JP2018156905A - 端子金具 - Google Patents

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Abstract

【課題】端子金具による端子収容室の内壁面の傷付けを抑制できる端子金具の提供。
【解決手段】端子金具1は、板状材料から構成されると共に、長手方向に並んだ箱部(20)及び胴体部(30)、並びに、箱部と胴体部との間に設けられた切欠き部(50)、を備える。箱部(20)は、板状材料の側縁から延出し且つ板状材料の一方の主面(21a)に重なるように湾曲した腕状部分(22)を有し、胴体部(30)は、板状材料の側縁が腕状部分(22)が湾曲する向きに湾曲した湾曲側縁(32)を有し、切欠き部(50)は、箱部(20)と胴体部(30)との間において、板状材料の側縁から幅方向内側に窪んだ凹状部分を有し、板状材料の幅方向における箱部の大きさ(a)と、幅方向における胴体部の大きさ(b)と、が異なる。
【選択図】図1

Description

本発明は、板状材料から構成されると共に、長手方向に並んだ箱部及び胴体部、並びに、箱部と胴体部との間に設けられた切欠き部、を備えた端子金具、に関する。
従来から、金属板を所定の予備形状に打ち抜くことによって板状材料を形成し、その板状材料に対して所定の曲げ加工を施すことによって端子金具を製造する手法が提案されている。例えば、従来の端子金具の一つは、相手側端子(メス端子)に挿入されるタブ部と、端子金具を収容するハウジングへの保持固定のための箱部と、電線との接続のための胴体部と、が長手方向に順に並ぶように構成されている。更に、箱部と胴体部との間には、両者を分離して加工を容易にするための切欠き部が設けられている(例えば、特許文献1を参照)。
特許4379231号公報
上述した従来の端子金具は、箱部の内側に比較的広い中空空間が形成される程度に箱部の高さ(即ち、板状材料の厚さ方向における箱部の上面部と底面部との間の距離)が大きい。これに対し、発明者は、端子金具の薄型化を図る等の観点から、箱部の高さを出来る限り小さくする(いわゆる低背化)を試みた。
その結果、発明者によれば、不用意に箱部の高さを小さくすると、曲げ加工の際に従来の端子金具に比べて箱部の上面部を底面部に近付けるように板状材料を湾曲させることに起因し、湾曲箇所の周辺に大きな応力集中が生じることが明らかになった。このとき、胴体部の側縁も箱部と同様に湾曲している場合、箱部と胴体部とに挟まれる領域(具体的には、上述したように加工性の観点から設けられている切欠き部)に、箱部による応力集中に加えて胴体部の側縁の湾曲による応力集中も生じ、その領域(切欠き部)において、端子金具の幅方向外側に向けて押し出されるように変形した凸状変形部が形成される場合があることが明らかになった。
このような凸状変形部が形成されると、端子金具をハウジングの端子収容室に挿入する際、凸状変形部が端子収容室の内壁面を傷付ける可能性がある。端子収容室の内壁面に傷が付くと、その際に生じた削りカスに起因して端子金具の電気的特性が低下する可能性がある。更に、端子収容室の内壁面に防水シールを装着する場合、内壁面の傷に起因して防水性が低下する可能性もある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、端子金具の箱部の高さを小さくすることと、端子金具を収容する端子収容室の保護と、を両立可能な端子金具、を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る端子金具は、下記(1)〜(4)を特徴としている。
(1)
板状材料から構成されると共に、長手方向に並んだ箱部及び胴体部、並びに、前記箱部と前記胴体部との間に設けられた切欠き部、を備えた端子金具であって、
前記箱部は、
前記板状材料の側縁から延出し且つ前記板状材料の一方の主面に重なるように湾曲した腕状部分を有し、
前記胴体部は、
前記板状材料の側縁が前記腕状部分が湾曲する向きに湾曲した湾曲側縁を有し、
前記切欠き部は、
前記箱部と前記胴体部との間において、前記板状材料の側縁から幅方向内側に窪んだ凹状部分を有し、
前記板状材料の幅方向における前記箱部の大きさと、前記幅方向における前記胴体部の大きさと、が異なる、
端子金具であること。
(2)
上記(1)に記載の端子金具において、
前記箱部の前記腕状部分が、
平板状の箇所と、前記平板状の箇所と前記板状材料とを繋ぐ湾曲した箇所と、を有すると共に、前記平板状の箇所の全てが前記一方の主面と対面し且つ近接するように配置されている、
端子金具であること。
(3)
上記(2)に記載の端子金具において、
前記切欠き部の前記凹状部分の最深箇所と、前記箱部の前記腕状部分と前記板状材料との接続点と、が隣接し、
前記切欠き部の前記凹状部分の最深箇所と、前記胴体部の前記湾曲側縁の湾曲箇所と、が隣接する、
端子金具であること。
(4)
上記(3)に記載の端子金具において、
前記切欠き部の前記凹状部分を構成する窪み面の少なくとも一部が、前記板状材料の幅方向外側に向いている、
端子金具であること。
上記(1)の構成の端子金具によれば、箱部と胴体部との幅方向における大きさ(以下「幅寸法」ともいう。)が異なる。よって、箱部の高さを小さくするように加工した場合において、幅方向外側に向けて押し出されるように変形した凸状変形部が切欠き部に発生しても、凸状変形部の幅方向外側端が、箱部と胴体部とのうち幅寸法が大きい方の幅方向外側端よりも幅方向の内側に位置し易くなる。換言すると、仮に凸状変形部が生じても、箱部と胴体部との幅寸法が同じである場合に比べ、箱部または胴体部によって凸状変形部の幅方向への飛び出しを抑制し易くなる。その結果、箱部と胴体部との幅寸法が同じである場合に比べ、凸状変形部が端子収容室の内壁面を傷付ける可能性が低くなる。よって、本構成の端子金具によれば、端子金具の箱部の高さを小さくすることと、端子金具を収容する端子収容室の保護と、を両立できる。
更に、端子収容室をより確実に保護する観点から、箱部と胴体部とのうち幅寸法が大きい方の幅方向外側端よりも幅方向の内側に凸状変形部の幅方向外側端が位置するように、箱部および胴体部が構成されることが好ましい。
上記(2)の構成の端子金具によれば、箱部を構成する腕状部分が、板状材料の側縁の近傍において大きく湾曲することになる。別の言い方をすると、腕上部分を板状材料の主面に近接するまで湾曲させることで、厚さ方向における箱部の大きさ(箱部の高さ)と、厚さ方向における湾曲箇所の大きさ(湾曲箇所の高さ)と、がほぼ一致するまで、箱部の高さを小さくする(低背化する)ことになる。そのため、箱部の湾曲箇所に大きな歪みが発生し、この大きな歪みに起因して凸状変形部が切欠き部により一層発生し易くなる。よって、低背化と端子収容室の保護を両立するという技術的利点が更に著しく発揮されることになる。
上記(3)の構成の端子金具によれば、大きな応力集中が生じることになる箇所(箱部の腕状部分と板状材料との接続点、及び、胴体部の湾曲側縁)と、切欠き部の凹状部分の最深箇所と、が隣接する。そのため、腕状部分および湾曲側縁の歪みが切欠き部の凹状部分の最深箇所に集中し易く、その結果、凸状変形部が切欠き部により一層発生し易くなる。よって、低背化と端子収容室の保護を両立するという技術的利点が更に著しく発揮されることになる。
ところで、上記「隣接」は、箱部の腕状部分の湾曲および胴体部の側縁部の湾曲が切欠き部の最深箇所の周辺に応力集中を生じさせ得る程度に、最深箇所と腕状部分の接続点との距離および最深箇所と側縁部の湾曲箇所との距離が小さいこと、を表す。上記「隣接」に該当する具体的な距離は、板状材料の素材および厚さ等により異なるが、通常、実験等によって特定され得る。
上記(4)の構成の端子金具によれば、腕状部分の接続点および湾曲側縁の湾曲箇所が、上記(3)のように切欠き部の凹状部分の最深箇所に隣接し、且つ、切欠き部の凹状部分を構成する窪み面の少なくとも一部が幅方向外側に向くような位置に、存在することになる。このような場合、発明者の検討によれば、凸状変形部が切欠き部により一層発生し易くなることが確認されている。よって、低背化と端子収容室の保護を両立するという技術的利点が更に著しく発揮されることになる。
本発明によれば、端子金具の箱部の高さを小さくすることと、端子金具を収容する端子収容室の保護と、を両立可能な端子金具を提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係る端子金具の斜視図である。 図2(a)は、図1に示す端子金具の上面図であり、図2(b)は、図2(a)のB部拡大図である。 図3(a)は、図2(a)のA−A断面図であり、図3(b)は、図3(a)のC部拡大図である。 図4(a)は、図1に示す端子金具の形成のために湾曲加工される金属製の板状材料の上面図であり、図4(b)は、図4(a)のD部拡大図である。 図5は、本発明の実施形態の第1の変形例に係る端子金具の切欠き部の周囲を拡大した斜視図である。 図6(a)は、本発明の実施形態の第2の変形例に係る端子金具の斜視図であり、図6(b)は、本発明の実施形態の第3の変形例に係る端子金具の斜視図である。
<実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る端子金具1について説明する。
図1〜図4に示すように、端子金具1は、低背化された(高さが低い)金属製のオス端子である。端子金具1を端子収容室に収容するハウジング(図示省略)と、メス端子(図示省略)を収容する相手側ハウジング(図示省略)とを嵌合することで、端子金具1(オス端子)とメス端子とが電気的に接続される。
端子金具1は、タブ部10と、タブ部10の後方に形成された箱部20と、箱部20の後方に形成された胴体部30と、胴体部30の後方に形成されたバレル部40と、箱部20と胴体部30との間に位置する切欠き部50と、胴体部30とバレル部40との間に位置する繋ぎ部60と、を備える。
端子金具1は、図4(a)に示す金属製の板状材料を湾曲加工することで形成されている。図4(a)に示す板状材料は、1枚の金属板を打ち抜いて形成される。よって、図4(a)に示す板状材料の側面(側縁)は、全て打ち抜き面である。以下、説明の便宜上、図1に示すように、「前後方向」、「幅方向」、「上下方向」、「前」、「後」、「上」、及び「下」を定義する。「前後方向」、「幅方向」及び「上下方向」は、互いに直交している。
タブ部10は、メス端子に挿入・接続される部分である。タブ部10は、前後方向に延びる1枚の矩形状の平板部で構成されている。タブ部10の前端部11は、メス端子への挿入容易化等のため、先細りのテーパ形状を有している。
箱部20は、ハウジングの端子収容室に収容された端子金具1の抜け止め用に端子収容室に設けられたランス(係止片)にその上側後端面を係止させるために設けられている。なお、箱部20は、端子収容室内における端子金具1のねじれ方向のがたつきを抑制する機能を有する場合もある。
箱部20は、平板状の底部21と、底部21の幅方向両端縁からそれぞれ延出して底部21の上面に重なるように湾曲した(折り返された)一対の腕状部分22と、により構成されている。一対の腕状部分22の先端面同士は、箱部20の幅方向中央位置にて対面接触しており、一対の腕状部分22が箱部20の上壁を構成している。よって、端子金具1を端子収容室に挿入するとき、一対の腕状部分22の上側後端面が、端子収容室に設けられたランス(係止片)に係止されることになる。
各腕状部分22は、底部21における折り曲げ線L2の位置から上方へ湾曲開始している(図4(a)を参照)。折り曲げ線L2は、湾曲した腕状部分22と平面状の板状材料との境界線である、とも言い換え得る。後述する折り曲げ線L3,L5,L6も、同様に言い換え得る。各腕状部分22は、湾曲向き正面側の面22a(図3(b)を参照)が底部21の上面21aに近接するように湾曲している(図3を参照)。その結果、箱部20の幅方向の側面22b(図1を参照)は、幅方向外側に突出する曲面のみから構成されている。換言すると、端子金具1の厚さ方向における箱部20の大きさ(箱部20の高さ)と、その厚さ方向における湾曲箇所(側面22b)の大きさ(側面22bの高さ)と、がほぼ一致するまで、箱部20の高さが小さくなっている。以下、箱部20の幅寸法(具体的には、一対の側面22bにおける幅方向突出端同士の幅方向の間隔)を「a」とする(図2(a)を参照)。箱部20の高さ寸法(厚さ)は、箱部20の幅寸法aより小さい。
胴体部30は、ハウジングの端子収容室に収容された端子金具1の主としてねじれ方向のがたつきを抑制するために設けられている。胴体部30は、平板状の底部21から連続する平板状の底部31と、底部31の幅方向両端縁からそれぞれ湾曲(屈曲)して上方に延びる一対の側縁部32と、により構成されている。
底部31における幅方向中央位置には、片持ち梁状の形状を有するように板状材料を打ち抜くことによって形成された突部33が形成されている(特に、図3(a)を参照)。突部33は、底部31の所定位置から前方且つ下方に向けて斜めに延び、その後前方へ向けて延びている。即ち、突部33は、底部31の下面から下側にオフセットしており、その先端面(前端面)33aが底部31の下面から露出している。突部33は、端子金具1を端子収容室に挿入するとき、先端面33aを端子収容室内の突起等に押し当てることで端子金具1の過度な挿入を防ぐために設けられている。
各側縁部32は、底部31における折り曲げ線L3の位置から上方へ湾曲開始している(図4(a)を参照)。以下、胴体部30の幅寸法(具体的には、一対の側縁部32の外側面32b同士の幅方向の間隔)を「b」とする(図2(a)を参照)。胴体部30の高さ寸法(即ち、側縁部32の上下寸法)は、胴体部30の幅寸法bより小さい。
本例では、胴体部30の幅寸法bが、箱部20の幅寸法aより大きい(図2(a)を参照)。これは、胴体部30の折り曲げ線L3が、箱部20の折り曲げ線L2より幅方向外側に位置していることに因る。
バレル部40は、端子金具1に接続される電線の先端部を加締め固定するために設けられている。バレル部40は、芯線加締め部41と、芯線加締め部41の後方に形成された被覆加締め部42と、を備える。芯線加締め部41は、電線の先端部における被覆を除去して露出した芯線を加締め固定する部分であり、下側に若干湾曲した底部43と、底部43の幅方向両端縁からそれぞれ上方且つ外側に向けて延びる一対の加締め片44とで構成されている。被覆加締め部42は、電線の先端部における被覆を加締め固定する部分であり、底部43から連続すると共に下側に若干湾曲した底部45と、底部45の幅方向両端縁からそれぞれ上方且つ外側に向けて延びる一対の加締め片46とで構成されている。
切欠き部50は、箱部20と胴体部30との境界部分に位置しており、箱部20と胴体部30との間において、板状材料の幅方向両側のそれぞれの側縁が幅方向内側に凹んだ部分である(図4(a)を参照)。本例では、各切欠き部50の凹状部分の最深箇所51における幅方向内側の近傍部分が、折り曲げ線L5の位置から上方へ湾曲開始している(図4(a)を参照)。
換言すると、切欠き部50の最深箇所51と箱部20の湾曲箇所(折り曲げ線L2の位置)とが隣接し、且つ、切欠き部50の最深箇所51と胴体部30の湾曲箇所(折り曲げ線L3の位置)とが隣接している。加えて、折り曲げ線L2,L3が、切欠き部50の最深箇所51より幅方向内側に位置している。その結果、特に、図2(b)及び図3(b)に示すように、切欠き部50の最深箇所51における凹状部分を構成する窪み面52(打ち抜き面)の法線が、略上側に向いている。
繋ぎ部60は、胴体部30とバレル部40とを繋ぐ部分である。繋ぎ部60は、底部31及び底部43の双方から連続する底部61と、底部61の幅方向両端縁からそれぞれ湾曲(屈曲)して上方に延びる一対の側縁部62と、により構成されている。各側縁部62は、底部61における折り曲げ線L6の位置から上方へ湾曲開始している(図4(a)を参照)。繋ぎ部60の高さ寸法(即ち、側縁部62の上下寸法)は、繋ぎ部60の幅寸法より小さい。
ところで、端子金具1のように、特に箱部20の高さが低いとき、板状材料の湾曲加工時において、箱部20の湾曲箇所に発生する歪みが切欠き部50の周辺に集中すること等に起因して、切欠き部50の周辺に幅方向外側に突出する凸状変形部が形成される場合がある。従来の端子金具のように、箱部と胴体部との幅寸法が同じである場合、凸状変形部の幅方向外側端が、箱部及び胴体部の幅方向外側端より幅方向外側に位置し易い。このような凸状変形部が形成されると、端子金具をハウジングの端子収容室に挿入する際、凸状変形部が端子収容室の内壁面に接触して端子収容室の内壁面を傷付ける可能性がある。
これに対し、端子金具1では、箱部20の幅寸法aと胴体部30の幅寸法bとが異なる(a<b、図2(a)を参照)。よって、板状材料の湾曲加工時において、凸状変形部が切欠き部50に発生した場合、凸状変形部の幅方向外側端が、箱部20より幅寸法が大きい胴体部30の幅方向外側端(具体的には、外側面32b)より幅方向内側に位置し易くなる。その結果、箱部20と胴体部30との幅寸法が同じである従来の端子金具に比べ、凸状変形部が端子収容室の内壁面を傷付ける可能性が低くなる。よって、端子金具1は、端子金具1の箱部20の高さを小さくすることと、端子金具1を収容する端子収容室の保護と、を両立できる。
なお、本例の端子金具1は、箱部20と胴体部30とのうち幅寸法が大きい胴体部30の幅方向外側端(図2(a)における幅bに相当する位置)よりも幅方向の内側に凸状変形部の幅方向外側端が位置するように、箱部20および胴体部30が構成されている。そのため、端子収容室をより確実に保護できる。
<他の態様>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用できる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、上記実施形態では、箱部20の幅寸法aが胴体部30の幅寸法bより小さくなっている(図2(a)を参照)。これに対し、箱部20の幅寸法aが胴体部30の幅寸法bより大きくなっていてもよい。この構成は、箱部20の折り曲げ線L2(図4(a)を参照)が、胴体部30の折り曲げ線L3より幅方向外側に位置するように、湾曲加工を行うことで実現され得る。この場合、凸状変形部の幅方向外側端が、胴体部30より幅寸法が大きい箱部20の幅方向外側端(具体的には、側面22b)より幅方向内側に位置し易くなる。その結果、箱部20と胴体部30との幅寸法が同じである従来の端子金具に比べ、凸状変形部が端子収容室の内壁面を傷付ける可能性が低くなる。
また、上記実施形態では、特に、図2(b)及び図3(b)に示すように、切欠き部50の最深箇所51における凹状部分を構成する窪み面52(打ち抜き面)の法線が、略上側に向いている。これに対し、図5に示すように、切欠き部50の最深箇所51における凹状部分を構成する窪み面52(打ち抜き面)の法線が、略幅方向外側に向いていてもよい。
図5に示す構成(箱部20の幅寸法aが胴体部30の幅寸法bより小さい)は、例えば、折り曲げ線L2と切欠き部50の最深箇所51との幅方向位置が略同一となり、且つ、折り曲げ線L3が切欠き部50の最深箇所51より幅方向外側に位置するように、湾曲加工を行うことで実現され得る。他方、切欠き部50の最深箇所51における凹状部分を構成する窪み面52が略幅方向外側に向き、且つ、箱部20の幅寸法aが胴体部30の幅寸法bより大きい構成は、折り曲げ線L3と切欠き部50の最深箇所51との幅方向位置が略同一となり、且つ、折り曲げ線L2が切欠き部50の最深箇所51より幅方向外側に位置するように、湾曲加工を行うことで実現され得る。
なお、折り曲げ線L2,L3の位置が最深箇所51から幅方向外側に極端に離れた位置にある場合、腕状部分22及び側縁部32の折り曲げが切欠き部50に実質的な影響を及ぼさず、切欠き部50への応力集中が生じ難くなる。そのため、この場合、切欠き部50に凸状変形部が生じ難くなる。この点において、切欠き部50の形状、板状材料の素材および厚さ等により、凸状変形部が生じ得る折り曲げ線L2,L3の位置は異なる。一例として、発明者の検討によれば、図4(b)に示す形状の切欠き部50の場合、最深箇所51の周辺であって窪み面52が曲面である領域(切欠き部50の先端R領域)を折り曲げ線L2,L3が通過する場合、凸状変形部が生じ易いことが確認されている。別の言い方をすると、折り曲げ線L2,L3がその領域を通過する場合、最深箇所51と腕状部分22の接続点(L2)とが隣接し、最深箇所51と側縁部32の湾曲箇所(L3)とが隣接する、と言える。
また、上記実施形態では、端子金具1がオス端子であるため、端子金具1の前端部にタブ部10が形成されている(図1を参照)。これに対し、端子金具がメス端子である場合には、図6(a)に示すように、タブ部10に代えて、角筒状の筒状部10Aが形成されていてもよい。また、端子金具がメガネ端子である場合には、図6(b)に示すように、タブ部10に代えて、ドーナツ状の平板部10Bが形成されていてもよい。
ここで、上述した本発明に係る端子金具の実施形態の特徴をそれぞれ以下(1)〜(4)に簡潔に纏めて列記する。
(1)
板状材料から構成されると共に、長手方向に並んだ箱部(20)及び胴体部(30)、並びに、前記箱部と前記胴体部との間に設けられた切欠き部(50)、を備えた端子金具(1)であって、
前記箱部(20)は、
前記板状材料の側縁から延出し且つ前記板状材料の一方の主面(21a)に重なるように湾曲した腕状部分(22)を有し、
前記胴体部(30)は、
前記板状材料の側縁が前記腕状部分(22)が湾曲する向きに湾曲した湾曲側縁(32)を有し、
前記切欠き部(50)は、
前記箱部(20)と前記胴体部(30)との間において、前記板状材料の側縁から幅方向内側に窪んだ凹状部分を有し、
前記板状材料の幅方向における前記箱部の大きさ(a)と、前記幅方向における前記胴体部の大きさ(b)と、が異なる、
端子金具。
(2)
上記(1)に記載の端子金具において、
前記箱部(20)の前記腕状部分(22)が、
平板状の箇所(22a)と、前記平板状の箇所と前記板状材料とを繋ぐ湾曲した箇所(22b)と、を有すると共に、前記平板状の箇所(22a)の全てが前記一方の主面(21a)と対面し且つ近接するように配置されている、
端子金具。
(3)
上記(2)に記載の端子金具において、
前記切欠き部の前記凹状部分の最深箇所(51)と、前記箱部の前記腕状部分(22)と前記板状材料との接続点(L2)と、が隣接し、
前記切欠き部の前記凹状部分の最深箇所(51)と、前記胴体部の前記湾曲側縁(32)の湾曲箇所(L3)と、が隣接する、
端子金具。
(4)
上記(3)に記載の端子金具において、
前記切欠き部(50)の前記凹状部分を構成する窪み面の少なくとも一部(51)が、前記板状材料の幅方向外側に向いている、
端子金具。
1 端子金具
20 箱部
21a 上面(主面)
22 腕状部分
22a 湾曲向き正面側の面(平板状の箇所)
22b 側面(湾曲した箇所)
30 胴体部
32 側縁部(湾曲側縁)
50 切欠き部
51 最深箇所
52 凹状部分を構成する窪み面
a 箱部の幅寸法(幅方向の大きさ)
b 胴体部の幅寸法(幅方向の大きさ)
L2 折り曲げ線(湾曲箇所)
L3 折り曲げ線(湾曲箇所)

Claims (4)

  1. 板状材料から構成されると共に、長手方向に並んだ箱部及び胴体部、並びに、前記箱部と前記胴体部との間に設けられた切欠き部、を備えた端子金具であって、
    前記箱部は、
    前記板状材料の側縁から延出し且つ前記板状材料の一方の主面に重なるように湾曲した腕状部分を有し、
    前記胴体部は、
    前記板状材料の側縁が前記腕状部分が湾曲する向きに湾曲した湾曲側縁を有し、
    前記切欠き部は、
    前記箱部と前記胴体部との間において、前記板状材料の側縁から幅方向内側に窪んだ凹状部分を有し、
    前記板状材料の幅方向における前記箱部の大きさと、前記幅方向における前記胴体部の大きさと、が異なる、
    端子金具。
  2. 請求項1に記載の端子金具において、
    前記箱部の前記腕状部分が、
    平板状の箇所と、前記平板状の箇所と前記板状材料とを繋ぐ湾曲した箇所と、を有すると共に、前記平板状の箇所の全てが前記一方の主面と対面し且つ近接するように配置されている、
    端子金具。
  3. 請求項2に記載の端子金具において、
    前記切欠き部の前記凹状部分の最深箇所と、前記箱部の前記腕状部分と前記板状材料との接続点と、が隣接し、
    前記切欠き部の前記凹状部分の最深箇所と、前記胴体部の前記湾曲側縁の湾曲箇所と、が隣接する、
    端子金具。
  4. 請求項3に記載の端子金具において、
    前記切欠き部の前記凹状部分を構成する窪み面の少なくとも一部が、前記板状材料の幅方向外側に向いている、
    端子金具。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20180136558A (ko) * 2016-06-13 2018-12-24 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 고주파 정류기

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