JP2018161644A - 触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒を用いて、オレフィン又はターシャリーブタノールを気相接触酸化反応させて対応する不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造した場合、圧力損失を低減してガス量を高く保持し、それによりコーキングを抑制することができ、高収率で対応する不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造することができる触媒を提供することを目的とする。【解決手段】オレフィン又はターシャリーブタノールを気相接触酸化反応させて対応する不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造する際に用いる、直胴部と空胴部を有するリング形状の触媒であって、該直胴部の長さが該空胴部の長さより短く、且つ、該直胴部の端部から該空胴部の端部までが凹曲している触媒。【選択図】図1

Description

本発明は、触媒に関する。詳しくは、オレフィン又はターシャリーブタノールを気相接
触酸化反応させて対応する不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造する際に
用いる触媒に関する。
従来、オレフィン又はターシャリーブタノールを気相接触酸化反応させて対応する不飽
和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造するために用いる触媒の形状については
種々提案されている。
例えば、特許文献1には、中空円筒体状に成形され、該中空円筒体状の端面が湾曲して
いる不均一系触媒反応用の成形触媒が記載されている。特許文献2には、プロピレン等か
らアクロレインを製造するための触媒として、Mo、Bi及びFeを少なくとも含有する
リング状の非担持触媒であり、特定の長さ、外径及び壁厚を有し、端面が湾曲しているこ
とが記載されている。また、特許文献3には、環状担体の両正面が内から外へ斜めに面取
りされて、円筒外壁の長さが円筒内壁の長さに比して少なくとも20%だけ短くなってい
る、バナジウム及びチタン及び/又はジルコンを含有する無水フタル酸を製造するための
担持触媒が記載されている。
特開昭61−141933号公報 特表2007−505740号公報 特開昭55−139834号公報
しかしながら、これら従前知られた触媒では、該触媒が充填された反応器によりオレフ
ィン又はターシャリーブタノールを気相接触酸化反応させて対応する不飽和アルデヒド及
び/又は不飽和カルボン酸を製造する場合、圧力損失が高く、オレフィン又はターシャリ
ーブタノールの転化率が低く、対応する不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸の
選択率が低く、収率が低下するという問題があった。
例えばリング形状の触媒では、反応器に均一に充填されない場合があり、反応場が反応
器内で不均一となり、転化率、選択率の低下が起こる可能性がある。又、中空円筒体状の
端面が湾曲している触媒では、触媒体積に対する触媒表面積が小さく、反応活性点が少な
いため反応の効率が低く、転化率、選択率が低下する場合がある。
また、不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸の製造において、触媒表面に炭化
物が付着する。該炭化物の触媒表面への付着(コーキング)は多管式反応器の圧力損失が
高い反応管において、ガス量が少なくなることにより発生しやすい。一旦コーキングが発
生すると、更に圧力損失が高くなるので、より炭化物の触媒表面への付着が加速する悪循
環が生じ、最終的には反応を停止せざるを得ない状況に追い込まれる可能性がある。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は、触媒
を用いて、オレフィン又はターシャリーブタノールを気相接触酸化反応させて対応する不
飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造した場合、圧力損失を低減してガス量
を高く保持し、それによりコーキングを抑制することができ、高収率で対応する不飽和ア
ルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造することができる触媒を提供することを目的
とする。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、オレフィン又はターシャリー
ブタノールを気相接触酸化反応させて対応する不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボ
ン酸を製造する際に用いる、直胴部と空胴部を有するリング形状の触媒を、該直胴部の長
さを、該空胴部の長さより短くし、且つ、該直胴部の端部から該空胴部の端部までが凹曲
している触媒とすることにより、圧力損失を低く抑えることができ、高収率で対応する不
飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造することが可能となることを見いだし
、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下である。
[1] オレフィン又はターシャリーブタノールを気相接触酸化反応させて対応する不飽
和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造する際に用いる、直胴部と空胴部を有す
るリング形状の触媒であって、該直胴部の長さが該空胴部の長さより短く、且つ、該直胴
部の端部から該空胴部の端部までが凹曲している触媒。
[2] 前記直胴部が、前記空胴部のそれぞれの端部を含む面間にある[1]に記載の触
媒。
[3] 前記直胴部の端部と前記空胴部の端部との長さ(mm)に対する、前記直胴部の
端部と前記空胴部の端部を結ぶ面と該凹曲した面との最大距離(mm)との比が0.01
以上0.2以下である[1]又は[2]に記載の触媒。
[4] 前記直胴部の端部から前記空胴部の端部まで凹曲しているのが両端部である[1
]乃至[3]のいずれかに記載の触媒。
[5] 前記直胴部と、前記直胴部の端部と前記空胴部の端部とを結ぶ線とのなす角度が
45°〜85°である[1]乃至[4]のいずれかに記載の触媒。
[6] 内径b(mm)に対する外径a(mm)の比(a/b)が2.3以上、内径b(
mm)に対する直胴部長さH(mm)の比(H/b)が1.3以上、直胴部長さH(mm
)が2mm〜11mm、且つ外径a(mm)が2mm〜11mmである[1]乃至[5]
のいずれかに記載の触媒。
[7] [1]乃至[6]のいずれかに記載の触媒の存在下、プロピレンと酸素含有ガス
を含む原料混合ガスを気相接触酸化するアクロレイン及び/又はアクリル酸の製造方法。
本発明の触媒によれば、該触媒が充填された反応器によりプロピレン等のオレフィン又
はターシャリーブタノールと酸素含有ガスとの気相接触酸化によりアクロレイン等の不飽
和アルデヒド及び/又はアクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造した場合、圧力損失を低
減してガス量を高く保持することができる。それによりコーキングを抑えることができ、
プロピレン等のオレフィン又はターシャリーブタノールより高収率でアクロレイン等の不
飽和アルデヒド及び/又はアクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造することができる。
また、コーキングが起こった触媒は酸素含有ガスを流通させることで再生(デコーキン
グ)することができる。しかし、本発明のように直胴部と空洞部を有するリング形状の触
媒を、該直胴部の長さを、該空洞部の長さより短くし、且つ、該直胴部の端部から該空洞
部の端部までが凹曲している触媒とすることにより、コーキングされた状態であったとし
ても、従来の形状の触媒と比較して、圧力損失低減の効果は保持され、該特定組成のガス
による効率の良いデコーキングを実現することができる。
本発明のリング形状の触媒の横断面図 本発明のリング形状の触媒の横断面の直胴部の端部から空胴部の端部までの拡大図
以下において、本発明について詳細に説明する。
尚、モリブデン(Mo)、ビスマス(Bi)、ケイ素(Si)、コバルト(Co)、ニ
ッケル(Ni)、鉄(Fe)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb
)、セシウム(Cs)、タリウム(Tl)、ホウ素(B)、リン(P)、ヒ素(As)、
マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)、セリウム(Ce)、サマリ
ウム(Sm)の各元素は、それぞれカッコ内の元素記号を用いて表記する場合がある。
本発明の触媒は直胴部と空胴部を有するリング形状の触媒であって、該直胴部の長さが
、該空胴部の長さより短く、且つ、該直胴部の端部から該空胴部の端部までが凹曲してい
る触媒である。該直胴部の長さが、該空胴部の長さより短く、且つ、該直胴部の端部から
該空胴部の端部までが凹曲していることにより、該触媒を反応器に充填し、プロピレン等
のオレフィン又はターシャリーブタノールと酸素含有ガスとの気相接触酸化によりアクロ
レイン等の不飽和アルデヒド及び/又はアクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造した場合
、圧力損失を低減し、高収率でアクロレイン等の不飽和アルデヒド及び/又はアクリル酸
等の不飽和カルボン酸を製造することができる。
前記直胴部は、前記空胴部のそれぞれの端部を含む面間にあることが好ましい。前記記
載の構造の触媒とすることにより、該触媒を反応器に充填し、プロピレン等のオレフィン
又はターシャリーブタノールと酸素含有ガスとの気相接触酸化によりアクロレイン等の不
飽和アルデヒド及び/又はアクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造した場合、圧力損失を
低減し、高収率でアクロレイン等の不飽和アルデヒド及び/又はアクリル酸等の不飽和カ
ルボン酸を製造することができる。
本発明の触媒は、直胴部の長さが空胴部の長さより短く、且つ、該直胴部の端部から該
空胴部のの端部までが凹曲している触媒である(図1参照)。図1の左図が該直胴部の端
部から該空胴部の端部までが凹曲している触媒である。尚、図1の右図が該直胴部からの
凹曲面が空胴部まで達しておらず、リング形状における底面部に留まっているがその場合
であっても、本発明では該底面部が空胴部の端部であり、本発明の触媒に相当する。本発
明の触媒は触媒粒子体積に対する触媒粒子表面積が大きく、反応活性点が多いことより、
図1の左図のように底面部がない触媒が好ましい。
前記直胴部の端部と前記空胴部の端部との長さ(mm)に対する、前記直胴部の端部と
前記空胴部の端部を結ぶ面と該凹曲した面(以下「凹曲面」と称する場合がある。)との
最大距離(mm)との比(以下「凹曲度合い」と称する場合がある。)が0.01以上0
.2以下であることが好ましく、より好ましくは0.02以上0.15以下であり、さら
に好ましくは0.05以上0.1以下である。前記範囲内であることにより、該触媒を反
応器に充填し、プロピレン等のオレフィン又はターシャリーブタノールと酸素含有ガスと
の気相接触酸化によりアクロレイン等の不飽和アルデヒド及び/又はアクリル酸等の不飽
和カルボン酸を製造した場合、圧力損失を低減し、高収率でアクロレイン等の不飽和アル
デヒド及び/又はアクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造することができる。
尚、前記直胴部の端部と前記空胴部の端部を結ぶ面と凹曲面との最大距離とは図2によ
り明らかなように、前記直胴部の端部と前記空胴部の端部を結ぶ面と凹曲面が最も離れて
いるときの長さのことである。
前記直胴部の端部から前記空胴部の端部まで凹曲しているのが両端部であることが好ま
しい。両端部であることにより、触媒粒子の流動性が良好となり、ロート等を使用して反
応器へ触媒を充填する際に、ロート内で触媒のブリッジングが抑制され、反応管内に均一
に触媒が充填されることにより、充填時間を短くすることができ、更に反応器に充填後、
プロピレン等のオレフィン又はターシャリーブタノールと酸素含有ガスとの気相接触酸化
によりアクロレイン等の不飽和アルデヒド及び/又はアクリル酸等の不飽和カルボン酸を
製造する場合、圧力損失を低減することができ、高収率でアクロレイン等の不飽和アルデ
ヒド及び/又はアクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造することが可能となる。
前記直胴部と、前記直胴部の端部と前記空胴部の端部とを結ぶ線とのなす角度は45°
〜85°が好ましく、55°〜80°がより好ましく、65°〜75°が更に好ましい。
該角度を前記範囲とすることにより、触媒を反応器に充填後、プロピレン等のオレフィン
又はターシャリーブタノールと酸素含有ガスとの気相接触酸化によりアクロレイン等の不
飽和アルデヒド及び/又はアクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造する場合、圧力損失を
効率よく低減することができ、高収率でアクロレイン等の不飽和アルデヒド及び/又はア
クリル酸等の不飽和カルボン酸を製造することが可能となる。
尚、前記直胴部と、前記直胴部の端部と前記空胴部の端部とを結ぶ線とのなす角度とは
、図1で示すように、該直胴部の端部を頂点として、該直胴部に沿い引いた延長線と、該
直胴部の端部と該空胴部の端部とを結ぶ線とのなす角度のことである。
本発明の触媒は、内径b(mm)に対する外径a(mm)の比(a/b)が2.3以上
、内径b(mm)に対する直胴部長さH(mm)の比(H/b)が1.3以上、直胴部長
さH(mm)が2mm〜11mm、且つ外径a(mm)が2mm〜11mmであることが
好ましい。前記範囲であることにより反応器への充填の際の触媒の割れを抑制することが
でき、オレフィン又はターシャリーブタノールと酸素含有ガスとの気相接触酸化により対
応する不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造する場合、圧力損失を低減す
ることがで、高収率で対応する不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造する
ことが可能となる。
a/bは2.35以上であることがより好ましく、2.4以上であることがさらに好ま
しく、2.45以上であることがとりわけ好ましく、2.5以上であることが特に好まし
い。上限は特に限定されないが、触媒強度の観点より3.5が好ましい。
H/bは1.35以上であることがより好ましく、1.4以上であることがさらに好ま
しく、1.45以上であることがとりわけ好ましく、1.5以上であることが特に好まし
い。上限は特に限定されないが、多管式反応器への充填におけるブリッジング抑制効果の
観点より2.5が好ましい。
Hは2mm〜10mmであることがより好ましく、2.3mm〜9mmであることがさ
らに好ましく、2.6mm〜7mmであることがとりわけ好ましく、3mm〜5mmであ
ることが特に好ましい。
aは2mm〜10mmであることがより好ましく、3mm〜9mmであることがさらに
好ましく、4mm〜7mmであることがとりわけ好ましく、4mm〜5.6mmであるこ
とが特に好ましい。
更に、直胴部長さH(mm)に対する外径a(mm)の比(a/H)は1.47以上が
好ましく、1.50以上であることがより好ましく、1.53以上であることが更に好ま
しく、1.56以上であることが特に好ましい。上限は特に限定されないが、2.5が好
ましい。前記範囲内であることにより、プロピレン等のオレフィン又はターシャリーブタ
ノールと酸素含有ガスとを気相で接触酸化させて対応する不飽和アルデヒド及び/又は不
飽和カルボン酸を製造する場合、圧力損失を低減することができ、高収率で対応する不飽
和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造することが可能となる。
本発明の触媒はプロピレン等のオレフィン又はターシャリーブタノールを気相接触酸化
反応させて、対応する不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造する際に用い
る触媒であって、モリブデン及びビスマスを少なくとも含む触媒であることが好ましい。
かかる2つの成分を含む触媒であれば、本発明の触媒に適応できるが、なかでも、下記の
一般式(1)で表される触媒が好ましく適用できる。
MoBiCoNiFeSi (1)
(式中、Xは、Na、K、Rb、Cs及びTlからなる群から選ばれる少なくとも1種の
元素であり、Yは、B、P、As及びWからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素で
あり、Zは、Mg、Ca、Zn、Ce及びSmからなる群から選ばれる少なくとも1種の
元素であり、Qは、塩素などのハロゲン原子である。また、aからkはそれぞれの元素の
原子比を表わし、a=12のとき、b=0.5〜7、c=0〜10、d=0〜10、e=
0〜3、f=0〜3、g=0〜3、h=0〜1、i=0〜0.5、j=0〜40の範囲に
あり、またkは他の元素の酸化状態を満足させる数値である。)
本発明の触媒は例えば次のように製造される。上記触媒の各元素成分を含有する原料化
合物を、製造する組成に応じて必要な所要量を水性媒体中に適宜溶解又は分散させること
により、触媒成分を含む混合溶液又はその水性スラリーが製造される。各触媒成分の原料
は、それぞれの元素を含む、硝酸塩、アンモニウム塩、水酸化物、酸化物、硫酸塩、炭酸
塩、ハロゲン化物、酢酸塩などが用いられる。例えば、モリブデンとしては、パラモリブ
デン酸アンモニウム、三酸化モリブデン、塩化モリブデン等が使用される。ビスマスとし
ては、塩化ビスマス、硝酸ビスマス、酸化ビスマス、次炭酸ビスマス等が使用される。
上記の触媒成分を含む混合溶液又は水性スラリーは、各成分の偏在を防ぐために好まし
くは充分に攪拌、混合することが好ましい。次いで、触媒成分を含む混合溶液又は水性ス
ラリーは乾燥して粉体とするが、該乾燥は種々の方法で実施できる。例えば、通常の噴霧
乾燥機、スラリードライヤー、ドラムドライヤー等が挙げられ、特に噴霧乾燥機による乾
燥が好ましい。
上記乾燥により得られる粉体は、次いでリング形状に成形される。リング形状への成形
方法は必ずしも制限されるものではないが、好ましくは打錠成形、押出成形等が挙げられ
る。特に、前記直胴部と、前記直胴部の端部と前記空胴部の端部とを結ぶ線とのなす角度
や前記凹曲度合いの制御が容易であるため、打錠成形が好ましい。成形に際しては、成形
助剤を使用してもよい。好ましい成形助剤は、シリカ、グラファイト、結晶性セルロース
、セルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、ステアリン酸である。成形助剤は、粉
体100重量部に対して通常1重量部〜50重量部程度使用できる。また、必要によりセ
ラミックス繊維、ウイスカー等の無機繊維を触媒の機械的強度向上材として用いることも
できる。これらの繊維の使用量は、粉体100重量部に対して通常1重量部〜30重量部
である。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない
限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<触媒の調製>
容器に温水1090mlを入れ、更にパラモリブデン酸アンモニウム110gを加えて
溶解させ、溶液とした。次いで、該溶液にヒュームドシリカ水分散液407gを加えて、
撹拌し、懸濁液とした(以下、「懸濁液A」と称する)。該ヒュームドシリカ水分散液は
、ヒュームドシリカ5kg(比表面積50m/g)をイオン交換水22.5Lに加えて
ヒュームドシリカ懸濁液とした後に、該ヒュームドシリカ懸濁液を、ホモジナイザーであ
るULTRA-TURRAX T115KT(IKA社製)により、30分間分散処理を行い、ヒュームドシ
リカ水分散液としたものであり、ケイ素の供給源化合物とした。
別の容器に純水127mlを入れ、更に硝酸第二鉄15.1g、硝酸コバルト65.7
g及び硝酸ニッケル52.5gを加えて、加温して溶解させた(以下、「溶液B」と称す
る)。溶液Bを懸濁液Aに添加し、均一になるように攪拌し、加熱乾燥し、固形物を得た
。次いで該固形物を空気雰囲気で300℃、1時間熱処理した。
更に、別の容器に純水110ml、アンモニア水12mlを入れ、パラモリブデン酸ア
ンモニウム19.2gを加えて溶解し、「溶液C」とした。次いで、溶液Cにホウ砂1.
7g及び硝酸カリウム0.5gを加えて溶解し、「溶液D」とした。前記熱処理した固形
物150gを溶液Dに添加し、均一になるように混合した。次いでNaを0.53%固溶
した次炭酸ビスマス17.4gを加えて30分間混合した後、水分を除去するため加熱乾
燥し、乾燥品を得た。該乾燥品を粉砕し、得られた粉体を打錠成型し、密度1.27g/
cmのリング形状の成形品とした。該成形品を空気雰囲気下、515℃で焼成を2時間
行ってリング形状の触媒を得た。触媒の形状は、図1左に示すように底面部がなく、外径
:5mm、内径:2mm、直胴部長さ:3mm、空胴部長さ:4mmであり、両端面共に
、直胴部と、直胴部の端部と空胴部の端部とを結ぶ線とのなす角度、すなわち、直胴部に
沿い引いた延長線と、該直胴部の端部と該空胴部の端部とを結ぶ線とのなす角度はいずれ
も72°であった。触媒の片端部は、直胴部の端部から空胴部の端部までが直線状であり
、他方の片端部は直胴部の端部から空胴部の端部までが凹曲しており、直胴部の端部と空
胴部の端部との長さは1.59mmであり、直胴部の端部と空胴部の端部を結ぶ平面と該
凹曲面との最大距離は0.09mmであった。直胴部の端部と空胴部の端部との長さに対
する、直胴部の端部と空胴部の端部を結ぶ面と凹曲面との最大距離との比は0.06であ
った。触媒組成、圧力損失、プロピレンの気相接触酸化反応結果等を表1、表2にまとめ
た。
<圧力損失の測定>
内径26mm、長さ1000mmのアクリル樹脂製直管を直立させ、前記触媒を900
mmの高さまで充填して、該アクリル樹脂製直管の上部に取り付けた内径6mmのSUS
製配管より室温で乾燥空気を50NL/分の流量で流通させ、SUS製配管より分岐した
配管に取り付けたデジタル差圧計testo 506−3で差圧を測定した(差圧A)。
次いで、該リング形状の触媒をアクリル樹脂製直管より抜出して空筒とし、同様に差圧を
測定し、ブランク値とした。圧力損失は(差圧A)−ブランク値として求めた。
<プロピレンの気相接触酸化反応>
前記触媒40mlおよび直径5mmのムライトボール52mlを混合して混合物とし、
内径15mmのステンレス鋼製ナイタージャケット付反応管に充填した。該反応管入口よ
りプロピレン10容量%、スチーム17容量%、空気73容量%の原料ガスを70kPa
にて、流通し、該触媒との接触時間6.0秒で通過させて、プロピレンの酸化反応を実施
した。尚、該反応管はナイター浴で加熱しており、浴温は320℃、330℃で実施した
。反応生成物の分析は、反応管出口より反応生成物を回収し、ガスクロマトグラフィーを
用いて、常法により実施した。
プロピレン転化率、アクロレイン収率、アクリル酸の定義は、次の通りである。
・プロピレン転化率(モル%)=(反応したプロピレンのモル数/供給したプロピレンの
モル数)×100
・アクロレイン収率(モル%)=(生成したアクロレインのモル数/供給したプロピレン
のモル数)×100
アクリル酸収率(モル%)=(生成したアクリル酸のモル数/供給したプロピレンのモル
数)×100
・合計収率(モル%)=アクロレイン収率(モル%)+アクリル酸収率(モル%)
(実施例2)
製造したリング形状の触媒粒子は、図1左に示すように底面部がなく、外径:5mm、
内径:2mm、直胴部長さ:3mm、空胴部長さ:4mmであった。該触媒粒子それぞれ
は、両端部の直胴部の端部から空胴部の端部までが凹曲しているものであり、直胴部の端
部と空胴部の端部との長さは1.59mmであり、直胴部の端部と空胴部の端部を結ぶ平
面と該凹曲面との最大距離は0.10mmであった。直胴部の端部と空胴部の端部との長
さに対する、直胴部の端部と空胴部の端部を結ぶ面と凹曲面との最大距離との比は0.0
6であった。触媒組成、圧力損失、プロピレンの気相接触酸化反応結果等を表1、表2に
まとめた。
(比較例1)
外径:5mm、内径:2mm、直胴部長さ:3mm、空胴部長さ:3mmであり、直胴
部長さと空胴部長さが同じであること、直胴部の端部から空胴部の端部まで平坦であった
こと以外は実施例1と同様にして触媒を得た。触媒組成、圧力損失、プロピレンの気相接
触酸化反応結果等を表1、表2にまとめた。
Figure 2018161644
Figure 2018161644
本発明の触媒は実施例1において示されているように、該触媒が充填された反応器によ
りプロピレンからアクロレイン及び/又はアクリル酸を製造した場合、圧力損失を低く抑
え、且つ、プロピレンの転化率が高く、高選択率でアクロレイン及び/又はアクリル酸と
し、結果として高収率でアクロレイン及び/又はアクリル酸を製造することができた。
尚、実施例1における圧力損失は、触媒の充填層長さ900mmとし、簡易的に乾燥空
気をガス流速として50NL/分、流通させた測定により、従来技術に対する優位性を示
している。尚、圧力損失は、通常、下記Ergun式に示されるように触媒の充填層長さ
とガス流速の二乗とに比例することが一般的である。アクロレイン等の不飽和アルデヒド
及び/又はアクリル酸等の不飽和カルボン酸を工業的に製造する際には固定床管型反応器
が用いられ、通常、該固定床管型反応器には2000mm〜7000mmの反応管を数千
〜数万本有している(特開2011−225476号公報)。そのため、アクロレイン等
の不飽和アルデヒド及び/又はアクリル酸等の不飽和カルボン酸の工業的な製造プラント
において、本発明の従来技術に対する圧力損失の差異は、実施例で示した結果より2.2
〜7.8倍拡大する方向であり本発明の優位性は工業的規模となるほど大きくなることは
明らかである。
Figure 2018161644
(ΔP:圧力損失、L:充填層長さ、ρ:ガス密度、u:ガス流速、Dp:粒子径、ε:
空隙率、Re:レイノルズ数)
1 内径
2 外径
3 直胴部長さ
4 直胴部と、前記直胴部の端部と前記空胴部の端部とを結ぶ線とのなす角度
5 直胴部の端部と空胴部の端部との長さ
6 直胴部の端部と空胴部の端部を結ぶ面と凹曲部との最大距離
7 空胴部の長さ
A 直胴部
B 空胴部
C 空胴部の端部

Claims (7)

  1. オレフィン又はターシャリーブタノールを気相接触酸化反応させて対応する不飽和アル
    デヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造する際に用いる、直胴部と空胴部を有するリン
    グ形状の触媒であって、
    該直胴部の長さが該空胴部の長さより短く、且つ、該直胴部の端部から該空胴部の端部
    までが凹曲している触媒。
  2. 前記直胴部が、前記空胴部のそれぞれの端部を含む面間にある請求項1に記載の触媒。
  3. 前記直胴部の端部と前記空胴部の端部との長さ(mm)に対する、前記直胴部の端部と
    前記空胴部の端部を結ぶ面と該凹曲した面との最大距離(mm)との比が0.01以上0
    .2以下である請求項1又は2に記載の触媒。
  4. 前記直胴部の端部から前記空胴部の端部まで凹曲しているのが両端部である請求項1乃
    至3のいずれか1項に記載の触媒。
  5. 前記直胴部と、前記直胴部の端部と前記空胴部の端部とを結ぶ線とのなす角度が45°
    〜85°である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の触媒。
  6. 内径b(mm)に対する外径a(mm)の比(a/b)が2.3以上、内径b(mm)
    に対する直胴部長さH(mm)の比(H/b)が1.3以上、直胴部長さH(mm)が2
    mm〜11mm、且つ外径a(mm)が2mm〜11mmである請求項1乃至5のいずれ
    か1項に記載の触媒。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の触媒の存在下、プロピレンと酸素含有ガスを含
    む原料混合ガスを気相接触酸化するアクロレイン及び/又はアクリル酸の製造方法。
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