JP2018159921A - Euvリソグラフィー用ケイ素含有膜形成組成物、euvリソグラフィー用ケイ素含有膜及びパターン形成方法 - Google Patents

Euvリソグラフィー用ケイ素含有膜形成組成物、euvリソグラフィー用ケイ素含有膜及びパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アウトガス抑制性に優れると共に、倒壊抑制性に優れかつ形状が良好なレジストパターンを形成可能なケイ素含有膜を形成することができるEUVリソグラフィー用ケイ素含有膜形成組成物、EUVリソグラフィー用ケイ素含有膜及びパターン形成方法の提供。【解決手段】ポリシロキサンと、オニウムカチオン及びスルホン酸アニオンを有する化合物と、溶媒とを含有し、上記スルホン酸アニオンを構成する原子の原子量の総和が240以上であり、上記スルホン酸アニオンがスルホネート基と、このスルホネート基に隣接する炭素原子とを有し、この炭素原子にフッ素原子が結合していないEUVリソグラフィー用ケイ素含有膜形成組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、EUVリソグラフィー用ケイ素含有膜形成組成物、EUVリソグラフィー用ケイ素含有膜及びパターン形成方法に関する。
半導体デバイスの製造にあっては、高い集積度を得るために多層レジストプロセスが用いられている。このプロセスでは、まず、基板の一方の面側にポリシロキサンを含有するケイ素含有膜形成用組成物を用いてケイ素含有膜を形成し、このケイ素含有膜の上記基板とは反対の面側にレジスト組成物を用いてレジストパターンを形成する。次いで、このレジストパターンをマスクとしてケイ素含有膜をエッチングし、得られたケイ素含有膜パターンをマスクとして、さらに基板をエッチングすることで、基板に所望のパターンを形成する。
最近では、半導体デバイスの高集積化がさらに進んでおり、使用する露光光がKrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)から、極端紫外線(13.5nm、EUV)へと短波長化される傾向にある。
このような中、EUVリソグラフィー用途として、かかるケイ素含有膜にスルホン酸オニウム塩を含有させることが行われている(国際公開第2014/021256号参照)。
国際公開第2014/021256号
しかし、EUVリソグラフィーにおいては、露光が真空下で行われるため、上記従来のケイ素含有膜形成用組成物を用いたのでは、ケイ素含有膜に由来する物質がアウトガスとして発生し、EUV露光装置の投影ミラーやマスク等を汚染するため、EUV露光装置の解像力が悪化し、その結果、このケイ素含有膜上に形成されるレジストパターンの解像性が低下するという不都合がある。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、アウトガス抑制性に優れると共に、倒壊抑制性に優れかつ形状が良好なレジストパターンを形成可能なケイ素含有膜を形成することができるEUVリソグラフィー用ケイ素含有膜形成組成物、EUVリソグラフィー用ケイ素含有膜及びパターン形成方法を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、ポリシロキサンと、オニウムカチオン及びスルホン酸アニオンを有する化合物と、溶媒とを含有し、上記スルホン酸アニオンを構成する原子の原子量の総和が240以上であり、上記スルホン酸アニオンがスルホネート基と、このスルホネート基に隣接する炭素原子を有し、この炭素原子にフッ素原子が結合していないEUVリソグラフィー用ケイ素含有膜形成組成物である。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、当該EUVリソグラフィー用ケイ素含有膜形成組成物から形成されるEUVリソグラフィー用ケイ素含有膜である。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、基板の一方の面側に当該EUVリソグラフィー用ケイ素含有膜形成組成物を塗工する工程と、上記塗工工程により形成されたケイ素含有膜をパターン化する工程とを備えるパターン形成方法である。
本発明のEUVリソグラフィー用ケイ素含有膜形成組成物によれば、アウトガス抑制性に優れるケイ素含有膜を形成することができ、このような優れたケイ素含有膜により、EUV露光装置の投影ミラーやマスク等の汚染を防止することができ、また、倒壊抑制性に優れかつ形状が良好なレジストパターンを形成することができる。本発明のEUVリソグラフィー用ケイ素含有膜は、アウトガス抑制性に優れ、倒壊抑制性及び形状が良好なレジストパターンを形成することができる。本発明のパターン形成方法によれば、アウトガス抑制性に優れ、かつ倒壊抑制性及び形状が良好なレジストパターンを形成可能なケイ素含有膜を形成することにより、良好な形状の所望の基板パターンを形成することができる。従って、これらは、EUVリソグラフィーに好適に使用することができ、今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造等に好適に用いることができる。
以下、本発明のEUVリソグラフィー用ケイ素含有膜形成組成物(以下、単に「ケイ素含有膜形成用組成物」という)、EUVリソグラフィー用ケイ素含有膜(以下、単に「ケイ素含有膜」という)及びパターン形成方法の実施形態について説明する。
<ケイ素含有膜形成用組成物>
当該ケイ素含有膜形成用組成物は、ポリシロキサン(以下、「[A]ポリシロキサン」ともいう)と、オニウムカチオン(以下、「オニウムカチオン(X)」ともいう)及びスルホン酸アニオン(以下、「スルホン酸アニオン(Y)」ともいう)を有する化合物(以下、「[B]化合物」ともいう)と、溶媒(以下、「[C]溶媒」ともいう)とを含有し、上記スルホン酸アニオン(Y)を構成する原子の原子量の総和が240以上であり、上記スルホン酸アニオン(Y)がスルホネート基と、このスルホネート基に隣接する炭素原子を有し、この炭素原子にフッ素原子が結合していない。
当該ケイ素含有膜形成用組成物は、アウトガス抑制性に優れると共に、倒壊抑制性に優れかつ形状が良好なレジストパターンを形成可能なケイ素含有膜を形成することができる。従って、当該ケイ素含有膜形成用組成物は、EUVリソグラフィーに好適に用いることができる。
当該ケイ素含有膜形成用組成物は、[A]ポリシロキサン、[B]化合物及び[C]溶媒以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、任意成分を含有していてもよい。以下、各成分について説明する。
<[A]ポリシロキサン>
[A]ポリシロキサンは、シロキサン結合を有するポリマーである。[A]ポリシロキサンは、例えば下記式(A)で表される構造単位(I)、下記式(B)で表される構造単位(II)等を有する。[A]ポリシロキサンは、本発明の効果を損なわない範囲において、構造単位(I)及び(II)以外のその他の構造単位を有していてもよい。以下、各構造単位について説明する。
[構造単位(I)]
構造単位(I)は、下記式(A)で表される構造単位である。当該ケイ素含有膜形成用組成物は、[A]ポリシロキサンが構造単位(I)を有することで、ケイ素含有膜の種々の特性を調整することができる。
Figure 2018159921
上記式(A)中、Rは、炭素数1〜20の1価の有機基である。aは、1〜3の整数である。aが2以上の場合、複数のRは同一又は異なる。
で表される1価の有機基としては、例えば炭素数1〜20の1価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間に2価のヘテロ原子含有基を有する基(α)、上記炭化水素基又は上記2価のヘテロ原子含有基を含む基(α)の有する水素原子の一部又は全部を1価のヘテロ原子含有基で置換した基(β)等が挙げられる。
上記炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基としては、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン等のアルカン、エテン、プロペン、ブテン等のアルケン、エチン、プロピン、ブチン等のアルキンなどが有する1個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えばシクロペンタン、シクロヘキサン等のシクロアルカン、ノルボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン等の橋かけ環飽和炭化水素などの脂環式飽和炭化水素、シクロペンテン、シクロヘキセン等のシクロアルケン、ノルボルネン、トリシクロデセン等の橋かけ環不飽和炭化水素などの脂環式不飽和炭化水素などが有する1個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えばベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、ナフタレン、メチルナフタレン、アントラセン、メチルアントラセン等のアレーンが有する2〜4個の芳香環上の水素原子又は1個の芳香環上及びアルキル基上の水素原子を除いた基等が挙げられる。
2価及び1価のヘテロ原子含有基を構成するヘテロ原子としては、例えば酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲン原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
2価のヘテロ原子含有基としては、例えば−O−、−CO−、−S−、−CS−、−NR’−、これらのうちの2つ以上を組み合わせた基等が挙げられる。R’は、水素原子又は1価の炭化水素基である。これらの中で、−O−及び−S−が好ましい。
1価のヘテロ原子含有基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、アミノ基、スルファニル基等が挙げられる。
としては、1価の鎖状炭化水素基、1価の芳香族炭化水素基、及び1価の炭化水素基の有する水素原子の一部又は全部を1価のヘテロ原子含有基で置換した基が好ましく、アルキル基及びフッ素置換又は非置換のアリール基がより好ましく、メチル基、フェニル基及びフルオロフェニル基がさらに好ましい。
[A]ポリシロキサンが構造単位(I)を有する場合、構造単位(I)の含有割合の下限としては、[A]ポリシロキサンを構成する全構造単位に対して、0.1モル%が好ましく、1モル%がより好ましく、2モル%がさらに好ましく、5モル%が特に好ましく、8モル%がさらに特に好ましい。上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、50モル%がより好ましく、30モル%がさらに好ましく、20モル%が特に好ましい。構造単位(I)の含有割合を上記範囲とすることで、ケイ素含有膜の種々の特性をより調整することができる。
[構造単位(II)]
構造単位(II)は、下記式(B)で表される構造単位である。当該ケイ素含有膜形成用組成物は、[A]ポリシロキサンが構造単位(II)を有することで、ケイ素含有膜の酸素系ガスによるエッチング耐性をより高めることができる。
Figure 2018159921
構造単位(II)を与える単量体としては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、テトラクロロシラン、テトラブロモシラン等のテトラハロシランなどが挙げられる。
[A]ポリシロキサンが構造単位(II)を有する場合、構造単位(II)の含有割合の下限としては、[A]ポリシロキサンを構成する全構造単位に対して、1モル%が好ましく、10モル%がより好ましく、30モル%がさらに好ましく、60モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、95モル%が好ましく、90モル%がより好ましく、85モル%がさらに好ましく、80モル%が特に好ましい。当該ケイ素含有膜形成用組成物は、構造単位(II)の含有割合を上記範囲とすることで、ケイ素含有膜の酸素系ガスによるエッチング耐性をさらに高めることができる。
[その他の構造単位]
その他の構造単位としては、例えばヘキサメトキシジシラン、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ポリジメトキシメチルカルボシラン等の複数のケイ素原子を含むシランモノマーに由来する構造単位等が挙げられる。[A]ポリシロキサンがその他の構造単位を有する場合、その他の構造単位の含有割合の上限としては、[A]ポリシロキサンを構成する全構造単位に対して、10モル%が好ましく、5モル%がより好ましく、2モル%がさらに好ましく、1モル%が特に好ましい。
[A]ポリシロキサンの含有量の下限としては、当該ケイ素含有膜形成用組成物の全固形分に対して、50質量%が好ましく、80質量%がより好ましく、90質量%がさらに好ましく、95質量%が特に好ましい。上記含有量の上限としては、100質量%が好ましく、99質量%が好ましく、97質量%がより好ましい。当該ケイ素含有膜形成用組成物の全固形分とは、[B]溶媒以外の成分の総和をいう。[A]ポリシロキサンは、1種のみ含有されていてもよいし、2種以上含有されていてもよい。
[A]ポリシロキサンの重量平均分子量(Mw)の下限としては、1,000が好ましく、1,300がより好ましく、1,500がさらに好ましく、1,700が特に好ましい。上記Mwの上限としては、100,000が好ましく、20,000がより好ましく、7,000がさらに好ましく、3,000が特に好ましい。
本明細書における[A]ポリシロキサンのMwは、東ソー社のGPCカラム(「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本及び「G4000HXL」1本)を使用し、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(検出器:示差屈折計)により測定した値である。
[A]ポリシロキサンは、上述した各構造単位に対応する加水分解性シランモノマーを加水分解縮合する方法により得ることができる。加水分解縮合反応により、各加水分解性シランモノマーは種類に関係なくポリシロキサン中に取り込まれると考えられ、合成された[A]ポリシロキサンにおける構造単位(I)及び(II)並びにその他の構造単位の含有割合は、合成反応に用いた各単量体化合物の使用量の割合と通常、同等になる。
<[B]化合物>
[B]化合物は、オニウムカチオン(X)及びスルホン酸アニオン(Y)を有する化合物である。[B]化合物は、放射線の照射及び/又は加熱により、オニウムカチオン(X)が分解してヒドロン(H)が生じ、このヒドロンとスルホン酸アニオン(Y)とからスルホン酸を発生する。以下、スルホン酸アニオン(Y)及びオニウムカチオン(X)について説明する。
[スルホン酸アニオン(Y)]
スルホン酸アニオン(Y)は、スルホネート基と、このスルホネート基に隣接する炭素原子を有し、この炭素原子にフッ素原子が結合していないアニオンである。スルホン酸アニオン(Y)は、1価であっても、2価以上すなわちスルホネート基を複数有するものであってもよいが、1価が好ましい。なお、スルホン酸アニオン(Y)が複数のスルホネート基を有する場合、いずれのスルホネート基についても、そのスルホネート基に隣接する炭素原子にはフッ素原子が結合していない。
スルホン酸アニオン(Y)を構成する原子の原子量の総和の下限としては、240であり、260が好ましく、290がより好ましく、330がさらに好ましく、370が特に好ましく、400がさらに特に好ましく、440が最も好ましい。上記総和の上限としては、例えば1000であり、600が好ましい。
当該ケイ素含有膜形成用組成物によれば、スルホン酸アニオン(Y)の原子量の総和を上記範囲とすることで、発生するスルホン酸の揮発度を低下させることができ、その結果、アウトガス抑制性を向上させることができる。また、これにより、EUVリソグラフィーにおいて、露光系の汚染等を低減させることができるので、レジストパターンの倒壊抑制性及び形状を良好なものとすることができると考えられる。
1価のスルホン酸アニオン(Y)は、例えば下記式(1)で表される。
Figure 2018159921
上記式(1)中、Rは、炭素数1〜20の1価の有機基である。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基であるか、又はR、R及びRのうちの2つ以上は、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を表す。R、R及びRを構成する原子の原子量の総和は、148以上である。
で表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば上記式(A)のRの1価の有機基として例示したものと同様の基等が挙げられる。Rとしては、炭素数8〜19の1価の脂環式炭化水素基の炭素−炭素間に−COO−を含む基(β)、及びこの基(β)が有する水素原子の一部をフッ素原子で置換した基、並びに炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基が有する水素原子の一部又は全部を7個以上のフッ素原子で置換した基(γ)及びこの基(γ)が有する水素原子の一部をヒドロキシ基で置換した基が好ましく、1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル基、1−シクロヘキシルカルボニルオキシ−2,2,2−トリフルオロエチル基、1−アダマンチルオキシカルボニル−2,2,2−トリフルオロエチル基、2−パーフルオロヘキシル−1−ヒドロキシエチル基及びパーフルオロプロピル基がより好ましい。
及びRとしては、水素原子が好ましい。
、R及びRのうちの2つ以上が構成する環員数3〜20の環構造としては、例えばシクロヘキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造、シクロノナン構造、シクロデカン構造、シクロドデカン構造等の単環の飽和脂環構造、シクロヘキセン構造、シクロヘプテン構造、シクロオクテン構造、シクロデセン構造等の単環の不飽和脂環構造、ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等の飽和橋かけ環構造、ノルボルネン構造、トリシクロデセン構造等の不飽和橋かけ環構造などの脂環構造、ベンゼン構造、ナフタレン構造、フェナントレン構造、アントラセン構造等の芳香族炭素環構造、ヘキサノラクトン構造、ノルボルナンラクトン構造等のラクトン構造、ヘキサノスルトン構造、ノルボルナンスルトン構造等のスルトン構造、オキサシクロヘプタン構造、オキサノルボルナン構造等の酸素原子含有複素環構造、アザシクロヘキサン構造、ジアザビシクロオクタン構造等の窒素原子含有複素環構造、チアシクロヘキサン構造、チアノルボルナン構造等のイオウ原子含有複素環構造などの脂肪族複素環構造、ピラン構造、ベンゾフラン構造、ベンゾピラン構造等の酸素原子含有複素環構造、ピリジン構造、ピリミジン構造、インドール構造等の窒素原子含有複素環構造などの芳香族複素環構造などが挙げられる。これらの中で、脂環構造が好ましく、飽和橋かけ環構造がより好ましく、ノルボルナン構造がさらに好ましい。
スルホン酸アニオン(Y)としては、例えば下記式(Y−1)〜(Y−6)で表されるアニオン等が挙げられる。
Figure 2018159921
これらの中で、スルホン酸アニオン(Y−2)〜(Y−6)が好ましく、スルホン酸アニオン(Y−3)〜(Y−5)がより好ましい。
[オニウムカチオン(X)]
オニウムカチオン(X)は、例えばS、I、O、N、P,Cl、Br、F、As、Se、Sn、Sb、Te、Bi等の原子が陽電荷を有するカチオンである。これらの中で、S、I及びNが好ましく、S及びIがより好ましい。オニウムカチオン(X)は、1価であっても、2価以上すなわち陽電荷を有する原子を複数含むものでもよいが、1価が好ましい。
オニウムカチオン(X)としては、例えばスルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン、アンモニウムカチオン等が挙げられる。
1価のスルホニウムカチオンとしては、例えばトリフェニルスルホニウムカチオン、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムカチオン、4−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムカチオン、トリ(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムカチオン等のトリフェニル含有スルホニウムカチオン、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン等のテトラヒドロチオフェニウムカチオンなどが挙げられる。
1価のヨードニウムカチオンとしては、例えばジフェニルヨードニウムカチオン、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムカチオン等が挙げられる。
1価のアンモニウムカチオンとしては、例えばテトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラフェニルアンモニウムカチオン等が挙げられる。
これらの中で、スルホニウムカチオン及びヨードニウムカチオンが好ましく、トリフェニル含有スルホニウムカチオン及びヨードニウムカチオンがより好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオン及びジフェニルヨードニウムカチオンがさらに好ましい。
[B]化合物の含有量の下限としては、[A]ポリシロキサン100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましく、2質量部が特に好ましい。上記含有量の上限としては、30質量部が好ましく、20質量部がより好ましく、10質量部がさらに好ましく、5質量部が特に好ましい。[B]化合物の含有量を上記範囲とすることで、アウトガス抑制性、パターン倒壊抑制性及びパターン形状の良好性をさらに向上させることができる。
<[C]溶媒>
[C]溶媒は、[A]ポリシロキサン、[B]化合物及び必要に応じて含有する任意成分を溶解又は分散することができれば特に限定されない。[C]溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、含窒素系溶媒、水等が挙げられる。[C]溶媒は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルコール系溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール等のモノアルコール系溶媒、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒などが挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えばエチルエーテル、iso−プロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、酢酸n−ブチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル等が挙げられる。
含窒素系溶媒としては、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
これらの中でも、エーテル系溶媒、エステル系溶媒及び水が好ましく、成膜性に優れるため、グリコール構造を有するエーテル系溶媒及びエステル系溶媒がより好ましい。
グリコール構造を有するエーテル系溶媒及びエステル系溶媒としては、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル等が挙げられる。
[C]溶媒中のグリコール構造を有するエーテル系溶媒及びエステル系溶媒の含有率の下限としては、20質量%が好ましく、60質量%がより好ましく、90質量%がさらに好ましく、100質量%が特に好ましい。
当該ケイ素含有膜形成用組成物における[C]溶媒の含有量の下限としては、80質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、95質量%がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、99質量%が好ましく、98質量%がより好ましい。
<任意成分>
当該ケイ素含有膜形成用組成物は、任意成分として、例えば酸発生剤、界面活性剤等を含有していてもよい。
[酸発生剤]
酸発生剤は、紫外光の照射及び/又は加熱により酸を発生する化合物である。酸発生剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸発生剤としては、例えばオニウム塩化合物、N−スルホニルオキシイミド化合物等が挙げられる。
上記オニウム塩化合物としては、例えばスルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、ヨードニウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
スルホニウム塩としては、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等が挙げられる。
テトラヒドロチオフェニウム塩としては、特開2014−037386号公報の段落[0111]に記載のテトラヒドロチオフェニウム塩が挙げられ、より具体的には、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート等が挙げられる。
ヨードニウム塩としては、特開2014−037386号公報の段落[0112]に記載のヨードニウム塩が挙げられ、より具体的には、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート等が挙げられる。
アンモニウム塩としては、例えばトリメチルアンモニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリエチルアンモニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート等が挙げられる。
N−スルホニルオキシイミド化合物としては、特開2014−037386号公報の段落[0113]に記載のN−スルホニルオキシイミド化合物が挙げられ、より具体的には、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等が挙げられる。
当該ケイ素含有膜形成用組成物が酸発生剤を含有する場合、この酸発生剤の[A]ポリシロキサン100質量部に対する含有量の下限としては、0.01質量部が好ましく、0.1質量%がより好ましく、0.5質量部がさらに好ましく、1質量部が特に好ましい。上記含有量の上限としては、10質量部が好ましく、5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましい。
当該ケイ素含有膜形成用組成物が酸発生剤以外のその他の任意成分を含有する場合、その含有量の上限としては、[A]ポリシロキサン100質量部に対して、1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、0.1質量部がさらに好ましい。
<ケイ素含有膜形成用組成物の調製方法>
当該ケイ素含有膜形成用組成物の調製方法は特に限定されず、例えば[A]ポリシロキサン、[B]化合物、[C]溶媒及び必要に応じて任意成分を所定の割合で混合し、好ましくは、得られた混合溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過することにより調製することができる。
当該ケイ素含有膜形成用組成物の固形分濃度の下限としては、0.01質量%が好ましく、0.05質量%がより好ましく、0.1質量%がさらに好ましく、0.2質量%が特に好ましい。上記固形分濃度の上限としては、20質量%が好ましく、10質量%がより好ましく、5質量%がさらに好ましく、3質量%が特に好ましい。当該ケイ素含有膜形成用組成物の固形分濃度とは、当該ケイ素含有膜形成用組成物を250℃で30分間焼成することで、当該形成用組成物中の固形分の質量を測定し、この固形分の質量を当該ケイ素含有膜形成用組成物の質量で除することにより算出される値(質量%)である。
<ケイ素含有膜>
本発明のケイ素含有膜は、当該ケイ素含有膜形成用組成物から形成される。当該ケイ素含有膜は、上述の当該ケイ素含有膜形成用組成物から形成されるので、アウトガス抑制性に優れ、倒壊抑制性及び形状が良好なレジストパターンを形成することができる。
上記ケイ素含有膜は、上述の当該ケイ素含有膜形成用組成物を、基板、有機下層膜等の他の下層膜などの表面に塗工することにより塗膜を形成し、この塗膜を加熱処理し、硬化させることにより形成することができる。
当該ケイ素含有膜形成用組成物を塗工する方法としては、例えば回転塗工法、ロールコート法、ディップ法等が挙げられる。加熱処理の温度の下限としては、50℃が好ましく、70℃がより好ましい。上記温度の上限としては、450℃が好ましく、300℃がより好ましい。形成されるケイ素含有膜の平均厚みの下限としては、5nmが好ましく、10nmがより好ましい。上記平均厚みの上限としては、50nmが好ましく、20nmがより好ましく、15nmがさらに好ましい。
<パターン形成方法>
当該パターン形成方法は、基板の一方の面側に当該ケイ素含有膜形成用組成物を塗工する工程(以下、「塗工工程」ともいう)と、上記塗工工程により形成されたケイ素含有膜をパターン化する工程(以下、「ケイ素含有膜パターン化工程」ともいう)とを備える。
当該パターン形成方法によれば、アウトガス抑制性に優れると共に、倒壊抑制性及び形状が良好なレジストパターンを形成可能なケイ素含有膜を形成し、このような優れたケイ素含有膜により、良好な形状の所望の基板パターンを形成することができる。
上記ケイ素含有膜パターン化工程は、上記ケイ素含有膜の上記基板とは反対の面側にレジスト組成物を塗工する工程と、上記レジスト組成物塗工工程により形成されたレジスト膜を極端紫外線で露光する工程と、上記露光されたレジスト膜を現像する工程と、
上記現像工程により形成されたレジストパターンをマスクとして上記ケイ素含有膜をエッチングする工程(以下、「ケイ素含有膜エッチング工程」ともいう)とを備えていてもよい。このような工程をさらに備えることによって、アウトガス抑制性に優れるケイ素含有膜により、倒壊抑制性及び形状が良好なレジストパターンを形成することができ、その結果、より良好な形状の所望の基板パターンを形成することができる。
当該パターン形成方法は、必要に応じて、上記塗工工程前に、基板の少なくとも一方の面側に有機下層膜を形成する工程(以下、「有機下層膜形成工程」ともいう)をさらに備えていてもよい。当該パターン形成方法は、通常、上記ケイ素含有膜パターン化工程後に、パターン化されたケイ素含有膜をマスクとして、基板をエッチングする工程(以下、「基板エッチング工程」ともいう)を備える。以下、各工程について説明する。
<有機下層膜形成工程>
本工程では、基板の少なくとも一方の面側に有機下層膜を形成する。当該パターン形成方法では、必要に応じて、有機下層膜形成工程を行うことができる。
当該パターン形成方法において、有機下層膜形成工程を行う場合、有機下層膜形成工程後に、上記塗工工程を行い、この塗工工程において、有機下層膜上に当該ケイ素含有膜形成用組成物を用いてケイ素含有膜を形成する。
上記基板としては、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、ポリシロキサン等の絶縁膜、樹脂基板等が挙げられる。例えば、AMAT社の「ブラックダイヤモンド」、ダウケミカル社の「シルク」、JSR社の「LKD5109」等により形成される低誘電体絶縁膜で被覆したウェハ等の層間絶縁膜を使用することができる。この基板としては配線溝(トレンチ)、プラグ溝(ビア)等のパターン化された基板を用いてもよい。
上記有機下層膜は、当該ケイ素含有膜形成用組成物から形成されるケイ素含有膜とは異なるものである。有機下層膜は、レジストパターン形成において、ケイ素含有膜及び/又はレジスト膜が有する機能をさらに補ったり、これらが有していない機能を得るために、必要とされる所定の機能(例えば、反射防止性、塗布膜平坦性、フッ素系ガスに対する高エッチング耐性)を付与したりする膜のことである。
有機下層膜としては、例えば反射防止膜等が挙げられる。反射防止膜形成用組成物としては、例えばJSR社の「NFC HM8006」等が挙げられる。
有機下層膜は、有機下層膜形成用組成物を回転塗工法等により塗布して塗膜を形成した後、加熱することにより形成することができる。
<塗工工程>
本工程では、基板の一方の面側に当該ケイ素含有膜形成用組成物を塗工する。本工程により、基板上に直接又は有機下層膜等の他の層を介してケイ素含有膜が形成される。
当該ケイ素含有膜形成用組成物の塗工方法は特に限定されないが、例えば回転塗工法等の公知の方法により当該ケイ素含有膜形成用組成物を基板上等に塗工する方法が挙げられる。この塗工工程により形成された塗膜を、必要に応じて露光及び/又は加熱することにより硬化させることでケイ素含有膜が形成される。
この露光に用いられる放射線としては、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、γ線等の電磁波、電子線、分子線、イオンビーム等の粒子線などが挙げられる。
塗膜を加熱する際の温度の下限としては、90℃が好ましく、150℃がより好ましく、200℃がさらに好ましい。上記温度の上限としては、550℃が好ましく、450℃がより好ましく、300℃がさらに好ましい。形成されるケイ素含有膜の平均厚みの下限としては、1nmが好ましく、10nmがより好ましく、20nmがさらに好ましい。上記平均厚みの上限としては、20,000nmが好ましく、1,000nmがより好ましく、100nmがさらに好ましい。
<ケイ素含有膜パターン化工程>
本工程では、上記塗工工程により形成されたケイ素含有膜をパターン化する。本工程により、上記塗工工程で形成されたケイ素含有膜がパターニングされる。ケイ素含有膜をパターン化する方法としては、例えば上記ケイ素含有膜の上記基板とは反対の面側にレジストパターンを形成する工程(以下、「レジストパターン形成工程」ともいう)及びケイ素含有膜エッチング工程を備える方法等が挙げられる。
[レジストパターン形成工程]
本工程では、上記ケイ素含有膜の上記基板とは反対の面側にレジストパターンを形成する。レジストパターンを形成する方法としては、例えばレジスト組成物を用いる方法、ナノインプリントリソグラフィー法を用いる方法等の従来公知の方法などが挙げられる。このレジストパターンは、通常、有機材料から形成される。
レジスト組成物を用いる方法としては、例えばレジスト組成物により上記ケイ素含有膜の上記基板とは反対の面側にレジスト組成物を塗工する工程(以下、「レジスト組成物塗工工程」ともいう)と、上記レジスト膜を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう)と、上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)とを備える方法等が挙げられる。
(レジスト組成物塗工工程)
本工程では、レジスト組成物により上記ケイ素含有膜の上記基板とは反対の面側にレジスト組成物を塗工する。
レジスト組成物としては、例えば酸解離性基を有する重合体及び感放射線性酸発生剤を含有する感放射線性樹脂組成物(化学増幅型レジスト組成物)、アルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド系感光剤とからなるポジ型レジスト組成物、アルカリ可溶性樹脂と架橋剤を含有するネガ型レジスト組成物等が挙げられる。これらの中で、感放射線性樹脂組成物が好ましい。感放射線性樹脂組成物を用いた場合、アルカリ現像液で現像することでポジ型パターンを形成することができ、有機溶媒現像液で現像することでネガ型パターンを形成することができる。レジストパターンの形成には、微細パターンを形成する手法であるダブルパターニング法、ダブルエクスポージャー法等を適宜用いてもよい。
感放射線性樹脂組成物に含有される重合体は、酸解離性基を含む構造単位以外にも、例えばラクトン構造、環状カーボネート構造及び/又はスルトン構造を含む構造単位、アルコール性水酸基を含む構造単位、フェノール性水酸基を含む構造単位、フッ素原子を含む構造単位等を有していてもよい。上記重合体が、フェノール性水酸基を含む構造単位及び/又はフッ素原子を含む構造単位を有すると、露光における放射線として極端紫外線(EUV)、電子線等を用いる場合の感度を向上させることができる。
レジスト組成物の固形分濃度の下限としては、0.1質量%が好ましく、1質量%が好ましい。上記固形分濃度の上限としては、50質量%が好ましく、30質量%がより好ましい。レジスト組成物としては、孔径0.2μm程度のフィルターを用いてろ過したものを好適に用いることができる。当該パターン形成方法においては、レジスト組成物として、市販品のレジスト組成物をそのまま使用することもできる。
レジスト膜の形成方法としては、例えばレジスト組成物をケイ素含有膜上に塗工する方法等が挙げられる。レジスト組成物の塗工方法としては、例えば回転塗工法等の従来の方法などが挙げられる。レジスト組成物を塗工する際には、得られるレジスト膜が所定の膜厚となるように、塗工するレジスト組成物の量を調整する。
レジスト膜は、レジスト組成物の塗膜をプレベークすることにより、塗膜中の溶媒を揮発させて形成することができる。プレベークの温度は、使用するレジスト組成物の種類等に応じて適宜調整されるが、プレベークの温度の下限としては、30℃が好ましく、50℃がより好ましい。上記温度の上限としては、200℃が好ましく、150℃がより好ましい。
(露光工程)
本工程では、上記レジスト膜を露光する。この露光は、例えばマスクにより選択的に放射線を照射して行う。
露光に用いられる放射線としては、EUV又は電子線が好ましい。
(現像工程)
本工程では、上記露光されたレジスト膜を現像する。これにより、レジストパターンが形成される。
上記現像は、アルカリ現像でも有機溶媒現像でもよい。
アルカリ現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性水溶液などが挙げられる。また、これらのアルカリ性水溶液は、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類などの水溶性有機溶媒、界面活性剤等を適量添加したものであってもよい。
有機溶媒現像液としては、例えばケトン系溶媒、アルコール系溶媒、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒等の有機溶媒を主成分とする液などが挙げられる。これらの溶媒としては、例えば上記[B]溶媒として例示したそれぞれの溶媒と同様のもの等が挙げられる。これらの溶媒は1種単独でも、複数混合して用いてもよい。
現像液で現像を行った後、好ましくは、洗浄し、乾燥することによって、フォトマスクに対応した所定のレジストパターンを形成することができる。
[ケイ素含有膜エッチング工程]
本工程では、上記レジストパターンをマスクとして、上記ケイ素含有膜をエッチングする。より具体的には、上記レジストパターン形成工程で形成されたレジストパターンをマスクとした1又は複数回のエッチングによって、パターンが形成されたケイ素含有膜を得る。
上記エッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよいが、ドライエッチングが好ましい。
ドライエッチングは、例えば公知のドライエッチング装置を用いて行うことができる。ドライエッチングに使用するエッチングガスとしては、エッチングされるケイ素含有膜の元素組成等により、適宜選択することができ、例えばCHF、CF、C、C、SF等のフッ素系ガス、Cl、BCl等の塩素系ガス、O、O、HO等の酸素系ガス、H、NH、CO、CO、CH、C、C、C、C、C、C、HF、HI、HBr、HCl、NO、NH、BCl等の還元性ガス、He、N、Ar等の不活性ガスなどが用いられる。これらのガスは混合して用いることもできる。ケイ素含有膜のドライエッチングには、通常フッ素系ガスが用いられ、これに酸素系ガスと不活性ガスとを混合したものが好適に用いられる。
<基板エッチング工程>
本工程では、上記パターン化されたケイ素含有膜をマスクとして、基板をエッチングする。より具体的には、上記ケイ素含有膜エッチング工程で得られたケイ素含有膜に形成されたパターンをマスクとした1又は複数回のエッチングを行って、パターニングされた基板を得る。
基板上に有機下層膜を形成した場合には、ケイ素含有膜パターンをマスクとして有機下層膜をエッチングすることにより有機下層膜のパターンを形成した後に、この有機下層膜パターンをマスクとして基板をエッチングすることにより、基板にパターンを形成する。
上記エッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよいが、ドライエッチングが好ましい。
有機下層膜にパターンを形成する際のドライエッチングは、公知のドライエッチング装置を用いて行うことができる。ドライエッチングに使用するエッチングガスとしては、ケイ素含有膜及びエッチングされる有機下層膜の元素組成等により、適宜選択することができ、例えば、CHF、CF、C、C、SF等のフッ素系ガス、Cl、BCl等の塩素系ガス、O、O、HO等の酸素系ガス、H、NH、CO、CO、CH、C、C、C、C、C、C、HF、HI、HBr、HCl、NO、NH、BCl等の還元性ガス、He、N、Ar等の不活性ガス等が用いられ、これらのガスは混合して用いることもできる。ケイ素含有膜パターンをマスクとした有機下層膜のドライエッチングには、通常、酸素系ガスが用いられる。
有機下層膜パターンをマスクとして基板にパターンを形成する際のドライエッチングは、公知のドライエッチング装置を用いて行うことができる。ドライエッチングに使用するエッチングガスとしては、有機下層膜及びエッチングされる基板の元素組成等により、適宜選択することができ、例えば上記有機下層膜のドライエッチングに用いられるエッチングガスとして例示したものと同様のエッチングガス等が挙げられる。複数回の異なるエッチングガスにより、エッチングを行ってもよい。なお、基板パターン形成工程後、基板上、レジスト下層パターン上等にケイ素含有膜が残留している場合には、後述のケイ素含有膜除去工程を行うことにより、ケイ素含有膜を除去することができる。
以下、実施例を説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
本実施例における[A]ポリシロキサンの溶液における固形分濃度の測定、及び[A]ポリシロキサンの重量平均分子量(Mw)の測定は下記の方法により行った。
[[A]ポリシロキサンの溶液の固形分濃度]
[A]ポリシロキサンの溶液0.5gを250℃で30分間焼成することで、この溶液0.5g中の固形分の質量を測定し、[A]ポリシロキサンの溶液の固形分濃度(質量%)を算出した。
[重量平均分子量(Mw)]
GPCカラム(東ソー社の「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本、「G4000HXL」1本)を使用し、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(検出器:示差屈折計)により測定した。
<[A]ポリシロキサンの合成>
[A]ポリシロキサンの合成に用いた単量体を以下に示す。
なお、以下の合成例においては特に断りのない限り、質量部は使用した単量体の合計質量を100質量部とした場合の値を意味する。
化合物(M−1)〜(M−4):下記式(M−1)〜(M−4)で表される化合物
Figure 2018159921
[合成例1−1](ポリシロキサン(A−1)の合成)
反応容器において、上記式(M−1)で表される化合物及び上記式(M−2)で表される化合物をモル比率が90/10(モル%)となるようプロピレングリコールモノエチルエーテル62質量部に溶解し、単量体溶液を調製した。上記反応容器内を60℃とし、撹拌しながら、9.1質量%シュウ酸水溶液40質量部を20分間かけて滴下した。滴下開始を反応の開始時間とし、反応を4時間実施した。反応終了後、反応容器内を30℃以下に冷却した。冷却した反応溶液にプロピレングリコールモノエチルエーテルを52質量部加えた後、エバポレーターを用いて、水、反応により生成したアルコール類及び余剰のプロピレングリコールモノエチルエーテルを除去して、ポリシロキサン(A−1)のプロピレングリコールモノエチルエーテル溶液を得た。ポリシロキサン(A−1)のMwは1,950であった。このポリシロキサン(A−1)のプロピレングリコールモノエチルエーテル溶液の固形分濃度は、12.0質量%であった。
[合成例1−2〜1−4](ポリシロキサン(A−2)〜(A−4)の合成)
下記表1に示す種類及び使用量の各単量体を使用した以外は、合成例1と同様にして、ポリシロキサン(A−2)〜(A−4)のプロピレングリコールモノエチルエーテル溶液を得た。得られた[A]ポリシロキサンの溶液における[A]ポリシロキサンのMw及び固形分濃度(質量%)を表1に合わせて示す。表1における「−」は、該当する単量体を使用しなかったことを示す。
Figure 2018159921
<ケイ素含有膜形成用組成物の調製>
ケイ素含有膜形成用組成物の調製に用いた[A]ポリシロキサン以外の成分を以下に示す。
[[B]化合物]
実施例:B−1〜B−8:下記式(B−1)〜(B−8)で表される化合物
比較例:b−1〜b−3:下記式(b−1)〜(b−3)で表される化合物
Figure 2018159921
なお、スルホン酸アニオンを構成する原子の原子量の総和は、(B−1)が249、(B−2)が263、(B−3)が303、(B−4)が303、(B−5)が355、(B−6)が428、(B−7)が428、(B−8)が459、(b−1)が231、(b−2)が323、(b−3)が318である。
[[C]溶媒]
C−1:酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル
C−2:プロピレングリコールモノエチルエーテル
C−3:水
[実施例1−1]
[A]ポリシロキサン(固形分)としての(A−1)0.59質量部と、[B]化合物としての(B−1)0.10質量部、[C]溶媒としての(C−1)10質量部、(C−2)86質量部([A]ポリシロキサンの溶液に含まれる溶媒(C−2)も含む)及び(C−3)4質量部とを混合し、得られた溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過して、ケイ素含有膜形成用組成物(J−1)を調製した。
[実施例1−2〜1−11及び比較例1−1〜1−3]
下記表2に示す種類及び配合量の各成分を用いた以外は、実施例1と同様にして、ケイ素含有膜形成用組成物(J−2)〜(J−11)及び(j−1)〜(j−3)を調製した。
<ケイ素含有膜の形成>
上記調製した各ケイ素含有膜形成用組成物をシリコンウェハ(基板)上に、スピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」)を用い、回転塗工法により塗工した。得られた塗膜に対し、220℃のホットプレートで60秒間加熱した後、23℃で60秒間冷却することにより、表2の実施例1−1〜1−11並びに比較例1−1〜1−3に示す平均厚み13nmのケイ素含有膜が形成された基板を得た。
<評価>
上記調製したケイ素含有膜形成用組成物及び上記形成したケイ素含有膜の下記項目について下記方法により評価した。評価結果を下記表2に合わせて示す。
[アウトガス抑制性]
上記調製した各ケイ素含有膜形成用組成物を8インチシリコンウェハ(基板)上に、スピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT8」)を用い、回転塗工法により塗工した。得られた塗膜に対し、220℃のホットプレートで60秒間加熱した後、23℃で60秒間冷却することにより、平均厚み13nmのケイ素含有膜が形成された基板を得た。その後、ホットプレートの天板に8インチシリコンウェハを設置したホットプレートを用いて、300℃で60秒間加熱した。上記工程を50回繰り返した後、ホットプレートの天板に設置した8インチシリコンウェハをシクロヘキサノンで洗浄することで、上記基板上に堆積した昇華物を回収した。アウトガス抑制性は、昇華物量が1.0mg以下の場合は「A」(良好)と、1.0mgを超え2.0mg以下の場合は「B」(やや良好)と、2.0mgを超える場合は「C」(不良)と評価した。
[倒壊抑制性](電子線露光又は極端紫外線露光におけるポジ型レジストパターンの倒壊抑制性)
8インチシリコンウェハ上に、反射防止膜形成材料(JSR社の「HM8006」)を上記スピンコーターによる回転塗工法により塗工した後、250℃で60秒間加熱を行うことにより平均厚み100nmの反射防止膜を形成した。この反射防止膜上に、ケイ素含有膜形成用組成物を塗工し、220℃で60秒間加熱した後、23℃で30秒間冷却することにより平均厚み13nmのケイ素含有膜を形成した。
次いで、上記形成したケイ素含有膜上に、後述する感放射線性樹脂組成物を塗工し、130℃で60秒間加熱処理をした後、23℃で30秒間冷却することにより平均厚み50nmのレジスト膜を形成した。
上記感放射線性樹脂組成物は、4−ヒドロキシスチレンに由来する構造単位(1)、スチレンに由来する構造単位(2)及び4−t−ブトキシスチレンに由来する構造単位(3)(各構造単位の含有割合は、(1)/(2)/(3)=65/5/30(モル%))を有する重合体100質量部と、感放射線性酸発生剤としてのトリフェニルスルホニウムサリチレート2.5質量部と、溶媒としての乳酸エチル1,500質量部及び酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル700質量部とを混合し、得られた溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過することで得た。
電子線露光の場合は、電子線描画装置(日立製作所社の「HL800D」、出力:50KeV、電流密度:5.0アンペア/cm)を用いてレジスト膜に電子線を照射した。電子線の照射後、基板を110℃で60秒間加熱を行い、次いで23℃で60秒間冷却した。その後、2.38質量%のTMAH水溶液(20〜25℃)を用い、パドル法により現像した後、水で洗浄し、乾燥することにより、レジストパターンが形成された評価用基板を得た。上記レジストパターン形成の際、線幅150nmの1対1ラインアンドスペースに形成される露光量を最適露光量とした。上記評価用基板のレジストパターンの測長及び観察には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「CG−4000」)を用いた。倒壊抑制性は、上記最適露光量において、パターン倒壊が確認されなかった場合は「A」(良好)と、パターン倒壊が確認された場合は「B」(不良)と評価した。
極端紫外線露光の場合は、EUVスキャナー(ASML社の「TWINSCAN NXE:3300B」(NA0.3、シグマ0.9、クアドルポール照明、ウエハー上寸法が線幅25nmの1対1ラインアンドスペースのマスク)を用いてレジスト膜に露光を行った。露光後、基板を110℃で60秒間加熱を行い、次いで23℃で60秒間冷却した。その後、2.38質量%のTMAH水溶液(20〜25℃)を用い、パドル法により現像した後、水で洗浄し、乾燥することにより、レジストパターンが形成された評価用基板を得た。上記レジストパターン形成の際、線幅25nmの1対1ラインアンドスペースに形成される露光量を最適露光量とした。上記評価用基板のレジストパターンの測長及び観察には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「CG−4000」)を用いた。倒壊抑制性は、上記最適露光量において、パターン倒壊が確認されなかった場合は「A」(良好)と、パターン倒壊が確認された場合は「B」(不良)と評価した。
[パターン形状]
上記レジストパターンの形状において、裾引きがない場合は「A」(良好)と、裾引きがある場合は「B」(不良)と評価した。
Figure 2018159921
表2の結果から分かるように、実施例のケイ素含有膜形成用組成物によれば、アウトガス抑制性に優れるケイ素含有膜を形成することができ、このような優れたケイ素含有膜により、倒壊抑制性及び形状が良好なレジストパターンを形成することができる。
本発明のEUVリソグラフィー用ケイ素含有膜形成組成物によれば、アウトガス抑制性に優れるケイ素含有膜を形成することができ、このような優れたケイ素含有膜により、EUV露光装置の投影ミラーやマスク等の汚染を防止することができ、また、倒壊抑制性に優れかつ形状が良好なレジストパターンを形成することができる。本発明のEUVリソグラフィー用ケイ素含有膜は、アウトガス抑制性に優れ、倒壊抑制性及び形状が良好なレジストパターンを形成することができる。本発明のパターン形成方法によれば、アウトガス抑制性に優れ、かつ倒壊抑制性及び形状が良好なレジストパターンを形成可能なケイ素含有膜を形成することにより、良好な形状の所望の基板パターンを形成することができる。従って、これらは、EUVリソグラフィーに好適に使用することができ、今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造等に好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. ポリシロキサンと、
    オニウムカチオン及びスルホン酸アニオンを有する化合物と、
    溶媒と
    を含有し、
    上記スルホン酸アニオンを構成する原子の原子量の総和が240以上であり、
    上記スルホン酸アニオンがスルホネート基と、このスルホネート基に隣接する炭素原子とを有し、
    この炭素原子にフッ素原子が結合していないEUVリソグラフィー用ケイ素含有膜形成組成物。
  2. 上記スルホン酸アニオンを構成する原子の原子量の総和が290以上である請求項1に記載のEUVリソグラフィー用ケイ素含有膜形成組成物。
  3. 上記オニウムカチオンが、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン又はこれらの組み合わせである請求項1又は請求項2に記載のEUVリソグラフィー用ケイ素含有膜形成組成物。
  4. 請求項1、請求項2又は請求項3に記載のEUVリソグラフィー用ケイ素含有膜形成組成物から形成されるEUVリソグラフィー用ケイ素含有膜。
  5. 基板の一方の面側に請求項1、請求項2又は請求項3に記載のEUVリソグラフィー用ケイ素含有膜形成組成物を塗工する工程と、
    上記塗工工程により形成されたケイ素含有膜をパターン化する工程と
    を備えるパターン形成方法。
  6. 上記ケイ素含有膜パターン化工程が、
    上記ケイ素含有膜の上記基板とは反対の面側にレジスト組成物を塗工する工程と、
    上記レジスト組成物塗工工程により形成されたレジスト膜を極端紫外線で露光する工程と、
    上記露光されたレジスト膜を現像する工程と、
    上記現像工程により形成されたレジストパターンをマスクとして上記ケイ素含有膜をエッチングする工程と
    を備える請求項5に記載のパターン形成方法。
  7. 上記塗工工程前に、
    上記基板の少なくとも一方の面側に有機下層膜を形成する工程
    をさらに備える請求項5又は請求項6に記載のパターン形成方法。
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