JP2018159839A - 画像投影装置とその制御方法、プログラム及び記憶媒体 - Google Patents

画像投影装置とその制御方法、プログラム及び記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷物に形成された印刷画像に投影画像を重ね合わせた際に、印刷画像のコントラストを向上させると共に印刷画像の階調性や解像感の低下を抑制する。【解決手段】投影面に設置された印刷物に投影画像を重ね合わせる画像投影装置100は、投影面情報を取得する投影面情報取得部207と、投影面情報から投影面における投影画像の画素サイズを算出する投影画素サイズ算出部208と、投影画像の画素サイズが大きくなるほど投影画像のコントラストが小さくなるように投影画像を補正する画像補正部209を備え、画像補正部209により補正された投影画像を印刷物に重ね合わせる。【選択図】図2

Description

本発明は、画像投影装置とその制御方法、プログラム及び記憶媒体に関する。
印刷物のコントラストや色域、表示輝度等を高めるために、印刷物に形成された印刷画像に対応した画像を画像投影装置(プロジェクタ)を用いて印刷画像上に投影する技術が提案されている(特許文献1参照)。また、映像の階調に応じて透過率を制御するパネル部と、パネル部に背面から提供する光を部分的な領域ごとに制御可能な発光部を有し、発光部での発光を制御することによって表示画像のコントラストを向上させる技術が記載されている(特許文献2参照)。特許文献2には、画像の部分的な領域ごとの階調値(画素値)に基づいて、発光部の発光輝度を決定すると共に決定した発光輝度によって生じる画像信号の損失分を打ち消すようにパネル部に表示される画素の階調値を補償する技術も記載されている。
特開2008−83180号公報 特開2008−263586号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術では、印刷物に形成された印刷画像と、印刷画像に重ね合わせた(重畳させた)投影画像の画素サイズが考慮されていない。そのため、印刷画像に投影画像を重ね合わせた際に、画素サイズの違いによる階調性や解像感の低下が生じてしまうおそれがある。例えば、投影画像の画素サイズが印刷画像の画素サイズよりも大きい場合、印刷画像においてエッジ(階調差)がない部分にエッジが生じ又は印刷画像の階調が潰れ或いは印刷画像における階調の大小関係が逆転する等の問題が生じるおそれがある。
また、上記特許文献2に記載された技術は、パネル部や発光部の画素サイズが変化する画像投影装置を用いたシステムには不向きである。例えば、画像投影装置から投影される画像の画素サイズは設置状況に応じて変化し、印刷装置により出力される印刷画像の画素サイズは印刷設定によって変化する。よって、印刷画像に投影画像を重ね合わせた場合に、画素サイズの違いによって階調性や解像感の低下が生じてしまうおそれがある。
本発明は、印刷画像に投影画像を重ね合わせた際に印刷画像のコントラストを向上させると共に印刷画像の階調性や解像感の低下を抑制することができる画像投影装置を提供することを目的とする。
本発明に係る画像投影装置は、投影面に設置された印刷物に投影画像を重ね合わせる投影手段と、前記投影面の情報を取得する取得手段と、前記投影面の情報から前記投影面における前記投影画像の画素の大きさまたは画素密度を算出する算出手段と、前記投影画像の画素の大きさが大きくなるほど前記投影画像のコントラストが小さくなるようにまたは前記投影画像の画素密度が小さくなるほど前記投影画像のコントラストが小さくなるように前記投影画像を補正する補正手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、印刷画像に投影画像を重ね合わせた際に、印刷画像のコントラストを向上させると共に印刷画像の階調性や解像感の低下を抑制することができる。
画像投影装置による画像投影の様子を模式的に説明する図である。 第1実施形態に係る画像投影装置の概略構成を示すブロック図である。 図2の画像投影装置で投影画像を補正する処理のフローチャートである。 画像投影時の投影距離と投影領域の関係を説明する図である。 画像補正部が使用する投影画素サイズとゲインの関係を示す図である。 画像補正部による形状調整画像と補正画像の階調の関係を示す図である。 比較例に係る印刷物、投射画像及び重畳画像の輝度分布を示す図である。 実施例1に係る印刷物、投射画像及び重畳画像の輝度分布を示す図である。 実施例2に係る印刷物、投射画像及び重畳画像の輝度分布を示す図である。 第2実施形態に係る画像投影装置の概略構成を示すブロック図である。 図10の画像投影装置で投影画像を補正する処理のフローチャートである。 第3実施形態に係る画像投影装置の概略構成を示すブロック図である。 図12の画像投影装置で投影画像を補正する処理のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。最初に、画像投影装置と、画像投影装置から画像を投影する対象物(画像投影先)である印刷物との関係について説明する。
図1は、画像投影装置100による画像投影の様子を模式的に説明する図である。図1(a)は、画像投影装置100が印刷物101に対して画像を投影している第1の例を模式的に示す図である。画像投影装置100は、投影領域110に画像を投影することができ、投影領域110内に設置された印刷物101上に、所定の投影画像111を投影する。本実施形態では、画像投影装置100は、投影領域110のうち投影画像111を投影しない領域には全黒画像を投影する。なお、画像投影装置100の構成と動作の詳細については後述する。
印刷物101と投影領域110の関係は、図1(a)に示すように、投影領域110が印刷物101よりも大きい第1の状態に限定されない。図1(b)は、画像投影装置100が印刷物101に対して画像を投影している第2の例を模式的に示す図であり、投影領域110と印刷物101の大きさが略等しくても構わない。また、図1(c)は、画像投影装置100が印刷物101に対して画像を投影している第3の例を模式的に示す図であり、投影領域110に複数の印刷物101,102が設置され、それぞれに投影画像111,112が投影される構成となっていてもよい。
<第1実施形態>
第1実施形態では、画像投影装置が、投影画像の画素の大きさに応じて投影画像を補正する構成について説明する。図2は、本発明の第1実施形態に係る画像投影装置100の概略構成を示すブロック図である。画像投影装置100は、システム制御部200、画像入力部201、操作入力部202、印刷物情報取得部203、表示位置制御部204、拡縮/変形部205及びレイアウト部206を備える。また、画像投影装置100は、投影面情報取得部207、投影画素サイズ算出部208、画像補正部209、液晶パネル制御部210、液晶パネル211、光源制御部212、光源213、光学系制御部214及び投影光学系215を有する。
システム制御部200は、CPU(演算処理回路)、ROM、RAM、A/Dコンバータ及びD/Aコンバータ等を有する。システム制御部200においてCPUがROMに格納されたコンピュータプログラムをRAMに展開することにより画像投影装置100を構成する各部の動作が制御され、画像投影装置100での全体的な制御が実現される。画像入力部201は、入力画像、つまり、印刷物101上に投影する画像(映像)の画像データ、を受け付ける。画像データは、例えば、有線通信又は無線通信により、パーソナルコンピュータ、ファイルサーバ、クラウド上のストレージ等から画像入力部201へ入力される。なお、画像入力部201が、外部装置から入力画像を選択して取得するようにしてもよい。この場合、操作入力部202を介してユーザが入力画像を指定し、又は、印刷物メタデータ抽出部(不図示)が印刷物に付加されているメタデータを抽出することによって入力画像を特定する。また、画像入力部201がカメラ(不図示)を備え、カメラが印刷物101を撮影して取得した撮影画像を入力画像として使用する構成になっていてもよい。以下では、入力画像は静止画であるとして説明するが、動画であってもよい。
操作入力部202は、ユーザによる操作入力を受け付ける。ユーザは、操作入力部202を介して、印刷物101に重ね合わせる(重畳する)投影画像の画像データの指定、投影画像の輝度値、台形補正量、ズーム率等の動作の指定を行う。印刷物情報取得部203は、所定の投影面(画像投影先)に設置された印刷物101を検出するセンサであり、例えば、カメラが用いられる。印刷物情報取得部203は、具体的には、投影領域110と印刷物101の相対的な位置関係、印刷物101の大きさ、形状、枚数等を印刷物情報として取得する。なお、印刷物101を検出するために、印刷物101が設置されていない状態における投影面の画像を画像投影装置100の設置時等に予め取得しておくようにしてもよい。
表示位置制御部204は、印刷物情報取得部203が取得した印刷物情報に基づいて、入力画像(画像入力部201に入力された画像データの画像)を印刷物101に重ね合わせるように投影するための位置合わせ情報を生成する。位置合わせ情報とは、投影領域110を変更するためのレンズシフト量やレンズズーム率等の情報、投影領域110内での投影画像の位置を変更するための情報、拡縮率や変形率(台形補正等)等の入力画像を変形させる情報等である。拡縮/変形部205は、位置合わせ情報に含まれる拡縮率や変形率に基づいて入力画像を拡大又は縮小し或いは変形させる形状調整を行う。なお、入力画像の拡大や縮小には、バイキュービック等の一般的な方法を用いることができる。レイアウト部206は、拡縮/変形部205による形状調整後の画像を位置合わせ情報に含まれるレイアウト情報に基づいて投影領域110内の指定の位置に配置し、投影画像データを生成する。
投影面情報取得部207は、カメラ等のセンサで構成されており、投影面情報を取得する。投影面情報とは、投影画素サイズ算出部208が投影画像の画素サイズ(以下「投影画素サイズ」という)を算出するために必要な情報であり、具体的には、画像投影装置100から投影面までの距離(投影距離)等である。なお、投影面情報取得部207は、印刷物情報取得部203と一体に構成されていてもよい。
投影画素サイズ算出部208は、投影面情報取得部207が取得した投影面情報に基づき、投影画素サイズを算出する。投影画素サイズの算出方法については、図4を参照して後述する。画像補正部209は、投影画素サイズ算出部208が算出した投影画素サイズに基づいて、レイアウト部206から取得した投影画像データを補正する。なお、投影画像データを補正することによって、結果的に印刷物に重畳される投影画像が補正されることになるため、以下の説明では便宜的に、画像補正部209は投影画像を補正するとの表現を用いて説明を行うこととする。投影面情報取得部207、投影画素サイズ算出部208及び画像補正部209の動作の詳細については、図3を参照して後述する。
液晶パネル制御部210は、画像補正部209から出力される投影画像を投影光学系215から印刷物に対して投影するために、液晶パネル211の透過率を変調する電圧信号を生成する。液晶パネル211は、光源213から照射される光を液晶パネル制御部210から入力される電圧信号に基づく透過率で透過させることにより投影画像を投影面へ投影する。光源制御部212は、投影画像の階調値や操作入力部202を介したユーザ指示等に基づいて、光源213のオン/オフや光量制御を行う。光源213は、ハロゲンランプ(キセノンランプ)、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ等であり、制御値に基づいて液晶パネル211へ光を照射する。光学系制御部214は、表示位置制御部204から入力される位置合わせ情報や操作入力部202を介したユーザ指定に基づいて投影光学系215を制御する。投影光学系215は、複数のレンズ、レンズ駆動用のアクチュエータ等を備え、アクチュエータが制御値に基づいてレンズを駆動することにより、投影画像を拡大し又は縮小することができ、また、焦点位置をずらすことができる。
なお、システム制御部200、印刷物情報取得部203、表示位置制御部204、拡縮/変形部205及びレイアウト部206は、例えば、マイクロコンピュータ或いはASIC等の演算装置で構成されている。但し、これに限定されず、これらの各部は、ソフトウェア(プログラム)による実装とハードウェアによる実装のいずれも可能であり、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって実装されていてもよい。投影面情報取得部207、投影画素サイズ算出部208及び画像補正部209、液晶パネル制御部210、光源制御部212、光学系制御部214についても同様である。
ここで、投影画素サイズを算出し、算出された投影画素サイズに基づいて投影画像を補正する処理の詳細について説明する。図3は、投影面情報取得部207、投影画素サイズ算出部208及び画像補正部209が実行する処理のフローチャートである。図3のフローチャートの各処理は、システム制御部200が所定のプログラムを実行して、投影面情報取得部207、投影画素サイズ算出部208及び画像補正部209の動作を制御することにより実現される。
ステップS301では投影面情報取得部207が、投影面情報を取得し、取得した投影面情報から投影領域110の大きさ(面積)を算出する。本実施形態では、投影面情報取得部207は、投影面情報として、画像投影装置100(投影光学系215)から投影面までの距離(以下「投影距離」という)を、例えば赤外光を使用した測距センサ等を用いて取得する。そして、投影面情報取得部207は、取得した投影距離に基づき、投影領域110の大きさとして、投影領域110の水平方向と垂直方向の各辺の長さを算出する。
図4は、投影距離L1と投影領域110の水平方向における辺の長さの関係を説明する図である。投影面情報取得部207は、取得した投影距離L1と投影光学系215の水平画角θとから、三角関数によって投影領域110の水平方向の辺の長さを算出する。なお、投影距離L1と、液晶パネル211の水平方向の辺の長さDと、投影光学系215の焦点距離L2との相似関係から、投影領域110の水平方向の辺の長さを算出するようにしてもよい。投影領域110の垂直方向の辺の長さは、投影領域110の水平方向の辺の長さと同様に算出することができる。投影面情報取得部207は、こうして算出した投影領域110の大きさに関する情報を、投影面情報として投影画素サイズ算出部208に出力する。
ステップS302では投影画素サイズ算出部208が、投影面情報取得部207から取得した投影面情報に基づいて投影画素サイズを算出し、画像補正部209へ出力する。投影画素サイズ算出部208は、投影画素サイズとして、投影画像の1画素分の水平方向と垂直方向の各辺の長さを算出する。水平方向での投影画素サイズは、投影領域110の水平方向の辺の長さを液晶パネル211の水平方向画素数で除算することによって算出することができる。同様に、垂直方向での投影画素サイズは、投影領域110の垂直方向の辺の長さを液晶パネル211の垂直方向画素数で除算することによって算出される。
なお、投影領域110に対して各辺1つずつの投影画素サイズを算出する構成に限られず、投影領域110に含まれる画素ごとに投影画素サイズを計算するようにしてもよい。これは、画像投影装置100が印刷物101の正面に設置されていない場合等には、投影画素サイズが投影領域110内で均一でなくなることがあるからである。この場合、まず、画像投影装置100から投影領域110の上端、下端、左端、右端までの各距離を測定し、図4に示した相似関係から上辺、下辺、左辺、右辺の各長さを算出する。続いて、これら各辺の長さを水平画素数又は垂直画素数で除算することによって、投影領域の上端、下端、左端、右端の画素の大きさを算出する。最後に、端部以外の画素の大きさを、端部からの画素の距離に応じて端部の画素の大きさを用いて補間演算することによって算出する。これにより、投影画像の画素ごとの投影画素サイズを計算することができる。演算処理を簡略化するために、画素ごとではなく、複数の画素を集めた一定の領域を1単位として投影画素サイズを算出するようにしてもよい。
ステップS303では画像補正部209が、投影画素サイズ算出部208から取得した投影画素サイズに基づいて投影画像を補正する。本実施形態では、水平方向と垂直方向の投影画素サイズのうち大きい方の投影画素サイズに基づいて投影画像を補正する。画像補正部209は、投影画像を補正するために、まず、投影画素サイズに応じて投影画像を補正するためのゲインとオフセットを決定する。
図5は、画像補正部209がゲインを決定する際に使用する、投影画素サイズとゲインの関係を示す図であり、図5(a)は第1の例を、図5(b)は第2の例をそれぞれ示している。本実施形態では、投影画素サイズが大きいほど小さいゲインを使用する。つまり、投影画素サイズが大きいほど投影画像の最大輝度と最低輝度の差(コントラスト)が小さくなるようにする。画像補正部209は、決定したゲインに応じてオフセットを計算する。オフセット値は、ゲインを掛けた場合に全白の階調値が維持できるような値とする。なお、ゲインを掛けた場合に全黒の階調値を維持できるようにオフセット値を0(ゼロ)としてもよい。全白の階調値を維持した場合には印刷物を高い輝度値で表現することができ、全黒の階調値を維持した場合には印刷物の暗部の黒浮きを抑えた表現が可能となる。
続いて画像補正部209は、決定したゲインとオフセットを使用して投影画像の階調を補正する。図6は、投影画像の補正前(入力)と補正後(出力)の階調の関係の一例を示す図である。図6(a)は、ゲインが0.25、オフセットが3072の場合の例を、図6(b)は、ゲインが0、オフセットが4095の場合の例をそれぞれ示しており、いずれも階調値の小さい部分の階調値を大きくすることによってコントラストを小さくしている。ステップS303により本処理は終了する。
画像補正部209は、投影画素サイズが所定のサイズ閾値以上である場合に限って、投影画像の階調を補正するようにしてもよい。この場合、投影画素サイズにおける水平方向の辺の長さが所定の第1の閾値以上であるか否か及び垂直方向の辺の長さが第2の閾値以上であるか否かを判定し、いずれか一方の条件が満たされる場合にのみ、投影画像の階調を補正するようにする。第1の閾値と第2の閾値は同じであってもよいし、異なる値であってもよい。なお、図5(b)を用いてゲインを決定する場合、投影画素サイズが予め定められたサイズ閾値未満である場合にはゲインは1となる。よって、投影画素サイズが所定のサイズ閾値以上である場合に限って投影画像の階調を補正するようにした場合であっても、投影画素サイズがサイズ閾値未満である場合には実質的に階調補正処理は行われないことになる。
画像補正部209での演算処理を簡略化(演算負荷を軽減)するために、投影画素サイズが所定のサイズ閾値未満である場合にはゲインを1とし、所定のサイズ閾値以上である場合はゲインを0.5とするというように固定値を用いるようにしてもよい。また、投影画素サイズを画素ごとや複数の画素を集めた一定の領域ごとに算出している場合には、画像補正部209による補正処理も画素ごとや一定の領域ごとに行うようにしてもよい。画像補正部209は、ゲインとオフセットによる図6に示したような線形補正ではなく、予め実験的に求めた階調補正テーブルを使用した非線形補正により投影画像の階調を補正するものであってもよい。
図3のフローチャートに従う処理によって投影画像を補正し、補正された投影画像を印刷物へ重ね合わせることにより、印刷物の階調性や解像感の低下を抑制することができる。その理由について、図7乃至図9を参照して、以下に説明する。なお、図7乃至図9において印刷物は実質的に同じものであり、よって、図8及び図9において図7と共通する要素については図7での符号を用いる。
図7は、印刷物770に対して、印刷物770に形成された印刷画像に近い階調分布を持つ投影画像780を重ね合わせた比較例(以下の図8及び図9の実施例に対する従来例)を説明する図である。投影画像780には、画像補正部209による階調補正処理は施されていない。投影画像780は、例えば、印刷物770に重ね合わされる位置にある画素の階調値に、印刷物770の画素の階調値の平均値を用いる等して作成することができる。図8は、図6(a)にしたがって投影画像780を階調補正した投影画像880を印刷物770上に重ね合わせた実施例1を説明する図である。図9は、図6(b)にしたがって投影画像780を階調補正した投影画像980を印刷物770上に重ね合わせた実施例2を説明する図である。
図7(a)、図8(a)及び図9(a)は同じ図であり、印刷物770のNライン目のデータの水平方向の階調の分布を模式的に示す図である。図7(b)、図8(b)及び図9(b)はそれぞれ、印刷物770のNライン目の位置に重畳される投影画像780,880,980の水平方向の階調の分布を模式的に示す図である。ここでは、投影画素サイズは、印刷物770の画素サイズの3倍の大きさである場合を例示している。図7(c)、図8(c)及び図9(c)はそれぞれ、印刷物770に投影画像780,880,980が投影されて形成された重畳画像790,890,990におけるNライン目の水平方向の表示輝度の分布を模式的に示す図である。ここで、重畳画像の表示輝度は、下記式1により表される。
Figure 2018159839
上記式1において、投影光量の単位にはルーメン[lm]が用いられ、投影領域面積には、例えば、平方メートル[m]が用いられる。液晶パネル211は投影画像の階調値に応じた透過率で投影光を透過させるように制御されることから、投影光量は投影画像の階調値に比例した値となる。また、反射率は、印刷物に投影されるために、印刷物の反射率となり、よって、印刷物の階調値に比例した値となる。したがって、図7(c)、図8(c)及び図9(c)に示すそれぞれの重畳画像790,890,990のそれぞれの輝度分布は、投影画像780,880,980の階調値と印刷物770の階調値との積に比例する値を反映する。
投影画像のコントラストが小さくなるように階調補正を行った場合、上記式1における投影光量のレンジが狭まる。その結果、投影画像が重畳画像の表示輝度へ与える影響が小さくなり、印刷物の階調(反射率)による影響が相対的に大きくなる。そこで、本実施形態では、投影画素サイズが重畳画像の階調性や解像感に影響を与えるおそれがある場合に、重畳画像の表示輝度に対する投影画像の影響度を小さくすることで、印刷物の影響を大きくする。投影画素サイズが大きくなるほど印刷物の階調性や解像感の低下が生じてしまう可能性が高くなるため、本実施形態では図5に示したように、投影画素サイズが大きくなるとゲインを小さくするようにしている。
以上を踏まえ、まず、図7について詳細に説明する。印刷物770では、画素701が最暗部となっている。一方、投影画像780では、画素701とは異なる位置にある画素708が最暗部となっている。これは、印刷物770における画素701〜703の平均階調値よりも、画素704〜706の平均階調値の方が小さいためである。その結果、重畳画像790の表示輝度では、印刷物770における最暗部である画素701の位置が最暗部になるとは限らない。つまり、印刷物770における階調の大小関係が崩れるおそれがあり、重畳画像790では、画素701と同じ位置にある画素709ではなく、異なる位置にある画素710が最暗部となっている。
また、印刷物770では画素703と画素704の階調値は同じであるが、投影画像780の階調分布では画素703と同じ位置ある画素707と、画素704と同じ位置にある画素708とで階調値が異なっている。その結果、重畳画像790の表示輝度では、印刷物770において階調値が同じだった画素703,704に対応する画素711,712に階調差が生じている。つまり、印刷物770においてエッジ(階調差)がなかった部分にエッジが生じることになる。このように印刷物770の階調に近い階調の投影画像780を印刷物770に重畳した重畳画像790では、印刷物770の階調の大小関係が逆転するおそれがあり、また、印刷物770においてエッジがない部分にエッジが生じてしまうおそれがある。
続いて、図8について説明する。印刷物770では、画素701が最暗部となっている。また、投影画像880の階調分布では、画素701とは異なる位置にある画素808が最暗部となっている。但し、投影画像880における画素807と画素808の階調値の差は、投影画像780における画素707と画素708の階調値の差よりも小さい。これは、図6(a)に示したように、投影画像のコントラストを小さくするような補正を行っているためである。その結果、重畳画像890の表示輝度において、印刷物770における階調の大小関係が逆転してしまうことを抑制し、仮に逆転が生じてしまう場合であっても、その程度を軽減することが可能になる。なお、重畳画像890では、階調の大小関係の逆転が防止されている例として、画素701と同じ位置にある画素809が最暗部となっている場合を例示している。
また、印刷物770において、画素703と画素704の階調値は同じである。これに対して、投影画像880の階調分布では、画素703と同じ位置ある画素807と、画素704と同じ位置ある画素808の階調値は異なっている。但し、投影画像880における画素807と画素808の階調値の差は、投影画像780の画素707と画素708の階調値の差よりも小さい。そのため、重畳画像790において画素703,704に対応する画素810,811の階調差は、画素711,712の階調差よりも小さくなっている。つまり、印刷物770においてエッジがなかった部分に生じるエッジを軽減することが可能となっている。このように投影画像の階調補正を行うことで、重畳画像で印刷物における階調の大小関係が逆転することや印刷物においてエッジがない部分に重畳画像でエッジが生じることを抑制することができる。
続いて、図9について説明する。印刷物770では、画素701が最暗部となっている。一方、投影画像980では、全画素の階調値を揃えている。これは、図6(b)に示したように、投影画像のコントラストを1:1とする補正を行っているためである。その結果、重畳画像990でも画素701と同じ位置にある画素909が最暗部となっている。つまり、重畳画像990の表示輝度において、印刷物770における階調の大小関係の逆転してしまうことが防止されている。
また、印刷物770において画素703と画素704の階調値は同じであり、投影画像980において画素703と同じ位置ある画素907と画素704と同じ位置ある画素908とで階調値は同じである。そのため、重畳画像990において画素703,704に対応する画素910,911の階調値も同じとなっている。つまり、印刷物770においてエッジがない部分に重畳画像990でエッジが生じてしまうことが防止されている。
以上の説明の通り、本実施形態に係る図8及び図9に示す画像投影を行うことにより、印刷物における階調の大小関係が重畳画像で逆転することや印刷物においてエッジがない部分に重畳画像でエッジが生じることを抑制又は防止することができる。つまり、印刷物に画像を投影した際に、印刷物の階調性や解像感が低下してしまうことを抑制することができる。また、重畳画像のコントラストは、実施例1(図8)では印刷物だけの場合よりも高められており、実施例2(図9)では印刷物だけの場合と同等のコントラストが維持されている。また、表示輝度の絶対値については、実施例1及び実施例2のいずれの場合でも、投影画像によって上記式1における投影光量が増加するので、印刷物単体よりも高い表示輝度とすることができる。このように本実施形態によれば、印刷物に画像を投影することによる印刷物のコントラスト向上効果や印刷物の表示輝度の向上という効果を維持しながら、印刷物よりも階調性や解像感が低下した重畳画像となってしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、印刷物の表面側から画像を投影する構成について説明したが、印刷物の背面側から画像を投影する構成であっても構わない。また、本実施形態では、投影領域の大きさを画素数で除算することによって算出する画素サイズを使用したが、これに代えて、画素数を投影領域の大きさで除算することによって算出される画素密度を使用しても構わない。投影領域の大きさを一定とした場合、投影画素サイズが大きくなれば画素密度は小さくなる。よって、画素密度が小さくなる場合の処理に、投影画素サイズが大きくなる場合の処理を適用すればよい。その際に、画素密度に所定の密度閾値を設け、投影画像の画素密度が所定の密度閾値未満である場合にのみ、投影画像の階調補正を行うようにしてもよい。複数の画素を集めた一定の領域を1単位として投影画像の画素密度を算出している場合、画像補正部209による補正処理も一定の領域ごとに行ってもよい。
また、本実施形態では、画像投影装置100から印刷物(投影面)までの距離(投影距離L1)を取得することによって投影画素サイズを算出した。これに代えて、投影面情報取得部207を構成するカメラによって、直接、投影画像を撮影して投影画素サイズを算出しても構わない。また、投影画素サイズを算出せず、投影距離L1や投影光学系215の水平画角θのみに基づいて投影画像の階調を補正してもよく、これにより演算負荷を軽減することができる。その場合、投影距離L1又は水平画角θが予め定められたそれぞれの閾値以上の場合に投影画像の階調を補正し、又は、投影距離L1に応じたゲインを使用して投影画像の階調を補正すればよい。具体的には、投影距離L1が長くなるほど、また、水平画角θが大きくなるほど、投影画像のコントラストが小さくなるように投影画像の階調を補正すればよい。
ところで、本実施形態では、投影面情報取得部207、投影画素サイズ算出部208及び画像補正部209のすべてが画像投影装置100に搭載された構成としたが、一部又は全部がパーソナルコンピュータ等の演算装置(不図示)に搭載されていてもよい。この場合、画像投影装置100と演算装置との間で、シリアル通信等の汎用通信や各種の画像インタフェース規格でサポートされる通信を介して必要な情報の送受信が可能な構成とすればよい。例えば、投影面情報取得部207が画像投影装置100にあり、投影画素サイズ算出部208と画像補正部209が演算装置に搭載されている場合には、以下のように動作する。すなわち、画像投影装置100の投影面情報取得部207が、投影距離(画像投影装置100と投影面までの距離)を取得する。続いて、演算装置が通信を介して画像投影装置100から投影距離に関する情報を取得する。その後、演算装置内の投影画素サイズ算出部208と画像補正部209が、ステップS302,S303の処理を行って階調補正された投影画像を生成し、生成した投影画像を画像投影装置100へ出力する。
<第2実施形態>
本実施形態では、投影画像の画素の大きさと印刷物に形成された印刷画像の画素の大きさに応じて投影画像を補正する構成について説明する。図10は、第2実施形態に係る画像投影装置1000の概略構成を示すブロック図である。なお、画像投影装置1000の構成要素であって、第1実施形態に係る画像投影装置100の構成要素と同じ機能を有する要素については、同じ符号を付して重複する説明を省略する。
画像投影装置1000は、印刷面情報取得部1001、印刷画素サイズ算出部1002及び画像補正部1003を備える。印刷面情報取得部1001は、印刷物の印刷面(印刷画像が形成されている面)に関する情報(以下「印刷面情報」という)を取得する。印刷画素サイズ算出部1002は、印刷面情報取得部1001取得した印刷面情報から、印刷画像の画素サイズ(以下「印刷画素サイズ」という)を算出する。画像補正部1003は、投影画素サイズ算出部208が算出した投影画素サイズと印刷画素サイズ算出部1002が算出した印刷画素サイズに基づいて投影画像を補正する。
図11は、画像投影装置1000での投影画像の補正処理を説明するフローチャートである。図11のフローチャートの各処理は、システム制御部200が投影面情報取得部207、投影画素サイズ算出部208、印刷面情報取得部1001、印刷画素サイズ算出部1002及び画像補正部1003の動作を制御することにより実現される。
最初に、図3のフローチャートに示したステップS301,S302の処理と同じ処理が実行される。これらの処理については説明済みであるため、ここでの説明を省略する。続くステップS1101では、印刷面情報取得部1001が、印刷物101の印刷面情報を取得する。ここでは、印刷面情報取得部1001は、操作入力部202と一体に構成されており、リモコンや携帯情報端末等を介したユーザ操作によって入力される印刷面情報を取得するものとする。例えば、印刷面情報取得部1001は、「300ppiで印刷された印刷物である」というユーザ入力から印刷物情報を取得する。
ステップS1102では、印刷画素サイズ算出部1002が、印刷面情報から印刷画素サイズを算出する。具体的には、印刷面情報取得部1001が取得した「300ppiで印刷された印刷物である」という印刷物情報から、印刷物を構成する画素の一辺の長さを印刷画素サイズとして算出する。
ステップS1103では、画像補正部1003が、ステップS302で算出された投影画素サイズをステップS1102で算出された印刷画素サイズで除算することで、投影画素サイズの印刷画素サイズに対する相対的な大きさ(相対値)を算出する。続いて、ステップS1104において画像補正部1003は、ステップS1103で算出した画素サイズの相対値に応じて投影画像を補正する。このとき、第1実施形態での画像補正部209での階調補正処理と同様に、画素サイズの相対値が大きくなるほど投影画像のコントラストが小さくなるように投影画像を補正する。本処理は終了となる。
なお、ステップS1104の補正処理は、第1実施形態の場合と同様に、画素サイズの相対値が所定の閾値以上である場合に限って行うようにしてもよい。この場合、画素サイズの相対値が閾値以上であるか否かを判定する処理を追加で行うか又は図5(b)に示したようなグラフから階調補正処理に用いるゲインを決定すればよい。また、第1実施形態での変形例と同様に、画素サイズの相対値に代えて、画素密度の相対値を用いて画像補正部1003での補正処理を行うようにしてもよい。この場合、画素密度の相対値が小さくなるほど、投影画像のコントラストが小さくなるように投影画像を補正する。ここで、画素密度の相対値が所定の閾値未満である場合に限って、画像補正部1003での補正処理を行うようにしてもよい。
以上の説明の通り、本実施形態によれば、印刷画素サイズに対する投影画素サイズの相対的な大きさに基づいて階調補正を行う。これにより、印刷画素サイズが極めて小さい場合に補正強度を高めることが可能になり、また、印刷画素サイズが小さくない場合に冗長な補正を行わないようにすることが可能になる。つまり、印刷画像と投影画像の組み合わせに応じた適切な階調補正を行って、コントラストの向上や表示輝度の向上という効果を得ながら、階調性や解像感が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、ユーザ入力に基づく印刷面情報を取得して印刷画素サイズを算出する構成に代えて、例えば、印刷画素サイズとして予め定めた固定値を使用するようにしてもよい。これは、図1に示した構成のように印刷物への画像投影を行う場合に用いられる印刷物は高品質で印刷される可能性が高いと考えられるため、取り得る画素密度の範囲もある程度限定できるからである。或いは、印刷物の大きさと印刷解像度(ppi)の間には統計的に相関性があることなどを考慮して、印刷物の大きさ(面積や辺の長さ)に関する情報に基づいて印刷画素サイズを推測するようにしてもよい。この場合、印刷物情報取得部203が印刷物を検出する際に、印刷物の大きさを合わせて取得するようにすればよい。
印刷物を撮影可能なカメラで印刷面情報取得部1001を構成し、印刷物の撮影画像から印刷画素サイズ算出部1002が印刷画素サイズを算出するようにしてもよい。この場合、印刷面情報取得部1001は、想定される印刷物の画素密度(300ppi等)に対して十分な分解能で印刷物を撮影し、その際、必要に応じて印刷物の部分的な領域ごとに順次撮影を行う。そして、印刷画素サイズ算出部1002が、撮影画像のエッジ成分を解析し、印刷物の画素サイズを推測する。例えば、25μm×25μmの分解能で撮影した撮影画像において、最短でも4画素周期でしかエッジ成分が存在しない場合には、印刷物の画素サイズは概ね100μm×100μmサイズ(254ppi相当)であると推測することができる。
印刷画素サイズ等の印刷情報を埋め込んだメタデータを印刷物に付加しておき、そのメタデータを印刷面情報取得部1001が検出して解析するようにしてもよい。なお、メタデータは可視パターンであってもよいし、特殊なカメラによってのみ検出可能な不可視パターンであってもよい。また、メタデータには、印刷画素サイズの他に、投影画像を特定するための情報等が含まれていてもよい。
<第3実施形態>
本実施形態では、投影画像を構成する画素の大きさと印刷物に形成された印刷画像の特徴に応じて投影画像を補正する構成について説明する。図12は、第3実施形態に係る画像投影装置1200の概略構成を示すブロック図である。なお、画像投影装置1200の構成要素であって、第1実施形態に係る画像投影装置100の構成要素と同じ機能を有する要素については、同じ符号を付して重複する説明は省略する。
画像投影装置1200は、印刷画像データ取得部1201、印刷画像データ解析部1202及び画像補正部1203を備える。印刷画像データ取得部1201は、印刷物に形成されている印刷画像の画像データ(以下「印刷画像データ」という)を取得する。印刷画像データ解析部1202は、印刷画像データ取得部1201が取得した印刷画像データの特徴を解析する。画像補正部1203は、投影画素サイズ算出部208が算出した投影画素のサイズに基づいて投影画像を補正し、その際に、印刷画像データ解析部1202が解析した印刷画像データの特徴に基づいて補正閾値や補正強度を調整する。
図13は、画像投影装置1200での投影画像の補正処理を説明するフローチャートである。図13のフローチャートの各処理は、システム制御部200が投影面情報取得部207、投影画素サイズ算出部208、印刷画像データ取得部1201、印刷画像データ解析部1202及び画像補正部1203の動作を制御することにより実現される。
最初に、図3のフローチャートに示したステップS301,S302の処理と同じ処理が実行される。これらの処理については説明済みであるため、ここでの説明を省略する。続くステップS1301では、印刷画像データ取得部1201が、印刷物の印刷画像データを取得する。例えば、印刷画像データ取得部1201は、カメラ等のセンサで構成されており、印刷物を撮影することによって印刷画像データを取得する。続くステップS1302では、印刷画像データ解析部1202が、ステップS1301で取得された印刷画像データの特徴を解析する。例えば、印刷画像データの空間周波数を解析することにより、印刷画像データに含まれる高周波成分の量を取得する。
印刷画像に高周波成分が多いということは、例えば、図7(a)に示したような印刷物770の階調分布において1画素単位又は2画素単位といった細かい画素単位での階調値の変化が多いということを意味する。印刷画素サイズに対して投影画素サイズが大きい状態では、細かい画素単位での階調変化を重畳画像で表現することは困難である。つまり、印刷画像に高周波成分が多い場合には、投影画素サイズが大きい投影画像を重ね合わせると、階調性や解像感の低下が生じる領域が多くなる。
本実施形態ではこのような問題を回避するために、ステップS1303において画像補正部1203が、印刷画像データ解析部1202が解析した印刷画像データの特徴に基づいて、投影画像を補正するための補正係数としてのゲイン補正係数を決定する。具体的には、印刷画像の高周波成分が多くなるほどコントラストを小さくするようなゲイン補正係数を、予め準備されたルックアップテーブル等を使用して決定する。そして、ステップS1304において画像補正部1203は、まず、図5(a)又は(b)を用いて決定したゲインをステップS1303で決定したゲイン補正係数を使用して補正する。そして、画像補正部1203は、画像補正部209での階調補正処理と同様に、補正済みのゲインを用いてオフセット値を算出して投影画像の階調を補正する。これにより、本処理は終了となる。
以上の説明の通り、本実施形態によれば、印刷画像データの特徴に基づいて投影画像を補正するためのゲインを補正する補正係数を調整する。これにより、第1実施形態と同様に、印刷画像に投影画像を重ね合わせることによる階調性や解像感の低下を抑制することができる。また、階調性や解像感の低下が顕著になる場合に補正強度を高めることや、階調性や解像感の低下が目立たない場合に冗長な補正を行わないようにすることができる。
なお、投影画素サイズが所定の閾値以上である場合に限って補正処理を行うようにしてもよい。この場合には、所定の閾値を補正係数によって補正し、その際に印刷画像に高周波成分が多く含まれるほど補正が掛かりやすくなる(所定の閾値を小さくする)ように補正係数を決定すればよい。また、本実施形態では、印刷物(印刷画像)を撮影することによって印刷画像データを取得したが、印刷画像データの取得方法はこれに限定されるものではない。例えば、印刷物に印刷画像データを特定するための情報を含むメタデータが付加されている場合、そのメタデータを使用し、シリアル通信等の汎用通信を介して外部装置等から印刷画像データを取得するようにしてもよい。また、印刷画像の特徴が可視又は不可視のメタデータとして印刷物に付加されている場合には、そのメタデータを印刷画像データ取得部1201が備えるカメラで抽出し、印刷画像データ解析部1202で解析するようにしてもよい。
本実施形態では、印刷画像データの特徴としての高周波成分の量に基づいて補正係数を決定したが、別の特徴に基づいて補正係数を決定してもよい。例えば、印刷画像の画像データから印刷画像の平均輝度値を取得し、印刷画像の平均輝度値が大きいほど投影画像の平均輝度値が小さくなるように投影画像を補正してもよい。これに対して、印刷画像のコントラスト情報を抽出し、抽出した印刷画像のコントラストが大きくなるほど投影画像のコントラストが小さくなるように投影画像を補正してもよい。
印刷画像データの特徴に基づいて補正係数を決定する方法に代えて、投影画像の画像データの特徴に基づいて補正係数を決定するようにしてもよい。投影画素サイズが大きい状態で、エッジ成分を多く含む投影画像を印刷物上に重畳してしまうと、印刷物において解像感が損なわれてしまう領域が多くなってしまう。そこで、このような問題が生じないように、投影画像の画像データに含まれる高周波成分の量を取得し、高周波成分が多くなるほどコントラストを小さくするようにゲインを補正してもよい。
また、投影画像の最大階調値と最小階調値の差が小さい場合に、補正処理の強度を弱める調整又は補正処理を行うか否かの所定の閾値を高める調整を行うようにしてもよい。これは、投影画像の最大階調値と最小階調値の差が小さい場合、印刷物上に投影画像を重ね合わせることによる階調性や解像感の低下の程度が少なくなるためである。なお、印刷画像データではなく投影画像の画像データの特徴に基づいて補正係数を決定する場合は、印刷画像データを取得する必要がないため、その処理を省略することができ、画像投影装置1200内での演算負荷を軽減することができる。
<その他の実施形態>
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。更に、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100,1000,1200 画像投影装置
200 システム制御部
203 印刷物情報取得部
207 投影面情報取得部
208 投影画素サイズ算出部
209,1003,1203 画像補正部
215 投影光学系
1001 印刷面情報取得部
1002 印刷画素サイズ算出部
1201 印刷画像データ取得部
1202 印刷画像データ解析部

Claims (16)

  1. 投影面に設置された印刷物に投影画像を重ね合わせる投影手段と、
    前記投影面の情報を取得する取得手段と、
    前記投影面の情報から前記投影面における前記投影画像の画素の大きさまたは画素密度を算出する算出手段と、
    前記投影画像の画素の大きさが大きくなるほど前記投影画像のコントラストが小さくなるようにまたは前記投影画像の画素密度が小さくなるほど前記投影画像のコントラストが小さくなるように前記投影画像を補正する補正手段と、を備えることを特徴とする画像投影装置。
  2. 前記補正手段は、前記投影画像の画素の大きさが所定のサイズ閾値以上である場合または前記投影画像の画素密度が所定の密度閾値未満である場合に前記補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像投影装置。
  3. 前記算出手段は、複数の画素を集めた一定の領域を1単位として前記投影画像の画素の大きさまたは前記投影画像の画素密度を算出し、
    前記補正手段は、前記一定の領域ごとに前記補正を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像投影装置。
  4. 前記印刷物に形成された印刷画像の高周波成分または平均輝度値またはコントラストを検出する検出手段を備え、
    前記補正手段は、前記印刷画像の高周波成分が大きくなるほど前記投影画像のコントラストが小さくなるように、または、前記印刷画像の平均輝度値が大きくなるほど前記投影画像の平均輝度値が小さくなるように、または、前記印刷画像のコントラストが大きくなるほど前記投影画像のコントラストが小さくなるように前記補正を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像投影装置。
  5. 前記投影画像の高周波成分を検出する検出手段を備え、
    前記補正手段は、前記投影画像の高周波成分が大きくなるほど前記投影画像のコントラストが小さくなるように前記投影画像を補正することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像投影装置。
  6. 投影面に設置された印刷物に投影画像を重ね合わせる投影手段と、
    前記投影手段から前記投影面までの投影距離を検出する検出手段と、
    前記投影距離が長いほど前記投影画像のコントラストが小さくなるように前記投影画像を補正する補正手段と、を備えることを特徴とする画像投影装置。
  7. 前記補正手段は、前記投影距離が所定の閾値以上である場合に前記補正を行うことを特徴とする請求項6に記載の画像投影装置。
  8. 投影面に設置された印刷物に投影画像を重ね合わせる投影手段と、
    前記印刷物に形成された印刷画像の画素サイズと前記投影画像の画素サイズまたは前記印刷画像の画素密度と前記投影画像の画素密度を検出する検出手段と、
    前記投影画像の画素サイズを前記印刷画像の画素サイズで除した画素サイズの相対値または前記投影画像の画素密度を前記印刷画像の画素密度で除した画素密度の相対値を算出する算出手段と、
    前記画素サイズの相対値が大きくなるほど前記投影画像のコントラストが小さくなるようにまたは前記画素密度の相対値が小さくなるほど前記投影画像のコントラストが小さくなるように前記投影画像を補正する補正手段と、を備えることを特徴とする画像投影装置。
  9. 前記補正手段は、前記画素サイズの相対値が所定の閾値以上の場合または前記画素密度が所定の閾値未満の場合に、前記補正を行うことを特徴とする請求項8に記載の画像投影装置。
  10. 前記補正手段は、前記投影画像のすべての画素の階調値を揃える補正を行うことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像投影装置。
  11. 前記補正手段は、前記投影画像における階調値の小さい部分の階調値を大きくすることによって前記投影画像のコントラストを小さくすることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像投影装置。
  12. 画像投影装置の制御方法であって、
    画像が投影される投影面の情報を取得するステップと、
    前記投影面に投影された投影画像の画素の大きさまたは画素密度を前記投影面の情報から算出するステップと、
    前記投影画像の画素の大きさが大きくなるほど前記投影画像のコントラストが小さくなるようにまたは前記投影画像の画素密度が小さくなるほど前記投影画像のコントラストが小さくなるように前記投影画像を補正するステップと、
    前記補正された投影画像を前記投影面に設置された印刷物に投影するステップと、を有することを特徴とする画像投影装置の制御方法。
  13. 画像投影装置の制御方法であって、
    画像が投影される投影面までの投影距離を検出するステップと、
    前記投影距離が長いほど前記画像投影装置から投影する画像のコントラストが小さくなるように該画像を補正する補正手段と、
    前記補正された画像を前記投影面に設置された印刷物に投影するステップと、を有することを特徴とする画像投影装置の制御方法。
  14. 印刷物に投影画像を重ね合わせる画像投影装置の制御方法であって、
    前記印刷物に形成された印刷画像の画素サイズと前記投影画像の画素サイズまたは前記印刷画像の画素密度と前記投影画像の画素密度を検出するステップと、
    前記投影画像の画素サイズを前記印刷画像の画素サイズで除した画素サイズの相対値または前記投影画像の画素密度を前記印刷画像の画素密度で除した画素密度の相対値を算出するステップと、
    前記画素サイズの相対値が大きくなるほど前記投影画像のコントラストが小さくなるようにまたは前記画素密度の相対値が小さくなるほど前記投影画像のコントラストが小さくなるように前記投影画像を補正するステップと、
    前記補正された投影画像を前記印刷物に投影するステップと、を有することを特徴とする画像投影装置の制御方法。
  15. 請求項12乃至14のいずれか1項に記載の画像投影装置の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  16. 請求項12乃至14のいずれか1項に記載の画像投影装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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