[第1実施形態]
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る情報処理システムについて説明する。図1には、第1実施形態に係る情報処理システムの一例が示されている。
第1実施形態に係る情報処理システム10は、一例として、第1機器としての画像形成装置12と、第2機器としての端末装置14と、を含む。画像形成装置12と端末装置14は、USB(Universal Serial Bus)規格に従ったUSBケーブル16によって互いに接続されており、USBケーブル16を介して互いにデータの送信及びデータの受信を行う。なお、画像形成装置12が情報処理装置の一例に相当し、端末装置14が外部装置の一例に相当する。
以下、画像形成装置12、端末装置14及びUSBケーブル16の概略について説明する。
画像形成装置12は、画像形成機能を備えた装置であり、例えば、プリント機能、スキャン機能、コピー機能及びファクシミリ機能の中の少なくとも1つの機能を備えている。画像形成装置12は、画像形成に関する処理の制御信号(例えばプリントジョブ等のジョブ)を受けると、そのジョブに従って画像形成を行う。ジョブは、端末装置14からUSBケーブル16を介して画像形成装置12に送られてもよいし、端末装置14以外の装置から画像形成装置12に送られてもよい。画像形成装置12は、USB規格以外の通信規格に従って有線通信する機能や無線通信(例えばWi−Fi(登録商標)通信やBluetooth(登録商標)等)する機能を備えていてもよいし、画像形成以外の処理を行ってもよい。また、画像形成装置12は、ユーザインターフェースを備えていてもよい。ユーザインターフェースは、例えば表示部と操作部を含む。表示部は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置であり、操作部は、例えば操作パネルやキーボード等の入力装置である。ユーザインターフェースは、表示部と操作部とを兼ね備えた装置(例えばタッチパネル方式のディスプレイ等)であってもよい。
端末装置14は、例えば、スマートフォン、タブレットPC(パーソナルコンピュータ)、携帯電話、等の携帯端末や、PC、等である。端末装置14は、ユーザインターフェースを備えている。ユーザインターフェースは、例えば表示部と操作部を含む。表示部は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置であり、操作部は、例えば操作パネルやキーボード等の入力装置である。ユーザインターフェースは、表示部と操作部とを兼ね備えた装置(例えばタッチパネル方式のディスプレイ等)であってもよい。また、端末装置14は、USB規格以外の通信規格に従って有線通信する機能や無線通信(例えばWi−Fi通信やBluetooth等)する機能を備えていてもよい。端末装置14は、例えば、USBケーブル16を介して画像形成装置12に接続されると、画像形成装置12のユーザインターフェースとして機能してもよい。この場合、端末装置14のユーザインターフェースに、画像形成装置12の機能に関するメニュー画面(例えば画像形成機能に関するメニュー画面)が表示され、そのメニュー画面上にてユーザによって画像形成の実行指示等が与えられる。また、端末装置14は、他の装置からジョブを受けて、そのジョブをUSBケーブル16や他の通信経路を介して画像形成装置12に送信してもよい。
なお、第1機器及び第2機器は一例に過ぎず、第1機器は画像形成装置12以外の機器(例えばPC等)であってもよいし、第2機器は端末装置14以外の機器(例えばデジタルカメラ等)であってもよい。
第1実施形態に係る情報処理システム10においては、画像形成装置12と端末装置14は、ホスト装置(USBホスト)、又は、非ホスト装置(USBデバイス、ペリフェラル)として機能する。画像形成装置12がホスト装置として機能する場合、端末装置14は非ホスト装置として機能し、画像形成装置12が非ホスト装置として機能する場合、端末装置14はホスト装置として機能する。
USBケーブル16は、電源ラインとしてのVBUS(電源バス)ライン18と、データラインとしての2本のデータ信号線(D+のデータ信号線20とD−のデータ信号線22)と、を含む。VBUSライン18には、ホスト装置から電力が供給される。その電力は、VBUSライン18を介してホスト装置から非ホスト装置に供給される。データ信号線20,22は、差動で用いられる。
なお、画像形成装置12と端末装置14のうち、端末装置14のみがOTG規格に対応していればよい。
以下、画像形成装置12について詳しく説明する。
画像形成装置12は、USB規格に従ったコネクタ24を備えている。コネクタ24には、USBケーブル16の一方の端子が接続される。なお、画像形成装置12は、デュアルロールデバイスではない装置である。
また、画像形成装置12は、大別して、制御部26、セレクタ28及び電力供給部30を含む。制御部26は、画像形成装置12の各部の動作を制御する機能を備えている。制御部26は、例えば、USBケーブル16を介して端末装置14との間で行われるデータ送受信を制御する機能を備えている。セレクタ28は、切換手段の一例に相当し、画像形成装置12のステートをホスト装置又は非ホスト装置のいずれかに切り替える機能を備えている。電力供給部30は、第1電力供給手段の一例に相当し、画像形成装置12の各部に電力を供給する電源装置である。また、電力供給部30は、FET(Field effect transistor)32、ダイオード34、電源ライン36及びコネクタ24を介して、USBケーブル16のVBUSライン18に接続されており、それらを介して、端末装置14に電力を供給する機能を備えている。以下、画像形成装置12の各部について詳しく説明する。
制御部26は、画像形成装置12がホスト装置(USBホスト)として機能する場合、USB規格に従ってホスト用のデータ送受信を制御し、画像形成装置12が非ホスト装置(USBデバイス)として機能する場合、USB規格に従って非ホスト用のデータ送受信を制御する。具体的には、制御部26は、USB規格に従ってホスト用のデータ送受信を制御するホスト用制御部38と、USB規格に従って非ホスト用のデータ送受信を制御する非ホスト用制御部40と、を含む。ホスト用制御部38は、USBホストI/F(インターフェース)として機能し、非ホスト用制御部40は、USB非ホストI/Fとして機能する。
ホスト用制御部38は、端子D+と端子D−を含む。ホスト用制御部38の端子D+は、データラインを介して、セレクタ28の端子D1+に接続されており、ホスト用制御部38の端子D−は、データラインを介して、セレクタ28の端子D1−に接続されている。
また、ホスト用制御部38は、VBUS制御信号を出力する端子VBUS ENを含む。端子VBUS ENは、ラインを介してFET32に接続されている。画像形成装置12がホスト装置(USBホスト)として機能する場合、ホスト用制御部38は、電力供給部30から電力の供給を受けて駆動して、端末装置14との間のデータ送受信を制御し、電力供給部30を制御して電力を端末装置14に供給させる。画像形成装置12が非ホスト装置(USBデバイス)として機能する場合、ホスト用制御部38は、電力供給部30を制御して電力の供給を停止させる。これにより、画像形成装置12のモードは節電モード(節電状態)に移行し、電力供給部30から画像形成装置12の各部(制御部26(ホスト用制御部38と非ホスト用制御部40)を含む)への電力供給が停止する。また、電力供給部30から端末装置14への電力供給も停止する。
非ホスト用制御部40は、端子D+と端子D−を含む。非ホスト用制御部40の端子D+は、データラインを介して、セレクタ28の端子D2+に接続されており、非ホスト用制御部40の端子D−は、データラインを介して、セレクタ28の端子D2−に接続されている。
また、非ホスト用制御部40は、端子VBUSを含む。端子VBUSは電源ライン36に接続されている。後述するように、画像形成装置12が非ホスト装置(USBデバイス)として機能する場合、USBケーブル16のVBUSライン18を介して、ホスト装置(USBホスト)としての端末装置14から画像形成装置12に電力が供給される。端末装置14から供給された電力は、電源ライン36及び端子VBUSを介して非ホスト用制御部40に供給され、非ホスト用制御部40は、その電力によって駆動して、端末装置14との間のデータ送受信を制御する。
以下、ホスト用制御部38及び非ホスト用制御部40の動作について詳しく説明する。
例えば、画像形成装置12のモードが非節電モード(スタンバイ状態)に該当する場合、ホスト用制御部38は、FET32をON状態にするためのVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「H」を示すVBUS制御信号)を出力することで、FET32をON状態にする。これにより、電力供給部30から画像形成装置12の各部(制御部26を含む)に電力が供給され、画像形成装置12はホスト装置(USBホスト)として機能する。また、電力供給部30は、上述したように、FET32、ダイオード34、電源ライン36及びコネクタ24を介して、USBケーブル16のVBUSライン18に接続されており、電力供給部30からの電力が、それらを介して端末装置14に供給される。これにより、端末装置14の電池が充電される。
一方、画像形成装置12のモードが節電モード(節電状態)に該当する場合、ホスト用制御部38は、FET32をOFF状態にするためのVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「L」を示すVBUS制御信号)を出力することで、FET32をOFF状態にする。これにより、電力供給部30から画像形成装置12の各部(制御部26を含む)への電力供給が停止し、画像形成装置12は非ホスト装置(USBデバイス)として機能する。また、電力供給部30から端末装置14への電力供給も停止する。この場合、USBケーブル16のVBUSライン18を介して、端末装置14から画像形成装置12に電力が供給される。その電力は、電源ライン36及び端子VBUSを介して非ホスト用制御部40に供給され、非ホスト用制御部40は、その電力によって駆動して、端末装置14との間のデータ送受信を制御する。
図1に示す例では、FET32とコネクタ24との間にダイオード34が設けられている。ダイオード34のアノードはFET32に接続されており、ダイオード34のカソードはコネクタ24に接続されている。このダイオード34が機能することで、端末装置14から画像形成装置12に電力が供給されたときに、電力供給部30への電力の供給が防止される。
セレクタ28は、端子D+と端子D−を含む。セレクタ28の端子D+は、コネクタ24を介して、USBケーブル16のデータ信号線20(データ信号線D+)に接続され、セレクタ28の端子D−は、コネクタ24を介して、USBケーブル16のデータ信号線22(データ信号線D−)に接続される。また、セレクタ28は、端子D1+、端子D1−、端子D2+及び端子D2−を含む。上述したように、セレクタ28の端子D1+は、データラインを介して、ホスト用制御部38の端子D+に接続されており、セレクタ28の端子D1−は、データラインを介して、ホスト用制御部38の端子D−に接続されている。セレクタ28の端子D2+は、データラインを介して、非ホスト用制御部40の端子D+に接続されており、セレクタ28の端子D2−は、データラインを介して、非ホスト用制御部40の端子D−に接続されている。
セレクタ28は、USBケーブル16に含まれるデータ信号線20,22(データ信号線D+、データ信号線D−)の接続先を、ホスト用制御部38又は非ホスト用制御部40のいずれかに切り替える。セレクタ28は、自身の端子D+を端子D1+に接続し、自身の端子D−を端子D1−に接続することで、データ信号線20,22をホスト用制御部38に接続する。これにより、画像形成装置12のステートがホスト装置に切り替えられる。また、セレクタ28は、自身の端子D+を端子D2+に接続し、自身の端子D−を端子D2−に接続することで、データ信号線20,22を非ホスト用制御部40に接続する。これにより、画像形成装置12のステートが非ホスト装置に切り替えられる。
また、セレクタ28は端子Sを含む。端子Sには、画像形成装置12のステートを示す識別信号としてのID信号が入力される。セレクタ28は、そのID信号に応じて、データ信号線20,22の接続先を、ホスト用制御部38又は非ホスト用制御部40のいずれかに切り替えることで、画像形成装置12のステートをホスト装置又は非ホスト装置のいずれかに切り替える。
端子Sは、データラインを介して、ホスト用制御部38の端子VBUS ENに接続されている。例えば、FET32をON状態にするためのVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「H」を示すVBUS制御信号)がホスト用制御部38から出力されると、そのVBUS制御信号が、端子Sを介してセレクタ28に入力される。そのVBUS制御信号は、画像形成装置12がホスト装置(USBホスト)として機能して、電力供給部30から電力を供給することを示す信号であるため、セレクタ28は、そのVBUS制御信号を受けると、データ信号線20,22をホスト用制御部38に接続する。つまり、画像形成装置12のモードが非節電モード(スタンバイ状態)に該当する場合、セレクタ28は、データ信号線20,22をホスト用制御部38に接続する。これにより、画像形成装置12はホスト装置(USBホスト)として機能する。
一方、FET32をOFF状態にするためのVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「L」を示すVBUS制御信号)がホスト用制御部38から出力されると、そのVBUS制御信号が、端子Sを介してセレクタ28に入力される。そのVBUS制御信号は、画像形成装置12が非ホスト装置(USBデバイス)として機能して、電力供給部30からの電力供給を停止することを示す信号であるため、セレクタ28は、そのVBUS制御信号を受けると、データ信号線20,22を非ホスト用制御部40に接続する。つまり、画像形成装置12のモードが節電モード(節電状態)に該当する場合、セレクタ28は、データ信号線20,22を非ホスト用制御部40に接続する。これにより、画像形成装置12は非ホスト装置(USBデバイス)として機能する。
以下、端末装置14について詳しく説明する。
端末装置14は、USB規格に従ったコネクタ42を備えている。コネクタ42には、USBケーブル16の他方の端子が接続される。
端末装置14は、大別して、制御部44と電力供給部46を含む。制御部44は、端末装置14の各部の動作を制御する機能を備えている。制御部44は、例えば、USBケーブル16を介して画像形成装置12との間で行われるデータ送受信を制御する機能を備えている。電力供給部46は、第2電力供給手段の一例に相当し、端末装置14の各部に電力を供給する電源装置である。また、電力供給部46は、USBケーブル16のVBUSライン18を介して、画像形成装置12に電力を供給する機能を備えている。以下、端末装置14の各部について詳しく説明する。
制御部44はUSB制御部45を含む。USB制御部45は、端末装置14がホスト装置(USBホスト)として機能する場合、USB規格に従ってホスト用のデータ送受信を制御し、端末装置14が非ホスト装置(USBデバイス)として機能する場合、USB規格に従って非ホスト用のデータ送受信を制御する。USB制御部45は、USBホストI/F及びUSB非ホストI/Fの中から選択されたいずれかのI/Fとして機能する。
USB制御部45は、端子D+と端子D−を含む。USB制御部45の端子D+は、コネクタ42を介して、USBケーブル16のデータ信号線20(データ信号線D+)に接続され、USB制御部45の端子D−は、コネクタ42を介して、USBケーブル16のデータ信号線22(データ信号線D−)に接続される。
また、USB制御部45は端子VBUSを含む。端子VBUSは、FET48及びダイオード50を介して、電力供給部46に接続されている。また、USB制御部45は、VBUS制御信号を出力する端子VBUS ENを含む。端子VBUS ENは、ラインを介してFET48に接続されている。また、USBケーブル16のVBUSライン18は、コネクタ42を介して、ダイオード50と端子VBUSとの間に接続される。
画像形成装置12のモードが節電モード(節電状態)に該当して画像形成装置12が非ホスト装置(USBデバイス)として機能する場合、USB制御部45は、電力供給部46から電力の供給を受けて駆動して、画像形成装置12との間のデータ送受信を制御し、電力供給部46を制御して電力を画像形成装置12に供給させる。これにより、端末装置14はホスト装置(USBホスト)として機能する。画像形成装置12のモードが非節電モード(スタンバイ状態)に該当して画像形成装置12がホスト装置(USBホスト)として機能する場合、USB制御部45は、電力供給部46を制御して端末装置14の各部(USB制御部45を含む)への電力供給を停止させる。この場合、USBケーブル16のVBUSライン18を介して、ホスト装置としての画像形成装置12から端末装置14に電力が供給される。画像形成装置12から供給された電力は、端子VBUSを介してUSB制御部45に供給され、USB制御部45は、その電力によって駆動して、画像形成装置12との間のデータ送受信を制御する。これにより、端末装置14は非ホスト装置(USBデバイス)として機能する。
以下、USB制御部45の動作について詳しく説明する。
例えば、画像形成装置12のモードが非節電モード(スタンバイ状態)に該当する場合、USB制御部45は、FET48をOFF状態にするためのVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「L」を示すVBUS制御信号)を出力することで、FET48をOFF状態にする。これにより、電力供給部46から端末装置14の各部(USB制御部45を含む)への電力供給が停止する。この場合、USBケーブル16のVBUSライン18を介して、画像形成装置12から端末装置14に電力が供給される。その電力は、端子VBUSを介してUSB制御部45に供給され、USB制御部45は、その電力によって駆動して、画像形成装置12との間のデータ送受信を制御する。また、端末装置14の電池(電力供給部46)が、画像形成装置12から供給された電力によって充電される。端末装置14は非ホスト装置(USBデバイス)として機能する。なお、画像形成装置12のモードが非節電モード(スタンバイ状態)に該当する場合、画像形成装置12のモードが非節電モードに該当することを示す情報が、画像形成装置12から端末装置14に送信されてもよい。
一方、画像形成装置12のモードが節電モード(節電状態)に該当する場合、USB制御部45は、FET48をON状態にするためのVUBS制御信号(例えば、信号レベルが「H」を示すVBUS制御信号)を出力することで、FET48をON状態にする。これにより、電力供給部46から端末装置14の各部(USB制御部45を含む)に電力が供給される。また、電力供給部46は、FET48、ダイオード50、電源ライン及びコネクタ42を介して、USBケーブル16のVBUSライン18に接続されており、電力供給部46からの電力が、それらを介して画像形成装置12に供給される。端末装置14はホスト装置(USBホスト)として機能する。なお、画像形成装置12のモードが節電モード(節電状態)に該当する場合、画像形成装置12のモードが節電モードに該当することを示す情報が、画像形成装置12から端末装置14に送信されてもよい。
以下、第1実施形態に係る情報処理システム10の動作について詳しく説明する。
図2を参照して、画像形成装置12のモードが非節電モード(スタンバイ状態)のときの情報処理システム10の動作について説明する。図2には、画像形成装置12のモードが非節電モードのときの情報処理システム10の構成が示されている。
画像形成装置12のモードが非節電モード(スタンバイ状態)に該当する場合、ホスト用制御部38は、FET32をON状態にするためのVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「H」を示すVBUS制御信号)を出力することで、FET32をON状態にする。これにより、電力供給部30から画像形成装置12の各部(制御部26を含む)に電力が供給される。また、VBUS制御信号は、端子Sを介してセレクタ28に入力される。VBUS制御信号の信号レベルが「H」であるため、つまり、VBUS制御信号は、画像形成装置12がホスト装置(USBホスト)として機能することを示しているため、セレクタ28は、そのVBUS制御信号を受けると、データ信号線20,22をホスト用制御部38に接続する。これにより、画像形成装置12はホスト装置として機能する。この場合、ホスト用制御部38は、電力供給部30から供給された電力によって駆動して、セレクタ28及びUSBケーブル16を介して、端末装置14との間でデータの送受信を行う。また、電力供給部30からの電力が、FET32、ダイオード34、電源ライン36、コネクタ24及びUSBケーブル16のVBUSライン18を介して、端末装置14に供給される。
画像形成装置12から端末装置14に電力が供給されると、端末装置14のUSB制御部45は、FET48をOFF状態にするためのVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「L」を示すVBUS制御信号)を出力することで、FET48をOFF状態にする。これにより、電力供給部46から端末装置14の各部(USB制御部45を含む)への電力供給が停止する。USBケーブル16のVBUSライン18を介して、画像形成装置12から端末装置14に電力が供給されると、端末装置14において、その電力は、端子VBUSを介してUSB制御部45に供給される。USB制御部45は、その電力によって駆動して、画像形成装置12との間でデータの送受信を行う。これにより、端末装置14は、非ホスト装置(USBデバイス)として機能することになる。また、端末装置14の電池(電力供給部46)が、画像形成装置12から供給された電力によって充電される。
図3を参照して、画像形成装置12のモードが節電モード(節電状態)のときの情報処理システム10の動作について説明する。図3には、画像形成装置12のモードが節電モードのときの情報処理システム10の構成が示されている。
例えば、画像形成装置12のモードが非節電モードに該当する場合において、予め定められた時間の間、画像形成装置12が画像形成等の処理を行っていない場合や、ユーザによって節電の指示が与えられた場合、ホスト用制御部38は、画像形成装置12のモードを節電モード(節電状態)に移行する。節電の指示は、画像形成装置12のユーザインターフェースを介して与えられてもよいし、端末装置14のユーザインターフェースを介して与えられてもよい。例えば、画像形成装置12のモードが非節電モードに該当する場合において、ユーザが端末装置14を利用して節電の指示を与えると、その節電指示を示す情報が、USBケーブル16を介して端末装置14から画像形成装置12に送られる。ホスト用制御部38は、端末装置14から送られた節電指示を示す情報を受けて、画像形成装置12のモードを節電モードに移行する。
画像形成装置12のモードが節電モード(節電状態)に該当する場合、ホスト用制御部38は、FET32をOFF状態にするためのVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「L」を示すVBUS制御信号)を出力することで、FET32をOFF状態にする。これにより、電力供給部30から画像形成装置12の各部(制御部26を含む)への電力供給が停止し、電力供給部30から端末装置14への電力供給も停止する。また、VBUS制御信号は、端子Sを介してセレクタ28に入力する。VBUS制御信号の信号レベルが「L」であるため、つまり、VBUS制御信号は、画像形成装置12が非ホスト装置(USBデバイス)として機能することを示しているため、セレクタ28は、そのVBUS制御信号を受けると、データ信号線20,22を非ホスト用制御部40に接続する。これにより、画像形成装置12は非ホスト装置(USBデバイス)として機能する。
画像形成装置12から端末装置14への電力供給が停止すると、端末装置14のUSB制御部45は、FET48をON状態にするためのVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「H」を示すVBUS制御信号)を出力することで、FET48をON状態にする。これにより、電力供給部46から端末装置14の各部(制御部44を含む)に電力が供給される。USB制御部45は、電力供給部46から供給された電力によって駆動して、画像形成装置12との間でデータの送受信を行う。また、電力供給部46からの電力が、FET48、ダイオード50、電源ライン、コネクタ42及びUSBケーブル16のVBUSライン18を介して、画像形成装置12に供給される。このように、端末装置14は、ホスト装置(USBホスト)として機能することになる。
USBケーブル16のVBUSライン18を介して、端末装置14から画像形成装置12に電力が供給されると、画像形成装置12においては、その電力は、電源ライン36及び端子VBUSを介して非ホスト用制御部40に供給される。非ホスト用制御部40は、その電力によって駆動し、端末装置14との間でデータを送受信する。
画像形成装置12のモードが節電モードに該当する場合において、例えば、ユーザが端末装置14を操作して節電復帰を指示すると、節電復帰要求を示す情報が、USBケーブル16を介して、端末装置14から画像形成装置12に送られる。画像形成装置12のセレクタ28は、節電復帰要求を示す情報を受けると、データ信号線20,22の接続先をホスト用制御部38に切り替える。ホスト用制御部38は、FET32をON状態にするためのVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「H」を示すVBUS制御信号)を出力することで、FET32をON状態にする。これにより、電力供給部30から画像形成装置12の各部に電力が供給され、画像形成装置12のモードは節電モード(節電状態)から非節電モード(スタンバイ状態)に移行し、画像形成装置12はホスト装置(USBホスト)として機能する。また、画像形成装置12から端末装置14に電力が供給される。一方、端末装置14のUSB制御部45は、FET48をOFF状態にすることで、電力供給部46からの電力供給を停止する。これにより、端末装置14は非ホスト装置(USBデバイス)として機能する。端末装置14のUSB制御部45は、画像形成装置12から供給された電力によって駆動する。このようにして、端末装置14から画像形成装置12に節電復帰要求を示す情報が送られると、画像形成装置12が節電状態から復帰してホスト装置として機能し、端末装置14は非ホスト装置として機能する。
図4には、画像形成装置12と端末装置14のステート遷移表が示されている。このステート遷移表には、上述した内容がまとめられている。つまり、画像形成装置12がスタンバイ状態の場合(モードが非節電モードの場合)、画像形成装置12においては、VBUS制御信号のレベルが「H」となり、画像形成装置12はホスト装置(USBホスト)として機能し、端末装置14においては、VBUS制御信号のレベルが「L」となり、端末装置14は非ホスト装置(USBデバイス)として機能する。一方、画像形成装置12が節電状態の場合(モードが節電モードの場合)、画像形成装置12においては、VBUS制御信号のレベルが「L」となり、画像形成装置12は非ホスト装置(USBデバイス)として機能し、端末装置14においては、VUBS制御信号のレベルが「H」となり、端末装置14はホスト装置(USBホスト)として機能する。
以下、図5に示されているシーケンス図を参照して、情報処理システム10の動作について説明する。
まず、画像形成装置12がホスト装置(USBホスト)として機能し、端末装置14が非ホスト装置(USBデバイス)として機能しているものとする。この状態で、例えば、ユーザが端末装置14を操作して節電移行を指示すると、節電移行要求を示す情報が、USBケーブル16を介して、端末装置14から画像形成装置12に送られる(S01)。
画像形成装置12のホスト用制御部38は、端末装置14から節電移行要求を示す情報を受けると、画像形成装置12の電力供給部30からの電力供給を停止させる(VBUS OFF)(S02)。また、セレクタ28は、データ信号線20,22の接続先を非ホスト用制御部40(USBデバイス側)に切り替える(S03)。これにより、画像形成装置12のモードは節電モード(節電状態)に移行し、画像形成装置12は非ホスト装置(USBデバイス)として機能する。
一方、端末装置14のUSB制御部45は、端末装置14の電力供給部46から各部に電力を供給させる(VBUS ON)(S04)。これにより、USBケーブル16を介して、端末装置14から画像形成装置12に電力が供給され、非ホスト用制御部40は、その電力によって駆動する。端末装置14は、ホスト装置(USBホスト)として機能することになる。
その後、画像形成装置12のモードが節電モードに該当する場合において、例えば、ユーザが端末装置14を操作して節電復帰を指示すると、節電復帰要求を示す情報が、USBケーブル16を介して、端末装置14から画像形成装置12に送られる(S05)。
また、端末装置14のUSB制御部45は、端末装置14の電力供給部46からの電力供給を停止させる(VBUS OFF)(S06)。これにより、端末装置14は、非ホスト装置(USBデバイス)として機能する。
画像形成装置12のセレクタ28は、端末装置14から節電復帰要求を示す情報を受けると、データ信号線20,22の接続先をホスト用制御部38(USBホスト側)に切り替える(S07)。ホスト用制御部38は、画像形成装置12の電力供給部30から各部に電力を供給させる(VBUS ON)(S08)。これにより、画像形成装置12は、ホスト装置(USBホスト)として機能する。また、電力供給部30からの電力は、画像形成装置12から端末装置14にも供給される。
上記の第1実施形態によると、画像形成装置12にホスト用制御部38、非ホスト用制御部40及びセレクタ28が設けられており、画像形成装置12の状態(節電状態又はスタンバイ状態)に応じて、セレクタ28によって、USBケーブル16の接続先がホスト用制御部38又は非ホスト用制御部40のいずれかに切り替えられる。これにより、一方の装置(例えば画像形成装置12)がデュアルロールデバイスではない場合であっても、画像形成装置12と端末装置14のステートが、ホスト装置又は非ホスト装置のいずれかに動的に切り替えられる。例えば、USBケーブル16の接続先を物理的に切り替えなくても、画像形成装置12と端末装置14のステートの切り替えが実現される。
また、画像形成装置12のモードが節電モードに該当する場合、電力供給部30からの電力供給が停止し、端末装置14から供給される電力によって非ホスト用制御部40が駆動する。これにより、画像形成装置12の消費電力が削減される。
また、画像形成装置12のモードが節電モードに移行した場合、端末装置14がホスト装置(USBホスト)として機能するため、端末装置14から画像形成装置12に対して節電復帰要求を与えることが可能となる。これにより、画像形成装置12を節電モードから非節電モード(スタンバイ状態)に復帰させることができる。
なお、画像形成装置12のモードが節電モードに該当する場合において、端末装置14がプリントジョブ等のジョブを受け付けた場合、端末装置14は、節電復帰要求を示す情報を画像形成装置12に送ってもよい。これにより、ジョブの受け付けに応じて、画像形成装置12が節電状態からスタンバイ状態に復帰して、ジョブが実行されることになる。
別の例として、画像形成装置12のモードが節電モードに該当する場合において、端末装置14の電源(電力供給部46)の充電率が予め定められた閾値以下となった場合、端末装置14は、節電復帰要求を示す情報を画像形成装置12に送ってもよい。これにより、節電モード時において、端末装置14の電源から供給される電力が不足して、画像形成装置12を節電状態からスタンバイ状態に復帰できないという事態を回避できる。端末装置14の電源の充電率が閾値以下になった場合、端末装置14の制御部44は、端末装置14のユーザインターフェースに警告情報を表示させてもよいし、警告音を出力してもよいし、端末装置14に設けられた光源を点灯させてもよい。これにより、端末装置14の電力が不足することがユーザに報知される。
上記の画像形成装置12と端末装置14はそれぞれ、一例としてハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。具体的には、画像形成装置12と端末装置14のそれぞれは、図示しないCPU等の1又は複数のプロセッサを備えている。当該1又は複数のプロセッサが、図示しない記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、画像形成装置12と端末装置14の各部の機能が実現される。上記プログラムは、例えばCDやDVD等の記録媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信経路を経由して、記憶装置に記憶される。図1に示す例では、画像形成装置12の制御部26と端末装置14の制御部44は、1又は複数のCPUによって構成されている。別の例として、画像形成装置12と端末装置14の各部は、例えばプロセッサや電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア資源によって実現されてもよい。その実現においてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。更に別の例として、画像形成装置12と端末装置14の各部は、DSP(Digital Signal Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって実現されてもよい。例えば、画像形成装置12に含まれるホスト用制御部38がCPUによって構成され、非ホスト用制御部40が、そのCPUとは別体のASICによって構成されてもよい。
[第2実施形態]
図6を参照して、本発明の第2実施形態に係る情報処理システムについて説明する。図6には、第2実施形態に係る情報処理システムの一例が示されている。
第2実施形態に係る情報処理システム60は、一例として、第1機器としての画像形成装置62と、第2機器としての端末装置64と、を含む。画像形成装置62と端末装置64は、USB規格に従ったUSBケーブル66によって互いに接続されており、USBケーブル66を介して互いにデータの送信及びデータの受信を行う。なお、画像形成装置62が情報処理装置の一例に相当し、端末装置64が外部装置の一例に相当する。
以下、画像形成装置62、端末装置64及びUSBケーブル66の概略について説明する。
画像形成装置62は、画像形成機能を備えた装置であり、例えば、プリント機能、スキャン機能、コピー機能及びファクシミリ機能の中の少なくとも1つの機能を備えている。画像形成装置62は、画像形成に関する処理の制御信号(例えばプリントジョブ等のジョブ)を受けると、そのジョブに従って画像形成を行う。ジョブは、端末装置64からUSBケーブル66を介して画像形成装置62に送られてもよいし、端末装置64以外の装置から画像形成装置62に送られてもよい。画像形成装置62は、USB規格以外の通信規格に従って有線通信する機能や無線通信(例えばWi−Fi通信やBluetooth等)する機能を備えていてもよいし、画像形成以外の処理を行ってもよい。また、画像形成装置62は、ユーザインターフェースを備えていてもよい。ユーザインターフェースは、例えば表示部と操作部を含む。表示部は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置であり、操作部は、例えば操作パネルやキーボード等の入力装置である。ユーザインターフェースは、表示部と操作部とを兼ね備えた装置(例えばタッチパネル方式のディスプレイ等)であってもよい。
端末装置64は、例えば、スマートフォン、タブレットPC、携帯電話、等の携帯端末や、PC、等である。端末装置64は、ユーザインターフェースを備えている。ユーザインターフェースは、例えば表示部と操作部を含む。表示部は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置であり、操作部は、例えば操作パネルやキーボード等の入力装置である。ユーザインターフェースは、表示部と操作部とを兼ね備えた装置(例えばタッチパネル方式のディスプレイ等)であってもよい。また、端末装置64は、USB規格以外の通信規格に従って有線通信する機能や無線通信(例えばWi−Fi通信やBluetooth等)する機能を備えていてもよい。端末装置64は、例えば、USBケーブル66を介して画像形成装置62に接続されると、画像形成装置62のユーザインターフェースとして機能してもよい。この場合、端末装置64のユーザインターフェースに、画像形成装置62の機能に関するメニュー画面(例えば画像形成機能に関するメニュー画面)が表示され、そのメニュー画面上にてユーザによって画像形成の実行指示等が与えられる。また、端末装置64は、他の装置からジョブを受けて、そのジョブをUSBケーブル66や他の通信経路を介して画像形成装置62に送信してもよい。
なお、第1機器及び第2機器は一例に過ぎず、第1機器は画像形成装置62以外の機器(例えばPC等)であってもよいし、第2機器は端末装置64以外の機器(例えばデジタルカメラ等)であってもよい。
第2実施形態に係る情報処理システム60においては、画像形成装置62と端末装置64は、ホスト装置(USBホスト)、又は、非ホスト装置(USBデバイス、ペリフェラル)として機能する。画像形成装置62がホスト装置として機能する場合、端末装置64は非ホスト装置として機能し、画像形成装置62が非ホスト装置として機能する場合、端末装置64はホスト装置として機能する。
USBケーブル66は、第1実施形態に係るUSBケーブル16と同様に、電源ラインとしてのVBUS(電源バス)ライン68と、データラインとしての2本のデータ信号線(D+のデータ信号線70とD−のデータ信号線72)と、を含む。VBUSライン68には、ホスト装置から電力が供給される。その電力は、VBUSライン68を介してホスト装置から非ホスト装置に供給される。データ信号線70,72は、差動で用いられる。
以下、画像形成装置62について詳しく説明する。
画像形成装置62は、USB規格に従ったコネクタ74を備えている。コネクタ74には、USBケーブル66の一方の端子が接続される。
また、画像形成装置62は、大別して、制御部76と電力供給部78を含む。制御部76は、画像形成装置62の各部の動作を制御する機能を備えている。制御部76は、例えば、USBケーブル66を介して端末装置64との間で行われるデータ送受信を制御する機能を備えている。電力供給部78は、第1電力供給手段の一例に相当し、画像形成装置62の各部に電力を供給する電源装置である。また、電力供給部78は、FET80、ダイオード82、電源ライン84及びコネクタ74を介して、USBケーブル66のVBUSライン68に接続されており、それらを介して、端末装置64に電力を供給する機能を備えている。以下、画像形成装置62の各部について詳しく説明する。
制御部76はUSB制御部77を含む。USB制御部77は、画像形成装置62がホスト装置(USBホスト)として機能する場合、USB規格に従ってホスト用のデータ送受信を制御し、画像形成装置62が非ホスト装置(USBデバイス)として機能する場合、USB規格に従って非ホスト用のデータ送受信を制御する。また、USB制御部77は、切換手段の一例として機能し、ホスト装置又は非ホスト装置のいずれかを示す識別信号としてのID信号に応じて、画像形成装置62のステートをホスト装置又は非ホスト装置のいずれかに切り替える。USB制御部77は、USBホストI/F及びUSB非ホストI/Fの中から選択されたいずれかのI/Fとして機能する。
USB制御部77は、端子D+と端子D−を含む。USB制御部77の端子D+は、データラインとコネクタ74を介して、USBケーブル66のデータ信号線70(データ信号線D+)に接続され、USB制御部77の端子D−は、データラインとコネクタ74を介して、USBケーブル66のデータ信号線72(データ信号線D−)に接続される。
また、USB制御部77は、VBUS制御信号を出力する端子VBUS ENを含む。端子VBUS ENは、ラインを介してFET80に接続されている。画像形成装置62がホスト装置(USBホスト)として機能する場合、USB制御部77は、電力供給部78から電力の供給を受けて駆動して、端末装置64との間のデータ送受信を制御し、電力供給部78を制御して電力を端末装置64に供給させる。画像形成装置62が非ホスト装置(USBデバイス)として機能する場合、USB制御部77は、電力供給部78を制御して電力の供給を停止させる。これにより、画像形成装置62のモードが節電モード(節電状態)に移行し、電力供給部78から画像形成装置62の各部(制御部76を含む)への電力供給が停止する。また、電力供給部78から端末装置64への電力供給も停止する。
また、USB制御部77は端子VBUSを含む。端子VUBSは電源ライン84に接続されている。後述するように、画像形成装置62が非ホスト装置(USBデバイス)として機能する場合、USBケーブル66のVBUSライン68を介して、ホスト装置(USBホスト)としての端末装置64から画像形成装置62に電力が供給される。端末装置64から供給された電力は、電源ライン84及び端子VBUSを介してUSB制御部77に供給され、USB制御部77は、その電力によって駆動して、端末装置64との間のデータ送受信を制御する。
例えば、画像形成装置62のモードが非節電モード(スタンバイ状態)に該当する場合、USB制御部77は、FET80をON状態にするためのVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「H」を示すVBUS制御信号)を出力することで、FET80をON状態にする。これにより、電力供給部78から画像形成装置62の各部(制御部76を含む)に電力が供給され、画像形成装置62はホスト装置(USBホスト)として機能する。また、電力供給部78は、上述したように、FET80、ダイオード82、電源ライン84及びコネクタ74を介して、USBケーブル66のVBUSライン68に接続されており、電力供給部78からの電力が、それらを介して端末装置64に供給される。これにより、端末装置64の電池が充電される。
一方、画像形成装置62のモードが節電モード(節電状態)に該当する場合、USB制御部77は、FET80をOFF状態にするためのVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「L」を示すVBUS制御信号)を出力することで、FET80をOFF状態にする。これにより、電力供給部78から画像形成装置62の各部(制御部76を含む)への電力供給が停止し、画像形成装置62は非ホスト装置(USBデバイス)として機能する。また、電力供給部78から端末装置64への電力供給も停止する。この場合、USBケーブル66のVBUSライン68を介して、端末装置64から画像形成装置62に電力が供給される。その電力は、電源ライン84及び端子VBUSを介してUSB制御部77に供給され、USB制御部77は、その電力によって駆動して、端末装置64との間のデータ送受信を制御する。
図6に示す例では、FET80とコネクタ74との間にダイオード82が設けられている。ダイオード82のアノードはFET80に接続されており、ダイオード82のカソードはコネクタ74に接続されている。このダイオード82が機能することで、端末装置64から画像形成装置62に電力が供給されたときに、電力供給部78への電力の供給が防止される。
また、USB制御部77は端子IDを含む。端子IDには、画像形成装置62のステートを示す識別情報としてのID信号が入力される。USB制御部77は、そのID信号に応じて、画像形成装置62のステートをホスト装置又は非ホスト装置のいずれかに切り替える。
端子IDは、データライン及び反転器86を介して、USB制御部77の端子VBUS ENに接続されている。反転器86は、信号のレベルを反転させる機能を備えている。
例えば、FET80をON状態にするためのVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「H」を示すVBUS制御信号)がUSB制御部77から出力されると、そのVBUS制御信号のレベルは反転器86によって反転させられ、反転後のVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「L」を示すVBUS制御信号)は、ID信号として端子IDを介してUSB制御部77に入力される。信号レベルが「L」を示すVBUS制御信号は、画像形成装置62がホスト装置(USBホスト)として機能して、電力供給部78から電力を供給することを示す信号であるため、USB制御部77は、そのVBUS制御信号を受けると、画像形成装置62のステートをホスト装置(USBホスト)に切り替える。つまり、画像形成装置62のモードが非節電モード(スタンバイ状態)に該当する場合、USB制御部77は、画像形成装置62のステートをホスト装置に切り替える。
一方、FET80をOFF状態にするためのVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「L」を示すVBUS制御信号)がUSB制御部77から出力されると、そのVBUS制御信号のレベルは反転器86によって反転させられ、反転後のVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「H」を示すVBUS制御信号)は、ID信号として端子IDを介してUSB制御部77に入力される。信号レベルが「H」を示すVBUS制御信号は、画像形成装置62が非ホスト装置(USBデバイス)として機能して、電力供給部78からの電力供給を停止することを示す情報であるため、USB制御部77は、そのVBUS制御信号を受けると、画像形成装置62のステートを非ホスト装置(USBデバイス)に切り替える。つまり、画像形成装置62のモードが節電モード(節電状態)に該当する場合、USB制御部77は、画像形成装置62のステートを非ホスト装置に切り替える。
なお、図6に示す例では、反転器86を用いて、VBUS制御信号のレベルを反転させているが、反転器86を用いずに、VBUS制御信号をID信号として用いてもよい。この場合、例えば、信号レベルが「H」を示すVBUS制御信号が、画像形成装置62がホスト装置として機能することを示す情報であり、信号レベルが「L」を示すVBUS制御信号が、画像形成装置62が非ホスト装置として機能することを示す情報となる。
以下、端末装置64について詳しく説明する。
端末装置64は、USB規格に従ったコネクタ88を備えている。コネクタ88には、USBケーブル66の他方の端子が接続される。
端末装置64は、大別して、制御部90と電力供給部92を含む。制御部90は、端末装置64の各部の動作を制御する機能を備えている。制御部90は、例えば、USBケーブル66を介して画像形成装置62との間で行われるデータ送受信を制御する機能を備えている。電力供給部92は、第2電力供給手段の一例に相当し、端末装置64の各部に電力を供給する電源装置である。また、電力供給部92は、USBケーブル66のVBUSライン68を介して、画像形成装置62に電力を供給する機能を備えている。以下、端末装置64の各部について詳しく説明する。
制御部90はUSB制御部94を含む。USB制御部94は、端末装置64がホスト装置(USBホスト)として機能する場合、USB規格に従ってホスト用のデータ送受信を制御し、端末装置64が非ホスト装置(USBホスト)として機能する場合、USB規格に従って非ホスト用のデータ送受信を制御する。USB制御部94は、USBホストI/F及びUSB非ホストI/Fの中から選択されたいずれかのI/Fとして機能する。
USB制御部94は、端子D+と端子D−を含む。USB制御部94の端子D+は、コネクタ88を介して、USBケーブル66のデータ信号線70(データ信号線D+)に接続され、USB制御部94の端子D−は、コネクタ88を介して、USBケーブル66のデータ信号線72(データ信号線D−)に接続される。
また、USB制御部94は端子VBUSを含む。端子VBUSは、FET96及びダイオード98を介して、電力供給部92に接続されている。また、USB制御部94は、VBUS制御信号を出力する端子VBUS ENを含む。端子VBUS ENは、ラインを介してFET96に接続されている。また、USBケーブル66のVBUSライン68は、コネクタ88を介して、ダイオード98と端子VBUSとの間に接続されている。
画像形成装置62が非ホスト装置(USBデバイス)として機能する場合、USB制御部94は、電力供給部92から電力の供給を受けて駆動して、画像形成装置62との間のデータ送受信を制御し、電力供給部92を制御して電力を画像形成装置62に供給させる。これにより、端末装置64はホスト装置(USBホスト)として機能する。画像形成装置62がホスト装置(USBホスト)として機能する場合、USB制御部94は、電力供給部92を制御して端末装置64の各部(USB制御部94を含む)への電力供給を停止させる。この場合、USBケーブル66のVBUSライン68を介して、ホスト装置としての画像形成装置62から端末装置64に電力が供給される。画像形成装置62から供給された電力は、端子VBUSを介してUSB制御部94に供給され、USB制御部94は、その電力によって駆動して、画像形成装置62との間のデータ送受信を制御する。これにより、端末装置64は非ホスト装置(USBデバイス)として機能する。
例えば、画像形成装置62のモードが非節電モード(スタンバイ状態)に該当する場合、USB制御部94は、FET96をOFF状態にするためのVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「L」を示すVBUS制御信号)を出力することで、FET96をOFF状態にする。これにより、電力供給部92から端末装置64の各部(USB制御部94を含む)への電力供給が停止する。この場合、USBケーブル66のVBUSライン68を介して、画像形成装置62から端末装置64に電力が供給される。その電力は、端子VBUSを介してUSB制御部94に供給され、USB制御部94は、その電力によって駆動して、画像形成装置62との間のデータ送受信を制御する。また、端末装置64の電池(電力供給部92)が、画像形成装置62から供給された電力によって充電される。端末装置64は非ホスト装置(USBデバイス)として機能する。
一方、画像形成装置62のモードが節電モード(節電状態)に該当する場合、USB制御部94は、FET96をON状態にするためのVUBS制御信号(例えば、信号レベルが「H」を示すVBUS制御信号)を出力することで、FET96をON状態にする。これにより、電力供給部92から端末装置64の各部(USB制御部94を含む)に電力が供給される。また、電力供給部92は、FET96、ダイオード98、電源ライン及びコネクタ88を介して、USBケーブル66のVBUSライン68に接続されており、電力供給部92からの電力が、それらを介して画像形成装置62に供給される。端末装置64はホスト装置(USBホスト)として機能する。
また、USB制御部94は端子IDを含む。端子IDには、端末装置64のステートを示す識別情報としてのID信号が入力される。USB制御部94は、そのID信号に応じて、端末装置64のステートをホスト装置又は非ホスト装置のいずれかに切り替える。
端子IDは、データライン及び反転器100を介して、USB制御部94の端子VBUS ENに接続されている。反転器100は、信号のレベルを反転させる機能を備えている。
例えば、FET96をON状態にするためのVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「H」を示すVBUS制御信号)がUSB制御部94から出力されると、そのVBUS制御信号のレベルは反転器100によって反転させられ、反転後のVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「L」を示すVBUS制御信号)が、ID信号として端子IDを介してUSB制御部94に入力される。信号レベルが「L」を示すVBUS制御信号は、端末装置64がホスト装置(USBホスト)として機能して、電力供給部92から電力を供給することを示す信号であるため、USB制御部94は、そのVBUS制御信号を受けると、端末装置64のステートをホスト装置に切り替える。つまり、画像形成装置62のモードが節電モード(節電状態)に該当する場合、USB制御部94は、端末装置64のステートをホスト装置(USBホスト)に切り替える。
一方、FET96をOFF状態にするためのVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「L」を示すVBUS制御信号)がUSB制御部94から出力されると、そのVBUS制御信号のレベルは反転器100によって反転させられ、反転後のVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「H」を示すVBUS制御信号)が、ID信号として端子IDを介してUSB制御部94に入力される。信号レベルが「H」を示すVBUS制御信号は、端末装置64が非ホスト装置(USBデバイス)として機能して、電力供給部92からの電力供給を停止することを示す情報であるため、USB制御部94は、そのVBUS制御信号を受けると、端末装置64のステートを非ホスト装置に切り替える。つまり、画像形成装置62のモードが非節電モード(スタンバイ状態)に該当する場合、USB制御部94は、端末装置64のステートを非ホスト装置(USBデバイス)に切り替える。
なお、図6に示す例では、反転器100を用いて、VBUS制御信号のレベルを反転させているが、反転器100を用いずに、VBUS制御信号をID信号として用いてもよい。この場合、例えば、信号レベルが「H」を示すVBUS制御信号が、端末装置64がホスト装置として機能することを示す情報であり、信号レベルが「L」を示すVBUS制御信号が、端末装置64が非ホスト装置として機能することを示す情報となる。
以下、第2実施形態に係る情報処理システム60の動作について詳しく説明する。
図7を参照して、画像形成装置62のモードが非節電モード(スタンバイ状態)のときの情報処理システム60の動作について説明する。図7には、画像形成装置62のモードが非節電モードのときの情報処理システム60の構成が示されている。
画像形成装置62のモードが非節電モード(スタンバイ状態)に該当する場合、画像形成装置62のUSB制御部77は、FET80をON状態にするためのVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「H」を示すVBUS制御信号)を出力することで、FET80をON状態にする。これにより、電力供給部78から画像形成装置62の各部(制御部76を含む)に電力が供給され、画像形成装置62は、ホスト装置(USBホスト)として機能する。
また、VBUS制御信号は反転器86によって反転させられ、反転後のVBUS制御信号は、ID信号として、端子IDを介してUSB制御部77に入力される。反転後のVBUS制御信号(ID信号)の信号レベルが「L」であるため、つまり、反転後のVBUS制御信号(ID信号)は、画像形成装置62がホスト装置(USBホスト)として機能することを示しているため、USB制御部77は、そのID信号を受けると、そのID信号に基づいて、画像形成装置62自身がホスト装置であることを識別し、ホスト用のデータ送受信を制御する。この場合、USB制御部77は、電力供給部78から供給された電力によって駆動して、USBケーブル66を介して、端末装置64との間でデータの送受信を行う。
また、電力供給部78からの電力が、FET80、ダイオード82、電源ライン84、コネクタ74及びUSBケーブル66のVBUSライン68を介して、端末装置64に供給される。
画像形成装置62から端末装置64に電力が供給されると、端末装置64のUSB制御部94は、FET96をOFF状態にするためのVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「L」を示すVBUS制御信号)を出力することで、FET96をOFF状態にする。これにより、電力供給部92から端末装置64の各部(USB制御部94を含む)への電力供給が停止する。USBケーブル66のVBUSライン68を介して、画像形成装置62から端末装置64に電力が供給されると、端末装置64において、その電力は、端子VBUSを介してUSB制御部94に供給される。USB制御部94は、その電力によって駆動して、画像形成装置62との間でデータの送受信を行う。これにより、端末装置64は、非ホスト装置(USBデバイス)として機能することになる。また、端末装置64の電池(電力供給部92)が、画像形成装置62から供給された電力によって充電される。
また、VBUS制御信号は反転器100によって反転させられ、反転後のVBUS制御信号は、ID信号として、端子IDを介してUSB制御部94に入力される。反転後のVBUS制御信号(ID信号)の信号レベルが「H」であるため、つまり、反転後のVBUS制御信号(ID信号)は、端末装置64が非ホスト装置(USBデバイス)として機能することを示しているため、USB制御部94は、そのID信号を受けると、そのID信号に基づいて、端末装置64自身が非ホスト装置であることを識別し、非ホスト用のデータ送受信を制御する。この場合、USB制御部94は、画像形成装置62から供給された電力によって駆動して、USBケーブル66を介して、画像形成装置62との間でデータの送受信を行う。
図8を参照して、画像形成装置62のモードが節電モード(節電状態)のときの情報処理システム60の動作について説明する。図8には、画像形成装置62のモードが節電モードのときの情報処理システム60の構成が示されている。
第1実施形態と同様に、例えば、画像形成装置62のモードが非節電モード(スタンバイ状態)に該当する場合において、予め定められた時間の間、画像形成装置62が画像形成等の処理を行っていない場合や、ユーザによって節電の指示が与えられた場合、USB制御部77は、画像形成装置62のモードを節電モード(節電状態)に移行する。節電の指示は、画像形成装置62のユーザインターフェースを介して与えられてもよいし、端末装置64のユーザインターフェースを介して与えられてもよい。例えば、画像形成装置62のモードが非節電モードに該当する場合において、ユーザが端末装置64を利用して節電の指示を与えると、その節電指示を示す情報は、USBケーブル66を介して端末装置64から画像形成装置62に送られる。USB制御部77は、端末装置64から送られた節電指示を示す情報を受けて、画像形成装置62のモードを節電モードに移行する。
画像形成装置62のモードが節電モード(節電状態)に該当する場合、USB制御部77は、FET80をOFF状態にするためのVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「L」を示すVBUS制御信号)を出力することで、FET80をOFF状態にする。これにより、電力供給部78から画像形成装置62の各部(制御部76を含む)への電力供給が停止し、画像形成装置62は、非ホスト装置(USBデバイス)として機能する。また、電力供給部78から端末装置64への電力供給も停止する。
また、VBUS制御信号は反転器86によって反転させられ、反転後のVBUS制御信号は、ID信号として、端子IDを介してUSB制御部77に入力される。反転後のVBUS制御信号(ID信号)の信号レベルが「H」であるため、つまり、反転後のVBUS制御信号(ID信号)は、画像形成装置62が非ホスト装置(USBデバイス)として機能することを示しているため、USB制御部77は、そのID信号を受けると、そのID信号に基づいて、画像形成装置62自身が非ホスト装置(USBデバイス)であることを識別する。
画像形成装置62から端末装置64への電力供給が停止すると、端末装置64のUSB制御部94は、FET96をON状態にするためのVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「H」を示すVBUS制御信号)を出力することで、FET96をON状態にする。これにより、電力供給部92から端末装置64の各部(制御部90を含む)に電力が供給される。USB制御部94は、電力供給部92から供給された電力によって駆動して、画像形成装置62との間でデータの送受信を行う。また、電力供給部92からの電力が、FET96、ダイオード98、電源ライン、コネクタ88及びUSBケーブル66のVBUSライン68を介して、画像形成装置62に供給される。このように、端末装置14は、ホスト装置(USBホスト)として機能することになる。
また、VBUS制御信号は反転器100によって反転させられ、反転後のVBUS制御信号は、ID信号として、端子IDを介してUSB制御部94に入力される。反転後のVBUS制御信号(ID信号)の信号レベルが「L」であるため、つまり、反転後のVBUS制御信号(ID信号)は、端末装置64がホスト装置(USBホスト)として機能することを示しているため、USB制御部94は、そのID信号を受けると、そのID信号に基づいて、端末装置64自身がホスト装置(USBホスト)であることを識別し、ホスト用のデータ送受信を制御する。
USBケーブル66のVBUSライン68を介して、端末装置64から画像形成装置62に電力が供給されると、画像形成装置62においては、その電力は、電源ライン84及び端子VBUSを介してUSB制御部77に供給される。USB制御部77は、その電力によって駆動し、端末装置64との間でデータを送受信する。このように、画像形成装置62は、非ホスト装置(USBデバイス)として機能する。
画像形成装置62のモードが節電モード(節電状態)に該当する場合において、例えば、ユーザが端末装置64を操作して節電復帰を指示すると、節電復帰要求を示す情報が、USBケーブル66を介して、端末装置64から画像形成装置62に送られる。画像形成装置62のUSB制御部77は、節電復帰供給を示す情報を受けると、FET80をON状態にするためのVBUS制御信号(例えば、信号レベルが「H」を示すVBUS制御信号)を出力することで、FET80をON状態にする。これにより、電力供給部78から画像形成装置62の各部に電力が供給され、画像形成装置62のモードは節電モード(節電状態)から非節電モード(スタンバイ状態)に移行し、画像形成装置62はホスト装置(USBホスト)として機能する。また、USB制御部77は、ID信号に基づいて、画像形成装置62自身がホスト装置であると識別する。また、画像形成装置62から端末装置64に電力が供給される。端末装置64のUSB制御部94は、画像形成装置62から供給された電力によって駆動し、FET96をOFF状態にすることで、電力供給部92からの電力供給を停止する。これにより、端末装置64は非ホスト装置(USBデバイス)として機能する。このようにして、端末装置64から画像形成装置62に節電復帰要求を示す情報が送られると、画像形成装置62が節電状態から復帰してホスト装置として機能し、端末装置64は非ホスト装置として機能する。
画像形成装置62と端末装置64のステート遷移表は、図4に示されている第1実施形態に係るステート遷移表と同じであるため、その説明を省略する。
以下、図9に示されているシーケンス図を参照して、情報処理システム60の動作について説明する。
まず、画像形成装置62がホスト装置(USBホスト)として機能し、端末装置64が非ホスト装置(USBデバイス)として機能しているものとする。この状態で、例えば、ユーザが端末装置64を操作して節電移行を指示すると、節電移行要求を示す情報が、USBケーブル66を介して、端末装置64から画像形成装置62に送られる(S10)。
画像形成装置62のUSB制御部77は、端末装置64から節電移行要求を示す情報を受けると、画像形成装置62の電力供給部78からの電力供給を停止させる(VBUS OFF)(S11)。また、USB制御部77は、ID信号に基づいて、画像形成装置62自身が非ホスト装置(USBデバイス)であると識別する。これにより、画像形成装置62のモードは節電モードに移行し、画像形成装置12は非ホスト装置(USBデバイス)として機能する。
一方、端末装置64のUSB制御部94は、端末装置64の電力供給部92から各部に電力を供給させる(VBUS ON)(S12)。これにより、USBケーブル66を介して、端末装置64から画像形成装置62に電力が供給され、画像形成装置62のUSB制御部77は、その電力によって駆動する。また、端末装置64のUSB制御部94は、ID信号に基づいて、端末装置64自身がホスト装置(USBホスト)であると識別する。これにより、端末装置64は、ホスト装置(USBホスト)として機能する。
その後、画像形成装置62のモードが節電モード(節電状態)に該当する場合において、例えば、ユーザが端末装置64を操作して節電復帰を指示すると、節電復帰要求を示す情報が、USBケーブル66を介して、端末装置64から画像形成装置62に送られる(S13)。
また、端末装置64のUSB制御部94は、端末装置14の電力供給部46からの電力供給を停止させる(VBUS OFF)(S14)。これにより、端末装置14は、非ホスト装置(USBデバイス)として機能する。
画像形成装置62のUSB制御部77は、端末装置64から節電復帰要求を示す情報を受けると、画像形成装置62の電力供給部78から各部に電力を供給させる(VBUS ON)(S15)。また、USB制御部77は、ID信号に基づいて、画像形成装置62自身がホスト装置(USBホスト)であると識別する。これにより、画像形成装置62は、ホスト装置(USBホスト)として機能する。また、電力供給部78からの電力は、画像形成装置62から端末装置64にも供給される。
上記の第2実施形態によると、画像形成装置62の状態(節電状態又はスタンバイ状態)に応じて、ID信号によって、画像形成装置62と端末装置64のステートが、ホスト装置又は非ホスト装置のいずれかに動的に切り替えられる。
また、画像形成装置62のモードが節電モードに該当する場合、電力供給部78からの電力供給が停止し、端末装置64から供給される電力によってUSB制御部77が駆動する。これにより、画像形成装置62の消費電力が削減される。
また、画像形成装置62のモードが節電モードに移行した場合、端末装置64がホスト装置(USBホスト)として機能するため、端末装置64から画像形成装置62に対して節電復帰要求を与えることが可能となる。これにより、画像形成装置62を節電モードから非節電モード(スタンバイ状態)に復帰させることができる。
なお、第1実施形態と同様に、画像形成装置62のモードが節電モードに該当する場合において、端末装置64がプリントジョブ等のジョブを受け付けた場合、端末装置64は、節電復帰要求を示す情報を画像形成装置12に送ってもよい。別の例として、端末装置64の電源(電力供給部92)の充電率が予め定められた閾値以下となった場合、端末装置64は、節電復帰要求を示す情報を画像形成装置62に送ってもよい。また、端末装置64のユーザインターフェースに警告情報を表示したり、警告音を出力したり、光源を点灯させたりしてもよい。
上記の画像形成装置62と端末装置64はそれぞれ、一例としてハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。具体的には、画像形成装置62と端末装置64のそれぞれは、図示しないCPU等の1又は複数のプロセッサを備えている。当該1又は複数のプロセッサが、図示しない記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、画像形成装置62と端末装置64の各部の機能が実現される。上記プログラムは、例えばCDやDVD等の記録媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信経路を経由して、記憶装置に記憶される。図6に示す例では、画像形成装置62の制御部76と端末装置64の制御部90は、1又は複数のCPUによって構成されている。別の例として、画像形成装置62と端末装置64の各部は、例えばプロセッサや電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア資源によって実現されてもよい。その実現においてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。更に別の例として、画像形成装置62と端末装置64の各部は、DSP(Digital Signal Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって実現されてもよい。