以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本実施形態における情報処理装置100の構成を示すブロック図である。情報処理装置100は、本実施形態では、画像データに対してレイアウト編集等の画像処理を行う画像処理装置として動作し、例えば、汎用的なPCが用いられる。図1に示す中央処理装置(以下、CPU)101は、情報処理装置100全体を統括的に制御し、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMに読み出して実行することにより、本実施形態の動作を実現する。CPU101は、例えば、デザイン編集システムのマネージメント制御、ページデザインの生成や編集等を行う。記憶装置(ハードディスク:HDD)102は、オペレーティングシステム(OS)、Webブラウザやその他のアプリケーション等を記憶する。また、記憶装置102には、ファイルシステムが構築され、本実施形態の動作を実現するアプリケーションプログラムや、画像データ、デザイン編集された画像データ等が格納される。
入力装置103は、例えば、キーボードやポインティングデバイスであり、ユーザからの操作指示を受付ける。表示装置104は、例えばLCDディスプレイであり、本実施形態においてユーザがデザイン編集を行うための設定画面を表示する。ユーザは、設定画面上で、キーボードやポインティングデバイスを用いて指示や設定を行う。外部記憶装置105は、例えば、CD−ROM等の外部記憶媒体である。画像入力装置インタフェース106は、光学的な読取構成により画像データを取得するフィルムスキャナやフラットベッドスキャナや、デジタルカメラ等の画像入力装置との間の通信を可能とする通信インタフェースである。印刷装置インタフェース107は、画像データに基づいて記録媒体に画像を記録する印刷装置との間の通信を可能とする通信インタフェースである。図1のCPU101〜印刷装置インタフェース107は、不図示のシステムバスを介して相互に通信可能に接続されている。また、情報処理装置100は、LAN等のネットワークと接続し、外部装置との通信を可能にする通信インタフェースも含む。情報処理装置100は、例えば、通信インタフェースを介して、外部のホスト端末からデザイン編集対象の画像データを取得することができる。
本実施形態においては、情報処理装置100は、ROMやHDDに記憶されているデザイン編集アプリケーションを実行する。デザイン編集アプリケーションは、ユーザが、オフィスドキュメント、ポスター、葉書、プレゼンテーションといった各用途に応じたデザイン編集作業を行うためのアプリケーションである。デザイン編集アプリケーションは、ユーザがデザイン編集作業を行うための様々な編集機能を有する。デザイン編集アプリケーションは、例えば、編集対象のドキュメントの構成要素(オブジェクト)に対するリサイズ、移動、回転、選択、画像に対する補正処理、テキスト編集、写真画像やテキストに対する装飾処理、背景設定といった編集機能を有する。ユーザは、それらの各機能をキーボードやポインティングデバイス等の入力装置を用いて選択して実行することができる。
図2は、デザイン編集アプリケーションのメイン画面の一例を示す図である。図2のメイン画面201は、CPU101がデザイン編集アプリケーションを起動した場合に表示装置104に表示される。デザイン編集アプリケーションには、ユーザが任意に選択して使用可能な、複数種類のデザインテンプレートが予め用意されている。メイン画面201は、予め用意されているデザインテンプレートのうち、ユーザにより選択されたデザインテンプレートに基づいて編集された画像をプレビュー領域202に表示することができる。メイン画面201には、プレビュー領域202の他、上記の各編集機能を実行するためのメニューやツールバー、ユーザ操作を確定したりキャンセルするためのボタン等も構成されている。ユーザは、それらのメニューやツールバーを用いて、写真画像、クリップアート、写真画像フレーム、文字飾り、背景といった各デザイン生成要素(以下、アートマークともいう)を一覧表示させ、所望のアートマークを選択することができる。
図2は、プレビュー領域202に表示されたページ上で、文字列オブジェクト203「SALE」がユーザにより選択された状態を示している。メイン画面201にはさらに、ガイド、グリッド、ルーラといった編集支援機能を実行するためのメニューやツールバーが構成されており、ユーザは、それらを用いて、選択したオブジェクトに対して各編集機能を実行することができる。オートデザイン実行ボタン204は、ユーザの押下に応じて、後述するデザイン生成要素設定画面を表示する。そして、デザイン生成要素設定画面により作成されたデザイン画像をプレビュー領域202に表示することができる。デザイン生成要素とは、例えば、ポスター等のデザイン編集対象の画像データ中のタイトルを示す文字列オブジェクトや、挿入されている画像オブジェクトである。図2には示されていないが、メイン画面201にはさらに、プレビュー領域202の表示倍率を指定するためのドロップダウンリスト等、他の機能を実行するためのメニューやボタン等が構成される場合もある。
図3は、図2のオートデザイン実行ボタン204の押下により表示されるデザイン生成要素設定画面の一例を示す図である。デザイン生成要素設定画面301には、ポスターのページデザインの作成を目的とした各デザイン生成要素の設定情報が表示される。ユーザがデザイン生成要素設定画面301上で各項目を設定すると、各項目の内容が予め用意された複数種類のテンプレートに反映され、図4のデザイン画像候補の一覧として表示される。
項目302は、ユーザがポスターのデザインイメージを選択することができる項目であり、選択可能な個々のデザインイメージごとにページ全体の配色や利用されるフォントが定義されている。例えば、図3では、デザインイメージとして、「四季(冬)」が選択されており、冬のイメージに適した配色やフォントが利用されてポスターのデザインを実現できる。「四季(冬)」以外のデザインイメージとして、例えば、四季(春)、四季(夏)、四季(秋)、ナチュラル、スポーティ、ポップ、シック、エレガント、プリティ、モノトーンが選択可能である。それらのデザインイメージにも各イメージに適した配色やフォントが定義されている。
項目303は、ポスターに使用するタイトルをユーザが設定するための項目であり、項目304は、サブタイトルをユーザが設定するための項目である。項目305は、ポスターの本文の内容をユーザが設定するための項目であり、項目306は、組織名をユーザが設定するための項目である。項目307は、ポスターの用紙の向きをユーザが設定するための項目であり、図3では、ユーザは縦向き若しくは横向きを選択可能である。以上の項目においては、ユーザは、必ずしも全ての項目について設定しなくても良い。
画像入力領域308は、ユーザがポスターに使用する挿入画像を設定するために用いられる。例えば、ユーザは、ポインティングデバイスにより、ファイルシステム上のファイルアイコンを画像入力領域308にドラッグ・アンド・ドロップする。また、例えば、ユーザは、ボタン313を押下してファイルシステム画面を表示し、ファイルシステム上の所望の画像を指定する。また、ユーザは、ボタン314を押下して、デザイン編集アプリケーションが提供する既定の画像の一覧を表示し、所望の画像を指定する。既定の画像の一覧は、ライブラリ画像選択画面として後述する。ユーザは、ボタン315を押下して画像入力領域308で選択されている画像を削除可能である。図3では、画像入力領域308に入力画像309、入力画像310、入力画像311、入力画像312が設定されている。以下の説明において、デザイン編集アプリケーションが提供する既定の画像をライブラリ画像といい、それ以外で画像入力領域308に設定される画像をユーザ画像という。
画像入力領域308に設定可能な画像について上限数が設定される場合もある。例えば、ユーザがボタン313やボタン314により、ユーザ画像やライブラリ画像を設定しようとする際に、画像入力領域308への設定数が上限数を超える場合には、警告画面を表示して画像の設定を拒否するようにしても良い。画像入力領域308に設定された画像の並び順は、後述するテンプレートへの挿入優先順位を表わし、左上から右下方向に降順となる。ユーザは、画像入力領域308に設定されたサムネイル画像をポインティングデバイスでドラッグすることにより、所望の挿入順序に変更可能である。
ユーザが履歴選択ボタン316を押下すると、図6で後述する履歴選択画面が表示される。履歴選択画面では、過去の履歴アイテムの一覧が表示される。ここで、履歴アイテムとは、過去にデザイン生成要素設定画面301において設定された各デザイン生成要素の設定内容と、各デザイン生成要素の設定に基づく編集内容が反映された画像のサムネイル画像との組をいう。本実施形態においては、サムネイル画像に基づいてユーザにより履歴アイテムが選択されると、その履歴アイテムに対応するデザイン生成要素の設定内容を復元してデザイン生成要素設定画面301にデフォルト表示することができる。履歴選択画面の詳細は後述する。
リセットボタン317の押下により、デザイン生成要素設定画面301の全設定内容は、リセットされる。例えば、図3においては、リセットボタン317の押下により、項目307は「縦向き」に、他のテキスト入力領域である項目303〜306は空欄となる。また、リセットボタン317が押下されると、それまでに設定した設定内容が失われる旨の警告メッセージが表示される場合もある。
ユーザが必要なデザイン生成要素の設定を完了した時点で、次へボタン318が押下されると、設定したデザイン生成要素に基づくデザイン画像を生成する。また、ユーザは、任意のタイミングでキャンセルボタン319を押下することにより、デザイン生成要素設定画面301上で入力された設定内容を破棄し、図2のデザイン編集アプリケーションのメイン画面201に戻る。その際、キャンセルボタン319の押下直前のデザイン生成要素の設定状態は記憶装置102上に記憶され、次回のデザイン生成要素設定画面301の表示時にデフォルト表示として復元されるが、プレビュー領域202には反映されない。
図4は、図3の次へボタン318の押下時に表示されるデザイン候補選択画面の一例を示す図である。デザイン候補選択画面401は、図3のデザイン生成要素設定画面301上で設定された、テキスト、画像、デザインイメージ等が適用された複数種類のデザイン画像が、デザイン画像候補としてデザイン一覧リスト402内に一覧表示される。ユーザは、表示されたデザイン画像候補から所望のデザイン画像をポインティングデバイス等を用いて選択し、OKボタン405を押下する。OKボタン405が押下されると、その選択されたデザイン画像が、デザイン編集アプリケーションのプレビュー領域202に表示される。図4においては、デザイン画像403が選択されている状態である。なお、OKボタン405は、デザイン候補選択画面401上で、選択されているデザイン画像がない場合にはユーザが押下操作できないように無効状態とされる。
ユーザは戻るボタン404を押下すると、図3のデザイン生成要素設定画面301に戻る。その際、設定されていたデザイン生成要素の設定内容はそのまま保持されている。また、ユーザはキャンセルボタン406を押下すると、デザイン編集アプリケーションのメイン画面201に戻る。その際、プレビュー領域202の表示は変化しない。
図5は、図3のボタン314の押下時に表示されるライブラリ画像選択画面の一例を示す図である。ライブラリ画像選択画面501のライブラリ画像一覧リスト503では、デザイン編集アプリケーションが予め用意している、写真等のラスターデータや、イラスト等のベクターデータの一覧が表示される。ユーザは、ライブラリ画像一覧リスト503から所望の画像を選択することにより、その選択された画像を図3の画像入力領域308に取り込む。図5においては、ライブラリ画像504が選択されて強調表示されている。また、ライブラリ画像一覧リスト503上で複数のライブラリ画像が選択される場合もある。
カテゴリ一覧リスト502は、複数種類のカテゴリが一覧表示される。ユーザが所望のカテゴリアイテムを選択すると、その選択されたカテゴリに属するライブラリ画像のサムネイル画像群がライブラリ画像一覧リスト503に一覧表示される。図5においては、カテゴリ一覧リスト502ではカテゴリ「シェイプ」が選択され、ライブラリ画像一覧リスト503ではカテゴリ「シェイプ」に属するサムネイル画像群が一覧表示されている。
ユーザによりOKボタン505が押下されると、現在選択されているライブラリ画像504が図3の画像入力領域308に取り込まれる。なお、デザイン生成要素設定画面301においてテンプレートに挿入可能な画像の上限数が設定されている場合には、OKボタン505の押下時に、現在選択されているライブラリ画像504を追加することで上限数を超えるか否かが判定される。その際に、上限数が超えると判定された場合には、挿入操作が行われないことの警告画面が表示される。ユーザによりキャンセルボタン506が押下されると、画像入力領域308へのライブラリ画像の取り込みは行われず、図3のデザイン生成要素設定画面301に戻る。
なお、図2のメイン画面201上に、ライブラリ画像を追加するためのボタンが設けられ、そのボタンが押下されると、ライブラリ画像選択画面501が表示されるように構成されても良い。その場合には、ライブラリ画像選択リスト503で選択されたライブラリ画像がプレビュー領域202に表示されている編集中のデザイン画像に追加される。図5のライブラリ画像選択画面501では、写真等のラスター画像や、クリップアートやイラスト等のベクター画像の区別はされていないが、両属性を区別可能に表示される場合もある。
図6は、図3の履歴選択ボタン316の押下時に表示される履歴選択画面の一例を示す図である。履歴選択画面601の履歴一覧リスト602には、図3の次へボタン318又は図4のOKボタン405の押下によりデザイン画像の生成処理が過去に実行された際の各デザイン生成要素の設定内容がサムネイル画像とともに履歴アイテムとして一覧表示される。そのサムネイル画像は、各デザイン生成要素の設定内容が反映された画像のサムネイル画像である。また、ユーザにより所望の履歴アイテムが選択されると、その履歴アイテムに対応するデザイン生成要素の設定内容がデザイン生成要素設定画面301上に表示され、過去の設定内容を容易に復元することができる。
図6では、履歴一覧リスト602に、履歴アイテム604、605、606が表示されている。また、図6では、履歴アイテム604がユーザにより選択されて強調表示されている。サムネイル画像607は、履歴アイテム604に含まれるデザイン生成要素の設定内容608が反映された画像のサムネイル画像である。図6に示すように、各履歴アイテムのサムネイル画像は、デザイン生成要素の設定内容が反映されたものであるので、ユーザは再利用したい所望の履歴アイテムを視覚的に容易に選択することができる。
デザイン生成要素の設定内容に含まれる「画像:」項には、画像入力領域308に設定された画像ファイル名が表示されている。履歴アイテム604の「画像:」項にはライブラリ画像が指定されており、履歴アイテム605の「画像:」項にはユーザ画像が指定されている。履歴一覧リスト602の右側には、スクロールボタン603が構成されている。履歴アイテム数が多く、履歴一覧リスト602上に一度に全て表示できない場合には、ユーザによるスクロールボタン603のドラッグ操作により、表示位置を調整できる。
履歴一覧リスト602上で、所望の履歴アイテムがユーザにより選択されてOKボタン609が押下されると、デザイン生成要素設定画面301上にその履歴アイテムが有する各デザイン生成要素の設定内容をデフォルト表示する。例えば、図6の履歴アイテム604については、デザインイメージとして「四季(冬)」が、用紙の向きが「縦」として、それぞれ項目302、307上で選択状態として表示される。また、「SALE」「クリスマスセール」の文字列がそれぞれ、項目303、304のテキスト入力領域に設定される。また、履歴アイテム604では本文や組織名についてのテキストデータはないので、項目305、306のテキスト入力領域は空で表示される。加えて、履歴アイテム604の「画像:」項で設定されている画像Snow_04.kitが、画像入力領域308に設定される。
なお、デザイン生成要素設定画面301において各テキスト入力領域や画像入力領域308に何らかのデータが既に設定されている場合には、OKボタン609の押下時に、それらのデータが失われる旨の警告メッセージを表示する。その警告メッセージに対してユーザが承諾すると、履歴アイテム604の設定内容が、デザイン生成要素設定画面301に設定されている設定内容に上書きされる。また、履歴選択画面601の履歴一覧リスト602には、図3の履歴選択ボタン316が押下されたときのデザイン生成要素設定画面301の各設定内容の所定の文字列を含む履歴アイテムが検索されて表示される場合もある。
図7は、記憶装置102に記憶されている履歴データテーブルの概念構成を示す図である。デザイン生成要素設定画面301上の履歴選択ボタン316がユーザにより押下されると、履歴データテーブル700のデータに基づいて、各履歴アイテムが図6のように表示される。
図7に示すように、履歴データテーブル700は、ID701、デザインイメージ702、タイトル703、サブタイトル704、本文705、組織名706、向き707、画像708の各項目を含む。ここで、ID701は、各履歴アイテムの履歴データを識別する識別情報である。デザインイメージ702〜向き707は、項目303〜307の設定項目に対応し、デザイン編集時の各デザイン設定要素の設定内容が格納されている。ID001の履歴アイテムでは、本文705、組織名706が空の状態を示す「−」記号で記述されており、画像708には、ファイル名「Snow_04.kit」のみで記述されている。ID001のように、ファイル名のみで記述されている場合には、本画像は、デザイン編集アプリケーションにより予め用意されているライブラリ画像であることを表す。
ID002の履歴アイテムには、画像708にファイル名が2つ記述され、それらのファイルは履歴データベースのフォルダからのパス名で記述されている。これは、ID001と異なりユーザ画像を利用している履歴アイテムであり、後述のユーザ画像格納処理により、履歴データベース管理下の記憶領域にコピーされた画像データである。ユーザ画像は、ライブラリ画像とは異なりデザイン編集アプリケーションからは直接管理されないので、ユーザ操作により移動又は削除される可能性が高い。例えば、デジタルカメラで使った外部記憶媒体を情報処理装置100に接続し、その中の画像をデザイン編集で使用した後、外部記憶媒体を情報処理装置100から外してしまうケースが該当する。その場合、ユーザ画像のファイルパス名だけを履歴データベースに残しただけでは、履歴アイテムを再利用しようとしたときにデザイン編集対象の画像データを検索できなくなってしまう。そのため、ユーザ画像が指定された場合には履歴データベースへのコピーを行い、デザイン編集アプリケーションの管理下とすることにより、履歴アイテムの再利用時に画像を検索できない状況を回避することができる。
図8は、記憶装置102のファイルシステム上で、フォルダ及びファイルで構成される履歴データベースツリーを示す図である。図7の履歴データベースは、フォルダ801をルートとするツリー構造で構成される。図7の履歴データベースは、各履歴アイテムフォルダ802〜804について、デザインイメージやテキスト等のデザイン生成要素の設定内容を格納する生成要素ファイル805、807、810を含む。また、履歴データベースは、各履歴アイテムフォルダ802〜804について、そのデザイン生成要素に基づいて生成されたサムネイル画像ファイル806、808、811を含む。また、履歴アイテムフォルダ803には、2つのユーザ画像のファイル809が格納されている。
図9は、図7の生成要素ファイルの一例を示す図である。図9(a)は、ID001で識別される履歴アイテムの生成要素ファイル805の内容の一部を示す。1行目では、デザインイメージの値、2〜5行目まではそれぞれ、タイトル、サブタイトル、本文、組織名の文字列、6行目では、用紙の向き、7行目では、指定した画像のファイル名が記述されている。7行目のimage属性「type」はライブラリ画像若しくはユーザ画像を示しており、ID001では、ライブラリ画像を示す「library」が記述されている。
図9(b)は、ID002で識別される履歴アイテムの生成要素ファイル807の生成要素ファイルの内容の一部を示す。図9(a)とは異なり画像ファイル名が2つ記述されている。それらはユーザ画像であるので、「path」で示すファイル名に「履歴DB」からのパス名が記述され、かつ、「type」にはユーザ画像を示す「user」が記述されている。図9(a)及び(b)では、各生成要素ファイルはマークアップ形式で記述されているが、他のフォーマットで記述される場合もある。
図10は、デザイン画像の生成における履歴アイテムの追加処理を示すフローチャートである。S1001では、デザイン生成要素設定画面301においてユーザにより、次へボタン317が押下された状態である。S1002では、各デザイン生成要素の設定内容に基づいて、スケルトンテンプレートという基本レイアウトデータの検索処理が行われる。
スケルトンテンプレートとは、各デザイン生成要素の設定内容を反映可能な予め用意された複数種類のテンプレートであり、タイトルやサブタイトル等のテキストオブジェクトや画像オブジェクト用のレイアウト情報を有している。また、複数種類のテンプレートが各有するレイアウト情報は相互に異なる。後述するS1006において複数種類のスケルトンテンプレートのそれぞれに画像、テキスト等のオブジェクトを適用することで、図4に示したような複数パターンのデザインを生成することができる。また、設定された各デザイン生成要素の設定内容により、デザイン画像の生成で使用されるスケルトンテンプレートは異なる。例えば、項目305の本文や、項目306の組織名が設定されていない場合には、本文や組織名を含まないスケルトンテンプレートが使用される。
S1003では、検索されたスケルトンテンプレート全てに対して、S1004〜S1005の処理が終了したか否かを判定する。全てのスケルトンプレートに対して終了したと判定された場合にはS1006に進み、全てのスケルトンプレートに対して終了していないと判定された場合には、未処理のスケルトンテンプレートを処理対象としてS1004に進む。
S1004では、デザイン生成要素として設定されたテキストや画像を、現在処理対象としているスケルトンテンプレート上のテキストや画像のレイアウト情報に基づいて、対応する位置に配置する。その際には、デザイン生成要素設定画面301上で定義されている配色とフォント情報に基づいて、背景、図形、テキストの色や、テキストのフォントタイプが適用される。なお、テキストや画像は複数種類のテンプレートに対して共通のものが適用される。全てのデザイン生成要素をスケルトンテンプレートに適用すると、記憶装置102にファイル形式で一時的に保存する。S1005では、S1004で生成されて保存されたファイルに基づいてサムネイル画像データを生成し、記憶装置102(メモリ)に一時的に保存する。
S1006では、図4のデザイン候補選択画面を表示し、デザイン候補一覧リスト402にS1005で生成された全てのサムネイル画像データを表示する。S1007では、履歴データベース上に、新たな生成要素ファイルを含む履歴アイテムフォルダを生成する。新たに生成された生成要素ファイルには、デザインイメージ、テキスト、用紙の向き等の画像データ以外のデザイン生成要素の設定内容を記述する。S1008では、デザイン生成要素として設定された(画像入力領域308で設定された)全ての画像データについて、新たに生成された生成要素ファイルに記述する。デザイン生成要素として設定された画像がライブラリ画像である場合には、図9(a)のように「library」属性が付与されてそのファイル名が生成要素ファイルに記述される。また、ユーザ画像である場合には、「user」属性が付与されてそのファイル名およびファイルパス名が生成要素ファイルに記述され、その画像データがS1007で生成された履歴アイテムフォルダにコピーされる。コピー後のファイル名は、履歴データベースにおいて各履歴アイテムについてユニークになるように統一された命名規則に基づいて決定される。
S1009では、S1005で生成され、S1005で生成されてS1006で表示されるサムネイル画像データのうち1つのサムネイル画像データを暫定的に仮決定しておき、S1007で作成された履歴アイテムフォルダにコピーする。その際、1つのサムネイル画像データは、例えば、複数のサムネイル画像データのうち、最初にS1005で生成されたサムネイル画像でも良い。
S1010では、図4のデザイン候補選択画面上でのユーザ操作を待機する。ここでのユーザ操作は、デザイン候補選択画面の終了操作であり、戻るボタン404、OKボタン405、キャンセルボタン406のいずれかの押下である。S1011では、OKボタン405が押下されたか否かが(つまり、デザイン画像が選択されたか否か)判定される。OKボタン405が押下されたと判定された場合にはS1012に進み、OKボタン405以外のボタンが押下されたと判定された場合にはS1014に進む。
S1012では、デザイン候補一覧リスト402上でデザイン画像が選択されたということなので、その選択されたデザイン画像に対応するサムネイル画像データで、S1009で履歴アイテムフォルダにコピーされたサムネイル画像データを置き換える。そして、S1013では、デザイン候補一覧リスト402上で選択されたデザイン画像を、図2のプレビュー領域202に展開して表示する。
S1014では、S1004、S1005で記憶装置102に一時的に保存したファイルを削除する。S1005では、図4のデザイン候補選択画面を閉じる。その際に、S1010で戻るボタン404が押下されていた場合には、図3のデザイン生成要素設定画面に戻り、キャンセルボタン406が押下されていた場合には、デザイン編集アプリケーションのメイン画面201に戻る。
図10の処理により、生成されたデザイン画像候補のうち、ユーザが意図的に選択したデザイン画像がある場合にはそのサムネイル画像データが履歴アイテムとして保存される。一方、ユーザが意図的に選択したデザイン画像がない場合には生成デザイン群のうち仮決定されたサムネイル画像データが履歴アイテムとして保存される。つまり、ユーザが実際に利用したデザイン画像があれば、履歴アイテムがそのサムネイル画像に関連付けられて図6の履歴選択画面601に表示されることになる。一方、ユーザが選択を行わなかった場合でも、S1009において仮決定されたサムネイル画像が履歴アイテムとして保存される。
またS1012における処理において、ユーザが選択したことを示す情報をフォルダ802内に保存してもよい。その保存方法としては、生成要素805、サムネイル画像806とは別のファイルとして保存してもよいし、生成要素805内、またはサムネイル画像806のファイルのヘッダに保存されてもよい。そして、履歴アイテムとして図6に示した画面において履歴アイテムが表示されるときに、選択済みの履歴アイテムと、ユーザが選択していない履歴アイテムとをユーザが認識できる表示を行ってもよい。例えば選択済みの履歴アイテムに対して、選択済みであること示す情報(例えばテキスト「選択済み」や、サムネイル画像に対するフレーム等)が付加されてもよい。
またS1011においてユーザがデザインを選択したと判定された場合、当該選択されたデザインに対して用いられたスケルトンテンプレートも、履歴アイテムとして保存されてもよい。例えば図9に示した生成要素ファイル内に、当該スケルトンテンプレートを特定するためのテンプレート情報(例えばテンプレートファイルのファイルパス)や、当該テンプレートファイルそのものが記憶されてもよい。そして、図6に示す画面においてユーザが履歴アイテムを選択し、ボタン609が押下されたときには、生成要素ファイル内の上記テンプレート情報に従ってテンプレートファイルを読み出す。そして、読み出されたテンプレートファイルと生成要素ファイル内の情報に従って再度デザインを生成してもよい。具体的には、上記のように読み出されたテンプレートファイルに対し、生成要素ファイルに対応する画像、テキスト、配色等を適用する。この場合、図3、図4の画面が表示されてなくてもよい。
このように、ユーザが選択したデザインの履歴アイテムが図6において選択された場合、テンプレート情報と生成要素ファイルにより、自動的にデザインの再生成を行う。具体的には、生成要素ファイル内に記述されているテキストや生成要素ファイル内に指定されている画像データ等のオブジェクトを、テンプレート情報により特定されるテンプレートに再配置する。これにより、図4の画面においてユーザが再度デザインの選択を行わなくても、図6に示されているサムネイル画像と同内容のデザインを生成することができる。なお、ユーザが選択しなかったデザインの履歴アイテムが選択された場合、デザインの再生成を行わず、図3に示す画面に戻る。この場合でも、当該履歴アイテム内の情報が、図3に示す画面のデフォルト設定として表示される。
なお図4におけるデザインの再選択の別の方法として、サムネイル画像806として、十分な画素数の画像を記憶し、それを再利用する方法もある。しかし、この場合、サムネイル画像806のデータ容量が大きくなってしまい、また画像データ化されているため、容易に編集できない場合がある。そこで、上記のように履歴アイテムの選択に応じて自動的にデザインの再生成をすることで、サムネイル画像806は内容を認識できる程度の少ない画素数の画像として記憶することが可能となる。またデザインの再生成において、ページ全体の画像データを生成するのではなく、テンプレートに各オブジェクトを配置した状態で表示を行うことで、各オブジェクトの位置の調整や、内容の変更を容易に行うことができる。
なお、格納できる履歴アイテム数に上限が設定される場合もある。その場合、S1007において最も古い履歴アイテムを自動的に削除する。さらに、図6の履歴選択画面601上で、各履歴アイテムについて、選択された選択回数を取得する場合もある。その場合、再利用回数が最も少ないもので、かつ、最も古いものを削除する。
また、本実施形態では、戻るボタン404およびキャンセルボタン406の押下でも履歴が追加されることになるが、それらのケースではS1007で追加した履歴アイテムを削除して履歴に残さないようにしても良い。というのも、それらのケースは、ユーザが利用したいデザインがないために選択操作をしなかったとも考えられるからである。そのような構成により、不必要な履歴情報が増えることを防ぐことができる。
さらに、本実施形態では、履歴情報としてサムネイル画像データを保存しているが、デザイン生成要素の設定内容を生成結果として表現できるものであれば他のデータ形式であってもよい。例えば、より大きなサイズの画像で記憶し、図6の履歴一覧リスト表示時には、生成結果を大きく拡大して表示させ、より詳細に生成要素の設定内容を確認できるようにしても良い。他にも、デザイン編集アプリケーションの標準データ形式のファイルで生成結果を記憶させるようにしても良い。その場合には、例えば、図6の履歴一覧リスト表示の度に、そのファイルを読み込んで表示用画像を生成して表示する。
また上記の実施形態における各種の表示は、当該表示を行う情報処理装置が備える表示装置に表示させてもよいし、当該情報処理装置に接続されている外部の表示装置に表示させてもよい。
上記のように本実施形態によれば、過去に生成されたデザイン(サムネイル画像、オブジェクトの内容、配色等の設定)が履歴としてメモリに記憶され、図6における画面が表示される。図6における画面では、サムネイル画像が表示されるため、ユーザは結果物を確認した上で、所望の履歴(デザイン)を選択することができる。そして、その選択されたデザインで使用されたオブジェクトの内容や各種の設定が、図3に示した設定画面に反映される。例えば、長文のテキストが配置されたにおいてユーザが履歴を選択すると、そのテキストが入力された状態で設定画面が表示されるため、ユーザは改めてそのテキストを入力しなくてもよい。また、例えばユーザがサムネイル画像を確認した結果、望ましいと判断したデザインで使用されたデザインイメージを新たに作成するデザインで使用したい場合がある。この場合、そのデザインイメージをユーザが認識していなくても、その履歴を選択することで、当該デザインで使用されたデザインイメージを新たなデザインに容易に反映することができる。
さらに、履歴の選択に応じて表示される図3の設定画面では、オブジェクトの内容や各種の設定が変更可能である。そのため、例えば履歴のデザインに対して調整を加えて新たなデザインを生成したい場合でも、所望のデザインを容易に生成することができる。
また上記のように、履歴としてテンプレートの情報を含ませた場合、ユーザが改めて図3の設定画面で設定作業を行わなくても、履歴と同内容のデザインを容易に再生成することができる。
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、本実施形態の機能を実現するためのプログラムコードを、1つのコンピュータ(CPU、MPU)で実行する場合であってもよいし、複数のコンピュータが協働することによって実行する場合であってもよい。さらに、プログラムコードをコンピュータが実行する場合であってもよいし、プログラムコードの機能を実現するための回路等のハードウェアを設けてもよい。またはプログラムコードの一部をハードウェアで実現し、残りの部分をコンピュータが実行する場合であってもよい。