JP2018159018A - 粘着剤組成物および粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】高耐久条件下でも耐ブリスター性および耐白化性を有する粘着剤層を形成することのできる粘着剤組成物を提供する。【解決手段】アルコキシアルキル(メタ)アクリレートを61〜93質量%、3級窒素含有モノマーを6〜19質量%、架橋性官能基含有モノマーを1〜20質量%含むモノマー成分の共重合体である(メタ)アクリル系共重合体(A)と、架橋剤(B)とを含有する粘着剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤組成物および粘着シートに関する。
近年、スマートフォンおよびタブレット型コンピュータの市場は急拡大の一途を辿っており、これらにはタッチパネルが搭載されている。タッチパネルは各種材料の積層体であり、前記各種材料の貼り合わせには粘着剤が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
タッチパネルの支持体およびカバー部材(表面支持体)の材料としては、例えばポリカーボネートが使用されているが、ポリカーボネートはその製造工程上の理由により水分を含んでおり、粘着シートをポリカーボネート板に貼付して耐久試験に投入すると、この水分に由来する発泡が生じる。このように、積層材料から発生するアウトガスによる発泡により、ブリスターが生じることがある。また、外部からの水分の浸入により、白化が生じることもある。
また、タッチパネルの自動車用途への展開も拡大してきているが、自動車用途では夏場に高温になる等の理由により、一般用途以上の高耐久性が求められる。しかしながら、従来の粘着剤では、自動車用途を想定した高耐久条件をクリアすることが出来なかった。
また、粘着シートは、例えば、ノンキャリアフィルム(NCF)を用いて、熟成後転写法により、熟成後に基材に貼り合せて製造されている。この場合、粘着剤層の基材への密着性は、通常の熟成前転写法と比較して著しく低下し、より一層耐久性を厳しいものとする。
特開2013−018892号公報
本発明の第1の課題は、高耐久条件下でも耐ブリスター性および耐白化性を有する粘着剤層を形成することのできる粘着剤組成物を提供することにあり、第2の課題は、熟成後転写法で作成した場合でも良好な基材密着性を有する粘着剤を形成することのできる粘着剤組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、以下の構成を有する粘着剤組成物が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、例えば以下の[1]〜[4]に関する。
[1]アルコキシアルキル(メタ)アクリレートを61〜93質量%、3級窒素含有モノマーを6〜19質量%、架橋性官能基含有モノマーを1〜20質量%含むモノマー成分の共重合体である(メタ)アクリル系共重合体(A)と、架橋剤(B)とを含有する粘着剤組成物。
[2]前記3級窒素含有モノマーが、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミドおよびアクリロイルモルホリンより選択される少なくとも1種である前記[1]に記載の粘着剤組成物。
[3]前記3級窒素含有モノマーが、N−ビニルピロリドンである前記[1]または[2]に記載の粘着剤組成物。
[4]前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の粘着剤組成物より形成された粘着剤層を有する粘着シート。
本発明によれば、高耐久条件下でも耐ブリスター性および耐白化性を有する粘着剤層を形成することのできる粘着剤組成物を提供することができる。また、熟成後転写法で作成した場合でも良好な基材密着性を有する粘着剤を形成することのできる粘着剤組成物を提供することができる。
図1は、抵抗膜方式のタッチパネルにおけるタッチパネルユニットの例を模式的に示す断面図である。 図2は、静電容量方式のタッチパネルにおけるタッチパネルユニットの例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の粘着剤組成物および粘着シートを説明する。
本明細書において、アクリルおよびメタクリルを総称して「(メタ)アクリル」とも記載する。「熟成前転写法」とは、粘着剤組成物をセパレーターに塗布し乾燥して塗膜(粘着剤層)を形成し、セパレーターがない側の塗膜へ基材を貼り合わせ(転写し)、塗膜を熟成する方法をいう。「熟成後転写法」とは、塗膜(粘着剤層)がセパレーターにより挟持された粘着シートを作製した後に塗膜を熟成し、その後片方のセパレーターを剥がして塗膜(粘着剤層)に基材を貼り合わせる方法をいう。
〔粘着剤組成物〕
本発明の粘着剤組成物は、特定の(メタ)アクリル系共重合体(A)と、架橋剤(B)とを含有する。
<(メタ)アクリル系共重合体(A)>
(メタ)アクリル系共重合体(A)は、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートを61〜93質量%、3級窒素含有モノマーを6〜19質量%、架橋性官能基含有モノマーを1〜20質量%含むモノマー成分の共重合体であり、前記モノマー成分を共重合して得られる。
モノマー成分は、通常は、重合性二重結合含有モノマーである。
〈アルコキシアルキル(メタ)アクリレート〉
アルコキシアルキル(メタ)アクリレート由来の構造単位を含む共重合体を用いることにより、高湿環境下で粘着剤層中に吸収された水分を粘着剤層内で分散させて、耐ブリスター性および耐白化性を高めることができる。
アルコキシアルキル(メタ)アクリレートにおけるアルコキシアルキル基の炭素数は、通常は2〜18、好ましくは2〜12、より好ましくは2〜10である。アルコキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシメチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−エトキシプロピル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート、4−エトキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アルコキシアルキル(メタ)アクリレートは1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
全モノマー成分中のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート量は、61〜93質量%であり、好ましくは65〜90質量%、より好ましくは70〜88質量%である。アルコキシアルキル(メタ)アクリレート量が前記下限値以上であると、粘着剤層に侵入した水分を効率よく分散させることができ、耐ブリスター性および耐白化性が高くなる。前記上限値以下であると、凝集力の向上に有利である。また、前記(メタ)アクリル系共重合体(A)は、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート由来の構造単位を、好ましくは61〜93質量%、より好ましくは65〜90質量%、さらに好ましくは70〜88質量%有する。前記構造単位量は、例えば、モノマー成分の仕込み量から把握することができる。
〈3級窒素含有モノマー〉
3級窒素含有モノマー由来の構造単位を含む共重合体を用いることにより、粘着剤の凝集力を向上させる、熟成後の粘着剤層の基材への密着性を高める、ならびに耐ブリスター性および耐白化性をより高めることができる。3級窒素とは、窒素原子の3つの結合手が水素原子以外の原子、好ましくは炭素原子と結合した窒素原子を意味する。
3級窒素含有モノマーとしては、例えば、アミノ基含有モノマー、アミド基含有モノマー、窒素系複素環含有モノマーであって、アミノ基、アミド基および窒素系複素環における窒素原子が3級であるモノマー、特に(メタ)アクリレートやビニル化合物が挙げられ;具体的には、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン等の窒素系複素環含有モノマーが挙げられる。これらの中でも、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミドおよびアクリロイルモルホリンより選択される少なくとも1種が好ましく、耐ブリスター性の観点から、N−ビニルピロリドンがより好ましい。
3級窒素含有モノマーは1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
全モノマー成分中の3級窒素含有モノマー量は、6〜19質量%であり、好ましくは7〜19質量%、より好ましくは8〜19質量%である。3級窒素含有モノマー量が前記下限値以上であると、凝集力の向上に有利である。前記上限値以下であると基材密着性に優れる。また、前記(メタ)アクリル系共重合体(A)は、3級窒素含有モノマー由来の構造単位を、好ましくは6〜19質量%、より好ましくは7〜19質量%、さらに好ましくは8〜19質量%有する。前記構造単位量は、例えば、モノマー成分の仕込み量から把握することができる。
〈架橋性官能基含有モノマー〉
架橋性官能基含有モノマーとしては、例えば、水酸基含有モノマー、酸基含有モノマーが挙げられ、これらの中でも水酸基含有モノマーが好ましい。
水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロシキブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
酸基としては、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、リン酸基、硫酸基が挙げられる。カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸β−カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸5−カルボキシペンチル、コハク酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸が挙げられる。カルボキシル基以外の酸基含有モノマーとしては、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸等の酸無水物基含有モノマー;側鎖にリン酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー等のリン酸基含有モノマー;側鎖に硫酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー等の硫酸基含有モノマーが挙げられる。
なお、一実施態様において、被着体において酸基による腐食が問題となる場合、例えば、本発明の粘着剤組成物より形成された粘着剤層が、金属または金属酸化物からなる配線と直接接触する場合、酸基含有モノマーは実質的に使用しないことが好ましく、すなわち、(メタ)アクリル系共重合体(A)は、前記酸基を実質的に有さないことが好ましい。酸基を実質的に有さないとは、例えば、(メタ)アクリル系共重合体(A)の酸価が0.5mgKOH/g以下であることを意味する。
架橋性官能基含有モノマーの中でも、水酸基含有モノマーが好ましい。水酸基含有モノマー由来の水酸基の少なくとも一部は、(メタ)アクリル系共重合体(A)中で架橋点となり、後述するイソシアネート系架橋剤(B1)のイソシアネート基と反応することで、架橋構造を形成することができる。
架橋性官能基含有モノマーは1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
全モノマー成分中の架橋性官能基含有モノマー量は、1〜20質量%であり、好ましくは3〜20質量%、より好ましくは4〜15質量%である。このような態様であると、(メタ)アクリル系共重合体(A)の架橋構造が適度に形成され、適度な柔軟性を有する粘着剤層が得られる。また、前記(メタ)アクリル系共重合体(A)は、架橋性官能基含有モノマー由来の構造単位を、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは3〜20質量%、さらに好ましくは4〜15質量%有する。前記構造単位量は、例えば、モノマー成分の仕込み量から把握することができる。
〈他のモノマー〉
前記モノマー以外の他のモノマーとしては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基含有(メタ)アクリレート、アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、スチレン系モノマー、3級窒素含有モノマー以外のアミド基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、酢酸ビニル、重合性マクロモノマーが挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートでのアルキル基の炭素数は、1〜20であることが好ましい。アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、iso−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、iso−デシル(メタ)アクリレート、ウンデカ(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、iso−ステアリル(メタ)アクリレートが挙げられる。
脂環式炭化水素基または芳香族炭化水素基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン;メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、へキシルスチレン、ヘプチルスチレン、オクチルスチレン等のアルキルスチレン;フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン等のハロゲン化スチレン;ニトロスチレン、アセチルスチレン、メトキシスチレン等の官能基化スチレンが挙げられる。
アミド基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド等のN−アルキル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。シアノ基含有モノマーとしては、例えば、シアノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリルが挙げられる。
重合性マクロモノマーを構成する重合体鎖(主鎖)部分のモノマーの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレートおよびtert−ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、前記アルキル基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、また、(メタ)アクリロニトリル;スチレンおよびα−メチルスチレン等のスチレン系モノマーも挙げられる。
前記マクロモノマーは、例えば、(メタ)アクリル系マクロモノマー、(メタ)アクリロニトリル系マクロモノマー、およびスチレン系マクロモノマーが好ましく、公知の種々の方法に従って製造することができ、例えば、特開2013−018227号公報の段落[0039]に記載された方法により製造することができる。
前記マクロモノマーとしては、市販品を用いてもよく、例えば、主鎖構成モノマーがメチルメタクリレートであるマクロモノマー(製品名:45%AA−6(AA−6S)、AA−6;東亞合成製)、主鎖がスチレン/アクリロニトリルの共重合体であるマクロモノマー(製品名:AN−6S;東亞合成製)、主鎖構成モノマーがブチルアクリレートのマクロモノマー(製品名:AB−6;東亞合成製)が挙げられ、これらは末端がメタクリロイル基である。
他のモノマーは1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
全モノマー成分中の他のモノマー量は、20質量%以下であることが好ましい。また、前記(メタ)アクリル系共重合体(A)において、他のモノマー由来の構造単位量は、20質量%以下であることが好ましい。
〈(メタ)アクリル系共重合体(A)の構成および製造方法〉
(メタ)アクリル系共重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定される重量平均分子量(Mw)は、通常は10万〜100万、好ましくは20万〜80万、より好ましくは25万〜60万である。このような態様であると、高温耐久性に優れた粘着剤を得ることができる。
(メタ)アクリル系共重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、通常は2〜15、好ましくは2.5〜10、より好ましくは3〜8である。このような態様であると、高温耐久性に優れた粘着剤を得ることができる。
MwおよびMw/Mnは、例えば、実施例に記載の方法で測定することができる。
(メタ)アクリル系共重合体(A)の、いわゆるFoxの式により求めたガラス転移温度(Tg)は、通常は−70〜0℃、好ましくは−70〜−30℃である。このような態様であると、常温で優れた接着強度を有する粘着剤を得ることができる。
粘着剤組成物中の(メタ)アクリル系共重合体(A)と後述の架橋剤(B)との合計含有量は、粘着剤組成物の固形分100質量%中、通常は60質量%以上、好ましくは65質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。なお、固形分とは溶媒を除く成分である。
(メタ)アクリル系共重合体(A)は、公知の方法により製造することができるが、溶液重合により製造することが好ましい。具体的には反応容器内にモノマー成分および重合溶媒を仕込み、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で、重合開始剤を添加し、反応温度50〜90℃程度に加熱し、4〜20時間反応させる。また、重合反応中に、重合開始剤、連鎖移動剤、モノマー成分、重合溶媒を適宜追加添加してもよい。
重合開始剤としては、例えば、通常の有機系重合開始剤が挙げられ、具体的には、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸化物、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。これらの中でも、アゾ化合物が好ましい。
アゾ化合物としては、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2'−アゾビス(N,N'−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2'−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド〕、2,2'−アゾビス(イソブチルアミド)ジヒドレート、4,4'−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2'−アゾビス(2−シアノプロパノール)、ジメチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2'−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]が挙げられる。
重合開始剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
重合開始剤の使用量は、モノマー成分100質量部に対して、通常は0.01〜5質量部である。このような態様であると、(メタ)アクリル系共重合体(A)のMwを適切な範囲内に調整することができる。
溶液重合においては、重合溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の脂環式炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、フェニルエチルエーテル、ジフェニルエーテル等のエーテル;クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセタミド、N−メチルピロリドン等のアミド;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシドが挙げられる。重合溶媒は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
<架橋剤(B)>
架橋剤(B)は、(メタ)アクリル系共重合体(A)と架橋反応を起こすことができる成分であれば特に限定されない。例えば、イソシアネート系架橋剤(B1)、金属キレート架橋剤(B2)、エポキシ系架橋剤(B3)が挙げられる。
架橋剤(B)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明の粘着剤組成物において、架橋剤(B)の合計含有量は、(メタ)アクリル系共重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.05〜3質量部、さらに好ましくは0.1〜3質量部である。このような態様であると、架橋構造が充分かつ適度に形成され、凝集力が高く、また粘着物性のバランスに優れ、耐久性に優れた粘着剤を得ることができる。
〈イソシアネート系架橋剤(B1)〉
イソシアネート系架橋剤(B1)は、例えば、1分子中に2以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物である。前記イソシアネート系架橋剤(B1)の、1分子中のイソシアネート基数は、好ましくは2〜8、より好ましくは2〜5である。イソシアネート基数が前記範囲にあると、架橋反応効率の点および入手容易性の点で好ましい。
1分子中のイソシアネート基数が2のジイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネートが挙げられる。脂肪族ジイソシアネートとしては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の炭素数4〜30の脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。脂環族ジイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、シクロペンチルジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の炭素数7〜30の脂環族ジイソシアネートが挙げられる。芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルプロパンジイソシアネート等の炭素数8〜30の芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
1分子中のイソシアネート基数が3以上のイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートが挙げられる。具体的には、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、4,4',4"−トリフェニルメタントリイソシアネートが挙げられる。
また、イソシアネート化合物としては、例えば、イソシアネート基数が2または3以上の上記イソシアネート化合物の、多量体(例えば2量体または3量体、ビウレット体、イソシアヌレート体)、誘導体(例えば、多価アルコールと2分子以上のジイソシアネート化合物との付加反応生成物)、重合物が挙げられる。前記誘導体における多価アルコールとしては、低分子量多価アルコールとして、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリトリトール等の3価以上のアルコールが挙げられ;高分子量多価アルコールとして、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールが挙げられる。
このようなイソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネートの3量体、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートまたはトリレンジイソシアネートのビウレット体またはイソシアヌレート体、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートまたはキシリレンジイソシアネートとの反応生成物(例えばトリレンジイソシアネートまたはキシリレンジイソシアネートの3分子付加物)、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物(例えばヘキサメチレンジイソシアネートの3分子付加物)、ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネートが挙げられる。
イソシアネート系架橋剤(B1)は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
〈金属キレート架橋剤(B2)〉
金属キレート架橋剤(B2)としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属に、アルコキシド、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル等が配位した化合物が挙げられる。これらの中でも、特にアルミキレート化合物(綜研化学社M−12AT等)が好ましい。具体的には、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムセカンダリーブチレート、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネートが挙げられる。
金属キレート架橋剤(B2)は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
〈エポキシ系架橋剤(B3)〉
エポキシ系架橋剤(B3)としては、1分子中のエポキシ基数が2以上のエポキシ化合物が通常用いられる。例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、N,N,N’ ,N’−テトラグリシジルアミノフェニルメタン、トリグリシジルイソシアヌレート、m−N,N−ジグリシジルアミノフェニルグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N−ジグリシジルアニリンが挙げられる。
エポキシ系架橋剤(B3)は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
<添加剤>
本発明の粘着剤組成物は、上記成分のほか、本発明の効果を損なわない範囲で、有機溶媒、帯電防止剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘着付与樹脂、可塑剤、消泡剤、充填剤、安定剤、軟化剤、および濡れ性調整剤から選択される少なくとも1種を含有してもよい。
有機溶媒としては、例えば、(メタ)アクリル系共重合体(A)の製造方法の説明で記載した重合溶媒が挙げられる。例えば、(メタ)アクリル系共重合体(A)および重合溶媒を含むポリマー溶液と、架橋剤(B)とを混合して、粘着剤組成物を調製することができる。本発明の粘着剤組成物において、有機溶媒の含有量は、通常は0〜90質量%であり、好ましくは10〜80質量%である。
〔粘着シート〕
本発明の粘着シートは、上述の粘着剤組成物より形成された粘着剤層を有する。粘着剤層は、上述の粘着剤組成物を架橋することにより、具体的には(メタ)アクリル系共重合体(A)を架橋剤(B)で架橋することにより得ることができる。
粘着シートとしては、例えば、上記粘着剤層のみを有する両面粘着シート、基材と、基材の両面に形成された上記粘着剤層とを有する両面粘着シート、基材と、基材の一方の面に形成された上記粘着剤層とを有する片面粘着シート、およびこれらの粘着シートにおける粘着剤層の他の層と接していない面に剥離処理されたセパレーターが貼付された粘着シートが挙げられる。
粘着剤層の形成条件は、例えば以下のとおりである。前記組成物をセパレーターまたは基材上に塗布し、通常は60〜120℃、好ましくは70〜110℃で、通常は1〜5分間、好ましくは2〜4分間乾燥し、塗膜を形成する。続いて、セパレーターに塗布した場合、セパレーターがない側の塗膜へ基材またはセパレーターを貼り合わせ、基材上に塗布した場合、塗膜上にセパレーターを貼り合わせる。続いて、通常は1日以上、好ましくは3〜10日間、通常は5〜60℃、好ましくは15〜40℃、通常は30〜70%RH、好ましくは40〜70%RHの環境下で養生(熟成)する。上記のような熟成条件で架橋を行うと、効率よく架橋体(ネットワークポリマー)の形成が可能である。セパレーターで挟持された塗膜の場合、熟成後に片方のセパレーターを剥がし、露出した粘着剤層に基材を貼り合わせる。
本発明において、上記粘着剤層は、熟成後においても、高温・高湿条件下で基材に対して高い密着性を示す。したがって、本発明の粘着シートは、粘着剤層の熟成前転写法で製造されたものだけでなく、熟成後転写法で製造されたものであってもよい。
基材およびセパレーターとしては、例えば、ポリエステル(例:ポリエチレンテレフタレート)、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のプラスチック製フィルム;不織布;紙セパレーターが挙げられる。基材およびセパレーターは、それぞれ表面が剥離処理されていてもよい。
粘着剤層の厚さは、通常は3〜1000μm、好ましくは5〜500μmである。基材およびセパレーターの厚さは、通常は10〜1000μmである。
粘着剤層は、凝集力、接着力および再剥離性の向上の観点から、ゲル分率が、好ましくは40〜90質量%、より好ましくは50〜80質量%、さらに好ましくは60〜70質量%である。
粘着剤層のゲル分率は、以下のようにして求めることができる。粘着剤層から粘着剤約0.1gをサンプリング瓶に採取し、酢酸エチル30mLを加えて4時間振盪した後、このサンプル瓶の内容物を200メッシュのステンレス製金網で濾過し、金網上の残留物を100℃で2時間乾燥して乾燥質量を測定する。次式により、粘着剤層のゲル分率を求める。ゲル分率(質量%)=(乾燥質量/粘着剤採取質量)×100(%)
本発明の粘着シートは、耐久性の高い粘着剤層を有する。特に、90℃/95%RHという厳しい条件下で試験を行った場合において、優れた耐ブリスター性、耐白化性および基材密着性を示す。このように自動車用途のような高温・高湿条件下において高い耐久性を有する本発明の粘着シートは、広く工業用粘着シートとして、あるいは各種樹脂フィルムの貼り合わせ用途に使用できる。
〔タッチパネル用途〕
本発明の粘着シートは、各種部材に対して貼着することができるが、特に異種部材を貼り合わせるタッチパネル用部材の貼着に好適である。タッチパネルは、例えば、スマートフォン、タブレット型コンピュータの他、カーナビゲーション装置等の車載装置に搭載される。
タッチパネルユニットとしては、例えば、抵抗膜方式タッチパネルのユニット、静電容量方式タッチパネルのユニットが挙げられ、これらは共には各種材料の積層体であり、前記各種材料の貼り合わせには本発明の粘着剤組成物を用いることができる。前記粘着剤組成物より形成された粘着剤層の用途としては、例えば、後述する透明性部材同士を貼り合わせるための粘着剤層、後述する透明性部材と透明導電膜とを貼り合わせるための粘着剤層が挙げられる。
タッチパネルユニットは、画面の最表面に配置されることから、使用される粘着剤には、高い透明性が求められ、さらに、高い耐熱性および耐湿熱性等の特性が必要とされる。
タッチパネルユニットは、例えば、表面支持体と、粘着剤層と、金属もしくは金属酸化物からなる透明導電膜、または支持体付き金属もしくは支持体付き金属酸化物からなる透明導電膜とをこの順に有する。金属および金属酸化物としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化アンチモンスズ(ATO)、酸化スズが挙げられる。
<抵抗膜方式のタッチパネル>
抵抗膜方式のタッチパネルユニット10−1は、図1に示すように、貼り合わせ剤30によって間隙34が形成されるように上部積層体11−1と下部積層体13−1とを貼り合わせることにより形成されており、間隙34内には有効に間隙幅を確保するためにスペーサー32が配置されている。
上部積層体11−1、下部積層体13−1には、間隙34に面して、金属または金属酸化物からなる、透明導電膜27−1、27−2がそれぞれ配置されている。透明導電膜27−1、27−2は、通常は透明性部材からなる上部電極支持体25−1、下部電極支持体25−2の表面に形成されている。
上部積層体11−1の最表面には表面支持体21−1が配置されており、表面支持体21−1は通常は透明性部材である。下部積層体13−1の最深部にはフラットパネルディスプレイ(FPD)の表面と対面するように深部の表面支持体21−2が形成されており、表面支持体21−2は透明性部材である。
透明性部材としては、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等の透明樹脂フィルム;ガラス等の透明板が挙げられる。これは、下記の静電容量方式についても同様である。
表面支持体21−1と上部電極支持体25−1とを接着するために、本発明の粘着剤組成物より形成された粘着剤層23−1が配置されており、および/または、深部の表面支持体21−2と下部電極支持体25−2とを接着するために、本発明の粘着剤組成物より形成された粘着剤層23−2が配置されている。
また、貼り合わせ剤30として本発明の粘着剤組成物が使用されることもある。
透明導電膜27−1および27−2には回路が形成されており、表面支持体21−1の上から指などで圧力を加えることにより、圧力が加わった部分の間隙34が消滅して透明導電膜27−1および27−2が接触して通電し、加圧部分を検知するように形成されている。
<静電容量方式のタッチパネル>
静電容量方式のタッチパネルユニット10−2は、図2に示すように、一般的には、透明性部材からなる中央支持体60を挟んで上部積層体15−1と下部積層体15−2とが配置された構造を有していることが多い。
上部積層体15−1では、中央支持体60に接触して透明導電膜57−1が配置されており、最表面には透明性部材からなる表面支持体51−1が配置されている。透明導電膜57−1と表面支持体51−1とを接着するように、本発明の粘着剤組成物より形成された粘着剤層53−1が配置されており、粘着剤層53−1は、透明導電膜57−1と直接接触している。
下部積層体15−2では、中央支持体60に接触して透明導電膜57−2が配置されており、最深部には透明性部材からなる表面支持体51−2が配置されている。透明導電膜57−2と最深部の表面支持体51−2とを接着するように、本発明の粘着剤組成物より形成された粘着剤層53−2が配置されており、粘着剤層53−2は、透明導電膜57−2と直接接触している。
静電容量方式のタッチパネルユニット10−2において、最深部の表面支持体51−2は、フラットパネルディスプレイと対面するように配置される。
透明導電膜57−1および57−2は、回路を形成している。静電容量方式のタッチパネルにおいては、タッチパネルユニット10−2の表面に指が接触することによる接触部分の静電容量の変化を読み取って、接触位置を検知する。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。以下の実施例等の記載において、特に言及しない限り、「部」は「質量部」を示す。
実施例における各測定値は、以下の方法により求めた。
〔重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)〕
(メタ)アクリル系共重合体について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、下記条件で標準ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
・測定装置:HLC−8120GPC(東ソー製)
・GPCカラム構成:以下の5連カラム(すべて東ソー製)
(1)TSK−GEL HXL−H (ガードカラム)
(2)TSK−GEL G7000HXL
(3)TSK−GEL GMHXL
(4)TSK−GEL GMHXL
(5)TSK−GEL G2500HXL
・サンプル濃度:1.0mg/cm3となるように、テトラヒドロフランで希釈
・移動相溶媒:テトラヒドロフラン
・流量:1.0cm3/min
・カラム温度:40℃
[実施例1]
撹拌機、還流冷却器、温度計および窒素道入管を備えた反応装置に、2−メトキシエチルアクリレート(MEA)85部、N−ビニルピロリドン(NVP)10部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)5部、および酢酸エチル80部、メチルエチルケトン50部を仕込み、窒素ガスを導入しながら75℃に昇温した。次いで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を加え、窒素雰囲気下、75〜76℃で4時間重合反応を行った。反応終了後、反応液を酢酸エチルにて希釈し、固形分濃度39質量%のポリマー溶液を調製した。得られた(メタ)アクリル系共重合体のMwは30万、Mw/Mnは3.8であった。
(メタ)アクリル系共重合体の固形分100部に対して、イソシアネート系架橋剤であるY−75(綜研化学製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体:固形分75%酢酸エチル溶液)を固形分が0.6部となる量で前記溶液に添加して、粘着剤組成物を得た。
得られた粘着剤組成物を、剥離処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、乾燥後の厚さが50μmになるように塗布し、80℃で3分間乾燥させ溶媒を除去して、粘着剤層を形成した。粘着剤層のPETフィルムと接している面とは反対側表面に、剥離処理されたPETフィルムを貼り合わせた。次いで、23℃、65%RH環境下で7日間熟成を行い、厚さ50μmの粘着剤層を有する粘着シートを得た。
[実施例2〜11、比較例1〜5]
表1に記載したモノマー成分を用いて(メタ)アクリル系共重合体を合成し、当該共重合体を用いたこと以外は実施例1と同様に行い、粘着シートを得た。
<評価>
〔耐ブリスター性試験(密着性試験含む)〕
粘着シートから剥離処理されたPETフィルムを剥がして、露出した粘着剤層を厚さ100μmのPETフィルム(基材)に貼付した後、60mm×50mmの大きさに裁断し、さらにもう一方の剥離処理されたPETフィルムを剥がして、露出した粘着剤層をポリカーボネート板(PC板、被着体)に貼着し、次いで50℃、5気圧に調整されたオートクレーブに20分間保持して試験板を作製した。試験板を90℃/95%RH条件下に100時間放置した後、以下の基準で、耐ブリスター性を評価した。
◎:PC板−粘着剤層界面、粘着剤層−PETフィルム界面の何れにも
発泡・ウキ等の外観不良は全く観察されなかった。
○1:PC板−粘着剤層界面にごく僅かに発泡等の外観不良が観察されるが、
実使用上問題ない。
○2: 粘着剤層−PETフィルム界面にごく僅かにウキ等の外観不良が観察されるが、
実使用上問題ない。
×1:PC板−粘着剤層界面に発泡等の外観不良が広範囲で観察された。
×2:粘着剤層−PETフィルム界面にウキ等の外観不良が広範囲で観察された。
〔耐白化性試験〕
粘着シートから剥離処理されたPETフィルムを剥がして、露出した粘着剤層を厚さ100μmのPETフィルム(基材)に貼付した後、60mm×50mmの大きさに裁断し、さらにもう一方の剥離処理されたPETフィルムを剥がして、露出した粘着剤層をポリカーボネート板(PC板、被着体)に貼着し、次いで50℃、5気圧に調整されたオートクレーブに20分間保持して試験板を作製した。試験板を90℃/95%RH条件下に100時間放置した後、以下の基準で、白化の有無を目視で確認した。
◎:白化の外観不良は全く観察されなかった。
○:白化の外観不良がごく僅かに観察されるが実使用上問題ない範囲である。
×:白化の外観不良が広範囲にわたって観察された。
Figure 2018159018
MEA:2−メトキシエチルアクリレート
BA:n−ブチルアクリレート
NVP:N−ビニルピロリドン
DMAM:N,N−ジメチルアクリルアミド
ACMO:アクリロイルモルホリン
AM:アクリルアミド
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
AA:アクリル酸
Y−75:ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体
テトラッドC:1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン
(三菱瓦斯化学製)
表1に示すように、実施例1〜11で得られる粘着シートは耐ブリスター性および耐白化性に優れていた。3級窒素含有モノマーを含まない比較例1および比較例2、また3級窒素含有モノマーの含有量が19質量%より多い比較例5で得られる粘着シートは、耐ブリスター性試験において粘着剤層−PETフィルム界面でウキが広範囲で観察され、実施例1〜11で得られる粘着シートと比較して基材密着性が劣る結果となった。アルコキシアルキル(メタ)アクリレートを含まない比較例3、および3級窒素含有モノマーの含有量が6質量%より少ない比較例4で得られる粘着シートは、耐ブリスター性試験においてPC板−粘着剤層界面で発泡が広範囲で観察され、実施例1〜11で得られる粘着シートと比較してPC板への接着力が劣る結果となった。特にアルコキシアルキル(メタ)アクリレートを含まない比較例3の粘着シートにおいては、その他の粘着シートと比較して耐白化性が著しく劣る結果となった。
なお、実施例1および実施例10で示すように、使用する架橋性官能基含有モノマーが水酸基含有モノマー、酸基含有モノマーの何れであっても、耐ブリスター性および耐白化性に優れた粘着シートが得られるが、粘着剤層が金属または金属酸化物からなる配線と直接接触するような箇所に適用する場合においては、腐食性の観点から水酸基含有モノマーを使用した粘着シートを用いることが好ましい。
10−1・・・抵抗膜方式のタッチパネルユニット、
10−2・・・静電容量方式のタッチパネルユニット、
11−1・・・上部積層体、13−1・・・下部積層体、
15−1・・・上部積層体、15−2・・・下部積層体、
21−1・・・表面支持体、21−2・・・深部の表面支持体、
23−1、23−2・・・粘着剤層、
25−1・・・上部電極支持体、25−2・・・下部電極支持体、
27−1・・・透明導電膜、27−2・・・透明導電膜、
30・・・貼り合わせ剤、32・・・スペーサー、34・・・間隙、
51−1、51−2・・・表面支持体、
53−1、53−2・・・粘着剤層、
57−1、57−2・・・透明導電膜、60・・・中央支持体

Claims (4)

  1. アルコキシアルキル(メタ)アクリレートを61〜93質量%、3級窒素含有モノマーを6〜19質量%、架橋性官能基含有モノマーを1〜20質量%含むモノマー成分の共重合体である(メタ)アクリル系共重合体(A)と、
    架橋剤(B)と
    を含有する粘着剤組成物。
  2. 前記3級窒素含有モノマーが、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミドおよびアクリロイルモルホリンより選択される少なくとも1種である請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 前記3級窒素含有モノマーが、N−ビニルピロリドンである請求項1または2に記載の粘着剤組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着剤組成物より形成された粘着剤層を有する粘着シート。
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