解履歴を確実に与えるため、凍結融解機の条件は、気中とした。また、凍結融解履歴は、0,1,30,60,150サイクルとした。
引張強度試験は、以下の要領で行った。JIS K7161「プラスチック−引張特性の試験方法 第1部」に準拠した引張強度試験を実施した。凍結融解の試験体への影響を総合的に把握するため、凍結融解履歴を受けた止水剤(試験体)の重量変化、電子顕微鏡による試験体の変化の有無を確認した。
図14は、凍結融解履歴を与えた場合の引張強度試験の試験結果である。試験体3つの引張強度の平均値は1.37MPaとなった。また、引張強度は、凍結融解履歴150サイクルまでは殆ど低下しないことが確認された。したがって、止水剤が凍結融解抵抗性を有することが確認された。
次に、JIS A1148「コンクリートの凍結融解試験方法」に準拠し、凍結融解履歴を与えた試験体と与えない試験体での止水剤の付着強度の比較を行った。
図15は、凍結融解履歴を与えた場合の付着強度試験を説明する図である。「F:下地コンクリート平板」と「G:モルタル版(40mm×40mm)」との間に止水剤である「C:STTG注入剤」を充填(塗布)し、「G:モルタル版(40mm×40mm)」を「A:治具取付接着剤」を介して「引張治具(建研式引張試験機のアタッチメント)」に接着して、試験体を作成した。試験箇所は、試験体に対して3箇所とした。試験体の養生は、気中で行い、養生期間は30日間とした。養生期間中の最低気温は、20℃であった。
養生後、試験体に凍結融解履歴を与えた。凍結融解履歴は、引張強度試験と同様に行った。すなわち、凍結融解機の条件は、気中とした。また、凍結融解履歴は、0,1,30,60,150サイクルとした。凍結融解履歴を与えた後、JIS K5600に準拠して、付着強度試験を行った。具体的には、「引張治具」を建研式引張試験機に接続し、試験体に対して上向きの引張力を加え、試験箇所(3箇所)について、試験体が破断した際の最大引張荷重(T(KN))を「引張治具」の治具接着断面積(A:40×40=1600mm)で除し、付着強度(F(N/mm))を算出した。
図16は、凍結融解履歴を与えた場合の付着強度試験の試験結果である。凍結融解履歴60サイクルまでは付着強度の大きな低下がないことが確認された。以上により、止水剤が凍結融解抵抗性を有することが確認された。なお、凍結融解履歴が150サイクルでは、コンクリート界面が先に劣化し、その部分で剥離していたことが確認された。
<<防錆効果の確認試験>>
次に、防錆効果の確認試験について説明する。止水剤には、「注入型止水剤 アルファ―ゾルSTTG」(三生化工株式会社)を使用した。この止水剤の配合は、「STTG剤(A液):ゲル化剤(硬化促進剤):希釈水:OH−1X(B液)=100:5:5:5」である。
防錆効果の確認試験は、容器に止水剤を充填し、止水剤が充填された容器に鋼材を浸し養生し、1か月経過後、2か月経過後の錆の発生を確認した。
試験開始から1か月後、2か月後に、鋼板から止水剤を剥がして、錆の発生を確認したが、錆の発生は確認できなかった。以上より、止水剤が防錆効果を有することが確認された。
<効果>
実施形態に係る止水剤は、コンクリート、金属製部材、樹脂製部材との付着性能にも優れ、防錆性能及び凍結融解抵抗性にも優れている。そのため、実施形態に係る止水剤は、コンクリート構造物(例えば、シールドトンネル、マンホール、ダム堤体)からの漏水を、短時間で止水し、また、長期にわたって止水することができる。また、実施形態に係る止水剤によれば、錆が発生しているコンクリート構造物や錆の発生が想定されるコンクリート構造物からの漏水も短時間で止水し、また、長期にわたって止水することができる。更に、実施形態に係る止水剤によれば、寒冷地に存在するコンクリート構造物からの漏水も短時間で止水し、また、長期にわたって止水することができる。また、漏水していない場合には、漏水を防止することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明に係る止水工法、及び止水剤は、これらに限られず、可能な限りこれらを組み合わせることができる。本実施形態では、構造物として、シールドトンネル(コンクリートセグメント、スチールセグメント)、マンホール、ダム堤体について説明したが構造物は、これらに限定されない。構造物には、シールドトンネル以外のトンネル、暗渠、橋梁、堤体、ビル、施設などのコンクリート構造物、金属製のタンクや配管、樹脂製のタンクや配管が例示される。また、漏水原因箇所も実施形態で説明した例に限定されない。
1・・・地山、2・・・シールドトンネル、3・・・コンクリートセグメント、32・・・ボルトボックス、4・・・スチールセグメント、42・・・連結孔、5・・・ダム堤体、51・・・目地、6・・・充填装置、61・・・第1タンク、62・・・第1ポンプ、63・・・第1配管、64・・・第1バルブ、71・・・第2タンク、72・・・第2ポンプ、73・・・第2配管、74・・・第2バルブ、81・・・変圧器、91・・・混合機、92・・・ノズル、10・・・マンホール

Claims (7)

  1. コンクリートと、金属製部材と、樹脂製部材とのうち、少なくとも何れか一つを含む構造物からの漏水を止水する止水工法であって、
    コンクリートと、金属製部材又は樹脂製部材との間に形成される空隙からなる漏水原因箇所と、金属製部材間に形成される空隙からなる漏水原因箇所と、樹脂製部材間に形成される空隙からなる漏水原因箇所と、金属製部材と樹脂製部材との間に形成される空隙からなる漏水原因箇所とのうち、少なくとも何れか一つの漏水原因箇所に、石油樹脂とアクリル樹脂をポリビニルアルコールによって水に乳化させた樹脂エマルジョン(A液)と、ウレタンプレポリマーを含むウレタン組成物(B液)とを混合して成り、 樹脂エマルジョンとウレタン組成物の質量比(A液:B液)が、100:5〜100:20である止水剤を充填する、止水工法。
  2. 構造物は、トンネルであり、
    トンネルは、コンクリート製のコンクリートセグメントと、当該コンクリートセグメントを接続する接続部材を収容する凹部を有するボルトボックスであって、一部に金属製部材が用いられたボルトボックスと、を含み、
    漏水原因箇所である、コンクリートセグメントの継ぎ目の隙間と、ボルトボックスとコンクリートセグメントとの境界の隙間と、ボルトボックスの凹部とのうち、少なくとも何れか一つに、止水剤を充填する、請求項1に記載の止水工法。
  3. 構造物は、トンネルであり、
    トンネルは、スチール製のスチールセグメントを含み、
    漏水原因箇所である、スチールセグメントの継ぎ目の隙間に、止水剤を充填する、請求項1に記載の止水工法。
  4. 構造物は、マンホールであり、
    マンホールは、コンクリート製のマンホール側壁と、当該マンホール側壁を貫通する金属製又は樹脂製の配管と、を含み、
    漏水原因箇所である、マンホール側壁と配管との境界の隙間に、止水剤を充填する、請求項1に記載の止水工法。
  5. 構造物は、寒冷地に設けられ、
    漏水原因箇所に、凍結融解抵抗性を有する止水剤を充填する、請求項1から4の何れか1項に記載の止水工法。
  6. コンクリートと、金属製部材と、樹脂製部材とのうち、少なくとも何れか一つを含む構造物の漏水原因箇所からの漏水を止水する止水剤であって、
    漏水原因箇所は、金属製部材又は樹脂製部材との間に形成される空隙からなる漏水原因箇所と、金属製部材間に形成される空隙からなる漏水原因箇所と、樹脂製部材間に形成される空隙からなる漏水原因箇所と、金属製部材と樹脂製部材との間に形成される空隙からなる漏水原因箇所とのうち、少なくとも何れか一つの漏水原因箇所とのうち、少なくとも何れか一つを含み、
    当該止水剤は、石油樹脂とアクリル樹脂をポリビニルアルコールによって水に乳化させた樹脂エマルジョン(A液)と、ウレタンプレポリマーを含むウレタン組成物(B液)とを混合して成り、 樹脂エマルジョンとウレタン組成物の質量比(A液:B液)が、100:5〜100:20である止水剤。
  7. 構造物は、寒冷地に設けられ、
    当該止水剤は、凍結融解抵抗性を有する、請求項6に記載の止水剤。

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