JP2018157052A - ウエーハの加工方法及び樹脂 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性を向上することができると共に、ウエーハの高さを適正に検出できるウエーハの加工方法及び加工に用いる樹脂を提供する。【解決手段】ウエーハ10に対して透過性を有する波長の加工用レーザー光線LBの集光点を、ウエーハの分割予定ラインの内部に位置付けて照射し、改質層を形成するウエーハの加工方法であって、加工用レーザー光線を照射するウエーハの面に樹脂を被覆して膜130’を形成する樹脂被覆工程と、分割予定ラインに対応する領域に計測用光LB1を照射し、戻り光LB1’を検出して高さを計測し、記憶する高さ計測工程と、記憶された高さ情報に基づいて加工用レーザー光線の集光点を分割予定ラインの内部に位置付けて適正な位置に改質層を形成する改質層形成工程と、を含む。樹脂被覆工程において被覆される樹脂は、樹脂の表面で計測用光を反射すると共に、樹脂の内部に進入した計測用光を吸収し、加工用レーザー光線を透過する。【選択図】図2

Description

本発明は、ウエーハの高さを適正に計測できるウエーハの加工方法、及び該ウエーハの加工方法に用いられる樹脂に関する。
IC、LSI、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルター、BAW(Bulk Acoustic Wave)フィルター等の複数のデバイスが分割予定ラインによって区画され表面に形成されたウエーハは、レーザー加工装置によって個々のデバイスに分割され携帯電話、通信機器、パソコン等の電気機器に利用される。
レーザー加工装置としては、ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザー光線の集光点を分割予定ラインに対応する内部に位置付けて照射し、分割予定ラインに沿って分割の起点となる改質層を内部に形成する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
上記特許文献1に記載されたレーザー加工方法においては、ウエーハの内部に集光点を位置付け改質層を形成するために、レーザー光線の入射面が平坦である必要があり、例えば、ウエーハの裏面が研削されて平坦化された後、ウエーハの裏面からレーザー光線が照射される。
しかし、SAWフィルターや、BAWフィルターの場合は、ウエーハの裏面に微細な凹凸構造を形成してノイズとなる弾性波が散乱されやすくなるようにして、フィルターとして機能するように構成されることから、個々のデバイスに分割するためにレーザー加工を施すに際し、該凹凸構造が形成された状態ではレーザー光線の集光点を内部に位置付けて改質層を形成することが困難であるという問題がある。また、ウエーハの内部にレーザー加工により改質層を形成すべくウエーハの裏面を平坦化するにしても、ウエーハの表面に保護テープを貼着してチャックテーブルに保持し、ウエーハの裏面を粗研削し、さらに仕上げ研削をしなければならず、生産性が悪いという問題がある。
上記問題に対応すべく、ウエーハの裏面にレーザー光線に対して透過性を有する樹脂を被覆して平坦化することで、ウエーハの裏面を粗研削や仕上げ研削をすることなく改質層の形成を可能にして生産性を向上させることが考えられる。しかし、ウエーハの裏面に面を平坦化するための樹脂を被覆した場合、集光点を適正な位置に位置付けるために計測用光をウエーハの裏面で反射させてその戻り光を用いてウエーハの裏面高さをあらかじめ計測しようとしても(例えば、特許文献2を参照。)、該戻り光には、該計測用光がウエーハを被覆している樹脂の表面で反射した反射光と、該樹脂の被膜を透過して該ウエーハの裏面にて反射した反射光とが混在することになり、該戻り光を用いてウエーハの高さを正確に検出できないという問題がある。
特許第3408805号公報 特開2007−152355号公報
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり、その主たる技術課題は、生産性を向上することができると共に、ウエーハの高さを適正に検出できるウエーハの加工方法、及び当該加工に用いる樹脂に解決すべき課題がある。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、ウエーハに対して透過性を有する波長の加工用レーザー光線の集光点をウエーハの分割予定ラインの内部に位置付けて照射し、分割予定ラインの内部に改質層を形成するウエーハの加工方法であって、該加工用レーザー光線を照射するウエーハの面に加工用レーザー光線を透過する樹脂を被覆して樹脂の膜を形成する樹脂被覆工程と、該分割予定ラインに対応する領域に計測用光を照射して戻り光を検出して高さを計測し記憶する高さ計測工程と、該高さ計測工程で記憶された高さ情報に基づいて加工用レーザー光線の集光点を分割予定ラインの内部に位置付けて適正な位置に改質層を形成する改質層形成工程と、を少なくとも含み、該樹脂被覆工程において該ウエーハに被覆される樹脂は、該樹脂の表面で該計測用光を反射すると共に該樹脂の内部に進入した該計測用光を吸収し、さらに、該加工用レーザー光線を透過する樹脂が用いられるウエーハの加工方法が提供される。
該加工用のレーザー光線の波長は、近赤外線であり、該計測用光の波長は可視光線であり、該樹脂は、PVA又はPVPの液状樹脂に可視光線を吸収すると共に反射する色素が含有されていることが好ましく、より好ましくは、該加工用レーザー光線の波長は、1064nm〜1400nmであり、該計測用光の波長は、650nm〜750nmであり、該樹脂は、PVA又はPVPの液状樹脂にシアニン系色素を含有して構成され、600nm〜850nmの波長を吸収するともに反射するものである。該シアニン系色素は、重量比で0.5%〜1.0%含有させることができ、該樹脂被覆工程において形成される樹脂の膜の厚みは3μm〜10μmであるように形成することが好ましい。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、上述したウエーハの加工方法に適用され加工用レーザー光線を透過する樹脂であって、該樹脂の表面で計測用光を反射すると共に該樹脂の内部に進入した該計測用光を吸収する樹脂が提供される。該樹脂は、PVA又はPVPの液状樹脂に可視光線を吸収すると共に反射する色素が含有されることが好ましく、該加工用レーザー光線の波長は1064nm〜1400nmであり、該計測用光の波長は、650nm〜750nmであり、該樹脂は、PVA又はPVPの液状樹脂にシアニン色素が含有して構成され、600nm〜850nmの波長を吸収すると共に反射するように構成されることが好ましい。より好ましくは、該シアニン系の色素は、重量比で0.5%〜1.0%が含有されるように構成される。
本発明のウエーハの加工方法は、該加工用レーザー光線を照射するウエーハの面に加工用レーザー光線を透過する樹脂を被覆して樹脂の膜を形成する樹脂被覆工程と、該分割予定ラインに対応する領域に計測用光を照射して戻り光を検出して高さを計測し記憶する高さ計測工程と、該高さ計測工程で記憶された高さ情報に基づいて加工用レーザー光線の集光点を分割予定ラインの内部に位置付けて適正な位置に改質層を形成する改質層形成工程と、を少なくとも含み、該樹脂被覆工程において該ウエーハに被覆される樹脂は、該樹脂の表面で該計測用光を反射すると共に該樹脂の内部に進入した該計測用光を吸収し、さらに、該加工用レーザー光線を透過する樹脂が用いられることから、ウエーハの裏面を研削することなくウエーハの裏面から加工用レーザー光線の集光点を内部に位置付けることが可能になり、生産性を向上させると共に、該計測用光が樹脂の表面からのみ反射して該樹脂被膜から内部に進入した計測用光が内部で吸収され、ウエーハの裏面からの反射が遮蔽されるので、ウエーハの裏面に均一に被覆された樹脂の高さを正確に計測できる。
本発明のウエーハの加工方法を実施すべく構成されたレーザー加工装置の全体斜視図である。 図1に示されたレーザー加工装置を構成するレーザー光線照射手段を説明するためのブロック図である。 本発明の樹脂被覆工程を実施すべく構成されたスピンコーターの一部と、その作用を説明するための斜視図である。 本発明の樹脂被覆工程によって形成された樹脂被膜及びウエーハの一部拡大断面図である。 本発明によって構成される高さ計測工程の作用を説明するためのイメージ図である。
以下、本発明に基づいて構成されるウエーハの加工方法の一実施形態、及び当該ウエーハの加工方法に好適に使用される樹脂の例について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1には、本実施形態のレーザー加工装置2、及び被加工物であるウエーハ10の斜視図が示されている。レーザー加工装置2は、ウエーハ10を保持する保持手段6と、静止基台2a上に配設され保持手段6を移動させる移動手段8と、保持手段6に保持されるウエーハ10にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段24と、静止基台2a上の移動手段8の側方に立設される垂直壁部51、及び垂直壁部51の上端部から水平方向に延びる水平壁部52からなる枠体50とを備えている。枠体50の水平壁部52内部には、レーザー光線照射手段24の光学系が内蔵されており、水平壁部52の先端下面には、レーザー光線照射手段24の集光器24aが配設されている。また、集光器24aに対しX方向に隣接した位置には、撮像手段26が配設される。保持手段6には、後述する樹脂被覆工程によって裏面10b側に樹脂被膜130’が形成され環状のフレームFに保護テープTを介して保持されたウエーハ10が保持される。
保持手段6は、図中に矢印Xで示すX方向において移動自在に基台2aに搭載された矩形状のX方向可動板30と、図中に矢印Yで示すY方向において移動自在にX方向可動板30に搭載された矩形状のY方向可動板31と、Y方向可動板31の上面に固定された円筒状の支柱32と、支柱32の上端に固定された矩形状のカバー板33とを含む。カバー板33には、X方向に蛇腹が配設され(図示は省略している。)、カバー板33上に形成されたY方向に伸びる長穴を通って上方に延びる円形状の被加工物を保持し、図示しない回転駆動手段により周方向に回転可能に構成されたチャックテーブル34が配設されている。チャックテーブル34の上面には、多孔質材料から形成され実質上水平に延在する円形状の吸着チャック35が配置されている。吸着チャック35は、支柱32を通る流路によって図示しない吸引手段に接続されている。なお、X方向は図1に矢印Xで示す方向であり、Y方向は矢印Yで示す方向であってX方向に直交する方向である。X方向、Y方向で規定される平面は実質上水平である。
移動手段8は、X方向移動手段40と、Y方向移動手段41と、を含む。X方向移動手段40は、ボールねじ40aを介してモータ40bの回転運動を直線運動に変換してX方向可動板30に伝達し、基台2a上の案内レールに沿ってX方向可動板30をX方向において進退させる。Y方向移動手段41は、ボールねじ41aを介してモータ41bの回転運動を直線運動に変換し、Y方向可動板31に伝達し、X方向可動板30上の案内レールに沿ってY方向可動板31をY方向において進退させる。なお、図示は省略するが、X方向移動手段40、Y方向移動手段41、該回転駆動手段には、それぞれ位置検出手段が配設されており、チャックテーブル34のX方向の位置、Y方向の位置、周方向の回転位置が正確に検出され、図示しない制御手段から指示される信号に基づいてX方向移動手段40、Y方向移動手段41、及び該回転駆動手段が駆動され、任意の位置および角度にチャックテーブル34を正確に位置付けることが可能になっている。
図2に基づいて、本実施形態におけるレーザー加工装置2を構成するレーザー光線照射手段24をより具体的に説明する。図2に示すように、レーザー光線照射手段24は、加工用のレーザー光線であって、例えば、シリコン(Si)からなるウエーハ10に対して透過性を有する1064nm波長のレーザー光線LBを集光器24aから照射するためのレーザー発振器241を備えている。レーザー発振器241から発振されたレーザー光線LBの光路上には、可視光線の波長を含む600〜800nm波長の光を反射し、他の波長領域の光を透過させるダイクロイックミラー242が配設される。レーザー発振器241から発振されたレーザー光線LBがダイクロイックミラー242を直進した後の光路上には、反射ミラー243が配設されている。反射ミラー243にて進行方向が変換されたレーザー光線LBは、集光器24aに内蔵された集光レンズ244にて集光され、チャックテーブル34に保持されたウエーハ10に照射される。集光器24aは、図に示すように、磁石とコイルによって所謂ボイスコイルモータ245を構成し、制御手段20からの制御信号を受けることにより、ウエーハ10を保持する保持面に対して垂直な集光点位置調整方向、すなわち図中矢印Zで示すZ方向における所望の位置に移動させることが可能である。
さらに、図2に示すように、本実施形態のレーザー光線照射手段24は、ウエーハ10の上面高さを計測し記憶する高さ計測工程を実施する高さ計測手段25を備えている。高さ計測手段25は、可視光線(700nm波長)である計測用光LB1を発光する発光手段251と、発光手段251から照射された計測用光LB1を上記ダイクロイックミラー242に向けて通過させる第1のビームスプリッター252と、ウエーハ10の上面にて反射されダイクロイックミラー242、及び第1のビームスプリッター252にて反射され戻ってきた戻り光LB1’のみを通過させるべく、680〜720nm波長の光のみを通過させるバンドパスフィルター253と、バンドパスフィルター253を通過した戻り光LB1’を、1:1の割合で透過光LB1’aと、反射光LB1’bとに分離する第2のビームスプリッター254と、第2のビームスプリッター254を透過した透過光LB1’aを集光する集光レンズ255と、集光レンズ255により集光された透過光LB1’aの光強度D1を電圧で出力する受光素子256と、第2のビームスプリッター254にて反射した反射光LB1’bを集光する集光レンズ257と、集光レンズ257にて集光された反射光LB1’bが最も小さく集光された場合を想定したスポット径と同等の幅を有するスリット259が形成されたマスク258と、マスク258のスリット259を通過した反射光LB1’bの光強度D2を電圧で出力する受光素子260と、と備えている。受光素子256、260によって検出される光強度D1、D2を示す電圧信号は、制御手段20に出力される。なお、説明の都合上、マスク258に関しては、図中にてスリット259が見えるように示しているが、実際は上下方向に開口するスリットである。以下に、高さ計測手段25によりウエーハ10の上面の高さを算出する方法について、より具体的に説明する。
計測用光LB1は上述したように、可視光線(700nm波長)であり、集光器24aの集光レンズ244からウエーハ10に対して照射される際の集光点は、チャックテーブル34の吸着チャック35の表面から所定の距離(例えばウエーハの厚みが200μmの場合は220μm)にある基準位置に設定される。該基準位置は、ウエーハ10の厚さに多少のばらつきがあったとしても、ウエーハ10の上面よりも常に上方の位置になるように設定され、高さ計測中にその基準位置は変化しないように固定される。ここで、第2のビームスプリッター254にて分離された一方の透過光LB1’aは、集光レンズ255によって反射した全ての戻り光が集光され、常に100%が受光素子256によって受光されるため発光手段251が照射する光源の光量が変化しない限り、受光素子256から出力される光強度D1も一定となる。他方、第2のビームスプリッター254にて反射させられ受光素子260にて受光される反射光LB1’bは、ウエーハ10の上面の高さが変化するに伴い、適宜変化する値となる。なぜなら、ウエーハ10の上面の高さが変化すると、ウエーハ10の上面に形成されるスポットの大きさが変化する。ウエーハ10の上面の高さが高くなると、計測用光LB1の集光点が形成される位置に設定された基準位置に近づくため、ウエーハ10の上面で反射する際のスポット形状が小さくなる。これにより、戻り光LB1’の断面積も小さくなり、集光レンズ257によって集光された後、マスク258に到達した際のスポットの形状も小さくなり、スリット259を通過できる反射光LB1’bの割合が増大する。よって、ウエーハ10の上面高さが高くなるほど、スリット259を通過する反射光LB1’bの量が増加し、受光素子260で検出される光強度D2は大きな値となり、ウエーハ10の上面高さが低くなるほど、逆に光強度D2の値は小さな値となる。ここで、受光素子257にて検出される光強度D1はウエーハ10の上面の高さに関わらず一定であるから、光強度D1とD2の光強度比D1/D2は、ウエーハ10の上面の高さに応じて変化する値となり、D1/D2が1に近づくほどウエーハ10の上面高さが高い、すなわち、該基準位置に近い位置にあること、D1/D2が大きい値になるほど該基準位置から離れた低い位置にあることが理解される。よって、光強度比D1/D2に対応する基準位置からの距離を予め実験により得てmapを作成しておくことにより、上記した光強度比D1/D2から、ウエーハ10の上面の高さを容易に算出することができる。
制御手段20は、コンピュータにより構成され、制御プログラムに従って演算処理する中央演算処理装置(CPU)と、制御プログラム等を格納するリードオンリメモリ(ROM)と、検出した検出値、演算結果等を一時的に格納するための読み書き可能なランダムアクセスメモリ(RAM)と、入力インターフェース、及び出力インターフェースとを備えている(詳細についての図示は省略)。制御手段20には、光強度D1、D2に基づいて光強度比D1/D2を演算するD1/D2演算部201と、光強度比D1/D2に基づいてウエーハ10の上面の高さを算出するmapと、該mapに基づいて算出されたウエーハ上面の高さを計測用光が照射された座標位置に対応させて記憶する高さ記憶部202と、が設定されている。
上記レーザー加工装置2は、概ね以上のような構成を備えており、レーザー加工装置2によって実施されるウエーハの加工方法について、以下詳細に説明する。
図3には、本実施形態によって加工されるシリコン(Si)により構成され、例えば厚みが200μmの円形のウエーハ10が示されている。ウエーハ10の表面10aには、格子状に配列された分割予定ライン12によって複数の領域に区画されており、各領域には、デバイス14が形成されている。
本発明に基づき構成されるウエーハの加工方法では、先ず、ウエーハ10の裏面10bに加工用レーザー光線を透過する樹脂130を被覆する樹脂被覆工程が実行される。
図3には、ウエーハ10の裏面10b上に樹脂130を被覆するためのスピンコーター100(全体図は省略する。)が示されている。スピンコーター100の保持手段120には、保護テープTを介して環状のフレームFに保持されたウエーハ10が載置される。図に示すように、保護テープTには、ウエーハ10の表面10aが貼着され、裏面10b側が上方になるように保持される。
スピンコーター100の保持手段120の中心部上方には、液状の樹脂130を吐出するノズル110を備えている。保持手段120に保護テープTを介して環状のフレームFに保持されたウエーハ10を載置し、図示しない吸引手段を作動して吸引保持したならば、保持手段120を矢印Rで示す方向に、例えば、100rpmの回転速度で回転させる。ノズル110からは、液状の樹脂130が吐出され、ウエーハ10の裏面10bの中心に滴下される。滴下された樹脂130は、遠心力によって外周部まで流動し、ウエーハ10の裏面10bを被覆する。この樹脂130は経時的に硬化するものであり、ウエーハ10の裏面10b上に、5μm程度の均一の樹脂被膜130’を形成する。以上により、樹脂被覆工程が完了する。
ここで、本発明のウエーハの加工方法に好適な液状の樹脂130について、図4(a)、(b)に示すウエーハ10の一部拡大断面図を用いて説明する。樹脂130によって形成される樹脂被膜130’は、図4(a)に示すように、本実施形態のレーザー加工装置2において実施されるウエーハの加工方法において、可視光線から構成される計測用光LB1を表面で反射して戻り光LB1’を形成すると共に、樹脂被膜130’内に進入した計測用光LB1”を内部において吸収する性質を有するものであり、かつ、図4(b)に示すように、シリコンからなるウエーハ10の所定位置Pに改質層を形成するための加工用レーザー光線LB(1064nm波長)を透過する特性を有するように設定される。本実施形態に適用される樹脂130の特性は、PVA(ポリビニルアルコール)、又はPVP(ポリビニルピロリドン)の液状樹脂をベースとし、該液状樹脂に対して、シアニン系色素を重量比で0.5〜1.0%含有させることにより実現される。なお、図4(a)、(b)に示す樹脂被膜130’とウエーハ10の厚みの比は、説明の都合上、実際の厚みの比とは異なるように記載したものである。
上記した樹脂被覆工程が実施されたならば、ウエーハ10は、スピンコーター100から、図1に示すレーザー加工装置2に搬送される。次いで、搬送されたウエーハ10の分割予定ライン12に対応する領域に計測用光LB1を照射して戻り光を検出して高さを計測し記憶する高さ計測工程を実施する。この高さ計測工程を実施するに際し、レーザー加工装置2に搬送されたウエーハ10は、保護テープTを介して環状のフレームFに支持された状態でチャックテーブル34に載置され、吸引保持される。次いで、チャックテーブル34を、移動手段8によって集光器24aに対しX方向に隣接した位置に配設された赤外線を照射してウエーハ10を透過しウエーハ10の表面10aに形成されたデバイス14を検出できる撮像手段26の直下に位置付ける。ウエーハ10が撮像手段26の直下に位置付けられたならば、パターンマッチング等の画像処理手段を実行し、集光器24aとウエーハ10上の加工位置である分割予定ライン12との位置合わせ(アライメント)を実施し、該位置合わせの結果は、制御手段20に送られ記憶される。
そして、上記した位置合わせが行われたならば、チャックテーブル34を移動して計測開始位置となる分割予定ライン12の一端を集光レンズ24aの直下に位置付ける。そして、集光器24aを作動して計測用光LB1が集光される際の集光点位置を、高さを計測する際の基準位置となる吸着チャック35の表面から220μm上方の位置に位置付け、計測用光LB1を照射しながら、チャックテーブル34を矢印Xで示すX方向に移動し、分割予定ライン12の他端位置まで移動する。この結果、ウエーハ10の分割予定ライン12における各所定位置の座標(X,Y)に対応した受光素子256、及び受光素子260から光強度D1、D2が制御手段20に出力され、D1/D2演算部201にて、光強度比D1/D2を得る。光強度比D1/D2が得られたならば、その都度、図5に記載されたmapを参照し、各所定位置の座標(X1〜m,Y1〜n)における樹脂被膜130’の上面の高さが、該基準位置に対してどの程度の距離であるのか検出される。ここで、例えば−19μmの値が検出された場合は、−19μmを基準位置の高さ220μmに加算することにより、樹脂被膜130’の実際の高さ(220μm−19μm=201μm)が算出され、図5に示す制御手段20のランダムアクセスメモリ(RAM)の記憶領域に形成されている高さ記憶部202に、分割予定ライン12上の所定位置のX座標(X1〜m)、Y座標(Y1〜n)に対応させられた値(Z1〜m,1〜n)として格納される。上述した高さの計測を、高さ計測手段25と移動手段8とを作動させることにより、ウエーハ10に形成された全ての分割予定ライン12に沿って実施し、各分割予定ライン12における全ての所定位置(X1〜m,Y1〜n)における樹脂被膜130’の高さ(Z1〜m,1〜n)を測定して、制御手段20の高さ記憶部202に格納する。
以上のようにしてウエーハ10に形成された全ての分割予定ライン12に対応する位置に沿って、樹脂被膜130’の高さ計測工程を実施したならば、ウエーハ10の内部に分割予定ライン12に沿って加工用レーザー光線LBを照射して改質層を形成する改質層形成工程を実施する。該改質層形成工程では、上述した計測用光線LB1を照射する場合と略同様の手順により加工用レーザー光線LBを照射するため詳細は省略するが、加工用レーザー光線LBを照射する際には、上記した高さ計測工程を実施することによって取得され上記高さ記憶部202に記憶されたウエーハ10の裏面10b上の樹脂被膜130’の上面の高さのデータに基づき、集光点位置を調整するボイスコイルモータ245を制御する。これにより、加工用レーザー光線LBを照射する際の集光点位置を常にウエーハ10の内部の一定の位置に調整することができ、ウエーハ10の表面に平行な改質層が一定の深さで形成される。
なお、上記した改質層形成工程は、例えば以下のようなレーザー加工条件にて実施される。
波長 :1064nm
繰り返し周波数 :100kHz
平均出力 :1.0W
加工送り速度 :100mm/秒
本発明に基づいて構成されたウエーハの加工方法においては、上述したように、樹脂被覆工程においてウエーハ10に被覆される樹脂130が、計測用光LB1を吸収すると共に反射し、加工用レーザー光線LBを透過する特性を有する。したがって、上記した高さ計測工程にて、計測用光LB1を樹脂被膜130’に照射した際に、計測用光LB1が樹脂被膜130’の上面で良好に反射されると共に、樹脂被膜130’内部に進入した計測用光LB1は、内部において吸収されてウエーハ10の裏面10bにて反射した反射光が外部に放射されず、ウエーハ10の高さ計測に悪影響を及ぼすことがない。また、樹脂被膜130’は、同時に加工用レーザー光線LBを透過する性質を有するように設定されていることから、ウエーハ10に対して良好なレーザー加工を実施することが可能となっており、生産性を悪化させることがない。
本発明のウエーハの加工方法、及び樹脂は、上述した実施形態に限定されず、本発明の技術的範囲に含まれる限り、種々の変形例が含まれる。例えば、上述した実施形態では、計測用光は700nm波長の可視光線を使用したが、必ずしも当該波長の可視光線を使用することに限定されず、他の波長の光線を使用することができる。その場合は、樹脂被膜の形成に使用される液状樹脂に混入されるシアニン系色素の含有量を適宜調整することで、加工用レーザー光線を透過しつつ、計測用光を樹脂被膜上で良好に反射し、また樹脂被膜の内部に進入した計測用光を吸収してウエーハ表面で反射した光が外部に放出されることを抑制するように調整が可能である。さらに、上述した実施形態では、1064nm波長の加工用レーザー光線を使用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、近赤外線(1000nm〜2500nm波長)の加工用レーザー光線を使用する場合に適用することが可能である。
上述した実施形態では、ウエーハ上に樹脂被膜を形成する液状の樹脂に、シアニン系色素を重量比で0.5〜1.0%含有させたが、本発明はこれに限定されず、他の色素を含有させ、或いはその含有量も適宜変更するようにしてもよい。いずれの色素をどの程度の含有量で混入させるかは、計測用光の波長、加工用レーザー光線の波長、及び出力等に応じて適宜選択される。また、上述した実施形態では、樹脂被膜の厚みとして、5μm程度の厚みを形成した例を示したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、ウエーハの裏面に形成される微細な凹凸部の形状や、計測用光の波長、加工用レーザー光線の波長、及び出力等に応じて適宜調整されるものであり、例えば3μm〜10μmの範囲で調整することができる。樹脂被膜の厚みが変化すると、進入した計測用光の吸収効果が変化するため、該樹脂に含有させるシアニン系色素の含有率を適宜調整してもよい。
2:レーザー加工装置
6:保持手段
8:移動手段
10:ウエーハ
12:分割予定ライン
14:BAWデバイス
20:制御手段
24:レーザー光線照射手段
24a:集光器
241:レーザー発振器
242:ダイクロイックミラー
243:反射ミラー
244:集光レンズ
245:ボイスコイルモータ
25:高さ計測手段
251:発光手段
252:第1のビームスプリッター
253:バンドパスフィルター
254:第2のビームスプリッター
256:受光素子
258:マスク
259:スリット
260:受光素子
26:撮像手段
40:X方向移動手段
41:Y方向移動手段
100:スピンコーター
110:ノズル
120:保持手段
130:樹脂
130’:樹脂被膜

Claims (9)

  1. ウエーハに対して透過性を有する波長の加工用レーザー光線の集光点をウエーハの分割予定ラインの内部に位置付けて照射し、分割予定ラインの内部に改質層を形成するウエーハの加工方法であって、
    該加工用レーザー光線を照射するウエーハの面に加工用レーザー光線を透過する樹脂を被覆して樹脂の膜を形成する樹脂被覆工程と、
    該分割予定ラインに対応する領域に計測用光を照射して戻り光を検出して高さを計測し記憶する高さ計測工程と、
    該高さ計測工程で記憶された高さ情報に基づいて加工用レーザー光線の集光点を分割予定ラインの内部に位置付けて適正な位置に改質層を形成する改質層形成工程と、
    を少なくとも含み、
    該樹脂被覆工程において該ウエーハに被覆される樹脂は、該樹脂の表面で該計測用光を反射すると共に該樹脂の内部に進入した該計測用光を吸収し、さらに、該加工用レーザー光線を透過する樹脂が用いられるウエーハの加工方法。
  2. 該加工用のレーザー光線の波長は、近赤外線であり、
    該計測用光の波長は可視光線であり、
    該樹脂は、PVA又はPVPの液状樹脂に可視光線を吸収すると共に反射する色素が含有している請求項1に記載のウエーハの加工方法。
  3. 該加工用レーザー光線の波長は、1064nm〜1400nmであり、
    該計測用光の波長は、650nm〜750nmであり、
    該樹脂は、PVA又はPVPの液状樹脂にシアニン系色素を含有して構成され、600nm〜850nmの波長を吸収するともに反射する請求項2に記載のウエーハの加工方法。
  4. 該シアニン系色素は、重量比で0.5%〜1.0%含まれる請求項3に記載のウエーハの加工方法。
  5. 該樹脂被覆工程において、樹脂の厚みは3μm〜10μmである請求項1に記載のウエーハの加工方法。
  6. 加工用レーザー光線を透過する樹脂であって、該樹脂の表面で計測用光を反射すると共に該樹脂の内部に進入した該計測用光を吸収する請求項1に記載のウエーハ加工方法に使用される樹脂。
  7. 該加工用レーザー光線の波長は近赤外線であり、
    該計測用光の波長は可視光線であり、
    該樹脂は、PVA又はPVPの液状樹脂に可視光線を吸収すると共に反射する色素が含有している請求項6に記載の樹脂。
  8. 該加工用レーザー光線の波長は1064nm〜1400nmであり、
    該計測用光の波長は、650nm〜750nmであり、
    該樹脂は、PVA又はPVPの液状樹脂にシアニン色素を含有して構成され、
    少なくとも600nm〜850nmの波長の光を吸収すると共に反射する請求項7に記載の樹脂。
  9. 該シアニン系の色素は、重量比で0.5%〜1.0%含まれる請求項8に記載の樹脂。
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