JP2018159436A - 作業機械の油圧駆動装置 - Google Patents

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Hideo Yoshihara
秀雄 吉原
貴幸 伊賀上
Takayuki Igaue
貴幸 伊賀上
菅野 直紀
Naoki Sugano
直紀 菅野
孝夫 南條
Takao Nanjo
孝夫 南條
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Abstract

【課題】作業機械のエンジンの出力トルクに余剰がある場合に大きなエネルギーを迅速に回収することが可能な油圧駆動装置を提供する。【解決手段】油圧駆動装置は、エンジン10により駆動されるメインポンプ11,12と、駆動対象を動かす油圧アクチュエータ7と、エンジン10により駆動される蓄圧ポンプ14と、蓄圧ポンプ14からの作動油を受け入れるアキュムレータ15と、油圧アクチュエータ7からの排出油による回生トルクを生成してエンジン10の出力軸に加える回生モータ16と、エンジン余剰トルクを演算する余剰トルク演算部と、回生トルクを検出する回生トルク検出部と、エンジン余剰トルク及び回生トルクを考慮してアキュムレータ15を蓄圧するための蓄圧ポンプ14の容量である蓄圧ポンプ容量を演算するポンプ容量演算部と、蓄圧ポンプ14の容量を演算された蓄圧ポンプ容量に調節するポンプ制御部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、油圧ショベル等の作業機械に設けられて当該作業機械に含まれる駆動対象を油圧により駆動する装置に関する。
従来、作業機械に設けられる油圧駆動装置として、当該作業機械に搭載されるエンジンにより駆動され、これにより作動油を吐出する油圧ポンプと、当該油圧ポンプからの作動油の供給を受けて前記作業機械に含まれる駆動対象(例えばブーム)を動かす油圧アクチュエータと、を備えたものが一般に知られている。
前記作業機械では、前記エンジンが出力するトルクに対して前記駆動対象の負荷が軽い場合、そのトルクの余剰分をエネルギーとして回収することが、当該エンジンの効率的な運転を可能にする。そのための手段として、特許文献1は、いわゆる油圧ポンプモータと、蓄圧器であるアキュムレータと、の組み合わせを用いた技術を開示する。前記油圧ポンプモータは、ポンプ機能とモータ機能を併有し、エンジンの出力トルクに余剰がある場合はその余剰トルクによって駆動されることにより作動油を吐出する油圧ポンプとして機能し、当該作動油の吐出によってアキュムレータの蓄圧を行う一方、前記エンジンの出力トルクに対して駆動負荷が大きい場合に、前記アキュムレータからの作動油の供給を受けて駆動されることによりトルクを生成する油圧モータとして機能し、その生成したトルクによって前記エンジンのアシストを行う。
特開2010−121373号公報(図12)
前記のようにエンジンの出力トルクに余剰がある場合、なるべく大きなエネルギーを迅速に回収することが望まれる。しかし、当該エンジンの余剰トルクには限りがあり、よって回収エネルギーの大きさ及び回収速度にも限界がある。
本発明は、エンジンを搭載する作業機械に設けられる油圧駆動装置であって、前記エンジンの出力トルクに余剰がある場合に大きなエネルギーを迅速に回収することが可能な装置を提供することを目的とする。
提供されるのは、エンジンが搭載された作業機械に設けられて当該作業機械に含まれる駆動対象を油圧により駆動する油圧駆動装置であって、前記エンジンの出力軸に連結され、当該エンジンにより駆動されることにより作動油を吐出するメインポンプと、前記メインポンプにより吐出される作動油の供給を受けることにより前記駆動対象を動かすように作動しながら作動油を排出する油圧アクチュエータと、可変容量型の油圧ポンプからなり、前記エンジンの出力軸に連結されて当該エンジンにより駆動されることにより蓄圧用の作動油を吐出する蓄圧ポンプと、前記蓄圧ポンプが吐出する作動油を受け入れて蓄圧することが可能なアキュムレータと、前記エンジンの出力軸に連結され、前記駆動対象に作用する外力によるエネルギーであって前記油圧アクチュエータから排出される作動油である排出油を増量するエネルギーが存在する場合に当該排出油の供給を受けて回生トルクを生成し当該回生トルクを前記エンジンの出力軸に加える回生モータと、前記アキュムレータに蓄えられる圧力であるアキュムレータ圧を検出するアキュムレータ圧検出器と、前記エンジンの出力トルクの上限と前記駆動対象の駆動負荷に応じて前記メインポンプが要求するポンプ要求トルクとの差であるエンジン余剰トルクを演算する余剰トルク演算部と、前記回生トルクを検出する回生トルク検出部と、前記エンジン余剰トルクが存在する場合に前記蓄圧ポンプから吐出される作動油によって前記アキュムレータを蓄圧するための当該蓄圧ポンプの容量である蓄圧ポンプ容量を前記アキュムレータ圧に基いて演算するポンプ容量演算部と、前記蓄圧ポンプの実際の容量を前記ポンプ容量演算部により演算された前記蓄圧ポンプ容量に調節するポンプ制御部と、を備え、前記ポンプ容量演算部は前記エンジン余剰トルクと前記回生トルクとの双方を考慮した蓄圧ポンプ容量を演算する。
この装置によれば、駆動負荷が軽くてエンジン余剰トルクが存在する場合にそのエンジン余剰トルクを利用したアキュムレータでの蓄圧が可能であるのに加え、前記駆動対象が保有するエネルギーを利用してより大きなエネルギーをより迅速に回収することが可能である。具体的に、前記駆動対象に作用する外力(前記油圧アクチュエータによる力以外の力)によるエネルギーであって前記油圧アクチュエータからの排出油を増量する(「増量」は0からの生成も含む。)エネルギーとして回生可能なエネルギーが存在する場合に当該作動油の供給を受けて回生モータが回生トルクを生成して当該回生トルクを前記エンジンの出力軸に加えるとともに、ポンプ容量演算部が前記エンジン余剰トルクに加えて前記回生トルクを加味した蓄圧ポンプ容量を演算し、その演算された蓄圧ポンプ容量に基いてポンプ制御部が実際の蓄圧ポンプのポンプ容量を調節する。これらのことは、前記アキュムレータに前記エンジン余剰トルクに対応するエネルギーに加えて前記回生トルクに対応するエネルギーが前記蓄圧ポンプを通じて迅速に蓄えられることを可能にする。
前記駆動対象に作用する外力であって当該外力によるエネルギーを回収可能なものとしては、例えば、前記駆動対象(作業アタッチメントのブームなど)に作用する重力が挙げられる。
この場合、前記回生トルク検出部は、例えば、前記駆動対象を下向きに動かすように前記油圧アクチュエータが作動しているときに当該油圧アクチュエータから排出される作動油の圧力であるアクチュエータ排出圧を検出する排出圧検出器と、前記駆動対象を下向きに動かすように前記油圧アクチュエータが作動している場合にのみ前記アクチュエータ排出圧と前記回生モータの容量とに基いて前記回生トルクを演算し、それ以外の場合には当該回生トルクが0であると判定する回生トルク演算部と、を含むものが、好適である。
さらに、前記回生トルク検出部は、前記駆動対象を下向きに動かすように前記油圧アクチュエータが作動しているときに当該油圧アクチュエータの入口に導入される作動油の圧力であるアクチュエータ入口圧を検出する入口圧検出器を含み、前記駆動対象を下向きに動かすように前記油圧アクチュエータが作動している場合であっても前記入口圧検出器により検出される前記アクチュエータ入口圧が予め設定された回生上限圧以上である場合には前記回生トルクが0であると判定することが、好ましい。このことは、前記油圧アクチュエータが前記駆動対象に作用する自重によって、あるいは助けられて、動いているのではなく専ら当該油圧アクチュエータへの作動油の供給によって動いている場合にまで前記回生トルクが演算されることによるエンジンの過度の負担を防ぐことができる。
前記駆動対象に作用する外力であって当該外力によるエネルギーを回収可能なものとしては、あるいは、前記駆動対象(例えば上部旋回体)に作用する旋回方向の慣性力が挙げられる。
この場合、前記回生トルク検出部は、例えば、前記油圧アクチュエータから排出される作動油の圧力であるアクチュエータ排出圧を検出する排出圧検出器を含み、前記メインポンプから前記油圧アクチュエータへの作動油の供給を停止させる操作が行われているにもかかわらず前記駆動対象が動いている場合にのみ前記アクチュエータ排出圧と前記回生モータの容量とに基いて前記回生トルクを演算し、それ以外の場合には当該回生トルクが0であると判定するものが、好適である。
前記蓄圧ポンプは、前記エンジンにより駆動されることにより作動油を吐出するポンプ動作と前記アキュムレータからの作動油の供給を受けて前記エンジンをアシストするためのトルクを生成するモータ動作とを択一的に行うことが可能な可変容量型の油圧ポンプモータにより構成されることが、より好ましい。すなわち、当該蓄圧ポンプを構成する可変容量型の油圧ポンプは、当該蓄圧ポンプとアキュムレータに接続される回生用のモータとに兼用される可変容量型の油圧ポンプモータであってもよい。当該油圧ポンプモータは、前記蓄圧ポンプすなわち前記ポンプ動作によって前記アキュムレータの蓄圧を行うことにより前記エンジン余剰トルク(または前記エンジン余剰トルク及び前記回生トルク)に相当するエネルギーの回収を行う油圧ポンプとして機能するのに加え、前記モータ動作によって当該アキュムレータに回収されたエネルギーをエンジンのアシストのための運動エネルギーに変換する油圧モータとして機能することができる。
この場合、前記ポンプ制御部は、前記余剰トルク演算部により演算されるエンジン余剰トルクが一定以上の場合には前記油圧ポンプモータに前記ポンプ動作を行わせ、前記余剰トルク演算部により演算されるエンジン余剰トルクが負の場合、すなわちエンジン出力トルクが不足している場合、には前記油圧ポンプモータに前記モータ動作を行わせるように当該油圧ポンプモータを操作するポンプモータ制御部であることが、好ましい。
さらに、当該ポンプモータ制御部は、前記アキュムレータ圧が予め設定されたアキュムレータ回生上限圧に達した場合には前記油圧ポンプモータのポンプ動作を禁止することが、好ましい。このことは、過度に高い圧力での蓄圧動作を防いで前記アキュムレータや油圧配管等を無理な蓄圧から有効に保護することを可能にする。
以上のように、本発明によれば、エンジンを搭載する作業機械に設けられる油圧駆動装置であって、前記エンジンの出力トルクに余剰がある場合に大きなエネルギーを迅速に回収することが可能な装置が、提供される。
本発明の実施の形態に係る作業機械である油圧ショベルの側面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る油圧駆動装置を示す回路図である。 前記第1の実施の形態に係る油圧駆動装置に含まれるコントローラの機能構成を示すブロック図である。 図3に示されるコントローラが油圧ポンプモータの駆動について行う演算制御動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る油圧駆動装置を示す回路図である。 前記第2の実施の形態に係る油圧駆動装置に含まれるコントローラの機能構成を示すブロック図である。 図6に示されるコントローラが油圧ポンプモータの駆動について行う演算制御動作を示すフローチャートである。 図2に示される油圧駆動装置の変形例を示す回路図である。
本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明のそれぞれの実施の形態に係る作業機械である油圧ショベルを示す。この油圧ショベルは、下部走行体1と、当該下部走行体1の上に旋回軸X回りに旋回可能に搭載される上部旋回体2と、当該上部旋回体2に装着される作業アタッチメント3と、を備える。
前記作業アタッチメント3は、ブーム4と、アーム5と、バケット6と、伸縮可能な複数の油圧シリンダであるブームシリンダ7、アームシリンダ8及びバケットシリンダ9と、を含む。前記ブーム4は、起伏方向に回動可能となるように前記上部旋回体2に連結される基端部と、その反対側の先端部と、を有する。前記アーム5は、前記ブーム4の先端部に回動可能に連結される基端部と、その反対側の先端部と、を有し、当該アーム5の先端部に前記バケット6が回動可能に装着される。前記ブームシリンダ7は、その伸縮動作に伴って前記ブーム4を起伏させるように当該ブーム4と前記上部旋回体2との間に介在する。同様に、前記アームシリンダ8はその伸縮動作によって前記アーム5を回動させるように前記ブーム4と前記アーム5との間に介在し、前記バケットシリンダ9はその伸縮動作によって前記バケット6を回動させるように前記アーム5と前記バケット6との間に介在する。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る油圧駆動装置を示す回路図である。この実施の形態に係る油圧駆動装置は、前記上部旋回体2に搭載されるエンジン10を動力源とし、前記ブーム4を駆動対象としてこれを油圧により駆動するものである。当該油圧駆動装置は、当該ブーム4に連結される油圧アクチュエータである前記ブームシリンダ7に加え、少なくとも一つのメインポンプ(この実施の形態では2つのメインポンプ11,12)と、可変容量型の油圧ポンプモータ14と、蓄圧用の作動油の供給を受け入れて蓄圧を行う蓄圧器であるアキュムレータ15と、回生モータ16と、コントロールバルブ18と、リモコン弁19と、コントローラ30と、を備える。
前記メインポンプ11,12は、それぞれ可変容量型の油圧ポンプからなる。前記メインポンプ11,12は、前記エンジン10の出力軸に連結され、当該エンジン10により駆動されることにより、前記ブームシリンダ7を動かすための作動油を吐出する。なお、本発明に係るメインポンプの台数は限定されず、例えば単数でもよい。また、当該メインポンプは固定容量型油圧ポンプからなるものでもよい。
前記ブームシリンダ7は、前記メインポンプ11,12から吐出される作動油の供給を受けることにより伸縮動作し、これにより前記ブーム4を起伏させる。当該ブームシリンダ7はへッド側室7a及びロッド側室7bを有する。当該ブームシリンダ7は、前記へッド側室7aに作動油が供給されることにより前記ロッド側室7b内の作動油を排出しながら伸長し、これにより前記ブーム4を起立方向に動かす。つまり、当該ブームシリンダ7はブーム上げ方向に作動する。逆に、当該ブームシリンダ7は、前記ロッド側室7bに作動油が供給されることにより前記へッド側室7a内の作動油を排出しながら収縮し、これにより前記ブーム4を倒伏方向に動かす。つまり、当該ブームシリンダ7はブーム下げ方向に作動する。
前記油圧ポンプモータ14は、前記エンジン10の出力軸に連結され、当該エンジン10により駆動されることにより蓄圧用の作動油を吐出して前記アキュムレータ15に供給するポンプ動作と、前記アキュムレータ15からの作動油の供給を受けて前記エンジン10をアシストするためのトルクを生成するモータ動作と、を択一的に行う機能を有する。つまり、当該油圧ポンプモータ14は、前記ポンプ動作によって、前記アキュムレータ15の蓄圧を行う蓄圧ポンプとして機能する一方、前記モータ動作によって、前記アキュムレータ15に蓄えられたエネルギーをエンジンのアシストのための運動エネルギーに変換するアキュムレータ用の回生モータとして機能することができる。
前記回生モータ16は、この実施の形態では可変容量型の油圧モータからなる。当該回生モータ16は、前記エンジン10の出力軸に連結され、この第1の実施の形態における駆動対象であるブーム4に作用する重力(つまりブーム4に作用する下向きの外力)によるエネルギーであって前記ブームシリンダ7から排出される作動油を増量するエネルギーが存在する場合、換言すれば、当該ブーム4に作用する重力がブームシリンダ7のブーム下げ動作(収縮動作)に寄与していて前記ブームシリンダ7のへッド側室7aから排出される作動油を増量する場合、にそのエネルギーをエンジン10のアシストのためのブーム下げ回生トルクTbとして回生する役割を果たす。具体的に、当該回生モータ16は、前記へッド側室7aから排出される作動油であって前記ブーム4の重力により増量された作動油の供給を受けて前記ブーム下げ回生トルクTbを生成し、当該ブーム下げ回生トルクTbを前記エンジン10の出力軸にアシストトルクとして加える。
前記メインポンプ11,12、前記油圧ポンプモータ14及び前記回生モータ16には、それぞれの容量(押しのけ容積)を変化させるための制御弁であるメインポンプ容量制御弁11a,12a、ポンプモータ容量制御弁14a及び回生モータ容量制御弁16aが付設されている。各容量制御弁11a,12a,14a,16aは、例えば電磁比例減圧弁により構成され、図示されない容量操作油圧源と前記メインポンプ11,12、前記油圧ポンプモータ14及び前記回生モータ16の容量操作部との間に介在する。当該容量制御弁11a,12a,14a,16aは、前記コントローラ30から入力される指令信号に対応した開度で開弁することにより、対応する容量操作部に対して前記開度に対応した圧力をもつ容量操作油を供給して前記容量を変化させる。さらに、前記ポンプモータ容量制御弁14aは、その開度の変化によって前記油圧ポンプモータ14の動作をポンプ動作とモータ動作との間で切換えることも可能である。前記各ポンプ(またはモータ)11,12,14,16の容量操作部は、例えば斜板式アキシャルピストンポンプ(またはモータ)の場合には斜板の傾斜角度を変化させるための油圧シリンダに相当する。
前記コントロールバルブ18は、前記メインポンプ11,12と前記ブームシリンダ7との間に介在し、当該メインポンプ11,12から当該ブームシリンダ7に供給される作動油の方向及び流量を変化させるように作動する。当該コントロールバルブ18は、この第1の実施の形態ではブーム上げパイロットポート及びブーム下げパイロットポートを有する油圧パイロット切換弁からなり、中立位置とブーム上げ位置とブーム下げ位置とを有する。
当該コントロールバルブ18は、パイロット圧の供給を受けないときには前記中立位置に保たれて前記メインポンプ11,12から前記ブームシリンダ7を遮断する。当該コントロールバルブ18は、前記ブーム上げパイロットポートへのブーム上げパイロット圧の供給を受けることにより前記ブーム上げ位置に切換えられ、前記メインポンプ11,12から吐出される作動油をへッド側油路27Aを通じて前記ブームシリンダ7のへッド側室7aに導くとともに当該ブームシリンダ7のロッド側室7bにつながるロッド側油路27Bをタンクに連通する油路を形成する。当該コントロールバルブ18は、前記ブーム下げパイロットポートへのブーム下げパイロット圧の供給を受けることにより前記ブーム下げ位置に切換えられ、前記メインポンプ11,12から吐出される作動油を前記ロッド側油路27Bを通じて前記ブームシリンダ7のロッド側室7bに導くとともに当該ブームシリンダ7のへッド側室7aにつながる前記へッド側油路27Aをタンクに連通する油路を形成する。
なお、前記へッド側油路27Aの途中部分からは回生用油路27Cが分岐して前記回生モータ16に至っている。当該回生用油路27Cは、前記へッド側室7aから排出されて前記へッド側油路27Aを流れる作動油である排出油、すなわち、ブーム上げ動作時の戻り油、を前記回生モータ16に導いて当該回生モータ16を回転させる。
前記リモコン弁19は、前記コントロールバルブ18を作動させる(つまりブームシリンダ7を動かす)ための操作を受け、その操作に応じたパイロット圧を前記コントロールバルブ18に与える。具体的に、当該リモコン弁18は、前記操作を受ける操作レバー19aと、当該操作レバー19aに連結される弁本体19bと、を有する。弁本体19bは、図示されないパイロット油圧源と前記コントロールバルブ18との間に介在し、前記ブーム上げパイロットポート及び前記ブーム下げパイロットポートのうち前記操作レバー19aに与えられる操作の方向に対応したパイロットポートに対して当該操作の量に対応した大きさのパイロット圧を入力する。前記弁本体19bは、前記ブーム上げ及びブーム下げパイロットポートにそれぞれブーム上げパイロットライン及びブーム下げパイロットラインを介して接続され、このうちブーム下げパイロットラインのみが図2に示されている。
前記油圧駆動装置は、さらに、前記コントローラ30に接続される複数の検出器を備える。当該複数の検出器は、図3にも示すようなポンプ圧検出器21,22、パイロット圧検出器28、へッド圧検出器27A、ロッド圧検出器27B及びアキュムレータ圧検出器25を含む。これらの検出器21,22,28,27A,27B及び25はそれぞれ圧力センサにより構成される。
前記ポンプ圧検出器21,22は、前記メインポンプ11,12がそれぞれ吐出する作動油の圧力であるポンプ圧P1,P2を検出するものである。具体的に、当該ポンプ圧検出器21,22は、前記各ポンプ圧P1,P2の大きさに対応した電気信号であるポンプ圧検出信号を生成してこれを前記コントローラ30に入力する。
前記パイロット圧検出器28は、ブーム4の下げ動作が行われているか否か、この実施の形態では前記リモコン弁19にブーム4を下げ方向に動かすためのブーム下げ操作が与えられているか否か、を判断するための情報を前記コントローラ30に提供する。当該パイロット圧検出器28は、前記リモコン弁19から前記コントロールバルブ18のブーム下げパイロットポートに供給されるパイロット圧の大きさに対応した電気信号であるパイロット圧検出信号を生成してこれを前記コントローラ30に入力する。
前記へッド圧検出器27Aは、駆動対象である前記ブーム4を下向きに動かすように前記ブームシリンダ7が収縮作動している時すなわちブーム下げ動作時に前記ブームシリンダ7のへッド側室7aから排出される前記排出油の圧力であるへッド圧Phを検出するものであり、本発明に係る排出圧検出器に相当する。具体的に、当該へッド圧検出器27Aは、前記へッド圧Phの大きさに対応した電気信号であるへッド圧検出信号を生成してこれをコントローラ30に入力する。
前記ロッド圧検出器27Bは、前記ブーム下げの動作時に前記ブームシリンダ7の入口に導入される作動油の圧力であるアクチュエータ入口圧、この第1の実施の形態では前記ロッド側室7b内の圧力であるロッド圧Pr、を検出するものであり、本発明に係る入口圧検出器に相当する。具体的に、当該ロッド圧検出器27Bは、前記ロッド圧Prの大きさに対応した電気信号であるロッド圧検出信号を生成してこれをコントローラ30に入力する。
前記アキュムレータ圧検出器25は、前記アキュムレータ15に蓄えられる圧力であるアキュムレータ圧Paccを検出するものであり、当該アキュムレータ圧の大きさに対応した電気信号であるアキュムレータ圧検出信号を生成してこれをコントローラ30に入力する。
前記コントローラ30は、前記複数の検出器からの検出信号の入力を受けるとともに、前記各容量制御弁11a,12a,14a,16aに対して適当な指令信号を入力することにより、前記メインポンプ11,12、前記油圧ポンプモータ14及び前記回生モータ16の容量の制御を行う。特に、コントローラ30は、本発明に関連する機能として、前記各検出器28,27A,27B,25により入力される検出信号に基いて前記ポンプモータ14及び前記回生モータ16の動作を制御する機能を有する。具体的に、当該コントローラ30は、図3に示すような余剰トルク演算部32A、回生トルク演算部32B、ポンプ容量演算部33、ポンプモータ制御部34及び回生モータ制御部36を有する。
前記余剰トルク演算部32Aは、前記ポンプ圧P1,P2に基いてポンプ要求トルクTpを演算し、さらに当該ポンプ要求トルクTpに基いてエンジン余剰トルクTeを演算する。前記ポンプ要求トルクTpは、この実施の形態に係る駆動対象であるブーム4の駆動負荷に応じて前記メインポンプ11,12が要求するトルクである。前記エンジン余剰トルクTeは、前記エンジン10が出力可能なトルクのうち前記ポンプ要求トルクTpを上回る余剰分のトルクを意味し、前記エンジン10の出力トルクの上限であるトルク上限値Temaxと前記ポンプ要求トルクTpとの差に相当する。
前記回生トルク演算部32Bは、前記ブーム下げ回生トルクTb、すなわち、前記ブーム下げ動作時に前記へッド側室7aから排出される排出油の供給を受けて前記回生モータ16がエンジン10のアシストのために生成するトルク、を演算する。具体的に、当該回生トルク演算部32Bは、後述のように、前記へッド圧検出器27Aにより検出される前記へッド圧(ブーム下げ動作時にへッド側室7aから排出される排出油の圧力である排出圧)Phと前記回生モータ16の容量とに基づいて前記ブーム下げ回生トルクTbの演算を行う。
従って、この実施の形態に係る油圧駆動装置は、前記ブーム下げ回生トルクTbを検出する回生トルク検出部を具備し、当該回生トルク検出部は前記へッド圧検出器27Aと前記回生トルク演算部32Aとを含む。
さらに、この実施の形態に係る前記回生トルク演算部32Bは、駆動対象である前記ブーム4を下向きに動かすように前記ブームシリンダ7が作動している場合、すなわち、ブーム下げのために当該ブームシリンダ7が収縮している場合、にのみ前記ブーム下げ回生トルクTbを演算し、それ以外の場合には当該ブーム下げ回生トルクTbが0であると判定する。
この実施の形態に係る前記回生トルク検出部は、前記入口圧検出器に相当する前記ロッド圧検出器27Bをさらに含む。そして、前記回生トルク演算部33は、前記ブーム下げ動作のために前記ブームシリンダ7が収縮方向に作動している場合であっても前記ロッド圧検出器27Bにより検出されるロッド圧Pr(アクチュエータ入口圧)が予め設定された回生上限圧Pro以上である場合には前記ブーム下げ回生トルクTbが0であると判定する。
前記ポンプ容量演算部33は、前記エンジン余剰トルクTeが存在する場合に、前記アキュムレータ圧検出器25により検出される前記アキュムレータ圧Paccに基いて蓄圧ポンプ容量を演算する。当該蓄圧ポンプ容量は、前記のように蓄圧ポンプとして前記油圧ポンプモータ14がポンプ動作するときに当該油圧ポンプモータ14から吐出される作動油によって前記アキュムレータ15を蓄圧するための当該油圧ポンプモータ14の容量である。
さらに、この実施の形態に係る油圧駆動装置の特徴として、前記ポンプ容量演算部33は、後に詳述するように前記エンジン余剰トルクTeと前記ブーム下げ回生トルクTbとの双方を考慮した蓄圧ポンプ容量の演算を行う。
前記ポンプモータ制御部34は、前記ポンプモータ容量制御弁14aに適当な指令信号を入力することにより前記油圧ポンプモータ14の動作を制御する。具体的には次の動作を行う。
(A)前記ポンプモータ制御部34は、前記余剰トルク演算部32Aにより演算されるエンジン余剰トルクTeが一定以上(この実施の形態では0以上)の場合には前記油圧ポンプモータ14に前記ポンプ動作を行わせ、当該エンジン余剰トルクTeが負の場合、すなわちエンジン出力トルクが不足している場合、には前記油圧ポンプモータに前記モータ動作を行わせる。
(B)前記ポンプモータ制御部34は、前記エンジン余剰トルクTeが正の場合であっても前記アキュムレータ圧Paccが予め設定されたアキュムレータ回生上限圧Pamaxに達している場合には前記油圧ポンプモータ14のポンプ動作を禁止する。具体的には当該油圧ポンプモータ14の容量を0にする。
(C)前記ポンプモータ制御部34は、前記ブーム下げの動作時において、前記ポンプ容量演算部33により演算された蓄圧ポンプ容量(この実施の形態では後述の最終指令容量qf)に実際の油圧ポンプモータ14のポンプ容量を調節する。
前記回生モータ制御部36は、前記回生モータ容量制御弁16aに指令信号を入力することにより前記回生モータ16の動作を制御する。具体的に、当該回生モータ制御部36は、後述のように、回生モータ16の動作が不要な場合には当該回生モータ16の容量を0にするような指令信号を前記回生モータ容量制御弁16aに入力して当該回生モータ16のモータ動作を停止させる一方、回生モータ16の動作を要する場合には当該回生モータ16の容量を所定の容量(この実施の形態では最大容量qbmax)にするような指令信号を前記回生モータ容量制御弁16aに入力する。
次に、前記コントローラ30が行う演算制御動作であって前記油圧ポンプモータ14の駆動について行う演算制御動作並びにその動作に伴う装置の作用を、図4のフローチャートを参照しながら説明する。
コントローラ30の余剰トルク演算部32Aは、前記ポンプ圧検出器21,22により検出されるメインポンプ11,12のポンプ圧P1,P2に基いて前記ポンプ要求トルクTp、すなわち駆動対象であるブーム4の駆動負荷に応じて前記メインポンプ11,12が要求するトルク、を演算し(ステップS01)、さらに、前記エンジン10の出力トルクの上限であるトルク上限値Temaxと前記ポンプ要求トルクTpとの差であるエンジン余剰トルクTeを演算する(ステップS02)。
前記ポンプ要求トルクTp及び前記エンジン余剰トルクTeは、前記メインポンプ11,12のそれぞれの容量(押しのけ容積)をq1,q2とすると、次式(1)及び(2)によりそれぞれ与えられる。
Tp=(P1*q1+P2*q2)/2π …(1)
Te=Temax−Tp …(2)
ポンプモータ制御部34は、前記エンジン余剰トルクTeに基いて油圧ポンプモータ14にモータ動作を行わせるかポンプ動作を行わせるかを判断する(ステップS03)。具体的に、前記エンジン余剰トルクTeが負である場合、すなわち、エンジン10の出力トルクの上限であるトルク上限値Temaxが前記ポンプ要求トルクTpに満たない場合には(ステップS03でNO)、ポンプモータ制御部34は油圧ポンプモータ14にモータ動作を行わせるような指令信号をポンプモータ容量制御弁14aに入力する(ステップS04)。これにより、当該油圧ポンプモータ14は、アキュムレータ15に蓄えられた作動油の供給を受けてエンジン10をアシストするためのトルクを生成するモータ動作を行い、前記エンジン10のトルクの不足分を補う。一方、回生モータ制御部36は可変容量型油圧モータからなる回生モータ16の容量を0にするような指令信号を回生モータ容量制御弁16aに入力して当該回生モータ16のモータ作動を停止させる。
前記エンジン余剰トルクTeが0以上である場合(ステップS03でYES)、ポンプ容量演算部33は油圧ポンプモータ14にポンプ動作を行わせて蓄圧ポンプとして機能させるための蓄圧ポンプ容量に相当する最終指令容量qfを演算する(ステップS05〜S14)。
ただし、前記エンジン余剰トルクTeが0以上である場合であっても前記アキュムレータ圧Paccが予め設定されたアキュムレータ回生上限圧Pamaxに達している場合(ステップS05でNO)、それ以上のアキュムレータ15での蓄圧は当該アキュムレータ15や関係する油圧配管の保護の観点から好ましくないため、前記ポンプ容量演算部33は前記蓄圧ポンプ容量についての最終指令容量qfを0に設定する(ステップS06)。これを受けてポンプモータ制御部34は油圧ポンプモータ14の容量を0にするような指令信号をポンプモータ容量制御弁14aに入力し、油圧ポンプモータ14の作動を停止させる。このことは、過剰な圧力でアキュムレータ15の蓄圧が行われることを防いで当該アキュムレータ15や油圧配管等を無理な蓄圧から有効に保護することを可能にする。一方、回生モータ制御部36は、エンジン余剰トルクTeが負である場合と同様に回生モータ16の容量を0にするような指令信号を回生モータ容量制御弁16aに入力する。
前記エンジン余剰トルクTeが0以上であり、かつアキュムレータ圧Paccが前記アキュムレータ回生上限圧Pamax未満である場合(ステップS03でYESかつステップS05でYES)、ポンプ容量演算部33は、前記蓄圧ポンプ容量について、前記エンジン余剰トルクTeとブーム下げ回生トルクTbの双方を考慮した最終指令容量qfを演算する(ステップS07〜S14)。
具体的に、前記ポンプ容量演算部33は、まず、前記エンジン余剰トルクTeに対応した油圧ポンプモータ14の容量であって蓄圧ポンプとしての容量である基本ポンプ容量qoを演算する(ステップS07)。この基本ポンプ容量qoは、例えば次式(3)によって与えられる。
qo=2π*Te/Pacc …(3)
次に、前記コントローラ30の回生トルク演算部32Bは、前記ブーム下げ回生トルクTb、すなわち、駆動対象であるブーム4に作用する重力によるエネルギーであってブームシリンダ7のへッド側室7aから排出される作動油を増量するエネルギーが存在する場合にその増量された作動油の供給を受けて回生モータ16が生成するトルク、を演算し、ポンプ容量演算部33が前記ブーム下げ回生トルクTbに対応する蓄圧ポンプとしての油圧ポンプモータ14の容量である追加ポンプ容量qaを演算する(ステップS08〜S14)。
この第1の実施の形態では、前記ブーム下げ回生トルクTbが生成される条件、すなわち、「駆動対象であるブーム4に作用する重力によるエネルギーであってブームシリンダ7のへッド側室7aから排出される作動油を増量するエネルギーが存在する」条件、として次の2つの条件C1及びC2が設定されている。
条件C1:リモコン弁19に対してブーム下げ操作つまりブーム4を下げ方向に動かすための操作が与えられていること(ステップS08)。この条件C1は、例えば、「パイロット圧検出器28により検出されるブーム下げパイロット圧が予め設定された最低ラインを超えること」として設定されることが可能である。
条件C2:ブーム下げ動作の際にブームシリンダ7の入口圧となるロッド圧Prが予め設定された回生上限圧Pro未満であること(ステップS09)。この条件C2は、省略することも可能であるが、当該条件C2を考慮することにより、ブーム下げ動作がブーム4の自重により行われ、あるいは助けられたものではなく、専らブームシリンダ7のロッド側室7bへの作動油の導入により行われているものである場合(例えばバケット6が着地していて地面から反力を受けた状態でさらにブーム4が下げ方向に駆動されているような場合)にまで、誤ってブーム回生トルクTbが演算されることによるエンジン10の過度の負担を防ぐことが可能になる。
前記回生トルク演算部32Bは、前記条件C1及びC2のうちの少なくとも一方が満たされていない場合、すなわち、ブーム下げ操作が行われておらず(ステップS08でNO)、あるいはロッド圧Prが前記回生上限圧Pro以上である(ステップS09でNO)場合には、ブーム下げ回生トルクTbを0に設定する(ステップS10)。これに対応してポンプ容量演算部33は前記ブーム下げ回生トルクTbに対応するポンプ容量である追加ポンプ容量qaを0に設定する(ステップS11)。一方、回生モータ制御部36は、エンジン余剰トルクTeが負である場合と同様に回生モータ16の容量を0にするような指令信号を回生モータ容量制御弁16aに入力する。
前記条件C1及びC2の双方が満たされる場合、すなわち、ブーム下げ操作が行われており(ステップS08でYES)、かつ、ロッド圧Prが前記上限値未満である場合(ステップS09でYES)、回生モータ制御部36が回生モータ16の容量qbを最大容量qbmaxにするような指令信号を回生モータ容量制御弁16aに入力して当該回生モータ16を作動状態にするとともに、回生トルク演算部32Bは、前記ブーム4に作用する自重によって増量される、ブームシリンダ7のへッド側室7aからの排出油の圧力、すなわちへッド圧Ph、に対応したブーム下げ回生トルクTbを演算する(ステップS12)。このブーム下げ回生トルクTbは例えば次式(4)によって与えられる。
Tb=Ph*qbmax/2π …(4)
ポンプ容量演算部33は、前記ブーム下げ回生トルクTbに対応する油圧ポンプモータ14のポンプ容量である追加ポンプ容量qaを演算し(ステップS13)、この追加ポンプ容量qaを前記基本ポンプ容量qoに加えたものを最終指令容量qf(=qo+qa)として演算する(ステップS14)。前記追加ポンプ容量qaは、例えば次式(5)によって与えられる。
qa=2π*Tb/Pacc …(5)
ポンプモータ制御部34は、実際の油圧ポンプモータ14の容量を前記最終指令容量qfに調節するような指令信号をポンプモータ容量制御弁14aに入力する。これにより、エンジン余剰トルクTeだけでなくブーム下げ回生トルクTbも考慮して油圧ポンプモータ14の容量を大きく設定することが可能となり、当該油圧ポンプモータ14からアキュムレータ15への作動油の供給によってより大きなエネルギーをより迅速に回収することが可能である。
図2は、本発明の第2の実施の形態に係る油圧駆動装置を示す回路図である。前記第1の実施の形態に係る装置では、駆動対象がブーム4であり、当該駆動対象を動かす油圧アクチュエータがブームシリンダ7であり、当該駆動対象に作用する外力であって当該外力によるエネルギーを回収可能なものがブーム4に作用する下向きの重力であるのに対し、第2の実施の形態では、駆動対象が前記上部旋回体2であり、当該駆動対象を動かす油圧アクチュエータが前記上部旋回体2を旋回させるための油圧モータである旋回モータ40であり、当該駆動対象に作用する外力であって当該外力によるエネルギーを回収可能なものが前記上部旋回体2の旋回の制動時における当該上部旋回体2の旋回方向の慣性力である。
具体的に、この第2の実施の形態に係る装置は、駆動対象を動かす油圧アクチュエータである前記旋回モータ40を作動させるべく、前記第1の実施の形態に係る装置と同様に、メインポンプ11,12と、油圧ポンプモータ14と、アキュムレータ15と、回生モータ16と、コントロールバルブ48と、リモコン弁49と、コントローラ60と、を備える。
前記メインポンプ11,12は、この第2の実施の形態に係る油圧アクチュエータである前記旋回モータ40を動かすための作動油を吐出する。当該旋回モータ40は、一対の左旋回ポート40a及び右旋回ポート40bを有し、そのうちの一方のポートへの作動油の供給を受けることにより他方のポートから作動油を排出しながら当該一方のポートに対応した向きに回転作動して上部旋回体2を旋回させる。例えば、旋回モータ40は、前記左旋回ポート40aへの作動油の供給を受けることにより前記右旋回ポート40bから作動油を排出しながら上部旋回体2を左旋回させる向きに回転作動する。前記メインポンプ11,12、前記油圧ポンプモータ14及び前記回生モータ16には、それぞれ、第1の実施の形態と同様にメインポンプ容量制御弁21,22、ポンプモータ容量制御弁24及び回生モータ容量制御弁26が付設される。
前記コントロールバルブ48は、前記メインポンプ11,12と前記旋回モータ40との間に介在し、当該メインポンプ11,12から当該旋回モータ40に供給される作動油の方向及び流量を変化させるように作動する。当該コントロールバルブ48は、この第2の実施の形態では左旋回パイロットポート及び右旋回パイロットポートを有する油圧パイロット切換弁からなり、中立位置と左旋回位置と右旋回位置とを有する。
当該コントロールバルブ48は、パイロット圧の供給を受けないときには前記中立位置に保たれて前記メインポンプ11,12から前記旋回モータ40を遮断する。当該コントロールバルブ48は、前記左旋回パイロットポートへの左旋回パイロット圧の供給を受けることにより前記左旋回位置に切換えられ、前記メインポンプ11,12から吐出される作動油を左旋回油路47Aを通じて前記旋回モータ40の左旋回ポート40aに導くとともに当該旋回モータ40の右旋回ポート40bにつながる右旋回油路47Bをタンクに連通する油路を形成する。当該コントロールバルブ48は、前記右旋回パイロットポートへの右旋回パイロット圧の供給を受けることにより前記右旋回位置に切換えられ、前記メインポンプ11,12から吐出される作動油を前記右旋回油路47Bを通じて前記旋回モータ40の右旋回ポート40bに導くとともに当該旋回モータ40の左旋回ポート40aにつながる前記左旋回油路47Aをタンクに連通する油路を形成する。
前記左旋回及び右旋回油路47A,47Bには回生回路42が接続され、前記回生モータ16に至っている。当該回生回路42は、前記左右旋回ポート40a,40bのいずれか一方から排出されて前記左右旋回油路47A,47Bのいずれか一方を流れる作動油である排出油(旋回動作時の戻り油)を前記回生モータ16に導いて当該回生モータ16を回転させる。
前記回生回路42は、前記右旋回油路47Bから分岐する分岐油路42aと、前記左旋回油路47Aから分岐する分岐油路42bと、前記回生モータ16に接続される共通油路42cと、回生切換弁44と、を有する。
前記回生切換弁44は、前記各油路42a〜42cに接続される3ポートの油圧パイロット切換弁からなり、左旋回回生パイロットポート44a及び右旋回回生パイロットポート44bを有するとともに、中立位置、左旋回回生位置及び右旋回回生位置を有する。当該回生切換弁44は、パイロット圧が与えられないときには前記中立位置に保たれて前記分岐油路42a,42bの双方を前記共通油路42cから遮断し、前記左旋回回生パイロットポート44aにパイロット圧が与えられたときには前記左旋回回生位置に切換えられて前記分岐油路42aを前記共通油路42cに接続することにより前記右旋回油路47Bから前記回生モータ16に至る回生油路を形成し、前記右旋回回生パイロットポート44bにパイロット圧が与えられたときには前記左旋回回生位置に切換えられて前記分岐油路42bを前記共通油路42cに接続することにより前記左旋回油路47Bから前記回生モータ16に至る回生油路を形成する。
前記左旋回及び右旋回回生パイロットポート44a,44bは、それぞれ回生切換制御弁45A,45Bを介して図示されないパイロット油圧源に接続されている。前記回生切換弁45A,45Bは、前記コントローラ60からの指令信号の入力を受けることにより開弁して対応する回生パイロットポートにパイロット圧を入力する。
前記リモコン弁49は、前記第1の実施の形態に係るリモコン弁19と同様、前記コントロールバルブ48を作動させる(つまり旋回モータ40を動かす)ための左旋回操作または右旋回操作を受け、その操作に応じたパイロット圧を前記コントロールバルブ48に与える。当該リモコン弁48は、前記左旋回操作及び前記右旋回操作を受ける操作レバー49aと、当該操作レバー49aに連結される弁本体49bと、を有する。弁本体49bは、図示されないパイロット油圧源と前記コントロールバルブ48との間に介在し、前記左旋回パイロットポート及び前記右旋回パイロットポートのうち前記操作レバー49aに与えられる操作の方向に対応したパイロットポートに対して当該操作の量に対応した大きさのパイロット圧を入力する。前記弁本体49bは、前記左旋回及び右旋回パイロットポートにそれぞれ左旋回パイロットライン及び右旋回パイロットラインを介して接続され、図2では便宜上、両パイロットラインがまとめて単一の線で示されている。
この第2の実施の形態に係る油圧駆動装置は、前記コントローラ60に接続される複数の検出器を備える。当該複数の検出器は、第1の実施の形態に係る装置と同様にポンプ圧検出器21,22及びアキュムレータ圧検出器25を含むとともに、第1の実施の形態に係るパイロット圧検出器28に代えて左旋回パイロット圧検出器58A、右旋回パイロット圧検出器58B及び旋回角度検出器50を含み、第1の実施の形態に係るへッド圧及びロッド圧検出器27A,27Bに代えて左旋回排出圧検出器57A及び右旋回排出圧検出器57Bを含む。
前記左旋回及び右旋回パイロット圧検出器58A,58Bは、前記リモコン弁19に対してブーム下げのための操作が与えられているか否かを判断するための情報を前記コントローラ60に提供するためのものである。具体的に、当該左旋回及び右旋回パイロット圧検出器58A,58Bは、それぞれ圧力センサからなり、前記リモコン弁49から前記コントロールバルブ48の左旋回パイロットポート及び右旋回パイロットポートにそれぞれ供給される左旋回パイロット圧及び右旋回パイロット圧の大きさに対応した電気信号であるパイロット圧検出信号を生成してこれを前記コントローラ60に入力する。
前記旋回角度検出器50は、前記旋回モータ40の回転角度であって当該旋回モータ40により駆動される上部旋回体2の旋回角度を検出するものであり、例えばジャイロセンサにより構成される。当該旋回角度検出器50は、前記旋回角度に対応した電気信号である旋回角度検出信号を生成してこれを前記コントローラ60に入力する。
前記左旋回排出圧検出器57A及び右旋回排出圧検出器57Bは、前記上部旋回体2の左旋回及び右旋回中にそれぞれ旋回モータ40の右旋回ポート40b及び左旋回ポート40aから排出される作動油(排出油)の圧力である左旋回排出圧Psl及び右旋回排出圧Psrを検出するものであり、本発明に係る排出圧検出器に相当する。具体的に、当該左旋回及び右旋回排出圧検出器57A,57は、前記左旋回及び右旋回排出圧Psl,Psrの大きさに対応した電気信号である排出圧検出信号を生成してこれをコントローラ60に入力する。
前記コントローラ60は、図6に示すように、前記第1の実施の形態に係るコントローラ30の余剰トルク演算部32A、回生トルク演算部32B、ポンプ容量演算部33、ポンプモータ制御部34及び回生モータ制御部36にそれぞれ対応した余剰トルク演算部62A、回生トルク演算部62B、ポンプ容量演算部63、ポンプモータ制御部64及び回生モータ制御部66と、回生切換制御部65と、を有する。
前記余剰トルク演算部62Aは、ポンプ要求トルクTeとして、駆動対象である上部旋回体2の駆動負荷に応じて前記メインポンプ11,12が要求するトルクを演算するとともに、前記エンジン10の出力トルクの上限とポンプ要求トルクTpとの差に相当するエンジン余剰トルクTeを演算する。
前記回生トルク演算部62Bは、旋回回生トルクTsを演算する。当該旋回回生トルクTsは、上部旋回体2の旋回の制動時に旋回モータ40の右旋回ポート40bまたは左旋回ポート40aから排出される作動油の供給を受けて前記回生モータ16がエンジン10のアシストのために生成するトルクである。前記回生トルク演算部62Bは、後述のように、前記左旋回排出圧検出器57Aまたは前記右旋回排出圧検出器57Bにより検出される前記左旋回排出圧Pslまたは前記右旋回排出圧Psrと前記回生モータ16の容量とに基づいて前記旋回回生トルクTsの演算を行う。
従って、この第2の実施の形態に係る油圧駆動装置は、前記旋回回生トルクTsを検出する回生トルク検出部を具備し、当該回生トルク検出部は前記左旋回及び右旋回排出圧検出器57A,57Bと前記回生トルク演算部62Aとを含む。
さらに、この実施の形態に係る前記回生トルク演算部62Bは、駆動対象である上部旋回体2の旋回を制動させる操作、具体的にはメインポンプ11,12から旋回モータ40への作動油の供給を停止させるような操作、より具体的には前記リモコン弁19の操作レバー19aを実質上中立位置に戻す操作、が行われているにもかかわらず上部旋回体2が未だ動いている場合、にのみ前記旋回回生トルクTsを演算し、それ以外の場合には当該回生トルクTsが0であると判定する。
前記ポンプ容量演算部63は、第1の実施の形態に係るポンプ容量演算部33と同様、前記エンジン余剰トルクTeが存在する場合に蓄圧ポンプ容量を演算するとともに、後に詳述するように前記エンジン余剰トルクTeと前記旋回回生トルクTsとの双方を考慮した蓄圧ポンプ容量の演算を行う。
前記ポンプモータ制御部64は、前記第1の実施の形態に係るポンプモータ制御部34と同様、前記ポンプモータ容量制御弁14aに指令信号を入力することにより前記油圧ポンプモータ14の動作を制御する。
前記回生モータ制御部66は、前記第1の実施の形態に係る回生モータ制御部36と同様、前記回生モータ容量制御弁16aに指令信号を入力することにより前記回生モータ16の動作を制御する。
前記回生切換制御部65は、回生モータ16のモータ動作(つまり旋回モータ40からの排出油に基づく回生動作)の要否に応じて前記回生切換弁44を切換えるように、回生切換制御弁45A,45Bへの選択的な指令信号の入力を行う。具体的に、当該回生切換制御部65は、前記回生動作を要しない場合には両回生切換制御弁45A,45Bに対する指令信号の入力を停止することにより、前記回生切換弁44を中立位置に保持して前記回生モータ16を前記左旋回及び右旋回油路47A,47Bの双方から遮断する一方、前記回生動作を要する場合には前記回生切換制御弁45A,45Bのうち当該回生動作を行うのに適したものを前記上部旋回体2の旋回方向に基いて選定し、その選定した回生切換制御弁45A(または45B)に指令信号を入力することにより、前記回生切換弁44を左旋回回生位置または右旋回回生位置に切換える。
次に、前記コントローラ60が行う演算制御動作であって前記油圧ポンプモータ14の駆動について行う演算制御動作並びにその動作に伴う装置の作用を、図7のフローチャートを参照しながら説明する。
図7のフローチャートに示されるコントローラ60の演算制御動作のうち、ステップS01〜S06に係る動作は図4のフローチャートに示されるコントローラ30のステップS01〜S06の演算制御動作と同様である。すなわち、当該コントローラ60の余剰トルク演算部62Aは、ポンプ要求トルクTpさらにはエンジン余剰トルクTeを演算し(ステップS01,S02)、演算されたエンジン余剰トルクTeが負である場合(ステップS03でNO)にポンプモータ制御部64は油圧ポンプモータ14にモータ動作を行わせる(ステップS04)。また、エンジン余剰トルクTeが0以上であってもアキュムレータ圧Paccが予め設定されたアキュムレータ回生上限圧Pamaxに達している場合(ステップS05でNO)には、前記ポンプ容量演算部63は蓄圧ポンプ容量についての最終指令容量qfを0に設定する(ステップS06)。
このとき、回生モータ制御部36は、いずれの場合においても回生モータ16の容量を0にするような指令信号を回生モータ容量制御弁16aに入力する。また、回生切換制御部65は、回生切換制御弁45A,45Bのいずれにも指令信号を入力しないことにより、回生回路42における回生切換弁44を中立位置つまり遮断位置に保つ。
前記エンジン余剰トルクTeが0以上であり、かつアキュムレータ圧Paccが前記アキュムレータ回生上限圧Pamax未満である場合(ステップS03でYESかつステップS05でYES)、ポンプ容量演算部63は、まず、第1の実施の形態と同様に前記エンジン余剰トルクTeに対応した油圧ポンプモータ14の(蓄圧ポンプとしての)ポンプ容量である基本ポンプ容量qoを演算する(ステップS07)。
次に、前記コントローラ60の回生トルク演算部62Bは、前記旋回回生トルクTs、すなわち、駆動対象である上部旋回体2の旋回の制動時における当該上部旋回体2の慣性力によるエネルギーであって旋回モータ40の右旋回ポート40bまたは左旋回ポート40aから排出される作動油を増量するエネルギー(つまり上部旋回体2の旋回動作による運動エネルギー)が存在する場合にその増量された作動油の供給を受けて回生モータ16が生成するトルク、を演算し、ポンプ容量演算部63が前記旋回回生トルクTsに対応した前記油圧ポンプモータ14の(蓄圧ポンプとしての)ポンプ容量である追加ポンプ容量qaを演算する(ステップS18〜S24)。
この第2の実施の形態では、前記旋回回生トルクTsが生成される条件、すなわち、「駆動対象である上部旋回体2の旋回の制動における当該上部旋回体2の慣性力によるエネルギーであって旋回モータ40の右旋回ポート40bまたは左旋回ポート40aから排出される作動油を増量するエネルギーが存在する」条件として、次の2つの条件C3及びC4が設定されている。
条件C3:リモコン弁19に対して制動のための操作が与えられていること、具体的には当該リモコン弁19の操作レバー19aが実質上中立位置に戻されていること(ステップS18)。この条件C3は、例えば、「左旋回及び右旋回パイロット圧検出器58A,58Bにより検出される左旋回及び右旋回パイロット圧がいずれも予め設定された微小な上限値以下の範囲に収まっていること」として設定されることが可能である。
条件C4:前記制動のための操作にかかわらず上部旋回体2が回生可能な旋回動作をしていること(ステップS19)。この条件C4は、例えば、「旋回角度検出器50から入力される旋回角度検出信号に基いて演算される旋回速度が予め設定された最低ライン以上であること」として設定されることが、可能である。
前記回生トルク演算部62Bは、前記条件C3,C4のうちの少なくとも一方が満たされていない場合、すなわち、中立位置復帰操作が行われておらず(ステップS18でNO)、あるいは実質上旋回動作がなされていない(ステップS19でNO)場合には、旋回回生トルクTsを0に設定する(ステップS20)。これに対応してポンプ容量演算部63は前記旋回回生トルクTsに対応する追加ポンプ容量qaを0に設定する(ステップS21)。一方、回生モータ制御部66は、エンジン余剰トルクTeが負である場合と同様に回生モータ16の容量を0にするような指令信号を回生モータ容量制御弁16aに入力する。また、回生切換制御部65は、回生切換制御弁45A,45Bのいずれにも指令信号を入力しないことにより、回生回路42における回生切換弁44を中立位置つまり遮断位置に保つ。
前記条件C3,C4の双方が満たされる場合、すなわち、操作レバー19aが中立位置に戻されているが上部旋回体2が未だ旋回動作を行っている場合(ステップS08,S09でともにYES)、回生モータ制御部66が回生モータ16の容量qbを最大容量qbmaxにするような指令信号を回生モータ容量制御弁16aに入力して当該回生モータ16を作動状態にするとともに、回生切換制御部65が回生切換制御弁45A,45Bのうち現在の上部旋回体2の旋回方向から見てその旋回方向の慣性力に係るエネルギーの回生に適した制御弁を選定し、これに指令信号を入力することにより、回生切換弁44を左旋回回生位置または右旋回回生位置に切換える。例えば、操作レバー19aが中立位置に戻されているにもかかわらず前記上部旋回体2の左旋回動作が残っている場合、回生切換制御部65は回生切換制御弁45Aに指令信号を入力することにより回生切換弁44を左旋回回生位置に切換える。これにより、旋回モータ40の右旋回ポート40bから排出される作動油であって前記慣性力のエネルギーによって増量された排出油が回生回路42の分岐油路42a及び共通油路42cを通じて前記回生モータ16に導入されて当該回生モータ16を作動させる。
このとき、コントローラ60の回生トルク演算部62Bは、前記上部旋回体2の慣性力による旋回動作によって増量される、旋回モータ40の右旋回ポート40bまたは左旋回ポート40aからの排出油の圧力、すなわち左旋回排出圧Pslまたは右旋回排出圧Psr、に対応した旋回回生トルクTsを演算する(ステップS22)。この旋回回生トルクTsは、前記左旋回排出圧Pslまたは右旋回排出圧Psrのうち実際に発生している排出圧をPsとすると、例えば次式(6)によって与えられる。
Ts=Ps*qbmax/2π …(6)
ポンプ容量演算部63は、前記旋回回生トルクTsに対応する追加ポンプ容量qaを演算し(ステップS23)、この追加ポンプ容量qaを前記基本ポンプ容量qoに加えたものを最終指令容量qf(=qo+qa)として演算する(ステップS24)。前記追加ポンプ容量qaは、例えば次式(7)によって与えられる。
qa=2π*Ts/Pacc …(7)
ポンプモータ制御部64は、実際の油圧ポンプモータ14の容量を前記最終指令容量qfに調節するような指令信号をポンプモータ容量制御弁14aに入力する。これにより、前記第1の実施の形態と同様、エンジン余剰トルクTeだけでなく旋回回生トルクTsも考慮して油圧ポンプモータ14の容量を大きく設定することが可能となり、当該油圧ポンプモータ14からアキュムレータ15への作動油の供給によってより大きなエネルギーをより迅速に回収することが可能である。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されない。本発明は、例えば次のような形態を含む。
A.蓄圧ポンプ及びアキュムレータ回生手段について
本発明に係る蓄圧ポンプは、前記第1及び第2の実施の形態で示されるようにアキュムレータ回生手段として兼用される油圧ポンプモータ14ではなく、蓄圧専用の油圧ポンプであってもよい。換言すれば、アキュムレータ回生手段、つまりアキュムレータに蓄えられたエネルギーを回生する手段、は蓄圧ポンプとは独立して設けられたものでもよい。また、当該アキュムレータ回生手段は、前記油圧ポンプモータ14のように回生エネルギーをエンジン10のアシストに用いるものに限らない。例えば、当該回生エネルギーを利用して発電を行うものでもよい。
B.油圧ポンプモータについて
前記蓄圧ポンプとして油圧ポンプモータが用いられる場合でも、その油圧ポンプモータは、図2及び図5に示される油圧ポンプモータ14のようないわゆる両傾転型のもの、つまり、作動油の流れを双方向に受け入れるもの、に限らず、常に一方向の作動油の流れのみを許容するいわゆる片傾転のものであってもよい。その例として図2に示される装置の変形例を図8に示す。この変形例は図5に示される装置にも同様に適用可能である。
図8に示される装置では、図2に示される油圧ポンプモータ14に代えて片傾転型の油圧ポンプモータ14Sが用いられている。この油圧ポンプモータ14Sは、ポンプ動作及びモータ動作のいずれを行う場合にもタンク側(図8では下側)に位置する入口ポート14iからの作動油の流入のみを許容するものである。
図8に示される例は、前記油圧ポンプモータ14Sの使用を可能にする手段として、前記油圧ポンプモータ14Sの入口ポート14iとタンクとの間に介在する背圧弁62と、前記油圧ポンプモータ14Sとアキュムレータ15との間に介在する方向切換弁64と、前記油圧ポンプモータ14Sと並行するバイパス油路66と、を有する。前記方向切換弁64は、前記油圧ポンプモータ14Sと前記バイパス油路66の双方をタンクに連通する中立位置(図8の中央位置)と、前記油圧ポンプモータ14Sの出口ポート(図8の上側ポート)14eと前記アキュムレータ15とを直結して前記バイパス油路66を遮断することにより油圧ポンプモータ14Sの出口ポート14eからアキュムレータ15への作動油の流れを許容する回生用位置(図8の左位置)と、前記アキュムレータ15と前記バイパス油路66とを接続するとともに前記油圧ポンプモータ14Sの出口ポートをタンクに連通することによりアキュムレータ15から油圧ポンプモータ14Sの入口ポート14iへの作動油の流入を許容する蓄圧用位置(図8の右位置)と、を有する。この方向切換弁64は、当該方向切換弁64の一対のパイロットポート64a,64bにそれぞれ接続される方向切換制御弁68A,68Bを媒介として、コントローラ30から当該方向切換制御弁68A,68Bへの指令信号の入力により行われることが、可能である。
C.ポンプモータ制御部について
前記実施の形態に係るポンプモータ制御部34,64は、エンジン余剰トルクTeが0以上である場合に原則として油圧ポンプモータ14をポンプ動作させるものであるが、本発明に係るポンプ制御部はエンジン余剰トルクが(0ではなく)0よりも大きい範囲で設定された設定値Toよりも大きい場合にのみ油圧ポンプモータをポンプ動作させるものでもよい。例えば、当該ポンプ制御部は、エンジン余剰トルクが0以上前記設定値To(>0)以下の範囲にある場合には油圧ポンプモータの容量を0にするものでもよい。
D.回生モータについて
本発明に係る回生モータは、前記回生モータ16のように可変容量型の油圧モータにより構成されたものに限らず、例えば固定容量型のものでもよい。この場合も、例えば図5に示されるような回生切換弁45を用いることにより、回生が不要な場合に回生モータの駆動を停止させることが可能である。
E.ポンプ容量演算部について
本発明に係るポンプ容量演算部は、前記エンジン余剰トルクと前記回生トルクとの双方を考慮した蓄圧ポンプ容量(前記実施の形態では最終指令容量qf)を演算するものであればよく、その具体的な演算手法は限定されない。例えば、前記第1及び第2の実施形態に係るポンプ容量演算部33,63は、エンジン余剰トルクTe及び回生トルクTb(Ts)にそれぞれ対応する基本ポンプ容量qo及び追加ポンプ容量qaを演算して両ポンプ容量qo,qaの総和を最終指令容量qfとして演算するが、本発明に係るポンプ容量演算部は、まずエンジン余剰トルクと回生トルクとの総和である総トルクを演算し、当該総トルクに基いて最終指令容量qfを演算するものでもよい。
F.「駆動対象に作用する外力によるエネルギーであって油圧アクチュエータから排出される作動油である排出油を増量するエネルギーが存在する場合」について
「駆動対象に作用する外力」とは、駆動対象に作用する力のうち油圧アクチュエータによる力を除く力を意味し、その範囲で広く解釈されることが可能である。また、当該外力によるエネルギーであって油圧アクチュエータから排出される作動油である排出油を増量するエネルギーが存在することの判定基準として、第1の実施の形態ではブーム4を下げ方向に動かすための操作が行われていることが判定条件として設定されているが、これに代えて(例えばストロークセンサにより)ブームシリンダ7が実際に動いていることが検出されることが判定条件に設定されてもよい。同様に、第2の実施の形態では、操作レバー49aが中立位置に戻されていることが判定条件に設定されているが、これに代え、排出圧検出器57A,57Bから出力される排出圧検出信号に基いて実際に旋回制動が行われていることが検出されることが判定条件に設定されてもよい。
2 上部旋回体(駆動対象)
4 ブーム(駆動対象)
7 ブームシリンダ(油圧アクチュエータ)
7a へッド側室
7b ロッド側室
10 エンジン
11,12 メインポンプ
14,14S 油圧ポンプモータ
15 アキュムレータ
16 回生モータ
21,22 ポンプ圧検出器
25 アキュムレータ圧検出器
27A へッド圧検出器(排出圧検出器)
27B ロッド圧検出器(入口圧検出器)
30,60 コントローラ
32A,62A 余剰トルク演算部
32B,62B 回生トルク演算部
33,63 ポンプ容量演算部
34,64 ポンプモータ制御部
36,66 回生モータ制御部
40 旋回モータ
40a 左旋回ポート
40b 右旋回ポート
50 旋回角度検出器
57A 左旋回排出圧検出器
57B 右旋回排出圧検出器

Claims (9)

  1. エンジンが搭載された作業機械に設けられて当該作業機械に含まれる駆動対象を油圧により駆動する油圧駆動装置であって、
    前記エンジンの出力軸に連結され、当該エンジンにより駆動されることにより作動油を吐出するメインポンプと、
    前記メインポンプにより吐出される作動油の供給を受けることにより前記駆動対象を動かすように作動しながら作動油を排出する油圧アクチュエータと、
    可変容量型の油圧ポンプからなり、前記エンジンの出力軸に連結されて当該エンジンにより駆動されることにより蓄圧用の作動油を吐出する蓄圧ポンプと、
    前記蓄圧ポンプが吐出する作動油を受け入れて蓄圧することが可能なアキュムレータと、
    前記エンジンの出力軸に連結され、前記駆動対象に作用する外力によるエネルギーであって前記油圧アクチュエータから排出される作動油である排出油を増量するエネルギーが存在する場合に当該排出油の供給を受けて回生トルクを生成し当該回生トルクを前記エンジンの出力軸に加える回生モータと、
    前記アキュムレータに蓄えられる圧力であるアキュムレータ圧を検出するアキュムレータ圧検出器と、
    前記エンジンの出力トルクの上限と前記駆動対象の駆動負荷に応じて前記メインポンプが要求するポンプ要求トルクとの差であるエンジン余剰トルクを演算する余剰トルク演算部と、
    前記回生トルクを検出する回生トルク検出部と、
    前記エンジン余剰トルクが存在する場合に前記蓄圧ポンプから吐出される作動油によって前記アキュムレータを蓄圧するための当該蓄圧ポンプの容量である蓄圧ポンプ容量を前記アキュムレータ圧に基いて演算するポンプ容量演算部と、
    前記蓄圧ポンプの実際の容量を前記ポンプ容量演算部により演算された前記蓄圧ポンプ容量に調節するポンプ制御部と、を備え、
    前記ポンプ容量演算部は前記エンジン余剰トルクと前記回生トルクとの双方を考慮した蓄圧ポンプ容量を演算する、作業機械の油圧駆動装置。
  2. 請求項1記載の作業機械の油圧駆動装置であって、前記駆動対象に作用する外力は、前記駆動対象に作用する重力である、作業機械の油圧駆動装置。
  3. 請求項2記載の作業機械の油圧駆動装置であって、前記回生トルク検出部は、前記駆動対象を下向きに動かすように前記油圧アクチュエータが作動しているときに当該油圧アクチュエータから排出される作動油の圧力であるアクチュエータ排出圧を検出する排出圧検出器と、前記駆動対象を下向きに動かすように前記油圧アクチュエータが作動している場合にのみ前記アクチュエータ排出圧と前記回生モータの容量とに基いて前記回生トルクを演算し、それ以外の場合には当該回生トルクが0であると判定する回生トルク演算部と、を含む、作業機械の油圧駆動装置。
  4. 請求項3記載の作業機械の油圧駆動装置であって、前記回生トルク検出部は、前記駆動対象を下向きに動かすように前記油圧アクチュエータが作動しているときに当該油圧アクチュエータの入口に導入される作動油の圧力であるアクチュエータ入口圧を検出する入口圧検出器を含み、前記駆動対象を下向きに動かすように前記油圧アクチュエータが作動している場合であっても前記入口圧検出器により検出される前記アクチュエータ入口圧が予め設定された回生上限圧以上である場合には前記回生トルクが0であると判定する、作業機械の油圧駆動装置。
  5. 請求項1記載の作業機械の油圧駆動装置であって、前記駆動対象に作用する外力は、前記駆動対象に作用する旋回方向の慣性力である、作業機械の油圧駆動装置。
  6. 請求項5記載の作業機械の油圧駆動装置であって、前記回生トルク検出部は、前記油圧アクチュエータから排出される作動油の圧力であるアクチュエータ排出圧を検出する排出圧検出器を含み、前記メインポンプから前記油圧アクチュエータへの作動油の供給を停止させる操作が行われているにもかかわらず前記駆動対象が動いている場合にのみ前記アクチュエータ排出圧と前記回生モータの容量とに基いて前記回生トルクを演算し、それ以外の場合には当該回生トルクが0であると判定する、作業機械の油圧駆動装置。
  7. 請求項1記載の作業機械の油圧駆動装置であって、前記蓄圧ポンプは、前記エンジンにより駆動されることにより作動油を吐出するポンプ動作と前記アキュムレータからの作動油の供給を受けて前記エンジンをアシストするためのトルクを生成するモータ動作とを択一的に行うことが可能な可変容量型の油圧ポンプモータにより構成される、作業機械の油圧駆動装置。
  8. 請求項7記載の作業機械の油圧駆動装置であって、前記ポンプ制御部は、前記余剰トルク演算部により演算されるエンジン余剰トルクが一定以上の場合には前記油圧ポンプモータに前記ポンプ動作を行わせ、前記余剰トルク演算部により演算されるエンジン余剰トルクが負の場合には前記油圧ポンプモータに前記モータ動作を行わせるように当該油圧ポンプモータを操作するポンプモータ制御部である、作業機械の油圧駆動装置。
  9. 請求項8記載の作業機械の油圧駆動装置であって、前記ポンプモータ制御部は、前記アキュムレータ圧が予め設定されたアキュムレータ回生上限圧に達した場合には前記油圧ポンプモータのポンプ動作を禁止する、作業機械の油圧駆動装置。


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