本発明の外用組成物は、(A)アゾール系抗真菌剤、(B)カチオン性ポリマー、及び(C)エチレンオキシドの平均付加モル数が50〜300であるポリオキシエチレン付加型の脂肪酸エステル系又は脂肪酸エーテル系のノニオン性増粘剤を含有する。
本発明に用いられる(A)アゾール系抗真菌剤としては、アゾール骨格(1つ以上の窒素原子を含む複素5員環化合物)を共通に有する抗真菌剤として周知の化合物であって、薬学的又は生理学的に許容可能な任意のアゾール系抗真菌剤を使用することができる。アゾール系抗真菌剤としては、例えば、イミダゾール環(2個の窒素原子を含む複素5員環)を有するイミダゾール系抗真菌剤、トリアゾール環(3個の窒素原子を含む複素5員環)を有するトリコナゾール系抗真菌剤等を挙げることができる。より具体的には、ミコナゾール、ラノコナゾール、ルリコナゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、ネチコナゾール、スルコナゾール、ビホナゾール及びこれらの塩等のイミダゾール系抗真菌剤;フルコナゾール、イトラコナゾール、ホスフルコナゾール、ボリコナゾール及びこれらの塩等のトリコナゾール系抗真菌剤を挙げることができ、本発明に好適に使用することができる。特に限定はされないが、より確実に高い本発明の効果が期待できるという観点から、イミダゾール系抗真菌剤が好ましく用いられる。また、より高い増粘効果が期待できるという観点から、芳香環上の少なくとも1個、好ましくは2個以上の水素原子がハロゲン原子(フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)等)で置換されたハロゲン化アリール構造を有するアゾール系抗真菌剤であることが好ましい。以上のような観点を考慮して、本発明に用いられるアゾール系抗真菌剤としては、好ましくは、ミコナゾール、ラノコナゾール、ルリコナゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、及びこれらの塩であり、より好ましくはミコナゾール及びその塩(例えば、ミコナゾール硝酸塩)が用いられるのがよい。このようなアゾール系抗真菌剤は、合成によって入手してもよく、また市販品を使用することもできる。
なお、本明細書において「塩」とは、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、有機塩基等との塩が例示され、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、またはジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン等との塩が挙げられる。また、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸の塩;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、ケイ皮酸、乳酸、グリコール酸、グルクロン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、サリチル酸等の有機酸との塩;又はアスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸との塩なども挙げられる。好ましくは、無機酸の塩であり、より好ましくは硝酸塩である。なお、「塩」には、塩の溶媒和物または水和物を含んでいてもよい。
本発明の外用組成物中における(A)成分の含有量は、本発明の効果を奏しうる限り特に限定されないが、一例として、組成物全量に対して、約0.01重量%以上、好ましくは約0.05重量%以上、より好ましくは約0.1重量%以上である。(A)成分の含有量の上限もまた、本発明の効果を奏し得る限り特に限定はされないが、組成物全量に対して、一例として約3重量%以下、好ましくは約2重量%以下、より好ましくは約1.5重量%以下とするのがよい。
本発明の外用組成物は、上記(A)成分に加えて、更に(B)カチオン性ポリマーを含有する。本発明に用いられるカチオン性ポリマーは、カチオン性を示す任意のポリマーであり得る。カチオン性ポリマーとしては、具体的には、4級アミノ基を側鎖として有する高分子化合物の総称であるポリクオタニウムと称されるポリマーを好適に使用できる。ポリクオタニウムは、FDA(米国食品医薬品局)にも化粧料原料として認められている。そして、ポリクオタニウムに番号をそれぞれ付したものが、PCPC(米国化粧品工業会;旧CTFA)において、INCI(化粧品原料国際命名法)に従ってINCI名として登録されている。また、カチオン性ポリマーとして、天然高分子のカチオン化物も好適に使用することができる。
このようなカチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム−6、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−2、ポリクオタニウム−4、ポリクオタニウム−5、ポリクオタニウム−11、ポリクオタニウム−16、ポリクオタニウム−22、ポリクオタニウム−24、ポリクオタニウム−28、ポリクオタニウム−30、ポリクオタニウム−32、ポリクオタニウム−33、ポリクオタニウム−37、ポリクオタニウム−39、ポリクオタニウム−43、ポリクオタニウム−44、ポリクオタニウム−46、ポリクオタニウム−47、ポリクオタニウム−49、ポリクオタニウム−51、ポリクオタニウム−52、ポリクオタニウム−53、ポリクオタニウム−54、ポリクオタニウム−55、ポリクオタニウム−56、ポリクオタニウム−57、ポリクオタニウム−61、ポリクオタニウム−64、ポリクオタニウム−65、ポリクオタニウム−68、ポリクオタニウム−92等のようなポリクオタニウム類;カチオン化グアーガム、カチオン化カッシアガム、カチオン化タラガム、カチオン化フェヌグリークガム、カチオン化ローカストビーンガム等のような天然高分子のカチオン化物;等を挙げることができるが、これらに限定されない。より確実に高い増粘効果が期待できるという観点から、好ましくは、ポリクオタニウム-10〔ヒドロキシエチルセルロースに塩化グリシジルトリメチルアンモニウムを付加して得られる4級アンモニウム塩の重合体〕、ポリクオタニウム−6〔塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体〕、ポリクオタニウム−7〔アクリル酸アミドと塩化ジメチルジアリルアンモニウムから得られる4級アンモニウム塩の重合体〕、カチオン化グアーガム〔グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド〕、カチオン化カッシアガム〔カッシアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド〕、カチオン化タラガム〔カエサルピニアスピノサヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド〕を挙げることができ、より好ましくはポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-6、カチオン化グアーガム、更に好ましくはポリクオタニウム-10、カチオン化グアーガム、特に好ましくはポリクオタニウム-10が用いられる。このようなカチオン性ポリマーは、合成によって入手してもよく、また市販品を使用することもできる。
ポリクオタニウム−10は、カチオン化セルロースとも称され、別名、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、又は塩化トリメチルアンモニオヒドロキシプロピルヒドロキシエチルセルロースとも呼ばれるカチオン性ポリマーである。ポリクオタニウム-10の市販品としては、例えば、ポイズC-150L(花王)、ポイズC-60H(花王)、ポイズC-80M(花王)、MIRAPOL PQ−10(三晶)、ジェルナー(ダイセル化学工業)、UCARE Polymer(ダウ・ケミカル日本)、カチナールHC−100(東邦化学工業)、カチナールHC-200(東邦化学工業)、カチナールLC−100(東邦化学工業)、カチナールLC-200(東邦化学工業)、Merquat10(ルーブリゾール)、CELQUAT SC-230M(アクゾノーベル)、CELQUAT SC-240C(アクゾノーベル)等を挙げることができる。また、ポリクオタニウム−10を含有する市販の混合原料を使用してもよく、このような混合原料としては、例えば、DNシリコンエマルジョン100000(大日本化成)、レオガードG(ライオン)、レオガードGP(ライオン)、レオガードKGP(ライオン)、レオガードLP(ライオン)、レオガードMGP(ライオン)、レオガードMLP(ライオン)等を挙げることができる。
本発明に用いられる(B)カチオン性ポリマーの重量平均分子量としては、本発明の効果を奏し得る限り特に限定されず、任意の分子量のものが用いられ得る。一例として、本発明には、分子量1万以上、好ましくは5万以上、より好ましくは10万以上のカチオン性ポリマーが用いられ得る。(C)成分の重量平均分子量の上限値は、特に限定されないが、通常2000万以下、好ましくは1000万以下、より好ましくは500万以下のものを用いることができる。
上記(B)成分の窒素含量も、本発明の効果を奏し得る限り特に限定されず、任意の窒素含量のものが用いられ得る。一例として、本発明に用いられる(B)の窒素含量として、0.5〜5%程度のものを挙げることができる。
本発明の外用組成物における(B)成分の含有量は、本発明の効果を奏しうる限り特に限定されないが、一例として、組成物全量に対して、約0.01重量%以上、好ましくは約0.05重量%以上、より好ましくは約0.1重量%以上である。(B)成分の含有量の上限もまた、本発明の効果を奏し得る限り特に限定はされないが、組成物全量に対して、一例として約3重量%以下、好ましくは約2重量%以下、より好ましくは約1重量%以下とするのがよい。
更に本発明の外用組成物において、(A)成分の含有量に対する(B)成分の含有量の比率については、特に制限されないが、より一層効果的に本発明の効果を発揮できるという観点から、一例として、(A)成分の含有量1重量部当たり、(B)成分の含有量が総量で約0.001〜5重量部、好ましくは約0.005〜4重量部、より好ましくは約0.01〜3重量部となる比率が例示される。
本発明の外用組成物は、上記(A)成分及び(B)成分に加えて、更に(C)エチレンオキシドの平均付加モル数が50〜300であるポリオキシエチレン付加型の脂肪酸エステル系又は脂肪酸エーテル系のノニオン性増粘剤を含有する。
本発明で用いられる(C)成分は、エチレンオキシド(「EO」とも称され、ポリエチレングリコールの略称として「PEG」等と称されることもある)を平均付加モル数として50〜300程度付加した高ポリオキシエチレン付加型の脂肪酸エステル又は脂肪酸エーテル構造を有するノニオン性増粘剤として公知の増粘剤である。このようなノニオン性増粘剤は、増粘させるために配合量を著しく増大させると、水馴染みを悪化させ、糊のような不快な使用感を生じさせてしまうことが知られている。
本発明で用いられる(C)成分のノニオン性増粘剤におけるエチレンオキシドの平均付加モル数は、50〜300の範囲内であれば本発明の効果を奏し得る限り特に限定はされないが、上記(A)及び(B)成分の共存による増粘効果をより効果的に発揮させ易いという観点から、好ましくは60〜270程度、より好ましくは75〜250程度、更に好ましくは100〜200程度である。
また、(C)成分を構成する脂肪酸は、本発明の効果を奏し得る限り任意の脂肪酸であり得るが、一般には炭素数12〜24程度、好ましくは炭素数14〜22程度の脂肪酸を挙げることができ、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ヤシ油脂肪酸等を挙げることができるが、これらに限定されない。好ましくは、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸であり、より好ましくはオレイン酸、ステアリン酸である。また、脂肪酸エステルは、モノエステル、ジエステル、トリエステル等の任意のエステルであり得るが、好ましくはモノエステル、ジエステルであり、より好ましくはジエステルである。脂肪酸エーテルもまた、モノエーテル、ジエーテル、トリエーテル等の任意のエーテルであってよいが、好ましくはモノエーテル、ジエーテルである。
より具体的には、(C)成分として用いられる高ポリオキシエチレン付加型の脂肪酸エステル又は脂肪酸エーテル系のノニオン性増粘剤として、例えば、ジオレイン酸PEG−120メチルグルコース、トリオレイン酸PEG−120メチルグルコース、トリイソステアリン酸PEG−120メチルグルコース、ジオレイン酸PEG−75、ジステアリン酸PEG−75、ジステアリン酸PEG−140、ジステアリン酸PEG−150、ジステアリン酸PEG−175、ジステアリン酸PEG−190、ジステアリン酸PEG−250、ステアリン酸PEG−75、ステアリン酸PEG−150、ジラウリン酸PEG−75等の高ポリオキシエチレン付加型の脂肪酸エステル系ノニオン性増粘剤;セテアレス−60ミリスチルグリコール、ポリオキシエチレンセチルステアリルジエーテル等の高ポリオキシエチレン付加型の脂肪酸エーテル系ノニオン性増粘剤等を挙げることができるが、これらに限定されない。上記(A)及び(B)成分と組み合わされて一層高い増粘効果を発揮し得るという観点から、好ましくは、脂肪酸エステル系の高ポリオキシエチレン付加型ノニオン性増粘剤であり、より好ましくはジオレイン酸PEG−120メチルグルコース、トリオレイン酸PEG−120メチルグルコース、トリイソステアリン酸PEG−120メチルグルコース、ジステアリン酸PEG−140、ジステアリン酸PEG−150、ジステアリン酸PEG−250、ジステアリン酸PEG−175、ジステアリン酸PEG−190である。
上記のような(C)高ポリオキシエチレン付加型の脂肪酸エステル又は脂肪酸エーテル系のノニオン性増粘剤は、合成によって入手してもよく、また市販品を用いることもできる。市販品としては、特に限定されないが、グルカメートDOE-120(ルーブリゾール)、イオネットDS-4000(三洋化成工業)、エマルミン862(三洋化成工業)、ノニオンDS-40HN(日本油脂)、ブラウノンDS-6000F(青木油脂工業)、ブラウノンDS-10000F(青木油脂工業)、エマノーン3299V(花王)、エマノーン3299RV(花王)、NIKKOL CDS-6000P(日光ケミカルズ)、EMALEX6300di-ST(日本エマルジョン)、アキュリン60(ローム・アンド・ハース・ジャパン)、ノイゲンDS-601(第一工業製薬)等を挙げることができる。
本発明の外用組成物における(C)成分の含有量は、本発明の効果を奏しうる限り特に限定されないが、一例として、組成物全量に対して、約0.1重量%以上、好ましくは約0.3重量%以上、より好ましくは約0.5重量%以上である。(C)成分の含有量の上限もまた、本発明の効果を奏し得る限り特に限定はされないが、組成物全量に対して、一例として約10重量%以下、好ましくは約8重量%以下、より好ましくは約5重量%以下とするのがよい。
更に本発明の外用組成物において、(A)成分の含有量に対する(C)成分の含有量の比率については、特に制限されないが、より一層効果的に本発明の効果を発揮できるという観点から、一例として、(A)成分の含有量1重量部当たり、(C)成分の含有量が総量で約0.01〜10重量部、好ましくは約0.05〜8重量部、より好ましくは約0.1〜5重量部となる比率が例示される。
本発明の外用組成物には、更にアミノ酸系の界面活性剤を配合してもよい。アミノ酸系の界面活性剤とは、界面活性剤の構造の一部にアミノ酸類(例えば、アミノ酸、含硫アミノ酸又はその由来物、及びそれらの炭素数1〜4程度のアルキル化誘導体)を含む界面活性剤をいう。アミノ酸系界面活性剤は一般に、皮膚に対して低刺激性であるため好まれるが、石油等に由来する合成系界面活性剤に比べて、粘性を高めた製剤を調製し難い傾向があることが分かっている。然るに、本発明によれば、上記(A)〜(C)の三成分を組み合わせて使用することにより適度な粘度を有する外用組成物を調製することができる。従って、本発明は、一般に高粘度の製剤を調製し難い傾向があるアミノ酸系界面活性剤を含有する外用組成物の調製において好適に用いられ得る。
本発明の外用組成物に配合してもよいアミノ酸系界面活性剤としては、特に限定はされないが、例えば、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸(ココイルグルタミン酸ともいう)、ヤシ油脂肪酸アシルアスパラギン酸(ココイルアスパラギン酸ともいう)、ヤシ油脂肪酸アシルグリシン(ココイルグリシンともいう)、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン(ココイルグルタミンともいう)、ヤシ油脂肪酸アシルアスパラギン(ココイルアスパラギンともいう)、ヤシ油脂肪酸アシルアラニン(ココイルアラニンともいう)、ヤシ油脂肪酸アシルトレオニン(ココイルトレオニンともいう)及びこれらの塩等のヤシ油脂肪酸とアミノ酸とのアシル化物であるアニオン性界面活性剤;ヤシ油脂肪酸アシルサルコシン(ココイルサルコシンともいう)、ヤシ油脂肪酸アシルメチルアラニン(ココイルメチルアラニンともいう)及びこれらの塩等のヤシ油脂肪酸と炭素数1〜4アルキル化アミノ酸とのアシル化物であるアニオン性界面活性剤;ヤシ油脂肪酸アシルタウリン(ココイルタウリンともいう)、ヤシ油脂肪酸アシルイセチオン酸(ココイルイセチオン酸)及びこれらの塩等のヤシ油脂肪酸と含流硫アミノ酸由来物とのアシル化物であるアニオン性界面活性剤;並びに、ヤシ油脂肪酸アシルメチルタウリン(ココイルメチルタウリンともいう)及びこれらの塩等のヤシ油脂肪酸と炭素数1〜4アルキル化含流硫アミノ酸由来物とのアシル化物であるアニオン性界面活性剤;等を挙げることができる。好ましくは、ヤシ油脂肪酸とアミノ酸とのアシル化物であるアニオン性界面活性剤が用いられであり、より好ましくは、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸、ヤシ油脂肪酸アシルアスパラギン酸、ヤシ油脂肪酸アシルグリシン、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン、ヤシ油脂肪酸アシルアスパラギン、ヤシ油脂肪酸アシルアラニン、ヤシ油脂肪酸アシルトレオニン、及びこれらの塩が用いられ、更に好ましくはヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸、ヤシ油脂肪酸アシルアスパラギン酸、ヤシ油脂肪酸アシルアラニン、及びこれらの塩(例えば、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシルアラニントリエタノールアミン等)が用いられる。なお、ここで、含硫アミノ酸由来物とは、含硫アミノ酸(例えば、メチオニンあるいはシステイン)から合成され得る物質で、カルボキシル基を有さず、スルホン基を有する化合物をいう。特には、アミノ酸様の、タウリンあるいはイセチオン酸等をさす。
本発明の外用組成物におけるアミノ酸系界面活性剤の含有量は、本発明の効果を奏しうる限り特に限定されないが、一例として、組成物全量に対して、0.1〜50重量%程度、好ましくは0.5〜45重量%程度、より好ましくは1〜40重量%程度とするのがよい。
本発明の外用組成物には、更に両性界面活性剤を含有してもよい。両性界面活性剤を配合することにより、より一層高い本発明の効果が得られると共に、起泡性や洗浄力にも優れた外用組成物とすることができる。
本発明の外用組成物に配合してもよい両性界面活性剤としては、特に限定はされないが、例えば、ベタイン型両性界面活性剤が好ましい。ベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルベタイン、ラウリルアミドプロピルジメチルベタイン、オレイルアミドプロピルジメチルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジ(ヒドロキシエチル)ベタイン、ラウリルアミドプロピルジ(ヒドロキシエチル)ベタイン、オレイルアミドプロピルジ(ヒドロキシエチル)ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤;N−ラウリル−N,N−ジメチルアミノ酢酸ベタイン、N−ヤシアルキル−N,N−ジメチルアミノ酢酸ベタイン、N−ステアリル−N,N−ジメチルアミノ酢酸ベタイン、N−オレイル−N,N−ジメチルアミノ酢酸ベタイン、N−ラウリル−N,N−ジ(ヒドロキシエチル)アミノ酢酸ベタイン、N−ヤシアルキル−N,N−ジ(ヒドロキシエチル)アミノ酢酸ベタイン、N−ステアリル−N,N−ジ(ヒドロキシエチル)アミノ酢酸ベタイン、N−オレイル−N,N−ジ(ヒドロキシエチル)アミノ酢酸ベタイン等のアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤;2−アルキル(C11〜21)−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリウムベタイン型両性界面活性剤;等を挙げることができる。好ましくは、アミドプロピルベタイン型両性界面活性剤であり、より好ましくは、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジ(ヒドロキシエチル)ベタインであり、特に好ましくはヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインである。
本発明の外用組成物における両性界面活性剤の含有量は、本発明の効果を奏しうる限り特に限定されないが、一例として、組成物全量に対して、0.001〜50重量%程度、好ましくは0.01〜40重量%程度、より好ましくは0.05〜30重量%程度とするのがよい。
本発明の外用組成物には更に、ノニオン性界面活性剤を配合してもよい。上記(C)成分は、ノニオン性界面活性剤としての作用を有するものがあるが、本発明には上記(C)成分以外のノニオン性界面活性剤を配合することもできる。具体的には、上記(C)成分以外のノニオン性界面活性剤として、エチレンオキシドの平均付加モル数が50未満又は300よりも多いポリオキシエチレン付加型の脂肪酸エステル系又は脂肪酸エステル系のノニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレン構造を含まないノニオン性界面活性剤;脂肪酸エステル又は脂肪酸エーテル構造を含まないノニオン性界面活性剤;等を挙げることができる。
上記のような(C)成分以外のノニオン性界面活性剤として、具体的には、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、N−ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド等のモノ又はジエタノールアミド系のノニオン性界面活性剤;モノイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル系のノニオン性界面活性剤;ラウリン酸ショ糖エステル、ショ糖モノステアレート等のショ糖脂肪酸エステル系のノニオン性界面活性剤;セスキオレイン酸グリセリン等のグリセリン系のノニオン性界面活性剤;等を挙げることができる。好ましくは、モノ又はジエタノールアミド系のノニオン性界面活性剤であり、より好ましくは、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドである。
本発明の外用組成物における(C)成分以外のノニオン性界面活性剤の含有量は、本発明の効果を奏しうる限り特に限定されないが、一例として、組成物全量に対して、0.01〜20重量%程度、好ましくは0.05〜15重量%程度、より好ましくは0.1〜10重量%程度とするのがよい。
本発明の外用組成物には、他の有効成分(例えば、局所麻酔剤、ビタミン剤、殺菌剤、鎮痒成分等)を配合してもよい。
局所麻酔剤としては、例えば、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、ジブカイン、ブピバカイン、メピバカイン、ロピバカイン、レボブピバカイン、およびそれらの薬学的に許容される塩、およびアミノ安息香酸エチルからなる群より選択される1種または2種以上であることが好ましい。
ビタミン剤としては、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム等のビタミンE類、ユビキノン誘導体およびその生理学的又は薬理学的に許容される塩、リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステル、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸メチル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、ニコチン酸1−(4−メチルフェニル)エチル、アスコルビゲン−A、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、ジパルミチン酸L−アスコルビル、メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、フィロキノン、ファルノキノン、γ−オリザノール、ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、チアミントリリン酸エステルモノリン酸塩、塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’−リン酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン、葉酸、プテロイルグルタミン酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテサイン、D−パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン、ビオチシン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、カルニチン、フェルラ酸、α−リポ酸、オロット酸、ヘスペリジン、γ−オリザノール、オロチン酸、ルチン、エリオシトリンおよびその薬理学的に許容される塩からなる群より選択される1種または2種以上であることが好ましい。
殺菌剤としては、イソプロピルメチルフェノール、塩化デカリニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルへキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、塩化セチルピリジニウム、安息香酸ナトリウム、エタノール、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、およびビグアニド化合物からなる群より選択される1種または2種以上であることが好ましい。
鎮痒成分としては、クロタミトン、イクタモール、モクタモール、チモール酸およびその薬理学的に許容される塩からなる群より選択される1種または2種以上であることが好ましい。
本発明の外用組成物は、医薬品、医薬部外品等として幅広く利用可能な任意の形態で提供される。好ましくは、皮膚及び/又は毛髪用の外用剤として利用可能な製剤として提供される。
本発明の(A)アゾール系抗真菌剤、(B)カチオン性ポリマー、及び(C)エチレンオキシドの平均付加モル数が50〜300であるポリオキシエチレン付加型の脂肪酸エステル系又は脂肪酸エーテル系のノニオン性増粘剤を含有する外用組成物は、医薬品、医薬部外品、化粧品等として、皮膚および/または毛髪用外用剤の形態で使用され得る。これらの外用剤形態においては、(A)成分、(B)成分、および(C)成分に加えて、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、皮膚及び/又は毛髪用外用剤(医薬部外品、医薬品、化粧品等)に添加される公知の基剤又は担体を混合して使用できる。更に例えば、経皮吸収促進剤、他の界面活性剤、油分、アルコール類、親水性ゲル化剤、親油性ゲル化剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、保存剤、pH調整剤、安定化剤、分散剤、香料、着色剤、色素、パール光沢付与剤、血行促進成分、保湿成分、紫外線吸収成分、紫外線散乱成分、洗浄成分、収斂成分、ペプチド、アミノ酸類、角質柔軟成分、細胞賦活化成分、溶解補助剤、水等を配合することができる。添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明で使用できる油分としては、鉱物性油(流動ワセリン)、植物性油(カリテバターの液状留分、ヒマワリ油)、動物性油(ペルヒドロスクアレン)、合成油(プルセリン油)、シリコーン油又はロウ(シクロメチコーン)、及びフッ化油(ペルフルオロポリエーテル)、ミツロウ、カルナウバロウ又はパラフィンロウなどが挙げられる。
本発明においてはさらに他の界面活性剤を併用することもできる。
本発明で使用できるアルコール類は、低級アルコールが好ましく、特にエタノール、イソプロパノール、及びプロピレングリコールが好ましい。
本発明で使用できる親水性のゲル化剤としては、カルボキシビニルポリマー、アクリルコポリマー、例えばアクリラート/アクリル酸アルキルのコポリマー、ポリアクリルアミド、多糖類、例えばヒドロキシプロピルセルロース、天然ガム及びクレーを挙げることができる。本発明で使用できる親油性のゲル化剤としては、変性クレー類、例えばベントーン、脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸アルミニウム、及び疎水性シリカ、エチルセルロース及びポリエチレンを挙げることができる。
その他の基剤又は担体としては、流動パラフィン;パルミチン酸イソプロピル;カルボキシビニルポリマー;水などの水系基剤などが挙げられる。
pH調整剤としては、有機酸(クエン酸、乳酸、酢酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、プロピオン酸、酢酸、アスパラギン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、グルタミン酸、アミノエチルスルホン酸等);無機酸(塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸等);有機塩基(モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、リジン等);無機塩基(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等);等を挙げることができる。
アルコール類などの溶媒、ゲル化剤、基剤又は担体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の外用組成物である薬剤は、医薬品、医薬部外品又は化粧品等の公知の形態として、例えば、毛髪や皮膚への使用に適した任意の剤形であり得る。本発明の外用組成物は、使用後で洗い流す形態の洗浄用組成物であってもよいし、使用後に洗い流さないリーブオン型の外用組成物であってもよい。本発明により、ある程度の粘性を備えた外用組成物に調製できるという点を考慮すると、使用時に適度な粘度を備えることが望まれる洗浄用組成物として用いられることが好ましい。洗浄用の外用組成物の形態は特に限定されないが、例えば、シャンプー(頭髪用シャンプー、ドライシャンプー、リンスインシャンプー等)、石鹸(液体石鹸、泡状石鹸、ボディソープ(ボディシャンプーともいう)、ハンドソープ等、クレンジングフォーム等であり得る。さらに、リンス、コンディショナーなどの形態であってもよい。これらの中でも、適度な粘性を備えることが望まれることも多いシャンプー、リンス、ボディソープ、ハンドソープ、液体石鹸が好ましく、とりわけ、シャンプーが好ましい。また、本発明の外用組成物は、例えば、ローション、ジェル、ムース、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、リニメント剤等としても提供され得る。中でも、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤の形態で用いられることが好ましい。
本発明の外用組成物は、任意の容器に入れて提供され得る。容器の形状は特に限定されず、ボトル形状であってもよいし、ノズルを備えたポンプ形状であってもよい。更に容器の材質も特に限定されず、一例として、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリ(1,4−シクロヘキシルジメチレンテレフタレート)樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂等)、及びこれらの混合樹脂等で少なくとも一部(例えば、容器内壁の少なくとも一部)が構成される容器であり得る。
本発明の外用組成物は、外用組成物、特に毛髪や皮膚を洗浄するために用いられる外用組成物の使用の際に望まれる適度な粘性を備えた外用組成物として調製することができる。本発明の外用組成物の粘度は、特に限定はされないが、例えば、B型粘度計を用いて25℃で測定した場合の粘度が通常300〜2000000mPa・s程度、好ましくは400〜1000000mPa・s程度、より好ましくは500〜100000mPa・s程度である。
また、本発明の外用組成物のpHは、本発明の効果を奏し得る限り特に限定はされないが、一例としてpH3〜9程度を例示することができる。一般に増粘剤による増粘作用は製剤のpHが中性に近づくにつれて弱くなる傾向があるが、本発明によれば中性付近であっても適度な増粘効果を得ることができる。かかる観点に鑑みれば、本発明は好ましくはpH4〜8程度、より好ましくはpH5〜7程度(例えば、pH5.5〜6.5程度)の外用組成物を調製する際に好適に使用され得る。
本発明の外用組成物は、アゾール系抗真菌剤を含有するので、抗真菌効果を発揮することが望まれる任意の場面で使用され得る。例えば、本発明の外用組成物は、頭皮湿疹、フケ症、白癬(例えば、足白癬、体部白癬、股部白癬)、カンジダ症(例えば、指間びらん症、間擦疹)、癜風等の治療、予防及び/又は改善のために好適に用いられる。本発明の外用組成物は、真菌を原因とする症状が気になる皮膚や毛髪に塗布して使用することができ、また真菌を原因とする症状が気になる皮膚や毛髪に塗布して洗浄後に水分等で洗い流して使用することもできる。好ましくは、本発明の外用組成物は、毛髪や皮膚を洗浄するために用いられる。用法は、特に限定されず、シャンプーであれば、1日1回程度の使用でもよい。あるいは、1日数回(例えば、朝、昼、晩の3回)定期的に使用してもよく、または必要に応じて適時使用してもよい。皮膚及び/又は毛髪用の外用剤形態の場合には、適量(例えば、0.1〜10g程度)を、皮膚及び/又は毛髪に塗布、塗擦または噴霧することにより適用することができる。
更に本発明は別の観点から、外用組成物中に、(A)アゾール系抗真菌剤、(B)カチオン性ポリマー、及び(C)エチレンオキシドの平均付加モル数が50〜300であるポリオキシエチレン付加型の脂肪酸エステル系又は脂肪酸エーテル系のノニオン性増粘剤を共存させることで、該外用組成物を増粘する方法をも提供する。本方法の一態様として、本発明は、(B)カチオン性ポリマー、及び(C)エチレンオキシドの平均付加モル数が50〜300であるポリオキシエチレン付加型の脂肪酸エステル系又は脂肪酸エーテル系のノニオン性増粘剤を含有する組成物に、(A)アゾール系抗真菌剤を配合することにより、該組成物を増粘する方法、を提供する。
これらの増粘方法における(A)〜(C)成分の種類や配合量、その他に配合し得る成分やその配合量等は、上記で外用組成物について詳述したものと同様である。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(試験例1.粘度評価(1))
下記表1に示す処方を常法に従って調製した。具体的には、各成分を100mlガラスバイアルに量り取り、蒸留水で合計量が100重量%となるように添加して、約80℃で保温しながら攪拌し均一な製剤を得た。次いで、各比較例及び実施例の製剤の粘度(25℃:mPa・s)をB型回転粘度計(東機産業株式会社製)で測定した。この結果を、下記表1の最下欄に併せて示す。
上記結果に示されるように、(B)カチオン性ポリマーも(C)高ポリオキシエチレン付加型の脂肪酸エステル又は脂肪酸エーテル構造を有するノニオン性増粘剤も含まない比較例1の製剤は非常に粘度が低い。また、比較例1の製剤に、上記(B)成分又は(C)成分をそれぞれ単独で添加した比較例2、3の製剤では、多少は粘度が高められたものの、本試験で用いた添加濃度では増粘効果はまだ不十分である。そして、(A)ミコナゾール硝酸塩を配合せずに上記(B)成分及び(C)成分を比較例2又は3と同量添加した比較例4の製剤でも増粘効果は不十分であった。しかしながら、本発明の(A)〜(C)成分を組み合わせて配合した実施例1では、単独では増粘効果を発揮するに不十分な量の(B)又は(C)成分との組合せでありながら、増粘効果が著しく高められることが明らかとなった。これまでに、ミコナゾール硝酸塩を配合することによる増粘効果は知られておらず、本結果は全く予想外の結果であった。そして、実施例1の製剤は水馴染みもよく、ねっとりとした使用感や糸引き等も生じておらず、使用感にも優れた外用組成物であった。
(試験例2.粘度評価(2))
下記表2に示す処方を常法に従って調製した。具体的には、各成分を100mlガラスバイアルに量り取り、蒸留水で合計量が100重量%となるように添加して、約80℃で保温しながら攪拌し均一な製剤を得た。次いで、上記試験例1と同様の手順により、各製剤の粘度(25℃:mPa・s)を測定した。この結果を、下記表2の最下欄に併せて示す。
上記結果に示されるように、(C)高ポリオキシエチレン付加型の脂肪酸エステル系ノニオン性増粘剤として、ジステアリン酸PEG−150を使用した場合にも、本発明の(A)〜(C)の三成分を組み合わせて配合することにより、25℃における粘度が1000mPa・sを超える程度になり、増粘効果が著しく高められることが明らかとなった。
以下、本発明の製剤処方例を示す。
(製剤処方例1)
ミコナゾール硝酸塩 1.0重量%
ポリクオタニウム-10 0.3重量%
ジオレイン酸PEG-120メチルグルコース 0.8重量%
N-ヤシ油脂肪酸アシル-DL-アラニントリエタノールアミン液 20.0重量%
N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム液 10.0重量%
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 15.0重量%
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0重量%
pH調整剤 適量
防腐剤 適量
油剤 適量
精製水 残量
(製剤処方例2)
ミコナゾール硝酸塩 1.0重量%
グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド 0.5重量%
ジステアリン酸PEG-150 2.0重量%
N-ヤシ油脂肪酸アシル-DL-アラニントリエタノールアミン液 10.0重量%
N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-アスパラギン酸ナトリウム 3.0重量%
ラウリン酸アミドプロピルベタイン液 10.0重量%
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 1.0重量%
pH調整剤 適量
防腐剤 適量
油剤 適量
精製水 残量
(製剤処方例3)
ルリコナゾール 1.0重量%
ポリクオタニウム-10 0.5重量%
セテアレス-60ミリスチルグリコール 2.5重量%
N-ヤシ油脂肪酸アシルメチルタウリンナトリウム液 10.0重量%
N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム液 15.0重量%
ラウリン酸アミドプロピルベタイン液 5.0重量%
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 1.5重量%
pH調整剤 適量
防腐剤 適量
油剤 適量
精製水 残量