JP2018159134A - 鋼板表面疵の抑制方法及び連続焼鈍炉 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鋼板ストリップをロール送給しながら焼鈍する連続焼鈍炉において、前記炉内の酸素分圧が、Fe/FeOの平衡酸素分圧以下であり、少なくとも一つの送給ロールと鋼板ストリップの接近部の酸素分圧PO2(atm)と、前記送給ロールの表面温度T(℃)が下記(1)式を満たす鋼板表面疵の抑制方法である。
T≦36.4×ln(106×PO2)+1020・・・(1)
【選択図】図2
Description
鋼板ストリップをロール送給しながら焼鈍する連続焼鈍炉において、
前記炉内の酸素分圧が、Fe/FeO平衡酸素分圧以下であり、
少なくとも一つの送給ロールと鋼板ストリップの接近部の酸素分圧PO2(atm)と、前記送給ロールの表面温度T(℃)が下記(1)式を満たすことを特徴とする鋼板表面疵の抑制方法である。
T≦36.4×ln(106×PO2)+1020・・・(1)
鋼板ストリップを送給するためのロールを備えた連続焼鈍炉であって、
送給ロールの表面温度T(℃)の計測手段と、
前記送給ロールと鋼板ストリップの接近部に向かうガス吹き出し部を有する酸素供給手段と、
前記送給ロールと鋼板ストリップの接近部の酸素濃度測定手段とを有する。
T≦36.4×ln(106×PO2)+1020・・・(1)
Cは鋼材の強度を高めるために必要な元素であり、C量は0.04%以上が好ましい。一方、C量が過剰になると冷間加工性が低下するため、0.20%以下が好ましい。
Siは鋼材の強度を高めつつ、延性や加工性を確保できる重要な元素である。高強度鋼板に必要な強度を考慮すれば、Si量は0.1%以上が好ましい。しかしSi量が過剰になると延性が損なわれるため、3.0%以下が好ましい。
Mnは、強度及び靭性を確保できる重要な元素であり、高強度鋼板に必要な強度を考慮すれば、Mn量は0.1%以上が好ましい。しかしMn量が過剰になると延性を損なうため、Mn量は3.0%以下が好ましい。
Alは、脱酸のため及び焼ならし加熱の際にオーステナイト結晶粒の粗大化を防止するため、鋼材に添加することが好ましい。Al量は好ましくは0.01%以上である。一方、Al量が過剰になると前述の効果が飽和することに加えて、結晶粒が不安定になるため0.06%以下が好ましく、より好ましくは0.05%以下である。
Pは不可避的に含まれる元素であるが、微量のPの存在はセメンタイトの析出を遅延し変態を抑制する。このような作用を発揮させるために、P量は0.001%以上としても良い。しかし、P量が過剰になると延性の劣化とめっき密着性の悪化を招くため、P量は0.02%以下が好ましい。
Sは不可避的に含まれる元素であり、硫化物系介在物であるMnSを形成し、これが鋼材の熱間圧延時に偏析することにより鋼材を脆化させる。そこで、S量は0.004%以下にすることが好ましい。Sは少なければ少ない程好ましいが、通常0.001%程度含まれる。
Nは、粗大な窒化物を形成して曲げ性や穴拡げ性を劣化させ、かつ溶接時のブローホールの原因となることから、N量は0.01%以下が好ましい。Nは少なければ少ない程好ましく、下限は特に定める必要はないが、通常0.001%程度含まれる。
Niは焼入れ性を向上させる元素である。Niを適量添加することで連続焼鈍、冷却時点でのマルテンサイト比率の増大とマルテンサイトのラス構造を微細化する作用があり、この作用を通じて、次工程のCGL焼鈍時における2相域再加熱−冷却処理時の焼入れ性を良好にすることができる。その結果、冷却後の最終的な複合組織を良好にでき、各種成形加工性を向上できる。このような効果を有効に発揮させるため、Ni量は0.1%以上が好ましく、より好ましくは0.2%以上である。しかし、Niは高価な元素であるため、製造コストの観点から、Ni量は2%以下が好ましく、より好ましくは1.5%以下、更に好ましくは1.0%以下である。
CuもNiと同様に焼入れ性を向上させる元素であり、Niと同様の作用により各種成形加工性を向上できる。このような効果を有効に発揮させるため、Cu量は0.1%以上が好ましく、より好ましくは0.2%以上である。しかし、Cuは高価な元素であるため、製造コストの観点から、Cu量は2%以下が好ましく、より好ましくは1.5%以下であり、更に好ましくは1.0%以下である。
Moは、めっき性を損ねることなく、固溶強化を図る上で重要な元素である。また、Ni、Cuと同様に焼入れ性を向上させる元素であり、Niと同様の作用により各種成形加工性を向上できる。このような効果を有効に発揮させるため、Mo量は0.1%以上が好ましく、より好ましくは0.2%以上である。しかし、Moは高価な元素であるため、製造コストの観点から、Mo量は2%以下が好ましく、より好ましくは1.5%以下であり、更に好ましくは1.0%以下である。
Bは焼入れ性を向上する効果があり、必要に応じて添加することが好ましい。このような効果を有効に発揮させるため、B量は0.0001%以上が好ましく、より好ましくは0.0002%以上である。しかし、B量が過剰になるとめっき性が劣化するため、0.01%以下が好ましく、より好ましくは0.005%以下であり、更に好ましくは0.001%以下である。
Crは、鋼材及び冷間鍛造品に強度を付与するために必要に応じて添加できる。このような効果を有効に発揮するため、Cr量は0.01%以上が好ましい。一方、Cr量が過剰になると延性が損なわれるため、Cr量は2%以下が好ましい。
Nbは、微量の添加で微細組織を得ることができ、靭性を損なわずに高強度化を図れる元素である。このような効果を有効に発揮するため、Nb量は0.001%以上が好ましく、より好ましくは0.005%以上である。しかし、Nb量が過剰になると炭化物が過剰に生成し、マルテンサイト分率の減少により、又は炭化物の析出強化により、強度と加工性のバランスを劣化させる。そのため、Nb量は1%以下が好ましく、より好ましくは0.5%以下であり、更に好ましくは0.1%以下である。
VもNbと同様に炭化物を生成する元素であり、鋼板の強度向上に寄与する。このような効果を有効に発揮させるため、V量は0.001%以上が好ましく、より好ましくは0.005%以上である。しかし、V量が過剰になると、コスト高となるだけでなく、降伏点(降伏比)を上昇させて加工性を低下させてしまう。そこで、V量は1%以下が好ましく、より好ましくは0.5%以下であり、更に好ましくは0.1%以下である。
Wは、析出物強化、フェライト結晶粒の成長抑制による細粒強化、及び再結晶の抑制を通じた転位強化により、鋼板の強度上昇に寄与する元素である。このような効果を有効に発揮させるため、W量は0.001%以上が好ましく、より好ましくは0.005%以上である。しかし、W量が過剰になると、炭窒化物の析出を過剰にし、成形性の劣化を招く。そこで、W量は0.3%以下が好ましく、より好ましくは0.2%以下、更に好ましくは0.1%以下である。
Tiは脱酸剤として作用し、好ましいTi量は0.01%以上である。しかし、Ti量が過剰になると靭性が低下するため、Ti量は0.1%以下が好ましい。
Ca、Mg、REMはいずれも脱散剤として作用し、これらの効果を有効に発揮させるため、Ca量、Mg量、REM量はそれぞれ0.002%以上が好ましく、より好ましくは0.003%以上が好ましい。しかし、Ca量、Mg量、REM量が過剰になると成形性が低下するため、Ca量、Mg量、REM量はそれぞれ0.03%以下が好ましく、より好ましくは0.02%以下、さらに好ましくは0.01%以下である。
Claims (4)
- 鋼板ストリップをロール送給しながら焼鈍する連続焼鈍炉において、
前記炉内の酸素分圧が、Fe/FeOの平衡酸素分圧以下であり、
少なくとも一つの送給ロールと鋼板ストリップの接近部の酸素分圧P02(atm)と、前記送給ロールの表面温度T(℃)が下記(1)式を満たすことを特徴とする鋼板表面疵の抑制方法。
T≦36.4×ln(106×PO2)+1020・・・(1) - 前記送給ロールと鋼板ストリップの接近部に酸化性ガスを吹きつけて、前記(1)式を満たすように該接近部の酸素分圧を前記炉内の酸素分圧よりも高める請求項1に記載の鋼板表面疵の抑制方法。
- 前記送給ロールが表面温度を調整する機能を有する請求項1又は2に記載の鋼板表面疵の抑制方法。
- 鋼板ストリップを送給するためのロールを備えた連続焼鈍炉であって、
送給ロールの表面温度T(℃)の計測手段と、
前記送給ロールと鋼板ストリップの接近部に向かうガス吹き出し部を有する酸素供給手段と、
前記送給ロールと鋼板ストリップの接近部の酸素濃度測定手段とを有する連続焼鈍炉。
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JP2018115235A JP2018159134A (ja) | 2018-06-18 | 2018-06-18 | 鋼板表面疵の抑制方法及び連続焼鈍炉 |
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